説明

カーナビゲーション装置

【課題】外部からの衝撃および振動に起因する情報の読み出しエラーを防止するカーナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るカーナビゲーション装置1に備えられた光ディスクドライブ15は、光ディスクドライブ制御部20および不揮発性メモリ21を備えている。光ディスクドライブ制御部20は、振動検出部13が振動を検出していないときに、光ディスク23に記録された情報を、不揮発性メモリ21にキャッシュするよう、光ディスクドライブ15を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクドライブを備えたカーナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)を利用したカーナビゲーション装置は、その利便性から自動車利用者の間に広く普及している。カーナビゲーション装置の主な機能は、目的地を設定することにより、自車の現在位置から設定した目的地までの最適ルートを探索するルート探索機能である。この機能は、主として、カーナビゲーション装置内に備えられているか、または搭載されている情報記録媒体から読み出された地図情報に基いて動作する。
【0003】
ルート探索機能に利用する地図情報は、カーナビゲーション装置に備えられているハードディスクドライブ装置などの外部から取り外し不可能な記録媒体に記録されている場合と、カーナビゲーション装置に搭載されている光ディスクなどのような外部から取り外し可能な記録媒体に記録されている場合とに大別される。
【0004】
従来のカーナビゲーション装置の構成を図8に示す。図8に示すように、カーナビゲーション装置100は、位置検出部101、映像表示部102、操作入力部103、ナビゲーション制御部104、および記録部105を備えている。
【0005】
位置検出部101は、人工衛星からの電波に基いて、自車の位置を検出する。すなわち、自車の現在位置を検出する。映像表示部102は、モニターであり、記録媒体105に記録されている地図情報に基いて、地図などを表示する。操作入力部103は、ユーザーの操作に基いて、カーナビゲーション装置100のモード(例えば、音楽モード、ナビゲーションモード、テレビモードなど)を切り換えたり、また目的地を設定したりするインターフェースである。記録部105は、ルート探索機能に利用する地図情報などの情報を記録する。記録部105は、ハードディスクドライブ装置など取り替え不可能な記録媒体であってもよいし、光ディスクなどのような取り替え可能な記録媒体であってもよい。一般的には、この記録部105の種類に応じて、DVDナビまたはHDDナビなどカーナビゲーション装置100の呼称が決定している。ナビゲーション制御部104は、ルート探索などのナビゲーション装置100の機能全般を制御する。例えば、ルート探索機能を利用する場合、位置検出部101から入力された現在位置と、操作入力部103から入力された目的地と、記録部105から入力された地図情報とに基いて、現在位置から目的地までの最適ルートを検出し、映像表示部102に表示する。
【0006】
地図情報が光ディスクなどの取り替え可能な記録媒体に記録されている場合には、記録媒体を変更するだけで地図情報を更新することができるため、地図情報の更新が容易であるという利点がある。その反面、振動および衝撃に比較的弱く、路面の凹凸または車の加速および減速時の振動または衝撃により、地図情報を正常に読み出すことができなくなることがある。これは、光ディスクドライブ装置が装置外部から振動または衝撃を受けた場合に、光ディスク上のデータピットに集光した光スポットを安定にフォーカスシングしたり、またはトラッキングしたりするサーボのエラー(すなわち、サーボ外れまたは飛び)が生じやすいためである。
【0007】
そのため、カーナビゲーション装置および車載用音楽プレーヤーなどに搭載される車載用光ディスクドライブ装置には、車両の移動などにより生じる衝撃または振動などを吸収するための衝撃吸収機構が備えられている。しかし、このような衝撃吸収機構を備えた車載用光ディスクドライブであっても、車の振動または衝撃による音飛びを完全に防止することはできない。
【0008】
特許文献1には、移動体が移動中であるか、停止中であるかを判定し、移動体が停止している間は、記録媒体から読み出すデータの復調に使用する格納手段の容量を大きく確保し、音飛びを防止する光ディスク再生装置が記載されている。
【特許文献1】特開平11−257973号公報(平成11年9月24日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年では、光ディスクの高密度化が進んでおり、ブルーレイディスク(BD)の中には、フォーカスシング制御誤差45nm以下、トラッキング制御誤差9nm以下で記録再生する規格も存在する。このような高密度光ディスクを再生する光ディスクドライブ装置の動作安定性を確保するためには、衝撃または振動をより一層吸収する衝撃吸収機構を備える必要があり、結果としてカーナビゲーション装置全体の価格が高価になってしまう。また、このような衝撃吸収効果の高い衝撃吸収機構を備えた場合であっても、衝撃吸収機構のみでサーボのエラーを防止するには限界がある。
【0010】
また、特許文献1の技術は、音とび防止のために、デコード用のオーディオデータを一時的に記録しておくバッファメモリの容量を拡張しているのみであるため、振動または衝撃が長時間続く場合には、すなわち光ディスクからデータを読み出せない状態が長く続く場合には音とびを防止することができないという問題を有する。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、外部からの衝撃および振動に起因する情報の読み出しエラーを防止するカーナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るカーナビゲーション装置は、上記課題を解決するために、
光ディスクに記録された情報を読み出す光ディスクドライブを備え、当該光ディスクに記録された情報を参照して動作するカーナビゲーション装置であって、
上記光ディスクドライブが振動しているか否かを判定する判定手段と、
上記判定手段が上記光ディスクドライブが振動していないと判定したときに、上記光ディスクに記録された情報を、上記光ディスクドライブが備えている不揮発性メモリにキャッシュするよう、上記光ディスクドライブを制御する制御手段と、
を備えていることを特徴としている。
【0013】
本発明に係るカーナビゲーション装置において、制御手段は、光ディスクドライブが振動していないと判定されたときに、情報を不揮発性メモリにキャッシュする。
【0014】
なお、本明細書等において「キャッシュする」とは、読み出す情報が不揮発性メモリに記録されていないとき、情報を光ディスクから読み出すと共に、読み出した情報を不揮発性メモリに書き込むことを意味している。
【0015】
不揮発性メモリは、光ディスクドライブと比べて振動または衝撃に強いため、光ディスクに記録されている情報を不揮発性メモリに移動させておくことによって、本発明に係るカーナビゲーション装置では、振動または衝撃により、光ディスクドライブからの情報の読み出しができない場合であっても、不揮発性メモリから情報を読み出すことができる。すなわち、本発明に係るカーナビゲーション装置は、外部からの衝撃および振動による光ディスクからの情報の読み出しエラーをより一層防止することができる。したがって、カーナビゲーション装置をより一層安定して動作させることができる効果を奏する。
【0016】
また、光ディスクからの情報の読み出しエラーを防止するための特別な緩衝機構を設ける必要がない。そのため、カーナビゲーション装置を製造する際の部品数を少なくできる。これによって、カーナビゲーション装置の製造に要するコストを削減することができる効果も併せて奏する。
【0017】
なお、備えている不揮発性メモリが光ディスクと同程度の記録容量を有する場合には、光ディスクに記録されている情報を全て不揮発性メモリに移すことも可能である。そのため、長時間に渡って光ディスクドライブからの情報の読み出しができない場合であっても、表示または出力する情報の読み出しエラーを防止することができる効果を奏する。
【0018】
さらに、不揮発性メモリは、電源を切っても記録されている情報が消去されない。すなわち、一度記録された情報は、人為的に消去しない限り、そのまま保存され続ける。そのため、光ディスクの記録されている情報が不揮発性メモリにすでに記録されている場合には、光ディスクから不揮発性メモリへと情報を移動させる手間を低減することができる効果を奏する。また、本発明に係るカーナビゲーション装置を使用すれば使用するほど、不揮発性メモリに情報が蓄積されるため、情報の読み出しエラーをより一層防止しやすくなるという効果も併せて奏する。
