説明

エンコーダ用検出部およびエンコーダ

【課題】コンパクト化を図れ、組み立てやその取り扱い、設置作業を簡単に行う上で有利なエンコーダ用検出部およびエンコーダを提供する。
【解決手段】エンコーダ10は検出部12と電装部14を備える。検出部12は、第1ケース30と、第1のケース30と切り離された第2ケース32とを備える。第1ケース30には検出部側光分波器38および検出部側光合波器40とが収容され、第2ケース32には目盛板42が収容されている。光照射用第1光ファイバ34および受光用第1光ファイバ36は、第1ケース30と電装部14にわたって設けられている。光照射用第2光ファイバ44および受光用第2光ファイバ46は第1、第2ケース30、32にわたって設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエンコーダ用検出部およびエンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、モータの駆動軸の回転量を検出するエンコーダとしてロータリーエンコーダが用いられており、この種のエンコーダは、ケースと、このケースの内部に収容された目盛板、発光ダイオード、受光素子などを備えている。
そして、目盛板は、複数のスリットが形成され前記駆動軸の回転に連動して回転され、発光ダイオードはこの目盛板に臨ませて配置されて目盛板に光を照射させ、受光素子は、前記目盛板に臨ませて配置され前記発光ダイオードから発せられ前記スリットを通過した光を受光し、前記受光素子から出力される検出信号に基づいて回転量を検出するようにしている。
【0003】
このような従来のエンコーダでは、エンコーダのケースの外部に設けられた電源と前記発光ダイオードを電源供給用のケーブルで接続するとともに、外部に設けられた信号処理回路と受光素子を検出信号伝達用のケーブルで接続している。
したがって、電源供給用のケーブルと発光ダイオードとの接続箇所、あるいは、信号伝達用のケーブルと受光素子との接続箇所には電気信号が現れていることから、引火性を有する塗料やガソリンなどを扱う防爆環境下で使用する上で不利があった。
そこで、本出願人は、検出部のケース内に、目盛板と、検出部側光分波器と、光合波器とを設け、ケース内外にわたって設けられた光照射用光ファイバによって目盛板のスリットに光を照射させ、かつ、前記スリットを通過した光をケース内外にわたって設けられた受光用光ファイバによってケースの外に導くようにしたエンコーダを提案した(特許文献1参照)。
このエンコーダによれば、ケースの内部に電気信号が現れることがないので、ケースを防爆環境下に設置し、かつ、光照射用光ファイバに光を入射する発光素子と、受光用光ファイバを介して光を受光する受光素子とを防爆環境ではない環境下に設置すれば、防爆環境下においてエンコーダを使用することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−261745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記エンコーダでは、単一のケース内に目盛板や光分波器、光合波器などを組み込むため、組み立て作業が面倒となり、また、ケースが大型化せざるを得ない不具合があった。
さらに、ケースが大型化することから、ごく限られた狭いスペースに設置する場合に、エンコーダの取り扱いや設置作業に手間取る不具合があった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、その目的は、様々な環境下において使用でき常に安定した検出動作を行うことができ、かつ、コンパクト化を図る上で、また、組み立てやその取り扱い、設置作業を簡単に行え、コストダウンを図る上で有利なエンコーダ用検出部およびエンコーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明のエンコーダ用検出部は、第1ケースの内外にわたって設けられ光を前記第1ケース内に導く光照射用第1光ファイバと、前記第1ケース内に配置され前記光照射用第1光ファイバにより導かれた光を互いに異なる波長を有する複数の光に分離する検出部側光分波器と、前記第1ケース内に配置され複数の光を合成する検出部側光合波器と、前記第1ケースの内外にわたって設けられ前記検出部側光合波器で合成された光を前記第1ケース外に導く受光用第1光ファイバと、前記第1ケースとは切り離された第2ケース内に配設され複数のスリットが形成された目盛板と、前記検出部側光分波器で分離された複数の光を前記第2ケース内に導き前記スリットに照射する光照射用第2光ファイバと、前記各スリットを通過した前記複数の光を前記第2ケース内から前記検出部側光合波器に導く受光用第2光ファイバと備えることを特徴とする。
また、本発明のエンコーダ用検出部は、第1ケースの内外にわたって設けられ光を前記第1ケース内に導く光照射受光用第1光ファイバと、前記第1ケースとは切り離された第2ケース内に板体に複数のスリットが形成された目盛板と、前記第1ケース内に配置され前記光照射受光用第1光ファイバにより導かれた光を互いに異なる波長を有する複数の光に分離すると共に、前記複数の光が前記板体で反射された複数の反射光を合成し前記光照射受光用第1光ファイバに導く検出部側光合分波器と、前記検出部側光合分波器で分離された複数の光を前記第2ケース内に導き前記スリットに照射すると共に、前記複数の光が前記板体で反射された複数の反射光を前記第2ケース内から前記検出部側光合分波器に導く光照射受光用第2光ファイバとを備えることを特徴とする。
本発明のエンコーダは、互いに切り離された第1ケースおよび前記第2ケースと、前記第1ケースおよび前記第2ケースから離れた箇所に配置された光源と、前記第1ケースの内外にわたって設けられ前記光源から発せられた光を前記第1ケース内に導く光照射用第1光ファイバと、前記第1ケース内に配置され前記光照射用第1光ファイバにより導かれた光を互いに異なる波長を有する複数の光に分離する検出部側光分波器と、前記第1ケース内に配置され複数の光を合成する検出部側光合波器と、前記第1ケースの内外にわたって設けられ前記検出部側光合波器で合成された光を前記第1ケース外に導く受光用第1光ファイバと、前記第1ケースとは切り離された第2ケース内に配設され複数のスリットが形成された目盛板と、前記検出部側光分波器で分離された複数の光を前記第2ケース内に導き前記スリットに照射する光照射用第2光ファイバと、前記各スリットを通過した前記複数の光を前記第2ケース内から前記検出部側光合波器に導く受光用第2光ファイバと、前記第1ケースおよび前記第2ケースから離れた箇所に配置され、前記受光用第2光ファイバから出射された光を前記互いに異なる波長を有する複数の光に分離する電装部側光分波器と、前記第1ケースおよび前記第2ケースから離れた箇所に配置され、前記電装部側光分波器によって分離された前記複数の光をそれぞれ受光する複数の受光素子とを備えることを特徴とする。
また本発明のエンコーダは、互いに切り離された第1ケースおよび前記第2ケースと、前記第1ケースおよび前記第2ケースから離れた箇所に配置された光源と、前記第1ケースの内外にわたって設けられ前記光源から発せられた光を前記第1ケース内に導く光照射受光用第1光ファイバと、前記第2ケース内に板体に複数のスリットが形成された目盛板と、前記第1ケース内に配置され前記光照射受光用第1光ファイバにより導かれた光を互いに異なる波長を有する複数の光に分離すると共に、前記複数の光が前記板体で反射された複数の反射光を合成し前記光照射受光用第1光ファイバに導く検出部側光合分波器と、前記光合分波器で分離された複数の光を前記第2ケース内に導き前記スリットに照射すると共に、前記複数の光が前記板体で反射された複数の反射光を前記第2ケース内から前記検出部側光合分波器に導く光照射受光用第2光ファイバと、前記第1ケースおよび前記第2ケースから離れた箇所に配置され、前記光照射受光用第2光ファイバから出射された光を前記互いに異なる波長を有する複数の光に分離する電装部側光分波器と、前記第1ケースおよび前記第2ケースから離れた箇所に配置され、前記電装部側光分波器によって分離された前記複数の光をそれぞれ受光する複数の受光素子とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、検出部のケースを第1、第2ケースに分離したので、第1、第2ケースに配置する部材は少なくなり、第1、第2ケースの小型化を図る上で有利となる。
