説明

コンクリート型枠固定締付構造およびコンクリート型枠固定締付支持金具およびコンクリート型枠

【課題】コンクリート型枠の構築に際して、型枠の構築作業を合理化し、コンクリート型枠の間隔を維持固定するセパレータの設置作業に伴う煩雑さを解消し、コンクリート型枠の背面へのバタ材の取り付け作業に伴う煩雑さを解消するコンクリート型枠固定締付構造を提供する。
【解決手段】型枠を所定間隔に保持し、間隔を維持するために配置される板状セパレータ10を型枠における縦リブの外方に端部が延在する長尺のものとし、型枠から突出する両端部に、バタ材締付金具の本体部21の掛止する透孔が形成され、連設する型枠の縦リブ2の接合端面(当接面)で板状セパレータ10を挟着するとともに、隣接する型枠をクリップ6より締結すると共にセパレータ10を緊結する。順次縦リブ2の接合部から突出するセパレータの端部の透孔に締付金具本体部21を係止し、締付金具挟んで横バタ材を配置し、座板金具27を当接させテーパーピン24により締結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート型枠固定締付構造およびコンクリート型枠及びコンクリート型枠固定締付支持金具に関し、詳しくは、コンクリート型枠の連設作業をより簡便になし得る新規な構造、支持金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物における壁体の施工時におけるコンクリートの打設に際しては、構造物の骨格として補強材となる鉄筋の配筋が完了したのち、その両側にコンクリート型枠(以下、単に型枠と言うことがある。)をそれぞれ連設してユニット化し、この時、対抗するコンクリート型枠間に型枠を所要間隔に維持するようにセパレート部材を配置するとともに、前記セパレート部材により対抗するコンクリート型枠を緊締し、さらに、コンクリート打設時にコンクリート型枠に作用する荷重を支持するようにコンクリート型枠の背面を支持するバタ材を配置固定し、この様にして構築されたコンクリート型枠ユニット間にコンクリートを供給する(流し込む)ことによりコンクリート構造物の施工が行われる。
【0003】
前述するコンクリート型枠のユニット化への構築に際して使用されるセパレート部材には概ね2種類の形態のもの、即ち、棒状のセパレータ(丸セパ)と板状のセパレートが存在するが、これらのセパレート部材はコンクリート型枠の形態によって、あるいは、施行者の設計によって使い分けが行われ、また、従来から多用される型枠として、型枠の製作の容易さ、型枠同士を連結するための釘打ち等の作業の簡便性、型枠が木質で軽量であることに由来する施工時における運搬、ハンドリング等の取り扱いが容易であることなどの理由から木質合板製のコンクリート型枠が多用されている。
【0004】
この様にコンクリート型枠が木質系である場合、例えば、特開2004−027592号公報、あるいは、「製品カタログNO3コンクリート型枠編」(岡部株式会社発行)に一例を示すところの棒状のセパレータが使用され、鉄筋の配筋を挟んで対抗して配置されるコンクリート型枠のせき板にそれぞれ所要ピッチでドリルによって貫通穴をもうけ、該貫通穴に両端ネジを刻設してなる棒状セパレート部材におけるネジがそれぞれせき板から突出するように嵌挿し、隣接する型枠を釘あるいは連結金具等により連結した後、フォームタイ(商品名)を前記ネジに螺止し、さらに、該フォームタイにコンクリート打設時に型枠に作用するコンクリートの荷重を支持する横バタ材を配置固定して、コンクリート型枠を緊締して連設し、ユニット化として型枠の構築が行われている。
【0005】
ところで、前述する木製のコンクリート型枠を使用する場合にあっては、コンクリート型枠の間隔を保持するのに使用される棒状セパレート部材を挿通するための複数の孔明け作業を必然とし、作業工程が増加し、また、鉄筋の配筋を隔てて配置されているコンクリート型枠のせき板に開設された前述する挿通孔に棒状セパレート部材を挿通させなければならず、精度に欠ける挿通孔であるがゆえにその作業には時間を要することとなり、即ち、型枠の組立作業において、対抗する型枠の両側に作業者をペアで配置し、この作業者が間隔を隔て配置された型枠に穿設された挿通孔を確認しつつ棒状セパレータを差込み、フォームタイ(商品名)を螺着することから、このために時間を要することとなる。
【0006】
さらに、前記棒状セパレータ(丸セパ)のネジ部に、型枠に作用するコンクリートの自重による荷重を支承するためのバタ材を配置、固定締付するフォームタイ(商品名)と称する固定金具を螺止する所要があるが、これと前述する作業員がペアで作業をする必要となる難点があり、このフォームタイに対して、バタ材を固定するなど、型枠の連設(ユニット化)時における棒状セパレータ(丸セパ)の型枠への装着作業、棒状セパレータ(丸セパ)とフォームタイ(商品名)との螺止作業、バタ材の固定締付作業等々、何れの作業にあっても時間を要するものであって、特に、螺着作業が施工上の能率を左右することになるほか、せき板に前記する複数の挿通孔に棒状セパレータ(丸セパ)のネジ部が絡むことから剥離性の悪化による損傷からコンクリート型枠としての消耗が甚だしい、加えて、作業者をペアで所要とすることから、人件費の増大につながることになる。
【0007】
また、コンクリート型枠の製作の手間を削減して、反復使用を可能とし、コストダウンを図ることを目的とする金属製のコンクリート型枠を使用する場合にあっては、特開2001−027044号公報、特開2002−174030号公報にその例を見られるように、板状のセパレータ(以下、板セパレータともいう。)を使用するケースが大部分であり、この場合、コンクリート型枠を列設するに際して、コンクリート型枠間に前記板セパレータを狭着するとともに、ユニット化のためにコンクリート型枠を締結するクリップ金具によりコンクリート型枠を一体的に締結し、さらに、コンクリート型枠のリブに設けられているクリップ孔を利用して、横バタ材を取り付けてユニット化の構築が施工される。
【0008】
また、メタルフォーム等のコンクリート型枠コーナー部分の接続部材にあって直角あるいは所要に適した角度に形成された型枠せき板にクリップ孔を設けた接合リブが固着してなるコーナーフォームが一般的に使用されているが、これを軽量化および形態を簡略化することにある。
【0009】
また、金属製のコンクリート型枠を使用する場合にあっては、コンクリート型枠の間隔を維持するためのセパレート部材としては板セパレータが使用されるのであるが(木質製コンクリート型枠を使用する場合においても板セパレータを使用するケースもある。)、コンクリート型枠の両端縁のリブで、これを挟み込むために、構築後のコンクリート型枠間に前記セパレータの厚み(肉厚)に相当する間隙が形成されることになり、コンクリート型枠間に充填されるコンクリートがこの隙間に充満した後、当該間隙から溢出することになり、コンクリートの固化後、型枠を除去した施工面に前記隙間から溢出して固化したコンクリートがバリとして形成し、打設面として平滑性を要求されることから、事後において前記バリ除去のためのハツリ(斫)作業を所要とすることから施工性を低下せしめる原因となっている。また、金属製コンクリート型枠を支持するための横バタ材の固定は、コンクリート型枠の縦リブに設けられた板セパレータを固定したクリップ孔とは別のクリップ孔を用いて横バタ締付金具を取付けるため、その作業を煩雑なものとしている。
【0010】
また、稀には、金属製のコンクリート型枠を使用する場合にあっても、前述する木質製のコンクリート型枠と同様に棒状のセパレータを用いて施工する場合も存在するが、かかる場合にあっては、前述すると木質製のコンクリート型枠を使用する場合と同様の貫通穴の形成、セパレータの挿入作業の煩雑さ、さらに、不要時における前記貫通穴を閉塞するに困難である。
【0011】
さらに、コンクリート型枠について、コンクリート打設後の型枠脱型または解体時に棒状セパレータ(丸セパ)とバタ材締付け金具またはフォームタイ(商品名)を接続する複数のネジ部分がせき板に絡むため脱型するに衝撃を与えることから型枠が痛みやすいことと、コーンカップを使用しない場合は、この不要なネジ部分を金鎚などで打撃を与え、折り曲げて切取るが、この衝撃により棒状セパレータ(丸セパ)の分離により回転して抜け出ることもある。また、漏水の原因ともなる。
【0012】
また、セパレータの端部に取付ける一般的に使用されるコーンカップ(Pコンまたは木
甲)にあって、接続ナットあるいは接続ネジを嵌着形成してなる該コーンカップにセパレータを螺合せしめて接続して使用することから、コンクリート固化後において回し工具を使用して取り外さなければならず作業手間を費やすこととなる。
【0013】
このために近年において、コーンカップの取り外し不要にするために合成樹脂製の埋殺すコーンカップが使用されているが、経年に伴い合成樹脂の劣化が激しく収縮等により埋設しているコンクリートとの間に隙間を生じ、ここから雨水が浸入する等して防水性を失い、漏水の原因ともなっている。
【特許文献1】特開2004−027592号公報
【特許文献2】特開2004−251006号公報
【特許文献3】特開2002−004575号公報
【特許文献4】特開2001−027044号公報
【特許文献5】特開2002−174030号公報
【特許文献6】実開平06−049658号公報
【非特許文献1】製品カタログNO3コンクリート型枠編−岡部株式会社発行
【非特許文献2】総合カタログ−岡部株式会社発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は前述の諸点に鑑みなされたもので、コンクリート型枠の構築に際して、コンクリート型枠の構築作業を合理化し、コンクリート型枠の間隔を維持固定するセパレータの設置作業に伴う煩雑さを解消し、コンクリート型枠の背面へのバタ材の取り付け作業に伴う煩雑さを解消するコンクリート型枠固定締付構造を提供するものである。
【0015】
また、コンクリート型枠の構築作業に際して、セパレータの設置とこれに伴うコンクリート型枠の緊締作業を簡単になしうるコンクリート型枠固定締付支持金具を提供するものである。
【0016】
さらに、コンクリート型枠の構築作業に際して使用されるコンクリート型枠として、板セパレータを使用する結果発生するコンクリート型枠の間隙から溢出して固化したコンクリートのバリとして形成することなく、平滑性を要求される打設面を提供し、前記バリ除去のためのハツリ(斫)作業を不要とするコンクリート型枠を提供するものである。
【0017】
さらに、コンクリート型枠について、コンクリート打設後の型枠脱型または解体時に棒状セパレータ(丸セパ)とバタ材締付け金具またはフォームタイ(商品名)を接続する複数のネジ部分がせき板に絡むため脱型に衝撃を与えるため型枠が痛みやすいことと、コーンカップを使用しない場合は、この不要なネジ部分を金鎚などで打撃を与え曲げて切取るが、この際に該セパレータが円形状であることから付着力に劣り分離することもあり、抜け出すこともあり、漏水の危険性もあることから、これらに付いての問題点を解決することにある。
【0018】
また、前述の課題を解決するため一般に多用される棒状セパレータ(丸セパ)に代えて付着面の広い厚肉矩形(長方形)状の板状セパレータを使用することを課題にする。
【0019】
前述する板状セパレータを使用することにより、板状セパレータの不要部分を回転捻切ることを可能にし、コーンカップが容易に外れる形態にすることを課題にする。
【0020】
また別に、板状セパレータを使用することにより、一般に多用されるコーンカップ(木甲またはPコン)にあって、セパレータ(丸セパ)にコーンカップをボルトネジにより螺合嵌着して使用し、これをコンクリート打設後に取外す作業手間を省略させる、耐久性の優れたコーンカップを埋め込み、取外し不要にすることを課題にする。
【0021】
また、一般に多用される棒状セパレータ(丸セパ)にあって、バタ材締付け部のフォームタイ(商品名)と棒状セパレータ(丸セパ)を型枠のせき板を挟み螺合嵌着するが、フォームタイは転用再使用するためネジ(メスネジ)部分が使用回数と保管方法などによりネジ部分が錆びたり磨耗したり、または傷がついたりするため、目視検査等により不良品を廃棄処分するが、この方法では選別に難点があるがため、前記する螺合嵌着部を板状セパレータとバタ材締付け部をテーパーピン挿入により嵌着する構造にある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠固定締付構造の構成は、対抗して配置されるコンクリート型枠を所定間隔に保持し締結する構造であって、コンクリート型枠間に板状セパレータを配置し、該板状セパレータに形成された透孔あるいは係止孔部に締付支持金具の係止フックあるいは係止溝にテーパーピンで嵌着接続し、前記締付支持金具の上下位置に一対の横バタ材を配置し、横バタ材に座板金具を当接するとともに、締付支持金具に嵌着されたテーパーピンにより座板金具を解して横バタ材を押圧固定する点に存するものである。
【0023】
また、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠固定締付構造の構成は、対抗して配置されるコンクリート型枠を所定間隔に保持し締結する構造であって、前記対向して配置されるコンクリート型枠間に板状セパレータを配置し、該セパレータの両端にスリット状の透孔あるいは係止溝を設けるとともにセパレータの上下位置にバタ材を配置し、前記セパレータに形成した透孔にテーパーピンを嵌入せしめ、バタ材を押圧固定することによって一体的に緊締する点に存するものである。
【0024】
さらに、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具における板状セパレータに係る構成は、コンクリート型枠固定締付支持金具に使用する板状セパレータにおいて、両端部にバタ材締付金具を係止する透孔を設け、前記透孔部を利用して仮付け用の折り曲げスリットタブを形成し、コンクリート面から突出した不要部分を折り切るための破断するノッチ溝を形成した点に存するものである。
【0025】
さらにまた、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具における板状セパレータにかかる構成は、板状セパレータにあって、コンクリートから突出した不要部分の軸心を回転して捻切取るため、その部分の断面を縮小欠損させた点に存するものである。
【0026】
加えて、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具における板状セパレータに係る構成は、板状セパレータの端部に取付ける受け止板またはコーンカップを装着した請求項4に記載する板状セパレータに仮固定兼用バタ受け金具を係止するための係止孔を有し、上下一対のバタ材を押圧するテーパーピンを嵌入するスリット状の透孔あるいは係止溝を設けてなるバタ材締付部が一体となるバタ材締付構造を有する点に存するものである。
【0027】
また、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具にかかる構成は、対抗して配置されるコンクリート型枠を所定間隔に保持し締結固定するバタ材締付金具であって、板状セパレータの両端部に形成された透孔に係合するフックを形成してなる平面形状が略C型の締付本体部が、前記セパレータに係止されて上下一対の横バタ材に当接する座板金具を有し、締付本体部に嵌着された座板金具を背面から押圧するテーパーピンを具備した点に存するものである。
