説明

エンコーダ及びこのエンコーダを操作する方法

【課題】停電時のエネルギー消費を低下させた絶対位置測定用エンコーダを提供する。
【解決手段】励磁電流Iが、スイッチ素子2.25を切り替えることによってターンオン期間を有するターンオンパルスで生成されること、及び、前記ターンオンパルスの立ち下りエッジ後の領域内で位置情報を算出するため、第1検出巻線2.221および第2検出巻線2.222内で誘導した少なくとも1つの電圧(U,U,U,U)が測定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の電磁誘導式の測定原理にしたがって作動する、相対位置を測定するためのエンコーダ及び請求項13に記載のこのようなエンコーダを操作するための対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁誘導式エンコーダが、例えば、相対して回転可能な2つの機械部品の角度位置を測定する電磁誘導式ロータリーエンコーダとして構成され得る。電磁誘導式ロータリーエンコーダの場合、例えばランドパターンの形態の励磁巻線及び受信コイルが、例えばロータリーエンコーダの固定子に固定接合されている1つの共通の回路基板上に形成される。コード板として形成されているもう1つの回路基板、この共通の回路基板に対向して存在する。目盛領域又は目盛構造体としての複数の導電性の表面及び複数の非導電性の表面が、このもう1つの回路基板上に周期的な間隔で交互に形成されている。そしてこのもう1つの回路基板は、ロータリーエンコーダの回転子に固定接合されている。交流磁界が、励磁電流を通電することによって励磁巻線で作られる時に、角度位置つまり目盛構造体と受信コイルとの間の相対位置に依存する信号が、相対回転の間に受信コイル中で生成される。これに対する原因は、目盛構造体が励磁電流によって作られた磁界に影響する、すなわちこの磁界を強く又は弱くするという理由にある。次いでこれらの信号が、評価電子機器内でさらに処理される。
【0003】
多くの場合、このようなロータリーエンコーダは、電気駆動装置用の測定機器として、対応する駆動軸の絶対角度位置を測定するために使用される。この場合、システムの停止後又は停電時でも、最低限でも、この状態で起こった全ての回転が計数されることが、特に安全技術的な観点から重要である。
【0004】
本出願人のドイツ連邦共和国特許出願公開第197 51 853号明細書では、電磁誘導式ロータリーエンコーダの構造が記されている。この構造の場合、励磁コイル及び受信コイルが、1つの多層回路基板構造体内に配置されている。
【0005】
このようなロータリーエンコーダが、公共配電電圧の供給不足時でも、最低限でも、進行された全ての回転の回数及び回転方向を計数できるように、従来から、対応する磁石が、回転子に設けられ、計数信号を生成する2つ以上の磁石センサが、固定子の回路基板に設けられている。これらの磁石センサ及び計数に必要な評価電子機器が、この動作状態で緩衝蓄電池によって給電される。
【0006】
本出願人のドイツ連邦共和国特許出願第10 2006 046 531.8号明細書では、公共配電電圧の供給不足時に省エネモードで動作され得る電磁誘導式ロータリーエンコーダが記されている。この省エネモードでは、当該ロータリーエンコーダが、緩衝蓄電池によって給電される。このモード中のエネルギー消費を低下させるため、励磁コイルをパルス化された励磁電流だけによって給電することが提唱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願公開第197 51 853号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許出願第10 2006 046 531.8号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、従来の技術に比べてさらに改良されている電磁誘導式エンコーダを提供することにある。
【0009】
さらに本発明の課題は、このような電磁誘導式エンコーダを操作する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、当該エンコーダに関しては請求項1に記載の特徴によって解決される。
【0011】
少なくとも1つの目盛トラックが形成されている計測基準とキャリヤ本体とを有するエンコーダが提唱される。少なくとも1つの励磁巻線及び電磁界を走査する少なくとも1つの検出配置が、このキャリヤ本体に配置されている。電磁界を作るため、励磁電流が、この励磁巻線に通電可能である。さらに当該エンコーダは、励磁巻線と一緒にLC共振回路を構成するコンデンサ,評価要素及びこの評価要素によって切替可能であるスイッチ素子を有する。当該計測基準及び当該キャリヤ本体は相対可動に配置されていて、このキャリヤ本体に対する計測基準の相対移動時に、電磁界が、少なくとも1つの目盛トラックによって影響される。当該LC共振回路は、スイッチ素子を切り替えることによって励磁電流で作動可能である。この励磁電流は、検出配置内で少なくとも1つの電圧を誘導する。この電圧は、位置情報を算出するために評価要素によって電子式に評価可能である。本発明は、励磁電流がスイッチ素子を切り替えることによってターンオン期間TPを有するターンオンパルスで生成されること、及び、検出配置内で誘導した少なくとも1つの電圧が当該ターンオンパルスの立下がりエッジ後の範囲内で測定されて、位置情報を算出することを特徴とする。
