説明

クリーニングブレード及びその製造方法

【課題】低温条件においても、スティックスリップ現象を生じさせないことにより、トナーのすり抜けを防止することができるクリーニングブレードを提供する。
【解決手段】 材質が異なるエッジ部分とバックアップ層を備えた電子写真装置用のポリウレタン製のクリーニングブレードであって、エッジ部分の厚み×幅が0.03〜0.4×0.03〜4mmであることを特徴とするクリーニングブレード。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バックアップ層とエッジ部のポリウレタンの組成が異なる層からなる電子写真装置用のポリウレタン製のクリーニングブレードに関する。電子写真装置としては、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等がある。特に、熱硬化型ポリウレタンからなるクリーニングブレードその製造方法およびその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、バックアップ層とエッジ部のポリウレタンの組成が異なる層からなる電子写真装置用のポリウレタン製のクリーニングブレードに関する発明を継続して提案してきた。
特許文献1(特開2007−30385号公報)では、連続成型法を用いた手法であって、外周に成形溝及び内部に加熱装置を備えた成形ドラムを用いて、合成樹脂を成形用原料とするブレードの素材を連続成形する方法において、2種以上の異なる液状合成樹脂原料を別々に注型することにより、異種材料を組み合わせたブレード素材を製造する方法を提案した。
特許文献2(特開2007−163676号公報)では、注型法を用いた手法であって、割り金型の一方の金型に、部分層を形成する液状合成樹脂をビード状に注型した後、金型を組み、ベース層を形成する液状合成樹脂を注型して、加熱硬化してブレード素材を形成するブレードの製造方法を提案した。
この種の2層に成形されたクリーニングブレードでは相手材との当接面(エッジ部)に耐摩耗・耐欠け性に優れたウレタン配合が用いられるが、その配合は低温で弾性を示しにくい傾向がある。そのため、低温条件において、バックアップ層の弾性をエッジ部分が阻害し、ブレード全体としての弾性が損なわれ、スティックスリップ現象が発生しトナーのすり抜けが起こる問題がある。
【0003】
【特許文献1】特開2007−30385号公報
【特許文献2】特開2007−163676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、低温条件においても、スティックスリップ現象を生じさせないことにより、トナーのすり抜けを防止することができるクリーニングブレードを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明者は、低温の影響が小さいバックアップ層特性を発揮でき、クリーニング性能を維持しつつ、エッジ部分の範囲を限定できる範囲を追求し、発明を完成したものである。
【0006】
本発明の主な解決手段は次のとおりである。
(1)材質が異なるエッジ部分とバックアップ層を備えた電子写真装置用のポリウレタン製のクリーニングブレードであって、
エッジ部分の厚み×幅が0.03〜0.4×0.03〜4mmであることを
特徴とするクリーニングブレード。
(2)エッジ部分がバックアップ層とは異なる色であることを特徴とする(1)記載のクリーニングブレード。
(3)エッジ部分のポリウレタンが、エステル系ポリウレタンからなり、
バックアップ層のポリウレタンが、エーテル系ポリウレタンからなることを
特徴とする(1)又は(2)記載のクリーニングブレード。
(4)バックアップ層の次の測定条件によるtanδピーク温度が−20〜5℃であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のクリーニングブレード。
tanδの測定条件(温度分散)
動歪:0.1%
周波数:10Hz
昇温スピード:2℃/min
(5)バックアップ層を構成するエーテル系ポリウレタンが、ポリオキシテトラメチレングリコール系ウレタン又はポリプロピレングリコール系ウレタンからなることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のクリーニングブレード。
(6)材質が異なるエッジ部分とバックアップ層を備えた電子写真装置用のポリウレタン製のクリーニングブレードであって、
成形溝を外周に備え、内部に加熱装置を備えた成形ドラムであって、該成形ドラムの外周に沿って、成形溝に合成樹脂供給手段、成形ドラムの成形溝を覆いながら成形ドラムの回転に同期して回走するエンドレスベルトを順次配置し、成形溝に供給した合成樹脂原料をエンドレスベルトと成形溝から形成される成形空間によって、所定の幅と厚さを有する帯状のブレード素材を成形ドラムの回転に従い製造する方法用いたクリーニングブレードの製法であって、
エッジ層を形成するポリウレタン材料を先に円筒状の金型に流し込み金型を回転しながら硬化させて、半硬化した後、バックアップ層を形成するポリウレタン材料を流しこみ回転させながら硬化させて2層から構成される帯状のブレード素材を取り出し、長さを定寸にカットした後に、
