説明

キーレスシステム

【課題】多数の車内アンテナや車外アンテナを必要とせず、より低コストにより近傍領域判定および車内外領域判定を実施することが可能なキーレスシステムを提供する。
【解決手段】車載機は電波を放射する第1のアンテナと、音波を放射するスピーカと、車とユーザの距離を算出する制御部とを備え、携帯機は第1のアンテナにより放射された電波を受信する第2のアンテナと、スピーカにより放射された音波を受信するマイクとを備え、車載機の制御部は第2のアンテナが第1のアンテナにより放射された電波を受信した電波受信時間およびマイクがスピーカにより放射された音波を受信した音波受信時間とに基づき車とユーザの距離を算出し、算出した車とユーザの距離に基づき携帯機が車内領域、車外近傍領域または車から離れた領域のいずれにあるかを判定するように構成したので、必要な部品数を減らすことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車に設置される車載機と、人に付帯される携帯機の間で通信を行うことにより、キーレスによって、車のドアの鍵のロックとアンロックとを、または、エンジンスタートが可能な状態と不可能な状態とを、切り替えるキーレスシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のキーレスシステムとしては、引用文献1に示すように、ユーザが携帯機を保持しているだけで、携帯機のボタンを押下するなどの操作を不要なものとするスマートキーレスシステムが開示されている。スマートキーレスシステムでは、携帯機が車内にあるのか車外にあるのかについて判定する車内外領域判定と、携帯機が車から約2m以内の近傍領域にあるのか車から離れた領域にあるのかについて判定する近傍領域判定の2種類の判定を実施している。
【0003】
特許文献1では、車載機と携帯機の通信において、LF帯などの低い周波数の電波を用いており、距離に対するアンテナ近傍の磁界の急峻な減衰特性を利用して近傍領域判定を、また、車体表面の金属による磁界遮蔽特性を利用して車内外領域判定を行うものである。
例えば、車外アンテナからLF帯の電波を放射する場合において、車から2mの距離における携帯機の受信レベルを閾値として設定し、ある位置の携帯機における電波の受信レベルと閾値を比較することにより近傍領域判定を行っている。
また、車内アンテナからの受信レベルが弱く車外アンテナからの受信電波が強い場合は、携帯機が車外にあると判定し、車内アンテナからの受信レベルが強く車外アンテナからの受信電波が弱い場合には、携帯機が車内にあると判定することにより車内外領域判定を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−207138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば特許文献1のような従来のキーレスシステムでは、携帯機における電波の受信レベルを近傍領域判定や車内外領域判定に利用しており、車内および車から2m以内の範囲においてなるべく均一な磁界を形成するために、車内アンテナと車外アンテナをそれぞれ多数設置する必要があり、生産にかかるコストが高いという課題があった。
【0006】
さらに、電波には偏波が存在するため、携帯機の傾きによって電波の受信レベルが変化してしまうという問題があり、この問題を解決するために携帯機に複数の偏波に対応した高性能なアンテナを設置する場合、さらに生産にかかるコストが高くなる要因になるという課題があった。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、多数の車内アンテナや車外アンテナを必要とせず、より低コストで近傍領域判定および車内外領域判定を実施することが可能なキーレスシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、この発明に係るキーレスシステムは、車に設置される車載機とユーザに付帯される携帯機とを備え、前記車載機と前記携帯機が通信することにより車とユーザの距離を算出するキーレスシステムにおいて、前記車載機は、電波を放射するアンテナと、音波を放射するスピーカと、前記車とユーザの距離を算出する制御部とを備え、前記携帯機は、前記車載機のアンテナにより放射された電波を受信するアンテナと、前記スピーカにより放射された音波を受信するマイクとを備え、前記車載機の制御部は、前記携帯機のアンテナが前記車載機のアンテナにより放射された電波を受信した電波受信時間および前記マイクが前記スピーカにより放射された音波を受信した音波受信時間とに基づき車とユーザの距離を算出し、算出した前記車とユーザの距離に基づき前記携帯機が車内領域、車外近傍領域または車から離れた領域のいずれにあるかを判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るキーレスシステムによれば、多数の車内アンテナや車外アンテナを必要としないため、必要な部品数を減らすことが可能となり、低コストによる近傍領域判定および車内外領域判定を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係るキーレスシステムの構成図を示す。
【図2】この発明の実施の形態1に係るキーレスシステムの処理のフローチャートを示す。
【図3】この発明の実施の形態2に係るキーレスシステムの構成図を示す。
【図4】この発明の実施の形態2に係るキーレスシステムの処理のフローチャートを示す。
【図5】この発明の実施の形態3に係るキーレスシステムの構成図を示す。
