説明

エンジンの潤滑装置

【課題】スカベンジポンプが油没しても、このスカベンジポンプよりも低い位置にあるターボ過給機側へのオイルの逆流を防止することができるようにする。
【解決手段】エンジン本体1の下部に配設されているターボ過給機7を潤滑した後のオイルOLは、排気カム軸5の回転により駆動するスカベンジポンプ18で吸い上げられてエンジン本体1側へ戻される。スカベンジポンプ18の駆動軸20と、これを支持する軸孔21dとの間がオイルシール25でシールされ、更にオイル吐出口21fが吐出口パイプ26を介してシリンダブロック2に形成されているブロックリターン油路2b側へ延出されているため、エンジン本体1が傾斜された状態で停止されて、スカベンジポンプ18が油没した場合であっても、スカベンジポンプ18内にオイルOLが侵入して逆流することはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過給機を潤滑した後のオイルをスカベンジポンプを介してエンジン本体側へ強制的に戻すようにしたエンジンの潤滑装置に関する。
【背景技術】
【0002】
過給機の一例であるターボ過給機が併設されているエンジンにおいて、当該ターボ過給機に設けられているタービン軸は、高速で回転するばかりでなく、高温化するため、このタービン軸を支持する軸受を充分に潤滑し、且つ冷却する必要がある。ターボ過給機を潤滑し、且つ冷却するために供給するオイルは、オイルポンプから吐出されたオイルの一部が流用されており、このターボ過給機を潤滑及び冷却したオイルは、オイルパンへ順次戻される。
【0003】
このような過給機をエンジンに取付ける場合、車体重心位置を低くして、走行安定性を確保するため、エンジン本体の下部にレイアウトする場合がある。ターボ過給機がエンジン本体の下部に配設されている場合、このターボ過給機がオイルパンと同じ高さか、それよりも低い位置に配設されることとなるため、ターボ過給機を潤滑及び冷却したオイルは、オイルキャッチタンクに回収し、これをスカベンジポンプにて吸い上げてエンジン本体側へ戻すようにしている。
【0004】
ところで、この種のエンジンにあっては、スカベンジポンプの取付け位置が比較的低いために、車両を左右に傾斜する路面等に駐車した場合、エンジンの傾きにより、スカベンジポンプが油没してしまう場合がある。エンジン停止時にスカベンジポンプが油没すると、それよりも低位置にあるターボ過給機等の被潤滑部に、スカベンジポンプ、オイルキャッチタンクを経てオイルが逆流してしまう可能性がある。
【0005】
例えばターボ過給機にオイルが逆流すると、タービン軸を収容するタービンハウジング内がオイルで溢れ、それが回転抵抗となり、過給機動作に支障が生じたり、吸気系側へのオイル漏洩が生じたりする可能性がある。
【0006】
この対策として、例えば特許文献1(特開2005−9434号公報)には、スカベンジポンプとオイルキャッチタンクとを連通するオイル通路に逆止弁を介装し、エンジン停止時にスカベンジポンプからオイルキャッチタンク側へのオイルの逆流を防止する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した文献に開示されている技術によれば、オイル通路に逆止弁が介装されている分だけ、部品点数が多くなり、構造が複雑化してしまう不都合がある。又、逆止弁は可動機構を備えているため、この可動機構が経年劣化等により動作不良を起こした場合、オイルの逆流を未然に防止することができなくなる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、可動機構を有さず、簡単な構造で、スカベンジポンプが油没しても、このスカベンジポンプよりも低い位置にあるターボ過給機等の被潤滑部側へのオイルの逆流を未然に防止することのできるエンジンの潤滑装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため本発明は、エンジン本体の下部に配設されて該エンジン本体側から供給されるオイルにて潤滑される被潤滑部と、前記被潤滑部内を潤滑した後のオイルを回収するオイルキャッチタンクと、前記オイルキャッチタンクに貯留されているオイルを吸引して前記エンジン本体側へ戻すスカベンジポンプとを備えるエンジンの潤滑装置において、前記スカベンジポンプに設けられている駆動軸が前記エンジン本体に設けられているカム軸に連結され、前記駆動軸と該駆動軸を支持するポンプハウジングの軸孔との間がオイルシールでシールされ、前記エンジン本体が傾斜した際に前記スカベンジポンプのオイル吐出口が、吐出口パイプを介して前記エンジン本体のオイルパン方向へオイル油面から露呈するよう延出されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、スカベンジポンプの駆動軸とこれを支持する軸孔との間をオイルシールでシールすると共に、オイル吐出口を吐出口パイプを介してオイルパンの方向へ延出させたので、スカベンジポンプが油没しても、このスカベンジポンプよりも低い位置にあるターボ過給機等の被潤滑部側へのオイルの逆流を未然に防止することができる。又、オイルの逆流防止を、可動機構を有さずに実現しので、コストの低減を図ることができる。更に、構造が簡単であるため、故障が少なく高い信頼性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ターボ過給機が装備された水平対向エンジンの概略正面図
【図2】車両を左右に傾斜した状態で停車したときの水平対向エンジンの概略正面図
【図3】図2のIII-III断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1の符号1は水平対向エンジンのエンジン本体、2はエンジン本体1のシリンダブロックであり、このシリンダブロック2が左右両バンク2L,2Rに分割され、各バンク2L,2Rのブロック合せ面2aにシリンダヘッド3L,3Rが各々固設されている。この水平対向エンジン1はDOHC(Double OverHead Camshaft)エンジンであり、両シリンダヘッド3L,3Rには、動弁機構を収容する動弁室3a(図3参照)が形成されており、この動弁室3aが形成されており、この動弁室3aに動弁機構の構成要素である吸気カム軸4と排気カム軸5とが上下に並んだ状態で並設されている。
【0013】
又、エンジン本体1の底面にオイルパン6が配設され、更に、このエンジン本体1の直下に、過給機の一例であるターボ過給機7が配設されている。尚、図においては便宜的にターボ過給機7がエンジン本体1から離れた状態で記載されているが、実際のターボ過給機7はシリンダヘッド3R(或いは3L)の下側であって、オイルパン6の側面付近に配設されている。
【0014】
又、シリンダブロック2の中央であって左右両バンク2L,2R間が接合されている面に、クランク軸8が横設され、このクランク軸8の軸端にオイルポンプ9が連設されている。このオイルポンプ9の流入口に吸入油路10を介してオイルストレーナ11が連通されている。このオイルストレーナ11はオイルパン6内の底部に、オイルパン6に貯留されているオイルOLに浸漬された状態で配設されている。
【0015】
このオイルポンプ9によって吸引されたオイルは、左右両バンク2L,2Rに形成されているオイルギャラリ(図示せず)を介して、シリンダヘッド3L,3R内の動弁機構等の要潤滑部に供給される。又、このオイルギャラリに過給機潤滑油路12が分岐接続されており、この過給機潤滑油路12に、ターボ過給機7のオイル流入口が連通されている。更に、このターボ過給機7のオイル流出口にドレーン油路15が連通され、このドレーン油路15がターボ過給機7の下部に配設されているオイルキャッチタンク16に連通されている。ターボ過給機7内にオイル流入口から流入されたオイルは、タービン軸を支持する軸受等の要潤滑部を潤滑及び冷却し、潤滑及び冷却した後のオイルはドレーン油路15を経てオイルキャッチタンク16に回収される。
【0016】
又、このオイルキャッチタンク16に吸引油路17を介して、スカベンジポンプ18の流入口が連通されている。このスカベンジポンプ18は、シリンダヘッド3L,3Rの一方に固設されて、排気カム軸5の軸端に連結されている。尚、以下においては、スカベンジポンプ18を左側シリンダヘッド3Lに固設した態様で説明する。
【0017】
図3に示すように、スカベンジポンプ18は、トロコイドポンプ等を代表とする周知の内接形歯車ポンプであり、インナロータ19aとアウタロータ19bとを有している。このインナロータ19aの軸中心に植設されている駆動軸20が、排気カム軸5の軸端に直結されている。
