説明

カメラ

【課題】 撮影光学系からの入射光束を効率的にオン/オフでき、光学ファインダから目を離さずに撮影光学系よりも広範囲の被写界の状態を確認できる手段を提供する。
【解決手段】 カメラは、記録用画像を撮影する第1撮像部と、ファインダ光学系と、可動ミラーと、第2撮像部と、表示部と、制御部とを備える。ファインダ光学系は、第1撮像部の撮影光路からの光束によって被写体の光学像を観察できる接眼部を有する。可動ミラーは、第1撮像部およびファインダ光学系の一方に光束を導く。第2撮像部は、第1撮像部と異なる光路から視野確認画像を撮影する。表示部は、接眼部に視野確認画像を提示する。制御部は、接眼部に光学像を提示する第1状態と、接眼部に視野確認画像を提示する第2状態とを切り替える。また、制御部は、第2状態にあるときは第1撮像部に光束を導く位置に可動ミラーを移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、望遠撮影などに適したファインダを有するカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からデジタルカメラでは、液晶モニタなどの表示装置に撮影中の画像を表示して撮影構図を決定することが可能である。特にビデオカメラでは、記録用の撮像部とは別に、ファインダ表示のために広角の画像を撮影する補助撮影部を設けたカメラも知られている。なお、上記のカメラの一例として特許文献1を示す。
【特許文献1】特開平5−145818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来の一眼レフレックス型のカメラは、撮影光路に配置される可動ミラーからの反射光で被写体の像を観察するTTL(Through The Lens)方式の光学ファインダを有している。かかる光学ファインダは撮影光学系を通した被写体の状態をそのまま確認でき、光学ファインダによる視野の範囲は撮影光学系の画角とほぼ一致する。そのため、特に望遠撮影のように撮影光学系の画角が狭いときは、移動する被写体をユーザーが見失いやすくなる。
【0004】
また、光学ファインダの接眼部から広角の電子画像を観察できるカメラでは、撮影光学系から光学ファインダに入射する光束のオン/オフを効率的に切り替えることも要請される。
本発明は上記従来技術の課題に鑑みたものである。本発明の目的は、撮影光学系からの入射光束を効率的にオン/オフでき、かつ、光学ファインダから目を離さずに撮影光学系よりも広範囲の被写界の状態を確認できる手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明のカメラは、記録用画像を撮影する第1撮像部と、ファインダ光学系と、可動ミラーと、第2撮像部と、表示部と、制御部とを備える。ファインダ光学系は、第1撮像部の撮影光路からの光束によって被写体の光学像を観察できる接眼部を有する。可動ミラーは、第1撮像部およびファインダ光学系の一方に光束を導く。第2撮像部は、第1撮像部と異なる光路から視野確認画像を撮影する。表示部は、接眼部に視野確認画像を提示する。制御部は、接眼部に光学像を提示する第1状態と、接眼部に視野確認画像を提示する第2状態とを切り替える。また、制御部は、第2状態にあるときは第1撮像部に光束を導く位置に可動ミラーを移動させる。
【0006】
第2の発明のカメラは、記録用画像を撮影する第1撮像部と、ファインダ光学系と、第2撮像部と、表示部と、制御部とを備える。ファインダ光学系は、第1撮像部の撮影光路からの光束によって被写体の光学像を観察できる接眼部を有する。第2撮像部は、第1撮像部と異なる光路から視野確認画像を撮影する。表示部は、接眼部に視野確認画像を提示する。制御部は、接眼部に光学像を提示する第1状態と、接眼部に視野確認画像を提示する第2状態とを切り替える。また、制御部は、第2状態にあるときに絞りを絞り込む制御を実行する。
【0007】
第3の発明のカメラは、記録用画像を撮影する第1撮像部と、ファインダ光学系と、可動ミラーと、第2撮像部と、表示部と、第1制御部と、第2制御部とを備える。ファインダ光学系は、第1撮像部の撮影光路からの光束によって被写体の光学像を観察できる接眼部を有する。可動ミラーは、第1撮像部およびファインダ光学系の一方に光束を導く。第2撮像部は、第1撮像部と異なる光路から視野確認画像を撮影する。表示部は、接眼部に視野確認画像を提示する。第1制御部は、接眼部に光学像を提示する第1状態と、接眼部に視野確認画像を提示する第2状態とを切り替える。第2制御部は、第2状態にあるときに、第1撮像部に光束を導く位置に可動ミラーを移動させる第1モードと、絞りを絞り込む第2モードとの一方を実行する。
【0008】
第4の発明は、第3の発明において、被写界の輝度を検出する測光部をさらに備える。そして、第2制御部は、輝度が閾値以上の場合に第1モードを実行し、輝度が閾値未満の場合に第2モードを実行する。
なお、本発明のカメラは視野確認画像を撮影する撮像部を必ずしも内蔵していなくてもよい。例えば、外付けのカメラユニットで視野確認画像を撮影するとともに、カメラユニットから受信した視野確認画像を接眼部に提示するカメラや、上記のカメラおよびカメラユニットからなるカメラシステムも本発明の具体的態様に含まれる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ファインダ光学系の接眼部において、記録用画像の撮影光路と異なる光路で撮影された視野確認画像をユーザーが確認できる。また、本発明では、可動ミラーまたは絞りの動作によって、撮影光学系から光学ファインダへの入射光束をオン/オフできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(第1実施形態の説明)
