説明

ガス検出システムおよび方法

【課題】GCオーブン内で水素等の可燃性ガスの漏洩により爆発などの危険な事態が生じることを防止するためのシステムを提供する。
【解決手段】ガス検出システムの一例はガスクロマトグラフオーブンと、ガス検出器と、試料ガス移動デバイスと、フロー検出器とを備えている。ガス検出方法の一例は上記オーブンから試料ガスを流出させる工程と、その流量が最小値以下であるかどうかを判定する工程と、上記試料ガス中の、可燃性ガスなどの第1のガスの濃度が最大値以上であるかどうかを判定する工程とを備えている。上記流量または上記濃度がエラー状態を示すかまたは限界値から外れている場合、警報応答が開始される。上記警報応答には、上記第1のガスの上記オーブンへの流れを遮断し、安全ガスなどの第2のガスを上記オーブンに流すことが含まれていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、ガスクロマトグラフィーと組み合わせて実現されるようなガス検出と、ガス検出を実施するためのシステムのフェイルセーフ動作とに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスクロマトグラフィーは、クロマトグラフィー用カラムに導入された気化試料または気相試料の分析的分離を伴う。カラムは通常、温度調整されたオーブン(炉)に収容される。一般的には水素、ヘリウム、または窒素等の化学的に不活性なキャリアガスが、カラム内の検体試料の溶離用の移動相として用いられる。キャリアガスは通常、カラム内の試料が導入された場所の付近、例えばカラムの頭部に導入され、これにより試料を、カラム内を通って搬送する。ガスクロマトグラフィー(GC)システムと併用される検体検出器の種類により、使用されるキャリアガスが決定されることが多い。水素は多くの場合、炎イオン化検出器(FID)等、使用される検出器の良好な感度を保証するなど様々な理由により、多くのGCシステムにとって好適な選択肢である。しかしながら水素は、爆発下限界(LEL)が4%(40,000ppm)の可燃性ガスである。水素は外気中では速やかに拡散するものの、GCオーブンは気密であり、さらに熱分離されている。このため、GCオーブン内に水素が漏れた場合、水素レベルが上昇して爆発を引き起こす危険性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上のことから、GCオーブン内で水素等の可燃性ガスの漏洩を検出して、可燃性ガスをGCキャリアガスとして使用することが望ましいGCシステムのフェイルセーフ動作を可能とし、この様な漏洩により爆発などの危険な事態が生じることを防止するためのシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題の一部もしくは全部、および/または当業者によって観察された可能性のある他の問題に対処するため、本開示は以下の実施態様において例示される比例弁にかかわる装置、デバイス、システムおよび/または方法を提供する。
1つの実施態様によれば、ガス検出システムは、ガスクロマトグラフ(GC)オーブンと、自己加熱式ガス検出器と、上記GCオーブンと上記ガス検出器との間に介装された試料ガス移動デバイスと、フロー検出器とを備えている。上記フロー検出器は、上記ガス検出器の自己加熱を監視するための回路を含んでいる。
【0005】
他の実施態様によれば、ガス検出システムはまた、上記GCオーブンと上記試料ガス移動デバイスとの間に流体的に介装された試料ガス冷却デバイスを備えている。上記冷却デバイスは凝縮ドレイン(排出管)を含んでいる。
他の実施態様によれば、ガス検出システムはGCオーブンと、ガス検出器と、上記GCオーブンと上記ガス検出器との間に介装された試料ガス移動デバイスと、フロー検出器とを備えている。上記システムはまた、上記GCオーブンから上記ガス検出器へ流れる試料ガスの流量を示すフロー計測信号を上記フロー検出器から受信して、上記フロー計測信号の値が最小流量値以下であるかどうかを判定するための手段を備えている。上記システムはさらに、上記最小流量値以下である上記フロー計測信号の値に応じて、第1のガスを上記GCオーブンへ流入させる状態から、第2のガスを上記GCオーブンへ流入させる状態に切り換えるための手段を備えている。
【0006】
他の実施態様によれば、ガスクロマトグラ(GC)処理時にガスを検出するための方法が提供される。試料ガスをGCオーブンから流出させる。上記試料ガス中の第1のガスの濃度が最大ガス濃度値以上であるかどうかを判定する。上記試料ガスの流量が最小流量値以下であるかどうかも判定する。上記第1のガスの濃度が上記最大ガス濃度値以上であるか、または上記流量が上記最小ガス流量値以下であれば、警報応答を開始する。
【0007】
他の実施態様によれば、上記警報応答は上記第1のガスのGCオーブンへの流れを停止させて第2のガスを上記GCオーブンへ流すことを含んでいる。
他の実施態様によれば、上記警報応答は警報指示器を作動させることを含んでいる。