所定のエッジ部分の幅寸法として、0.03〜4mm以内であって、
所定のエッジ部分の厚さ寸法として、0.03〜0.4mm以内である
所定のエッジ寸法にカットして成型することを
特徴とするクリーニングブレードの製造方法。
(7)材質が異なるエッジ部分とバックアップ層を備えた電子写真装置用のポリウレタン製のクリーニングブレードであって、
2枚の型部材を型組して形成されるキャビティー内へ液状のポリウレタン原料を注型し、重合硬化後脱型して製造する割型成型法を用いたクリーニングブレードの製造方法において、
型組みする前に一方の割型の壁面に筋状にエッジ部形成する液状のポリウレタン原料を塗布し、
半硬化させた後に型組みし、
バックアップ層を形成するポリウレタン原料を注入し、
硬化させて脱型してブレード素材を得、
該ブレード素材を
所定のエッジ部分の幅寸法として、0.03〜4mm以内であって、
所定のエッジ部分の厚さ寸法として、0.03〜0.4mm以内である
所定のエッジ寸法にカットして成型することを
特徴とするクリーニングブレードの製造方法。
(8)エッジ部分を形成するポリウレタン原料をエステル系ポリウレタン原料、バックアップ層を形成するポリウレタン原料をエーテル系ポリウレタン原料とすることを特徴とする(6)又は(7)記載のクリーニングブレードの製造方法。
(9)エッジ部分を形成するポリウレタンとして、バックアップ層を形成するポリウレタンとは異なる色に着色したポリウレタンを用いることを特徴とする(6)〜(8)のいずれかに記載のクリーニングブレードの製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本願発明のクリーニングブレードは、エッジ部分とバックアップ層が別組成のポリウレタンから成るクリーニングブレードであって、クリーニングブレードの横断面におけるエッジ部分の大きさを、厚み×幅が0.03〜0.4×0.03〜4mmとすることにより、低温条件においてもクリーニング性能を維持することができ、トナーのすり抜けに伴う印字不良の発生を抑制することができる。幅方向において、0.03mm(30μm)〜4.0mmにおいて良好であることが確認でき、2.0mm以内、更に好ましくは0.5mm以内において良好であり、厚み方向では、0.2mm以内、更に好ましくは0.1mm以内において良好である。最小のエッジ寸法として0.03×0.03mm(30×30μm)の大きさまで有効であることが確認できた。
エッジ部分は、トナーの掻き取り性能を維持する硬さや反発弾性を備え、バックアップ層はクリーニングブレード全体の物性の安定性を確保するtanδピーク温度−20〜5℃であることが好ましい。
エステル系ポリウレタンからなるエッジ部分をエーテル系ポリウレタンからなるバックアップ層との組み合わせにした場合、本発明の大きさに特定されたエッジ部分を温度依存性が少ないエーテル系ポリウレタンがエッジ部分の温度依存性を緩衝して、トナーすり抜けを抑制することができる。エッジ部を着色すると、エッジ部の測定、トリミング成形が容易になる。
本発明のクリーニングブレードは、連続成形手段、割型成形手段を用いることができる。
【0008】
本願発明は、エッジ部分とベースとなるバックアップ層の部分2層からなるトナーを掻き取るポリウレタン製クリーニングブレードであって、低温時も優れた機能が発揮できるように、エッジ部分の大きさを特定した発明である。ポリウレタンとして、熱硬化性ポリウレタンが適しており、エッジ部分のポリウレタンとしてエステル系ポリウレタン、バックアップ層を形成するポリウレタンとしてエーテル系ポリウレタンが適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本願発明のクリーニングブレードの断面図を図1に示す。トナーを掻き取るためにロールなどの表面に圧着当接するエッジ部分を中心に、エッジ部分の大きさを、厚み×幅が0.03〜0.4×0.03〜4mmとするクリーニングブレードである。さらには、厚み方向において、少なくとも30μm以上であって、0,4mm以内、望ましくは0.2mm以内、さらに望ましくは0.1mm以内であること、幅方向において、少なくとも30μm以上であって、4mm以内、望ましくは2mm以内、さらに望ましくは0.5mm以内とするものである。
【0010】
上記の範囲外の大きさ(例えば、従来2色ブレード:幅寸法5mm、厚さ寸法1mm)にエッジ部が存在すると、 低温におけるバックアップ層の弾性が十分に発揮することができず、ブレード全体としての弾性が損なわれるのでトナーのすり抜けが生じる。エッジとしての最小機能は、30×30μm必要である。
エッジ部分がバックアップ層とは異なる色とすると、エッジ部分の大きさが明瞭に識別できる。ポリウレタンを硬化させた後にエッジの大きさをトリミングして形成するのが容易になる。
【0011】
<ブレードの形状・構成>
本発明のクリーニングブレード本体は、例えば、図2に示すエッジ部分の部分層1とバックアップ層となるベース層2からなるポリウレタン製クリーニングブレードを支持部材4に接着して構成される。本発明は、この部分層1の断面の大きさを前述のように特定したものである。本発明では、基本的にエッジ部にエステル系ポリウレタンを用い、ベース部にはエーテル系ポリウレタンを用いることが好ましい。
