説明

エーテル誘導体

本発明は、式(I)で示されるエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物


[式中、各記号は本明細書中に定義する通りである。]
および
式(III)で示されるエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物


[式中、各記号は本明細書中に定義する通りである。];当該エーテル誘導体を含む医薬組成物;ならびに当該医薬組成物およびその使用に関する説明を記載したパッケージに関する。上記本発明の化合物を含む本発明の医薬組成物は、優れた抗炎症および鎮痛作用を有し、抗炎症剤、鎮痛剤、炎症性腸疾患治療剤、頻尿および/または尿失禁治療剤、喘息治療剤等の種々の医薬として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、優れた抗炎症及び鎮痛作用を有するエーテル誘導体、及びそのエーテル誘導体を有効成分とする医薬組成物に関する。
【背景技術】
疼痛は、様々な外的要因に基づく組織の損傷侵害による直接的な刺激によって発生し、組織損傷に伴い産生される種々の内因性発痛物質により増幅されて、炎症症状へと至るとされている(田中ら編:NEW薬理学 株式会社南江堂、2002年4月15日 p354〜355)。ほかに、組織損傷に基づかず、末梢神経系又は中枢神経系の機能異常の結果として生じる疼痛があり、これは神経因性疼痛と称される。
これらの疼痛に対する治療薬としては、既に多種類のものが知られていて、それらは作用メカニズム面から、モルヒネ、コデイン、アヘンアルカロイド、ブプレノルフィン、ペンタゾシンなどの麻薬性鎮痛剤を含むオピオイド性鎮痛剤とアスピリン、インドメタシン、アセトアミノフェンなどの解熱性鎮痛剤(非麻薬性鎮痛剤)とに大別される。前者は中枢神経のオピオイド受容体に作用して強い鎮痛作用をもたらすが、重篤な副作用や依存性のために使用には制約がある。また、後者は末梢組織に作用して抗炎症及び鎮痛作用をもたらすが、その作用の程度は弱く、多様な副作用が発現する場合がある。さらに、糖尿病性神経障害、三叉神経障害、帯状疱疹などに伴う神経因性の疼痛に対して有効な治療薬は未だ見出されておらず、これらの疼痛を含めた、広範な痛みに対して有効な薬剤の開発が待望されている。
近年、発痛のメカニズムに関する研究の過程で、発痛物質として知られるカプサイシン(赤トウガラシの辛み成分)の受容体がクローニングされ、バニロイド受容体(以下、「VR1」と称する。)と名付けられた(Nature,389,p816(1997))。
カプサイシン感受性知覚神経に存在するVR1は、カプサイシン様物質だけでなく、熱や酸(H)などによっても活性化されることから、種々の病態での疼痛や炎症に関与するものと考えられている。
すなわち、カプサイシンなどの刺激によってVR1が活性化されると、カチオンチャンネルが開口し、膜が脱分極され神経ペプチドの遊離が起こり、疼痛や炎症が惹起される。したがって、VR1に拮抗する物質は疼痛や炎症の優れた治療薬になる可能性があり、現に、VR1受容体拮抗薬として知られているカプサゼピンが動物モデルで顕著な鎮痛作用を示すという報告(Life Science,69,p2911(2001))がなされている。
一方、VR1のアゴニストであるカプサイシンも、強烈な刺激(疼痛)を発生した後、鎮痛作用や抗炎症作用を惹起するものとされている。その理由は、カプサイシンが受容体に結合して持続的にVR1カチオンチャネルを開口する結果、知覚神経が刺激に不応答になることによると考えられている(Pharmacol.Rev.51,p159(1999))。実際、カプサイシンは糖尿病性神経障害や関節リウマチなどの疾患における疼痛に対する鎮痛剤として有効に使用されていることから、カプサイシン様の作用機序を有する化合物(VR1アゴニスト)もまた、疼痛や炎症の治療薬として期待される。
また、疼痛ばかりでなく炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎等)患者においてVR1が高発現しているという報告があり、カプサイシン様の作用機序またはカプサイシンの応答に拮抗するような作用機序を有する化合物は、炎症性腸疾患の良い治療薬としても期待される。
さらに、カプサイシン感受性知覚神経の関与する疾病として、掻痒症、アレルギー性及び非アレルギー性の鼻炎、(例えば、膀胱過活動型の)頻尿および尿失禁、卒中、過敏性腸症候群、呼吸器系疾患(喘息、慢性閉塞性肺疾患等)、皮膚炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、機能性胃腸症、逆流性食道炎などの機能性消化器疾患などが知られており、また、カプサイシンに抗肥満作用があるという報告もあることから、カプサイシン様の作用機序またはカプサイシンの応答に拮抗するような作用機序を有する化合物は、これらの疾病や症状の治療薬としても有用である。
以上のとおり、カプサイシン様の作用機序又はカプサイシンの応答に拮抗するような作用機序を有する化合物は、既存の鎮痛剤が奏効しない糖尿病性神経障害などの神経因性疼痛をはじめ関節リウマチなどさまざまな疾病に起因する疼痛に対する治療薬、さらには疼痛に限られず潰瘍性大腸炎などのVR1が関与する各種疾病の治療薬として大いに期待される。
バニロイド受容体拮抗剤として、次式(a)、(b)、(c)、(d)の化合物が順に、米国特許出願公開第2003/0158198号明細書、国際公開第02/16317号パンフレット、国際公開第02/072536号パンフレット、国際公開第02/08221号パンフレットに記載されている。また、次式(e)、(f)の化合物が順に、国際公開第03/014064号パンフレット、国際公開第03/080578号パンフレットに記載されている。

(式中、XはN又はCR、XはN又はCR、XはN,NR,又はCR、XはN又はCR、XはNなど、ZはOなど、ZはNHなど、Lは−(CHO(CH−など、m=0など、n=2など、R’はアリール、ヘテロサイクルなどを示す。但し、X,X,X,Xは少なくとも1つがNである。)

(式中、R1はAr’−(CH−など、mは1〜4、YはOなど、ZはNR3など、R2は水素、炭素数1〜6の低級アルキル基又はAr’’−(CH−など、pは0〜4など、AはOなどを示す。)

(式中、Pはフェニルまたはナフチル、nは2などを示す。)

(式中、AはNRなど、ZはO又はS、R1及びR2はH又はアルキル、R3及びR4はH、ハロゲンなどを示す。)

(式中、QはCH又はN、R6及びR7はH又はメチル、Xは、フェニルアルキル基など、Yは、7−ヒドロキシー1−ナフチル基などを示す。)

(式中、XはOなど、A、B、D及びEはC又はN、R3及びR4はHなど、R5及びR6はH又はアルキルなど、nは0−3、Yはアリールなど、を示す。)
上記以外にも、バニロイド受容体拮抗剤やカプサイシン様の作用物質が知られている(米国特許出願公開第2003/0158188号明細書、国際公開第03/070247号パンフレット、国際公開第02/072536号パンフレット、国際公開第02/16318号パンフレット、国際公開第02/16319号パンフレット、国際公開第00/50387号パンフレット、国際公開第03/053945号パンフレット、国際公開第03/027064号パンフレット)。しかしながら、これらの化合物は、いずれも、後記する式(I)の化合物とは構造上異なるものである。
また、下記化合物(X−1)は公知化合物であり、トロンボキサンA2合成酵素阻害剤として知られているが、本願発明記載の作用機序に関する記載は一切なく(英国特許出願公開第2065121号明細書)、また、下記化合物(X−2)、(X−3)も公知化合物であるが、本願発明記載の薬理効果や作用機序に関する記載は一切ない(米国特許第3535328号明細書)。
また、下記化合物(X−4)(Journal of Pharmacy and Pharmacology.16,(8),p538〜48(1964)に記載)、下記化合物(X−5)(Kogyo Kagaku Zasshi 68(12),p2370〜2373(1965)に記載)、下記化合物(X−6)および(X−7)(Journal of Chromatography 645(2),p233〜239(1993)に記載)のいずれも公知化合物であるが、いずれの文献にも、本願発明記載の薬理効果や作用機序に関する記載は一切ない。

【発明の開示】
本発明が解決しようとする課題は、優れた抗炎症及び鎮痛作用を有するエーテル誘導体の提供と、該エーテル誘導体を有効成分とする医薬組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の化学構造を有するエーテル誘導体が、優れた抗炎症及び鎮痛作用を有し、医薬として有用であり、また、カプサイシン様の作用又はカプサイシンの応答に拮抗するような作用が特に強いことを見出し、また、特定の化学構造を有するエーテル誘導体が、経口投与時の血中濃度時間下面積やバイオアベイラビリティーが高いこと、また、生体内代謝酵素に対し安定であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下式(I)、あるいは、(III)で表されるエーテル誘導体と、該エーテル誘導体を有効成分とする医薬組成物、とくに、抗炎症及び鎮痛作用を有する薬剤として、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎等)、(例えば、膀胱過活動型の)頻尿および/または尿失禁、過敏性腸症候群、呼吸器系疾患(喘息、慢性閉塞性肺疾患等)、糖尿病性神経障害、掻痒、胃食道逆流症あるいは関節リウマチなどの治療剤として有用な医薬組成物に関する。
すなわち、
(1)式(I)で示されるエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。

[式中、
Ar1、Ar2は、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族ヘテロ環基のいずれかを示し、
Xは、酸素原子、硫黄原子のいずれかを示し、
nは、0〜2の整数を示し、
R1〜R3は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを示し、
R4〜R8は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、ホルミルアミノ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニルアミノ基、炭素数2〜6のアルケニル−カルボニルアミノ基、炭素数6〜12のアリール−カルボニルアミノ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシル基、フェニル基、ナフチル基のいずれかを示し、
R9〜R13は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、ホルミルアミノ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニルアミノ基、炭素数2〜6のアルケニル−カルボニルアミノ基、炭素数6〜12のアリール−カルボニルアミノ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基のいずれかを示し、
Aは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、式(II)で表される基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシル基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを示し、

ここで、
Ar3は、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族ヘテロ環基のいずれかを示し、
Yは、−O−,−CH−,−NR19−,−S−,−S(O)−,−SO−,−NR19SO−,−SONR−,−C(O)NR19−,−NR19C(O)−,−NR19C(O)O−,−OC(O)NR19−のいずれかを示し、
Ra,Ra’,Rb,Rb’は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを示し、
sは、1、2の整数を示し、
tは、0〜2の整数を示し、
R14〜R18は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、ホルミルアミノ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニルアミノ基、炭素数2〜6のアルケニル−カルボニルアミノ基、炭素数6〜12のアリール−カルボニルアミノ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、非芳香族ヘテロ環基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたカルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたカルバモイル基、炭素数1〜6のアルコキシ−カルボニル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基を示し、
R19は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
但し、
〈1〉Ar2が少なくとも窒素原子を1つ以上含む二環性のヘテロアリールの場合、Aは水素原子以外の基を示す。
〈2〉nが1〜2の整数の場合、Aが式(II)で表される基(Yが−O−,−NR19−,−S−,−S(O)−,−SO−,−NR19SO−,−SONR19−,−C(O)NR19−,−NR19C(O)−,−NR19C(O)O−,−OC(O)NR19−のいずれかを示す)を示す。
〈3〉下記化合物(X−1)〜(X−7)を除く。

(2)式(I)で示されるエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。

[式中、
Ar1、Ar2は、フェニル基、ナフチル基、ヘテロアリール基、インドリニル基、インドリニル基のいずれかを示し、
Xは、酸素原子、硫黄原子のいずれかを示し、
nは、0〜2の整数を示し、
R1〜R3は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを示し、
R4〜R8は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシル基、フェニル基、ナフチル基のいずれかを示し、
R9〜R13は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基のいずれかを示し、
Aは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、式(II)で表される基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシル基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを示し、

ここで、
Ar3は、フェニル基、ナフチル基、ヘテロアリール基、インドリニル基、イソインドリニル基のいずれかを示し、
Yは、−O−,−CH−,−NR19−,−S−,−S(O)−,−SO−,−NR19SO−,−SONR19−,−C(O)NR19−,NR19C(O)−,−NR19C(O)O−,−OC(O)NR19−のいずれかを示し、
Ra,Ra’,Rb,Rb’は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを示し、
sは、1、2の整数を示し、
tは、0〜2の整数を示し、
R14〜R18は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、非芳香族ヘテロ環基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたカルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたカルバモイル基、炭素数1〜6のアルコキシ−カルボニル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基を示し、
R19は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
但し、
〈1〉Ar2が少なくとも窒素原子を1つ以上含む二環性のヘテロアリールの場合、Aは水素原子以外の基を示す。
〈2〉nが1〜2の整数の場合、Aが式(3)で表される基(Yが−O−,−NR19−,−S−,−S(O)−,−SO−,−NR19SO−,−SONR19−,−C(O)NR19−,−NR19C(O)−,−NR19C(O)O−,−OC(O)NR19−のいずれかを示す)を示す。
〈3〉下記化合物(X−1)〜(X−7)を除く。

(3)式(III)で示されるエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。

[式中、
Ar4は、アリール基、ヘテロアリール基のいずれかを示し、
X’は、酸素原子、硫黄原子、N−CN、N−OHのいずれかを示し、
V1は、窒素原子、N→O、あるいは、CR9’を示し、
V2は、窒素原子、N→O、あるいは、CR10’を示し、
V3は、窒素原子、あるいは、CR11’を示し、
V4は、窒素原子、あるいは、CR12’を示し、
V5は、NRcあるいはCReRe’を示し、
V6は、NRdあるいはCRfRf’を示し、
mは、1〜3の整数を表し、
R1’〜R3’は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを示し(mが2あるいは3を表す場合には、複数個存在するR2’あるいはR3’は、それぞれ同じでも異なってもよい)、
R4’〜R15’は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜6の環状アルキル基(環中にヘテロ原子を含んでもよい)、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいヘテロアリール基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6の環状アルキル(環中にヘテロ原子を含んでもよい)オキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリールオキシ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ−カルボニル基、カルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたカルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたカルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたスルファモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたスルファモイル基、炭素数1〜6のアルカノイル基、置換基を有してもよい炭素数7〜12のアロイル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいアリールスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいヘテロアリールスルホニルアミノ基、ホルミルアミノ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニルアミノ基、炭素数2〜6のアルケニル−カルボニルアミノ基、炭素数6〜12のアリール−カルボニルアミノ基、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル−カルボニルアミノ基、炭素数2〜6のパーフルオロアルケニル−カルボニルアミノ基、炭素数6〜12のパーフルオロアリール−カルボニルアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、のいずれかを示し、
また、R4’、R5’、R6’、R7’、及びR8’のうち隣接する炭素原子に結合しているもの同士は結合してAr4の構成炭素原子と共に飽和または不飽和の環を形成してもよく、形成した環中に1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、
A’は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜6の環状アルキル基(環中にヘテロ原子を含んでもよい)、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいヘテロアリール基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6の環状アルキル(環中にヘテロ原子を含んでもよい)オキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリールオキシ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ−カルボニル基、カルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたカルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたカルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたスルファモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたスルファモイル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルカノイル基、置換基を有してもよい炭素数7〜12のアロイル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいアリールスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいヘテロアリールスルホニルアミノ基、ホルミルアミノ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニルアミノ基、炭素数2〜6のアルケニル−カルボニルアミノ基、炭素数6〜12のアリール−カルボニルアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、あるいは、式(II)で表される基を示し、
また、Rc、Rd、Re、Re’、Rf、Rf’は、水素原子、あるいは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
但し、
〈1〉V1、V2、V3、V4の少なくとも1つ以上が窒素原子を示す場合、R1’、R2’、R3’、A’の少なくとも1つは、水素原子以外の基を示す。
〈2〉下記化合物(X−5)および(X−7)を除く。

