説明

カートリッジ

【課題】被検知部が外部の部材との衝突などにより破損されることを防止できるカートリッジを提供すること。
【解決手段】
現像カートリッジ7の右壁41には、入力ギヤ45が中心軸線511を中心に回転可能に設けられている。入力ギヤ45には、外部から駆動力が入力される。また、左壁42には、被検知部70を有する被検知回転体50が設けられている。また、右壁41と左壁42との間には、入力ギヤ45が受ける駆動力により回転するアジテータ80が設けられている。外部から入力ギヤ45に駆動力が入力されると、アジテータ80を介して被検知回転体50に駆動力が伝達され、被検知回転体50が移動し、被検知部70が外側へ進出する。被検知回転体50の移動が進むと、被検知部70が左壁42から左側へ最も離れた位置まで進出し、その後、右側へ退避する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置に装着されるカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンタなどの画像形成装置には、装置本体内に現像カートリッジが着脱可能に装着されるタイプのものがある。現像カートリッジ内には、トナーが収容されている。現像カートリッジ内のトナーがなくなると、その現像カートリッジは、装置本体内から取り出される。そして、新品の現像カートリッジが装置本体内に装着される。また、装置本体内で用紙のジャムが発生したときに、装置本体内から現像カートリッジが取り出され、ジャムの解消後、その現像カートリッジが装置本体内に再び装着されることがある。
【0003】
このタイプの画像形成装置において、現像カートリッジの寿命などの判断のために、装置本体内に現像カートリッジが装着されたときに、現像カートリッジの新旧(新品であるか旧品であるか)が判別されるものが提案されている。
【0004】
現像カートリッジの側面には、検出ギヤが当該側面と直交する方向に延びる軸線(回転軸線)を中心に回転可能に設けられている。検出ギヤは、板状の検出ギヤ本体と、検出ギヤ本体の外側(検出ギヤ本体に対して現像カートリッジの側面と反対側)に検出ギヤ本体と一体的に形成された当接突起とを備えている。検出ギヤ本体の周面には、その一部を除いて、ギヤ歯が形成されている。
【0005】
また、現像カートリッジの側面には、伝達ギヤが検出ギヤの軸線と間隔を空けて平行に延びる軸線を中心に回転可能に設けられている。伝達ギヤは、現像カートリッジ内のトナーを攪拌するためのアジテータと一体的に回転する。伝達ギヤの周面には、その全周にわたって、ギヤ歯が形成されている。
【0006】
新品の現像カートリッジでは、検出ギヤのギヤ歯に伝達ギヤのギヤ歯が噛合している。現像カートリッジが装置本体内に装着されると、伝達ギヤにモータの駆動力が入力され、その駆動力が伝達ギヤから検出ギヤにそれらのギヤ歯を介して伝達される。
【0007】
これにより、検出ギヤが回転し、この検出ギヤの回転に伴って、当接突起が検出ギヤの回転方向に移動する。検出ギヤの回転が進み、検出ギヤの欠け歯部分が伝達ギヤのギヤ歯と対向すると、伝達ギヤのギヤ歯と検出ギヤのギヤ歯との噛合が解除され、検出ギヤの回転が停止する。したがって、現像カートリッジが一度でも装置本体内に装着されると、伝達ギヤのギヤ歯と検出ギヤのギヤ歯との噛合が解除され、以後はその状態が維持される。
【0008】
装置本体内には、当接突起を被検知部として、当接突起の通過を検出するセンサが設けられている。そして、そのセンサによる当接突起の通過の検出の有無に基づいて、現像カートリッジの新旧が判別される。すなわち、現像カートリッジが装置本体内に装着された後、センサにより当接突起の通過が検出されると、その現像カートリッジは新品であると判別される。一方、現像カートリッジが装置本体内に装着された後に、センサにより当接突起の通過が検出されない場合には、その現像カートリッジは旧品であると判別される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−267994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、当接突起が現像カートリッジの側面から外側に突出した状態に設けられているので、装置本体内に対する現像カートリッジの着脱時に、当接突起が装置本体内の部材に当接したり、引っ掛かったりするおそれがある。また、現像カートリッジが装置本体外に離脱された状態において、現像カートリッジがユーザに取り扱われる際に、当接突起が他部材との衝突などにより誤って破損されるおそれがある。
【0011】
本発明の目的は、被検知部が外部の部材との衝突などにより破損されることを防止できるカートリッジを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)上記した目的を達成するために、本発明のカートリッジは、現像剤を収容するための現像剤収容部を有し、現像剤収容部を挟んで互いに対向配置される第1側壁および第2側壁を含む筺体と、外部からの駆動力を受けるための受動部材と、受動部材が受ける駆動力により回転するように構成された回転部材と、外部の検知部材により検知されるための被検知部を有する被検知体とを備える。
【0013】
受動部材は、第1側壁および第2側壁の対向方向に延びる第1軸線を中心に回転可能に構成され、第1側壁に対して現像剤収容部の反対側に配置されている。
【0014】
回転部材は、第1側壁と第2側壁との間において第1軸線と平行に延びる第2軸線を中心に回転可能に配置されている。
【0015】
被検知体は、第2側壁に対して現像剤収容部の反対側に配置されている。
【0016】
また、被検知体は、受動部材が受ける駆動力が回転部材を介して伝達されることにより、第2側壁に対して対向方向の外側に向かって進出し、さらに第2側壁に対して対向方向の内側に向かって退避するように構成されている。
【0017】
このような構成によれば、受動部材を、第1側壁に対して現像剤収容部の反対側に配置するとともに、被検知体を、第2側壁に対して現像剤収容部の反対側に配置して、受動部材に入力された駆動力を、第1側壁と第2側壁との間に配置される回転部材を介して、被検知体に伝達することができる。
【0018】
そのため、受動部材と被検知体とを、互いに別の側壁(第1側壁と第2側壁)に配置することができ、その分、第1側壁および第2側壁の面積を小さくすることができる。
【0019】
その結果、カートリッジを小型化することができる。
【0020】
また、外部から受動部材に駆動力が入力されると、被検知体は、当初の位置(初期位置)から外側に向かって、第1側壁および第2側壁の対向方向に最も離れた位置(最外位置)まで進出し、その後は内側に向かって退避する。
【0021】
そのため、被検知体が最外位置に進出されているときに、被検知体を外部の検知部材に容易に検知させることができながら、被検知体が内側に退避されているときには、被検知部が外部の部材との衝突などにより破損されることを防止できる。
(2)また、被検知体は、第1軸線と平行な移動方向に往復移動可能に構成されていてもよい。
【0022】
この場合、被検知体は、被検知部と第2側壁との間の移動方向の距離が第1距離となる第1位置から、被検知部と第2側壁との間の移動方向の距離が第1距離よりも大きい第2距離となる第2位置を経て、第2位置から、被検知部と第2側壁との間の移動方向の距離が第2距離よりも小さい第3距離となる第3位置に移動するように構成されてもよい。
【0023】
このような構成によれば、被検知体が第2位置に進出されているときに、被検知体を外部の検知部材に容易に検知させることができながら、被検知体が第1位置に配置されているとき、または、被検知体が第3位置に退避されているときには、被検知部が外部の部材との衝突などにより破損されることを防止できる。
(3)また、第1距離と第3距離とが等しくてもよい。
【0024】
このような構成によれば、被検知体を、第3位置に退避させたときに、第1位置と同じ位置まで退避させることができる。
【0025】
そのため、被検知体が第1位置にあるときと、第3位置にあるときとで、カートリッジのサイズに変更を生じることがなく、カートリッジを小型化することができる。
(4)また、被検知体は、第1軸線と平行に延びる第3軸線を中心に回転可能に構成され、第1方向の回転により第1位置から第2位置を経て第3位置に移動するように構成されてもよい。
【0026】
また、第2側壁は、被検知体が第1位置から第3位置に移動する間に、被検知体の当接部が摺動するように構成された摺動部を有していてもよい。
【0027】
また、当接部および摺動部の一方は、第1方向の下流側ほど第2側壁から離れるように傾斜した傾斜面を有していてもよい。
【0028】
このような構成によれば、摺動部の傾斜面によって、被検知体の第1方向への回転運動を第3軸線に沿った運動に変換して、被検知体を第1位置から第2位置まで確実に進出させることができる。