【0028】
さらに、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具にかかる構成は、請求項7に記載するバタ材締付金具において、テーパーピンの先端部に、バタ材締付本体部からの抜け外れを防止する突起を形成した点に存するものである。
【0029】
さらにまた、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構成は、板状セパレータの端部に形成された鉤状、鳩尾状あるいは錨型の係止端部に対応する嵌合溝を形成してなる連結板を有し、該連結板に摺動自在にカバーソケットを嵌挿し、前記連結板にテーパーピンの進入を許容するスリット溝を形成してなる締結部材を固着して成り、スリット溝にテーパーピンを嵌入するようにした点に存するものである。
【0030】
また、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構成は、板状セパレータに接続するバタ材締付金具にあって、板状セパレータに挟み込み、接続する部分にスリット状の透孔あるいは係止溝を設け、これにテーパーピンを用いて接続したバタ材締付本体部に上下一対の横バタ材を押圧するテーパーピン嵌入用にスリット状の透孔を設けてなるバタ材締付金具に板状セパレータのコンクリート面から突出した不要部分をコンクリート型枠せき板を残置した状態で回転捻切るため、コンクリート型枠せき板の溝孔に対して回転軸心を支持する烏口形状の軸受け治具を突設形成した点に存するものである。
【0031】
次に、前述の課題を解決するための本発明にかかるコーンカップにかかる構成は、板状セパレータの端部に挿嵌するコーンカップであって、底部にセパレータを挿通するスリット状の透孔を設けてなり、該底部と直角をなす壁面と、傾斜する壁面とを有する台形をなすとともに、前記直角をなす壁面の開口端にセパレータと接する抜取り用の折り曲げ縁タブを形成した点に存するものである。
【0032】
さらに、前述の課題を解決するための本発明にかかるコーンカップの構成は、板状セパレータの端部に挿嵌するコーンカップであって、円錐台形の漏斗状に成型し、その底部をセパレータの破断位置を抱持するに十分な厚みに形成するとともに、セパレータを挿通するスリット状の透孔を設けてなり、コンクリートから突出した前記セパレータの不要部分の回転によってコーンカップを共回りさせるようにした点に存するものである。
【0033】
さらにまた、前述の課題を解決するための本発明にかかるコーンカップにかかる構成は、板状セパレータの端部に取付けるコーンカップにあって、円錐台形に成型し、セパレータを挿通する軸心に沿った円弧状の窪みを有するスリット状の透孔を設けてなり、コンクリート型枠当接面部に、コンクリート型枠に形成された切溝孔に嵌着する嘴状の突出部を形成した点に存するものである。
【0034】
加えて、前述の課題を解決するための本発明にかかるコーンカップの構成は、板状セパレータの端部に挿嵌するコーンカップにあって、伸縮性の少ないセメント系無機質材あるいは陶器質などの材質で外郭を円錐台、角錐台等に成型してなる本体に板状セパレータの挿通する空洞部を成型してコンクリートに埋設するようにした点に存するものである。
【0035】
また、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠にかかる構成は、コンクリート構造物の入り隅部に使用するコンクリート型枠であって、せき板の端面と同一面を構成するL形状の縁リブを固定し、かつ、前記縁リブにせき板の表面と平行な補助リブを一体的に形成した点に存するものである。
【0036】
さらにまた、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠にかかる構成は、コンクリート型枠の連接する縦リブの接合端面に、コンクリート型枠間に挟持する板状セパレータが嵌入する切溝を所要間隔で形成した点に存するものである。
【発明の効果】
【0037】
本発明にあっては、対抗して配置されるコンクリート型枠を所定間隔に保持し締結する構造であって、コンクリート型枠間にクリップ孔の外方に透孔を設けてなる板状セパレータを配置し、該板状セパレータの前記透孔に平面形状が略C型のバタ材締付金具のフックを係止し、前記バタ材締付金具の上下位置に一対の横バタ材を配置し、横バタ材に座板金具を当接するとともに、バタ材締付金具に具備されたテーパーピンにより座板金具を介して横バタ材を押圧固定するために、バタ材の固定のために格別の作業を所要としないので著しく作業手間を短縮することができる。また、セパレータのスリットタブを使用することで仮付けが容易になり、コンクリート型枠の構築作業を単独になしうることとなり、省力化に寄与するものである。
【0038】
また、コンクリート型枠ユニットを構築するに際して、連設するコンクリート型枠の接合する縦リブの接合端面に、板状セパレータが挿入される溝を形成することから、コンクリート型枠の接合部の隙間を解消することによって、コンクリート型枠間に充填されたコンクリートの溢出が防止され、バリの形成を回避しうることから、事後におけるバリのハツリ(斫)作業を解消することから施工性を向上する効果を有するものである。
【0039】
また、本発明のコンクリート型枠固定締構造にあっては、板状セパレータを回転による捻じ切りによってコンクリートの埋設部の位置、換言すれば、コンクリート打設面から突出する型枠の解体に支障となる部分を除去することによって、型枠解体を容易にし、作業効率を向上させることを可能とするものである。
【0040】
さらには、板状セパレータとして、従来のセパレータに比し長尺のものとし、この外方にテーパーピンの係止孔を設けることにより、バタ材の緊締部材としての部材を簡素化することができ、また、コンクリート型枠に板状セパレータを抱持する溝を形成することで、板状セパレータを型枠に仮止めすることがより良くなり、この結果、セパレータ、換言すれば、コンクリート型枠の構築作業を単独になしうるもので省力化に寄与するものである。
【0041】
また、板状セパレータに装着するコーンカップにあっては、板状セパレータの不要部分を回転による捻切り作業に伴って自動的に脱離することから、コンクリート型枠せき板と板状セパレータ取り合い部にセパレータの不要部分を回転捻切取りを円滑にするタブ(軸受け部)をコーンカップに突設成型することでコーンカップを除去するための作業を省略することが可能となり、コンクリート打設後における回収作業を合理化することが可能となる。
【0042】
また、板状セパレータに装着して使用するコーンカップとして、耐久性と防水性の良い無収縮セメント系質材、陶器質材の材料により、コンクリート表面側を円形状に奥面側を広くした円形または多角型形状に成型することによって、コーンカップを残置してコーンカップとコンクリートとを一体に固化せしめることで、コーンカップの撤去作業、撤去後の空洞部分の充填作業が簡便になり、作業工程の短縮、施工性の向上を期待することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
図1に形態を示すように、対抗して配置されるコンクリート型枠1を所定間隔に保持し、ユニット型枠を構築するにあたり、コンクリート型枠の間隔を維持するために配置される板状セパレータを、従来の同種のセパレータに比してコンクリート型枠における縦リブの外方に端部が延在する長尺のものとし、コンクリート型枠から突出する部分の両端部に、それぞれバタ材締付金具20の本体部21の掛止する透孔が形成されたもので、連設するコンクリート型枠の縦リブ2の接合端面(当接面)で前記板状セパレータを挟着するとともに、隣接するコンクリート型枠をクリップ6より締結すると共に板状セパレータを緊締する。
【0044】
順次連設されたコンクリート型枠の縦リブにおける接合部から突出する板状セパレータの端部に形成された前述する透孔にバタ材締付金具20体部21を係止し、該バタ材締付金具を挟んで上下位置にコンクリート型枠に作用する荷重を支承する一対の横バタ材を配置し、この横バタ材の背面に座板金具を当接し、バタ材締付金具に嵌着されたテーパーピン24により座板金具を介して横バタ材を押圧固定するものである。
【0045】
バタ材締付金具20は、セパレータおよびコーンカップを除いた部分であり、これに使用する各部材の材質は、金属質であり、セパレータも金属質材であるがコーンカップは、金属質材または合成樹脂質材を使用するものもある。
【0046】
コンクリート型枠固定締付金具に使用する板状セパレータに装着するコーンカップにあって、一般に多用される棒状セパレータ(丸セパ)のネジ部に螺合して装着し、コンクリート打設後に回し工具を使用して取外す煩雑な作業を省力化させるためコーンカップに板状セパレータの挿通孔を形成し、ワンタッチで板状セパレータに装着し、コンクリート打設後に板状セパレータの不要部分を捻って切取ると自動的に脱離することで作業手間を飛躍的に省略される。また、図32、図33に示すコンクリート型枠固定締付金具に使用する「請求項12」に記載するコーンカップ98は、板状セパレータ111に嵌着して、型枠せき板の円弧または切溝95の中心に該コーンカップ98の軸受け部99が嵌合するように嵌着し、該型枠せき板を残置した状態で板状セパレータ111のコンクリート面から突出した不要部分を断面欠損破断部81から回転捻切取ることが可能であり、これにより、型枠せき板の剥離性が良くなることから、解体作業の能率が向上するとともにコンクリート型枠の損傷が減少され該型枠の保有性が良くなる。
【0047】
また別に、図45、図46に示すコンクリート型枠固定締付金具に使用するコーンカップ136にあって、一般に多用されるセパレータ(丸セパ)にコーンカップ(木甲またはPコン)をボルトネジにより螺合嵌着して仮設使用(転用可能品)するが、これを耐久性と防水性の良いコンクリートまたは陶器質材などで、コンクリートに接する表面側を円形状に奥面側を広くした円形または多角型形状に成型し、内部は、奥底部を残し、円錐台形状の空洞を形成し、その奥底部に板状セパレータ125軸心を支持するように板状セパレータ125の挿通口139を成型する。これによりコーンカップ(木甲またはPコン)の取外しが不要になるため、作業手間が省略されることと、コーンカップ136が埋め込み一体となることで、板状セパレータ125の不要部分撤去後の断面が縮小されるため、この穴埋め充填作業が簡便になる。
【0048】
図40、図41に示す型枠固定締付金具にあっては、板状セパレータ125のコンクリートから突出した不要部分の切り捨て長さを少なくするために使用するバタ材締付け金具の部本体部127にあっては、このバタ材締付け本体部127に板状セパレータが型枠せき板の溝孔または円孔の中心を保持するための軸受け部133を形成し、バタ受け金具130を装着する構造のコンクリート型枠固定締付金具である。
【0049】
また、図40〜図44に示す、バタ材締付金具20にあって、一般に多用されるバタ材締付け部のフォームタイ(商品名)とセパレータ(丸セパ)を型枠せき板を挟み螺合嵌着するが、フォームタイは転用再使用するためネジ(メスネジ)部分が使用回数と保管方法などによりネジ部分が錆びたり磨耗したり、または傷がついたりするため、目視検査等により不良品を廃棄処分するが、この方法では、選別に難点があるがため、バタ材締付金具20の本体部127と板状セパレータを接続ピン131により嵌着締付固定する方法で選別を容易にする他、ネジを使用しないため損傷が減少され不良品も少なくなる。また、このバタ材バタ材締付金具20の本体部127にアーム形状のバタ受け金具130を装着することで、落下を防止し、作業の安全性が向上する。
【0050】
以下、本発明を図示の実施例に基づいてさらに詳述するが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において適宜変更を加えうるものであることは勿論である。なお、説明の簡略化のために一方におけるコンクリート型枠のユニット化について説明する。
【実施例1】
【0051】
以下、本発明によるコンクリート型枠固定締付支持金具の実施の形態を図1〜図7および図8または符号に基づいて説明するが、これは、コンクリート型枠に加わるコンクリートの圧力全般を、板状セパレータが負担するがバタ材締付金具20は中間リブ3に対する荷重をバタ材を介して支持することにある。
【0052】
図1に示すように、コンクリート型枠1を連設構築するに際し、配筋されたコンクリートの補強材(図示を省略した。)を挟んで対抗して複数のコンクリート型枠1を準備し、隣接するコンクリート型枠1の縦リブ2間に板状セパレータ10を介挿し、隣接するコンクリート型枠1、1a間で挟着するように配し、縦リブ2に開設されたクリップ孔7を利用し、コンクリート型枠1を一体的に締結しつつ順次ユニット化への構築がなされる。
【0053】
本発明において使用する、コンクリート型枠としての構成部材は、図7に示す構成を採用することが推奨される。即ち、コンクリート型枠1は、木質製あるいは金属性と使用する材質の何れにおいても、基本的構成として、せき板4の一面側に補強材としての縦リブおよび横リブを固設した構成を有するもので、あるいはまた、所要に応じてせき板4の表面、換言すれば、コンクリートと接する面に木質合板または合成樹脂板のせき板を、リベット、ネジ、あるいは、ボルト類などで張付けた構成を有するもので、図6に示すように、せき板4の一面側において、補強材としてのL形鋼からなる縦リブ2をせき板の端縁から僅かに後退した位置において固定し、換言すれば、縦リブ2がせき板4の周縁部が僅かに張り出すように構成され、縦リブおよび横リブに対して、せき板4を固定したものであって、この型枠における前記縦リブ2、詳しくは、隣接するコンクリート型枠と接する両側に存在する縦リブ2から突出したせき板に適宜の間隔で板セパレータを嵌着する複数の溝5を形成している。
【0054】
前述する溝5は縦リブ2の延在する方向と直行する方向に形成され、その幅hは板状セパレータ10が嵌まる寸法とし、その深さtは前述する板状セパレータ10の厚みの1/2とするのが好適で、隣接するコンクリート型枠に形成された溝5により板状セパレータ10を包持することとなり、これによってコンクリート型枠を連設した場合に、コンクリート型枠間に間隙の発生が無くなり、当該間隙からコンクリートの溢出によるバリの発生を回避し、平滑な打設面を確保することが可能となる。
【0055】
しかしまた、この溝5は、コンクリート型枠における一方の縦リブ2’のみに設けることも可能で、この場合には、溝5の深さtは板状セパレータ10みと同等に形成することは勿論である。さらにまた、溝5は縦リブ2’を前述の観点で削設して形成することを基本とするが、板状セパレータ10を型枠で挟着したとき、板状セパレータ10によって形成される間隙を防止し、コンクリートの溢出を防止する観点からするならば、縦リブ2に板状セパレータ10を設置するに十分な空間(スペース)を残すように、縦リブ2’の当接面に薄板を貼付けることで溝を形成することも可能なもので、かかる構成は金属製のコンクリート型枠に対して有効である。
【0056】