【0012】
このようなエンコーダを操作する方法は、請求項13に記載されている。
【0013】
本発明の好適な構成は、従属請求項に記載されている。
【0014】
本発明の電磁誘導式エンコーダ及びこの電磁誘導式エンコーダを操作する方法のさらなる詳細及び利点は、添付図面に基づく以下の実施の形態に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】コード板の正面図である。
【図2】走査回路基板の正面図である。
【図3】概略回路図である。
【図4】検出巻線中の誘導電圧の信号の経時変化を示す。
【図5】評価要素のブロック図である。
【図6】ロータリーエンコーダの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1,2及び6中には、本発明のエンコーダの基本構造が、ロータリーエンコーダの例に関して示されている。図6によれば、このロータリーエンコーダは、回転子1及び固定子2を有する。この示された実施の形態では、回転子1が、軸1.1を有する。この軸1.1は、例えば測定すべき電動機の軸に固定して取り付けられ得る。軸1.1の角度位置を検出するため、この場合では−図6中に図示しなかった−目盛トラック1.21,1.22を有するコード板1.2の形態の計測基準1.2が、この軸1.1の段差部分に回転しないように固定されている。
【0017】
固定子2は、筐体2.1を有する。リング状の走査回路基板2.2が、キャリヤ本体としてこの筐体2.1に固定されている。特にプラグソケット接続器2.3が、走査回路基板2.2上に取り付けられている。信号及び電力が、このプラグソケット接続器2.3を通じて伝達され得る。回転子1と固定子2とが、つまり軸1.1と筐体2.1とが、軸線Rの周りで相対回転可能である。
【0018】
図1中には、コード板1.2が、正面図で示されている。このコード板1.2は、基板から構成されている。この基板は、この図示された実施の形態ではエポキシ樹脂から作られていて且つ2つの目盛トラック1.21,1.22上に配置されている。これらの目盛トラック1.21,1.22は、リング状に構成されていて且つ回転軸線Rに対して同心円に異なる直径で基板上に配置されている。これらの両目盛トラック1.21,1.22はそれぞれ、交互に配置されて周期的に連続する導電性の目盛領域1.211,1.221及び非導電性の目盛領域1.212,1.222この示された例では、銅が導電性の目盛領域1.211,1.221として、基板上に形成されている。これに対してこの基板は、非導電性の目盛領域1.212,1.222内で被覆されていない。
【0019】
内側の目盛トラック1.21は、この図示された実施形では電導性の材料、ここでは銅を有する半リング形の第1目盛領域1.211及び電導性の材料が配置されていない半リング形の第2目盛領域1.212から構成される。
【0020】
第2目盛トラック1.22が、第1目盛トラック1.21に放射状に隣接して基板上に配置される。この場合、目盛トラック1.22も、多数の導電性の目盛領域1.221及びこれらの導電性の目盛領域1.221間に配置された非導電性の目盛領域1.222から構成される。この場合、これらの異なる目盛領域1.221,1.222は、目盛領域1.211,1.212と材料的に同様に構成されている。第2目盛トラック1.22は、この図示されたこの実施の形態では全体で周期的に配置された電導性の16個の目盛領域1.221及びこれらの目盛領域1.221間に配置された対応する非導電性の16個の目盛領域1.222を有する。
【0021】
図2中に示されたコード板1.2を走査するために設けられている走査回路基板2.2が、特に検出配置用のキャリヤ本体として使用される。この検出巻線は、ここでは異なる受信巻線2.22から構成される。これらの受信コイル2.22は、内側の受信トラック内の第1検出巻線として受信ランドパターン2.221及び外側の受信トラック内の第2検出巻線として別の受信ランドパターン2.222を有する。この場合、それぞれの受信コイルの対になっている受信ランドパターン2.221,2.222が互いにずらして配置されている。その結果、これらの対は、互いに異なる信号を出力できる。回転子1と固定子2との間の相対位置に関する情報及び回転子1及び固定子2の移動方向が、これらの互いに異なる信号から算出可能である。走査から生じる信号が、所定の位相角、特に90°を有するように、当該受信トラックのそれぞれの受信ランドパターン2.221,2.222が有利に互いにずれている。このことは、90°の位相角に関しては、1つの受信トラックの当該信号のうちの一方の信号が、正の最大値又は負の最大値に達した時に、当該信号のうちの他方の信号が、中間値に達する、つまりこの最大値及び最小値に対して零を通過する。
【0022】
さらに励磁ランドパターン2.21が、走査回路基板2.2の励磁巻線として設けられている。これらの励磁ランドパターン2.21は、内側の励磁トラック、中間の励磁トラック及び外側の励磁トラック上に形成されている。走査回路基板2.2自体が、1つの孔を有し且つ多数の層を有する回路基板として構成されている。
【0023】