本発明の他の装置、デバイス、システム、方法、特徴および/または利点は、以下の図面と詳細な説明とを検討することにより当業者に明らかになるであろう。この様な付加的な装置、デバイス、システム、方法、特徴および/または利点は、本明細書および本発明の範囲内に含まれ、添付の特許請求の範囲により保護されることを意図している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
一般に、「連通(連絡、通信)する」という用語(例えば、第1の構成要素が第2の構成要素と「連通する」または「連通している」)は、ここでは2個以上の構成要素または部材間の構造的、機能的、機械的、電気的、光学的、磁気的、イオン的、または流体的な関係を示すために用いられる。よって、1個の構成要素が第2の構成要素と連通すると述べたからといって、追加の構成要素が第1および第2の構成要素の間に介在され、および/または第1および第2の構成要素と動作上関連または係合する可能性を排除するものではない。
【0009】
ここに開示される主題は一般に、特にガスクロマトグラフィ(GC)と組み合わされるガス検出に関連するシステム、装置、デバイス、および方法に関する。本発明に関する実施態様の例は、図1ないし図6を参照して以下により詳細に説明される。
図1はガスクロマトグラフ(GC)装置またはシステム100の基本構成要素を数点、本発明と共に使用してもよい種類の装置(またはシステム)の一例として模式的に示している。GC装置100は、大抵の場合オーブン(炉)と称される筐体(エンクロージャ)108内に包囲されているクロマトグラフィ用カラム104を含んでいる。カラム104は充填型または開放管(キャピラリ)型のどちらであってもよい。カラム104の一部を巻回して所望の長さ分だけ収容し、GCオーブン108の寸法をできる限り小型化してもよい。オーブン108は温度調整部品(図示せず)を装備して、カラム104(またはカラム104内の検体試料)の精密な温度調整を行なってもよい。温度調整には、温度をプログラムされた温度曲線に沿って段階的または連続的に変化させて、溶離時間や測定分解能等のパラメータのバランスをとることが含まれていてもよい。試料供給源または導入システム112はシリンジ(注入器)(図示せず)または他の流体移動手段を包含して、液体または気体の検体試料を、オーブン108の壁を貫通して取り付けられた取付具などのインターフェース116を介してカラム104内に導入する。試料導入は自動式、半自動式、または手動式で行なってもよい。キャリアガス供給システムは、水素、ヘリウム、または窒素等のキャリアガスの、キャリアガス供給ライン120(例えば、管(チューブ)または筒(パイプ)等の好適な導管を通じたインターフェース116内への、調整された流量および/または圧力のフローを形成する。導入された検体試料は、キャリアガスによってカラム104内を通って搬送されて、模式化された要素124によって大略的かつ包括的に示される、下流方向にある検出およびデータ取得システムへ導出される。システム124の検出部は例えば、炎イオン化検出器(FID)、熱伝導率検出器(TCD)、電子捕獲検出器(ECD)、熱イオン特定検出器(TSD)、パルス式炎光光度検出器(PFPD)等の、分析的分離プロセスに好適ないずれかの検出器を包含していてもよい。当業者によって理解されるように、先に簡単に説明した作動用構成要素のうち1個以上を制御するために、好適な電子制御システム(図示せず)を利用してもよい。また、先に簡単に説明した作動用構成要素の変形例、等価物、代替物、および更なる詳細は、当業者によって容易に理解されるものであるため、本発明の開示においてこれらをさらに説明する必要性はない。
【0010】
また、当業者によって理解されるように、GC装置100は多チャネル構成であってもよい。例えば、試料導入システム112は1個以上の試料インジェクタ(導入器)を含んでいてもよく、オーブン108は1個以上のカラム104を含んでいてもよく、システム124の検出部は1個以上の検出器を含んでいてもよい。また簡略化のため、例えば読出/表示モジュール、制御コンソール等のユーザ入力手段、ネットワーク接続(インターフェース)手段等、GC装置100に含まれる可能性のある他の構成要素は図示されていないが、当業者にはよく知られている。
【0011】
図1にさらに示すように、GC装置100は試料ガスライン132と連通する試料キャリアガス出口128を含んでいる。GCオーブン108の内部には通常、空気と他の構成要素との気体混合物が収容されている。望ましくないケースでは、カラム104、インターフェース116、またはキャリアガス供給ライン120等から漏れた結果、キャリアガスがオーブン108内のガスに含まれる場合がある。よって、以下に図2を参照して説明するように、試料ガス出口128およびガスライン132は、オーブン108の領域内に存在する可能性のあるいかなるキャリアガスをも包め、試料ガスをガス検出システムに導くために用いられる。
【0012】
