説明

ガスの化学組成を同定するための方法および装置

本発明の態様は、1つまたは複数のガス、たとえば、プラズマエッチングまたはプラズマ強化化学蒸着(PECVD)などの半導体製造プロセスから採取されたガス混合物の成分分析に関する。特定の態様は、多数の分子および分子断片を個々の原子に解離させるために、試料のプラズマに十分な電力を提供する。十分な電力(典型的には3〜40 W/cm3の出力密度)がプラズマに送出されると、発光ピークのほとんどが個々の原子の発光により生じ、それによって、試験されているガスの化学組成の同定を単純化するのに役立つスペクトルを作製することができる。このようにガスの成分を正確に同定することによって、行われているプロセスの段階を正確に決定すること、特に、プロセスのエンドポイントを検出することができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本非仮特許出願は、その双方の全内容が全ての目的に関して参照により本明細書に組み入れられる、2007年8月7日に提出された米国特許仮出願第60/963,974号および2008年1月11日に提出された米国特許仮出願第61/020,457号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
集積回路または「IC」は、1つのシリコンチップ上で加工された一握りの相互接続デバイスから無数のデバイスへと進化した。現在のICは、当初の想像をはるかに超えた性能および複雑度を提供する。複雑度および回路の密度(すなわち、所定のチップエリアに充填されうるデバイスの数)における改善を達成するために、デバイス「ジオメトリ」としても知られる最小のデバイスフィーチャーの大きさは、ICの世代を重ねる毎に小さくなっている。今では、径が4分の1ミクロン未満のフィーチャーを有する半導体デバイスが加工されている。
【0003】
単なる例として、層を除去または部分的に除去してそこに構造を形成するために、エッチングプロセスがしばしば用いられる。エッチングはドライエッチャーまたはウェットエッチャーなどのエッチングツールによってしばしば行われる。ウェットエッチャーにはしばしば、1つの材料をもう1つの材料から選択的に除去するための腐食化学液を有する容器が含まれる。ドライエッチャーにはしばしば、プラズマ源および処置チャンバーが含まれる。ドライエッチャーはしばしば、シリコンなどの半導体材料、アルミニウムなどの金属、またはシリコン酸化物などの誘電材料を除去するために、フッ素担持種および塩素担持種などのガスを用いる。
【0004】
半導体製造プロセスおよびプロセシングされるウェーハに及ぼすこれらのプロセスの効果の特徴を調べるためにリアルタイム計測学を用いることに対して多くの研究が行われている。ウェーハ表面の詳細な精査を行うことができるエクスシチュー(ex situ)計測とは対照的に、リアルタイム計測学はその場での測定を必要とし、この場合、ウェーハのそのような厳密な調査を行うことはまれである。その結果、ウェーハの状態に関する推測を行うために、プロセスチャンバーまたはプロセスチャンバー内部のガスに送出された電力などのパラメータを測定する必要がある。
【0005】
半導体プロセスに関するリアルタイム計測の典型的な目的には、特定の薄膜がプラズマエッチングプロセスにおいて十分にエッチングされる時点(エンドポイント)などの特定のウェーハ状態の同定;または薄膜が沈着もしくはエッチングされる速度などの重要なプロセスパラメータの特徴付けが含まれる。
【0006】
プロセスチャンバー内部のガスを測定する1つのアプローチは、プロセスチャンバー内部のプラズマから放出された光を測定するために分光計を用いることである。プロセスチャンバー内部のガスを測定するもう1つのアプローチは、内蔵プラズマから放出された光を測定するための分光計と共に内蔵式プラズマチャンバーを含むシステムを用いることである。たとえば、そのようなシステムを用いる場合、検出装置の内蔵のプラズマチャンバーは、プロセシングチャンバーからのガスが検出装置のプラズマチャンバーの中に流れるように、および/またはその中に拡散することができるように、プロセシングチャンバーと流体接続されているであろう。
【0007】
これらのアプローチのいずれにおいても、ガスが内蔵のプラズマによって励起されると、原子、分子、および分子断片が含まれうるガス状粒子の一部分は、その電子の1つまたは複数をより高いエネルギー状態に励起させるであろう。これらの電子が、そのより低いエネルギー状態へと戻る場合、電子が失うエネルギーと等しいエネルギーで、光子がガス状粒子から放出される。光子のそれぞれのエネルギーは、それが放出される粒子(原子、分子、または分子断片)の特徴を示す。
【0008】
光子エネルギーは、それが放出されるガス状粒子の特徴であること、および光子エネルギーと波長(または波長に反比例する周波数)のあいだには1対1の関係が存在することから、波長の関数としての発光強度の測定は、プラズマに存在するガス状粒子に関する情報を提供することができ、このように、ガスの化学組成に関する情報を提供することができる。
【0009】
たとえば、図1は、空気を含むプラズマを有するチャンバーから得た従来の発光スペクトルを示す。図1のy軸は、発光強度を示し(任意の単位)、これは一般的にガス混合物における発光粒子の濃度が増加すると増加する。図1のx軸はナノメートルで測定された発光の波長を示す。
【0010】
図1のスペクトルは、分子型の窒素ガスの特徴であり、これは空気がそのような窒素分子をおよそ80%含むことを仮定して予想される。しかし、窒素分子の存在を明らかにすることを別として、図1の発光スペクトルが提供する情報は比較的少ない。
【0011】
具体的に、窒素のほかに、空気はまたおよそ20%酸素も含有する。しかし、図1のスペクトルは、酸素の存在に関するいかなる意味のある指標も欠損している。
【0012】
これは、ガス混合物が典型的に多くの異なる分子および/または原子を含むためである。分子型のガスは一般的に、電子項遷移に対応するバンドからなるスペクトルを産生し、これは振動状態のあいだでの遷移に対応するサブバンドを含み、これらのサブバンド自身は、異なる回転状態のあいだでの遷移に対応する多くの個々の線を含む。分光計の分解能は有限であるために、これらの多くの線はぼやけて、共に連続のバンドとなる。窒素分子のスペクトルは、ほとんどの分子または分子断片より多くのバンドを示すが、分子型のほとんどのガスの典型的なスペクトルは通常、なおもバンドで混雑し、一般的に1つのガス成分ともう1つのガス成分とが重なり合う。これによって、ガス混合物の中で分子型のガスが多くを占める場合には、従来の分光技術を利用してガス混合物の真の化学組成を確かめることが難しくなる。対照的に、原子の発光スペクトルは、孤立した線からなる傾向があり、その多くは、波長が十分に離れていて、それらを従来の分光計によって分解することができる。
【0013】
従来の分光技術を用いる場合のなおもう1つの難しさは、特定の分子または分子断片にスペクトルのピークを関連させる難しさにある。たとえば、原子からの発光スペクトルに関する文書報告は非常に詳細でわかりやすい。特定の波長のそれぞれでの発光の相対的強度と共に特定の原子が発光する特異的波長に関する優れた情報源は、National Institute of Standards and Technology (NIST)のhttp ://physics.nist. gov/PhysRefData/ASD/lines_form.htmlから入手可能である。
【0014】
対照的に、分子または分子断片からの発光スペクトルに関する文書報告は、はるかに少ない。このように、たとえ特定の分子または分子断片の発光をスペクトルにおける他の分子と分離できたとしても、この情報をガス混合物の公知の成分と相関させることは、多くの場合において可能ではないであろう。問題は、プラズマの高いエネルギー状態のために悪化して、この場合不安定な分子および分子断片が形成されて、次に非常に短時間の尺度で解離しうる。
【0015】
これまでの研究は、クロマトグラフィーなどの分析技術のための原子発光検出器において行われている。そのような検出器は、液体を蒸発させて分析するために用いられることが多く、しばしば、大量のアルゴンまたは別の担体ガスが混合物に加えられる。これらのアプローチは、原子発光の検出を可能にするが、それらは、大気圧で作動するように設計されており、半導体デバイスのプロセシングにおいて用いられる環境などのプロセスチャンバー内部のガス状環境の分析にとって不適である。
【0016】
