説明

ガス使用施設の集中監視システム

【課題】ガスの自動検針、見守り、防犯の各システムを設置スペース、コストの増加を招くことなく構築可能なガス使用施設の集中監視システムを提案すること。
【解決手段】一般住宅の集中監視システム1は、住宅側装置5と、一般通信回線6を介して接続された集中監視装置3とを備え、住宅側装置5は、ガスメータ11と、ガス使用状況を監視して見守りサービスを行うためのガス使用状況監視装置12と、防犯センサ13の出力に基づき防犯監視サービスを行うための防犯装置14とを備え、共通の伝送装置15を介して、これらの間が相互通信可能であると共に、一般通信回線6を介して外部の集中監視装置3との間で通信可能である。ガスの検針データの伝送系統と、見守りサービスの伝送系統と、防犯監視サービスの伝送系統とが共通化されるので、検針、見守り、防犯の各機能を備えたシステムを設置スペースが少なく、しかも廉価に構築できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスの自動検針システムを利用して、ガス使用施設における居住者の見守りサービス、および当該ガス使用施設の防犯のための監視サービスも行うガス使用施設の集中監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年においては、一般家庭などにおけるガスの検針が、一般通信回線を介して、集中監視センタの側において行われる自動検針システムが普及している。自動検針システムでは、一般家庭などのガス使用施設にガスメータと伝送装置が設置され、定期的に、あるいは、集中監視センタからの要求に応答して、伝送装置が、ガスメータの検針データを一般通信回線を介して集中監視センタに自動送信するように構成されている。例えば、特許文献1にはこのような自動検針システムが開示されている。
【0003】
また、一人暮らしの住宅、特に老人宅においては、居住者が正常に暮らしているか否かを監視するための見守りサービスと呼ばれるサービスが利用される場合が増えている。見守りサービスでは、居住者が定期的に使用する機器、例えば電気ポットに通信機を付設し、電気ポットが使用されると、そのことが伝送装置を介して、見守りセンタの側に送信されるシステムが一般に採用されている。定期的に送信される信号を受信できない場合には、居住者に異常が発生したものと判断して、見守りセンタから、居住者の親族などにその旨が通報されるようになっている。
【0004】
一方、近年における犯罪などの増加に伴い、一般家庭においても防犯のための監視サービスを利用する場合が増えている。このサービスにおいても、一般家庭に取り付けたドアセンサなどの防犯センサの出力に基づき、緊急事態が発生したことが検出されると、伝送装置から通信回線を介して監視センタの側に緊急通報が送信され、警備員などが通報元に駆けつけるようになっている。
【特許文献1】特開2001−312784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、従来においては、これらの各サービスを提供するためのシステムが独立した状態に構築されている。したがって、複数のシステムを一般家庭に導入する場合には、複数の通信経路を付設し、それに応じた個数の伝送装置あるいは通信ユニットを配置する必要がある。
【0006】
例えば、図5に示すように、自動検針システム100、見守りシステム110および防犯システム120を導入する場合には、一戸の住宅130に、自動検針システム100を構築するためのガスメータ101および、センタ102側との通信を行うための伝送装置103と、見守りシステム110を構築するための発信機付き電気ポット111および、センタ112側との通信を行うための伝送装置113と、防犯システム120を構築するための窓やドア等に取り付けられる防犯センサ121、当該防犯センサ121の出力を監視する防犯装置122(本体ユニット)およびセンタ123側との通信を行うための通信ユニット124がそれぞれ設置される。
【0007】
このように、複数のシステムを導入する場合には、システム数に対応した数の通信系統および伝送装置が必要になり、設置スペースおよびコストが増加してしまうという弊害がある。
【0008】
本発明の課題は、ガスの自動検針システムを中心として、見守りおよび防犯の各システムを設置スペースおよびコストの増加を招くことなく構築可能なガス使用施設の集中監視システムを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明のガス使用施設の集中監視システムは、ガス使用施設に設置されている施設側装置と、一般通信回線を介して前記施設側装置を監視する集中監視装置とを有し、前記施設側装置は、ガスメータと、当該ガスメータの計測値に基づきガス使用状況を監視する使用状況監視装置と、防犯装置と、前記ガスメータ、前記使用状況監視装置、および前記防犯装置を相互に接続すると共に、これらを、一般通信回線を介して前記集中監視装置に接続するために用いる共通の伝送装置とを備えていることを特徴としている。