組み立てられた状態では、コード板1.2及び走査回路基板2.2は向き合っている。その結果、軸線Rが、両要素の中心点を通過し、コード板1.2と走査回路基板2.2との間の相対回転時に、この走査回路基板2.2の受信ランドパターン2.221,2.222内で、その都度の角度位置に依存する信号が、電磁誘導効果によって生成可能です。したがって、位置情報が、これらの信号を評価することによって算出可能である。
【0024】
励磁ランドパターン2.21が、交流電磁界を走査トラックの領域内つまり同時に走査された目盛トラック1.21及び1.22の領域内で生成することが、対応する信号を生成するための前提条件である。図示された実施の形態では、これらの励磁ランドパターン2.21は、平面平行で通電する多数の個別ランドパターンとして構成されている。励磁電流が、全て一緒にランドパターンユニットのこれらの励磁ランドパターン2.21に通電する時に、管状又はシリンダ状に指向した電磁界が、それぞれのランドパターンユニットの周りに発生する。結果として生じる電磁界の磁力線が、同心円の形態でこれらのランドパターンユニットの周りに延在する。この場合、これらの磁力線の方法が、公知のようにこれらのランドパターンユニット内の電流方向に依存する。この場合、1つの共通の走査トラックに隣接するランドパターンユニットの電流方向つまりこれらのランドパターンユニットに対応する回路を逆に選択することができる。その結果、走査トラックの領域内の磁力線がそれぞれ同じに指向されている。
【0025】
図3中には、回路が概略的に示されている。ロータリーエンコーダの機能をこの図に基づいて説明する。このロータリーエンコーダは、外部直流電源3に接続されている。このロータリーエンコーダは、通常運転中にこの直流電源3によって給電される。この図示された実施の形態では、この直流電源3の電圧Uは5ボルトである。直流電源3が、任意の理由から使用できない場合、このロータリーエンコーダは、一時的にバッテリ4によって給電される。この場合、バッテリ4によって出力される電圧は、ここでは例えば3ボルトでもよい。バッテリ4は、直接ロータリーエンコーダ内に、例えば走査回路基板2.2上に搭載され得るか又は外部のシーケンス電子機器、例えば工作機械の制御部内に配置され得る。
【0026】
評価要素2.23として動作するASIC2.23が、走査回路基板2.2上に配置されている。励磁電流Iが、この評価要素2.23の管理下で生成され、位置情報、特に角度情報が、この励磁電流Iから生じ、受信ランドパターン2.221,2.222内で誘導した電圧から算出される。本発明によれば、この励磁電流Iは、パルス電流である。このとき、この状況ではエネルギー消費が著しく低下でき、これによってバッテリ4の寿命が延長できるので、ロータリーエンコーダが、バッテリ4によって給電されることが特に好ましい。
【0027】
パルス動作に加えて、当該ロータリーエンコーダは、例えば連続供給される周期的な励磁電流Iによる別の動作モードをさらに有してもよい。
【0028】
コンデンサ2.24及び励磁ランドパターン2.21が、並列接続されていて且つ共振周期TRを有する電気的なLC共振回路を構成する。この周期TRに対する値は、実際には多くの場合に数百ナノ秒と数マイクロ秒との間にある。この値は、数百キロヘルツから数メガヘルツまでに対応する。この場合、このLC共振回路は、ここではより高い品質を有するので、損失電力に関しては、より高い周波数にすることが好ましい。
【0029】
当該並列回路の端子が、給電線2.231を介して評価要素2.23に接続されていて且つこの評価要素2.23を介して電圧、例えば直流電圧3又はバッテリ4の電圧で給電される。この並列回路の第2端子が、スイッチ素子2.25を介してこの並列回路の接地点に接続されている。スイッチ素子2.25がオンにされているか又はオフにされているかどうかの制御は、評価要素2.23のスイッチ線2.232を通じて実施される。したがって、励磁電流Iが通電するか又は通電しないかどうかは、スイッチ素子2.25の切替状態が決定する。このスイッチ素子2.25は、図3中にバイポーラトランジスタとして示されていものの、例えばMOSFETのようなその他の適切な構成部品でもよい。同様にスイッチ素子2.25が、評価要素2.23内に一緒に組み込まれていることも可能である。
【0030】
電磁界が、励磁電流Iによって励磁ランドパターン2.21の周りに作られる。受信コイル2.22を透過する磁束が、この電磁界から生じる。さらに励磁電流Iは、コンデンサ2.24及び励磁ランドパターン2.21から構成される並列回路にわたって励磁電圧Uを生成する。受信ランドパターン2.221,2.222内で変化する磁束の場合、電圧U,U,U,Uが、電磁誘導の法則に基づいて誘導される。これらの電磁誘導した電圧U,U,U,Uの経時変化が、特にコード板1.2の角度位置にも依存するので、コード板1.2の角度位置が、この角度位置を評価することによって算出され得る。すなわち受信ランドパターン2.221は、例えばランドパターンによって構成された2つのコイルを有する。これらのコイルは、相対位置つまり回転角度に依存して異なる振幅を有する電圧U,Uを出力する。キャリヤ本体に対する1回転内で、すなわち2π(360°)の回転角度時に、受信ランドパターン2.221が、第1目盛トラック1.21の走査時に最大から最小にかけたそれぞれの電圧U,Uを出力する。電圧U,Uの電磁誘導が生じる磁場の位置に依存する影響に対する原因は、渦電流がコード板1.2の導電性に被覆された領域1.211,1.221内で誘導される。これらの渦電流の高さは、コード板1.2と走査回路基板2.2との間の角度位置に依存する。
