説明

カートン搬送装置

【課題】筒状のカートンを高速で受け取っても適正な位置及び状態で移送し得るカートン搬送装置を提供する。
【解決手段】カートン3を下流側に向けて下り傾斜で押送するよう押送部材23を無端ベルト15に配設したコンベヤ12と、コンベヤ12に交差して、無端ベルト19,22に配設した前後一対の支持部材24,25でカートン3を水平方向に移送するコンベヤ16と、カートン3のコンベヤ12,16からの浮き上がりを規制するガイド部材29,30を備え、コンベヤ12からコンベヤ16への受け渡しに際し、コンベヤ12による押送によってカートン3の前方をコンベヤ16における前側の支持部材24に当接させ、両コンベヤ12,16の走行に伴い、コンベヤ16の後側の支持部材25がカートン3の後方に至ることで、下り傾斜の所定位置で、押送部材23による押送から両支持部材24,25による支持に移行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば扁平状に折り畳まれたカートンを集積部から取り出して筒状に開口された筒状のカートンを移送するカートン搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
扁平状に折り畳まれて集積されたカートンを集積部から一つずつ取り出して筒状に開口し、該開口したカートン内に物品を収容するカートナが知られている。特許文献1には、扁平状に集積されたカートンが、回転体に配設された複数の吸着部で一つずつ取り出され、筒状に成形された後、カートン搬送装置に供給され、カートン搬送装置で移送方向へ並設された一組の両連行体間に筒状のカートンが載置されて移送される技術が開示されている。この技術は特にカートンの開口及び搬送装置への供給を高速で行うことができる点で有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3095770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、カートンの開口及び搬送装置への供給を高速で行う程、筒状のカートンを回転体から離すタイミングが限られるため、カートンが一組の両連行体間に放り出されるように載置され、カートンが一組の両連行体間の適正な位置からずれて載置されてしまうおそれがある。例えば、一組の両連行体のうち後続の連行体が大きく傾斜している状態でカートンが搬送装置に放り出されると、カートンの角が後続の連行体に当たるおそれがあるため、カートンが傾いた状態で載置され得る。また、後続の連行体を起立させて先行の連行体と略平行にした状態でカートンが搬送装置に放り出されると、カートンが後続の連行体或いは先行の連行体の先端に当接して傾いた状態で載置され得る。このように傾いたカートンに対しては後工程で物品をプッシャ等で押送して詰め込む作業を円滑に行うことができなくなるおそれがある。また、カートンのパネル側面が連行体に当接することによって傷付いてしまう。
【0005】
本発明は、筒状のカートンを高速で受け取っても適正な位置及び状態で移送し得るカートン搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明に係るカートン搬送装置は、カートン供給手段から受け取った筒状のカートン3を移送方向下流側に向けて下り傾斜で押送するよう押送部材23を無端索体15に所定間隔毎に配設した上流コンベヤ12と、上流コンベヤ12における傾斜した移送方向下流側で交差して移送方向と同方向に延びており、無端索体19,22に所定間隔毎に配設した前後一対の支持部材24,25で前記カートン3を水平方向に移送する下流コンベヤ16と、前記両コンベヤ12,16の交差位置Pから上流コンベヤ12の移送方向下流側に向けた所定範囲に亘りカートン3のコンベヤ12,16からの浮き上がりを規制するガイド部材29,30を備えている。上流コンベヤ12から下流コンベヤ16への受け渡しに際し、上流コンベヤ12による押送によってカートン3の前方を下流コンベヤ16における前側の支持部材24に当接させ、両コンベヤ12,16の走行に伴い、下流コンベヤ16の後側の支持部材25がカートン3の後方に至ることで、下り傾斜の所定位置で、該押送部材23による押送から両支持部材24,25による支持に移行する。
【0007】