また、第1、第2ケースに配置する部材が少ないので、小型化しても組み立ての簡単化を図れ、コストダウンを図る上で有利となる。
ケースの内部に発光素子および受光素子が設けられておらず電気信号が現れることがないので、ケースを防爆環境下、放射線が発生する環境下、高電圧や高磁場が発生する環境下などに設置して使用でき、常に安定した検出動作を行う上で有利となる。
また、光を伝送する光ファイバが長くなったとしても、光ファイバを伝送される光は、外部からの電磁波ノイズの影響を受けることがなく、正確な検出量を得る上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施の形態のエンコーダ10の構成を示す説明図である。
【図2】図1のA方向から見た可動スリット板34の平面図である。
【図3】図1のB方向から見た固定スリット板36の平面図である。
【図4】第2の実施の形態のエンコーダ10の構成を示す説明図である。
【図5】第3の実施の形態のエンコーダ10の構成を示す説明図である。
【図6】第4の実施の形態のエンコーダ10の構成を示す説明図である。
【図7】第5の実施の形態のエンコーダ70の構成を示す説明図である。
【図8】第6の実施の形態のエンコーダ70の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
次に本発明の実施の形態について図1乃至図3を参照して説明する。
図1に示すように、本実施の形態では、エンコーダ10はモータ2の回転量を検出するロータリーエンコーダである。
エンコーダ10は、検出部12と、電装部14とを備えている。
検出部12は、モータ2に近接して配置されている。
電装部14は、検出部12から離間した箇所に配設されている。
検出部12は、光照射用光ファイバ16と受光用光ファイバ18とを介して電装部14に接続されている。
本実施の形態では、光照射用光ファイバ16および受光用光ファイバ18はそれぞれ1本で構成されている。
【0010】
電装部14は、単一の発光素子20と、電源22と、電装部側光分波器24と、複数の受光素子26と、検出回路28などを含んで構成されている。
発光素子20は光源を構成するものであり、検出部12に光を供給するものである。
本実施の形態では、発光素子20は発光ダイオードで構成されている。
また、発光素子20から出射される光は、例えば、白色光のように広い範囲の波長成分を含むものであり、言い換えると、互いに異なる複数の波長成分を含むものである。なお、光源は、発光ダイオードに限定されるものではなく従来公知のさまざまな光源が採用可能である。
電源22は、発光素子20に駆動電流(電源)を供給して発光させるものである。
電装部側光分波器24(第2の光分波器)は、検出部12から受光用光ファイバ18を介して導かれた光を、互いに異なる波長を有する複数の光に分離するものである。
本実施の形態では、電装部側光分波器24(第2の光分波器)は、受光用光ファイバ18の光出射端から照射された光を、互いに異なる波長を有する第1乃至第3の光の3つの光に分離するように構成されている。
複数の受光素子26は、電装部側光分波器24によって分離された複数の光をそれぞれ受光して検出信号を生成するものである。
本実施の形態では、受光素子26として第1乃至第3の受光素子24A、26B、26Cの3つが設けられ、各受光素子26A、26B、26Cはフォトダイオードで構成されている。
検出回路28は、受光素子26から出力される前記検出信号に基づいてモータ2の回転量に対応したデジタル信号を生成するものである。
本実施の形態では、検出回路28は、第1乃至第3の受光素子26A、26B、26Cから出力される3つの検出信号に基づいてモータ2の回転量に対応したデジタル信号を生成する。
【0011】
検出部12は、第1ケース30と、第2ケース32と、光照射用第1光ファイバ34と、受光用第1光ファイバ36と、検出部側光分波器38と、検出部側光合波器40と、目盛板42と、光照射用第2光ファイバ44と、受光用第2光ファイバ46などを含んで構成されている。
【0012】
第1ケース30には、検出部側光分波器38と検出部側光合波器40が収容され、第1ケース30の内外にわたって光照射用第1光ファイバ38と受光用第1光ファイバ40とが設けられている。
光照射用第1光ファイバ34は、発光素子20から発せられた光を第1ケース30内に導くものである。
光照射用第1光ファイバ34の光入射端は発光素子20に接続されている。
光照射用第1光ファイバ34は、その光出射端を検出部側光分波器38に臨ませた状態で第1ケース30内に不図示の取り付け部材を用いて取着されている。
【0013】
検出部側光分波器38は、光照射用第1光ファイバ34の光出射端から発せられた光を互いに異なる波長を有する複数の光に分離するものである。
本実施の形態では、検出部側光分波器38は、光照射用第1光ファイバ34の光出射端から発せられた光を互いに異なる波長を有する第1、第2、第3の光に分離する。
【0014】
なお、電装部側光分波器24、検出部側光分波器38としては、プリズム、干渉膜フィルタ、あるいは、回折格子などを用いた光分波器、あるいは、導波路型の波長分割型の光分波器(AWG素子)など従来公知のさまざまな光分波器を採用することが可能である。
【0015】
受光用第1光ファイバ36は、検出部側光合波器40で合成された光を第1ケース30外に導くものである。
本実施の形態では、受光用第1光ファイバ36は、検出部側光合波器40で合成された光を電装部側光分波器24に導く。
【0016】
検出部側光合波器40は、通過した複数の光を合成するものである。
本実施の形態では、光合波器42は、検出部側光分波器38から出射され第1の可動スリット3602A、第1の固定スリット3802Aを通過した第1の光と、第2の可動スリット3602B、第2の固定スリット3802Bを通過した第2の光と、第3の可動スリット3604、第3の固定スリット3804を通過した第3の光との3つの光を合成する。
【0017】
第2ケース32は第1ケース30とは切り離されている。
第2ケース32には、回転軸48、目盛板42などが収容され、第2ケース32の内外にわたって光照射用第2光ファイバ44と、受光用第2光ファイバ46とが設けられている。
【0018】
目盛板42は、可動スリット板50と固定スリット板52とを備えている。
回転軸48は、第2ケース32内に設けられた軸受け部33によって回転可能に支持されている。
本実施の形態では、検出部12は、モータ2の回転量を検出するものであり、したがって、回転軸48の一端はモータ2の駆動軸に一体回転可能に連結され、回転軸48の他端には可動スリット板50が取り付けられている。
【0019】
可動スリット板50は、円板状を呈し、図2に示すように、複数の第1の可動スリット5002Aと、複数の第2の可動スリット5002Bと、複数の第3の可動スリット5004とを備えている。
複数の第1の可動スリット5002Aは、可動スリット板50の回転中心の周方向全周にわたって形成されている。
複数の第2の可動スリット5002Bは、複数の第1の可動スリット5002Aの内周側で複数の第1の可動スリット5002Aと同心円状に、可動スリット板50の回転中心の周方向全周にわたって形成されている。
第1、第2の可動スリット5002A、5002Bは互いに同じ数のスリットで構成されている。
また、第1、第2の可動スリット5002A、5002Bは、第1の可動スリット5002Aの隣り合うスリットの間の間隔(角度)を1ピッチとすると、第2の可動スリット5002Bの隣り合うスリットの間隔(角度)も1ピッチとなるように構成されている。