(5)また、傾斜面を有する当接部または摺動部は、傾斜面から第1方向の下流側に連続し、第2側壁と平行な平行面を有していてもよい。
【0029】
このような構成によれば、被検知体が平行面に当接している間、被検知体の位置を第2位置に保持することができる。
(6)また、回転部材から受ける駆動力を被検知体に伝達するための伝達ギヤを備えていてもよい。
【0030】
また、被検知体は、第3軸線を中心とする周面を有し、周面の一部を欠け歯部分として、周面における欠け歯部分以外の部分に形成され、被検知体が第1位置から第3位置に移動する間、伝達ギヤと噛合するギヤ歯を含んでいてもよい。
【0031】
このような構成によれば、被検知体が第1位置から第3位置に移動する間、回転部材からの駆動力を、伝達ギヤを介して被検知体に伝達することができる。
【0032】
また、被検知体が第3位置に移動すると、被検知体の周面の欠け歯部分が伝達ギヤに対向し、被検知体の周面のギヤ歯と伝達ギヤとの噛合が解除される。
【0033】
そのため、被検知体が第3位置に移動した後は、伝達ギヤの回転に関係なく、被検知体が静止した状態を維持することができる。
(7)また、被検知体を第2側壁に向けて付勢するように構成された付勢部材をさらに備えてもよい。
【0034】
このような構成によれば、付勢部材によって、被検知体を第2側壁に向けて付勢することができる。
【0035】
そのため、被検知体を第2位置から第3位置に確実に移動させることができる。
(8)また、第2側壁は、対向方向に突出するとともに移動方向に延びる突出部を備えていてもよい。
【0036】
また、付勢部材は、突出部に巻回され、一端部が被検知体に対して第2側壁と反対側から当接する線ばねであってもよい。
【0037】
このような構成によれば、線ばねという簡易な構成により、被検知体を第2側壁に向けて付勢することができる。
(9)また、被検知体は、被検知体が第3位置に位置するときに、線ばねの一端部が第1方向に当接する被付勢面を有していてもよい。
【0038】
そのため、被検知体が第3位置に位置するときには、線ばねによって、被検知体を第1方向に付勢して、被検知体の回転方向を第1方向に規制することができる。
(10)また、第2側壁に対して現像剤収容部と反対側において第2側壁に取り付けられ、側壁本体と、側壁本体に対して対向方向の外側に取り付けられ、被検知体を覆うカバーを備えていてもよい。
【0039】
付勢部材は、被検知体とカバーとの間に介在され、被検知体に当接するコイルばねであってもよい。
【0040】
このような構成によれば、被検知体をカバーによって覆うことができ、被検知体が外部の部材との衝突などにより破損されることを確実に防止できる。
【0041】
また、コイルばねという簡易な構成により、被検知体を第2側壁に向けて付勢することができる。
(11)また、第1軸線と平行に延びる第3軸線を中心に回転可能に構成され、第2側壁に対して現像剤収容部の反対側に配置され、受動部材が受ける駆動力により第2方向に回転するように構成された検知回転体を備えていてもよい。
【0042】
また、被検知体は、第3軸線に沿って移動方向に往復移動可能かつ第3軸線まわりの姿勢を維持するように構成されていてもよい。
【0043】
また、検知回転体は、被検知体が第1位置から第3位置に移動する間に被検知体の当接部が摺動して、第2方向の上流側ほど第2側壁から離れるように傾斜した傾斜面を有していてもよい。
【0044】
このような構成によれば、検知回転体の第2方向への回転により、被検知体を、検知回転体の傾斜面上を摺動するように、姿勢を維持しながら第1位置から第2位置まで確実に進出させることができる。
(12)また、検知回転体は、傾斜面から第2方向の上流側に連続し、第2側壁と平行な平行面を有していてもよい。
【0045】
このような構成によれば、被検知体が平行面に当接している間、被検知体の位置を第2位置に保持することができる。
(13)また、回転部材から受ける駆動力を検知回転体に伝達するための伝達ギヤを備えていてもよい。
【0046】
また、検知回転体は、第3軸線を中心とする周面の一部を欠け歯部分として、周面における欠け歯部分以外の部分に形成され、被検知体が第1位置から第3位置に移動する間、伝達ギヤと噛合するギヤ歯を有していてもよい。
【0047】
このような構成によれば、回転部材からの駆動力を、伝達ギヤを介して検知回転体に伝達することができる。
【0048】
また、被検知体が第3位置に移動すると、検知回転体の周面の欠け歯部分が伝達ギヤに対向し、検知回転体の周面のギヤ歯と伝達ギヤとの噛合が解除される。
【0049】
そのため、被検知体が第3位置に移動した後は、伝達ギヤの回転に関係なく、検知回転体が静止した状態を維持することができる。
(14)また、第2側壁に対して現像剤収容部と反対側において第2側壁に取り付けられ、被検知体を覆うカバーを備えていてもよい。
【0050】
また、被検知体が第1位置および第3位置に位置するときには、被検知部がカバー内に配置され、被検知体が前記第2位置に位置するときには、被検知部がカバー外に露出するように構成されていてもよい。
【0051】
このような構成によれば、被検知体をカバーによって覆うことができ、被検知体が外部の部材との衝突などにより破損されることを確実に防止できる。
【0052】
また、被検知体が第2位置に位置する状態において、外部の検知部材により被検知体を確実に検知することができる。
(15)回転部材は、現像剤収容部の現像剤を攪拌するアジテータであってもよい。
【0053】
また、第1側壁と第2側壁との間に、第1軸線と間隔を空けて平行に延びる第4軸線を中心に回転可能に配置され、受動部材が受ける駆動力により回転するように構成された現像ローラをさらに備えていてもよい。
【0054】
このような構成によれば、カートリッジを、現像ローラを備える現像カートリッジとして構成することができる。
【0055】
また、アジテータを利用して受動部材から被検知体へ駆動力を伝達することができ、部品点数を低減することができる。
【発明の効果】
【0056】
本発明のカートリッジによれば、受動部材と被検知体とを、互いに別の側壁(第1側壁と第2側壁)に配置することができ、その分、第1側壁および第2側壁の面積を小さくして、カートリッジを小型化することができる。
【0057】
また、被検知体が最外位置に進出されているときに、被検知体を外部の検知部材に容易に検知させることができながら、被検知体が内側に退避されているときには、被検知部が外部の部材との衝突などにより破損されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る現像カートリッジが装着されたレーザプリンタの断面図である。
【図2】図2は、図1に示す現像カートリッジの右後上側から見た斜視図であって、駆動側ギヤカバーが外された状態を示す。
【図3】図3は、図2に示す現像カートリッジの左後上側から見た斜視図であって、検知側ギヤカバーが外された状態を示す。
【図4】図4は、図3に示す現像カートリッジの左後側から見た分解斜視図である。
【図5】図5は、図3に示す現像カートリッジの左側面図である。
【図6】図6は、図5に示す状態における現像カートリッジの左壁の左下方から見た斜視図である。
【図7】図7は、図2に示す現像カートリッジの駆動伝達を説明する説明図である。
【図8】図8は、現像カートリッジの左壁の左下方から見た斜視図であって、図6に示す状態から被検知回転体が回転された状態を示す。
【図9】図9は、図8に示す状態における現像カートリッジの左後上側から見た斜視図である。
【図10】図10は、図8に示す状態における現像カートリッジの左側面図である。
【図11】図11は、現像カートリッジの左側面図であって、図10に示す状態から被検知回転体が回転された状態を示す。
【図12】図12は、現像カートリッジの左側面図であって、図11に示す状態から被検知回転体が回転され、被検知回転体のギヤ歯と、第2アジテータギヤのギヤ歯との噛合が解除された状態を示す。
【図13】図13は、図12に示す状態における現像カートリッジの左後上側から見た斜視図である。
【図14】図14は、変形例1の現像カートリッジを示す左側面図である。
【図15】図15は、変形例6の現像カートリッジの要部の左後上方から見た斜視図である。
【図16】図16は、図15に示す現像カートリッジの要部の左後上方から見た斜視図であり、ギヤカバーが外された状態を示す。
【図17】図17は、変形例7の現像カートリッジを説明する説明図である。
【図18】図18は、変形例8の現像カートリッジを説明する説明図である。
【図19】図19は、変形例9の現像カートリッジを説明する説明図である。
【図20】図20は、変形例10の現像カートリッジを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
1.レーザプリンタの全体構成