【図6】この発明の実施の形態3に係るキーレスシステムの処理のフローチャートを示す。
【図7】この発明の実施の形態4に係るキーレスシステムの構成図を示す。
【図8】この発明の実施の形態4に係るキーレスシステムの処理のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るキーレスシステムの構成図を示す。図1に示すように、このキーレスシステムは、車体1に設置される車載機2とユーザに付帯される携帯機6により構成されている。車載機2は、音波を放射するスピーカ3と、電波を放射するアンテナ4と、車載機2と携帯機6の距離を算出する制御部5を、携帯機6は、音波を受信するマイク7と、電波を受信するアンテナ8をそれぞれ備えている。
【0012】
図1に示された車内外領域の境界線Aは、スピーカ3を中心とする半径r1の円を示しており、この円に概ね車体1が含まれるように半径r1は規定されている。また、近傍領域と車から離れた領域の境界線Bは、スピーカ3を中心とする半径r2の円を示しており、この円に概ね車体1から2mの近傍領域が含まれるように半径r2は規定されている。
【0013】
次に、この発明の実施の形態1に係るキーレスシステムの動作について説明する。図2は、この発明の実施の形態1に係るキーレスシステムの処理のフローチャートを示している。
まず、車載機2のアンテナ4が電波を放射し、携帯機6のアンテナ8がアンテナ4により放射された電波を受信する(ステップST11)。ここで、アンテナ4が放射する電波は車体に固有のID情報を含んだ信号であり、変調方式としては例えば、振幅に信号を載せるAMや、周波数に信号を載せるFMなどが挙げられるが、これらに限らず、信号さえ伝えられればどのような変調方式でもよく、また、近傍磁界を利用した距離判定を行うためのものではないため、LF帯に限らず、UHF帯やマイクロ波帯なども利用可能である。
なお、車載機2のアンテナ4が電波を放射するのは、一定周期毎でもよいし、ユーザがドアに手をかけた動作を別途検知し、検知したタイミングで電波を放射するとしてもよい。
【0014】
次に、車載機2のアンテナ4が電波を放射した所定時間T1後に、車載機2のスピーカ3が音波を放射し、携帯機6のマイク7がスピーカ3から放射された音波を受信し(ステップST12)、携帯機6において、アンテナ8が電波を受信してからマイク7が音波を受信するまでの時間t1を測定する(ステップST13)。
【0015】
次に、携帯機6は、測定した時間t1をアンテナ8により車載機2のアンテナ4へ送信し(ステップST14)、制御部5は、携帯機6により測定された時間t1が入力されると、車載機2のスピーカ3と携帯機6のマイク7の距離D1を算出する(ステップST15)。
【0016】
ここで、携帯機6が車載機2から放射された電波や音波を受信することができるのは、車載機2と携帯機6の距離が最大でも数m程度の非常に短い場合であるので、電波がアンテナ4から放射されてからアンテナ8に受信されるまでの間の時間については無視できる程度に短い。このとき、制御部5は、車載機2のスピーカ3と携帯機6のマイク7の距離D1を、式(1)によって算出する。なお、T1は上述のように既知の値であり、Vsは音波の速度を示す定数である。
D1=(t1−T1)×Vs (1)
【0017】
次に、制御部5は、D1とr1を比較することにより、車内外領域判定を実施する(ステップST16)。制御部5は、D1がr1よりも小さい場合は、携帯機6が車内にあると判定し、一方、D1がr1以上の場合には、携帯機6が車外にあると判定する。
【0018】
制御部5は、携帯機6が車外にあると判定された場合(ステップST16のNOの場合)、D1とr2を比較することにより、近傍領域判定を行う(ステップST17)。制御部5は、D1がr2よりも小さい場合は、携帯機6が近傍領域にあると判定し、また、D1がr2以上の場合には、車から離れた領域にあると判定する。
【0019】
次に、制御部5は、車内外領域判定および近傍領域判定の判定結果に基づいて、車のキーレス設定を変更する(ステップST18)。制御部5は、携帯機6が車内領域にあると判定した場合は、キーレスによる車のドアをアンロックおよびエンジンスタートを可能にそれぞれ設定し、また、携帯機6が近傍領域にあると判定した場合は、キーレスによる車のドアをアンロックおよびエンジンスタートを不可能にそれぞれ設定し、また、携帯機6が車から離れた領域にあると判定した場合には、キーレスによる車のドアをロックおよびエンジンスタートを不可能にそれぞれ設定する。
【0020】
なお、従来は磁界強度により近傍領域判定や社内外領域判定を行っていたため、多数のアンテナを用いて、車の近傍になるべく均一な磁界を形成する必要があったが、本願発明では、近傍領域判定および社内外領域判定は磁界強度によって行っておらず、アンテナ4,8については、車載機2と携帯機6の間でのキーのID等のデータのやりとりや、音波を放射する際のトリガー信号の送信に用いているのみであり、すなわち通信さえできればよく、車の近傍になるべく均一な磁界を形成する必要はないため、必要となるアンテナの数を大幅に減らすことが可能となる。
【0021】
以上により、実施の形態1に係るキーレスシステムでは、車載機2は電波を放射するアンテナ4と、音波を放射するスピーカ3と、車とユーザの距離を算出する制御部5とを備え、携帯機6はアンテナ4により放射された電波を受信するアンテナ8と、スピーカ3により放射された音波を受信するマイク7とを備え、車載機2の制御部5はアンテナ8がアンテナ4により放射された電波を受信した電波受信時間およびマイク7がスピーカ3により放射された音波を受信した音波受信時間とに基づき車とユーザの距離を算出し、算出した車とユーザの距離に基づき携帯機6が車内領域、車外近傍領域または車から離れた領域のいずれにあるかを判定するように構成したので、多数のアンテナを要さずに車内外領域判定、および、近傍領域判定を行うことができるため、部品数を大幅に減らして低コスト化を実現することができる。