そして、第1の可動スリット5002Aのスリットと、第2の可動スリット5002Bのスリットとは、前記周方向における位置が1/4ピッチずれた状態で形成されている。
言い換えると、スリットの位相を1ピッチで500度とした場合、第1の可動スリット5002Aのスリットと、第2の可動スリット5002Bのスリットとは、スリットの位相が90度ずれた状態で形成されている。
第3の可動スリット5004は、第2の可動スリット5002Bの内周側で円周上の一部に形成されている。
【0020】
可動スリット板50の一部に臨むように固定スリット板52が不図示の取り付け部材を介して第2ケース32内に固定されている。
固定スリット板52は、図3に示すように、円板状を呈し、可動スリット板50に重ね合わさるように配設されている。
固定スリット板52は、第1の固定スリット5202Aと、第2の固定スリット5202Bと、第3の固定スリット5204とを備えている。
第1の固定スリット5202Aは、固定スリット板52が可動スリット板50の第1の可動スリット5002に臨む箇所で可動スリット板50の周方向の一部に形成されている。
第2の固定スリット5202Bは、固定スリット板52が可動スリット板50の第2の可動スリット5002Bに臨む箇所で可動スリット板50の周方向の一部に形成されている。
第3の固定スリット5204は、固定スリット板52が可動スリット板50の第3の可動スリット5004に臨む箇所で可動スリット板50の周方向の一部に形成されている。
【0021】
光照射用第2光ファイバ44は、検出部側光分波器38で分離された複数の光をスリットに照射するものである。
本実施の形態では、光照射用第2光ファイバ44は第1、第2、第3の光に対応して3つ設けられている。
3つの光照射用第2光ファイバ44の光出射端は目盛板42に対向するように配置され、光出射端には光を平行光にして出射するレンズ54が設けられている。
3つの光照射用第2光ファイバ44の光出射端から発せられた光は、第1の可動スリット5002A、第2の可動スリット5002B、第3の可動スリット5004に照射される。
【0022】
各光照射用第2光ファイバ44は、第1ケース30内に位置し検出部側光分波器38の出力部に接続された第1の部分44Aと、第2ケース32内に位置する第2の部分44Bと、第1ケース30および第2ケースの外部に位置する外部部分44Cとを有している。
第1の部分44Aと外部部分44Cの一方の端部および第2の部分44Bと外部部分44Cの他方の端部は共に光コネクタ56により着脱可能に結合されている。
【0023】
受光用第2光ファイバ46は、各スリットを通過した複数の光を検出部側光合波器40に導くものである。
本実施の形態では、受光用第2光ファイバ46は第1、第2、第3の光に対応して3つ設けられている。
3つの受光用第2光ファイバ46の光入射端は、目盛板42を挟んで光照射用第2光ファイバ44と反対の箇所で目盛板42に対向するように配置され、光入射端には光を集光して入射するレンズ58が設けられている。
第1の可動スリット5002A、第2の可動スリット5002B、第3の可動スリット5004、第1の固定スリット5202A、第2の固定スリット5202B、第3の固定スリット5204を通過した3つの光は、3つの受光用第2光ファイバ46の光入射端に入射される。
なお、レンズ54、58としてコリメートレンズなど従来公知のさまざまなレンズが作用可能であり、それらレンズは不図示の支持手段により第2ケース32内に支持されている。
【0024】
第2ケース用光受光光ファイバ46は、第1ケース30内に位置し検出部側光合波器40の入力部に接続された第3の部分46Aと、第2ケース32内に位置する第4の部分46Bと、第1ケース30および第2ケース32の外部に位置する外部部分46Cとを有している。
第3の部分46Aと外部部分46Cの一方の端部および第4の部分46Bと外部部分46Cの他方の端部は共に光コネクタ56により着脱可能に結合されている。
【0025】
次に動作について説明する。
図1に示すように、電源22から発光素子20に電流が供給され発光素子20が発光すると、その光は光照射用第1光ファイバ34に伝送され、光照射用第1光ファイバ34の光出射端から検出部側光分波器38に出射される。
検出部側光分波器38によって分離された第1、第2、第3の光は、3本の光照射用第2光ファイバ44のそれぞれを介して、第1の可動スリット5002A、第2の可動スリット5002B、第3の可動スリット5004にそれぞれ照射される。
そして、可動スリット板50の第1、第2、第3の可動スリット5002A、5002B、5004を通過した第1乃至第3の光は、固定スリット板52の第1、第2、第3の固定スリット5202A、5202B、5204を通過する。
第1、第2、第3の固定スリット5202A、5202B、5204を通過した第1、第2、第3の光は、3本の受光用光ファイバ46のそれぞれを介して、検出部側光合波器40に導かれる。
すなわち、第1の光は、可動スリット板50の第1可動スリット5002Aと固定スリット板52の第1の固定スリット5202Aとをこの順に通過し、検出部側光合波器40に導かれる。
また、第2の光は、可動スリット板50の第2可動スリット5002Bと固定スリット板52の第2の固定スリット5202Bとをこの順に通過し、検出部側光合波器40に導かれる。
また、第3の光は、可動スリット板50の第3可動スリット5004と固定スリット板52の第3の固定スリット5204とをこの順に通過し、検出部側光合波器40に導かれる。
そして、検出部側光合波器40によって合成された第1乃至第3の光は多重化された状態で受光用第1光ファイバ36の光入射端に入射されこの受光用第1光ファイバ36によって電装部側光分波器24に導かれる。
電装部側光分波器24は、入射された光、言い換えると、合成された第1乃至第3の光を再び第1乃至第3の光に分離し、第1乃至第3の光を第1乃至第3の受光素子26A、26B、26Cのそれぞれに導く。
これにより、第1乃至第3の受光素子26A、26B、26Cによってそれぞれ検出信号A、B、Cが生成される。
【0026】
すなわち、回転軸48の回転に伴い第1、第2の固定スリット5202A、5002Bに対して第1、第2の可動スリット5002A、5002Bが移動することでこれらスリット1ピッチ毎に光路が遮られることにより、回転量に比例した回数の明暗が発生する。
したがって、検出信号A、Bはこの明暗に対応して繰り返して増減する信号となる。
検出回路28は、このように増減する2つの検出信号A、Bに基づいてモータ2の回転量に対応したデジタル信号を生成する。
前記デジタル信号を従来公知のカウンタ回路などに供給することで回転量のデータが求められる。
なお、検出回路28は、以下に説明するように、回転軸48の回転方向が正転か反転かを識別する機能を有している。
すなわち、前述したように、第1、第2の可動スリット5002A、5002Bは、それらのスリットのピッチが90度の位相差を有しているため、2つの検出信号A、Bは90度位相がずれた正弦波状を呈している。
そして、検出回路28によって2つの検出信号A、Bがコンパレータなどを用いて矩形波状のデジタル信号に変換される。変換されたデジタル信号においても互いの位相差は90度を有している。
したがって、回転軸48が正転した場合と、逆転した場合とでは、検出回路28によって得られるデジタル信号の一方に対する他方のデジタル信号の位相のずれが90度進み(+90度となり)、あるいは、90度遅れる(−90度となる)ことになり、検出回路28では、このような位相の変化に基づいて回転軸48の正転と反転とを判別し、その判別結果に対応した回転方向判別信号を前記カウンタ回路などに供給する。
これにより、前記カウンタ回路によって回転方向に対応した回転量のデータが正しく求められることになる。
【0027】