もう1つの関連する分析技術は、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)である。この技術は、水冷却RFコイルを有する同心円に整列した石英管を含むICPトーチを用いる。アルゴン担体ガスと組み合わせて、ICPトーチは、高温プラズマ(およそ7,000K)を作製し、これは分析される材料を原子化して励起する。ICP-OESは、微量金属の分析のために用いられることが多い。しかし、トーチ様形状、アルゴン担体ガスの高い流速、および大気圧での作動のために、この技術もまた、半導体デバイスの加工の際に生じる環境の分析にとって適していない。
【0017】
従来の分光技術を用いる場合の最後の難しさは、観察されるシグナルの強度にある。具体的に、デバイスのサイズが縮小すると、試験されるプロセスによって変化する材料の領域は全領域のごく小さい部分を表すに過ぎない可能性がある。たとえば、プラズマによるエッチングの典型的な段階において、除去される誘電層の領域は、全領域のわずか約1%またはそれ未満に過ぎない。発光分光分析法(OES)または高周波(RF)測定などの従来の測定技術は、プラズマ状態全体を測定することから、他の干渉からの効果は測定のシグナルを圧倒しうる。
【0018】
半導体デバイスには、シリコン含有誘電膜(窒化シリコン、二酸化シリコン、ドープ二酸化シリコン、および低k被膜などの)が一般的に存在する。これらのシリコン含有誘電膜は最初にブランケット層として沈着され、次にフォトリソグラフィーによって露出した選択領域において除去される。誘電層の除去はエッチングによって達成されるが、これは誘電体の下にある材料を損傷しないように高い精度で行われなければならない。正確なエッチングへの鍵は、二酸化シリコンがこれ以上除去されない点であるプロセスのエンドポイントを正確に決定することである。
【0019】
しかし、典型的にエッチングされる誘電膜の露出領域は非常に小さく(たとえば、全領域の数%またはそれ未満)、そのためにそのようなエッチングのエンドポイントに関連するいかなるシグナルも非常に小さくなる。(i)小さいシグナル、(ii)互いに重なり合う多数のバンドによるシグナルの曖昧化、および(iii)任意の特定の発光に関連するガス種を同定する難しさが組み合わさって、これまで、エッチングプロセスのエンドポイントの検出は非常に難しい。
【0020】
上記から、ガス混合物を分析するための、およびプロセスエンドポイントを決定するための改善された技術、システム、および方法が望ましいことが認められる。
【発明の概要】
【0021】
概要
本発明の態様は、1つまたは複数のガス、たとえばプラズマエッチングまたはプラズマ増強化学蒸着(PECVD)などの半導体製造プロセスから採取したガス混合物の成分の分析に関する。本発明に従う態様は、多数の分子および分子断片を個々の原子に解離するために、試料のプラズマに十分な電力を提供する。十分な電力(典型的に出力密度3〜40 W/cm3)がプラズマに送出されると、発光ピークのほとんどが個々の原子の発光に起因して、それによって調査中のガスの化学組成の同定を単純化するために助けとなるスペクトルを作製する。ガスの成分のそのような正確な同定によって、行われているプロセスの段階を正確に決定することができる可能性があり、特にプロセスエンドポイントを検出することができる可能性がある。
【0022】
本発明のいくつかの態様は、シリコン原子に特徴的な発光強度の変化に基づいて、シリコン含有誘電層をエッチングするプロセスのエンドポイントを検出する。一定の態様に従って、発光は、望ましいエッチングプロセスを行うために利用されるプラズマから直接得られる。他の態様において、発光は、エッチングプロセスから採取したガスから得られる。これらの態様において、多数の分子および分子断片を個々の原子に解離するために、採取されたガスに十分な出力密度が送出される。これは、シリコン原子の特徴である発光ピークの強度の変化を容易に検出することができるスペクトルを作製する。一般的に、シリコン原子の発光強度の低下は、シリコン含有誘電体をエッチングするためのプロセスのエンドポイントを示している。
【0023】
本発明に従う態様の様々な追加の目的、特色、および長所は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照することによってより完全に認識されうる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】空気の従来の発光スペクトルを示す。
【図2】本発明に従う検出装置の態様を利用するプラズマプロセシングシステムの態様の簡単な概略図を示す。
【図3】図2において示した検出装置の態様の詳細な図である。
【図4】図3の検出装置と共に用いるためのマッチ回路の態様のダイアグラムを示す。
【図5】高出力がプラズマに送出されたことにより、本発明の態様によって産生された空気の発光スペクトルである。
【図6】より低出力がプラズマに送出されたことにより、本発明の態様によって産生された空気の発光スペクトルである。
【図7】本発明の態様によって産生されたプラズマチャンバークリーニングプロセスの発光スペクトルである。
【図8】プラズマチャンバークリーニングプロセスの従来の発光スペクトルである。
【図9】本発明の態様によって産生されたプラズマエッチングプロセスの発光スペクトルである。
【図10】プラズマエッチングプロセスの従来の発光スペクトルである。
【図11】シリコン原子の発光の特徴である、波長および相対強度の詳細なチャートを示す。
【図12】本発明の態様に従って用いるためのコンピューターシステムの概略図である。
【図12A】図12のコンピューターシステムの基本サブシステムを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な説明
本発明の一定の態様は、真空条件でのガスまたはガス混合物の組成分析に向けられる。特定の態様に従って、半導体デバイスの製造技術が提供される。より具体的に、本発明の態様は、測定されるガスを含む原子および/または分子をプラズマが励起する場合に、プラズマチャンバーから放出された光の強度および波長を測定するために内蔵式プラズマチャンバーと共に分光計を用いてもよい。
【0026】
本発明の態様は、ダイナミックランダムアクセスメモリデバイス、スタティックランダムアクセスメモリデバイス(SRAM)、特定用途向け集積回路デバイス(ASIC)、マイクロプロセッサおよびマイクロコントローラ、フラッシュメモリデバイス、フラットパネルディスプレイ、MEMS、ならびにその他などの進化した集積回路の製造に応用されてもよい。
【0027】
本発明の態様は、調査中のガスの化学組成を同定するために助けとなるスペクトルを作製するための方法および装置に関する。これらのスペクトルは、多数の分子および分子断片を個々の原子に解離するためにプラズマにおいて十分な電力を提供することによって作製されてもよい。このアプローチは、プラズマに送出される電力は、プラズマからの発光強度を決定することよりも多くのことを行うという認識に基づいている。具体的には、プラズマに印加された出力密度が十分な高レベルに達すると、プラズマ発光スペクトルの性質が変化する。本発明の態様に従って十分な電力がプラズマに送出されると、ほとんどの発光ピークは、分子または分子断片の発光よりむしろ個々の原子の発光に起因するであろう。
【0028】
図2は、シリコンウェーハのプロセシングのための本発明に従う装置の態様の単純な図である。装置200には、基板206を支持するような形状を有するチャック204を囲む壁202を有するプロセシングチャンバー201が含まれる。チャンバー201には、ガス供給部210からガスを受容するための入口208が含まれる。チャンバー201にはまた、真空ポンプ212に接続された出口211が含まれる。
【0029】
基板206をチャック204に搭載すると、真空ポンプ212が活性化されてチャンバー201内を排気する。ガス供給部210からのガスがチャンバーの中に流れて、RF電位がRF源214からチャンバーに印加されて、その中でプラズマ215を発生させる。チャック204にバイアスを印加すると、プラズマ中の反応種が基板に引きつけられて、その上に存在する材料に当たってエッチングする。
【0030】
図2のチャンバーにおいて起こるエッチングプロセスの状態は、プラズマチャンバーにおけるガスの組成をモニターすることによって区別することができる。特に、プラズマからの発光は、その構成成分を明らかにすることができる。このように、図2はまた、チャンバー201に流体接続している、本発明の態様に従うプラズマモニタリング装置300を示す。図3は、プラズマモニタリング装置300の拡大図を示す。