【0022】
また、実施の形態1にかかるキーレスシステムにおいては、偏波が存在しない音波を使用ており、また、電波については通信さえできれば良いのでマージンを十分にとったレベルで通信を行うことにより、偏波に対応した高性能なアンテナは不要となり、生産にかかるコストをさらに削減することができる。
【0023】
なお、従来のキーレスシステムでは、LF帯の他に携帯機6のID等の情報を送信する目的でUHF帯の波長の電波を放射するアンテナ等が使用されているが、これらのアンテナをアンテナ4やアンテナ8と共用することも可能である。
【0024】
なお、実施の形態1においては、車載機2のアンテナ4が電波を放射し、携帯機6のアンテナ8が電波を受信する構成について説明したが、アンテナ8が電波を放射し、アンテナ4が電波を受信する構成としても同様な効果が得られる。さらに、スピーカ3を携帯機6に設置し、マイク7を車載機2に設置して、携帯機6からマイク7に向かって音波を放射する構成としても同様の計測を行うことが可能である。
【0025】
なお、実施の形態1では、車載機2において、携帯機6により出力された時間t1を用いて車載機2のスピーカ3と携帯機6のマイク7の距離D1の算出、車内外領域判定および近傍領域判定を行っているが、携帯機6が、測定した時間t1を用いて距離D1の算出、車内外領域判定および近傍領域判定を行い、判定結果を車載機2へ出力する構成としてもよい。
【0026】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2に係るキーレスシステムの構成図を示している。なお、実施の形態1で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。この図3に示すキーレスシステムと、実施の形態1の図1に示すキーレスシステムとの違いは、車載機2がスピーカ9、スピーカ10を追加で備える点である。
【0027】
ここで、図3に示された車内外領域の境界線Aは車体1に沿った形状となっており、また、近傍領域と車から離れた領域との境界線Bは境界線Aと同じ形状について拡大されたものであり、境界線Aと境界線Bの間の距離が2mになるように規定されている。
【0028】
なお、図3に示すように、スピーカ3,9,10は一直線上に並ばないように、または、隣接させないように設置する。
【0029】
次に、実施の形態2に係るキーレスシステムの動作について説明する。図4は、この発明の実施の形態2に係るキーレスシステムの処理のフローチャートを示している。
まず、車載機2のアンテナ4が電波を放射し、携帯機6のアンテナ8がアンテナ4により放射された電波を受信する(ステップST21)。ここで、アンテナ4が放射する電波は車体に固有のID情報を含んだ信号であり、変調方式としては例えば、振幅に信号を載せるAMや、周波数に信号を載せるFMなどが挙げられるが、これらに限らず、信号さえ伝えられればどのような変調方式でもよく、また、近傍磁界を利用した距離判定を行うためのものではないため、LF帯に限らず、UHF帯やマイクロ波帯なども利用可能である。
なお、車載機2のアンテナ4が電波を放射するのは、一定周期毎でもよいし、ユーザがドアに手をかけた動作を別途検知し、検知したタイミングで電波を放射するとしてもよい。
【0030】
次に、車載機2のアンテナ4が電波を放射した所定時間T1後にスピーカ3が、所定時間T2後にスピーカ9が、所定時間T3後にスピーカ10が、それぞれ音波を放射し、携帯機6のマイク7がスピーカ3,9,10から放射された各音波を受信する(ステップST22)ことにより、アンテナ8が電波を受信してからマイク7がスピーカ3,9,10から放射された各音波を受信するまでの時間t1,t2,t3をそれぞれ測定する(ステップST23)。
【0031】
次に、携帯機6は、測定した時間t1,t2,t3をアンテナ8により車載機2のアンテナ4へ送信して制御部5へ出力し(ステップST24)、制御部5は、携帯機6により測定された時間t1,t2,t3が入力されると、車載機2のスピーカ3と携帯機6のマイク7の距離D1、車載機2のスピーカ9と携帯機6のマイク7の距離D2、車載機2のスピーカ10と携帯機6のマイク7の距離D3、をそれぞれ算出する(ステップST25)
【0032】
ここで、携帯機6が車載機2から放射された電波や音波を受信することができるのは、車載機2と携帯機6の距離が最大でも数m程度の非常に短い場合であるので、電波がアンテナ4から放射されてからアンテナ8に受信されるまでの間の時間については無視できる程度に短い。このとき、車載機2のスピーカ3と携帯機6のマイク7の距離D1、車載機2のスピーカ9と携帯機6のマイク7の距離D2、車載機2のスピーカ10と携帯機6のマイク7の距離D3、はそれぞれ式(2)により算出することができる。なお、xは1,2,3であり、T1,T2,T3は上述のように既知の値であり、Vsは音波の速度を示す定数である。
Dx=(tx−Tx)×Vs (2)
【0033】
