説明

グリセリンモノステアレートの存在下での沈殿重合

本発明は、沈殿重合法に従ったラジカル共重合によるアニオン生成基/アニオン基を含む架橋コポリマーの製造法、前記方法に従って得られるコポリマー、及びその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、沈殿重合法に従ったフリーラジカル共重合による、アニオン生成(anionogenic)基/アニオン基を有する架橋コポリマーの調製法、この方法により得られるコポリマー及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
固体、粉末状形態で処理されることが多いレオロジー調整剤(rheology modifier)は、多くの技術分野、例えば、コーティング、製紙、織物工業、衛生用品、化粧品及び医薬組成物において使用されている。現在最も多く使用されているレオロジー調整剤は、架橋ポリアクリル酸を含む。
【0003】
US 3,915,921は、共重合形態で、オレフィン性不飽和カルボン酸(olefinically unsaturated carboxylic acid)、C10〜C30アルキル(メタ)アクリレート及び場合により少なくとも二つのエチレン性不飽和二重結合(ethylenically unsaturated double bonds)を有する架橋性モノマーを含むコポリマーについて記載している。該コポリマーは、中和された形態で、様々な用途のための増粘剤として役立つ。
【0004】
US 2,798,053は、アクリル酸と少なくとも二つのアリル基を一分子中に有するポリエーテルとのコポリマーについて記載している。
【0005】
WO 2007/010034は、
a)フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのアニオン生成及び/又はアニオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物、
b)N-ビニルイミダゾール化合物、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド及びそれらの混合物から選択される少なくとも一種の化合物、及び
c)少なくとも二つのα,β-エチレン性不飽和二重結合を一分子中に含む少なくとも一種のフリーラジカル重合可能な架橋性化合物
のフリーラジカル共重合により得ることができる両性コポリマーA)について記載している。
【0006】
WO 2007/012610は、ポリエーテル基及び/又はフリーラジカル重合可能なオレフィン性不飽和二重結合を含む少なくとも一種のシリコーン化合物c)の存在下での、
a)フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのイオン生成(ionogenic)及び/又はイオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物、
b)少なくとも二つのα,β-エチレン性不飽和二重結合を一分子中に含む少なくとも一種のフリーラジカル重合可能な架橋性化合物
の、沈殿重合法に従って実施することができるフリーラジカル共重合により得ることができるシリコーン基含有コポリマーA)について記載している。
【0007】
WO 2007/010035は、カチオン生成(cationogenic)/カチオン基と比較してモル過剰のアニオン生成/アニオン基、又はアニオン生成/アニオン基と比較してモル過剰のカチオン生成/カチオン基を有し、
a1)フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのアニオン生成及び/又はアニオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物、
a2)フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのカチオン生成及び/又はカチオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物、
b)少なくとも二つのα,β-エチレン性不飽和二重結合を一分子中に含む少なくとも一種のフリーラジカル重合可能な架橋性化合物、
c)場合によりポリエーテル基及び/又はフリーラジカル重合可能なオレフィン性不飽和二重結合を含む少なくとも一種のシリコーン化合物の存在下で
のフリーラジカル共重合により得ることができる両性コポリマーの、頭髪用化粧品組成物のためのレオロジー調整剤としての使用について記載しており、両性コポリマーは、沈殿重合法に従ったフリーラジカル共重合により調製することができる。
【0008】
US 4,758,641は、アセトン及び低級アルキルアセテートから選択される溶媒中、及び架橋剤の存在下での、オレフィン性不飽和C3〜C5カルボン酸のポリマーの調製法について記載している。
【0009】
US 4,692,502は、有機溶媒中及びイオン界面活性剤の存在下でのオレフィン性不飽和カルボン酸の重合法について記載している。
【0010】
US 4,526,937は、末端OH基及び10超のHLB値を有するポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーの存在下でのオレフィン性不飽和カルボン酸の沈殿重合法について記載している。
【0011】
US 4,419,502は、塩化メチレン中及び12超のHLB値を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル及び/又はポリオキシエチレンソルビトールエステルの存在下でのオレフィン性不飽和カルボン酸の沈殿重合法について記載している。
【0012】
EP 0 584 771 A1は、オレフィン性不飽和カルボン酸と立体安定剤とのポリマーについて記載している。好適な立体安定剤は、親水性及び疎水性単位を有する線状ブロックコポリマー及びランダム櫛型ポリマーである。
【0013】
US 4,375,533は、カルボン酸ポリマーが不溶である重合媒体中での、10未満のHLB値を有する界面活性剤の存在下でのオレフィン性不飽和カルボン酸の重合法について記載している。大多数のさらなる界面活性剤の他に、グリセロールモノステアレートが述べられている。しかし、これを混合物の形態で使用することは記載されておらず、実施例において使用されてもいない。
【0014】
US 4,420,596は、石油スピリットを含む重合媒体中での、1)ソルビタンエステル、2)グリセロール又はアルキレングリコールのエステルである10未満のHLB値を有する非イオン界面活性剤、及び3)長鎖アルコールの存在下でのオレフィン性不飽和カルボン酸の重合法について記載している。大多数のさらなる界面活性剤の他に、グリセロールモノステアレートが述べられている。しかし、これを混合物の形態で使用することは記載されておらず、実施例において使用されてもいない。
【0015】
EP 1 209 198 A1は、A)架橋カルボキシル基含有ポリマー、並びにB)脂肪酸と多価アルコールとのエステル及びそれらのアルキレンオキシド付加物から選択される少なくとも一種の化合物を含むポリマー組成物について記載している。大多数の様々な化合物B)の中で、グリセロールモノステアレートも述べられている。しかし、デカグリセリルデカオレエート、デカグリセリルペンタオレエート、デカグリセリルジイソステアレート、デカグリセリルオレエート、ヘキサグリセリルオレエート、テトラグリセリルステアレート、ジグリセリルオレエート及びグリセリルオレエート(段落[0023])が優先して使用されている。該ポリマー組成物は、様々な水溶液のための増粘剤として役立つ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】US 3,915,921
【特許文献2】US 2,798,053
【特許文献3】WO 2007/010034
【特許文献4】WO 2007/012610
【特許文献5】WO 2007/010035
【特許文献6】US 4,758,641
【特許文献7】US 4,692,502
【特許文献8】US 4,526,937
【特許文献9】US 4,419,502
【特許文献10】EP 0 584 771 A1
【特許文献11】US 4,375,533
【特許文献12】US 4,420,596
【特許文献13】EP 1 209 198 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
例えば、ゲルの形態で配合することができるように様々な製品のレオロジー特性を調整するのに非常に適したポリマーに対する需要が依然としてある。本明細書において得られるゲルは、以下の性質の少なくとも一つを特徴とするべきである。非常に良好な透明度、非常に良好な構造、良好な溶解性。これに関連して、重合は、可能な限り、望ましくない複雑化、例えば、重合反応器中での粘度の過剰な増加又は望ましくない堆積物形成などを引き起こすことなく実施可能であるべきである。得られるポリマーは、例えば、高い均一性を特徴とするべきである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
驚くべきことに、アニオン生成及び/又はアニオン基を有する架橋コポリマーの調製が、グリセロールモノステアレート及びそれとは異なる4〜10の範囲のHLB値を有する少なくとも一種の化合物を含む補助組成物の存在下での沈殿重合法に従ったフリーラジカル共重合法によって実施される重合法により、この目的が達成されるということを見出した。
【発明を実施するための形態】
【0019】
したがって、本発明は、第一に、
H1)グリセロールモノステアレート、及び
H2)H1)と異なる、4〜10の範囲のHLB値を有する、水不溶性天然ワックス、非イオン乳化剤及びそれらの混合物から選択される少なくとも一種の化合物
を含む補助組成物H)の存在下での沈殿重合法による、
a)アクリル酸、
b)場合により、a)と異なる、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのアニオン生成及び/又はアニオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物、
c)少なくとも二つのα,β-エチレン性不飽和二重結合を一分子中に含む少なくとも一種のフリーラジカル重合可能な架橋性化合物
を含むモノマー組成物のフリーラジカル共重合によってコポリマー組成物A)を調製する方法を提供する。
【0020】
特定の実施形態において、コポリマー組成物A)の調製のために、10超の範囲のHLB値を有する乳化剤から選択される、追加的な少なくとも一種のさらなる補助剤H3)を使用する。
【0021】
本発明は、この方法により得ることができるコポリマー組成物A)をさらに提供する。
【0022】
沈殿重合によるA)の調製のために本発明による補助系を使用すると、以下の利点の少なくとも一つがもたらされる。
【0023】
- 反応混合物がより低い粘度を有し、そのことは、反応の熱をより良好に散逸させられることを意味する、
- 反応及び/又は配合をする場合、より高い固形分が可能となる、
- 重合反応器中での堆積物形成を通常首尾よく回避することができる、
- より低い粘度及び/又は高固形分により、該方法がより経済的となる、
- 得られるゲルが以下の性質の少なくとも一つを特徴とする。非常に良好な透明度、非常に良好な構造、良好な溶解性。
【0024】
本発明の文脈において、HLB値(親水性親油性バランス)は、とりわけ、使用する補助剤H)の性質を特徴付けるのに使用する。HLB値の定義は、W. C. Griffin、J. Soc. Cosmetic Chem.、第5巻、249(1954)で見ることができる。HLB値を計算することができないそのような非イオン乳化剤、さらにはイオン性乳化剤に関しては、エマルジョン比較法による実験的決定が成功することが多い。不明な乳化剤のHLB値は、式:
【数1】

【0025】
[R=知られていなければならない油の必要なHLB値、
H=既知の乳化剤のHLB値、
S=既知の乳化剤の小数で表す重量パーセント(例えば、45%=0.45)、
N=HLBを確認する乳化剤の小数で表す重量パーセント]
に従って計算する。
【0026】
HLB値及びその決定法は、標準文献(standard work)、例えば、K. H. Schrader、Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika [Fundamentals and formulations of cosmetics]、Huthig Verlag、第2版、1989に記載されている。
【0027】
本発明によるコポリマー組成物A)の調製は、沈殿重合により実施する。沈殿重合において、使用するモノマーは反応媒体(モノマー、溶媒)に可溶であるが、対応するポリマーは可溶ではない。形成するポリマーは、選択される重合条件下で不溶となり、反応混合物から沈殿する。本発明による方法そのものは、有利な性質を特徴とし、さらに、特に有利な性質を有するコポリマー組成物ももたらす。したがって、反応媒体の粘度が重合の間に望ましくないほど大きく増加することはない。堆積物形成は、通常、首尾よく回避することができる。本発明によるポリマー組成物中に存在する沈殿ポリマーは、レオロジー調整剤として(具体的には増粘剤として)の能力を特徴とする。それらは、従来のポリマー組成物に基づいたゲルと比較して向上した透明度及び/又は向上した構造的性質及び/又は向上した溶解性を有するゲルの配合に適している。
【0028】
本発明の文脈において、アルキルという表現は、直鎖及び分枝アルキル基を包含する。好適な短鎖アルキル基は、例えば、直鎖又は分枝C1〜C7アルキル基、好ましくはC1〜C6アルキル基、特に好ましくはC1〜C4アルキル基である。これらとしては、特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、2-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1,2-ジメチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1-エチル-2-メチルプロピル、n-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、2-エチルペンチル、1-プロピルブチル等が挙げられる。
【0029】
好適な比較的長鎖のC8〜C30アルキル基及びC8〜C30アルケニル基は、直鎖及び分枝アルキル及びアルケニル基である。これらは、一、二又は多価不飽和でもよい、天然若しくは合成脂肪酸及び脂肪アルコール、さらにはオキソアルコール中に同様に生じる主に線状のアルキル基、又は天然若しくは合成脂肪酸及び脂肪アルコール、さらにはオキソアルコール中に同様に生じる主に線状のアルケニル基であることが好ましい。好適な比較的長鎖のC8〜C30アルキル基は、例えば、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシル、n-ノナデシル、アラキニル(arachinyl)、ベヘニル、リグノセリニル(lignocerinyl)、メリッシニル(melissinyl)等である。好適な比較的長鎖のC8〜C30アルケニル基は、例えば、n-オクテニル、n-ノネニル、n-デセニル、n-ウンデセニル、n-ドデセニル、n-トリデセニル、n-テトラデセニル、n-ペンタデセニル、n-ヘキサデセニル、n-ヘプタデセニル、n-オクタデセニル、n-ノナデセニル、n-エイコセニル、n-ドコセニル、n-テトラコセニル、ヘキサコセニル、トリアコンテニル等を包含する。
【0030】
シクロアルキルは、C5〜C8シクロアルキル、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルなどであることが好ましい。
【0031】
アリールは、非置換及び置換アリール基を包含し、フェニル、トリル、キシリル、メシチル、ナフチル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、ナフタセニル、特にフェニル、トリル、キシリル又はメシチルであることが好ましい。
【0032】
以下の文章において、アクリル酸及びメタクリル酸から誘導することができる化合物は、アクリル酸由来の化合物にシラブル「(メタ)」を加えることにより略して呼ぶことがある。
【0033】
本発明によるコポリマー組成物A)は、通常の条件(20℃)下でゲルとして有利に配合することができる。「ゲル様のコンシステンシー」とは、液体より高い粘度を有し、自立する、すなわち、形状安定化カバー(shape-stabilizing covering)なしで付与された形状を保持する配合物を示す。しかし、固体配合物とは対照的に、ゲル様の配合物は、剪断力の印加下で容易に変形する恐れがある。ゲル様の組成物の粘度は、600超〜約60000mPas、特に好ましくは6000〜30000mPasの範囲内であることが好ましい。ゲルは、好ましくはヘアゲルである。
【0034】
本発明の文脈において、水溶性モノマー及びポリマーは、20℃で少なくとも1g/lまで水に溶解するモノマー及びポリマーを意味するものと理解される。水分散性モノマー及びポリマーは、剪断力の印加下で、例えば撹拌により分解して分散性粒子となるモノマー及びポリマーを意味するものと理解される。親水性モノマーは、好ましくは水溶性又は少なくとも水分散性である。本発明によるコポリマー組成物A)中に存在するコポリマーは、通常水溶性である。
【0035】
モノマーa)
本発明によるコポリマー組成物A)を調製するために、成分a)としてアクリル酸を使用する。成分a)は、重合に使用する化合物の総重量に対して少なくとも60重量%の量で使用することが好ましい。成分a)は、特に、重合に使用する化合物の総重量に対して60〜99.9重量%の量で使用することが好ましい(すなわち、モノマーa)及び、存在するならば、b)〜g)は合計で100重量%になる)。
【0036】
第1の好ましい実施形態において、フリーラジカル共重合によりコポリマー組成物A)を調製するのに使用するモノマー組成物は、成分a)及びc)のみからなる。次いで、成分a)は、重合に使用する化合物a)及びc)の総重量に対して、95〜99.99重量%、特に好ましくは98〜99.9重量%の量で使用することが好ましい。次いで、本発明による方法は、具体的には、架橋ポリアクリル酸の調製に役立つ。
【0037】
第2の好ましい実施形態において、成分a)は、重合に使用する化合物の総重量(すなわち、成分a)〜g))に基づいて、25〜99.7重量%、30〜99.5重量%の量で使用することが好ましい。この実施形態において、コポリマー組成物A)を調製するのに使用するモノマー組成物は、成分a)及びc)の他に少なくとも一種のさらなるモノマーも含む。
【0038】
モノマーb)
コポリマー組成物A)の調製のための本発明による方法において、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのアニオン生成及び/又はアニオン基を一分子中に有するアクリル酸と異なる化合物は、場合により、成分b)として使用することができる。成分b)は、重合に使用する化合物の総重量に対して、0〜40重量%、特に好ましくは0〜25重量%の量で使用することが好ましい。存在するならば、成分b)は、重合に使用する化合物の総重量に対して、0.1〜40重量%、特に好ましくは0.5〜25重量%の量で使用することが好ましい。
【0039】
化合物b)は、モノエチレン性不飽和カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸及びそれらの混合物から選択することが好ましい。
【0040】
モノマーb)としては、それらの塩又は無水物の形態でも使用することができる、3〜25、好ましくは3〜6個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸が挙げられる。それらの例は、メタクリル酸、エタクリル酸、α-クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸及びフマル酸である。モノマーa)としては、4〜10、好ましくは4〜6個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和ジカルボン酸、例えば、マレイン酸の半エステル、例えばモノメチルマレエートなどがさらに挙げられる。モノマーa)としては、モノエチレン性不飽和スルホン酸及びホスホン酸、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3アクリルオキシプロピルスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸及びアリルホスホン酸も挙げられる。モノマーa)としては、前述の酸の塩、特にナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩、さらにはアミンの塩も挙げられる。モノマーb)は、そのまま又は互いの混合物として使用することができる。述べた重量分率は、全て酸の形態を指す。
【0041】
成分b)は、メタクリル酸、エタクリル酸、α-クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸及びそれらの混合物から選択することが好ましい。
【0042】
メタクリル酸は、成分b)として使用することが特に好ましい。
【0043】
架橋剤c)
コポリマー組成物A)を調製するために、少なくとも一種の架橋剤、すなわち、二つ以上のエチレン性不飽和の非共役二重結合を有する化合物を本発明に従って使用する。
【0044】
架橋剤は、重合に使用する化合物の総重量に対して、0.01〜5重量%、特に好ましくは0.1〜4重量%の量で使用することが好ましい。
【0045】
好適な架橋剤c)は、例えば、少なくとも二価アルコールのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アリルエーテル又はビニルエーテルである。本明細書における親アルコールのOH基は、完全に又は部分的にエーテル化又はエステル化し得る。しかし、架橋剤は、少なくとも二つのエチレン性不飽和基を含む。
【0046】
親アルコールの例としては、二価アルコール、例えば、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ブタ-2-エン-1,4-ジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタン-1,5-ジオール、2,5-ジメチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、1,2シクロヘキサンジオール、1,4シクロヘキサンジオール、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ヒドロキシピバル酸ネオペンチルグリコールモノエステル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシプロピル)フェニル]プロパン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、3-チアペンタン-1,5-ジオール、さらにはいずれの場合にも200〜10000の分子量を有するポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラヒドロフランなどが挙げられる。エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのホモポリマーは別として、エチレンオキシド若しくはプロピレンオキシドのブロックコポリマー又はエチレンオキシド及びプロピレンオキシド基を結合した形態で含むコポリマーを使用することも可能である。二つ以上のOH基を有する親アルコールの例は、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、1,2,5-ペンタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、シアヌル酸、糖、例えば、ソルビタン、スクロース、グルコース、マンノースなどである。多価アルコールは、当然、対応するエトキシレート又はプロポキシレートとしてのエチレンオキシド又はプロピレンオキシドとの反応の後にも使用することができる。多価アルコールは、最初に、エピクロロヒドリンとの反応により対応するグリシジルエーテルに変換することもできる。エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを優先する。
【0047】
さらに好適な架橋剤c)は、エチレン性不飽和C3〜C6カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸又はフマル酸と一価の不飽和アルコールとのビニルエステル又はエステルである。そのようなアルコールの例は、アリルアルコール、1-ブテン-3-オール、5-ヘキセン-1-オール、1-オクテン-3-オール、9-デセン-1-オール、ジシクロペンテニルアルコール、10-ウンデセン-1-オール、シンナミルアルコール、シトロネラル、クロチルアルコール又はcis-9-オクタデセン-1-オールである。しかし、多塩基カルボン酸、例えばマロン酸、酒石酸、トリメリット酸、フタル酸、テレフタル酸、クエン酸又はコハク酸と一価の不飽和アルコールとをエステル化することも可能である。
【0048】
さらに好適な架橋剤c)は、(メタ)アクリレートと異なる、不飽和カルボン酸、例えばオレイン酸、クロトン酸、桂皮酸又は10-ウンデセン酸と上記の多価アルコールとのエステルである。
【0049】
架橋剤c)として好適なのは、さらに、脂肪族炭化水素の場合は共役であってはならない少なくとも二つの二重結合を有する直鎖又は分枝、線状又は環状の脂肪族又は芳香族炭化水素、例えば、200〜20000の分子量を有するジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、4-ビニル-1シクロヘキセン、トリビニルシクロヘキサン又はポリブタジエンである。
【0050】
やはり架橋剤c)として好適なのは、少なくとも二官能性アミンのアクリルアミド、メタクリルアミド及びN-アリルアミンである。そのようなアミンは、例えば、1,2-ジアミノエタン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,12-ドデカンジアミン、ピペラジン、ジエチレントリアミン又はイソホロンジアミンである。同様に好適なのは、アリルアミンと不飽和カルボン酸、例えば、上記したアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸又は少なくとも二塩基性カルボン酸などとのアミドである。
【0051】
やはり架橋剤c)として好適なのは、トリアリルアミン及びトリアリルモノアルキルアンモニウム塩、例えば、トリアリルメチルアンモニウムクロリド又はメチルスルフェートである。
【0052】
やはり好適なのは、尿素誘導体、少なくとも二官能性アミド、シアヌレート又はウレタン、例えば、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素又は酒石酸ジアミドのN-ビニル化合物、例えば、N,N’-ジビニルエチレン尿素又はN,N’-ジビニルプロピレン尿素である。
【0053】
さらに好適な架橋剤c)は、ジビニルジオキサン、テトラアリルシラン又はテトラビニルシランである。
【0054】
前述の化合物c)の混合物も当然使用することができる。
【0055】
非常に特に好ましい架橋剤c)は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、メチレンビスアクリルアミド、N,N’-ジビニルエチレン尿素、トリアリルアミン及びトリアリルモノアルキルアンモニウム塩である。
【0056】
塩基性モノマーd)
コポリマー組成物A)を調製するのに使用するモノマー組成物は、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのカチオン生成及び/又はカチオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物d)をさらに含むことができる。
【0057】
成分d)は、重合に使用する化合物の総重量に対して、0.1〜50重量%、特に好ましくは0.2〜25重量%の量で使用することが好ましい。
【0058】
コポリマー組成物A)中に存在するコポリマーは、アニオン生成及び/又はアニオン基を過剰に有することが好ましい。したがって、モノマーd)を使用する場合、モノマーd)は、A)中のコポリマーが、カチオン生成/カチオン基と比較してモル過剰のアニオン生成/アニオン基を有するような、少なくとも5:1、好ましくは少なくとも10:1の量であることが好ましい。
【0059】
成分d)のカチオン生成及び/又はカチオン基は、窒素含有基、例えば、第一級、第二級及び第三級アミノ基、さらには第四級アンモニウム基などであることが好ましい。窒素含有基は、第三級アミノ基又は第四級アンモニウム基であることが好ましい。荷電カチオン基は酸又はアルキル化剤を用いたプロトン化又は四級化により、アミン窒素から生成することができる。これらとしては、例えば、乳酸などのカルボン酸、又はリン酸、硫酸及び塩酸などの鉱酸、又はアルキル化剤としてC1〜C4アルキルハライド若しくはスルフェート、例えば、塩化エチル、臭化エチル、塩化メチル、臭化メチル、硫酸ジメチル及び硫酸ジエチルなどが挙げられる。プロトン化又は四級化は、通常、重合の前又は後に実施することができる。
【0060】
成分d)は、α,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とアミン窒素でモノ又はジアルキル化し得るアミノアルコールとのエステル、α,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸と少なくとも一つの第一級又は第二級アミノ基を有するジアミンとのアミド、N,N-ジアリルアミン、N,N-ジアリル-N-アルキルアミン及びそれらの誘導体、ビニル及びアリル置換窒素複素環、ビニル及びアリル置換ヘテロ芳香族化合物、並びにそれらの混合物から選択することが好ましい。
【0061】
好ましい化合物d)は、α,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とアミノアルコールとのエステルである。好ましいアミノアルコールは、アミン窒素でC1〜C8モノ又はジアルキル化されたC2〜C12アミノアルコールである。これらのエステルの酸成分として好適なのは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、モノブチルマレイン酸及びそれらの混合物である。酸成分としてアクリル酸、メタクリル酸及びそれらの混合物を優先的に使用する。
【0062】
好ましいモノマーd)は、N-メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-(n-プロピル)アミノエチル(メタ)アクリレート、N-(tert-ブチル)アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート及びN,N-ジメチルアミノシクロヘキシル(メタ)アクリレートである。
【0063】
N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート及びそれらの混合物を特に優先する。好ましいモノマーd)は、特に前述の化合物の四級化製品でもある。
【0064】
一つの非常に特定の実施形態において、成分d)は、塩化メチル又は硫酸ジメチルを用いて四級化されたN,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート又はN,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのみからなる。
【0065】
好ましいモノマーd)は、N,N-ジアリルアミン及びN,N-ジアリル-N-アルキルアミン並びにそれらの酸付加塩及び四級化物でもある。本明細書におけるアルキルは、好ましくはC1〜C24アルキルである。N,N-ジアリル-N-メチルアミン及びN,N-ジアリル-N,N-ジメチルアンモニウム化合物、例えば、塩化物及び臭化物などを優先する。N,N-ジアリル-N-メチルアンモニウムクロリド(DADMAC)を特に優先する。
【0066】
好適なモノマーd)は、前述のα,β-エチレン性不飽和モノ又はジカルボン酸と少なくとも一つの第一級又は第二級アミノ基を有するジアミンとのアミドでもある。一つの第三級及び一つの第一級又は第二級アミノ基を有するジアミンを優先する。
【0067】
好ましいモノマーd)は、例えば、N-[tert-ブチルアミノエチル](メタ)アクリルアミド、N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)ブチル]アクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)ブチル]メタクリルアミド、N-[2-(ジエチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]アクリルアミド及びN-[4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]メタクリルアミドである。
【0068】
一つの好適な実施形態において、成分d)は、ビニル置換ヘテロ芳香族化合物として少なくとも一種のN-ビニルイミダゾール化合物を含む。一つの特定の実施形態において、成分d)は、N-ビニルイミダゾール化合物及び少なくとも一種のN-ビニルイミダゾール化合物を含む混合物から選択される。
【0069】
好適なN-ビニルイミダゾール化合物は、式
【化1】