また、回転軸48の回転に伴い第3の固定スリット5204に対して第3の可動スリット5004が合致することで光路が形成され、回転軸48の一回転毎に光が透過することになる。したがって、検出信号Cはこの光の透過に対応して発生する信号となる。
検出回路28は、このような検出信号Cに基づいて、固定スリット板52に対する可動スリット板50の回転角度の基準位置(絶対位置)を検出する。
【0028】
本実施の形態によれば、検出部12のケースを第1、第2ケース30、32に分離したので、第1、第2ケース30、32に配置する部材は少なくなり、第1、第2ケース30、32の小型化を図る上で有利となる。
また、第1、第2ケース30、32に配置する部材が少ないので、小型化しても組み立ての簡単化を図る上で有利となる。
また、第1、第2ケース30、32が小型化されるため、検出部12のレイアウトの自由度を大きく確保でき、狭く限られたスペースに検出部12を設置する場合に極めて有利となる。
【0029】
また、光照射用第2光ファイバ44および受光用第2光ファイバ46は、第1、第2ケース30、32に対して光コネクタ56により着脱可能に結合される。
したがって、第1、第2ケース30、32を分離した状態で組み立てができるため、組み立ての簡単化を図る上で有利となる。
また、第1、第2ケース30、32を分離した状態で運搬や設置などの取り扱いができるため、狭く限られたスペースに検出部12を設置する際の作業性の向上を図る上で有利となる。
【0030】
また、検出部12の第1ケース30内に検出部側光分波器38と、検出部側光合波器40とを収容し、第2ケース32内に目盛板42を収容し、第1ケース30と電装部14とを光照射用第1光ファイバ34と、受光用第1光ファイバ36とで接続し、第1、第2ケース30、32間を光照射用第2光ファイバ44と、受光用第2光ファイバ46とで接続した。
したがって、第1、第2ケース30、32の内部には、目盛板42と検出部側光分波器38と検出部側光合波器40のみが設けられているため、第1、第2ケース30、32の内部に電気信号が現れることがないので、第1、第2ケース30、32を防爆環境下に設置し、かつ、発光素子20と、受光素子26とを防爆環境ではない環境下に設置すれば、防爆環境下においてエンコーダ10を使用することが可能となる。
また、目盛板42と検出部側光分波器38と検出部側光合波器40のみが収容された第1、第2ケース30、32を放射線が発生する環境下に設置し、かつ、発光素子20および受光素子26を放射線が発生しない環境下に設置すれば、放射線が発光ダイオードや受光素子にダメージを与えることがなく、エンコーダ10の耐久性を確保する上で有利となる。
また、目盛板42と検出部側光分波器38と検出部側光合波器40のみが収容された第1、第2ケース30、32を高電圧や高磁場が発生する環境下に設置し、かつ、発光素子20および受光素子26を高電圧や高磁場が発生しない環境下に設置すれば、電圧や磁場が受光素子26から出力される検出信号に影響を与えることがないため、回転量の検出を確実に行うことができ常に安定した検出動作を行う上で有利となる。
また、検出部12と電装部14とが離れた箇所に設置され、光照射用第1光ファイバ34および受光用第1光ファイバ36が長くなったとしても、それら光ファイバ34、36を伝送される光は、外部からの電磁波ノイズの影響を受けることがなく、検出回路28によって正確な回転量(検出量)を検出する上で有利となる。
【0031】
また、本実施の形態では、検出部12において、検出部側光分波器38によって光を互いに異なる波長を有する複数の光に分離したのち目盛板42のスリットに照射させ、かつ、前記スリットを通過した複数の光を、検出部側光合波器40によって合成するようにした。
したがって、電装部14から検出部12の第1ケース30に光を導く光照射用第1光ファイバ34と、第1ケース30から電装部14に光を導く受光用第1光ファイバ36とをそれぞれ1本ずつ設ければよいため、構成の簡素化、光ファイバのコストダウン、光ファイバの引き回し作業の簡素化を図る上で有利となる。
【0032】
また、本実施の形態では、発光素子20が1つで済むため、発光素子20が温度変化や振動、衝撃などの影響を受けることによりその光出力(光量)が変動しても、複数の受光素子26に入射される複数の光の光量の変動量は均等であり、個々の受光用光ファイバ18に入射される光の間において光量の変動量にばらつきは生じない。
したがって、各受光素子26から出力される検出信号の大きさの変動量は均等であり、検出信号A、Bの大きさに相対的な変動は生じない。言い換えると、検出信号A、Bの変動は同相成分となる。
検出信号のこのような同相成分の変動を除去し、あるいは、軽減することは従来公知のさまざまな信号処理によって簡単に行うことができる。
したがって、発光素子20の光出力の変動が生じたとしても、検出回路28によって前記同相成分の変動を除去する信号処理を行うことにより、検出信号A、Bの大きさの変動の影響を受けることなく前記デジタル信号を生成することができ、モータ2の回転量を正確に得ることができる。
すなわち、本実施の形態によれば、温度変化や振動、衝撃などの影響を受けることなく検出信号を得ることができ、したがって、正確な回転量(検出量)を検出する上で有利となる。
【0033】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
図4は第2の実施の形態のエンコーダ10の構成を示す説明図である。
なお、以下の実施の形態においては第1の実施の形態と同様の部分、部材には同一の符号を付してその説明を省略し、または、説明を簡単に行う。
第2の実施の形態では、光源を、互いに異なる波長の光を出射する複数の発光素子と光源用光合波器を用いて構成した点が第1の実施の形態と異なっており、その他の点は第1の実施の形態と同様である。
図4に示すように、エンコーダ10の電装部14の光源は、互いに異なる波長の光を出射する複数の発光素子20と、光源用光合波器21とを有している。
本実施の形態では、複数の発光素子として第1乃至第3の発光素子20A、20B、20Cが設けられており、例えば、第1の発光素子20Aの発光色は赤、第2の発光素子20Bの発光色は緑、第3の発光素子20Cの発光色は青である。
光源用光合波器21は、複数の発光素子20から出射される互いに波長が異なる複数の光を合成し、合成した光を光照射用第1光ファイバ34の光入射端に導くものである。
本実施の形態では、光源用光合波器21は第1乃至第3の発光素子20A、20B、20Cから出射された赤、緑、青の各色の光を合成し白色光を光照射用第1光ファイバ34の光入射端に導く。
したがって、光照射用第1光ファイバ34は、第1の実施の形態と同様に、互いに異なる波長を有する複数の光を検出部側光分波器38に導くことになる。
【0034】
このような第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論である。
【0035】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。
図5は第3の実施の形態のエンコーダ10の構成を示す説明図である。
第3の実施の形態では、電装部12に電装部側光アイソレータ60を設けると共に、検出部14に検出部側光アイソレータ62を設け、光照射用第1光ファイバと受光用第1光ファイバとを単一の光照射受光用光ファイバ64で構成した点が第1の実施の形態と異なっており、その他の点は第1の実施の形態と同様である。
図5に示すように、電装部14は、第1の実施の形態の構成に加えて電装部側光アイソレータ60を含んで構成されている。
電装部側光アイソレータ60は、発光素子20からの光を光照射受光用光ファイバ64に導くとともに、検出部12から光照射受光用光ファイバ64を介して導かれた光を電装部側光分波器24に導くものである。
電装部側光分波器24は、電装部側光アイソレータ60を介して導かれた光を、第1の実施の形態の場合と同様に、互いに異なる波長を有する複数の光に分離する。