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明において、前記ガイド部材29,30は、前記筒状のカートン3の底面のパネル8bから左右両側に延出したフラップ10の上方に対向するように配設されている。
【0008】
請求項1または請求項2の発明を前提とする請求項3の発明において、前記下流コンベヤ16は、前側の支持部材24と後側の支持部材25とが別々に異なる無端索体19,22に所定間隔毎に配設されており、両支持部材24,25の間でカートン3を支持し得るようにこれらの無端索体19,22が前記上流コンベヤ12の無端索体15と同速に設定されている。
【0009】
請求項3の発明を前提とする請求項4の発明において、前記下流コンベヤ16は、前記上流コンベヤ12を挟む両側に前記夫々の無端索体19,22を備えている。
請求項4の発明を前提とする請求項5の発明において、前記上流コンベヤ12の無端索体15の走行路15aにおける左右両側に、上方から供給された筒状のカートン3を載置し得るカートン受け26を配設している。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明では、上流コンベヤにおいてカートンの後側のみに押送部材が当接して、カートンを移送方向下流側に移送する構成であることから、例えば、高速処理等によって、筒状のカートンの供給位置が移送方向に多少ずれても、所定間隔毎に配設された押送部材の各移動に合わせてカートンを移送方向下流側に移送することができ、また、カートンが傾いた状態で移送されることをほぼ無くすことができる。
【0011】
また、移送方向下流側で下るように傾斜させた上流コンベヤの走行路を下流コンベヤの走行路に交差させ、筒状のカートンをその交差位置より移送方向上流側の移換位置までは、押送部材が押して移送し、移換位置以降からは、常に、前後一対の支持部材がカートンを挟持して移送する構成であることから、筒状のカートンの開口状態を維持しながら、搬入移送コンベヤから搬出移送コンベヤヘカートンを支障なく受け渡すことができる。
【0012】
更に、前記両コンベヤの交差位置から上流コンベヤの移送方向下流側に向けた所定範囲に亘りガイド部材がカートンのコンベヤからの浮き上がりを規制することができる。
このような構成にすることによって、筒状のカートンを高速処理する際に適正な位置及び状態で移送することができる。
【0013】
請求項2の発明では、ガイド部材がカートンの底面のパネルから延出されたフラップの浮き上がりを規制してカートンの浮き上がりも規制するので、カートンのサイズの変更毎にガイド部材の高さを変更する必要がない点や、カートンのパネルがガイド部材により傷付かない点で有効である。
【0014】
請求項3の発明では、前側の支持部材と後側の支持部材とが異なる無端索体に配設されていることから、カートンのサイズ変更に伴うように、前側の支持部材が配設された無端索体の位置をずらすだけで、押送部材や後側の支持部材が配設された各無端索体によって、前後一対の支持部材の間にカートンを支障なく支持して移送することができる。なお、各無端索体を同速に設定するだけで、センサを用いた各無端索体のタイミング調整を図ることなく、また、該タイミング調整が不要なことから、簡素な構成で、各無端索体を連続して動かし続けることができ、単一のモータで動かすことができる。
【0015】
請求項4の発明では、上流コンベヤを挟む両側に配設された下流コンベヤの夫々の無端索体により、特に、カートンを上流コンベヤから下流コンベヤに受け渡す時、カートンが外力を受けても、前後の支持部材がカートンの左右両側をバランス良く支持していることから、カートンが左右いずれかに傾くことがない。
【0016】
請求項5の発明では、カートン供給手段から上流コンベヤに載置されるカートンは、カートン受けに静止状態で載置されて、その後、押送部材で移送されることから、上流コンベヤによって左右いずれかに傾くことがない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)はカートン搬送装置及びカートン開口逆折装置を側面側から見た略体図であり、(b)は集積部で扁平状に折り畳まれたカートンを示す底面図であり、(c)は同じく正面図であり、(d)は開口されたカートンを示す斜視図である。