以下、図面を参照しつつ、第1実施形態の一眼レフレックス型電子カメラの構成を説明する。
図1は、第1実施形態における電子カメラの撮影機構を説明する図である。また、図2は、第1実施形態におけるカメラ本体の正面図である。第1実施形態の電子カメラは、カメラ本体11と、撮影光学系を収容したレンズユニット12とを有している。
【0011】
カメラ本体11およびレンズユニット12には、雄雌の関係をなす一対のマウント13,14がそれぞれ設けられている。レンズ側のマウント14をバヨネット機構等でカメラ側のマウント13に結合することで、レンズユニット12はカメラ本体11に対して交換可能に装着される。また、上記のマウント13,14にはそれぞれ電気接点(不図示)が設けられている。カメラ本体11とレンズユニット12との接続時には、電気接点間の接触で両者の電気的な接続が確立するようになっている。
【0012】
まず、レンズユニット12の構成を説明する。レンズユニット12は、ズームレンズ15と、ズームエンコーダ15aと、フォーカスレンズ16と、レンズ駆動部16aと、絞り17と、絞り駆動部17aと、レンズマイコン18とを有している。なお、ズームエンコーダ15a、レンズ駆動部16a、絞り駆動部17aは、それぞれレンズマイコン18に接続されている。
【0013】
ズームレンズ15は焦点距離を調整するためのレンズであって、ズーム環(不図示)の操作に応じて光軸方向に前後移動可能に構成されている。また、ズームレンズ15には、レンズの光軸方向位置を検出するズームエンコーダ15aが取り付けられている。
フォーカスレンズ16は合焦位置を調節するためのレンズであって、光軸方向に前後移動可能に構成されている。レンズ駆動部16aはフォーカスレンズ16をモータ(不図示)によって駆動させるとともに、フォーカスレンズ16の光軸方向位置をレンズマイコン18に出力する。
【0014】
絞り17は、カメラ本体11への入射光量を絞り羽根の開閉で調整する。絞り駆動部17aは、絞り17の開口度をモータ(不図示)によって制御する。
レンズマイコン18は、マウント14の電気接点を介してカメラ本体11との通信を行うとともに、レンズユニット12での各種制御を実行する。また、レンズマイコン18は、ROM(不図示)に記録されたレンズデータなどをカメラ本体11に送信する。
【0015】
ところで、図1に示すレンズユニット12は一般的なズームレンズユニットの構成の一例にすぎない。そのため、第1実施形態のカメラ本体11には、上記のレンズユニット12のほかにも、例えばレンズマイコン18を有しないレンズユニットや、単焦点レンズのレンズユニットなどを装着することが可能である。
次に、カメラ本体11の撮影機構の構成を説明する。カメラ本体11は、メインミラー21と、メカニカルシャッタ22と、第1撮像素子23と、サブミラー24と、焦点検出部25と、ファインダ光学系(32〜35)と、測光部26と、スーパーインポーズ部(SI部)27と、ファインダ内モニタ28と、交換式のレンズ29および第2撮像素子30とを有している。
【0016】
メインミラー21、メカニカルシャッタ22および第1撮像素子23は、撮影光学系の光軸に沿って配置される。メインミラー21の後方にはサブミラー24が配置される。また、カメラ本体11の上部にはファインダ光学系、測光部26、SI部27と、ファインダ内モニタ28、レンズ29および第2撮像素子30が配置されている。さらに、カメラ本体11の下部領域には焦点検出部25が配置されている。なお、カメラ本体11の上部には、閃光発光装置などを取り付けるためのホットシュー31が設けられている。
【0017】
メインミラー21は、不図示の回動軸によって回動可能に軸支されており、観察状態と退避状態とを切り替え可能となっている。観察状態のメインミラー21は、メカニカルシャッタ22および第1撮像素子23の前方で傾斜配置される。この観察状態のメインミラー21は、撮影光学系を通過した光束を上方へ反射してファインダ光学系に導く。また、メインミラー21の中央部はハーフミラーとなっている。そして、メインミラー21を透過した一部の光束は、サブミラー24によって下方に屈折されて焦点検出部25に導かれる。なお、焦点検出部25は、不図示のセパレータレンズで分割された被写体像の像ズレ量を各々のAFエリア毎に検出し、いわゆる位相差検出式の焦点検出を行う。
【0018】
一方、退避状態のメインミラー21は、サブミラー24とともに上方に跳ね上げられて撮影光路から外れた位置にある。メインミラー21が退避状態にあるときは、撮影光学系を通過した光束がメカニカルシャッタ22および第1撮像素子23に導かれる。
ファインダ光学系は、拡散スクリーン(焦点板)32と、コンデンサレンズ33と、ペンタプリズム34と、接眼レンズ35とを有している。ファインダ光学系の光学素子のうち、ペンタプリズム34はカメラ本体11の突状部11aの位置に収納されている。
【0019】
拡散スクリーン32はメインミラー21の上方に位置し、観察状態のメインミラー21で反射された光束が一旦結像する。拡散スクリーン32上で結像した光束はコンデンサレンズ33およびペンタプリズム34を通過し、ペンタプリズム34の入射面に対して90°の角度を有する射出面に導かれる。そして、ペンタプリズム34の射出面からの光束は、接眼レンズ35を介してユーザーの目に到達することとなる。なお、ペンタプリズム34の射出面と対向する面はハーフミラーとなっている。
【0020】
測光部26は、受光素子を二次元配列した受光面を有している。そして、測光部26は、拡散スクリーン32で結像した光束の一部を受光面で再結像し、撮影光学系を通過した光束によって撮影画面を複数に分割して測光可能となっている。なお、測光部26は、ペンタプリズム34の近傍に配置されている。
SI部27は、拡散スクリーン32に照明光を照射することで、撮影時のAFエリアの位置をファインダ光学系の光学像に重畳させるスーパーインポーズ表示(SI表示)を行う。
