説明

コンクリートブロックを備えた防護柵

【課題】設置安定性を確保しつつ容易に防護柵を設置できるコンクリートブロックを備えた防護柵を提供すること。
【解決手段】少なくとも一方の端部に隣接するコンクリートブロック10と連結可能に形成されたコンクリートブロック10と、両側下端から下方に支柱が延設された防護柵20と、前記コンクリートブロック10の上面に取り付けられ、前記防護柵20の前記支柱22を立設する支柱立設部材30と、一方端部に前記防護柵20の少なくとも一部に固定される防護柵取付部材と、他方端部に前記コンクリートブロックに固定なブロック取付部材とを有する防護柵支持固定部材40と、を備えていることを特徴とするコンクリートブロックを備えた防護柵。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防護柵、境界用柵等の防護柵を設置するためのコンクリートブロックを備えた防護柵に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路や敷地を区画し又は工事現場等の作業帯と非作業帯とを区画し、その区画された領域を保護する手段として防護柵が設置される。こうした防護柵の代表的な形態としては、図17に示すように、水平に形成されたポールの両端を垂直に折り曲げて支柱とした防護柵1や、図18に示すようにネット型の防護柵2がある。こうした防護柵は、地中にコンクリートを打設して直接現場打ちで固定したり、基礎ブロックを埋設して構築した基礎に支柱を固定して設置したりする固定タイプのものが多い。
【0003】
しかし、こうした固定タイプの区画は、永久的に使用する場合には好適であるが、工事現場や催し物等において、一時的に設置される区画には不適である。こうした状況に対応できるものとして、必要に応じて設置及び撤去が可能な仮設型の柵も提案されている。
【0004】
例えば、図19に示すように、H鋼4にH鋼固定用のL字鋼5を取り付け、長く太い鉄釘6等を用いて地面やアスファルトに固定した後、H鋼4に適当な防護柵を立設する部材を取り付けて防護柵7を取り付ける方法も提案されている。しかし。係るH鋼を用いた防護柵の設置では、アスファルト等に鉄釘を穿った際に大きな孔があいてしまうという問題点があった。またH鋼では安定性が悪く、結局安定性を確保するために柵を他の場所に固定するための固定手段8、9が必要となり、設置するのに柵の幅に対して広い面積を必要とした。
【0005】
例えば、防護柵の支柱が保持される基礎を、支柱が挿入される縦穴を通る垂直断面で複数個に切断した形状の複数個の分割ブロックから構成し、各分割ブロックを連結、離別自在の緊結具で連結して組み立てるようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0006】
しかし、略立方体型の基礎ブロックを用いた仮設型ガードレールは設置安定性に乏しいという問題があった。つまり、この仮設型ガードレールは基礎ブロックの一個一個がそれぞれ独立しているために、基礎ブロック一個あたりの重量が軽く、地面への接地面積も小さいことから、例えば自転車や歩行者が転倒を避けるために寄りかかった場合や突風が吹いた場合等に容易に倒れてしまったり、あるいは自動車が衝突したりしたときに容易に跳ね飛ばされて、路側帯や作業帯等の保護されるべき領域に自動車の侵入を許してしまい易かった。また、設置の際には、支柱の一本ずつに対して、基礎ブロックの位置を一個ずつ微調整しながら行う必要があり、設置作業が煩雑となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−291736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、設置安定性を確保しつつ容易に防護柵を設置でき、かつ防護柵をコンクリートブロックに固定することができる手段を有するコンクリートブロックを備えた防護柵を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上のような課題を解決するために、本発明が採った手段は以下の通りである。
【0010】
本発明に係るコンクリートブロックを備えた防護柵は、少なくとも一方の端部に隣接するコンクリートブロックと連結可能に形成されたコンクリートブロックと、
両側下端から下方に支柱が延設された防護柵と、
前記コンクリートブロックの上面に取り付けられ、前記防護柵の前記支柱を立設する支柱立設部材と、
一方端部に前記防護柵の少なくとも一部に固定される防護柵取付部材と、他方端部に前記コンクリートブロックに固定なブロック取付部材と、を有する防護柵支持固定部材と、
を備えているものである。
【0011】