コンクリート型枠1間に介挿される板状セパレータ10は、図4に示されるように、施工される構造物の厚み寸法と、コンクリート型枠1(せき板4と縦リブ2の厚み)の厚み、その前記縦リブ2の縁面から十分に突出する長さを有するもので、コンクリートの打設完了時(コンクリートの固化後)に打設面の内方で板状セパレータ10の両端部を破断するための破断ノッチ溝12が刻設され、また、コンクリート型枠1の縦リブ2に開設されるクリップ孔7に相当する位置に相当する箇所にクリップ金具6の脚部が挿通する貫通孔13成してなり、さらに、その貫通孔13の外方の端部において、角型の係止孔14を形成することでタブ16が形成されている。
【0057】
即ち、図4の実施例に示すように、リング状のタブ(舌片)16を形成するようにU字型のスリットタブ16レス成型あるいは切削加工によって形成するのが推奨され、前記タブ16の基部には折り曲げを容易にするためにノッチ溝17成されており、スリットタブ15を折り曲げることにより縦リブ2に抱持させることで、板状セパレータ10をコンクリート型枠1に仮止めすることが可能なり、後述するバタ材締付金具20の係止孔14を画成する。これによりコンクリート型枠1のユニット化の構築に際して作業性を向上させることが可能となる。
【0058】
なお、板状セパレータ10のコンクリート型枠内に埋没する部分には、配筋への番線による結束固定するため結束孔18が設けられ、コーンカップを受止めるために、中央部は外方に突出する張り出した端縁19とされ、この端縁19の終端位置の近傍にコンクリート固化後に板状セパレータ10のコンクリートの打設面から突出している部分を折り取るために破断ノッチ溝12が刻設されており、さらに、両端縁19は僅かに折り曲げられて形成するのが好ましく、これによって板状セパレータ10の厚みを不所要に厚肉とすることなく(重量の増加を伴うことなく)板状セパレータ10としての十分な座屈強度が付与されることとなり、また、この折り曲げの角度は、板状セパレータ10を保管、輸送等のために重ねて梱包するために支障を生じない所要があることから、特に、限定するものではないが、凡そ60度程度とするのがよい。
【0059】
実施例1〜4までに使用する板状セパレータの断面形状は、型枠に作用する荷重により決定するが破断ノッチ溝部分での厚み2ミリ、巾40ミリ程度を基本とし、破断ノッチ溝の深さは、板厚の3分の1程度が望ましい。
【0060】
次いで、コンクリート型枠のユニット化が完了すると、コンクリート型枠1に対するバタ材の固定を行うが、このために、板状セパレータ10の係止孔14を用いてバタ材を固定するバタ材締付金具20を連結する。このバタ材締付金具20の特徴的な構造を図1に図示している。即ち、バタ材締付金具20は平角鋼を屈曲成型した本体部21を持つもので、フック状の湾曲頭部22と後述するテーパーピン24を嵌挿する平行な嵌入口23を有する平面形状が扁平な略C字形状をなすもので、尾部は前記テーパーピン24の斜辺と屈曲部の内面との接触状態が適切に接触するように僅かに下方に向けて傾斜部25として形成され、かつ、後述するバタ材に当接する座板金具27の抜け止めの突起26が形成されている。
【0061】
バタ材締付金具20には、バタ材に当接しバタ材8,9をコンクリート型枠1に押し付ける座板金具27は、バタ材締付金具20に上下および前後に許動させるための有効な挿通口28が形成され、該挿通口28の左右の両縁に折り曲げ補強リブを形成した、上下および前後移動可能な横バタを押圧する間接的金具である。
【0062】
請求項1記載するバタ材締付金具20付随するテーパーピン24は、その下端縁(細幅部)がテーパー面と直行する方向に屈曲されたストッパ29が形成され、嵌入口23からの脱落を防止する様にされており、また、テーパーピン24を本体部21の嵌入口23に嵌挿するに際し、テーパーピン24の回動操作を容易にするための円弧状の切り欠き部30が形成されている。バタ材締付金具20として、かかる構成を採用することによって座板金具27とテーパーピン24が一体として構成される。
【0063】
次に、前述するコンクリート型枠のユニット化への組立て作業手順について説明するに、配筋を挟んで所要数のコンクリート型枠を準備し、まず1枚目のコンクリート型枠を建て込み、コンクリート型枠1の縦リブ2、言い換えれば、せき板に設けた溝5に対して板状セパレータ10を嵌め込むことになる。先ず、板状セパレータ10に両側から破断ノッチ溝12がコンクリートに埋没しないように保護するコーンカップ31を差込、この状態において前記コーンカップ31の端面が型枠1のせき板に当接するように溝5に嵌め込む。板状セパレータ10の端部は係止孔14から外方部分が縦リブ2から突出状態となり、詳述すれば、板状セパレータ10に形成したU字状のスリットタブ15の根元部、即ち、スリットタブ15の根部が縦リブ2の頂点とほぼ同一位置となり、換言すれば、板状セパレータ10は、かかる状態を考慮してその長さが決定されるものである。かかる状態において、板状セパレータ10のタブ16を折り曲げて板状セパレータ10自身を前記縦リブ2に仮止めし、隣接するコンクリート型枠を前記板状セパレータ10の位置を合わせながら建て込み、両コンクリート型枠を従来公知のクリップ金具6により固定するが、この結果、コンクリート型枠間に隙間の形成されない状態で連接され、この手順を順次繰り返しながら、ユニット化が完了すると、コンクリート型枠に作用する荷重を支持するバタ材8,9の固定を行う。
【0064】
バタ材としては丸パイプ材、角パイプ材、アングル材等種々の形状のものが使用されており、図1(a)にはパイプ材を、また、図1(b)にはアングル材を使用した例を示している。バタ材締付金具20のフック状の湾曲頭部22を板状セパレータ10の係止孔14に掛止し、この板状セパレータ10の上下にバタ材8,9を配置するが、先ず、下側のバタ材を屈曲形成した保持金具33を準備して支持する。前記保持金具33は、図1に示すように板状セパレータ10に挟み掛けしクリップ6の突出部を背凭れに保持するが、下側のバタ材9の受置部は、バタ材の形状に合わせて抱き合わせるように形成するのが好ましい。
【0065】
次に、バタ材締付金具20を板状セパレータ10の係止孔14に掛止した状態において、テーパーピン24をストッパ29部がU字状の本体部21にあたるまで引き上げ、さらに、切り欠き部30を利用して回転させて図中仮想線の位置せしめ、次いで、 座板金具27を後退させておき、前述 する保持金具33に下側のバタ材9を配置した後、座板金具27を図中仮想線の位置から、前進せしめて、この状態において座板金具27の背面にある嵌入口23に嵌合するテーパーピン24を図中仮想線の位置から実線で示す位置まで回動させ、頭部を打ち込むと座板金具27は移動することとなり、バタ材8,9をコンクリート型枠の縦リブ2に対して強固に押圧して緊締し、固定する。
【0066】
したがって、コンクリート型枠に作用する荷重、即ち、コンクリートの打設時に生じる荷重を支承するバタ材の取り付けに際して、従来のごとくコンクリート型枠1の縦リブ2に開設された板状セパレータが取付いていないクリップ孔7を利用して専用のバタ材取付け金具を用いてバタ材締付け固定する作業が省略されることから、作業性が飛躍的に向上し、また、コンクリート型枠に作用する荷重にあっても、中間リブ3に作用する荷重は、バタ材を介して板状セパレータに伝達されることから、安定的な支持構造となる。加えて、打設したコンクリートが固化した後、コンクリート型枠を解体する作業を所要とするが、バタ材締付金具20のテーパーピン24を外すことにより、座板金具27によるバタ材の緊締状態が解除されることから、前述のバタ材の固定作業とは逆の手順で行うことによって、その取り外しにおいても短時間になし得ることから作業性が大幅に向上することとなる。
【0067】
さらに、コンクリート養生期間後(硬化後)、コンクリート型枠1を解体するのであるが、前述する組み立て手順とは逆の手順により解体を行う。型枠の解体除去後には、コンクリート打設面から板状セパレータが突出しているが、従来と同様にセパレータに刻設された破断ノッチ溝12から裂断する。即ち、前記コンクリート打設面から突出しているセパレータを交互に反復して折り曲げることによって塑性変形による破壊を生起し断裂することでコーンカップ31の除去作業が容易になる。コンクリート打設面に残されたコーンカップの窪みは、防水あるいは防食を目的にモルタルを充填し埋設する。
【実施例2】
【0068】
前述の実施にあっては、バタ材締付金具20の本体部21を、平角鋼で成形したが、丸鋼を使用することも可能であって、即ち、図8〜図10に示すように、バタ材締付金具20は、丸鋼の間隙を隔てて長短の脚を形成するように二つ折りに屈曲せしめ、一方の短脚側の先端部36を曲げて他方の長脚部34の側面に接合してテーパーピン37の嵌入する嵌入口38を形成し、また、長脚部34側の先端部をほぼU型に屈曲せしめてフック39を形成する。また、板状セパレータ10は、前述の実施と異なる点は、係止孔14が円弧状の係止孔44になる。
【0069】
この長脚部34側の下面に、略コ型部材40を溶接等の適宜の手段にて固定してなり、該コ型部材40の下部上面にコンクリート型枠1の縦リブ2に衝合する溝41を形成し、かつ、その反対側を上方に僅かに屈曲させて、かつ、テーパーピン37の嵌入する溝42を形成してなる支持プレート43を固定してなり、この支持プレート43によってバタ材締付金具20を板状セパレータ10の係止孔44に係止した時、バタ材締付金具20が自重によりフック39部を中心に回動することを防止している。さらにまた、このバタ材締付金具20の嵌入口38の内面にはガイドプレート46が固定され、テーパーピン37の嵌入時における円滑な作動を補助するようにされている。
【0070】
このバタ材締付金具20の嵌入口38に嵌挿されるテーパーピン37は略三角形状をなし、先端三角形状部に嵌入口38からの脱落を防止するためのストッパ47が形成され、また、その上方には本体 の丸鋼に係合して回動するように円弧状の切り欠き溝30が形成されている。このバタ材締付金具20を使用してバタ材8,9を押圧して固定するに際し、バタ材8,9を押圧する座板金具48を装着するが、この座板金具48はバタ材締付金具34に対して側方から装着するために中央部に横挿し用の窓部49が開設されており、また、両端縁にはリブ50,51が形成され、リブ50は、テーパーピン37の案内として作用するようにされている。しかしながら、この座板金具48は、バタ材8,9が鋼製である場合には、例えば、図10にその一例を示すように、前記するテーパーピン37によって直接にバタ材9を押圧することも可能であることから必須のものではないことを理解されたい。
【0071】
前記バタ材締付金具20を使用する場合について説明すると、前述してコンクリート型枠1の連設構築と同様に型枠の組み立てを行う。型枠間に装着された板状セパレータ10の係止孔44タ材締付金具20のフック39を嵌め込み、支持プレート43をコンクリート型枠1の縦リブ2に当接して固定する。次いで、テーパーピン37を円弧状の切り欠き部30を本体部35に係合させるため図8で示す仮想線の位置まで移動させ、下部に配置するバタ材9をコ型部材40に載置し、続いて、上方のバタ材8を配置する。このとき、バタ材が下部のみの場合は、バタ材締付金具20の上部にスペーサ52を介して載置し、次いで、バタ材9の後面を押圧するための座板金具48を本体部35の側方から装着した後、テーパーピン37を回動して嵌入口38に落とし込み、その頭部を打撃して緊締固定する。
【0072】
また、図8(b)に示す例は、バタ材として鋼製のアングル材を使用する場合の例を示すもので、上記同様の方法でコンクリート型枠を緊締固定する。
【実施例3】
【0073】
また、図11〜図13および図7は本発明にかかる緊締構造としての他の実施例を示すもので、コンクリート型枠1は実施例1と同様の構成を有するものであることから説明を省略する。この実施例において使用する板状セパレータ11は、施工される構造物の厚み寸法とコンクリート型枠の厚み(コンクリート型枠の厚さに相当する。)寸法とし、縦リブに穿孔されたクリップ孔7に相当する位置に貫通孔13を穿孔してなり、末端部に折り曲げ可能なタブ53を形成し、さらに、埋没する部分にあっては、実施例1と同様に形成する。
【0074】
バタ材締付金具20の本体部55は、金属丸棒を中間部に後記するテーパーピン56を嵌入するためのスリット間隙57を形成するように折り曲げ、その一方の脚部58を他方に比して延在せしめて平面形状が大略J字状に形成するとともに、この脚部58の終端部を脚部58と直交する方向にクリップ孔7に挿通する係止部59(嵌着用)を屈曲させて形成したもので、さらに、前記係止部59には嵌着締付用のピン60を嵌挿するスリット状の透孔61が形成され、さらに、前記脚部58の下面にバタ材締付金具20の回動を阻止するためにコンクリート型枠1の縦リブ2 に当接する回り止め板62が固着されている。なお、この回り止め板62を縦リブに当接するように脚部58の中間位置に設けることが可能である、また、脚部58の上部にバタ材転び防止板54を固着すると安全対策に役立つ。
【0075】
また、バタ材締付金具20に付随するバタ材8,9に当接してバタ材をコンクリート型枠1に押し付ける座板金具63とテーパーピン56は従来公知されている一般的な構造である。
【0076】
前記スリット間隙57に嵌入するテーパーピン56は、略三角形状をしており、脱落を防止するために前記座板金具63と鎖等により連結するのが望ましい。
【0077】
前記係止部59に設けられたスリット状の透孔61に嵌挿する嵌着締付用のピン60は略三角形の平板状であり、上端部に折り曲げられた頭部64が形成され、この頭部64に小孔65が穿設され、この小孔65にはバタ材を支承する支持金具66が掛止される。支持金具66は略L型に形成されたフック状の頂部と、バタ材9を支える水平部とこれを連続する垂直部から構成される。この支持金具66は必須のものではないが、支持金具66を設けることによってバタ材9の取り付け作業を安全になしうることから推奨される。なお、図中のコーンカップ31は、セパレータの破断ノッチ溝12部分を打設するコンクリートに埋没することを防止するためとセパレータ破断部の防錆処理等のため防水材を充填するためのコーンカップである。
【0078】
この実施例において有利なことは、板状セパレータ11を短くすることができ、脱型時において裂断する部分、言い換えると、廃棄する部分が少なくて済むという利点を有する。図示の実施例から理解されるように、板状セパレータ状は対抗して配置される型枠の縦リブ2に開設されるクリップ孔7にバタ材締付金具20を固定するために、板状セパレータの長さは前記クリップ孔7に要する間の寸法を維持するように形成することで十分なものである。
【0079】
次に、コンクリート型枠のユニット化への組立て作業手順について説明するに、前述の実施例と同様に配筋を挟んで所要数のコンクリート型枠を準備し、まず1枚目のコンクリート型枠を建て込み、コンクリート型枠1のせき板4に設けた溝に対してコーンカップ31を装着した板状セパレータ11を嵌め込む。バタ材締付金具20の挟着部59をクリップ孔7に挿通し、ピン60を嵌め込む、このとき、脚部58に固着した回り止め金具62がせき板4に取付く縦リブ2の部分に当接し、バタ材締付金具20の回動を阻止する。次に、バタ材の支持金具66を嵌着締付用のピン60の頭部64に設けた小孔65に装着する。
【0080】