【0012】
<ポリウレタンの種類>
本発明に用いられるブレードは、熱硬化性ポリウレタン樹脂製が適している。
ウレタンの形成材料としては、ポリイソシアネートおよびポリオールを含有するポリウレタン組成物が用いられる。
ポリオール成分として、エッジ部あるいはニップ部を含む層はエステル系ポリウレタンを用い、エッジ部やニップ部を含む層以外のベース部はエーテル系ポリウレタンを用いる。
本発明に用いられるポリウレタン原料は、非溶剤型の熱硬化性が望ましい。例えば、本出願人が、先に出願した特願2007−18162号に開示したエステル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタンを用いることができる。エッジ部分用ポリウレタン樹脂に着色剤を添加してバックアップ層とは異なる色とすると、エッジ部分の大きさが明瞭に識別できる。ポリウレタンを硬化させた後にエッジの大きさをトリミングして形成するのが容易になる。
【0013】
(1)エステル系ポリオール
本発明に用いるエッジ層を形成するエステル系ポリウレタンは、従来から使用されているエステル系ポリウレタンを使用することができる。ポリエステルジオール、ポリエステルトリオール等のポリエステルポリオール。tanδピーク温度を−20〜5℃とすることにより、エステル系ポリウレタンをバックアップ層として用いることができる。
ポリエステルポリオールとしては、多塩基性有機酸とポリオールとから製造される。ε−カプロラクタムの開環重合から得られるポリカプロラクトンジオール等のポリカプロラクトンポリオールも使用できる。
多塩基性有機酸としては、特に限定するものではなく、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソセバシン酸等の飽和脂肪酸や、マレイン酸、フマル酸等の不飽和脂肪酸や、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族酸等のジカルボン酸があげられる。また、無水マレイン酸、無水フタル酸等の酸無水物や、テレフタル酸ジメチル等のジアルキルエステル等を用いることもできる。さらに、不飽和脂肪酸の二量化によって得られる、ダイマー酸を用いることもできる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0014】
ポリオールとしては、特に限定するものではなく、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキシレングリコール等のジオールや、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン等のトリオールや、ソルビトール等のヘキサオール等、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリエチレンアジペート等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0015】
(2)エーテル系ポリオール
本発明では、エーテル系ウレタンをバックアップ層として用いる。
ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール。
ポリエーテルポリオールとして、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、α−メチルトリメチレンオキサイド、3,3′−ジメチルトリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキサミン等の環状エーテルがあげられる。
【0016】
(3)ポリイソシアネート
ポリイソシアネートとしては、特に限定するものではなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、3,3′−ビトリレン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートウレチジンジオン(2,4−TDIの二量体)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、カルボジイミド変性MDI、オルトトルイジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル等のジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート等のトリイソシアネート、ポリメリックMDI等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、耐摩耗性の観点から、MDIが好ましい。
【0017】
(4)その他の素材
ポリウレタン組成物には、上記ポリイソシアネートおよびポリオール以外に、鎖延長剤、界面活性剤、難燃剤、着色剤、充填剤、可塑剤、安定剤、離型剤、触媒等通常用いられている剤を配合することができる。
【0018】
