説明

ガス検知システム

【課題】 電源を内蔵したセンサ装置において、低消費電力と広濃度範囲の計測を両立する。
【解決手段】低濃度域に感度をもつ低消費電力のFET方式センサと高濃度域に感度を有するヒータ加熱が必要なセンサとを組み合わせてセンサ装置とする。動作例を示せば、常時、ガス漏洩を検知する際は、低濃度域のセンサを動作させ、ヒータへの通電は遮断する。FET方式センサが第1の設定閾値を越える値を検出したところでヒータ加熱を開始する。ヒータが第2の閾値の温度を越えた場合、高濃度域センサの起動が完了したと判断し、それ以後は、第3の設定閾値以下の濃度はFET方式センサの出力値、閾値以上の場合は高濃度域センサの出力値をセンサ装置の出力とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス濃度変化を検知するシステムに関し、特にセンサ装置に電源を搭載し、外部との信号を無線で行うガス濃度計測システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスセンサにはさまざまな種類があり、例えば可燃性ガスセンサに関してはJIS M 7626「定置形可燃性ガス検知警報器」に記載にあるように接触燃焼式、半導体式、熱伝導式、赤外線吸収式などが知られている。又、薄膜や厚膜を用いた方式として、センサーズアンドアクチュエータズ誌B1巻15ページから20ページに記載のFET(Field Effect Transistor)のゲート電極にガス感応膜を成膜し、標的ガスによるゲート電位の変化をFETで読み出す方式(以下、FET方式と記載する)の水素応答性が報告されている。又、ジャパニーズジャーナルオブアプライドフィジクス誌40巻L1232ページからL1234ページに標的ガスによる熱電変換膜の温度上昇を電圧として読み出す方式(以下、熱電方式と記載する)が提案されている(非特許文献2)。FET方式は高感度で、例えば、第18回ユーロセンサーズ国際会議技術抄録集10ページから11ページにはパラジウムをゲート電極に用いたセンサで5ppmの水素を検知できている(非特許文献3)。又、熱電方式においては、白金を用いて3%の水素の検知ができていることが上記の文献に報告されている。
【0003】
以上の例は、センサ単体に関するものであるが、複数のセンサを用いる例としては、濃度に対する出力線形領域の異なる複数のセンサを用いて広い濃度範囲の水素ガスを検出する方法(特開2002-357576号)が公開されている(特許文献1)。図2の例がこの例である。センサ201は、パラジウム合金による抵抗式水素センサ202と酸化錫による酸化物半導体式水素センサ203を有し、いずれのセンサの出力を当該雰囲気のガス濃度をするのかを判別し、信号の切り替えを行う判別器205、切り替え器206が配置される。切り替え器206からガス濃度に関する信号が出力される。
【0004】
特定の位置におけるガス濃度を計測するだけでなく、施設全体のガスの濃度分布を計測したり、この結果を用いて漏洩拡散のモニタリングや漏洩箇所の特定を行ったりする検知システムが、今後普及することが予想される。燃料電池自動車に水素ガスを供給する水素ステーションは、市街地に建設されて高い安全性が要求される点から、こういった検知システムを必要とする施設の好例である。複数のガスセンサを無線通信で結び、ガスの濃度分布をモニタリングする技術に関しては、例えば第10回化学センサ国際会議技術抄録集94ページから95ページに記載がある(非特許文献4)。この例では電気化学センサや光イオン化センサなど数種類のセンサをハイブリッド化し、排水処理場、ごみ処理場、家畜舎、クリーンルームなどの臭気やVOCモニターシステムを構築することを提案している。
【0005】
【特許文献1】特開2002−357576号公報
【非特許文献1】Sensors and Actuators, Vol. B1, pp. 15-20
【非特許文献2】Japanese Journal of Applied Physics Vol. 40, pp. L1232-1234
【非特許文献3】XVIII EUROSENSORS, Digest of Technical Papers, (2004) pp. 10-11
【非特許文献4】The 10th International Meeting on Chemical Sensors, Technical Digest, pp. 94-95
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