【0031】
受信コイル2.22中で誘導した電圧U,U,U,Uが、位置情報を算出するために評価要素2.23に入力されている。
【0032】
目盛トラック1.21が、被覆された唯一の領域1.211及び被覆されなかった唯一の領域1.212だけを有するので、回転軸線Rの周りのコード板1.2の1回転内の比較的粗い位置情報が、これらの領域の走査から生じる。さらに回転移動の方向の検出が、信号の振幅の経時変化を評価することによって保証される。したがって例えば回転計数器が、目盛トラック1.21を走査することによって実現され得る。
【0033】
外側の第2走査トラック上の別の受信ランドパターン2.222が、第2目盛トラック1.22を走査するために使用される。同様に相対変位が、これらの両受信ランドパターン2.222間に施されている。その結果、位置に依存する振幅の経時変化を示す2つの信号が、第2目盛トラック1.22の走査時に出力側で出力される。
【0034】
当該外側の受信ランドパターン2.222はそれぞれ、16、すなわち2本の巻線を有する。その結果、走査回路基板2.2に対するコード板1.2の相対移動時に、比較的高い分解能のインクリメンタル信号が、これらの外側の受信ランドパターン2.222によって生成され得る。キャリヤ本体に対する1回転内で、すなわち2π(360°)の1回転角度で、これらの受信ランドパターン2.222がそれぞれ、目盛トラック1.22の走査時の16個の最大又は最小を出力する。
【0035】
第1目盛トラック1.21による粗い絶対位置測定と結合して、絶対回転角度位置の測定が、このような配置によって可能である。
【0036】
この図示された例の代わりに、誘導した電圧U,U,U,Uが、別々に且つ接地に関連しないで生成され又は処理されてもよい。
【0037】
図4は、電圧Uの例に関してスイッチ線2.232上のターンオンパルス5.1に応じた受信ランドパターン2.221,2.222中に誘導された電圧U,U,U,Uの経時変化を示す。このターンオンパルス5.1は、スイッチ素子2.25をターンオン時点TEに対してオンにし、ターンオフ時点TAに対して再びオフにする。この場合、下図中の曲線は、スイッチ素子2.25のターンオン期間TPを有するターンオンパルス5.1を示す。上図中では、破線は、ターンオンパルス5.1の立ち上りエッジから生じる誘導したターンオン振動5.2を示す。スイッチ素子2.25のオンが、励磁ランドパターン2.21中で励磁電流Iを生成することによって、このターンオン振動5.2が発生する。この励磁電流Iは、変化して増大する磁束を作る。一点鎖線は、ターンオンパルス5.1の立ち下りエッジによって誘導したターンオフ振動5.3を示す。このターンオフ振動5.3は、スイッチ素子2.25をオフにすることによって、つまり励磁電流Iを遮断することによって、この遮断から結果として生じる減少する磁束から生成される。実線は、電圧Uを示す。この電圧Uは、ターンオン振動5.2とターンオフ振動5.3とを重ねることによって発生する。オン及びオフ時の磁束の当該変化は、異なる符合を有するので、ターンオン振動5.2及びターンオフ振動5.3は、逆な極性を有する。ターンオンパルス5.1の立ち下りエッジまでは、重なりがない。それ故にこの時点までは、電圧Uとターンオン振動5.3とは同じである。
【0038】
励磁ランドパターン2.21及び受信ランドパターン2.221又は受信ランドパターン2.222は、変圧器を構成する。この理由から、誘導電圧U,U,U,Uの信号の経時変化が、励磁電圧Uの信号の経時変化にほぼ対応する。しかしながら励磁電圧Uは、より高い信号振幅を有する。さらにこの信号振幅は、コード板1.2と走査板2.2との間の相対位置に依存しない。このため、励磁電圧Uは、図4中では誘導電圧Uの隣でカギ括弧内に表示されている。
【0039】
ターンオン振動5.2とターンオフ振動5.3とが重なると、重ならないより遥かに高い電圧が、ターンオンパルス5.1の立ち下りエッジによって生成されたターンオフ振動5.3つまり(第1測定トリガー信号TM1によって示された)電圧Uの第1半波の頂点の領域内で測定される。したがってこの場合、位置情報の検出は、ノイズに対して遥かにより強い。
【0040】
電圧が、ターンオンパルス5.1の立ち下りエッジ後の電圧Uの第1半波の頂点の領域内だけではなくて、(第2測定トリガー信号TM2によって示された)ターンオンパルス5.1の立ち上りエッジによって生成されたターンオン振動5.2の第1半波の頂点の領域内でも測定される場合、位置情報の算出がさらにいっそう改善され得る。これによって、冗長性が追加される。この冗長性は、両電圧値の妥当性をこれらの両電圧値を比較することによってチェックするために利用され得る。例えば、これらの両電圧値が互いに符号反転されていることが、正しい機能に対する判断基準として使用され得る。
【0041】
したがって、測定装置の機能の簡単な検査が可能である。
【0042】
さらに、電圧U1の両第1頂点の両電圧値を測定前に最初にアナログ式に合算して、評価可能なより高い信号振幅を入手し、測定のノイズ信頼性及び精度を高めることが好ましい。
【0043】
軸1.1に対する対応する角度位置情報が算出されるように、誘導電圧U,U,U,Uが、評価要素2.23によって電子式に処理される。