(4)式(III)で示されるエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。

[式中、
Ar4は、フェニル基、ナフチル基、ヘテロアリール基のいずれかを示し、
X’は、酸素原子、硫黄原子、N−CN、N−OHのいずれかを示し、
V1は、窒素原子、N→O、あるいは、CR9’を示し、
V2は、窒素原子、N→O、あるいは、CR10’を示し、
V3は、窒素原子、あるいは、CR11’を示し、
V4は、窒素原子、あるいは、CR12’を示し、
V5は、NRcあるいはCReRe’を示し、
V6は、NRdあるいはCRfRf’を示し、
mは、1〜3の整数を表し、
R1’〜R3’は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを示し(mが2あるいは3を表す場合には、複数個存在するR2’あるいはR3’は、それぞれ同じでも異なってもよい)、
R4’〜R15’は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜6の環状アルキル基(環中にヘテロ原子を含んでもよい)、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいヘテロアリール基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6の環状アルキル(環中にヘテロ原子を含んでもよい)オキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリールオキシ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ−カルボニル基、カルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたカルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたカルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたスルファモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたスルファモイル基、炭素数1〜6のアルカノイル基、置換基を有してもよい炭素数7〜12のアロイル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいアリールスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいヘテロアリールスルホニルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、炭素数2〜6のパーフルオロアシルアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、のいずれかを示し、
また、R4’、R5’、R6’、R7’、及びR8’のうち隣接する炭素原子に結合しているもの同士は結合してAr4の構成炭素原子と共に飽和または不飽和の環を形成してもよく、形成した環中に1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、
A’は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜6の環状アルキル基(環中にヘテロ原子を含んでもよい)、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいヘテロアリール基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6の環状アルキル(環中にヘテロ原子を含んでもよい)オキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリールオキシ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ−カルボニル基、カルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたカルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたカルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたスルファモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたスルファモイル基、炭素数1〜6のアルカノイル基、置換基を有してもよい炭素数7〜12のアロイル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいアリールスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいヘテロアリールスルホニルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、あるいは、式(II)で表される基を示し、
また、Rc、Rd、Re、Re’、Rf、Rf’は、水素原子、あるいは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
但し、
〈1〉V1、V2、V3、V4の少なくとも1つ以上が窒素原子を示す場合、R1’、R2’、R3’、A’の少なくとも1つは、水素原子以外の基を示す。
〈2〉下記化合物(X−5)および(X−7)を除く。

【図面の簡単な説明】
図1は、酢酸ライジング法による本発明の化合物のライジング回数を表す。
図2は、酢酸ライジング法によるインドメタシンのライジング回数を表す。
図3は、DSSモデルにおける本発明の化合物の病態スコアを示す。
図4は、DSSモデルにおける本発明の化合物の腸管の長さを示す。
発明の詳細な説明
式(I)および(III)における、「アリール基」は、炭素原子からなる単環又は二環式の芳香環基を示し、例えば、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。また、「ヘテロアリール基」は、環原子として、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択されるヘテロ原子を1〜3個、好ましくは1〜2個含有する5又は6員の単環、又は二環式の芳香族ヘテロ環基を示す。例えば、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、フリル基、チエニル基、ピロリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、イソチアゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基、ベンズイソキサゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基が挙げられる。
「ハロゲン原子」としては、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素が挙げられる。
「アルキル基」、「パーフルオロアルキル基」、「アルコキシ基」、「パーフルオロアルコキシ基」、「アルキル−カルボニル基」、「アルキル基でモノ置換されたアミノ基」、「アルキル基でジ置換されたアミノ基」、「アルキルチオ基」、「アルキルスルフィニル基」、「アルキルスルホニル基」、「アルキルスルホニルアミノ基」、「アルコキシ−カルボニル基」、「アルコキシ−カルボニルアミノ基」等における成分としてのアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシルなどの炭素数1〜6の直鎖または分枝のアルキル基が挙げられる。
「アルケニル基」としては、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニルなどの各異性体を含む炭素数2〜6の直鎖または分枝のアルケニル基が挙げられる。
「アルキニル基」としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルなどの各異性体を含む炭素数2〜6の直鎖または分枝のアルキニル基が挙げられる。
「シクロアルキル基」としては、シクロプロピル、シクロプロペニル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル等の飽和または不飽和の炭素数3〜8のシクロアルキル基が挙げられる。
「非芳香族ヘテロ環基」としては、環原子として、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択されるヘテロ原子を1〜2個含有する5〜7員の単環〜二環式非芳香族ヘテロ環基を示す。例えば、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキソラニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、クロマニル、イソクロマニルが挙げられる。
「アシルアミノ基」における成分としてのアシル基としては、ホルミル基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、ピバロイル、サクシニルなど)、炭素数2〜6のアルケニル−カルボニル基(例えば、アクリロイル、クロトノイルなど)、炭素数6〜12のアリール−カルボニル基(例えば、ベンゾイル、ナフトイル、トルオイルなど)等の飽和、不飽和の炭素数1〜15、好ましくは、炭素数1〜6の脂肪族及び芳香族アシル基が挙げられる。「アシルアミノ基」としては、例えば、ホルミルアミノ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニルアミノ基、炭素数2〜6のアルケニル−カルボニルアミノ基、炭素数6〜12のアリール−カルボニルアミノ基などが挙げられる。
「パーフルオロアシルアミノ基」における成分の「アシル」としては、例えば、上記「アシルアミノ基」の説明で上述した「アシル」と同様のものが挙げられる(ただし、ホルミル基は除く)。「パーフルオロアシルアミノ基」としては、例えば、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル−カルボニルアミノ基、炭素数2〜6のパーフルオロアルケニル−カルボニルアミノ基、炭素数6〜12のパーフルオロアリール−カルボニルアミノ基などが挙げられる。
「アルカノイル基」としては、例えば、炭素数1〜6のアルカノイル基[例えば、ホルミル基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、ピバロイル、サクシニルなど)など]が挙げられる。
「アロイル基」としては、例えば、炭素数6〜12、好ましくは炭素数7〜12のアロイル基[例えば、炭素数6〜12のアリール−カルボニル基(例えば、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニルなど)など]が挙げられる。
「パーフルオロアルキル基」とは、水素原子がすべてフッ素原子に置換されたアルキル基であり、例えばトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル等が挙げられる。
ここで、“置換基を有してもよい”において、置換基は単数でも複数でもよく、置換基としては、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜6の環状アルキル基(環中にヘテロ原子を含んでもよい)、アリール基、ヘテロアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、アリール基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基あるいはアルキルチオ基、ヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基あるいはアルキルチオ基、炭素数1〜6の環状アルキル(環中にヘテロ原子を含んでもよい)オキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ基、炭素数1〜3のパーフルオロアルキルチオ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜6のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数1〜6のシクロアルキルカルボニルオキシ基(環中にヘテロ原子を含んでもよい)、カルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたカルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたカルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたスルファモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたスルファモイル基、炭素数1〜6のアルカノイル基、炭素数6〜12のアロイル基(好ましくは、炭素数7〜12のアロイル基)、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ヘテロアリールスルホニルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、などが挙げられる。
式(I)において、
Ar1としては、フェニル基、ピリジル基が好ましい。
Ar2としては、フェニル基、ピリジル基、ナフチル基、キノリル基、イソキノリル基が好ましい。
Xとしては、酸素原子、硫黄原子が好ましい。
nとしては、1、2の整数が好ましい。
R1〜R3としては、水素原子が好ましい。
R4〜R8としては、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基が好ましい。
R9〜R13としては、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。
Aとしては、水素原子、式(II)で表される基が好ましい。
Ar3としては、フェニル基、ピリジル基が好ましい。
Yとしては、酸素原子、−SO−、−NHC(O)−が好ましい。
Ra,Ra’,Rb,Rb’としては、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
sとしては、1,2の整数が好ましい。
tとしては、0,1の整数が好ましい。
R14〜R18としては、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、非芳香族ヘテロ環基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたカルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたカルバモイル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
R19としては、水素原子が好ましい。
また、上記Ar1、Ar2、X、n、R1〜R19、A、Ar3、Y、Ra、Ra’、Rb、Rb’、s、tについて好ましい基として挙げたものを組み合わせた化合物はより好ましい。
(5)式(I)において、
Aが、水素原子を示し、
Ar1が、フェニル基、ピリジル基のいずれかを示し、
Ar2が、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、のいずれかを示し、
Xが、酸素原子を示し、
nが、0を示し、
R1〜R3が、水素原子を示す、上記(1)または(2)記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物が好ましい。
(6)式(I)において、
Aが、式(II)で表される基を示し、
Ar1が、フェニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基のいずれかを示し、
Ar2が、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、フリル基、チエニル基、ピロリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、イソチアゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基、ベンズイソキサゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、インドリニル基、イソインドリニル基のいずれかを示し、
Xが、酸素原子を示し、
nが、0を示し、
R1〜R3が、水素原子を示す、上記(1)または(2)記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物が好ましい。
(7)式(I)において、
Aが、式(II)で表される基を示し、
Ar1が、フェニル基、ピリジル基のいずれかを示し、
Ar2が、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、イソインドリル基のいずれかを示し、
Xが、酸素原子を示し、
nが、0を示し、
R1〜R3が、水素原子を示し、
Ar3が、フェニル基、ピリジル基のいずれかを示し、
Yが、−O−、−SO−、−NHC(O)−を示し、
Ra,Ra’,Rb,Rb’が、水素原子を示し、
sが、1を示し、
tが、0あるいは1を示し、
R14〜R18が、上記(1)または(2)記載の基と同じ基を示す、上記(1)または(2)記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物が好ましい。
また、式(III)において、
Ar4で表される基としては、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピリミジニル基が好ましく、より好ましくは、フェニル基である。X’で表される基としては、酸素原子、硫黄原子、N−CN、N−OHのいずれも好ましく、より好ましくは、酸素原子である。
V1、V2、V3、およびV4で表される基としては、窒素原子、N→O、C−H、C−OH、C−NH、C−(ハロゲン原子)、C−(炭素数1〜6のアルキル基)、C−(炭素数1〜6のアルコキシ基)、C−(炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基)、C−(炭素数1〜6のアルキル基でモノあるいはジ置換されたアミノ基)、C−(炭素数1〜6のアルキル基でモノあるいはジ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基)、C−(アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基)が好ましく、より好ましくは、以下の組み合わせである。
組み合わせ1 [V1:C−H、V2:N、V3:C−H、V4:C−H]
組み合わせ2 [V1:C−H、V2:N→O、V3:C−H、V4:C−H]
組み合わせ3 [V1:C−NH、V2:N、V3:C−H、V4:C−H]
組み合わせ4 [V1:N、2:C−H、V3:C−H、V4:C−H]
組み合わせ5 [V1:C−H、V2:C−H、V3:C−OH、V4:C−H]
V5およびV6で表される基としては、NH、CHが好ましく、より好ましくはNHである。
mは、1〜3が好ましく、より好ましくは1である。
R1’、R2’あるいはR3’で表される基としては、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、より好ましくは、水素原子である。
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’で表される基としては、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、トリフルオロメチル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノあるいはジ置換されたアミノ基、が好ましく、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子である。
また、R4’、R5’、R6’、R7’、及びR8’のうち隣接する炭素原子に結合しているもの同士が結合してAr4の構成炭素原子と共に、不飽和の環(環中にヘテロ原子を含んでもよい)を形成したものも好ましく、より好ましくは、R4’、R5’、R6’、R7’、及びR8’のうち隣接する炭素原子に結合しているもの同士が結合してAr4とともに、テトラヒドロナフタレン環、あるいは、インダン環を形成したものである。
R13’、R14’、およびR15’としては、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、が好ましく、より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基である。
A’で表される基としては、水素原子(但し、V1、V2、V3、V4の少なくとも1つが窒素原子を示す場合を除く)、炭素数1〜6のアルキル基、式(II)で表される基、炭素数1〜6のアルコキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルカルボニルオキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のシクロアルキルカルボニルオキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルチオ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、が好ましく、より好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基、式(II)で表される基、炭素数1〜6のアルキルカルボニルオキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、である。
また、上記でAr4、X’、V1、V2、V3、V4、V5、V6、m,R1’〜R8’、R13’〜R15’、A’について好ましい基として挙げたものを組み合わせた化合物はより好ましい。
(8)式(III)において、
mが1を示し、
V5およびV6がともにNHを示す、
上記(3)または(4)記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物が好ましい。
(9)式(III)において、
X’が、酸素原子を示す、
上記(8)記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物が好ましい。
(10)式(III)において、
V1が、CR9’を示し、
V2が、窒素原子あるいはN→Oを示し、
V3が、CR11’を示し、
V4が、CR12’を示す、
上記(8)記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物が好ましい。
(11)式(III)において、
V1が、CR9’を示し、
V2が、CR10’を示し、
V3が、C−OHを示し、
V4が、CR12’を示す、
上記(8)記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物が好ましい。
(12)式(III)において、
A’が水素原子、あるいは、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、
R1’、R2’、R3’が水素原子を示す、
上記(8)記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物が好ましい。
(13)式(III)において、
Ar4が、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピリミジニル基のいずれかを示し、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’が水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、トリフルオロメチル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノあるいはジ置換されたアミノ基、を示すか、あるいは、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’のうち隣接する炭素原子に結合しているもの同士が結合してAr4の構成炭素原子と共に、不飽和の環(環中にヘテロ原子を含んでもよい)を形成したものを示す、
上記(8)記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物が好ましい。
(14)式(III)において、
X’が、酸素原子を示し、
A’が置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、
R1’、R2’、R3’が水素原子を示す、
上記(10)記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物が好ましい。
(15)式(III)において、
X’が、酸素原子を示し、
A’が水素原子、あるいは、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、
R1’、R2’、R3’が水素原子を示す、
上記(11)記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物が好ましい。
(16)式(III)において、
X’が、酸素原子を示し、
Ar4が、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピリミジニル基のいずれかを示し、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’が水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、トリフルオロメチル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノあるいはジ置換されたアミノ基、を示すか、あるいは、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’のうち隣接する炭素原子に結合しているもの同士が結合してAr4の構成炭素原子と共に、不飽和の環(環中にヘテロ原子を含んでもよい)を形成したものを示す、
上記(10)記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物が好ましい。
(17)式(III)において、
X’が、酸素原子を示し、
Ar4が、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピリミジニル基のいずれかを示し、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’が水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、トリフルオロメチル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノあるいはジ置換されたアミノ基、を示すか、あるいは、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’のうち隣接する炭素原子に結合しているもの同士が結合してAr4の構成炭素原子と共に、不飽和の環(環中にヘテロ原子を含んでもよい)を形成したものを示す、
上記(11)記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物が好ましい。
(18)式(III)において、
V1が、CHを示し、
V2が、窒素原子あるいはN→Oを示し、
V3が、CHを示し、
V4が、CHを示し、
A’が置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、
R1’、R2’、R3’が水素原子を示す、
上記(9)記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物が好ましい。
(19)式(III)において、
V1が、CHを示し、
V2が、CHを示し、
V3が、C−OHを示し、
V4が、CHを示し、
A’が水素原子、あるいは置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、
R1’、R2’、R3’が水素原子を示す、
上記(9)記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物が好ましい。
(20)式(III)において、
Ar4が、フェニル基を示し、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’が水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、を示すか、あるいは、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’のうち隣接する炭素原子に結合しているもの同士が結合してAr4と共に、テトラヒドロナフタレン環、あるいは、インダン環を形成したものを示し、
V1が、CHを示し、
V2が、窒素原子あるいはN→Oを示し、
V3が、CHを示し、
V4が、CHを示し、
A’が炭素数1〜6のアルキル基を示し、
R1’、R2’、R3’が水素原子を示す、
上記(9)記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
(21)式(III)において、
Ar4が、フェニル基を示し、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’が水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、を示すか、あるいは、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’のうち隣接する炭素原子に結合しているもの同士が結合してAr4と共に、テトラヒドロナフタレン環、あるいは、インダン環を形成したものを示し、
V1が、CHを示し、
V2が、CHを示し、
V3が、C−OHを示し、
V4が、CHを示し、
A’が水素原子、あるいは炭素数1〜6のアルキル基を示し、
R1’、R2’、R3’が水素原子を示す、
上記(9)記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物が好ましい。
また、以下に記載する上記(9)記載の化合物、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物が好ましい。