【0019】
さらに、不揮発性メモリは、光ディスクドライブと比べて、情報の読み出しに要する時間が短い。したがって、読み出したい情報が不揮発性メモリに記録されている場合には、光ディスクから情報を読み出す場合と比較して、情報を読み出しに要する時間を短縮することができる。これによって、情報の読み出しの際の待ち時間を低減することができるため、ユーザーは、本発明に係るカーナビゲーション装置を快適に使用することができる効果を奏する。
【0020】
本発明に係るカーナビゲーション装置では、さらに、上記制御手段は、上記光ディスクに記録された情報のうち、当該カーナビゲーション装置が地図を表示するために参照する地図情報、および当該カーナビゲーション装置を動作させるためのナビゲーションプログラムの少なくとも何れかを、上記不揮発性メモリにキャッシュするよう、上記光ディスクドライブを制御することが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、制御手段は、カーナビゲーション装置が地図を表示するために参照する地図情報、およびカーナビゲーション装置を動作させるためのナビゲーションプログラムの少なくともいずれかを読み出し、不揮発性メモリに記録する。すなわち、本発明に係るカーナビゲーション装置では、カーナビゲーション装置をナビゲーション装置として動作させるための各種情報を、不揮発性メモリに記録している。
【0022】
したがって、本発明に係るカーナビゲーション装置は、搭載されている光ディスクを排出した場合であっても、ナビゲーション装置として引き続き動作させることができる効果を奏する。これによって、本発明に係るカーナビゲーション装置では、ナビゲーション装置として動作させつつ、光ディスクを入れ換え、例えば音楽を聴いたり、映像コンテンツを視聴したりすることができる。
【0023】
本発明に係るカーナビゲーション装置では、さらに、上記制御手段は、上記地図情報のうち、設定された目的地と現在位置とを含む地域の地図を表示するために参照する地図情報を上記不揮発性メモリにキャッシュするよう、上記光ディスクドライブを制御することが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、現在位置から設定された目的地までの地域の地図を表示するために参照する地図情報を読み出す。これによって、地図情報を読み出している最中に振動または衝撃を受けて光ディスクから地図情報を読み出せなくなった場合であっても、本発明に係るカーナビゲーション装置は、現在位置から設定された目的地までの地域の地図を表示することができる効果を奏する。
【0025】
また、現在位置および設定した目的地の周辺の地域の地図を表示するために参照する地図情報を不揮発性メモリに記録している場合には、例えば、ルート(走行経路)を間違えたり、または設定した目的地を超えてしまった場合であっても、不揮発性メモリに記録した地図情報に基いて、地図を表示することができる効果を奏する。
【0026】
本発明に係るカーナビゲーション装置では、さらに、上記制御手段は、設定された目的地と現在位置とを含む地域の地図を表示するために参照する地図情報と、当該地図情報に関連付けられて上記光ディスクに記録されている関連情報と、をこの順に上記不揮発性メモリにキャッシュするよう、上記光ディスクドライブを制御することが好ましい。
【0027】
上記の構成によれば、地図情報に関連付けられて記録されている関連情報を、地図情報に続いて読み出す。これによって、不揮発性メモリに記録される地図情報に関連する関連情報も地図情報と共に記録しておくことができる。
【0028】
したがって、ユーザーが、地図情報に関連付けられている関連情報を表示させたいと考えた場合には、振動または衝撃の有無に関わらず、地図情報に関連付けられている関連情報を表示させることができる効果を奏する。
【0029】
また、不揮発性メモリから関連情報を読み出す場合には、光ディスクから関連情報を読み出す場合と比較して、関連情報の読み出しに要する時間を短縮することができる効果を奏する。
【0030】
本発明に係るカーナビゲーション装置では、さらに、上記不揮発性メモリは、記録した情報を書き換え不可能に設定されている第1の記録領域と、記録した情報を書き換え可能に設定されている第2の記録領域とに分割されており、上記制御手段は、読み出した上記地図情報を上記第1の記録領域にキャッシュし、読み出した上記関連情報を上記第2の記録領域にキャッシュすることが好ましい。
【0031】
上記の構成によれば、地図情報およびナビゲーションプログラムは、書き換える(上書きする)ことなく、関連情報のみを適宜最適なものに書き換える(上書きする)ことができる。これによって、不揮発性メモリの記録容量を効率的に利用することができる効果を奏する。
【0032】
本発明に係るカーナビゲーション装置では、さらに、当該カーナビゲーション装置は、光ディスクに記録された映像情報および音楽情報の少なくともいずれかを再生する機能を有しており、上記制御手段は、上記光ディスクに記録された映像情報および音楽情報の少なくともいずれかを、上記不揮発性メモリにキャッシュするよう、上記光ディスクドライブを制御することが好ましい。
【0033】
上記の構成によれば、制御手段は、光ディスクに記録された映像情報および音楽情報の少なくともいずれかを、不揮発性メモリにキャッシュするよう、光ディスクドライブを制御することができる。すなわち、地図情報などのナビゲーション動作に必要な情報以外の情報であっても不揮発性メモリにキャッシュすることができる。
【0034】
これによって、本発明に係るカーナビゲーション装置は、外部からの衝撃および振動による光ディスクからの情報の読み出しエラーに起因する音とびまたは映像の乱れをより一層防止することができる効果を奏する。
【0035】
本発明に係る制御方法は、上記課題を解決するために、
光ディスクに記録された情報を読み出す光ディスクドライブを備え、当該光ディスクに記録された情報を参照して動作するカーナビゲーション装置において、当該光ディスクに記録された情報を不揮発性メモリにキャッシュするよう、上記光ディスクドライブを制御する制御方法であって、
上記光ディスクドライブが振動しているか否かを判定する判定ステップと、
上記判定ステップにおいて、上記光ディスクドライブが振動していないと判定されたときに、上記光ディスクに記録された情報を、上記光ディスクドライブが備えている不揮発性メモリにキャッシュするよう、上記光ディスクドライブを制御する制御ステップと、
を含むことを特徴としている。
【0036】
上記の構成によれば、本発明に係るカーナビゲーション装置と同様の作用効果を奏する。
【0037】
なお、本発明に係るカーナビゲーション装置が備えているコンピュータを動作させるためのプログラムであって、コンピュータを上記判定手段および上記制御手段として駆動させることを特徴とするプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0038】
本発明に係るナビゲーション装置では、判定手段が光ディスクドライブが振動していないと判定したときに、光ディスクに記録された情報を、光ディスクドライブが備えている不揮発性メモリにキャッシュするよう、光ディスクドライブを制御する制御手段を備えている。
【0039】
不揮発性メモリは、光ディスクドライブと比べて振動または衝撃に強いため、光ディスクに記録されている情報を不揮発性メモリに移動させておくことによって、振動または衝撃により、光ディスクドライブからの情報の読み出しができない場合であっても、不揮発性メモリから情報を読み出すことができる。すなわち、本発明に係るカーナビゲーション装置は、外部からの衝撃および振動に起因する、光ディスクからの情報の読み出しエラーをより一層防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明に係るカーナビゲーション装置の一実施形態について、図1〜7を参照しつつ、以下に説明する。本発明係るカーナビゲーション装置に備えられている光ディスクドライブに搭載されている光ディスクには、地図情報、およびカーナビゲーション装置を動作させる(ナビゲーション動作させる)ためのナビゲーションプログラムを含むナビゲーション情報が記録されている。すなわち、本発明に係るナビゲーション装置は、いわゆる、DVDナビ、BDナビと称されるカーナビゲーション装置である。なお、本願明細書等において、「光ディスクを搭載する」とは、光ディスクが、光ディスクドライブ内において、読み出し、または書き込み可能な状態にセットされたことを意味している。
