ゲート電極に覆われたゲルマニウムベースのチャネルを有するトランジスタ及びその製造方法
ソース電極(3)及びドレイン電極(4)はそれぞれゲルマニウム及びシリコン化合物からなる第1の層(5)と第2の層(6)を交互にすることで形成される。第1の層(5)は0%以上10%以下のゲルマニウム濃度を有し、第2の層(6)は10%以上50%以下のゲルマニウム濃度を有する。少なくとも1つのチャネル(1)はソース電極(3)及びドレイン電極(4)の各々の第2の層(6a、6b)を接続する。方法は、層(5,6)の積層体での狭領域で接続されたソース及びドレイン領域のエッチングを含む。そして、10%以上50%以下のゲルマニウム濃度を有するゲルマニウム及びシリコン化合物のシリコンを酸化し、ゲルマニウムGeを凝縮するために、前記積層体の表面熱酸化が行われる。狭領域の酸化シリコンは除去され、狭領域の凝縮されたゲルマニウム上にゲート誘電体(7)及びゲート(2)が堆積される。
(図2)
(図2)
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、ゲート電極に覆われた少なくとも1つのチャネルと、第1のシリコンベース層並びにゲルマニウム及びシリコン化合物からなる第2の層を交互にすることでそれぞれ形成されるソース電極及びドレイン電極と、を備えるトランジスタに関する。
【0002】
(従来技術)
マイクロ電子機器内に集積回路を製造するために、非常に大きい配線密度と大きな電流量とを調整することが求められる。文献では、CMOSトランジスタの性能を改善するために、トランジスタの構造や使用される材料に関する変更が提案されている。
【0003】
例えば、ダブルゲート(DG)構造やゲートオールアラウンド(GAA)構造は一定のゲート長で、非常にリーク電流が低く、飽和電流がシングルゲート(SG)トランジスタより高い。
【0004】
S.-Y.Leeらによる論文“A Novel Sub-50 nm Multi-Bridge-Channel MOSFET (MBCFET) with Extremely High Performance” (2004 Symposium on VLSI Technology) にオールアラウンドゲートを有するマルチチャネルトランジスタが記載されている。これらのトランジスタは優れた静的性能を示し、電流フローレベルに比べて非常に大きい配線密度を与える。しかし、その製造原理はサスペンデッド(suspended)チャネルを得るためのエピタキシによるシリコンゲルマニウム(SiGe)層及びシリコン(Si)層の堆積、並びにシリコンに対するシリコンゲルマニウムの選択的エッチングに基づき、それはチャネル材料がシリコン又はシリコンゲルマニウムのいずれかであることを意味する。さらに、この構造は、チャネル間にスペーサを実現するのが困難であるという事実により、高い浮遊容量を示す。
【0005】
F.L.Yangらによる論文“5nm-Gate Nanowire FinFET”(2004 Symposium on VLSI Technology) にゲートにより完全に囲まれた円筒形チャネルを有するトランジスタが記載されている。このトランジスタはゲートによるチャネルの非常に良い静電気制御を示し、5nmと非常に短いゲート長を有するトランジスタの実現を可能にする。
【0006】
使用される材料に関しては、純ゲルマニウムがシリコンと比べて電子では2倍、ホール(正孔)では4倍の移動度を示す。ゲルマニウムトランジスタの欠点は基板のコストであり、バルクシリコン基板より約10倍高い。さらに、シリコン基板上への良質ゲルマニウムのエピタキシによる複数のゲルマニウムチャネルの堆積は非常に難しい。さらに、酸化ゲルマニウムの不安定性により、これらのトランジスタの製造には多くの発展が必要である。
【0007】
文献US2003/0215989はゲート電極に囲まれたチャネルを有するトランジスタが記載されている。チャネルはシリコン層の中央部により形成される。ゲート電極の領域を得るため、チャネル下方の領域ではシリコンゲルマニウム層が除去される。ソース電極及びドレイン電極はチャネルの両側に位置する領域に対応する。ソース電極及びドレイン電極は活性層でのイオン注入により形成される。ソース電極及びドレイン電極はそれぞれ第1及び第2の層を交互にすることで形成される。第1の層はシリコンで作られる。第2の層は20%〜30%のゲルマニウム濃度を有する。従って、チャネルはソース電極及びドレイン電極を形成する積層シリコンの2つの第1の層を接続する。
【0008】
(発明の目的)
本発明の目的の1つは、標準的な方法、特にシリコントランジスタ集積方法を用いた、非常に高い配線密度及び大きい電流量が得られるトランジスタを提案することである。
【0009】
本発明によれば、この目的は添付した請求の範囲により達成され、より詳細には、チャネルはゲルマニウムベースであり、第1の層はゲルマニウム濃度が0%〜10%のゲルマニウムとシリコンの化合物からなり、第2の層は10%〜50%のゲルマニウム濃度を有し、チャネルはソース電極及びドレイン電極の2つの第2の層の各々を接続するという事実により達成される。
【0010】
本発明のさらなる目的は、
ゲルマニウム及びシリコン化合物からなりゲルマニウム濃度が0%以上10%以下の第1の層とゲルマニウム濃度が10%以上50%以下の第2の層とを交互にした積層体の基板上への製造と、
前記積層体における、ソース電極及びドレイン電極を形成するためのソース領域及びドレイン領域と、前記ソース領域及びドレイン領域を接続する狭領域とのエッチングと、
前記狭領域におけるゲルマニウム濃度が10%以上50%以下である前記ゲルマニウム及びシリコン化合物の前記シリコンを酸化し、前記ゲルマニウムを濃縮するための、前記積層体の表面熱酸化と、
前記狭領域から前記酸化されたシリコンの除去と、
前記狭領域の前記濃縮されたゲルマニウム上へのゲート誘電体の堆積と、
前記ゲート誘電体上へのゲート金属の堆積と、
を順次行うトランジスタの製造方法を提供することである。
【0011】
他の利点及び特徴は、後述する限定しない例としてのみ与えられた本発明の実施形態の説明及び添付した図面から明らかになるであろう。
【0012】
(実施形態の説明)
図1〜図3に示される実施形態では、トランジスタはゲート電極2により囲まれる2つのチャネル1を有する。チャネル1はゲルマニウムベースである。トランジスタは、ゲルマニウムとシリコン化合物からなる第1の層5及び第2の層6を交互にすることでそれぞれ形成されるソース電極3及びドレイン電極4を有する。第1の層5は0%以上10%以下のゲルマニウム濃度を有し、第2の層6は10%以上50%以下のゲルマニウム濃度を有する。第1の層5は例えばシリコンからなる。第2の層6はすべて同じゲルマニウム濃度にできる。例えば、SiGex/Si/SiGex/Si積層となるように、第1の層5はシリコン、第2の層6はSiGexにより作る。
【0013】
第2の層6は異なるゲルマニウム濃度にしてもよい。例えばSiGex/Si/SiGey/Si/SiGez/Si積層となるように、第2の層6をそれぞれSiGex、SiGey、及びSiGez、第1の層5をシリコンにより作る。
【0014】
第1の層5はシリコンで作らなくてもよい。例えば、第1の層が10%未満、第2の層が10%以上50%以下のゲルマニウム濃度で、SiGeu/SiGev/SiGew/SiGex/SiGey/SiGez積層となるように、第1の層5もゲルマニウムを含む。
【0015】
層5及び層6の積層の最上層はシリコンからなる第1の層が好適である。
【0016】
第1の層5及び/又は第2の層6は、ジボラン、ホスフィン、又はアルシンのような前駆体の注入による成長の間にドープできる。各チャネルはそれぞれソース電極3及びドレイン電極4のシリコンゲルマニウムからなる2つの第2の層6を接続する。チャネル1はゲート誘電体7によりゲート電極から分離されている。図2に示されるように、ソース電極3及びドレイン電極4はスペーサ15及びゲート誘電体7によりゲート電極2から分離されることが好ましい。例えば、ソース電極3及びドレイン電極4の第1の層5とゲート電極2との間にスペーサ15を作るため、チャネル1に対向する第1の層5の一部はゲート誘電体7の堆積前に酸化される。
【0017】
図2では、上側のチャネル1がソース電極3の上側の第2の層6aをドレイン電極4の上側の第2の層6bへ接続する。層5、6は基板8上に同じ方向に形成される。上側の第2の層6aはソース電極3の交互になった層の所定の高さで、かつ基板8からみて所定の高さに配置される。同様に、対応するドレイン電極の上側の第2の層6bは、ドレイン電極4の交互になった層の所定の高さで、かつ基板8からみて所定の高さに配置される。従って、同じチャネル1に対応する上側の第2の層6a、6bは同じ高さにある。
【0018】
図2では、C−C線で表されるように、チャネル1により接続される2つの第2の層6及びチャネル1は基板8に平行な同じ平面に配置される。図3に示されるように、ゲート電極2はチャネル1を完全に囲む。
【0019】
本発明によるトランジスタの製造方法は、図4〜図6に示されるように、それぞれシリコン、シリコンゲルマニウムからなる層5、6を交互にした積層体を基板8上に製造することを含む。その積層体は例えば、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板上へのSiGe/Siのヘテロエピタキシにより得られる。SiGeの第2の層6の厚さは5nm以上30nm以下が好ましい。第1の層5及び第2の層6の厚さは例えばそれぞれ約10nmである。第2の層のゲルマニウム濃度は30%が好ましい。SiGeの第2の層6の数は、この方法で形成されるゲルマニウムベースのチャネル1の数を決定する。
【0020】
層5、6が交互になった積層体は、後に続く酸化から積層体の外表面を保護する保護層(図示せず)により保護することができ、保護層は例えば窒化シリコンからなる。
【0021】
そして、前記積層体のエッチング(図7〜図9)により、それぞれソース電極3及びドレイン電極4を形成するよう設計されたソース領域9及びドレイン領域10と、ソース領域9をドレイン領域10に接続する狭領域11の輪郭が描かれる。前記領域(9、10、及び11)は例えば、フォトレジストの堆積、フォトレジストのリソグラフィ(例えばフォトリソグラフィ又は電子線リソグラフィ)、層5、6の積層体の異方性プラズマエッチング、及びフォトレジストの除去により輪郭が描かれる。このように、ソース電極3及びドレイン電極4を形成する交互になった層5及び6は、層5及び6からなる同じ積層体に形成される。狭領域11は後に形成されるチャネル1の位置に対応する。狭領域11は3nm以上50nm以下の横寸法、5nmより大きい縦寸法を有し、マイクロメートル寸法に達し得る。
【0022】
続いて、図10〜図12に示されるように、前記積層体の表面熱酸化が行われる。酸素が積層体の図10の破線12で示される所定の深さまで入る。従って、熱酸化が起こったとき、ソース電極3及びドレイン電極4の内部は酸化されない。図10〜図12に示される本実施形態では、熱酸化が行われたとき、狭領域11のシリコンは完全に酸化される。層5、6の狭領域に対応する部分のシリコンすべて、すなわちシリコンの層5のシリコンとシリコンゲルマニウムの層6のシリコンである。狭領域11では、層6の狭領域11に対応する部分の内部でシリコンゲルマニウムが凝縮し、ゲルマニウムベースのチャネル1を形成するように、ソース電極3及びドレイン電極4を接続する層6の中心軸に集中し、一方シリコンはゲルマニウムベースのチャネルの表面に酸化物13を形成する。ゲルマニウムベースのチャネルの寸法は狭領域11の横寸法及び縦寸法と、シリコンゲルマニウムからなる第2の層6の厚さと、シリコンゲルマニウムの初期ゲルマニウム濃度により決定される。図11、図12では、シリコンからなる第1の層5の狭領域11に対応する部分は完全にシリコン酸化物13に変換される。図11では、表面酸化層14がソース電極3及びドレイン電極4の壁面に配置される。
