説明

キャビネット監視報告装置およびシステム

【課題】既存のキャビネットに組み込むことができかつ組み込みやすい、安価で正確な監視システムを提供する。
【解決手段】本発明の実施形態は、販売キャビネット監視システム、装置および方法を含む。本発明に係るシステムは、在庫品を保持するよう構成される複数のキャビネットを含む。各キャビネットは、第1のキャビネットの動作および第1のキャビネット内の在庫品の量の少なくとも1つに係るデータを検知するよう構成される少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサからデータを収集し、該データを送信するコンピュータ装置と、を含む。ホストシステムは、各キャビネットのコンピュータ装置と通信する。そのホストシステムは、各キャビネットからデータを受信し、あるキャビネットに補充または保守が必要であるかどうかを判定するためにそのデータを処理する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2005年12月1日に出願された米国仮特許出願第60/741,679号からの優先権を主張しており、その開示内容は、引用により本願に組み込まれているものとする。
【0002】
本発明は、キャビネットに関し、特に、キャビネット監視報告装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
キャビネットは、アイスクリームや冷凍食品を、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、酒屋、食料品店などの小売販売店に配送するために利用されてきた。これらのキャビネットには、しばしば、銘柄が付され、その銘柄の商品だけが収容される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、これらのキャビネットでは、仕入れの必要性やシステムの状態を人力で監視する必要があった。たとえば、運転手は、各地に運転し、またキャビネットに補充または点検が必要であるかどうかを目で確認しなければならなかった。キャビネットが正常に稼働し補充の必要もない場合が多いため、この人力を要する方法は大変非効率であった。そこで、この非効率を解消するため、在庫および点検情報を中央ホストシステムに伝達できる遠隔操作のキャビネットが必要とされ、求められている。自動販売機の監視に関する既存の技術は、アイスクリーム冷凍キャビネットなどの販売キャビネットの遠隔監視に対する費用効果の高い単純な用途にあまり適さない。運転手による無駄な停車を低減しまたは省き、たとえばカーニバルのようなイベントによる消費の急上昇などの、在庫や点検状況のリアルタイムな変化に先を見越して対応でき、設備故障を販売業者に警告し、より正確に消費率を計算するためのデータマイニング技術を提供する、価格の手頃なシステムが必要とされている。
【0005】
従来の自動販売機は監視されており、他のタイプの監視システムも存在するが、これらのシステムは、たとえばアイスクリームや冷凍食品の販売組織、特に地方または遠隔地のための特定の企業にとってあまりに高額で手が出ない。既存のシステムは、新たな設備を必要とするか、高価なアップグレードを必要とするか、または冷蔵庫や冷凍庫のような開くキャビネットの設計に適していなかった。既存のキャビネットに組み込むことができかつ組み込みやすい、安価で正確な監視システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、在庫品を保持するよう構成される複数のキャビネットであって、各キャビネットが、第1のキャビネットの動作および前記第1のキャビネット内の在庫品の量の少なくとも1つに係るデータを検知するよう構成される少なくとも1つのセンサと、前記少なくとも1つのセンサからデータを収集し、該データを送信するコンピュータ装置と、を含む、複数のキャビネットと、各キャビネットの前記コンピュータ装置と通信するホストシステムであって、各キャビネットから前記データを受信し、あるキャビネットに補充または保守が必要であるかどうかを判定するために前記データを処理するよう構成されるホストシステムと、を含む販売キャビネット監視システムを提供することにより、これらの必要性を大いに軽減する。
【0007】
一態様では、前記システムは、前記ホストシステムと通信する販売システムであって、あるキャビネットに補充または保守が必要であるかどうかに係る情報を受信する装置を含む販売システムを含む。
【0008】
他の態様では、前記ホストシステムは、前記複数のキャビネットを保守または補充するための経路を決定するようさらに構成される。
【0009】
他の実施形態では、本発明は、在庫品を保持するよう構成されるキャビネットと、前記キャビネットおよびいずれかの在庫品の重量を検知する重量センサと、前記重量センサからデータを収集するコンピュータ装置と、を含むキャビネット監視装置を提供する。