ここで、図3において、円Cはスピーカ3を中心とする半径D1の円、円Eはスピーカ9を中心とする半径D2の円、円Fはスピーカ10を中心とする半径D3の円をそれぞれ示している。図3において、円C,E,Fが1箇所の点で重なっていることから、スピーカ3からの距離がD1であり、スピーカ9からの距離がD2であり、スピーカ10からの距離がD3である点は1箇所に限定することができることが示されている。すなわち、制御部5は、算出したD1,D2,D3に基づき、車載機2に対する携帯機6の相対位置を検出することができる(ステップST26)。なお、この相対位置については公知の手法により算出することが可能であるため、相対位置の算出に関する詳細な説明はここでは省略する。
【0034】
次に、制御部5は、検出した車載機2に対する携帯機6の相対位置に基づいて車内外領域判定を行う(ステップST27)。例えば、車載機2の位置を平面座標の原点、携帯機6の座標を(x1[m],y1[m])、車体1の横の大きさを2α[m]、縦の大きさを2β[m]、とそれぞれする場合、車内領域とは、式(3)および式(4)を満たす領域であると考えることができる。
―α≦x≦α (3)
―β≦y≦β (4)
制御部5は、携帯機6の座標(x1,y1)が式(3)と式(4)の両方を満たす場合は、携帯機6は車内領域にあると判定し、式(3)と式(4)のどちらか一方または両方を満たさない場合には、携帯機6は車外領域にあると判定する。
【0035】
車内外領域判定において携帯機6は車外領域にあると判定された場合(ステップST27のNOの場合)、制御部5は、検出した車載機2に対する携帯機6の相対位置に基づいて近傍領域判定を行う(ステップST28)。ここで、近傍領域とは、式(5)および式(6)を満たし、かつ、車内領域でない領域であると考えることができる。
―α−2≦x≦α+2 (5)
―β−2≦y≦β+2 (6)
【0036】
ここで、この近傍領域判定は、すでに車内外領域判定において車外領域にあると判定された携帯機6に対して行うため、携帯機6が車内領域にある場合については考えなくてよい。制御部5は、携帯機6の座標(x1,y1)が式(5)と式(6)の両方を満たす場合は、携帯機6は近傍領域にあると判定し、式(5)と式(6)のどちらか一方または両方を満たさない場合には、携帯機6は車から離れた領域にあるものと判定する。
【0037】
次に、制御部5は、車内外領域判定および近傍領域判定の判定結果に基づき車のキーレス設定を変更する(ステップST29)。制御部5は、車内外領域判定および近傍領域判定の判定結果に基づき、携帯機6が車内領域にあると判定した場合は、キーレスによる車のドアをアンロックおよびエンジンスタートを可能にそれぞれ設定し、また、携帯機6が近傍領域にあると判定した場合は、キーレスによる車のドアをアンロックおよびエンジンスタートを不可能にそれぞれ設定し、また、携帯機6が車から離れた領域にあると判定した場合には、キーレスによる車のドアをロックおよびエンジンスタートを不可能にそれぞれ設定する。
【0038】
以上により、実施の形態2に係るキーレスシステムでは、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、車載機2が音波を放射する少なくとも3つのスピーカを備え、携帯機6が少なくとも3つのスピーカにより放射された各音波を受信するマイク7とを備え、車載機2の制御部5はアンテナ8がアンテナ4により放射された電波を受信した電波受信時間およびマイク7が受信した少なくとも3つの音波受信時間とに基づき車に対するユーザの相対位置を算出し、算出した車に対するユーザの相対位置に基づき携帯機6が任意の車内領域、近傍領域または車から離れた領域のいずれにあるかを判定するように構成したので、車内外領域の境界線Aを車体1の形状に沿ったもの、また、近傍領域と車から離れた領域の境界線Bを、例えば、車体1からの距離が2mの領域のように、車体1の形状に応じたもの、にそれぞれ規定した場合であっても、車内外領域判定および近傍領域判定を行うことが可能となる。
【0039】
なお、実施の形態2に係るキーレスシステムでは、実施の形態1に比べて有するスピーカの数は増えるが、従来技術に比べて部品数は明らかに少なく、生産にかかるコストも小さい。
【0040】
なお、実施の形態2では、車載機2において、携帯機6により出力された時間t1,t2,t3を用いて車載機2のスピーカ3,9,10と携帯機6のマイク7の距離D1〜D3の算出、車載機2に対する携帯機6の相対位置検知、車内外領域判定および近傍領域判定を行っているが、携帯機6が、測定した時間t1,t2,t3を用いて距離D1〜D3の算出、車載機2に対する携帯機6の相対位置検知、車内外領域判定および近傍領域判定を行い、判定結果を車載機2へ出力する構成としてもよい。
【0041】
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3に係るキーレスシステムの構成図を示している。なお、実施の形態1,2で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。この図5に示すキーレスシステムと、実施の形態2の図3に示すキーレスシステムとの違いは、車載機2に設置されたスピーカ3,9,10の代わりに、車載機2と車に設置されたオーディオ用スピーカ11,12,13,14が接続されている点のみである。
【0042】
次に、この発明の実施の形態3に係るキーレスシステムの動作について説明する。図6は、この発明の実施の形態3に係るキーレスシステムの処理のフローチャートを示している。
まず、車載機2のアンテナ4が電波を放射し、携帯機6のアンテナ8がアンテナ4により放射された電波を受信する(ステップST31)。ここで、アンテナ4が放射する電波は車体に固有のID情報を含んだ信号であり、変調方式としては例えば、振幅に信号を載せるAMや、周波数に信号を載せるFMなどが挙げられるが、これらに限らず、信号さえ伝えられればどのような変調方式でもよく、また、近傍磁界を利用した距離判定を行うためのものではないため、LF帯に限らず、UHF帯やマイクロ波帯なども利用可能である。