【0023】
ゲルマニウム濃縮現象、すなわち酸化処理時のシリコンとゲルマニウムの化合物のゲルマニウム濃度の増加、は通常、絶縁体基板にゲルマニウムを作るときに用いられる。ここでは、狭領域11が両側を介して横方向に酸化され、図12、図15、及び図3に示されるように、ゲルマニウムの濃縮が自動的にほぼ円筒形のチャネルをもたらす。特に、チャネルの円筒形状は後に得られるゲートにより非常に良いチャネルの静電気制御を可能にする。
【0024】
そして、図13〜図15に示されるように、チャネル1を露出するため、狭領域11のシリコン酸化物13を除去する。狭領域11の第1の層5のシリコンを部分的に酸化するために熱酸化が行われたときに、チャネル1間に位置する狭領域11の残余シリコンの選択的エッチングによるシリコン酸化物13の除去が付随して起こり得る。実際、第1の層5のシリコンはシリコンゲルマニウムより酸化が遅い。従って、残余シリコン(図示せず)の選択的エッチングにより、チャネル1は完全に露出される。酸化速度を増すため、エピタキシの際にドープしたシリコンの層を堆積することが有利である。
【0025】
トランジスタの浮遊容量を低減するために、さらに熱酸化を行うことが有利である。すべての露出された物質、特にシリコン及びゲルマニウムベースのチャネルは酸化を受ける。酸化ゲルマニウムは選択的に除去でき、シリコン酸化物は、例えば水によるリンスのような、シリコン酸化物に対して酸化ゲルマニウムにエッチングの選択性を示すクリーニングにより変わらずに残る。これはトランジスタの浮遊容量を大きく低減できるシリコン端部のシリコン酸化物(図示せず)の厚さとなる。
【0026】
狭領域の酸化シリコンの除去ステップの後に、水中でのゲルマニウムの選択的溶解に続いて、酸化(例えば熱酸化又はプラズマ酸化)によりスペーサ15を製造するステップを行ってもよい。
【0027】
チャネル1の露出後、チャネル1を覆うため、チャネル1を構成する濃縮ゲルマニウム上にゲート誘電体7(例えば、Hf、Si、O又はNベースを有する材料や、HfO2、HfSiON、LaAlO3等の材料)を堆積する。図2に示されるように、ゲート誘電体7はソース3及びドレイン4にも堆積される。
【0028】
そして、図2及び図3に示されるように、チャネル1及び誘電体7により形成されるアセンブリを包み込むように、例えば金属(例えばTiN、WSi、TaN)又は半導体(例えば多結晶シリコン、多結晶ゲルマニウム、SiGe)のゲート材料をゲート誘電体7上に堆積し、オールアラウンドゲート2を形成する。ゲート2がチャネル1を包み込むことは、短チャネル効果の優れた制御を与える。例えばゲート2は層5、6の積層体及びチャネル1全体に金属層を堆積し、その後フォトレジストの堆積、フォトレジストのフォトリソグラフィ、金属層の異方性エッチング、及びフォトレジストの除去により得られる。図2に示されるようにゲート2は、チャネル1間のスペースを埋め込むように、かつ狭領域11とソース電極3及びドレイン電極4の隣接部を完全に覆うような輪郭となる。ゲート2の寸法は特にチャネル1の縦及び横方向の寸法に対応し、用いられるリソグラフィツールの位置合わせ公差が加わる。位置合わせ公差は、典型的には電子ジェット装置で20nm、例えば紫外線、遠紫外線又は極紫外線のフォトリソグラフィ装置で60nmである。
【0029】
チャネル1を構成するゲルマニウム上にゲート誘電体7を堆積する前に、ソース電極3及びドレイン電極4を構成するよう設計された2つの領域9、10の選択的ドーピングを公知の方法で行うことができる。選択的ドーピングは例えばイオン注入により行うことができる。イオンエネルギーは例えばソース3及びドレイン4をドープするよう選択でき、一方イオンは後者をドーピングせず単にチャネル1を通過する。
【0030】
本発明は示された実施形態に限定されない。特に、チャネルの数は2より多くても、少なくても良い。特に上下に配置された複数のチャネルがより良い配線密度を得ることを可能にする。製造方法には、例えばスペーサの製造、ソース及びドレイン領域のドーピング工程、又はソース及びドレイン領域のシリサイド化など、異なる標準的な工程を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態によるトランジスタの上面図である。
【図2】同実施形態によるトランジスタのB−B線に沿った断面図である。
【図3】同実施形態によるトランジスタのA−A線に沿った断面図である。
【図4】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明する上面図である。
【図5】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明するB−B線に沿った工程断面図である。
【図6】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明するA−A線に沿った工程断面図である。
【図7】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明する上面図である。
【図8】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明するB−B線に沿った工程断面図である。
【図9】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明するA−A線に沿った工程断面図である。
【図10】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明する上面図である。
【図11】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明するB−B線に沿った工程断面図である。
【図12】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明するA−A線に沿った工程断面図である。