係るコンクリートブロックを備えた防護柵においては、コンクリートブロックが隣り合うコンクリートブロックと連結でき、並べて設置された全てのコンクリートブロックが一体となる。よって、コンクリートブロックの設置面積が広くなり、支柱下方に分離されたブロックが存在するタイプと比較して重量的に安定させることができる。従って、自転車や歩行者が転倒を避けるために寄りかかった場合や突風が吹いた場合等に容易に倒れてしまったり、あるいは自動車が衝突したりしたときに容易に跳ね飛ばされて、路側帯や作業帯等の保護されるべき領域に自動車が侵入するのを極力防止することができる。また、防護柵支持固定部材によって、支柱立設部材に立設された防護柵をコンクリートブロックに固定できるので、防護柵が風によって外れるのを防止できる。
【0012】
また、本発明に係るコンクリートブロックを備えた防護柵として、前記支柱立設部材は、2つの防護柵の支柱を立設可能な2つの垂直な筒状体であってもよい。
【0013】
係る構成を採用することによって、2つの筒状体を別々に設置する必要がなく、1つの支柱立設部材を設置すれば、隣接する柵のそれぞれの支柱を立設することができる。また、2つの防護柵の支柱を筒状体に差し込むことによって、2つの防護柵を隣接して設置することができる。よって、防護柵間の隙間を最小限にして連続して設置できる。
【0014】
また、本発明に係るコンクリートブロックを備えた防護柵として、前記防護柵支持部材は、全長の長さを調整可能な長尺部材であってもよい。
【0015】
防護柵支持部材の長さを調整可能とすることで、コンクリートブロック及び防護柵に防護柵支持部材を架設した後に、防護柵支持部材のテンションを変更することができる。よって、テンションを高くすれば、防護柵を支柱立設部材に確実に固定でき、風によって防護柵が飛ばされることを防止できる。
【0016】
さらに、本発明に係るコンクリートブロックを備えた防護柵として、防護柵支持部材は、ターンバックルを備えていてもよい。ターンバックルを防護柵支持部材に取り付けておくことによって、防護柵支持部材の長さを容易に変更することができる。
【0017】
さらにまた、本発明に係るコンクリートブロックを備えた防護柵として、前記コンクリートブロックは、側面に溝を備えており、前記ブロック取付部材は、コンクリートブロックの溝に引っ掛けることができるフックを備えていてもよい。
【0018】
係る構成を採用することによって、ブロック取付部材をコンクリートブロックに取り付ける際に、溝にフックを引っ掛けて取り付けることができ、取付作業の迅速化に資する。溝の形態は特に限定するものではなく、凹溝、V字型溝等フックが引っ掛けられる形態であればよい。溝を設ける位置としては、コンクリートブロックの側面全周に渡って水平に設ければ、ブロック取付部材を任意の位置に取り付けることができる。
【0019】
さらにまた、本発明に係るコンクリートブロックを備えた防護柵としては、前記コンクリートブロックは、一方の端部又は両方の端部の上方又は下方が突出形成されていてもよい。
【0020】
係る構成を採用することにより、隣り合うコンクリートブロックのそれぞれの端部(上側突出部と下側突出部)を重ね合わせることによって、コンクリートブロックを連続して設置することができる。また、例えば中央の連結型境界ブロックの一部が倒れそうになっても、下側突出部に隣のブロックの上側突出部が重なっているので、隣のブロックの重量も加算されるため、さらに倒れにくくなる。
【0021】
さらにまた、本発明に係るコンクリートブロックを備えた防護柵としては、前記コンクリートブロックは、一方の端部又は両方の端部が円形に形成されてなるものであってもよい。
【0022】
係る構成を採用することによって、カーブであってもコンクリートブロックを角度を付けて設置することで、対応することが可能になる。
【0023】
さらにまた、本発明に係るコンクリートブロックを備えた防護柵としては、前記コンクリートブロックは、屈曲部を有して形成されていてもよい。
【0024】
係る構成を採用することによって、カーブに対応するコンクリートブロックとすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、工事現場、催し物等によって一時的に必要な防護柵を容易かつ迅速に設置することができる。また、設置された防護柵は重量的に安定し、風や衝突などに強く倒れにくい防護柵とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係るコンクリートブロックを備えた防護柵の付設状態を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態に係るコンクリートブロックを備えた防護柵のコンクリートブロックを示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態に係るコンクリートブロックを備えた防護柵の防護柵を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態に係るコンクリートブロックを備えた防護柵の支柱立設部材を示す斜視図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施形態に係るコンクリートブロックを備えた防護柵の防護柵支持固定部材を示す斜視図である。