【0041】
また、本実施形態におけるカーナビゲーション装置とは、車両(主に、自動車)に搭載されるナビゲーション装置であり、ディスプレイ画面に地図および車両の現在位置を表示する。また、本実施形態におけるカーナビゲーション装置は、車両の現在位置から、設定された目的値までの最適ルートを探索するルート探索機能を有している。
【0042】
(カーナビゲーション装置1の構成)
本実施形態に係るカーナビゲーション装置1の構成を図1に示す。図1は、カーナビゲーション装置1の要部構成を示すブロック図である。図1に示すように、カーナビゲーション装置1は、現在位置検出部10、操作入力部11、ナビゲーション制御部12、振動検出部13、映像表示部14、および光ディスクドライブ15を備えている。各部材について、以下に説明する。
【0043】
(現在位置検出部10)
現在位置検出部10は、人工衛星からの電波を受信することにより、現在位置を測定するシステムであるGPSを利用して車両の現在位置を検出する。
【0044】
(操作入力部11)
操作入力部11は、目的地の設定、およびカーナビゲーション装置1のモード設定(例えば、音楽モード、ナビゲーションモード、テレビモードなど)などの各種設定をユーザーから受け付けるインターフェースである。操作入力部11は、映像表示部14をタッチすることにより入力が可能なタッチパネルであることが一般的であるが、キー入力によるインターフェースであってもよい。
【0045】
また、本実施形態では、操作入力部11がカーナビゲーション装置1に備えられている場合について図示しているが、これに限定されるものではなく、例えば、リモコンのようにカーナビゲーション装置1から分離しているものであってもよい。
【0046】
(ナビゲーション制御部12)
ナビゲーション制御部12は、カーナビゲーション装置1の動作全般を制御する。例えば、ユーザーがルート探索機能を実行する場合、ナビゲーション制御部12は、現在位置検出部10、操作入力部11、および光ディスクドライブ15からそれぞれ入力された、現在位置、目的地、およびナビゲーション情報に基いて、最適なルート(走行経路)を探索し、探索結果を映像表示部14に表示する。
【0047】
(振動検出部13)
振動検出部13は、光ディスクドライブ15に取り付けられており、光ディスクドライブ15の振動を振動数として検出する。すなわち、振動検出部13は、光ディスクドライブ15の振動を物理量として数値化するセンサーである。より具体的には、振動検出部13は、振動センサーまたは衝撃センサーである。振動検出部13に用いることができる各センサーは、従来公知のセンサーである。なお、本実施形態では、振動検出部13が、振動数を検出するセンサーである場合を例に挙げて説明するが、もちろんこれに限定されるものではなく、光ディスクドライブ15の振動を物理量として数値化するセンサーであれば、特に限定されるものではない。例えば、物理量として振動数を検出する振動センサーまたは衝撃センサーの代わりに、物理量として加速度を検出する加速度センサーを用いてもよい。
【0048】
(映像表示部14)
映像表示部14は、液晶モニターなどの映像表示モニターであり、例えば、ナビゲーション制御部12において探索した結果を表示する。この他にも、光ディスクドライブ15に搭載した光ディスクが映画などを記録した映像ディスクである場合には、その映像を表示することもできる。また、カーナビゲーション装置1がテレビチューナーを備えている場合には、映像表示部14をテレビとして用いることもできる。
【0049】
なお、図1では、映像表示部14が、カーナビゲーション装置1に備えられている場合について図示しているが、これに限定されるものではなく、カーナビゲーション装置1から分離した別体の装置であってもよい。この場合、カーナビゲーション装置1と映像表示部14とは、有線により通信するようにしてもよいし、無線により通信するようにしてもよい。
【0050】
(光ディスクドライブ15)
光ディスクドライブ15は、カーナビゲーション装置1において、衝撃吸収するための緩衝機構に緩衝支持されて備えられている。光ディスクドライブ15は、図1に示すように、光ディスクドライブ制御部20、不揮発性メモリ21、光ピックアップ22、および光ディスク23を備えている。
【0051】
なお、光ディスクドライブ15に搭載される記録媒体23は、特に限定されるものではなく、例えば、BD(Blue-ray Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、またはCD(Compact Disc)などを用いることができる。もちろん、光ディスクドライブ15は、搭載できる光ディスクの種類が1種類に限定されるものではなく、複数種類の光ディスクを搭載可能であってもよい。光ディスクドライブ15の各部材について以下に説明する。
【0052】
(光ディスクドライブ制御部20)
光ディスクドライブ制御部20は、光ディスク23または不揮発性メモリ21に記録された情報を読み出す読み出し処理、および光ディスク23に記録されている情報を不揮発性メモリ21に書き込む書き込み処理を制御する。すなわち、光ディスクドライブ制御部20は、光ディスク23に記録されたデータを不揮発性メモリ21にキャッシュするように光ディスクドライブ15を制御する。
【0053】
また、光ディスクドライブ制御部20は、振動検出部13において検出した物理量(例えば、振動数)に基いて、光ディスクドライブ15が振動しているか否かを判定する。なお、光ディスクドライブ15の振動の有無は、検出した振動数が予め設定されている閾値を超えるか否かにより判定する。この閾値は、光ピックアップ22が光ディスク23から情報を読み出すことができる限界の値である。すなわち、振動数が閾値を超えると、光ディスクドライブ制御部20は、光ディスク23および光ピックアップ22の保護のために、光ディスク23の回転を停止させるため、光ピックアップ22は、光ディスク23から情報を読み出すことができなくなる。
【0054】
光ディスクドライブ制御部20の動作は、本発明の最大の特徴点であるため、下記に詳述し、ここではその詳細な説明を省略する。
【0055】
また、図1では、振動検出部13において検出した物理量が光ディスクドライブ制御部20に対して直接入力される場合について図示しているが、これに限定されるものではなく、ナビゲーション制御部12を介して光ディスクドライブ制御部20に入力されてもよい。
【0056】
(不揮発性メモリ21)
不揮発性メモリ21は、電源を切っても記憶した内容の消えないメモリである。不揮発性メモリ21は、光ディスク23に記録されている情報を記録するデータメモリとして機能する。すなわち、光ディスク23に記録されている情報と同様の情報が不揮発性メモリ21に記録される。
【0057】
不揮発性メモリ21としては、具体的には、フラッシュメモリを挙げることができる。なお、不揮発性メモリ21として用いることができるフラッシュメモリは、NAND型であってもよいし、NOR型であってもよい。
【0058】
(光ピックアップ22)
光ピックアップ22は、光ディスクドライブ制御部20からの指示に基いて駆動される。光ピックアップ22は、光ディスク23から記録されているデータを読み出すための光源および受光部を備えている。
【0059】
(カーナビゲーション装置1の動作)
次に、光ディスクドライブ15の動作について、図2を参照して、以下に説明する。なお、ここでは、カーナビゲーション装置1の主たる機能である、現在位置から目的地までの最適ルートを探索するルート探索機能を実行する場合を例に挙げて、カーナビゲーション装置1の動作を説明する。図2は、ルート探索機能を実行する際のカーナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。
【0060】
光ディスク23が挿入されるか、またはカーナビゲーション装置1の電源がONにされると、カーナビゲーション装置1は、光ディスク23の再生を開始する(ステップS1)。すなわち、ナビゲーション制御部12は、位置検出部10において検出された自車の現在位置に基いて、光ディスク23から現在位置周辺の地域の地図を表示するために参照する地図情報を読み出させ、映像表示部14に表示する。
【0061】
ここで、ユーザーが、操作入力部11を介して目的地を設定すると(ステップS2)、ナビゲーション制御部12は、位置検出部10において検出された自車の現在位置から操作入力部11を介して設定された目的地までの最適ルートを探索し、探索した結果を映像表示部14に表示する(ステップS3)。最適ルートが複数ある場合には、ナビゲーション制御部12は、複数の最適ルートを映像表示部14に表示させ、ユーザーが表示された複数のルートのうちのいずれか1つを選択するようにすることが好ましい。