【図13】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明する上面図である。
【図14】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明するB−B線に沿った工程断面図である。
【図15】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明するA−A線に沿った工程断面図である。
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、ゲート電極に覆われた少なくとも1つのチャネルと、第1のシリコンベース層並びにゲルマニウム及びシリコン化合物からなる第2の層を交互にすることでそれぞれ形成されるソース電極及びドレイン電極と、を備えるトランジスタに関する。
【0002】
(従来技術)
マイクロ電子機器内に集積回路を製造するために、非常に大きい配線密度と大きな電流量とを調整することが求められる。文献では、CMOSトランジスタの性能を改善するために、トランジスタの構造や使用される材料に関する変更が提案されている。
【0003】
例えば、ダブルゲート(DG)構造やゲートオールアラウンド(GAA)構造は一定のゲート長で、非常にリーク電流が低く、飽和電流がシングルゲート(SG)トランジスタより高い。
【0004】
S.-Y.Leeらによる論文“A Novel Sub-50 nm Multi-Bridge-Channel MOSFET (MBCFET) with Extremely High Performance” (2004 Symposium on VLSI Technology) にオールアラウンドゲートを有するマルチチャネルトランジスタが記載されている。これらのトランジスタは優れた静的性能を示し、電流フローレベルに比べて非常に大きい配線密度を与える。しかし、その製造原理はサスペンデッド(suspended)チャネルを得るためのエピタキシによるシリコンゲルマニウム(SiGe)層及びシリコン(Si)層の堆積、並びにシリコンに対するシリコンゲルマニウムの選択的エッチングに基づき、それはチャネル材料がシリコン又はシリコンゲルマニウムのいずれかであることを意味する。さらに、この構造は、チャネル間にスペーサを実現するのが困難であるという事実により、高い浮遊容量を示す。
【0005】
F.L.Yangらによる論文“5nm-Gate Nanowire FinFET”(2004 Symposium on VLSI Technology) にゲートにより完全に囲まれた円筒形チャネルを有するトランジスタが記載されている。このトランジスタはゲートによるチャネルの非常に良い静電気制御を示し、5nmと非常に短いゲート長を有するトランジスタの実現を可能にする。
【0006】
使用される材料に関しては、純ゲルマニウムがシリコンと比べて電子では2倍、ホール(正孔)では4倍の移動度を示す。ゲルマニウムトランジスタの欠点は基板のコストであり、バルクシリコン基板より約10倍高い。さらに、シリコン基板上への良質ゲルマニウムのエピタキシによる複数のゲルマニウムチャネルの堆積は非常に難しい。さらに、酸化ゲルマニウムの不安定性により、これらのトランジスタの製造には多くの発展が必要である。
【0007】
文献US2003/0215989はゲート電極に囲まれたチャネルを有するトランジスタが記載されている。チャネルはシリコン層の中央部により形成される。ゲート電極の領域を得るため、チャネル下方の領域ではシリコンゲルマニウム層が除去される。ソース電極及びドレイン電極はチャネルの両側に位置する領域に対応する。ソース電極及びドレイン電極は活性層でのイオン注入により形成される。ソース電極及びドレイン電極はそれぞれ第1及び第2の層を交互にすることで形成される。第1の層はシリコンで作られる。第2の層は20%〜30%のゲルマニウム濃度を有する。従って、チャネルはソース電極及びドレイン電極を形成する積層シリコンの2つの第1の層を接続する。
【0008】
(発明の目的)
本発明の目的の1つは、標準的な方法、特にシリコントランジスタ集積方法を用いた、非常に高い配線密度及び大きい電流量が得られるトランジスタを提案することである。
【0009】
本発明によれば、この目的は添付した請求の範囲により達成され、より詳細には、チャネルはゲルマニウムベースであり、第1の層はゲルマニウム濃度が0%〜10%のゲルマニウムとシリコンの化合物からなり、第2の層は10%〜50%のゲルマニウム濃度を有し、チャネルはソース電極及びドレイン電極の2つの第2の層の各々を接続するという事実により達成される。
【0010】
本発明のさらなる目的は、
ゲルマニウム及びシリコン化合物からなりゲルマニウム濃度が0%以上10%以下の第1の層とゲルマニウム濃度が10%以上50%以下の第2の層とを交互にした積層体の基板上への製造と、
前記積層体における、ソース電極及びドレイン電極を形成するためのソース領域及びドレイン領域と、前記ソース領域及びドレイン領域を接続する狭領域とのエッチングと、
前記狭領域におけるゲルマニウム濃度が10%以上50%以下である前記ゲルマニウム及びシリコン化合物の前記シリコンを酸化し、前記ゲルマニウムを濃縮するための、前記積層体の表面熱酸化と、
前記狭領域から前記酸化されたシリコンの除去と、
前記狭領域の前記濃縮されたゲルマニウム上へのゲート誘電体の堆積と、
前記ゲート誘電体上へのゲート金属の堆積と、
を順次行うトランジスタの製造方法を提供することである。
【0011】
他の利点及び特徴は、後述する限定しない例としてのみ与えられた本発明の実施形態の説明及び添付した図面から明らかになるであろう。
【0012】
(実施形態の説明)