【図6】図6は、本発明の第2実施形態に係るコンクリートブロックを備えた防護柵のコンクリートブロックを示す斜視図である。
【図7】図7は、本発明の第2実施形態に係るコンクリートブロックを備えた防護柵を付設した状態を示す断面図である。
【図8】図8は、本発明の第2実施形態に係るコンクリートブロックを備えた防護柵のコンクリートブロックのバリエーションを示す斜視図である。
【図9】図9は、本発明の第2実施形態に係るコンクリートブロックを備えた防護柵のコンクリートブロックのバリエーションを示す斜視図である。
【図10】図10は、本発明の第2実施形態に係るコンクリートブロックを備えた防護柵のコンクリートブロックのバリエーションを示す斜視図である。
【図11】図11は、本発明の第2実施形態に係るコンクリートブロックを備えた防護柵のコンクリートブロックのバリエーションを示す斜視図である。
【図12】図12は、本発明の第3実施形態に係るコンクリートブロックを備えた防護柵の支柱立設部材をコンクリートブロックに設置した状態を示す斜視図である。
【図13】図13は、本発明の第3実施形態に係るコンクリートブロックを備えた防護柵に係る支柱立設部材の固定部を示す斜視図である。
【図14】図14は、本発明に係るコンクリートブロックを備えた防護柵に係る支柱立設部材のバリエーションを示す斜視図である。
【図15】図15は、本発明に係る第4実施形態に係るコンクリートブロックを備えた防護柵に係る防護柵支持固定部材を示す斜視図である。
【図16】図16は、本発明に係る第5実施形態に係るコンクリートブロックを備えた防護柵の付設状態を示す斜視図である。
【図17】従来の防護柵を示す斜視図である。
【図18】従来の防護柵を示す斜視図である。
【図19】従来の防護柵を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について、図面に沿って詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではない。なお、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号が付されている。
【0028】
(第1実施形態)
第1実施形態の基礎コンクリート付き防護柵100は、図1に示すように、略直方体のコンクリートブロック10と、防護柵20と、コンクリートブロック10の上面に取り付けられる支柱立設部材30と、コンクリートブロック10と防護柵20とを支持固定する防護柵支持固定部材40と、を備えている。
【0029】
コンクリートブロック10は、図1、図2に示すように、直方体のブロック塊で形成され、その側面に側面ボルト孔11が設けられていて、このボルト孔11と適合するように孔が形成された鉄プレート110によって、長手方向に並べたときにお互いを連結することができる。さらに、コンクリートブロック10の上面には、後述する支柱立設部材30及び防護柵支持固定部材40を取り付けられるようにそれぞれ第1上面ボルト孔12a、第2上面ボルト孔12bが設けられている。尚、コンクリートブロック10の長さ、幅、高さは、限定するものではない。但し、使用される防護柵20の長さに合わせて設定され、例えば、一般に規格物として販売されている防護柵20は、横幅が1800mmであるので、この防護柵20を使用する場合には1800mmの長さに設定することが好ましい。係る設定にすれば、連結したコンクリートブロック10の上面に防護柵20を併設したときにコンクリートブロック10と防護柵20とが互い違いとなるように設置される。
【0030】
防護柵20は、図3に示すように、上方が網で、下方が鉄板からなるフェンス21の両側下端から支柱22をなすパイプが下方に延設されている。防護柵20の幅は限定するものではない。前述したように、防護柵20の幅によってコンクリートブロック10の長さを適宜変更するとよい。
【0031】
