説明

エンコーダ用磁気センサ、センサアセンブリ及びレンズ鏡筒

【課題】 取り付け精度及びロール方向の傾きに基づくギャップ変動を低減することができるエンコーダ用磁気センサ、センサアセンブリ及びレンズ鏡筒を提供する。
【解決手段】 エンコーダ用磁気センサは、回転筒にその円周方向に沿って取り付けられておりかつ所定の着磁ピッチで着磁されている磁気媒体の表面に摺動面が接触することによって磁界検出を行う。摺動面の着磁ピッチ方向の幅は回転筒の直径の3/500以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の磁気抵抗効果(MR)素子を備えた磁気エンコーダ用の磁気センサ、センサアセンブリ及びレンズ鏡筒に関し、特に、カメラ等の回転筒の変位検出に用いられるロータリ式磁気エンコーダに使用される磁気センサ、センサアセンブリ及びレンズ鏡筒に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の磁気ロータリエンコーダでは、近年、より高精度の回転角制御を行なう必要性から高分解能化が進んでいる。高分解能化するにつれて、磁気媒体と磁気センサとの間隔(ギャップ)の影響が大きくなり、これを一定に保つことが要求される。
【0003】
また、高分解能化を図るためには、磁気媒体と磁気センサとを接触させて摺動させる構造が有利であり、この構造は最近の多くの磁気エンコーダで採用されている。しかしながら、接触式の磁気ロータリエンコーダにおいて、一般的な平板形状の磁気センサを取り付けてエンコーダを製造する場合、その取り付け精度を高くすることができないこと及び磁気センサが着磁ピッチ方向に傾く(磁気センサがローリングする)可能性が高いことにより、磁気媒体と磁気センサとのギャップがばらついてしまい、得られるセンサ出力が大きく変動するという不都合がどうしても生じてしまう。
【0004】
このような接触式の磁気ロータリエンコーダにおいて、磁気媒体(スケール部材)と磁気センサ(検出部材)との着磁ピッチと垂直方向への傾く(磁気センサがピッチングする)ことを防止し、両者が密着するように磁気センサの支持部材を工夫した構成について、いくつかの提案がなされている(例えば、特許文献1、2、3、4、5及び6)。
【0005】
【特許文献1】特開2000−205808号公報
【特許文献2】特開2002−250638号公報
【特許文献3】特開2003−139567号公報
【特許文献4】特開2003−240603号公報
【特許文献5】特開2003−315659号公報
【特許文献6】特開2003−344105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これら公知の構造は、いずれも、磁気センサを取り付ける支持部材の構造に関するものであり、磁気センサ自体の構造に係るものではない。また、磁気センサのピッチングを防止するものであり、ローリングについては何等考慮されていなかった。
【0007】
従って本発明の目的は、取り付け精度及び着磁ピッチ方向への傾き(磁気センサのローリング)に基づくギャップ変動を低減することができるエンコーダ用磁気センサ、センサアセンブリ及びレンズ鏡筒を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、所定の着磁ピッチで着磁がなされておりかつ回転筒にその円周方向に沿って取り付けられている磁気媒体の表面に摺動面が接触することによって磁界検出を行うエンコーダ用磁気センサであって、摺動面の着磁ピッチ方向の幅が回転筒の直径の3/500以下であるエンコーダ用磁気センサが提供される。
【0009】
磁気媒体の表面に摺動面が接触する方式であり、しかも摺動面の着磁ピッチ方向の幅が回転筒の直径の3/500以下とかなり狭いため、この磁気センサを備えたセンサアセンブリに関して、取り付け精度がばらついた場合にも、また、磁気センサのローリングが生じた場合にもギャップ変動を低減することができる。その結果、本発明のエンコーダ用磁気センサを用いれば、高分解能で安定した動作の磁気ロータリエンコーダを得ることが可能となる。
【0010】
磁気媒体の着磁ピッチ方向に並んで配置された複数のMR素子を備えていることが好ましい。
【0011】
複数のMR素子にそれぞれ電気的に接続されており、摺動面と同じ面に形成された電極端子をさらに備えていることも好ましい。
【0012】
直方体形状の基板上に複数のMR素子が形成されており、これら複数のMR素子上に形成された保護膜の表面が摺動面を構成していることが好ましい。
【0013】