図1〜図3に示される実施形態では、トランジスタはゲート電極2により囲まれる2つのチャネル1を有する。チャネル1はゲルマニウムベースである。トランジスタは、ゲルマニウムとシリコン化合物からなる第1の層5及び第2の層6を交互にすることでそれぞれ形成されるソース電極3及びドレイン電極4を有する。第1の層5は0%以上10%以下のゲルマニウム濃度を有し、第2の層6は10%以上50%以下のゲルマニウム濃度を有する。第1の層5は例えばシリコンからなる。第2の層6はすべて同じゲルマニウム濃度にできる。例えば、SiGex/Si/SiGex/Si積層となるように、第1の層5はシリコン、第2の層6はSiGexにより作る。
【0013】
第2の層6は異なるゲルマニウム濃度にしてもよい。例えばSiGex/Si/SiGey/Si/SiGez/Si積層となるように、第2の層6をそれぞれSiGex、SiGey、及びSiGez、第1の層5をシリコンにより作る。
【0014】
第1の層5はシリコンで作らなくてもよい。例えば、第1の層が10%未満、第2の層が10%以上50%以下のゲルマニウム濃度で、SiGeu/SiGev/SiGew/SiGex/SiGey/SiGez積層となるように、第1の層5もゲルマニウムを含む。
【0015】
層5及び層6の積層の最上層はシリコンからなる第1の層が好適である。
【0016】
第1の層5及び/又は第2の層6は、ジボラン、ホスフィン、又はアルシンのような前駆体の注入による成長の間にドープできる。各チャネルはそれぞれソース電極3及びドレイン電極4のシリコンゲルマニウムからなる2つの第2の層6を接続する。チャネル1はゲート誘電体7によりゲート電極から分離されている。図2に示されるように、ソース電極3及びドレイン電極4はスペーサ15及びゲート誘電体7によりゲート電極2から分離されることが好ましい。例えば、ソース電極3及びドレイン電極4の第1の層5とゲート電極2との間にスペーサ15を作るため、チャネル1に対向する第1の層5の一部はゲート誘電体7の堆積前に酸化される。
【0017】
図2では、上側のチャネル1がソース電極3の上側の第2の層6aをドレイン電極4の上側の第2の層6bへ接続する。層5、6は基板8上に同じ方向に形成される。上側の第2の層6aはソース電極3の交互になった層の所定の高さで、かつ基板8からみて所定の高さに配置される。同様に、対応するドレイン電極の上側の第2の層6bは、ドレイン電極4の交互になった層の所定の高さで、かつ基板8からみて所定の高さに配置される。従って、同じチャネル1に対応する上側の第2の層6a、6bは同じ高さにある。
【0018】
図2では、C−C線で表されるように、チャネル1により接続される2つの第2の層6及びチャネル1は基板8に平行な同じ平面に配置される。図3に示されるように、ゲート電極2はチャネル1を完全に囲む。
【0019】
本発明によるトランジスタの製造方法は、図4〜図6に示されるように、それぞれシリコン、シリコンゲルマニウムからなる層5、6を交互にした積層体を基板8上に製造することを含む。その積層体は例えば、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板上へのSiGe/Siのヘテロエピタキシにより得られる。SiGeの第2の層6の厚さは5nm以上30nm以下が好ましい。第1の層5及び第2の層6の厚さは例えばそれぞれ約10nmである。第2の層のゲルマニウム濃度は30%が好ましい。SiGeの第2の層6の数は、この方法で形成されるゲルマニウムベースのチャネル1の数を決定する。
【0020】
層5、6が交互になった積層体は、後に続く酸化から積層体の外表面を保護する保護層(図示せず)により保護することができ、保護層は例えば窒化シリコンからなる。
【0021】
そして、前記積層体のエッチング(図7〜図9)により、それぞれソース電極3及びドレイン電極4を形成するよう設計されたソース領域9及びドレイン領域10と、ソース領域9をドレイン領域10に接続する狭領域11の輪郭が描かれる。前記領域(9、10、及び11)は例えば、フォトレジストの堆積、フォトレジストのリソグラフィ(例えばフォトリソグラフィ又は電子線リソグラフィ)、層5、6の積層体の異方性プラズマエッチング、及びフォトレジストの除去により輪郭が描かれる。このように、ソース電極3及びドレイン電極4を形成する交互になった層5及び6は、層5及び6からなる同じ積層体に形成される。狭領域11は後に形成されるチャネル1の位置に対応する。狭領域11は3nm以上50nm以下の横寸法、5nmより大きい縦寸法を有し、マイクロメートル寸法に達し得る。
【0022】
続いて、図10〜図12に示されるように、前記積層体の表面熱酸化が行われる。酸素が積層体の図10の破線12で示される所定の深さまで入る。従って、熱酸化が起こったとき、ソース電極3及びドレイン電極4の内部は酸化されない。図10〜図12に示される本実施形態では、熱酸化が行われたとき、狭領域11のシリコンは完全に酸化される。層5、6の狭領域に対応する部分のシリコンすべて、すなわちシリコンの層5のシリコンとシリコンゲルマニウムの層6のシリコンである。狭領域11では、層6の狭領域11に対応する部分の内部でシリコンゲルマニウムが凝縮し、ゲルマニウムベースのチャネル1を形成するように、ソース電極3及びドレイン電極4を接続する層6の中心軸に集中し、一方シリコンはゲルマニウムベースのチャネルの表面に酸化物13を形成する。ゲルマニウムベースのチャネルの寸法は狭領域11の横寸法及び縦寸法と、シリコンゲルマニウムからなる第2の層6の厚さと、シリコンゲルマニウムの初期ゲルマニウム濃度により決定される。図11、図12では、シリコンからなる第1の層5の狭領域11に対応する部分は完全にシリコン酸化物13に変換される。図11では、表面酸化層14がソース電極3及びドレイン電極4の壁面に配置される。
【0023】
ゲルマニウム濃縮現象、すなわち酸化処理時のシリコンとゲルマニウムの化合物のゲルマニウム濃度の増加、は通常、絶縁体基板にゲルマニウムを作るときに用いられる。ここでは、狭領域11が両側を介して横方向に酸化され、図12、図15、及び図3に示されるように、ゲルマニウムの濃縮が自動的にほぼ円筒形のチャネルをもたらす。特に、チャネルの円筒形状は後に得られるゲートにより非常に良いチャネルの静電気制御を可能にする。