次いで、下側のバタ材9を前記支持金具66に一時的にあずけて置き、上方のバタ材8を本体部55の上に載置した後、座板金具63を本体部55に装着するとともに、下側のバタ材9を座板金具の下面に形成した受け部に移載し、その後、本体部55に設けたスリット間隙59にテーパーピン56を嵌入し、頭部を打撃して打ち込み、バタ材8、9を緊締固定する。
【0081】
また、セパレータ11に嵌着するコーンカップ31もまた種々の構成を採用することができるが、図示の実施例にあっては、底部にセパレータ11に挿通するスリット状の透孔61を設けてなり、該底部と直角をなす壁面と、傾斜する外廓とを有する台形をなすもので、前記直角壁の開口端部をセパレータ11に接する側に折り曲げ縁タブ32を形成したもので、コンクリートの打設後に型枠を脱型し、打設面に残存するコーンカップ31を除去する際に、前記折り曲げ縁32にバールを掛止して引き剥がすことで、容易に除去することができるものである。
【実施例4】
【0082】
また、図14〜図16および図7に示されるバタ材締付金具20について説明する。但し、コンクリート型枠1および板状セパレータ11およびテーパーピン56は、前記実施例3で使用するものとほぼ同等の形態であることから説明を省略する。
【0083】
バタ材締付金具20の本体部67は、図14に示す型状に切断した金属板を中間部から略コ型形状屈曲形成し、かつ、型枠の縦リブ2を挟み込むに十分な感激を有するように形成され、その屈曲部69は、テーパーピン56背部の接触する角度に形成されており、頭部(先端部)の位置には縦リブ2に開設されたクリップ孔7を利用して固定するための貫通孔が穿設されている。これに、前記本体部68の一方の脚部にバタ材を支承する略コ型の支持金具70が固定し、さらに、この支持金具に縦リブに嵌合する溝71と、テーパーピン56の進入を許容する溝72を形成してなる支持プレート73着してなり、型枠の縦リブ2にバタ材締付金具20を止着するためのL型の連結棒74を有し、該連結棒74には締付用の固定ピン75挿するスリット状に透孔するピン孔76が形成されている。
【0084】
また、バタ材締付金具20のスリット間隙68には、バタ材8,9するためのテーパーピン56が嵌挿されるが、このテーパーピンを案内し、かつ、バタ材 を押圧する平断面がコ字状をなし、上部がほぼ90°強に屈曲形成する座板金具77がスリット間隙68に嵌挿されている。なお、図示を省略したが、前記テーパーピン56と座板金具77とは使用時における作業性(散逸防止)を考慮してチェーン によってと連結するのが好ましい。
【0085】
また、座板金具77の形状は前述の実施例2に示される座板金具48の形状であってもよいが、施工現場において持ち運び携帯を容易にするため小型に設計する。この部材は、必ずしも所要でないが、バタ材の磨耗保護に要する間接部材であるり、この座板金具77を省略する場合は、テーパーピン56を挿入するスリット間隙68の巾寸法をテーパーピンの厚みに合わせて調整する。
【0086】
コンクリート型枠のユニット化への組立て作業手順については、前述する実施例とほぼ同様であるため説明を省略する。
【実施例5】
【0087】
以下、本発明によるコンクリート型枠固定締付支持金具の実施の形態を図18〜図21または符号に基づいて説明するが、これは、コンクリート型枠に加わるコンクリートの圧力全般を、板状セパレータ78が負担するがバタ材固定締付支持金具は中間リブが受ける荷重を支持するためである、これに使用する部材は金属質材を用いるが、コーンカップ79は合成樹脂質にする。
【0088】
板状セパレータ78は、図21に示すように厚帯金属板を所定寸法に切断しコンクリートの埋没部分に座屈防止とコーンカップ79を受止めるために端縁80を鈍角に折り曲げて形成する、この折り曲げの角度は、板状セパレータ78を保管、輸送等のために重ねて梱包するために支障を生じない必要があることから、特に、限定するものではないが、凡そ45度程度とするのがよい、また、この折り曲げた小口がコーンカップ79を受止めることになる、さらにまた、この位置が断面欠損破断部81となり軸心を回転(捻り)して切り取りが可能になる、この板状セパレータ78が貴金属の場合はコーンカップ79を必要とないため、この切り取り位置が築造される構造物の有効寸法となる、その外方にバタ材締付支持部本体86を接続するための両翼に係止め突起83を形成する。
【0089】
バタ材締付支持金具は、板状セパレータ78と同じ厚みの金属板を巾は、板状セパレータ78巾の約1.5倍にし、長さは、これの約3倍に切断した連結板89の板先に前述した板状セパレータの係止め突起を受け入れる挿嵌受口84を形成し、その後退部に縁リブ2の嵌着用のクリップ孔85を穿設、また、その後退部に後述するカバーソケット86の外れ止めに要する細長のスライド貫通口87を形成した連結板89に、平角鋼を所定の長さに切断し、中央部から並列並行に折り曲げテーパーピン37の挿通用受口を形成し、バタ材締付に要する納まりを考慮して締結部材82で挟み込み溶着または溶接する。また、前記締結部材82の尾部はテーパーピン37背部の角度に合わせて形成する。
【0090】
上記のカバーソケット86は、板状セパレータの係止め突起を連結板89の挿嵌受口84に嵌着し、その周囲を包括して固定する金具であり、その形態は、矩形状の空洞菅に外れ防止用の棒ピン92を前記スライド貫通口87に挿通し該カバーソケットに固着する、またこの側面には縁リブ2のクリップ孔85に挿通のため、バカ孔を穿孔する。また、この下部に下方側には、横バタ受け兼胴体保持材(アーム)90を溶着または溶接で固着する、これの横バタ受け部に胴体支持およびテーパーピンの垂直を保持するため短尺帯板金属の、端末に溝88を刻設したセパレート板(押し合う板)91を溶着または溶接により一体にする。この横バタ受け兼胴体支持材90は、横バタ材を固定すると該カバーソケットの動きを防止する構造でもある。
【0091】
コーンカップ79は、円錐台形カップ状のカップ底を厚肉にし板状セパレータの挿通口を形成する、これはコンクリート固化後、板状セパレータ78不要部分の軸心を回転することにより該コーンカップも一緒に回転して、該セパレータが切り外れると同時に該コーンカップも自然的に外れる転用可能の形態である。
【0092】
コンクリート型枠組立作業手順は、一枚目のコンクリート型枠を建て込みコーンカップ79を挿通した板状セパレータ78と横バタ締付支持金具本体を接続した状態でコンクリート型枠せき板4の溝またはキリ孔に横から挿し、コンクリートカップ79とカバーソケット86で挟み仮固定する、次で2枚目のコンクリート型枠1を建て込み縁リブ2のクリップ孔7にクリップ6を嵌着すると板状セパレータ78が固定されると同時にコンクリート型枠1の板面と上下の位置調整が自然的に定着する、これを順次繰返しながら、バタ材8,9を配置し、テーパーピン37を落とし込み加圧すると配列された型枠の直線を保持すると共に中間リブ3の荷重を支持することになる、しかし、バタ材が下部のみの場合は上部にセパレート金具(スペーサ)52を噛ます
【0093】
コンクリート養生期間後(固化後)、組立と逆の手順で、コンクリート型枠1を脱型するが、コンクリート打設面には板状セパレータ78がコンクリート面から突出した状態で残存するが、この板状セパレータ78の不要部は人力により工具を使用して回転破断する、特に好ましくは、インパクトレンチを使用して前記不要部を回転させることにより裂断するのがよく、このときセパレータに装着されているコーンカップ79も同時にコンクリート面から剥離し、回収することができ、作業性を向上することができる。一緒に外れたコーンカップ79を適時に回収し、再使用すればよい。
【0094】
この実施例において特徴的なものは、セパレータ として、セパレータ に作用する打設したコンクリートの荷重に耐えうるに必要な強度を維持する厚みを付与する一方、幅を減少させることにより、コンクリート打設後における板状セパレータ78の破断部81を回転(捻り)によってなし得ることであり、加えて、この捻りによってコーンカップ79が同時に除去し得る点である。また、先行してセパレータの突出部分を除去すると型枠脱型作業が容易くなる。
【実施例6】
【0095】
以下、本発明によるコンクリート型枠固定締付支持金具の実施の形態を図21〜図23および図24、図25または符号に基づいて説明するが、板状セパレータ111は、バタ材締付支持部と一体構造である。また、コンクリート型枠固定締付支持金具に使用する部材は金属質材を用いるが、コーンカップ98は合成樹脂質材を使用する。
【0096】
このコンクリート型枠は、縦リブ2が金属製の場合は板状セパレータ93に回し工具差込可能な寸法位置に円弧状の切溝95を削設したせき板に該縦リブ2を位置付け、ビスまたはボルト等により固定する、縦リブ2が木質製(桟木)の場合は、該縦リブ2の切溝94を回し工具差込み可能な寸法に削設し、板状セパレータ93の挿通部に円弧状の切溝95を形成したせき板の端面と面合わせにビスまたはボルト等により固定する。
【0097】
板状セパレータ93は、コンクリート埋没部分については、実施例5同様の形態である。コンクリート面から外方は、コーンカップ98にコンクリート型枠1、バタ材8,9と座板金具を挟みテーパーピン56の押圧するに有効なスリット状の挿通を口を刻設する。これにより、バタ材締付支持部と一体構造になる。
【0098】
これに使用するコーンカップ98は、後述する実施例9で使用するものと同等の形態であることから説明を省略する。
【0099】
また、接合部分の縁リブ2が木質桟木の場合は座板金具56とテーパーピン63は前述記載の実施3で使用するものと同等であるため説明を省略する。
【0100】
さらにまた接合部分の縦リブ2が金属製L型状の場合は、図24図25に示すように金属板をL型に折り曲げて低部にバタ材を受けることと縦リブ2を挟着するために該縦リブ2に当接する部分を略凹湾曲状に開先口を形成した挟着兼用座板金具96を使用する。
【0101】
コンクリート型枠組立作業手順は、コンクリート型枠の縁リブ2が木質桟木である場合は、1枚目のコンクリート型枠1を建て込み図24に示す円弧状の切溝95にコーンカップ79が装着された板状セパレータ93を位置付け、2枚目のコンクリート型枠1aを建て込み釘鎹97等で接続する、この手順を順次繰り返しながらコンクリート型枠に作用する荷重を支持するバタ材8,9の固定を行う。
【0102】
また、縁リブ2が金属製L型状の場合は、1枚目のコンクリート型枠1を建て込みせき板の円弧状の切溝95にコーンカップ79が装着された板状セパレータ93を位置付け、2枚目のコンクリート型枠1aを建て込みクリップ金具6を用いて接続する、この手順を順次繰り返しながらコンクリート型枠に作用する荷重を支持するバタ材8,9の固定を行う。
【0103】
型枠解体については、コンクリート養生期間後(硬化後)、実施例6とほぼ同様に組立と逆の手順でコンクリート型枠1を脱型するが、実施例6と異なる点は、バタ材8,9を取外した後、板状セパレータ93のコンクリート面からの突出した不要部分を型枠が残置したまま、捻切る回し工具146を用いて切取る。これにより、型枠の剥離性が飛躍的良くなることから解体が容易になる他、コンクリート型枠の保有性も良くなる。
【実施例7】
【0104】
以下、本発明によるコンクリート型枠固定締付支持金具の実施の形態を図27〜図30または符号に基づいて説明するが、板状セパレータ101は、バタ材締付支持部と一体構造である。また、コンクリート型枠固定締付支持金具に使用する部材は金属質材を用いるが、コーンカップ98は、後述する実施例9で使用するものと同等のと同等の形態であることから説明を省略する。
【0105】
このコンクリート型枠固定締付支持金具は、例え、外壁などのコンクリート型枠組立作業においてコンクリート躯体面と仮設足場等の間隔が狭くて作業スペースが確保出来なく、横バタ材を使用することが困難または不可能の場合に使用するため、中間リブ3を横使いにし、L型の縁リブ2にボルトまたは溶接等で固定し、横バタ材8,9を不要にする構造にしたコンクリート型枠1である。
【0106】
挟着座板110は、前記中間リブ3をボルトにより固定する金具であり、中間リブ3を角パイプまたは桟木を使用する場合に用いる。
【0107】
板状セパレータ101は、バタ材を使用しないため、コーンカップ98を含め、コンクリート埋没部分は、上記実施例6で使用する板状セパレータと同様の形態であり説明を省略するが、異なる点は、コンクリート型枠1の締め付け部は、該型枠と耐圧座板金具104を挟み押圧するための有効寸法を確保した位置に、テーパーピン102を挿入するためのスリット状の透孔107を刻設することにある。
【0108】
前記する耐圧座板金具104は、所要寸法の金属板を図29に示すように向い合う縁リブ2を狭着するように平断面が略コ型湾曲に形成し、正面部の中央に板状セパレータ101の不要部分を回転捻切ることを考慮した回し工具146が挿入可能な円形状の挿通口103を穿設し、両側面部にボルト等を挿通する固定孔105を穿孔してなる。
【0109】
テーパーピン102は、金属板をテーパー状に切断形成した、実施例3で使用するテーパーピン56を小型化した一般的な形態である。このテーパーピン102は耐圧座板金具104を介して縦リブ2またはバタ材を締付る用途にある。
【0110】
コンクリート型枠組立作業手順は、コンクリート型枠1を載置するための敷きバタ材を取付け後、1枚目のコンクリート型枠1を建て込み図26に示す円弧状の切溝95にコーンカップ98が装着された板状セパレータ101を位置付け、2枚目のコンクリート型枠1aを建て込み、縁リブ2に耐圧座板金具104を狭着し、板状セパレータ101の挿通口107にテーパーピン102を挿嵌加圧する、これを順次繰繰返すことでコンクリート型枠のユニット化が完了する。また、耐圧座板金具104の固定孔105縁リブ2のクリップ孔7を利用して該耐圧座板金具104をボルト等により固定することでユニット型枠を保持しながら直上階に移設することが容易となる。
【0111】
コンクリート型枠の解体についての作業手順は、打設したコンクリートの養生期間後(硬化後)、テーパーピン102を取外し耐圧座板金具104の板状セパレータ101挿通口103に回し工具151を挿入嵌着し、コンクリート面から突出したセパレータの不要部分を回転捻切取ることで該型枠の脱型が容易になると共にコーンカップ98も自動的に剥離する。また、この時点でユニット化された型枠を直上階にスライド(転用移動)が容易になり、スライド(転用移動)しない場合は、耐圧座板金具104を取外し、搬出可能な範囲に脱型する。
【実施例8】
【0112】
以下、本発明によるコンクリート型枠固定締付支持金具の実施の形態を図32〜図36または符号に基づいて説明するが、板状セパレータ111は、バタ材締付支持部と一体構造である。また、コンクリート型枠固定締付支持金具に使用する部材は金属質材を用いるが、コーンカップ98は、後述する実施例9で使用するものと同等のと同等の形態であることから説明を省略する。

【0113】
これに使用するコンクリート型枠の縦リブ2を木質材または金属質材空洞菅とし、せき板4を木質合板または合成樹脂板を使用することを前提に説明する。
【0114】
板状セパレータ111は、平鋼を所要寸法に切断しコンクリートの埋没部分にコーンカップ98を受止める受け止板113を差込むためと、破断を目的に、両縁を欠き取った断面欠損破断部81を刻設し、その外方に型枠せき4をはめ込み、バタ受け115を取り付けるための掛止孔119を穿設し、さらに外方にバタ材8,9の押圧用テーパーピン56の挿通口117を刻設することで、この板状セパレータ111自体がバタ材締付支持部と一体構造になる。