【0062】
現在位置から目的地までの最適ルートが決定すると、ナビゲーション制御部12は、光ディスクドライブ23より、現在位置から目的地までの地域の地図を表示するために参照する地図情報を読み出すように光ディスクドライブ制御部20に指示を送る(ステップS4)。
【0063】
光ディスクドライブ制御部20は、読み出し要求を受けた地図情報が、不揮発性メモリ21に記録されているか否かを判定する(ステップS5)。読み出し要求を受けた地図情報が不揮発性メモリ21に既に記録されている場合(ステップS5においてYes)、光ディスクドライブ制御部20は、地図情報を不揮発性メモリ21から読み出し、ナビゲーション制御部12に送る(ステップS6)。
【0064】
読み出し要求を受けた地図情報が不揮発性メモリ21に記録されていない場合(ステップS5においてNo)、光ディスクドライブ制御部20は、振動検出部13において検出した振動数が所定の閾値を超えるか否かを判定する(ステップS7)。検出した振動数が閾値以下である場合(ステップS7においてYes)、光ディスクドライブ制御部20は、読み出し要求を受けた地図情報を光ディスク23から読み出すと共に、読み出した地図情報を不揮発性メモリ21に記録する(ステップS8)。すなわち、地図情報を不揮発性メモリ21にキャッシュする。
【0065】
なお、検出した振動数が閾値を超える場合(ステップS7においてNo)、光ディスクドライブ制御部20は、光ディスク23および光ピックアップ22を保護するために、光ディスク23の回転を停止する。すなわち、光ディスクドライブ制御部20は、地図情報の読み出しを行うことなく、動作を終了する。
【0066】
なお、上記の動作では、ナビゲーション制御部12が現在位置から設定した目的地までの地図を表示するための地図情報の読み出す場合の動作を例に挙げて説明しているが、地図情報を不揮発性メモリ21に記録する動作は、これに限定されるものではない。例えば、光ディスク23を挿入したとき、またはカーナビゲーション装置1の電源がONになったときに、光ディスク23に記録されている地図情報を自動的にキャッシュするようにしてもよい。
【0067】
また、上記の動作では、光ディスク23から地図情報を読み出す場合を例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではなく、映像情報または音楽情報などのような他の情報であってもよい。例えば、光ディスク23が音楽情報の記録されている音楽ディスクである場合には、不揮発性メモリ21にキャッシュされる情報は音楽情報となる。
【0068】
(カーナビゲーション装置1の利点)
以上説明したように、カーナビゲーション装置1において、光ディスクドライブ制御手段20は、光ディスクドライブ15が振動していないとき、ナビゲーション制御部12から読み出しを要求された地図情報を不揮発性メモリ21にキャッシュする。
【0069】
不揮発性メモリ21は、光ディスクドライブ15と比べて振動または衝撃に強い。そのため、光ディスク23に記録されている情報を不揮発性メモリ21に移動させておくことによって、光ディスクドライブ制御部20は、振動または衝撃によって、光ディスクドライブ15からの情報の読み出しができない場合であっても、不揮発性メモリ21から情報を読み出すことができる。すなわち、カーナビゲーション装置1は、光ディスクドライブ15の外部からの衝撃および振動に起因する情報の読み出しエラーをより一層防止することができる。したがって、カーナビゲーション装置1をより一層安定して動作させることができる。
【0070】
なお、備えている不揮発性メモリ21が光ディスク23と同程度の記録容量を有する場合には、光ディスク23に記録されている情報を全て不揮発性メモリ21に移すことも可能であるため、長時間に渡って光ディスクドライブ15からの情報の読み出しができない場合であっても、表示または出力する情報の読み出しエラーを回避することができる。
【0071】
また、光ディスク23からの情報の読み出しエラーを防止するための特別な緩衝機構を設ける必要がないため、カーナビゲーション装置1の製造に要するコストを削減することもできる。
【0072】
また、カーナビゲーション装置1は、カーナビゲーション装置1を動作させるための各種情報を、不揮発性メモリ21に記録しているため、搭載されている光ディスク23を排出した場合であっても、ナビゲーション動作を実行させることができる。これによって、カーナビゲーション装置1では、ナビゲーション動作を実行させつつ、光ディスク23を入れ換え、例えば音楽を聴いたり、または映像コンテンツを視聴したりすることができる。なお、本明細書等における「ナビゲーション動作」とは、カーナビゲーション装置1における動作一般のことであり、例えば、現在位置の表示、地図の表示ならびに現在位置から設定した目的地までのルート探索およびルートをドライバーに通知するルートガイドなどの動作を指す。
【0073】
また、不揮発性メモリ21は、光ディスクドライブ15と比べて、情報の読み出しに要する時間が短い。したがって、読み出したい情報が不揮発性メモリ21に記録されている場合には、光ディスク23から情報を読み出す場合と比較して、情報を読み出しに要する時間を短縮することができる。これによって、情報の読み出しの際の待ち時間を低減することができるため、ユーザーは、カーナビゲーション装置1を快適に使用することができる。
【0074】
さらに、不揮発性メモリ21は、電源を切っても記録されている情報が消去されないため、光ディスク23に記録されている地図情報が不揮発性メモリにすでに記録されている場合には、光ディスク23から不揮発性メモリ21へと情報を移動させる手間を低減することができる。また、カーナビゲーション装置1を使用すれば使用するほど、不揮発性メモリ21に情報が蓄積されるため、情報の読み出しエラーをより一層防止しやすくなる。
【0075】
(光ディスクドライブ制御部20の詳細な動作)
光ディスクドライブ制御部20のより詳細な動作について、以下に説明する。ここでは、光ディスクドライブ制御部20が、ナビゲーション制御部12から、光ディスク23のアドレス1234番地から地図情報を読み出すように指示を受けた場合を例に挙げて説明する。
【0076】
光ディスクドライブ制御部20は、光ディスク23のアドレス1234番地に関連付けられている地図情報が、不揮発性メモリ21に記録されているか否かを判定する。このとき、不揮発性メモリ21において、光ディスク23のアドレス1234番地に関連付けられている地図情報は、いわゆるキャッシュデータのように、光ディスク23のアドレスをタグとして持つように記録されていてもよい。この場合、光ディスクドライブ制御部20は、ナビゲーション制御部12から入力されたアドレス1234番地をタグとして持つ地図情報があるか否かを判定すればよい。
【0077】
また、不揮発性メモリ21が光ディスク23のアドレスと不揮発性メモリ21のアドレスとを関連付けて記録しているアドレス変換テーブルを記録している場合には、光ディスクドライブ制御部20は、記録されているアドレス変換テーブルに基いて光ディスク23のアドレスから不揮発性メモリ21のアドレスに変換し、アドレス1234番地に記録されていた地図情報に対応するアドレスの地図情報があるか否かを判定すればよい。
【0078】
また、光ディスク23から読み出した地図情報を不揮発性メモリ21に記録する場合には、読み出した地図情報と、当該地図情報の記録されていた光ディスク23のアドレス1234番地とを関連付けて不揮発性メモリ21に記録すればよい。
【0079】
(読み出す地図情報の詳細)
光ディスク23から読み出し、不揮発性メモリ21に記録する地図情報は、光ディスク23に記録されている地図情報全体でもよいし、一部であってもよい。また、地図情報の一部を読み出し、不揮発性メモリ21に書き込む場合はもちろん、地図情報全てを不揮発性メモリ21に書き込む場合であっても、光ディスク23に記録されている地図情報のうち、カーナビゲーション装置1が自車の現在位置周辺の地域の地図を表示するために参照する地図情報を最優先に読み出し、不揮発性メモリ21に書き込むことが好ましい。
【0080】
カーナビゲーション装置1が自車の現在位置周辺の地域の地図を表示するために参照する地図情報の読み出し方の例について、以下に説明する。図3(a)〜(d)は、自車の現在位置周辺の地図の形状を示す図であり、(a)は線分ABを対角線とする四角形の場合であり、(b)は線分ABを直径とする円形の場合であり、(c)は線分ABを対角線とする四角形を拡大した四角形の場合であり、(d)は線分ABを対角線とする四角形および点AおよびBを中心とする四角形の場合である。すなわち、ナビゲーション制御部12は、光ディスクドライブ制御部20に対して、図3(a)〜(d)の形状の地図を表示するための地図情報を読み出すように指示する。