【0024】
そして、図13〜図15に示されるように、チャネル1を露出するため、狭領域11のシリコン酸化物13を除去する。狭領域11の第1の層5のシリコンを部分的に酸化するために熱酸化が行われたときに、チャネル1間に位置する狭領域11の残余シリコンの選択的エッチングによるシリコン酸化物13の除去が付随して起こり得る。実際、第1の層5のシリコンはシリコンゲルマニウムより酸化が遅い。従って、残余シリコン(図示せず)の選択的エッチングにより、チャネル1は完全に露出される。酸化速度を増すため、エピタキシの際にドープしたシリコンの層を堆積することが有利である。
【0025】
トランジスタの浮遊容量を低減するために、さらに熱酸化を行うことが有利である。すべての露出された物質、特にシリコン及びゲルマニウムベースのチャネルは酸化を受ける。酸化ゲルマニウムは選択的に除去でき、シリコン酸化物は、例えば水によるリンスのような、シリコン酸化物に対して酸化ゲルマニウムにエッチングの選択性を示すクリーニングにより変わらずに残る。これはトランジスタの浮遊容量を大きく低減できるシリコン端部のシリコン酸化物(図示せず)の厚さとなる。
【0026】
狭領域の酸化シリコンの除去ステップの後に、水中でのゲルマニウムの選択的溶解に続いて、酸化(例えば熱酸化又はプラズマ酸化)によりスペーサ15を製造するステップを行ってもよい。
【0027】
チャネル1の露出後、チャネル1を覆うため、チャネル1を構成する濃縮ゲルマニウム上にゲート誘電体7(例えば、Hf、Si、O又はNベースを有する材料や、HfO2、HfSiON、LaAlO3等の材料)を堆積する。図2に示されるように、ゲート誘電体7はソース3及びドレイン4にも堆積される。
【0028】
そして、図2及び図3に示されるように、チャネル1及び誘電体7により形成されるアセンブリを包み込むように、例えば金属(例えばTiN、WSi、TaN)又は半導体(例えば多結晶シリコン、多結晶ゲルマニウム、SiGe)のゲート材料をゲート誘電体7上に堆積し、オールアラウンドゲート2を形成する。ゲート2がチャネル1を包み込むことは、短チャネル効果の優れた制御を与える。例えばゲート2は層5、6の積層体及びチャネル1全体に金属層を堆積し、その後フォトレジストの堆積、フォトレジストのフォトリソグラフィ、金属層の異方性エッチング、及びフォトレジストの除去により得られる。図2に示されるようにゲート2は、チャネル1間のスペースを埋め込むように、かつ狭領域11とソース電極3及びドレイン電極4の隣接部を完全に覆うような輪郭となる。ゲート2の寸法は特にチャネル1の縦及び横方向の寸法に対応し、用いられるリソグラフィツールの位置合わせ公差が加わる。位置合わせ公差は、典型的には電子ジェット装置で20nm、例えば紫外線、遠紫外線又は極紫外線のフォトリソグラフィ装置で60nmである。
【0029】
チャネル1を構成するゲルマニウム上にゲート誘電体7を堆積する前に、ソース電極3及びドレイン電極4を構成するよう設計された2つの領域9、10の選択的ドーピングを公知の方法で行うことができる。選択的ドーピングは例えばイオン注入により行うことができる。イオンエネルギーは例えばソース3及びドレイン4をドープするよう選択でき、一方イオンは後者をドーピングせず単にチャネル1を通過する。
【0030】
本発明は示された実施形態に限定されない。特に、チャネルの数は2より多くても、少なくても良い。特に上下に配置された複数のチャネルがより良い配線密度を得ることを可能にする。製造方法には、例えばスペーサの製造、ソース及びドレイン領域のドーピング工程、又はソース及びドレイン領域のシリサイド化など、異なる標準的な工程を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態によるトランジスタの上面図である。
【図2】同実施形態によるトランジスタのB−B線に沿った断面図である。
【図3】同実施形態によるトランジスタのA−A線に沿った断面図である。
【図4】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明する上面図である。
【図5】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明するB−B線に沿った工程断面図である。
【図6】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明するA−A線に沿った工程断面図である。
【図7】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明する上面図である。
【図8】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明するB−B線に沿った工程断面図である。
【図9】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明するA−A線に沿った工程断面図である。
【図10】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明する上面図である。
【図11】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明するB−B線に沿った工程断面図である。
【図12】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明するA−A線に沿った工程断面図である。
【図13】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明する上面図である。
【図14】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明するB−B線に沿った工程断面図である。