また、実施例記載の化合物が好ましく、より好ましくは、実施例21、24、27、38、39、40、42、44、48、49、50、51、52、53、57、62、63、70、72、73、79、80、87、90、91、92、94、96、109、110、114、122、134、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、204、207、208、210、215、216、217、218、219、220、221、222、に記載の化合物であり、さらに好ましくは、実施例38、40、42、48、49、50、51、52、53、70、73、80、91、92、94、96、134、192、193、200、201、202、204、215、216、217、218、219、220、221、222に記載の化合物である。
本発明化合物が塩の形態を成し得る場合、その塩は医薬的に許容しうるものであればよく、例えば、式中に酸性基が存在する場合の酸性基に対しては、アンモニウム塩、ナトリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウ厶、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、トリエチルアミン、エタノールアミン、モルホリン、ピペリジン、ジシクロヘキシルアミン等の有機アミンとの塩、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸との塩を挙げることができる。式中に塩基性塩が存在する場合の塩基性基に対しては、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、臭化水素酸などの無機酸との塩、酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、タンニン酸、酪酸、ヒベンズ酸、パモ酸、エナント酸、デカン酸、テオクル酸、サリチル酸、乳酸、シュウ酸、マンデル酸、リンゴ酸等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩を挙げることができる。塩を形成する方法としては、本発明化合物と必要な塩または塩基とを適当な量比で溶媒、分散剤中で混合することや、他の塩の形より陽イオン交換または陰イオン交換を行うことによっても得られる。
本発明において、薬学的に許容される塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸の塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、リチウムなどの無機塩基の塩、ギ酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸の塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジベンジルエチレンジアミン、ジシクロヘキシルアミン、プロカインなどの有機塩基の塩、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、オルニチンなどのアミノ酸塩などが挙げられる。
本発明のエーテル誘導体(I)および(III)には、光学異性体、幾何異性体、あるいは、それらの任意比率による混合物が包含される。
本発明は、式(I)あるいは(III)で示される化合物の溶媒和物、例えば水和物、アルコール和物等も含んでいる。
本発明の化合物は、プロドラッグ化することもできる。本発明におけるプロドラッグとは、体内で変換されて本発明の化合物を生成する化合物を表す。例えば、活性本体がカルボキシル基やリン酸基を含む場合はそれらのエステル、アミド等が挙げられる。また、活性本体がアミノ基を含む場合にはそのアミド、カーバメート等が挙げられる。活性本体が水酸基を含む場合にはそのエステル、カーボネート、カーバメート等が挙げられる。また、活性本体が含窒素複素環を示す場合には、そのN−オキシド等が挙げられる。また、本発明の化合物をプロドラッグ化する際にはアミノ酸、糖類と結合していてもよい。
また、本発明には、本発明における化合物の代謝物も含まれる。本発明における化合物の代謝物とは、本発明の化合物が生体内の代謝酵素などで変換された化合物を表す。例えば、本発明の化合物のベンゼン環上に代謝によって水酸基が導入された化合物、本発明の化合物のアルコキシ基が代謝によって水酸基に変換された化合物、本発明の化合物の含窒素複素環上の窒素原子上が酸化的に代謝されN−オキシドとなった化合物等が挙げられる。また、本発明の化合物のカルボン酸部分、あるいは代謝によって付加された水酸基にグルクロン酸、グルコース、アミノ酸が結合した化合物等が挙げられる。
本発明化合物は、高いカプサイシン様作用あるいはカプサイシンの応答への拮抗能を示し、また、経口投与後に優れたバイオアベイラビリティーと持続性を示す。また、非経口投与においても優れた持続性を示す。これらは、カプサイシン様作用あるいはカプサイシンの応答への拮抗能、血漿タンパク結合、溶解性、肝クリアランス、全身クリアランスあるいは腸管膜透過性等に関して優れた性質を有していることを反映している。
本発明化合物は、全身クリアランスが低く、血漿中滞留性に優れるため、投与量を少なくしたりあるいは投与頻度を少なくしたりすることが可能である。
本発明化合物は、膜透過性が良好で、また、生体内での代謝に対して安定であり、また、経口投与における血漿中濃度時間下面積、バイオアベイラビリティーも良好である。
また、本発明化合物は、安全性にも優れる。
本発明のエーテル誘導体(I)は、例えば、次の反応式にしたがって製造することができる。

[式中、PROTはt−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などのアミノ基の保護基を示す。R1’’〜R13’’およびA’’は、R1〜R13およびAを示すか、あるいは合成のいずれかの段階でR1〜R13およびAへと変換できる基を示す。また、同時に、R1’’〜R8’’およびA’’は、式(I)におけるR1〜R8およびAを示すか、あるいは合成のいずれかの段階でR1〜R8およびAへと変換できる基でもある。他の符号は前記と同じ。]
所望の置換基を有し、適当な形で保護されたアミノアルコール(S1)に対し、光延反応の条件下、フェノール(S2)を作用させることなどにより、エーテル(S3)が得られる。得られた(S3)を適切な脱保護条件で処理することにより、アミン(S4)が得られる。アミノ基の保護基PROTと、その脱保護条件については、GREENE,T.W.;WUTS P.G.:PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS(SECOND EDITION)JOHN WILEY & SONS,INC.などに記載があるが、例えば、PROTがt−ブトキシカルボニル基の場合には、塩化水素のジオキサン溶液などで処理するなどの方法が挙げられる。また、例えば、PROTがベンジルオキシカルボニル基の場合には、パラジウム−炭素などの適当な触媒の存在下、水素雰囲気中で反応させるなど方法が挙げられる。得られたアミン(S4)に、ジクロロメタンあるいはアセトニトリルなどの溶媒中、必要に応じてトリエチルアミンなどの塩基の存在下、所望の置換基を有するイソシアナートあるいはイソチオシアナート(S5)を作用させることにより、(I)が得られる。
また、(S3)を得る別法としては、以下の方法が挙げられる。所望の置換基を有し、適当な形で保護されたアミノアルコール(S1)に対し、ジクロロメタンなどの溶媒中、トリエチルアミンなどの適切な塩基の存在下、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリドなどを作用させた後、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、リチウムクロリド、リチウムブロミドなどを作用させ、さらに、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、炭酸カリウムなどの塩基の存在下、フェノール(S2)を作用させることなどによってエーテル(S3)を得ることができる。
また、本発明のエーテル誘導体(III)において、V5がN−Rc、V6がN−Rd、X’が酸素原子、あるいは硫黄原子を表わすような化合物(S10)は、例えば、次に示すような方法にしたがって製造することができる。

[式中、R13’’〜R15’’、V1’〜V4’、Rc’、およびRd’は、R13’〜R15’、V1〜V4、Rc、およびRdを示すか、あるいは合成のいずれかの段階でR13’〜R15’、V1〜V4、Rc、およびRdへと変換できる基を示す。他の符号は前記と同じ。]
所望の置換基を有するアニリン(S6)に対し、テトラヒドロフランあるいはジクロロメタンなどの溶媒中、トリエチルアミンあるいは飽和重曹水など適当な塩基の存在下、(S7)に示すようなアリールクロロホルメートを作用させることにより、カルバメート(S8)が合成できる。得られた(S8)に対し、ジメチルスルホキシドなどの溶媒中、ジイソプロピルエチルアミンなどの適当な塩基の存在下、アミン(S9)を作用させることにより、X’が酸素原子を示すような、式(S10)で示す化合物が得られる。上記反応の(S7)において、アリールクロロホルメートの代わりにアリールクロロチオノホルメートを用いた場合には、X’が硫黄原子を示すような、式(S10)で示す化合物が得られる。なお、アミン(S9)は、m=1の場合には、(S4)と同様に合成でき、m>1の場合には、対応する適当な形で保護されたアミノアルコールを原料として用いることにより、(S4)の合成の際と同様の工程を経ることにより合成することができる。
また、本発明のエーテル誘導体(III)において、V5がN−H、V6がN−H、X’がN−CN、N−OHを表わすような化合物(S13)は、例えば、次に示すような方法にしたがって製造することができる。

(S10)の合成にて、X’=O、RC=Rd=Hとすることで得られる(S11)に対し、塩化ホスホリルなどを作用させることにより、クロライド(S12)が得られる。得られた(S12)に対し、ジクロロメタンなどの溶媒中、ジイソプロピルエチルアミンなどの適当な塩基の存在下、シアナミドを作用させることにより、X’=N−CNであるような(S13)が得られる。シアナミドの代わりに、ヒドロキシルアミンを用いることにより、X’=N−OHであるような(S13)が得られる。
また、本発明のエーテル誘導体(III)において、V1、V3、V4がそれぞれC−Hを表わし、V2がN→Oを表わし、V5がN−Rc、V6がN−Rd、を表わすような化合物(S15)は、例えば、次に示すような方法にしたがって製造することができる。

(S10)の合成にて、V1=V3=V4=C−H、V2=Nとすることによって得られる(S14)に対し、ジクロロメタンなどの溶媒中、mCPBAなどの酸化剤を作用することによって、(S15)が得られる。
対応する原料を用い、(S15)の合成と同様の方法によって、V2、V3、V4がそれぞれC−Hを表わし、V1がN→Oを表わす化合物も合成することが可能である。
R13’が、NHを表わし、R14’、R15’がそれぞれ水素原子を表わし、V1、V3、V4がそれぞれC−Hを表わし、V2がNを表わし、V5がN−Rc、V6がN−Rd、を表わすような化合物の合成は、例えば、実施例134に示すような方法か、それに類似する方法によって合成できる。
上記製法により得られた種々の本発明化合物及び中間体は、更に、アルキル化、アシル化、ハロゲン化、求核置換、還元、酸化等の各反応に付すことにより、種々の置換基を有している本発明化合物及び中間体へと変換できる。アルキル化、アシル化、ハロゲン化、求核置換、還元、酸化は、例えば日本化学会編「実験化学講座(第4版)」(1992年)(丸善)等に記載の方法により行うことができる。
上記記載の方法とほぼ同様にして、または当業者にとって自明な方法を加えることにより、以下の本発明の代表例を合成できる。各構造式中のP1は表1および2に記載の置換基のいずれか、また、P2は表3に記載の置換基のいずれかを示す。なお、それぞれの構造式において、光学活性体も含まれる。ただし、式p−1においては、P2がNo.73−No.83以外の構造式を示す。