【0044】
ターンオンパルス5.1の立ち下りエッジが、誘導電圧Uの最初の零通過時に解除されるここで示された状況は、ターンオン振動5.2とターンオフ振動5.3とを最適に重ね合わせ、これによってこの誘導電圧Uの信号振幅を最大に実現可能にする。このため、評価すべき高い信号振幅を達成しようとすることが実際に非常に好ましい。ターンオン期間TPは、この場合は共振周期の半分TR(TP=TR/2)に一致する。しかしながら、特にターンオンパルス5.1の立下がりエッジが、共振周期の1/4と3/4との間の範囲内で解除される時の僅かな差異でも、評価可能な信号が提供される。
【0045】
特にエネルギー効率の良いエンコーダが実現されなければならない状況に対しては、ので、反対にターンオン時間TPを共振期間TRの1/4に制限することが特に好ましい(TP=TR/4)。何故なら、この期間は、評価可能な電圧U1を形成するのに既に十分であるからである。例えばバッテリ動作の場合、バッテリ4の非常に長い寿命が、当該短い期間によって達成され得る。LC共振回路が、この短い期間中に給電される必要がある。
【0046】
図5は、評価要素2.23のブロック図である。この場合、ここでは2つの電圧U,Uを評価するために必要になるユニットだけが示されている。これらの電圧U,Uは、互いにずらして配置された2つの受信ランドパターンを用いて目盛トラックを走査することによって、例えば受信ランドパターン2.221を用いて第1目盛トラック1.21を走査することによって検出される。
【0047】
第1電圧U及び第2電圧U並びに励磁電圧Uが、評価要素2.23の入力部に入力される。第1電圧U及び第2電圧Uは、互いにずらして配置された2つの受信ランドパターン2.221を用いた第1目盛トラック1.21の走査から検出される。第1電圧U又は第2電圧Uの振幅は、上述したように目盛トラック1.21に対する受信ランドパターン2.221の相対位置に依存する。第1電圧Uは、第1測定ユニット2.233に入力され、第2電圧Uは、第2測定ユニット2.234に入力される。この測定ユニット2.233及びこの測定ユニット2.234は、第1電圧U又は第2電圧Uを測定し、測定の結果を処理ユニット2.236に転送するために使用される。
【0048】
当該測定の経時変化を確定するため、励磁電圧Uが、トリガーユニット2.235に入力される。このトリガーユニット2.235は、ターンオンパルス5.1のターンオン期間TPを確定し、電圧U,Uを測定するための少なくとも1つの測定時点を決定するトリガー信号を算出し、これらの電圧U,Uを処理ユニット2.236又は測定ユニット2.233,2.234に伝達する。励磁信号Uは、以下では簡略化して接地信号と記す。図3から分かるように、主に2つの時点が、測定期間にとって特に好ましい。一方では、測定すべき電圧U,Uが、ターンオンパルス5.1の立下がりエッジ後の電圧U又はUの第1頂点で最大の振幅を有するので、ターンオンパルス5.1の立下がりエッジ後の電圧U又はUのこの地点が特に好ましく、他方では、ターンオン振動5.2の最初の零通過地点では、望ましい時点が、ターンオンパルス5.1の立ち下りエッジに対して存在するので、この零通過地点が特に好ましい。それ故に、トリガーユニット2.235が、この時点にトリガー信号を測定ユニット2.233及び2.234又は処理ユニット2.236に対して出力するように、このトリガーユニット2.235が構成されていることが有益である。その結果、このトリガーユニット2.235は、当該測定期間を適切に制御できる。
【0049】
ターンオン振動5.2の零通過時のターンオフ時点TAは、励磁電圧Uの零通過時点にほぼ一致し、例えばトリガーユニット2.235内で零点検出器、特に比較器を用いて簡単に決定され得る。この比較器は、励磁電圧Uの電圧の経時変化を基準電圧、この場合では回路の設置電位と比較する。この比較の結果が、ターンオフトリガー信号TAの形態で処理ユニット2.236に出力される。
【0050】
電圧U,Uが、ターンオンパルスTPの立ち下りエッジから出発して共振周期TRの1/4後に第1頂点で達成される。この時点を算出するため、例えば正弦関数又は余弦関数の逆導関数の特性が利用され得る。実際には、励磁電圧Uが、アナログ微分器に入力され得る。励磁電圧Uの導関数が、このアナログ微分器内で作られる。次いでこのアナログ微分器の出力信号が、零点検出器に再び転送され得る。この零点検出器は、微分した励磁電圧Uの零通過の時点に第1測定信号TM1を測定ユニット2.233,2.234に対して出力する。当該時点は、電圧U,Uの頂点にほぼ一致する。例えば積分器が、微分器の代わりに使用されてもよい。
【0051】
簡略化した実施の形態では、ターンオフトリガー信号TA(つまりターンオンパルス5.1の立ち下りエッジ)後のLC共振周波数の周期の1/4が、例えば時間計測器を使用して自動的に出力されることによっても、電圧U,Uを測定するための第1測定トリガー信号TM1が、ターンオンパルス5.1の立ち下りエッジ後の第1頂点の領域内で生成される。
【0052】
励磁電圧Uの代わりに又はこの励磁電圧Uに加えて、トリガー信号TA,TM1を作るため、電圧U,Uも使用され得る。しかしながらこれらの電圧U,Uは、励磁電圧Uより小さい振幅を有し、しかも依然として位置に依存するので、実際は励磁電圧Uを使用することが好ましい。