上記鎖延長剤としては、従来公知のものであれば特に限定されるものではなく、例えば、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン(TMP)、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオール等の、分子量300以下のポリオールがあげられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0019】
上記触媒としては、三級アミン等のアミン系化合物、有機錫化合物等の有機金属化合物等があげられる。なかでも、アミン系化合物が好ましい。
上記三級アミンとしては、トリエチルアミン等のトリアルキルアミンや、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン等のテトラアルキルジアミンや、ジメチルエタノールアミン等のアミノアルコールや、エトキシル化アミンや、エトキシル化ジアミンや、ビス(ジエチルエタノールアミン)アジペート等のエステルアミンや、トリエチレンジアミンや、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等のシクロヘキシルアミン誘導体や、N−メチルモルホリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルモルホリン等のモルホリン誘導体や、N,N′−ジエチル−2−メチルピペラジン、N,N′−ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルピペラジン等のピペラジン誘導体等があげられる。
上記有機錫化合物としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)等のジアルキル錫化合物があげられる。また、2−エチルカプロン酸第1錫、オレイン酸第1錫等があげられる。
【0020】
(5)樹脂例
本発明で用いられる合成樹脂は、主に熱硬化性のポリウレタン樹脂である。特に、非溶剤型の2液性の熱硬化性ポリウレタンが適している。外周成型溝回転ドラムによる連続成型法は、注型から取り出しまでの時間が成形ドラムの一回転以内であり、30〜60秒程度で取り出し可能な程度に重合固化している必要がある。このような条件を満たすイソシアネートとポリオール、架橋剤、触媒を選定し設計する。取り出した後の工程において、2次架橋、熟成工程を施すことができる。割型を用いる場合も、エッジ部やニップ部となるエステル系ポリウレタンの初期硬化時間を短くすることが望ましい。
【0021】
添加成分として、潤滑剤、導電性付与剤、研磨粒子などがある。
潤滑剤の例としては、ポリ四フッ化エチレン、窒化ホウ素、グラファイト、二硫化モリブデン、ポリジメチルシロキサン等のシリコン化合物がある。
導電性付与物質としては、特に限定されるものではないが、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックや、グラファイト、金属フィラー、金属酸化物ウィスカー等の電子伝導性物質、金属石鹸、過塩素酸塩等のイオン伝導性物質等を単独で、もしくは2種以上の物質を組合わせて使用することができ、現像ブレードや帯電ブレードに適用される。
研磨粒子は、感光体等、当接する相手材の表面をリフレッシュする目的で使用されるブレードに適用される。
【0022】
例えば、本願出願人が先に特許第3004586号公報、特許第2942183号公報、特許第2645980号公報、特開2002−214989号公報、特開2002−214990号公報等に提案したポリウレタン樹脂を例示することができる次のようなポリウレタンを使用することができる。
ウレタンプレポリマーの液状物および架橋剤との液状物のうち少なくとも一方に混合される高分子量ポリオールの成分が数平均分子量1000〜3000の2官能ポリオールと、数平均分子量92〜980の3官能ポリオールとを平均官能基数が2.02〜2.20となるポリオールにイソシアネート基の含量が5〜20%となる量のジイソシアネート化合物を混合してプレポリマーを調製し、そのプレポリマーに、OH基/NCO基の当量比が0.85〜1.00となる量の架橋剤とを40〜70゜Cにおいて混合してポリウレタン液状物(未硬化ポリウレタン組成物)を調製する。
【0023】
なお、前記高分子量ポリオール成分の数平均分子量は、好ましくは1000〜3000の範囲がより望ましい。この組成物を注型することにより反応が円滑に行われ、得られるブレードの物性も好ましい。すなわち、使用されるポリオールの数平均分子量は、1000〜3000の範囲であり、1000未満であると、できあがったウレタンゴムが硬くなりすぎて必要な物性(柔軟性)が得られず、3000を超えると成形時の粘度が高く、注型加工することが困難となる。
また平均官能基数(f)がf=1ではモノオールとなるため重合せず、f≧5では多官能になりすぎるために、重合物の粘度が増大し且つ物性が低下するからである。
【0024】
