説明

クランプ

【課題】クランプに挿通する金属パイプの外径公差を吸収し金属パイプの振動や異音の発生を防止する。
【解決手段】一対の半円状内面を有する第1、第2部分を薄肉ヒンジで連結すると共に第1、第2部分の分割端側に係止部と被係止部を設け第1、第2部分の半円状内面の間に挿通する金属パイプを挟持する構成とし、第1部分に車体から突出する取付材を挿入係止する取付穴を設け、取付穴と半円状内面との仕切部に開口を設けると共に開口を囲む仕切部の周面から揺動片を開口内に突設し、揺動片の一面に取付材接触突起を設けると共に他面に潰しリブを突設し、取付穴に取付材が挿入されると取付材接触突起が押されて半円状内面側に潰しリブを突出させ金属パイプに潰しリブが押し付けられて金属パイプを固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクランプに関し、詳しくは、金属パイプに電線を挿通したパイプハーネスを車体に取り付けるクランプにおいて、金属パイプの外径公差を吸収し金属パイプの振動や異音の発生を防止するものである。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車や電気自動車では、バッテリとインバータやインバータとモータの間を接続する電線を金属パイプに挿通して配線する場合がある。特開2006−312409号公報(特許文献1)では、バッテリとインバータとを接続する電線101を金属パイプ102に挿通してパイプハーネス100とし、該パイプハーネス100を図5に示すブラケット103を介して車体104(フロアパネル下面)に取り付けている。ブラケット103は、金属パイプ102に外嵌する円筒部103aからアーム部103bを突出させると共に、該アーム部103bの上端から板状の取付部103cを側方に突出させ、該取付部103cをボルト締めや溶接で車体104に固定している。
【0003】
また、特開2008−141822号公報(特許文献2)では、パイプを車体に取り付けるクランプ(保持具)を提案している。樹脂成形品からなるクランプ106は、図6(A)、(B)に示すように、パイプ105を収容する受入凹部107aを備えたクランプ部107と、前記受入凹部107aの開口部を閉鎖する蓋部108とがヒンジ109によって連結され、クランプ部107には車体(図示せず)に取り付けられる固定部107dを突設している。蓋部108に設けた係止爪108bがクランプ部107に設けた係止穴107bに挿入係止されて蓋部108が閉鎖されると、蓋部108に設けたてこ片108cがクランプ部107に設けたてこ片受け部107cに当接して受入凹部107aの内径が縮径される構造となっている。該構造により、クランプ部107の受入凹部107aに収容したパイプ105が強固に保持されパイプ105の位置ズレが防止されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−312409号公報
【特許文献2】特開2008−141822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のブラケット103における円筒部103aの内径は、挿通する金属パイプ102の外径サイズに合わせた所定値に設定されている。また、特許文献2のクランプ106においても、蓋部108を閉鎖したときの受入凹部107aの内径は、挿通するパイプ105の外径サイズに合わせた所定値に設定されている。一方、ブラケット103やクランプ106に挿通するパイプ102、105は、同一外径サイズのパイプであっても所定の公差範囲内で外径にばらつきがあり、パイプの種類によって外径公差が大きいものもある。前記ブラケット103やクランプ106は外径公差を吸収できる構造になっていないため、許容下限値に近い外径を有するパイプ102、105を前記構成のブラケット103やクランプ106に挿通すると、パイプ102、105を挿通するブラケット103やクランプ106の内周面とパイプ102、105の外周面との間に隙間ができてパイプ102、105が振動したり異音が発生したりする場合がある。
【0006】
本発明は、クランプに挿通する金属パイプの外径公差を吸収し金属パイプの振動や異音の発生を防止することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、金属パイプ内に電線を挿通しているパイプハーネスを車体に取り付ける樹脂成形品からなるクランプであって、
一対の半円状内面を有する第1部分と第2部分を薄肉ヒンジで連結すると共に、該第1、第2部分の分割端側に互いに係止する係止部と被係止部を設け、該第1、第2部分の半円状内面の間に挿通する前記金属パイプを挟持する構成とし、かつ、