【0053】
既に上述したように、電圧U,Uを検出するためには、ターンオンパルス5.1の立ち下りエッジ後の電圧U,Uの第1頂点だけが利用されるのではなくて、ターンオン振動5.2の第1頂点も利用されることが特に好ましい。これらの電圧U,Uは、ターンオンパルスTPの立ち上りエッジから出発して同様に共振周期TRの1/4後にこれらの電圧U,Uの頂点に達する。これらの電圧U,Uをこの時点に対して測定するため、第2測定トリガー信号TM2が、トリガーユニット2.235内でターンオン振動5.2の第1頂点の時点に生成される。この第2測定トリガー信号TM2は、同様に測定ユニット2.233,2.234に入力される。これに対しては、例えば既に説明した手段(零点検出器に接続している微分器又は積分器、つまり第2測定トリガー信号TM2であるターンオンパルス5.1の立ち上がりエッジ後のLC共振周波数の周期の1/4 の出力)が使用可能である。
【0054】
例えば、実際の電圧値が、第1測定信号TM1の時点と第2測定トリガー信号TM2の時点との双方に対してA/D変換器によって検出され、その結果が、さらなる処理のために処理ユニット2.236に転送されることによって、電圧U,Uが、測定ユニット2.233,2.234内で測定トリガー信号TM1,TM2の時点に測定される。この場合、当該測定装置の正しい機能が、処理ユニット2.236内で当該両測定値の比から逆推論され得る。
【0055】
当該電圧値が、第2測定トリガー信号TM2の時点と第1測定トリガー信号TM1の時点とに対して測定ユニット2.233,2234内で最初に走査回路及び保持回路を用いて記憶され、引き続き逆にセットされた極性を考慮して(例えば差動増幅器を用いて)アナログ式に加算され、その結果生じた信号が、A/D変換器を用いて初めて測定される ことも特に好ましい。何故なら、この場合、このA/D変換器の入力電圧範囲がより良好に利用でき、したがって測定精度がさらに向上され得るからである。
【0056】
当該微分器の代わりに、例えば最大値検出器又はPLLユニットのようなその他の適切な回路も当然に使用できる。
【0057】
別の実施の形態では、電圧U,Uは、例えばターンオンパルス5.1の立ち上がりエッジの時点以降の信号の経時変化をデジタル化し、引き続き信号処理アルゴリズムを用いて評価することによっても評価できる。この場合、マイクロコントローラ又はデジタル信号プロセッサ(DSP)を評価要素2.23として使用することが特に好ましい。この解決手段には、マイクロコントローラ又はデジタル信号プロセッサが多くの場合に切替出力部を既に有するという利点がある。その結果、ターンオンパルス5.1を生成するためのさらなる経費がもはや不要である。
【0058】
これに関連して、マイクロコントローラ又は信号プロセッサは、ASIC内に組み込みされ得るいわゆるIPコアとして使用可能である。
【0059】
上述した構成は、例えばモーター軸の角度位置を測定するためのロータリーエンコーダに関する。当然にエンコーダは、リニアエンコーダでもよい。この場合、計測基準1.2は、走査ユニットによって読み取られるスケールとして構成されている。この場合、スケールと走査ユニットとが、測定方向Xに沿って互いに相対可動に配置されている。この場合、この走査ユニットは、移動方向に沿って整合されている励磁ランドパターン及び受信ランドパターンを有する。
【符号の説明】
【0060】
1 回転子
1.1 軸
1.2 計測基準,コード板
1.21 目盛トラック
1.22 目盛トラック
1.211 導電性の目盛領域
1.212 非導電性の目盛領域
1.221 導電性の目盛領域
1.222 非導電性の目盛領域
2 固定子
2.1 筐体
2.2 キャリヤ本体,走査回路基板
2.21 励磁巻線,励磁ランドパターン
2.22 検出配置
2.221 第1検出巻線,受信ランドパターン
2.222 第2検出巻線,受信ランドパターン
2.23 評価要素,ASIC
2.24 コンデンサ
2.25 スイッチ素子
2.231 給電線
2.232 スイッチ線
2.233 第1測定ユニット
2.234 第2測定ユニット
2.235 トリガーユニット
2.236 処理ユニット
2.3 プラグソケット接続器
3 外部直流電源
4 バッテリ
5.1 ターンオンパルス
5.2 ターンオン振動
5.3 ターンオフ振動

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測基準(1.2),キャリヤ本体(2.2),コンデンサ(2.24),評価要素(2.23)及びスイッチ素子(2.25)を有するエンコーダにあって、
少なくとも1つの目盛トラック(1.21,1.22)が、前記計測基準(1.2)上に形成されていて、
少なくとも1つの励磁巻線(2.21)及び電磁界を走査する少なくとも1つの検出配置(2.22)が、前記キャリヤ本体(2.2)に配置されていて、電磁界を生成するため、励磁電流(I)が、前記励磁巻線(2.21)に通電可能であり、
前記コンデンサ(2.24)は、前記励磁巻線(2.21)と一緒にLC共振回路を構成し、
前記スイッチ素子(2.25)は、前記評価要素(2.23)によって切替可能であり、この場合、
前記計測基準(1.2)と前記キャリヤ本体(2.2)とが、互いに相対可動に配置されていて、前記電磁界が、前記キャリヤ本体(2.2)に対する前記計測基準(1.2)の相対移動時に少なくとも1つの目盛トラック(1.21,1.22)によって影響され得、この場合、