本発明に係るポリウレタンエラストマー製造の為の成分としては、次のようなものが使用できる。ポリエーテル系ポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール類あるいは、ビスフェノールA、グリセリンのエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシド付加物類のポリエーテル型ポリオールが例示される。ポリエステル系ポリオールとしては、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマール酸等の2塩基酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン等のグリコール類との重合反応により得られるポリエステル型ポリオールならびにポリカプロラクトンジオールを挙げることができる。
【0025】
ジイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、4,4ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4シクロヘキサンジイソシアネート等を挙げることができる。鎖延長剤として、エチレングリコール、1,4ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の低分子量ジオール並びにエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン等のジアミンを挙げることができる。望ましくは、低分子量ジオールが用いられる。さらに必要に応じて多官能成分としてトリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、グリセリン、及びこれらのエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加物を添加してもよい。
【0026】
上記のポリウレタンの製造においては、OH基/NCO基の当量比は生成するポリウレタンの物性から0.8〜1.05がよく、望ましくは0.85〜1.00の範囲である。また必要に応じて一般的なアミン化合物や有機錫系化合物等の反応促進剤が用いられる。例えば、特許第2942183号公報、第0022段落に開示される反応促進剤は下記の一般化学式で表されるイミダゾール誘導体等であって、その具体例としては、化学構造上から反応温度依存性の高い2−メチルイミダゾールや1,2ジメチルイミダゾール等を挙げることができる。
【0027】
【化1】

式中Rは水素、メチル基,又はエチル基を示す。
【0028】
かかる、反応促進剤は有効量としてプレポリマー100重量部に対して、0.01〜0.5重量部、好ましくは0.05〜0.3重量部の範囲で用いられる。望ましくは更に感温性、或は遅効性を有するものが混合した樹脂の可使時間を長くとれ、脱型時間が短くなるため好適に用いられる。その具体例としては、ブロックアミンと称される1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7−有機酸塩、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5−有機酸塩またはこれらの混合物等が挙げられる。本発明では熱硬化型ポリウレタンの原料成分であるウレタンプレポリマーの液状物と架橋剤の液状物との混合撹拌に使用する2液混合注型機には、市販のものを使用できる。また計量ポンプはその定量精度を考慮して、3連以上のプランジャータイプを使用することが好ましいがギアーポンプタイプも使用可能である。特に、本発明の製造装置では、脱型時に所定の硬度を得るために反応促進剤を使用して速硬化処方にする必要があるので、撹拌混合室は、特公平6−11389号公報に開示されているような、混合室内での滞留を防ぎ、且つ反応熱による発熱を抑制した小容量のタイプが好ましい。
【0029】
2液性の熱硬化性のポリウレタン樹脂について詳しく例示したが、本発明で使用できるブレード用の樹脂としては、これに限られることはない。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用できる。加熱された回転する成型ドラムを使用するので、加熱硬化反応が注型直後から開始されるので、溶剤を含まない非溶剤型が好ましい。
【0030】
これらの合成樹脂成分を配合して、部分層になる樹脂組成とベース層になる樹脂組成を作成して、使用する。一般に、エッジ部に使用される部分層となる合成樹脂は高硬度、高反発弾性、ベース層に使用される樹脂はエッジ層よりも低硬度、低反発弾性に設計される。
【0031】
<ブレードの製法>
エッジ部のポリウレタン層とベース部層のポリウレタン層の2層に形成する方法は、(a)外周に溝を形成した回転成型ドラムを利用して連続成型する方法、(b)割型による個別に成型する方法を利用することができる。
(1)外周に溝を形成した回転成型ドラムを利用して連続成型する方法
この成型手段は、本願発明者が先に提案した特開2007−30385号公報に開示した手段を利用することができる。ブレードに使用されている合成樹脂製の弾性ゴムからなるテープの幅と同一かそれよりやや大きい幅を有する合成樹脂製のテープを連続して製造し、その長尺テープを定寸にカットし、金属製の支持体の一側縁に接合して現像ブレード、クリーニングブレード等に仕上げる技術を基本製法とする。