【0031】
本発明に従う図3の装置の態様の基本成分には、囲い301、プラズマチャンバー302(ここで、採取されたガスを含む分子、分子断片、および原子はプラズマに供され、十分な多数の原子の粒子を解離して、個々の原子からの有意な発光を生じる)、ガス源にチャンバーを接続するフランジ303、プラズマに十分な電力を提供するRF(高周波)発生器304、およびプラズマ発光からのスペクトルを作製する分光計308が含まれる。
【0032】
図3の装置にはまた、RF発生器304をパルスするためのパルス発生器306が含まれる。特に、本発明の一定の態様は、たとえば水の冷却を必要とすることなく、高出力のプラズマチャンバーを小型にして用いるために便利にする方法および装置に関する。具体的に、ガスの化学組成のモニタリングは一定の間隔(1秒間に数回などの)に限って行われる可能性があることから、電力はパルス状で印加されて高エネルギープラズマをごく短期間発生させることができる。プラズマが発火される時間の割合が小さい場合、プラズマチャンバーに印加される平均電力を低く維持することができ、プラズマチャンバーに送出される熱を比較的低く維持することができる。
【0033】
図3の装置にはさらに、分光計を動かすためのコンピューターまたはプロセッサ310が含まれる。特に、コンピューターまたはプロセッサは、発光強度を混合物中のガスの相対濃度に相関させるように構成される。コンピューター/プロセッサはまた、ガスまたはガス混合物における原子の相対濃度に基づいて、ガス試料からプロセスの段階(エンドポイントなどの)を決定するように構成されてもよい。具体的に、コンピューター310は、ガス組成の検出およびプロセス制御に関する多様な作業を行うようにコンピューターを指示するように構成されたコードを保存するコンピューター読み取り可能な記憶媒体に電子的に接続されてもよい。以下の図12〜12Aは、本発明に従う態様を実行するために適したコンピューターシステムに関するさらなる詳細を紹介する。
【0034】
チャンバー302は、フッ素および他のハロゲン、金属イオン、および酸素イオンなどの反応性元素を含む高密度プラズマに信頼度高く耐えることができる材料で、同時にモニターされるプロセスに対するいかなる有害な混入にも関与しない材料を含む。1つの態様に従って、プラズマに曝露される材料には、高純度Al2O3管302、ステンレススチール端板307aおよび307b、ならびにその中を通してプラズマからの発光を分光計308によって検出することができる端板307bにおける高純度Al2O3(サファイア)ウィンドウ316が含まれる。
【0035】
チャンバー中のプラズマは、多数の異なる電極形状で発生されうるが、最も単純で最も有効な形状は、Al2O3管302の周囲の誘導巻線318である。そのような態様において、この巻線を含むワイヤは、高出力プラズマにとって必要な大きい電流を運ぶために十分なゲージのワイヤであるべきである。たとえば、図3の特異的態様において、巻線は12 American Wire Gauge(AWG)マグネットワイヤで作製される。
【0036】
図3の態様はまた、マッチネットワーク320の存在を示す。多くのタイプのマッチネットワークを用いることができるが、可能性がある1つのマッチネットワーク320を図4の回路400に示す。マッチネットワークの成分を選ぶ場合の主な検討は、成分がRF発生器304によって送出される高出力に関連する電圧および電流に確実に耐えうることである。図4の態様において用いられる特異的コンデンサは、American Technical Ceramics of Huntington Station, New Yorkから得られた少なくとも5000 Vの定格電圧を有する多層セラミックコンデンサであった。
【0037】
多くの異なるタイプのRF発生器を本発明の態様に従って用いることができるであろう。そのような適したRF発生器の供給元の例には、Advanced Energy Industries, Inc. of Fort Collins, Colorado、MKS Instruments, Inc. of Wilmington, Massachusettsなどの企業が含まれる。図3の特異的態様において利用されるRF発生器は、パルス操作モードを行うことができるSeren IPS, Inc. of Vineland, New Jerseyから入手可能なSeren R601であった。
【0038】
同様に、多数の異なる分光計の任意の1つを用いて、本発明に従う態様を実行することができるであろう。図3の特定の態様において、Ocean Optics, lnc. of Dunedin, Floridaから入手可能なHR 4000分光計を利用した。
【0039】
図3の態様のコリメーティングレンズ322を用いて、プラズマチャンバーのX軸に近いプラズマの十分に規定された部分のみからの発光を確実に測定する。典型的に、測定されるプラズマの部分は、全プラズマのごく数%を表すに過ぎない。
【0040】
パルス回路は任意の数の異なる方法で実行することができる。最も単純で最も小型のアプローチの1つは、1つまたは複数の単安定マルチバイブレータが含まれる小さい組の集積回路を用いる。本態様において、74LS123デュアル単安定マルチバイブレータが用いられる。
【0041】
特定の態様において、パルシングはまた、分光計および発生器に接続するマイクロコントローラを用いて、発生器のパルシングを分光計の集積サイクルと同調させることによって達成されうる。マイクロコントローラを用いることによって、プログラミングの柔軟性、容易なアップグレード能、およびこれらの作業の遠隔での達成能が可能となる。
【0042】
図5は、図2〜4において示された本発明の態様を利用して得られた空気からのプラズマ発光スペクトルを示す。図5のスペクトルは、チャンバーにRFエネルギーを出力500ワットで印加することによって得られた。プラズマの体積を考慮すると、これはおよそ20ワット/cm3の出力密度に等しい。
【0043】
比較によって、図1において示される従来の発光スペクトルは、4ワットのRFエネルギーを、長さ1.8 cmおよび直径1.5 cmで、したがって体積約3.2 cm3を有するプラズマを含有する円柱形のチャンバーに印加することによって得られた。これはわずかおよそ約1.3ワット/cm3の出力密度に等しい。
【0044】
本発明の態様に従って、プラズマに高いRF電力を印加すると、分子および分子断片の個々の原子への解離が起こり、かなりより単純なスペクトルが産生される。たとえば、図5のピークは、それらが、原子発光スペクトルに特徴的なように、数が少なく、鋭く狭いことから、全スペクトルのごく一部分のみを占める。分子発光の唯一の指標は、600 nmレンジ中央でのいくつかの非常に小さいピーク、700 nmレンジ中央ではさらにより小さく、および300 nmレンジ中央では1組のピークの存在であることから、図5のスペクトルに対する分子の関与はほとんど目立たない。
【0045】
図5の発光スペクトルは、図1の従来のスペクトルより有意に多くの情報を伝える。特に、742 nm、744 nm、747 nm、および868 nmでの鋭いピークは窒素原子からの発光を示している。777 nmおよび845 nmでのピークは酸素原子からの発光を示している。656 nmでのピークはおそらく空気中の少量の水分からの水素原子である。
【0046】
図6は、低出力レベルで操作された本発明に従う検出装置の態様による空気含有プラズマのスペクトルを示す。具体的に、この場合、RF発生器によってプラズマに送出された電力は180ワットであり、出力密度約7.2ワット/cm3に対応した。図6のスペクトルにおいて、窒素分子からの発光と共に窒素原子および酸素原子からの発光が認められうる。
【0047】
747 nmでの窒素原子のピークおよび777 nmでの酸素原子のピークを図6に示す。これらのピークに隠れて窒素分子によって産生された領域が存在し、これは約700 nmから約800 nmに伸びる多数の幅の広いピークを有する。スペクトルのこの部分を図1(低出力の場合)における対応する部分と比較すると、スペクトルが、窒素原子および酸素原子に関する孤立した狭いピークの存在を除いて非常に類似して見えることを示している。このように、図6におけるスペクトルは、分子発光(スペクトルの形は図1におけるスペクトルの形に非常に類似している)と、747および777 nmで狭いピークを有する原子発光との重ね合わせとして見なすことができる。
【0048】