図2は、図1に例示されたGC装置100などの、GC装置と連係した、1つの実施態様にかかるガス検出システム200の一例を模式的に示している。特定の実施態様によっては、ガス検出システム200はガス漏れ防止システムであることを特徴とする場合もある。例えば、水素等の1種以上の可燃性キャリアガスをGCシステム100に供給するための手段が設けられている。また、GCオーブン108での操作にとってより安全である(つまり燃性がより低いかまたは不燃性である)と一般に考えられている、例えばヘリウムおよび/または窒素等のキャリアガスを1種以上供給するための手段も設けられている。図示された例において、可燃性ガス源204および安全ガス源208が設けられているが、これらはそれぞれ別体のデバイスであってもよく、または物理的に一体化されたモジュールとして設けられていてもよい。可燃性ガス源204の出口は可燃性ガス供給ライン212(例えば管またはパイプ等の好適な導管)と流体的に連通し、また安全ガス源208の出口は安全ガス供給ライン216と流体的に連通する。可燃性ガス供給ライン212および安全ガス供給ライン216は、ガス選択または切換デバイス228のそれぞれの入口と、流体的に連通している。ガス選択デバイス220は、何らかの好適なガス案内手段を含んでいてもよい。上記ガス案内手段は通常、供給される、種類の異なるキャリアガスを受け入れるための入口224および228と、GCオーブン108に至るキャリアガス供給ライン120に選択されたガスを出力するための少なくとも1つの出口とを提供する。好適なガス選択デバイス220の非限定的な一例としては、ソレノイド駆動式バルブ等の選択式マルチポートバルブがある。
【0013】
ガス選択デバイス220は、電線236を介して例えばマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、コンピュータ(例えばパーソナルコンピュータ、ネットワーク接続された顧客端末、携帯型電算装置等)等の、好適な電子コントローラ240により制御されてもよい。同一の電子コントローラ240を利用してガス検出システム200の他の構成要素と通信し、データ信号、計測信号、およびタイミング/制御信号などの多様な信号を受信および/または送信してもよい。また、電子コントローラ240は好適なGCインターフェース244を介してGCシステム100と交信し、当業者によって理解される様々なGC関連機能を実現してもよい。電子コントローラ240およびGCインターフェース244が種々のハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアの特性を包含していてもよい。電子コントローラ240を好適な電子基板248に設けてもよい。図示された電子コントローラ240が、2個以上の処理装置を表していてもよいことが理解されよう。例えば、別体の処理装置を用いてガス検出システム200のガスおよびフロー検出構成要素ならびにGCシステム100の作動用構成要素と連係してもよいが、この様な処理装置はバスまたは他の好適な通信リンクを介して互いに交信してもよい。
【0014】
ガス検出システム200はまた、ポンプ入口254およびポンプ出口256を含むガス(または空気)ポンプ252等の好適なガス移動手段を含んでいてもよい。GCオーブン108から外方へ続く試料ガスライン132はポンプ入口254と流体的に連通して、ガス検出システム200が所望時にGCオーブン108内部のガス(例えば空気)を標本化することを可能とする。ある実施態様においてガスポンプ252は、GCオーブン108の作動中、継続的に作動し、それによってGCオーブン108内の空気を継続的に監視することを可能にする。ガスポンプ252は電線258を介して電子コントローラ240により制御されてもよい。ポンプ出口256は入口264および出口266を含むガス検出器262ならびにフロー検出器270と流体的に連通している。フロー検出器270は入口272および出口274を含むものとして模式的に示されているが、実施態様によってはフロー検出器270の全体または一部がガス検出器262と物理的に一体化されて、温度差に基づくフロー計測を行ってもよい。その場合、フロー検出器270にはガス検出器262の入口および出口とは別の入口および出口を設けなくてもよい。ガス検出器262およびフロー検出器270はそれぞれ電線276および278を介して電子コントローラ240と通信し、電子コントローラ240に計測信号を供給してもよい。試料ガスはガス検出器262およびフロー検出器270から、出口280を経て任意の好適な目的地へ導かれてもよい。
【0015】