【0081】
ナビゲーション制御部12は、自車の現在位置をA点とし、目的地をB点として設定する。A点は、位置検出部10により検出された情報から設定され、B点は、操作入力部11を介してユーザーにより設定される。次に、ナビゲーション制御部12は、このA点とB点とを結ぶ線分を対角線とする四角形の地図を表示するための地図情報を他の地図情報よりも優先的に読み出す(先読みする)ように光ディスクドライブ制御部20に指示する。これによって、現在位置から目的地までの地域の地図を表示するための地図情報を、不揮発性メモリ21に最初に記録することができるため、現在位置から目的地までの間で、光ディスク23から地図情報を読み出せない状態になった場合であっても、カーナビゲーション装置1は、現在位置から目的地までの地域の地図を常に表示することができる。
【0082】
なお、カーナビゲーション制御部12は、現在位置と目的地とを1画面において表示できる地図のうち、最も解像度の高い(すなわち、最も詳細な)地図を表示するための地図情報を読み出すことが好ましい。
【0083】
しかし、図3(a)の場合では、現在地付近で誤った方向に進んでしまったり、目的地を通り過ぎてしまったりした場合には、地図を表示することができなくなってしまう。このような場合を想定して、図3(b)に示すように、A点とB点とを結ぶ線分を直径とする円形の地図を表示するための地図情報を読み出すようにしてもよい。A点とB点とを結ぶ線分を直径とする円形の大きさは、図3(a)に示す四角形よりも大きいので、目的地を通りすぎたりする場合であっても、カーナビゲーション装置1は、ある程度までは地図を表示することができる。もちろん、表示する地図は、線分ABを半径とした円形であってもよい。
【0084】
図3(b)に示す以外にも、例えば、図3(c)に示すように、図3(a)に示す四角形を所定の倍率で拡大した四角形の地図を表示するための地図情報を読み出すようにしてもよい。なお、図3(c)に示すように、図3(a)に示す四角形を拡大した場合に限定されるものではなく、図3(b)に示す円形を所定の倍率で拡大した円形の地図を表示するための地図情報を読み出すようにしてもよい。すなわち、読み出す地図情報は、設定された目的地と現在位置とを含む地域の地図を表示するためにカーナビゲーション装置1が参照するものであれば特に限定されるものではない。
【0085】
また、図3(a)に示す四角形の地図を表示するための地図情報と共に、点Aを中心とする所定の大きさの四角形および点Bを中心とする所定の大きさの四角形の地図を表示するための地図情報を併せて読み出すようにしてもよい。
【0086】
なお、読み出す地図情報は、光ディスクドライブ15の読み出し能力、ナビゲーション制御部12の処理能力などに応じて適宜設定することが好ましい。これは、カーナビゲーション装置1の出荷時に予め設定されていてもよいし、ユーザーにより適宜設定を変更できるようにしてもよい。
【0087】
また、現在位置から目的地までが遠距離である場合には、現在位置をA点とし、現在位置から所定距離離れた位置をB点とした地図を表示するための地図情報を読み出すように設定する。そして、現在位置が所定量移動するごとに、移動した後の現在位置から所定距離離れた位置までの地図を表示するための地図情報を適宜読み出すことによって、目的地までの地図を表示する地図情報を読み出すようにすることが好ましい。
【0088】
最後に、本実施形態では、線分ABを対角線とする四角形の地図を表示するための地図情報を読み出す場合を例に挙げて説明したが、もちろんこれに限定されるものではなく、五角形、六角形またはそれ以上の多角形であってもよい。
【0089】
(不揮発性メモリ21に書き込む情報)
上記では、光ディスク23から地図情報を読み出し、不揮発性メモリ21に記録する場合について説明したが、不揮発性メモリ21に記録することができる光ディスク23に記録された情報は、地図情報に限定されるものではない。例えば、地図情報以外に、カーナビゲーション装置1においてナビゲーション動作を実行させるためのナビゲーションプログラムを不揮発性メモリ21に記録するようにしてもよい(以下、地図情報およびナビゲーションプログラムを併せて、「ナビゲーション情報」と称する)。
【0090】
(光ディスク23の入れ換え)
カーナビゲーション装置1がナビゲーション情報を不揮発性メモリ21に全て記録した場合には、光ディスク23の入れ換えが可能となる。この場合、ナビゲーション動作に用いる情報は全て不揮発性メモリ21から読み出されるため、ナビゲーション情報の記録された光ディスクを取り出し、音楽情報または映像情報などの記録された別の光ディスクを光ディスク23として搭載することができる。光ディスク23が入れ換え可能となった場合のカーナビゲーション装置1の動作について、図4を参照して以下に説明する。図4は、光ディスク23を入れ換えた場合のカーナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。
【0091】
まず、操作入力部11から光ディスク23の排出指示を受けると(ステップS10)、ナビゲーション制御部12は、光ディスク23に記録されているナビゲーション情報を全て不揮発性メモリ21に記録したか否かを判定する(ステップS11)。ナビゲーション情報が全て不揮発性メモリ21に記録されている場合(ステップS11においてYes)、ナビゲーション制御部12は、光ディスク23を排出する(ステップS12)。
【0092】
次に、新たな光ディスクが搭載されると、光ディスクドライブ制御部20は、搭載された光ディスクが、先に搭載されていた光ディスクと同一であるか否かを判定する(ステップS13)。搭載された光ディスクが同一である場合には(ステップS13においてYes)、光ディスクの入れ換えによる動作処理を終了する。
【0093】
搭載された光ディスクが異なる場合には(ステップS13においてNo)、操作入力部11を介したユーザーからの指示に基いて、ナビゲーション制御部12は、光ディスクドライブ制御部20に対して、新たに搭載された光ディスク23から情報を読み出す指示を送る(ステップS14)。光ディスクドライブ制御部20は、読み出し要求を受けた情報が不揮発性メモリ21に記録されているか否かを判定する(ステップS15)。読み出し要求を受けた情報が不揮発性メモリ21に記録されている場合(ステップS15においてYes)、光ディスクドライブ制御部20は、読み出し要求を受けた情報を不揮発性メモリ21から読み出す(ステップS16)。
【0094】
読み出し要求を受けた情報が不揮発性メモリ21に記録されていない場合(ステップS15においてNo)、光ディスクドライブ制御部20は、振動検出部13において検出した振動数が所定の閾値を超えるか否かを判定する(ステップS17)。検出した振動数が閾値以下である場合(ステップS17においてYes)、光ディスクドライブ制御部20は、要求された情報を新たに搭載した光ディスク23から読み出すと共に(ステップS18)、読み出した情報を不揮発性メモリ21に記録する(ステップS19)。すなわち、情報を不揮発性メモリ21にキャッシュする。
【0095】
なお、検出した振動数が閾値を超える場合には(ステップS17においてNo)、光ディスクドライブ制御部20は、光ディスク23および光ピックアップ22を保護するために、光ディスク23の回転を停止する。そのため、光ディスクドライブ制御部20は情報の読み出しを行うことなく、動作を終了する。
【0096】
上述の動作では、ナビゲーション制御部12からの読み出し要求を受けることによって、光ディスク23からの情報を読み出す場合について説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、光ディスク23の入れ換えが検出されると共に、光ディスクドライブ制御部20は、記録されている情報不揮発性メモリ21にキャッシュするようにしてもよい。
【0097】
また、上記の動作では、ナビゲーション情報を全て記録した場合にのみ、光ディスク23を入れ換え可能にしているが、これに限定されるものではなく、ナビゲーション情報を完全に不揮発性メモリ21に記録していない場合であっても、光ディスク23を入れ換え可能としてもよい。ただし、この場合には、カーナビゲーション装置1のナビゲーション動作を実行することができなくなる可能性が生じる。したがって、光ディスク23を排出する前に、例えば映像表示部14に現在実行しているナビゲーション動作が中止される可能性があることの警告文を表示することが好ましい。