【0010】
一態様では、前記装置は、前記在庫品の高さを検知する光学センサを含み、前記コンピュータ装置は、前記光学センサからデータを収集する。
【0011】
他の態様では、前記装置は、前記キャビネットがいつアクセスされたかを検知するエントリセンサをさらに含み、前記コンピュータ装置は、前記エントリセンサからデータを収集する。
【0012】
他の態様では、前記装置は、前記キャビネット内部の温度を検知する温度センサを含み、前記コンピュータ装置は、前記温度センサからデータを収集する。または、前記装置は、前記キャビネットに電力を供給する装置の電圧を検知する電圧センサを含み、前記コンピュータ装置は、前記電圧センサからデータを収集する。または、前記装置は、前記データを遠隔ホストシステムに伝達する通信装置を含む。
【0013】
さらなる実施形態では、キャビネット監視装置は、在庫品を保持するよう構成されるキャビネットと、前記キャビネットがいつアクセスされたかを検知するエントリセンサと、前記エントリセンサからデータを収集し、ある期間中に前記キャビネットがアクセスされた回数を記憶するコンピュータ装置と、を含む。
【0014】
他の態様では、前記装置は、前記在庫品の高さを検知する光学センサを含み、前記コンピュータ装置は、前記光学センサからデータを収集する。または、前記装置は、前記キャビネット内部の温度を検知する温度センサを含み、前記コンピュータ装置は、前記温度センサからデータを収集する。または、前記装置は、前記キャビネットに電力を供給する装置の電圧を検知する電圧センサを含み、前記コンピュータ装置は、前記電圧センサからデータを収集する。または、前記装置は、前記データを遠隔ホストシステムに伝達する通信装置を含む。または、前記装置は、前記キャビネットおよび前記キャビネットの内容物の重量を検知する重量センサを含む。
【0015】
他の実施形態では、本発明は、各キャビネットが、在庫品を保持するよう構成され、コンピュータ装置を含む、複数のキャビネットを複数の場所に備えるステップと、第1のキャビネットに係るデータであって、第1のキャビネットの動作および前記第1のキャビネット内の在庫品の量の少なくとも1つを含むデータを検知するステップと、前記各コンピュータ装置を用いて前記データを収集するステップと、前記データと前記第1のキャビネットの識別情報とを前記遠隔ホストシステムに送信するステップと、前記第1のキャビネットに補充または保守が必要であるかどうかを判定するために前記データを処理するステップと、を含む販売キャビネットの監視方法を提供する。
【0016】
他の態様では、その方法は、ある期間中に前記キャビネットがアクセスされた回数を検知するステップ、または、前記キャビネットおよび前記キャビネット内の前記在庫品の重量を検知するステップ、または、前記キャビネットに補充または保守が必要であるかどうかについての判定を販売システムに伝達するステップ、または、前記第1のキャビネット内部の温度、前記在庫品の高さ、および電源電圧、の少なくとも1つを検知するステップ、を含む。
【0017】
他の態様では、その方法は、第2のキャビネットの動作および前記第2のキャビネット内の在庫品の量の少なくとも1つに係る第2のデータを検知するステップと、前記各コンピュータ装置を用いて前記第2のデータを収集するステップと、前記第2のデータを前記遠隔ホストシステムに送信するステップと、前記第2のキャビネットに補充または保守が必要であるかどうかを判定するために前記第2のデータを処理するステップと、をさらに含む。
【0018】
他の態様では、前記方法は、前記第1および第2のキャビネットに補充または保守が必要であるかどうかについての前記判定に基づいて、前記第1および第2のキャビネットに補充または保守を行うための経路を決定するステップ、をさらに含む。
【0019】
本発明の上記および他の利点および特徴は、添付図面を参照して以下に行う代表的な実施形態の詳細な説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係るキャビネット監視システム100を示す。キャビネット監視システム100は、1以上のキャビネット監視装置200を含む。各キャビネット監視装置200は、ブラックボックス20と、システムの状態または在庫品に関するデータを収集する重量センサまたはエントリセンサなどの1以上のセンサ210と、を備えるキャビネット10(たとえば、アイスクリームおよび冷凍食品販売用の冷凍庫)を含む。センサ210は、データをブラックボックス20に送信する。ブラックボックス20は、メモリおよび通信装置を含むコンピュータ装置である。本発明の実施形態では、ブラックボックス20はセンサ210と通信する。ブラックボックス20は、センサ210のデータに加えて、数ある中で特定のキャビネット監視装置200を識別する無線ICタグ(RFID)データなどのデータを収集および/または送信することもできる。