【0021】
ファインダ内モニタ28は、ペンタプリズム34のハーフミラー面(射出面と対向した面)に相対して配置されている。ファインダ内モニタ28には後述の視野確認画像などが表示される。
レンズ29は、カメラ本体11の外部に露呈するとともに、カメラ本体11のレンズ取付部29aに対して交換可能に装着される。また、第2撮像素子30はレンズ29を介して被写体を直接撮影する。第2撮像素子30では、レンズユニット12を通過した光束で撮影を行う第1撮像素子23とは異なる光路から被写体を撮影することができる。なお、レンズ29の画角は、レンズユニット12の画角よりも広角となるように設定されている。
【0022】
また、第1実施形態のレンズ29および第2撮像素子30は、カメラ本体11の突状部11aに収納されている。図2に示すように、カメラ本体11の突状部11aは、カメラ本体11の上面側の略中程の位置にあって、カメラ本体11の上方に向けて突出した形状に形成されている。すなわち、レンズ29および第2撮像素子30の位置はカメラ本体11のマウント13の位置から離れているので、レンズユニット12の鏡筒で被写体からの光束が遮られてケラレが生じるおそれは少なくなる。
【0023】
ここで、第1実施形態では、光学的なズーム機能とAF機能を有するレンズ29がレンズ取付部29aに装着された例を前提として以下の説明を行う。なお、レンズ29でのズーム機構およびAF機構は、レンズユニット12の場合と基本的に共通するため重複説明は省略する。また、図1では簡単のためレンズ29は1枚のレンズとして示す。
次に、電子カメラの回路構成を説明する。図3は、第1実施形態のカメラ本体のブロック図である。カメラ本体11は、焦点検出部25、測光部26、SI部27、ファインダ内モニタ28に加えて、第1撮像部41と、第2撮像部42、メモリ43と、記録I/F44と、表示I/F45と、メインモニタ46と、外部I/F47と、操作部48と、電力供給部49と、CPU50およびシステムバス51とを有している。ここで、第1撮像部41、メモリ43、記録I/F44、表示I/F45、外部I/F47およびCPU50はシステムバス51を介して接続されている。なお、CPU50は、マウント13の電気接点およびホットシュー31の電気接点とも接続されている(図3ではこれらの図示は省略する)。
【0024】
第1撮像部41は、第1撮像素子23と、第1アナログ処理部41aと、第1デジタル処理部41bとを有している。
第1撮像素子23は、記録用画像である本画像を生成するためのセンサである。この第1撮像素子23は、レリーズ時にレンズユニット12を通過した光束を光電変換して本画像のアナログ画像信号を出力する。第1撮像素子23の出力信号は第1アナログ処理部41aに入力される。なお、第1撮像素子23は、撮影待機時(非レリーズ時)に所定間隔毎に間引き読み出しでスルー画像を出力することもできる。そのため、メインミラー21が退避位置にある場合には、CPU50が第1撮像素子23のスルー画像によって撮影条件を決定することも可能である。
【0025】
第1アナログ処理部41aは、CDS回路、ゲイン回路、A/D変換回路などを有するアナログフロントエンド回路である。CDS回路は、相関二重サンプリングによって第1撮像素子23の出力のノイズ成分を低減する。ゲイン回路は入力信号の利得を増幅して出力する。このゲイン回路では、ISO感度に相当する撮像感度の調整を行うことができる。A/D変換回路は第1撮像素子23の出力信号のA/D変換を行う。なお、図3では、第1アナログ処理部41aの各々の回路の図示は省略する。
【0026】
第1デジタル処理部41bは、第1アナログ処理部41aの出力信号に対して各種の画像処理(欠陥画素補正、色補間、階調変換処理、ホワイトバランス調整、エッジ強調など)を実行して本画像のデータを生成する。また、第1デジタル処理部41aは、本画像のデータの圧縮伸長処理なども実行する。この第1デジタル処理部41aはシステムバス51と接続されている。
【0027】
第2撮像部42は、第2撮像素子30と、第2アナログ処理部42aと、第2デジタル処理部42bとを有している。なお、第2撮像部42の構成は第1撮像部41の構成にほぼ対応するので、両者の重複部分については説明を一部省略する。
第2撮像素子30は、ビューファインダ用の視野確認画像を撮影する。第2撮像素子30は、レンズ29を通過して結像した被写体像を所定間隔毎に光電変換してスルー画像(視野確認画像)を出力する。第2撮像素子30の出力信号は、第2アナログ処理部42aに入力される。
【0028】
第2アナログ処理部42aは、CDS回路、ゲイン回路、A/D変換回路などを有するアナログフロントエンド回路である。第2デジタル処理部42bは、スルー画像の色補間処理などを実行する。なお、第2デジタル処理部42bから出力されたスルー画像のデータはCPU50に入力される。
メモリ43は、第1デジタル処理部41bによる画像処理の前工程や後工程などで本画像のデータを一時的に記録するためのバッファメモリである。
【0029】
記録I/F44には記録媒体52を接続するためのコネクタが形成されている。そして、記録I/F44は、コネクタに接続された記録媒体52に対して撮影画像のデータの書き込み/読み込みを実行する。上記の記録媒体52は、ハードディスクや、半導体メモリを内蔵したメモリカードなどで構成される。なお、図3では記録媒体52の一例としてメモリカードを図示する。
【0030】
表示I/F45は、CPU50の指示に基づいてメインモニタ46の表示を制御する。メインモニタ46は、例えばカメラ本体11の背面部などに配置される。メインモニタ46は、CPU50および表示I/F45の指示に応じて各種の画像を表示する。例えば、メインモニタ46には、本画像の再生画像やGUI(Graphical User Interface)形式の入力が可能なメニュー画面などを表示できる(上記の各画像の図示は省略する)。