複数のMR素子上に形成された保護膜が、複数の材料による多層膜であることが好ましい。この場合、多層膜が、アルミナ膜、シリコン膜及びダイアモンドライクカーボン膜の少なくとも2つの膜からなることがより好ましい。
【0014】
複数のMR素子の各々が、巨大磁気抵抗効果(GMR)素子又はトンネル磁気抵抗効果(TMR)素子であることも好ましい。
【0015】
摺動面の着磁ピッチ方向の幅が、着磁ピッチの2〜15倍であることが好ましい。
【0016】
摺動面の端縁が、面取りされていることが好ましい。端縁を面取りすることにより、磁気媒体との密着性が良好となる。
【0017】
摺動面の着磁ピッチ方向と垂直方向の長さが2〜3mmであることも好ましい。磁気センサをこのように細長い形状とすることにより、磁気媒体に対する位置ずれ及び振動等の影響を吸収できると共にセンサ面積をより小さくすることができるので、コストダウンが可能となる。また、充分な強度を確保することができる。
【0018】
本発明によれば、さらに、上述したエンコーダ用磁気センサと、この磁気センサが固着されたサスペンションと、このサスペンションに固着されており、磁気センサの電極端子に電気的に接続されたリード導体を有する可撓性配線部材とを備えているセンサアセンブリが提供される。
【0019】
本発明によれば、さらにまた、回転筒と、固定筒と、所定の着磁ピッチで着磁がなされておりかつ回転筒にその円周方向に沿って取り付けられている磁気媒体と、固定筒に装着された上述のセンサアセンブリとを備えているレンズ鏡筒が提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、センサアセンブリに関して、取り付け精度がばらついた場合にも、また、磁気センサのローリングが生じた場合にもギャップ変動を低減することができる。その結果、高分解能で安定した動作の磁気ロータリエンコーダを得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明の一実施形態として、一眼レフカメラの構成を概略的に示す分解斜視図である。
【0022】
同図(A)において、10はカメラ本体、11はレンズ鏡筒をそれぞれ示している。レンズ鏡筒11は、同図(B)に示すように、フォーカスリング12と、フォーカスレンズ群を有する前部レンズ鏡筒13と、ズームレンズ群を有する後部レンズ鏡筒14と、ズームリング15と、マウントリング16とを備えている。後部レンズ鏡筒14には、同図(B)及び(C)に示すように、磁気ロータリエンコーダ17が取り付けられている。
【0023】
本実施形態において、この磁気ロータリエンコーダ17は、後部レンズ鏡筒14の回転筒14aの外周に沿って接着剤等で固着されたテープ状の磁気媒体17aと、後部レンズ鏡筒14の固定筒14bにハトメ等で固定されたセンサアセンブリ17bとから構成されている。
【0024】
図2は本実施形態における磁気ロータリエンコーダ、センサアセンブリ及び磁気センサチップの構造をより詳細に示す斜視図及び分解斜視図である。
【0025】
同図(A)に示すように、磁気ロータリエンコーダ17は、テープ状の樹脂フィルム上に磁性層をコーティングし、この磁性層に所定の着磁ピッチλ(本実施形態では、λ=20μm)で磁気記録がなされた磁気媒体17aと、潤滑剤を塗布したこの磁気媒体17aに磁気センサチップの摺動面が接触して摺動できるように取り付けられるセンサアセンブリ17bとから構成されている。
【0026】
センサアセンブリ17bは、同図(B)に示すように、金属板部材によって形成されたサスペンション20と、このサスペンション20の先端部の表面に接着剤等で固着された磁気センサチップ21と、このサスペンション20に接着剤等で固着されており、接続導体を備えたフレクシブルプリント回路(FPC)部材22とを備えている。FPC部材22は、樹脂フィルム上に接続導体及び接続パッドをパターニングし、接続導体部分を樹脂層で被覆したものであり、可撓性を有する配線部材である。このFPC部材22は、サスペンション20の裏面に沿って固着されており、サスペンション20の先端で折り返されてその先端部がサスペンション20の表面に固着されている。FPC部材22の先端部に設けられた接続パッドと、磁気センサチップ21に形成された電極端子とはワイヤ23によるワイヤボンディングによって電気的に接続されている。
【0027】
本実施形態における磁気センサチップ21は、同図(B)及び(C)に示すように、細長い直方体形状の基板24と、この基板24の表面24a上に積層形成された複数の、この場合2つの、GMR素子又はTMR素子25と、表面24a上に形成されており、GMR素子又はTMR素子25と電極端子26とを電気的に接続するリード導体27及びビアホール導体28と、基板24の表面24a、GMR素子又はTMR素子25及びリード導体27を覆い、ビアホール導体28が内部を貫通する保護膜である絶縁被覆膜29とから主として構成されている。絶縁被覆膜29の表面が摺動面29aを構成しており、その一部が磁気媒体17aに接触する領域となる。電極端子26は絶縁被覆膜29の表面上に形成されている。