本発明の化合物の投与量は、疾患の種類、病態、年齢、投与形態、化合物、治療期間によって異なるが、経口もしくは非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、座薬、注腸、軟膏、舌下、点眼等)のルートにより、通常、成人1人あたり1日0.001〜500mg、好ましくは0.001〜1000mg、さらに好ましくは0.01〜200mgであり、これを1回又は数回に分けて投与することができる。
本発明化合物の投与量は、成人1人あたり、経口投与の場合で0.5mg〜5g、非経口投与の場合で1μg〜1gが好ましい。
本発明化合物は、酸性あるいはアルカリ性溶液中での安定性に優れ有用であり、例えば種々の剤型への適用が可能である。
本発明化合物またはその塩は、そのまま、若しくは各種の医薬的に許容しうる担体を含有する医薬組成物として投与される。
医薬的に許容し得る担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が挙げられ、例えば、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、水溶性高分子、塩基性無機塩、液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等が挙げられる。また、必要に応じて、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、酸味剤、発砲剤、香料等の添加物を用いることもできる。
このような医薬組成物の剤形としては、例えば、錠剤、散剤、丸剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、液剤、糖衣剤、デポー剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、トローチ剤、舌下剤、貼付剤、口腔内崩壊剤(錠)、吸入剤、注腸剤、貼布剤、テープ剤、点眼剤が挙げられ、普通の製剤助剤を用いて常法によって製造することができる。
本発明の治療剤の投与形態は、固形製剤や液剤による経口投与、皮下、筋肉、又は静脈内用の注射剤、貼付剤、坐剤、吸入剤などの製剤による非経口投与のいずれでもよい。固形製剤としては、内服用の散剤、顆粒剤、錠剤、丸剤、カプセル剤などやトローチ剤が、液剤としては、溶液剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などが挙げられ、いずれも、公知の方法により製造することができる。
本発明の治療剤は、製剤上の必要に応じて、適宜の薬学的に許容されるベヒクル、担体、例えば、賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、コーティング剤、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、等張化剤などを配合して製剤化される。必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、香味剤などの添加剤を配合することができる。これらの組成物又は製剤中の有効成分の量は、指示された範囲の適当な用量が得られるように適宜決められる。
賦形剤としては、ラクトース、マンニトール、グルコース、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが、結合剤としては、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどが、滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが、崩壊剤としては、繊維素グリコール酸カルシウム、乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、結晶セルロースなどが、コーティング剤としては、白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどが挙げられる。
溶剤としては、精製水、生理的食塩水、リンゲル液、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、マクロゴールなどの親水性溶剤や、オリーブ油、ラッカセイ油、ゴマ油、ツバキ油、ナタネ油、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、高級脂肪酸エステル、流動パラフィンなどの油性溶剤が、溶解補助剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、グルタミン酸、アスパラギン酸などが、懸濁化剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、レシチン、モノステアリン酸グリセリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アラビアゴム、ベントナイトなどが、乳化剤としては、アラビアゴム、ゼラチン、レシチン、卵黄、セタノール、モノステアリン酸グリセリン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ステアリン酸などが、等張化剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グルコース、フルクトース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、サッカロース、グリセリン、尿素などが挙げられる。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが、また、抗酸化剤としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
その他、本発明の治療剤の製造には、製薬上の如何なる添加剤も使用可能であり、所望により、徐放性製剤とすることができる。
本発明の医薬製剤は、該医薬製剤の使用に関する説明を記載した記載物とともに包装したパッケージとすることができる。
本発明のエーテル誘導体は、他の鎮痛剤、抗炎症剤、あるいは前記した各疾患の治療薬と併用することが可能であり、この場合、併用薬は、エーテル誘導体と同じ製剤中に含有させてもよく、また、別製剤として、同時ないし適宜の時間差で関連づけて投与してもよい。
以下、本発明を実施例によって具体的且つ詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。各実施例の構造式は、下記の表8〜表31に記載する。
【実施例】
[実施例1] N−(2−ブロモフェニル)−N’−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ウレア
工程1: t−ブチル2−ブロモエチルカルバメート
2−ブロモエチルアミン臭化水素酸塩(10g)にジ−t−ブチルジカルボナート(12.8g)、トリエチルアミン(16.9ml)、テトラヒドロフラン(120ml)を加え、室温にて、15時間攪拌した。酢酸エチルで希釈し、1%KHSO水溶液で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去することにより、t−ブチル2−ブロモエチルカルバメートの粗製物(12.4g)を得た。
工程2: t−ブチル2−(4−フルオロフェノキシ)エチルカルバメート
工程1で得られたt−ブチル2−ブロモエチルカルバメートの粗製物(700mg)に、4−フルオロフェノール(875mg)、炭酸カリウム(1.08g)、DMF(7ml)を加えて、90℃にて一晩攪拌した。溶媒を留去したのち、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)で精製することによりt−ブチル2−(4−フルオロフェノキシ)エチルカルバメート(390mg)を得た。
工程3: N−(2−ブロモフェニル)−N’−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ウレア
工程2で得られたt−ブチル2−(4−フルオロフェノキシ)エチルカルバメート(190mg)に、塩化水素の4規定ジオキサン溶液(3ml)を加え、室温にて4時間攪拌した。溶媒を留去し、得られた固体に、アセトニトリル(4ml)、2−ブロモフェニルイソシアネート(109μl)、トリエチルアミン(405μl)を加え、室温にて一晩攪拌した。反応液に水を加え、析出した固体をろ過、乾燥することによりN−(2−ブロモフェニル)−N’−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]ウレア(205mg)を得た。
[実施例2〜14]
実施例2〜14の化合物は、実施例1の工程2における4−フルオロフェノールを対応する各種フェノールに代えて、実施例1の工程3における2−ブロモフェニルイソシアネートを対応する各種イソシアネート類に代えて実施することにより実施例1と同様の工程を経て合成した。また、実施例1における各種工程にて、公知の種々置換基変換を施すことにより、各種置換基を有する誘導体を合成することが可能である。最終化合物の精製は、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)、逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)にて行った。
[実施例15] N−{(1S)−2−(ベンジルオキシ)−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチル}−N’−1−ナフチルウレア
工程1: t−ブチル(1R)−2−(ベンジルオキシ)−1−(ヒドロキシメチル)エチルカルバメート
0−ベンジル−N−(t−ブトキシカルボニル)−L−セリン(2g)をテトラヒドロフラン(20ml)に溶解し、トリエチルアミン(1.22ml)を加え、さらに0℃にてクロロギ酸エチル(713μl)を滴下した。反応液を室温にて、30分攪拌した後、反応液をろ過し、ろ液に氷を一片加えた。さらに水素化ホウ素ナトリウム(515mg)加え、室温にて6時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)で精製することによりt−ブチル(1R)−2−(ベンジルオキシ)−1−(ヒドロキシメチル)エチルカルバメート(1.7g)を得た。
工程2: t−ブチル(1S)−2−(ベンジルオキシ)−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチルカルバメート
工程1で得られたt−ブチル(1R)−2−(ベンジルオキシ)−1−(ヒドロキシメチル)エチルカルバメート(3.23g)に、ジクロロメタン(40ml)、メタンスルホニルクロリド(1.07ml)、トリエチルアミン(3.20ml)を加え、0℃にて3時間攪拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し粗製物を得た。この粗製物に、ジメチルホルムアミド(30ml)、リチウ厶クロリド(2.4g)を加え、40℃にて一晩攪拌した後、溶媒を留去し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、粗製物を得た。この粗製物に、ジメチルホル厶アミド(20ml)、炭酸カリウム(2.4g)、m−クレゾール(1.47ml)を加え、90℃にて一晩攪拌した後、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)で精製することによりt−ブチル(1S)−2−(ベンジルオキシ)−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチルカルバメート(1.5g)を得た。
工程3: N−{(1S)−2−(ベンジルオキシ)−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチル}−N’−1−ナフチルウレア
工程2で得られたt−ブチル(1S)−2−(ベンジルオキシ)−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチルカルバメート(60mg)に、塩化水素の4規定ジオキサン溶液(2ml)を加え室温にて一晩攪拌した。溶媒を留去し、得られた固体に、アセトニトリル(2ml)、1−ナフチルイソシアネート(32μl)、トリエチルアミン(85μl)を加え、室温にて2時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗製物を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)にて精製し、N−{(1S)−2−(ベンジルオキシ)−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチル}−N’−1−ナフチルウレア(6.5mg)を得た。
[実施例16] N−{(1S)−2−(ベンジルオキシ)−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチル}−N’−2−ブロモフェニルウレア
実施例16の化合物は、実施例15の工程3における1−ナフチルイソシアネートを対応するイソシアネートに代えて、実施することにより実施例15と同様の工程を経て合成した。
[実施例17] N−{(1R)−2−(ベンジルオキシ)−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチル}−N’−2−ブロモフェニルウレア
実施例17の化合物は、実施例16において、原料として0−ベンジル−N−(t−ブトキシカルボニル)−D−セリンを用いて、同様に実施することにより得た。
[実施例18] N−(1−ナフチル)−N’−(1−フェニルメタンスルホニルメチル−2−m−トリルオキシエチル)ウレア
工程1: (1−ベンジルスルファニルメチル−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル
原料として、S−ベンジル−N−(t−ブトキシカルボニル)−D−システイン(10g)を用い実施例15の工程1と同様に処理することで、(1−ベンジルスルファニルメチル−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(7.5g)を得た。
工程2: (1−ベンジルスルファニルメチル−2−m−トリルオキシエチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル
工程1で得られた(1−ベンジルスルファニルメチル−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(4.8g)を原料として用い、実施例15の工程2と同様に処理することで(1−ベンジルスルファニルメチル−2−m−トリルオキシエチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.0g)を得た。
工程3: (1−フェニルメタンスルホニルメチル−2−m−トリルオキシエチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル
工程2で得られた(1−ベンジルスルファニルメチル−2−m−トリルオキシエチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(500mg)に、ジクロロメタン(8ml)、m−クロロ過安息香酸(490mg)を加え氷冷下3時間攪拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、1規定水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗製物を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)にて精製し、(1−フェニルメタンスルホニルメチル−2−m−トリルオキシエチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(240mg)を得た。
工程4: N−(1−ナフチル)−N’−(1−フェニルメタンスルホニルメチル−2−m−トリルオキシエチル)ウレア
工程3で得られた(1−フェニルメタンスルホニルメチル−2−m−トリルオキシエチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(80mg)を原料として用い、実施例15の工程3と同様に処理することでN−(1−ナフチル)−N’−(1−フェニルメタンスルホニルメチル−2−m−トリルオキシエチル)ウレア(21mg)を得た。
[実施例19] N−(2−ブロモフェニル)−N’−(1−フェニルメタンスルホニルメチル−2−m−トリルオキシエチル)ウレア
実施例19の化合物は、実施例15の工程4における1−ナフチルイソシアネートを対応するイソシアネートに代えて、実施することにより実施例18と同様の工程を経て合成した。
[実施例20] N−[2−(3−ナフタレン−1−イル−ウレイド)−3−m−トリルオキシプロピル]ベンズアミド
工程1: (2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−ヒドロキシプロピル)カルバミン酸tert−ブチルエステル
N−(ベンジルオキシカルボニル)−DL−アスパラギン(7.5g)に、酢酸エチル(36ml)、アセトニトリル(36ml)、水(18ml)、ヨードソベンゼンジアセテート(10g)を加え室温にて一晩攪拌した。反応液をろ過し、得られた固体を酢酸エチルで洗浄した後、ジオキサン(180ml)、水(40ml)、1規定水酸化ナトリウ厶水溶液(10ml)、ジ−t−ブチルジカルボナート(6.1g)を加え、室温にて一晩攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、0.5規定塩酸で洗浄し、溶媒を留去することにより、2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸の粗製物を得た。この粗製物を実施例15の工程1と同様に処理することで、(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−ヒドロキシプロピル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(2g)を得た。
工程2: (2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−m−トリルオキシプロピル)カルバミン酸tert−ブチルエステル
工程1で得られた(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−ヒドロキシプロピル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(6.5g)を原料として用い、実施例15の工程2と同様に処理することで(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−m−トリルオキシプロピル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(4.8g)を得た。
工程3: [1−(ベンゾイルアミノメチル)−2−m−トリルオキシエチル]カルバミン酸ベンジルエステル
工程2で得られた(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−m−トリルオキシプロピル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(220mg)に、塩化水素の4規定ジオキサン溶液(2ml)を加え室温にて1時間攪拌した。溶媒を留去し、得られた固体に、ジクロロメタン(7ml)、ベンゾイルクロライド(96μl)、トリエチルアミン(265μl)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)で精製することにより[1−(ベンゾイルアミノメチル)−2−m−トリルオキシエチル]カルバミン酸ベンジルエステル(200mg)を得た。
工程4: N−[2−(3−ナフタレン−1−イル−ウレイド)−3−m−トリルオキシプロピル]ベンズアミド
工程3で得られた[1−(ベンゾイルアミノメチル)−2−m−トリルオキシエチル]カルバミン酸ベンジルエステル(70mg)に、5%パラジウム−炭素(wet,90mg)、エタノール(4ml)、酢酸エチル(4ml)を加え、水素雰囲気下1時間攪拌した。セライトでろ過した後、溶媒を留去し、得られた粗製物にアセトニトリル(3ml)、1−ナフチルイソシアネート(85μl)を加え、室温にて2時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗製物を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)にて精製しN−[2−(3−ナフタレン−1−イル−ウレイド)−3−m−トリルオキシプロピル]ベンズアミド(2.2mg)を得た。
[実施例21] N−[(1S)−2−(3−フルオロフェノキシ)−1−メチルエチル]−N’−(イソキノリン−5−イル)ウレア TFA塩
工程1: t−ブチル(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチルカルバメート
L−アラニノール(5g)に、ジ−t−ブチルジカルボナート(17g)、トリエチルアミン(9ml)、ジクロロメタン(100ml)を加え、室温にて、2時間攪拌した。ジクロロメタンで希釈し、水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)で精製することにより表題化合物(5.9g)を得た。
工程2: (2S)−2−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピルメタンスルホネート
工程1で得られた化合物(5.9g)に、メタンスルホニルクロライド(3.1ml)、トリエチルアミン(9.0ml)、ジクロロメタン(150ml)を加え、0℃にて、2時間攪拌した。ジクロロメタンで希釈し、水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウ厶で乾燥し、溶媒を留去することにより、表題化合物の粗製物を得た。
工程3: t−ブチル(1S)−2−クロロー1−メチルエチルカルバメート
工程2で得られた粗製物に、リチウムクロライド(2.8g)、ジメチルホルムアミド(100ml)を加え、40℃にて、一晩攪拌した。酢酸エチルで希釈し、水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)で精製することにより表題化合物(3.6g)を得た。
工程4: t−ブチル(1S)−2−(3−フルオロフェノキシ)−1−メチルエチルカルバメート
工程3で得られた化合物(500mg)に、3−フルオロフェノール(84μl)、炭酸カリウム(250mg)、DMF(2ml)を加えて、95℃にて一晩攪拌した。反応液を、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、表題化合物の粗製物を得た。
工程5: (2S)−1−(3−フルオロフェノキシ)−2−プロピルアミン
工程4で得られた粗製物に、4規定塩化水素のジオキサン溶液(2ml)を加え、室温にて2時間攪拌した。溶媒を留去した後、酢酸エチルに溶解し、1規定塩酸で洗浄した。水層を、1規定水酸化ナトリウム水で塩基性に調整した後、酢酸エチルで抽出を行った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、表題化合物の粗製物を得た。
工程6: フェニルイソキノリン−5−イルカルバメート
5−アミノイソキノリン(2.7g)に、クロロギ酸フェニル(2.85ml)、ピリジン(2.0ml)、テトラヒドロフラン(50ml)を加え、3時間攪拌した。反応液を、ジクロロメタンで希釈し、水、飽和重曹水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣にジエチルエーテルを加え、析出物をろ取することにより、表題化合物(3g)を得た。
工程7: N−[(1S)−2−(3フルオロフェノキシ)−1−メチルエチル]−N’−(イソキノリン−5−イル)ウレア TFA塩
工程5で得られた粗製物(60mg)に、工程6で得られたフェニルイソキノリン−5−イルカルバメート(64mg)、ジイソプロピルエチルアミン(85μl)、ジメチルスルホキシド(2ml)を加え、室温にて、2時間攪拌した。酢酸エチルで希釈し、水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)で精製することにより、表題化合物(18mg)を得た。
[実施例22〜81] 実施例22〜81に示す化合物の合成
実施例22〜81に示す化合物は、実施例21工程4にて、3−フルオロフェノールの代わりに対応するフェノールを用いて、実施例21と同様に合成した。
[実施例82] N−[(1S)−2−(4−アミノフェノキシ)−1−メチルエチル]−N’−(イソキノリン−5−イル)ウレア 2TFA塩
実施例45で得られたN−(イソキノリン−5−イル)−N’−[(1S)−1−メチル−2−(4−ニトロフェノキシ)エチル]ウレア(4.7mg)に、エタノール(1ml)、塩化すず(II)二水和物(30mg)を加え、70℃にて5時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、1規定水酸化ナトリウ厶水溶液にて洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)で精製することにより、N−[(1S)−2−(4−アミノフェノキシ)−1−メチルエチル]−N’−(イソキノリン−5−イル)ウレア 2TFA塩(1.7mg)を得た。