前記第1部分に車体から突出する取付材を挿入係止する取付穴を設け、該取付穴と前記半円状内面との仕切部の一部に開口を設けると共に、該開口を囲む仕切部の周面の一部から揺動片を該開口内に突設し、前記揺動片の一面に取付材接触突起を設けると共に他面に潰しリブを突設し、
前記取付穴に前記取付材が挿入されると前記取付材接触突起が押されて前記半円状内面側に前記潰しリブを突出させ、該半円状内面に沿って挿通している前記金属パイプに前記潰しリブが押し付けられて金属パイプを固定する構成としていることを特徴とするクランプを提供している。
【0008】
前記のように、一対の半円状内面を有する第1、第2部分を薄肉ヒンジで連結し前記一対の半円状内面の間にパイプハーネスの金属パイプを挿通、挟持するクランプにおいて、車体から突出する取付材を挿入係止する第1部分の取付穴と前記半円状内面との仕切部に開口を設け、該開口を囲む仕切部の周面の一部から揺動片を開口内に突設している。また、前記揺動片には、車体側の取付材を取付穴に挿入係止したときに該取付材が接触、押圧する取付材接触突起を一面に設けると共に、他面には潰しリブを突設している。
したがって、前記第1、第2部分の一対の半円状内面の間に挿通する金属パイプの外径公差が比較的大きく該金属パイプの外径がその許容下限値であっても、車体側の取付材を取付穴に挿入係止するだけで該取付材が揺動片の取付材接触突起を押圧して潰しリブを半円状内面側に突出させ、該潰しリブが金属パイプに押し付けられることによって金属パイプをクランプ内にしっかりと固定することができる。
【0009】
即ち、前記構成によれば、車体側の取付材に押圧される前記揺動片がクランプ内の金属パイプの外径に合わせて揺動して潰しリブを該金属パイプに密着させるため、金属パイプの外径公差を容易に吸収して金属パイプの振動や異音の発生を防止することができる。金属パイプの振動を防止することでクランプに対する負荷を低減することができるため、クランプの破損も防止することができる。
【0010】
また、前記揺動片の潰しリブの押し付けによって金属パイプをクランプ内にガタつきなく固定できるため、前記第1、第2部分の一対の半円状内面の径は挿通する金属パイプの外径より大きめに設定することができる。よって、車体から突出させる取付材をクランプの取付穴に挿入係止するまでは、車体毎のレイアウト等に合わせてクランプを金属パイプの軸線方向に自由に移動させてクランプの位置変更を行うことも可能となり、前記取付材をクランプの取付穴に挿入係止することでクランプの位置を確定することができる。
【0011】
前記揺動片は、揺動を容易化するために、前記開口を囲む仕切部の周面の一部にヒンジを介して突設されていることが好ましい。また前記開口は矩形状とし、該開口を囲む仕切部の周面のうち、取付穴に挿入係止される取付材の挿入方向手前位置の周面に前記揺動片がヒンジを介して突設されていることが好ましい。
【0012】
前記車体から突出する取付材はスタッドボルトであり、前記取付穴の内面から前記スタッドボルトの溝に係止する係止片が突設され、該取付穴に挿入する前記スタッドボルトの外周面で前記揺動片の取付材接触突起が押される設定としていることが好ましい。
【0013】
また、前記車体から突出する取付材は係止穴をあけたブラケットとし、該ブラケットを挿入できる形状とした前記取付穴の内面に前記係止穴に挿入係止する係止爪を突設し、該取付穴に挿入する前記ブラケットの外面で前記揺動片の取付材接触突起が押される設定としてもよい。
【0014】
前記揺動片に設ける前記潰しリブは、該揺動片の基板から並列状に突出し、これら複数の潰しリブはそれぞれ先端に向けてV字状に突出し、押し当てられる前記金属パイプにより先端が潰される設定としていることが好ましい。
【0015】
前記のように、並列した複数の潰しリブを先端に向けてV字状に突出させることにより、潰しリブの先端を潰しやすくして金属パイプとの密着性を高めることができる。
また、前記複数の潰しリブの先端の外形ラインは、金属パイプの円弧状の外周ラインに密着させるために円弧状としておくことが好ましい。
前記潰しリブの突出量は、第1、第2部分の一対の半円状内面の間に挿通する金属パイプの外径が許容下限値であっても該金属パイプに潰しリブを押し付けて金属パイプを固定できる程度に突出させておくことが好ましい。
【0016】
前記第1部分の分割端の両側面にロック枠からなる前記被係止部を設けていると共に、前記第2部分の分割端の両側面に前記ロック枠に挿入係止するロック爪からなる前記係止部を設けていることが好ましい。
【0017】