本実施の形態では、電装部側光分波器24は、電装部側光アイソレータ60から出射された光を、互いに異なる波長を有する第1乃至第3の光の3つの光に分離するように構成されている。
【0036】
光照射受光用光ファイバ64は、第1ケース30の内外にわたって設けられ、光を第1ケース30内に導くと共に、検出部側光合分波器62で合成された光を第1ケース30外に導くものである。
光照射受光用光ファイバ64は、その一端を光アイソレータ60に臨ませて配置されると共に、他端を検出部側光合分波器62に臨ませた状態で第1ケース30内に不図示の取り付け部材を用いて取着されている。
【0037】
検出部側光アイソレータ62は、光照射受光用光ファイバ64を介して導かれた光を検出部側光分波器38に導くとともに、検出部側光合波器40から出射された光を光照射受光用光ファイバ64に導くものである。
本実施の形態では、検出部側光アイソレータ62と検出部側光分波器38が光照射用第3光ファイバ39により接続されている。
また、検出部側光合波器40と検出部側光アイソレータが受光用第3光ファイバ41により接続されている。
【0038】
検出部側光分波器38は、検出部側光アイソレータ62から発せられた光を互いに異なる波長を有する第1、第2、第3の光に分離する。
検出部側光合波器40は、検出部側光分波器38から出射され第1の可動スリット3602A、第1の固定スリット3802Aを通過した第1の光と、第2の可動スリット3602B、第2の固定スリット3802Bを通過した第2の光と、第3の可動スリット3604、第3の固定スリット3804を通過した第3の光との3つの光を合成する。
【0039】
次に動作について説明する。
図5に示すように、電源22から発光素子20に電流が供給され発光素子20が発光すると、その光は電装部側光アイソレーター60を介して光照射受光用光ファイバ64に伝送され、光照射受光用光ファイバ64の端部から検出部側光アイソレータ62に出射される。
検出部側光アイソレータ62によって分離された光は、検出部側光分波器38に導かれる。
検出部側光分波器38によって分離された第1、第2、第3の光は、3本の光照射用第2光ファイバ44のそれぞれを介して、第1の可動スリット5002A、第2の可動スリット5002B、第3の可動スリット5004にそれぞれ照射される。
そして、可動スリット板50の第1、第2、第3の可動スリット5002A、5002B、5004を通過した第1乃至第3の光は、固定スリット板52の第1、第2、第3の固定スリット5202A、5202B、5204を通過する。
第1、第2、第3の固定スリット5202A、5202B、5204を通過した第1、第2、第3の光は、第1の実施の形態と同様に、3本の受光用光ファイバ46のそれぞれを介して、検出部側光合波器40に導かれる。
そして、検出部側光合波器40によって合成された第1乃至第3の光は多重化された状態で検出部側光アイソレータ62を介して光照射受光用光ファイバ64に導かれる。
電装部側光分波器24は、光照射受光用光ファイバ64によって導かれた光を、言い換えると、合成された第1乃至第3の光を再び第1乃至第3の光に分離し、第1乃至第3の光を第1乃至第3の受光素子26A、26B、26Cのそれぞれに導く。
これにより、第1乃至第3の受光素子26A、26B、26Cによってそれぞれ検出信号A、B、Cが生成される。
検出回路28によるモータ2の回転量に対応したデジタル信号の生成および可動スリット板74の回転角度の基準位置(絶対位置)の検出は第1の実施の形態と同様になされる。
【0040】
第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと、電装部14から検出部12の第1ケース30に光を導く光照射用第1光ファイバと、第1ケース30から電装部14に光を導く受光用第1光ファイバとを1本の光照射受光用光ファイバ64で構成できるため、構成の簡素化、光ファイバのコストダウン、光ファイバの引き回し作業の簡素化を図る上でより一層有利となる。
【0041】
(第4の実施の形態)
次に第4の実施の形態について説明する。
図6は第4の実施の形態のエンコーダ10の構成を示す説明図である。
第4の実施の形態は、第3の実施の形態の変形例であり、第3の実施の形態における検出部側光アイソレータ62と、検出部側光分波器38と、検出部側光合波器40とを単一の光合分波器66によって構成した点が第3の実施の形態と異なっており、その他の点は第3の実施の形態と同様である。
図6に示すように、光合分波器66は、光照射受光用光ファイバ64を介して導かれた光を互いに異なる波長を有する第1、第2、第3の光に分離して3つの光照射用第2光ファイバ44に導くと共に、3つの受光用第2光ファイバ46を介して導かれた互いに異なる波長を有する第1、第2、第3の光を合成し、光照射受光用光ファイバ64に導くものである。
このような光合分波器66としては、例えば、導波路型光合分波器など従来公知の光合分波器が採用可能である。
【0042】
第4の実施の形態によれば、第3の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと、検出部側光アイソレータ62と、検出部側光分波器38と、検出部側光合波器40とを単一の光合分波器66で構成できるため、構成の簡素化、コストダウンを図る上でより一層有利となる。
【0043】
(第5の実施の形態)
次に第5の実施の形態について説明する。
図7は第5の実施の形態のエンコーダ70の構成を示す説明図である。
第1の実施の形態では、目盛板に光を透過させることで検出信号を得ていたのに対し、第5の実施の形態では、目盛板で光を反射させることで検出信号を得るようにした点が第1の実施の形態と異なる。
【0044】
図7に示すように、エンコーダ70は第1の実施の形態と同様にモータ2の回転量を検出するロータリーエンコーダである。
エンコーダ70は、検出部72と、電装部74とを備えている。
検出部72は、モータ2に近接して配置されている。
電装部74は、検出部72から離間した箇所に配設されている。
【0045】
電装部74は、単一の発光素子20と、電源22と、電装部側光アイソレータ60と、電装部側光分波器24と、複数の受光素子26と、検出回路28などを含んで構成されている。
第1の実施の形態と同様に発光素子20は光源を構成するものであり、検出部12に光を供給するものである。
電装部側光アイソレータ60は、発光素子20からの光を光照射受光用第1光ファイバ76に導くとともに、検出部72から光照射受光用第1光ファイバ76を介して導かれた光を電装部側光分波器24に導くものである。
電装部側光分波器24は、電装部側光アイソレータ60を介して導かれた光を、互いに異なる波長を有する複数の光に分離するものである。
本実施の形態では、電装部側光分波器24は、光照射受光用第1光ファイバ76の端部から出射された光を、互いに異なる波長を有する第1乃至第3の光の3つの光に分離するように構成されている。
複数の受光素子26は、電装部側光分波器24によって分離された複数の光をそれぞれ受光して検出信号を生成するものであり、第1の実施の形態と同様に、受光素子26として第1乃至第3の受光素子24A、26B、26Cの3つが設けられ、各受光素子26A、26B、26Cはフォトダイオードで構成されている。
検出回路28は、第1の実施の形態と同様に、第1乃至第3の受光素子26A、26B、26Cから出力される3つの検出信号に基づいてモータ2の回転量に対応したデジタル信号を生成する。
【0046】
検出部72は、第1ケース80と、第2ケース82と、光照射受光用第1光ファイバ76と、検出部側光合分波器84と、目盛板86と、光照射受光用第2光ファイバ88などを含んで構成されている。
【0047】
第1ケース80には、検出部側光合分波器84が収容され、第1ケース80の内外にわたって光照射受光用第1光ファイバ76が設けられている。
光照射受光用第1光ファイバ76は、発光素子20から発せられた光を第1ケース80内に導くと共に、検出部側光合分波器84で合成された光を第1ケース80外に導くものである。
本実施の形態では、光照射受光用第1光ファイバ76は、検出部側光合分波器84で合成された光を電装部側光分波器24に導く。
光照射受光用第1光ファイバ76の一端は、発光素子20に接続されている。
光照射受光用第1光ファイバ76の他端は、その他端を検出部側光合分波器84に臨ませた状態で第1ケース80内に不図示の取り付け部材を用いて取着されている。
【0048】
検出部側光合分波器84は、光照射受光用第1光ファイバ76の一端から発せられた光を互いに異なる波長を有する複数の光に分離するものである。
本実施の形態では、検出部側光合分波器84は、光照射受光用第1光ファイバ76の一端から発せられた光を互いに異なる波長を有する第1、第2、第3の光に分離する。
また、検出部側光合分波器84は、通過した複数の光を合成するものである。
本実施の形態では、検出部側光合分波器84は、この検出部側光合分波器84から出射され第1の可動スリット3602A、第1の固定スリット3802Aを通過した第1の光と、第2の可動スリット3602B、第2の固定スリット3802Bを通過した第2の光と、第3の可動スリット3604、第3の固定スリット3804を通過した第3の光との3つの光を合成する。
なお、検出部側光合分波器84は、プリズム、干渉膜フィルタ、あるいは、回折格子などを用いた従来公知の光合分波器を用いることができる。
【0049】
第2ケース82は第1ケース80とは切り離されている。
第2ケース82には、回転軸48、目盛板86などが収容され、第2ケース82の内外にわたって光照射受光用第2光ファイバ88が設けられている。
【0050】
目盛板86は、可動スリット板90と固定スリット板92とを備えている。
回転軸48は、第2ケース82内に設けられた軸受け部33によって回転可能に支持されている。
本実施の形態では、検出部72は、モータ2の回転量を検出するものであり、したがって、回転軸48の一端はモータ2の駆動軸に一体回転可能に連結され、回転軸48の他端には可動スリット板90が取り付けられている。
【0051】
可動スリット板90は、円板状の板体を有し、第1の実施の形態と同様に、複数の第1の可動スリットと、複数の第2の可動スリットと、複数の第3の可動スリットとを備えている。
複数の第1の可動スリットは、可動スリット板90の回転中心の周方向全周にわたって形成されている。
複数の第2の可動スリットは、複数の第1の可動スリットの内周側で複数の第1の可動スリットと同心円状に、可動スリット板90の回転中心の周方向全周にわたって形成されている。
第1、第2の可動スリットは互いに同じ数のスリットで構成され、第1の可動スリットのスリットと、第2の可動スリットのスリットとは、スリットの位相が90度ずれた状態で形成されている。
第3の可動スリットは、第2の可動スリットの内周側で円周上の一部に形成されている。
【0052】
可動スリット板90の一部に臨むように固定スリット板92が不図示の取り付け部材を介してケース30内に固定されている。
固定スリット板92は可動スリット板90に重ね合わさるように配設されている。
固定スリット板92は、何れも不図示の第1の固定スリットと、第2の固定スリットと、第3の固定スリットとを備えている。
第1の固定スリットは、固定スリット板92が可動スリット板90の第1の可動スリットに臨む箇所で可動スリット板90の周方向の一部に形成されている。
第2の固定スリットは、固定スリット板92が可動スリット板90の第2の可動スリットに臨む箇所で可動スリット板90の周方向の一部に形成されている。
第3の固定スリットは、固定スリット板92が可動スリット板78の第3の可動スリットに臨む箇所で可動スリット板90の周方向の一部に形成されている。
【0053】
光照射受光用第2光ファイバ88は、検出部側光合分波器84で分離された複数の光をスリットに照射するものである。
本実施の形態では、光照射受光用第2光ファイバ88は第1、第2、第3の光に対応して3つ設けられている。
3つの光照射受光用第2光ファイバ88の一端は目盛板86に対向するように配置され、該一端には光を平行光にして出射すると共に、反射された光を集光して入射するレンズ94が設けられている。
3つの光照射受光用第2光ファイバ88の一端からそれぞれ発せられた第1、第2、第3の光は、前記第1の可動スリット、第2の可動スリット、第3の可動スリットに照射される。
すなわち、第1の光は前記第1の可動スリットが前記第1の固定スリットに臨む箇所に照射され、第2の光は前記第2の可動スリットが前記第2の固定スリットに臨む箇所に照射され、第3の光は前記第2の可動スリットが前記第3の固定スリットに臨む箇所に照射される。
また、3つの光照射受光用第2光ファイバ88は、複数の光が可動スリット板90の板体で反射され、固定スリット板92を透過した複数の反射光を検出部側光合分波器84に導くものである。
本実施の形態では、3つのうちの1つの光照射受光用第2光ファイバ88の一端から出射され可動スリット板90の板体の前記第1の可動スリットが形成されている部分で反射され、前記第1の固定スリットを通過した第1の光は、この光照射受光用第2光ファイバ88の一端に入射され、検出部側光合分波器84に導かれる。
また、残り2つのうち一方の光照射受光用第2光ファイバ88の一端から出射され可動スリット板90の板体の前記第2の可動スリットが形成されている部分で反射され、前記第2の固定スリットを通過した第2の光は、この光照射受光用第2光ファイバ88の一端に入射され、検出部側光合分波器84に導かれる。
また、残り2つのうちの他方の光照射受光用第2光ファイバ88の一端から出射され可動スリット板90の板体の前記第3の可動スリットが形成されている部分で反射され、前記第3の固定スリットを通過した第3の光は、この光照射受光用第2光ファイバ88の一端に入射され、検出部側光合分波器84に導かれる。
【0054】
次に動作について説明する。
図7に示すように、電源22から発光素子20に電流が供給され発光素子20が発光すると、その光は電装部側光アイソレータ60を介して光照射受光用第1光ファイバ76に伝送され、光照射受光用第1光ファイバ76の端部から検出部側光合分波器84に出射される。
検出部側光合分波器84によって分離された第1、第2、第3の光は、光照射受光用第2光ファイバ88を介して可動スリット板90の第1の可動スリット、第2の可動スリット、第3の可動スリットにそれぞれ照射される。
そして、可動スリット板90の前記第1の可動スリットの部分の板部で反射された光は前記第1の固定スリットを通過して光照射受光用第2光ファイバ88を介して検出部側光合分波器84に導かれる。
また、可動スリット板90の前記第2の可動スリットの部分の板部で反射された光は前記第2の固定スリットを通過して光照射受光用第2光ファイバ88を介して検出部側光合分波器84に導かれる。
また、可動スリット板90の前記第3の可動スリットの部分の板部で反射された光は前記第3の固定スリットを通過して光照射受光用第2光ファイバ88を介して検出部側光合分波器84に導かれる。
そして、検出部側光合分波器84によって合成された第1乃至第3の光は多重化された状態で光照射受光用第1光ファイバ76の端部に入射されこの光照射受光用第1光ファイバ76によって電装部側光アイソレータ60を介して電装部側光分波器24に導かれる。
電装部側光分波器24は、入射された光、言い換えると、合成された第1乃至第3の光を再び第1乃至第3の光に分離し、第1乃至第3の光を第1乃至第3の受光素子26A、26B、26Cのそれぞれに導く。
これにより、第1乃至第3の受光素子26A、26B、26Cによってそれぞれ検出信号A、B、Cが生成される。
検出回路28によるモータ2の回転量に対応したデジタル信号の生成および可動スリット板90の回転角度の基準位置(絶対位置)の検出は第1の実施の形態と同様になされる。
【0055】
第5の実施の形態によれば、検出部72のケースを第1、第2ケース80、82に分離したので、第1、第2ケース80、82に配置する部材は少なくなり、第1、第2ケース80、82の小型化を図る上で有利となる。