【0018】
このインナロータ19aとアウタロータ19bとが、ポンプハウジング21のロータ収容部21cに収容されている。又、このポンプハウジング21の両ロータ19a,19bの露呈している面がポンプカバ22で閉塞され、このポンプカバ22とポンプハウジング21との間の接合面であって、両ロータ19a,19bを囲む外周がシール部材23でシールされている。又、ポンプハウジング21は、左側シリンダヘッド3Lの前面に当接する当接面21aを有すると共に、左側シリンダヘッド3Lに穿設されているカム軸孔24に嵌入する突部21bが形成されている。駆動軸20は、突部21bの中心に穿設されている軸孔21dから突出されており、この軸孔21dの内周と駆動軸20の外周との間が、軸孔21dの内周に装着されているオイルシール25にてシールされている。
【0019】
又、ポンプカバ22には、上述した吸引油路17に連通する流入路22aが形成されており、この流入路22aが、両ロータ19a,19b間に形成される吸引口に開口されている。又、ポンプハウジング21の突部21bには、両ロータ19a,19b間に形成される吐出口に開口する吐出油路21eが形成され、この吐出油路21eのオイル吐出口21fが突部21bのカム軸孔24側に対峙する面に開口されている。
【0020】
この吐出油路21eのオイル吐出口21fに、金属製の吐出口パイプ26の一端が油密状態で嵌着されている。この吐出口パイプ26の他端は、左側シリンダヘッド3Lに形成されているカム軸孔24を通り、動弁室3aを経て、この動弁室3aに一端が開口されているヘッドリターン油路3b(図2参照)に挿通されて、オイルパン6の方向へ延出されている。
【0021】
又、シリンダブロック2の左側バンク2Lにブロックリターン油路2bが形成されている。このブロックリターン油路2bの一端がブロック合せ面2aに開口され、他端がクランク室に露呈されている。シリンダヘッド3Lに形成されているヘッドリターン油路3bは、このブロックリターン油路2bに、ブロック合せ面2aで連通されている。
【0022】
又、吐出口パイプ26の他端にノズル部26aが形成されており、このノズル部26aが左側バンク2Lに形成されているブロックリターン油路2bの、左側シリンダヘッド3Lとの合せ面2a付近に挿通されている。
【0023】
ところで、水平対向エンジンは、シリンダブロック2がほぼ水平であり、しかも、動弁室3aとオイルパン6との高低差が小さいため、この種のエンジンを搭載した車両が高速で旋回走行した場合、横方向に作用する加速度(横加速度)により、右旋回では左側シリンダヘッド3L、左旋回では右側シリンダヘッド3Rの動弁室3aにオイルOLが偏在し易くなる。
【0024】
旋回走行時において動弁室3aに偏在するオイルOLの量が多くなると、相対的に、他の部位へ供給する潤滑油量が不足気味になるため、油量設定を多くする必要がある。しかし、油量設定を多くするとエンジン本体1内部で多くのオイルOLが攪拌されやすくなり、その際の抵抗により燃費が悪化してしまう。更に、油量の増加によりエンジン全体が大型化し、重量増となる。
【0025】
ところで、旋回走行時におけるオイルOLの偏在量、換言すれば、動弁室3aに滞留するオイルOLの戻り難さは、左右両シリンダヘッド3L,3Rで同一ではなく、気筒の配列や点火順序、エンジン内の潤滑油路の形成の相違等によって差がある。スカベンジポンプ18は、左右のシリンダヘッド3L,3Rの内で、旋回走行時にオイルがより偏在し易い、換言すれば、オイルOLが戻り難い側のシリンダヘッド(本実施形態では、左側シリンダヘッド3L)に取付けられている。
【0026】
次に、スカベンジポンプ18の作動によるオイルOLの循環動作について説明する。エンジン1が稼働すると、クランク軸8に軸着されているオイルポンプ9、及び左側バンク2Lのシリンダヘッド3Lに配設されている排気カム軸5に連結されているスカベンジポンプ18が回転駆動する。
【0027】
オイルポンプ9の回転駆動によりオイルパン6に貯留されているオイルOLが、オイルストレーナ11から吸入油路10を介して吸引され、エンジン本体1に形成されているオイルギャラリを経て、クランク室や動弁室3aに送油されて各潤滑部分を潤滑及び冷却する。そして、潤滑及び冷却後のオイルOLは、クランク室を経てオイルパン6に還流される。
【0028】