[実施例83] N−(イソキノリン−5−イル)−N’−{(1S)−2−[4−(ジメチルアミノ)フェノキシ]−1−メチルエチル}ウレア 2TFA塩
実施例82で得られたN−[(1S)−2−(4−アミノフェノキシ)−1−メチルエチル]−N’−(イソキノリン−5−イル)ウレア(30mg)に、アセトニトリル(3ml)、酢酸(0.10ml)、37%ホルムアルデヒド水溶液(0.10ml)を加え、室温にて30分攪拌した。反応液に水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(57mg)を加え、室温にてさらに30分間攪拌した。反応液を酢酸エチルにて希釈し、1規定水酸化カリウム水溶液にて洗浄後、溶媒を留去した。残渣を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)で精製することにより、N−(イソキノリン−5−イル)−N’−{(1S)−2−[4−(ジメチルアミノ)フェノキシ]−1−メチルエチル}ウレア 2TFA塩(1.7mg)を得た。
[実施例84] N−{(1S)−2−[3−(ジメチルアミノ)−4−ニトロフェノキシ]−1−メチルエチル}−N’−(イソキノリン−5−イル)ウレア TFA塩
実施例84に示す化合物は、実施例21にて、3−フルオロフェノールの代わりに3−フルオロ−4−ニトロフェノールを用いて、実施例21と同様に合成した。
[実施例85〜108] 実施例85〜108に示す化合物の合成
実施例85〜108に示す化合物は、実施例21工程1にて、L−アラニノールの代わりに、対応するアミノアルコールを用い、また、実施例21工程4にて、3−フルオロフェノールの代わりに対応するフェノールを用いて、実施例21と同様に合成した。
[実施例109〜115]
実施例109〜115に示す化合物は、実施例21の工程1にて、L−アラニノールの代わりに、対応するアミノアルコールを用い、また、実施例21の工程4にて、3−フルオロフェノールの代わりに対応するフェノールを用いて、また、実施例21の工程7にて、フェニルイソキノリン−5−イルカルバメートの代わりにフェニル7−ヒドロキシ−1−ナフチルカルバメートを用い、実施例21の工程1〜5、実施例21の工程7と同様の操作を行うことにより合成した。なお、フェニル7−ヒドロキシ−1−ナフチルカルバメートの合成は以下のように行った。
フェニル7−ヒドロキシ−1−ナフチルカルバメートの合成
8−アミノ−2−ナフトール(100mg)に、クロロギ酸フェニル(87μl)、飽和重曹水(0.5ml)、ジクロロメタン(1ml)、水(0.5ml)を加え、3時間攪拌した。反応液を、ジクロロメタンで希釈し、1規定塩酸で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣にジエチルエーテルとヘキサンを加え、析出物をろ取することにより、表題化合物(160mg)を得た。
実施例109のNMRデータ: H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ3.49(2H,m),4.06(2H,s),6.79(4H,m),7.10(2H,m),7.30(2H,m),7.75(2H,m),8.34(1H,s),9.69(1H,s).
[実施例116] N−[(2R)−2−(3−フルオロフェノキシ)プロピル]−N’−(イソキノリン−5−イル)ウレア TFA塩
(2R)−1−アミノ−2−プロパノール(1.25g)に、ジ−t−ブチルジカルボナート(9.5g)、トリエチルアミン(6.9ml)、ジクロロメタン(50ml)を加え、室温にて、2時間攪拌した。ジクロロメタンで希釈し、水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去することにより、t−ブチル(2R)−2−ヒドロキシプロピルカルバメートの粗製物を得た。得られた粗製物(1g)に、メタンスルホニルクロライド(533μl)、トリエチルアミン(1.2ml)、ジクロロメタン(15ml)を加え、0℃にて、1時間攪拌した。ジクロロメタンで希釈し、水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去することにより、(1R)−2−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−1−メチルエチルメタンスルホネートの粗製物を得た。得られた粗製物を全量用いて次の反応を行った。粗製物にリチウムブロマイド(994mg)、ジメチルホルムアミド(10ml)を加え、40℃にて、18時間攪拌した。酢酸エチルで希釈し、水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウ厶で乾燥し、溶媒を留去することにより、t−ブチル(2S)−2−ブロモプロピルカルバメートの粗製物を得た。得られた粗製物を半分量用いて次の反応を行った。粗製物に3−フルオロフェノール(50μl)、炭酸カリウム(150mg)、DMF(2ml)を加えて、95℃にて一晩攪拌した。酢酸エチルで希釈し、水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、t−ブチル(2R)−2−(3−フルオロフェノキシ)プロピルカルバメートの粗製物を得た。得られた粗製物を全量用いて次の反応を行った。粗製物に、4規定塩化水素のジオキサン溶液(2ml)を加え、室温にて2時間攪拌した後、溶媒を留去した。残渣に、実施例21の工程6で得られるフェニルイソキノリン−5−イルカルバメート(15mg)、ジイソプロピルエチルアミン(100μl)、ジメチルスルホキシド(1ml)を加え、室温にて、一晩攪拌した。酢酸エチルで希釈し、水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)で精製することにより、表題化合物(13mg)を得た。
[実施例117] 実施例117に示す化合物の合成
実施例117に示す化合物は、実施例116にて、3−フルオロフェノールの代わりに対応するフェノールを用いて、実施例116と同様に合成した。
[実施例118] N−(イソキノリン−5−イル)−N’−{(1S)−2−メトキシ−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチル}ウレア TFA塩
工程1: t−ブチル(1S)−2−ヒドロキシ−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチルカルバメート
実施例15の工程2で得られたt−ブチル(1S)−2−(ベンジルオキシ)−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチルカルバメート(3.8g)に、10%パラジウム−炭素(wet,1g)、エタノール(30ml)を加え、水素雰囲気下2日間攪拌した。セライトでろ過した後、溶媒を留去し、得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)で精製することにより、表題化合物(3.0g)を得た。
工程2: N−(イソキノリン−5−イル)−N’−{(1S)−2−メトキシ−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチル}ウレア TFA塩
工程1で得られた(1S)−2−ヒドロキシ−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチルカルバミン酸tert−ブチルエステルに、ベンゼン(1ml)、50%水酸化ナトリウム水溶液(1ml)、ヨウ化メチル(13μl)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム(12mg)を加え、室温にて一晩攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた粗製物に塩化水素の4規定ジオキサン溶液(2ml)を加え室温にて2時間攪拌した。溶媒を留去し、得られた固体に、ジメチルスルホキシド(1ml)、実施例21の工程6で得られるフェニルイソキノリン−5−イルカルバメート(50mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.35ml)を加え、室温にて一晩攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、溶媒を留去した。得られた粗製物を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)にて精製し、N−(イソキノリン−5−イル)−N’−{(1S)−2−メトキシ−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチル}ウレア TFA塩(29mg)を得た。
[実施例119] N−{(1S)−2−ヒドロキシ−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチル}−N’−(イソキノリン−5−イル)ウレア TFA塩
実施例118の工程1で得られた(1S)−2−ヒドロキシ−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチルカルバミン酸tert−ブチルエステルに、塩化水素の4規定ジオキサン溶液(2ml)を加え室温にて90分間攪拌した。溶媒を留去し、得られた固体に、ジメチルスルホキシド(2ml)、実施例21の工程6で得られたフェニルイソキノリン−5−イルカルバメート(113mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.12ml)を加え、室温にて2時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、溶媒を留去した。得られた粗製物を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)にて精製し、N−{(1S)−2−ヒドロキシ−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチル}−N’−(イソキノリン−5−イル)ウレア TFA塩(104mg)を得た。
[実施例120] N−{(1S)−2−アセトキシ−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチル}−N’−(イソキノリン−5−イル)ウレア TFA塩
実施例119で得られたN−{(1S)−2−ヒドロキシ−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチル}−N’−(イソキノリン−5−イル)ウレア(15mg)に、ピリジン(1ml)、塩化アセチル(6.1μl)、4−ジメチルアミノピリジン(1mg)を加え、室温にて2.5時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗製物を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)にて精製し、N−{(1S)−2−アセトキシ−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチル}−N’−(イソキノリン−5−イル)ウレア TFA塩(3.0mg)を得た。
[実施例121〜125] 実施例121〜125に示す化合物の合成
実施例121〜125に示す化合物は、実施例120にて、塩化アセチルの代わりに、対応する酸クロライドを用い、実施例120と同様に合成した。
[実施例126] t−ブチル(2S)−3−(3−フルオロフェノキシ)−2−{[(イソキノリン−5−イルアミノ)カルボニル]アミノ}プロピルカルバメート TFA塩
工程1: (2S)−3−アミノ−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}プロピオン酸
N−(ベンジルオキシカルボニル)−L−アスパラギン(7.5g)に、酢酸エチル(36ml)、アセトニトリル(36ml)、水(18ml)、ヨードソベンゼンジアセテート(10g)を加え室温にて一晩攪拌した。反応液をろ過し、得られた固体を酢酸エチルで洗浄し、表題化合物を得た。
工程2: メチル(2S)−3−アミノ−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}プロパノエート塩酸塩
工程1で得られた化合物に、メタノール(100ml)、塩化チオニル(2.4ml)を加え、室温にて一晩攪拌した。溶媒を留去し、表題化合物の粗製物を得た。
工程3: メチル(2S)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−3−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]プロパノエート
工程2で得られた化合物に、ジ−t−ブチルジカルボナート(9.2g)、トリエチルアミン(12ml)、テトロヒドロフラン(100ml)を加え、室温にて、一晩攪拌した。溶媒を留去した後、残渣に酢酸エチルを加え、水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、表題化合物の粗製物を得た。
工程4: (2S)−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−ヒドロキシプロピル)カルバミン酸tert−ブチルエステル
工程3で得られた化合物に、2Mリチウムボロハイドライドのテトラヒドロフラン溶液(24ml)、テトラヒドロフラン(100ml)を加え、0℃にて1時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで希釈し、水、1規定塩酸で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)で精製することにより表題化合物(7.0g)を得た。
工程5: (2S)−{2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(3−フルオロフェノキシ)}カルバミン酸tert−ブチルエステル
工程4で得られた化合物(2g)を原料として用い、実施例15の工程2にて、m−クレゾールの代わりに3−フルオロフェノールを用い、実施例15の工程2と同様の工程を経て、表題化合物(1.4g)を得た。
工程6: t−ブチル(2S)−2−アミノ−3−(3−フルオロフェノキシ)プロピルカルバメート
工程5で得られた化合物(1.4g)に、10%パラジウム−炭素(wet,200mg)、酢酸エチル(15ml)を加え、水素雰囲気下1時間攪拌した。セライトでろ過した後、溶媒を留去し、表題化合物の粗製物を得た。
工程7: t−ブチル(2S)−3−(3−フルオロフェノキシ)−2−{[(イソキノリン−5−イルアミノ)カルボニル]アミノ}プロピルカルバメート TFA塩
工程6で得られた粗製物に、フェニルイソキノリン−5−イルカルバメート(1.1g)、ジイソプロピルエチルアミン(1.2ml)、ジメチルスルホキシド(15ml)を加え、一晩攪拌した。酢酸エチルで希釈し、水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)で精製した上、一部を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)で精製することにより、表題化合物(27mg)を得た。
[実施例127] N−{(1R)−2−アミノ−1−[(3−フルオロフェノキシ)メチル]エチル}−N’−(イソキノリン−5−イル)ウレア 2TFA塩
工程1: t−ブチル(2R)−3−(3−フルオロフェノキシ)−2−{[(イソキノリン−5−イルアミノ)カルボニル]アミノ}プロピルカルバメート
実施例126の工程1にて、N−(ベンジルオキシカルボニル)−L−アスパラギンの代わりにN−(ベンジルオキシカルボニル)−D−アスパラギンを用い、実施例126の工程1〜7の工程を経て、表題化合物を得た。
工程2: N−{(1R)−2−アミノ−1−[(3−フルオロフェノキシ)メチル]エチル}−N’−(イソキノリン−5−イル)ウレア 2TFA塩
工程1で得られたt−ブチル(2R)−3−(3−フルオロフェノキシ)−2−{[(イソキノリン−5−イルアミノ)カルボニル]アミノ}プロピルカルバメート(10mg)に、塩化水素の4規定ジオキサン溶液(2ml)を加え室温にて90分間攪拌した。溶媒を留去し、得られた固体を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)で精製することにより、表題化合物(10mg)を得た。
実施例128/129 N−(イソキノリン−5−イル)−N’−{(1S)−1−[(4−メチルフェノキシ)メチル]−3−(メチルチオ)プロピル}ウレア TFA塩およびN−(イソキノリン−5−イル)−N’−[(1S)−3−(4−メチルフェノキシ)−1−(メチルチオメチル)プロピル]ウレア TFA塩
工程1: (1S)−1−クロロメチル−3−(メチルチオ)プロピルカルバミン酸tert−ブチルエステル
(S)−(−)−メチオニノール(0.46ml)にジ−t−ブチルジカルボナート(0.88g)、トリエチルアミン(0.77ml)、ジクロロメタン(10ml)を加え、室温にて24時間攪拌したのち、メタンスルホニルクロリド(0.34ml)、トリエチルアミン(1.0ml)を加え、さらに2時間攪拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、粗製物を得た。この粗製物に、ジメチルホルムアミド(10ml)、リチウムクロリド(0.47g)を加え、45℃にて一晩攪拌した後、溶媒を留去し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、(1S)−1−クロロメチル−3−(メチルチオ)プロピルカルバミン酸tert−ブチルエステルの粗製物(0.6g)を得た。
工程2: N−(イソキノリン−5−イル)−N’−{(1S)−1−[(4−メチルフェノキシ)メチル]−3−(メチルチオ)プロピル}ウレア TFA塩およびN−(イソキノリン−5−イル)−N’−[(1S)−3−(4−メチルフェノキシ)−1−(メチルチオメチル)プロピル]ウレア TFA塩
工程1で得られた(1S)−1−クロロメチル−3−(メチルチオ)プロピルカルバミン酸tert−ブチルエステルの粗製物(0.15g)に、ジメチルホルムアミド(5ml)、炭酸カリウ厶(0.12g)、p−クレゾール(0.17ml)を加え、90℃にて一晩攪拌した。それから、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗製物に塩化水素の4規定ジオキサン溶液(2ml)を加え、室温にて4時間攪拌した。溶媒を留去し、得られた固体に、ジメチルスルホキシド(1ml)、実施例21の工程6で得られたフェニルイソキノリン−5−イルカルバメート(90mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.3ml)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、溶媒を留去した。得られた粗製物を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)にて精製し、N−(イソキノリン−5−イル)−N’−{(1S)−1−[(4−メチルフェノキシ)メチル]−3−(メチルチオ)プロピル}ウレア TFA塩(4.4mg)とN−(イソキノリン−5−イル)−N’−[(1S)−3−(4−メチルフェノキシ)−1−(メチルチオメチル)プロピル]ウレア TFA塩(7.1mg)とをそれぞれ得た。
[実施例128] H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ1.91(2H,m),2.12(3H,s),2.19(3H,s),2.72(2H,d,J=6.5Hz),4.01(1H,t,J=6.0Hz),4.05(1H,m),6.75(1H,d,J=9.2Hz),6.81(2H,d,J=9.4Hz),7.03(2H,d,J=9.4Hz),7.75(1H,dd,J=8.8,8.8Hz),7.95(1H,d,J=8.8Hz),8.19(1H,d,J=6.8Hz),8.41(1H,d,J=8.8Hz),8.60(1H,d,J=6.8Hz),8.88(1H,s),9.53(1H,s).
[実施例129] H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ1.91(2H,m),2.06(3H,s),2.20(3H,s),2.56(2H,m),3.95(1H,dd,J=5.8,9.4Hz),4.02(1H,dd,J=5.5,9.4Hz),4.13(1H,m),6.88(2H,d,J=8.8Hz),6.90(1H,d,J=8.5Hz),7.07(2H,d,J=8.8Hz),7.78(1H,dd,J=7.6,7.6Hz),7.94(1H,d,J=7.6Hz),8.22(1H,d,J=6.4Hz),8.47(1H,d,J=7.6Hz),8.61(1H,d,J=6.4Hz),8.93(1H,s),9.57(1H,s).
[実施例130] 実施例130に示す化合物の合成
実施例130に示す化合物は、実施例129の工程2にて、p−クレゾールの代りに対応するフェノールを用いて、実施例129と同様に合成した。
[実施例131] N−{(1R)−2−(3−フルオロフェノキシ)−1−[(メチルスルファニル)メチル]エチル}−N’−(イソキノリン−5−イル)ウレア TFA塩
工程1: t−ブチル(1R)−2−ヒドロキシ−1−[(メチルスルファニル)メチル]エチルカルバメート
S−メチル−L−システインを原料(5g)として用い、実施例126の工程2〜4と同様の操作を行うことにより、表題化合物(8g)を得た。
工程2: t−ブチル(1R)−2−(3−フルオロフェノキシ)−1−[(メチルスルファニル)メチル]エチルカルバメート
工程1で得られたt−ブチル(1R)−2−ヒドロキシ−1−[(メチルスルファニル)メチル]エチルカルバメート(1g)を原料として用い、実施例15の工程2にて、m−クレゾールの代わりに、3−フルオロフェノールを用いて同様の操作を行うことにより、表題化合物(300mg)を得た。
工程3: N−{(1R)−2−(3−フルオロフェノキシ)−1−[(メチルスルファニル)メチル]エチル}−N’−(イソキノリン−5−イル)ウレア TFA塩
工程2で得られたt−ブチル(1R)−2−(3−フルオロフェノキシ)−1−[(メチルスルファニル)メチル]エチルカルバメート(15mg)を原料として用い、実施例21の工程5〜7と同様の操作を行い、表題化合物(13mg)を得た。
[実施例132] 実施例132に示す化合物の合成
実施例132に示す化合物は、実施例131の工程2にて、3−フルオロフェノールの代わりに対応するフェノールを用いて、実施例131と同様に合成した。
[実施例133] N−(イソキノリン−5−イル)−N’−[2−(3−クロロフェノキシ)−1−メチルエチル]ウレア−N”−オキシド
実施例38で得られるN−(イソキノリン−5−イル)−N’−[2−(3−クロロフェノキシ)−1−メチルエチル]ウレア(25mg)にジクロロメタン(1ml)、m−クロロ過安息香酸(18mg)を加え室温にて7時間攪拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、20%のチオ硫酸ナトリウムを含んだ1規定水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗製物を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)にて精製し、N−(イソキノリン−5−イル)−N’−[2−(3−クロロフェノキシ)−1−メチルエチル]ウレア−N”−オキシド(1.0mg)を得た。
[実施例134] N−(8−アミノイソキノリン−5−イル)−N’−[2−(3,5−ジフルオロフェノキシ)−1−メチルエチル]ウレア 2TFA塩
工程1: 8−アミノ−5−ニトロイソキノリン
5−ニトロイソキノリン(2.0g)にヒドロキシルアミン塩酸塩(5.0g)、エタノール(120ml)を加えた。50℃にて水酸化ナトリウム(10g)のメタノール(65ml)溶液を90分間かけてゆっくりと加えた。反応液を氷水(700g)に注ぎ、生じた沈殿を濾過した。残渣をエタノールで洗浄し、減圧下で乾燥させて8−アミノ−5−ニトロイソキノリン(1.25g)を得た。
工程2: N−(5−ニトロイソキノリン−8−イル)トリフルオロアセトアミド
8−アミノ−5−ニトロイソキノリン(0.92g)にジクロロメタン(30ml)、トリエチルアミン(1.0ml)、無水トリフルオロ酢酸(0.83ml)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣を、少量の酢酸エチルを含むジエチルエーテルにて洗浄し、減圧下で乾燥させてN−(5−ニトロイソキノリン−8−イル)トリフルオロアセトアミド(1.1g)を得た。
工程3: 8−(トリフルオロアセチルアミノ)イソキノリン−5−イルカルバミン酸フェニルエステル
N−(5−ニトロイソキノリン−8−イル)トリフルオロアセトアミド(200mg)に酢酸エチル(15ml)、5%パラジウム−炭素(wet,20mg)を加え、水素雰囲気下室温にて1時間攪拌した。反応液にテトラヒドロフランを加えて生成物の結晶を溶解させ、セライト濾過によりパラジウム触媒を除去した。濾液から溶媒を留去し、N−(5−アミノイソキノリン−8−イル)トリフルオロアセトアミドの粗製物を得た。得られた粗製物にテトラヒドロフラン(12ml)、ピリジン(62μl)、クロロぎ酸フェニル(0.10ml)を加え、室温で15分間攪拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、飽和重曹水にて2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥させて8−(トリフルオロアセチルアミノ)イソキノリン−5−イルカルバミン酸フェニルエステル(194mg)を得た。