要約すると、分子および分子断片からの発光と比較した場合に、原子からの発光に関して3つの一般的なタイプのスペクトルを同定することができる。たとえば、図1において示されるように低出力スペクトルが低出力領域で産生され、この場合、発光は主に分子および分子断片からであり、原子からの有意なシグナルを認めることはできない。たとえば図5において示されるように高出力スペクトルは、高出力領域で産生され、この場合発光は主に原子からである。たとえば図6において示されるように中等度の出力スペクトルは、遷移領域において産生され、この場合、なおも分子および分子断片からの発光が存在するが、原子からの発光は有意である。
【0049】
いくつかの応用に関して、図6において示される原子発光のシグナル強度を有する発光スペクトルは、十分でありうるであろう。他の場合において、たとえば図5において示されるように、原子発光は分子発光よりかなり大きい必要がある可能性がある。システムの特定の要件に応じて、最適な出力レベルを選ぶことができる。
【0050】
本発明に従う態様は、プラズマからの発光の十分な部分が個々の原子からであるように、プラズマに十分なRF力を印加してもよい。たとえば、本発明の1つの態様に従って、プラズマに提供される電力は、747 nmにおける空気中の窒素原子からの発光強度が747 nmにおける窒素分子からの発光強度の少なくとも20%であるような電力であってもよい。
【0051】
関心対象の波長(たとえば747 nm)での分子および原子線の相対的関与の定量的推定値は、関心対象の波長周囲のバンドにおける分子のバンドの強度を調べることによって得ることができる。たとえば、図1および6における747 nm領域に関して、本発明者らは、図6のスペクトルが、図1の分析からその形を得ることができる分子スペクトルと、窒素原子発光に対応する747 nmでの追加の狭いピークとの重ね合わせであることを知ることができる。分子バンドの形を適合させることは、図1の低出力スペクトルに適合させることによってその中心、幅、および高さが決定されるガウスピークの集合の重ね合わせを含みうるであろう。これらは全定数によって概算されて、図6において示されるスペクトルにおける747 nmの近傍で分子バンドに最善の適合を与えるであろう。これは、観察された強度のバランスが原子発光による、747 nmでの分子の関与に関する推定値を提供するであろう。分子発光と原子発光の個別の関与を定量的に推定するために、類似のアプローチを、スペクトルの他所でも用いることができるであろう。
【0052】
もう1つの態様に従って、プラズマに提供される電力は、シリコン酸化物がフルオロカーボン/酸素化学でエッチングされるプラズマエッチングプロセスにおいて、248 nmにおける炭素原子からの発光強度が520 nmにおけるCO分子からの発光強度の少なくとも20%であるような電力であってもよい。なおもう1つの態様に従って、プラズマに提供される電力は、シリコン酸化物がフルオロカーボン/酸素化学でエッチングされるプラズマエッチングプロセスにおいて、251 nmにおけるシリコン原子からの発光強度が440 nmにおけるSiF分子からの発光強度の少なくとも20%であるような電力であってもよい。なおもう1つの態様に従って、プラズマに提供される電力は、フルオロカーボン/酸素化学において、686 nmにおけるF原子からの発光強度が520 nmにおけるCO分子からの発光強度の少なくとも20%であるような電力であってもよい。
【0053】
本発明の態様は、プラズマの特定の成分に応じて、約3〜40 W/cm3の出力密度を達成するために十分なRF電力を印加してもよい。特定の態様に応じて、本発明に従う装置の例は、約3 W/cm3より大きい出力密度、約5 W/cm3より大きい出力密度、約10 W/cm3より大きい出力密度、約15 W/cm3より大きい出力密度、約20 W/cm3より大きい出力密度、約25 W/cm3より大きい出力密度、約30 W/cm3より大きい出力密度、約35 W/cm3より大きい出力密度、または約40 W/cm3より大きい出力密度を達成するようにRF電力を印加するように構成されてもよい。
【0054】
プラズマが存在するか否かにかかわらず、一定のガスは原子型で存在する。アルゴンおよびネオンなどの不活性ガスはこのように挙動する。しかし、実際的な見地から、本発明に従う態様によって行われることが望ましい測定の多くは、プラズマの非存在下または低出力プラズマにおいて原子型で存在しないガスを含有する混合物の測定であろう。
【0055】
本発明に従う態様に関する応用の1つの例は、プラズマチャンバーからの混入を除去するために一般的に使用されるプラズマクリーニングプロセスのモニタリングである。具体的に、ドライクリーンの目的は、半導体デバイス製造において用いられるシリコンウェーハのエッチングの際に起こるプラズマエッチ産物の積層を除去することである。ドライクリーンの際に、典型的に酸素ガスがプラズマエッチチャンバーに導入されて、プラズマが発火される。酸素はチャンバー壁上の積層沈着物と化合して、揮発性化合物を形成して、次にこれがチャンバーの外に押し出される。
【0056】
図7は、そのような「ドライクリーン」プロセスの際にプラズマエッチチャンバー内部でのガス混合物から、本発明の態様によって産生された発光スペクトルを示す。図7において、酸素の存在は、チャンバー壁の積層の主成分である炭素、フッ素、および水素と共に明らかに認められる。同様に、典型的に大気の混入により少量の窒素も存在する。この窒素は炭素と化合して、本発明において典型的に用いられるプラズマ出力レベルにおいても生き延びる非常に強い結合を形成する。これらの様々な原子に関連するピークをモニターすることによって、ドライクリーンの挙動に関する有意な理解を獲得することができる。たとえば、炭素沈着物はチャンバーから除去されることから、炭素ピークの強度はドライクリーン進行の良好な測定を提供することができる。
【0057】
図8は、わずか約1.3 W/cm3の出力密度で得られたそのようなドライクリーンプロセスの従来の発光スペクトルを示す。図8は、酸素がプラズマの主要な部分を含むという事実にもかかわらず、酸素の存在の明確な指標を示さない。加えて、原子状の炭素、フッ素、および水素を示す容易に同定可能なピークも同様にこのスペクトルからは見分けることができない。
【0058】
図8のスペクトルは、多数のピークおよびバンドを含有するが、そのほとんどは分子および分子断片の存在に帰因する。たとえば、ピークのいくつかはCOを示しており、他のピークは、様々な量の炭素、フッ素、酸素、および/または水素を含有するより大きい分子または分子断片を示す可能性がある。無数の分子および分子断片に対してこれらの元素を追跡する試みは、極めて困難な作業であり、ピークのいくつかはいかなる公知の同定も有しない可能性があるという事実によってさらにより難しくなる。
【0059】
本発明に従う態様に関してもう1つの起こりうる応用は、プラズマを利用する半導体基板上で材料を実際にエッチングするプロセスの進行をモニターすることである。図9は、シリコンウェーハ上のシリコン酸化物被膜のエッチングの間の、プラズマエッチチャンバー内部のガス混合物の、本発明の態様によって産生されたスペクトルを示す。図9のエッチングは、C4F8 10 sccm(標準立方センチメートル/分)、CO 50 sccm、O2 5 sccm、およびAr 200 sccmを含むフルオロカーボン/酸素化学を利用して起こっている。酸化物被膜の一部は、保護された酸化物が特定の半導体デバイスの相互接続スキームの一部を形成するために正確に正しい位置に存在するように、パターン形成されたフォトレジスト層によって保護される。
【0060】
図9は、プラズマチャンバーに入るガス混合物と共にフォトレジストに由来する炭素、プラズマチャンバーに入るガス混合物と共にシリコン酸化物に由来する酸素、およびエッチングされるシリコン酸化物に由来するシリコンに関連するピークを示す。これらのピークのモニタリングは、プラズマエッチングプロセスの進行に対して有意な量の情報を伝えることができる。たとえば、シリコンピークの強度は、酸化物エッチング速度を明らかにすることができ、エッチング速度の変化の指標を提供すると共に、エッチングプロセスが完了した時間(エンドポイント)を示すことができる。
【0061】
対照的に、図10は、低出力で得られた図9の同じガス混合物の従来の発光スペクトルを示す。図10において注目すべきことは、シリコンまたは炭素に関連するいかなるピークも全く存在しないことである。これらの元素は、他の波長で発光ピークまたはバンドを産生している分子または分子断片に含有される。しかし、これらの他のピークからこれらの元素の存在を同定することは、極めて難しい作業である。
【0062】