ガス検出器262は水素等の可燃性ガスの存在および濃度を検出するための任意の好適なデバイスであってもよい。またフロー検出器270も同様に、ガスの流れを検出するための任意の好適なデバイスであってもよい。一例において、ガス検出器262は可燃性ガスにさらされると抵抗が変化する(例えば低下する)変換器(トランスデューサ)を含んでいてもよい。例えば、ガス検出器262の検知要素に用いられる物質は、例えば酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In23)、または酸化タングステン(WO3)等の金属酸化物半導体(MOS)材料であってもよい。この様なガス検出器262はまた、特定の種類のガスの検出に最適な温度値までセンサを加熱するために、電極等の加熱要素を含んでいてもよい。例えば、水素を検出する場合、ガス検出器262はガス流を標本化する前であってガス検出システム200の始動時に、周囲温度よりも約20℃高い温度まで加熱されてもよい。この例において、フロー検出器270は、ガス検出器262の自己加熱を監視することによって試料ガスの流量を計測するよう構成されていてもよい。この技術を実施するために、フロー検出器270はガス検出器262に直接または近接して取り付けられてガス検出器262の温度を計測する温度センサと、周囲温度を計測するのに適した、別の、より離れた場所に取り付けられた別の温度センサとを含んでいてもよい。ガス検出器262が初期化されてガスポンプ252が起動された後、生じた試料ガスのフローがガス検出器262を冷却する。ガス検出器262と周囲環境との温度差が試料ガスの流量と相互関連していてもよい。ガス検出システム200の始動時または初期化中、ガス検出器262が最初に加熱される温度(例えば周囲温度よりも約20℃高い温度)は、電子基板248に配置されて電子コントローラ240がアクセス可能であるような適切な記憶装置に記憶されてもよい。
【0016】
ある実施態様において、ガス検出器262およびフロー検出器270は検知デバイスとしてのみ機能し、計測を行なって計測符号化信号を電子コントローラ240に送信してもよい。この様な実施態様において、電子コントローラ240は計測信号を受信し、計測値を所定の最小または最大値と比較し、エラーまたは警報状態が生じていないかどうかを判定し、そして適切な作動反応を開始するよう機能する。これらの例については、以下に説明する。他の実施態様において、ガス検出器262および/またはフロー検出器270は、少なくとも何らかの論理または処理機能を包含していてもよい。これら他の実施態様において、ガス検出器262および/またはフロー検出器270はまた、計測値を所定の最小または最大値(この場合、ガス検出器262および/またはフロー検出器270にプログラムされる)と比較し、エラーまたは警報状態が生じていないかどうかを判定してもよい。エラーまたは警報状態が生じている場合、ガス検出器262および/またはフロー検出器270から電子コントローラ240に送信される信号は、エラーまたは警報状態の指示を含んでいる。エラーまたは警報信号の受信に応じて、電子コントローラ240は次に適切な警報反応を開始する。よって、上述した通り、図2に模式的に示される電子コントローラ240は、1個以上の処理装置を表していてもよく、これらの処理装置のうちの1個以上がガス検出器262および/またはフロー検出器270の一部であってもよい。
【0017】
図3は本発明の一実施態様によるガス監視デバイスまたはシステム300の一例の模式図である。ガス監視デバイス300はガス(の存在および濃度の)計測/検出手段とガスフロー計測/検出手段の両方を包含していてもよい。ガス監視デバイス300は、図2に示されるガス検出器262およびフロー検出器270の一例を表していてもよい。図3において、試料ガス入力ライン363は試料ガスをガスセンサ362へ流し、試料ガス出力ライン379は排出された試料ガスをガスセンサ362から搬送する。ガス監視デバイス300のフロー検出部は、ガスセンサ362に直接または近接配置されてガスセンサ362の温度を計測する第1の温度センサ371と、ガスセンサ362から離れたところに配置されて周囲温度を計測する第2の温度センサ373とを含んでいる。第2の温度センサ373、ガスセンサ362、および第1の温度センサ371からそれぞれ発せられる計測信号375、376、377は、マイクロコントローラ340または他の好適なコントローラに供給される。よってガス監視デバイス300は、図2を参照して、例として述べたように、ガスの濃度および流れを監視してもよい。
【0018】
図2を再度参照すると、ガス検出システム200はさらに、標本化したガスの調整をガス検出器262およびフロー検出器270にガスを流す前に行う手段を含んでいてもよい。図示された例において、ガス調整手段は熱交換器またはヒートシンク282である。ある実施態様において、ヒートシンク282はハウジングまたはマニホルド(集合管)286内に包囲または形成された熱交換ガス導管284を含んでいる。ガス導管284は試料ガスライン132とガスポンプ252とを流体的に相互接続している。実施態様によっては、熱交換ガス導管284を巻回するかまたは蛇行させて、ガス導管284内のガスから熱を除去するために、表面積および時間を増加させる。しかしながら、ガス導管284の長さは、試料ガスのGCオーブン108からガス検出器262およびフロー検出器270までの案内にかかわる遅延を最小限に抑えたいという要求との兼ね合いによって定められるべきである。ある実施態様においてマニホルド286は、周囲環境に移行する前に、伝導モードによってガス導管284から熱を除去するために中実または部分的に中実となっている。また代替的な実施態様において、ヒートシンク282は熱伝達媒体循環システム(図示せず)と連係するよう構成されていることが望ましい。