説明

コネクタ

【課題】カード型電子部品を挿入・排出方向に対して斜めに挿入してもイジェクト機構の係合部の破損を防止することができるコネクタを提供する。
【解決手段】メモリカード20を収容するカード収容部35を有するハウジング3に、メモリカード20をカード収容部35から排出させるイジェクト機構7を採用した。カード収容部35を覆うようにカバー5をハウジング4に装着する。メモリカード20の排出時にメモリカード20の一部分がカード収容部35内に留まるように、メモリカード20に係合するロック部712aをイジェクト機構7に設ける。カード収容部35にメモリカード20がカード挿入・排出方向Cに対して斜めに挿入されときにメモリカード20の先端部をカード挿入・排出方向Cへ案内するガイド51aをカバー5に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はコネクタに関し、特にメモリカード等のカード型電子部品用のコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハウジングとイジェクト機構とを備えるカード用のコネクタが知られている(下記特許文献1参照)。
【0003】
ハウジングは上側半部と下側半部とを有する。上側半部と下側半部とでカードの収容空間が形成される。
【0004】
イジェクト機構は収容空間に収容されたカードを排出する。イジェクト機構はイジェクトプレートと引張ばねとロッドとハートカムと板ばねとを有する。
【0005】
イジェクトプレートの先端部には係合部が形成され、イジェクトプレートの後端部には押動部が形成されている。イジェクトプレートは収容空間に収容され、カードの収容空間に対する挿入・排出方向に沿って移動可能にハウジングに支持されている。収容空間に挿入されたカードは押動部に突き当たり、係止される。このとき、係合部はカードの側面に形成された切欠に係合してカードを係止する。
【0006】
引張ばねの一端はハウジングに固定され、引張ばねの他端はイジェクトプレートの連結部に連結されている。これによりイジェクトプレートがカード排出方向へ付勢される。
【0007】
ロッドの両端部はそれぞれL字形に折り曲げられている。ロッドの一端部はイジェクトプレートの連結部に連結され、ロッドの他端部は後述するハートカムのカム溝に挿入されている。
【0008】
ハートカムはハート型のカム溝を有し、ハウジングの下側半部に形成されている。このハートカムのカム溝とロッドの他端部との係合により、ハウジングの収容空間に挿入されたカードをカード挿入方向へ押圧する度にカードのロックとカードの排出とが繰り返し行なわれる。
【0009】
ハウジングの収容空間にカードが挿入されていないとき、イジェクトプレートは収容空間内で最も前方(収容空間の開口側)に位置している。このとき、ロッドの他端部はカム溝の第1の屈曲点(ハート形の下端に相当する位置)に位置している。
【0010】
カードを収容空間に挿入すると、カードの先端がイジェクトプレートの押動部に突き当たるとともに、イジェクトプレートの係合部がカードの切欠に係合し、それ以後、イジェクトプレートはカードとともに動く。
【0011】
カードが所定距離だけ収容空間内を進むと、ロッドの他端部がカム溝の第2の屈曲点(ハート形の右側上端に相当する位置)に突き当たる。このとき、イジェクトプレートは収容空間内で最も後方に位置し、それ以上カードを押してもカードは動かない。
【0012】
カードから手を離すと、引張ばねによってイジェクトプレートがカード排出方向へ動くとともに、ロッドの他端部が第2の屈曲点から抜け出して第3の屈曲点(ハート形の上部中央に相当する位置)で係止されるので、イジェクトプレートはカード排出方向へ少し移動して止まる。このときカードはイジェクトプレートの押動部によって押圧され、カード排出方向へ少し移動して止まる。
【0013】
再度、カードを収容空間の奥へ押圧すると、カードの動きがイジェクトプレートを介してロッドに伝わり、ロッドの他端部が第3の屈曲点を抜け出して第4の屈曲点(ハートの左側上端に相当する位置)に突き当たるため、それ以上カードを押してもカードは動かない。このとき、イジェクトプレートは収容空間内で最も後方に位置している。
【0014】
再度、カードから手を離すと、ロッドの他端部が第4の屈曲点を抜け出し、カム溝内を第1の屈曲点まで自由に移動できるようになるため、引張ばねによってイジェクトプレートはカード排出方向へ動く。このとき、イジェクトプレートの押動部によってカードが押圧され、カードがカード排出方向へ移動する。
【0015】
イジェクトプレートが所定距離だけカード排出方向へ移動すると、イジェクトプレートの押動部がハウジングの一部に突き当たって止まる。このとき、カードには慣性の力が働き、収容空間から飛び出そうとするが、イジェクトプレートの係合部がカードの切欠に係合しているので、カードはその一部が収容空間から突出した状態でイジェクトプレートとともに止まる。これによって、排出時のカードの収容空間からの飛び出しが阻止される。