【0021】
ブラックボックス20は、通信ネットワーク300を介してデータをホストシステム400に送信する。本発明の実施形態では、ホストシステム400は、キャビネット監視装置200の場所にある電話回線を介してブラックボックス200と通信する。本発明の一実施形態では、
ホストシステム400は、履歴データや外部データ(たとえば、キャビネットまたはキャビネット監視装置に点検または補充がいつ必要となるかをより正確に予測するための天候データ)だけでなく、ブラックボックス20からのデータも処理することができる。本発明の実施形態では、ホストシステム400は、それに含まれるデータにアクセスする外部手段(たとえば、インターネットを介してそのデータへのアクセスを提供するウェブサイト)を含む。
【0022】
ホストシステム400は、1以上のブラックボックス20から情報を収集し、そして収集したデータをデータベースに格納する中央データベースおよび通信アプリケーションである。このホストシステムは、キャビネット監視装置200を有する各場所からの特定の商品に係る売上データを含む、他の情報源からのデータを保存することもできる。さらに、ホストシステム400は、たとえば、ブラックボックス20と通信するタイミング、ブラックボックス20と通信する頻度、およびブラックボックス20からの自動応答のきっかけとなる警戒条件を構成する要素、を含む各ブラックボックス20のカスタム設定パラメータを提供する。ホストシステム400は、各ブラックボックス20のファームウェア(作動方法)を改良したり、データを収集した後、データの重複処理を防ぐためにブラックボックス20に格納されるデータのメモリを消去するよう、プログラムすることもできる。
【0023】
ホストシステム400は、ある特定のキャビネット10に補充が必要であるかどうか、またはある特定のキャビネット監視装置200に保守が必要であるかどうか、を判定するために、各ブラックボックス20からのデータを処理するよう構成されている。さらに、ホストシステム400は、どのキャビネット10に補充が必要であるか、どの装置200に保守が必要であるか、および各キャビネット10または装置200の場所、に基づいて、配送および保守の経路を計画するよう構成されている。さらに、ホストシステム400は、どの商品がどの場所でおよびどのキャビネット10で販売されるべきを判定するために、特定の売上情報だけでなくブラックボックス20からのデータも使用するよう構成されている。このように、時間および/またはお金を節約する経路を効率よく計画することができる。
【0024】
ホストシステム400は、無線通信ネットワークなどの通信ネットワーク500を介して販売業者システム600にデータを送信する。販売業者システム600は、ホストシステム400と通信することもできる。販売業者システム600は、販売業者や他の点検業者が情報を受け取ることができるようにする、ポケットベル、携帯装置、他の装置などの1以上の装置660を含むことができる。たとえば、販売業者システム600の装置660に送信されたデータは、配送員または点検技術者がいつキャビネット監視装置200の場所に訪問する必要があるか、キャビネット10に補充および点検を行う際にたどる経路、および特定の監視装置200にどのような修理を施す必要があるか、を知らせるために使用できる。ホストシステム400は、生産性の最大化に興味のある顧客や商品販売業者が在庫品や保守の必要性をリアルタイムで知ることができるASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)とみなすことができる。
【0025】
装置660は、特に、最小在庫管理単位製品レベルの収集および分類に適するため、総合的な在庫管理システムに不可欠の構成要素である。センサ210は、製品レベルおよび/またはキャビネット10の動作に関する一般的な情報を検知する。装置660は、キャビネット10内の在庫品を構成する特定の商品に関するデータを保存および収集することができる。たとえば、キャビネットに補充する/販売する直前に、装置660は、どの商品が少ない、足りない、または十分であるかに関するデータを収集するすばらしい機会を提供する。さらに、装置660は、キャビネット10内の商品配置に関する情報を収集することができる。このために、装置660の利用者(すなわち、販売業者または点検業者)は、装置660にその情報を入力する。装置660によって収集されたデータは、ホストシステム400に伝達される。次に、ホストシステム400は、どの商品が販売されるかおよび配送や点検の経路に関する情報を含む情報を装置660に提供することができる。
【0026】
