説明

エンジン始動停止制御装置及びエンジン始動停止制御方法

【課題】 エンジン始動停止のための操作が容易で、容易にエンジン始動停止の制御状態を中止することができるエンジン始動停止制御装置及びエンジン始動停止制御方法を提供することにある。
【解決手段】 イグニッションスイッチがOFF又はACC位置で、所定のスイッチによりエンジンを始動させる構成からなり、OFF又はACC位置からイグニッションスイッチのON位置にすることで容易に通常走行に切り替えられるもので、リモコンスイッチでも通常走行に切り替え操作をすることもできるシステムを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、四輪自動車等の車両のエンジンの始動及び停止を制御するエンジン始動停止制御装置及びエンジン始動停止制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、信号で停車中の車両のエンジンを一時的に停止させる手段として、アイドリングストップ制御のようなエンジン始動停止制御装置が用いられている。この従来のエンジン始動停止制御装置は、イグニッションスイッチとエンジンの始動停止等を制御するECUとの間に設けられ、車両が信号で停車した時に、運転者の操作で一時的にエンジンを停止させる。
【0003】
従来のエンジン始動停止制御装置は、イグニッションスイッチがONの状態で機能するものである。具体的には、例えば、停車時にフットブレーキを踏み、車両が停止するとエンジンが停止する。また、発進時は、変速レバーを一旦ドライブにしてからニュートラルにすることでエンジンが始動する。
尚、この先行技術は、文献公知に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のエンジン始動停止制御装置では、イグニッションスイッチがONの状態でエンジン始動停止制御の状態であることから、エンジン始動停止制御の状態を中止することが容易にできない。また、ブレーキ関係又は変速レバーの操作を繰り返すことにより機能することから、操作が煩雑である。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、エンジン始動停止のための操作が容易で、容易にエンジン始動停止の制御状態を中止することができるエンジン始動停止制御装置及びエンジン始動停止制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載のエンジン始動停止制御装置は、イグニッションスイッチがOFF又はACC位置で、所定のスイッチによりエンジンを始動させる構成からなり、OFF又はACC位置からイグニッションスイッチのON位置にすることで容易に通常走行に切り替えられるもので、リモコンスイッチでも通常走行に切り替え操作をすることもできるシステムを含むことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載のエンジン始動停止制御装置は、イグニッションスイッチがOFF又はACC位置で、車両が停止した状態で、所定のスイッチによりエンジンを停止させる構成からなり、OFF又はACC位置からイグニッションスイッチのON位置にすることで容易に通常走行に切り替えられるもので、リモコンスイッチでも通常走行に替え操作をすることもできるシステムを含むことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載のエンジン始動停止制御装置は、エンジン始動停止制御によりエンジンが停止したとき、車両のヘッドライトを消灯しスモールライト点灯に自動的になり、エンジンが始動したとき、ヘッドライトを自動的に点灯することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載のエンジン始動停止制御装置は、所定のスイッチが、トランスミッションの変速レバー又は及び変速レバーに一体に設けられたスイッチであることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載のエンジン始動停止制御装置は、所定のスイッチが、パーキングブレーキ、パーキングブレーキのレバー一体式解除ノブとの兼用スイッチ又は及びフットブレーキであることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載のエンジン始動停止制御装置は、所定のスイッチが、ステアリングホイールに設けられたスイッチであることを特徴とする。