支柱立設部材30は、図4に示すように、防護柵20の支柱22を立設するためのものであり、支柱立設部材30は、コンクリートブロック10に固定するための固定部31と、支柱22を立設するための立設部32と、を備えている。固定部31は、前述したコンクリートブロック10の第1上面ボルト孔12aに取り付け可能なように、ボルト孔12aと適合する位置に長孔33が設けられた取付プレートからなる。長孔にしておくことで、取り付け位置を長孔の範囲で調整することができるようになる。一方、立設部32は、防護柵20の支柱22を挿入するために支柱22より内径が若干大きい中空のパイプ部材を固定部31に立設して形成されている。支柱立設部材30は、コンクリートブロック10にボルト等で固定した後、立設部32に防護柵20の支柱22を挿入して防護柵20を立設する。
【0032】
防護柵支持固定部材40は、図5に示すように、コンクリートブロック10へ取り付けるためのブロック取付部材41と、長さを調節可能な張設部材42と、防護柵20へ取り付けるための防護柵取付部材43と、を備えている。ブロック取付部材41は、コンクリートブロック10に設けられている第2上面ボルト孔12bに適合する位置に長孔41aが設けられた取付プレートからなる。このブロック取付部材41には、張設部材42を回動自在に取り付ける2枚の取付板44aを備えている。
【0033】
張設部材42は、途中にターンバックル47を備えた金属鉄筋で形成されている。その両端部には、板材45a、45bが形成されている。一方の板材45aは、前記ブロック取付部材41の取付板44a内に挟持され、中心にボルトやカシメを挿入して回動自在に取り付けられている。一方、他方の板材45bは、同様に、防護柵取付部材43の2枚の取付板44b内に挟持され、同様に回動自在に取り付けられている。
【0034】
防護柵取付部材43は、隣り合って設置される防護柵20の支柱22を保持するための部材であり、支柱22を2本まとめて表裏から挟持できるように、湾曲した2枚の湾曲した鉄板からなる。この2枚の鉄板で支柱22を挟み込んで固定する。防護柵取付部材43には、ブロック取付部材41と同様に2枚の取付板44bが設けられていて、張設部材42の板材45bを1本のボルトやカシメによって回動自在となるように挟持されている。
【0035】
以上のように構成されたコンクリートブロック10、防護柵20、支柱立設部材30及び防護柵支持固定部材40は、図1に示すように以下のようにして使用される。
【0036】
まず、コンクリートブロック10を、柵を設置したい場所に長手方向に連続して付設する。そして隣接したコンクリートブロック10の側面に鉄プレート110を配し、側面ボルト孔11に鉄プレート110の孔を介してボルトで取付け、隣接したコンクリートブロック10同士を固定する。
【0037】
次に、コンクリートブロック10の上面に設けられたボルト孔12aにボルトで支柱立設部材30を固定する。そして、支柱立設部材30に防護柵20の支柱22を挿入してコンクリートブロック10の上面に防護柵20を立設する。
【0038】
その後、防護柵支持固定部材40を、前述したようにコンクリートブロック10と防護柵20に取付け、コンクリートブロック10と防護柵20の間に斜めとなるように架設する。そして、ターンバックル47を回転させて締め付け、防護柵支持固定部材のテンションを強くして防護柵20を確実に固定する。こうして、コンクリートブロックを備えた防護柵100が設置される。
【0039】
こうして設置されたコンクリートブロックを備えた防護柵100は、基礎となるコンクリートブロック10が、防護柵20の直下に長手方向に連続して設置されているので、かなりの重量を有することになり、風や多少の自動車の衝突等によっても倒れたり、移動したりするのを防止することができる。
【0040】
また、立設した防護柵20は、防護柵支持固定部材40によって固定されているので、風などによって抜けたり、いたずらによって防護柵20を盗られたりすることも防止することができる。
【0041】
(第2実施形態)
以下、コンクリートブロックのバリエーションについて説明する。コンクリートブロック10としては、長手方向に連結可能であり、かつ、隣り合ったコンクリートブロック10と連結可能であれば、その形状、固定方法は特に限定するものではない。例えば、コンクリートブロックとして、以下のような変形例が考えられる。
【0042】
第2実施形態におけるコンクリートブロック10aは、図6に示したように、コンクリートブロック10a両端部の一方の端部は上側が側方に突出して形成されてなる上側突出部15aを備え、反対側の他方の端部は、下側が側方に突出して形成されてなる下側突出部15bを備えている。
【0043】