この構成により、マニホルド286は部分的に中空となり、水等の好適な熱交換媒体または冷却材がマニホルド286を通って循環してガス導管284と熱接触し、それによってガス導管284内のガスから除去される熱を増加させる。ある実施態様において、ヒートシンク282はガス導管284と流体的に連通し、ガス導管284内の冷却されたガスから凝縮物を分離して、ガス検出器262およびフロー検出器270に流れる前にガスを乾燥させる凝縮ドレイン(排出管)288を含んでいてもよい。上述のMOS系センサを含む、設けられたガス検出器262の種類によっては、試料ガス中の水分除去および結果として生じる湿度低下が、感度の損失および/またはセンサ特性の変化(ドリフト)を防止するなどして、ガス検出器262の性能を向上する場合もある。
【0019】
図4および図5はヒートシンク282の一例の斜視図である。図4に示されるように、この例においてガス導管284はマニホルド286の取付面402にチャネルとして形成されている。ガス導管284は、マニホルド286を、例えばガス検出システム200の計器パネル等の板(図示せず)に取り付けることによって、完全に包囲される。ガス導管284の両端部はそれぞれ開口部406および410で終わっている。開口部406および410のうちの一方は、ガス導管284への入口となっており、他方は出口となっている。
【0020】
図2を再度参照すると、ガス検出システム200はそれ自体に警報または警告状態が生じていることを示す手段をさらに1個以上含んでいてもよい。この様な警報または警告の受け取り手は、ガス検出システム200の近くおよび/またはガス検出システム200から離れた場所に居る人々であってもよい。図2に示された例においては、警報指示デバイス292は電線294を介して電子コントローラ240と交信する。図2には1個の警報指示デバイス292および一本の電線294しか示されていないが、これら模式的な要素は、例えば信号灯もしくは光(例えばLEDやランプ等)、例えば監視ステーションに配置された電気もしくは電子ディスプレイデバイス(例えばCRTやLCD)、ブザー、ポケットベル、警笛、ベル、または拡声器等の、複数の異なる視覚的および/または聴覚的警報または警告デバイスを代表するものであってよいことが理解されよう。
【0021】
ガス検出システム200の作動の一例を、主として図2を参照して説明する。まず最初に、警報および警告レベル等の、ガス検出器262およびフロー検出器270用の作動パラメータは、ユーザまたはガス検出システム200の供給元によって予め設定されている。ガス検出器262にかかわる警報レベルは通常、GC装置100で使用されている可燃性ガスのLEL(例えば水素の場合は40,000ppm)をかなり下回る閾値に設定される。設定警報閾値以上のLELまたは下位のLEL警報レベルに加えて、該警報レベルの選択されたパーセントで警告レベルを1個以上に設定してもよい。フロー検出器270にかかわる警報レベルは通常、ガス検出システム200のフェイルセーフ動作を確保するに足る充分低い閾値に設定されるが、これはガス検出器262が適切な試料ガス流を受け取っていない場合、GCオーブン108内で可燃性ガスが危険なレベルにまで増加しているかどうかを正確に判定できないためである。すなわち、最小流量はガスポンプ252の不具合や、GCオーブン108とガス検出器262との間の試料ガスの流路の封鎖等の障害の発生を示す必要がある。GC装置100の始動に先立ち、ガス検出器262および/またはフロー検出器270を短時間作動させてウォームアップ期間を設けるか、かつ/または初期過渡状態を除去する必要がある場合もある。また、GC装置100は正常に作動するよう、適宜初期化される。
【0022】
GC装置100およびガス検出システム200を初期化する際、GC装置100を、所望の実験に応じて従来方法で作動させる。まず、ガス選択デバイス220を切り換えて、可燃性ガスが可燃性ガス供給源204から可燃性ガス供給ライン212、ガス選択デバイス220、およびキャリアガス供給ライン120を通ってGCカラム104(図1)内へ流入する状態とする。選択された可燃性キャリアガスは、試料供給源112(図1)から供給された対象となる検体試料をGCカラム104を通じて搬送する。可燃性キャリアガスのGCカラム104内への流入を、ガスポンプ252の作動と同時またはそれに近い時点に始まるよう同期させて、GC装置100がGCオーブン108内に収容された空気に可燃ガスが漏れていないかどうか、ただちに監視し始めるようにしてもよい。電子コントローラ240はこれらの作動を調整するようにプログラムされていてもよい。
【0023】