この製法に用いる基本的な製造手段は、外周に成形溝を設けた成形ドラムを、水平軸を中心に回転させつつ、ポリウレタン等の液状原料を頂点付近から成形溝に連続注型し、成形ドラムの回転動作中に重合させて、注型箇所より前の位置でテープ状となったポリウレタン等の連続成型物を剥離して、成形溝から取り出し、後工程に供給するものを用いるものである。テープ状の成型物が連続して産出されるので、後工程では、一本の定尺にカット、金属支持体との接合と一連の作業を連続して実施でき、稼働に無駄が無く生産性が高い。
【0032】
この連続成型法は、複数の注型機を備えたものである。それぞれの注型機から組成の異なる合成樹脂を成形ドラムの成形溝に連続供給することにより、部分2層の合成樹脂層を備えた合成樹脂製のブレード素材を製造する方法である。連続回転する成形ドラムの成形溝に対して、注型口を前後に配置した場合は、先に注型された合成樹脂の上に後から注型された合成樹脂が被覆された状態で硬化して層が形成される。先に注型する合成樹脂の位置、供給量、合成樹脂の組成や種類、成形ドラムの回転スピードなどによって、樹脂層の位置と幅、厚さをコントロールすることができる。後から注型する合成樹脂は、全体を充填するのに必要な量を供給することとなり、ベース層を形成する。
先行する合成樹脂を成形溝のコーナー部に注型した場合は、エッジ部に異種材料を設けたブレード素材を製造することができる。中間部に注型した場合は、ブレード素材の中間に異種材料を設けることができる。
基本構成を図3に示す。
図3に示すように、弾性ゴム部材であるブレード素材の製造装置は、外周に成型用溝が形成された成形ドラム13、樹脂を供給する供給口する第1注型機ミキシングヘッド11、第2注型機ミキシングヘッド12、スチール製の鏡面を備えたエンドレスベルト14、冷却用コンベア20、裁断装置24、搬出用のコンベア25等から構成される。
【0033】
エッジ部に異種材料層を設けたブレード素材は、エッジ部を当接するクリーニングブレードに適している。また、異種材料を組み合わせることにより、弾性ゴムの物性値をコントロールすることができるので、高温域や低温域等の温度変化適性、あるいは、摩耗耐性などを向上させることができる。また、この成形ドラムを用いた合成樹脂テープの連続成形法は、本出願人が既に提案した各製法、構成要素を使用できるものである。
【0034】
成形溝に注型された合成樹脂は、成形ドラムの外周の一部に成形溝に蓋をする状態で設けられた回転する金属製のエンドレスベルトで覆われた領域において、成形ドラムから熱を受けて、硬化重合が進行し、エンドレスベルトが成形ドラムから離れる位置では、溝の断面形状を備えたテープ状に形成されている。このテープを成形溝から引き出して連続した合成樹脂テープが得られることは、従来の提案と同様である。
この手法においては、樹脂注型後数十秒以内(例えば、30〜60秒程度)に成形溝から取り出されること、成形のために加圧されないこと、重合硬化は回転する成型ドラムの下半部が中心であること、成形溝からの引き剥がし角度を小さくすることができる等の成形条件であるので、成形溝底面からの剥離が比較的容易であり、必ずしも離型剤を使用する必要がない。トナーが微細化やカラー化することによって、離型剤が悪影響となることがあり、本発明の一形態として、離型剤を使用しない場合は、このような不都合も生じない。また、離型剤を用いる必要がないことは、他の表面処理剤を作用させることもできることとなり積極的に表面改質に利用することも可能である。
【0035】
また、重合をコントロールするために、合成樹脂供給位置とエンドレスベルトで覆われるまでの間に、成形ドラムの溝に向けて加熱する外部加熱手段を講ずることもできる。テープ取り出し部近傍では、剥離を容易にするために外部から冷風などを吹きつける冷却手段を講ずることもできる。本発明で得られる樹脂テープのサイズは、幅、厚みとも十分に従来から使用されている現像ブレードやクリーニングブレードの範囲を満足することができる。例えば、厚みが0.40〜3.00mm程度のものは十分に製造できる。
成型課程の模式図を図4に示す。
【0036】
弧状に部分層を形成する一例を模式的に示す。
この例は、試験的に行った実測値に基づく一例であって、これに限定されるものではない。図5は、ベース層2と弧状の部分層1を備えた弾性ゴム部材を示す。弧を模式的に円弧として扱うと次のようになる。円弧状の部分層1は、仮想の半径Rの部分弧となり、その弦Xの2倍が幅となり、高さが円弧の高さYとなるものと想定することができる。
この幅Xと高さYの関係をグラフ化して図6に示す。このようにして得られたポリウレタン弾性ゴム部材に部分層1が所定の厚みと幅になるようにトリミングして切断成形することにより、所望のエッジの大きさを備えたクリーニングブレードを製造することができる。エッジ部とベース部が異なる色に着色されていると切断位置の決定が容易である。
(2)割型による個別に成型する方法(割型成型法)
割型成型法は、1枚のポリウレタン製の弾性ブレードの大きさに相当するキャビティーを成型する2枚の型部材をあわせて、キャビティー内へ液状のポリウレタン原料を注型し、重合硬化後脱型して製造するものである。型組みする前に一方の割型の壁面に筋状にエッジ部を形成する液状のエステル系ポリウレタン原料を塗布し、半硬化させた後に型組みして、ベース部を形成するエーテル系ポリウレタン原料を注入して、硬化させて脱型して部分2層を形成したブレード素材を得る。