【0016】
イジェクトプレートの係合部によるカードのロックはカードにカード排出方向の力を加えれば解除されるいわゆるハーフロックであるので、カードの収容空間から突出した部分を引っ張れば、カードを収容空間から抜き出すことができる。
【特許文献1】特開2003−217738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上述のコネクタでは、カードが収容空間に挿入されていないとき、イジェクトプレートの係合部は収容空間の開口近くに位置する。
【0018】
このため、カードが挿入・排出方向に対して斜めに挿入されたとき、カードの先端の角部が係合部に接触し、係合部が破損する虞があった。
【0019】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題はカード型電子部品を挿入・排出方向に対して斜めに挿入してもイジェクト機構の係合部の破損を防止することができるコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前述の課題を解決するため請求項1の発明のコネクタは、カード型電子部品を収容する収容部を有するハウジングと、前記収容部を覆うようにハウジングに装着されたカバーと、前記カード型電子部品を前記収容部から排出させるイジェクト機構とを備え、前記イジェクト機構は、前記カード型電子部品の排出時に前記カード型電子部品の一部分が前記収容部内に留まるように、前記カード型電子部品に係合するロック部を有し、前記収容部に前記カード型電子部品がカード挿入・排出方向に対して斜めに挿入されたときに前記カード型電子部品の先端部を前記カード挿入・排出方向へ案内するガイドが、前記ハウジングと前記カバーとの少なくとも一方に設けられていることを特徴とする。
【0021】
カード型電子部品がカード挿入・排出方向に対して斜めに挿入されたとき、ハウジングとカバーとの少なくとも一方に設けられたガイドによってカード型電子部品がカード挿入・排出方向へ案内されるので、カード型電子部品の先端のロック部に対する干渉が回避される。
【0022】
請求項2の発明は、請求項1記載のコネクタにおいて、前記ガイドが板状で前記挿入・排出方向へ延び、前記ロック部の上方に配置され、前記ロック部の少なくとも一部は、前記ガイドの下方を移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、カード型電子部品を挿入・排出方向に対して斜めに挿入してもイジェクト機構の係合部の破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1はこの発明の一実施形態に係るカード用コネクタのカバーを外した状態を示す斜視図、図2は図1に示すカード用コネクタのカバーを装着した状態を示す正面図、図3は図1に示すカード用コネクタの斜視図、図4は図1に示すカード用コネクタにメモリカードが斜めに挿入された状態を示す斜視図で、カバーのガイドを表した図、図5は図4のA部の拡大図、図6Aはカード用コネクタにメモリカードを半分以上挿入した状態を示す斜視図、図6Bはカード用コネクタにメモリカードを突き当たるまで押し込んだ状態を示す斜視図、図6Cはカード用コネクタにメモリカードがロックされた状態を示す斜視図、図6Dは図6Cに示す状態からメモリカードを押し込んだ状態を示す斜視図である。
【0026】
図1〜3に示すように、このカード用コネクタ(コネクタ)1はハウジング3とカバー5とイジェクト機構7とを備える。このカード用コネクタ1はメモリカード(カード型電子部品)20用のコネクタであり、プリント基板(図示せず)に実装される。
【0027】
ハウジング3はハウジング本体31と側壁部32,33と後壁部34とを有する。ハウジング3は樹脂で形成されている。ハウジング本体31はほぼ板状であり、コンタクト固定部31aと窓孔31bとイジェクト機構配置部31cとを有する。コンタクト固定部31aはハウジング本体31の前部に位置する。窓孔31bはコンタクト固定部31aに隣接し、ハウジング本体31のほぼ中央部に位置する。イジェクト機構配置部31cはハウジング本体31の一側部に位置する。イジェクト機構配置部31cには、凹部31dが形成されている。凹部31dは後述のカード挿入・排出方向Cに沿って延びている(図5参照)。側壁部32,33はそれぞれハウジング本体31の側縁部に連結されている。後壁部34はハウジング本体31の後縁部に連結されている。ハウジング本体31と側壁部32,33と後壁部34とでカード収容部(収容部)35とイジェクト機構収容部36とが形成される。カード収容部35にはメモリカード20がカード挿入・排出方向(側壁部32,33の長手方向に平行な方向)Cに沿って挿入、排出可能に収容される。メモリカード20の一側面には突当て部20aと凹部20bとが形成されている。メモリカード20は側壁部33と後述のイジェクトバー71とでカード挿入・排出方向Cへ案内される。