【図2】カートン搬送装置を平面側から見た略体図である。
【図3】(a)は図2のA−A線における部分断面図であり、(b)は図2のB−B線における部分断面図であり、(c)は図2のC−C線における部分断面図である。
【図4】(a)(b)(c)は夫々カートンの移送過程を示す作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1(a)に示すようにカートン搬送装置1の上方に設置された開口逆折装置2(カートン供給手段)は、図1(b)(c)に示すように扁平状に折り畳まれたカートン3が集積部4に積層され、自転しながら公転する回転体5に均等に配設された各吸着部6が、カートン3を吸着保持して集積部4から取り出し、カートン搬送装置1へ移送する過程でカートン3を押接部材7に押し当てて逆折りした後に、図1(d)に示すように開口するようになっている。開口状態のカートン3は、互いに対向する第1のパネル8a及び第3のパネル8bと互いに対向する第2のパネル8c及び第4のパネル8dとからなる直方体形状の筒体8と、第1及び第3のパネル8a,8bの長手方向両側端縁から突出する上下の第1のフラップ9,10と、第2及び第4のパネル8c,8dの長手方向両側端縁から突出する前後の第2のフラップ11とを備えている。
【0019】
図1(a)及び図2に示すように、カートン搬送装置1は、駆動プーリ13と従動プーリ14との間で掛け渡された単一の搬入無端ベルト15(無端索体)を有する上流コンベヤ12と、上流コンベヤ12の移送方向(前後方向)における下流側を挟むように上流コンベヤ12の左右両側に延設された下流コンベヤ16とを備えている。下流コンベヤ16は一対の第1コンベヤ17と一対の第2コンベヤ20とを備え、夫々のコンベヤ17,20の搬出無端ベルト19,22(無端索体)は駆動プーリ(不図示)と各従動プーリ18との間で掛け渡されている。上流コンベヤ12と第1コンベヤ17と第2コンベヤ20は共通の駆動モータ(不図示)により駆動され、搬入無端ベルト15及び各搬出無端ベルト19,22は何れも同じ所定の速度で回転する。
【0020】
搬入無端ベルト15の外周となる搬入走行面15aには押送部材23が所定間隔毎に配設され、各搬出無端ベルト19の外周となる搬出走行面19aには前側の支持部材24が所定間隔毎に配設され、各搬出無端ベルト22の外周となる搬出走行面22aには後側の支持部材25が所定間隔毎に配設されている。搬入無端ベルト15上の搬入走行面15a(走行路)が移送方向下流側ほど下るように傾斜していることから、図4に示すように、その搬入走行面15a(走行路)と各搬出無端ベルト19上の搬出走行面19a,22a(走行路)とは交差位置Pで鈍角θをなして交差している。
【0021】
図1(a)及び図2に示すように、前記交差位置Pより移送方向上流側で傾斜する搬入無端ベルト15上の搬入走行面15a(走行路)を挟む左右両側にはカートン受け26が配設されている。カートン受け26は、図3(a)(b)に示すように、搬入無端ベルト15の左右両端縁に近接して移送方向へ延設された載置腕部27と載置板部28とからなる。載置腕部27上の載置面27aは載置板部28上の載置面28aや搬入無端ベルト15上の搬入走行面15aより若干上方に配置されている。
【0022】
上流コンベヤ12及び下流コンベヤ16の左右両側にはガイド部材29,30が配設されている。ガイド部材29,30は、前記交差位置Pより移送方向上流側で傾斜する搬入無端ベルト15に沿って延設され、交差位置Pより移送方向下流側で搬出無端ベルト19,22に沿って延設されている。一方のガイド部材29の下側にあるガイド面29cは、始端部29aから移送方向の全長にわたり終端部29bまで延び、図3(a)(b)(c)に示すように載置腕部27上の載置面27aと略同一高さで形成されている。他方のガイド部材30の下側にあるガイド面30cは、始端部30aから移送方向の全長にわたり終端部30bまで延び、始端部30aから前記交差位置Pの付近までは図3(a)(b)に示すように載置腕部27上の載置面27aと略同一高さで形成されている。前記交差位置Pの付近から終端部30bまでは、図3(c)に示すように、第1のフラップ9,10を序々に上下に広げるように幅広の板材30eが取着されている。板材30eの上側にもガイド面30dが形成されている。上側のガイド面30dと下側のガイド面30cとの間で板材30eには図1に示すようにU状の挿脱口30fが形成されており、図2に示すようにカートン搬送装置1の側方から物品35がプッシャ36によってカートン3内に押し込まれるようになっている。