【0031】
外部I/F47は、USB(Universal Serial Bus)などのシリアル通信規格の接続端子を有している。そして、外部I/F47は、接続端子を介して接続されたコンピュータなどとのデータ送受信を上記の通信規格に準拠して制御する。
操作部48は、ユーザーの操作を受け付ける複数のスイッチを有している。例えば、操作部48は、レリーズ釦48aと、モードダイヤル48bと、ワイドプレビュー釦48cと、絞りプレビュー釦48dと、ズームスイッチ48eとを有している。
【0032】
レリーズ釦48aは、撮影前のAF動作開始の指示入力と撮影時の露光動作開始の指示入力とをユーザーから受け付ける。モードダイヤル48bは、撮影モードの切替入力をユーザーから受け付ける。ワイドプレビュー釦48cは、ファインダ光学系による光学像のファインダ表示と、ファインダ内モニタ28による視野確認画像の表示(ワイドプレビュー表示)との切替操作をユーザーから受け付ける。絞りプレビュー釦48dは、被写界深度の範囲を確認するための確認入力をユーザーから受け付ける。この確認入力があったときには絞り17が絞り込まれ、ユーザーはファインダ光学系で被写界深度の範囲を確認することができる。ズームスイッチ48eは、視野確認画像の倍率を光学的または電子的に拡大/縮小する操作をユーザーから受け付ける。
【0033】
電力供給部49は不図示のバッテリーの電力をカメラ本体11の各部に供給する。また、電力供給部49は、バッテリーの電圧に基づいてバッテリーの残量を検知する。
CPU50は電子カメラの各部の統括的な制御を行う。また、CPU50は、不図示のROMに格納されたプログラムによって、シーケンス制御部50a、撮影設定部50b、表示処理部50c、顔検出部50dとして機能する。
【0034】
シーケンス制御部50aは、レンズユニット12、メインミラー21、メカニカルシャッタ22、第1撮像部41、第2撮像部42などの動作の制御などを実行する。また、シーケンス制御部50aは、ワイドプレビュー釦48cの操作に伴って、ファインダ光学系によるファインダ表示と、ワイドプレビュー表示とを切り替える制御を実行する。なお、シーケンス制御部50aは、外付けの閃光発光装置(不図示)の発光制御を行う発光制御部としても機能する。
【0035】
撮影設定部50bは、オートフォーカス(AF)を行うとともに、自動露出(AE)演算、オートホワイトバランス(AWB)演算などを実行し、第1撮像部41の撮影条件の各種パラメータ(露光時間、絞り値、撮像感度など)を決定する。また、撮影設定部50bは、第2撮像部42のAF、AE、AWBに関する処理も負担する。
より具体的には、撮影設定部50bは、焦点検出部25の像ズレ量に基づいて、フォーカスレンズ16のデフォーカス量(合焦位置からのズレ量およびズレ方向)をAFエリア毎に演算する。また、撮影設定部50bは、測光部26の出力に基づいてAE演算およびAWB演算を実行する。なお、撮影設定部50bは、第1撮像素子23または第2撮像素子30のスルー画像のデータに基づいて、AF、AEおよびAWBの各演算を実行することもできる。
【0036】
表示処理部50cは、第2撮像部42のスルー画像のデータに対して各種の画像処理を行う。なお、表示処理部50cから出力された視野確認画像はファインダ内モニタ28に表示される。
顔検出部50dは、第2撮像部42のスルー画像のデータに対して公知の顔検出処理を施して、視野確認画像に含まれる被写体の顔領域を検出する。例えば、顔検出部50dは、特開2001−16573号公報などに記載された顔の特徴点の抽出処理によって顔領域を抽出する。上記の特徴点としては、例えば、眉、目、鼻、唇の各端点、顔の輪郭点、頭頂点や顎の下端点などが挙げられる。あるいは特開平8−63597号公報のように、顔検出部50dは被写体の色情報に基いて肌色領域の輪郭を抽出し、さらに予め用意された顔部品のテンプレートとのマッチングを行って顔を検出してもよい。
【0037】
以下、図4の流れ図を参照しつつ、第1実施形態でのワイドプレビュー表示に関する電子カメラの動作を説明する。
ステップ101:ユーザーがカメラ本体11の電源を投入すると、CPU50は第2撮像素子30に電力の供給を開始する。このS101の段階ではメインミラー21は観察位置にある。そのため、ユーザーは、レンズユニット12を通過した光束による被写体像を接眼レンズ35から観察できる。なお、図5にファインダ光学系における被写体の光学像の表示状態を示す。
【0038】
ステップ102:CPU50はワイドプレビュー釦48cが押圧されているか否かを判定する。ワイドプレビュー釦48cが押圧されている場合(YES側)にはS103に移行する。一方、ワイドプレビュー釦48cが押圧されていない場合(NO側)にはS123に移行する。
ステップ103:CPU50は、ワイドプレビュー釦48cの押圧のときにSI部27がAFエリアのSI表示を行っているか否かを判定する。SI表示が行われている場合(YES側)にはS104に移行する。一方、SI表示が行なわれていない場合(NO側)にはS105に移行する。
【0039】
ステップ104:CPU50は、SI部27に対してSI表示の停止を指示する。ワイドプレビュー表示ではファインダ光学系による光学像は表示されず、SI表示の必要がないためである。
ステップ105:CPU50は撮影条件の設定動作を行う。具体的には、CPU50は焦点検出部25の出力に基づいてAFを実行する。また、CPU50は、測光部26の出力に基づいてAE演算およびAWB演算を実行する。なお、S105ではSI部27によるAFエリアのSI表示は行われない。
【0040】
ステップ106:CPU50はワイドプレビュー判定制御を実行し、ワイドプレビュー表示が禁止される状況か否かを判定する。