工程4: N−[2−(3,5−ジフルオロフェノキシ)−1−メチルエチル]−N’−[8−(トリフルオロアセチルアミノ)イソキノリン−5−イル]ウレア
8−(トリフルオロアセチルアミノ)イソキノリン−5−イルカルバミン酸フェニルエステル(35mg)に実施例52の合成中間体として得られた2−(3,5−ジフルオロフェノキシ)−1−メチルエチルアミン塩酸塩(22mg)、ジメチルスルホキシド(1ml)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(81μl)を加え、室温にて30分間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、溶媒を留去した。得られた粗製物を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)にて精製し、N−[2−(3,5−ジフルオロフェノキシ)−1−メチルエチル]−N’−[8−(トリフルオロアセチルアミノ)イソキノリン−5−イル]ウレア TFA塩(13.7mg)を得た。
工程5: N−(8−アミノイソキノリン−5−イル)−N’−[2−(3,5−ジフルオロフェノキシ)−1−メチルエチル]ウレア 2TFA塩
N−[2−(3,5−ジフルオロフェノキシ)−1−メチルエチル]−N’−[8−(トリフルオロアセチルアミノ)イソキノリン−5−イル]ウレア(12.6mg)にメタノール(1ml)、1規定水酸化ナトリウム水溶液(1ml)を加え、室温にて4日間攪拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで3回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗製物を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)にて精製し、N−(8−アミノイソキノリン−5−イル)−N’−[2−(3,5−ジフルオロフェノキシ)−1−メチルエチル]ウレア 2TFA塩(1.6mg)を得た。
[実施例135〜142] 実施例135〜142に示す化合物の合成
実施例135〜142に示す化合物は、実施例1の工程2にて、4−フルオロフェノールの代わりに対応するフェノールを用いて、また、実施例1の工程3にて、2−ブロモフェニルイソシアネートの代わりに、対応するイソシアネートを用いて、実施例1と同様に合成した。
[実施例143] N−(2−ブロモフェニル)−N’−((1S)−2−(3−メチルフェノキシ)−1−{[(3−ニトロベンジル)オキシ]メチル}エチル)ウレア
工程1: t−ブチル(1S)−2−(3−メチルフェノキシ)−1−{[(3−ニトロベンジル)オキシ]メチル}エチルカルバメート
実施例118の工程1で得られたt−ブチル(1S)−2−ヒドロキシ−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチルカルバメート(300mg)に、3−ニトロベンジルブロマイド(254mg)、硫酸テトラブチルアンモニウ厶(91mg)、ベンゼン(2.3ml)、50%水酸化ナトリウム水溶液(2.3ml)を加え、室温にて、1.5時間攪拌した。酢酸エチルで希釈し、水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)で精製することにより、表題化合物(340mg)を得た。
工程2: N−(2−ブロモフェニル)−N’−((1S)−2−(3−メチルフェノキシ)−1−{[(3−ニトロベンジル)オキシ]メチル}エチル)ウレア
工程1で得られたt−ブチル(1S)−2−(3−メチルフェノキシ)−1−{[(3−ニトロベンジル)オキシ]メチル}エチルカルバメート(33mg)を原料として用い、実施例1の工程3と同様の工程を経た後、逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)で精製することにより、表題化合物(20mg)を得た。
[実施例144および実施例146〜160]
実施例144および実施例146〜160に示す化合物は、実施例143の工程1にて、3−ニトロベンジルブロマイドの代わりに、対応するベンジルブロマイドを用い、また、実施例143の工程2にて、2−ブロモフェニルイソシアネートの代わりに、対応するイソシアネートを用いて、実施例143と同様に合成した。
[実施例145] 実施例145に示す化合物の合成
実施例145に示す化合物は、実施例144で得られた化合物を原料として用い、実施例126の工程6と同様の操作を行った後、逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)で精製することにより得られた。
[実施例161〜165] 実施例161〜165に示す化合物の合成
実施例161〜165に示す化合物は、実施例15の工程2にて、m−クレゾールの代わりに、対応するフェノールを用い、また、実施例15の工程3にて、1−ナフチルイソシアネートの代わりに、対応するイソシアネートを用いて、実施例15と同様に合成した。
[実施例166〜170] 実施例166〜170に示す化合物の合成
実施例166〜170に示す化合物は、実施例15の工程2にて、m−クレゾールの代わりに、対応するフェノールを用いて、実施例15の工程1〜2の工程を経た後、引き続いて実施例119の工程を行うことで合成した。
[実施例171〜173] 実施例171〜173に示す化合物の合成
実施例171〜173に示す化合物は、実施例15の工程2にて、m−クレゾールの代わりに、対応するフェノールを用いて、実施例15の工程1〜2の工程を経た後、引き続いて、実施例119にてフェニルイソキノリン−5−イルカルバメートの代わりに対応するカルバメートを用いて、同様の工程を経て合成した。なお、実施例173の合成に必要なフェニル2−クロロ−7−ヒドロキシ−1−ナフチルカルバメートは、実施例109の合成の際に示したフェニル7−ヒドロキシ−1−ナフチルカルバメートの合成法にて、出発物質を7−クロロ−8−アミノ−2−ナフトールとすることで合成した。
[実施例174] N−(2−ブロモフェニル)−N’−{2−(3−メチルフェノキシ)−1−[(2−ニトロアニリノ)メチル]エチル}ウレア
工程1: ベンジル2−アミノ−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチルカルバメート
実施例20の工程2で得られた化合物(200mg)に、塩化水素の4規定ジオキサン溶液(2ml)を加え室温にて4時間攪拌した。溶媒を留去し、得られた固体を酢酸エチルに溶解し、飽和重曹水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、表題化合物の粗製物を得た。
工程2: ベンジル2−(3−メチルフェノキシ)−1−[(2−ニトロアニリノ)メチル]エチルカルバメート
工程1で得られた粗製物に、2−フルオロニトロベンゼン(102μl)、ジオキサン(4ml)を加え、90℃にて、一晩攪拌した。酢酸エチルで希釈し、飽和重曹水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)で精製することにより、表題化合物を得た。
工程3: 3−(3−メチルフェノキシ)−N−(2−ニトロフェニル)−1,2−プロパンジアミン臭化水素塩
工程2で得られた化合物を、30%臭化水素/酢酸(1ml)、ジクロロメタン(2ml)を加え、0℃にて、2時間攪拌した。ジクロロメタンで希釈し、飽和重曹水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、表題化合物の粗製物を得た。
工程4: N−(2−ブロモフェニル)−N’−{2−(3−メチルフェノキシ)−1−[(2−ニトロアニリノ)メチル]エチル}ウレア
工程3で得られた化合物を、実施例1の工程3と同様に処理した後、逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)で精製することにより、表題化合物(7mg)を得た。
[実施例175〜181] 実施例175〜181に示す化合物の合成
実施例175〜181に示す化合物は、実施例20の工程1にて、出発物質として、N−ベンジルオキシカルボニル−DL−アスパラギン、N−ベンジルオキシカルボニル−L−アスパラギンあるいはN−ベンジルオキシカルボニル−D−アスパラギンのいずれかを用い、実施例20の工程1〜2の工程を経て合成される化合物を原料として用いて、実施例174の工程2にて、2−フルオロニトロベンゼンの代わりに対応するアリールハライドもしくはヘテロアリールハライドを用いて、実施例174と同様の工程を経て合成した。
[実施例182] N−{(1S)−2−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチル}−N’−(1−ナフチル)ウレア TFA塩
工程1: N−[(2S)−2−アミノ−3−(3−メチルフェノキシ)プロピル]−1,2−ベンゼンジアミン
実施例178の合成中間体として得られるベンジル(1S)−2−(3−メチルフェノキシ)−1−[(2−ニトロアニリノ)メチル]エチルカルバメート(1g)に対し、実施例126の工程6と同じ処理をして、表題化合物(550mg)を得た。
工程2: t−ブチル(1S)−2−(2−アミノアニリノ)−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチルカルバメート
工程1で得られた化合物に対し、実施例21の工程1と同じ処理をして、表題化合物(400mg)を得た。
工程3: t−ブチル(1S)−2−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチルカルバメート
工程2で得られた化合物(85mg)に、オルトギ酸メチル(1ml)、酢酸(50μl)を加え、60℃にて、1時間攪拌した。酢酸エチルで希釈し、1規定水酸化ナトリウムで洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)で精製することにより表題化合物(60mg)を得た。
工程4: N−{(1S)−2−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]エチル}−N’−(1−ナフチル)ウレア TFA塩
工程3で得られた化合物を原料として用い、実施例15の工程3と同様に処理することにより、表題化合物を得た。
[実施例183〜185] 実施例183〜185に示す化合物の合成
実施例183〜185に示す化合物は、実施例179の合成にて、m−クレゾールの代わりに対応するフェノールを用いて、実施例179と同様の工程を経て合成した。
[実施例186] N−(2−ブロモフェニル)−N’−[(1S)−2−(3−メチルフェノキシ)−1−(フェノキシメチル)エチル]ウレア
工程1: t−ブチル(1S)−2−(3−メチルフェノキシ)−1−(フェノキシメチル)エチルカルバメート
実施例118の工程1にて得られた化合物を出発原料として用い、実施例15の工程2にて、m−クレゾールの代わりにフェノールを用い、実施例15の工程2と同様の処理をして表題化合物(75mg)を得た。
工程2: N−(2−ブロモフェニル)−N’−[(1S)−2−(3−メチルフェノキシ)−1−(フェノキシメチル)エチル]ウレア
工程1にて得られた化合物(75mg)を原料として用い、実施例1の工程3と同様の処理をした後、得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)で精製することにより、表題化合物(10mg)を得た。
[実施例187] 実施例187に示す化合物の合成
実施例187に示す化合物は、実施例186の合成にて、フェノールの代わりに対応するフェノールを用いて、実施例186と同様の工程を経て合成した。
[実施例188] N−(2−ブロモフェニル)−N’−{(1S)−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]−3−フェノキシプロピル}ウレア
工程1: ベンジル(3S)−2−オキソテトラヒドロ−3−フラニルカルバメート
L−ホモセリン(2g)に、炭酸水素ナトリウム(3.7g)、水(30ml)を加え、室温にて、1時間攪拌した。反応液にさらにベンジルクロロホルメート(3.9ml)、エーテル(10ml)を加え、さらに室温にて、18時間攪拌した。反応液を、酢酸エチルで希釈し、1規定塩酸で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)で精製することにより、表題化合物(2.5g)を得た。
工程2: メチル(2S)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−ヒドロキシブタノエート
工程1で得られた化合物(500mg)に、メタノール(5ml)、濃硫酸(30μl)を加え、60℃にて、一晩攪拌した。反応液にさらに、炭酸水素ナトリウム(250mg)を加え、さらに室温にて、2時間攪拌した。反応液をセライトろ過した後、溶媒を留去し、表題化合物の粗製物を得た。
工程3: メチル(2S)−2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−フェノキシブタノエート
工程2で得られた化合物に対し、実施例15の工程2にて、m−クレゾールの代わりにフェノールを用い、実施例15の工程2と同様の処理をして表題化合物(280mg)を得た。
工程4: ベンジル(1S)−1−(ヒドロキシメチル)−3−フェノキシプロピルカルバメート
工程3で得られた化合物に対し、実施例126の工程4と同じ処理をして、表題化合物(240mg)を得た。
工程5: ベンジル(1S)−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]−3−フェノキシプロピルカルバメート
工程4で得られた化合物に対し、実施例15の工程2と同じ処理をして、表題化合物(70mg)を得た。
工程6: (2S)−1−(3−メチルフェノキシ)−4−フェノキシ−2−ブタンアミン
工程5で得られた化合物(23mg)に対し、実施例126の工程6と同じ処理をして、表題化合物の粗製物を得た。
工程7: N−(2−ブロモフェニル)−N’−{(1S)−1−[(3−メチルフェノキシ)メチル]−3−フェノキシプロピル}ウレア
工程6で得られた粗製物に、2−ブロモイソシアネート(15μl)、アセトニトリル(500μl)を加え、室温にて、14時間攪拌した。析出した固体をろ過、乾燥することにより表題化合物(26mg)を得た。
[実施例189] 実施例189に示す化合物の合成
実施例189に示す化合物は、実施例188の工程7にて、2−ブロモイソシアネートの代わりに対応するイソシアネートを用いて、実施例188と同様の工程を経て合成した。
[実施例190〜191] 実施例190〜191に示す化合物の合成
実施例190〜191に示す化合物は、実施例21の合成にて、3−フルオロフェノールの代わりに対応するフェノールを用いて、実施例21と同様の工程を経て合成した。
[実施例192〜199] 実施例192〜199に示す化合物の合成
実施例192〜199に示す化合物は、実施例21の工程1にて、L−アラニノールの代わりに、対応するアミノアルコールを用い、また、実施例21の工程4にて、3−フルオロフェノールの代わりに対応するフェノールを用いて、実施例21と同様に合成した。
[実施例200〜205] 実施例200〜205に示す化合物の合成
実施例200〜205に示す化合物は、実施例21の工程1にて、L−アラニノールの代わりに、対応するアミノアルコールを用い、また、実施例21の工程4にて、3−フルオロフェノールの代わりに対応するフェノールを用いて、また、実施例21の工程7にて、フェニルイソキノリン−5−イルカルバメートの代わりにフェニル7−ヒドロキシ−1−ナフチルカルバメートを用い、実施例21の工程1〜5、実施例21の工程7と同様の操作を行うことにより合成した。なお、フェニル7−ヒドロキシ−1−ナフチルカルバメートの合成は実施例109〜115の合成の際に示したように行った。
[実施例206] 実施例206に示す化合物の合成
実施例206に示す化合物は、原料として実施例205で得られるN−{(1S)−1−[(3,5−ジフルオロフェノキシ)メチル]ブチル}−N’−(イソキノリン−5−イル)ウレアを用い、実施例133と同様に合成した。
[実施例207〜208] 実施例207〜208に示す化合物の合成
実施例207〜208に示す化合物は、実施例134の工程4にて、2−(3,5−ジフルオロフェノキシ)−1−メチルエチルアミン塩酸塩の代わりに、実施例51および実施例91で中間体として得られた対応するアミンの塩酸塩を用いて、実施例134と同様に合成した。
[実施例209] 実施例209に示す化合物の合成
実施例209に示す化合物は、実施例207の合成中間体を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)で精製することにより得られた。
[実施例210] N−(1−アミノ−イソキノリン−5−イル)−N’−{(1S)−1−[(3,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]ブチル}ウレア TFA塩
実施例96で得られた化合物(400mg)をジクロロメタン5mlに溶解し、メタクロロ過安息香酸(215mg)を加え、室温で2時間攪拌した。ジクロロメタンで希釈し、水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、得られた粗製物を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)で精製した。得られた精製物(40mg)をジクロロメタン5mlに溶解し、ピリジン(0.016ml)、トシルクロライド(23mg)を加え室温で2時間攪拌し、溶媒を留去した。残渣にアミノエタノール(2ml)を加え、室温で2時間攪拌した。酢酸エチルで希釈し、水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、得られた粗製物を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)で精製し、表題化合物(5mg)を得た。
[実施例211〜212] 実施例211〜212に示す化合物の合成
実施例211〜212に示す化合物は、実施例21の工程4にて、3−フルオロフェノールの代わりに対応するフェノールを用いて、また、実施例21の工程6にて、5−アミノイソキノリンの代わりに、5−アミノキノリンを用いて、実施例21と同様の工程を経て合成した。
[実施例213] N−[(1S)−2−(3−クロロフェノキシ)−1−メチルエチル]−N’’−シアノ−N’−(イソキノリン−5−イル)グアニジン TFA塩
実施例38で得られたN−[(1S)−2−(3−クロロフェノキシ)−1−メチルエチル]−N’−(イソキノリン−5−イル)ウレア(20mg)にオキシ塩化リン(2ml)を加え、75℃にて1時間攪拌した後、溶媒を留去した。得られた残渣にジクロロメタン(2ml)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.1ml)、シアナミド(15mg)を加え、室温にて1時間攪拌した。溶媒を留去し得られた粗製物を逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)(水−アセトニトリル、それぞれ0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)入り)にて精製し表題化合物(12mg)を得た。
[実施例214]
実施例214に示す化合物は、原料として実施例96で得られる化合物を用いて、実施例213にて、シアナミドの代わりにヒドロキシルアミン塩酸塩を用いて、実施例213と同様に合成した。
[実施例215〜222] 実施例215〜222に示す化合物の合成
実施例215〜222に示す化合物の合成は、対応する実施例(実施例38、51、52、80、91、92、94、96)で得られた化合物を以下の方法により、TFA塩から塩酸塩に変換することで得た。
TFA塩から塩酸塩への変換
各実施例で得られたTFA塩を酢酸エチルに懸濁し、飽和重曹水で洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣に、4規定塩化水素のジオキサン溶液を加え、30分攪拌した後、溶媒を留去することで、各化合物の塩酸塩を得た。
各化合物のNMRデータ:
[実施例215] H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ1.23(3H,d),4.02(3H,m),6.97(1H,m),7.07(1H,d),7.30(3H,m),7.90(1H,dd),8.06(1H,d),8.68(3H,m),9.54(1H,s),9.78(1H,s).
[実施例216] H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ1.25(3H,d),3.98(3H,m),6.82(1H,m),7.14(1H,m),7.33(2H,m),7.88(1H,dd),8.05(1H,d),8.71(1H,m),9.57(1H,s),9.77(1H,s).
[実施例217] H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ1.24(3H,d),3.98(3H,m),6.77(1H,m),7.32(1H,d),7.86(1H,dd),8.05(1H,d),8.62(3H,m),9.49(1H,s),9.76(1H,s).
[実施例218] H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ1.23(3H,d),1.68(4H,m),2.62(4H,m),3.91(3H,m),6.66(2H,m),6.92(1H,d),7.29(1H,d),7.87(1H,dd),8.05(1H,d),8.65(3H,m),9.51(1H,s),9.78(1H,s).
[実施例219] H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ0.97(3H,t),1.63(2H,m),4.00(3H,m),6.82(1H,m),7.13(1H,m),7.35(2H,m),7.86(1H,dd),8.04(1H,d),8.66(2H,dd),8.77(1H,d),9.61(1H,s),9.75(1H,s).
[実施例220] H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ0.97(3H,t),1.63(2H,m),4.00(3H,m),7.00(1H,m),7.28(3H,m),8.03(1H,d),8.63(2H,t),8.77(1H,d),9.59(1H,s),9.74(1H,s).
[実施例221] H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ0.91(3H,t),1.53(4H,m),4.01(3H,m),6.86(3H,m),7.31(2H,m),7.85(1H,t),8.04(1H,d),8.68(3H,m),9.55(1H,s),9.75(1H,s).
[実施例222] H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ0.90(3H,t),1.55(4H,m),4.00(3H,m),6.91(1H,m),7.15(1H,m),7.31(1H,dd),7.42(1H,d),7.89(1H,t),8.06(1H,d),8.68(2H,d),8.83(1H,d),9.65(1H,s),9.79(1H,s).
[実施例223〜224] 実施例223〜224に示す化合物の合成
実施例223〜224に示す化合物は、実施例21の工程1にて、L−アラニノールの代わりに、対応するアミノアルコールを用い、また、実施例21の工程4にて、3−フルオロフェノールの代わりに対応するフェノールを用いて、また、実施例21の工程7にて、フェニルイソキノリン−5−イルカルバメートの代わりにフェニル2−クロロ−7−ヒドロキシ−1−ナフチルカルバメートを用い、実施例21の工程1〜5、実施例21の工程7と同様の操作を行うことにより合成した。なお、フェニル2−クロロ−7−ヒドロキシ−1−ナフチルカルバメートの合成は実施例173の合成の際に示したように行った。
試験例1: 酢酸ライジング法
酢酸で誘発される身もだえ(ライジング)試験法に対する試験化合物の効果をICR雄性マウス(4週齢)を用いて検討した。試験化合物を腹腔内投与する場合には5%DMSOおよび5%Tween80を含有する生理食塩水に試験化合物を適当な濃度に溶解し、5ml/kgの用量で酢酸投与30分前に投与した。試験化合物を経口投与する場合には0.5%CMCに懸濁し、5ml/kgの用量で酢酸投与1時間前に投与した。酢酸は、生理食塩水で希釈して0.9%とし、5ml/kgで腹腔内投与し、その5分後から15分間のライジング回数を測定した。対照群(vehicle投与群)にも5%DMSOおよび5%Tween80を含有する生理食塩水を腹腔内投与した。また、標準品としてインドメタシン(indomethacin)を用い、0.5%tragacanth gumに懸濁して、酢酸投与90分前に経口投与した。対照群には0.5%tragacanth gumを投与した。
各試験化合物によるライジング回数は図1に、また、インドメタシンによるライジング回数は図2に示すとおりである。
ライジング回数に対する各化合物投与群のライジング回数を、抑制率として表4に示した。