当然のことながら、通信ネットワーク300,500は、無線(CDMA、GPRS、GSM)、電話回線、WiFi、イーサネット、光ファイバ、またはケーブルなどの任意の公知の通信システムで実現することができる。
【0027】
図2は、ブラックボックス20を備えたキャビネット10を含む典型的なキャビネット監視装置200を示す。この典型的なキャビネット10は、アイスクリームや冷凍食品を販売する冷凍庫であるが、本発明では、たとえば、冷蔵庫などの収納用仕切りを含む他のキャビネットを用いてもよい。キャビネット監視装置200は、ブラックボックス20と通信する、エントリセンサ30、温度センサ40、湿度センサ50、重量センサ60、光学センサ70、および電圧センサ80などの複数のセンサ210をさらに含む。
【0028】
本発明の典型的な実施形態では、ブラックボックス20は、センサ30〜80へのインターフェースを備え、30秒、1分、4時間、または1日1回などのプログラム可能な間隔でデータをサンプリングするコンピュータ装置である。ブラックボックス20は、通信制御部を含む通信装置25を備え、GPRS、GSM、CDMA、電話回線、およびイーサネットのうち1以上を用いるよう構成されてもよい。ブラックボックス20は、キャビネット10に対する電源(図示せず)が故障した場合にブラックボックスを機能させるためのバッテリなどバックアップ電源21を任意に含む。一実施形態では、ブラックボックス20は、状況情報を提供するスクリーンおよび/または液晶ディスプレイなどの状況表示部22を有する。ブラックボックス20は、通信するだけのブラックボックス20とは異なり、手動でキャビネット監視装置を元の出荷時設定に戻す、手動でホストシステム400(図1)と通信させる、および/またはブラックボックス20にホストシステム400からの連絡が届くようにする、1以上のスイッチ23または他の手段を含むこともできる。
【0029】
ブラックボックス20は、センサ210からのデータをメモリ24に格納し、予めプログラムされた時間でおよび/または以下に述べるような設定可能なオプションに基づいてホストシステム400と通信する。一実施形態では、ブラックボックス20は、電話回線を介してホストシステム400と通信し、キャビネット監視装置200の場所にある電話回線に接続される。また、ブラックボックス20とホストシステム400との通信に、(GSMのような)無線技術を用いることもできる。
【0030】
一実施形態では、ある1つの場所にまたは複数の場所に互いに近接して存在する複数のブラックボックス20をネットワーク接続するために、(Zigbeeのような)無線技術を用いることもできる。ブラックボックス20をネットワーク接続すれば、複数の場所を管理するために繰り返し発生する接続コストが低減する。さらに、通信制御部が必要となるのは各場所で1つのブラックボックス20(「マスターユニット」) だけでよくなり、その場所にある他のブラックボックス20は、「スレーブ」として機能する、またはマスターユニットによって制御されるようになる。
【0031】
1以上のブラックボックス20から受信されるデータから、ホストシステム400は、ある特定のキャビネット10に補充および/または点検が必要であるかどうか、またいつ必要であるかを判定する。キャビネット監視システム100がさまざまな場所に複数のキャビネット10を含む場合、ホストシステム400は、キャビネット監視装置200に補充または点検を行う配送要員および/または保守要員によって利用される経路および日程を設定することもできる。
【0032】
以下、センサ30〜80のそれぞれについてより詳細に説明する。特定のセンサ30〜80が示されるが、目的とする監視点に応じて更なるまたはより少ないセンサ210を含んでもよいのはもちろんである。
【0033】
エントリセンサ30は、キャビネット10が何回アクセスされたかを検知し、データをブラックボックス20に送信する。エントリセンサは、キャビネット10へのドアやエントリ手段に取り付けられる。キャビネット10が1以上のドアを有する場合、複数のエントリセンサ30が使用される。エントリセンサ30は、キャビネット10における在庫品の必要性を予測する安価な方法を提供する。ブラックボックス20は、キャビネット10が一定回数アクセスされたことをエントリセンサ30が示した時にホストシステム400に連絡するよう、プログラムすることができる。
【0034】
温度センサ40は、キャビネット10内の温度を検知し、データをブラックボックス20に送信する。温度センサ40は、キャビネット10外の温度を検知するよう構成されてもよいし、さらなる温度センサ40をキャビネット10の外に設置してもよい。一実施形態では、温度センサ40は、コンプレッサの故障を予知するため、冷凍庫のコンプレッサ(図示せず)の動作を監視するために用いられる。このため、コンプレッサの入力温度、コンプレッサの出力温度、および周辺温度が監視される。これらの温度測定値は、コンプレッサの状態を予測し、またキャビネット10のコンプレッサに対する点検の必要性を予測するために、コンプレッサ製造会社の統計分析とともに用いられる。ブラックボックス20は、特定の場所における温度がある所定の温度または温度範囲を超えたことまたは下回ったことを温度センサ40が示した時にホストシステム400に連絡するよう、プログラムすることができる。