ガスモニタリングシステムの望ましい特徴は、プラズマチャンバーが小型で携帯型であることである。理想的には、これは水冷却を必要とするべきではない。本発明の高出力レベルが持続的に送出される場合、水冷却はおそらく必要であろう。しかし、ほとんどの場合、ガス組成物の測定は、1秒間に1回もしくはおそらく1秒間に数回、または場合によっては有意により低い頻度などの特異的間隔で起こる必要があるに過ぎない。数百ワットの出力レベルは、高レベルの発光を生じることができること、およびほとんどの分光計は極めて感度が高いことから、高品質のスペクトルを数ミリ秒以内に本発明において得ることができる。その結果、本発明のもう1つの成分は、RF発生器をパルスすること、すなわちわずか1秒間に数回またはそれ未満となりうる、ガス測定が望ましい毎にミリ秒のあいだスイッチを入れることである。これらの状況下では、プラズマチャンバーに送出される平均出力は、送出される最高出力のおよそ1%である。
【0063】
1つの例において、図5において示される発光スペクトルは、RFエネルギーのパルス印加を利用して得られた。特に、RFエネルギーは、1秒間に5回起こる2ミリ秒のパルスの形で印加された。最高出力レベル500ワットでは、これによって平均出力レベル5ワットが得られる。図7において示される発光スペクトルに関して、最高出力は300ワット(12ワット/cm3の出力密度に対応する)であり、パルス期間は3ミリ秒、およびパルス頻度は1秒間に5回であり、平均出力レベル4.5ワットが得られた。図9の発光スペクトルに関して、最高出力は300ワット(12ワット/cm3の出力密度に対応する)であり、パルス期間は12ミリ秒、およびパルス頻度は1秒間に5回であり、平均出力レベル18ワットが得られた。
【0064】
本発明の態様に従うRF電力のパルス印加を利用することは、一定の利益を付与する可能性がある。低い平均出力レベルのそのような利益の1つは、たとえば冷水源を必要とする冷却水の循環および特殊な液体取り扱い接続による装置の外部冷却の必要性がないことである。実際に、多くの例において、ファンなどのより単純なタイプの冷却デバイスを使用する必要があるか、または冷却デバイスを使用する必要は全くない。
【0065】
本発明に従う態様では、パルスで電力を印加することができるが、必ずしもそれを要しない。様々な態様において、電力は、約0.5ミリ秒〜50ミリ秒の持続時間を有するパルスで印加することができる。一定の態様において、パルスは1秒間に約1回〜1秒間に約20回の頻度で起こりうる。いくつかの場合において、プロセスが非常にゆっくりと変化している場合には、1分ごとまたはそれより少ないパルスで十分であろう。パルスエネルギーの持続および頻度に応じて、プラズマにおける平均出力は約0.1〜約50 Wでありうる。
【0066】
本発明に従う様々な態様は、強く、区別可能で、認識可能で、一貫したエンドポイント指数(EPI)シグナルによって示される明確なエンドポイントシグナルなどの一定の長所を提供する可能性がある。使用の容易さは、単純なセットアップ、開発すべき複雑なアルゴリズムがない、およびユーザーの特別の訓練が必要がないことによって示される可能性がある。本発明に従う特定の態様によって与えられる可能性があるその他の長所には、多用途性が含まれ、それによって構成をほとんど、乃至、全く変化させることなく、異なる曝露領域、ノードおよび被膜基板に対する多数の誘電体エッチングプロセスにとって理想的に適している。当然、多くのバリエーション、改変、および変更が存在しうる。
【0067】
本発明の様々な態様に従うアプローチによって与えられる長所には、以下が含まれうる:
1.個々の原子の発光ピークが十分に文献で報告されている。
2.個々の原子の発光ピークは、典型的にバンドで発光する分子および分子断片より典型的に狭く、典型的により少ないピークが存在し、このように異なる原子からのピークの有意な重なりを防止し、ガスの特異的構成成分の同定をかなり容易にする。
3.特定の元素を含有する可能性がある未知の数の分子または分子断片が存在しないことから、その特定の元素の挙動を追跡することがより容易となる。
4.プラズマプロセスがモニターされる応用に関して、主プラズマによって形成された特定の分子および/または分子断片は、発光する前に原子に分離することから、スペクトルは主プラズマの任意のバリエーションまたは変動に対してかなり感受性が低い。
【0068】
本発明の態様に従って一定の利益を達成することができる。たとえば、本発明の様々な態様は、多数のプロセス、技術ノード、曝露領域、および被膜タイプに関する1つのエンドポイントソリューションを提供する。本発明に従う態様は、有効なツールのエクスカーションおよび域外値制御を提供して、それによってツールのスループットを増加させる可能性がある。本発明の態様はまた、エンドポイントパフォーマンスのチャンバーマッチングと共に、将来の技術ノードへの現在の資本設備の拡大を提供する。本発明の一定の態様は、プラズマ周囲でデバイスをプロセシングする方法を提供する可能性があり、それによってより効率的なプロセスおよびより制御されたプロセスが得られうる。本発明に従う1つまたは複数の態様は、メモリ、ASIC、マイクロプロセッサ、フラットパネルディスプレイ、MEMS、および他のデバイスなどの多様な応用に適用することができる。
【0069】
多数の特異的態様が先に示され記述されているが、本発明の態様はそれらに限定されない。たとえば、先に記述した例は、高周波(RF)の形でエネルギーをチャンバーに印加することを利用するが、本発明は、この特定の態様に限定されない。本発明に従う代わりの態様は、マイクロ波が含まれるがこれらに限定されるわけではない他の型の放射線をチャンバーに適用することを利用する。本出願の目的に関して、本発明者らは、RFエネルギーを、その周波数が100 kHzから10 GHzまでの範囲内に存在する電磁放射線であると定義する。
【0070】
その上、本発明は、プラズマに基づくプロセス(エッチングまたは沈着プロセス)の特徴を感知することに限定されないと理解される。むしろ、半導体製造プロセスが含まれる任意のタイプの製造プロセス由来のガス状組成物を本発明の態様に従って分析することができる。たとえば、本発明に従う態様は、プラズマ増強化学蒸着(PECVD)、高密度プラズマ化学蒸着(HDP-CVD)、および低圧化学蒸着(LP-CVD)などの他の型の化学蒸着が含まれるがこれらに限定されるわけではない、沈着プロセスのためのエンドポイントを検出するために応用することができる。
【0071】
本発明は、任意の特定の気圧でガスの組成を検出することに限定されない。しかし、本発明のいくつかの態様は、大気圧より低い圧力で存在するガスの組成を検出するために特に十分に適している可能性がある。一定の態様において、ガスの組成は約0.1 ミリTorrから約100 Torrまでの圧範囲内で検出される可能性がある。一定の態様において、ガス組成は約3ミリTorrから約10 Torrのあいだの圧範囲内で検出される可能性がある。一定の態様において、ガス組成は、約3ミリTorrから約500ミリTorrのあいだの圧範囲内で検出される可能性がある。
【0072】
本発明の特定の態様は、シリコン原子に特徴的な発光強度の変化に基づいてシリコン含有誘電層をエッチングするプロセスのエンドポイントを検出する。一定の態様に従って、発光は、所望のエッチングプロセスを行うために利用されるプラズマから直接得られる。他の態様において、発光は、エッチングプロセスから採取したガスから得られる。これらの態様において、採取されたガスに十分な出力密度が送出されて、多数の分子および分子断片を個々の原子に解離する。これは、シリコン原子に特徴的な発光ピークの強度の変化を容易に検出することができるスペクトルを作製する。一般的にシリコン原子の発光強度の低下は、シリコン含有誘電体をエッチングするためのプロセスのエンドポイントを示している。
【0073】
シリコン含有誘電膜の主成分はシリコンである。その上、いかなるシリコン含有ガスも、エッチングのために利用される化学の一部として導入されることは比較的まれである。したがって、エッチング環境におけるシリコン濃度のモニタリングは、エッチングプロセスのエンドポイントに達した時間を決定するための直接的で正確な手段を提供しうる。
【0074】
本発明の態様は、シリコン原子の発光シグナルの変化を検出することによって、シリコン含有誘電膜のエッチングのエンドポイントを決定する。以下の表1は、シリコン原子に特徴的な発光ピークの波長および相対強度の一覧を提供する。
【0075】
(表1)シリコン

【0076】