前記LC共振回路は、前記スイッチ素子(2.25)を切り替えることによって励磁電流(I)で動作可能であり、この励磁電流(I)は、前記検出配置(2.22)内で少なくとも1つの電圧(U,U,U,U)を誘導し、この電圧(U,U,U,U)は、位置情報を算出するために前記評価要素(2.23)によって電子式に処理可能であるエンコーダにおいて、
前記励磁電流(I)は、前記スイッチ素子(2.25)を切り替えることによってターンオン期間(TP)を有するターンオンパルス(5.1)で生成され、
前記ターンオンパルス(5.1)の立ち下りエッジ後の領域内で位置情報を算出するため、前記検出配置(2.22)内で誘導した少なくとも1つの前記電圧(U,U,U,U)が測定可能であることを特徴とするエンコーダ。
【請求項2】
誘導した少なくとも1つの前記電圧(U,U,U,U)を測定する前記評価要素(2.23)は、少なくとも1つの測定ユニット(2.233,2.234)を有することを特徴とする請求項1に記載のエンコーダ。
【請求項3】
前記評価要素(2.23)は、処理ユニット(2.236)を有し、少なくとも1つの測定ユニット(2.233,2.234)内で測定される測定値が、位置情報を算出するために前記処理ユニット(2.236)に入力される請求項2に記載のエンコーダ。
【請求項4】
前記スイッチ素子(2.25)は、スイッチ線(2.232)を通じて前記処理ユニット(2.236)によってスイッチング可能であることを特徴とする請求項3に記載のエンコーダ。
【請求項5】
前記評価要素(2.23)は、トリガーユニット(2.235)をさらに有し、このトリガーユニット(2.235)は、前記ターンオンパルス(5.1)のターンオン期間(TP)を確定し、誘導した少なくとも1つの前記電圧(U,U,U,U)を測定するための少なくとも1つの測定点を決定するトリガー信号(TM1、TM2,TA)を生成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンコーダ。
【請求項6】
前記励磁電流(I)から生じる励磁電圧(U)及び/又は誘導した前記電圧(U,U,U,U)のうちの少なくとも1つの電圧が、前記トリガー信号(TM1、TM2,TA)を生成する前記トリガーユニット(2.235)に入力されていることを特徴とする請求項5に記載のエンコーダ。
【請求項7】
前記トリガー信号(TM1、TM2,TA)は、ターンオフトリガー信号(TA)を含み、このターンオフトリガー信号(TA)は、前記ターンオンパルス(5.1)の立ち下りエッジを規定し、前記トリガーユニット(2.235)は、誘導した少なくとも1つの前記電圧(U,U,U,U)の最初の零通過の時点にこのターンオフトリガー信号(TA)を生成することを特徴とする請求項5又は6に記載のエンコーダ。
【請求項8】
前記トリガー信号(TM1、TM2,TA)は、第1測定トリガー信号(TM1)を含み、前記トリガーユニット(2.235)は、前記ターンオンパルス(5.1)の立ち下りエッジ後の誘導した少なくとも1つの前記電圧(U,U,U,U)の第1頂点の時点にこの第1測定トリガー信号(TM1)を生成することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のエンコーダ。
【請求項9】
前記トリガー信号(TM1、TM2,TA)は、第2測定トリガー信号(TM2)を含み、誘導した少なくとも1つの前記電圧(U,U,U,U)の前記第1頂点の時点にこの第2測定トリガー信号(TM2)を生成することを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載のエンコーダ。
【請求項10】
前記第1測定トリガー信号(TM1)及び/又は前記第2測定トリガー信号(TM2)は、前記測定ユニット(2.233,2.234)内の誘導した少なくとも1つの前記電圧(U,U,U,U)の測定を制御することを特徴とする請求項8又は9に記載のエンコーダ。
【請求項11】
前記検出配置(2.22)は、第1検出巻線(2.221)及び第2検出巻線(2.222)を有し、これらの第1検出巻線(2.221)は、前記キャリヤ本体(2.2)に対する1回転内にこれらの第2検出巻線(2.222)に比べて異なる数の信号最大を出力することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のエンコーダ。
【請求項12】
前記評価要素(2.23)は、ASIC内に組み込まれていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のエンコーダ。
【請求項13】
計測基準(1.2),キャリヤ本体(2.2),コンデンサ(2.24),評価要素(2.23)及びスイッチ素子(2.25)を有するエンコーダを操作する方法にあって、
少なくとも1つの目盛トラック(1.21,1.22)が、前記計測基準(1.2)上に形成されていて、
少なくとも1つの励磁巻線(2.21)及び電磁界を走査する少なくとも1つの検出配置(2.22)が、前記キャリヤ本体(2.2)に配置されていて、電磁界を生成するため、励磁電流(I)が、前記励磁巻線(2.21)に通電可能であり、
前記コンデンサ(2.24)は、前記励磁巻線(2.21)と一緒にLC共振回路を構成し、