【図15】同実施形態によるトランジスタの製造方法を説明するA−A線に沿った工程断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート電極(2)に包み込まれた少なくとも1つのチャネル(1)と、それぞれ第1のシリコンベース層(5)とゲルマニウム及びシリコン化合物からなる第2の層(6)とを交互にして形成されたソース電極(3)及びドレイン電極(4)と、を備えるトランジスタであって、前記チャネル(1)がゲルマニウムベースであり、前記第1の層(5)が0%以上10%以下のゲルマニウム濃度のゲルマニウム及びシリコン化合物からなり、前記第2の層(6)は10%以上50%以下のゲルマニウム濃度を有し、前記チャネル(1)は前記ソース電極(3)及び前記ドレイン電極(4)の各々の第2の層(6a、6b)を接続することを特徴とするトランジスタ。
【請求項2】
前記第1の層(5)はシリコンからなることを特徴とする請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項3】
前記第2の層(6)は異なるゲルマニウム濃度を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトランジスタ。
【請求項4】
前記第2の層(6)は同じゲルマニウム濃度を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトランジスタ。
【請求項5】
前記チャネル(1)により接続され、前記ソース電極(3)に属する前記第2の層(6a)は、前記ドレイン電極(4)の対応する前記第2の層(6b)と同じ高さの前記ソース電極(3)の交互になった層に配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトランジスタ。
【請求項6】
前記ソース電極(3)及び前記ドレイン電極(4)を形成する前記交互層(5,6)は同じ積層体(5,6)に形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトランジスタ。
【請求項7】
前記チャネル(1)は略円筒形であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトランジスタ。
【請求項8】
前記ゲート電極(2)は完全に前記チャネル(1)を包み込むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトランジスタ。
【請求項9】
複数のチャネル(1)を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトランジスタ。
【請求項10】
ゲルマニウム及びシリコン化合物からなりゲルマニウム濃度が0%以上10%以下の第1の層(5)とゲルマニウム濃度が10%以上50%以下の第2の層(6)とを交互にした積層体の基板(8)上への製造と、
前記積層体における、ソース電極(3)及びドレイン電極(4)を形成するためのソース領域及びドレイン領域と、前記ソース領域及びドレイン領域を接続する狭領域(11)のエッチングと、
前記狭領域(11)におけるゲルマニウム濃度が10%以上50%以下である前記ゲルマニウム及びシリコン化合物の前記シリコンを酸化し、前記ゲルマニウムを濃縮するための、前記積層体の表面熱酸化と、
前記狭領域(11)からの前記酸化されたシリコン(13)の除去と、
前記狭領域(11)の前記濃縮されたゲルマニウム上へのゲート誘電体(7)の堆積と、
前記ゲート誘電体(7)上へのゲート金属の堆積と、
を順に行うことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトランジスタを製造する方法。
【請求項11】
前記第2の層(6)の厚さは5nm以上30nm以下であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記狭領域(11)は3nm以上50nm以下の横寸法と、5nm以上1μm以下の縦寸法を有することを特徴とする請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記狭領域(11)からの前記酸化されたシリコン(13)の除去は前記狭領域(11)の残余シリコンの選択的エッチング工程と共に行われることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記第1の層(5)及び/又は第2の層(6)はドープされることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記ゲルマニウム上に前記ゲート誘電体(7)が堆積される前に、前記ソース電極(3)及び前記ドレイン電極(4)が形成される2つの領域に選択的ドーピングを行うことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ゲート誘電体(7)の堆積前に、前記ソース電極(3)及びドレイン電極(4)の前記第1の層(5)と前記ゲート電極(2)との間にスペーサ(15)を設けるために、前記チャネル(1)に対向する前記第1の層(5)の一部が酸化されることを特徴とする請求項10乃至15のいずれかに記載の方法。
【請求項1】
ゲート電極(2)に包み込まれた少なくとも1つのチャネル(1)と、それぞれ第1のシリコンベース層(5)とゲルマニウム及びシリコン化合物からなる第2の層(6)とを交互にして形成されたソース電極(3)及びドレイン電極(4)と、を備えるトランジスタであって、前記チャネル(1)がゲルマニウムベースであり、前記第1の層(5)が0%以上10%以下のゲルマニウム濃度のゲルマニウム及びシリコン化合物からなり、前記第2の層(6)は10%以上50%以下のゲルマニウム濃度を有し、前記チャネル(1)は前記ソース電極(3)及び前記ドレイン電極(4)の各々の第2の層(6a、6b)を接続することを特徴とするトランジスタ。
【請求項2】
前記第1の層(5)はシリコンからなることを特徴とする請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項3】