なお、車載機2のアンテナ4が電波を放射するのは、一定周期毎でもよいし、ユーザがドアに手をかけた動作を別途検知し、検知したタイミングで電波を放射するとしてもよい。
【0043】
次に、車載機2のアンテナ4が電波を放射した所定時間T4後にオーディオ用スピーカ11が、所定時間T5後にオーディオ用スピーカ12が、所定時間T6後にオーディオ用スピーカ13が、所定時間T7後にオーディオ用スピーカ14が、それぞれ音波を放射し、携帯機6のマイク7がオーディオ用スピーカ11〜14から放射された各音波を受信する(ステップST32)ことにより、アンテナ8が電波を受信してからマイク7がオーディオ用スピーカ11〜14から放射された各音波を受信するまでの時間t4〜t7をそれぞれ測定する(ステップST33)。
【0044】
次に、携帯機6は、測定したt4〜t7をアンテナ8により車載機2のアンテナ4へ送信して制御部5へ出力し(ステップST34)、制御部5は、携帯機6により測定された時間t4〜t7が入力されると、オーディオ用スピーカ11と携帯機6のマイク7の距離D4、オーディオ用スピーカ12と携帯機6のマイク7の距離D5、オーディオ用スピーカ13と携帯機6のマイク7の距離D6、オーディオ用スピーカ14と携帯機6のマイク7の距離D7、をそれぞれ算出する(ステップST35)。
【0045】
ここで、携帯機6が車載機2から放射された電波や音波を受信することができるのは、車載機2と携帯機6の距離が最大でも数m程度の非常に短い場合であるので、電波がアンテナ4から放射されてからアンテナ8に受信されるまでの間の時間については無視できる程度に短い。このとき、オーディオ用スピーカ11〜14と携帯機6のマイク7の距離D4〜D7はそれぞれ式(7)により算出することができる。なお、yは4,5,6,7であり、T4〜T7は上述のように既知の値であり、Vsは音波の速度を示す定数である。
Dy=(ty−Ty)×Vs (7)
【0046】
ここで、図5において、円Gはオーディオ用スピーカ11を中心とする半径D4の円、円Hはオーディオ用スピーカ12を中心とする半径D5の円、円Iはオーディオ用スピーカ13を中心とする半径D6の円、円Jはオーディオ用スピーカ14を中心とする半径D7の円をそれぞれ示している。図5において、円G,H,I,Jが1箇所の点で重なっていることから、オーディオ用スピーカ11からの距離がD4であり、オーディオ用スピーカ12からの距離がD5であり、オーディオ用スピーカ13からの距離がD6であり、オーディオ用スピーカ14からの距離がD7である点は1箇所に限定することができる。すなわち、制御部5は、算出したD4〜D7に基づき、車載機2に対する携帯機6の相対位置を検出することができる(ステップST36)。なお、相対位置については公知の手法により算出することが可能であるため、相対位置の算出に関する詳細な説明は省略する。
【0047】
次に、制御部5は、検出した車載機2に対する携帯機6の相対位置に基づいて車内外領域判定を行う(ステップST37)。例えば、車載機2の位置を平面座標の原点、携帯機6の座標を(x2[m],y2[m])、車体1の横の大きさを2α[m]、縦の大きさを2β[m]、とそれぞれする場合、車内領域とは、式(3)および式(4)を満たす領域であると考えることができる。
制御部5は、携帯機6の座標(x2,y2)が式(3)と式(4)の両方を満たす場合は、携帯機6は車内領域にあると判定し、式(3)と式(4)のどちらか一方または両方を満たさない場合には、携帯機6は車外領域にあると判定する。
【0048】
車内外領域判定において携帯機6は車外領域にあると判定された場合(ステップST37のNOの場合)、制御部5は、検出した車載機2に対する携帯機6の相対位置に基づいて近傍領域判定を行う(ステップST38)。ここで、近傍領域とは、式(5)および式(6)を満たし、かつ、車内領域でない領域であると考えることができる。
【0049】
ここで、この近傍領域判定は、すでに車内外領域判定において車外領域にあると判定された携帯機6に対して行うため、携帯機6が車内領域にある場合については考えなくてよい。制御部5は、携帯機6の座標(x2,y2)が式(5)と式(6)の両方を満たす場合は、携帯機6は近傍領域にあると判定し、式(5)と式(6)のどちらか一方または両方を満たさない場合には、携帯機6は車から離れた領域にあるものと判定する。
【0050】
次に、制御部5は、車内外領域判定および近傍領域判定の判定結果に基づき車のキーレス設定を変更する(ステップST39)。制御部5は、車内外領域判定および近傍領域判定の判定結果に基づき、携帯機6が車内領域にあると判定した場合は、キーレスによる車のドアをアンロックおよびエンジンスタートを可能にそれぞれ設定し、また、携帯機6が近傍領域にあると判定した場合は、キーレスによる車のドアをアンロックおよびエンジンスタートを不可能にそれぞれ設定し、また、携帯機6が車から離れた領域にあると判定した場合には、キーレスによる車のドアをロックおよびエンジンスタートを不可能にそれぞれ設定する。
【0051】
以上により、実施の形態3に係るキーレスシステムでは、実施の形態2と同様の効果が得られると共に、車にあらかじめ設置されているオーディオ用スピーカ11をキーレスシステムと共用することにより、キーレス用通信装置のために新たにスピーカを設ける必要がなくなり、より低コスト化を実現することが可能となる。
【0052】