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのレーザプリンタ1は、装置本体の一例としての本体ケーシング2を備えている。本体ケーシング2の一方側壁には、カートリッジ着脱口3が形成され、このカートリッジ着脱口3を開閉するフロントカバー4が設けられている。
【0060】
なお、以下の説明において、フロントカバー4が設けられている側をレーザプリンタ1の前側とする。レーザプリンタ1の上下左右に関しては、レーザプリンタ1を前側から見たときを基準とする。また、後述する現像カートリッジ7の前後については、本体ケーシング2に装着された状態を基準とし、その上下左右については、現像カートリッジ7を前側から見たときを基準とする。
【0061】
本体ケーシング2内の中央より少し前側の位置には、プロセスカートリッジ5が装着されている。プロセスカートリッジ5は、フロントカバー4を開いた状態で、カートリッジ着脱口3を介して、本体ケーシング2内に装着され、また、本体ケーシング2内から離脱される。
【0062】
プロセスカートリッジ5は、ドラムカートリッジ6と、そのドラムカートリッジ6に着脱自在に装着されるカートリッジの一例としての現像カートリッジ7とからなる。
【0063】
ドラムカートリッジ6は、ドラムフレーム8を備えている。ドラムフレーム8の後端部には、感光ドラム9が回転可能に保持されている。また、ドラムフレーム8には、帯電器10および転写ローラ11が保持されている。帯電器10および転写ローラ11は、それぞれ感光ドラム9の上方および下方に配置されている。
【0064】
ドラムフレーム8における感光ドラム9よりも前側の部分は、現像カートリッジ装着部12とされており、この現像カートリッジ装着部12に、現像カートリッジ7が装着される。
【0065】
現像カートリッジ7は、トナーを収容する筐体13を備えている。筐体13の内部には、互いに連通する現像剤収容部の一例としてのトナー収容室14および現像室15が前後に隣接して形成されている。
【0066】
トナー収容室14には、回転部材の一例としてのアジテータ16が、左右方向に延びるアジテータ回転軸線17(後述)を中心に回転可能に設けられている。アジテータ16の回転により、トナー収容室14内に収容されているトナーが攪拌されつつ、トナー収容室14から現像室15へ送られる。
【0067】
現像室15には、現像ローラ18および供給ローラ19がそれぞれ左右方向に延びる第4軸線の一例としての現像回転軸線20および供給回転軸線21を中心に回転可能に設けられている。現像ローラ18は、その周面の一部が筐体13の後端部から露出するように配置されている。現像カートリッジ7のドラムカートリッジ6に対する装着状態では、現像ローラ18の周面が感光ドラム9の周面と接触している。供給ローラ19は、その周面が現像ローラ18の周面に対して前下方から接触するように配置されている。現像室15内のトナーは、供給ローラ19により現像ローラ18の周面に供給される。現像室15には層厚規制ブレード28が、現像ローラ18に前側から接触されるように設けられている。現像ローラ18に供給されたトナーは、層厚規制ブレード28によって現像ローラ18の周面上に薄層となって担持される。
【0068】
また、本体ケーシング2内には、プロセスカートリッジ5の上方に、レーザなどを備える露光器22が配置されている。
【0069】
画像形成時には、感光ドラム9が回転される。感光ドラム9の回転に伴って、感光ドラム9の周面(表面)は、帯電器10からの放電により、一様に帯電される。一方、露光器22から画像データに基づくレーザビームが出射される。レーザビームは、一様に正帯電された感光ドラム9の周面に照射され、感光ドラム9の周面を選択的に露光し、感光ドラム9の周面に静電潜像が形成される。感光ドラム9の回転により、静電潜像が現像ローラ18に対向すると、現像ローラ18から静電潜像にトナーが供給される。これによって、感光ドラム9の周面にトナー像が形成される。
【0070】
本体ケーシング2の底部には、用紙Pを収容する給紙カセット23が配置されている。給紙カセット23の上方には、給紙カセット23から用紙を送り出すためのピックアップローラ24が設けられている。
【0071】
また、本体ケーシング2内には、側面視S字状の搬送路25が形成されている。この搬送路25は、給紙カセット23から感光ドラム9と転写ローラ11との間を経由して、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ26に至る。給紙カセット23から送り出された用紙Pは、搬送路25を感光ドラム9と転写ローラ11との間に向けて搬送される。
【0072】
感光ドラム9の周面上のトナー像は、感光ドラム9の回転により、感光ドラム9と転写ローラ11との間を通過する用紙Pと対向したときに、用紙Pに転写される。
【0073】
搬送路25上には、転写ローラ11に対して用紙Pの搬送方向の下流側に、定着器27が設けられている。トナー像が転写された用紙Pは、搬送路25を搬送されて、定着器27を通過する。定着器27では、加熱および加圧により、トナー像が用紙Pに定着される。こうして画像が形成された用紙Pは、搬送路25をさらに搬送されて、排紙トレイ26上に排紙される。
2.現像カートリッジの詳細
(1)筐体
図2および図3に示すように、現像カートリッジ7の筐体13は、後側が開放されたボックス形状に形成されている。具体的には、筐体13は、第1側壁の一例としての右壁41、および、第2側壁の一例としての左壁42を備えている。右壁41および左壁42は、トナー収容室14を挟んで左右方向に互いに対向し、それぞれ前後方向に延びる板状に形成されている。
【0074】
また、筐体13は、右壁41および左壁42の各上端部間に架設される上壁43と、右壁41および左壁42の各下端部間に架設される下壁44とを備えている。下壁44の前端部は、湾曲しつつ上方に延び、上壁43の前端部に接続されている。
(2)ギヤトレイン
右壁41の外側(右側)には、図2および図3に示すように、受動部材の一例としての入力ギヤ45、現像ギヤ46、供給ギヤ47、中間ギヤ48および第1アジテータギヤ49が設けられている。
【0075】
また、左壁42の外側(左側)には、第2アジテータギヤ65と、被検知体の一例としての被検知回転体50とが設けられている。
(2−1)入力ギヤ
入力ギヤ45は、図2に示すように、右壁41の後端上部に配置されている。入力ギヤ45は、第1軸線の一例としての中心軸線511を中心として右壁41に回転可能に支持されている。
【0076】
また、入力ギヤ45は、大径ギヤ部52、小径ギヤ部53およびカップリング部54を、左側から右側に向かって順次並列配置されるように、一体的に備えている。
【0077】
大径ギヤ部52は、中心軸線511と中心軸線が一致する円板状に形成されている。大径ギヤ部52の周面には、その全周にわたって、ギヤ歯(たとえば、斜歯)が形成されている。
【0078】
小径ギヤ部53は、中心軸線511と中心軸線が一致する円板状をなし、大径ギヤ部52よりも小径に形成されている。小径ギヤ部53の周面には、その全周にわたって、ギヤ歯(たとえば、斜歯)が形成されている。
【0079】
カップリング部54は、中心軸線511と中心軸線が一致する円柱状をなし、小径ギヤ部53の周面よりも小径の周面を有している。カップリング部54の右側面には、結合凹部55が形成されている。現像カートリッジ7が本体ケーシング2内に装着された状態で、結合凹部55には、本体ケーシング2内に備えられる駆動出力部材(図示せず)の先端部が挿入される。
【0080】
駆動出力部材(図示せず)は、左右方向に進退可能に設けられている。現像カートリッジ7が本体ケーシング2内に装着された状態で、駆動出力部材(図示せず)は、左方に進出し、その先端部が中心軸線511に沿って結合凹部55に挿入される。これにより、駆動出力部材(図示せず)と結合凹部55とが相対回転不能に結合される。よって、駆動出力部材(図示せず)が回転されると、駆動出力部材(図示せず)の回転力が駆動力として入力ギヤ45に受けられ、駆動出力部材(図示せず)とともに入力ギヤ45が回転する。
(2−2)現像ギヤ
現像ギヤ46は、入力ギヤ45の後下方に配置されている。現像ギヤ46は、現像ローラ18が有する現像ローラ軸57に相対回転不能に取り付けられている。現像ローラ軸57は、右壁41に対して回転可能に支持されており、その中心軸線が現像ローラ18の回転軸線である現像回転軸線20(図1参照)となる。現像ギヤ46の周面には、その全周にわたって、ギヤ歯が形成されており、このギヤ歯は、入力ギヤ45の大径ギヤ部52のギヤ歯に後下側から噛合している。
(2−3)供給ギヤ