【0010】
前記使用状況監視装置は少なくとも次のいずれか一つの場合に、前記使用施設の居住者に異常が発生したものと判断して見守り緊急通報を発生するように構成することができ、発生した見守り緊急通報は前記伝送装置を介して前記集中監視装置に送られる。
予め定めた時間帯においてガスが使用されない場合
ガスの未使用状態が、予め定めた時間以上に亘って継続した場合
前記ガス使用施設における平均的なガス使用パターンからの乖離が所定以上の場合
【0011】
また、前記防犯装置は、前記ガス使用施設のドア、窓などに設置された防犯センサからの出力に基づき、ドア、窓などが開けられたことを検出すると、防犯緊急通報を発生するように構成することができ、発生した防犯緊急通報は前記伝送装置を介して前記集中監視装置に送られる。
【0012】
ここで、前記使用状況監視装置は前記メータの計測値に基づき、ガスが使用されているか否かを判別し、これに基づき、前記防犯装置は、ガス未使用時には前記防犯緊急通報を発生可能な警戒モードに設定され、ガス使用時には前記防犯緊急通報が発生しない警戒解除モードに切り換えられるようにすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のガス使用施設の集中監視システムでは、ガス使用施設におけるガスの検針データの伝送系統と、見守りシステムの伝送系統と、防犯システムの伝送系統とが共通化され、共通の伝送装置を介して、これらの間が相互に通信可能であり、また、当該伝送装置から、一般通信回線を介して、集中監視装置との間で通信が可能である。したがって、検針、見守り、防犯の各機能を備えたシステムを設置スペースが少なく、しかも廉価に構築できる。
【0014】
また、伝送装置を介して、防犯装置の動作(警戒モードおよび警戒解除の切り換え)を、ガス使用状況監視装置の監視結果に連動させることができる。一般住宅などでは、居住者が居る場合には防犯装置による警戒モードが解除され、留守の間だけ警戒モードにされ、この切り換えを居住者が行う場合には切り換えを忘れて、緊急通報が集中監視センタ装置の側に送信されてしまうことがある。本発明によれば、ガス使用中の場合には、居住者が在宅であると判断して警戒モードが解除されるので、このような操作し忘れに起因して通報が発せられてしまうことを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した集中監視システムの一例を説明する。
【0016】
(全体構成)
図1は本発明を適用した集中監視システムを示す概略ブロック図であり、図2は機器構成を示す全体構成図である。これらの図に示すように、本例の集中監視システム1は、集中監視センタ2に設置された集中監視装置3と、ガス使用施設である一般住宅4に設置された住宅側装置5と、これらの間を接続可能な電話回線などの一般通信回線6と、一般住宅4の管理を担当している緊急担当者が所有しているインターネット・メール・サービスを利用可能な通信端末7から構成されている。通信端末7としては、例えばNTTドコモの文字情報サービス「iモード」(登録商標)を利用可能な携帯電話を用いることができる。
【0017】
集中監視センタ2の集中監視装置3は、例えばインターネットサーバとして機能するシステムであり、インターネット上に各一般住宅4におけるガス使用状況の履歴等の各種情報の閲覧サイトを管理運営している。緊急担当者などのように予めアクセス権が付与されているものは当該閲覧サイトにアクセス可能となっている。
【0018】
一般住宅4の住宅側装置5は、当該一般住宅4におけるガス使用流量を計測するガスメータ11と、当該ガスメータ11の計測値に基づきガス使用状況を監視する使用状況監視装置12と、一般住宅4のドア、窓などに設置されたドアセンサなどの防犯センサ13の検出出力を監視している防犯装置14(本体ユニット)と、伝送装置15を備えている。
【0019】
ガスメータ11によるガスの検針データは、ガス使用状況監視装置12を介して伝送装置15に供給される。伝送装置15は、定期的に、あるいは集中監視装置3からの要求がある場合に、検針データを通信回線6を経由して集中監視装置3に送信する。ガスメータ11の基本構成は一般に使用されているものと同様であり、ガス管(図示せず)を流れるガス流量の計量を行う計量部(図示せず)が内蔵されているメータ本体21と、このメータ本体21に取り付けられている電子カウンタなどが内蔵されている制御ユニット22とを備えている。メータ本体21からは、一般に、ガス流量を表す単位流量パルス信号が制御ユニット22に供給される。制御ユニット22は、メータ本体21から得られる信号に基づき各種のガス使用流量の積算値の算出や表示を行う。