【0035】
湿度センサ50は、キャビネット10内の湿度を検知し、データをブラックボックス20に送信する。キャビネット10が冷凍庫よりむしろ冷蔵庫である場合に、湿度センサはより望ましい。ブラックボックス20は、キャビネット10内の湿度がある所定の湿度または湿度範囲を超えたことまたは下回ったことを湿度センサ50が示した時にホストシステム400に連絡するよう、プログラムすることができる。
【0036】
1以上の重量センサ60は、キャビネットおよびその内容物の重量を検知し、データをブラックボックス20に送信する。ブラックボックス20は、キャビネットおよびその内容物の重量がある所定の重量を下回ったことを重量センサ60が示した時にホストシステム400に連絡するよう、プログラムすることができる。一実施形態では、重量センサ60は、重量に換算される電圧の振れを測定する装置であるロードセルであるが、重量を検知する他のセンサを使用することもできる。
【0037】
図3Aにおいて、あるロードセル60はキャビネット10が25%、50%、75%、または100%満杯であるかを判定するために用いることができる。また、図3Bに示すように、キャビネット10の裏面の各隅の2つのロードセル60は、10%、20%、30%、...90%、100%の精度で、キャビネット10およびその内容物の重量を量るために用いられる。
【0038】
図3Cに示す他の実施形態では、ロードセル60と一体化したキャスター810がフレーム800の底面に取り付けられている。ロードセル60は、たとえばSentran,LLCにより開発されるようなキャスター/車輪のために特に設計される。キャビネット10は、フレーム800上に設置される。当然のことながら、フレーム800は、キャビネット10を支持できるいかなるサイズや形状に形成されてもよい。ロードセル60と一体化した4つのキャスター810が示されているが、ロードセル60と一体化したキャスターをいくつ用いてもよい。従来のキャスターとロードセル60と一体化したキャスター810とを組み合わせて用いてもよい。キャスター/車輪が示されているが、ロードセルまたは他の重量センサが脚部などの支持機構に組み込まれてもよいのはもちろんである。
【0039】
光学センサ70は、キャビネット内の在庫品のレベルまたは高さを検知する。図4Aは、一実施形態に係る光学センサ70を含むキャビネット10の上面図であり、図4Bは、キャビネット10の4B−4B’線に沿う側断面図である。図4Aに示すように、1対以上の送信センサ910と受信センサ920がキャビネット10の内側に沿って間隔を置いて設置される。一実施形態では、販売キャビネット10を区域または区画930a,930b,930cにさらに分割することができ、1対の送信および受信光学センサ910,920が、区画930a,930b,930cそれぞれの特定の高さに設置される。送信センサ910から送信される光信号98は、水平経路に障害物がない、すなわち送信信号98を遮る在庫品99がない場合に、対応する受信センサ920によって受信される。たとえば、区画930cでは、十分な在庫品99があるので、その在庫品99は送信信号98を遮るのに十分な高さに達する。しかしながら、区画930は在庫品99を含むものの、その在庫品は送信信号98を遮るのに十分な高さまで達しない。もし1対のセンサ910,920が区画930a、930b、930cごとに用いられ、望ましくは在庫品が高さHより低い所にある場合に信号が受信されるよう高さHにそのセンサが設置されれば、在庫品99が完全に無くなる前にキャビネット10に補充する時間ができる。
【0040】
電圧センサ80は、キャビネットへの主電源を検知する。ブラックボックス20は、低電圧または電源故障(電圧なし)状態を電圧センサ80が示した時にホストシステム400に連絡するよう、プログラムすることができる。
【0041】
キャビネット監視装置200は、販売キャビネット10と一体化したブラックボックス20およびセンサ30〜80を備えるユニットとして製造することができる。また、キット90を使用すれば、既存のキャビネットをキャビネット監視装置200に改変することができる。キット90は、販売キャビネット10に組み込むことができる、ブラックボックス20、センサ30〜70、およびここで説明したように機能するようブラックボックス20やセンサ30〜70を組み込むために必要となる部品および連結具、を含む。キット90を使用すれば、ベンダは、既存のキャビネットを完全に取り替える費用をかけることなく、既存のキャビネット10を監視可能に改良することができる。