【0023】
さて、開口逆折装置2によりカートン3が開口された状態で上流コンベヤ12へ移送されると、カートン3の第3のパネル8bがガイド部材29,30の始端部29a,30aより移送方向上流側で図3(a)と同様に搬入走行面15aや載置面28aに面してカートン受け26の載置面27aに載置される。カートン3は搬入無端ベルト15の押送部材23で押されるまで待機する。カートン3の第4のパネル8dが搬入無端ベルト15の押送部材23で押されると、図3(a)に示すように第3のパネル8bが該載置面27aで移送方向下流側(前方)へ摺動しながら、カートン3の底面側にある第3のパネル8bから左右両側に延出した下側の第1のフラップ10が、第1のフラップ10の上方に対向するように配設されたガイド部材29,30の始端部29a,30aからガイド面29c,30cの下側に入り込み、カートン3の浮き上がりが規制される。
【0024】
その後、図4(a)に示すように、前記交差位置Pより移送方向上流側(後方)でカートン3の第2のパネル8cが両第1コンベヤ17の前側の支持部材24に当接し始める。
次に、図4(b)に示すように、両第2コンベヤ20の後側の支持部材25もカートン3の第4のパネル8dに当接し始め、図2及び図4(b)の移換位置Q(下り傾斜の所定位置)でカートン3が押送部材23と前側の支持部材24との間で挟持されると同時に後側の支持部材25と前側の支持部材24との間で挟持される。
【0025】
搬入無端ベルト15が水平な各搬出無端ベルト19,22の下方に移動し、且つ、搬入無端ベルト15及び各搬出無端ベルト19,22が同じ速度で回転することから、移換位置Q以降は、押送部材23が後側の支持部材25より後方へ徐々に遅れて、押送部材23による押送から両支持部材24,25による支持に移行する。その移行時に、カートン3の第3のパネル8bの前側のみが搬入無端ベルト15上から離れて各搬出無端ベルト19,22上に載置されると、両コンベヤ12,16の交差位置Pの付近では、搬入無端ベルト15上に載置されたままの第3のパネル8bの後側と、搬出無端ベルト19,22に載置されたその第3のパネル8bの前側との間の第3のパネル8bは、搬入無端ベルト15及び各搬出無端ベルト19,22との間に隙間が生じるように離されている。そのため、前述したように、交差位置Pから上流コンベヤ12の移送方向下流側に向けた所定範囲に亘り、カートン3のコンベヤ12,16からの浮き上がりをガイド部材29,30により規制して、特にカートン3の安定を図っている。
【0026】
更に、第3のパネル8bの後側も搬入無端ベルト15上から各搬出無端ベルト19,22上に載置されると、図4(c)に示すように、カートン3が後側の支持部材25と前側の支持部材24との間で挟持された状態で移送方向下流側へ移送され、押送部材23がカートン3の後側のパネル8dから後方へ離間する。
【0027】
次に、カートン3が後側の支持部材25と前側の支持部材24との間で挟持された状態で移送方向下流側へ移送されると、ガイド面30d,30cによりカートン3の第1のフラップ9,10が上下方向へ互いに押し拡げられる。その後、プッシャ36が移送方向下流側へ移動しながら筒体8に物品35を板材30eの挿脱口30fを通して押し込む。カートン3がガイド部材30の板材30eより移送方向下流側へ移動すると、上側の第1のフラップ9に対する拡開が解除される。更に、カートン3がガイド部材29より移送方向下流側へ移動すると、下側の第1のフラップ10に対する規制が解除される。その後、物品35が供給されたカートン3が移送方向下流側へ移動するに従い閉蓋装置(不図示)により第1及び第2のフラップ9,10,11が閉じられる。
【0028】
本実施形態は下記の効果を有する。
(1) カートン3を上流コンベヤ12の搬入走行面15aに面するようにカートン受け26に供給する位置では、カートン3の後側のみに押送部材23が当接して、カートン3を移送方向下流側に移送する構成であることから、例えば、高速処理等によって、カートン受け26に対する筒状のカートン3の供給位置が移送方向に多少ずれても、所定間隔毎に配設された押送部材23の各移動に合わせてカートン3を移送方向下流側に移送することができ、また、カートン3が傾いた状態で移送されることをほぼ無くすことができる。