【0012】
請求項7記載のエンジン始動停止制御装置は、所定のスイッチによるエンジン始動停止制御が可能か否かを表示する表示手段を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項8記載のエンジン始動停止制御装置は、表示手段が、エンジン始動停止制御が可能な状態で運転者にエンジン始動停止の誤操作があった場合に、その旨を表示することを特徴とする。
【0014】
請求項9記載のエンジン始動停止制御装置は、表示手段のイグニッションスイッチがOFF又はACC位置でエンジン始動停止制御状態で点灯する色を、通常走行のイグニッションスイッチがON位置に変わると別の色に変化させ、ドアをロックし盗難防止がセットされると表示手段を点滅させることも可能なことを特徴とする。
【0015】
請求項10記載のエンジン始動停止制御装置は、バッテリー電圧が所定以上の場合に、エンジンを停止させることを特徴とする。
【0016】
請求項11記載のエンジン始動停止制御装置は、表示手段が、バッテリー電圧の状態によりエンジンの停止が可能な否かを表示することを特徴とする。
【0017】
請求項12記載のエンジン始動停止制御方法は、イグニッションスイッチがOFF又はACC位置で、所定のスイッチによりエンジンを始動させる構成からなり、OFF又はACC位置からイグニッションスイッチのON位置にすることで容易に通常走行に切り替えられるもので、リモコンスイッチでも通常走行に切り替え機能をリモコンスイッチに内蔵し、手元で切り替え操作をすることもできることを特徴とする。
【0018】
請求項13記載のエンジン始動停止制御方法は、イグニッションスイッチがOFF又はACC位置で、車両が停止した状態で、所定のスイッチによりエンジンを停止させる構成からなり、OFF又はACC位置からイグニンションスイッチのON位置にすることで容易に通常走行に切り替えられるもので、リモコンスイッチでも通常走行に切り替え操作をすることもできることを特徴とする。
【0019】
請求項14記載のエンジン始動停止制御方法は、エンジン始動停止制御によりエンジンが停止したとき、車両のヘッドライトを消灯しスモールライト点灯に自動的になり、エンジンが始動したとき、ヘッドライトを自動的に点灯することを特徴とする。
【0020】
請求項15記載のエンジン始動停止制御方法は、所定のスイッチが、トランスミッションの変速レバー又は及び変速レバーに一体に設けられたスイッチであることを特徴とする。
【0021】
請求項16記載のエンジン始動停止制御方法は、所定のスイッチが、パーキングブレーキ、パーキングブレーキのレバー一体式解除ノブとの兼用スイッチ又は及びフットブレーキであることを特徴とする。
【0022】
請求項17記載のエンジン始動停止制御方法は、所定のスイッチが、ステアリングホイールに設けられたスイッチであることを特徴とする。
【0023】
請求項18記載のエンジン始動停止制御方法は、所定のスイッチによるエンジン始動停止制御が可能か否かを表示することを特徴とする。
【0024】
請求項19記載のエンジン始動停止制御方法は、表示手段が、エンジン始動停止制御が可能な状態で運転者にエンジン始動停止の誤操作があった場合に、その旨を表示することを特徴とする。
【0025】
請求項20記載のエンジン始動停止制御方法は、表示手段のイグニッションスイッチがOFF又はACC位置でエンジン始動停止制御状態で点灯する色を、通常走行のイグニッションスイッチがON位置に変わると別の色に変化させ、ドアをロックし盗難防止がセットされると表示手段を点滅させることも可能なことを特徴とする。
【0026】
請求項21記載のエンジン始動停止制御方法は、バッテリー電圧が所定以上の場合、エンジンを停止させることを特徴とする。
【0027】
請求項22記載のエンジン始動停止制御方法は、バッテリー電圧の状態によりエンジンの停止が可能な否かを表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
請求項1又は請求項12の発明によれば、所定のスイッチによりエンジンを始動させることから、エンジン始動のための操作が容易である。また、イグニッションスイッチのOFF又はACC位置からイグニッションスイッチのON位置にすることで容易に通常走行に切り替えられる。
また、イグニッションスイッチでのON位置とOFF又はACC位置での切り替え機能をリモコンスイッチに内蔵し、手元で切り替え操作をすることで、手元で容易に通常走行に切り替えられる。