【0020】
使用状況監視装置12は、ガスメータ11から取得されるガス検針データに基づきガス使用状況を表す使用状況データを作成する。このガス使用状況データは、定期的に、あるいは集中監視装置3からの要求時に、伝送装置15から通信回線6を経由して、集中監視装置3に送信される。また、常に、実際のガス使用状況を監視しており、実際のガス使用状況がガス使用状況データと異なる場合には、見守り緊急通報を発生する。発生した見守り緊急通報は伝送装置15から通信回線7を介して集中監視装置4に送られる。
【0021】
防犯装置14は、警戒モードおよび警戒解除モードに切り換え可能であり、警戒モードにおいては、一般住宅4のドア、窓などに設置された防犯センサ13からの出力に基づき、ドア、窓などが開けられたことを検出すると、防犯緊急通報を発生する。発生した防犯緊急通報は伝送装置15を介して集中監視装置3に送られる。
【0022】
図3(a)には、一例として、使用状況監視装置12の動作を示す機能ブロック図を示してある。使用状況監視装置12から伝送装置15を介して集中監視装置3に送信されるガス使用状況データD(12)には、各行が時間帯、各列が曜日からなるガス使用状況データテーブルTが含まれており、1週間分の各曜日の各時間帯のガスの使用の有無が一目で分かるようになっている。
【0023】
集中監視装置3は、ガス使用状況データD(12)を受信すると、当該データD(12)を、インターネット・メール・サービスを利用して、緊急担当者の通信端末7にメール転送する。緊急担当者は、転送メールを受信すると、その画面上において表示されているガス使用状況データテーブルTから読み取れるガス使用状況から、例えば、一定時間以上に亘りガス使用が行われてない場合には「ガスが正常に使われていない」、独居世帯においては「在宅者に何らかの異変が発生した」等と判断できる。
【0024】
また、使用状況監視装置12は、ガス使用状況データに基づき、常にガスが使用されている時間帯においてガスが使用されなかった場合、および、ガスの未使用状態が、予め定めた時間以上に亘って継続した場合に、居住者に異常が発生したものと判断して、見守り緊急通報を発生する。また、例えば、一日におけるガス使用状況データと、実際のガス使用状況を比較して、それらの間の乖離量が所定以上の場合に、居住者に異常が発生したものと判断して、見守り緊急通報を発生するようにすることもできる。発生した見守り緊急通報は、伝送装置15を介して集中監視装置3に送られ、集中監視装置3では、この通報を、緊急担当者の通信端末7に転送する。
【0025】
なお、ガスメータ11の制御ユニット22から送信されてくる単位時間当たりのガス流量の積算値をそのまま用いてガス使用量データテーブルを作成することも可能であり、例えば、単位時間が「2時間」の場合には図3(b)に示すように、2時間毎のガス使用量データテーブルT’が作成される。また、使用状況監視装置12は、データテーブルTあるいはT’から読み取れるガス使用パターンから、ガス使用場所4においてガスが所定時間以上に亘って使用された場合や、所定時間以上に亘って使用されなかった場合にその旨を表す緊急警報を発するように構成することも可能である。センタ装置3は、緊急警報を受信すると、直ちにその内容を緊急担当者の通信端末7にメール転送する。
【0026】
次に、図4は、防犯装置の警戒モード時の動作を示す機能ブロック図である。防犯装置14は、防犯センサ13の検出出力に基づき、ドアなどが開いたことを検出すると、防犯緊急通報D(14)を発生する。この通報は伝送装置15を介して、集中監視装置3に送られる。集中監視装置3では、異常が発生した時間、住宅などの情報を含む送信データIを作成して、インターネット・メール・サービスを利用して、家の所有者などの緊急担当者8の通信端末7にメール送信する。緊急担当者8は、転送メールを受信すると、その画面上において表示されている緊急警報の内容を確認し、通報発生元の一般住宅4に出向き、必要があれば、警察等に連絡を取る。
【0027】
ここで、防犯装置14の動作モードは、ガス使用の有無に応じて切り換えられる。すなわち、防犯装置14は伝送装置15を介してガス使用状況監視装置12との間で通信が可能となっており、ガス使用状況監視装置12においてガスの使用が開始されたことが確認されるとその旨が伝送装置15を介して防犯装置14に供給される。また、ガスの使用が止まったことが確認されたときにもその旨が防犯装置14に供給される。防犯装置14は、通常は警戒モードに設定されており、ガスが使用されている間は警戒解除モードに切り換わる。よって、居住者が在宅しているにも拘わらず、防犯センサの検出信号に基づき防犯装置14から防犯緊急通報が出されてしまうという弊害を防止あるいは抑制できる。