図11Aは、シリコン原子の第一の電離レベルからの発光を示す波長のより包括的な一覧を示すより詳細なチャートである。この包括的一覧は、National Institute of Standards and Technology(NIST)から以下の場所http://physics.nist.gov/asd3.でオンラインで得ることができる。National Institute of Standards and Technology, Gaithersburg, Maryland. Ralchenko, Yu., Jou, F. -C . Kelleher, D.E., Kramida, A.E., Musgrove, A., Reader, J., Wiese. W.L., and Olsen, K. (2007). NIST Atomic Spectra Database(バージョン3.1.3)。本発明の態様に従って、プロセスのエンドポイントを正確に検出するために、これらの波長の1つまたは複数の発光強度の変化をエッチングの際にモニターすることができる。
【0077】
本発明の態様に従って、二酸化シリコン誘電材料のエッチングプロセスにおけるエンドポイントは、先に示したシリコン原子に関する波長の1つまたは複数の強度の変化によって示される。最も典型的に、エッチングプロセスにおけるエンドポイントは、誘電体のエッチング化学反応由来のシリコン含有副産物の量が誘電材料が消費されるにつれて下落するであろうことから、シリコン原子を示すピークの強度の低下によって明らかとなるであろう。発光強度の下落の大きさは、エッチングされるシリコン含有酸化物材料の量を含む、多様な要因に依存するであろう(大きい表面積のエッチングは、比較的大量のシリコンを産生して、それによって強い発光シグナルを産生するであろう)。しかし、一定の状況において、エッチングプロセスのエンドポイントによって、シリコン原子の発光の増加が起こる可能性がある。一般的に、本発明に従う態様は、シリコン原子の特性であるピークの強度の0.1%またはそれより大きい変化を検出するように構成される。
【0078】
一定の態様に従って、エンドポイントは、シリコンのほかに他の原子種からの発光強度をモニターすることによって決定することができる。たとえば、シリコン含有誘電体がシリコン酸化物を含む場合、エッチングプロセスのエンドポイントは、シリコン原子の1つまたは複数の発光ピークをモニターすることに加えて、酸素原子の発光ピークの変化した強度をモニターすることによって決定することができる。
【0079】
一定の態様において、シリコン含有誘電膜をエッチングするために用いられるプラズマは、分子のほとんどをその原子構成成分に解離するために十分な電力を有する。他の態様において、エッチングされる二酸化シリコンは、基板の大きい領域を覆ってもよく、それによってシリコン原子の強いシグナチャー発光が起こる。そのような態様において、分光計は、主プロセシングプラズマから直接シリコン原子の発光を測定するために、プロセシングチャンバーに直接光学的に接続されて配置されてもよい。十分な電力を有するプロセシングプラズマを用いることが可能である場合、先に記述した態様は、エンドポイント検出装置をかなり単純化することができる。
【0080】
しかし、ほとんどのプラズマエッチングプロセスにとって、プロセシングプラズマに印加される電力は、エンドポイントの検出を可能にするためにシリコン原子の発光からの十分に強いシグナルを提供するには十分ではない。これは、高出力を印加すると、加工途中の壊れやすい構造に障害を与えうるためである。
【0081】
したがって、代わりの態様において、エンドポイントを示すシリコン原子の発光の変化は、チャンバーからガスを採取する段階、および次に試料からの分子をその構成成分原子へと解離するために、採取したガスを十分に強いRF力に曝露する段階によって検出されてもよい。
【0082】
1つの態様において、シリコンを含有する分子の大部分を解離させるために、十分な電力がRF発生器から印加される(たとえば、100〜500ワット)。シリコン原子の主な起源はシリコン含有誘電膜のエッチングに由来すること、およびシリコン原子の測定にはその化学反応経路(それらが被膜からのエッチング後にSiF4またはSiF3の形であったか否か)が無関係であることから、シリコン原子の強度の測定によって、シリコン酸化物被膜エッチングのエンドポイントの直接的で正確な測定が可能となる。
【0083】
改めて図2の装置を参照すると、図2のチャンバーにおいて起こるエッチングプロセスの状態は、プラズマチャンバーにおけるガスの組成をモニターすることによって見分けることができる。特に、プラズマからの発光はその構成成分を明らかにすることができる。
【0084】
一定の条件下で、図2のチャンバーにおいて起こるエッチングプロセスの状態は、プロセシングプラズマからの直接発光に基づいてモニターすることができる。したがって、図2は、表1および図11において記載される波長の1つまたは複数における発光強度を検出するように構成された分光計217に光学的に接続されたチャンバーにおける光学ウィンドウ213を示す。
【0085】
しかし、より一般的に、チャンバーに存在するプロセシングプラズマのエネルギーは、ほとんどの分子および分子断片のその成分原子への解離が起こるほど十分に高くない。したがって、図2は、チャンバー201と流体接続された本発明の態様に従うプラズマモニタリング装置300も同様に示す。図3は、プラズマモニタリング装置300の拡大図を示す。
【0086】
本発明に従う態様は、プラズマからの発光の有意な部分が個々の原子からの発光であるように、プラズマに十分なRF電力を印加してもよい。たとえば、本発明の1つの態様に従って、プラズマに提供される電力は、シリコン酸化物がフルオロカーボン/酸素化学でエッチングされるプラズマエッチングプロセスにおいて、251 nmにおけるシリコン原子からの発光強度が440 nmにおけるSiF分子からの発光強度の少なくとも20%であるような電力であってもよい。
【0087】
本発明に従う態様の1つの可能性がある応用は、プラズマを利用する半導体基板上の材料を実際にエッチングするプロセスの進行をモニターすることである。図9は、シリコンウェーハ上のシリコン酸化物被膜のエッチングの際にプラズマエッチチャンバー内部のガス混合物の本発明の態様によって産生されたスペクトルを示す。図9のエッチングは、C4F8 10 sccm(標準立方センチメートル/分)、CO 50 sccm、O2 5 sccm、およびAr 200 sccmを含むフルオロカーボン/酸素化学を利用して起こっている。酸化物被膜の一部は、特定の半導体デバイスの相互接続スキームの一部を形成するために保護された酸化物が正確に正しい位置に存在するようにパターン形成されたフォトレジスト層によって保護される。
【0088】
図9は、プラズマチャンバーに入るガス混合物と共にフォトレジストに由来する炭素、プラズマチャンバーに入るガス混合物と共にシリコン酸化物に由来する酸素、およびエッチングされるシリコン酸化物に由来するシリコンに関連するピークを示す。これらのピークのモニタリングは、プラズマエッチングプロセスの進行に対して有意な量の情報を伝えることができる。たとえば、シリコンピークの強度は、酸化物エッチング速度を明らかにすることができ、エッチング速度の変化の指標を提供すると共に、エッチングプロセスが完了した時間(エンドポイント)を示すことができる。
【0089】
対照的に、図10は、低出力で得られた図9の同じガス混合物の従来の発光スペクトルを示す。図10において注目すべきことは、シリコンまたは炭素に関連するいかなる見分けられるピークも存在しないことである。これらの元素は、他の波長で発光ピークまたはバンドを産生している分子または分子断片に含有される。しかし、これらの他のピークからこれらの元素の存在を同定することは、極めて難しい作業である。
【0090】
本発明の態様は、ダイナミックランダムアクセスメモリデバイス、スタティックランダムアクセスメモリデバイス(SRAM)、特定用途向け集積回路デバイス(ASIC)、マイクロプロセッサおよびマイクロコントローラ、フラッシュメモリデバイス、フラットパネルディスプレイ、MEMS、ならびにその他などの進化した集積回路の製造に応用されてもよい。
【0091】
本発明に従う態様は、プロセスにおけるエンドポイントのみを同定することに限定されない。代わりの態様に従って、エッチング速度を決定することができ、様々なガスの濃度を測定することができ、プロセスチャンバーへの漏出による混入などの微量の混入を同定することができる。
【0092】