【0029】
請求項2又は請求項13の発明によれば、車両が停止した状態で、所定のスイッチによりエンジンを停止させることから、エンジン停止のための操作が容易である。また、イグニッションスイッチがOFF又はACC位置からイグニッションスイッチのON位置にすることで容易に通常走行に切り替えられる。
また、イグニッションスイッチでのON位置とOFF又はACC位置での切り替え機能をリモコンスイッチに内蔵し、手元で切り替え操作をすることで、手元で容易に通常走行に切り替えられる。
【0030】
請求項3又は請求項14の発明によれば、エンジン始動停止制御によりエンジンが停止したとき、車両のヘッドライトを消灯しスモールライト点灯に自動的になり、エンジンが始動したとき、ヘッドライトを自動的に点灯することから、バッテリーの消耗を抑えることができる。
【0031】
請求項4又は請求項15の発明によれば、所定のスイッチが、トランスミッションの変速レバー又は及び変速レバーに一体に設けられたスイッチであることから、エンジン始動停止の操作が容易である。
【0032】
請求項5又は請求項16の発明によれば、所定のスイッチが、パーキングブレーキ、パーキングブレーキのレバー一体式解除ノブとの兼用スイッチ又は及びフットブレーキであることから、エンジン始動停止の操作が容易である。
【0033】
請求項6又は請求項17の発明によれば、所定のスイッチが、ステアリングホイールに設けられたスイッチであることから、エンジン始動停止の操作が容易である。
【0034】
請求項7又は請求項18の発明によれば、所定のスイッチによるエンジン始動停止制御が可能か否かを表示することから、エンジンの始動や停止に対する運転者の不安を解消し、快適な運転性能を確保することができる。
【0035】
請求項8又は請求項19の発明によれば、表示手段が、エンジン始動停止制御が可能な状態で運転者にエンジン始動停止の誤操作があった場合に、その旨を表示することから、エンジンの始動や停止に対する運転者の不安を解消し、快適な運転性能を確保することができる。
【0036】
請求項9又は請求項20の発明によれば、表示手段のイグニッションスイッチがOFF又はACC位置でエンジン始動停止制御状態で点灯する色を、通常走行のイグニッションスイッチがON位置に変わると別の色に変化させことから、エンジン始動停止制御状態か否かを容易に確認することができる。また、ドアをロックし盗難防止がセットされると表示手段を点滅させるようにすることで、盗難防止がセットされていることを容易に確認することができる。
【0037】
請求項10又は請求項21の発明によれば、バッテリー電圧が所定以上の場合、エンジンを停止させることから、所定の電圧より低い場合にはエンジンは停止せず、バッテリーの異常等でエンジンが再始動できないといった不具合を防止し、快適な運転性能を確保することができる。
【0038】
請求項11又は請求項22の発明によれば、バッテリー電圧の状態によりエンジンの停止が可能な否かを表示することから、バッテリーの異常等でエンジンが再始動できないといった不具合を防止し、運転者がバッテリーの異常を知り得ると共に、快適な運転性能を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。本発明の形態におけるエンジン始動停止制御装置は、四輪自動車等の車両が信号で停車した場合等に、停車中の車両のエンジンを一時的に停止させたり始動させたりする手段である。
【0040】
図1は、本発明に係るエンジン始動停止制御装置の構成の一例を示す構成図である。図2は、同エンジン始動停止制御装置のエンジン始動時の動作を示すフローチャートである。図3は、同エンジン始動停止制御装置のエンジン停止時の動作を示すフローチャートである。図4は、同エンジン始動停止制御装置のエンジン停止時の他の動作を示すフローチャートである。
【0041】
図において、エンジン始動停止制御装置1は、マイコン(CPU)と入出力回路で構成され、プログラムにより、装置の全体の制御を行っている。尚、マイコンによる構成に限られず、シーケンサや論理回路等で制御を行う構成であってもよい。その他、エンジン始動停止制御装置1には、イグニッションスイッチ10、車速センサ12、トランスミッションの変速レバー15、フットブレーキ16、パーキングブレーキ17、バッテリー18、エンジン始動停止スイッチ19、ECU11、表示器20等が接続されている。
【0042】