前記クランプは、ハイブリッド自動車または電気自動車において床下に配管される前記パイプハーネスをフロアパネルの下面に取り付けるものであることが好ましく、前記パイプハーネスの電線は、バッテリとインバータやインバータとモータの間を接続するものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
前述したように、本発明では、一対の半円状内面を有する第1、第2部分を薄肉ヒンジで連結し前記一対の半円状内面の間にパイプハーネスの金属パイプを挿通、挟持するクランプにおいて、車体から突出する取付材を挿入係止する第1部分の取付穴と前記半円状内面との仕切部に開口を設け、該開口を囲む仕切部の周面の一部から揺動片を開口内に突設する構成としている。また、車体側の取付材を取付穴に挿入係止したときに該取付材が接触、押圧する取付材接触突起を前記揺動片の一面に設けていると共に他面に潰しリブを突設する構成としている。したがって、前記第1、第2部分の一対の半円状内面の間に挿通する金属パイプの外径公差が比較的大きく該金属パイプの外径がその許容下限値であっても、車体側の取付材を取付穴に挿入係止するだけで該取付材が揺動片の取付材接触突起を押圧して潰しリブを半円状内面側に突出させ、該潰しリブが金属パイプに押し付けられることによって金属パイプをクランプ内にしっかりと固定することができる。
【0019】
即ち、前記構成によれば、車体側の取付材に押圧される前記揺動片がクランプ内の金属パイプの外径に合わせて揺動して潰しリブを該金属パイプに密着させるため、金属パイプの外径公差を容易に吸収して金属パイプの振動や異音の発生を防止することができる。金属パイプの振動を防止することでクランプに対する負荷を低減することができるため、クランプの破損も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態のクランプを示す斜視図であり、(A)はクランプを開放した状態を示し、(B)はクランプを閉鎖した状態を示す。
【図2】(A)はクランプの取付穴にスタッドボルトを挿入している途中の状態を示すA−A線断面図であり、(B)はクランプの取付穴へのスタッドボルトの挿入係止が完了した状態を示すA−A線断面図である。
【図3】揺動片の要部拡大図である。
【図4】第2実施形態のクランプを示し、(A)はクランプの取付穴にブラケットを挿入しようとしている状態の斜視図、(B)はクランプの平面図である。
【図5】従来例を示す図面である。
【図6】従来例を示し、(A)は蓋部を開いた状態の断面図であり、(B)は蓋部を閉じた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3は第1実施形態を示す。本実施形態では、ハイブリッド自動車のバッテリとインバータ(図示せず)とを3本の電線1で接続しており、該電線1をアルミニウム系金属からなる金属パイプ2に挿通してパイプハーネス3を形成し、該パイプハーネス3を車体のフロアパネル30の下面にクランプ10を介して取り付けている。
【0022】
樹脂成形品からなるクランプ10は、図1および図2に示すように、半円状内面11a、12aをそれぞれ有する第1部分11および第2部分12から形成し、第1、第2部分11、12の一端側を薄肉ヒンジ13で開閉自在に連結している。また、第1、第2部分11、12の他端側である分割端側の両側面には、互いに係止する被係止部14と係止部15をそれぞれ設けている。第1部分11に設ける被係止部14はロック枠から形成し、第2部分12に設ける係止部15は、前記ロック枠からなる被係止部14に係止する係止爪としている。
【0023】
本実施形態のクランプ10では、第1、第2部分11、12の一対の半円状内面11a、12aの間にパイプハーネス3を挿通し、第1部分11の被係止部14に第2部分12の係止部15を係止させることによりパイプハーネス3がクランプ10に挟持されるようにしている。また、パイプハーネス3を挿通、挟持したクランプ10は、フロアパネル30の下面から突出した取付材に固定される構造とし、本実施形態では、図2に示すように、フロアパネル30の下面から溶着により突出させたスタッドボルト31を取付材としている。
【0024】
第1、第2部分11、12の分割端側の中央位置には、スタッドボルト31を挿入係止する取付穴16、17を設けている。
フロアパネル30の下面に対向配置される第2部分12の分割端側は平板状とし第2部分12の取付穴17はスタッドボルト31の断面形状に合わせた円形状としている。また、取付穴17の内周面からスタッドボルト31の溝32に係止する一対の係止片25を対向して突設している。