ガスポンプ252の作動により、試料ガスはGCオーブン108から試料ガス導管132およびヒートシンク282のガス導管284を経て流れ、ヒートシンク282において上述の調整を受ける。試料ガスはポンプ252およびガス検出器262を(フロー検出器270の設計によっては、さらにフロー検出器270も)通って流れ続け、出口280を介し適切な目的地に排出される。試料ガスが流れている間、電子コントローラ240はガス検出器262およびフロー検出器270から継続的にまたは高い頻度で出力される信号符号(コード)化計測値を標本化し、それによってGC装置100が作動する間ずっと、警告および警報状態が生じていないかどうか確認する。必要であれば、ガス濃度および流量、ならびにガス温度、圧力、GC実験の実施にかかわるパラメータおよび測定値等の他の計測値を監視ステーション(図示せず)に表示してもよい。
【0024】
電子コントローラ240は、ガス検出器262およびフロー検出器270から標本化した各計測値を、最高ガス濃度および最低流量用に予め設定された対応値と比較するようプログラムされていてもよい。実測ガス濃度値が予め設定された閾値以上の場合、電子コントローラ240はガス選択デバイス220に制御信号を送って、可燃性ガス流を遮断する状態に切り換え、かつ安全ガス供給源208から安全ガス供給ライン216およびキャリアガス供給源120を介したGCカラム104(図1)への安全ガス流を形成する。GCオーブン108内に可燃性ガスが過剰に存在する危険な状態は、漏れた可燃性ガスをGCオーブン108から取り除いて出口280へ導くガスポンプ252が継続的に作動することによって解消される。同様に、試料ガス実測流量値が所定の最低流量値を超過せず、それに達せず、それを下回る場合、電子コントローラ240はガス選択デバイス220を安全ガスが流れる状態に切り換える。ガス濃度が過剰であるかまたは流量が不適切な場合、電子コントローラ240は適宜、警報指示器292を作動させてエラー指示を出してもよい。ガス検出システム200は、ユーザの介入により警報をリセットする必要のある構成であってもよい。ガス検出システム200は、警報またはエラー状態の一度以上の発生に応じて、GCシステム100を停止するように構成されていてもよい。
【0025】
図6はガスを検出または監視する方法の一例を示すフロー図600である。フロー図600はまた、図示された方法を実施可能な装置またはシステムを表していてもよい。この方法は開始点602から始まる。ブロック604のGCオーブン始動時に、試料ガス(例えば空気または空気と他の成分との混合物)をGCオーブンから抽出する。ブロック606で試料ガスの流量を計測する。判定ブロック608で、試料ガスの流量が最小値以下かどうか判定する。流量が最小値を超える場合、流量を適正と判断し、処理はブロック610へと進む。ブロック610で、試料ガス中の第1のガスの濃度を測定する。この例において、「第1の」ガスはGCオーブンから抽出された試料ガスの成分である可能性のある、水素等の可燃性ガスである。よって、第1のガスの濃度を計測すると、第1のガスにさらされると反応するガス検出装置が作動するようにしてもよい。判定ブロック612で、第1のガスの濃度が最大値以上であるかどうかを判定する。濃度が最大値未満の場合、第1のガスの濃度は安全レベルにあると判断される。試料ガスに第1のガスが存在しない場合、第1のガスの濃度は無論ゼロであろう。次いで、処理はブロック604に戻る。
【0026】
図6に示されたブロック604,606,608,610および612を含むループまたはサイクルは、継続的な処理を表していてもよいことがわかる。すなわち、GCオーブンから試料ガスを抽出することは、GCオーブンから試料ガスが継続して流出されることを意味する。試料ガスの流量および第1のガスの濃度を継続的に監視してもよい。また、これらの方法工程を継続して実施することで、流量および濃度の計測を本質的に、継続的にまたは高い頻度で行ってもよい。従って、流量および濃度が許容可能かどうかの判定も同様に、本質的に継続的に行ってもよい。更新された計測データが生成されるたびに判定を行なってもよい。よって、図6に示すブロック604,606,608,610および612の順序もまた任意となる。計測は同時、または少なくとも特定の順番に従わずに行なってもよい。同様に、計測に基づく判定も同時、または少なくとも特定の順番に従わずに行なってよい。一方、ブロック606および608に示される試料ガスの流量の監視を行うことによって、ブロック610および612に示されるガス濃度の監視がフェイルセーフで、または正確な作動で確実に行われると考えてもよい。これは、ガス濃度の監視には、試料ガスの適切な流量が必要とされるためである。
【0027】
図6に図示される方法を進めると、ブロック608で試料ガスの流量が最小値以下であると判定されるか、および/またはブロック612で試料ガス中の第1のガスの濃度が最大値以上であると判定された場合、処理はブロック614に進み、適切な警報応答を開始する。警報応答の例は上述の通りであるが、第1のガスのGCオーブンへの流れを止めて、第2のガスをGCオーブンへ流すように切り換えるか、または視覚的または聴覚的警報指示器を起動するなどしてもよい。この例において「第2の」ガスは、ヘリウムまたは窒素等の安全な、または少なくとも第1のガスよりも安全である(燃性がより低いかまたは不燃性である)と判断されるガスである。警報応答が開始されると、処理は終点616において終了し、その際、ユーザに警報および図示された方法が実施されるシステムの1個以上の他の構成要素をリセットするよう要求してもよい。処理はまた、開始点602に戻り、この方法を同じGC実験行程または次の行程と組み合わせて継続的に実施してもよい。