なお、実施の形態3においては、車載機2に接続されたスピーカのうちすべてを車にあらかじめ設置されているオーディオ用スピーカとする構成について説明したが、車載機2に接続されたスピーカのうち少なくとも1つをオーディオ用スピーカとする構成としてもよい。また、実施の形態1のように車載機2が備えるスピーカが1つのみである場合に、スピーカ3の代わりにオーディオ用スピーカと接続する構成としてもよい。
【0053】
なお、実施の形態3では、車載機2において、携帯機6により出力された時間t4〜t7を用いて車載機2のオーディオ用スピーカ11〜14と携帯機6のマイク7の距離D4〜D7の算出、車載機2に対する携帯機6の相対位置の検知、車内外領域判定および近傍領域判定を行っているが、携帯機6が、測定した時間t4〜t7を用いて距離D4〜D7の算出、車載機2に対する携帯機6の相対位置の検知、車内外領域判定および近傍領域判定を行い、判定結果を車載機2へ出力する構成としてもよい。
【0054】
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4に係るキーレスシステムの構成図を示しており、実施の形態1の図1に示すキーレスシステムの構成と違いはない。ただ、車内外領域判定の処理が異なるため、車内外領域の境界線Aがほぼ車体1に沿った形状となっていることが示されている。また、近傍領域と車から離れた領域の境界線Bは、スピーカ3を中心とする半径r2の円を示しており、この円に概ね車体1から2mの近傍領域が含まれるように半径r2は規定されている。
【0055】
この発明の実施の形態4に係るキーレスシステムの動作について説明する。図8は、この発明の実施の形態4に係るキーレスシステムの処理のフローチャートを示している。
まず、車載機2のアンテナ4が電波を放射し、携帯機6のアンテナ8がアンテナ4により放射された電波を受信する(ステップST41)。ここで、アンテナ4が放射する電波は車体に固有のID情報を含んだ信号であり、変調方式としては例えば、振幅に信号を載せるAMや、周波数に信号を載せるFMなどが挙げられるが、これらに限らず、信号さえ伝えられればどのような変調方式でもよく、また、近傍磁界を利用した距離判定を行うためのものではないため、LF帯に限らず、UHF帯やマイクロ波帯なども利用可能である。
なお、車載機2のアンテナ4が電波を放射するのは、一定周期毎でもよいし、ユーザがドアに手をかけた動作を別途検知し、検知したタイミングで電波を放射するとしてもよい。
【0056】
次に、電波を放射した所定時間T1後に車載機2に設置されたスピーカ3が音波を放射すると、携帯機6のマイク7が発せられた音波を受信する(ステップST42)ことにより、携帯機6は、アンテナ8が電波を受信してからマイク7が音波を受信するまでの時間t1を測定するとともに、受信した音波の音波レベルを検知する(ステップST43)。
【0057】
携帯機6は、測定したt1および検出した音波レベルをアンテナ8により車載機2のアンテナ4へ送信して制御部5へ出力する(ステップST44)。
【0058】
次に、検知した音波の音波レベルに基づいて車内外領域判定を行う(ステップST45)。これは、携帯機6が車外に存在する場合、車内に設置されたスピーカ3により発せられた音波は車体1により減衰された後にマイク7により受信されるのに対し、一方、携帯機6が車内に存在する場合には、車内に設置されたスピーカ3から発せられた音波は、車体1による減衰を受けずにマイク7に受信されるため、予め与えられた閾値と検知した音波レベルを比較することにより、高い精度で車内外領域判定が可能となる。なお、車の窓は閉められているものとする。
【0059】
制御部5は、携帯機6により検知された音波レベルと予め設定した閾値とを比較し、携帯機6により検知された音波レベルの方が閾値よりも大きい場合、携帯機6は車内領域にあると判定し、一方、制御部5は、携帯機6により検知された音波レベルよりも閾値の方が大きい場合には、車外領域にあると判定する。
【0060】
車内外領域判定において車外領域にあると判定された場合(ステップST45のNOの場合)、制御部5は、車載機2のスピーカ3と携帯機6のマイク7の距離D1を式(1)によって算出し(ステップST46)、算出したD1とr2と比較することにより近傍領域判定を行う(ステップST47)。制御部5は、D1がr2よりも小さい場合は、携帯機6が近傍領域にあると判定し、また、D1がr2以上の場合には、車から離れた領域にあると判定する。
【0061】
次に、制御部5は、車内外領域判定および近傍領域判定の判定結果に基づき、車のキーレス設定を変更する(ステップST48)。制御部5は、車内外領域判定および近傍領域判定の判定結果に基づき、携帯機6が車内領域にあると判定した場合は、キーレスによる車のドアをアンロックおよびエンジンスタートを可能にそれぞれ設定し、また、携帯機6が近傍領域にあると判定した場合は、キーレスによる車のドアをアンロックおよびエンジンスタートを不可能にそれぞれ設定し、また、携帯機6が車から離れた領域にあると判定した場合には、キーレスによる車のドアをロックおよびエンジンスタートを不可能にそれぞれ設定する。
【0062】
以上により、実施の形態4に係るキーレス装置では、車載機2は音波を放射する少なくとも1つのスピーカと音波のレベルを検知する制御部5とを備え、携帯機6は少なくとも1つのスピーカにより放射された各音波を受信するマイク7を備え、車載機2の制御部5はマイク7が少なくとも1つのスピーカにより放射された各音波を受信した音波レベルに基づき、携帯機6が車内領域にあるかまたは車外領域にあるかを判定するように構成したので、より低コストにより高い精度の車内外領域判定を実現することができる。また、距離の算出をせずに車内外領域判定を行うため、携帯機6が車内にあると判定される場合の処理について高速化することができる。