【0042】
当業者であれば、情報や信号がさまざまな異なる技術および技法を用いて表されてもよいことを理解するであろう。たとえば、上記の説明を通じて参照されうる、データ、指示、命令、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光場または光学粒子、またはそれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0043】
当業者であれば、ここで開示された実施形態に関連して記載される、各種実例となる論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはそれらの組み合わせによって実現されてもよいことをさらに理解するであろう。このハードウェアとソフトウェアとの互換性を明らかにするため、各種実例となるさまざまな構成要素、ブロック、モジュール、回路、ステップを、機能性の点から一般的に上述した。このような機能性がハードウェアまたはソフトウェアとして実現されるかどうかは、特定の用途およびシステム全体に課される設計上の制約に依存する。当業者は、特定の用途それぞれについて上記機能性をさまざまな方法で実装してもよいが、かかる実装の決定は、本発明の範囲から逸脱させるものとして解釈されるべきではない。
【0044】
ここで開示された実施形態に関連して説明された各種実例となる論理ブロック、モジュール、および回路は、ここで説明された機能を実現するよう設計された、汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理回路、個別のゲートまたはトランジスタ論理、個別のハードウェア部品、またはそれらの任意の組み合わせで実装または実施されてもよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、別の方法では、そのプロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってもよい。プロセッサは、たとえば、DSPおよびマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1以上のマイクロプロセッサ、または他のそのような構成、といったコンピュータ装置の組み合わせとして実装されてもよい。
【0045】
ここで開示された実施形態に関連して記載される方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアで、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュールで、またはそれら2つの組み合わせで、直接具現されてもよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当該技術分野で知られる他のいかなる形式の記憶媒体の中にあってもよい。典型的な記憶媒体は、その記憶媒体から情報を読み出し、またその記憶媒体に情報を書き込むことができるプロセッサと連結される。また、記憶媒体は、プロセッサに組み込まれてもよい。プロセッサと記憶媒体は、ASIC内にあってもよい。ASICは、ユーザ端末内にあってもよい。また、プロセッサと記憶媒体は、ユーザ端末内に個別部品として存在してもよい。
【0046】
以上では本発明の好適な実施形態を記載および説明したが、これらは本発明の典型例であって制限とみなされるべきではないことはもちろんである。たとえば、アイスクリームおよび冷凍食品の販売冷凍庫の監視販売装置およびシステムに関連して典型的な実施形態を記載したが、本発明は、冷蔵庫または自動販売機などの他のキャビネットにも適用できる。本発明の技術思想および範囲から逸脱することなく、追加、削除、置き換え、および他の改変が可能である。したがって、本発明は、上記説明によって限定されるとみなされるべきはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。特許請求の範囲は、新規に特許請求され、米国の特許証によって保護されることが望まれる範囲である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態に係るキャビネット監視システムを説明するブロック図を示す。
【図2】本発明の実施形態に係るキャビネット監視装置を説明するブロック図を示す。
【図3A】本発明の実施形態に従って構成された重量センサを備えるキャビネットのブロック図を示す。
【図3B】本発明の実施形態に従って構成された重量センサを備えるキャビネットのブロック図を示す。
【図3C】本発明の実施形態に従って構成された重量センサを備えるキャビネットのブロック図を示す。