試験例2: カラゲニン誘発熱的痛覚過敏モデル
雄性SDラット6−8週齢を使用した。ラット右後肢に2%carrageenan(蒸留水に溶解)100μlを注入し、その3時間後にplanter testを行った。右後肢に熱を照射してから疼痛行動が起こるまでの時間を測定し、指標とした。化合物は0.5%CMCに懸濁し、planter testを行う3時間前に5mL/kgの用量で経口投与した。なお、抑制率は投与前値を測定し、その値を100%として算出した。結果を表5に示す。

試験例3: マスタードオイル誘発熱的過敏モデル
雄性ICRマウス5−7週齢を使用した。マスタードオイル10%(蒸留水にて希釈)を両後肢皮下に注入し、30分後にホットプレートテストを行った。ホットプレートに動物を置いてから疼痛行動が起こるまでの時間を測定し、指標とした。化合物はホットプレート試験を行う1時間前に0.5%CMCに懸濁し、5ml/kgの用量で経口投与を行った。なお、抑制率は投与前値を測定し、その値を100%として算出した。結果を表6に示す。

試験例4: デキストラン硫酸ナトリウム誘発腸炎モデル(DSSモデル)
雄性C57BL/6Cr slcマウス(日本SLC)(8週齢)を使用した。DSS(分子量:5000kDa,WAKO)3%(水道水に溶解)を7日間自由飲水させ、腸炎を発症させた。各化合物は0.5%CMC(10mL/kg)に懸濁させ、1日1回の用量で経口投与した。5−ASA(5−アミノサリチル酸)は、0.5%CMC(5mL/kg)に懸濁させ、300mg/kgで1日1回注腸した。飲水開始から7日間、飲水量、摂餌量、体重を測定し、便性状、出血の程度をスコア化してdisease activity index(DAI)として算出した。また、7日目に剖検を行い、腸管長を測定した。DAIの基準および実験結果は表7および図3および4に示す。

【産業上の利用可能性】
本発明は、新規なエーテル誘導体を提供する。本発明のエーテル誘導体(I)、および(III)は、優れた抗炎症および鎮痛作用を有し、また、カプサイシン様の作用物質、又は、カプサイシン作用に拮抗する物質であることから、頭痛、歯痛、筋肉痛、生理痛、創傷痛など一般の疼痛治療のほか、糖尿病性神経障害、三叉神経障害、帯状疱疹、痛覚過敏症などに伴う神経因性の疼痛、あるいは、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎等)、関節リウマチ、変形性関節症、レイノー病、掻痒症、アレルギー性及び非アレルギー性の鼻炎、膀胱炎、頻尿および/または尿失禁、卒中、過敏性腸症候群、呼吸器系疾患(喘息、慢性閉塞性肺疾患等)、皮膚炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、機能性胃腸症、嚥下障害、胃食道逆流症の治療剤として適し、特に、炎症性腸疾患、頻尿および/または尿失禁、喘息に有用である。
本出願は日本で出願された特願2003−354086および特願2004−199934を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。また、本明細書において引用された特許および特許出願を含む文献は、引用したことによってその内容のすべてが開示されたと同程度に本明細書中に組み込まれるものである。
各実施例で製造される化合物の構造を以下の表8〜表31に記載する。[M+H]はMassの実測値を示す。


























【図1】

【図2】

【図3】

【図4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で示されるエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。

[式中、
Ar1、Ar2は、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族ヘテロ環基のいずれかを示し、
Xは、酸素原子、硫黄原子のいずれかを示し、
nは、0〜2の整数を示し、
R1〜R3は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを示し、
R4〜R8は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、ホルミルアミノ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニルアミノ基、炭素数2〜6のアルケニル−カルボニルアミノ基、炭素数6〜12のアリール−カルボニルアミノ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシル基、フェニル基、ナフチル基のいずれかを示し、
R9〜R13は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、ホルミルアミノ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニルアミノ基、炭素数2〜6のアルケニル−カルボニルアミノ基、炭素数6〜12のアリール−カルボニルアミノ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基のいずれかを示し、
Aは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、式(II)で表される基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシル基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを示し、