【0063】
なお、本実施の形態では図7に示すように、スピーカ3を車内に設置する場合について記載したが、スピーカ3を車外に設置するときでも同様に車内外領域判定を実施することは可能である。このとき、携帯機6が車外にある場合は、車外に設置されたスピーカ3から発せられた音は、車体1による減衰を受けずにマイク7に受信され、一方、携帯機6が車内にあるときには、車外に設置されたスピーカ3から発せられた音は、車体1により減衰された後にマイク7により受信される。
【0064】
また、スピーカ3を車内と車外の両方に設置してもよい。このとき、携帯機6が車外にある場合は、車外に設置されたスピーカからの音波の受信レベルが車内に設置されたスピーカからの音波の受信レベルよりも相対的に強くなり、一方、携帯機6が車内に存在する場合には、車外に設置されたスピーカからの音波の受信レベルが車内に設置されたスピーカからの音波の受信レベルより相対的に弱くなる。つまり、車内に設置されたスピーカからの音波と車外に設置されたスピーカからの音波の受信レベルを比較することによって車内外領域判定が可能となる。
【0065】
また、実施の形態4では、車載機2がスピーカを1つのみ備える構成としたが、実施の形態2のように、車載機2が少なくとも3つのスピーカを備える構成とすることにより、車載機2のスピーカ3と携帯機6のマイク7の距離D1でなく、車載機2に対する携帯機6の相対位置に基づいて近傍領域判定を行うことができるため、近傍領域と車から離れた領域の境界線Bを車体1の形状に応じた形状に規定した場合であっても近傍領域判定を行うことが可能となる。
【0066】
なお、実施の形態4では、車載機2において、携帯機6により出力された音波レベルを用いて車内外領域判定、携帯機6により出力された時間t1を用いて距離D1を算出および近傍領域判定を行っているが、携帯機6が、検知した音波レベルを用いて車内外領域判定、測定した時間t1を用いて距離D1を算出および近傍領域判定を行い、判定結果を車載機2へ出力する構成としてもよい。
【0067】
これまで示してきた実施の形態1〜4において、使用する音波の周波数について特に規定していないが、音波の周波数毎に伝搬特性は異なり、例えば、超音波を含む周波数が高い音波では、波長が短いため、測距の精度を高めることが可能であり、また、車体1による減衰が大きいため、実施の形態4に示した車内外の音のレベル差による車内外領域判定などに向いている。また、低い周波数では波長が長く、測距の精度は低下するが、車体1による減衰が小さいため、車内に配置したスピーカで車外の携帯機6の位置を特定する手段等に用いるのに適している。さらに、異なる周波数の音波を複数用いることで、周波数毎の利点を組み合わせることも可能である。
【0068】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 車体、2 車載機、3 スピーカ、4 アンテナ、5 制御部、6 携帯機、7 マイク、8 アンテナ、9 スピーカ、10 スピーカ、11,12,13,14 オーディオ用スピーカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車に設置される車載機とユーザに付帯される携帯機とを備え、前記車載機と前記携帯機が通信することにより車とユーザの距離を算出するキーレスシステムにおいて、
前記車載機は、電波を放射するアンテナと、音波を放射するスピーカと、前記車とユーザの距離を算出する制御部とを備え、
前記携帯機は、前記車載機のアンテナにより放射された電波を受信するアンテナと、前記スピーカにより放射された音波を受信するマイクとを備え、
前記車載機の制御部は、前記携帯機のアンテナが前記車載機のアンテナにより放射された電波を受信した電波受信時間および前記マイクが前記スピーカにより放射された音波を受信した音波受信時間とに基づき車とユーザの距離を算出し、算出した前記車とユーザの距離に基づき前記携帯機が車内領域、車外近傍領域または車から離れた領域のいずれにあるかを判定する
ことを特徴とするキーレスシステム。
【請求項2】
車に設置される車載機とユーザに付帯される携帯機とを備え、前記車載機と前記携帯機が通信することにより車とユーザの距離を算出するキーレスシステムにおいて、
前記車載機は、電波を放射するアンテナと、音波を放射するスピーカとを備え、
前記携帯機は、前記車載機のアンテナにより放射された電波を受信するアンテナと、前記スピーカにより放射された音波を受信するマイクとを備え、前記携帯機のアンテナが前記車載機のアンテナにより放射された電波を受信した電波受信時間および前記マイクが前記スピーカにより放射された音波を受信した音波受信時間とに基づき車とユーザの距離を算出し、算出した前記車とユーザの距離に基づき前記携帯機が車内領域、車外近傍領域または車から離れた領域のいずれにあるかを判定する
ことを特徴とするキーレスシステム。
【請求項3】
前記スピーカが前記車のオーディオ用スピーカである
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のキーレスシステム。
【請求項4】
車に設置される車載機とユーザに付帯される携帯機とを備え、前記車載機と前記携帯機が通信することにより車に対するユーザの相対位置を算出するキーレスシステムにおいて、
前記車載機は、電波を放射する車載機のアンテナと、音波を放射する少なくとも3つのスピーカと、前記車に対するユーザの相対位置を算出する制御部とを備え、