【0115】
前述する断面欠損破断部81は、共通の形状であるころから説明を省略する。
【0116】
これに使用する受け止板113は、コーンカップ98を係止するため、金属板に板状セパレータ111の断面欠損部81に嵌合する開先口を刻設し、外れ防止用の折り曲げ可能なスリットタブ114を刻設する。
【0117】
また、これに使用するコーンカップ98は、円錐台形状に形成し、板状セパレータ111を挿通する軸心に沿った円弧状の窪みを有するスリット状の貫通口100を設けてなり、コンクリート型枠にせき板の当接面に該せき板4に形成された溝95孔に嵌合する嘴状の突出してなる軸受け部99を成型してなる。
【0118】
これに使用するバタ受け金具115は、せき板を解して板状セパレータ111の抜け防止と横バタ材9を受けるためであり、このバタ受け金具115は、金属丸棒を図示のように偏曲形成し、先端部を板状セパレータ111の係止孔119に挿入することを円滑にするためテーパー状に形成し、末端部124を横バタ材9のすべり止め転落防止のため略へ形状の突起を形成する。
【0119】
これに使用する座板金具63とテーパーピン56は、実施例6で使用するものと同等の形態であることから説明を省略する。
【0120】
コンクリート型枠組立作業手順は、コンクリート型枠の縦リブ2が木質桟木または金属質の空洞管である場合は、1枚目のコンクリート型枠1を建て込み、円弧状の切溝95にコーンカップ98が装着された板状セパレータ111を位置付け、バタ受け金具115の挿嵌部を掛止口119に嵌入すると、該セパレータがせき板4に挟着する、次いで連接する2枚目のコンクリート型枠1aを建て込み釘鎹118等で接続する、これを順次繰返しながら、該セパレータの上下にバタ材9,8を配置し、テーパーピン56を挿入加圧することでコンクリート型枠が固定締付支持する。
【0121】
この場合に板状セパレータ111の位置は、必ずしもコンクリート型枠の連接する接合部でなく中央部または所要な位置での使用も可能である。
【0122】
型枠解体作業については、実施例6とほぼ同様に組立と逆の手順でコンクリート型枠1を脱型するが、異なる点は、バタ材9の落下防止養生のバタ受け金具115が付随しているため、作業の安全性を向上することにある。
【実施例9】
【0123】
以下、本発明によるコンクリート型枠固定締付支持金具の実施の形態を図37〜図39または符号に基づいて説明する。また、板状セパレータ111は、バタ材締付支持部と一体構造である。また、コンクリート型枠固定締付支持金具に使用する部材は金属質材を使用する。
【0124】
これに使用するコンクリート型枠の縦リブ2はL型または角パイプの形状を有する金属質材で、せき板4を木質合板または合成樹脂板で形成することを前提に説明する。
【0125】
板状セパレータ111は、実施例8で使用するものとほぼ同様であり、異なる点は、バタ受け金具115掛止する掛止119を必要としないことにある。
【0126】
これに使用する受け止板113とコーンカップ98とテーパーピン56は、実施例9で使用する製品と同等であることから、説明を省略する。
【0127】
コンクリート型枠1を連接するための挟着兼用バタ受け金具120は、直径が13ミリ程度に金属丸棒をバタ材載置部から上方に屈曲し、縦リブ2のクリップ孔7に挿入する嵌着軸部123を屈曲して挟着兼用バタ受け金具120の本体部116を図38に示すように形成する。このバタ材載置部は、縦リブ2に当接することにより水平を保持することになる。また、この末端部134は、バタ材9の転落防止のため僅かに上向きに屈曲してなる突起を形成する。
【0128】
上記嵌着軸部123の先端部に締付ピン122を挿入するためのスリット状の透孔121を刻設する。
【0129】
上記締付ピン122は、厚み4ミリ、巾25ミリ、長さ65ミリ程度の平鋼のせんたんをスリット状の透孔121に円滑的に挿入するため、テーパー状に切断形成してなる。また、作業性(散逸防止)を考慮して、締付ピン122と挟着兼用バタ受け金具120を細いワイヤーロープ等で連結することが好ましい。
【0130】
この実施例の特徴は、コンクリート型枠の縦リブ同士を挟着する部位とバタ受け部が一体となる挟着兼用バタ受け金具120にある。
【0131】
コンクリート型枠組立作業手順は、1枚目のコンクリート型枠1を建て込み円弧状の切溝95にコーンカップ98がセットされた板状セパレータ111を挿入し、はさみ金具(図面省略)を使用し仮付け、次いで2枚目のコンクリート型枠1aを建て込み、挟着兼用バタ受け金具120を嵌入し、締付けピン122を差込み連設する。この手順を順次繰り返しながら、コンクリート型枠に作用する荷重を支持するバタ材8,9の固定を行う。
【0132】
型枠解体作業については、実施例9とほぼ同様であることから説明を省略する。
【実施例10】
【0133】
以下、本発明によるコンクリート型枠固定締付支持金具の実施の形態を図40〜図44または符号に基づいて説明するが、これは、コンクリート型枠に加わるコンクリートの荷重全般を、板状セパレータ125およびバタ材締付け金具本体部127に伝達される。
【0134】
コンクリート型枠固定締付支持金具に使用する部材は金属質材を用いる。
【0135】
これに使用するコンクリート型枠1は縦リブ2を木質材または金属質材空洞菅を使用し、せき板4をは、木質合板または合成樹脂板を使用することを前提に説明する。
【0136】
板状セパレータ125は、実施例9で使用するものとほぼ同様であり、異なる点は、コンクリート型枠せき板4の外方にバタ受け金具130を装着し、その外方に接続ピン131を挿入するためのスリット状の接続受け口126を刻設することにある。
【0137】
板状セパレータ125に接続するバタ材締付け支持金具本体部127は、厚み4.5ミリ、巾16ミリ程度の金属帯板を所要寸法に切断し、中央部から、該セパレータの上下を挟み込み二枚重ねになるように折り曲げた先端部をせき板4に嵌合するため烏口状に削設した軸受け部113を形成し、その後方にせき板4を受止めるための丸座金141を嵌着する切り溝142を刻設し、後方にバタ受け金具130の嵌め込む寸法を確保して板状セパレータ125を接続するためのスリット状の透孔129を刻設し、その後方のバタ材8,9を押圧締結するに有効となるテーパーピン56を挿入するためのスリット状の透孔128を刻設し、後端部132をテーパーピン56の作動を円滑にするため、上下の部材を圧搾して絞る。
【0138】
前述するバタ受け金具130は、厚み4.5ミリ、巾16ミリ程度の平鋼を所要寸法に切断し、バタ材締付け支持金具本体部127に取付けるための挿通部143を角環状に屈曲形成し、下側にバタ材9を載置するため、水平に屈曲してなるバタ材受け部を形成し、この末端部135はバタ材9の転落防止のために僅かに上方向に屈曲してなる突起を形成する。このバタ受け金具130の使用に付いては、バタ材9を受ける他、落下防止のためであり、適宜の個所に用いることが望ましい、また、このバタ受け金具130を使用しない個所は、図42(b)に示す座板金具63とテーパーピン56を用いる。
【0139】
これに使用する受け止板113は、実施例9で使用するものと同等であり、コーンカップ79は、実施例5で使用するものと同等であることから説明を省略する。
【0140】
また、これに使用する接続ピン131は、厚み4ミリ、巾25ミリ長さ80ミリ程度に切断した平鋼の先端をテーパー状に形成し、接続ピン131の作動を円滑にする。
【0141】
コンクリート型枠組立て作業手順は、1枚目のコンクリート型枠1を建て込みせき板4の円弧状の切溝95にコーンカップ79がセットされた板状セパレータ125を位置付け、バタ材締付け支持金具本体部127を嵌め込み、接続ピン131を挿嵌加圧することで該セパレータがせき板に挟着するが、状況に応じて挟み金具(図面省略)を使用して仮付け、次いで連接する2枚目のコンクリート型枠1aを建て込み釘鎹118等で連結する、この手順を順次繰り返しながら、コンクリート型枠に作用する荷重を支持するバタ材8,9の固定を行う。
【0142】
この場合に板状セパレータ125の位置は、必ずしもコンクリート型枠の連接する接合部でなく中央部または適宜な位置での使用も可能である。
【0143】
型枠解体については、コンクリート養生期間後(硬化後)、前述する組立作業とほぼ、逆の手順でコンクリート型枠1を脱型する。
【実施例11】
【0144】
以下、本発明によるコーンカップの実施の形態を図45、図46または符号に基づいて説明する。また、これに使用するコーンカップ136は、コーンカップ79に替えて使用することが可能である。
【0145】
コーンカップ136は、伸縮性の少ないセメント系無機質材あるいは陶器質などの材質で外郭を円錐台、角錐台等に成型し、せき板に接する側を円形状に奥側を多角形状に形成し、内部の奥底部を残し、板状セパレータの不要部分を回転捻切るに有効最小限の空洞部138を成型し、前記奥底部の中心に板状セパレータの挿通するスリット状の挿通口139を形成する。また、このコーンカップ136の外周付着面137は、埋め込み抜け防止のため奥側(奥部)が広くなるように成型する。
【0146】
この特徴は、コーンカップ136の取外し不要であることと、板状セパレータの不要部分の除去跡の穴顔面が図18に示すコーンカップ79に比して小さいため埋め戻し(充填)作業が容易になることから作業能率が向上される。
【実施例12】
【0147】
図47に示す金属製の保護座金144の実施形態を説明するが、図18に示す合成樹脂製のコーンカップ79を板状セパレータ端縁80の小口に当接して使用するが、この場合において、当接する接触面が少ないため損傷が激しいことから、該接触面に保護座金144を付与することでコーンカップ79の接触面が(末口)が保護され、耐久性が良くなる。しかし、これは状況に応じて使用する部材であることを理解されたい。
【0148】
前記保護座金144は、厚み1.6ミリ程度の金属板をコーンカップ79接触面が(末口)より僅かに大きくなるように円形状に刻設形成し、中心にセパレータの挿通するスリット状の透孔145を刻設形成してなる使い捨ての部材である。
【実施例13】
【0149】
回し工具146は、図48に示すように金属質の肉薄鋼管を使用した軸管147の先端に板状セパレータ125の不要部分を回転捻切るための該セパレータの挿通可能な貫通孔148形成した硬質材による嵌着部材を溶接等により固着し、後端部に金属丸棒のハンドル149を溶接等により固着セパレータの挿通してなる。また、嵌着部材は、差込を容易にするため先端をテーパー状に面取り加工を施すことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す部分側面図
【図2】図1の部分正面図
【図3】図2のA−A線平断面図
【図4】本発明にかかる板状セパレータを示す部分斜視図
【図5】本発明にかかるセパレータとクリップ金具の取り合いを示す部分側面図
【図6】本発明にかかるコンクリート型枠の切り溝を示す部分斜視図
【図7】本発明にかかるコンクリート型枠および構成部材の配置を示す部分外観図
【図8】本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す部分側面図
【図9】図8の部分正面図
【図10】図9のB−B線平断面図
【図11】本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す部分側断面図
【図12】図11のC−C線平断面図
【図13】図11の部分断正面図
【図14】本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す部分側面図
【図15】図14のD−D線平断面図
【図16】図14の部分正面図
【図17】本発明にかかるコーナー接合部を示す部分断面図
【図18】本発明にかかる入り隅部のコンクリート型枠の構造を示す部分断平面図
【図19】図18のE−E線平断面図
【図20】図19のF−F線側断面図
【図21】図19図に示すソケット廻りを示す斜視図
【図22】本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す平断面図
【図23】図22のG−G線側断面図
【図24】本発明にかかるコンクリート型枠および切溝を示す部分斜視図
【図25】発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す部分断側面図
【図26】図25のH−H線断面図
【図27】発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す部分側面図
【図28】図27のI−I線断面図
【図29】図27のJ−J線断面図
【図30】図27の部分正面図
【図31】本発明にかかるコンクリート型枠および構成部材の配置を示す部分外観図
【図32】本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す部分平面図
【図33】図32のK−K線断面図
【図34】図32の受け板を示すL−L線断面図
【図35】図32のコーンカップを示すM−M線断面図
【図36】図33のN−N線断面図
【図37】発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す部分断平面図
【図38】図37のO−O線断面図
【図39】図38のP−P線断面図
【図40】発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す部分断平面図
【図41】図40のQ−Q線断面図
【図42】図41のR−R線断面図
【図43】図41のS−S線断面図
【図44】コーンカップを示す図44のT−T線断面図
【図45】本発明にかかるコーンカップを示す断平面図
【図46】図45のU−U線断面図
【図47】係止座金の形態を示す正面図
【図48】回し工具を示す斜視図
【符号の説明】
【0151】
1 コンクリート型枠
2 リブ
3 中間リブ
4 せき板
5 溝
6 クリップ金具
7 クリップ孔
8 バタ材
9 バタ材
10 板状セパレータ
11 板状セパレータ
12 ノッチ溝
13 貫通孔
14 係止孔
15 スリットタブ
16 タブ
17 ノッチ溝
18 結束孔
19 端縁
20 バタ材締付金具
21 本体部
22 湾曲頭部
23 嵌入口
24 テーパーピン
25 傾斜部
26 突起
27 座板金具
28 挿通口
29 ストッパ
30 切り欠き部
31 コーンカップ
32 折り曲げ縁タブ
33 保持金具
34 長脚部
35 本体部
36 先端部
37 テーパーピン
38 嵌入口
39 フック
40 コ型部材
41 溝
42 溝
43 支持プレート
44 係止孔
45 バタ材受板
46 ガイドプレート
47 ストッパ
48 座板金具
49 窓部
50 リブ
51 リブ
52 スペーサ金具
53 タブ
54 バタ材転び防止板
55 本体部
56 テーパーピン
57 スリット間隙
58 脚部
59 挟着部
60 ピン
61 透孔
62 回り止め板
63 座板金具
64 頭部
65 小孔
66 支持金具
67 本体部
68 スリット間隙
69 傾斜面
70 支持金具
71 溝
72 溝
73 支持プレート