【0070】
(式中、R1〜R3は、互いに独立に、水素、C1〜C4アルキル又はフェニルである。R1〜R3は水素であることが好ましい)
の化合物である。
【0071】
やはり好適なのは、一般式(I)
【化2】

【0072】
(式中、R1〜R3は、互いに独立に、水素、C1〜C4アルキル又はフェニルである)
のN-ビニルイミダゾール化合物である。
【0073】
一般式(I)の化合物の例は、以下の表1で示す。
【表1】

【0074】
モノマーd)については、1-ビニルイミダゾール(N-ビニルイミダゾール)及びN-ビニルイミダゾールを含む混合物を優先する。
【0075】
好適なモノマーd)は、前述のN-ビニルイミダゾール化合物のプロトン化又は四級化により得ることができる化合物でもある。そのような荷電モノマーd)の例は、四級化ビニルイミダゾール、特に3-メチル-1-ビニルイミダゾリウムクロリド、メトスルフェート及びエトスルフェートである。好適な酸及びアルキル化剤は、先に列挙したものである。
【0076】
好適なモノマーd)は、ビニルイミダゾールと異なるビニル及びアリル置換窒素複素環、例えば、2-及び4-ビニルピリジン、2-及び4-アリルピリジン、並びにそれらの塩などでもある。
【0077】
モノマーe)
さらなる実施形態において、コポリマー組成物を調製するのに使用するモノマー組成物は、共重合形態で、一般式(II)
【化3】

【0078】
[式中、
基R4〜R6の一つは、式CH2=CR7(式中、R7=H又はC1〜C4アルキルである)の基であり、他の基R4〜R6は、互いに独立に、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘタリールであり、
R4及びR5は、また、それらが結合したアミド基と共に、5〜8個の環原子を有するラクタムでもよく、
R5及びR6は、また、それらが結合した窒素原子と共に、5〜7員複素環でもよい
(ただし、基R4、R5及びR6の炭素原子の和は最大で8である)]
の少なくとも一種のさらなるアミド基含有モノマーe)をさらに含むことができる。
【0079】
アミド基のカルボニル炭素原子の他に、成分e)の化合物は、最大で7個のさらなる炭素原子をさらに有することが好ましい。
【0080】
成分e)の化合物は、α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸の第一級アミド、飽和モノカルボン酸のN-ビニルアミド、N-ビニルラクタム、α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸のN-アルキル及びN,N-ジアルキルアミド並びにそれらの混合物から選択することが好ましい。
【0081】
好ましいモノマーe)は、例えば、一種又は複数のC1〜C6アルキル置換基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等を有することができるN-ビニルラクタム及びそれらの誘導体である。これらとしては、例えば、N-ビニルピロリドン、N-ビニルピペリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニル-5-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-エチル-2-ピペリドン、N-ビニル-7-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-7-エチル-2-カプロラクタム等が挙げられる。
【0082】
N-ビニルピロリドン及び/又はN-ビニルカプロラクタムを特に優先的に使用する。
【0083】
好適なモノマーe)は、アクリルアミド及びメタクリルアミドでもある。
【0084】
アミド基のカルボニル炭素原子の他に最大で7個のさらなる炭素原子を有する、好適なα,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸のN-アルキル及びN,N-ジアルキルアミドは、例えば、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-(n-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N-tert-ブチル(メタ)アクリルアミド、n-ペンチル(メタ)アクリルアミド、n-ヘキシル(メタ)アクリルアミド、n-ヘプチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、ピペリジニル(メタ)アクリルアミド、モルホリニル(メタ)アクリルアミド及びそれらの混合物である。
【0085】
モノマーe)として好適な開鎖N-ビニルアミド化合物は、例えば、N-ビニルホルムアミド、N-ビニル-N-メチルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニルプロピオンアミド、N-ビニル-N-メチルプロピオンアミド、N-ビニルブチルアミド及びそれらの混合物である。N-ビニルホルムアミドを優先的に使用する。
【0086】
成分e)は、重合に使用するモノマーの総重量に対して、0.1〜50重量%、特に好ましくは1〜40重量%の量で使用することが好ましい。
【0087】
モノマーf)
さらなる実施形態において、コポリマー組成物を調製するのに使用するモノマー組成物は、共重合形態で、式(IIIa)又は(IIIb)の基
【化4】

【0088】
[式中、
#は、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合を有する基に対する結合部位であり、化合物(IIIa)において、#は、式CH2=CR7(式中、R7=H又はC1〜C4アルキルである(=モノマーe))の基に対する結合部位ではなく、
RaはH又はC1〜C4アルキルであり、
RbはH又はC1〜C4アルキルであるか、又は
Ra及びRbは共に(CH2)1〜4である]
を有する少なくとも一種のさらなるモノマーf)をさらに含むことができる。
【0089】
モノマーf)は、式(IIIa.1)又は(IIIb.1)
【化5】

【0090】
の基を有するモノマーから選択することが好ましい。
【0091】
好ましいモノマーf)は、式:
【化6】

【0092】
の化合物である。
【0093】
尿素基を有する好適なモノマーf)は、例えば、N-ビニル又はN-アリル尿素又はイミダゾリジン-2-オンの誘導体である。これらとしては、N-ビニル及びN-アリルイミダゾリジン-2-オン、N-ビニルオキシエチルイミダゾリジン-2-オン、N-(2-(メタ)アクリルアミドエチル)イミダゾリジン-2-オン、N-(2-(メタ)アクリルオキシエチル)イミダゾリジン-2-オン(=2-ウレイド(メタ)アクリレート)、N-[2-((メタ)アクリルオキシアセトアミド)エチル]イミダゾリジン-2-オン等が挙げられる。
【0094】
尿素基を有する好ましいモノマーf)は、N-(2-アクリルオキシエチル)イミダゾリジン-2-オン及びN-(2-メタクリルオキシエチル)イミダゾリジン-2-オンである。N-(2-メタクリルオキシエチル)イミダゾリジン-2-オン(2-ウレイドメタクリレート、UMA)を特に優先する。
【0095】
成分f)は、重合に使用するモノマーの総重量に対して、0.1〜20重量%、特に好ましくは0.5〜10重量%の量で使用することが好ましい。
【0096】
モノマーg)
さらなる実施形態において、コポリマー組成物を調製するのに使用するモノマー組成物は、共重合形態で、α,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とC1〜C7アルカノールとのエステル、α,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とC2〜C30ジオールとのエステル、α,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸と第一級又は第二級アミノ基を有するC2〜C30アミノアルコールとのアミド、並びにそれらの混合物から選択される少なくとも一種のさらなるモノマーg)をさらに含むことができる。
【0097】
好適なα,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とC1〜C7アルカノールとのエステルは、例えば、メチル(メタ)アクリレート、メチルエタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、エチルエタクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチルエタクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘプチル(メタ)アクリレート等である。好ましいモノマーf)は、α,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とC1〜C3アルカノールとのエステル、特にメチルメタクリレートである。
【0098】
好適な追加のモノマーg)は、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルエタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシブチルアクリレート、3-ヒドロキシブチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、6-ヒドロキシヘキシルアクリレート、6-ヒドロキシヘキシルメタクリレート、3-ヒドロキシ-2-エチルヘキシルアクリレート及び3-ヒドロキシ-2-エチルヘキシルメタクリレートでもある。
【0099】
好適な追加のモノマーg)は、2-ヒドロキシエチルアクリルアミド、2-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、2-ヒドロキシエチルエタクリルアミド、2-ヒドロキシプロピルアクリルアミド、2-ヒドロキシプロピルメタクリルアミド、3-ヒドロキシプロピルアクリルアミド、3-ヒドロキシプロピルメタクリルアミド、3-ヒドロキシブチルアクリルアミド、3-ヒドロキシブチルメタクリルアミド、4-ヒドロキシブチルアクリルアミド、4-ヒドロキシブチルメタクリルアミド、6-ヒドロキシヘキシルアクリルアミド、6-ヒドロキシヘキシルメタクリルアミド、3-ヒドロキシ-2-エチルヘキシルアクリルアミド及び3-ヒドロキシ-2-エチルヘキシルメタクリルアミドでもある。
【0100】
成分g)は、重合に使用するモノマーの総重量に対して、0.1〜25重量%、特に好ましくは0.5〜20重量%の量で使用することが好ましい。
【0101】
モノマーh)
成分a)〜g)と異なりそれらと共重合可能な少なくとも一種のモノマーh)は、本発明によるコポリマー組成物A)を調製するために追加的に使用することができる。
【0102】
好適な化合物h)は、一般式IVa)、IVb)、IVc)、IVd)及びIVe)
【化7】