具体的には、(1)閃光発光装置による発光を撮影時に行う場合、(2)被写界の輝度が閾値以下の場合、のいずれかの条件に該当するときに、CPU50はワイドプレビュー表示を禁止するフラグをオンに設定する。
【0041】
ステップ107:CPU50は、ワイドプレビュー判定制御(S106)においてワイドプレビュー表示を禁止するフラグがオンに設定されたか否かを判定する。ワイドプレビュー表示が禁止される場合(YES側)にはS123に移行する。一方、ワイドプレビュー表示が許容される場合(NO側)にはS108に移行する。
ステップ108:CPU50は、ワイドプレビュー表示の開始に先立って、焦点検出部25および測光部26の動作を停止する。ワイドプレビュー表示のときには、後述の遮光動作によって焦点検出部25および測光部26が機能できなくなるためである。
【0042】
ステップ109:CPU50は、レンズユニット12からファインダ光学系への入射光をカットする遮光動作を実行する。なお、遮光動作の詳細な説明は図8を用いて後述する。
ステップ110:CPU50は、レンズユニット12からレンズ情報(ズームレンズ15およびフォーカスレンズ16のレンズ位置など)を取得する。
【0043】
ステップ111:CPU50は、S110のレンズ情報のうち、フォーカスレンズ16のレンズ位置に基づいてレンズ29のAFを実行する。なお、レンズ29がパンフォーカスであってAF機能を有しない場合にはS111の工程は省略される。
ステップ112:CPU50は、S105で取得した撮影条件に基づいて、第2撮像部42のAE、AWBの初期設定を行う。なお、第2撮像部42の撮影開始後は、CPU50は第2撮像部42のスルー画像のデータに基づいて第2撮像部42のAE、AWBのパラメータを調整する。
【0044】
ステップ113:CPU50は、第2撮像部42の第2撮像素子30によって視野確認画像を撮影する。そして、第2撮像部42は視野確認画像のデータをCPU50に出力する。
ステップ114:CPU50の表示処理部50cは、ファインダ内モニタ28に視野確認画像(S113)を表示する。レンズ29の画角はレンズユニット12の画角よりも広角であるので、ファインダ光学系の光学像よりも視野確認画像の方が広い範囲の被写体を表示できる。また、図6において、図5のシーンに対応する視野確認画像の表示の一例を示す。
【0045】
ここで、ワイドプレビュー表示のときのカメラ本体11の状態を図7に示す。ワイドプレビュー表示のときには、レンズユニット12からファインダ光学系への入射光が遮光動作(S109)でカットされているため、ユーザーはファインダ内モニタ28の視野確認画像(S113)のみを接眼レンズ35から観察することができる。したがって、ユーザーは接眼レンズ35から目を外すことなく、ファインダ光学系よりも広角の視野確認画像で被写界を観察できる。なお、図7では、遮光動作時にメインミラー21を退避位置に移動させて遮光状態とした例を示している。
【0046】
また、表示処理部50cは、視野確認画像上で第1撮像部41の画角の範囲を示す表示処理を実行する。例えば、表示処理部50cは、レンズ情報(S110)とレンズ29のズーム位置のデータに基づいて、視野確認画像における第1撮像部41の画角の範囲を演算する。そして、表示処理部50cは、ファインダ内モニタ28の視野確認画像に上記の画角の範囲を示す枠をオンスクリーン機能で重畳表示する(図6参照)。この場合には、ユーザーは第1撮像部41の撮影範囲も視野確認画像から把握できる。
【0047】
なお、S114でのCPU50は、ユーザーのズームスイッチ48eの操作に応じて、レンズ29のズーミングや、表示処理部50cによる視野確認画像の電子ズームを実行することができる。
ステップ115:CPU50は、レンズユニット12のズームレンズ15のレンズ位置に変化があったか(レンズユニット12がズーミングされたか)否かを判定する。レンズユニット12のズーミングでレンズ位置に変化があった場合(YES側)にはS116に移行する。一方、レンズ位置に変化のない場合(NO側)にはS117に移行する。
【0048】
ステップ116:CPU50は、ズームレンズ15のレンズ位置に関するレンズ情報をレンズユニット12から再取得する。そして、CPU50はS113に戻って上記動作を繰り返す。これにより、S114の表示処理では、ズームレンズ15のズーミングによる画角の変更を反映した枠表示を表示処理部50cが実行できる。
ステップ117:CPU50は、レリーズ釦48aの押圧による撮影指示があるか否かを判定する。撮影指示がある場合(YES側)にはS118に移行する。一方、撮影指示がない場合(NO側)にはS119に移行する。
【0049】
ステップ118:CPU50は本画像の撮影処理を実行し、第1撮像部41の第1撮像素子23によって本画像を撮影する。その後、第1撮像部41が本画像の画像データを生成し、CPU50は本画像の画像データを記録媒体52に記録する。
ここで、S118の本画像の撮影処理では、CPU50はワイドプレビュー表示および遮光動作による遮光状態を一旦解除するとともに、焦点検出部25および測光部26を動作させて撮影前に撮影条件を再設定する。そして、CPU50は撮影直前に再設定された撮影条件に基づいて本画像を撮影する。この場合には、CPU50は撮影終了後にワイドプレビュー表示を再開する。
【0050】
なお、CPU50はS105の撮影条件に基づいて、遮光動作の状態を解除することなく本画像を撮影してもよい。この場合には、撮影条件の再設定の動作を省略できるので、被写体をより迅速に撮影できる。