供給ギヤ47は、入力ギヤ45の下方に配置されている。供給ギヤ47は、供給ローラ19(図1参照)が有する供給ローラ軸58に相対回転不能に取り付けられている。供給ローラ軸58は、右壁41に対して回転可能に支持されており、その中心軸線が供給ローラ19の回転軸線である供給回転軸線21(図1参照)となる。供給ギヤ47の周面には、その全周にわたって、ギヤ歯が形成されており、このギヤ歯は、入力ギヤ45の大径ギヤ部52のギヤ歯に下側から噛合している。
(2−4)中間ギヤ
中間ギヤ48は、入力ギヤ45の前上方において、右壁41に回転可能に支持されている。
【0081】
そして、中間ギヤ48は、相対的に小さい外径を有する円板状に形成された小径部60と、相対的に大きい外径を有する円筒状に形成された大径部61とを、左側から右側に向かって順次並列配置されるように、一体的に備えている。
【0082】
小径部60の周面には、その全周にわたって、ギヤ歯が形成されている。
【0083】
大径部61の周面には、その全周にわたって、ギヤ歯が形成されている。大径部61のギヤ歯は、入力ギヤ45の小径ギヤ部53のギヤ歯に前上側から噛合している。
(2−5)第1アジテータギヤ
第1アジテータギヤ49は、中間ギヤ48の前下方に配置されている。第1アジテータギヤ49は、アジテータ回転軸62の右端部に相対回転不能に取り付けられている。アジテータ回転軸62は、右壁41および左壁42(図1参照)を左右方向に貫通し、右壁41および左壁42に回転可能に支持されている。筐体13内において、アジテータ回転軸62には、アジテータ16が取り付けられている。これにより、アジテータ16および第1アジテータギヤ49は、アジテータ回転軸62の中心軸線を第2軸線の一例としてのアジテータ回転軸線17(図1参照)として、アジテータ回転軸62と一体的に回転可能である。
【0084】
また、第1アジテータギヤ49は、アジテータ回転軸62と中心軸線が一致する円板状をなしている。第1アジテータギヤ49の周面には、その全周にわたって、ギヤ歯が形成されている。この第1アジテータギヤ49のギヤ歯は、中間ギヤ48の小径部60のギヤ歯に前下側から噛合している。
(2−6)第2アジテータギヤ
第2アジテータギヤ65は、図3に示すように、アジテータ回転軸62の左端部に相対回転不能に取り付けられている。
【0085】
第2アジテータギヤ65は、アジテータ回転軸62と中心軸線が一致する円柱状に形成されている。第2アジテータギヤ65の周面には、その全周にわたって、ギヤ歯66が形成されている。
(2−7)被検知回転体
被検知回転体50は、第2アジテータギヤ65の前方に配置されている。被検知回転体50は、左右方向に延びる回転軸68(図5参照)の第3軸線の一例としての中心軸線681を中心として左壁42に回転可能に支持されている。
【0086】
被検知回転体50は、欠け歯ギヤ部69、被検知部70および当接部の一例としての支持部75(図6参照)を一体的に備えている。
【0087】
欠け歯ギヤ部69は、回転軸68と中心軸線681が一致する円板状に形成されている。欠け歯ギヤ部69の左端面(外側面)には、回転軸68が相対回転可能かつ左右方向に移動可能に挿通される円筒状の挿通ボス76が立設されている。
【0088】
欠け歯ギヤ部69の周面には、その一部にギヤ歯77(駆動部)が形成されている。具体的には、欠け歯ギヤ部69の周面には、中心角が約180°をなす部分にギヤ歯のない欠け歯部分78(非駆動部)が形成され、その欠け歯部分78以外の中心角が約180°をなす部分に、ギヤ歯77が形成されている。ギヤ歯77は、被検知回転体50の回転位置によって、第2アジテータギヤ65と噛合する。そして、欠け歯ギヤ部69の厚さ(左右方向の寸法)は、第2アジテータギヤ65の左右方向の寸法よりも小さく、それらの寸法は、ギヤ歯66とギヤ歯77とが噛合した状態で、欠け歯ギヤ部69が左右方向に移動しても、その噛合が解除されないように設定されている。
【0089】
被検知部70は、欠け歯ギヤ部69の左端面に立設されている。
【0090】
被検知部70は、ギヤ歯77の歯列における被検知回転体50の第1方向の一例としての回転方向(図5における反時計回り)Rの最上流側に配置されたギヤ歯77と回転軸68の中心軸線681とを結ぶ線分上に配置されている。被検知部70は、左右方向に延びるとともに、中心軸線681を中心として回転方向Rに沿って延びる円弧形状のリブ状に形成されている。
【0091】
支持部75は、図6に示すように、欠け歯ギヤ部69の右面(内側面)に立設されている。支持部75は、左右方向および欠け歯ギヤ部69の径方向に延びている。
(3)摺動部
また、図4に示すように、左壁42の外側には、左壁42と被検知回転体50とに挟まれる部分に、摺動部79が設けられている。摺動部79は、現像カートリッジ7のトナー充填口31を閉鎖するトナーキャップ32の左面から立設され、側面視で回転軸68を中心とするほぼ3/4円弧状のリブ状に形成されている。
【0092】
そして、摺動部79の突出量(トナーキャップ32の左面からの突出量)は、回転軸68の下方に位置する部分で最も小さく、その部分から回転軸68の前方に位置する部分にかけて徐々に大きくなり、残りの部分が一定となっている。これにより、摺動部79の左端面は、突出量が徐々に大きくなる部分において、被検知回転体50の回転方向Rの下流側ほどトナーキャップ32の左面から離れるように傾斜した傾斜面80を有している。また、摺動部79の左端面は、その傾斜面80から回転方向Rの下流側に連続し、トナーキャップ32の左面と平行な平行面81を有している。
【0093】
また、摺動部79には、平行面81における回転方向Rの下流側端部からトナーキャップ32の左面に向かって切り欠かれた切欠部82が形成されている。
(5)駆動側ギヤカバー
図2に示すように、右壁41の外側には、駆動側ギヤカバー86が取り付けられている。駆動側ギヤカバー86は、入力ギヤ45、供給ギヤ47、中間ギヤ48、第1アジテータギヤ49を一括して覆っている。駆動側ギヤカバー86には、入力ギヤ45のカップリング部54を露出させるための開口87が形成されている。
(6)検知側ギヤカバー
図3に示されるように、左壁42の外側には、カバーの一例としての検知側ギヤカバー90が取り付けられている。検知側ギヤカバー90は、第2アジテータギヤ65および被検知回転体50を一括して覆っている。この検知側ギヤカバー90には、被検知回転体50の被検知部70と対向する位置に、被検知部70を左方に露出させる側面視C字状の開口89が形成されている。
【0094】
そして、被検知回転体50の欠け歯ギヤ部69と検知側ギヤカバー90の内面との間には、付勢部材の一例としてのコイルばね146が挿通ボス76に外嵌されるように設けられている。コイルばね146の付勢力(弾性力)により、常には、被検知回転体50が左壁42に向けて押圧されている。
3.検出機構
本体ケーシング2内には、図5に示すように、被検知部を検出するための検出機構が備えられている。この検出機構は、アクチュエータ91と、検知部材の一例としての光センサ92とを含む。
【0095】
アクチュエータ91は、左右方向に延びる揺動軸93と、揺動軸93から下方に延びる当接レバー94と、揺動軸93から後方に延びる遮光レバー95とを一体的に備えている。揺動軸93は、本体ケーシング2の図示しない内壁部に回転可能に保持されている。当接レバー94と遮光レバー95とは、揺動軸93を中心として約80°の角度をなすように設けられている。
【0096】
そして、アクチュエータ91は、当接レバー94が揺動軸93からほぼ鉛直下方に延び、遮光レバー95が後側やや斜め下方に延びる非検知姿勢(図5参照)と、当接レバー94が後側やや斜め下方に延び、遮光レバー95が後方に延びる検知姿勢(図11参照)とに揺動可能に設けられている。アクチュエータ91は、図示しないばねのばね力により、そのばね力以外の外力が加わらない状態で非検知姿勢となるように付勢されている。
【0097】
光センサ92は、遮光レバー95を左右方向に挟むように互いに対向して配置される発光素子および受光素子を備えている。そして、光センサ92は、発光素子から受光素子に至る光路が、非検知姿勢の遮光レバー95により遮光され、検知姿勢の遮光レバー95により遮光されない位置に配置されている。つまり、遮光レバー95は、被検知姿勢では、発光素子から受光素子に至る光路上に位置し、被検知姿勢ではその光路上から遮光レバー95退避する。そして、遮光レバー95が光路上から退避すると、発光素子からの検知光が受光素子によって受光され、センサ92からオン信号が出力される。
4.現像カートリッジの装着検出および新品検出
図3、図5および図6に示されるように、新品の現像カートリッジ7では、被検知回転体50の被検知部70が、回転軸68に対して前下方に配置されている。被検知部70の先端は、検知側ギヤカバー90の左面とほぼ面一となる位置に配置されている。
【0098】
また、被検知回転体50のギヤ歯77の歯列における回転方向Rの最下流側のギヤ歯77が、第2アジテータギヤ65のギヤ歯66と噛合している。さらに、コイルばね146が、被検知回転体50の欠け歯ギヤ部69の左面に当接し、欠け歯ギヤ部69を左壁42側に押圧している。