【0103】
[式中、
アルキレンオキシド単位の順番は任意であり、
k及びlは、互いに独立に、0〜1000の整数であり、kとlとの和は少なくとも5であり、
化合物(IVa)におけるR8は、水素又はC1〜C4アルキル、好ましくはメチルであり、化合物(IVc)におけるR8は、水素又はC1〜C8アルキルであり、
化合物(IVa)、(IVb)及び(IVe)におけるR9は、C8〜C30アルキル又はC8〜C30アルケニルであり、化合物(IVc)及び(IVd)におけるR9は、水素、C1〜C30アルキル、C2〜C30アルケニル又はC5〜C8シクロアルキルであり、
Xは、O又は式NR10(式中、R10は、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘタリールである)の基である]
の化合物から選択される。
【0104】
式IVa)(式中、XはOである)の好適なモノマーは、例えば、n-オクチル(メタ)アクリレート、1,1,3,3-テトラメチルブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ウンデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、アラキニル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、リグノセレニル(lignocerenyl)(メタ)アクリレート、セロチニル(cerotinyl)(メタ)アクリレート、メリッシニル(メタ)アクリレート、パルミトレイニル(palmitoleinyl)(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、リノリル(メタ)アクリレート、リノレニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート及びそれらの混合物である。
【0105】
式IVa)(式中、XはNR10である)の好適なモノマーは、例えば、n-オクチル(メタ)アクリルアミド、1,1,3,3-テトラメチルブチル(メタ)アクリルアミド、エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、n-ノニル(メタ)アクリルアミド、n-デシル(メタ)アクリルアミド、n-ウンデシル(メタ)アクリルアミド、トリデシル(メタ)アクリルアミド、ミリスチル(メタ)アクリルアミド、ペンタデシル(メタ)アクリルアミド、パルミチル(メタ)アクリルアミド、ヘプタデシル(メタ)アクリルアミド、ノナデシル(メタ)アクリルアミド、アラキニル(メタ)アクリルアミド、ベヘニル(メタ)アクリルアミド、リグノセレニル(メタ)アクリルアミド、セロチニル(メタ)アクリルアミド、メリッシニル(メタ)アクリルアミド、パルミトレイニル(メタ)アクリルアミド、オレイル(メタ)アクリルアミド、リノリル(メタ)アクリルアミド、リノレニル(メタ)アクリルアミド、ステアリル(メタ)アクリルアミド、ラウリル(メタ)アクリルアミド、N-メチル-N-(n-オクチル)(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジ(n-オクチル)(メタ)アクリルアミド及びそれらの混合物である。
【0106】
式IVb)の好適なモノマーは、例えば、n-オクチルビニルエーテル、1,1,3,3-テトラメチルブチルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、n-ノニルビニルエーテル、n-デシルビニルエーテル、n-ウンデシルビニルエーテル、トリデシルビニルエーテル、ミリスチルビニルエーテル、ペンタデシルビニルエーテル、パルミチルビニルエーテル、ヘプタデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、ノナデシルビニルエーテル、アラキニルビニルエーテル、ベヘニルビニルエーテル、リグノセレニルビニルエーテル、セロチニルビニルエーテル、メリッシニルビニルエーテル、パルミトレイニルビニルエーテル、オレイルビニルエーテル、リノリルビニルエーテル、リノレニルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル及びそれらの混合物である。
【0107】
式IVc)及びIVd)において、kは、好ましくは1〜500、特に3〜250の整数である。lは0〜100の整数であることが好ましい。
【0108】
式IVc)におけるR8は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル又はn-ヘキシル、特に水素、メチル又はエチルであることが好ましい。
【0109】
式IVc)及びIVd)におけるR9は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、1,1,3,3-テトラメチルブチル、エチルヘキシル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、トリデシル、ミリスチル、ペンタデシル、パルミチル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、アラキニル、ベヘニル、リグノセレニル、セロチニル、メリッシニル、パルミトレイニル、オレイル、リノリル、リノレニル、ステアリル、ラウリルであることが好ましい。
【0110】
式IVc)におけるXはO又はNHであることが好ましい。
【0111】
好適なポリエーテルアクリレートIVc)は、例えば、前述のα,β-エチレン性不飽和モノ及び/又はジカルボン酸及びそれらの酸塩化物、アミド及び無水物とポリエーテロール(polyetherol)との重縮合物である。好適なポリエーテロールは、エチレンオキシド、1,2-プロピレンオキシド及び/又はエピクロロヒドリンを出発分子(starter molecule)、例えば、水又は短鎖アルコールR9-OHなどと反応させることにより容易に調製することができる。アルキレンオキシドは、個別に、互いに交互に又は混合物として使用することができる。ポリエーテルアクリレートIVc)は、本発明に従って使用するポリマーの調製のためにそのまま又は混合中で使用することができる。
【0112】
好適なアリルアルコールアルコキシレートIVd)は、例えば、アリルクロリドと対応するポリエーテロールとのエーテル化物である。好適なポリエーテロールは、エチレンオキシド、1,2-プロピレンオキシド及び/又はエピクロロヒドリンを出発アルコールR9-OHと反応させることにより容易に調製することができる。アルキレンオキシドは、個別に、互いに交互に又は混合物として使用することができる。アリルアルコールアルコキシレートIVd)は、本発明に従って使用するポリマーの調製のためにそのまま又は混合中で使用することができる。
【0113】
好適なモノマーIVe)は、C8〜C30、好ましくはC8〜C22カルボン酸ビニルエステルである。これらとしては、例えば、n-オクチルビニルエステル、1,1,3,3-テトラメチルブチルビニルエステル、エチルヘキシルビニルエステル、n-ノニルビニルエステル、n-デシルビニルエステル、n-ウンデシルビニルエステル、トリデシルビニルエステル、ミリスチルビニルエステル、ペンタデシルビニルエステル、パルミチルビニルエステル、ヘプタデシルビニルエステル、オクタデシルビニルエステル、ノナデシルビニルエステル、アラキニルビニルエステル、ベヘニルビニルエステル、リグノセレニルビニルエステル、セロチニルビニルエステル、メリッシニルビニルエステル、パルミトレイニルビニルエステル、オレイルビニルエステル、リノリルビニルエステル、リノレニルビニルエステル、ステアリルビニルエステル、ラウリルビニルエステル及びそれらの混合物が挙げられる。
【0114】
一般式IVa)、IVb)、IVc)、IVd)及びIVe)の前述の化合物h)の代わり又は前述の化合物h)の他に、コポリマー組成物A)の調製のために、アルキレンオキシド基を有するウレタン(メタ)アクリレート、C1〜C7モノカルボン酸とビニルアルコール及びアリルアルコールとのエステル、C1〜C7アルキルビニルエーテル、ビニル芳香族、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、C2〜C8モノオレフィン、少なくとも二つの共役二重結合を有する非芳香族炭化水素基並びにそれらの混合物から選択されるさらに少なくとも一種の化合物h)を使用することができる。
【0115】
アルキレンオキシド基を有する好適なウレタン(メタ)アクリレートh)は、本明細書においてその全体を参照するDE 198 38 851(成分e2))に記載されている。
【0116】
好適な追加のモノマーh)は、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート及びそれらの混合物でもある。
【0117】
好適な追加のモノマーh)は、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、スチレン、α-メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン及びそれらの混合物でもある。
【0118】
前述のモノマーh)は、いずれの場合にも個別に又は任意の所望の形態で使用することができる。
【0119】
成分h)は、重合に使用するモノマーの総重量に対して、0〜20重量%の量で使用することが好ましい。追加のモノマーh)の好適な使用量は、重合に使用する化合物の総重量に対して、0.1〜10重量%、特に0.2〜5重量%の範囲内である。
【0120】
本発明による方法の第1の好ましい実施形態において、コポリマー組成物A)の調製のために、重合に使用するモノマーの総重量に対して、
- アクリル酸a)98〜99.9重量%、及び
- 少なくとも一種の架橋性化合物c)0.1〜2重量%
を使用する。
【0121】
本発明による方法のさらに好ましい実施形態において、コポリマー組成物A)の調製のために、重合に使用するモノマーの総重量に対して、
- アクリル酸a)93〜99.7重量%、
- フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのカチオン生成及び/又はカチオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物d)、好ましくはビニルイミダゾール0.2〜5重量%、及び
- 少なくとも一種の架橋性化合物c)0.1〜2重量%
を使用する。
【0122】
本発明による方法のさらに好ましい実施形態において、コポリマー組成物A)の調製のために、重合に使用するモノマーの総重量に対して、
- アクリル酸a)40〜99.4重量%、
- アクリル酸と異なる、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのアニオン生成及び/又はアニオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物b)0〜40重量%、
- 少なくとも一種の化合物g)及び/又はh)0.5〜20重量%、及び
- 少なくとも一種の架橋性化合物c)0.1〜2重量%
を使用する(ただし、モノマーa)及びb)の総重量は78〜99.4重量%である)。
【0123】
前述の実施形態の特定の変形例において、コポリマー組成物A)の調製のために、重合に使用するモノマーの総重量に対して、
- アクリル酸a)40〜99.4重量%、
- アクリル酸と異なる、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのアニオン生成及び/又はアニオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物b)0〜40重量%、
- C1〜C7アルキル(メタ)アクリレート、特にメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート及びそれらの混合物から選択される少なくとも一種のモノマーg)0〜20重量%、
- C8〜C22アルキル(メタ)アクリレート、C8〜C22アルキルビニルエーテル、C8〜C22アルキル基を末端基とするポリエーテル(メタ)アクリレート、C8〜C22アルキル基を末端基とするアリルアルコールアルコキシレート、C8〜C22カルボン酸ビニルエステル及びそれらの混合物から好ましくは選択される少なくとも一種の化合物h)0〜20重量%、及び
- 少なくとも一種の架橋性化合物c)0.1〜2重量%
を使用する(ただし、モノマーa)及びb)の総重量は78〜99.4重量%であり、モノマーg)とh)との和は0.5〜20重量%である)。
【0124】
二つの前述の実施形態において、メタクリル酸を成分b)として使用することが好ましい。α,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸とC1〜C7アルカノールとのエステルはメチルメタクリレートであることが好ましい。C18〜22アルキルポリエチレングリコールメタクリレート及びメチルメタクリレートの混合物は、Plex-6877-Oという名称で市販されている。C16-18アルキルポリエチレングリコールメタクリレート及びメタクリル酸の混合物は、Lutencryl AT 250という名称で市販されている。
【0125】
本発明による方法のさらに好ましい実施形態において、コポリマー組成物A)の調製のために、重合に使用するモノマーの総重量に対して、
- アクリル酸a)48〜99.4重量%、
- アクリル酸と異なる、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのアニオン生成及び/又はアニオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物b)0〜40重量%、
- a)及びe)の総重量に対して、好ましくはα,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とC8〜C30アルカノールとのエステルから選択される少なくとも一種の化合物e)0.5〜10重量%、及び
- 少なくとも一種の架橋性化合物c)0.1〜2重量%
を使用する(ただし、モノマーa)及びb)の総重量は88〜99.4重量%である)。
【0126】
前述の実施形態において、メタクリル酸は、成分b)として使用することが好ましい。
【0127】
本発明による方法のさらに好ましい実施形態において、コポリマー組成物A)の調製のために、重合に使用するモノマーの総重量に対して、
- アクリル酸a)40〜99.4重量%、
- アクリル酸と異なる、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのアニオン生成及び/又はアニオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物b)0〜40重量%、
- フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのカチオン生成及び/又はカチオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物d)、好ましくはビニルイミダゾール0〜5重量%、
- 少なくとも一種のアミド基含有化合物e)、好ましくはビニルピロリドン及び/又はビニルカプロラクタム0.1〜30重量%、及び
- 少なくとも一種の架橋性化合物c)0.1〜2重量%
を使用する(ただし、モノマーa)及びb)の総重量は65〜99.8重量%である)。
【0128】
前述の実施形態の特定の変形例において、コポリマー組成物A)の調製のために、重合に使用するモノマーの総重量に対して、
- アクリル酸a)65〜98.7重量%、
- ビニルイミダゾール0.2〜5重量%、
- ビニルピロリドン及び/又はビニルカプロラクタム1〜30重量%、
- 少なくとも一種の架橋性化合物c)0.1〜2重量%
を使用する。
【0129】
グリセロールモノステアレートH1)
成分H1)は、重合に使用するモノマー100重量部に基づいて、0.1〜15重量部、特に好ましくは0.3〜10重量部の量で使用することが好ましい。
【0130】
補助剤H2)
成分H2)は、重合に使用するモノマー100重量部に基づいて、0.1〜15重量部、特に好ましくは0.3〜10重量部の量で使用することが好ましい。
【0131】
補助剤H2)として好適な非イオン乳化剤は、
- アルコキシル化第一級C8〜C30アルコール、
- C8〜C30カルボン酸と多価アルコールとのエステル及びそれらのアルコキシレート、
- アルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、
- アミンオキシド、
- 脂肪酸アルカノールアミド、
- ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、
- 前述の乳化剤の混合物
から選択することが好ましい(ただし、それらは4〜10の範囲のHLB値を有する)。
【0132】
H2)として好適なアルコキシル化第一級アルコールは、10〜22個の炭素原子、特に好ましくは12〜20個の炭素原子を有することが好ましい。それらは、アルコール1モル当たり1〜50、特に好ましくは1〜30、例えば、2〜20モルなどのアルキレンオキシドを用いてアルコキシル化することが好ましい。アルコキシル化のために、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド及びそれらの混合物を使用することが可能である。エチレンオキシド(EO)を優先する。それらは、好ましくは線状又は分枝アルキル又はアルケニル基を有するアルコールであり、後者は二つ以上の非隣接二重結合(nonadjacent double bond)も有し得る。アルコール基が線状又は2位でメチル分枝であるアルコール、並びに/或いはオキソアルコール基中に通常存在するような線状及びメチル分枝基を有するアルコール混合物を優先する。アルコキシレート、具体的には天然由来のアルコールとのエトキシレート、さらにはオキソアルコールアルコキシレート及びGuerbetアルコールアルコキシレートを特に優先する。これらとしては、特に、8〜30、好ましくは10〜22個の炭素原子を有し、天然脂肪酸を還元することにより得ることができるアルコール及びアルコール混合物、例えば、n-デカノール、ラウリンアルコール、ミリスチン(myristic)アルコール、セチルアルコール、ステアリンアルコール、オレインアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール等のアルコキシレートが挙げられる。述べたアルコキシル化の程度は、いずれの場合にも、特定の製品についての整数でも分数でもよい統計的な平均値である。やはり好適なのは、狭い同族体分布を有するアルコキシル化アルコール(狭い範囲のエトキシレート、NRE)である。EO及びPO基を分子中に一緒に含有するアルコキシル化アルコールを使用することも可能である。これに関連して、EO-POブロック単位又はPO-EOブロック単位を有するブロックコポリマーを使用することが可能であるが、EO-PO-EOコポリマー又はPO-EO-POコポリマーも可能である。H2)として、EO及びPO単位がブロック様ではなくランダムに分布している混合アルコキシル化第一級アルコールを使用することも当然可能である。そのような製品は、例えば、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドを第一級アルコールに対して同時に作用させることにより得ることができる。
【0133】
補助剤H2)として好適なC8〜C30カルボン酸と多価アルコールとのエステルは、好ましくはアルキル又はアルケニル基中に8〜30個の炭素原子、好ましくは10〜22個の炭素原子、特に10〜18個の炭素原子を有する線状又は分枝の飽和又は一価若しくは多価不飽和カルボン酸、例えば、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノレイン酸、リノレン酸、アラキドン酸及びそれらの混合物などに由来する。ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸を優先する。
【0134】
好適な多価アルコールは、好ましくは少なくとも3個の炭素原子及び少なくとも3個の(エステル化可能な)ヒドロキシル基を有する直鎖、分枝又は炭素環式の飽和又は不飽和炭化水素化合物から選択される。本明細書における不飽和炭化水素化合物は、1以上、好ましくは1、2又は3個のC-C二重結合を有することができる。そのようなポリオールの混合物は同様に使用することができる。ポリオールは、特に3〜30個の炭素原子及び3〜10個のヒドロキシル基を有する直鎖又は分枝飽和炭化水素である。使用することができる好ましいポリオールの例は、グリセロール、ジ、トリ及びポリグリセロール、低分子量の部分的又は完全に加水分解されたポリビニルアセテート、1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、D、L及びメソ-エリスリトール、D及びL-アラビトール、アドニトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、イノシトール及びそれらの混合物である。
【0135】
補助剤H2)としてやはり好適なのは、C8〜C30カルボン酸と多価アルコールとのエステルのアルコキシレートである。アルコキシル化は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシドを用いて実施することができる。ブロックコポリマー又はランダムコポリマーが存在し得る。それらは、通常、アルコール1モル当たり、1〜50モル、好ましくは2〜30モルの少なくとも一種のアルキレンオキシドを含む。好ましいアルキレンオキシドはエチレンオキシドである。
【0136】
補助剤H2)として使用することができ、使用することが好ましい非イオン界面活性剤のさらなる種類は、例えば、日本特許出願JP 58/217598に記載されている、又は好ましくは国際特許出願WO-A-90/13533に記載の方法により調製される、好ましくはアルキル鎖中に1〜4個の炭素原子を有するアルコキシル化、好ましくはエトキシル化又はエトキシル化及びプロポキシル化脂肪酸アルキルエステル、特に脂肪酸メチルエステルである。
【0137】
補助剤H2)としてやはり好適なのは、アミンオキシド型の非イオン界面活性剤、例えばN-ココアルキル-N,N-ジメチルアミンオキシド及びN-タロー-アルキル-N,N-ジヒドロキシエチルアミンオキシド、さらには脂肪酸アルカノールアミドである。これらの非イオン界面活性剤の量は、エトキシル化脂肪アルコールの量未満、特にそれらの半分未満であることが好ましい。
【0138】
さらに好適な補助剤H2)は、式(2)、
【化8】

【0139】
[式中、
R16C(=O)は、6〜22個の炭素原子を有する脂肪族アシル基であり、
R17は、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル又はヒドロキシアルキル基であり、
[Z]は、3〜10個の炭素原子及び3〜10ヒドロキシル基を有する線状又は分枝ポリヒドロキシアルキル基である]
のポリヒドロキシ脂肪酸アミドである。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドは、通常、アンモニア、アルキルアミン又はアルカノールアミンを用いた還元糖の還元アミノ化及びその後の脂肪酸、脂肪酸アルキルエステル又は脂肪酸塩化物を用いたアシル化により得ることができる既知の物質である。
【0140】
ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの群は、式(3)
【化9】