ステップ119:CPU50は、ワイドプレビュー釦48cの押圧が解除されたか否かを判定する。ワイドプレビュー釦48cの押圧が解除された場合(YES側)にはS120に移行する。一方、ワイドプレビュー釦48cが押圧されている場合(NO側)には、CPU50はS113に戻ってワイドプレビュー表示を継続する。すなわち、ワイドプレビュー釦48cが押圧された状態では、CPU50はファインダ内モニタ28に視野確認画像を動画表示し続ける。
【0051】
ステップ120:CPU50は、第2撮像部42での視野確認画像の撮影を停止するとともに、ファインダ内モニタ28を消灯する。
ステップ121:CPU50は遮光動作による遮光状態を解除する。これにより、ユーザーはレンズユニット12を通過した光束による被写体像を接眼レンズ35から再び観察できるようになる。
【0052】
ステップ122:CPU50は、焦点検出部25および測光部26の動作を再開する。また、CPU50はSI部27に対してSI表示の再開を指示する。
ステップ123:CPU50はカメラ本体11の電源をオフにする操作があったか否かを判定する。上記操作があった場合(YES側)にはS124に移行する。一方、上記操作がない場合(NO側)には、CPU50はS102に戻って上記動作を繰り返す。
【0053】
ステップ124:CPU50は第2撮像素子30への電力の供給を停止する。以上で、図4の流れ図による動作説明を終了する。
次に、図8の流れ図を参照しつつ、上記の遮光動作(S109)を具体的に説明する。
ステップ201:CPU50は、S105において測光部26から取得した被写界の輝度値が閾値以上か否かを判定する。輝度値が閾値以上の場合(YES側)にはS202に移行する。一方、輝度値が閾値未満の場合(NO側)にはS203に移行する。
【0054】
ステップ202:CPU50はメインミラー21を観察位置から退避位置に移動させて、レンズユニット12からファインダ光学系への入射光をカットする。その後、CPU50は図4のS110に復帰する。これにより、ユーザーは接眼レンズ35からファインダ内モニタ28の表示のみを視認できるようになる。
ステップ203:CPU50はレンズユニット12の絞り17を絞り込む制御を実行する。その後、CPU50は図4のS110に復帰する。S203の場合には被写界の輝度が十分低いので、絞り値を小さくすることでもファインダ光学系への入射光を大幅に抑制することができる。そのため、ユーザーは接眼レンズ35からファインダ内モニタ28の表示を明確に視認できる。
【0055】
以下、第1実施形態の効果を述べる。第1実施形態の電子カメラは、第2撮影部42によって第1撮影部41と異なる光路から視野確認画像を撮影するとともに、ファインダ内モニタ28によって視野確認画像を接眼レンズ35から観察可能に表示する。したがって、ユーザーは接眼レンズ35から目を離すことなく、ファインダ光学系による光学像と、第2撮像部42による視野確認画像とを状況に応じて選択的に観察できる。
【0056】
特に画角の狭い望遠レンズをカメラ本体11に装着した場合にはファインダ光学系による光学像の視野は狭くなるが、この場合にもユーザーは広角の視野確認画像で被写界の状況を的確に把握できる。したがって、例えばスポーツ撮影などで移動する被写体を望遠撮影する状況においても、ユーザーは被写体を比較的容易に追尾でき、シャッタチャンスを逃すおそれも少なくなる。
【0057】
また、第1実施形態の電子カメラは、視野確認画像の表示に先立って、メインミラー21のミラーアップまたは絞り17の絞り込みによる遮光動作を実行する。そのため、ユーザーが視野確認画像を視認するときに撮影光学系からの光束が妨げになることはない。なお、絞り17の絞り込みで遮光動作を行う場合には、メインミラー21のミラーアップよりも迅速に遮光状態にできる点で有利である。
【0058】
(第1実施形態の変形例)
第1実施形態では、CPU50が被写界の輝度に応じてメインミラー21のミラーアップまたは絞り17の絞り込みの一方を選択する例を説明した。しかし、上記実施形態において、CPU50はメニュー画面などでの設定に基づいて遮光動作の内容を決定してもよい。例えば、ミラーアップによる遮光動作のモードがメニュー画面で選択された場合には、CPU50はS109の遮光動作で常にメインミラー21を退避位置に移動させる。同様に、絞りによる遮光動作のモードがメニュー画面で選択された場合には、CPU50はS109の遮光動作で常に絞り17を絞り込む。この場合には、遮光動作についてもユーザーの意図を反映させることが可能である。
【0059】
また、上記実施形態において、カメラ本体11がミラーアップによる遮光動作または絞りによる遮光動作のいずれか一方のみしか実行できないものであってもよい。
(第2実施形態の説明)
図9は、第2実施形態における電子カメラの撮影機構を説明する図である。ここで、以下の実施形態の説明では、第1実施形態と共通するカメラの構成要素については同一符号を付して重複説明を省略する。
【0060】
第2実施形態は第1実施形態の変形例であって、フラッシュ撮影用の発光部53を収納する可動部材54に第2撮像部42を取り付けた例を示す。可動部材54の基端側は、回動軸(不図示)によってカメラ本体11に軸支されている。そして、可動部材54は、カメラ本体11に対して回動して第1位置と第2位置とを切り替えることができる。
可動部材54が第1位置にあるときには、カメラ本体11に可動部材54が収納されて、可動部材54がカメラ本体11の表面の一部を構成する。一方、可動部材54が第2位置にあるときには、第2撮像部42および発光部53を取り付けた可動部材54の先端側がカメラ本体11から突出した状態となる(図10参照)。したがって、可動部材54が第2位置にあるときには、発光部53の発光による被写体の照射や、第2撮像部42による視野確認画像の撮影が可能となる。ここで、第2撮像部42のレンズ29と発光部53とは、可動部材54の先端側において並べて配置されている。
【0061】