前記第2の層(6)は異なるゲルマニウム濃度を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトランジスタ。
【請求項4】
前記第2の層(6)は同じゲルマニウム濃度を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトランジスタ。
【請求項5】
前記チャネル(1)により接続され、前記ソース電極(3)に属する前記第2の層(6a)は、前記ドレイン電極(4)の対応する前記第2の層(6b)と同じ高さの前記ソース電極(3)の交互になった層に配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトランジスタ。
【請求項6】
前記ソース電極(3)及び前記ドレイン電極(4)を形成する前記交互層(5,6)は同じ積層体(5,6)に形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトランジスタ。
【請求項7】
前記チャネル(1)は略円筒形であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトランジスタ。
【請求項8】
前記ゲート電極(2)は完全に前記チャネル(1)を包み込むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトランジスタ。
【請求項9】
複数のチャネル(1)を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトランジスタ。
【請求項10】
ゲルマニウム及びシリコン化合物からなりゲルマニウム濃度が0%以上10%以下の第1の層(5)とゲルマニウム濃度が10%以上50%以下の第2の層(6)とを交互にした積層体の基板(8)上への製造と、
前記積層体における、ソース電極(3)及びドレイン電極(4)を形成するためのソース領域及びドレイン領域と、前記ソース領域及びドレイン領域を接続する狭領域(11)のエッチングと、
前記狭領域(11)におけるゲルマニウム濃度が10%以上50%以下である前記ゲルマニウム及びシリコン化合物の前記シリコンを酸化し、前記ゲルマニウムを濃縮するための、前記積層体の表面熱酸化と、
前記狭領域(11)からの前記酸化されたシリコン(13)の除去と、
前記狭領域(11)の前記濃縮されたゲルマニウム上へのゲート誘電体(7)の堆積と、
前記ゲート誘電体(7)上へのゲート金属の堆積と、
を順に行うことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトランジスタを製造する方法。
【請求項11】
前記第2の層(6)の厚さは5nm以上30nm以下であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記狭領域(11)は3nm以上50nm以下の横寸法と、5nm以上1μm以下の縦寸法を有することを特徴とする請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記狭領域(11)からの前記酸化されたシリコン(13)の除去は前記狭領域(11)の残余シリコンの選択的エッチング工程と共に行われることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記第1の層(5)及び/又は第2の層(6)はドープされることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記ゲルマニウム上に前記ゲート誘電体(7)が堆積される前に、前記ソース電極(3)及び前記ドレイン電極(4)が形成される2つの領域に選択的ドーピングを行うことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ゲート誘電体(7)の堆積前に、前記ソース電極(3)及びドレイン電極(4)の前記第1の層(5)と前記ゲート電極(2)との間にスペーサ(15)を設けるために、前記チャネル(1)に対向する前記第1の層(5)の一部が酸化されることを特徴とする請求項10乃至15のいずれかに記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2008−543103(P2008−543103A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515240(P2008−515240)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【国際出願番号】PCT/FR2006/001177
【国際公開番号】WO2006/131615
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(502142323)コミサリア、ア、レネルジ、アトミク (195)
【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE
【出願人】(591035139)エステーミクロエレクトロニクス ソシエテ アノニム (31)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【国際出願番号】PCT/FR2006/001177
【国際公開番号】WO2006/131615
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(502142323)コミサリア、ア、レネルジ、アトミク (195)
【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE
【出願人】(591035139)エステーミクロエレクトロニクス ソシエテ アノニム (31)
【Fターム(参考)】
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