また、第1、第2ケース80、82に配置する部材が少ないので、小型化しても組み立ての簡単化を図る上で有利となる。
また、第1、第2ケース80、82が小型化されるため、検出部72のレイアウトの自由度を大きく確保でき、狭く限られたスペースに検出部72を設置する場合に極めて有利となる。
【0056】
また、光照射受光用第2光ファイバ88は、第1、第2ケース80、82に対して光コネクタ56により着脱可能に結合される。
したがって、第1、第2ケース80、82を分離した状態で組み立てができるため、組み立ての簡単化を図る上で有利となる。
また、第1、第2ケース80、82を分離した状態で設置できるため、狭く限られたスペースに検出部72を設置する際の作業性の向上を図る上で有利となる。
【0057】
また、検出部72の第1ケース80内に検出部側光合分波器84を収容し、第2ケース82内に目盛板86を収容し、第1ケース80と電装部74とを光照射受光用第1光ファイバ76で接続し、第1、第2ケース80、82間を光照射受光用第2光ファイバ88とで接続した。
したがって、第1、第2ケース80、82の内部には、目盛板86と検出部側光合分波器84のみが設けられているため、第1、第2ケース80、82の内部に電気信号が現れることがないので、第1、第2ケース80、82を防爆環境下に設置し、かつ、発光素子20と、受光素子26とを防爆環境ではない環境下に設置すれば、防爆環境下においてエンコーダ10を使用することが可能となる。
また、目盛板86と検出部側光合分波器84のみが収容された第1、第2ケース80、82を放射線が発生する環境下に設置し、かつ、発光素子20および受光素子26を放射線が発生しない環境下に設置すれば、放射線が発光ダイオードや受光素子にダメージを与えることがなく、エンコーダ10の耐久性を確保する上で有利となる。
また、目盛板86と検出部側光合分波器84のみが収容された第1、第2ケース80、82を高電圧や高磁場が発生する環境下に設置し、かつ、発光素子20および受光素子26を高電圧や高磁場が発生しない環境下に設置すれば、電圧や磁場が受光素子26から出力される検出信号に影響を与えることがないため、回転量の検出を確実に行うことができ常に安定した検出動作を行う上で有利となる。
また、検出部72と電装部74とが離れた箇所に設置され、光照射受光用第1光ファイバ76が長くなったとしても、光照射受光用第1光ファイバ76を伝送される光は、外部からの電磁波ノイズの影響を受けることがなく、検出回路28によって正確な回転量(検出量)を検出する上で有利となる。
【0058】
また、本実施の形態では、検出部72において、検出部側光合分波器84によって光を互いに異なる波長を有する複数の光に分離したのち目盛板86のスリットに照射させ、かつ、前記スリットを通過した複数の光を、検出部側光合分波器84によって合成するようにした。
したがって、電装部74から検出部72の第1ケース80に光を導くと共に、第1ケース80から電装部74に光を導く光照射受光用第1光ファイバ76を1本設ければよいため、構成の簡素化、光ファイバのコストダウン、光ファイバの引き回し作業の簡素化を図る上で有利となる。
また、発光素子20が1つで済むため、第1の実施の形態と同様に、温度変化や振動、衝撃などの影響を受けることなく検出信号を得ることができ、したがって、正確な回転量(検出量)を検出する上で有利となる。
【0059】
(第6の実施の形態)
次に第6の実施の形態について説明する。
図8は第6の実施の形態のエンコーダ70の構成を示す説明図である。
第6の実施の形態では、光源を、互いに異なる波長の光を出射する複数の発光素子と光源用光合波器を用いて構成した点が第5の実施の形態と異なっており、その他の点は第5の実施の形態と同様である。
図8に示すように、エンコーダ70の電装部74の光源は、互いに異なる波長の光を出射する複数の発光素子20と、光源用光合波器21とを有している。
本実施の形態では、第1乃至第3の発光素子20A、20B、20Cが設けられており、例えば、第1の発光素子20Aの発光色は赤、第2の発光素子20Bの発光色は緑、第3の発光素子20Cの発光色は青である。
光源用光合波器21は、複数の発光素子20から出射される互いに波長が異なる複数の光を合成し、合成した光を電装部側光アイソレータ60を介して光照射受光用第1光ファイバ76に導くものである。
本実施の形態では、光源用光合波器21は第1乃至第3の発光素子20A、20B、20Cから出射された赤、緑、青の各色の光を合成し白色光を電装部側光アイソレータ60を介して光照射受光用第1光ファイバ76の光入射端に導く。
したがって、光照射受光用第1光ファイバ76は、複数の発光素子20から発せられ合成された光を第1ケース80内に導くとともに、検出部側光合分波器84で合成された光を第1ケース80外に導くものである。
【0060】
このような第6の実施の形態においても第5の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論である。
【0061】
なお、第1の実施の形態では、第1ケース30から導出された光照射用第1光ファイバ34、受光用第1光ファイバ36を発光素子20、電装部側光分波器24にそれぞれ接続した場合について説明した。
また、第2の実施の形態では、第1ケース30から導出された光照射用第1光ファイバ34、受光用第1光ファイバ36を電装部側光合波器21、電装部側光分波器24にそれぞれ接続した場合について説明した。
また、第3、第4の実施の形態では、第1ケース30から導出された光照射受光用光ファイバ64を電装部側光アイソレータ60に接続した場合について説明した。
また、第5、第6の実施の形態では、第1ケース80から導出された光照射受光用第1光ファイバ76を電装部側光アイソレータ60に接続した場合について説明した。
しかしながら、各光ファイバの中間箇所にコネクタを設け、それらコネクタを用いて第1ケースと、電装部とを切り離しできるようにしてもよい。前記コネクタは、第1ケースに設けてもよいし、第1ケースの外方で各光ファイバの中間箇所に設けてもよい。
【0062】
また、実施の形態では、エンコーダが、回転中心の周方向全周にわたって可動スリットが形成された可動スリット板を用いることでモータ2の回転量に比例した回数の明暗に対応して増減する検出信号A,Bを得ると共に、これら検出信号A,Bに基づいて検出回路28がモータ2の回転量に対応したデジタル信号を生成するものについて説明した。
すなわち、エンコーダが、いわゆる回転に応じたパルス信号を出力するインクリメンタル形である場合について説明した。
しかしながら、本発明は、インクリメンタル形のエンコーダに限定されるものではなく、可動スリット板に、回転位置に対応したN桁の2進数(Nは1以上の整数)を表すスリットを形成しておき、回転位置を2進数の形式で出力する、いわゆるアブソリュート形のエンコーダにも無論適用可能である。
【0063】
また、実施の形態では、エンコーダがロータリーエンコーダであった場合について説明したが、本発明はリニアエンコーダにも適用可能であることは無論である。
この場合には、目盛板は、多数のスリットが形成され直線状に延在するメインスケールと、複数のスリットが設けられた固定スリット板とを備えている。
第2ケースは、前記メインスケールの長手方向に沿って移動可能に設けられ、前記固定スリット板は第2ケース内に固定され、その他の構成はロータリーエンコーダの場合と同様である。
【符号の説明】
【0064】
10、70……エンコーダ、12、72……検出部、20……発光素子、24……電装部側光分波器、26……受光素子、30……第1ケース、32……第2ケース、34……光照射用第1光ファイバ、36……受光用第1光ファイバ、38……検出部側光分波器、40……検出部側光合波器、42……目盛板、44……光照射用第2光ファイバ、46……受光用第2光ファイバ、76……光照射受光用第1光ファイバ、84……検出部側光合分波器、86……目盛板、88……光照射受光用第2光ファイバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ケースの内外にわたって設けられ光を前記第1ケース内に導く光照射用第1光ファイバと、