上記第2実施形態では第1実施形態とほぼ同様の効果に加えて、第2撮像部42の撮影位置をレンズユニット12の光軸から大きく離すことができる。そのため、第1実施形態の場合よりも、レンズユニット12の鏡筒で視野確認画像がケラレるおそれを小さくすることができる。また、第2実施形態では、可動部材54の移動によって第2撮像部42を非使用時にカメラ本体11に収納できるので、カメラ本体11のデザイン性や機能性を高めることができる。
【0062】
(第3実施形態の説明)
図11は、第3実施形態における電子カメラシステムの撮影機構を説明する図である。また、図12は、第3実施形態における電子カメラシステムのブロック図である。第3実施形態では、視野確認画像を撮影するカメラユニット55をカメラ本体11に外付けしてカメラシステムを構成する例を示す。
【0063】
第3実施形態のカメラシステムは、カメラ本体11と、カメラユニット55とを有している。第3実施形態でのカメラ本体11は、レンズ取付部29aおよび第2撮像部42を有していない点を除いて、第1実施形態のカメラ本体11と構成がほぼ共通する。カメラ本体11は外部I/F47を介してカメラユニット55との通信を実行する。なお、第3実施形態では、カメラ本体11のホットシュー31にカメラユニット55が装着される。
【0064】
一方、図11に示すように、カメラユニット55は、ホットシュー31と係合する取付部56と、レンズ57およびレンズ取付部57aと、位置調節部58とを有している。レンズ57およびレンズ取付部57aは、カメラユニット55の本体部分55aに装着される。また、レンズ57はレンズ取付部57aに対して着脱可能であって、レンズ取付部57aには種々の交換レンズを取り付けることができる。なお、上記のレンズ57およびレンズ取付部57aの構成は、第1実施形態のレンズ29およびレンズ取付部29aの構成とほぼ共通する。
【0065】
位置調節部58は、底面部に取付部56を有する台座状の部材であって、カメラユニット55の本体部分55aをカメラシステムの高さ方向(図中の上下方向)に摺動可能に支持している。この位置調整部58は、ユーザーはカメラユニット55のレンズ57の光軸から取付部56までの距離を調整する役目を果たす。したがって、機種の異なるカメラ本体11に対してカメラユニット55を取り付けても、撮影光学系の光軸とレンズ57の光軸との距離を位置調整部58で調整してカメラユニット55の視差を調整できるので、カメラユニット55の互換性を高めることができる。また、ユーザーが位置調節部58によってレンズ57の光軸位置を調整することで、レンズユニット12の鏡筒による視野確認画像のケラレを防止することもできる。
【0066】
また、図12に示すように、カメラユニット55は、撮像部59と、CPU60と、通信部61とを有している。撮像部59は、撮像素子59a、アナログ処理部59b、デジタル処理部59cを有している。撮像素子59aは、レンズ57を通過して結像した被写体像を所定間隔毎に光電変換してスルー画像(視野確認画像)を出力する。撮像素子59aの出力信号は、アナログ処理部59bに入力される。アナログ処理部59bは、CDS回路、ゲイン回路、A/D変換回路などを有するアナログフロントエンド回路である。デジタル処理部59cは、スルー画像の色補間処理などを実行する。
【0067】
CPU60は、カメラ本体11からの指示に基づいてカメラユニット55の各部を制御する。
通信部61は、外部I/F47とケーブル62を介して接続されている。通信部61は
カメラ本体11からの指示を受信するとともに、カメラ本体11に対して視野確認画像のデータを送信する。
【0068】
この第3実施形態のカメラシステムによるワイドプレビュー表示の動作については、第2撮像部42の動作をカメラユニット55が実行する点を除いては、第1実施形態の場合とほぼ共通するので詳細な説明は省略する。
この上記第3実施形態のカメラシステムによっても、第1実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0069】
(実施形態の補足事項)
上記実施形態では一眼レフレックス型の電子カメラに関する例を主に説明したが、被写体像をフイルムで露光して本画像を撮影する銀塩カメラにも本発明を適用することができる。また、上記実施形態では、視野確認画像を撮影するレンズ29,57は、カメラ本体11またはカメラユニット55に対して交換不能であってもよい。
【0070】
なお、本発明は、その精神またはその主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。そのため、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明は、特許請求の範囲によって示されるものであって、本発明は明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】第1実施形態における電子カメラの撮影機構の説明図
【図2】第1実施形態におけるカメラ本体の正面図
【図3】第1実施形態におけるカメラ本体のブロック図
【図4】第1実施形態でのワイドプレビュー表示に関する電子カメラの動作を示す流れ図
【図5】ファインダ光学系における被写体の光学像の表示状態を示す図
【図6】ワイドプレビュー表示での視野確認画像の一例を示す図
【図7】ワイドプレビュー表示のときのカメラ本体の状態を示す図
【図8】図4のS109の遮光動作を説明する流れ図
【図9】第2実施形態における電子カメラの撮影機構の説明図
【図10】可動部材が第2位置にある状態を示す斜視図
【図11】第3実施形態における電子カメラシステムの撮影機構の説明図
【図12】第3実施形態における電子カメラシステムのブロック図
【符号の説明】
【0072】