【0098】
なお、搭載された光ディスク23が同一であるか否かの判定は、光ディスク23に記録された識別情報により判定することが好ましい。例えば、光ディスクがCDの場合には、リードインのような情報書き込み領域に記録された目次情報を識別情報とすればよい。また、光ディスクがDVD、またはBDの場合には、個々の光ディスクに特有のID(例えば、メディアID)を識別情報とすればよい。
【0099】
このように、カーナビゲーション装置1は、ナビゲーション動作に必要なナビゲーション情報の記録されている光ディスク23以外の光ディスクの情報も不揮発性メモリ21に記録しておくことができる。これによって、カーナビゲーション装置1が光ディスクに記録された映像情報および音楽情報の少なくともいずれかを再生する機能を有している場合には、例えば、音楽を聴いたり、映像を視聴するときであっても、振動または衝撃に起因する音とびまたは映像の乱れを防止することができるため、ユーザーは快適に音楽を聴いたり、映像を視聴したりすることができる。
【0100】
なお、読み出した情報が音楽情報である場合には、車載のスピーカなどから音声情報を出力すればよく、読み出した情報が映像コンテンツである場合には、映像表示部14に映像を表示すればよい。このとき、映像コンテンツの表示は、ナビゲーション動作の邪魔とならないように、例えば、画面を2画面に分割するようにしてもよいし、助手席などの運転席以外からのみ映像コンテンツが視聴可能となるようにしてもよい。
【0101】
また、不揮発性メモリ21の記録容量が大容量である場合、不揮発性メモリ21に記録する情報がナビゲーション情報のみでは、不揮発性メモリ21の記録領域に空きが生じることになる。したがって、上記のように、ナビゲーション情報以外の情報を不揮発性メモリ21に記録することによって、不揮発性メモリ21の空き領域を有効に活用することができる。
【0102】
(カーナビゲーション装置1の変形例)
次に、カーナビゲーション装置1における動作の変形例について、以下に説明する。上述したカーナビゲーション装置1の動作では、光ディスク23に記録されているナビゲーション情報のみを不揮発性メモリ21に記録する場合について説明したが、光ディスク23に記録されているナビゲーション情報以外の情報も不揮発性メモリ21に記録するようにしてもよい。
【0103】
ナビゲーション情報以外の情報としては、例えば、光ディスク23において、地図情報に関連付けて記録されている関連情報を挙げることができる。すなわち、カーナビゲーション装置1は、地図情報のうち、光ディスク23から読み出して不揮発性メモリ21に記録した地図情報に基いて表示される地図に関連する関連情報を、読み出した地図情報と共に不揮発性メモリ21に記録するようにしてもよい。この場合、光ディスク制御部20は、地図情報を読み出し、記録した後、当該地図情報に関連付けられている関連情報を読み出し、記録することが好ましい。
【0104】
関連情報としては、例えば、読み出した地図情報に基いて表示される地図において、ルートを分かり易くする表示するための風景情報を挙げることができる。風景情報は、ルートを分かり易くする表示するための情報以外にも、地図中における風光明媚なスポットおよび有名店舗の写真なども含む。もちろん、関連情報は、上述した風景情報ような、映像として表示される情報に限定されるものではなく、音(特には音声)として出力される情報であってもよい。
【0105】
(不揮発性メモリ21の記録領域の分割)
関連情報は、ナビゲーション動作の際に地図を表示するために常に参照する可能性のある地図情報とは異なり、ユーザーの操作に応じて必要な情報である。そのため、これらの情報は、地図情報よりも使用頻度が低く、不揮発性メモリ21に常に記録しておくことは不揮発性メモリ21の容量の無駄使いとなるおそれがある。したがって、カーナビゲーション装置1では、不揮発性メモリ21において、地図情報と関連情報とをそれぞれ別の記録領域に記録するようにすることが好ましい。不揮発性メモリ21において、地図情報と関連情報とをそれぞれ別の記録領域に記録する場合について、図5および6を参照しつつ以下に説明する。
【0106】
図5は、ナビゲーション情報と関連情報とをそれぞれ別の記録領域に記録する場合の不揮発性メモリ21の記録領域を模式的に示した図である。図5に示すように、不揮発性メモリ21における記録領域は、物理アドレス00 000 000番地から03 000 000番地までは、書き換え不可能領域として設定されており、03 000 000番地から10 000 000番地までは書き換え可能領域として設定されている。なお、図5における記録領域の分割は、一例を示したものであり、もちろんこれに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0107】
ここで、図5に示す書き換え不可能領域とは、記録されている情報に対する上書きが不可能に設定されている領域である。そのため、カーナビゲーション装置1において消去されると判断されるか、またはユーザーの操作により情報が消去されない限り、記録されている情報は消去されない。そのため、書き換え不可能領域に空き容量がない場合には、書き換え不可能領域への情報の書き込みは行われない。
【0108】
一方、書き換え可能領域とは、記録されている情報に対する上書きが可能に設定されている領域である。そのため、書き換え可能領域の空き容量がなくなった場合には、古い情報から順に上書きされる。したがって、書き換え不可能領域には、使用頻度の高い情報を記録させ、書き換え可能領域には、使用頻度の低い情報を記録させるようにすることが好ましい。
【0109】
カーナビゲーション装置1をナビゲーション装置として利用する場合には、書き換え不可能領域に地図情報を記録し、書き換え可能領域に関連情報を記録することが好ましい。これは、カーナビゲーション装置1を動作させる場合には、地図情報を最も頻繁に利用する(すなわち、使用頻度が高い)ためである。また、書き換え不可能領域に記録されている地図情報に関連する関連情報は、使用するか否かはユーザー次第であるため、書き換え可能領域に適宜記録していくことが好ましい。
【0110】
(不揮発性メモリ21が分割されている場合のカーナビゲーション装置1の動作)
不揮発性メモリ21が分割されている場合のカーナビゲーション装置1の動作の詳細について、図6を参照しつつ以下に説明する。図6は、不揮発性メモリ21の記録領域が分割されている場合のカーナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、カーナビゲーション装置1がルート探索機能を実行する際の動作を示し、また不揮発性メモリ21に地図情報が記録されていない場合を例に挙げて説明する。
【0111】
光ディスク23が挿入されると、カーナビゲーション装置1は、光ディスク23の再生を開始する(ステップS20)。すなわち、ナビゲーション制御部12は、位置検出部10において検出された自車の現在位置に基いて、光ディスク23から現在位置周辺の地域の地図を表示するために参照する地図情報を読み出させ、映像表示部14に表示する。
【0112】
続いて、カーナビゲーション装置1は、所定の条件に基づいて、不揮発性メモリ21の記録領域を書き換え可能領域と書き換え不可能領域とに分割する(ステップS21)。
【0113】
ここで、ユーザーが、操作入力部11を介して目的地を設定すると(ステップS22)、ナビゲーション制御部12は、位置検出部10において検出された自車の現在位置から操作入力部11を介して設定された目的地までの最適ルートを探索し、探索した結果を映像表示部14に表示する。現在位置から目的地までの最適ルートが決定すると、ナビゲーション制御部12は、光ディスクドライブ23より、現在位置から目的地までの地域の地図を表示するために参照する地図情報を読み出すように光ディスクドライブ制御部20に指示を送る(ステップS23)。
【0114】
光ディスクドライブ制御部20は、読み出し要求を受けた地図情報を光ディスク23から読み出すと共に(ステップS24)、不揮発性メモリ21の書き換え不可能領域に空き容量があるか否かを判定する(ステップS25)。空き領域が存在する場合(ステップS25においてYes)、光ディスクドライブ制御部20は読み出した地図情報を不揮発性メモリ21における書き換え不可能領域に記録する(ステップS26)。すなわち、地図情報を不揮発性メモリ21における書き換え不可能領域にキャッシュする。
【0115】