74 連結棒
75 固定ピン
76 孔固定
77 座板金具
78 板状セパレータ
79 コーンカップ
80 端縁
81 断面欠損破断部
82 締結部材
83 突起
84 挿嵌受口
85 クリップ孔
86 カバーソケット
87 スライド貫通口
88 溝
89 接続嵌着板
90 保持材
91 セパレート板
92 棒ピン
93 板状セパレータ
94 溝
95 溝
96 挟着兼用座板金具
97 釘鎹
98 コーンカップ
99 軸受け部
100 貫通口
101 板状セパレータ
102 テーパーピン
103 挿通口
104 耐圧座板金具
105 固定孔
106 支持部
107 透孔
108 入り隅部のコンクリート型枠
109 コーナー接合アングル
110 挟着座板金具
111 板状セパレータ
112 パッキン
113 受け板
114 タブ
115 バタ受け金具
116 本体部
117 透孔
118 釘鎹
119 掛止孔
120 挟着兼用バタ受け金具
121 透孔
122 締付けピン
123 挟着軸部
124 末端部
125 板状セパレータ
126 接続受け口
127 本体部
128 透孔
129 透孔
130 バタ受け金具
131 接続ピン
132 後端部
133 軸受け部
134 末端部末端部
135 末端部
136 コーンカップ
137 外周付着面
138 空洞部
139 挿通口
140 コンクリート
141 丸座金
142 溝
143 挿通部
144 回し工具
145 軸管
146 板状セパレータ挿通口
147 ハンドル
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート型枠固定締付構造およびコンクリート型枠及びコンクリート型枠固定締付支持金具に関し、詳しくは、コンクリート型枠の連設作業をより簡便になし得る新規な構造、支持金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物における壁体の施工時におけるコンクリートの打設に際しては、構造物の骨格として補強材となる鉄筋の配筋が完了したのち、その両側にコンクリート型枠(以下、単に型枠と言うことがある。)をそれぞれ連設してユニット化し、この時、対抗するコンクリート型枠間に型枠を所要間隔に維持するようにセパレート部材を配置するとともに、前記セパレート部材により対抗するコンクリート型枠を緊締し、さらに、コンクリート打設時にコンクリート型枠に作用する荷重を支持するようにコンクリート型枠の背面を支持するバタ材を配置固定し、この様にして構築されたコンクリート型枠ユニット間にコンクリートを供給する(流し込む)ことによりコンクリート構造物の施工が行われる。
【0003】
前述するコンクリート型枠のユニット化への構築に際して使用されるセパレート部材には概ね2種類の形態のもの、即ち、棒状のセパレータ(丸セパ)と板状のセパレートが存在するが、これらのセパレート部材はコンクリート型枠の形態によって、あるいは、施行者の設計によって使い分けが行われ、また、従来から多用される型枠として、型枠の製作の容易さ、型枠同士を連結するための釘打ち等の作業の簡便性、型枠が木質で軽量であることに由来する施工時における運搬、ハンドリング等の取り扱いが容易であることなどの理由から木質合板製のコンクリート型枠が多用されている。
【0004】
この様にコンクリート型枠が木質系である場合、例えば、特開2004−027592号公報、あるいは、「製品カタログNO3コンクリート型枠編」(岡部株式会社発行)に一例を示すところの棒状のセパレータが使用され、鉄筋の配筋を挟んで対抗して配置されるコンクリート型枠のせき板にそれぞれ所要ピッチでドリルによって貫通穴をもうけ、該貫通穴に両端ネジを刻設してなる棒状セパレート部材におけるネジがそれぞれせき板から突出するように嵌挿し、隣接する型枠を釘あるいは連結金具等により連結した後、フォームタイ(商品名)を前記ネジに螺止し、さらに、該フォームタイにコンクリート打設時に型枠に作用するコンクリートの荷重を支持する横バタ材を配置固定して、コンクリート型枠を緊締して連設し、ユニット化として型枠の構築が行われている。
【0005】
ところで、前述する木製のコンクリート型枠を使用する場合にあっては、コンクリート型枠の間隔を保持するのに使用される棒状セパレート部材を挿通するための複数の孔明け作業を必然とし、作業工程が増加し、また、鉄筋の配筋を隔てて配置されているコンクリート型枠のせき板に開設された前述する挿通孔に棒状セパレート部材を挿通させなければならず、精度に欠ける挿通孔であるがゆえにその作業には時間を要することとなり、即ち、型枠の組立作業において、対抗する型枠の両側に作業者をペアで配置し、この作業者が間隔を隔て配置された型枠に穿設された挿通孔を確認しつつ棒状セパレータを差込み、フォームタイ(商品名)を螺着することから、このために時間を要することとなる。
【0006】
さらに、前記棒状セパレータ(丸セパ)のネジ部に、型枠に作用するコンクリートの自重による荷重を支承するためのバタ材を配置、固定締付するフォームタイ(商品名)と称する固定金具を螺止する所要があるが、これと前述する作業員がペアで作業をする必要となる難点があり、このフォームタイに対して、バタ材を固定するなど、型枠の連設(ユニット化)時における棒状セパレータ(丸セパ)の型枠への装着作業、棒状セパレータ(丸セパ)とフォームタイ(商品名)との螺止作業、バタ材の固定締付作業等々、何れの作業にあっても時間を要するものであって、特に、螺着作業が施工上の能率を左右することになるほか、せき板に前記する複数の挿通孔に棒状セパレータ(丸セパ)のネジ部が絡むことから剥離性の悪化による損傷からコンクリート型枠としての消耗が甚だしい、加えて、作業者をペアで必要とすることから、人件費の増大につながることになる。
【0007】
また、コンクリート型枠の製作の手間を削減して、反復使用を可能とし、コストダウンを図ることを目的とする金属製のコンクリート型枠を使用する場合にあっては、特開2001−027044号公報、特開2002−174030号公報にその例を見られるように、板状のセパレータ(以下、板セパレータともいう。)を使用するケースが大部分であり、この場合、コンクリート型枠を列設するに際して、コンクリート型枠間に前記板セパレータを狭着するとともに、ユニット化のためにコンクリート型枠を締結するクリップ金具によりコンクリート型枠を一体的に締結し、さらに、コンクリート型枠のリブに設けられているクリップ孔を利用して、横バタ材を取り付けてユニット化の構築が施工される。
【0008】
また、メタルフォーム等のコンクリート型枠コーナー部分の接続部材にあって直角あるいは所要に適した角度に形成された型枠せき板にクリップ孔を設けた接合リブが固着してなるコーナーフォームが一般的に使用されているが、これを軽量化および形態を簡略化することにある。
【0009】
また、金属製のコンクリート型枠を使用する場合にあっては、コンクリート型枠の間隔を維持するためのセパレート部材としては板セパレータが使用されるのであるが(木質製コンクリート型枠を使用する場合においても板セパレータを使用するケースもある。)、コンクリート型枠の両端縁のリブで、これを挟み込むために、構築後のコンクリート型枠間に前記セパレータの厚み(肉厚)に相当する間隙が形成されることになり、コンクリート型枠間に充填されるコンクリートがこの隙間に充満した後、当該間隙から溢出することになり、コンクリートの固化後、型枠を除去した施工面に前記隙間から溢出して固化したコンクリートがバリとして形成し、打設面として平滑性を要求されることから、事後において前記バリ除去のためのハツリ(斫)作業を所要とすることから施工性を低下せしめる原因となっている。また、金属製コンクリート型枠を支持するための横バタ材の固定は、コンクリート型枠の縦リブに設けられた板セパレータを固定したクリップ孔とは別のクリップ孔を用いて横バタ締付金具を取付けるため、その作業を煩雑なものとしている。
【0010】
また、稀には、金属製のコンクリート型枠(メタルフォーム)を使用する場合にあっても、前述する木質製のコンクリート型枠と同様に棒状のセパレータを用いて施工する場合も存在するが、かかる場合にあっては、前述する木質製のコンクリート型枠を使用する場合と同様の貫通孔の形成、セパレータの挿入作業などの煩雑さ、さらに、不要時における前記貫通孔を閉塞またはせき板の取替えが困難である。また、せき板が金属製であるため釘打ち固定ができず、電気配線用のボックスなどの打ち込み部材の固定が困難なことから建築工事では殆ど使用されていない状況である。
【0011】
さらに、コンクリート型枠について、コンクリート打設後の型枠脱型または解体時に棒状セパレータ(丸セパ)とバタ材締付け金具またはフォームタイ(商品名)を接続する複数のネジ部分がせき板に絡むため脱型するに衝撃を与えることから型枠が痛みやすいことと、コーンカップを使用しない場合は、この不要なネジ部分を金鎚などで打撃を与え、折り曲げて切取るが、この衝撃により棒状セパレータ(丸セパ)の分離により回転して抜け出ることもある。また、漏水の原因ともなる。
【0012】
また、セパレータの端部に取付ける一般的に使用されるコーンカップ(Pコンまたは木甲)にあって、接続ナットあるいは接続ネジを嵌着形成してなる該コーンカップにセパレータを螺合せしめて接続して使用することから、コンクリート固化後において回し工具を用い、ネジ部を数回転させて取り外さなければならず作業手間を費やすこととなる。
【0013】
このために近年において、コーンカップの取り外し不要にするために合成樹脂製の埋め込み式のコーンカップが使用されているが、経年に伴い合成樹脂の劣化が激しく収縮等により埋設しているコンクリートとの間に隙間を生じ、ここから雨水が浸入して防水性を失い、漏水の原因ともなっている。
【特許文献1】特開2004−027592号公報
【特許文献2】特開2004−251006号公報
【特許文献3】特開2002−004575号公報
【特許文献4】特開2001−027044号公報
【特許文献5】特開2002−174030号公報
【特許文献6】実開平06−049658号公報
【非特許文献1】製品カタログNO3コンクリート型枠編−岡部株式会社発行
【非特許文献2】総合カタログ−岡部株式会社発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は前述の諸点に鑑みなされたもので、コンクリート型枠の構築に際して、コンクリート型枠の構築作業を合理化し、コンクリート型枠の間隔を維持固定するセパレータの設置作業に伴う煩雑さを解消し、コンクリート型枠の背面へのバタ材の取り付け作業に伴う煩雑さを解消するコンクリート型枠固定締付構造を提供するものである。
【0015】
また、コンクリート型枠の構築作業に際して、セパレータの設置とこれに伴うコンクリート型枠の緊締作業を簡単になしうるコンクリート型枠固定締付支持金具を提供するものである。
【0016】
さらに、コンクリート型枠の構築作業に際して使用されるコンクリート型枠として、板セパレータを使用する結果発生するコンクリート型枠の間隙から溢出して固化したコンクリートのバリとして形成することなく、平滑性を要求される打設面を提供し、前記バリ除去のためのハツリ(斫)作業を不要とするコンクリート型枠を提供するものである。
【0017】
さらに、コンクリート型枠について、コンクリート打設後の型枠脱型または解体時に棒状セパレータ(丸セパ)とバタ材締付け金具またはフォームタイ(商品名)を接続する複数のネジ部分がせき板に絡むため脱型に衝撃を与えるため型枠が痛みやすいことと、コーンカップを使用しない場合は、この不要なネジ部分を金鎚などで打撃を与え曲げて切取るが、この際に該セパレータが円形状であることから付着力に劣り分離することもあり、抜け出すこともあり、漏水の危険性もあることから、これらに付いての問題点を解決することにある。
【0018】
また、前述の課題を解決するため一般に多用される棒状セパレータ(丸セパ)に替えて付着面の広い厚肉矩形(長方形)状の板状セパレータを使用することを課題にする。
【0019】
さらに、前述する板状セパレータを使用することにより、板状セパレータの不要部分を回転捻切ることを可能にし、コーンカップが容易に外れる形態にすることを課題にする。
【0020】
また別に、板状セパレータを使用することにより、一般に多用されるコーンカップ(木甲またはPコン)にあって、セパレータ(丸セパ)にコーンカップをボルトネジにより螺合嵌着して使用し、これをコンクリート打設後に取外す作業手間を省略させるため、耐久性の優れたコーンカップを埋め込み、取外し不要にすることを課題にする。
【0021】
また、一般に多用される棒状セパレータ(丸セパ)にあって、バタ材締付け部のフォームタイ(商品名)と棒状セパレータ(丸セパ)を型枠のせき板を挟み螺合嵌着するが、フォームタイは転用再使用
するためネジ(メスネジ)部分が使用回数と保管方法などにより錆びたり磨耗したり傷がついたりするため、目視検査等により不良品を廃棄処分するが、この方法では選別に難点があり、前記する螺合嵌着部を板状セパレータとバタ材締付け部をテーパーピン挿入により嵌着する構造にある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠固定締付構造の構成は、対抗して配置されるコンクリート型枠を所定間隔に保持し締結する構造であって、コンクリート型枠間に板状セパレータを配置し、該板状セパレータに形成された透孔あるいは係止孔部に締付支持金具の係止フックあるいは係止溝にテーパーピンで嵌着接続し、前記締付支持金具の上下位置に一対の横バタ材を配置し、横バタ材に座板金具を当接するとともに、締付支持金具に嵌着されたテーパーピンにより座板金具を解して横バタ材を押圧固定する点に存するものである。
【0023】
また、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠固定締付構造の構成は、対抗して配置されるコンクリート型枠を所定間隔に保持し締結する構造であって、前記対向して配置されるコンクリート型枠間に板状セパレータを配置し、該セパレータの両端にスリット状の透孔あるいは係止溝を設けるとともにセパレータの上下位置にバタ材を配置し、前記セパレータに形成した透孔にテーパーピンを嵌入せしめ、バタ材を押圧固定することによって一体的に緊締する点に存するものである。
【0024】
さらに、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具における板状セパレータに係る構成は、コンクリート型枠固定締付支持金具に使用する板状セパレータにおいて、両端部にバタ材締付金具を係止する透孔を設け、前記透孔部を利用して仮付け用の折り曲げスリットタブを形成し、コンクリート面から突出した不要部分を折り切るための破断するノッチ溝を形成した点に存するものである。
【0025】
さらにまた、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具における板状セパレータにかかる構成は、板状セパレータにあって、コンクリートから突出した不要部分の軸心を回転して捻切取るため、その部分の断面を縮小欠損させた点に存するものである。
【0026】