【0099】
また、被検知回転体50の支持部75が、摺動部79の左端面における傾斜面80よりも回転方向Rの上流側の部分に当接している。
【0100】
なお、このときの被検知回転体50の左右方向の位置が、初期位置である第1位置の一例である。また、このときの被検知部70の先端と左壁42との間の左右方向の距離D1(図3参照)が、第1距離の一例である。
【0101】
現像カートリッジ7が本体ケーシング2内に装着されると、レーザプリンタ1のウォームアップ動作が開始される。
【0102】
すると、図7に示すように、入力ギヤ45の結合凹部55に駆動出力部材(図示せず)が挿入されて、駆動出力部材から入力ギヤ45に駆動力が入力され、入力ギヤ45が回転する。そして、入力ギヤ45の回転に伴って、現像ギヤ46、供給ギヤ47および中間ギヤ48が回転し、現像ローラ18および供給ローラ19が回転する。また、中間ギヤ48の回転に伴って、第1アジテータギヤ49が回転し、アジテータ16が回転する。
【0103】
アジテータ16が回転すると、アジテータ回転軸62を介して第2アジテータギヤ65が回転する。
【0104】
新品の現像カートリッジ7では、第2アジテータギヤ65のギヤ歯66と被検知回転体50のギヤ歯77とが噛合しているので、第2アジテータギヤ65が回転すると、その回転に従動して、被検知回転体50が回転方向Rに回転する。
【0105】
ここで、図5に示すように、新品の現像カートリッジ7が本体ケーシング2に装着された直後の状態では、被検知部70は、アクチュエータ91の当接レバー94と接触していない。そして、アクチュエータ91は、被検知姿勢をなし、当接レバー94が検知側ギヤカバー90の開口89と左右方向に対向し、光センサ92の光路が遮光レバー95により遮られている。これにより、光センサ92からは、オフ信号が出力されている。
【0106】
そして、被検知回転体50の回転により、図8に示すように、被検知部70が当接レバー94に近づく方向に移動する。このとき、被検知回転体50の支持部75は、摺動部79の左端面上を傾斜面80に向かって摺動し、さらに傾斜面80上を平行面81に向かって摺動する。これにより、被検知回転体50は、その回転に伴って、左方に徐々に移動する。
【0107】
そして、図9に示すように、被検知部70は、回転方向Rに移動しつつ左方に徐々に進出し、その先端部が検知側ギヤカバー90の開口89を介して外側に突出する。
【0108】
その後、被検知回転体50の支持部75が傾斜面80上から平行面81上に移ると、被検知部70の先端と左壁42との間の左右方向の距離D2が最大となる。
【0109】
なお、このときの被検知回転体50の左右方向の位置が、第2位置の一例である。また、このときの最大距離D2(図9参照)が、第2距離の一例である。
【0110】
また、図10に示すように、被検知部70の先端が当接レバー94の前側に対向する。
【0111】
その後、被検知回転体50の回転が進むと、被検知部70が当接レバー94に当接する。
【0112】
被検知回転体50の回転がさらに進むと、図11に示すように、被検知部70が当接レバー94を後方へ押圧し、アクチュエータ91が被検知姿勢から検知姿勢となる。その結果、光センサ92の発光素子から受光素子に至る光路上から遮光レバー95が退避し、光センサ92からオン信号が出力される。これにより、光センサ92による被検知部70の間接的な検出が達成される。
【0113】
そして、アクチュエータ91は、被検知部70がアクチュエータ91の下側を通過するで、検知姿勢が維持され、その間、光センサ92からオン信号が出力され続ける。
【0114】
その後、被検知回転体50の回転がさらに進むと、図12に示すように、被検知部70が当接レバー94から離れ、アクチュエータ91が検知姿勢から被検知姿勢に戻る。その結果、光センサ92の発光素子から受光素子に至る光路が遮光レバー95により遮られ、光センサ92からの出力信号がオン信号からオフ信号に切り替わる。
【0115】
そして、被検知回転体50のさらなる回転により、平行面81上における支持部75の摺動が進み、支持部75が切欠部82に対向すると、支持部75が切欠部82に嵌まり込み、コイルばね146の付勢力により、被検知回転体50が右方へ一気に移動する。
【0116】
すると、図13に示されるように、被検知部70が右方へ退避し、それらの先端が検知側ギヤカバー90の左端面とほぼ面一となる位置に配置される。また、それと同時に、被検知回転体50のギヤ歯77と第2アジテータギヤ65のギヤ歯66との噛合が解除され、被検知回転体50の回転が停止する。
【0117】
なお、このときの被検知回転体50の左右方向の位置が、第3位置の一例である。また、このときの被検知部70の先端と左壁42との間の左右方向の距離D3が、第3距離の一例であり、この実施形態では、距離D1と等しい。
【0118】
このように、新品の現像カートリッジ7が本体ケーシング2内に初めて装着されると、光センサ92から、オン信号が1回出力される。したがって、現像カートリッジ7が本体ケーシング2に装着された後、光センサ92からオン信号が1回出力された場合には、その現像カートリッジ7が新品であると判断することができる。
【0119】
一方、旧品の現像カートリッジ7(本体ケーシング2内に一度は装着されたことがある現像カートリッジ7)が本体ケーシング2内に装着された場合には、被検知回転体50の回転位置がギヤ歯77とギヤ歯66との噛合がすでに解除されているので、レーザプリンタ1のウォームアップ動作が開始されても、被検知回転体50は回転しない。よって、現像カートリッジ7が本体ケーシング2に装着されてからの所定期間内に、光センサからオン信号が出力されない場合には、その現像カートリッジ7が旧品であると判断することができる。
【0120】
なお、被検知部70は、複数、設けられていてもよい。被検知部70が複数設けられる場合、新品の現像カートリッジ7が本体ケーシング2に装着されると、光センサ92からオン信号が少なくとも2回出力される。したがって、光センサ92からオン信号が出力される状態が少なくとも2回生じることにより、その現像カートリッジ7が新品であると判断することができる。
【0121】
たとえば、被検知部70が2つ設けられている現像カートリッジ7の筐体13内には、トナーが相対的に多量に収容され、被検知部70が1つ設けられている現像カートリッジ7の筐体13内には、トナーが相対的に少量に収容されてもよい。これらが選択的に本体ケーシング2内に装着される場合、新品の現像カートリッジ7が装着された後に、光センサ92からオン信号が出力される状態が生じた回数、または、オン信号の出力時間により、その現像カートリッジ7の種別を判別することができる。
5.作用効果
(1)この現像カートリッジ7によれば、図2および図3に示すように、入力ギヤ45が右壁41に設けられる一方、被検知回転体50が左壁42に設けられている。そして、入力ギヤ45に入力された駆動力を、アジテータ16を介して、被検知回転体50に伝達することができる。
【0122】
そのため、入力ギヤ45と被検知回転体50とを、互いに別の側壁(右壁41と左壁42)に配置することができ、その分、右壁41および左壁42の面積を小さくすることができる。
【0123】
その結果、現像カートリッジ7を小型化することができる。
【0124】
また、アジテータ16を利用して入力ギヤ45から被検知回転体50へ駆動力を伝達することができ、部品点数を低減することができる。
【0125】
また、図3、図9、図13に示すように、被検知回転体50は、入力ギヤ45が受ける駆動力がアジテータ16を介して伝達されることにより、左壁42から左側に向かって進出し、さらに回転すると、左壁42に対して右側に向かって退避する。
【0126】
そのため、被検知回転体50が最外位置(図9参照)に進出されているときに、被検知回転体50を本体ケーシング2の光センサ92に容易に検知させることができながら、被検知回転体50が内側に退避されているときには、被検知部70が外部の部材との衝突などにより破損されることを防止できる。
(2)また、この現像カートリッジ7によれば、図3、図9および図13に示すように、被検知回転体50は、被検知部70と左壁42との左右方向距離が第1距離D1となる第1位置(図3参照)から、被検知部70と左壁42との左右方向距離が第1距離D1よりも大きい第2距離D2となる第2位置(図9参照)を経て、第2位置から、被検知部70と左壁42との左右方向距離が第2距離D2よりも小さい第3距離D3となる第3位置に移動するように構成されている。
【0127】
そのため、被検知回転体50が第2位置に進出されているとき(図9参照)に、被検知回転体50を本体ケーシング2の光センサ92に容易に検知させることができながら、被検知回転体50が第1位置に配置されているとき(図3参照)、または、被検知回転体50が第3位置に退避されているとき(図13参照)には、被検知部70が外部の部材との衝突などにより破損されることを防止できる。