イグニッションスイッチ10は、車両のメインスイッチであり、キーを差し込み回転させることで一般的にはエンジンが始動できる状態になる。イグニッションスイッチ10には、OFFの他、ON、ACCの各ポジションが用意され、キーがどのポジションであるかをエンジン始動停止制御装置1が知り得る構造となっている。ECU11は、エンジンの制御を行うエレクトロニック・コントロールである。ECU11に指令を送ることにより、エンジンの始動・停止が可能となる。車速センサ12は、車速を計測するものである。
【0043】
変速レバー15は、オートマチックトランスミッション又はマニュアルトランスミッションのポジションを選択するレバーで、エンジン始動停止制御装置1には、どのポジションが選択されているかの情報が伝えられる。フットブレーキ16は、車両の走行中に運転者が車両を減速したり停止させたりするための、脚で操作するブレーキで、エンジン始動停止制御装置1には、フットブレーキ16が踏まれたか否かが伝えられる。パーキングブレーキ17は、車両を駐車するときや、長い時間停車するときなどに、自動車が土地の傾斜により運転者の意図とは関係なく勝手に動き出してしまうことを防ぐためのもので、一旦かけると解除するまでブレーキがかかり続けるもので、エンジン始動停止制御装置1には、パーキングブレーキ17によりブレーキが掛かっているか否かが伝えられる。
【0044】
バッテリー18は、エンジンのスタータのための電源であり、その他車両に必要な電気を蓄えて供給するものであり、必要に応じてエンジン始動停止制御装置1にはバッテリー18の電圧が伝えられる。エンジン始動停止スイッチ19は、必須ではないが、エンジン始動停止制御装置1によりエンジンを始動又は停止させるためのスイッチである。また、表示器20は、必須ではないが、エンジン始動停止制御装置1でエンジンの停止が可能か否か等を表示するためのものである。
【0045】
次に、本実施例におけるエンジン始動停止制御装置1の動作を説明する。尚、以後の本実施例の説明において、括弧内の符号は図2〜図4のフローチャートの符号に対応している。
【0046】
一例として、エンジン始動停止制御のための所定のスイッチとして、エンジン始動停止スイッチ19を用いた場合を説明する。エンジン始動停止制御装置1で、エンジン始動停止の制御状態でのエンジンの始動について説明する。まず、イグニッションスイッチ10の状態を監視し(S101)、イグニッションスイッチ10がACC(又はOFF)以外のポジションの場合には(S101−NO)、エンジン始動停止の制御は行わない。イグニッションスイッチ10がACC(又はOFF)のポジションの場合(S101−YES)、エンジンの始動関係スイッチとしてのエンジン始動停止スイッチ19が押下されたか否かを確認する(S102)。始動関係スイッチとしてのエンジン始動停止スイッチ19が押されずOFFの場合には(S102−OFF)、エンジン始動停止の制御は行わない。始動関係スイッチとしてのエンジン始動停止スイッチ19が押されONの場合には(S102−ON)、エンジン始動停止の制御としてエンジン始動制御を行うことになる(S103)。
【0047】
次に、エンジン始動停止制御装置1で、エンジン始動停止の制御状態でのエンジンの停止について説明する。まず、イグニッションスイッチ10の状態を監視し(S201)、イグニッションスイッチ10がACC(又はOFF)以外のポジションの場合には(S201−NO)、エンジン始動停止の制御は行わない。イグニッションスイッチ10がACC(又はOFF)のポジションの場合(S201−YES)、車両が停止しているか車速センサ12の値により判断する(S202)。車両が停止していない場合には(S202−NO)、エンジン始動停止の制御は行わない。車両が停止している場合には(S202−YES)、エンジンの停止関係スイッチとしてのエンジン始動停止スイッチ19が押下されたか否かを確認する(S203)。停止関係スイッチとしてのエンジン始動停止スイッチ19が押されずOFFの場合には(S203−OFF)、エンジン始動停止の制御は行わない。停止関係スイッチとしてのエンジン始動停止スイッチ19が押されONの場合には(S203−ON)、エンジン始動停止の制御としてエンジン停止制御を行うことになる(S204)。
【0048】