【0029】
また、移送方向下流側で下るように傾斜させた上流コンベヤ12の搬入走行面15aを、その搬入走行面15aの下流側の交差位置Pで鈍角θをなすように、下流コンベヤ16の搬出走行面19a,22aに交差させ、且つ、押送部材23と前後一対の支持部材24,25を同じ速度で移送させて、筒状のカートン3を前記交差位置Pより移送方向上流側の移換位置Qまでは、押送部材23が押して移送し、移換位置Q以降からは、常に、前後一対の支持部材24,25がカートン3を挟持して移送する構成であることから、筒状のカートン3の開口状態を維持しながら、上流コンベヤ12から下流コンベヤ16ヘカートン3を支障なく受け渡して前後一対の支持部材24,25がカートン3を挟持して移送することができる。
【0030】
更に、押送部材23や前後一対の支持部材24,25でカートン3を移送する際に、ガイド部材29,30がカートン3の浮き上がりを規制することができる。
このような構成にすることによって、筒状のカートン3を高速処理する際に適正な位置及び状態で移送することができる。
【0031】
(2) ガイド部材29,30がカートン3の底面の第3のパネル8bから延出された下側の第1のフラップ10の浮き上がりを規制してカートン3の浮き上がりも規制する。従って、摩擦により傷付き易い材質のカートン3であっても、カートン3の筒体8がガイド部材29,30により傷付くことがないと共に、ガイド部材29,30に接した下側の第1のフラップ10が例え傷付いてもカートン3の内側に隠れるため、カートン3の外観の見栄えを低下させることがない。また、下側の第1のフラップ10がカートン3の第3のパネル8bと同じ高さ位置であるため、カートン3のサイズの変更毎にガイド部材29,30の高さを変更する必要がない。更に、カートン3に対する物品35の押し込みの際にそれらの間の位置ずれを防止してその押し込みを支障なく行うことができる。
【0032】
(3) 前側の支持部材24と後側の支持部材25とが異なる無端ベルト15,19,22に配設されていることから、カートン3のサイズ変更に伴うように、前側の支持部材24が配設された搬入無端ベルト15の位置をずらすだけで、押送部材23や後側の支持部材25が配設された各搬出無端ベルト19,22によって、前後一対の支持部材24,25の間にカートン3を支障なく支持して移送することができると共に、前後一対の支持部材24,25の間隔を簡単に調節することができる。なお、各無端索体15,19,22を同速に設定するだけで、センサを用いた各無端索体15,19,22のタイミング調整を図ることなく、また、該タイミング調整が不要なことから、簡素な構成で、各無端索体15,19,22を連続して動かし続けることができ、単一のモータで動かすことができる。
【0033】
(4) 上流コンベヤ12を挟む両側に配設された下流コンベヤ16の夫々の搬出無端ベルト19,22により、特に、カートン3を上流コンベヤ12から下流コンベヤ16に受け渡す時、カートン3が外力を受けても、前後の支持部材24がカートン3の左右両側をバランス良く支持していることから、カートン3が左右いずれかに傾くことがない。
【0034】
(5) 開口逆折装置2から上流コンベヤ12に載置されるカートン3は、カートン受け26に静止状態で載置されて、その後、押送部材23で移送されることから、上流コンベヤ12によって左右いずれかに傾くことがなく、カートン3を落下させることなく安定性良く搬入無端ベルト15に供給することができる。
【0035】
(6) 前側の支持部材24と後側の支持部材25を互いに別々の駆動源で駆動して、前側の支持部材24と後側の支持部材25との間隔を移送方向に任意に調節し得るように構成することもできるが、本実施形態では、上流コンベヤ12と下流コンベヤ16の第1コンベヤ17及び第2コンベヤ20が互いに共通の駆動源から駆動を得る構成である。従って、カートン3等を検出するセンサ等の電子部品や駆動タイミングの制御が不要である。
【0036】