【0028】
上述したように、図6は図示された方法を実施するための装置またはシステム600の一例を表していてもよい。よってブロック604ないし614は、これらのブロック604ないし614に対応する、上述したとおりの機能または工程を実行するための1個以上の手段を示していると考えてもよい。これらの機能を実施可能なシステム、装置、およびデバイスの例は、図1ないし図5を参照して上述した。
【0029】
本発明の様々な局面または詳細が、発明の範囲を逸脱することなく変更可能であることは理解されよう。さらに、上記説明は例示のみを目的とし限定を目的としておらず、本発明は特許請求の範囲により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明と併用してもよいガスクロマトグラフィーシステムの一例の模式図である。
【図2】本発明の一実施態様によるガス検出システムの一例の立面図である。
【図3】本発明の一実施態様によるガス監視デバイスまたはシステムの一例の模式図である。
【図4】本発明の一実施態様によるヒートシンクの一例の斜視図である。
【図5】図4に示されるヒートシンクの反対側の斜視図である。
【図6】本発明の一実施態様によるガス検出方法の一例を示すフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスクロマトグラフ(GC)オーブンと、
自己加熱式ガス検出器と、
上記GCオーブンと上記ガス検出器との間に流体的に介装されている試料ガス移動デバイスと、
上記ガス検出器の自己加熱を監視するための回路を含むフロー検出器とを備えていることを特徴とするガス検出システム。
【請求項2】
上記GCオーブンと上記試料ガス移動デバイスとの間に流体的に介装されている試料ガス冷却デバイスをさらに備え、
上記冷却デバイスは凝縮ドレインを含んでいることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
上記ガス検出器および上記フロー検出器と信号通信する電子コントローラをさらに備え、
上記電子コントローラは、計測されたガス濃度を示す、上記ガス検出器から受信した信号を最大ガス濃度値と比較し、かつ計測されたガス流量を示す、上記フロー検出器から受信した信号を最小流量値と比較するための回路を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
上記電子コントローラと信号通信するキャリアガス選択デバイスをさらに備え、
上記キャリアガス選択デバイスは、上記GCオーブンと流体的に連通しているキャリアガス出口と、第1のガス入口と、第2のガス入口とを含み、
上記計測されたガス濃度が上記最大ガス濃度値以上であるか、または上記計測されたガス流量が上記最小流量値以下であると、上記電子コントローラが判定したことに応答して、上記選択デバイスは、第1のガスが上記第1のガス入口から上記GCオーブンへ流れる第1の状態と、第2のガスが上記第2のガス入口から上記GCオーブンへ流れる第2の状態との間で切り換え可能であることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
第1のガス供給源と、
第2のガス供給源と、
上記GCオーブンと流体的に連通している出口と、上記第1のガス供給源と流体的に連通している第1入口と、上記第2のガス供給源と流体的に連通している第2入口とを含むキャリアガス選択デバイスであって、第1のガスが上記第1のガス供給源から上記GCオーブンへ流れる第1の状態と、第2のガスが上記第2のガス供給源から上記GCオーブンへ流れる第2の状態との間で切り換え可能なキャリアガス選択デバイスと、
上記ガス検出器、上記フロー検出器、および上記キャリアガス選択デバイスと信号通信する電子コントローラであって、上記ガス検出器が、上記第1のガスの濃度超過または上記ガス検出器へのガスの流量不足を検出したことに応答して、上記キャリアガス選択デバイスを上記第1の状態から上記第2の状態へ切り換えるための回路を含むコントローラとをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
上記フロー検出器が、上記ガス検出器に配置された第1の温度センサと、上記ガス検出器から離れたところに配置された第2の温度センサとを含んでいることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
ガスクロマトグラフ(GC)オーブンと、
ガス検出器と、
上記GCオーブンと上記ガス検出器との間に流体的に介装されている試料ガスデバイスと、
フロー検出器と、
上記GCオーブンから上記ガス検出器へ流れる試料ガスの流量を示すフロー計測信号を上記フロー検出器から受信して、上記フロー計測信号の値が最小流量値以下であるかどうかを判定するための手段と、