【0028】
ハウジング3には複数のコンタクト9が保持されている。複数のコンタクト9はハウジング3の幅方向Wに沿って等間隔に並んでいる。図1に示すように、コンタクト9はほぼ板状であり、カード挿入・排出方向Cへ延びている。コンタクト9は接触部91とばね部92と固定部93と端子部94とを有する。接触部91はメモリカード20の端子部(図示せず)に接触する。ばね部92は接触部91に連結され、接触部91をメモリカード20の端子部に押し付ける。固定部93はばね部92に連結され、コンタクト固定部31aに固定されている。端子部94は固定部93に連結され、コンタクト固定部31aから前方へ突出している。
【0029】
カバー5はカバー本体51と側壁部52,53(図6A参照)とを有する。カバー5はカード収容部35及びイジェクト機構収容部36を覆うようにハウジング3に装着される。カバー本体51はほぼ板状であり、ガイド51aと押えばね51bとを有する。カバー5は金属板に打抜き加工及び曲げ加工を施すことによって形成されている。ガイド51aはほぼ板状である。ガイド51aはカバー本体51の下面(ハウジング3側の面)からハウジング本体31に向かって突出している。ガイド51aはカード挿入・排出方向Cへ延び、カード収容部35とイジェクト機構収容部36との境界に位置する。ガイド51aの高さ寸法H2はカード収容部35の高さ寸法H1のほぼ半分である。押えばね51bはほぼ舌片状であり、カバー本体51から打抜きによって形成されている。押えばね51bはカード挿入・排出方向Cへ延びている。押えばね51bは後述のイジェクト機構7の一部となる。
【0030】
イジェクト機構7はイジェクトバー71とコイルスプリング72とカムフォロア73と押えばね51bとで構成されている。
【0031】
イジェクトバー71はハートカム部711とロック片712とを有する。ハートカム部711は樹脂製で、ほぼ板状である。ハートカム部711の上面にはカム溝711aが形成されている。ハートカム部711の一側面にはメモリカード20の突当て部20aと接触する突当て面71bが形成されている。ハートカム部711の他側面には切欠71cが形成されている。ハートカム部711の下部はハウジング本体31の凹部31dに摺動可能に嵌合している。これにより、ハートカム部711はカード挿入・排出方向Cに沿って往復動可能である。
【0032】
ロック片712はほぼU字形に形成され、ロック部712aと接触部712bとを有する。ロック片712はハートカム部711の前端部に幅方向Wへ揺動可能に装着されている。ロック片712の高さ寸法H3はカード収容部35の高さ寸法H1のほぼ半分である。ロック部712aはカード収容部35内に入っている。イジェクトバー71がイジェクト機構収容部36内で最も前方に位置しているとき、ロック部712aの上方にガイド51aが位置する。また、ロック部712aの先端はイジェクト機構収容部36内に位置する。図2に示すように、ロック部712aはガイド51aと凹部31dの底との間を摺動する。
【0033】
コイルスプリング72は圧縮ばねであり、ハウジング本体31のイジェクト機構配置部31c上に配置され、その一部はイジェクトバー71の切欠71c内に収まっている。コイルスプリング72の一端はハウジング本体31の後壁部34に接触し、コイルスプリング72の他端は切欠71cの端面に接触する。コイルスプリング72はイジェクトバー71をメモリカード20の排出方向へ付勢する。
【0034】
カムフォロア73はロッド状であり、両端部がL字形に折り曲げられている。カムフォロア73の一端部はハウジング本体31の後壁部34に回転可能に連結され、カムフォロア73の他端部はハートカム部711のカム溝711aに摺動可能に挿入されている。
【0035】
カバー5の押えばね51bはカムフォロア73の他端部をカム溝711aの方へ付勢する。
【0036】
この実施形態に係るカード用コネクタ1のイジェクト機構7の動作は上述の特開2003−217738号公報に開示されたカードコネクタ(以下、「従来のカードコネクタ」という)のイジェクト機構の動作とほぼ同じである。この実施形態に係るカード用コネクタ1と従来のカードコネクタとの相違点は次の通りである。従来のカードコネクタでは、ハートカムが固定され、ロッドがイジェクトプレートとともに移動するのに対し、この実施形態に係るカード用コネクタ1では、ハートカム部711がイジェクトバー71の一部となってカード挿入・排出方向Cへ動き、カムフォロア73がハウジング3に固定されている。また、従来のカードコネクタでは引張ばねがイジェクトプレートを引っ張るのに対し、この実施形態に係るカード用コネクタ1ではコイルスプリング72がイジェクトバー71を押す。しかし、従来のカードコネクタにおけるハートカムのカム溝に対するロッドの他端部の相対的な動きと、この実施形態に係るカード用コネクタ1におけるハートカム部711のカム溝711aに対するカムフォロア73の他端部の相対的な動きとは同じである。また、従来のカードコネクタにおける引張ばねのイジェクトプレートに対する付勢方向と、この実施形態のカード用コネクタ1におけるコイルスプリング72のイジェクトバー71に対する付勢方向とは同じである。