【0141】
(式中、
R18は、7〜12個の炭素原子を有する線状又は分枝アルキル又はアルケニル基であり、
R19は、線状、分枝又は環状の、2〜8個の炭素原子を有するアルキレン基又は6〜8個の炭素原子を有するアリーレン基であり、
R20は、1〜8個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基又はアリール基又はオキシアルキル基であり、C1〜C4アルキル又はフェニル基が好ましく、
[Z]1は、アルキル鎖が少なくとも二つのヒドロキシル基で置換されている線状ポリヒドロキシアルキル基、又はこの基のアルコキシル化、好ましくはエトキシル化又はプロポキシル化誘導体である)
の化合物も含む。[Z]1は、糖、例えばグルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノース又はキシロースの還元アミノ化により得ることが好ましい。次いで、N-アルコキシ又はN-アリールオキシ置換化合物は、例えばWO-A-95/07331に従って、触媒としてのアルコキシドの存在下での脂肪酸メチルエステルとの反応により、所望のポリヒドロキシ脂肪酸アミドに変換することができる。
【0142】
補助剤H2)として好適な非イオン乳化剤は、具体的には(括弧の中はHLB値及び場合により商品名)、
ポリオキシエチレンソルビトールミツロウ誘導体(4.0、Atlas G-1727)、
プロピレングリコール脂肪酸エステル(4.1、Emcol PM-50)、
ソルビタンモノオレエート(4.3、Span 80)、
ソルビタンモノオレエート(4.3、Arlacel 80)、
プロピレングリコールモノラウレート(4.5、Atlas G-917)、
プロピレングリコールモノラウレート(4.5、Atlas G-3851)、
プロピレングリコール脂肪酸エステル(4.5、Emcol PL-50)、
ソルビタンモノステアレート(4.7、Span 60又はArlacel 60)、
ジエチレングリコールモノオレエート(4.7、Atlas G-2139)、
ジエチレングリコール脂肪酸エステル(4.7、Emcol DO-50)、
ジエチレングリコールモノステアレート(4.7、Atlas G-2146)、
ジエチレングリコール脂肪酸エステル(4.7、Emcol DS-50)、
ポリオキシエチレンソルビトールミツロウ誘導体(5.0、Atlas G-1702)、
ジエチレングリコール脂肪酸エステル(5.1、Emcol DP-50)、
ジエチレングリコール脂肪酸エステル(5.6、Emcol DM-50)、
ポリオキシエチレンソルビトールミツロウ誘導体(6.0、Atlas G-1725)、
ジエチレングリコールモノラウレート(6.1、Atlas G-2124)、
ジエチレングリコール脂肪酸エステル(6.1、Emcol DL-50)、
ジエチレングリコールモノラウレート(6.5、Glaurin)、
ソルビタンモノパルミテート(6.7、Span 40又はArlacel 40)、
ポリオキシエチレンジオレエート(7.5、Atlas G-2242)、
テトラエチレングリコールモノステアレート(7.7、Atlas G-2147)、
テトラエチレングリコールモノオレエート(7.7、Atlas G-2140)、
ポリオキシプロピレンマンニトールジオレエート(8.0、Atlas G-2800)、
ポリオキシエチレンソルビトールラノリンオレエート誘導体(8.0、Atlas G-1493)、
ポリオキシエチレンソルビトールラノリン誘導体(8.0、Atlas G-1425)、
ポリオキシプロピレンステアレート(8.0、Atlas G-3608)、
ソルビタンモノラウレート(8.6、Span 20又はArlacel 20)、
ポリオキシエチレン脂肪酸(9.0、Emulph又はVN-430)、
ポリオキシエチレンソルビトールミツロウ誘導体(9.0、Atlas G-1734)、
ポリ(オキシエチレン-オキシプロピレン)オレエート(9.0、Atlas G-2111)、
テトラエチレングリコールモノラウレート(9.4、Atlas G-2125)、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(9.5、Brij 30)、
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(9.6、Tween 61)、
ヘキサエチレングリコールモノステアレート(9.6、Atlas G-2154)、
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(10.0、Tween 81)、
及びそれらの混合物
である。
【0143】
補助剤H2)として特に好適な非イオン乳化剤は、COGNIS Care Chemicals社のDehymuls(登録商標)グレードである。これらとしては、
Dehymuls HRE 7(7モルのエチレンオキシドを用いてアルコキシル化された水添ヒマシ油)、
Dehymuls LE(PEG-30ジポリヒドロキシステアレート)、
Dehymuls E(高分子量脂肪酸エステル、脂肪酸塩及び油結合剤(oil-binding additive)の混合物、ジココイルペンタエリスリチルジステアリルシトレート及びソルビタンセスキオレエート及びミツロウ(白蝋)及びステアリン酸アルミニウム)、
Dehymuls K(ペトロラタム及びデシルオレエート及びジココイルペンタエリスリチルジステアリルシトレート及びソルビタンセスキオレエート及びマイクロクリスタリンワックス(マイクロワックス(cera microcrystallina))及び鉱物油及びミツロウ(白蝋)及びステアリン酸アルミニウム)、
Dehymuls PGPH(ポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアリン酸エステル)、
Dehymuls SML(ソルビタンモノラウレート)、
Dehymuls SMO(ソルビタンモノオレエート)、
Dehymuls SMS(ソルビタンモノステアレート)、
Dehymuls SSO(ソルビタンセスキオレエート)、
及びそれらの混合物
が挙げられる。
【0144】
補助剤H2)として特に好適な非イオン乳化剤は、ICI社のHypermer(登録商標)グレードでもある。これらとしては、
Hypermer LP6(高分子脂肪酸エステル(polymeric fatty acid ester)、分子量(MW)約4300)
Hypermer LP7
Hypermer B239(ポリヒドロキシ脂肪酸及びポリエチレンオキシドのブロックコポリマー、MW約3500)、
Hypermer B246(ポリヒドロキシ脂肪酸及びポリエチレンオキシドのブロックコポリマー、MW約7500)
Hypermer B261(ポリヒドロキシ脂肪酸及びポリエチレンオキシドのブロックコポリマー、MW約9600)
Hypermer 2234
Hypermer E-464(長い疎水性アルキレン鎖及び様々なイオン性/非イオン性親水性物質を有するコポリマー、MW約2300)
Hypermer IL2296
Hypermer A-109(脂肪酸又は長鎖アルキレン及びEOのブロックコポリマー)、
Hypermer A-409(脂肪酸又は長鎖アルキレン及びEOのブロックコポリマー)
が挙げられる。
【0145】
補助剤H2)として特に好適な水不溶性天然ワックスは、ミツロウ、ベリーワックス、コメ胚芽油ワックス(rice germ oil wax)、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、木蝋、アフリカハネガヤワックス、コルクワックス、グアルマ(guaruma)ワックス、サトウキビワックス、オーリキュリー(ouricury)ワックス、モンタンワックス、ホホバワックス、シアバター、セラックワックス、鯨蝋、ラノリン(羊毛蝋)、尾腺、セレシン及びオゾケライト(地蝋)である。
【0146】
成分H2)は、ミツロウを含む又はミツロウからなることが特に好ましい。
【0147】
ミツロウは、様々なC26〜C32アルコール、主にパルミチン酸、ヒドロキシパルミチン酸、α,β-ジヒドロキシパルミチン酸及びセロチン酸のエステル約70〜75重量%、遊離ワックス酸約14%、炭化水素約12%、脂肪酸エステル約1%、及び最大で1%の遊離ワックスアルコールの混合物である。好適なミツロウは市販されている。これらとしては、例えば、Kahl GmbH & Co. KG、D-22946 Trittau社から入手可能な以下のものが挙げられる。
【表2】