上記最小流量値以下である上記フロー計測信号の値に応じて、第1のガスを上記GCオーブンへ流入させる状態から、第2のガスを上記GCオーブンへ流入させる状態に切り換えるための手段とを備えていることを特徴とするガス検出システム。
【請求項8】
上記GCオーブンと上記試料ガス移動デバイスとの間に流体的に介装されている試料ガス冷却デバイスであって、凝縮ドレインを含む試料ガス冷却デバイスをさらに備えていることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
上記受信および判定手段は、上記フロー検出器と信号通信する電子コントローラを含んでいることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
上記切り換え手段は、上記受信および判定手段と信号通信するガス選択デバイスを含み、上記ガス選択デバイスは上記GCオーブンと流体的に連通している出口と、第1のガス入口と、第2のガス入口とを含んでいることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
上記GCオーブンから上記ガス検出器へ流れる上記試料ガス中の上記第1のガスの濃度を示す濃度計測信号を上記ガス検出器から受信して、上記濃度計測信号の値が最大ガス濃度値以上かどうかを判定するための手段をさらに備え、
上記切り換え手段は、上記最大ガス濃度値以上である上記濃度計測信号の値に応じて、上記第1のガスを上記GCオーブンへ流入させる状態から、上記第2のガスを上記GCオーブンへ流入させる状態に切り換えるための手段を含んでいることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
上記濃度計測信号を受信して、上記濃度計測信号の値が最大ガス濃度値以上であるかどうかを判定するための上記手段が、上記ガス検出器と信号通信する電子コントローラを含んでいることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
上記フロー検出器が、上記ガス検出器に配置された第1の温度センサと、上記ガス検出器から離れたところに配置された第2の温度センサとを含んでいることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
GCオーブンから試料ガスを流出させる工程と、
上記試料ガス中の第1のガスの濃度が最大ガス濃度値以上かどうかを判定する工程と、
上記試料ガスの流量が最小流量値以下であるかどうかを判定する工程と、
上記第1のガスが上記最大ガス濃度値以上であるか、または上記流量が上記最小流量値以下であれば、警報応答を開始する工程とを備えていることを特徴とするガスクロマトグラフ(GC)処理時にガスを検出するための方法。
【請求項15】
上記試料ガスを上記GCオーブンから流出させた後、上記試料ガスを冷却し、上記試料ガスから凝縮物を除去することによって上記試料ガスを調整する工程と、
上記調整された試料ガスをガス検出器へ流す工程とをさらに備えていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
上記試料ガス中の上記第1のガスの濃度が最大ガス濃度値以上であるかどうかを判定する工程は、上記試料ガスを上記GCオーブンから自己加熱式ガス検出器へ流す工程を含み、上記試料ガスの流量が最小流量値以下であるかどうかを判定する工程は、上記自己加熱式ガス検出器の温度を計測する工程を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
上記第1のガスを上記GCオーブンへ流す工程をさらに備え、
上記警報応答を開始する工程は、上記第1のガスの上記GCオーブンへの流れを停止させる工程と、第2のガスを上記GCオーブンへ流す工程とを含んでいることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
上記警報応答を開始する工程は、ガス選択デバイスを、上記第1のガスが上記GCオーブンへ流れる第1の状態から、第2のガスが上記GCオーブンへ流れる第2の状態に切り換える工程を含んでいることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
上記警報応答を開始する工程は、警報指示器を作動させる工程を含んでいることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項20】
上記第1のガスを上記GCオーブン内のGCカラムへ流入させる工程をさらに備えていることを特徴とする請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−129013(P2008−129013A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−293451(P2007−293451)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(506027273)
【Fターム(参考)】