係る構成を有するコンクリートブロック10aを用いれば、隣り合うコンクリートブロック10aの上側突出部15aと下側突出部15bを重ね合わせるだけで、下側突出部15bは、上側突出部15aによって荷重がかけられて移動がさらに抑制される。従って、第1実施形態のように側面を鉄プレート110で固定する必要がない。なお、コンクリートブロック10aの上面に、後述する支柱立設部材30及び防護柵支持固定部材40を取り付けることができるようにそれぞれ第1上面ボルト孔12a、第2上面ボルト孔12bが設けられている点は第1実施形態と同様である。
【0044】
さらに、任意に上側突出部15aに円形の凹部(図示しない)を形成し、下側突出部15bに円形の凸部15cを形成して、上側突出部15aと下側突出部15bとが互いに嵌合するように構成してもよい。係る構成を採用することによって、図7のように互いに嵌合して位置関係がずれることも防止することができ、多少屈曲させて配置させることも可能となる。
【0045】
なお、コンクリートブロック10の形態としては、上記第2実施形態のものに限定されるものではなく、図8に示したように、コンクリートブロック10bの両側端の上側突出部15a及び下側突出部15bを円形に形成してもよい。なお、コンクリートブロック10bの側面には、凹溝16が形成されているが、これについては、詳細は後述する。
【0046】
さらに、図9に示すように、コンクリートブロック10cの一方の端部のみに円形の上側突出部15aを設けてもよい。また、図10に示すように、コンクリート10dの一方の端部を円形の上側突出部15aとし、他方の端部を矩形の下側突出部15bとしてもよい。
【0047】
さらにまた、図11に示すように、コンクリートブロック10eは、必ずしも直線上に形成する必要はなく、途中を屈曲形成してもよい。このようなコンクリートブロックを使用することで、カーブにも対応することができるようになる。
【0048】
(第3実施形態)
次に、支柱立設部材のバリエーションについて説明する。支柱立設部材30としては、防護柵20を立設する部品である。よって、支柱立設部材30は、コンクリートブロック10に固定可能であり、かつ2本の支柱22を立設可能な形態であればよい。
【0049】
例えば、支柱立設部材30は必ずしも一体物である必要はなく、図12に示したように、2個の部品を組み合わせた支柱立設部材30aであってもよい。すなわち、固定部31aは、図13に示すように、コンクリートブロック10に予め長尺に形成された断面L字型のL字部材に形成する。一方で立設部材32aは、断面がコの字型の鋼材のフックにパイプを2本溶接して作製する。立設部32aのフックをL字部材の上端にボルト等で固定可能に形成して取り付けて支柱立設部材30となす。係る構成の支柱立設部材30を採用すれば、立設部32aを固定部31a上で移動させることができるので、位置の自由度が高くなり、支柱の幅に合わせて微調整することができるようになる。
【0050】
なお、固定部31aのL字部材の上端に長手方向に断面が四角の棒状体を取り付けておけば、フックのボルトが緩んだ場合でも容易に上方に取り外しづらくすることができる。
【0051】
また、第1実施形態や第3実施形態で説明した、立設部32において図14に示したように、パイプ内にゴム等の弾性部材34を内装させてもよい。弾性部材34を内装させれば、支柱22を差し込んだときに、がたつきを抑えることができ、金属同士がぶつかったときに発生する騒音を防止することができる。
【0052】
(第4実施形態)
次に、防護柵支持固定部材40のバリエーションについて説明する。防護柵支持固定部材40としては、防護柵20とコンクリートブロック10とに架設できる構成であれば、その構造は特に限定するものではない。例えば、ブロック取付部材41としては、コンクリートにボルトで直接固定する形態の他、図15に示すように、防護柵支持固定部材40aのブロック取付部材41aがU字型又はコの字型に形成したフックにし、一方、図8〜図11に示したように、予めコンクリートブロック10の側面の上方に凹溝16を形成しておき、この凹溝16に嵌め込むようにしてもよい。具体的には、コンクリートブロック10の周囲に水平に幅1.0cmから4cm程度の凹溝を切っておく。なお、溝は必ずしも凹溝である必要はなく、V字溝であってもよい。一方で、ブロック取付部材41は、上面から凹溝16までの幅とほぼ同様の幅を有するように、断面をコの字状に折り曲げて形成する。そして、この凹溝16にブロック取付部材41を引っ掛けて固定する。
【0053】
また、防護柵取付部材43も、必ずしも支柱を固定するものである必要はなく、図15のようにU字型のフックを取り付けて、柵のフェンスの下方を支持できるものでもよい。
(第5実施形態)
【0054】
さて、第2実施形態から第5実施形態に示されたコンクリートブロック10、支柱立設部材30及び防護柵支持固定部材40のバリエーションを用いた使用方法の1形態について以下に説明する。