一方、第1部分11の取付穴16は、前記第2部分12の取付穴17に連通した直方体形状の取付穴であり、該取付穴16と半円状内面11aとを仕切る仕切部18の一部に矩形状の開口19を設けている。該開口19を囲む仕切部18の周面のうち、スタッドボルト31挿入方向の手前位置の周面18aに、ヒンジ24を介して揺動片20を開口19内に突設している。
【0025】
図1〜3に示すように、揺動片20の基板21には一面に取付材接触突起22を設けていると共に、他面に複数の潰しリブ23を並列状に突設している。取付材接触突起22は、取付穴16に挿入されるスタッドボルト31の外周面で押圧されるように取付穴16側に突出させている。また、スタッドボルト31が取付材接触突起22を押すことにより、並列状の複数の潰しリブ23が半円状内面11a側に突出され、該潰しリブ23が一対の半円状内面11a、12aの間に挿通するパイプハーネス3の金属パイプ2に押し付けられるようにしている。さらに、並列状の複数の潰しリブ23は基板21からそれぞれ先端に向けてV字状に突出させ、押し当てられた金属パイプ2によって潰しリブ23の先端を潰しやすくしている。また、潰しリブ23の先端の外形ラインは、金属パイプ2の円弧状の外周ラインに密着させるために円弧状とし、潰しリブ23の突出量は、一対の半円状内面11a、12aの間に挿通する金属パイプ2の外径が許容下限値であっても該金属パイプ2に潰しリブ23を押し付けて金属パイプ2をガタつきなく固定できる突出量としている。一方、路面に対向配置される第1部分11には水抜き用の穴11bを設けている。
【0026】
以下、クランプ10の取り付けについて説明する。
まず、フロアパネル30の下面に配管するパイプハーネス3の所定位置に図1に示すクランプ10を間隔をあけて5〜7個取り付ける。具体的には、図1(A)のような開放状態のクランプ10の第1部分11の半円状内面11aにパイプハーネス3を配置し、図1(B)のように第1、第2部分11、12を閉鎖して第1部分11の被係止部(ロック枠)14に第2部分12の係止部(係止爪)15を係止させる。これにより、パイプハーネス3が一対の半円状内面11a、12aの間に挿通、挟持された状態となる。
【0027】
続いて、図2のように、パイプハーネス3を挿通したクランプ10の第2、第1部分12、11の取付穴17、16にフロアパネル30の下面から突出させたスタッドボルト31を挿入係止する。スタッドボルト31が取付穴16に挿入されると、図2(A)のように取付穴16側に突出させた揺動片20の取付材接触突起22がスタッドボルト31の外周面に押されて潰しリブ23を半円状内面11a側に突出させる。潰しリブ23は図2(B)のようにパイプハーネス3の金属パイプ2に押し付けられ、金属パイプ2はクランプ10内に固定される。取付穴17の内面に突設した係止片25がスタッドボルト31の溝32に係止することで、フロアパネル30へのクランプ10の取り付けが完了する。
【0028】
本実施形態のクランプ10では、第1、第2部分11、12の一対の半円状内面11a、12aの間に挿通する金属パイプ2の外径公差が比較的大きく該金属パイプ2の外径がその許容下限値であっても、スタッドボルト31を取付穴16、17に挿入係止するだけで、スタッドボルト31の外周面が揺動片20の取付材接触突起22を押圧して潰しリブ23を半円状内面11a側に突出させ、該潰しリブ23が金属パイプ2に押し付けられることで、金属パイプ2をクランプ10内にしっかりと固定することができる。
【0029】
即ち、本実施形態のクランプ10によれば、スタッドボルト31に押圧される揺動片20が金属パイプ2の外径に合わせて揺動して潰しリブ23を該金属パイプ2に密着させるため、金属パイプ2の外径公差を容易に吸収して金属パイプ2の振動や異音の発生を防止することができる。金属パイプ2の振動を防止することでクランプ10に対する負荷を低減することができるため、クランプ10の破損も防止することができる。
【0030】
また、揺動片20の潰しリブ23の押し付けによって金属パイプ2をガタつきなくクランプ内10に固定できるため、第1、第2部分11、12の一対の半円状内面11a、12aの径は金属パイプ2の外径より大きめに設定することができる。よって、スタッドボルト31をクランプ10の取付穴17、16に挿入係止するまでは、車体毎のレイアウト等に合わせてクランプ10を金属パイプ2の軸線方向に自由に移動させてクランプ10の位置変更を行うことも可能となり、スタッドボルト31をクランプ10の取付穴17、16に挿入係止することでクランプ10の位置を確定することができる。
【0031】
図4は第2実施形態を示している。