【図4A】本発明の実施形態に従って構成された光学センサを備えるキャビネットのブロック図を示す。
【図4B】図4Aに示すキャビネットの部分断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
在庫品を保持するよう構成される複数のキャビネットであって、各キャビネットが、
第1のキャビネットの動作および前記第1のキャビネット内の在庫品の量の少なくとも1つに係るデータを検知するよう構成される少なくとも1つのセンサと、
前記少なくとも1つのセンサからデータを収集し、該データを送信するコンピュータ装置と、
を含む、複数のキャビネットと、
各キャビネットの前記コンピュータ装置と通信するホストシステムであって、各キャビネットから前記データを受信し、あるキャビネットに補充または保守が必要であるかどうかを判定するために前記データを処理するよう構成されるホストシステムと、
を含む販売キャビネット監視システム。
【請求項2】
前記ホストシステムと通信する販売システムであって、あるキャビネットに補充または保守が必要であるかどうかに係る情報を受信する装置を含む販売システム、
をさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ホストシステムは、前記複数のキャビネットを保守または補充するための経路を決定するようさらに構成される、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記販売システムは、複数の携帯型コンピュータ装置を含む、
請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記販売システムは、前記ホストシステムと無線通信するよう構成される、
請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記ホストシステムは、少なくとも1つのキャビネットの前記コンピュータ装置と電話回線を介して通信する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
在庫品を保持するよう構成されるキャビネットと、
前記キャビネットおよびいずれかの在庫品の重量を検知する重量センサと、
前記重量センサからデータを収集するコンピュータ装置と、
を含むキャビネット監視装置。
【請求項8】
前記在庫品の高さを検知する光学センサをさらに含み、
前記コンピュータ装置は、前記光学センサからデータを収集する、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記キャビネットがいつアクセスされたかを検知するエントリセンサをさらに含み、
前記コンピュータ装置は、前記エントリセンサからデータを収集する、
請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記キャビネット内部の温度を検知する温度センサをさらに含み、
前記コンピュータ装置は、前記温度センサからデータを収集する、
請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記キャビネットに電力を供給する装置の電圧を検知する電圧センサをさらに含み、
前記コンピュータ装置は、前記電圧センサからデータを収集する、
請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記コンピュータ装置は、前記データを遠隔ホストシステムに伝達する通信装置を含む、
請求項7に記載の装置。
【請求項13】
前記通信装置は、電話回線を介して通信するよう構成される、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記重量センサは、ロードセルである、
請求項7に記載の装置。
【請求項15】
1つのロードセルが、前記キャビネットおよびいずれかの在庫品の重量を検知するために使用される、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
複数のロードセルが、前記キャビネットおよびいずれかの在庫品の重量を検知するために使用される、
請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記キャビネットはフレーム上に設置され、
少なくとも1つのロードセルは、前記フレームに取り付けられた支持具と一体化している、
請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記支持具は、キャスターである、
請求項17に記載の装置。
【請求項19】
在庫品を保持するよう構成されるキャビネットと、
前記キャビネットがいつアクセスされたかを検知するエントリセンサと、