【0028】
絶縁被覆膜29は、単層膜であっても良いが、好ましくは、多層膜であり、より好ましくは、基板側からアルミナ(Al)膜及びダイアモンドライクカーボン(DLC)膜の2層構造であり、最も好ましくは、基板側からAl膜、シリコン(Si)膜及びDLC膜の3層構造である。Si膜及びDLC膜の各々の厚さは、Al膜の厚さの1/10以下である。このような多層膜構造とすることにより、摩擦抵抗を低減化及び摩耗量の減少化を図ることが可能となる。
【0029】
2つのGMR素子又はTMR素子25は、センサアセンブリ17bの磁気媒体17aに対する相対的な移動方向、即ち磁気媒体17aの着磁ピッチ方向、と同じ方向に所定間隔、例えば20μmの間隔で互いに平行に配置されている。GMR素子又はTMR素子25の各々は、2つの直線部分をU字状に折り返した直線ストリップ形状となっている。このように折り返しされているのは、GMR素子又はTMR素子25を高出力化及び高感度化するためである。GMR素子又はTMR素子25の長さは約180μm程度であり、その先端は基板24の先端面24bに露出はしておらず、この先端面から約100μm程度後退した位置に形成されている。
【0030】
基板24は例えばアルティック(Al−TiC)から形成されており、各絶縁被覆層29は例えばアルミナ(Al)等の絶縁非磁性体材料から形成されている。電極端子26、リード導体27及びビアホール導体28は、例えば銅(Cu)等の導電体材料から形成されている。各GMR素子又はTMR素子25は、一般的な多層構造のGMR素子又はTMR素子から形成されている。
【0031】
本実施形態において重要な点は、磁気センサチップ21の摺動面29aの着磁ピッチ方向の幅Wが、W≦0.3mm、好ましくは0.04mm≦W≦0.3mm(着磁ピッチが20μmの場合、その2〜15倍)、より好ましくはW=0.15mmに設定されていることである。0.04mm≦Wは、磁気センサチップの面取り等の機械的加工の限界から与えられる。W≦0.3mmということは、磁気媒体17aがその外周に沿って固着されている回転筒14aの直径が50mmであるから、幅Wは、回転筒14aの直径の3/500以下に設定することとなる。このように幅Wを狭く設定することによって、以下に説明するように、センサアセンブリ17bの取り付け精度がばらついた場合にも、また、センサアセンブリ17bの磁気センサチップ21が着磁ピッチ方向へ傾いた(ローリングした)場合にも、磁気媒体17a及び磁気センサチップ21間のギャップの変動を低減することができ、その結果、高分解能で安定した動作の磁気ロータリエンコーダが得られる。
【0032】
図3〜図6は、磁気センサチップ21の幅Wと磁気媒体17a及び磁気センサチップ21間のギャップΔとの関係を説明する図である。
【0033】
図3に示すように、幅Wの広い磁気センサチップ21′を用いた場合に、そのエッジ以外の中間部分が円筒に固着された磁気媒体17a′に接触しているとすると、ギャップΔは、Δ=r−r・cosθ−X・tanθ+r・tan(θ/2)・tanθで与えられる。
【0034】
これに対して、図4に示すように、本実施形態のように幅Wの狭い磁気センサチップ21を用いた場合に、その一方のエッジが円筒に固着された磁気媒体17aに接触しているとすると、ギャップΔは、Δ=r・cosθ−r・cosθ−d/2・sinθ=√(r−(X−d/2・sinθ)−√(r−X)で与えられる。また、図5に示すように、幅Wの狭い磁気センサチップ21を用いた場合に、そのエッジ以外の中間部分が円筒に固着された磁気媒体17aに接触しているとすると、ギャップΔは、Δ=r・cosθ−r・cosθ−X・tanθ+r・sinθ・tanθ=√(r−r・sinθ)−√(r−X)−X・tanθ+r・sinθ・tanθで与えられる。さらに、図6に示すように、幅Wの狭い磁気センサチップ21を用いた場合に、その他方のエッジが円筒に固着された磁気媒体17aに接触しているとすると、ギャップΔは、Δ=r・cosθ−r・cosθ−d/2・sinθ=√(r−(X+d/2・sinθ)−√(r−X)+d/2・sinθで与えられる。
【0035】
従って、本実施形態のように幅Wが円筒の直径2rの3/500以下という狭い磁気センサチップ21を用いることにより、取り付け位置のずれ及びローリングに対するギャップΔの変化を低減することが可能となる。