このように、本実施例のエンジン始動停止制御装置1によれば、所定のスイッチによりエンジンを始動させることから、エンジン始動のための操作が容易である。また、イグニッションスイッチ10のACC位置(又はOFF位置)からイグニッションスイッチ10のON位置にすることで容易に通常走行に切り替えられる。また、車両が停止した状態で、所定のスイッチによりエンジンを停止させることから、エンジン停止のための操作が容易である。また、イグニッションスイッチ10がACC位置(又はOFF位置)からイグニッションスイッチ10のON位置にすることで容易に通常走行に切り替えられる。特に、エンジン始動停止制御でエンジンが停止するとエアコンが停止してしまうことから、夏期や冬期等にエアコンを停止させたくない人は、イグニッションスイッチ10のACC位置(又はOFF位置)からイグニッションスイッチ10のON位置にすることで、エアコンが動作するエンジンが停止しない通常の状態に容易にすることができる。
【0049】
尚、上述では、イグニッションスイッチ10のON位置とACC位置(又はOFF位置)での切り替えで、通常走行とエンジン始動停止制御を切り替える場合を説明したが、イグニッションスイッチ10の他に、イグニッションスイッチ10でのON位置とACC位置(又はOFF位置)での切り替え機能をリモコンスイッチに内蔵し、手元で切り替え操作をするようにしてもよい。この場合、イグニッションスイッチ10で上述の切り替えを行い、且つリモコンスイッチでも行えるようにしてもよいし、どちらか一方でできるようにしてもよく、その組み合わせにより制限されるものではない。また、リモコンスイッチは、キーレスエントリーの一部の機能として実現してもよいし、他の機能を有さない単独のリモコンスイッチでもよく、その構成により制限されるものではない。このように、イグニッションスイッチでのON位置とACC位置(又はOFF位置)での切り替え機能をリモコンスイッチに内蔵し、手元で切り替え操作をすることで、手元で容易に通常走行に切り替えられる。
【0050】
尚、この始動関係スイッチ及び停止関係スイッチとして使用できるものは他にもあり、上述では、エンジン始動停止スイッチ19の例を説明したが、エンジン始動停止スイッチ19に限られるものではないし、エンジン始動停止スイッチ19が必須というわけでもない。例えば、パーキングブレーキ17、フットブレーキ16、変速レバー15等である。例えば、変速レバー15の場合は、ポジションを移動させることにより、エンジンを停止させたり始動させたりする。また、フットブレーキ16やパーキングブレーキ17の場合には、ブレーキが掛かっているか否かをスイッチのON/OFFとして用いる。
【0051】
また、エンジン始動停止制御を行うスイッチ(エンジン始動停止スイッチ19)を設ける場所は、コンソールパネル上であってもよいし、ステアリングホイールや変速レバー15に一体で設けるようにしてもよい。この場合、エンジン始動停止制御を行うスイッチを後付することも可能である。さらに、変速レバー15に一体に設けられたスイッチとしてオーバードライブスイッチを、例えば車両の停止中にエンジン始動停止制御を行うスイッチとして用いることも可能である。また、パーキングブレーキ17のレバー一体式解除ノブをエンジン始動停止制御を行うスイッチを兼用スイッチとすることも可能である。尚、エンジン始動停止制御を行うスイッチとして用いることか可能なものの1つだけにこの機能を持たせてもいいし、複数のものをエンジン始動停止制御を行うスイッチとして機能させるようにしてもよい。例えば、パーキングブレーキ17とエンジン始動停止スイッチ19の両方で操作可能にすることにより、坂道のようにパーキングブレーキ17を徐々にゆるめながら発進させるような場合であっても、エンジン始動停止スイッチ19でエンジンの始動ができる。
【0052】
このように、エンジン始動停止制御を行うスイッチとして、パーキングブレーキ17、パーキングブレーキ17のレバー一体式解除ノブとの兼用スイッチ、フットブレーキ16、変速レバー15、変速レバー15に一体に設けられたスイッチ又は及びステアリングホイールに設けられたスイッチ等を用いることで、エンジン始動停止の操作が容易である。
【0053】
尚、エンジンを始動させる場合には、一般的には、イグニッションスイッチ10のポジションがONで通常エンジンを始動させるときと同様に、トランスミッションの変速レバー15は、PやN(ニュートラル)のポジションである必要があるが、必ずしもこれに限らず変速レバー15がD(ドライブ)ポジションや各速のポジションにある場合であってもかまわないが、但し、ニュートラルのポジションでのエンジン停止は、道路事情により運転者がエンジン停止をするかしないか選択できる良さがある。
【0054】