前記エントリセンサからデータを収集し、ある期間中に前記キャビネットがアクセスされた回数を記憶するコンピュータ装置と、
を含むキャビネット監視装置。
【請求項20】
前記在庫品の高さを検知する光学センサをさらに含み、
前記コンピュータ装置は、前記光学センサからデータを収集する、
請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記キャビネット内部の温度を検知する温度センサをさらに含み、
前記コンピュータ装置は、前記温度センサからデータを収集する、
請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記キャビネットに電力を供給する装置の電圧を検知する電圧センサをさらに含み、
前記コンピュータ装置は、前記電圧センサからデータを収集する、
請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記コンピュータ装置は、前記データを遠隔ホストシステムに伝達する通信装置を含む、
請求項19に記載の装置。
【請求項24】
前記通信装置は、電話回線を介して通信するよう構成される、
請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記キャビネットおよび前記キャビネットの内容物の重量を検知する重量センサをさらに含む、
請求項19に記載の装置。
【請求項26】
各キャビネットが、在庫品を保持するよう構成され、コンピュータ装置を含む、複数のキャビネットを複数の場所に備えるステップと、
第1のキャビネットに係るデータであって、第1のキャビネットの動作および前記第1のキャビネット内の在庫品の量の少なくとも1つを含むデータを検知するステップと、
前記各コンピュータ装置を用いて前記データを収集するステップと、
前記データと前記第1のキャビネットの識別情報とを前記遠隔ホストシステムに送信するステップと、
前記第1のキャビネットに補充または保守が必要であるかどうかを判定するために前記データを処理するステップと、
を含む販売キャビネットの監視方法。
【請求項27】
ある期間中に前記キャビネットがアクセスされた回数を検知するステップ、
をさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記キャビネットおよび前記キャビネット内の前記在庫品の重量を検知するステップ、
をさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記キャビネットに補充または保守が必要であるかどうかについての判定を販売システムに伝達するステップ、
をさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のキャビネット内部の温度、前記在庫品の高さ、および電源電圧、の少なくとも1つを検知するステップ、
をさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項31】
第2のキャビネットの動作および前記第2のキャビネット内の在庫品の量の少なくとも1つに係る第2のデータを検知するステップと、
前記各コンピュータ装置を用いて前記第2のデータを収集するステップと、
前記第2のデータを前記遠隔ホストシステムに送信するステップと、
前記第2のキャビネットに補充または保守が必要であるかどうかを判定するために前記第2のデータを処理するステップと、
をさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記第1および第2のキャビネットに補充または保守が必要であるかどうかについての前記判定に基づいて、前記第1および第2のキャビネットに補充または保守を行うための経路を決定するステップ、
をさらに含む請求項31に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2009−519875(P2009−519875A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543443(P2008−543443)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2006/045804
【国際公開番号】WO2007/064770
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.ZIGBEE
【出願人】(508161241)ジャロス インコーポレイテッド (カリフォルニア コーポレーション) (1)
【住所又は居所原語表記】14472 Wicks Blvd. San Leandro, California 94577 UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】