【0148】
成分H1)及びH2)は、合計で、重合に使用するモノマー100重量部に基づいて、0.2〜30重量部、特に好ましくは0.6〜20重量部の量で使用することが好ましい。
【0149】
追加の補助剤H3)
本発明による方法の特定の実施形態において、コポリマー組成物A)の調製のために、10超〜16の範囲のHLB値を有する非イオン乳化剤から選択される、追加的な少なくとも一種のさらなる補助剤H3)を使用する。成分H3)のHLB値は、好ましくは12〜14の範囲内である。
【0150】
補助剤H3)は、好ましくは水溶性である。
【0151】
成分H3)は、存在するならば、重合に使用するモノマー100重量部に基づいて、0.1〜15重量部、特に好ましくは0.3〜10重量部の量で使用することが好ましい。成分H1)及びH2)の量の合計は、H3)の量以上であることが好ましい。
【0152】
補助剤H3)として好適な非イオン乳化剤は、
- アルコキシル化第一級C8〜C30アルコール、
- C8〜C30カルボン酸と多価アルコールとのエステル及びそれらのアルコキシレート、
- アルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、
- アミンオキシド、
- 脂肪酸アルカノールアミド、
- ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、
- 前述の乳化剤の混合物
から選択することが好ましい(ただし、それらは、10超〜16の範囲のHLB値を有する)。
【0153】
補助剤H3)として好適な非イオン乳化剤は、具体的には(括弧の中はHLB値及び場合により商品名)、
混合脂肪酸及び樹脂酸のポリオキシエチレンエステル(10.2、Atlas G-1218)、
ポリオキシエチレンセチルエーテル(10.3、Atlas G-3806)、
ポリオキシエチレンソルビタントリスステアレート(10.5、Tween 65)、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(10.8、Atlas G-3705)、
ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート(11、Tween 85)、
ポリ(オキシエチレン-オキシプロピレン)オレエート(11、Atlas G-2116)、
ポリオキシエチレンラノリン誘導体(11、Atlas G-1790)、
ポリオキシエチレンモノオレエート(11.1、Atlas G-2142)、
ポリオキシエチレンモノステアレート(11.1、Myrj 45)、
ポリオキシエチレンモノオレエート(11.4、Atlas G-2141)、
ポリエチレングリコール(400)モノオレエート(11.4)、
ポリオキシエチレンモノパルミテート(11.6、Atlas G-2076)、
ポリオキシエチレンモノステアレート(11.6、S-541)、
ポリオキシエチレンモノラウレート(12.8、Atlas G-2127)、
ポリオキシエチレンアルキルフェノール(12.8、Igepal CA-630)、
ポリオキシエチレンソルビトールラノリン誘導体(13、Atlas G-1431)、
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル(13、Atlas G-1690)、
C10-Guerbetアルコールアルコキシレート(7 EO)(13、Lutensol(登録商標)XL 70)、
C10-Guerbetアルコールエトキシレート(7 EO)(13、Lutensol XP 70)、
ポリオキシエチレンモノラウレート(13.1、S-307)、
ポリエチレングリコール(400)モノラウレート(13.1)、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(13.1、Atlas G-2133)、
ポリオキシエチレンヒマシ油(13.3、Atlas G-1794)、
ポリオキシエチレン植物油(13.3、Emulphor EL-719)、
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(13.3、Tween 21)、
混合脂肪酸及び樹脂酸のポリオキシエチレンエステル(13.5、Renex 20)、
ポリオキシエチレンソルビトールラノリン誘導体(14、Atlas G-1441)、
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(14.9、Atlas G-7596J)、
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(14.9、Tween 60)、
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(15、Tween 80)、
ポリオキシエチレンモノステアレート(15.0、Myrj 49)、
ポリオキシエチレンモノオレエート(15.1、Atlas G-2144)、
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(15.3、Atlas G-3915)、
ポリオキシエチレンステアリルアルコール(15.3、Atlas G-3720)、
ポリオキシエチレンオレイルアルコール(15.4、Atlas G-3920)、
ポリオキシエチレン脂肪アルコール(15.4、Emulphor ON-870)、
ポリオキシエチレングリコールモノパルミテート(15.5、Atlas G-2079)、
ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(15.6、Tween 40)、
ポリオキシエチレンセチルアルコール(15.7、Atlas G-3820)、
ポリ(オキシエチレン-オキシプロピレン)ステアレート(15.7、Atlas G-2162)、
ポリオキシエチレンソルビトールラノリン誘導体(16.0、Atlas G-1471)、
ポリオキシエチレンモノステアレート(16.0、Myrj 51)
である。
【0154】
成分H3)は、少なくとも一種のポリ(オキシエチレン)ソルビタンモノラウレート、例えば、Tween(登録商標)20という商品名で市販されている20エチレンオキシド単位を有するポリ(オキシエチレン)ソルビタンモノラウレートを含むことが好ましい。
【0155】
沈殿重合
本発明によると、コポリマー組成物A)の調製は、沈殿重合法により実施する。この重合については、重合のための出発原料が可溶性であり、形成されるポリマーが不溶である溶媒を使用する。無水非プロトン性溶媒又は溶媒混合物を優先的に使用する。好適な溶媒は、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素; n-アルカン又はシクロヘキサンなどの脂肪族及び脂環式炭化水素;エチルアセテート又はブチルアセテートなどの酢酸のエステル;エーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル又はジエチレングリコールジメチルエーテルなど;アセトン又はメチルエチルケトンなどのケトン、並びにこれらの溶媒の混合物である。
【0156】
該重合は、シクロヘキサン及びエチルアセテートの混合物中で実施することが好ましい。シクロヘキサンとエチルアセテートとの比は、好ましくは60:40〜30:70の範囲内である。
【0157】
沈殿重合は、通常、20〜150℃、好ましくは40〜120℃、特に60〜100℃の温度で実施する。
【0158】
沈殿重合は、通常、1〜15バール、特に1〜6バールの圧力で実施する。加圧下で重合を実施しない場合、溶媒又は溶媒混合物の最大反応温度は、対応する沸点により決定する。
【0159】
ポリマーを調製するために、フリーラジカルを形成する開始剤の助けを借りてモノマーを重合することができる。
【0160】
使用することができるフリーラジカル重合のための開始剤は、この目的にとって慣習となっているペルオキソ及び/又はアゾ化合物、例えばアルカリ金属又はアンモニウムペルオキシジスルフェート、ジアセチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、スクシニルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、tert-ブチルペルベンゾエート、tert-ブチルペルピバレート、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルペルマレエート、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカルバメート、ビス(o-トルオイル)ペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジオクタノイルペルオキシド、tert-ブチルペルオクトエート、ジラウロイルペルオキシド、tert-ブチルペルイソブチレート、tert-ブチルペルアセテート、ジ-tertアミルペルオキシド、tert-ブチルヒドロペルオキシド、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)又は2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)である。
【0161】
やはり好適なのは、開始剤混合物又は酸化還元開始剤系、例えば、アスコルビン酸/鉄(II)スルフェート/ナトリウムペルオキソジスルフェート、tert-ブチルヒドロペルオキシド/ナトリウムジスルファイト、tert-ブチルヒドロペルオキシド/ナトリウムヒドロキシメタンスルフィネート、H2O2/CuIなどである。
【0162】
特別な実施形態において、本発明によるコポリマーの調製のために、少なくとも二種の相における本質的に独立的な開始を可能にする少なくとも二種のフリーラジカル開始剤を使用する。本明細書において、特に低い残留モノマー含量を有するコポリマーを実現することができる。次いで、共重合については、分解温度が互いに少なくとも10℃異なる少なくとも二種の開始剤を優先して使用する。本発明の文脈において、分解温度は、分子の50%が2.5時間以内に分解してフリーラジカルとなる温度と定義する。共重合は、この手順の場合、低い方の分解温度以上及び高い方の分解温度未満でのコポリマーの沈殿の終結まで実施し、沈殿後、高い方の分解温度以上の温度でさらなる反応を実施することが好ましい。
【0163】
本発明による方法は、好ましくは第1の重合温度での第1の重合段階及び第1の重合温度超の第2の重合温度での第2の重合段階を含み、重合のために、少なくとも二種の開始剤を使用し、それらの第1の重合温度での半減期が、第1の重合段階の間にこれらの開始剤の少なくとも一種が分解してフリーラジカルとなり、これらの開始剤の少なくとも一種が第1の重合段階の間に本質的に分解してフリーラジカルとならず、第2の重合段階の間に分解してフリーラジカルとなるように異なる。この手順の場合、第2の重合段階は、本質的にコポリマーの沈殿後に開始することが好ましい。「本質的に」コポリマーの沈殿後とは、コポリマーが、コポリマーの総重量に対して、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、特に少なくとも95重量%まで沈殿形態で存在することを意味するものと理解される。
【0164】
開始剤の半減期は、例えば、刊行物「Initiators for high polymers」、Akzo Nobel、10737番に記載されている、当業者に知られている慣習的な方法により決定することができる。第1の重合温度での第1の重合開始剤及び第2の重合温度での第2の重合開始剤の半減期は、約1分〜3時間、特に好ましくは5分〜2.5時間の範囲内であることが好ましい。所望であれば、高い方の温度で分解する開始剤が本質的に第2の重合段階の間に分解してフリーラジカルとなることが確実であるならば、より短い半減期、例えば、1秒〜1分又は3時間より長い半減期を使用することも可能である。
【0165】
使用する開始剤系は、互いの分解温度が少なくとも15℃異なる少なくとも二種の開始剤を含むことが好ましい。低い方の温度で分解する開始剤は、好ましくは50〜100℃の分解温度を有する。高い方の温度で分解する開始剤は、好ましくは80〜150℃の分解温度を有する。
【0166】
一般に、沈殿重合は、最大で約25%の固形分で実施することができる。15〜22%の範囲を優先する。補助剤H1)、H2)及び場合によりH3)を使用することにより、通常、さらなる保護コロイドの使用を省くことが可能である。しかし、所望であれば、本発明による方法において、H1)、H2)及びH3)と異なる保護コロイドをさらに使用することができる。使用する溶媒に容易に溶解してモノマーと反応しない、既知の保護コロイドポリマーが適している。好適なポリマーは、例えば、マレイン酸と8〜20個の炭素原子を有するビニルアルキルエーテル及び/又はオレフィンとのコポリマー或いは対応するマレイン酸半エステルとC10〜C20アルコールとのコポリマー或いはマレイン酸とC10〜C20アルキルアミンとのモノ及びジアミド、並びに1〜20個の炭素原子を保持するアルキル基を有するポリビニルアルコールエーテル、さらにはポリビニルメチル、エチル、イソブチル又はオクタデシルエーテルである。使用する保護コロイドポリマーの量は、通常、(使用するモノマーの総重量に対して)0.05〜4重量%、好ましくは0.1〜2重量%である。
【0167】
該重合は、最初に溶媒、補助剤H1)及びH2)及び場合により保護コロイドポリマーの一部を導入すること、加熱すること、並びに開始剤、モノマー及び架橋剤(いずれの場合にもおそらく同じ溶媒又は溶媒混合物中に溶解する)を添加することにより実施することができる。
【0168】
代替実施形態において、架橋剤c)は、最初に一部又は完全に導入することができる。最初にモノマー及び開始剤の一部(例えば、最大で50%、好ましくは最大で35%)を導入することも同様に可能である。次いで、初期投入量は、重合温度まで加熱することができ、反応の開始後、重合の進行に従って重合する混合物の残りを添加することができる。
【0169】
使用する架橋剤c)を最初に導入するのではなく、重合の過程で完全に添加することも同様に可能である。
【0170】
補助剤H1)及び/又はH2)は、最初に少なくとも部分的に重合の開始の前に導入することが好ましい。H1)及びH2)は、最初に完全に重合の開始の前に導入することが特に好ましい。
【0171】
少なくとも一種の補助剤H3)を使用する場合、モノマーの少なくとも90%が反応した後に添加することが好ましい。
【0172】
次いで、沈殿ポリマーは反応混合物から単離し、その目的のためには、従来の沈殿重合においてポリマーを単離する任意の一般的方法を使用することができる。そのような方法は、溶媒の濾過、遠心分離、蒸発又はこれらの方法の組合せである。
【0173】
コポリマー組成物は、所望であれば精製を施すことができる。このことは、例えば、非重合成分及び/又は補助組成物の少なくとも一部を除去するのに役立つ。一つの好ましい実施形態において、コポリマー組成物A)は、沈殿重合後に単離し、液体洗浄媒体による洗浄を施す。好適な洗浄媒体は、原則として、重合に適しているのと同じ溶媒である。しかし、ポリマーをより容易に乾燥させるために、低い沸点を有する溶媒、例えば、アセトンなどを使用することが望ましい。
【0174】
不純物を除去するために、コポリマー組成物A)は、洗浄媒体を用いた処理を1回又は複数回連続して施すことができる。このために、好適な装置中で、コポリマー組成物を洗浄媒体と緊密に接触させ、次いで、洗浄媒体をコポリマー組成物から分離する。好適な装置は、例えば、撹拌反応器である。これに関連して、洗浄媒体を用いた処理は、重合にも使用する容器中で実施することができる。コポリマー及び洗浄媒体の分離は、例えば、濾過又は遠心分離により実施する。速度を上げるために、濾過は、ポリマー側で加圧下で、又は排出側で減圧下で実施することができる。
【0175】
コポリマー組成物
本発明は、上記の方法により得ることができるコポリマー組成物A)をさらに提供する。
【0176】
沈殿重合の間に得られるポリマー粒子の他に、本発明によるコポリマー組成物A)は、少なくとも一種のさらなる成分を含むことができる。これは、補助剤H1)及び/又はH2)の少なくとも一種を含む。補助剤H1)及び/又はH2)は、所望であれば、例えば、少なくとも一種の前記の洗浄ステップにより、コポリマー組成物A)から部分的又は完全に除去することができる。
【0177】
本発明によるコポリマー組成物A)の調製のために、少なくとも一種の補助剤H3)を使用するならば、A)は、さらなる成分として補助剤H3)を含むことができる。したがって、特別な実施形態は、少なくとも一種の成分H3)を含むコポリマー組成物A)である。次いで、A)は、コポリマー組成物A)の総重量に対して、0.01〜15重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%の量で少なくとも一種の成分H3)を含むことが好ましい。補助剤H3)は、例えば、溶解速度の増加又はダスト形成の減少を通して、コポリマー組成物A)の用途に関係する性質(application-related property)に対する有利な作用を有することができる。
【0178】
補助剤H1)、H2)及び/又はH3)は、例えば、非常に易流動性ではない製品を改善すること、又は粒径、分子量、形態等を調節することにより、一種又は複数の他のコポリマー組成物A)の用途に関係する性質に対する有利な作用を有することもできる。
【0179】
補助剤H1)、H2)及び/又はH3)は、コポリマー組成物A)の一種又は複数の他の配合物の用途に関係する性質に対する有利な作用を有することもできる。したがって、例えば、これらの補助組成物の少なくとも一種の存在により、A)を配合したゲルの透明度に対する有利な作用がもたらされ得る。
【0180】
本発明によるコポリマー組成物A)及びその中に存在するコポリマーは、それらのpH依存性溶解度を特徴とする。
【0181】
コポリマー組成物A)中に存在するコポリマーのアニオン生成基(酸基)は、塩基を用いて部分的又は完全に中和することができる。ポリマーの中和に使用することができる塩基は、アルカリ金属塩基、例えば、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸水素カリウムなど、及びアルカリ土類金属塩基、例えば、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム又は炭酸マグネシウムなど、さらにはアミンである。好適なアミンは、例えば、C1〜C6アルキルアミン、好ましくはn-プロピルアミン及びn-ブチルアミン、ジアルキルアミン、好ましくはジエチルプロピルアミン又はジプロピルメチルアミン、トリアルキルアミン、好ましくはトリエチルアミン及びトリイソプロピルアミンである。アミノアルコール、例えば、トリエタノールアミンなどのトリアルカノールアミン、メチル又はエチルジエタノールアミンなどのアルキルジアルカノールアミン、及びジメチルエタノールアミンなどのジアルキルアルカノールアミン、及び2アミノ-2-メチル-1-プロパノールを優先する。酸基の中和は、二種以上の塩基の混合物の助けを借りて実施することもできる。中和は、意図した用途に応じて部分的又は完全に実施することができる。
【0182】
コポリマー組成物A)中に存在するコポリマーを両方とも四級化し中和するならば、四級化を最初に実施し、次いで中和を実施することが好ましい。
【0183】
コポリマー組成物A)中に存在するコポリマーは、水性組成物のレオロジー特性を調整するのに有利に適している。これらは、例えば、水性活性成分又は有効物質組成物でもよい。これらは、かなり一般に、例えば、化粧品組成物、医薬組成物、衛生用品、コーティング、製紙工業、さらには織物工業のための組成物でもよい。
【0184】
一つの好ましい実施形態において、該組成物は、少なくとも一種の水溶性又は少なくとも水分散性活性成分又は有効物質を含む。コポリマー組成物A)中に存在するコポリマーは、当然、少なくとも一種の水不溶性(疎水性)活性成分又は有効物質を含む組成物のレオロジー特性を調整するのに使用するのにやはり適している。
【0185】
本発明の文脈において、「レオロジー特性の調整」とは、広い意味で理解される。コポリマー組成物A)中に存在するコポリマーは、通常、広範囲の水性組成物のコンシステンシーを増粘するのに適している。液体組成物の基本的コンシステンシーに応じて、希薄液体から固体(「もはや流動性ではない」という意味)の範囲の流動性は、通常、コポリマーの使用量に応じて実現することができる。したがって、「レオロジー特性の調整」とは、とりわけ、液体の粘度の増加、ゲルのチキソトロピー性質の改善、ゲル及びワックスの凝固等を意味するものと理解される。本発明による組成物は、水性化粧品及び医薬品の配合に適していることが好ましい。コポリマーA)の組成物は、通常清澄であることが好ましい。したがって、配合物、特に化粧品配合物は、該組成物の固有色からの損傷なしで有利に着色することができる。さらに、該組成物は、清澄なゲルの形態で配合することができる。
【0186】
本発明による補助系の存在下で調製するコポリマー組成物A)は、有利なレオロジー特性を全体的に特徴とする。レオロジー調整性質は、コポリマー組成物A)を調製するのに使用するモノマーの型及び使用量を介してさらに調節することができる。このことは、使用する架橋剤c)の型及び量に特に当てはまる。このことは、特に、A)を調製するためにおける表面活性モノマー、例えば、ポリエーテルアクリレートIVc)又はアリルアルコールアルコキシレートIVd)などの使用にさらに当てはまる。
【0187】
コポリマー組成物A)の0.2%重量濃度水溶液は、通常、7000〜20000mPasの範囲の粘度(Brookfield粘度計により23℃及び100s-1で測定した値)を有する。
【0188】
コポリマー組成物A)の0.5%重量濃度水溶液は、通常、28000〜60000mPasの範囲の粘度(Brookfield粘度計により23℃及び100s-1で測定した値)を有する。
【0189】
コポリマー組成物A)は、均一相水性組成物の調製、さらには少なくとも一種の水不溶性(疎水性)液体又は固体化合物をさらに含む不均一相組成物の配合の両方に適している。「均一相組成物」は、それらの成分の数に関係なく単一の相しか有さない。「不均一相組成物」は、互いに混和しない二種以上の成分の分散系である。これらとしては、分散体及びエマルジョンなどの固体/液体、液体/液体及び固体/液体/液体組成物、例えば、不混和相として以下により詳細に記載している油及び/又は脂肪成分の少なくとも一種及び水を有するO/W及びW/O配合物などが挙げられる。原則として、コポリマーA)は、水相或いは油相中で使用することができる。一般に、不均一相液体/液体組成物は、コポリマーA)を本質的に水相中に含む。
【0190】
本発明によるコポリマー組成物A)は、かなり一般に、
A)先に定義した少なくとも一種のコポリマー組成物、
B)少なくとも一種の活性成分又は有効物質、及び
C)場合により、A)及びB)と異なる、少なくとも一種のさらなる補助剤
を含む活性成分又は有効物質組成物の調製に適している。
【0191】
化粧品(例えば、頭髪及び皮膚用化粧品)、薬物、衛生用組成物、織物処理用組成物(textile treatment composition)等のための活性成分、すなわち、通常、低い濃度でさえ作用を起こす物質、例えば、皮膚及び/又は頭髪に対する化粧品作用、生物における薬理作用、洗浄及び/又は消毒作用、織物材料の変性、例えば、シワ無し仕上げ(crease-free finishing)、並びに生物又は無生物基質に特定の性質を付与する有効物質、例えば化粧のための着色顔料又はエマルジョン塗料は、水性活性成分又は有効物質組成物の形態で配合し使用することが多い。
【0192】
本発明による活性成分及び有効物質組成物は、該組成物の総重量に対して、0.01〜50重量%、特に好ましくは0.05〜30重量%、特に0.1〜20重量%の量でポリマー成分A)を含むことが好ましい。使用量が少なくても、本発明によるコポリマー組成物は、良好な用途に関係する性質、例えば、良好な増粘作用を有利に示す。特定の実施形態において、本発明による活性成分及び有効物質組成物は、該組成物の総重量に対して0.1〜5重量%の量でポリマー成分A)を含む。
【0193】
成分B)及びC)は、該組成物の所望の使用分野に従って選択される。使用分野に一般的な成分(例えば、特定の医薬活性成分)の他に、それらは、例えば、担体、賦形剤、乳化剤、界面活性剤、保存剤、芳香剤、成分A)と異なる増粘剤、ポリマー、ゲル形成剤、染料、顔料、光保護剤、コンシステンシー調整剤、抗酸化剤、消泡剤、帯電防止剤、樹脂、溶媒、溶解促進剤、中和剤、安定剤、滅菌剤、噴射剤、乾燥剤、乳白剤等から選択される。
【0194】
該組成物は、水、水と異なる親水性担体及びそれらの混合物から選択される担体成分C)を有することが好ましい。
【0195】
好適な親水性担体C)は、例えば、1〜8個の炭素原子を有する一、二又は多価アルコール、例えば、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール等であることが好ましい。
【0196】
本発明による組成物は、活性成分として、例えば、化粧品及び/又は医薬活性成分B)として(さらには場合により補助組成物C)として)、本発明によるコポリマー組成物A)とは異なる少なくとも一種のポリマーを含むことができる。これらとしては、かなり一般に、アニオン性、カチオン性、両性及び中性ポリマーが挙げられる。
【0197】
アニオン性ポリマーの例は、アクリル酸とアクリルアミド及びそれらの塩とのコポリマー;ポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩、水溶性又は水分散性ポリエステル、ポリウレタン、例えば、BASF社のLuviset PUR(登録商標)、並びにポリ尿素である。特に好適なポリマーは、t-ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メタクリル酸のコポリマー(例えば、Luvimer(登録商標)100P)、エチルアクリレートとメタクリル酸とのコポリマー(例えば、Luvimer(登録商標)MAE)、N-tert-ブチルアクリルアミド、エチルアクリレート、アクリル酸のコポリマー(Ultrahold(登録商標)8、ストロング)、ビニルアセテート、クロトン酸及び場合によりさらなるビニルエステルのコポリマー(例えば、Luviset(登録商標)グレード)、場合によりアルコール、アニオン性ポリシロキサン、例えば、カルボキシ官能性のもの、t-ブチルアクリレート、メタクリル酸と反応させた無水マレイン酸コポリマー(例えば、Luviskol(登録商標)VBM)、アクリル酸及びメタクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、例えば、(メタ)アクリル酸のC4〜C30アルキルエステル、C4〜C30アルキルビニルエステル、C4〜C30アルキルビニルエーテル及びヒアルロン酸である。アニオン性ポリマーの一例は、Luviset(登録商標)Shape(INCI名:ポリアクリレート-22)という名称で入手可能なメチルメタクリレート/メタクリル酸/アクリル酸/ウレタンアクリレートコポリマーでもある。アニオン性ポリマーの例は、例えば、Resyn(登録商標)(National Starch)及びGafset(登録商標)(GAF)という名称で市販されているビニルアセテート/クロトン酸コポリマー、並びに、例えば、Luviflex(登録商標)(BASF)という商品名で入手可能なビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマーでもある。さらに好適なポリマーは、Luviflex(登録商標)VBM-35(BASF)という名称で入手可能なビニルピロリドン/アクリレートターポリマー及びナトリウムスルホネートを含有するポリアミド又はナトリウムスルホネートを含有するポリエステルである。やはり好適なのは、Stepan社によりStepanhold-Extra及び-R1という名称で販売されているもの、並びにBF Goodrich社のCarboset(登録商標)グレードのビニルピロリドン/エチルメタクリレート/メタクリル酸コポリマーである。
【0198】
好適なカチオン性ポリマーは、例えば、ポリクオタニウム(Polyquaternium)というINCI名のカチオン性ポリマー、例えば、ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat(登録商標)FC、Luviquat(登録商標)HM、Luviquat(登録商標)MS、Luviset Clear(登録商標)、Luviquat Supreme(登録商標)、Luviquat(登録商標)Care)、硫酸ジエチルを用いて四級化されたN-ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(Luviquat(登録商標)PQ 11)、N-ビニルカプロラクタム/N-ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat(登録商標)Hold);カチオン性セルロース誘導体(ポリクオタニウム-4及び-10)、アクリルアミドコポリマー(ポリクオタニウム-7)及びキトサンである。好適なカチオン性(四級化)ポリマーは、Merquat(登録商標)(ジメチルジアリルアンモニウムクロリドに基づいたポリマー)、Gafquat(登録商標)(ポリビニルピロリドンと第四級アンモニウム化合物との反応により形成した第四級ポリマー)、ポリマーJR(カチオン基を有するヒドロキシエチルセルロース)及び植物ベースのカチオン性ポリマー、例えば、Rhodia社のJaguar(登録商標)グレードなどのグアーポリマーでもある。