【0028】
以上説明したように、本例のガス使用施設の集中監視システム1では、ガスメータ11の自動検針用の通信系統に、見守りシステムの通信系統および防犯システムの通信系統を統合し、単一の伝送装置15を介して集中監視センタ2の側において、一般住宅4の検針、見守りサービスおよび防犯監視サービスを行うようにしている。よって、従来のように個別のシステムを構築する場合に比べて、構成機器が少なくて済むので、設置スペースおよびコストを少なくできる。また、共通の伝送装置15を介して、ガス使用状況監視装置12および防犯装置14の間で通信を行うことができるので、これらを連動させて、動作モードの切り換えを行うこともできる。
【0029】
また、ガスメータ11を管理している集中監視センタ2が、当該集中監視センタ2が抱えている顧客に対して見守りサービスや防犯サービスを行うことによる当該分野への参入によって、他分野への事業の拡大を図ることができる。さらに、本例のシステムの利用者は、従来、ガスの使用料、見守りサービス料、防犯サービス料をそれぞれ、個別のサービス提供元に別々に支払っていたが、1箇所に一括して支払えばよいので便利である。また、サービス毎に必要とされていた基本料金が少なくて済むなど、大変経済的である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明を適用した集中監視システムを示す概略ブロック図である。
【図2】図1のシステムの機器構成例を示す概略構成図である。
【図3】(a)は使用状況監視装置による機能を示す機能ブロック図であり、(b)はガス使用量データテーブルの説明図である。
【図4】防犯装置による機能を示す機能ブロック図である。
【図5】従来のシステム構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0031】
1 集中監視システム
2 集中監視センタ
3 集中監視装置
4 一般住宅
5 住宅側装置
6 一般通信回線
7 通信端末
8 緊急担当者
11 ガスメータ
12 ガス使用状況監視装置
13 防犯センサ
14 防犯装置
15 伝送装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス使用施設に設置されている施設側装置と、
一般通信回線を介して前記施設側装置を監視する集中監視装置とを有し、
前記施設側装置は、
ガスメータと、
当該ガスメータの計測値に基づきガス使用状況を監視する使用状況監視装置と、
防犯装置と、
前記ガスメータ、前記使用状況監視装置、および前記防犯装置の間を相互に接続すると共に、前記一般通信回線を介して前記集中監視装置に接続するために用いる共通の伝送装置とを備えていることを特徴とするガス使用施設の集中監視システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記使用状況監視装置は少なくとも次のいずれか一つの場合に、前記使用施設の居住者に異常が発生したものと判断して見守り緊急通報を発生し、当該見守り緊急通報は前記伝送装置を介して前記集中監視装置に送られることを特徴とするガス使用施設の集中監視システム。
予め定めた時間帯においてガスが使用されない場合
ガスの未使用状態が、予め定めた時間以上に亘って継続した場合
前記ガス使用施設における平均的なガス使用パターンからの乖離が所定以上の場合
【請求項3】
請求項2において、
前記防犯装置は、前記ガス使用施設のドア、窓などに設置された防犯センサからの出力に基づき、ドア、窓などが開けられたことを検出すると、防犯緊急通報を発生し、
当該防犯緊急通報は前記伝送装置を介して前記集中監視装置に送られることを特徴とするガス使用施設の集中監視システム。
【請求項4】
請求項3において、
前記使用状況監視装置は前記ガスメータの計測値に基づき、ガスが使用されているか否かを判別し、
前記防犯装置は、ガス未使用時には前記防犯緊急通報を発生可能な警戒モードに設定され、ガス使用時には前記防犯緊急通報が発生しない警戒解除モードに切り換えられることを特徴とするガス使用施設の集中監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−195518(P2006−195518A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−3561(P2005−3561)
【出願日】平成17年1月11日(2005.1.11)
【出願人】(000222657)東洋計器株式会社 (39)
【Fターム(参考)】