数十から数百個のセンサを配置して、ガスの濃度分布を計測するような場合、センサ搭載小型無線端末(以下、センサノードと記載する)は、センサと無線機能と電源を内蔵する構成とすることで配線の敷設が不要となり、センサノードの配置が容易になる。このような電源を内蔵したセンサノード(以下、センサ装置と記述する)における重要な課題のひとつが消費電力の低減である。
【0007】
消費電力の低減には、無線通信電力の低減とセンサそのものの消費電力の低減がある。一般に瞬間最大消費電力を決めるのは無線部分の消費電力であるが、長期にわたっての積算消費電力で影響が大きいのはセンサの消費電力である。無線部分は定期的に送信する際に電力消費を発生するが、センサ部分は常時電力を消費するためである。
又、前述したように、ガスセンサにはいくつかの方式があるが、特に半導体式や熱電式など、電気化学反応を利用したガスセンサでは化学反応が温度に影響されるため、温度制御が重要となる。そのため、センサを加熱して使う必要があり、センサ加熱用ヒータの消費電力が膨大になる。
【0008】
すなわち、消費電力を下げるためには低消費電力のセンサを使用し、かつ、ヒータ加熱を抑制することが効果的である。
【0009】
上述したセンサの中で、FET方式が最も消費電力が低く、数十マイクロワット程度に抑えることが可能である。しかしながら、第18回ユーロセンサーズ国際会議技術抄録集10ページから11ページに記載されているようにFET方式は低濃度域に感度があり、高濃度域での計測には向いていない。
【0010】
本発明は、外部から電力供給のない状態でも、広い濃度域に渡って計測できるセンサ装置を実現することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
低濃度域に対応した低消費電力のFET方式のガスセンサと高濃度域に対応した半導体式や熱電方式のガスセンサを組み合わせて、制御シーケンスで消費電力の抑制を行う。具体的には、常時、低ガス濃度に対応したFET方式のガスセンサのみを起動し、半導体式や熱電方式のセンサは停止しておき、あるガス濃度域を閾値として設定しておき、その閾値を越えた際に高濃度域のセンサを起動し両方のセンサで検知するようにする。
【0012】
ガス漏洩検知といった安全を監視するシステムにおいては、常時、低ガス濃度のみを計測することが大事であり、その際は、ヒータ過熱の必要な高濃度域に対応したセンサは停止するようにすることで、消費電力を抑えることができる。
【0013】
本発明の主な諸形態を列挙すれば、以下の通りである。
【0014】
即ち、その骨子は、少なくとも、電源と、低濃度ガスを計測するFET方式の第1のガスセンサと、ヒータで加熱する高濃度ガスを計測する第2のガスセンサと、温度センサと、比較器と、を有し、且つ前記比較器によって前記第2のガスセンサに対するヒータの加熱開始を判断し、前記温度センサによって前記第2のガスセンサの起動を確認することによって前記第1及び第2のガスセンサを切り替え使用することを特徴とするガス検知システムである。
【0015】
この場合、少なくとも、前記電源と、低濃度ガスを計測するFET方式の第1のガスセンサと、ヒータで加熱する高濃度ガスを計測する第2のガスセンサと、温度センサと、比較器とを有するセンサ装置として構成し、更に通信機能部を付与し、無線によって各種データをサーバに送信し、このサーバ内で、制御に必要なデータ処理や制御信号を発生、送信するごとき実施形態を取ることも可能である。この例では、ガスセンサ装置と、通信で情報の授受を行う通信機と、センサ装置の出力を蓄積、又は解析するサーバと、ガス濃度を表示するモニタとを有する形態が有用である。
【0016】
尚、前記高濃度ガスは、ガス濃度が1%以上と設定することが実際的で、多用される。
【0017】
前記第1及び第2のガスセンサの切り替えは、例えば次のようになされる。前記複数の比較器の各々は、第一の比較器はヒータ加熱する高濃度ガスを計測する第2のガスセンサに対するヒータ部を起動する制御を行い、第二の比較器は前記高濃度ガスを計測する第2のガスセンサに対するヒータ部の温度が適正な状態、即ち、第2のガスセンサの正常動作への移行を確認し、第三の比較器はFET方式の第1のガスセンサと前記高濃度ガスを計測する第2のガスセンサの出力を選択することを行う機能を有するものである。
【0018】