【0036】
図7は、このギャップΔの変化に対する磁気センサ出力の関係を説明する特性図である。同図において、横軸はギャップΔ(μm)、縦軸は規格化されたセンサ出力をそれぞれ表しており、パラメータであるa、b及びcは磁気媒体の厚さがそれぞれ20μm、10μm及び5μmの場合のシミュレーション値、dは実測値である。磁気媒体の残留磁化を一定にして計算したため、a、b、cの順に磁気媒体からの磁束が小さくなっている。なお、計算条件は、保磁力Hcが600Oe(47746.5A/m)、残留磁化Brが2260ガウス(0.226T)、記録波長が38μm(着磁ピッチが19μm)である。
【0037】
同図より、磁気センサ出力は、磁気媒体の磁化の量(磁束)にさほど影響を受けないが、ギャップΔが20μmを越えると、急激に低下することが分かる。従って、ギャップΔは20μm以下に維持することが要求される。
【0038】
図8は、磁気センサチップを取り付けした際のずれ量に対するギャップΔの関係を示す特性図である。同図(A)、(B)及び(C)は磁気センサチップの幅Wが2.1mm、0.3mm及び0.15mmの場合をそれぞれ示している。これらの図において、横軸は取り付けずれ量(mm)、縦軸はギャップΔ(μm)、パラメータであるア、イ、ウ、エ及びオは磁気センサチップのローリングの角度が0°、1°、2°、3°及び4°の場合である。
【0039】
同図(A)に示すように、磁気媒体の着磁ピッチ方向の幅がW=2.1mmと広い磁気センサチップにおいては、例えばローリングの角度が2°の場合、取り付けずれ量が約0.1mm以下でないとギャップΔが20μm以下とならない。しかしながら、ずれ量を0.1mm以下の取り付け精度を実現し維持することは、非常に困難である。これに対して、同図(B)に示すように、幅がW=0.3mmと狭い磁気センサチップにおいては、例えばローリングの角度が2°の場合、取り付けずれ量が1.5mmを越えてもギャップΔは20μmとはならない。さらに、同図(C)に示すように、本実施形態のごとく幅がW=0.15mmとさらに狭い磁気センサチップにおいては、ローリングの角度が4°の場合であっても、取り付けずれ量が1.5mmを越えてもギャップΔが10μmに達しないことが分かる。
【0040】
また、本実施形態においては、磁気センサチップ21の上面である摺動面29aにおける端子電極26の領域を除く部分の端縁が、面取りされている。このように端縁を面取りすることにより、摺動面29aと磁気媒体17aとの密着性が良好となる。
【0041】
さらに、本実施形態において、磁気センサチップ21の着磁ピッチ方向と垂直方向の長さLは2〜3mmに設定されており、従ってこの磁気センサチップ21は、かなり細長い直方体形状となっている。これにより、磁気媒体17aに対する位置ずれ及び振動等の影響を吸収できると共にセンサ面積をより小さくすることができるので、コストダウンが可能となる。
【0042】
なお、本実施形態における磁気センサチップ21は、着磁ピッチ方向へ傾いた(ローリングした)場合には、大きくギャップ変動が生じるが、着磁ピッチ方向と垂直方向へ傾いた(ピッチングした)場合にはギャップはさほど大きく変動しない。
【0043】
図9は、磁気センサチップのピッチングの角度に対するギャップΔの関係を示す特性図である。同図において、横軸はGMR素子又はTMR素子の先端の基板の先端面からの後退量(μm)、縦軸はギャップΔ(μm)、パラメータであるA、B、C及びDは磁気センサチップのピッチングの角度が1°、2°、3°及び4°の場合である。
【0044】
同図より、本実施形態の磁気センサチップにおいては、ピッチングの角度が4°の場合であっても、GMR素子又はTMR素子の後退量が200μm程度であれば、ギャップΔが15μmに達しないことが分かる。
【0045】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態として、一眼レフカメラの構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図2】図1の実施形態における磁気ロータリエンコーダ、センサアセンブリ及び磁気センサチップの構造をより詳細に示す斜視図及び分解斜視図である。
【図3】磁気センサチップの幅Wと磁気媒体及び磁気センサチップ間のギャップΔとの関係を説明する図である。
【図4】磁気センサチップの幅Wと磁気媒体及び磁気センサチップ間のギャップΔとの関係を説明する図である。
【図5】磁気センサチップの幅Wと磁気媒体及び磁気センサチップ間のギャップΔとの関係を説明する図である。