上記の実施例は、シリコン含有量に基づくエンドポイント検出を記述しているが、本発明は、この特定の元素の感知に限定されない。代わりの態様は、他の元素の特徴である発光を検出することができ、それらも本発明の範囲に含まれるであろう。たとえば、以下の表2〜12はそれぞれ、炭素、酸素、窒素、フッ素、水素、リン、ヨウ素、塩素、ゲルマニウム、ハフニウム、およびガリウムの発光スペクトルのより包括的な一覧を提供する。
【0093】
(表2)炭素

【0094】
(表3)酸素

【0095】
(表4)窒素

【0096】
(表5)フッ素

【0097】
(表6)水素

【0098】
(表7)リン

【0099】
(表8)ヨウ素

【0100】
(表9)塩素

【0101】
(表10)ゲルマニウム

【0102】
(表11)ハフニウム

【0103】
(表12)ガリウム

【0104】
先に詳細に記述されたように、本発明に従う態様は、コンピューターに関連して実行するために特に適している。図12は、本発明の態様に従う情報を処理するためのコンピューターデバイスの単純化されたダイヤグラムである。このダイヤグラムは単なる例であり、本明細書の特許請求の範囲を制限すべきではない。当業者は他の多くのバリエーション、改変、および変更を認識するであろう。本発明に従う態様は、ブラウザなどの単一のアプリケーションプログラムにおいて実行されうるか、またはワークステーション、パーソナルコンピューター、もしくはクライアントサーバー関係にある遠隔端末などの分布したコンピューター環境における多数のプログラムとして実行されうる。
【0105】
図12は、ディスプレイデバイス1220、ディスプレイスクリーン1230、キャビネット1240、キーボード1250、およびマウス1270が含まれるコンピューターシステム1210を示す。マウス1270およびキーボード1250は、代表的な「ユーザー入力デバイス」である。マウス1270には、グラフィカルユーザーインターフェースデバイス上でボタンを選択するためのボタン1280が含まれる。ユーザー入力デバイスの他の例は、タッチスクリーン、ライトペン、トラックボール、データグローブ、マイクロフォン等である。図12は、本発明を具体化するための代表であるが1つのタイプのシステムである。多くのシステムタイプおよび構成が本発明に関連して用いるために適していることは、当業者に容易に明らかであろう。好ましい態様において、コンピューターシステム1210には、Microsoft CorporationによるウィンドウズXPオペレーティングシステムを動かす、Pentiumクラスに基づくコンピューターが含まれる。しかし、装置は、当業者によって他のオペレーティングシステムおよび構築に容易に適合され、それらも本発明の範囲に含まれる。
【0106】
注目したように、マウス1270は、ボタン1280などの1つまたは複数のボタンを有しうる。キャビネット1240は、ディスクドライブ、プロセッサ、保存デバイス等などの周知のコンピューター成分を収容する。保存デバイスには、ディスクドライブ、磁気テープ、固体記憶装置、バブルメモリ等が含まれるがこれらに限定されるわけではない。キャビネット1240には、コンピューターシステム1210を外部デバイス、外部記憶装置、他のコンピューター、または以下に記述される追加の周辺機器に接続するための、入力/出力(I/O)インターフェースカードなどの追加のハードウェアが含まれうる。
【0107】
図12Aは、図12のコンピューターシステム1210における基本サブシステムの図示である。このダイヤグラムは単なる説明であり、本明細書における特許請求の範囲を制限すべきではない。当業者は、他のバリエーション、改変、および変更を認識するであろう。一定の態様において、サブシステムは、システムバス1275によって相互接続される。プリンター1274、キーボード1278、固定ディスク1279、ディスプレイアダプター1282に連結されるモニター1276、およびその他などの追加のサブシステムを示す。周辺機器およびI/Oコントローラー1271に連結される入力/出力(I/O)デバイスは、シリアルポート1277などの当技術分野において公知の任意の数の手段によってコンピューターシステムに接続することができる。たとえば、シリアルポート1277を用いてコンピューターシステムをモデム1281に接続することができ、次にこれをインターネットなどのワイドエリアネットワーク、マウス入力デバイス、またはスキャナに接続する。システムバスによる相互接続によって、中央プロセッサ1273はそれぞれのサブシステムと通信することができ、システムメモリ1272または他の固定ディスク1279からの指示の実行と共に、サブシステム間の情報の交換を制御することができる。サブシステムの他の配置および相互接続は当業者によって容易に達成可能である。システムメモリおよび固定ディスクは、コンピュータープログラムを保存するための具体的な媒体の例であり、他のタイプの具体的な媒体には、フロッピーディスク、リムーバブルハードディスク、CD-ROMおよびバーコードなどの光学記憶媒体、ならびにフラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、およびバッテリーバックメモリなどの半導体メモリが含まれる。
【0108】
本明細書において記述した実施例および態様は説明する目的のために限られ、それに照らして様々な改変または変化が当業者に示唆されるが、それらも本出願の趣旨および範囲に含まれ、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれると理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気圧より低い圧力で作動しているプロセスチャンバーから分子型のガスを採取する段階;
ガスのプラズマからの発光の有意な部分が個々の原子に由来するように、ガスに電力を印加する段階;および
発光からガスの原子の相対濃度を決定する段階
を含む、方法。
【請求項2】
印加される電力により、原子からの発光強度が分子型のガスからの発光強度の少なくとも20%となる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
印加される電力により、747 nmにおける空気中の窒素原子からの発光強度が、747 nmにおける窒素分子からの発光強度の少なくとも20%となる、請求項1記載の方法。
【請求項4】
シリコン酸化物がフルオロカーボン/酸素化学でエッチングされるプラズマエッチングプロセスにおいて、印加される電力により、248 nmにおける炭素原子からの発光強度が、520 nmにおけるCO分子からの発光強度の少なくとも20%となる、請求項1記載の方法。
【請求項5】
シリコン酸化物がフルオロカーボン/酸素化学でエッチングされるプラズマエッチングプロセスにおいて、印加される電力により、251 nmにおけるシリコン原子からの発光強度が、440 nmにおけるSiF分子からの発光強度の少なくとも20%となる、請求項1記載の方法。
【請求項6】
フルオロカーボン/酸素化学において、印加される電力により、686 nmにおけるF原子からの発光強度が、520 nmにおけるCO分子からの発光強度の少なくとも20%となる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
プラズマが3 W/cm3以上の出力密度に曝露される、請求項1記載の方法。
【請求項8】
プラズマが5 W/cm3以上の出力密度に曝露される、請求項1記載の方法。
【請求項9】
プラズマが10 W/cm3以上の出力密度に曝露される、請求項1記載の方法。
【請求項10】
プラズマが20 W/cm3以上の出力密度に曝露される、請求項1記載の方法。
【請求項11】
プラズマが約3〜40 W/cm3の出力密度に曝露される、請求項1記載の方法。
【請求項12】
電力が持続的に印加される、請求項1記載の方法。
【請求項13】
電力がパルスとして印加される、請求項1記載の方法。
【請求項14】
パルスの持続時間が約0.5〜50ミリ秒である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
パルスが約1回/分〜20回/秒の頻度で起こる、請求項13記載の方法。
【請求項16】
ガスが半導体プロセシングチャンバーから採取される、請求項1記載の方法。
【請求項17】
ガスの原子の相対濃度に基づいて、半導体プロセシングチャンバーにおいて起こるプロセスのエンドポイントを決定する段階をさらに含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
大気圧より低い圧力で作動するプロセスチャンバーから分子型のガスを採取する段階;
ガスを約3 W/cm3以上のRF出力密度に曝露して、プラズマを形成する段階;