オイルギャラリには、過給機潤滑油路12が分岐接続されており、オイルポンプ9からオイルギャラリに送油されたオイルOLの一部が、過給機潤滑油路12を通り、ターボ過給機7内に流入されて、タービン軸を支持する軸受等の要潤滑部を潤滑及び冷却する。そして、軸受等の要潤滑部を潤滑及び冷却した後のオイルOLは、ドレーン油路15を経てオイルキャッチタンク16に回収される。
【0029】
このオイルキャッチタンク16に回収されたオイルOLは、スカベンジポンプ18の駆動により吸引油路17を経て吸い上げられる。図3に示すように、スカベンジポンプ18はインナロータ19aとアウタロータ19bとを有する内接型歯車ポンプであり、排気カム軸5の回転により、この排気カム軸5に係合されている駆動軸20を介してインナロータ19aが回転し、吸引油路17に連通すると共にポンプカバ22に形成されている流入路22aから吸い込まれ、ポンプハウジング21に形成されている吐出油路21eに吐出される。この吐出油路21eに吐出されたオイルOLは、ポンプハウジング21に形成されているオイル吐出口21fから、このオイル吐出口21fに接合されている吐出口パイプ26側へ排出される。
【0030】
この吐出口パイプ26は、左側シリンダヘッド3Lに形成されているカム軸孔24を通り、動弁室3aを経て、この動弁室3aとシリンダブロック2の左側バンク2Lに形成されているブロックリターン油路2bとを連通するヘッドリターン油路3bに挿通されている。更に、この吐出口パイプ26の先端に形成されているノズル部26aが、ブロックリターン油路2bの左側シリンダヘッド3Lとの合せ面2a付近に臨まされている。
【0031】
従って、スカベンジポンプ18で吸い上げられたオイルOLは、吐出口パイプ26を通り、ノズル部26aからブロックリターン油路2bへ勢いよく噴出されて排出される。そして、このブロックリターン油路2bに排出されたオイルOLは、クランク室からオイルパン6に戻される。
【0032】
又、上述したように、吐出口パイプ26が挿通されているヘッドリターン油路3bの開口面積が比較的狭いため、ノズル部26aから勢いよく噴出されるオイルOLにてジェットポンプ効果が発生する。そして、このジェットポンプ効果により、動弁室3aからヘッドリターン油路3bに流入したオイルOLが吐出されるため、左側シリンダヘッド3Lの動弁室3aに滞留するオイルOLのオイルパン6への戻りが促進される。
【0033】
従って、スカベンジポンプ18を、旋回走行時にオイルOLが偏りやすい側のシリンダヘッド(本実施形態では、左側シリンダヘッド3L)に取付けることで、エンジン1内でのオイルOLの循環効率が良くなり、油量設定を低減することができる。その結果、オイルOLのエンジン1内部での摺動抵抗が低減され、燃費向上を実現することができると共に、軽量化を実現することができる。
【0034】
その後、エンジン1が停止すると、オイルポンプ9及びスカベンジポンプ18の回転駆動が停止し、スカベンジポンプ18とオイルキャッチタンク16を連通する吸引油路17に滞留しているオイルOLは、その高低差により、一部がオイルキャッチタンク16へ逆流する。しかし、吸引油路17に滞留する油量は些少であるため、オイルキャッチタンク16が満杯になることはない。又、停車時の路面が車体の左右方向に傾斜されて、図2に示すように、左側バンク2Lが下方向へ傾斜されている場合、左側バンク2Lのブロックリターン油路2bに滞留しているオイルOLはクランク室側へ流れずに合せ面2a方向に滞留する。又、左側シリンダヘッド3Lの動弁室3aに滞留するオイルOLもオイルパン6に戻ることなく滞留する。
【0035】
このときの左側シリンダヘッド3Lのヘッドリターン油路3bと動弁室3aとに滞留しているオイルOLの油面H.Lが、ヘッドリターン油路3b及びスカベンジポンプ18を油没させるレベルにあっても、図3に示すように、スカベンジポンプ18の駆動軸20とこれを支持する軸孔21dとの間がオイルシール25でシールされているため、ここからオイルOLが、スカベンジポンプ18内に侵入して、オイルキャッチタンク16側へ逆流することは無い。従って、停車時にスカベンジポンプ18が油没しても、このスカベンジポンプ18からオイルキャッチタンク16に多量のオイルOLが逆流し、更にスカベンジポンプ18よりも低い位置にあるターボ過給機7内に、オイルキャッチタンク16を介してオイルOLが逆流してしまうこともない。