また、エンジン始動停止制御によりエンジンが停止したとき、車両のヘッドライトを消灯しスモールライト点灯に自動的になり、エンジンが始動したとき、ヘッドライトを自動的に点灯することもできる。このように車両のヘッドライトを消灯しスモールライト点灯に自動的になることから、バッテリーの消耗を抑えることができる。
【0055】
尚、エンジン始動停止の制御によるエンジンの始動に関しては、上述の制御以外の制御も可能である。具体的に説明すると、まず、イグニッションスイッチ10の状態を監視し(S301)、イグニッションスイッチ10がACC(又はOFF)以外のポジションの場合には(S301−NO)、エンジン始動停止の制御は行わない。イグニッションスイッチ10がACC(又はOFF)のポジションの場合には(S301−YES)、バッテリー18の電圧の確認を行う(S302)。
【0056】
バッテリー18の電圧が、所定の電圧よりも低い場合には、(S302−NG)、エンジン停止の制御は行わないで、表示器20によりエンジン停止不可能を示す表示を行い(S310)、その後停止関係スイッチがONされてもされなくてもエンジン停止は行わない(S311)。バッテリー18の電圧が、所定の電圧よりも高い場合には、(S302−OK)、表示器20によりエンジン停止可能を示す表示を行い(S303)、車両が停止しているか車速センサ12の値により判断する(S304)。車両が停止していない場合には(S304−NO)、エンジン停止の制御は行わない。車両が停止している場合には(S304−YES)、エンジンの停止関係スイッチとしてのエンジン始動停止スイッチ19が押下されたか否かを確認する(S305)。停止関係スイッチとしてのエンジン始動停止スイッチ19が押されずOFFの場合には(S305−OFF)、エンジン停止の制御は行わない。停止関係スイッチとしてのエンジン始動停止スイッチ19が押されONの場合には(S305−ON)、エンジン始動停止の制御としてエンジン停止制御を行うことになる(S306)。
【0057】
このように、バッテリー18の電圧が所定以上の場合にエンジンを停止させることから、所定の電圧より低い場合にはエンジンは停止せず、バッテリー18の異常等でエンジンが再始動できないといった不具合を防止し、快適な運転性能を確保することができる。
【0058】
尚、エンジンを停止させることが可能か否かの表示器20による表示は、必須ではないが、バッテリー18の電圧の状態によりエンジンの停止が可能な否かを表示することから、バッテリー18の異常等でエンジンが再始動できないといった不具合を防止し、運転者がバッテリー18の異常を知り得ると共に、快適な運転性能を確保することができる。尚、エンジン始動停止スイッチ19と表示器20は、一体の物を用いることも可能である。また、表示器20は、ランプやLEDのような光を発する物の他、ブザーや音声を発する物でもよく、表示方法により限定されるものではない。さらに、エンジン始動停止スイッチ19を、イグニッションスイッチ10がONの場合のエンジン始動のためのスタータースイッチとして用いることも可能で、エンジン始動停止スイッチ19とスタータースイッチを兼ねたスイッチとすることも可能である。このようにスイッチを兼ねることで、操作を容易にすると共にスイッチを減らし、コストの削減が可能である。
【0059】
また、エンジン始動停止スイッチ19と表示器20とを一体とし、LED等で点灯可能なスイッチを用いることも可能である。そして、一体のスイッチを用い、イグニッションスイッチ10がACC位置(又はOFF位置)でエンジン始動停止制御状態で点灯する色を、通常走行のイグニッションスイッチ10がON位置に変わると別の色に変化させることも可能である。このように、色を変えることでエンジン始動停止制御状態か否かを容易に確認することができる。さらに、盗難防止装置を装着した車両においては、ドアをロックし盗難防止がセットされると、エンジン始動停止スイッチ19と表示器20とが一体になったスイッチを点滅させることも可能である。ドアをロックし盗難防止がセットされるとスイッチを点滅させるようにすることで、盗難防止がセットされていることを容易に確認することができる。また、表示器をエンジン始動停止制御と盗難防止に兼ねさせることで、コストを抑えることも可能となる。
【0060】
また、表示器20により、エンジン始動停止制御が可能か否かを表示することで、エンジンの始動や停止に対する運転者の不安を解消し、快適な運転性能を確保することができる。また、表示器20が、エンジン始動停止制御が可能な状態で運転者による誤操作があった場合に、その旨を表示するようにすることで、エンジンの始動や停止に対する運転者の不安を解消し、快適な運転性能を確保することができる。さらに、表示器20を、車両が走行中は消灯することで、点灯が走行の支障になることがない。