前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ 本実施形態では、搬入無端ベルト15上にある搬入走行面15aを移送方向下流側ほど下るように傾斜させ、その傾斜した移送方向下流側を各搬出無端ベルト19,22上にある水平な搬出走行面19a,22aに対し鈍角θをなして交差させているが、搬出走行面の移送方向下流側と搬入走行面が鈍角をなして交差する関係であれば、搬出走行面も傾斜させてもよい。
【0037】
・ 押送部材23でカートン3を押送する際にカートン受け26の載置面27a,28aをローラ等で構成してカートン3を滑り易くし、カートン3の第3のパネル8bが傷付かないようにしてもよい。また、ガイド部材29,30のガイド面29c,30cもローラ等で構成してカートンを滑り易くしてもよい。
【0038】
・ 本実施形態では、カートン3の移送中に下側の第1のフラップ10をガイド部材29,30のガイド面29c,30cに当接させてカートン3の浮き上がりを規制するようにしたが、上側の第1のフラップ9をガイド部材に当接させてカートン3の浮き上がりを規制したり、カートン3の第1のパネル8aをガイド部材に当接させて規制したりしてもよい。
【0039】
・ 本実施形態では、搬入無端ベルト15に押送部材23を所定の等間隔で配設したが、チェーンコンベヤに押送部材を配設してもよい。
【符号の説明】
【0040】
3…カートン、8b…第3のパネル、10…下側の第1のフラップ、12…上流コンベヤ、15…搬入無端ベルト(無端索体)、15a…搬入走行面、16…下流コンベヤ、17…第1コンベヤ、19…搬出無端ベルト(無端索体)、19a…搬出走行面、20…第2コンベヤ、22…搬出無端ベルト(無端索体)、22a…搬出走行面、23…押送部材、24…前側の支持部材、25…後側の支持部材、26…カートン受け、27a,28a…載置面、29,30…ガイド部材、θ…鈍角、P…交差位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートン供給手段から受け取った筒状のカートンを移送方向下流側に向けて下り傾斜で押送するよう押送部材を無端索体に所定間隔毎に配設した上流コンベヤと、
上流コンベヤにおける傾斜した移送方向下流側で交差して移送方向と同方向に延びており、無端索体に所定間隔毎に配設した前後一対の支持部材で前記カートンを水平方向に移送する下流コンベヤと、
前記両コンベヤの交差位置から上流コンベヤの移送方向下流側に向けた所定範囲に亘りカートンのコンベヤからの浮き上がりを規制するガイド部材を備え、
上流コンベヤから下流コンベヤへの受け渡しに際し、上流コンベヤによる押送によってカートンの前方を下流コンベヤにおける前側の支持部材に当接させ、両コンベヤの走行に伴い、下流コンベヤの後側の支持部材がカートンの後方に至ることで、下り傾斜の所定位置で、該押送部材による押送から両支持部材による支持に移行することを特徴とするカートン搬送装置。
【請求項2】
前記ガイド部材は、前記筒状のカートンの底面のパネルから左右両側に延出したフラップの上方に対向するように配設されていることを特徴とする請求項1に記載のカートン搬送装置。
【請求項3】
前記下流コンベヤは、前側の支持部材と後側の支持部材とが別々に異なる無端索体に所定間隔毎に配設されており、両支持部材の間でカートンを支持し得るようにこれらの無端索体が前記上流コンベヤの無端索体と同速に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカートン搬送装置。
【請求項4】
前記下流コンベヤは、前記上流コンベヤを挟む両側に前記夫々の無端索体を備えることを特徴とする請求項3に記載のカートン搬送装置。
【請求項5】
前記上流コンベヤの無端索体の走行路における左右両側に、上方から供給された筒状のカートンを載置し得るカートン受けを配設したことを特徴とする請求項4に記載のカートン搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−143962(P2011−143962A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8405(P2010−8405)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】