前記第1ケース内に配置され前記光照射用第1光ファイバにより導かれた光を互いに異なる波長を有する複数の光に分離する検出部側光分波器と、
前記第1ケース内に配置され複数の光を合成する検出部側光合波器と、
前記第1ケースの内外にわたって設けられ前記検出部側光合波器で合成された光を前記第1ケース外に導く受光用第1光ファイバと、
前記第1ケースとは切り離された第2ケース内に配設され複数のスリットが形成された目盛板と、
前記検出部側光分波器で分離された複数の光を前記第2ケース内に導き前記スリットに照射する光照射用第2光ファイバと、
前記各スリットを通過した前記複数の光を前記第2ケース内から前記検出部側光合波器に導く受光用第2光ファイバと、
を備えることを特徴とするエンコーダ用検出部。
【請求項2】
前記光照射用第2光ファイバは、前記第1ケース内に位置し前記検出部側光分波器の出力部に接続された第1の部分と、前記第2ケース内に位置する第2の部分と、前記第1ケースおよび前記第2ケースの外部に位置する外部部分とを有し、前記第1の部分と前記外部部分の一方の端部および前記第2の部分と前記外部部分の他方の端部は共に光コネクタにより着脱可能に結合され、
前記第2ケース用光受光光ファイバは、前記第1ケース内に位置し前記検出部側光合波器の入力部に接続された第3の部分と、前記第2ケース内に位置する第4の部分と、前記第1ケースおよび前記第2ケースの外部に位置する外部部分とを有し、前記第3の部分と前記外部部分の一方の端部および前記第4の部分と前記外部部分の他方の端部は共に光コネクタにより着脱可能に結合されている、
ことを特徴とする請求項1記載のエンコーダ用検出部。
【請求項3】
前記光照射用第1光ファイバと前記受光用第1光ファイバとは単一の光照射受光用光ファイバで構成され、
前記第1ケース内において前記光照射受光用光ファイバの端部に検出部側光アイソレータが接続され、
前記検出部側光アイソレータと前記検出部側光分波器が光照射用第3光ファイバにより接続され、
前記検出部側光合波器と前記検出部側光アイソレータが受光用第3光ファイバにより接続されている、
請求項1記載のエンコーダ用検出部。
【請求項4】
前記第1ケース内に単一の検出部側光合分波器が配置され、
前記第1ケース内において、前記光照射受光用光ファイバの端部と、前記光照射用第2光ファイバの端部と、前記受光用第2光ファイバの端部とに前記検出部側光合分波器が接続され、
前記検出部側光分波器と前記検出部側光合波器と前記検出部側光アイソレータは、前記検出部側光合分波器により構成される、
請求項3記載のエンコーダ用検出部。
【請求項5】
第1ケースの内外にわたって設けられ光を前記第1ケース内に導く光照射受光用第1光ファイバと、
前記第1ケースとは切り離された第2ケース内に板体に複数のスリットが形成された目盛板と、
前記第1ケース内に配置され前記光照射受光用第1光ファイバにより導かれた光を互いに異なる波長を有する複数の光に分離すると共に、前記複数の光が前記板体で反射された複数の反射光を合成し前記光照射受光用第1光ファイバに導く検出部側光合分波器と、
前記検出部側光合分波器で分離された複数の光を前記第2ケース内に導き前記スリットに照射すると共に、前記複数の光が前記板体で反射された複数の反射光を前記第2ケース内から前記検出部側光合分波器に導く光照射受光用第2光ファイバと、
を備えることを特徴とするエンコーダ用検出部。
【請求項6】
前記光照射受光用第2光ファイバは、前記第1ケース内に位置し前記検出部側光分波器の出力部に接続された第1の部分と、前記第2ケース内に位置する第2の部分と、前記第1ケースおよび前記第2ケースの外部に位置する外部部分とを有し、前記第1の部分と前記外部部分の一方の端部および前記第2の部分と前記外部部分の他方の端部は共に光コネクタにより着脱可能に結合されている、
ことを特徴とする請求項5記載のエンコーダ用検出部。
【請求項7】
前記目盛板は、前記ケース内に固定され複数のスリットが設けられた固定スリット板と、前記ケース内で前記固定スリット板に重ね合わせて配設され複数のスリットが設けられ回転される可動スリット板とを備える、
ことを特徴とする請求項1または5記載のエンコーダ用検出部。
【請求項8】
前記目盛板は、複数のスリットが形成され直線状に延在するメインスケールと、前記ケース内に固定され複数のスリットが設けられた固定スリット板とを備え、前記ケースは前記メインスケールの長手方向に沿って移動可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1または5記載のエンコーダ用検出部。
【請求項9】
互いに切り離された第1ケースおよび前記第2ケースと、
前記第1ケースおよび前記第2ケースから離れた箇所に配置された光源と、
前記第1ケースの内外にわたって設けられ前記光源から発せられた光を前記第1ケース内に導く光照射用第1光ファイバと、
前記第1ケース内に配置され前記光照射用第1光ファイバにより導かれた光を互いに異なる波長を有する複数の光に分離する検出部側光分波器と、
前記第1ケース内に配置され複数の光を合成する検出部側光合波器と、
前記第1ケースの内外にわたって設けられ前記検出部側光合波器で合成された光を前記第1ケース外に導く受光用第1光ファイバと、
前記第1ケースとは切り離された第2ケース内に配設され複数のスリットが形成された目盛板と、
前記検出部側光分波器で分離された複数の光を前記第2ケース内に導き前記スリットに照射する光照射用第2光ファイバと、
前記各スリットを通過した前記複数の光を前記第2ケース内から前記検出部側光合波器に導く受光用第2光ファイバと、
前記第1ケースおよび前記第2ケースから離れた箇所に配置され、前記受光用第2光ファイバから出射された光を前記互いに異なる波長を有する複数の光に分離する電装部側光分波器と、
前記第1ケースおよび前記第2ケースから離れた箇所に配置され、前記電装部側光分波器によって分離された前記複数の光をそれぞれ受光する複数の受光素子とを備える、
ことを特徴とするエンコーダ。
【請求項10】
互いに切り離された第1ケースおよび前記第2ケースと、
前記第1ケースおよび前記第2ケースから離れた箇所に配置された光源と、
前記第1ケースの内外にわたって設けられ前記光源から発せられた光を前記第1ケース内に導く光照射受光用第1光ファイバと、
前記第2ケース内に板体に複数のスリットが形成された目盛板と、
前記第1ケース内に配置され前記光照射受光用第1光ファイバにより導かれた光を互いに異なる波長を有する複数の光に分離すると共に、前記複数の光が前記板体で反射された複数の反射光を合成し前記光照射受光用第1光ファイバに導く検出部側光合分波器と、
前記光合分波器で分離された複数の光を前記第2ケース内に導き前記スリットに照射すると共に、前記複数の光が前記板体で反射された複数の反射光を前記第2ケース内から前記検出部側光合分波器に導く光照射受光用第2光ファイバと、
前記第1ケースおよび前記第2ケースから離れた箇所に配置され、前記光照射受光用第2光ファイバから出射された光を前記互いに異なる波長を有する複数の光に分離する電装部側光分波器と、
前記第1ケースおよび前記第2ケースから離れた箇所に配置され、前記電装部側光分波器によって分離された前記複数の光をそれぞれ受光する複数の受光素子とを備える、
ことを特徴とするエンコーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−181279(P2010−181279A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−25158(P2009−25158)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(000155724)株式会社雄島試作研究所 (34)
【Fターム(参考)】