従来、複数センサを組み合わせた装置は前述の特許文献1にも記載されていたが、各センサを常時起動しておき、各センサに適した濃度領域で切り替えるのみの機能しか有していなかった。これに対して、本発明はバッテリと無線通信機能を搭載し、さらに、複数のセンサとそれを切り替えて使用するための制御シーケンスを加えることにより、外部からの電源供給がなくても、広い濃度領域に対応したセンサ装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0019】
本願発明のガス検知システムによれば、広い濃度領域での検知を可能とし、且つ低消費電力を実現することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態を具体的に説明するに先立って、本発明に用いる各種ガスセンサーを簡単に説明する。半導体式センサ(酸化物半導体式センサと称する場合もある)は、例えば酸化スズや酸化亜鉛の焼結体の抵抗変化を計測するものである。例えば、白金線ヒータなどで300℃に加熱し、酸化スズ表面にガスが吸着し、抵抗が変化することを利用している。このためヒータでの消費電力が無視できない。熱電方式センサは、ガスに対して触媒作用のある材料を熱電材料の上に配置し、例えば、水素ガスが白金表面に解離吸着すると熱が発生し温度が変化するのを、熱電材料で電圧信号として検出するものである。このセンサでも水素に対する感度や応答速度を向上するためには触媒材料を加熱する必要があり、ヒータ加熱による消費電力が大きくなる。本発明は、こうしたガスセンサの特徴を生かしつつ、消費電力の低減を狙ったことは前述した通りである。
【0021】
一方、FET方式ガスセンサは電界効果型トランジスタのゲート電極にガスに対する感応材料を用いて、ゲート電極表面にガスが吸着、解離し、その影響をゲート電圧シフトとして観測するものである。水素ガスを検知する場合、ゲート電極には、例えば白金やパラジウムといった水素触媒材料が用いられる。水素が白金表面で解離吸着し、水素原子になるとそのダイポールの影響でトランジスタのチャネル伝導度が変化するので、相対的にゲート電圧が変化したものと捉えることができる。FET方式ガスセンサは消費電流を百μA以下に抑えることができ、センサの消費電力を小さくできる。
【0022】
<実施例1>
以下、本発明の実施の形態の例を説明する。
図1は本発明のガス検知システムのセンサ装置の構成を示す概念図である。センサ装置は、電源103、無線部102、制御部104、センサ部105で構成される。センサ部105は、FET方式のセンサ109と高濃度域に対応したセンサ110とヒータ111と温度センサ112からなる。また、制御部104には少なくとも3つの比較器106、107、108が含まれる。第1の比較器106はFET方式センサ109で検出したデータと第1の閾値とを比較して、コントローラ113を通して、センサ装置の出力114や、高濃度センサ110または高濃度センサ用のヒータ111を加熱する指示を出力するためのものである。第2の比較器107はヒータ111のよる温度変化を、温度センサ112で計測し、この温度センサ112の温度が第2の閾値を超えたか、すなわち、高濃度センサ110の正常測定が可能となったことを検出するためのものである。第3の比較器108はFET方式センサ109の出力と第3の閾値を比較し、FET方式センサ109の適正測定濃度域の内外を判断し、センサ装置の出力端子114に、FET方式センサ109の出力、もしくは、高濃度域センサ110の出力のどちらかを選択するためのものである。
【0023】
本発明のセンサ装置の、センサ出力値を決定するための制御シーケンスの概要について図3を用いて説明する。本実施例では高濃度域のセンサ110として熱電方式のセンサを用いる場合について説明する。FETセンサ109、高濃度域センサ110ともに、センサの各々のセンサの出力値(FET方式センサ出力値:SF、高濃度域センサ出力:SH)(ステップ1)を制御部104に転送する。第一の比較器106で第一の閾値(ST1)とFET方式(109)のセンサ出力(SF)を比較する(ステップ2)。SF≦ST1の場合、センサ装置の出力は、S=SFとする(ステップ3)。
【0024】
SF>ST1の場合は、高濃度域センサ110のヒータを起動、加熱を開始する(ステップ4)。ここで第1の閾値は高濃度域センサ110の起動を開始するための設定値であり、FET方式センサ109の適正濃度範囲内で、ヒータの起動時間を考慮して決定する必要がある。
【0025】
さらに、SF>ST1の場合は、第2の比較器107を用いて、温度センサ112の出力が第2の閾値を越えたかを判断し、越えていない場合は、センサ装置の出力をS=SFとする。温度センサ112の出力が第2の閾値を越えた場合は、第3の比較器108によりセンサ装置の出力をSとして、FET方式のセンサ出力(SF)か、高濃度域センサ112の出力(SH)かを選択する。ここで、第2の閾値は高濃度域センサ110の測定に対し適正な出力が得られる温度とする。