(3)また、この現像カートリッジ7によれば、図3および図13に示すように、第1距離D1と第3距離D3とが等しい。
【0128】
そのため、被検知回転体50を、第3位置に退避させたときに、第1位置と同じ位置まで退避させることができる。
【0129】
その結果、被検知回転体50が第1位置にあるときと、第3位置にあるときとで、現像カートリッ7ジのサイズに変更を生じることがなく、現像カートリッジ7を小型化することができる。
(4)また、この現像カートリッジ7によれば、図6および図8に示すように、被検知回転体50は、左壁42の摺動部79の傾斜面80上を支持部75が摺動することにより、回転方向Rの回転が進むに従って左壁42から離れるように、その中心軸線681に沿って第2位置へ移動される。
【0130】
そのため、摺動部79の傾斜面80によって、被検知回転体50の回転運動を、被検知回転体50の中心軸線681に沿った運動に変換して、被検知回転体50を第1位置から第2位置まで確実に進出させることができる。
(5)また、この現像カートリッジ7によれば、図4に示すように、摺動部79は、傾斜面80から回転方向Rの下流側に連続し、左壁42と平行な平行面81を有している。
【0131】
そのため、被検知回転体50が平行面81に当接している間、被検知回転体50の位置を第2位置に保持することができる。
(6)また、この現像カートリッジ7によれば、図7に示すように、被検知回転体50は、その周面の一部を欠け歯部分78として、周面における欠け歯部分78以外の部分に形成され、被検知回転体50が第1位置から第3位置に移動する間、アジテータ16の第2アジテータギヤ65と噛合するギヤ歯77を有している。
【0132】
そのため、被検知回転体50が第1位置から第3位置に移動する間、アジテータ16からの駆動力を、第2アジテータギヤ65を介して被検知回転体50に伝達することができる。
【0133】
また、被検知回転体50が第3位置に移動すると、被検知回転体50の欠け歯部分78が第2アジテータギヤ65に対向し、被検知回転体50のギヤ歯77と、第2アジテータギヤ65のギヤ歯66との噛合が解除される。
【0134】
そのため、被検知回転体50が第3位置に移動した後は、第2アジテータギヤ65の回転に関係なく、被検知回転体50が静止した状態を維持することができる。
(7)また、この現像カートリッジ7によれば、図3に示すように、被検知回転体50を左壁42に向けて付勢するコイルばね146を備えている。
【0135】
このような構成によれば、コイルばね146という簡易な構成により、被検知回転体50を左壁42に向けて付勢することができる。
【0136】
そのため、被検知回転体50を第2位置から第3位置に確実に移動させることができる。
(8)また、この現像カートリッジ7によれば、図3、図9および図13に示すように、被検知回転体50を覆う検知側ギヤカバー90を備えている。そして、被検知回転体50が第1位置および第3位置に位置するときには、被検知部70が検知側ギヤカバー90内に配置され、被検知回転体50が第2位置に位置するときには、被検知部70が開口89を介して検知側ギヤカバー90外に露出される。
【0137】
そのため、被検知回転体50を検知側ギヤカバー90によって覆うことができ、被検知回転体50が外部の部材との衝突などにより破損されることを確実に防止できる。
【0138】
また、被検知回転体50が第2位置に位置する状態において、本体ケーシング2の光センサ92により被検知回転体50を確実に検知することができる。
6.変形例
(1)変形例1
前述の実施形態に係る構成では、被検知回転体50は、コイルばね146によって左壁42へ向かって付勢されている。
【0139】
しかし、被検知回転体50は、図14に示すように、例えば、線ばね84によって左壁42へ向かって付勢されてもよい。
【0140】
詳しくは、被検知回転体50は、被検知部70に連続して、第1被押圧部72および第2被押圧部73を備えている。
【0141】
第1被押圧部72は、側面視において、被検知部70から被検知回転体50の回転方向Rの下流側に向かって直線状に延び、先端部がその直線状部分に対して中心軸線681側に斜めに屈曲した形状をなしている。
【0142】
第2被押圧部73は、中心軸線681を中心として第1被押圧部72と180°回転対称となる位置に配置されている。第2被押圧部73は、側面視において、第1被押圧部72の直線状部分と平行に延びる直線状部分を有している。
【0143】
そして、左壁42の外側面には、被検知回転体50の前方において、円柱状の突出部の一例としてのボス83が突出して形成されている。ボス83には、付勢部材の一例としての線ばね84が巻回されている。線ばね84の一端部は、被検知回転体50の欠け歯ギヤ部69の外側に向けて延び、途中部がクランク状に屈曲して、その先端部が欠け歯ギヤ部69の左端面に当接している。また、左壁42の外側面には、ボス83の前下方において、円柱状のボス85が突出して形成されている。線ばね84の一端部は、ボス85に対して前側から係止している。
【0144】
そして、被検知回転体50が第1位置に配置されているとき(図3参照)には、線ばね84が、被検知回転体50の欠け歯ギヤ部69の左端面に当接し、欠け歯ギヤ部69を左壁42側に押圧するとともに、第1被押圧部72に前側から当接し、第1被押圧部72を後方へ押圧する。
【0145】
また、被検知回転体50が第3位置に配置された後には、線ばね84が、被検知回転体50の欠け歯ギヤ部69の左端面に当接し、欠け歯ギヤ部69を左壁42側に押圧するとともに、第2被押圧部73に前側から当接し、第2被押圧部73を後方へ押圧する。
【0146】
これにより、被検知回転体50の回転位置がギヤ歯77とギヤ歯66との噛合が解除された時の回転位置に保持され、被検知回転体50は、第2アジテータギヤ65の回転と無関係に静止し続ける。
【0147】
変形例1においても、前述の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(2)変形例2
前述の実施形態に係る構成では、被検知回転体50が第1位置に位置するときの被検知部70の先端と左壁42との間の左右方向の距離D1(図3参照)と、被検知回転体50が第3位置に位置するときの被検知部70の先端と左壁42との間の左右方向の距離D3(図13参照)とが等しい。しかしながら、距離D3は、被検知回転体50が第2位置に位置するときの被検知部70の先端と左壁42との間の左右方向の距離である距離D2(図9参照)よりも小さければ、距離D1より大きくてもよいし、小さくてもよい。
(3)変形例3
前述の実施形態に係る構成では、被検知回転体50が第1位置および第3位置に位置している状態において、被検知部70の先端が、検知側ギヤカバー90の左面とほぼ面一となる位置に配置される。しかしながら、被検知回転体50が第1位置および第3位置に位置している状態において、被検知部70の先端は、検知側ギヤカバー90内に完全に没入していてもよいし、検知側ギヤカバー90から少し突出していてもよい。
(4)変形例4
左壁42の外側に検知側ギヤカバー90が取り付けられているとしたが、検知側ギヤカバー90は、左壁42に含まれてもよい。すなわち、左壁42は、側壁本体と検知側ギヤカバー90とにより構成される概念であってもよい。この場合、被検知回転体50は、側壁本体に取り付けられてもよいし、検知側ギヤカバー90に取り付けられてもよい。
(5)変形例5
摺動部79の左端面が左壁42と平行な平行面のみからなり、被検知回転体50の支持部75に代えて、欠け歯ギヤ部69の右端面に、中心軸線681を中心とする円弧状の支持部が形成されて、その支持部の右端面に、被検知回転体50の回転方向Rの下流側ほど左壁42から離れるように傾斜した傾斜面が形成されてもよい。この構成においても、被検知回転体50の回転に伴って、被検知回転体50を第1位置から第3位置まで移動させることができる。
(6)変形例6
前述の実施形態に係る構成では、被検知回転体50が欠け歯ギヤ部69を有し、左壁42と被検知回転体50との間に摺動部79が設けられている。そして、第2アジテータギヤ65から欠け歯ギヤ部69に駆動力が伝達され、被検知回転体50の回転に伴って、被検知部70が回転方向Rに移動しつつ進出および退避する。この構成に代えて、図15および図16に示す構成が採用されてもよい。
【0148】
具体的に、図16に示すように、左壁42の外側に、検知回転体の一例としての欠け歯ギヤ101および被検知体102が設けられている。
【0149】
欠け歯ギヤ101は、図3に示される被検知回転体50と同じ位置、つまり第2アジテータギヤ65(図3参照)の前方に配置されている。欠け歯ギヤ101は、左右方向に延びる回転軸103の第3軸線の一例としての中心軸線104を中心に回転可能に設けられている。回転軸103は、左壁42に回転不能に保持されている。