第2実施形態では、フロアパネル30から突出する取付材を図4に示すようなブラケット51としている。ブラケット51は平板状の中央部51aを有する断面コ字状としている。また、クランプ10の第2部分12の取付穴47はブラケット51を挿入できる形状とし、第2部分の取付穴47に連通する第1部分11の取付穴46は第1実施形態と同様、直方体形状としている。ブラケット51の中央部51aには係止穴52を設け、第1部分の取付穴46の内面には、前記係止穴52に挿入係止する係止爪48を突設している。また、ブラケット51が第1部分の取付穴46に挿入されると、中央部51aの外面が揺動片の取付材接触突起(図示せず)を押圧する構成としている。その他の点は第1実施形態と同様としている。
【0032】
第2実施形態においても、ブラケット51の中央部51aの外面に押圧される揺動片が金属パイプ2の外径に合わせて揺動して潰しリブを該金属パイプ2に密着させるため、金属パイプ2の外径公差を容易に吸収することができ、金属パイプ2の振動や異音の発生を防止することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 電線
2 金属パイプ
3 パイプハーネス
10 クランプ
11 第1部分
12 第2部分
11a、12a 半円状内面
13 薄肉ヒンジ
14 被係止部
15 係止部
16、17、46、47 取付穴
18 仕切部
19 開口
20 揺動片
21 基板
22 取付材接触突起
23 潰しリブ
25 係止片
48 係止爪
30 フロアパネル
31 スタッドボルト
32 溝
51 ブラケット
52 係止穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属パイプ内に電線を挿通しているパイプハーネスを車体に取り付ける樹脂成形品からなるクランプであって、
一対の半円状内面を有する第1部分と第2部分を薄肉ヒンジで連結すると共に、該第1、第2部分の分割端側に互いに係止する係止部と被係止部を設け、該第1、第2部分の半円状内面の間に挿通する前記金属パイプを挟持する構成とし、かつ、
前記第1部分に車体から突出する取付材を挿入係止する取付穴を設け、該取付穴と前記半円状内面との仕切部の一部に開口を設けると共に、該開口を囲む仕切部の周面の一部から揺動片を該開口内に突設し、前記揺動片の一面に取付材接触突起を設けると共に他面に潰しリブを突設し、
前記取付穴に前記取付材が挿入されると前記取付材接触突起が押されて前記半円状内面側に前記潰しリブを突出させ、該半円状内面に沿って挿通している前記金属パイプに前記潰しリブが押し付けられて金属パイプを固定する構成としていることを特徴とするクランプ。
【請求項2】
前記車体から突出する取付材はスタッドボルトであり、前記取付穴の内面から前記スタッドボルトの溝に係止する係止片が突設され、該取付穴に挿入する前記スタッドボルトの外周面で前記揺動片の取付材接触突起が押される設定としている請求項1に記載のクランプ。
【請求項3】
前記車体から突出する取付材は係止穴をあけたブラケットであり、該ブラケットを挿入できる形状とした前記取付穴の内面に前記係止穴に挿入係止する係止爪を突設し、該取付穴に挿入する前記ブラケットの外面で前記揺動片の取付材接触突起が押される設定としている請求項1に記載のクランプ。
【請求項4】
前記揺動片に設ける前記潰しリブは、該揺動片の基板から並列状に突出し、これら複数の潰しリブはそれぞれ先端に向けてV字状に突出し、押し当てられる前記金属パイプにより先端が潰される設定としている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のクランプ。
【請求項5】
前記第1部分の分割端の両側面にロック枠からなる前記被係止部を設けていると共に、前記第2部分の分割端の両側面に前記ロック枠に挿入係止するロック爪からなる前記係止部を設けている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のクランプ。
【請求項6】
ハイブリッド自動車または電気自動車において床下に配管される前記パイプハーネスをフロアパネルの下面に取り付けるものである請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のクランプ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−59188(P2013−59188A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195627(P2011−195627)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】