【0199】
非常に特に好適なポリマーは、中性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、N-ビニルピロリドン及びビニルアセテート及び/又はビニルプロピオネートのコポリマー、ポリシロキサン、ポリビニルカプロラクタム並びにN-ビニルピロリドンとの他のコポリマー、ポリエチレンイミン及びそれらの塩、ポリビニルアミン及びそれらの塩、セルロース誘導体、ポリアスパラギン酸塩及び誘導体などである。これらとしては、例えば、Luviflex(登録商標)Swing(ポリビニルアセテート及びポリエチレングリコールの部分的に鹸化されたコポリマー、BASF)が挙げられる。
【0200】
好適なポリマーは、ポリビニルカプロラクタムなどの非イオン性、水溶性又は水分散性ポリマー又はオリゴマー、例えば、Luviskol(登録商標)Plus(BASF SE)、或いはポリビニルピロリドン及びそれらのコポリマー、特にビニルアセテートなどのビニルエステルとのコポリマー、例えば、Luviskol(登録商標)VA 37、VA 55、VA 64、VA 73(BASF SE);例えば、ポリアミド、例えば、DE-A-43 33 238に記載されている、イタコン酸及び脂肪族ジアミンに基づいたものでもある。
【0201】
好適なポリマーは、両性又は双性イオン性ポリマー、例えば、Amphomer(登録商標)(National Starch)という名称で入手可能なオクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマーなど、及び双性イオン性ポリマー、例えば、ドイツ特許出願DE 39 29 973、DE 21 50 557、DE 28 17 369及びDE 37 08 451に記載されているものでもある。アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸又はメタクリル酸コポリマー及びアルカリ金属及びそれらのアンモニウム塩が、好ましい双性イオン性ポリマーである。さらに好適な双性イオン性ポリマーは、Amersette(登録商標)(AMERCHOL)という名称で市販されているメタクロイルエチルベタイン(methacroylethylbetaine)/メタクリレートコポリマー、及びヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート及びアクリル酸のコポリマー(Jordapon(登録商標))である。
【0202】
好適なポリマーは、非イオン性、シロキサン含有、水溶性又は分散性ポリマー、例えば、Tegopren(登録商標)(Goldschmidt)又はBelsil(登録商標)(Wacker)などのポリエーテルシロキサンでもある。
【0203】
一つの特定の実施形態において、本発明による組成物は、コポリマー組成物A)中に存在するポリマーとは異なり増粘剤として作用する少なくとも一種のポリマーを含む。
【0204】
好適な高分子増粘剤は、例えば、場合により変性された高分子天然物質(カルボキシメチルセルロース及び他のセルロースエーテル、ヒドロキシエチル及びプロピルセルロース等)、さらには合成高分子増粘剤(ポリアクリル酸及びポリメタクリル酸化合物、ビニルポリマー、ポリカルボン酸、ポリエーテル、ポリイミン、ポリアミド)である。これらとしては、一部既に前述したポリアクリル酸及びポリメタクリル酸化合物、例えばポリアルケニルポリエーテル、特にスクロース、ペンタエリスリトール又はプロピレンのアリルエーテルで架橋されたアクリル酸の高分子量のホモポリマー(INCI名:カルボマー)が挙げられる。そのようなポリアクリル酸は、とりわけ、BF GoodrichからCarbopol(登録商標)、例えば、Carbopol 940(分子量約4000000)、Carbopol 941(分子量約1250000)又はCarbopol 934(分子量約3000000)という商品名で入手可能である。例えば、Rohm & HaasからAculyn(登録商標)及びAcusol(登録商標)という商品名で入手可能であるアクリル酸コポリマーは、例えば、アニオン性、非会合性ポリマー(nonassociative polymer)Aculyn 22、Aculyne 28、Aculyn 33(架橋)、Acusol 810、Acusol 823及びAcusol 830(CAS 25852-37-3)も包含する。やはり具体的に好適なのは、会合性増粘剤、例えば、変性されたポリウレタンに基づいたもの(HEUR)又は疎水的に変性されたアクリル酸又はメタクリル酸コポリマー(HASE増粘剤、高アルカリ膨潤性エマルジョン(High Alkali Swellable Emulsion))である。
【0205】
追加の増粘剤の使用量は、該組成物の総重量に対して、好ましくは0.001〜10重量%、好ましくは0.1〜5%の範囲内である。
【0206】
本発明による水性活性成分組成物として配合することができる有効物質の例は、染料:例えば、DE-A 102 45 209に記載されている染料、分散性染料(dispersion dye)とも呼ぶ、カラーインデックスに従って分散染料(disperse dye)及び溶剤染料と呼ぶ化合物である。好適な分散性染料の一覧は、例えば、Ullmanns Enzyklopadie der technischen Chemie [Ullmann’s encyclopedia of industrial chemistry]、第4版、第10巻、155〜165頁(第7巻、p.585以降、Anthraquinone dyes;第8巻、p.244ff以降、Azo dyes;第9巻、p.313ff以降、Quinophthalone dyesも参照のこと)に見られる。この参考文献及びその中で引用されている化合物はここで明白に参照する。本発明に従って好適な分散性染料及び溶剤染料は、様々な発色団を有する非常に様々な染料の種類、例えばアントラキノン染料、モノアゾ及びジスアゾ染料、キノフタロン、メチン及びアザメチン染料、ナフタルイミド染料、ナフトキノン染料及びニトロ染料を包含する。本発明に従って好適な分散性染料の例は、以下のカラーインデックス一覧の分散性染料である。C.I.ディスパースイエロー1-228、C.I.ディスパースオレンジ1-148、C.I.ディスパースレッド1-349、C.I.ディスパースバイオレット1-97、C.I.ディスパースブルー1-349、C.I.ディスパースグリーン1-9、C.I.ディスパースブラウン1-21、C.I.ディスパースブラック1-36。本発明に従って好適な溶剤染料の例は、以下のカラーインデックス一覧の化合物である。C.I.ソルベントイエロー2-191、C.I.ソルベントオレンジ1-113、C.I.ソルベントレッド1-248、C.I.ソルベントバイオレット2-61、C.I.ソルベントブルー2-143、C.I.ソルベントグリーン1-35、C.I.ソルベントブラウン1-63、C.I.ソルベントブラック3-50。本発明に従って好適な染料は、ナフタレン、アントラセン、ペリレン、テリレン(terylene)、クオテリレン(quarterylene)の誘導体、さらにはジケトピロロピロール染料、ペリノン染料、クマリン染料、イソインドリン及びイソインドリノン染料、ポルフィリン染料、フタロシアニン及びナフタロシアニン染料でもある。
【0207】
前述の成分の他に、本発明による活性成分及び有効物質組成物は、従来の表面活性物質及び他の添加剤も含むことができる。表面活性物質としては、界面活性剤、分散補助組成物及び保湿剤等が挙げられる。他の添加剤としては、特に、増粘剤、消泡剤、保存剤、不凍剤、安定化剤が挙げられる。
【0208】
原則として、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性界面活性剤は、ポリマー界面活性剤、さらには疎水性基に含有されたヘテロ原子を有する界面活性剤と共に使用することが可能である。
【0209】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、カルボキシレート、特に脂肪酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属及びアンモニウム塩、例えば、通常石鹸とも呼ばれるカリウムステアレート;アシルグルタメート;サルコシネート、例えば、ナトリウムラウロイルサルコシネート;タウレート;メチルセルロース;アルキルホスフェート、特にモノ及びジリン酸アルキルエステル;スルフェート、特にアルキルスルフェート及びアルキルエーテルスルフェート;スルホネート、さらにアルキル及びアルキルアリールスルホネート、特にアリールスルホン酸、さらにはアルキル置換アリールスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、例えば、リグノ及びフェノールスルホン酸、ナフタレン及びジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属及びアンモニウム塩、又はドデシルベンゼンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネート、アルキルメチルエステルスルホネート、スルホン化ナフタレン及びそれらの誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレンスルホン酸、フェノール酸及び/又はフェノールスルホン酸とホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド及び尿素との縮合物、モノ又はジアルキルコハク酸エステルスルホネート;並びにタンパク質加水分解物及びリグノスルファイト廃液が挙げられる。前述のスルホン酸は、それらの中性又は場合により塩基性塩の形態で有利に使用する。
【0210】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、四級化アンモニウム化合物、特にアルキルトリメチルアンモニウム及びジアルキルジメチルアンモニウムハライド及びアルキルスルフェート、さらにはピリジン及びイミダゾリン誘導体、特にアルキルピリジニウムハライドが挙げられる。
【0211】
非イオン界面活性剤としては、例えば:
- 脂肪アルコールポリオキシエチレンエステル、例えばラウリルアルコールポリオキシエチレンエーテルアセテート、
- アルキルポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンエーテル、例えば、イソトリデシルアルコール及び脂肪アルコールポリオキシエチレンエーテル、
- アルキルアリールアルコールポリオキシエチレンエーテル、例えば、オクチルフェノールポリオキシエチレンエーテル、
- アルコキシル化動物及び/又は植物脂肪及び/又は油、例えばトウモロコシ油エトキシレート、ヒマシ油エトキシレート、タロー脂肪エトキシレート、
- グリセロールエステル、例えば、グリセロールモノステアレートなど、
- 脂肪アルコールアルコキシレート及びオキソアルコールアルコキシレート、特にRO-(R18O)r(R19O)sR20(式中、R18及びR19は、互いに独立して=C2H4、C3H6、C4H8であり、R20=H又はC1〜C12アルキルであり、R=C3〜C30アルキル又はC6〜C30アルケニルであり、r及びsは互いに独立して0〜50である(両方が0であることはできない))型のもの、例えば、イソトリデシルアルコール及びオレイルアルコールポリオキシエチレンエーテルなど、
- アルキルフェノールアルコキシレート、例えば、エトキシル化イソオクチル、オクチル又はノニルフェノール、トリブチルフェノールポリオキシエチレンエーテルなど、
- 脂肪アミンアルコキシレート、脂肪酸アミド及び脂肪酸ジエタノールアミドアルコキシレート、特にそれらのエトキシレート、
- 糖界面活性剤、ソルビトールエステル、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリスステアレート)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、N-アルキルグルコン-アミドなど、
- アルキルメチルスルホキシド、
- アルキルジメチルホスフィンオキシド、例えば、テトラデシルジメチルホスフィンオキシドなど
が挙げられる。
【0212】
両性界面活性剤としては、例えば、スルホベタイン、カルボキシベタイン及びアルキルジメチルアミンオキシド、例えば、テトラデシルジメチルアミンオキシドが挙げられる。
【0213】
本明細書において一例として指定するさらなる界面活性剤は、ペルフルオロ界面活性剤、シリコーン界面活性剤、リン脂質、例えば、レシチン又は化学的に変性されたレシチンなど、アミノ酸界面活性剤、例えば、N-ラウロイルグルタメートである。
【0214】
指定しない限り、上で列挙した界面活性剤中のアルキル鎖は、通常8〜20個の炭素原子を有する線状又は分枝基である。
【0215】
本発明による活性成分又は有効物質組成物は、成分B)及び/又はC)として水溶性塩、例えば、NaClを含むことができる。
【0216】
本発明による活性成分又は有効物質組成物は、いくつかの用途のために有機溶媒、油及び/又は脂肪を含むことができる。環境適合性又は生体適合性の溶媒、油及び/又は脂肪を優先する。これらとしては、例えば、
- パラフィン油、芳香族炭化水素及び芳香族炭化水素混合物、例えば、キシレン、Solvesso 100、150又は200等、
- フェノール及びアルキルフェノール、例えば、フェノール、ヒドロキノン、ノニルフェノール等
- 4個以上の炭素原子を有するケトン、例えば、シクロヘキサノン、イソホロン、イソフェロン(isopherone)、アセトフェノン、アセトナフトンなど、
- 4個以上の炭素原子を有するアルコール、例えば、アセチレート化ラノリンアルコール、セチルアルコール、1-デカノール、1-ヘプタノール、1-ヘキサノール、イソオクタデカノール、イソプロピルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコールなど、
- カルボン酸エステル、例えば、ビス(2-エチルヘキシル)アジペートなどのアジピン酸のジアルキルエステル、ビス(2-エチルヘキシル)フタレートなどのフタル酸のジアルキルエステル、エチルアセテート及びエチルアセトアセテートなどの酢酸のアルキルエステル(分枝アルキル基を含む)、ブチルステアレートなどのステアレート、グリセロールモノステアレート、アセチルトリブチルシトレートなどのシトレート、またオクタノエートセチル、メチルオレエート、メチルp-ヒドロキシベンゾエート、メチルテトラデカノエート、プロピルp-ヒドロキシベンゾエート、メチルベンゾエート、イソプロピルラクテート、ブチルラクテート及び2-エチルヘキシルラクテートなどの乳酸エステル、
- 植物油、例えば、パーム油、菜種油、ヒマシ油及びそれらの誘導体、例えば、酸化したものなど、ヤシ油、タラ肝油、トウモロコシ油、ダイズ油、アマニ油、オリーブ油、落花生油、ベニバナ油、ゴマ種子油、グレープルーツ油、メボウキ油、キョウニン油、ショウガ油、ゼラニウム油、オレンジ油、ローズマリー油、マカダミア油、タマネギ油、マンダリン油、パイン油、ヒマワリ油など、
- 水添植物油、例えば、水添パーム油、水添菜種油、水添ダイズ油など、
- 動物油、例えば、豚脂油、魚油など、
- 中鎖〜長鎖脂肪酸のジアルキルアミド、例えば、ハルコミド(hallcomide)、さらには
- 植物油エステル、例えば、菜種油メチルエステルなど
が挙げられる。
【0217】
コポリマー組成物A)は、従来の増粘剤と共に使用することができる。これらとしては、増粘剤として有効な前述のポリマーが挙げられる。これらとしては、多糖類及び有機層鉱物、例えば、Xanthan Gum(登録商標)(Kelco社のKelzan(登録商標)、Rhodopol(登録商標)23(Rhone Poulenc)又はVeegum(登録商標)(R. T. Vanderbilt)又はAttaclay(登録商標)(Engelhardt)などがさらに挙げられる。好適な増粘剤は、有機天然増粘剤(寒天、カラギーナン、トラガカント、アラビアゴム、アルギネート、ペクチン、ポリオース、グアー粉、イナゴマメ種子粉、デンプン、デキストリン、ゼラチン、カゼイン)及び無機増粘剤(ポリケイ酸、粘土鉱物、例えば、モンモリロナイト、ゼオライト、シリカなど)でもある。さらなる増粘剤は、多糖類及びヘテロ多糖類、特に多糖類ゴム、例えばアラビアゴム、寒天、アルギネート、カラギーナン及びそれらの塩、グアー、グアラン(guaran)、トラガカント、ゲラン、ラムサン(ramsan)、デキストラン又はキサンタン及びそれらの誘導体、例えば、プロポキシル化グアー、さらにはそれらの混合物である。他の多糖類増粘剤は、例えば、供給源が非常に多様なデンプン及びデンプン誘導体、例えば、ヒドロキシエチルデンプン、デンプンホスフェートエステル若しくはデンプンアセテート、或いはカルボキシメチルセルロース若しくはそのナトリウム塩、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシプロピルメチル若しくはヒドロキシエチルメチルセルロース又はセルロースアセテートである。使用することができる増粘剤は、層状シリケートでもある。これらとしては、例えば、Laponite(登録商標)という商品名で入手可能なSolvay Alkali社のマグネシウム又はナトリウム-マグネシウム層状シリケート、さらにはSud-Chemie社のマグネシウムシリケートが挙げられる。
【0218】
追加の増粘剤の使用量は、該組成物の総重量に対して、好ましくは0.001〜10重量%、好ましくは0.1〜5%の範囲内である。
【0219】
本発明による分散体に適した好適な消泡剤は、例えば、シリコーンエマルジョン(例えば、Silikon(登録商標)SRE、Wacker又はRhodia社のRhodorsil(登録商標)など)、長鎖アルコール、脂肪酸、有機フッ素化合物及びそれらの混合物である。
【0220】
微生物の発生に対して本発明による組成物を安定化させるために殺菌剤を添加することができる。好適な殺菌剤は、例えば、ICI社のProxel(登録商標)又はThor Chemie社のActicide(登録商標)RS及びRohm & Haas社のKathon(登録商標)MKである。
【0221】
好適な不凍剤は、有機ポリオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール又はグリセロールである。これらは、通常、揮発性化合物の所望の含量を超えないように、活性成分組成物の総重量に対して10重量%未満の量で使用する。本発明の一実施形態において、それらとは異なる揮発性有機化合物の分率は、好ましくは1重量%未満、特に1000ppm未満である。
【0222】
本発明による活性成分組成物は、場合により、活性成分の化学的性質により左右される、使用する緩衝剤のpH、量及び型を調節するために、調製する配合物の総重量に対して1〜5重量%の緩衝剤を含むことができる。緩衝剤の例は、弱い無機又は有機酸、例えば、リン酸、ホウ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸又はコハク酸などのアルカリ金属塩である。
【0223】
一つの特に好ましい実施形態において、本発明によるコポリマーは、化粧品組成物中の成分として使用する。前記したように、それらは、本明細書において、水性媒体に基づいた化粧品組成物のレオロジー特性を調節するのに役立つことができる。
【0224】
本発明は、
A)本発明による方法により得ることができる少なくとも一種のコポリマー組成物、
B)少なくとも一種の化粧品として許容される活性成分及び
C)場合により、A)及びB)と異なる、少なくとも一種のさらなる化粧品として許容される補助剤
を含む化粧品組成物をさらに提供する。
【0225】
成分C)は、少なくとも一種の化粧品又は薬学的に許容される担体を含むことが好ましい。
【0226】
担体成分C)は、好ましくは
i)水、
ii)水混和性有機溶媒、好ましくはC2〜C4アルカノール、特にエタノール、
iii)油、脂肪、ワックス、
iv)iii)と異なる、C6〜C30モノカルボン酸と一、二又は三価アルコールとのエステル、
v)飽和非環状及び環状炭化水素、
vi)脂肪酸、
vii)脂肪アルコール、
viii)噴射剤ガス、
並びにそれらの混合物から選択される。
【0227】
好適な親水性成分C)は、前述の有機溶媒、油及び脂肪である。
【0228】
特に好適な化粧品適合性の油及び脂肪成分C)は、本明細書において参照するKarl-Heinz Schrader、Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika [Fundamentals and formulations of cosmetics]、第2版、Verlag Huthig、Heidelberg、319〜355頁に記載されている。
【0229】
本発明による化粧品組成物は、皮膚用化粧品、頭髪用化粧品、皮膚科用、衛生用又は医薬組成物でもよい。それらの増粘性質のため、上記のコポリマー組成物A)は、特に頭髪及び皮膚用化粧品のための添加剤として適している。それらは、具体的には、ゲルの配合に適している。
【0230】
本発明による組成物は、ゲル、フォーム、スプレー、軟膏、クリーム、エマルジョン、懸濁液、ローション、ミルク又はペーストの形態であることが好ましい。所望であれば、リポソーム又はマイクロスフェアも使用することができる。
【0231】
本発明による化粧品として活性な組成物は、化粧品として及び/又は皮膚科学的に活性な成分及び有効物質、さらには補助剤をさらに含むことができる。原則として、前述の活性成分及び有効物質B)、さらには補助剤C)が適している。
【0232】
本発明による化粧品組成物は、上で定義したような少なくとも一種のコポリマー組成物A)、上で定義したような少なくとも一種の担体C)、並びに、化粧品として活性な成分、乳化剤、界面活性剤、保存剤、香油、追加の増粘剤、ヘアポリマー、頭髪及び皮膚コンディショナー、グラフトポリマー、水溶性又は分散性シリコーン含有ポリマー、光保護剤、脱色剤、ゲル形成剤、ケア剤、着色剤、日焼け剤(tanning agent)、染料、顔料、コンシステンシー調整剤、保湿剤、再脂肪化剤(refatting agent)、コラーゲン、タンパク質加水分解物、脂質、抗酸化剤、消泡剤、帯電防止剤、緩和剤及び軟化剤から選択されるそれらとは異なる少なくとも一種の成分を含むことが好ましい。
【0233】
コポリマー組成物A)の他に、化粧品組成物における使用に適した従来の増粘剤は、上述したものである。
【0234】
好適な化粧品として及び/又は皮膚科学的に活性な成分は、例えば、皮膚及び頭髪用顔料着色剤(pigmentation agent)、日焼け剤、脱色剤、ケラチン硬化物質(keratin-hardening substance)、抗菌活性成分、光フィルター活性成分、忌避活性成分、充血性物質(hyperemic substance)、角質溶解及び角質化促進物質(keratoplastic substance)、抗フケ活性成分、消炎剤、角質化物質、抗酸化作用及び/又はフリーラジカル掃去作用を有する活性成分、皮膚湿潤又は保湿物質、再脂肪化活性成分、脱臭活性成分、皮脂抑制活性成分(sebostatic active ingredient)、植物抽出物、抗紅斑性(antierythimatous)又は抗アレルギー性活性成分及びそれらの混合物である。
【0235】
紫外線の天然又は人工的照射なしでの皮膚の日焼けに適した人工的皮膚日焼け活性成分は、例えば、ジヒドロキシアセトン、アロキサン及びクルミ殻抽出物である。好適なケラチン硬化物質は、通常、制汗剤において使用される活性成分、例えば、カリウムアルミニウムスルフェート、アルミニウムヒドロキシクロリド、アルミニウムラクテート等でもある。抗菌活性成分は、微生物を破壊する及び/又はそれらの増殖を抑制するのに使用され、したがって、保存剤、さらには体臭の発生又はその強度を減少する脱臭物質の両方として役立つ。これらとしては、例えば、当業者に知られている慣習的な保存剤、例えば、p-ヒドロキシ安息香酸エステル、イミダゾリジニル尿素、ホルムアルデヒド、ソルビン酸、安息香酸、サリチル酸等が挙げられる。この型の脱臭物質は、例えば、亜鉛リシノレエート、トリクロサン、ウンデシレン酸アルキロールアミド、トリエチルシトレート、クロルヘキシジン等である。好適な光フィルター活性成分は、UV-B及び/又はUV-A領域の紫外線を吸収する物質である。好適なUVフィルターは、上で指定したものである。やはり好適なのは、p-アミノ安息香酸エステル、桂皮酸エステル、ベンゾフェノン、ショウノウ誘導体及び紫外線を遮断する顔料、例えば、二酸化チタン、タルク及び酸化亜鉛などである。好適な忌避活性成分は、特定の動物、特に昆虫を人から遠ざける又は追い払うことができる化合物である。これらとしては、例えば、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、N,N-ジエチル-m-トルアミド等が挙げられる。皮膚を通る血流を刺激する好適な充血性物質は、例えば、精油、モンタナマツ(dwarf-pine)、ラベンダー、ローズマリー、ネズノミ、セイヨウトチノキ抽出物、バーチリーフ抽出物、ヘイフラワー抽出物、エチルアセテート、ショウノウ、メントール、ハッカ油、ローズマリー抽出物、ユーカリ油等である。角質溶解及び角質化促進物質は、例えば、サリチル酸、カルシウムチオグリコレート、チオグリコール酸及びその塩、硫黄等である。抗フケ活性成分は、例えば、硫黄、硫黄ポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、硫黄リシノールポリエトキシレート、亜鉛ピリチオン、アルミニウムピリチオン等である。皮膚刺激を中和する消炎剤は、例えば、アラントイン、ビサボロール、ドラゴサントール(dragosantol)、カミール(camille)抽出物、パンテノール等である。
【0236】
本発明による化粧品組成物は、化粧品活性成分として(さらには場合により補助剤として)、本発明によるコポリマーA)とは異なる少なくとも一種の化粧品又は薬学的に許容されるポリマーを含むことができる。これらとしては、かなり一般に、アニオン性、カチオン性、両性及び中性ポリマーが挙げられる。本明細書において前述のポリマーを完全に参照する。
【0237】
好ましい実施形態によると、本発明による組成物は皮膚洗浄組成物(skin cleaning composition)である。
【0238】
好ましい皮膚清浄化組成物は、液体〜ゲル様のコンシステンシーの石鹸、例えば、透明石鹸、高級石鹸、デオドラント石鹸、クリーム石鹸、ベビー用石鹸、皮膚保護石鹸、研磨石鹸及び合成洗剤、ペースト状石鹸、軟石鹸及び洗浄ペースト、液体洗浄剤、シャワー及び入浴用調製物、例えば、洗浄ローション、シャワーバス及びシャワーゲル、フォームバス、オイルバス、及びスクラブ調製物など、髭剃りフォーム、髭剃りローション及び髭剃りクリームなどである。
【0239】
さらに好ましい実施形態によると、本発明による組成物は、皮膚のケア及び保護のための化粧品組成物、ネイルケア組成物及び装飾用化粧品のための調製物である。
【0240】
好適な皮膚用化粧品組成物は、例えば、フェイシャルトナー(face toner)、美顔マスク(face mask)、デオドラント及び他の化粧品ローションである。装飾用化粧品において使用するための組成物としては、例えば、コンシーラースティック、ステージメイク、マスカラ及びアイシャドウ、リップスティック、コールペンシル、アイライナー、頬紅、粉おしろい及びアイブローペンシルが挙げられる。
【0241】
さらに、コポリマー組成物A)は、毛穴の洗浄のための鼻パック(nose strip)、抗ニキビ組成物(antiacne composition)、忌避薬、髭剃り組成物、脱毛組成物、インティメイトケア(intimate care)組成物、フットケア組成物、さらにはベビーケアにおいて使用することができる。
【0242】
本発明によるスキンケア組成物は、特にW/O又はO/Wスキンクリーム、デイ及びナイトクリーム、アイクリーム、フェイスクリーム、皺取りクリーム、保湿クリーム、脱色クリーム、ビタミンクリーム、スキンローション、ケアローション及び保湿ローションである。
【0243】
上記のコポリマーA)に基づいた皮膚用化粧品及び皮膚科用組成物は、有利な作用を示す。該ポリマーは、とりわけ、皮膚の保湿及びコンディショニング並びに皮膚触感の改善に寄与することができる。本発明によるポリマーを添加することにより、特定の配合物において皮膚適合性をかなり改善することができる。