【0026】
第3の比較器108にて、第3の閾値(ST2)とFET方式のセンサ出力(SF)を比較して、SF≦ST2の場合、センサ装置の出力S=SFとし(ステップ8)、SF>ST2の場合は、S=SHとする(ステップ9)。ここで、第3の閾値はFET方式センサ109の適正濃度域と高濃度センサ110の適正濃度域の重複領域から任意に決定することができる。
【0027】
水素の漏洩検知に用いる場合は、FET方式センサ109の適正濃度範囲は1%以下、熱電方式センサ110の使用温度域は100〜150℃以上なので、第1の閾値は500〜1000ppm、第2に閾値は使用温度域の80%以上として80℃〜120℃、第3の閾値は5000ppm〜1%の範囲で選択するとよい。高濃度域用のセンサ110として半導体式センサを選択した場合は、半導体式センサの適正使用温度が200℃〜400℃であり、第2の閾値は160℃〜360℃程度に設定するのがよい。これらの温度に制御するために、上述した第一から第三の比較器に加えて、温度センサの出力に基づきヒータの通電を制御するための比較器を加えてもよい。
【0028】
また、本実施例ではFETセンサ109の出力値や高濃度域センサ110の出力値を濃度に変換した情報で閾値と比較を行うようにしたが、センサの出力値を電圧や電流値のまま扱い、閾値を各センサの濃度に対応した電圧や電流値として、濃度に変換する前の信号を用いて処理しても構わない。
【0029】
さらに、各センサの出力値は温度依存性があるので、温度による較正のテーブルを制御部内に保管し、較正をかけた値をセンサ装置の出力とすることはいうまでもない。
【0030】
<実施例2>
実施例1に記載したセンサ装置を構成要素とするガス検知システムの例を図4を用いて説明する。ガス検知システムは、少なくとも複数個のセンサ装置(Node#1、Node#2、〜Node#n)301〜303と、各センサ装置と信号の授受を行う通信機304、データの格納や解析を行うサーバ305、各センサ装置のガス濃度を表示する表示系306からなる。さらに、サーバ305をネットワークに接続することで遠隔地からのセンサ装置の状態やガス濃度の確認や制御を行うこともできる。ここで、センサ装置(Node#1、Node#2、〜Node#n)301〜303は、前記実施例1に説明されたセンサ装置である。
【0031】
このようなセンサ装置301〜303とサーバ305を無線で接続したガス検知システムでは、サーバ側でのデータの解析が高速に行うことができる。このため、実施例1に示した様にセンサ内部に比較器を持たずに、各センサの状態と出力値をサーバ305に送信し、サーバ内でソフトウェア的に比較処理し、サーバ側からセンサ装置301〜303にヒータ起動の信号を送信したり、センサ装置の出力値を選択したりすることも可能である。
【0032】
ようするに、電源を内蔵したセンサ装置のFET方式センサと加熱ヒータを有する高濃度域対応センサと温度センサの出力値を、センサ装置内部、またはサーバ内部のハードウェアで構成した比較器やソフトウェアで構成した比較器を用いて、次のような機能が実施できれば良い。
(1)ガスセンサの加熱用ヒータの起動を制御する。加熱用ヒータの形態は、ガスセンサの形態によって異なるが、いずれにしても、対応加熱用ヒータの起動の制御が肝要である。即ち、加熱ヒータが組み込まれた高濃度域対応のガスセンサの場合は、この内臓センサに内臓された加熱ヒータを、もしくは、加熱ヒータがガスセンサ本体と別体に設けられた形態のガスセンサの場合は、別体に設けられた加熱ヒータの起動を制御する。
(2)加熱ヒータを有する高濃度域対応センサの動作状態が適正かを判断する。
【0033】
もしくは、加熱ヒータの温度を管理して適正と判断してもよい。
(3)FET方式センサと高濃度域対応センサのガス濃度の出力を選択する。
【0034】
定常的には低濃度のガス漏洩検出を行うため、センサ装置の電力消費を低く抑えることができる。このため、センサ装置に内蔵された電源でも長期間動作させることができる。電源や無線機能を内蔵したセンサ装置を使用することにより、例えば、水素ステーションのガス検知システムを構成することができる。結線が不要であるため、設置場所を限定せずに自由に配置でき、各センサ装置の濃度分布をサーバにて表示したり、遠隔地監視も可能となる。
【0035】
以上、本発明を説明したが、本発明の諸形態が有する効果を詳細に述べれば、次の通りである。