【0037】
ハウジング3のカード収容部35にメモリカード20が挿入されていないとき、イジェクトバー71はイジェクト機構収容部36内で最も前方(ハウジング3の開口側)に位置している。このとき、カムフォロア73の他端部はハートカム部711のカム溝711aの第1の屈曲点(ハート形の下端に相当する位置)に位置している。
【0038】
図6Aに示すように、メモリカード20をハウジング3のカード収容部35に挿入すると、メモリカード20の突当て部20aがイジェクトバー71の突当て面71bに突き当たるとともに、イジェクトバー71のロック部712aがメモリカード20の凹部20bに係合し、それ以後、イジェクトバー71はメモリカード20とともに動く。
【0039】
メモリカード20が所定距離だけカード収容部35内を進むと、カムフォロア73の他端部がカム溝711aの第2の屈曲点(ハート形の右側上端に相当する位置)に突き当たる。このとき、図6Bに示すように、メモリカード20を押してもメモリカード20は動かず、イジェクトバー71はイジェクト機構収容部36内で最も後方に位置する。
【0040】
メモリカード20から手を離すと、コイルスプリング72によってイジェクトバー71がカード排出方向へ動くとともに、カムフォロア73の他端部が第2の屈曲点から抜け出して第3の屈曲点(ハート形の上部中央に相当する位置)で係止されるので、イジェクトバー71はカード排出方向へ少し移動して止まる。このときのイジェクトバー71の突当て面71bによってメモリカード20は押圧され、図6Cに示すように、カード排出方向へ少し移動して止まる。このとき、メモリカード20の端子部はコンタクト9の接触部91と接触し、メモリカード20はカード用コネクタ1によってプリント基板に電気的に接続される。
【0041】
図6Dに示すように、再度、メモリカード20をカード収容部35の奥へ押圧すると、メモリカード20の動きが突当て部20aを介してイジェクトバー71に伝わってイジェクトバー71がイジェクト機構収容部36の奥の方へ移動し、それとともにカムフォロア73の他端部が第3の屈曲点を抜け出して第4の屈曲点(ハートの左側上端に相当する位置)で突き当たるため、それ以上メモリカード20を押してもメモリカード20は動かない。このとき、イジェクトバー71はイジェクト機構収容部36内で最も後方に位置する。
【0042】
再度、メモリカード20から手を離すと、カムフォロア73の他端部が第4の屈曲点を抜け出し、カム溝711a内を第1の屈曲点まで自由に移動できるようになるため、コイルスプリング72によってイジェクトバー71がカード排出方向へ動く。このとき、イジェクトバー71の突当て面71bによってメモリカード20が押圧され、メモリカード20がカード排出方向へ移動する。
【0043】
イジェクトバー71が所定距離だけカード排出方向へ移動すると、イジェクトバー71がハウジング3の一部に突き当たって止まる。このとき、メモリカード20には慣性の力が働き、カード収容部35から飛び出そうとするが、イジェクトバー71のロック部712aがメモリカード20の凹部20bに係合しているので、メモリカード20はその一部がカード収容部35から突出した状態でイジェクトバー71とともに止まる。これによって、排出時のメモリカード20のカード収容部35からの飛び出しが阻止される。
【0044】
イジェクトバー71のロック部712aはメモリカード20をハーフロックしているので、メモリカード20のカード収容部35から突出した部分を引っ張れば、メモリカード20をカード収容部35から抜き出すことができる。
【0045】
メモリカード20がカード収容部35へ所定量挿入され、メモリカード20がカードコネクタ1によってプリント基板に電気的に接続されているとき、ロック片712の接触部712bはハウジング3の側壁部32の内側面と接触し、ロック部712aと接触部712bとの間隔が狭められている。このとき、ロック片712は幅方向Wに強く圧縮されており、ロック部712aはメモリカード20の凹部20bに強く接触する。その結果、メモリカード20がカード用コネクタ1から容易に抜けない状態になっている。
【0046】
メモリカード20がカード収容部35へ所定量挿入されていないとき、ロック片712の接触部712bはハウジング3の側壁部32の切欠32a内にあり、側壁部32と接触しておらず、このため、ロック片712は幅方向Wに殆ど圧縮されておらず、ロック部712aは適度な力でメモリカード20の凹部20bに接触する。
【0047】