前記スイッチ素子(2.25)は、前記評価要素(2.23)によって切替可能であり、この場合、
前記計測基準(1.2)と前記キャリヤ本体(2.2)とが、互いに相対可動に配置されていて、前記電磁界が、前記キャリヤ本体(2.2)に対する前記計測基準(1.2)の相対移動時に少なくとも1つの目盛トラック(1.21,1.22)によって影響され得、この場合、
前記LC共振回路は、前記スイッチ素子(2.25)を切り替えることによって励磁電流(I)で動作可能であり、この励磁電流(I)は、前記検出配置(2.22)内で少なくとも1つの電圧(U,U,U,U)を誘導し、この電圧(U,U,U,U)は、位置情報を算出するために前記評価要素(2.23)によって電子式に処理可能であるエンコーダを操作する方法において、
1つのターンオン期間(TP)を有する1つのターンオンパルス(5.1)で前記スイッチ素子(2.25)を切り替えることによって、前記励磁巻線(2.21)中の前記励磁電流(I)を生成し、
前記検出配置(2.22)内で誘導した少なくとも1つの前記電圧(U,U,U,U)を測定して、前記ターンオンパルス(5.1)の立ち下りエッジ後の領域内の位置情報を算出するステップを特徴とする方法。
【請求項14】
前記スイッチ素子(2.25)は、スイッチ線(2.232)を通じて前記評価要素(2.23)内の前記処理ユニット(2.236)によってスイッチングされることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
誘導した少なくとも1つの前記電圧(U,U,U,U)は、前記評価要素(2.23)内の少なくとも1つの測定ユニット(2.233,2.234)内で測定されることを特徴とする請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記評価要素(2.23)は、トリガーユニット(2.235)をさらに有し、このトリガーユニット(2.235)は、前記ターンオンパルス(5.1)のターンオン期間(TP)を確定し、誘導した少なくとも1つの前記電圧(U,U,U,U)を測定するための少なくとも1つの測定点を決定するトリガー信号(TM1、TM2,TA)を生成することを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記トリガー信号(TM1、TM2,TA)は、前記トリガーユニット(2.235)内で前記励磁電流(I)から生じる励磁電圧(U)及び/又は誘導した少なくとも1つの電圧(U,U,U,U)によって生成されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記トリガー信号(TM1、TM2,TA)は、ターンオフトリガー信号(TA)を含み、このターンオフトリガー信号(TA)は、前記ターンオンパルス(5.1)の立ち下りエッジを規定し、前記トリガーユニット(2.235)は、誘導した少なくとも1つの前記電圧(U,U,U,U)の最初の零通過の時点にこのターンオフトリガー信号(TA)を生成することを特徴とする請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記トリガー信号(TM1、TM2,TA)は、第1測定トリガー信号(TM1)を含み、この第1測定トリガー信号(TM1)は、誘導した少なくとも1つの前記電圧(U,U,U,U)の最初の測定の時点を決定し、前記トリガーユニット(2.235)は、前記ターンオンパルス(5.1)の立ち下りエッジ後の誘導した少なくとも1つの前記電圧(U,U,U,U)の第1頂点の領域内でこの第1測定トリガー信号(TM1)を生成することを特徴とする請求項16〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記トリガー信号(TM1、TM2,TA)は、第2測定トリガー信号(TM2)を含み、この第2測定トリガー信号(TM2)は、誘導した少なくとも1つの前記電圧(U,U,U,U)の最初の測定の時点を決定し、前記トリガーユニット(2.235)は、誘導した少なくとも1つの前記電圧(U,U,U,U)の第1頂点の領域内でこの第2測定トリガー信号(TM2)を生成することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記位置情報は、前記処理ユニット(2.236)内で前記第1測定トリガー信号(TM1)の領域内で検出された測定値及び前記第2測定トリガー信号(TM2)の領域内で測定された測定値を使用して算出されることを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−236916(P2009−236916A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−74209(P2009−74209)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(390014281)ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (115)
【氏名又は名称原語表記】DR. JOHANNES HEIDENHAIN GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】