【0036】
外部からの電源供給がなくても高濃度域に対応したガスセンサ装置において、常時、低濃度計測を低消費電力で実施し、ある閾値濃度を超えたところで、高濃度域に対応した消費電力の高いセンサを起動するようにすることで、小型のバッテリ(例えば、乾電池)でセンサ装置を運転できるようになる。そのため、センサ装置も小型化でき、無線通信機能と合せて、センサ設置場所が自由に選択できるようになる。
【0037】
また、ガス漏洩検知システムを構成した場合には、配線を気にせず、あらかじめ較正したセンサ装置ごと交換すればよく、システムのメンテナンスも容易になる。
【0038】
さらに、このFET方式のガスセンサで常時計測して、設定閾値を超えたところで、高濃度域に適したセンサを起動するという制御シーケンスは、有線のセンサ装置の低消費電力化にも効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、本発明のセンサ装置の構成例を示す概念図である。
【図2】図2は、従来例を示すセンサの構成の概念図である。
【図3】図3は、本発明のセンサ装置の制御シーケンスの一部を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明のセンサ装置を用いたガス検知システムの構成例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0040】
101:センサ装置、102:無線部、103:電源、104:制御部、105:センサ部、106:第1の比較器、107:第2の比較器、108:第3の比較器、109:FET方式センサ、110:高濃度域センサ、111:ヒータ、112:温度センサ、113:コントローラ、114:出力端子、201:従来例の測定点、202:従来例のパラジウム合金による抵抗式水素センサ、203:酸化錫による酸化物半導体式水素センサ、205:従来例の切替器、206:従来例の判別器、207:従来例の出力、301:第1のセンサ装置、302:第2のセンサ装置、303:第nのセンサ装置、304:通信機、305:サーバ、306:表示系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、電源と、低濃度ガスを計測するFET方式の第1のガスセンサと、ヒータで加熱する高濃度ガスを計測する第2のガスセンサと、温度センサと、比較器と、を有し、且つ前記比較器によって前記第2のガスセンサに対するヒータの加熱開始を判断し、前記温度センサによって前記第2のガスセンサの起動を確認することによって前記第1及び第2のガスセンサを切り替え使用することを特徴とするガス検知システム。
【請求項2】
少なくとも、前記電源と、通信機能部と、低濃度ガスを計測するFET方式の第1のガスセンサと、ヒータで加熱する高濃度ガスを計測する第2のガスセンサと、温度センサと、比較器とを有するセンサ装置として、当該ガス検知システムの構成要素とする請求項1に記載のガス検知システム。
【請求項3】
前記高濃度ガスのガス濃度が1%以上であることを特徴とする請求項1に記載のガス検知システム。
【請求項4】
前記複数の比較器の各々は、第一の比較器がヒータ加熱する高濃度ガスを計測する第2のガスセンサに対するヒータ部を起動する制御を行い、第二の比較器が前記高濃度ガスを計測する第2のガスセンサに対するヒータの適正温度への移行を確認し、第三の比較器がFET方式の第1のガスセンサと前記高濃度ガスを計測する第2のガスセンサの出力を選択することを行う機能を有することを特徴とする請求項1に記載のガス検知システム。
【請求項5】
請求項2に記載のガスセンサ装置と、通信で情報の授受を行う通信機と、センサ装置の出力を蓄積、または解析するサーバと、ガス濃度を表示するモニタとを有するガス検知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−17208(P2007−17208A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−197024(P2005−197024)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成15年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(再)委託研究、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】