加えて、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具における板状セパレータに係る構成は、板状セパレータの端部に取付ける受け止板またはコーンカップを装着した請求項4に記載する板状セパレータに該セパレータの仮固定兼用のバタ受け金具を掛止するための掛止孔を有し、上下一対のバタ材を押圧するテーパーピンを嵌入するスリット状の透孔あるいは係止溝を設けてなるバタ材締付部が一体となるバタ材締付構造を有する点に存するものである。
【0027】
また、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具にかかる構成は、対抗して配置されるコンクリート型枠を所定間隔に保持し締結固定するバタ材締付金具であって、板状セパレータの両端部に形成された透孔に係合するフックを形成してなる平面形状が略C型の締付本体部に、前記セパレータに係止されて上下一対の横バタ材に当接する座板金具を有し、締付本体部に嵌着された座板金具を背面から押圧するテーパーピンを具備した点に存するものである。
【0028】
さらに、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具にかかる構成は、請求項7に記載するバタ材締付金具において、テーパーピンの先端部に、バタ材締付本体部からの抜け外れを防止する突起(ストッパー)を形成した点に存するものである。
【0029】
さらにまた、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構成は、板状セパレータの端部に形成された鉤状、鳩尾状あるいは錨型の係止端部に対応する嵌合溝を形成してなる連結板を有し、該連結板に摺動自在にカバーソケットを嵌挿し、前記連結板にテーパーピンの進入を許容するスリット溝を形成してなる締結部材を固着して成り、スリット溝にテーパーピンを嵌入するようにした点に存するものである。
【0030】
また、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構成は、板状セパレータに接続するバタ材締付金具にあって、板状セパレータに挟み込み、接続する部分にスリット状の透孔あるいは係止溝を設け、これにテーパーピンを用いて接続したバタ材締付本体部に上下一対の横バタ材を押圧するテーパーピン嵌入用にスリット状の透孔を設けてなるバタ材締付金具に板状セパレータのコンクリート面から突出した不要部分をコンクリート型枠せき板を残置した状態で回転捻切るため、コンクリート型枠せき板の溝孔に対して回転軸心を支持する烏口形状の軸受け部を突設形成した点に存するものである。
【0031】
また、前述の課題を解決するための本発明にかかるコーンカップにかかる構成は、板状セパレータの端部に挿嵌するコーンカップであって、底部にセパレータを挿通するスリット状の透孔を設けてなり、該底部と直角をなす壁面と、傾斜する壁面とを有する台形をなすとともに、前記直角をなす壁面側の開口端に抜取り用の折り曲げ縁タブを形成した点に存するものである。
【0032】
また、前述の課題を解決するための本発明にかかるコーンカップの構成は、板状セパレータの端部に挿嵌するコーンカップであって、円錐台形の漏斗状に成型し、その底部をセパレータの破断位置を抱持するに十分な厚みに形成するとともに、セパレータを挿通するスリット状の透孔を設けてなり、コンクリートから突出した前記セパレータの不要部分の回転によってコーンカップを共回りさせるようにした点に存するものである。
【0033】
さらに、前述の課題を解決するための本発明にかかるコーンカップにかかる構成は、板状セパレータの端部に取付けるコーンカップにあって、円錐台形に成型し、セパレータを挿通する軸心に沿った円弧状の窪みを有するスリット状の透孔を設けてなり、コンクリート型枠当接面部に、コンクリート型枠に形成された切溝孔に嵌着する嘴状の突出部を形成した板状セパレータの軸心を支持する点に存するものである。
【0034】
加えて、前述の課題を解決するための本発明にかかるコーンカップの構成は、板状セパレータの端部に挿嵌するコーンカップにあって、伸縮性の少ないセメント系無機質材あるいは陶器質などの材質で外郭を円錐台、角錐台等に成型してなる本体に板状セパレータの挿通する空洞部を成型し、コンクリートに埋設するようにした点に存するものである。
【0035】
また、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠にかかる構成は、コンクリート構造物の入り隅部に使用するコンクリート型枠であって、せき板の端面と同一面を構成するL形状の縁リブを固定し、かつ、前記縁リブにせき板の表面と平行な補助リブを一体的に形成した点に存するものである。
【0036】
さらにまた、前述の課題を解決するための本発明にかかるコンクリート型枠にかかる構成は、コンクリート型枠の連接する縦リブの接合端面に、コンクリート型枠間に挟持する板状セパレータが嵌入する切溝を所要間隔で形成した点に存するものである。
【発明の効果】
【0037】
本発明にあっては、対抗して配置されるコンクリート型枠を所定間隔に保持し締結する構造であって、コンクリート型枠間にクリップ孔の外方に透孔を設けてなる板状セパレータを配置し、該板状セパレータの前記透孔に平面形状が略C型のバタ材締付金具のフックを係止し、前記バタ材締付金具の上下位置に一対の横バタ材を配置し、横バタ材に座板金具を当接するとともに、バタ材締付金具に具備されたテーパーピンにより座板金具を介して横バタ材を押圧固定することにより、バタ材固定に有する格別の作業を所要としないので著しく作業手間を短縮することができる。また、セパレータのスリットタブを使用することで仮付けが容易になり、コンクリート型枠の構築作業を単独になしうることとなり、省力化に寄与するものである。
【0038】
また、コンクリート型枠ユニットを構築するに際して、連設するコンクリート型枠の接合する縦リブの接合端面に、板状セパレータが挿入される溝を形成することから、コンクリート型枠の接合部の隙間を解消することによって、コンクリート型枠間に充填されたコンクリートの溢出が防止され、バリの形成を回避しうることから、事後におけるバリのハツリ(斫)作業を解消することから施工性を向上する効果を有するものである。
【0039】
また、本発明のコンクリート型枠固定締構造にあっては、コンクリート型枠せき板を残置した状態で板状セパレータを回転による捻切ることによってコンクリートの埋設部の位置、換言すれば、コンクリート打設面から突出する型枠の解体に支障となる部分を除去することになり、型枠解体を容易にし、作業効率を向上させることにある。
【0040】
さらには、板状セパレータとして、従来のセパレータに比し長尺のものとし、この外方にテーパーピンの係止孔を設けることにより、バタ材の緊締部材としての部材を簡素化することができ、また、コンクリート型枠の連設部に板状セパレータを抱持する溝を形成することで、板状セパレータを型枠に仮付けすることがより良くなる。この結果、セパレータの仮止め作業、換言すれば、コンクリート型枠の構築作業を単独になしうるもので省力化に寄与するものである。
【0041】
また、板状セパレータに装着するコーンカップにあっては、板状セパレータの不要部分を回転による捻切り作業に伴って自動的に脱離することから、コンクリート型枠せき板と板状セパレータ取り合い部にセパレータの不要部分の回転捻切取りを円滑にするタブ(軸受け部)をコーンカップに突設成型することでコーンカップを除去するための作業を容易にすることになる。
【0042】
また、板状セパレータに装着して使用するコーンカップとして、耐久性と防水性の良い無収縮セメント系質材、陶器質材の材料により、コンクリート表面側を円形状に奥面側を広くした円形または多角型形状に成型することによって、コーンカップを残置してコーンカップとコンクリートとを一体に固化せしめることで、コーンカップの撤去作業を省略することと、板状セパレータ不要部分の撤去後の空洞部分の充填作業が簡便になり、作業工程の短縮、施工性の向上を期待することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
図1に形態を示すように、対抗して配置されるコンクリート型枠1を所定間隔に保持し、ユニット型枠を構築するにあたり、コンクリート型枠の間隔を維持するために配置される板状セパレータを、従来の同種のセパレータに比してコンクリート型枠における縦リブの外方に端部が延在する長尺のものとし、コンクリート型枠から突出する部分の両端部に、それぞれバタ材締付金具20本体部21の掛止する透孔が形成されたもので、連設するコンクリート型枠の縦リブ2の接合端面(当接面)で前記板状セパレータを挟着するとともに、隣接するコンクリート型枠をクリップ金具6より締結することにより板状セパレータを緊締する構造に存するものである。
【0044】
次いで、順次連設されたコンクリート型枠の縦リブにおける接合部から突出する板状セパレータの端部に形成された前述する透孔にバタ材締付金具20本体部21を係止し、該バタ材締付金具を挟んで上下位置にコンクリート型枠に作用する荷重を支承する一対の横バタ材を配置し、この横バタ材の背面に座板金具を当接し、バタ材締付金具に嵌着されたテーパーピン24により座板金具を介して横バタ材を押圧固定するものにある。
【0045】
前述するバタ材締付金具20は、セパレータおよびコーンカップを除いた部分であり、これに使用する各部材の材質は、金属質である。また、セパレータは、金属質材であるがコーンカップは、金属質材または合成樹脂質材を使用するものである。
【0046】
コンクリート型枠固定締付金具に使用する板状セパレータに装着するコーンカップにあって、一般
に多用される棒状セパレータ(丸セパ)のネジ部に螺合して装着し、コンクリート打設後に回し工具を使用して取外す煩雑な作業を省力化させるためコーンカップに板状セパレータの挿通孔を形成し、ワンタッチで板状セパレータに差込み取り付け、コンクリート打設後に板状セパレータの不要部分を捻って切取ると自動的に脱離することで作業手間を飛躍的に省略させることになる。また、図32、図33に示すコンクリート型枠固定締付金具に使用する「請求項12」に記載するコーンカップ98は、板状セパレータ111に嵌着して、型枠せき板の円弧または切溝95の中心に該コーンカップ98の軸受け部99が嵌合するように嵌着し、該型枠せき板を残置した状態で板状セパレータ111のコンクリート面から突出した不要部分を断面欠損破断部81から回転捻切取ることが可能となる。これにより、型枠せき板の剥離性が良くなることから、解体作業の能率が向上するとともにコンクリート型枠の損傷が減少され該型枠の保有性が良くなる。
【0047】
また、図45、図46に示すコンクリート型枠固定締付支持金具に使用するコーンカップ136にあって、一般に多用されるセパレータ(丸セパ)にコーンカップ(木甲またはPコン)をボルトネジにより螺合嵌着して仮設使用(転用可能品)するが、これを耐久性と防水性の良いコンクリートまたは陶器質材などで、コンクリートに接する表面側を円形状に奥面側を広くした円形または多角型形状に成型し、板状セパレータの回転捻切りを円滑にするために内部は、奥底部を残し、円錐台形状の空洞を形成し、その奥底部に板状セパレータ125軸心を支持するように板状セパレータ125の挿通口139を成型する。これによりコーンカップ(木甲またはPコン)の取外しが不要になるため、作業手間が省略されることと、コーンカップ136が埋め込み一体となることで、板状セパレータ125の不要部分撤去後の断面が縮小されるため、この穴埋め充填作業が簡便になる。
【0048】
図40〜図44に示す型枠固定締付金具にあっては、板状セパレータ125のコンクリートから突出した不要部分の切り捨て長さを少なくするために使用するバタ材締付け金具の部本体部127にあっては、このバタ材締付け本体部127に板状セパレータ125が型枠せき板の溝孔または円孔の中心を保持するための軸受け部133を形成し、バタ受け金具130を装着する形態に存する。このバタ材締付け金具の主な特徴は、コンクリート型枠せき板4を残置した状態で、セパレータの不要部分を回転捻切るに際して該セパレータの回転を円滑にする軸受け部133を形成したことにある。
【0049】
さらに、図40〜図44に示す、バタ材締付金具20にあって、一般に多用されるバタ材締付け部のフォームタイ(商品名)とセパレータ(丸セパ)を型枠せき板を挟み螺合嵌着するが、フォームタイは転用再使用するためネジ(メスネジ)部分が使用回数と保管方法などによりネジ部分が錆びたり磨耗したり、または傷がついたりするため、目視検査等により不良品を廃棄処分するが、この方法では、選別に難点があるがため、バタ材締付金具20の本体部127と板状セパレータを接続ピン131により連結する方法で選別を容易にする。これにより、ネジを使用しないため損傷が減少され不良品も少なくなる。また、このバタ材バタ材締付金具20の特徴は、本体部127にアーム形状のバタ受け金具130を装着することで、バタ材の落下を防止し、作業の安全性を含め型枠構築作業を容易になし得ることにもにある。
【0050】
以下、本発明を図示の実施例に基づいてさらに詳述するが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において適宜変更を加えうるものであることは勿論である。なお、説明の簡略化のために一方におけるコンクリート型枠のユニット化について説明する。
【実施例1】
【0051】
以下、本発明によるコンクリート型枠固定締付支持金具の実施の形態を図1〜図7および図8または符号に基づいて説明するが、これは、コンクリート型枠に加わるコンクリートの圧力全般を、板状セパレータが負担するがバタ材締付金具20は中間リブ3に対する荷重をバタ材を介して支持することにある。
【0052】
図1に示すように、コンクリート型枠1を連設構築するに際し、配筋されたコンクリートの補強材(図示を省略した。)を挟んで対抗して複数のコンクリート型枠1を準備し、隣接するコンクリート型枠1の縦リブ2間に板状セパレータ10を介挿し、隣接するコンクリート型枠1、1a間で挟着するように配し、縦リブ2に開設されたクリップ孔7を利用し、コンクリート型枠1を一体的に締結しつつ順次ユニット化への構築がなされる。
【0053】
本発明において使用する、コンクリート型枠としての構成部材は、図7に示す構成を採用することが推奨される。即ち、コンクリート型枠1は、木質製あるいは金属性と使用する材質の何れにおいても、基本的構成として、せき板4の一面側に補強材としての縦リブおよび横リブを固設した構成を有するもので、あるいはまた、所要に応じてせき板4の表面、換言すれば、コンクリートと接する面に木質合板または合成樹脂板のせき板を、リベット、ネジ、あるいは、ボルト類などで張付けた構成を有するもので、図6に示すように、せき板4の一面側において、補強材としての一定間隔にクリップ孔7を開設(穿孔)した金属L形部材からなる縦リブ2をせき板の端縁から僅かに後退した位置において固定し、換言すれば、縦リブ2がせき板4の周縁部が僅かに張り出すように構成され、縦リブおよび横リブに対して、せき板4を固定したものであって、この型枠における前記縦リブ2、詳しくは、隣接するコンクリート型枠と接する両側に存在する縦リブ2から突出したせき板に適宜の間隔で板セパレータを嵌着する複数の溝5を形成している。また、入り隅部に使用するコンクリート型枠108にあっては、図17に示すように金属板を断平面が略コ型形状に屈曲形成し、一方をせき板4の小口と同面に前記同様にビス等で張付ける構造とし、他方は、対抗する縦リブ2と一致あるいは同形状に形成してなる簡便軽量化を特徴とする入り隅部のコンクリート型枠に存する。さらにまた、出隅部分には金属板を断平面がL型形状に形成し、各面が縦リブ2と一致してなる接続部材109を出隅コーナー部の連接に使用する。