【0244】
皮膚用化粧品及び皮膚科用組成物は、該組成物の総重量に対して、約0.001〜30重量%、好ましくは0.01〜20重量%、非常に特に好ましくは0.1〜12重量%の分率で少なくとも一種のコポリマー組成物A)を含むことが好ましい。
【0245】
使用分野に応じて、本発明による組成物は、スキンケアに適した形態で、例えば、クリーム、フォーム、ゲル、スティック、ムース、ミルク、スプレー(ポンプスプレー又は噴射剤含有スプレー)又はローションなどとして適用することができる。
【0246】
コポリマー組成物A)及び好適な担体の他に、皮膚用化粧品調製は、上記したように皮膚用化粧品中に慣習的なさらなる活性成分及び補助剤も含むことができる。これらとしては、好ましくは、乳化剤、保存剤、香油、化粧品活性成分、例えば、フィタントリオール、ビタミンA、E及びC、レチノール、ビサボロール、パンテノールなど、光保護剤、脱色剤、日焼け剤、コラーゲン、タンパク質加水分解物、安定剤、pH調整剤、染料、塩、増粘剤、ゲル形成剤、コンシステンシー調整剤、シリコーン、保湿剤、再脂肪化剤並びにさらなる慣習的な添加剤が挙げられる。
【0247】
皮膚用化粧品及び皮膚科用組成物の好ましい油及び脂肪成分は、前述の鉱物及び合成油、例えば、パラフィン、シリコーン油及び8個以上の炭素原子を有する脂肪族炭化水素など、動物及び植物油、例えば、ヒマワリ油、ヤシ油、アボカド油、オリーブ油、ラノリンなど、又はワックス、脂肪酸、脂肪酸エステル、例えば、C6〜C30脂肪酸のトリグリセリドなど、ワックスエステル、例えば、ホホバ油など、脂肪アルコール、ワセリン、水添ラノリン及びアセチレート化ラノリンなど、並びにそれらの混合物である。
【0248】
本発明によるポリマーは、特定の性質を付与する場合、上記したような従来のポリマーと混合することもできる。
【0249】
特定の性質を付与する、例えば、触感、拡張挙動、耐水性並びに/或いは活性成分及び補助剤、例えば顔料などの結合性を改善するために、皮膚用化粧品及び皮膚科用調製は、シリコーン化合物に基づいたコンディショニング物質もさらに含むことができる。好適なシリコーン化合物は、例えば、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサン又はシリコーン樹脂である。
【0250】
化粧品又は皮膚科用調製物の調製は、当業者に知られている慣習的な方法に従って実施する。
【0251】
化粧品及び皮膚科用組成物は、エマルジョンの形態、特に油中水(W/O)又は水中油(O/W)エマルジョンであることが好ましい。しかし、他の型の配合物、例えば水分散体(hydrodispersion)、ゲル、油、オレオゲル、多相エマルジョン(multiple emulsion)、例えばW/O/W若しくはO/W/Oの形態のエマルジョン、無水軟膏又は軟膏基剤(salve base)等を選択することも可能である。
【0252】
エマルジョンの調製は、既知の方法により実施する。少なくとも一種のコポリマー組成物A)の他に、エマルジョンは、通常、慣習的な成分、例えば、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、特に脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸、ラノリン及びそれらの誘導体、天然若しくは合成油又はワックス及び乳化剤などを水の存在下で含む。エマルジョンの型によって特定される添加剤の選択及び好適なエマルジョンの調製は、例えば、本明細書において明白に参照する、Schrader、Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika [Fundamentals and formulations of cosmetics]、Huthig Buch Verlag、Heidelberg、第2版、1989、第3部に記載されている。
【0253】
例えば、スキンクリーム等のための好適なエマルジョンは、通常、油又は脂肪相中で乳化剤系により乳化された好適な水相を含む。コポリマー組成物A)は、水相を生成するのに使用することができる。
【0254】
エマルジョンの脂肪相中に存在し得る好ましい脂肪成分は、炭化水素油、例えば、パラフィン油、ピュアセリン(purcellin)オイル、ペルヒドロスクアレン及びこれらの油中のマイクロクリスタリンワックスの溶液など;動物又は植物油、例えば、甘扁桃油、アボカド油、カロピュルム(calophylum)油、ラノリン及びそれらの誘導体、ヒマシ油、ゴマ油、オリーブ油、ホホバ油、シアバター(karite)油、オレンジラフィー油など;大気圧下で蒸留開始点が約250℃であり、蒸留終了点が410℃である鉱物油、例えば、ワセリン油など;飽和又は不飽和脂肪酸のエステル、例えば、アルキルミリステレート、例えば、イソプロピル、ブチル又はセチルミリステート、ヘキサデシルステアレート、エチル又はイソプロピルパルミテート、オクタン又はデカン酸トリグリセリド及びセチルリシノレエートなどである。
【0255】
脂肪相は、他の油に可溶であるシリコーン油、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなど及びシリコーングリコールコポリマー、脂肪酸及び脂肪アルコールも含み得る。
【0256】
コポリマー組成物A)の他に、ワックス、例えば、カルナウバワックス、キャンデリラ(candililla)ワックス、ミツロウ、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライトワックスなど、並びにCa、Mg及びAlオレエート、ミリステート、リノレエート及びステアレートも使用することができる。
【0257】
さらに、本発明によるエマルジョンは、O/Wエマルジョンとして存在し得る。この型のエマルジョンは、通常、油相、水相中の油相を安定化させる乳化剤、及び通常濃縮形態で存在する水相を含む。好適な乳化剤は、好ましくはO/W乳化剤、例えば、ポリグリセロールエステル、ソルビタンエステル又は部分的エステル化グリセリドなどである。
【0258】
さらに好ましい実施形態によると、本発明による組成物は、シャワーゲル、シャンプー配合物又は入浴用調製物である。
【0259】
そのような配合物は、少なくとも一種のコポリマー組成物A)、並びに、通常、ベースとなる界面活性剤としてアニオン性界面活性剤、共界面活性剤として両性及び/又は非イオン界面活性剤を含む。さらに好適な活性成分及び/又は補助組成物は、通常、脂質、香油、染料、有機酸、保存剤及び抗酸化剤、さらには増粘剤/ゲル形成剤、皮膚コンディショナー及び保湿剤から選択される。
【0260】
これらの配合物は、該配合物の総重量に対して、2〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは8〜30重量%の界面活性剤を含むことが好ましい。
【0261】
慣習的に体清浄化組成物において使用される全てのアニオン性、中性、両性又はカチオン性界面活性剤は、洗浄、シャワー及び入浴用調製物において使用することができる。
【0262】
好適な界面活性剤は、上で指定したものである。
【0263】
さらに、シャワーゲル/シャンプー配合物は、追加の増粘剤、例えば、塩化ナトリウム、PEG-55、プロピレングリコールオレエート、PEG-120メチルグルコースジオレエートなど、さらには保存剤、さらなる活性成分及び補助組成物及び水を含むことができる。
【0264】
さらに好ましい実施形態によると、本発明による組成物は、頭髪処理組成物である。
【0265】
本発明による頭髪処理組成物は、該組成物の総重量に対して、好ましくは約0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の範囲の量で少なくとも一種のコポリマー組成物A)を含む。
【0266】
本発明による頭髪処理組成物は、セットフォーム、ヘアムース、ヘアゲル、ヘアシャンプー、ヘアスプレー、ヘアフォーム、毛先用液体(end fluid)、パーマ又は「ホットオイルトリートメント」用中和剤の形態で存在することが好ましい。使用分野に応じて、頭髪用化粧品調製物は、(エアゾール)スプレー、(エアゾール)フォーム、ゲル、ゲルスプレー、クリーム、ローション又はワックスとして適用することができる。本明細書におけるヘアプレーは、エアゾールスプレー、さらには噴射剤ガスなしのポンプスプレーの両方を包含する。ヘアフォームは、エアゾールフォーム、さらには噴射剤ガスなしのポンプフォームの両方を包含する。ヘアプレー及びヘアフォームは、主に又は排他的に水溶性又は水分散性成分を含むことが好ましい。本発明によるヘアプレー及びヘアフォームにおいて使用する化合物が水分散性である場合、それらは、通常1〜350nm、好ましくは1〜250nmの粒径を有する水性微粒分散体(microdispersion)の形態で適用することができる。これらの調製物の固形分は、通常、約0.5〜20重量%の範囲内である。これらの微粒分散体は、通常、それらの安定化のための乳化剤又は界面活性剤を必要としない。
【0267】
好ましい実施形態において、本発明による頭髪用化粧品配合物は、
a)少なくとも一種のコポリマー組成物A)0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%、
b)水及び/又はアルコール20〜99.95重量%、
c)少なくとも一種の噴射剤ガス0〜50重量%、
d)少なくとも一種の乳化剤0〜5重量%、
e)a)と異なる少なくとも一種の増粘剤0〜3重量%、及び
f)a)〜e)及びg)と異なる少なくとも一種の水溶性又は水分散性ポリマー0〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、
g)さらなる成分0〜45重量%、好ましくは0.05〜25重量%
を含み、
成分a)〜g)は合計で100重量%になる。
【0268】
アルコールは、化粧品において慣習的な全てのアルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノールを意味するものと理解される。
【0269】
さらなる成分は、化粧品において慣習的な添加剤、例えば、噴射剤、消泡剤、界面活性化合物、すなわち、界面活性剤、乳化剤、フォーム形成剤及び可溶化剤を意味するものと理解される。使用する界面活性化合物は、アニオン性、カチオン性、両性又は中性でもよい。さらなる慣習的な成分は、やはり、例えば、保存剤、香油、乳白剤、活性成分、UVフィルター、ケア物質、例えば、パンテノール、コラーゲン、ビタミン、タンパク質加水分解物、アルファ及びベータ-ヒドロキシカルボン酸など、安定剤、pH調整剤、染料、粘度調整剤、ゲル形成剤、塩、保湿剤、再脂肪化剤、錯化剤及びさらなる慣習的な添加剤でもよい。
【0270】
さらに、これらとしては、非常に特定の性質を付与する場合に本発明によるポリマーと組み合わせて使用することができる、化粧品分野において知られている全てのスタイリング及びコンディショニングポリマーが挙げられる。
【0271】
好適な従来の頭髪用化粧品ポリマーは、例えば、本明細書において参照する、前述のカチオン性、アニオン性、中性、非イオン性及び両性ポリマーである。
【0272】
特定の性質を付与するために、該調製物は、シリコーン化合物に基づいたコンディショニング物質もさらに含むことができる。好適なシリコーン化合物は、例えば、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサン、シリコーン樹脂又はジメチコンコポリオール(CTFA)及びアモジメチコン(CTFA)などのアミノ官能性シリコーン化合物である。
【0273】
本発明によるコポリマー組成物は、特にヘアスタイリング調製物、特にヘアフォーム及びヘアゲルにおける増粘剤として適している。
【0274】
使用することができる乳化剤は、慣習的にヘアフォームにおいて使用される全ての乳化剤である。好適な乳化剤は、非イオン性、カチオン性及びアニオン性又は両性でもよい。
【0275】
本発明に従って好適なスタイリングゲルのための調製物は、例えば、以下の組成物、
a)少なくとも一種のコポリマー組成物A)0.1〜5重量%、
b)A)と異なる少なくとも一種の化粧品として許容される水溶性又は水分散性ヘアセットポリマー0〜5重量%、
c)水及び/又はアルコール80〜99.85重量%、
d)A)と異なるゲル形成剤0〜1重量%、
e)さらなる成分0〜20重量%
を有することができる。
【0276】
使用することができる追加のゲル形成剤は、化粧品において慣習的な全てのゲル形成剤である。これに関連して前述の従来の増粘剤を参照する。
【0277】
本発明によるコポリマー組成物A)は、慣習的な界面活性剤をさらに含むシャンプー配合物にも適している。
【0278】
シャンプー配合物において、特定の作用を実現するために、慣習的なコンディショナーをコポリマー組成物A)と組み合わせて使用することができる。これらとしては、例えば、ポリクオタニウムというINCI名の前述のカチオン性ポリマー、特にビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat(登録商標)FC、Luviquat(登録商標)HM、Luviquat(登録商標)MS、Luviquat(登録商標)Care)、硫酸ジエチルを用いて四級化されたN-ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(Luviquat(登録商標)PQ 11)、N-ビニルカプロラクタム/N-ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat(登録商標)Hold)、カチオン性セルロース誘導体(ポリクオタニウム-4及び10)、アクリルアミドコポリマー(ポリクオタニウム-7)が挙げられる。さらに、シリコーン化合物に基づいたコンディショニング物質、例えばポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサン又はシリコーン樹脂と同様に、タンパク質加水分解物を使用することができる。さらに好適なシリコーン化合物は、ジメチコンコポリオール(CTFA)及びアモジメチコン(CTFA)などのアミノ官能性シリコーン化合物である。さらに、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(INCI)などのカチオン性グアー誘導体を使用することができる。
【0279】
本発明に従って使用するコポリマー組成物A)は、同様に、任意の型の医薬調製物のレオロジー特性を調節するための使用に適している。
【0280】
したがって、本発明は、
A)上で定義したような少なくとも一種のコポリマー組成物、
B)少なくとも一種の薬学的に許容される活性成分及び
C)場合により、A)及びB)と異なる、少なくとも一種のさらなる薬学的に許容される補助剤
を含む医薬組成物をさらに提供する。
【0281】
本発明による医薬組成物の配合基剤(formulation base)は、薬学的に許容される補助剤を含むことが好ましい。薬学、食品技術の分野及び関連する分野において知られている補助剤、特に関連した薬局方(例えば、DAB、Ph. Eur.、BP、NF)に列挙された補助剤、並びにその性質が生理学的使用を妨げない他の補助剤が薬学的に許容される。
【0282】
好適な補助剤は、流動促進剤(glidant)、湿潤剤、乳化及び懸濁化剤、保存剤、抗酸化剤、抗刺激剤(antiirritative)、キレート化剤、エマルジョン安定剤、膜形成剤、ゲル形成剤、臭気マスキング剤、樹脂、ヒドロコロイド、溶媒、溶解促進剤、中和剤、浸透促進剤、顔料、第四級アンモニウム化合物、再脂肪化及び過脂肪化剤(superfatting agent)、軟膏、クリーム又は油基剤、シリコーン誘導体、安定剤、滅菌剤、噴射剤、乾燥剤、乳白剤、追加の増粘剤、ワックス、軟化剤、ホワイト油でもよい。これに関連する実施形態は、例えば、Fiedler、H. P. Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie、Kosmetik und angrenzende Gebiete [Lexicon of the auxiliaries for pharmacy、cosmetics and related fields]、第4版、Aulendorf:ECV-Editio-Kantor-Verlag、1996に代表される専門家の知識に基づいている。
【0283】
本発明による医薬組成物を調製するために、活性成分は、好適な補助剤(賦形剤)と混合又は希釈することができる。賦形剤は、活性成分のビヒクル、担体又は媒体として機能することができる固体、半固体又は液体物質でもよい。さらなる補助剤の混合は、所望であれば、当業者に知られている方法で実施する。特に、これらは、経口又は非経口適用のための水溶液又は可溶化質(solubilizate)である。さらに、本発明に従って使用するコポリマーは、経口投与形態、例えば、錠剤、カプセル、粉末、溶液などでの使用にも適している。本明細書において、それらは、バイオアベイラビリティーが増大した溶けにくい薬物をもたらすことができる。非経口適用の場合、可溶化質の他にエマルジョン、例えば脂肪エマルジョンも使用することができる。
【0284】
前述の型の医薬配合物は、既知の新しい活性成分を従来の方法に従って使用することにより、本発明に従って使用するコポリマー組成物A)を医薬活性成分で処理することによって得ることができる。
【0285】
本発明による使用は、医薬補助剤及び/又は希釈剤をさらに含むことができる。共溶媒、安定剤、保存剤を補助剤として特に列挙する。
【0286】
使用する医薬活性成分は、水溶性物質或いは不溶性又はやや溶けにくい物質である。DAB 9(ドイツ薬局方)によると、医薬活性成分溶解度の等級は以下の通りである。やや溶けにくい(溶媒30〜100部に可溶である)、溶けにくい(溶媒100〜1000部に可溶である)、ほとんど溶けない(溶媒10000部超に可溶である)。活性成分は、指標のいずれの領域由来でもよい。
【0287】
医薬組成物中のコポリマーA)の含量は、活性成分に応じて、該組成物の総重量に対して、0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜40重量%、特に好ましくは1〜30重量%の範囲である。
【0288】
原則として、全ての医薬活性成分及びプロドラッグが、本発明による医薬組成物を調製するのに適している。これらとしては、ベンゾジアゼパイン、降圧薬、ビタミン、細胞分裂阻害薬(cytostatic)、特にタキソール、麻酔薬、神経弛緩薬、抗うつ薬、抗生剤、抗真菌剤、殺菌剤、化学療法薬、泌尿器薬(urologic)、血小板凝集阻害薬、スルホンアミド、鎮痙薬、ホルモン、免疫グロブリン、血清、甲状腺治療薬、向精神薬、抗パーキンソン病薬及び他の抗運動過多薬(antihyperkinetic)、眼科薬(ophthalmic)、神経障害治療薬(neuropathy product)、カルシウム代謝調節剤、筋弛緩薬、麻酔薬(narcotic)、脂質低下薬(lipid-lowering agent)、肝臓治療薬、冠動脈疾患治療薬(coronary agent)、強心薬、免疫療法薬、調節ペプチド及びそれらの阻害剤、催眠薬(hypnotic)、鎮静薬、婦人科薬(gynecological)、痛風治療薬(antigout agent)、繊維素溶解薬(fibrinolytic)、酵素生成物及び輸送タンパク質、酵素阻害剤、催吐薬、灌流促進剤(perfusion promoter)、利尿薬、診断薬(diagnostic)、コルチコイド、コリン作動薬、胆嚢治療薬(billary therapeutic)、抗喘息薬、気管支拡張薬(broncholytic)、ベータ受容体遮断薬、カルシウム拮抗薬、ACE阻害剤、動脈硬化治療薬、消炎薬、抗凝固薬、昇圧薬(antihypotensive)、低血糖治療薬(antihypoglycemic)、降圧薬、抗線溶薬、抗てんかん薬、鎮吐薬、解毒薬、抗糖尿病薬、抗不整脈薬、抗貧血薬、抗アレルギー薬、駆虫薬、鎮痛薬、興奮薬、アルドステロン拮抗薬、及び減量薬が挙げられる。好適な医薬活性成分の例は、特にUS 2003/0157170の段落0105〜0131で指定されている活性成分である。
【0289】
化粧品及び薬学における使用の他に、本発明に従って使用するコポリマー組成物A)は、食品分野においてレオロジー特性を調節するためにも適している。したがって、本発明は、本発明に従って使用するコポリマー組成物A)の少なくとも一種を含む食品調製物も提供する。本発明の文脈において、食品調製物は、栄養補助食品、例えば、食用色素を含む調製物など、及び治療食(dietetic food)も意味するものと理解される。さらに、特定のコポリマー組成物A)は、動物の栄養のための飼料添加剤のレオロジー特性を調節するのにも適している。
【0290】
さらに、コポリマー組成物A)は、栄養補助食品の水性調製物、例えば、水不溶性ビタミン及びプロビタミン、例えば、ビタミンA、ビタミンAアセテート、ビタミンD、ビタミンEなど、トコフェロールアセテートなどのトコフェロール誘導体及びビタミンKなどを調製するのに適している。
【0291】
本発明は、上で定義したような、薬学における補助剤としての、好ましくは固体剤形のための被覆組成物として又はその中での、レオロジー特性を調節するための、表面活性化合物としての、接着剤として又はその中での、並びに織物、製紙、印刷及び皮革工業のための被覆組成物として又はその中でのコポリマー組成物A)の使用をさらに提供する。
【0292】
本発明は、以下の非限定的な実施例の参照によってより詳細に例示する。
【実施例】
【0293】
一般的方法A
(表Iの実施例2、3及び4)
初期投入物 シクロヘキサン 350g
エチルアセテート 350g
Beeswax 8104(Kahl)# 5g
グリセロールモノステアレート 20g
Wako(登録商標)V65* 0.1g
tert-ブチルペルオクトエート 2.0g
供給原料1 250g
供給原料1 シクロヘキサン 180g
エチルアセテート 180g
アクリル酸 497.5g
ペンタエリスリトールトリアリルエーテル 2.5g
供給原料2 シクロヘキサン 140g
エチルアセテート 140g
Wako(登録商標)V65* 0.15g
tert-ブチルペルオクトエート 2.0g
供給原料3 シクロヘキサン 370g
エチルアセテート 370g
#Beeswax 8104 Kahl GmbH & Co. KG、Germanyから得ることができる
*Wako(登録商標)V65 Wako Chemicalsから得ることができるアゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)
反応手順:
還流冷却器、内部温度計及び三種の別個の供給装置が取り付けられた加圧装置中で、N2を通過及び撹拌させながら初期投入物を約60℃まで加熱した。次いで、供給原料1の残りを4時間かけて計量添加し、その間に約15分間にわたって最初の曇りが観察された。供給原料1の添加の開始30分後、供給原料2を6時間かけて計量添加した。供給原料1の添加の開始60分後、供給原料3を5時間かけて計量添加した。供給原料2の添加が完了すると、反応混合物を75℃まで加熱し、75℃で3時間撹拌した。次いで、反応混合物を90℃まで加熱し、90℃で5時間にわたって後重合した。
【0294】
得られた生成物を濾過して取り除き、約70℃の乾燥キャビネット中で20時間乾燥させた。実施例4において、濾過して取り除いた生成物を、シクロヘキサン及びエチルアセテートの混合物(1:1)中でさらに1度スラリー化し、それにより洗浄し、濾過して取り除き、次いで、約70℃の乾燥キャビネット中で20時間乾燥させた。実施例5において、濾過して取り除いた生成物を、シクロヘキサン及びエチルアセテートの混合物(1:1)中でさらに2度スラリー化し、濾過して取り除き、次いで、最後に約70℃の乾燥キャビネット中で20時間乾燥させた。
【0295】
表Iの実施例1〜4及び6〜17のコポリマー組成物を類似の方法で調製した。
【0296】
比較実施例V1、V2、V3及びV4のコポリマー組成物も方法Aに従って調製した。本発明に従って調製するコポリマー組成物とは対照的に、比較組成物V1、V2及びV3の場合、蒸発により溶媒を分離した。さらに、比較実施例V1、V2、V3及びV4において、かなりの量の堆積物が常に形成し、それにより装置における熱伝達が不十分となった。
【0297】
一般的方法B
(表Iの実施例5)
初期投入物 シクロヘキサン 350g
エチルアセテート 350g
Beeswax 8104(Kahl)1) 5g
グリセロールモノステアレート 20g
Wako(登録商標)V652) 0.1g
tert-ブチルペルオクトエート 2.0g
供給原料1 250g
供給原料1 シクロヘキサン 180g
エチルアセテート 180g
アクリル酸 497.5g
ペンタエリスリトールトリアリルエーテル 2.5g
供給原料2 シクロヘキサン 140g
エチルアセテート 140g
Wako(登録商標)V65* 0.15g
tert-ブチルペルオクトエート 2.0g
供給原料3 シクロヘキサン 250g
エチルアセテート 250g
供給原料4 シクロヘキサン 120g
エチルアセテート 120g
Tween(登録商標)203) 25g
1)Beeswax 8104 Kahl GmbH & Co. KG、Germanyから得ることができる
2)Wako(登録商標)V65 Wako Chemicalsから得ることができるアゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、
3)Tween(登録商標)20 ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート
反応手順:
還流冷却器、内部温度計及び三種の別個の供給装置が取り付けられた加圧装置中で、N2を通過及び撹拌させながら、初期投入物を約60℃まで加熱した。供給原料1の残りを4時間かけて計量添加し、その間に約15分間にわたって最初の曇りが観察された。供給原料1の開始30分後、供給原料2を6時間かけて計量添加した。供給原料1の開始60分後、供給原料3を4時間かけて計量添加した。次いで、供給原料4を90分間にわたって計量添加した。供給原料4の添加が完了すると、反応混合物を75℃まで加熱し、75℃で3時間後撹拌した。次いで、反応混合物を90℃まで加熱し、90℃で4時間後重合した。
【0298】
得られた生成物を濾過して取り除き、約70℃の乾燥キャビネット中で20時間乾燥させた。
【0299】
一般的方法C
(表Iの実施例19)
初期投入物 シクロヘキサン 350g
エチルアセテート 350g
ミツロウ8104(Kahl)1) 5g
グリセロールモノステアレート 20g
Wako(登録商標)V652) 0.1g
tert-ブチルペルオクトエート 2.0g
供給原料1 150g
供給原料1 シクロヘキサン 180g
エチルアセテート 180g
アクリル酸 347.5g
ビニルピロリドン 90g
ビニルイミダゾール 10g
Plex-6877-O3) 50g
ペンタエリスリトールトリアリルエーテル 2.5g
Lutensol(登録商標)XL-704) 25g
供給原料2 シクロヘキサン 140g
エチルアセテート 140g
Wako(登録商標)V652) 0.15g
tert-ブチルペルオクトエート 2.0g
供給原料3 シクロヘキサン 250g
エチルアセテート 250g
1)Beeswax 8104 Kahl GmbH & Co. KG、Germanyから得ることができる
2)Wako(登録商標)V65 Wako Chemicalsから得ることができるアゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、
3)Plex-6877-O MMA中のC18〜22アルキルPEGメタクリレート(25%濃度)
4)Lutensol(登録商標)XL-70 C10-Guerbetアルコールアルコキシレート(7EO)
反応手順:
還流冷却器、内部温度計及び三種の別個の供給装置が取り付けられた加圧装置中で、N2を通過及び撹拌させながら初期投入物を約60℃まで加熱した。供給原料1の残りを4時間かけて計量添加し、その間に約30分間にわたって最初の曇りが観察された。供給原料1の開始30分後、供給原料2を6時間かけて計量添加した。供給原料1の開始60分後、供給原料3を5.5時間にわたって計量添加した。供給原料2の終了後、反応混合物を75℃まで加熱し、75℃で3時間後撹拌した。次いで、反応混合物を90℃まで加熱し、90℃で4時間後重合した。
【0300】
得られた生成物を濾過して取り除き、約70℃の乾燥キャビネット中で20時間乾燥させた。
【0301】
表Iの実施例21及び22のコポリマー組成物を類似の方法で調製した。
【0302】
方法A、B又はCに従って得られたコポリマー組成物は表Iに列挙している。表Iの定量的データは、(別段の定めのない限り)重合に使用する不飽和モノマーに基づいた重量%単位である。表IIは、コポリマー組成物の精製及び製品性質に関連するデータを列挙している。
【表3】