前記携帯機は、前記車載機のアンテナにより放射された電波を受信するアンテナと、前記少なくとも3つのスピーカにより放射された各音波を受信するマイクとを備え、
前記車載機の制御部は、前記携帯機のアンテナが前記車載機のアンテナにより放射された電波を受信した電波受信時間および前記マイクが前記少なくとも3つのスピーカにより放射された各音波を受信した少なくとも3つの音波受信時間とに基づき前記車に対するユーザの相対位置を算出し、算出した前記車に対するユーザの相対位置に基づき前記携帯機が任意の車内領域、車外近傍領域または車から離れた領域のいずれにあるかを判定する
ことを特徴とするキーレスシステム。
【請求項5】
車に設置される車載機とユーザに付帯される携帯機とを備え、前記車載機と前記携帯機が通信することにより車に対するユーザの相対位置を算出するキーレスシステムにおいて、
前記車載機は、電波を放射する車載機のアンテナと、音波を放射する少なくとも3つのスピーカとを備え、
前記携帯機は、前記車載機のアンテナにより放射された電波を受信するアンテナと、前記少なくとも3つのスピーカにより放射された各音波を受信するマイクとを備え、前記携帯機のアンテナが前記車載機のアンテナにより放射された電波を受信した電波受信時間および前記マイクが前記少なくとも3つのスピーカにより放射された各音波を受信した少なくとも3つの音波受信時間とに基づき前記車に対するユーザの相対位置を算出し、算出した前記車に対するユーザの相対位置に基づき前記携帯機が任意の車内領域、車外近傍領域または車から離れた領域のいずれにあるかを判定する
ことを特徴とするキーレスシステム。
【請求項6】
前記スピーカの少なくとも1つが前記車のオーディオ用スピーカである
ことを特徴とする請求項4または請求項5記載のキーレスシステム。
【請求項7】
携帯機が車内領域にあると判定された場合、前記車載機は、キーレスによる前記車のドアのアンロックを可能かつキーレスによる前記車のエンジンスタートを可能な状態にする
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項記載のキーレスシステム。
【請求項8】
携帯機が車外近傍領域にあると判定された場合、前記車載機は、キーレスによる前記車のドアのアンロックを可能かつキーレスによる前記車のエンジンスタートを不可能な状態に設定する
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項記載のキーレスシステム。
【請求項9】
携帯機が車から離れた領域にあると判定された場合、前記車載機は、キーレスによる前記車のドアのアンロックを不可能かつキーレスによる前記車のエンジンスタートを不可能な状態に設定する
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項記載のキーレスシステム。
【請求項10】
車に設置される車載機とユーザに付帯される携帯機とを備え、前記車載機と前記携帯機が通信することにより音波のレベルを検知するキーレスシステムにおいて、
前記車載機は、音波を放射する少なくとも1つのスピーカと音波のレベルを検知する制御部とを備え、
前記携帯機は、前記少なくとも1つのスピーカにより放射された各音波を受信するマイクを備え、
前記車載機の制御部は、前記携帯機のマイクが受信した前記スピーカにより放射された各音波のレベルに基づき、前記携帯機が車内領域にあるかまたは車外領域にあるかを判定する
ことを特徴とするキーレスシステム。
【請求項11】
車に設置される車載機とユーザに付帯される携帯機とを備え、前記車載機と前記携帯機が通信することにより音波のレベルを検知するキーレスシステムにおいて、
前記車載機は、音波を放射する少なくとも1つのスピーカを備え、
前記携帯機は、前記少なくとも1つのスピーカにより放射された各音波を受信するマイクを備え、前記携帯機のマイクが受信した前記スピーカにより放射された各音波のレベルに基づき、前記携帯機が車内領域にあるかまたは車外領域にあるかを判定する
ことを特徴とするキーレスシステム。
【請求項12】
前記スピーカのうち少なくとも1つが車内に設置されている
ことを特徴とする請求項10または請求項11記載のキーレスシステム。
【請求項13】
前記スピーカのうち少なくとも1つが前記車のオーディオ用スピーカである
ことを特徴とする請求項12記載のキーレスシステム。
【請求項14】
前記スピーカのうち少なくとも1つが車外に設置されている
ことを特徴とする請求項10または請求項11記載のキーレスシステム。
【請求項15】
携帯機が車内領域にあると判定された場合、前記車載機は、キーレスによる前記車のエンジンスタートを可能な状態に設定する
ことを特徴とする請求項10から請求項14のうちいずれか1項記載のキーレスシステム。
【請求項16】
携帯機が車外領域にあると判定された場合、前記車載機は、キーレスによる前記車のエンジンスタートを不可能な状態に設定する
ことを特徴とする請求項10から請求項14のうちいずれか1項記載のキーレスシステム。
【請求項17】
前記スピーカにより放射される音波が複数の周波数を利用している
ことを特徴とする請求項1から請求項16のうちいずれか1項記載のキーレスシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−104247(P2013−104247A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249743(P2011−249743)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】