ここで、
Ar3は、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族ヘテロ環基のいずれかを示し、
Yは、−O−,−CH−,−NR19−,−S−,−S(O)−,−SO−,−NR19SO−,−SONR19−,−C(O)NR19−,−NR19C(O)−,−NR19C(O)O−,−OC(O)NR19−のいずれかを示し、
Ra,Ra’,Rb,Rb’は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを示し、
sは、1、2の整数を示し、
tは、0〜2の整数を示し、
R14〜R18は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、ホルミルアミノ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニルアミノ基、炭素数2〜6のアルケニル−カルボニルアミノ基、炭素数6〜12のアリール−カルボニルアミノ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、非芳香族ヘテロ環基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたカルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたカルバモイル基、炭素数1〜6のアルコキシ−カルボニル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基を示し、
R19は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
但し、
〈1〉Ar2が少なくとも窒素原子を1つ以上含む二環性のヘテロアリールの場合、Aは水素原子以外の基を示す。
〈2〉nが1〜2の整数の場合、Aが式(II)で表される基(Yが−O−,−NR19−,S−,−S(O)−,−SO−,−NR19SO−,−SONR19−,−C(O)NR19−,−NR19C(O)−,−NR19C(O)O−,−OC(O)NR19−のいずれかを示す)を示す。
〈3〉下記化合物(X−1)〜(X−7)を除く。

【請求項2】
式(I)で示されるエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。

[式中、
Ar1、Ar2は、フェニル基、ナフチル基、ヘテロアリール基、インドリニル基、イソインドリニル基のいずれかを示し、
Xは、酸素原子、硫黄原子のいずれかを示し、
nは、0〜2の整数を示し、
R1〜R3は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを示し、
R4〜R8は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシル基、フェニル基、ナフチル基のいずれかを示し、
R9〜R13は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基のいずれかを示し、
Aは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、式(II)で表される基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシル基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを示し、

ここで、
Ar3は、フェニル基、ナフチル基、ヘテロアリール基、インドリニル基、イソインドリニル基のいずれかを示し、
Yは、−O−,−CH−,−NR19−,−S−,−S(O)−,−SO−,−NR19SO−,−SONR19−,−C(O)NR19−,−NR19C(O)−,−NR19C(O)O−,−OC(O)NR19−のいずれかを示し、
Ra,Ra’,Rb,Rb’は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを示し、
sは、1、2の整数を示し、
tは、0〜2の整数を示し、
R14〜R18は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、非芳香族ヘテロ環基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたカルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたカルバモイル基、炭素数1〜6のアルコキシ−カルボニル基、アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基を示し、
R19は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
但し、
〈1〉Ar2が少なくとも窒素原子を1つ以上含む二環性のヘテロアリールの場合、Aは水素原子以外の基を示す。
〈2〉nが1〜2の整数の場合、Aが式(II)で表される基(Yが−O−,−NR19−,−S−,−S(O)−,−SO−,−NR19SO−,−SONR19−,−C(O)NR19−,−NR19C(O)−,−NR19C(O)O−,−OC(O)NR19−のいずれかを示す)を示す。
〈3〉下記化合物(X−1)〜(X−7)を除く。

【請求項3】
式(I)において、
Aが、水素原子を示し、
Ar1が、フェニル基、ピリジル基のいずれかを示し、
Ar2が、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、のいずれかを示し、
Xが、酸素原子を示し、
nが、0を示し、
R1〜R3が、水素原子を示す、請求の範囲1または2記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
【請求項4】
式(I)において、
Aが、式(II)で表される基を示し、
Ar1が、フェニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基のいずれかを示し、
Ar2が、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、フリル基、チエニル基、ピロリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、イソチアゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基、ベンズイソキサゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、インドリニル基、イソインドリニル基のいずれかを示し、
Xが、酸素原子を示し、
nが、0を示し、
R1〜R3が、水素原子を示す、請求の範囲1または2記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
【請求項5】
式(I)において、
Aが、式(II)で表される基を示し、
Ar1が、フェニル基、ピリジル基のいずれかを示し、
Ar2が、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、イソインドリル基のいずれかを示し、
Xが、酸素原子を示し、
nが、0を示し、
R1〜R3が、水素原子を示し、
Ar3が、フェニル基、ピリジル基のいずれかを示し、
Yが、−O−、−SO−、−NHC(O)−を示し、
Ra,Ra’,Rb,Rb’が、水素原子を示し、
sが、1を示し、
tが、0あるいは1を示し、
R14〜R18が、請求の範囲1または2記載の基と同じ基を示す、請求の範囲1または2記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
【請求項6】
式(III)で示されるエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。

[式中、
Ar4は、アリール基、ヘテロアリール基のいずれかを示し、
X’は、酸素原子、硫黄原子、N−CN、N−OHのいずれかを示し、
V1は、窒素原子、N→O、あるいは、CR9’を示し、
V2は、窒素原子、N→O、あるいは、CR10’を示し、
V3は、窒素原子、あるいは、CR11’を示し、
V4は、窒素原子、あるいは、CR12’を示し、
V5は、NRcあるいはCReRe’を示し、
V6は、NRdあるいはCRfRf’を示し、
mは、1〜3の整数を表し、
R1’〜R3’は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを示し(mが2あるいは3を表す場合には、複数個存在するR2’あるいはR3’は、それぞれ同じでも異なってもよい)、
R4’〜R15’は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜6の環状アルキル基(環中にヘテロ原子を含んでもよい)、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいヘテロアリール基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6の環状アルキル(環中にヘテロ原子を含んでもよい)オキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリールオキシ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ−カルボニル基、カルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたカルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたカルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたスルファモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたスルファモイル基、炭素数1〜6のアルカノイル基、置換基を有してもよい炭素数7〜12のアロイル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいアリールスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいヘテロアリールスルホニルアミノ基、ホルミルアミノ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニルアミノ基、炭素数2〜6のアルケニル−カルボニルアミノ基、炭素数6〜12のアリール−カルボニルアミノ基、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル−カルボニルアミノ基、炭素数2〜6のパーフルオロアルケニル−カルボニルアミノ基、炭素数6〜12のパーフルオロアリール−カルボニルアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、のいずれかを示し、
また、R4’、R5’、R6’、R7’、及びR8’のうち隣接する炭素原子に結合しているもの同士は結合してAr4の構成炭素原子と共に飽和または不飽和の環を形成してもよく、形成した環中に1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、
A’は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜6の環状アルキル基(環中にヘテロ原子を含んでもよい)、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいヘテロアリール基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6の環状アルキル(環中にヘテロ原子を含んでもよい)オキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリールオキシ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ−カルボニル基、カルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたカルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたカルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたスルファモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたスルファモイル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルカノイル基、置換基を有してもよい炭素数7〜12のアロイル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいアリールスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいヘテロアリールスルホニルアミノ基、ホルミルアミノ基、炭素数1〜6のアルキル−カルボニルアミノ基、炭素数2〜6のアルケニル−カルボニルアミノ基、炭素数6〜12のアリール−カルボニルアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、あるいは、式(II)であらわされる基を示し、
また、Rc、Rd、Re、Re’、Rf、Rf’は、水素原子、あるいは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
但し、
〈1〉V1、V2、V3、V4の少なくとも1つ以上が窒素原子を示す場合、R1’、R2’、R3’、A’の少なくとも1つは、水素原子以外の基を示す。
〈2〉下記化合物(X−5)および(X−7)を除く。

【請求項7】
式(III)で示されるエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。

[式中、
Ar4は、フェニル基、ナフチル基、ヘテロアリール基のいずれかを示し、
X’は、酸素原子、硫黄原子、N−CN,N−OHのいずれかを示し、
V1は、窒素原子、N→O、あるいは、CR9’を示し、
V2は、窒素原子、N→O、あるいは、CR10’を示し、
V3は、窒素原子、あるいは、CR11’を示し、
V4は、窒素原子、あるいは、CR12’を示し、
V5は、NRcあるいはCReRe’を示し、
V6は、NRdあるいはCRfRf’を示し、
mは、1〜3の整数を表し、
R1’〜R3’は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを示し(mが2あるいは3を表す場合には、複数個存在するR2’あるいはR3’は、それぞれ同じでも異なってもよい)、
R4’〜R15’は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜6の環状アルキル基(環中にヘテロ原子を含んでもよい)、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいヘテロアリール基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6の環状アルキル(環中にヘテロ原子を含んでもよい)オキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリールオキシ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ−カルボニル基、カルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたカルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたカルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたスルファモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたスルファモイル基、炭素数1〜6のアルカノイル基、置換基を有してもよい炭素数6〜12のアロイル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいアリールスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいヘテロアリールスルホニルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、炭素数2〜6のパーフルオロアシルアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、のいずれかを示し、
また、R4’、R5’、R6’、R7’、及びR8’のうち隣接する炭素原子に結合しているもの同士は結合してAr4の構成炭素原子と共に飽和または不飽和の環を形成してもよく、形成した環中に1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、
A’は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜6の環状アルキル基(環中にヘテロ原子を含んでもよい)、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいヘテロアリール基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリール基で置換された炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6の環状アルキル(環中にヘテロ原子を含んでもよい)オキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリールオキシ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ−カルボニル基、カルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたカルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたカルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でモノ置換されたスルファモイル基、炭素数1〜6のアルキル基でジ置換されたスルファモイル基、炭素数1〜6のアルカノイル基、置換基を有してもよい炭素数6〜12のアロイル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいアリールスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいヘテロアリールスルホニルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、あるいは、式(II)であらわされる基を示し、
また、Rc、Rd、Re、Re’、Rf、Rf’は、水素原子、あるいは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
但し、
〈1〉V1、V2、V3、V4の少なくとも1つ以上が窒素原子を示す場合、R1’、R2’、R3’、A’の少なくとも1つは、水素原子以外の基を示す。
〈2〉下記化合物(X−5)および(X−7)を除く。

【請求項8】
式(III)において、
mが1を示し、
V5およびV6がともにNHを示す、
請求の範囲6または7記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
【請求項9】
式(III)において、
X’が、酸素原子を示す、
請求の範囲8記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
【請求項10】
式(III)において、
V1が、CR9’を示し、
V2が、窒素原子あるいはN→Oを示し、
V3が、CR11’を示し、
V4が、CR12’を示す、
請求の範囲8記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
【請求項11】
式(III)において、
V1が、CR9’を示し、
V2が、CR10’を示し、
V3が、C−OHを示し、
V4が、CR12’を示す、
請求の範囲8記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
【請求項12】
式(III)において、
A’が水素原子、あるいは、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、
R1’、R2’、R3’が水素原子を示す、
請求の範囲8記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
【請求項13】
式(III)において、
Ar4が、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピリミジニル基のいずれかを示し、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’が水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、トリフルオロメチル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノあるいはジ置換されたアミノ基、を示すか、あるいは、R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’のうち隣接する炭素原子に結合しているもの同士が結合してAr4の構成炭素原子と共に、不飽和の環(環中にヘテロ原子を含んでもよい)を形成したものを示す、
請求の範囲8記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
【請求項14】
式(III)において、
X’が、酸素原子を示し、
A’が置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、
R1’、R2’、R3’が水素原子を示す、
請求の範囲10記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
【請求項15】
式(III)において、
X’が、酸素原子を示し、
A’が水素原子、あるいは、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、
R1’、R2’、R3’が水素原子を示す、
請求の範囲11記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
【請求項16】
式(III)において、
X’が、酸素原子を示し、
Ar4が、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピリミジニル基のいずれかを示し、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’が水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、トリフルオロメチル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノあるいはジ置換されたアミノ基、を示すか、あるいは、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’のうち隣接する炭素原子に結合しているもの同士が結合してAr4の構成炭素原子と共に、不飽和の環(環中にヘテロ原子を含んでもよい)を形成したものを示す、
請求の範囲10記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
【請求項17】
式(III)において、
X’が、酸素原子を示し、
Ar4が、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピリミジニル基のいずれかを示し、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’が水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、トリフルオロメチル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基でモノあるいはジ置換されたアミノ基、を示すか、あるいは、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’のうち隣接する炭素原子に結合しているもの同士が結合してAr4の構成炭素原子と共に、不飽和の環(環中にヘテロ原子を含んでもよい)を形成したものを示す、
請求の範囲11記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
【請求項18】
式(III)において、
V1が、CHを示し、
V2が、窒素原子あるいはN→Oを示し、
V3が、CHを示し、
V4が、CHを示し、
A’が置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、
R1’、R2’、R3’が水素原子を示す、
請求の範囲9記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
【請求項19】
式(III)において、
V1が、CHを示し、
V2が、CHを示し、
V3が、C−OHを示し、
V4が、CHを示し、
A’が水素原子、あるいは置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、R1’、R2’、R3’が水素原子を示す、
請求の範囲9記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
【請求項20】
式(III)において、
Ar4が、フェニル基を示し、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’が水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、を示すか、あるいは、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’のうち隣接する炭素原子に結合しているもの同士が結合してAr4と共に、テトラヒドロナフタレン環、あるいは、インダン環を形成したものを示し、
V1が、CHを示し、
V2が、窒素原子あるいはN→Oを示し、
V3が、CHを示し、
V4が、CHを示し、
A’が炭素数1〜6のアルキル基を示し、
R1’、R2’、R3’が水素原子を示す、
請求の範囲9記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
【請求項21】
式(III)において、
Ar4が、フェニル基を示し、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’が水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、を示すか、あるいは、
R4’、R5’、R6’、R7’、およびR8’のうち隣接する炭素原子に結合しているもの同士が結合してAr4と共に、テトラヒドロナフタレン環、あるいは、インダン環を形成したものを示し、
V1が、CHを示し、
V2が、CHを示し、
V3が、C−OHを示し、
V4が、CHを示し、
A’が水素原子、あるいは炭素数1〜6のアルキル基を示し、
R1’、R2’、R3’が水素原子を示す、
請求の範囲9記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
【請求項22】
以下に記載する請求の範囲9記載の化合物、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。

【請求項23】
請求の範囲1〜5のいずれか1項に記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物を含有する医薬組成物。
【請求項24】
抗炎症剤または鎮痛剤である請求の範囲23記載の医薬組成物。
【請求項25】
炎症性腸疾患治療剤である請求の範囲23記載の医薬組成物。
【請求項26】
頻尿および/または尿失禁治療剤である請求の範囲23記載の医薬組成物。
【請求項27】
喘息治療剤である請求の範囲23記載の医薬組成物。
【請求項28】
請求の範囲1〜5のいずれか1項に記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物を含有する医薬組成物、及び該医薬組成物の使用に関する説明を記載した記載物を含むパッケージ。
【請求項29】
請求の範囲6〜22のいずれか1項に記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物を含有する医薬組成物。
【請求項30】
抗炎症剤または鎮痛剤である請求の範囲29記載の医薬組成物。
【請求項31】
炎症性腸疾患治療剤である請求の範囲29記載の医薬組成物。
【請求項32】
頻尿および/または尿失禁治療剤である請求の範囲29記載の医薬組成物。
【請求項33】
喘息治療剤である請求の範囲29記載の医薬組成物。
【請求項34】
請求の範囲6〜22のいずれか1項に記載のエーテル誘導体、その薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物を含有する医薬組成物、及び該医薬組成物の使用に関する説明を記載した記載物を含むパッケージ。

【国際公開番号】WO2005/035471
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【発行日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514690(P2005−514690)
【国際出願番号】PCT/JP2004/015556
【国際出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】