【0036】
更に、図2に示すように、エンジン本体1が傾斜した際に、ノズル部26aが油面H.Lから露呈することで、このノズル部26aから、スカベンジポンプ18側へオイルOLが逆流することもない。
【0037】
このように、本実施形態では、スカベンジポンプ18の駆動軸20とこれを支持する軸孔21dとの間をオイルシール25でシールし、更に、ポンプハウジング21に形成されているオイル吐出口21fに対して油密状態で嵌着した吐出口パイプ26をヘッドリターン油路3b側へ延出させることで、スカベンジポンプ18を通ってオイルキャッチタンク16側へのオイルOLの逆流を防止するようにしたので、従来の可動機構を用いてオイルOLの逆流を防止するものに比し、構造が簡単で、故障が少なく、高い信頼性を得ることができるばかりでなく、コストの低減を図ることができる。
【0038】
尚、本発明は、上述した実施形態に限るものではなく、例えばスカベンジポンプ18を吸気カム軸4で駆動させるようにしても良い。又、SOHCエンジンのカム軸で駆動させるようにしても良い。更に、適用するエンジンは水平対向エンジンに限らず、複数のバンクを備えたエンジンとして、V型エンジン等にも適用可能である。更に、複数のバンクを備えたエンジンに限らず、オイルパン6と動弁室3aとの高低差が比較的小さい、傾斜型エンジンに適用することも可能である。
【符号の説明】
【0039】
1…エンジン本体、
2…シリンダブロック、
2a…合せ面、
2L…左側バンク、
3a…動弁室、
3b…ヘッドリターン油路、
3L…左側シリンダヘッド、
5…排気カム軸、
6…オイルパン、
7…ターボ過給機、
12…過給機潤滑油路、
15…ドレーン油路、
16…オイルキャッチタンク、
17…吸引油路、
18…スカベンジポンプ、
20…駆動軸、
21…ポンプハウジング、
21d…軸孔、
21f…オイル吐出口、
25…オイルシール、
26…吐出口パイプ、
26a…ノズル部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0040】
【特許文献1】特開2005−9434号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン本体の下部に配設されて該エンジン本体側から供給されるオイルにて潤滑される被潤滑部と、
前記被潤滑部内を潤滑した後のオイルを回収するオイルキャッチタンクと、
前記オイルキャッチタンクに貯留されているオイルを吸引して前記エンジン本体側へ戻すスカベンジポンプと
を備えるエンジンの潤滑装置において、
前記スカベンジポンプに設けられている駆動軸が前記エンジン本体に設けられているカム軸に連結され、
前記駆動軸と該駆動軸を支持するポンプハウジングの軸孔との間がオイルシールでシールされ、
前記エンジン本体が傾斜した際に前記スカベンジポンプのオイル吐出口が、吐出口パイプを介して前記エンジン本体のオイルパン方向へオイル油面から露呈するよう延出されている
ことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
【請求項2】
前記エンジン本体は水平型或いは傾斜型のOHCエンジンであり、前記スカベンジポンプはシリンダヘッドに固設されていると共に、該スカベンジポンプの前記駆動軸がシリンダヘッド内に形成されている動弁室に設けられた前記カム軸に直結されている
ことを特徴とする請求項1記載のエンジンの潤滑装置。
【請求項3】
前記吐出口パイプの先端にノズル部が設けられ、
前記ノズル部が前記シリンダヘッドに形成されているヘッドリターン油路に挿通されている
ことを特徴とする請求項2記載のエンジンの潤滑装置。
【請求項4】
前記被潤滑部は過給機である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のエンジンの潤滑装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−285884(P2010−285884A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138376(P2009−138376)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】