図4、5はメモリカード20が嵌合状態の際のイジェクトバー71の位置を示すものであり、図4、5に示すように、カード収容部35へメモリカード20がカード挿入・排出方向Cに対して斜めに挿入されたとき、メモリカード20の先端の角部がガイド51aに接触し、それ以後、メモリカード20はガイド51aによって正しい方向(カード挿入・排出方向C)へガイドされる。これによって、メモリカード20の先端の角部とロック部712aとの接触が避けられる。
【0048】
以上のように、この実施形態に係るコネクタによれば、カード収容部35へメモリカード20がカード挿入・排出方向Cに対して斜めに挿入されたとき、ガイド51aによってメモリカード20が正しい方向(カード挿入・排出方向C)へガイドされるので、メモリカード20の先端の角部とロック部712aとの接触を避けることができ、ロック部712aの破損を防止することができる。
【0049】
また、この実施形態に係るコネクタによれば、ガイド51aが板状であるので、ガイド51aを簡単に形成することができる。
【0050】
なお、上述の実施形態では、ガイド51aはカバー5に設けたが、ガイドはハウジング3に設けても良いし、ハウジング3とカバー5の両方に設けても良い。ガイドをハウジング3に設ける場合、ロック部712aをカバー5寄りに配置し、ガイドをハウジング3の底面から突出させる。ガイドをハウジング3とカバー5の両方に設ける場合、ロック部はハウジング3とカバー5の中間の位置(高さ方向の中間位置)に配置し、第1のガイドをハウジング3の底面から突出させ、第2のガイドをカバー5の下面から突出させる。
【0051】
また、上述の実施形態では、ガイド5は板状であるが、ガイドは板状である必要は無く、カード挿入・排出方向に対して斜めにメモリカード20がカード収容部35に挿入されたときに、メモリカード20をカード挿入・排出方向Cへ案内する面を持っていれば、ガイドの形状は特に限定されない。
【0052】
なお、上述の実施形態はメモリカード用のコネクタであるが、この発明のコネクタはメモリカード用に限られず、メモリカード以外のカード型電子部品にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1はこの発明の一実施形態に係るカード用コネクタのカバーを外した状態を示す斜視図である。
【図2】図2は図1に示すカード用コネクタのカバーを装着した状態を示す正面図である。
【図3】図3は図1に示すカード用コネクタの斜視図である。
【図4】図4は図1に示すカード用コネクタにメモリカードが斜めに挿入された状態を示す斜視図である。
【図5】図5は図4のA部の拡大図である。
【図6A】図6Aはカード用コネクタにメモリカードを半分以上挿入した状態を示す斜視図である。
【図6B】図6Bはカード用コネクタにメモリカードを突き当たるまで押し込んだ状態を示す斜視図である。
【図6C】図6Cはカード用コネクタにメモリカードがロックされた状態を示す斜視図である。
【図6D】図6Dは図6Cに示す状態からメモリカードを押し込んだ状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
1 カード用コネクタ(コネクタ)
3 ハウジング
35 カード収容部(収容部)
5 カバー
51a ガイド
7 イジェクト機構
712a ロック部
20 メモリカード(カード型電子部品)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード型電子部品を収容する収容部を有するハウジングと、
前記収容部を覆うようにハウジングに装着されたカバーと、
前記カード型電子部品を前記収容部から排出させるイジェクト機構とを備え、
前記イジェクト機構は、前記カード型電子部品の排出時に前記カード型電子部品の一部分が前記収容部内に留まるように、前記カード型電子部品に係合するロック部を有し、
前記収容部に前記カード型電子部品がカード挿入・排出方向に対して斜めに挿入されたときに前記カード型電子部品の先端部を前記カード挿入・排出方向へ案内するガイドが、前記ハウジングと前記カバーとの少なくとも一方に設けられていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記ガイドが板状で前記挿入・排出方向へ延び、前記ロック部の上方に配置され、前記ロック部の少なくとも一部は、前記ガイドの下方を移動することを特徴とする請求項1記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【公開番号】特開2009−135032(P2009−135032A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−311263(P2007−311263)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】