【0061】
尚、上述の実施例では、イグニッションスイッチ10のACC位置とそれ以外の位置での制御の違いを説明したが、他の組み合わせとして、ON位置では通常走行とし、他の位置ではエンジン始動停止制御状態にできる組み合わせも可能である。具体的には、上述でかっこ書したように、イグニションスイッチ10のOFF位置で上述のACC位置のエンジン始動停止制御を行う場合である。この場合も、ACC位置の場合と同様な効果を有している。また、ON位置では通常走行とし、OFF位置でもACC位置でもいずれでもエンジン始動停止制御を行う構成にすることも可能で、ON位置で通常走行が可能であれば、他の位置によって制限されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上のように、本発明によれば、操作が容易なエンジン始動停止制御装置及びエンジン始動停止制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】 本発明に係るエンジン始動停止制御装置の構成の一例を示す構成図である。
【図2】 同エンジン始動停止制御装置のエンジン始動時の動作を示すフローチャートである。
【図3】 同エンジン始動停止制御装置のエンジン停止時の動作を示すフローチャートである。
【図4】 同エンジン始動停止制御装置のエンジン停止時の他の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
1・・・・エンジン始動停止制御装置
10・・・イグニッションスイッチ
11・・・ECU
12・・・車速センサ
15・・・変速レバー
16・・・フットブレーキ
17・・・パーキングブレーキ
18・・・バッテリー
19・・・エンジン始動停止スイッチ
20・・・表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のエンジンの始動及び停止を制御するエンジン始動停止制御装置において、
イグニッションスイッチがOFF又はACC位置で、所定のスイッチにより該エンジンを始動させる構成からなり、該OFF又は該ACC位置から該イグニッションスイッチのON位置にすることで容易に通常走行に切り替えられるもので、リモコンスイッチでも通常走行に切り替え操作をすることもできるシステムを含むことを特徴とするエンジン始動停止制御装置。
【請求項2】
車両のエンジンの始動及び停止を制御するエンジン始動停止制御装置において、
イグニッションスイッチがOFF又はACC位置で、該車両が停止した状態で、所定のスイッチにより該エンジンを停止させる構成からなり、該OFF又は該ACC位置から該イグニッションスイッチのON位置にすることで容易に通常走行に切り替えられるもので、リモコンスイッチでも通常走行に切り替え操作をすることもできるシステムを含むことを特徴とするエンジン始動停止制御装置。
【請求項3】
前記エンジン始動停止制御により前記エンジンが停止したとき、前記車両のヘッドライトを消灯しスモールライト点灯に自動的になり、前記エンジンが始動したとき、ヘッドライトを自動的に点灯することを特徴とする請求項2記載のエンジン始動停止制御装置。
【請求項4】
前記所定のスイッチが、トランスミッションの変速レバー又は及び該変速レバーに一体に設けられたスイッチであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のエンジン始動停止制御装置。
【請求項5】
前記所定のスイッチが、パーキングブレーキ、該パーキングブレーキのレバー一体式解除ノブとの兼用スイッチ又は及びフットブレーキであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のエンジン始動停止制御装置。
【請求項6】
前記所定のスイッチが、ステアリングホイールに設けられたスイッチであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のエンジン始動停止制御装置。
【請求項7】
前記所定のスイッチによるエンジン始動停止制御が可能か否かを表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のエンジン始動停止制御装置。
【請求項8】