11…カメラ本体、12…レンズユニット、17…絞り、21…メインミラー、23…第1撮像素子、28…ファインダ内モニタ、29…レンズ、30…第2撮像素子、32…拡散スクリーン(焦点板)、33…コンデンサレンズ、34…ペンタプリズム、35…接眼レンズ、41…第1撮像部、42…第2撮像部、47…外部I/F、50…CPU、55…カメラユニット、56…取付部、57…レンズ、57a…レンズ取付部、58…位置調節部、59…撮像部、61…通信部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録用画像を撮影する第1撮像部と、
前記第1撮像部の撮影光路からの光束によって被写体の光学像を観察できる接眼部を有するファインダ光学系と、
前記第1撮像部および前記ファインダ光学系の一方に光束を導く可動ミラーと、
前記第1撮像部と異なる光路から視野確認画像を撮影する第2撮像部と、
前記接眼部に前記視野確認画像を提示する表示部と、
前記接眼部に前記光学像を提示する第1状態と、前記接眼部に前記視野確認画像を提示する第2状態とを切り替えるとともに、前記第2状態にあるときは前記第1撮像部に光束を導く位置に前記可動ミラーを移動させる制御部と、
を備えることを特徴とするカメラ。
【請求項2】
記録用画像を撮影する第1撮像部と、
前記第1撮像部の撮影光路からの光束によって被写体の光学像を観察できる接眼部を有するファインダ光学系と、
前記第1撮像部と異なる光路から視野確認画像を撮影する第2撮像部と、
前記接眼部に前記視野確認画像を提示する表示部と、
前記接眼部に前記光学像を提示する第1状態と、前記接眼部に前記視野確認画像を提示する第2状態とを切り替えるとともに、前記第2状態にあるときに絞りを絞り込む制御を実行する制御部と、
を備えることを特徴とするカメラ。
【請求項3】
記録用画像を撮影する第1撮像部と、
前記第1撮像部の撮影光路からの光束によって被写体の光学像を観察できる接眼部を有するファインダ光学系と、
前記第1撮像部および前記ファインダ光学系の一方に光束を導く可動ミラーと、
前記第1撮像部と異なる光路から視野確認画像を撮影する第2撮像部と、
前記接眼部に前記視野確認画像を提示する表示部と、
前記接眼部に前記光学像を提示する第1状態と、前記接眼部に前記視野確認画像を提示する第2状態とを切り替える第1制御部と、
前記第2状態にあるときに、前記第1撮像部に光束を導く位置に前記可動ミラーを移動させる第1モードと、絞りを絞り込む第2モードとの一方を実行する第2制御部と、
を備えることを特徴とするカメラ。
【請求項4】
請求項3に記載のカメラにおいて、
被写界の輝度を検出する測光部をさらに備え、
前記第2制御部は、前記輝度が閾値以上の場合に前記第1モードを実行し、前記輝度が閾値未満の場合に前記第2モードを実行することを特徴とするカメラ。
【請求項5】
外付けのカメラユニットを装着可能なカメラであって、
前記カメラユニットを連結するための取付部と、
記録用画像を撮影する撮像部と、
前記撮像部の撮影光路からの光束によって被写体の光学像を観察できる接眼部を有するファインダ光学系と、
前記撮像部および前記ファインダ光学系の一方に光束を導く可動ミラーと、
前記撮像部と異なる光路で撮影された視野確認画像を前記カメラユニットから受信する通信部と、
前記接眼部に前記視野確認画像を提示する表示部と、
前記接眼部に前記光学像を提示する第1状態と、前記接眼部に前記視野確認画像を提示する第2状態とを切り替えるとともに、前記第2状態にあるときは前記撮像部に光束を導く位置に前記可動ミラーを移動させる制御部と、
を備えることを特徴とするカメラ。
【請求項6】
外付けのカメラユニットを装着可能なカメラであって、
前記カメラユニットを連結するための取付部と、
記録用画像を撮影する撮像部と、
前記撮像部の撮影光路からの光束によって被写体の光学像を観察できる接眼部を有するファインダ光学系と、
前記撮像部と異なる光路で撮影された視野確認画像を前記カメラユニットから受信する通信部と、
前記接眼部に前記視野確認画像を提示する表示部と、
前記接眼部に前記光学像を提示する第1状態と、前記接眼部に前記視野確認画像を提示する第2状態とを切り替えるとともに、前記第2状態にあるときに絞りを絞り込む制御を実行する制御部と、
を備えることを特徴とするカメラ。
【請求項7】
外付けのカメラユニットを装着可能なカメラであって、
前記カメラユニットを連結するための取付部と、
記録用画像を撮影する撮像部と、
前記撮像部の撮影光路からの光束によって被写体の光学像を観察できる接眼部を有するファインダ光学系と、
前記撮像部および前記ファインダ光学系の一方に光束を導く可動ミラーと、
前記撮像部と異なる光路で撮影された視野確認画像を前記カメラユニットから受信する通信部と、
前記接眼部に前記視野確認画像を提示する表示部と、
前記接眼部に前記光学像を提示する第1状態と、前記接眼部に前記視野確認画像を提示する第2状態とを切り替える第1制御部と、
前記第2状態にあるときに、前記撮像部に光束を導く位置に前記可動ミラーを移動させる第1モードと、絞りを絞り込む第2モードとの一方を実行する第2制御部と、
を備えることを特徴とするカメラ。
【請求項8】
請求項7に記載のカメラにおいて、
被写界の輝度を検出する測光部をさらに備え、
前記第2制御部は、前記輝度が閾値以上の場合に前記第1モードを実行し、前記輝度が閾値未満の場合に前記第2モードを実行することを特徴とするカメラ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−96563(P2008−96563A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−276178(P2006−276178)
【出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】