【表4】





【特許請求の範囲】
【請求項1】
H1)グリセロールモノステアレート、及び
H2)水不溶性天然ワックス、非イオン乳化剤及びそれらの混合物から選択される、4〜10の範囲のHLB値を有する少なくとも一種の化合物
を含む補助組成物H)の存在下での沈殿重合法による、
a)アクリル酸、
b)場合により、a)と異なる、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのアニオン生成基及び/又はアニオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物、
c)少なくとも二つのα,β-エチレン性不飽和二重結合を一分子中に含む少なくとも一種のフリーラジカル重合可能な架橋性化合物
を含むモノマー組成物のフリーラジカル共重合によってコポリマー組成物A)を調製する方法。
【請求項2】
10超の範囲のHLB値を有する乳化剤から選択される、追加的な少なくとも一種のさらなる補助剤H3)が使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
成分b)がメタクリル酸を含むか、又はそれからなる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
コポリマー組成物A)を調製するのに使用されるモノマー組成物が、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのカチオン生成基及び/又はカチオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物d)をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
コポリマー組成物A)を調製するのに使用されるモノマー組成物が、一般式(II)
【化1】

[式中、
基R4〜R6の一つは、式CH2=CR7(式中、R7=H又はC1〜C4アルキルである)の基であり、他の基R4〜R6は、互いに独立に、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘタリールであり、
R4及びR5は、また、それらが結合したアミド基と共に、5〜8個の環原子を有するラクタムでもよく、
R5及びR6は、また、それらが結合した窒素原子と共に、5〜7員複素環でもよい
(ただし、基R4、R5及びR6の炭素原子の和は最大で8である)]
のα,β-エチレン性不飽和アミド基含有化合物から選択される少なくとも一種のさらなるモノマーe)をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
コポリマー組成物A)を調製するのに使用されるモノマー組成物が、共重合形態で、式(IIIa)又は(IIIb)
【化2】

[式中、
#は、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合を有する基に対する結合部位であり、化合物(IIIa)において、#は、式CH2=CR7(式中、R7=H又はC1〜C4アルキルである)の基に対する結合部位ではなく、
RaはH又はC1〜C4アルキルであり、
RbはH又はC1〜C4アルキルであるか、又は
Ra及びRbは共に(CH2)1〜4である]
の基を有する、モノマーe)と異なる、少なくとも一種のさらなるモノマーf)をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
コポリマー組成物A)を調製するのに使用されるモノマー組成物が、共重合形態で、C1〜C7アルカノールとα,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とのエステル、C2〜C30ジオールとα,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とのエステル、第一級又は第二級アミノ基を有するC2〜C30アミノアルコールとα,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とのアミド、並びにそれらの混合物から選択される少なくとも一種のさらなるモノマーg)をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
コポリマー組成物A)を調製するのに使用されるモノマー組成物が、一般式IVa)、IVb)、IVc)、IVd)及びIVe)
【化3】


[式中、
アルキレンオキシド単位の順番は任意であり、
k及びlは、互いに独立に、0〜1000の整数であり、kとlとの和は少なくとも5であり、
化合物(IVa)におけるR8は、水素又はC1〜C4アルキル、好ましくはメチルであり、化合物(IVc)におけるR8は、水素又はC1〜C8アルキルであり、
化合物(IVa)、(IVb)及び(IVe)におけるR9は、C8〜C30アルキル又はC8〜C30アルケニルであり、化合物(IVc)及び(IVd)におけるR9は、水素、C1〜C30アルキル、C2〜C30アルケニル又はC5〜C8シクロアルキルであり、
Xは、O又は式NR10(式中、R10は、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘタリールである)の基である]
の化合物から選択される少なくとも一種の化合物h)をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
コポリマー組成物A)を調製するのに使用されるモノマー組成物が、アルキレンオキシド基を有するウレタン(メタ)アクリレート、C1〜C7モノカルボン酸とビニルアルコール及びアリルアルコールとのエステル、C1〜C7アルキルビニルエーテル、ビニル芳香族、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、C2〜C8モノオレフィン、少なくとも二つの共役二重結合を有する非芳香族炭化水素並びにそれらの混合物から選択される少なくとも一種の化合物h)をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
コポリマー組成物A)の調製のために、重合に使用するモノマーの総重量に対して、
- アクリル酸a)98〜99.9重量%、及び
- 少なくとも一種の架橋性化合物c)0.1〜2重量%
が使用される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
コポリマー組成物A)の調製のために、重合に使用するモノマーの総重量に対して、
- アクリル酸a)93〜99.7重量%、
- フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのカチオン生成基及び/又はカチオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物d)、好ましくはビニルイミダゾール0.2〜5重量%、及び
- 少なくとも一種の架橋性化合物c)0.1〜2重量%
が使用される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
コポリマー組成物A)の調製のために、重合に使用するモノマーの総重量に対して、
- アクリル酸a)40〜99.4重量%、
- アクリル酸と異なる、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのアニオン生成基及び/又はアニオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物b)0〜40重量%、
- 少なくとも一種の化合物g)及び/又はh)0.5〜20重量%、及び
- 少なくとも一種の架橋性化合物c)0.1〜2重量%
が使用される(ただし、モノマーa)及びb)の総重量は78〜99.4重量%である)、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
コポリマー組成物A)の調製のために、重合に使用するモノマーの総重量に対して、
- アクリル酸a)40〜99.4重量%、
- アクリル酸と異なる、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのアニオン生成基及び/又はアニオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物b)0〜40重量%、
- C1〜C7アルキル(メタ)アクリレート、特にメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート及びそれらの混合物から選択される少なくとも一種のモノマーg)0〜20重量%、
- 好ましくはC8〜C22アルキル(メタ)アクリレート、C8〜C22アルキルビニルエーテル、C8〜C22アルキル基を末端基とするポリエーテル(メタ)アクリレート、C8〜C22アルキル基を末端基とするアリルアルコールアルコキシレート、C8〜C22カルボン酸ビニルエステル及びそれらの混合物から選択される少なくとも一種の化合物h)0〜20重量%、及び
- 少なくとも一種の架橋性化合物c)0.1〜2重量%
が使用される(ただし、モノマーa)及びb)の総重量は78〜99.4重量%であり、モノマーg)とh)との和は0.5〜20重量%である)、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
コポリマー組成物A)の調製のために、重合に使用するモノマーの総重量に対して、
- アクリル酸a)48〜99.4重量%、
- アクリル酸と異なる、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのアニオン生成基及び/又はアニオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物b)0〜40重量%、
- a)及びe)の総重量に対して、好ましくはC8〜C30アルカノールとα,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とのエステルから選択される少なくとも一種の化合物e)0.5〜10重量%、及び
- 少なくとも一種の架橋性化合物c)0.1〜2重量%
が使用される(ただし、モノマーa)及びb)の総重量は88〜99.4重量%である)、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
コポリマー組成物A)の調製のために、重合に使用するモノマーの総重量に対して、
- アクリル酸a)40〜99.4重量%、
- アクリル酸と異なる、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのアニオン生成基及び/又はアニオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物b)0〜40重量%、
- フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも一つのカチオン生成基及び/又はカチオン基を一分子中に有する少なくとも一種の化合物d)、好ましくはビニルイミダゾール0〜5重量%、
- 少なくとも一種のアミド基含有化合物e)、好ましくはビニルピロリドン及び/又はビニルカプロラクタム0.1〜30重量%、及び
- 少なくとも一種の架橋性化合物c)0.1〜2重量%
が使用される(ただし、モノマーa)及びb)の総重量は65〜99.8重量%である)、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
コポリマー組成物A)の調製のために、重合に使用するモノマーの総重量に対して、
- アクリル酸a)65〜98.7重量%、
- ビニルイミダゾール0.2〜5重量%、
- ビニルピロリドン及び/又はビニルカプロラクタム1〜30重量%、
- 少なくとも一種の架橋性化合物c)0.1〜2重量%
が使用される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
成分H2)がミツロウを含むか、又はそれからなる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
重合が無水の非プロトン性溶媒又は溶媒混合物中で実施される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
重合がシクロヘキサン及びエチルアセテートの混合物中で実施される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
補助剤H1)及び/又はH2)が、少なくとも部分的に重合の開始前に最初に導入される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
成分H3)が、ポリ(オキシエチレン)ソルビタンモノラウレートを含むか、又はそれからなる、請求項2〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
補助剤H3)が、モノマーの少なくとも90%が反応した後に添加される、請求項2〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
コポリマー組成物A)が沈殿重合後に単離され、液体洗浄媒体による洗浄を施される、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか一項による方法により得ることができるコポリマー組成物A)。
【請求項25】
請求項24に記載のコポリマー組成物A)又はそこから得ることができるコポリマーの、水性組成物のレオロジー特性を調節するための水性組成物中での使用。
【請求項26】
A)請求項1〜23のいずれか一項による方法により得ることができる少なくとも一種のコポリマー組成物、
B)少なくとも一種の活性成分又は有効物質、及び
C)場合により、A)及びB)と異なる、少なくとも一種のさらなる補助剤
を含む活性成分又は有効物質組成物。
【請求項27】
A)請求項1〜23のいずれか一項による方法により得ることができる少なくとも一種のコポリマー組成物、
B)少なくとも一種の化粧品として許容される活性成分、及び
C)場合により、A)及びB)と異なる、少なくとも一種のさらなる化粧品として許容される補助剤
を含む化粧品組成物。
【請求項28】
ゲルの形態の請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
A)請求項1〜23のいずれか一項による方法により得ることができる少なくとも一種のコポリマー組成物、
B)少なくとも一種の薬学的に許容される活性成分、及び
C)場合により、A)及びB)と異なる、少なくとも一種のさらなる薬学的に許容される補助剤
を含む医薬組成物。
【請求項30】
請求項1〜23のいずれか一項による方法により得ることができるコポリマー組成物A)の、食品分野におけるレオロジー特性を調節するための使用。
【請求項31】
薬学における補助剤としての、好ましくは固体剤形のための被覆組成物として又はその中での、レオロジー特性を調節するための、表面活性化合物としての、接着剤として又はその中での、並びに織物、製紙、印刷及び皮革工業のための被覆組成物として又はその中での、請求項1〜23のいずれか一項による方法により得ることができるコポリマー組成物A)の使用。

【公表番号】特表2012−502128(P2012−502128A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525546(P2011−525546)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/061377
【国際公開番号】WO2010/026178
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】