【0150】
そして、欠け歯ギヤ101は、ほぼ半円板状をなし、その周面にギヤ歯105を有している。より具体的には、欠け歯ギヤ101は、中心角が約205°をなす側面視扇形の板状をなしている。そして、その周面において、平面状の部分を欠け歯部分106として、その欠け歯部分106以外の円弧状部分に、ギヤ歯105が形成されている。ギヤ歯105は、欠け歯ギヤ101の回転位置によって、第2アジテータギヤ65と噛合する。
【0151】
欠け歯ギヤ101の左面(外側面)には、摺動部107が一体的に形成されている。摺動部107は、欠け歯ギヤ101の第2方向の一例としての回転方向Rの上流側ほど欠け歯ギヤ101の左端面(左壁42)から離れるように傾斜した傾斜面108と、その傾斜面108から回転方向Rの上流側に連続し、欠け歯ギヤ101の左端面(左壁42)と平行な平行面109を有している。
【0152】
被検知体102は、回転軸103に支持されて、左右方向に移動可能に設けられている。被検知体102は、円板状の本体110と、本体110の左端面(外側面)に立設された挿通ボス111および被検知部112と、本体110の右端面(内側面)に立設された支持部113とを一体的に有している。
【0153】
挿通ボス111は、本体110と中心軸線が一致する円筒状をなしている。被検知体102は、回転軸103が挿通ボス111に遊嵌状態で挿通されることにより、回転軸103に沿って移動可能に設けられている。
【0154】
被検知部112は、本体110の左端面において、左右方向および本体110の径方向に延びる板状をなしている。そして、被検知部112は、前側ほど左側に位置するように傾斜する傾斜面112Aを有する平面視台形状に形成されている。
【0155】
支持部113は、本体110の右端面において、左右方向および本体110の径方向に延びる矩形板状をなしている。
【0156】
そして、図15に示されるように、駆動側ギヤカバー86には、図2に示される開口89に代えて、被検知部112と対向する位置に矩形状の開口114が形成されている。
【0157】
新品の現像カートリッジ7では、図16に示されるように、被検知体102の支持部113が、摺動部107の傾斜面108よりも回転方向Rの下流側において、欠け歯ギヤ101の左端面に当接している。また、欠け歯ギヤ101のギヤ歯105の歯列における回転方向Rの最下流側のギヤ歯105が、第2アジテータギヤ65のギヤ歯66と噛合している。さらに、被検知部112は、検知側ギヤカバー90内に収容され、開口114から突出していない。
【0158】
このときの被検知体102の左右方向の位置が、初期位置である第1位置の一例である。また、このときの被検知部112の先端と左壁42との間の左右方向の距離D1(図3参照)が、第1距離の一例である。
【0159】
新品の現像カートリッジ7では、第2アジテータギヤ65のギヤ歯66と被検知回転体50のギヤ歯77とが噛合しているので、レーザプリンタ1のウォームアップ動作が開始されて、第2アジテータギヤ65が回転すると、その回転に従動して、欠け歯ギヤ101が回転方向Rに回転する。欠け歯ギヤ101の回転により、被検知体102の支持部113は、欠け歯ギヤ101の左端面上を傾斜面108に向かって摺動し、さらに傾斜面108上を平行面109に向かって摺動する。これにより、被検知体102は、左方に徐々に移動する。そのため、被検知部112は、回転方向に位置を変えずに、左方に徐々に進出し、その先端部が検知側ギヤカバー90の開口114を介して外側に突出する。
【0160】
そして、欠け歯ギヤ101の回転が進み、支持部113が平行面109上に移ると、被検知部112の先端と左壁42との間の左右方向の距離が最大となり、被検知体102の位置が第2位置となる。
【0161】
その後、欠け歯ギヤ101の回転がさらに進むと、支持部113が平行面109上から欠け歯ギヤ101の左端面上に脱落する。すると、コイルばね146(図3参照)の付勢により、被検知体102は、右方へ一気に移動する。その結果、被検知部112が右方へ退避し、それらの先端が検知側ギヤカバー90内に没入して、被検知体102の位置が第3位置となる。
【0162】
被検知体102は、被検知部112の先端と左壁42との間の左右方向の距離が最大となったときに、本体ケーシング2内に設けられた検知部材(図示せず)により検知される。本体ケーシング2内には、アクチュエータを挟むように互いに対向して配置される発光素子および受光素子を有する光センサが設けられている。アクチュエータは、本体ケーシング2内において、被検知部112と左右方向に対向する位置に、左右方向に延びる軸線まわりに揺動可能に設けられている。被検知体102の位置が第1位置から第2位置に変位する途中で、被検知部112の傾斜面112Aがアクチュエータに当接する。その後、被検知部112の移動に伴って、アクチュエータが傾斜面112Aにより押され、アクチュエータが被検知部112から逃げるように後方に移動する。そして、被検知部112の先端と左壁42との間の左右方向の距離が最大となると、発光素子から受光素子に至る光路上にアクチュエータが配置され、その光路がアクチュエータにより遮られる。これにより、光センサによる被検知体102の検知が達成される。
【0163】
図15、16に示される構成においても、前述の実施形態と同様な作用効果を奏することができる。
【0164】
なお、被検知体102の支持部113が、左右方向および本体110の径方向に延びる矩形板状をなし、欠け歯ギヤ101の摺動部107が、傾斜面108および平行面109を有している構成を取り上げた。しかしながら、支持部113が、欠け歯ギヤ101の回転方向Rの上流側ほど被検知体102の本体110の右端面から離れるように傾斜した傾斜面と、その傾斜面から回転方向Rの上流側に連続し、本体110の右端面と平行な平行面とを有する形状に形成され、欠け歯ギヤ101の摺動部107が、左右方向および欠け歯ギヤ101の径方向に延びる矩形板状に形成されてもよい。
(7)変形例7
前述の実施形態に係る構成では、被検知回転体50に、欠け歯ギヤ部69が備えられ、その欠け歯ギヤ部69の外周面に、ギヤ歯77が形成されている。しかしながら、欠け歯ギヤ部69に代えて、たとえば、図17に示すように、被検知回転体50の回転軸68を中心とする扇形板状の本体171と、少なくとも外周面がゴムなどの摩擦係数が比較的大きい材料により形成され、本体171の外周に巻回される抵抗付与部材172とが設けられてもよい。この場合、第2アジテータギヤ65の周面には、ギヤ歯66が形成されていてもよいし、ギヤ歯66が形成されていなくてもよい。そして、本体171および抵抗付与部材172は、抵抗付与部材172の外周面において径方向の内側に入り込んだ部分172Bが第2アジテータギヤ65と接触せず、その外周面における円弧面172Aが第2アジテータギヤ65の周面と接触するサイズに形成される。
(8)変形例8
前述の実施形態に係る構成では、被検知回転体50において、被検知部70が、欠け歯ギヤ部69の左端面に立設されている。しかしながら、図18に示されるように、被検知部70は、一体をなして、欠け歯ギヤ部69とは別体に形成され、欠け歯ギヤ部69に対して一体的に回転可能なように(相対回転不能に)結合されていてもよい。
【0165】
この場合、たとえば、被検知部70に2つのボス181が形成され、これに対応して、欠け歯ギヤ部69に2つの凹部182が形成される。そして、各ボス181が凹部182にはめ込まれることにより、その一体部材と欠け歯ギヤ部69とが一体的に回転可能なように結合される。
(9)変形例9
前述の実施形態に係る構成では、左壁42および右壁41が、それぞれ前後方向に延びている。しかしながら、たとえば、図19に示されるように、左壁42が前後方向に対して交差する方向に延びていてもよい。この場合、左壁42と右壁41との対向方向は、左右方向、つまり右壁41と直交する方向であってもよく、入力ギヤ45は、左右方向に延びる中心軸線511を中心に回転可能なように設けられていてもよい。また、左壁42と右壁41との対向方向は、右壁41と直交する方向であってもよく、入力ギヤ45は、その方向に延びる中心軸線511を中心に回転可能なように設けられていてもよい。
(10)変形例10
さらに、左壁42および右壁41がそれぞれ前後方向に延びる構成において、左壁42と右壁41との対向方向は、左右方向、つまり左壁42および右壁41と直交する方向に限らず、左壁42の任意の一部と右壁41の任意の一部が対向する方向を含む。すなわち、図20に示されるように、左壁42と右壁41との対向方向は、左右方向に対して傾斜する方向を含み、入力ギヤ45は、その方向に延びる中心軸線511を中心に回転可能なように設けられていてもよい。
(11)変形例11