【図6】磁気センサチップの幅Wと磁気媒体及び磁気センサチップ間のギャップΔとの関係を説明する図である。
【図7】ギャップΔの変化に対する磁気センサ出力の関係を説明する特性図である。
【図8】磁気センサチップを取り付けした際のずれ量に対するギャップΔの関係を示す特性図である。
【図9】磁気センサチップのピッチングの角度に対するギャップΔの関係を示す特性図である。
【符号の説明】
【0047】
10 カメラ本体
11 レンズ鏡筒
12 フォーカスリング
13 前部レンズ鏡筒
14 後部レンズ鏡筒
14a 回転筒
14b 固定筒
15 ズームリング
16 マウントリング
17 磁気ロータリエンコーダ
17a 磁気媒体
17b センサアセンブリ
20 サスペンション
21 磁気センサチップ
22 FPC部材
23 ワイヤ
24 基板
24a 表面
24b 先端面
25 GMR素子又はTMR素子
26 電極端子
27 リード導体
28 ビアホール導体
29 絶縁被覆膜
29a 摺動面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の着磁ピッチで着磁がなされておりかつ回転筒にその円周方向に沿って取り付けられている磁気媒体の表面にその摺動面が接触することによって磁界検出を行うエンコーダ用磁気センサであって、前記摺動面の前記着磁ピッチ方向の幅が前記回転筒の直径の3/500以下であることを特徴とするエンコーダ用磁気センサ。
【請求項2】
前記磁気媒体の前記着磁ピッチ方向に並んで配置された複数の磁気抵抗効果素子を備えていることを特徴とする請求項1に記載のエンコーダ用磁気センサ。
【請求項3】
前記複数の磁気抵抗効果素子にそれぞれ電気的に接続されており、前記摺動面と同じ面に形成された電極端子をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載のエンコーダ用磁気センサ。
【請求項4】
直方体形状の基板上に前記複数の磁気抵抗効果素子が形成されており、該複数の磁気抵抗効果素子上に形成された保護膜の表面が前記摺動面を構成していることを特徴とする請求項2又は3に記載のエンコーダ用磁気センサ。
【請求項5】
前記複数の磁気抵抗効果素子上に形成された保護膜が、複数の材料による多層膜であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のエンコーダ用磁気センサ。
【請求項6】
前記多層膜が、アルミナ膜、シリコン膜及びダイアモンドライクカーボン膜の少なくとも2つの膜からなることを特徴とする請求項5に記載のエンコーダ用磁気センサ。
【請求項7】
前記複数の磁気抵抗効果素子の各々が、巨大磁気抵抗効果素子又はトンネル磁気抵抗効果素子であることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載のエンコーダ用磁気センサ。
【請求項8】
前記摺動面の前記着磁ピッチ方向の幅が、前記着磁ピッチの2〜15倍であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のエンコーダ用磁気センサ。
【請求項9】
前記摺動面の端縁が、面取りされていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のエンコーダ用磁気センサ。
【請求項10】
前記摺動面の前記着磁ピッチ方向と垂直方向の長さが2〜3mmであることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のエンコーダ用磁気センサ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のエンコーダ用磁気センサと、該磁気センサが固着されたサスペンションと、該サスペンションに固着されており、前記磁気センサの電極端子に電気的に接続されたリード導体を有する可撓性配線部材とを備えていることを特徴とするセンサアセンブリ。
【請求項12】
回転筒と、固定筒と、所定の着磁ピッチで着磁がなされておりかつ前記回転筒にその円周方向に沿って取り付けられている磁気媒体と、前記固定筒に装着された請求項11に記載のセンサアセンブリとを備えていることを特徴とするレンズ鏡筒。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−64381(P2006−64381A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−243547(P2004−243547)
【出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】