次に、ナビゲーション制御部12は、光ディスク23において記録した地図情報に関連付けられて記録されている関連情報を読み出すように光ディスクドライブ制御部20に指示を送る(ステップS27)。
【0116】
光ディスクドライブ制御部20は、読み出し要求を受けた関連情報を光ディスク23から読み出すと共に(ステップS28)、読み出した関連情報を不揮発性メモリ21における書き換え可能領域に記録する(ステップS29)。すなわち、関連情報を不揮発性メモリ21における書き換え可能領域にキャッシュする。
【0117】
一方、不揮発性メモリ21の書き換え不可能領域に空き領域が存在しない場合(ステップS25においてNo)、読み出した地図情報を不揮発性メモリ21の書き換え可能領域に記録する(ステップS30)。この場合、記録した地図情報に関連付けられた関連情報の読み出しおよび記録は行わない。
【0118】
なお、地図情報および関連情報の光ディスク23からの読み出し、および不揮発性メモリ21への記録は、図2におけるステップS7〜9と同様に行われる。すなわち、振動検知部13において検知される振動数が閾値以下の場合にのみ行われる。
【0119】
また、書き換え不可能領域に記録される地図情報は、現在地から目的地までのルートを表示するために参照する地図情報が最も優先的に記録されることが好ましい。この場合、現在地から目的地までのルートを表示するために参照する地図情報を記録し終えたのち、まだ不揮発性メモリ21の書き換え不可能領域に空き領域が存在する場合には、他の地図情報をさらに書き換え不可能領域に記録してもよい。このとき、現在地から目的地までのルートを表示するために参照する地図情報以外の地図情報であっても、現在地から目的地までのルートを表示するために参照する地図情報の周辺を表示するために参照する地図情報から優先的に書き換え不可能領域に記録していくことが好ましい。
【0120】
この構成について、具体例を挙げて説明する。光ディスク23の記録容量全体が50GBであり、そこに地図情報10GBと関連情報40GBが記録されている。また、不揮発性メモリ21の記録容量全体は10GBであり、不揮発性メモリ21の記録領域は、3GBの書き換え不可能領域と、7GBの書き換え可能領域に分割されている。
【0121】
この場合、現在地から目的地までの地図を表示するための参照する地図情報(例えば、2GB)は優先して書き換え不可能領域に記録される。書き換え不可能領域の残りの1GBには、優先度の高い順にできる限りの地図情報が記録される。そして、書き換え不可能領域に記録された地図情報に関連付けられて記録されている関連情報は、7GBの書き換え可能領域に記録される。なお、地図情報の優先度については、予めカーナビゲーション装置1において設定されていてもよいし、ユーザーの好み(使用用途)に応じて、ユーザー自身により適宜設定されてもよい。
【0122】
また、図6では光ディスクの挿入後に不揮発性メモリ21の記録領域を分割するようにしているが、記録領域の分割はもちろんこのタイミングに限定されるものではない。例えば、カーナビゲーション装置1の出荷時に予め分割されていてもよい。また、不揮発性メモリ21の記録領域の分割は、ユーザーにより明示的に指示されることによって分割されるようにしてもよい。すなわち、地図情報を記録する直前にユーザーの操作により分割されるようにしてもよい。
【0123】
なお、書き換え不可能領域に記録されている地図情報は、例えば、目的地に到達し、ナビゲーション動作が終了されると同時に消去されるようにしてもよいし、ユーザーにより消去操作が行われるまで、記録され続けるようにしてもよい。
【0124】
(カーナビゲーション装置1の変形例の利点)
以上説明したように、地図情報に関連付けられた関連情報を、地図情報に続いて読み出すことによって、不揮発性メモリ21に記録される地図情報に関連する関連情報も不揮発性メモリ21に記録しておくことができる。
【0125】
これによって、ユーザーが、地図情報に関連付けられている関連情報を表示させたいと考えた場合には、振動または衝撃の有無に関わらず、地図情報に関連付けられている関連情報を表示させることができる。また、不揮発性メモリ21から関連情報を読み出す場合には、光ディスク23から関連情報を読み出す場合と比較して、関連情報の読み出しに要する時間を短縮することができる。
【0126】
また、カーナビゲーション装置1では、不揮発性メモリ21の書き換え不可能な領域に、ナビゲーション情報が書き込まれ、書き換え可能な領域に関連情報が書き込まれる。これによって、記録した地図情報を書き換えることなく、関連情報のみを適宜最適なものに書き換えることができる。これによって、不揮発性メモリの記録容量を効率的に利用することもできる。
【0127】
(光ディスク23からの情報の読み出し動作)
ここで、光ディスクドライブ15が光ディスク23から情報を読み出す動作について、図7を参照して以下に説明する。図7は、光ディスクドライブ15における光ピックアップ22部分の構成を示した図である。
【0128】
光ディスクドライブ15が、光ディスク23に記憶されたデータを安定に再生するためには、螺旋状に配列されたトラックに、光ピックアップ22内の対物レンズを上下左右に稼動するアクチュエータ30からの集光ビーム31を、動作時は常時、フォーカシングすると共に上記トラックにトラッキングさせておく必要がある。すなわち、光ディスク23の所望の位置に円形等強度線の微小光スポット(例えば、BDの場合は、0.4ミクロン程度)を、光ディスク23に対して常に垂直に当て、フォーカシングおよびトラッキングすることが要求される。
【0129】
例えば、BDでは、対物レンズ開口(NA)が0.85と大きく、レーザ波長が405nmと短いため、光の焦点深度は他の光ディスクに比べてよりピンポイントとなる。また、トラック間隔も0.32ミクロンと隣接トラックとの間が非常に狭くなる。
【0130】
そのため、振動または衝撃を受ける装置に搭載されている光ディスクドライブ15では、光ディスクドライブ15への振動または衝撃の伝達を抑えるために、防振ゴムのような緩衝部品を用いて、光ディスク23から情報を読み出すための部分を固定支持するベース板と筐体(図示しない)とを緩衝支持している。車両に搭載する車載用では、さらに、その筐体自身とカーナビゲーション装置1の筐体部とを緩衝機構を当して干渉支持している。
【0131】
なお、駆動モータ32は、光ピックアップ22を光ディスク23の法線方向に移動させるモータである。光ピックアップ22は、カイドレール33に沿って駆動する。また、スピンドルモータ34は、光ディスク23を所望の回転数で高精度に制御するモータである。
【0132】
(付記事項)
図1に示すように、本実施形態では、振動検出部13が光ディスクドライブ15の外部に設けられている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、光ディスクドライブ15内部に備えられていてもよい。
【0133】
また、本実施形態では、振動検出部13が光ディスクドライブ15に取り付けられている場合を例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではなく、カーナビゲーション装置1の筐体に取り付けられていてもよい。この場合、振動検出部13において検出される振動は、カーナビゲーション装置1の振動であるため、光ディスクドライブ15における振動の有無は、カーナビゲーション装置1における振動の有無と読み替えられることになる。
【0134】
なお、本実施形態では、振動の有無を光ディスクドライブ制御部20において判定しているが、これに限定されるものではない。すなわち、振動検出部13において検出された振動に基いて光ディスクドライブ15の振動の有無を判定する機能のみを光ディスクドライブ制御部20から切り分け、ナビゲーション制御部12の機能に含めるようにしてもよい。
【0135】
カーナビゲーション装置1は、ルート探索などのナビゲーション動作を実行するナビゲーション装置として利用されるだけでなく、CD、DVDまたはBDプレイヤーとして音楽または映像コンテンツを楽しむために利用することもできる。また、車載カメラを搭載している車両の場合には、その記録機としてカーナビゲーション装置1を利用することができる。ただし、この場合は、光ディスクドライブ15が情報の読み出しだけでなく、書き込みも可能である必要がある。なお、情報の書き込みについては、従来公知の処理により実現可能である。
【0136】
(プログラムおよび記録媒体)
最後に、カーナビゲーション装置1の光ディスクドライブ制御部20に含まれている各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成すればよい。または、次のように、MPUなどのCPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0137】