プラズマからの発光を測定する段階;および
発光からガスの原子の相対濃度を決定する段階
を含む、方法。
【請求項19】
ガスが、半導体加工プロセスが行われているプロセシングチャンバーから採取される、請求項18記載の方法。
【請求項20】
ガスの原子の相対濃度に基づいて、半導体加工プロセスのエンドポイントを決定する段階をさらに含む、請求項18記載の方法。
【請求項21】
RF出力密度がパルスとして印加される、請求項18記載の方法。
【請求項22】
パルスの持続時間が約0.5〜50ミリ秒である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
パルスが約1回/分〜20回/秒の頻度で起こる、請求項21記載の方法。
【請求項24】
大気圧より低い圧力で作動するプロセスチャンバーから分子型のガスを受容するように構成されている、チャンバー;
プラズマをガスから作製するために十分なRF電力を印加するように構成されており、プラズマを約3 W/cm3より大きい出力密度に曝露する、電力発生器;および
チャンバーに光学的に接続されており、プラズマからの発光を測定するように構成されている、分光計
を含む、装置。
【請求項25】
分光計に電子的に接続されており、発光をチャンバー内のガスの相対濃度に相関させるように構成されているプロセッサをさらに含む、請求項24記載の装置。
【請求項26】
プロセッサが、プラズマにおける原子の相対密度に基づいてプロセスエンドポイントを決定するように構成されている、請求項25記載の装置。
【請求項27】
電力発生器に電子的に接続されているパルス発生器をさらに含む、請求項24記載の装置。
【請求項28】
採取されたガスが、シリコン酸化物がフルオロカーボン/酸素化学でエッチングされるプラズマエッチングプロセスに由来する場合、686 nmにおけるF原子からの発光強度が、520 nmにおけるCO分子からの発光強度の少なくとも20%であり、
採取されたガスが、シリコン酸化物がフルオロカーボン/酸素化学でエッチングされるプラズマエッチングプロセスに由来する場合、251 nmにおけるシリコン原子からの発光強度が、440 nmにおけるSiF分子からの発光強度の少なくとも20%であり、
採取されたガスが、シリコン酸化物がフルオロカーボン/酸素化学でエッチングされるプラズマエッチングプロセスに由来する場合、248 nmにおける炭素原子からの発光強度が、520 nmにおけるCO分子からの発光強度の少なくとも20%であり、または
採取されたガスが空気である場合、747 nmにおける窒素原子からの発光強度が、747 nmにおける窒素分子からの発光強度の少なくとも20%である、
大気圧より低い圧力で起こるプロセスから採取された分子型のガスを受容するように構成されている、チャンバー;
チャンバー内で、採取されたガスに高周波電力を印加するように構成されている、電力発生器;および
チャンバーに光学的に接続されており、ガスのプラズマからの発光を測定するように構成されている、分光計
を含む、装置。
【請求項29】
電力発生器が、少なくとも100 Wの高周波電力を印加するように構成されている、請求項28記載の装置。
【請求項30】
電力発生器が、少なくとも200 Wの高周波電力を印加するように構成されている、請求項28記載の装置。
【請求項31】
電力発生器が、約0.5〜50ミリ秒の持続時間を有するパルスとして、約1回/分〜20回/秒の頻度で高周波電力を印加するように構成されている、請求項28記載の装置。
【請求項32】
チャンバーのための別個の冷却機構を必要としない、請求項28記載の装置。
【請求項33】
大気圧より低い圧力で起こるプロセスから採取された分子型のガスを受容するように構成されている、チャンバー;
チャンバー内でプラズマに高周波電力を印加するように構成されており、少なくとも100 Wの高周波電力を印加するように構成されている、電力発生器;および
チャンバーに光学的に接続されており、プラズマからの発光を測定するように構成されている、分光計
を含む、装置。
【請求項34】
電力発生器が、約0.5〜50ミリ秒の持続時間を有するパルスとして、約1回/分〜20回/秒の頻度で高周波電力を印加するように構成されている、請求項33記載の装置。
【請求項35】
チャンバーのための別個の冷却機構を必要としない、請求項33記載の装置。
【請求項36】
大気圧より低い圧力で起こるプロセスから採取された分子型のガスを受容するように構成されている、チャンバー、
チャンバー内でプラズマに高周波電力を印加するように構成されており、少なくとも200 Wの高周波電力を印加するように構成されている、電力発生器、および
チャンバーに光学的に接続されており、プラズマからの発光を測定するように構成されている、分光計
を含む、装置。
【請求項37】
電力発生器が、約0.5〜50ミリ秒の持続時間を有するパルスとして、約1回/分〜20回/秒の頻度で高周波電力を印加するように構成されている、請求項36記載の装置。
【請求項38】
チャンバーのための別個の冷却機構を必要としない、請求項36記載の装置。
【請求項39】
大気圧より低い圧力でシリコン含有誘電膜をエッチングする段階;
エッチング由来の反応産物を含有するプラズマからの発光を検出する段階;および
シリコン原子に関連する発光の波長の強度の変化をモニターすることによって、エッチングのエンドポイントを決定する段階
を含む、方法。
【請求項40】
プラズマがエッチングを行うために利用される、請求項39記載の方法。
【請求項41】
プラズマを、プロセシングチャンバーから離れた部分で、エッチングにより採取されたガスから発生させる、請求項39記載の方法。
【請求項42】
採取されたガスに約20 W/cm3の出力密度を印加し、プラズマを発生させる、請求項41記載の方法。
【請求項43】
波長が、243.589 nm、250.766 nm、251.508 nm、251.6870 nm、251.9960 nm、252.4867 nm、252.9269 nm、288.2424 nm、390.6629 nm、729.1181 nm、740.7814 nm、または742.5542 nmである、請求項39記載の方法。
【請求項44】
波長の強度の変化が強度の低下を含む、請求項39記載の方法。
【請求項45】
波長の強度の変化が0.1%以上である、請求項39記載の方法。
【請求項46】
エンドポイントが、シリコン原子に関連する複数の波長の強度の変化に基づいて決定される、請求項39記載の方法。
【請求項47】
誘電膜が酸素も含有する、請求項39記載の方法。
【請求項48】
エンドポイントが、酸素原子の発光の強度の変化を検出することによっても決定される、請求項47記載の方法。
【請求項49】
大気圧より低い圧力で作動しているプロセスチャンバーから分子型のガスを採取する;
ガスのプラズマからの発光の有意な部分が個々の原子に由来するように、ガスに対して十分な電力を印加する、および
発光からガスの原子の相対濃度を決定する
ようにホストコンピューターに指示するために構成されているコードをその中に保存している、コンピューター読み取り可能な記憶媒体、ならびに、
プロセシングチャンバーの発光検出器
に電子的に接続されたホストコンピューターを含む、装置。
【請求項50】
コンピューター読み取り可能な記憶媒体が、発光から決定されたシリコン原子の相対濃度に基づいてエッチングプロセスのエンドポイントを同定するようホストコンピューターに指示するために構成されているコードを、その中に保存している、請求項49記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図12A】
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【公表番号】特表2010−539443(P2010−539443A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520234(P2010−520234)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【国際出願番号】PCT/US2008/072008
【国際公開番号】WO2009/020881
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PENTIUM
2.フロッピー
【出願人】(510033424)ピヴォタル システムズ コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】