この割型による部分2層の成型方法は、本出願人が出願した特開2007−163676号公報に開示した手段を用いることができる。
即ち、次のとおりである。
部分層に相当する位置に熱硬化性樹脂である液状合成樹脂を吐出するヘッドを移動させるか、あるいは金型を移動させることにより熱硬化性樹脂をビード状に塗布するように注型した後、割り金型を組み、ベースとなる熱硬化性樹脂を注型して加熱炉で一体成形する。一体成形されたブレード素材は、割り金型を解体して取り出して所定のサイズに裁断されてブレードとして用いられる。金型を組むときに支持体の一部をキャビティー内部にセットして、ベース形成用樹脂を注型すると支持体とブレードゴム体を一体的に接合できる。
【0037】
(a)金型
図7に割金型構造の概略を断面図として示す。
金型110は、左右の分割金型110a,110bから構成される。分割金型110a,110bの中間には支持部材となる芯金AAを挟持する突出部材が形成されている。この分割型110a,110bは、ベース板113と該ベース板113の左右に立設された側壁114と傾斜側壁115の間に配置し、該傾斜側壁115側に楔状に型締め部材116を押し込むことにより、締め付けられて型組されるものである。両分割金型110a,110bの間に形成された空間にベースとなる合成樹脂を注型して、ブレードが成型される。
図7に示したものは、芯金AAを配置して、樹脂の加熱成型と芯金との接合を同時に行う例を示している。芯金AAを配置せずに樹脂を硬化したブレード素材を成型し、その後支持部材を接合して、ブレードを製造することもできる。
図8に分割金型の一方(110a又は110b)に分割層を形成する樹脂を吐出ヘッド108から長手方向、ビード状に吐出する状態を示す。部分層の注型手段は、例えば、吐出ヘッドを移動させる方法と分割金型を移動させる2つの方法を採用することができる。
【実施例】
【0038】
製造手段は、外周に溝を形成した回転成型ドラムを利用して連続成型する方法を用いた。製造装置は図3参照。
【0039】
<クリーニングブレード>
ポリウレタン製弾性ゴム部材:厚さ2.0mm、幅12.3mm、長さ326mm
エッジ部の大きさ:表2に示す大きさとした
金属製支持体:厚さ1.2mmの鋼板
接着処理:ダイマー酸ベースのホットメルト接着剤使用
【0040】
<熱硬化型ポリウレタン>
エッジ層あるいはベース層に用いたエステル系ウレタン、エーテル系ウレタンの配合は、表1に示したとおりである。
【0041】
【表1】

【0042】
<評価試験>
評価機:市販のプリンターを使用
(株)リコー CX9800 (重合法トナー搭載)
評価パターン
・耐久評価(23℃×53%)で通紙10万枚
画像パターンは、エリアカバー5%プリントで実施
トナーすり抜けによるクリーニング不良の発生、トナー融着、ブレード磨耗深さ の測定で実施
・クリーニング性能評価(10℃×15%)で実施
画像パターンは、15mm幅×250mm長さ(×3箇所)の黒帯画像を50枚出力後、
感光体上のすり抜けたトナーをメンディングテープで採取し、すり抜けている幅 を測定(すり抜け幅の少ないものが性能がよい)
【0043】
【表2】

【0044】
[考察]
エッジ部寸法として、厚さ0.03〜2.0mm、幅0.03〜8.0mmの範囲で各種設定して、試験を行った結果、常温下においては試験印字10万枚を行ってもトナーのすり抜けは発生しなかった。これに対して、低温下での初期印字不良が発生する例が認められた。
低温環境下における始動時(初期の10枚程度)では、実施例1〜15に確認できるように、幅方向において、0.03mm(30μm)〜4.0mmにおいて良好であることが確認でき、厚み方向において、0.03mm(30μm)〜0.4mmにおいて良好であると確認できた。更に、幅方向において、2.0mm以内、更に好ましくは0.5mm以内において良好である。厚み方向では、0.2mm以内、更に好ましくは0.1mm以内において良好である。
本試験においては、最小のエッジ寸法として0.03×0.03mmの大きさまで有効であることが確認できた。
幅方向において4.0mm以上、厚み方向において0.4mm以上をどちらか一方が超えると低温下における初期トナーすり抜けの発生が認められた。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】クリーニングブレードの断面を模式的に示す図。
【図2】クリーニングブレード装置の例を示す図。
【図3】クリーニングブレードを連続して製造する装置の例を示す図。
【図4】クリーニングブレード連続成形法におけるポリウレタンの硬化課程を示す図。
【図5】弧状に形成された部分層の例を示す図。
【図6】形成される弧状の部分層の大きさを示すグラフ。
【図7】割金型構造の概略を示す断面図。
【図8】割金型の片方に部分層用のポリウレタン樹脂をビード状に形成する概略を示す図。
【符号の説明】
【0046】
1 部分層(エッジ部、ニップ部)
2 ベース層
3 弾性ゴム部材(クリーニングブレード)