以上、本発明の実施形態およびその変形例について、本発明が現像カートリッジ7に適用された場合を例にとって説明した。しかしながら、本発明は、現像カートリッジ7に限らず、現像ローラ18を含まない構成、すなわち、筐体内にトナーのみまたはトナーおよびアジテータを収容するトナーカートリッジなど、現像カートリッジ以外のカートリッジに適用されてもよい。
【符号の説明】
【0166】
7 現像カートリッジ
13 筐体
16 アジテータ
17 アジテータ回転軸線
41 右壁
42 左壁
45 入力ギヤ
50 被検知回転体
65 第2アジテータギヤ
73 第2被押圧部
77 ギヤ歯
78 欠け歯部分
79 摺動部
80 傾斜面
81 平行面
83 ボス
84 線ばね
86 ギヤカバー
101 欠け歯ギヤ
102 被検知体
104 中心軸線
106 欠け歯部分
511 中心軸線
681 中心軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収容するための現像剤収容部を有し、前記現像剤収容部を挟んで互いに対向配置される第1側壁および第2側壁を含む筺体と、
前記第1側壁および前記第2側壁の対向方向に延びる第1軸線を中心に回転可能に構成され、前記第1側壁に対して前記現像剤収容部の反対側に配置され、外部からの駆動力を受けるための受動部材と、
前記第1側壁と前記第2側壁との間において前記第1軸線と平行に延びる第2軸線を中心に回転可能に配置され、前記受動部材が受ける駆動力により回転するように構成された回転部材と、
前記第2側壁に対して前記現像剤収容部の反対側に配置され、外部の検知部材により検知されるための被検知部を有する被検知体とを備え、
前記被検知体は、前記受動部材が受ける駆動力が前記回転部材を介して伝達されることにより、前記第2側壁に対して前記対向方向の外側に向かって進出し、さらに前記第2側壁に対して前記対向方向の内側に向かって退避するように構成された、カートリッジ。
【請求項2】
前記被検知体は、前記第1軸線と平行な移動方向に往復移動可能に構成されており、
前記被検知体は、前記被検知部と前記第2側壁との間の前記移動方向の距離が第1距離となる第1位置から、前記被検知部と前記第2側壁との間の前記移動方向の距離が前記第1距離よりも大きい第2距離となる第2位置を経て、前記第2位置から、前記被検知部と前記第2側壁との間の前記移動方向の距離が前記第2距離よりも小さい第3距離となる第3位置に移動するように構成された、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記第1距離と前記第3距離とが等しい、請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記被検知体は、前記第1軸線と平行に延びる第3軸線を中心に回転可能に構成され、第1方向の回転により前記第1位置から前記第2位置を経て前記第3位置に移動するように構成され、
前記第2側壁は、前記被検知体が前記第1位置から前記第3位置に移動する間に、前記被検知体の当接部が摺動するように構成された摺動部を有し、
前記当接部および前記摺動部の一方は、前記第1方向の下流側ほど前記第2側壁から離れるように傾斜した傾斜面を有している、請求項2または3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記傾斜面を有する前記当接部または前記摺動部は、前記傾斜面から前記第1方向の下流側に連続し、前記第2側壁と平行な平行面を有している、請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記回転部材から受ける駆動力を前記被検知体に伝達するための伝達ギヤを備えており、
前記被検知体は、前記第3軸線を中心とする周面を有し、
前記被検知体は、前記周面の一部を欠け歯部分として、前記周面における前記欠け歯部分以外の部分に形成され、前記被検知体が前記第1位置から前記第3位置に移動する間、前記伝達ギヤと噛合するギヤ歯を含む、請求項4または5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記被検知体を前記第2側壁に向けて付勢するように構成された付勢部材をさらに備える、請求項4〜6のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記第2側壁は、前記対向方向に突出するとともに前記移動方向に延びる突出部を備え、
前記付勢部材は、前記突出部に巻回され、一端部が前記被検知体に対して前記第2側壁と反対側から当接する線ばねである、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記被検知体は、当該被検知体が前記第3位置に位置するときに、前記線ばねの前記一端部が前記第1方向に当接する被付勢面を有する、請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記第2側壁に対して前記現像剤収容部と反対側において前記第2側壁に取り付けられ、側壁本体と、前記側壁本体に対して前記対向方向の外側に取り付けられ、前記被検知体を覆うカバーを備え、
前記付勢部材は、前記被検知体と前記カバーとの間に介在され、前記被検知体に当接するコイルばねである、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記第1軸線と平行に延びる第3軸線を中心に回転可能に構成され、前記第2側壁に対して前記現像剤収容部の反対側に配置され、前記受動部材が受ける駆動力により第2方向に回転するように構成された検知回転体を備え、
前記被検知体は、前記第3軸線に沿って移動方向に往復移動可能かつ前記第3軸線まわりの姿勢を維持するように構成されており、
前記検知回転体は、前記被検知体が前記第1位置から前記第3位置に移動する間に前記被検知体の当接部が摺動して、前記第2方向の上流側ほど前記第2側壁から離れるように傾斜した傾斜面を有する、請求項2または3に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記検知回転体は、前記傾斜面から前記第2方向の上流側に連続し、前記第2側壁と平行な平行面を有する、請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記回転部材から受ける駆動力を前記検知回転体に伝達するための伝達ギヤを備え、
前記検知回転体は、前記第3軸線を中心とする周面の一部を欠け歯部分として、当該周面における前記欠け歯部分以外の部分に形成され、前記被検知体が前記第1位置から前記第3位置に移動する間、前記伝達ギヤと噛合するギヤ歯を有している、請求項11または12に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記被検知体を前記第2側壁に向けて付勢する付勢部材をさらに備える、請求項11〜13のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記第2側壁は、前記対向方向に突出するとともに前記移動方向に延びる突出部を備えており、
前記付勢部材は、前記突出部に巻回され、一端部が前記被検知体に対して前記第2側壁と反対側から当接する線ばねである、請求項14に記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記第2側壁に対して前記現像剤収容部と反対側において前記第2側壁に取り付けられ、前記被検知体を覆うカバーを備え、
前記付勢部材は、前記被検知体と前記カバーとの間に介在され、前記被検知体に当接するコイルばねである、請求項14に記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記第2側壁に対して前記現像剤収容部と反対側において前記第2側壁に取り付けられ、前記被検知体を覆うカバーを備え、
前記被検知体が前記第1位置および前記第3位置に位置するときには、前記被検知部が前記カバー内に配置され、前記被検知体が前記第2位置に位置するときには、前記被検知部が前記カバー外に露出するように構成された、請求項2〜16のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記回転部材は、前記現像剤収容部の現像剤を攪拌するアジテータであり、
前記第1側壁と前記第2側壁との間に、前記第1軸線と間隔を空けて平行に延びる第4軸線を中心に回転可能に配置され、前記受動部材が受ける駆動力により回転するように構成された現像ローラをさらに備える、請求項1〜17のいずれか一項に記載のカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−54063(P2013−54063A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190042(P2011−190042)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】