前記表示手段が、エンジン始動停止制御が可能な状態で運転者にエンジン始動停止の誤操作があった場合に、その旨を表示することを特徴とする請求項7記載のエンジン始動停止制御装置。
【請求項9】
前記表示手段の前記イグニッションスイッチがOFF又はACC位置でエンジン始動停止制御状態で点灯する色を、通常走行の該イグニッションスイッチがON位置に変わると別の色に変化させ、ドアをロックし盗難防止がセットされると該表示手段を点滅させることも可能なことを特徴とする請求項7又は請求項8記載のエンジン始動停止制御装置。
【請求項10】
バッテリー電圧が所定以上の場合に、前記エンジンを停止させることを特徴とする請求項2〜請求項9のいずれかに記載のエンジン始動停止制御装置。
【請求項11】
前記表示手段が、前記バッテリー電圧の状態により前記エンジンの停止が可能な否かを表示することを特徴とする請求項10記載のエンジン始動停止制御装置。
【請求項12】
車両のエンジンの始動及び停止を制御するエンジン始動停止制御方法において、
イグニッションスイッチがOFF又はACC位置で、所定のスイッチにより該エンジンを始動させる構成からなり、該OFF又は該ACC位置から該イグニッションスイッチのON位置にすることで容易に通常走行に切り替えられるもので、リモコンスイッチでも通常走行に切り替え操作をすることもできることを特徴とするエンジン始動停止制御方法。
【請求項13】
車両のエンジンの始動及び停止を制御するエンジン始動停止制御方法において、
イグニッションスイッチがOFF又はACC位置で、該車両が停止した状態で、所定のスイッチにより該エンジンを停止させる構成からなり、該OFF又は該ACC位置から該イグニッションスイッチのON位置にすることで容易に通常走行に切り替えられるもので、リモコンスイッチでも通常走行に替え操作をすることもできることを特徴とするエンジン始動停止制御方法。
【請求項14】
前記エンジン始動停止制御により前記エンジンが停止したとき、前記車両のヘッドライトを消灯しスモールライト点灯に自動的になり、前記エンジンが始動したとき、ヘッドライトを自動的に点灯することを特徴とする請求項13記載のエンジン始動停止制御方法。
【請求項15】
前記所定のスイッチが、トランスミッションの変速レバー又は及び該変速レバーに一体に設けられたスイッチであることを特徴とする請求項12〜請求項14のいずれかに記載のエンジン始動停止制御方法。
【請求項16】
前記所定のスイッチが、パーキングブレーキ、該パーキングブレーキのレバー一体式解除ノブとの兼用スイッチ又は及びフットブレーキであることを特徴とする請求項12〜請求項14のいずれかに記載のエンジン始動停止制御方法。
【請求項17】
前記所定のスイッチが、ステアリングホイールに設けられたスイッチであることを特徴とする請求項12〜請求項14のいずれかに記載のエンジン始動停止制御方法。
【請求項18】
前記所定のスイッチによるエンジン始動停止制御が可能か否かを表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項12〜請求項17のいずれかに記載のエンジン始動停止制御方法。
【請求項19】
前記表示手段が、エンジン始動停止制御が可能な状態で運転者にエンジン始動停止の誤操作があった場合に、その旨を表示することを特徴とする請求項18記載のエンジン始動停止制御方法。
【請求項20】
前記表示手段の前記イグニッションスイッチがOFF又はACC位置でエンジン始動停止制御状態で点灯する色を、通常走行の該イグニッションスイッチがON位置に変わると別の色に変化させ、ドアをロックし盗難防止がセットされると該表示手段を点滅させることも可能なことを特徴とする請求項18又は請求項19記載のエンジン始動停止制御方法。
【請求項21】
バッテリー電圧が所定以上の場合、前記エンジンを停止させることを特徴とする請求項13〜請求項20のいずれかに記載のエンジン始動停止制御方法。
【請求項22】
前記バッテリー電圧の状態により前記エンジンの停止が可能な否かを表示することを特徴とする請求項21記載のエンジン始動停止制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−255407(P2007−255407A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−130759(P2006−130759)
【出願日】平成18年4月8日(2006.4.8)
【出願人】(594155090)
【Fターム(参考)】