4 支持部材
5 ブレード断面
10 外部加熱装置
11 第一注型機ミキシングベルト
12 第二注型機ミキシングベルト
13 成形ドラム
14 エンドレスベルト
15 回転軸
16 予熱ロール
17 ガイドロール
18 テンションロール
19 冷却ロール
20 冷却コンベヤ
21 冷却装置
22 弛み検知器
23 送りロール
24 裁断装置
25 コンベア
26 上側センサー
27 下側センサー
101 帯状ブレード素材
103 定尺寸法ブレード部材
108 吐出ヘッド
110 金型
110a、110b 分割金型
111 分割金型に注型する装置
112 スライド板
113 ベース板
114 側壁
115 傾斜側壁
116 型締め部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材質が異なるエッジ部分とバックアップ層を備えた電子写真装置用のポリウレタン製のクリーニングブレードであって、
エッジ部分の厚み×幅が0.03〜0.4×0.03〜4mmであることを
特徴とするクリーニングブレード。
【請求項2】
エッジ部分がバックアップ層とは異なる色であることを特徴とする請求項1記載のクリーニングブレード。
【請求項3】
エッジ部分のポリウレタンが、エステル系ポリウレタンからなり、
バックアップ層のポリウレタンが、エーテル系ポリウレタンからなることを
特徴とする請求項1又は2記載のクリーニングブレード。
【請求項4】
バックアップ層の次の測定条件によるtanδピーク温度が−20〜5℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクリーニングブレード。
tanδの測定条件(温度分散)
動歪:0.1%
周波数:10Hz
昇温スピード:2℃/min
【請求項5】
バックアップ層を構成するエーテル系ポリウレタンが、ポリオキシテトラメチレングリコール系ウレタン又はポリプロピレングリコール系ウレタンからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のクリーニングブレード。
【請求項6】
材質が異なるエッジ部分とバックアップ層を備えた電子写真装置用のポリウレタン製のクリーニングブレードであって、
成形溝を外周に備え、内部に加熱装置を備えた成形ドラムであって、該成形ドラムの外周に沿って、成形溝に合成樹脂供給手段、成形ドラムの成形溝を覆いながら成形ドラムの回転に同期して回走するエンドレスベルトを順次配置し、成形溝に供給した合成樹脂原料をエンドレスベルトと成形溝から形成される成形空間によって、所定の幅と厚さを有する帯状のブレード素材を成形ドラムの回転に従い製造する方法用いたクリーニングブレードの製法であって、
エッジ層を形成するポリウレタン材料を先に円筒状の金型に流し込み金型を回転しながら硬化させて、半硬化した後、バックアップ層を形成するポリウレタン材料を流しこみ回転させながら硬化させて2層から構成される帯状のブレード素材を取り出し、長さを定寸にカットした後に、
所定のエッジ部分の幅寸法として、0.03〜4mm以内であって、
所定のエッジ部分の厚さ寸法として、0.03〜0.4mm以内である
所定のエッジ寸法にカットして成型することを
特徴とするクリーニングブレードの製造方法。
【請求項7】
材質が異なるエッジ部分とバックアップ層を備えた電子写真装置用のポリウレタン製のクリーニングブレードであって、
2枚の型部材を型組して形成されるキャビティー内へ液状のポリウレタン原料を注型し、重合硬化後脱型して製造する割型成型法を用いたクリーニングブレードの製造方法において、
型組みする前に一方の割型の壁面に筋状にエッジ部形成する液状のポリウレタン原料を塗布し、
半硬化させた後に型組みし、
バックアップ層を形成するポリウレタン原料を注入し、
硬化させて脱型してブレード素材を得、
該ブレード素材を
所定のエッジ部分の幅寸法として、0.03〜4mm以内であって、
所定のエッジ部分の厚さ寸法として、0.03〜0.4mm以内である
所定のエッジ寸法にカットして成型することを
特徴とするクリーニングブレードの製造方法。
【請求項8】
エッジ部分を形成するポリウレタン原料をエステル系ポリウレタン原料、バックアップ層を形成するポリウレタン原料をエーテル系ポリウレタン原料とすることを特徴とする請求項6又は7記載のクリーニングブレードの製造方法。
【請求項9】
エッジ部分を形成するポリウレタンとして、バックアップ層を形成するポリウレタンとは異なる色に着色したポリウレタンを用いることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のクリーニングブレードの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−300551(P2009−300551A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−152419(P2008−152419)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000005061)バンドー化学株式会社 (429)
【Fターム(参考)】