【0055】
図16に示すように、コンクリートブロックとしては、図8及び図10に示されたコンクリートブロック10b、10dタイプのものと、一方が矩形の上方突出部を有し、他方が円形の下方突出部を有するコンクリートブロック10fを用いている。コンクリートブロック10dとコンクリートブロック10fは、90°屈曲配置されている。このように、上側突出部と下側突出部とを備えるコンクリートブロックを使用されば、90°屈曲させて配置することができる。また、図示しないが、円形突出部を有するコンクリートブロック同士を使用すれば、90°以外の角度にも配置できるため、便利である。
【0056】
そして、図12に示した支柱立設部材30aを各コンクリートブロックの上面に設置して、防護柵20を取り付ける。その後、図15に示した防護柵支持固定部材40aを使用して、ブロック取付部材のフック41aをコンクリートブロックの凹溝16に引っ掛け、一方柵の下方に防護柵取付部材43aのフックを引っ掛けて固定する。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、境界を設ける柵を設置する場合に利用可能性がある。
【符号の説明】
【0058】
100…コンクリートブロックを備えた防護柵、10、10a、10b…コンクリートブロック、11…側面ボルト孔、12…ボルト孔、12a…第1上面ボルト孔、12b…第2上面ボルト孔、15a…上側突出部、15b…下側突出部、15c…円形の凸部、16…凹溝、20…防護柵、21…フェンス、22…支柱、30…支柱立設部材、31…固定部、31a…固定部、32…立設部、33…長孔、34…弾性部材、40、40a…防護柵支持固定部材、41…ブロック取付部材、42…張設部材、43…防護柵取付部材、44a、44b…取付板、45a、45b…板材、110…鉄プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の端部に隣接するコンクリートブロックと連結可能に形成されたコンクリートブロックと、
両側下端から下方に支柱が延設された防護柵と、
前記コンクリートブロックの上面に取り付けられ、前記防護柵の前記支柱を立設する支柱立設部材と、
一方端部に前記防護柵の少なくとも一部に固定される防護柵取付部材と、他方端部に前記コンクリートブロックに固定なブロック取付部材とを有する防護柵支持固定部材と、
を備えていることを特徴とするコンクリートブロックを備えた防護柵。
【請求項2】
前記支柱立設部材は、2つの前記防護柵の前記支柱を立設可能な2つの垂直な筒状体であることを特徴とする請求項1記載のコンクリートブロックを備えた防護柵。
【請求項3】
前記防護柵支持部材は、全長を調整可能な長尺部材からなることを特徴とする請求項1又は2記載のコンクリートブロックを備えた防護柵。
【請求項4】
前記防護柵支持部材は、ターンバックルを備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコンクリートブロックを備えた防護柵。
【請求項5】
前記コンクリートブロックは、側面に溝を備えており、
前記ブロック取付部材は、ブロックの溝に引っ掛けることができるフックを備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のコンクリートブロックを備えた防護柵。
【請求項6】
前記コンクリートブロックは、一方の端部又は両方の端部の上方又は下方が突出形成されてなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のコンクリートブロックを備えた防護柵。
【請求項7】
前記コンクリートブロックは、一方の端部又は両方の端部が円形に形成されてなることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のコンクリートブロックを備えた防護柵。
【請求項8】
前記コンクリートブロックは、屈曲部を有して形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のコンクリートブロックを備えた防護柵。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2011−26915(P2011−26915A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176188(P2009−176188)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(000246343)株式会社イビコン (31)
【Fターム(参考)】