すなわち、光ディスクドライブ制御部20は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するMPUなどのCPU、このプログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを実行可能な形式に展開するRAM(Random Access Memory)、および、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)を備えている。
【0138】
そして、本発明の目的は、上記プログラムが光ディスクドライブ制御部20のプログラムメモリに固定的に担持されている場合に限らず、上記プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、または、ソースプログラム)を記録した記録媒体をカーナビゲーション装置1に供給し、カーナビゲーション装置1が上記記録媒体に記録されている上記プログラムコードを読み出して実行することによっても、達成可能である。
【0139】
上記記録媒体は、特定の構造または種類のものに限定されない。すなわちこの記録媒体は、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などとすることができる。
【0140】
また、光ディスクドライブ制御部20を通信ネットワークと接続可能に構成しても、本発明の目的を達成できる。この場合、上記のプログラムコードを、通信ネットワークを介して光ディスクドライブ制御部20に供給する。この通信ネットワークは光ディスクドライブ制御部20にプログラムコードを供給できるものであればよく、特定の種類または形態に限定されない。たとえばインターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等であればよい。
【0141】
この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な任意の媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。たとえばIEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0142】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明に係るカーナビゲーション装置は、多様な情報を記録した光ディスクを搭載可能な光ディスクドライブを備えたカーナビゲーション装置として好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】実施形態に係るカーナビゲーション装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係るカーナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】地図情報に基いて表示する地図の形状を示す図であり、(a)は線分ABを対角線とする四角形の場合であり、(b)は線分ABを直径とする円形の場合であり、(c)は線分ABを対角線とする四角形を拡大した四角形の場合であり、(d)は線分ABを対角線とする四角形および点AおよびBを中心とする四角形の場合である。
【図4】光ディスクを入れ換えた場合のカーナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】記録領域を分割した不揮発性メモリを模式的に示す模式図である。
【図6】変形例として示したカーナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】光ディスクドライブにおける光ピックアップ周辺部分の構成を示した図である。
【図8】従来のカーナビゲーション装置の要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0145】
1 カーナビゲーション装置
10 現在位置検出部
11 操作入力部
12 ナビゲーション制御部
13 振動検出部
14 映像表示部
15 光ディスクドライブ
20 光ディスクドライブ制御部(判定手段、制御手段)
21 不揮発性メモリ
22 光ピックアップ
23 光ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに記録された情報を読み出す光ディスクドライブを備え、当該光ディスクに記録された情報を参照して動作するカーナビゲーション装置であって、
上記光ディスクドライブが振動しているか否かを判定する判定手段と、
上記判定手段が上記光ディスクドライブが振動していないと判定したときに、上記光ディスクに記録された情報を、上記光ディスクドライブが備えている不揮発性メモリにキャッシュするよう、上記光ディスクドライブを制御する制御手段と、
を備えていることを特徴とするカーナビゲーション装置。
【請求項2】
上記制御手段は、上記光ディスクに記録された情報のうち、当該カーナビゲーション装置が地図を表示するために参照する地図情報、および当該カーナビゲーション装置を動作させるためのナビゲーションプログラムの少なくとも何れかを、上記不揮発性メモリにキャッシュするよう、上記光ディスクドライブを制御することを特徴とする請求項1に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項3】
上記制御手段は、上記地図情報のうち、設定された目的地と現在位置とを含む地域の地図情報を上記不揮発性メモリにキャッシュするよう、上記光ディスクドライブを制御することを特徴とする請求項2に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項4】
上記制御手段は、設定された目的地と現在位置とを含む地域の地図を表示するために当該カーナビゲーション装置が参照する地図情報と、当該地図情報に関連付けられて上記光ディスクに記録されている関連情報と、をこの順に上記不揮発性メモリにキャッシュするよう、上記光ディスクドライブを制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項5】
上記不揮発性メモリは、記録した情報を書き換え不可能に設定されている第1の記録領域と、記録した情報を書き換え可能に設定されている第2の記録領域とに分割されており、
上記制御手段は、上記地図情報を上記第1の記録領域にキャッシュし、上記関連情報を上記第2の記録領域にキャッシュすることを特徴とする請求項4に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項6】
当該カーナビゲーション装置は、光ディスクに記録された映像情報および音楽情報の少なくともいずれかを再生する機能を有しており、
上記制御手段は、上記光ディスクに記録された映像情報および音楽情報の少なくともいずれかを、上記不揮発性メモリにキャッシュするよう、上記光ディスクドライブを制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項7】
光ディスクに記録された情報を読み出す光ディスクドライブを備え、当該光ディスクに記録された情報を参照して動作するカーナビゲーション装置において、当該光ディスクに記録された情報を不揮発性メモリにキャッシュするよう、上記光ディスクドライブを制御する制御方法であって、
上記光ディスクドライブが振動しているか否かを判定する判定ステップと、
上記判定ステップにおいて、上記光ディスクドライブが振動していないと判定されたときに、上記光ディスクに記録された情報を、上記光ディスクドライブが備えている不揮発性メモリにキャッシュするよう、上記光ディスクドライブを制御する制御ステップと、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか1項に記載のカーナビゲーション装置が備えているコンピュータを動作させるプログラムであって、上記コンピュータを上記判定手段および上記制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−301664(P2009−301664A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−156443(P2008−156443)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】