【0054】
前述する溝5は縦リブ2の延在する方向と直行する方向に形成され、その幅hは板状セパレータ10が嵌まる寸法とし、その深さtは前述する板状セパレータ10の厚みの1/2とするのが好適で、隣接するコンクリート型枠に形成された溝5により板状セパレータ10を包持することとなり、これによってコンクリート型枠を連設した場合に、コンクリート型枠間に間隙の発生が無くなり、当該間隙からコンクリートの溢出によるバリの発生を回避し、平滑な打設面を確保することが可能となる。
【0055】
しかしまた、この溝5は、コンクリート型枠における一方の縦リブ2’のみに設けることも可能で、この場合には、溝5の深さtは板状セパレータ10と同等に形成することは勿論である。さらにまた、溝5は縦リブ2’を前述の観点で削設して形成することを基本とするが、板状セパレータ10を型枠で挟着したとき、板状セパレータ10によって形成される間隙を防止し、コンクリートの溢出を防止する観点からするならば、縦リブ2に板状セパレータ10を設置するに十分な空間(スペース)を残すように、縦リブ2’の当接面に薄板を貼付けることで溝を形成することも可能なもので、かかる構成は前記薄板を金属製にすることが好適である。
【0056】
コンクリート型枠1間に介挿される板状セパレータ10は、図4に示されるように、施工される構造物の厚み寸法と、コンクリート型枠1(せき板4と縦リブ2)の厚み、その前記縦リブ2の縁面から十分に突出する長さを有するもので、コンクリートの打設完了時(コンクリートの固化後)に打設面の内方で板状セパレータ10の両端部を破断するための破断ノッチ溝12が刻設され、また、コンクリート型枠1の縦リブ2に開設されるクリップ孔7に相当する位置に相当する箇所にクリップ金具6の脚部が挿通する貫通孔13を刻設してなり、さらに、その貫通孔13の外方の端部において、角型の係止孔14を形成することでタブ16が形成されている。
【0057】
即ち、図4の実施例に示すように、リング状のタブ(舌片)16を形成するようにU字型のスリットタブ15をプレス成型あるいは切削加工によって形成するのが推奨され、前記タブ16の基部には折り曲げを容易にするためにノッチ溝17が形成されており、スリットタブ15を折り曲げることにより縦リブ2に抱持させることで、板状セパレータ10をコンクリート型枠1に仮止めすることが可能になり、後述するバタ材締付金具20の係止孔14を画成する。これによりコンクリート型枠1のユニット化の構築に際して作業性を向上させることが可能となる。
【0058】
なお、板状セパレータ10のコンクリート型枠内に埋没する部分には、配筋への番線による結束固定するため結束孔18が設けられ、コーンカップを受止めるために、中央部は外方に突出する張り出した端縁19とされ、この端縁19の終端位置の近傍にコンクリート固化後に板状セパレータ10のコンクリートの打設面から突出している部分を折り取るために破断ノッチ溝12が刻設されており、さらに、両端縁19は僅かに折り曲げられて形成するのが好ましく、これによって板状セパレータ10の厚みを不必要に厚肉とすることなく(重量の増加を伴うことなく)板状セパレータ10としての十分な座屈強度が付与されることとなり、また、この折り曲げの角度は、板状セパレータ10を保管、輸送等のために重ねて梱包するために支障を生じない所要があることから、特に、限定するものではないが、凡そ60度程度とするのがよい。
【0059】
実施例1〜4までに使用する板状セパレータの断面形状は、型枠に作用する荷重により決定するが破断ノッチ溝12部分での断面形状は、厚み2ミリ、巾40ミリ程度を標準とし、破断ノッチ溝の深さは、板厚の3分の1程度が望ましい。
【0060】
次いで、コンクリート型枠のユニット化について説明するに、コンクリート型枠1に対するバタ材の固定を行うが、このために、板状セパレータ10の係止孔14を用いてバタ材を固定するバタ材締付金具20を連結する。このバタ材締付金具20の特徴的な構造を図1に示している。即ち、バタ材締付金具20は平角鋼を屈曲成型した本体部21を持つもので、フック状の湾曲頭部22と後述するテーパーピン24を嵌挿する平行な嵌入口23を有する平面形状が扁平な略C字形状をなすもので、尾部(支持部)は前記テーパーピン24の斜辺と屈曲部の内面との接触状態が適切に接触するように僅かに下方に向けて傾斜部25として形成され、かつ、後述するバタ材に当接する座板金具27の抜け止めの突起26が形成されている。
【0061】
前述記載のバタ材締付金具20に具備するバタ材8,9をコンクリート型枠1に押し付ける座板金具27は、バタ材締付金具20に上下および前後に許動させるための有効な挿通口28が形成され、該挿通口28の左右の両縁に折り曲げ補強リブを形成する。これは、上下および前後移動可能な横バタを押圧する形態である。
【0062】
請求項7記載するバタ材締付金具20に具備するテーパーピン24は、その下端縁(細幅部)がテーパー面と直行する方向に屈曲されたストッパー29が形成され、嵌入口23からの脱落を防止する様にされており、また、テーパーピン24を本体部21の嵌入口23に嵌挿するに際し、テーパーピン24の回動操作を容易にするための円弧状の切り欠き部30が形成されている。バタ材締付金具20として、かかる構成を採用することによって座板金具27とテーパーピン24が一体として構成される。
【0063】
次いで、前述するコンクリート型枠のユニット化への組立て作業手順について説明するに、配筋を挟んで所要数のコンクリート型枠を準備し、まず1枚目のコンクリート型枠を建て込み、コンクリート型枠1の縦リブ2、言い換えれば、せき板に設けた溝5に対して
板状セパレータ10を嵌め込むことになる。先ず、板状セパレータ10に両側から破断ノッチ溝12がコンクリートに埋没しないように保護するコーンカップ31を差込、この状態において前記コーンカップ31の端面がコンクリート型枠1のせき板に当接するように溝5に嵌め込む。板状セパレータ10の端部は縦リブ2から突出状態となり、詳述すれば、板状セパレータ10に形成したU字状のスリットタブ15の根元部、即ち、スリットタブ15の根部が縦リブ2の頂点とほぼ同一位置となり、換言すれば、板状セパレータ10は、かかる状態を考慮してその長さが決定されるものである。かかる状態において、板状セパレータ10のタブ16を折り曲げて板状セパレータ10自身を前記縦リブ2に仮止めし、隣接するコンクリート型枠を前記板状セパレータ10の位置を合わせながら建て込み、両コンクリート型枠を従来公知のクリップ金具6により固定するが、この結果、コンクリート型枠間に隙間の形成されない状態で連接され、この手順を順次繰り返しながら、ユニット化が完了すると、コンクリート型枠に作用する荷重を支持するバタ材8,9の固定を行う。
【0064】
また、バタ材としては丸パイプ材、角パイプ材、アングル材等種々の形状のものが使用されており、図1(a)にはパイプ材を、また、図1(b)にはアングル材を使用した例を示している。さらに、バタ材締付金具20のフック状の湾曲頭部22を板状セパレータ10の係止孔14に掛止し、この板状セパレータ10の上下にバタ材8,9を配置するが、先ず、下側のバタ材を屈曲形成した保持金具33を準備して支持する。前記保持金具33は、図1に示すように板状セパレータ10に挟み掛けしクリップ金具6の突出部を背凭れに保持するが、下側のバタ材9の受置部は、バタ材の形状に合わせて抱き合わせるように形成するのが好ましい。
【0065】
次いで、バタ材締付金具20を板状セパレータ10の係止孔14に掛止した状態において、テーパーピン24をストッパー29部がU字状の本体部21にあたるまで引き上げ、さらに、切り欠き部30を利用して回転させて図中仮想線の位置せしめ、次いで、座板金具27を後退させておき、前述する保持金具33に下側のバタ材9を配置した後、座板金具27を図中仮想線の位置から、前進せしめて、この状態において座板金具27の背面にある嵌入口23に嵌合するテーパーピン24を図中仮想線の位置から実線で示す位置まで回動させ、頭部を打ち込むと座板金具27は移動することとなり、バタ材8,9をコンクリート型枠の縦リブ2に対して強固に押圧して緊締し、固定する。
【0066】
したがって、コンクリート型枠に作用する荷重、即ち、コンクリートの打設時に生じる荷重を支承するバタ材の取り付けに際して、従来のごとくコンクリート型枠1の縦リブ2に開設された板状セパレータが取付いていないクリップ孔7を利用して専用のバタ材取付け金具を用いてバタ材締付け固定する作業が省略されることから、作業性が飛躍的に向上し、また、コンクリート型枠に作用する荷重にあっても、中間リブ3に作用する荷重は、バタ材を介して板状セパレータに伝達されることから、安定的な支持構造となる。加えて、打設したコンクリートが固化した後、コンクリート型枠を解体する作業を所要とするが、バタ材締付金具20のテーパーピン24を外すことにより、座板金具27によるバタ材の緊締状態が解除されることから、前述のバタ材の固定作業とは逆の手順で行うことによって、その取り外しにおいても短時間になし得ることから作業性が大幅に向上することとなる。
【0067】
さらに、コンクリート養生期間後(硬化後)、コンクリート型枠1を解体するのであるが、前述する組み立て手順とは逆の手順により解体を行う。型枠の解体除去後には、コンクリート打設面から板状セパレータが突出しているが、従来と同様にセパレータに刻設された破断ノッチ溝12から裂断する。即ち、前記コンクリート打設面から突出しているセパレータを交互に反復して折り曲げることによって塑性変形による破壊を生起し断裂することでコーンカップ31の除去作業が容易になる。コンクリート打設面に残されたコーンカップの窪みは、防水あるいは防食を目的にモルタルを充填し埋設する。
【実施例2】
【0068】
前述の実施にあっては、バタ材締付金具20の本体部21を、平角鋼で成形したが、丸鋼を使用することも可能であって、即ち、図8〜図10に示すように、バタ材締付金具20は、丸鋼の間隙を隔てて長短の脚を形成するように二つ折りに屈曲せしめ、一方の短脚側の先端部36を曲げて他方の長脚部34の側面に接合してテーパーピン37の嵌入する嵌入口38を形成し、また、長脚部34側の先端部をほぼU型に屈曲せしめてフック39を形成する。また、板状セパレータ10は、前述の実施と異なる点は、係止孔14が円弧状の係止孔44になる。
【0069】
この長脚部34側の下面に、略コ型部材40を溶接等の適宜の手段にて固定してなり、該コ型部材40の下部上面にコンクリート型枠1の縦リブ2に衝合する溝41を形成し、かつ、その反対側を上方に僅かに屈曲させて、かつ、テーパーピン37の嵌入する溝42を形成してなる支持プレート43を固定してなり、この支持プレート43によってバタ材締付金具20を板状セパレータ10の係止孔44に係止した時、バタ材締付金具20が自重によりフック39部を中心に回動することを防止している。また、このバタ材締付金具20の長脚部34上部には、上方のバタ材8の安定を保持するためにバタ材受板45を固着する。さらにまた、このバタ材締付金具20の嵌入口38の内面にはガイドプレート46が固定され、テーパーピン37の嵌入時における円滑な作動を補助するようにされている。前記支持プレート43の特徴は、バタ材が上方のみの場合は圧縮に対抗する形態でもある。
【0070】
このバタ材締付金具20の嵌入口38に嵌挿されるテーパーピン37は略三角形状をなし、先端三角形状部に嵌入口38からの脱落を防止するためのストッパー47が形成され、また、その上方には本体部35の丸鋼に係合して回動するように円弧状の切り欠き溝30が形成されている。このバタ材締付金具20を使用してバタ材8,9を押圧して固定するに際し、バタ材8,9を押圧する座板金具48を装着するが、この座板金具48はバタ材締付金具20に対して側方から装着するために中央部に横挿し用の窓部49が開設されており、また、両端縁にはリブ50,51が形成され、リブ50は、テーパーピン37の案内として作用するようにされている。しかしながら、この座板金具48は、バタ材8,9が鋼製である場合には、例えば、図10にその一例を示すように、前記するテーパーピン37によって直接にバタ材9を押圧することも可能であることから必須のものではないことを理解されたい。
【0071】
前記バタ材締付金具20を使用する場合について説明すると、前述してコンクリート型枠1の連設構築と同様に型枠の組み立てを行う。型枠間に装着された板状セパレータ10の係止孔44にバタ材締付金具20のフック39を嵌め込み、支持プレート43をコンクリート型枠1の縦リブ2に当接して固定する。次いで、テーパーピン37に有する円弧状の切り欠き部30を本体部35に係合させるため図8で示す仮想線の位置まで移動させ、下部に配置するバタ材9をコ型部材40に載置し、続いて、上方のバタ材8を配置する。このとき、バタ材が下部のみの場合は、バタ材締付金具20の上部にスペーサ金具52を介して載置し、次いで、バタ材9の後面を押圧するための座板金具48をバタ材締付金具20本体部35の側方から装着した後、テーパーピン37を回動して嵌入口38に落とし込み、その頭部を打撃して緊締固定する。
【0072】
また、図8(a)には丸パイプを、図8(b)にはアングル材をバタ材とした一例を示すもので、上記同様の方法でコンクリート型枠を緊締固定する。
【実施例3】
【0073】
また、図11〜図13に示す実施例は、本発明にかかる緊締構造としての他の実施例を示すもので、コンクリート型枠1は実施例1と同様の構成を有するものであることから説明を省略する。この実施例において使用する板状セパレータ11は、施工される構造物の厚み寸法とコンクリート型枠の厚み(コンクリート型枠の厚さに相当する。)寸法とし、縦リブに穿孔されたクリップ孔7に相当する位置に図4に示す貫通孔13を穿孔してなり、末端部に折り曲げ可能なタブ53を形成し、さらに、埋没する部分にあっては、実施例1と同様に形成する。
【0074】
バタ材締付金具20の本体部55は、金属丸棒を中間部に後記するテーパーピン56を嵌入するためのスリット間隙57を形成するように折り曲げ、その一方の脚部58を他方に比して延在せしめて平面形状が大略J字状に形成するとともに、この脚部58の終端部を脚部58と直交する方向にクリップ孔7に挿通する係止部59(嵌着用)を屈曲させて形成したもので、さらに、前記係止部59には嵌着締付用のピン60を嵌挿するスリット状の透孔61が形成され、さらに、前記脚部58の下面にバタ材締付金具20の回動を阻止するためにコンクリート型枠1の縦リブ2に当接する回り止め板62が固着されている。なお、この回り止め板62を縦リブに当接するように脚部58の中間位置に設けることが可能である、また、脚部58の上部にバタ材転び防止板54を固着すると安全対策に役立つ。
【0075】
また、バタ材締付金具20に付随するバタ材8,9に当接してバタ材をコンクリート型枠1に押し付ける座板金具63とテーパーピン56は従来公知されている一般的な構造である。
【0076】
前記スリット間隙57に嵌入するテーパーピン56は、略三角形状をしており、脱落を防止するために前記座板金具63と鎖等により連結するのが望ましい。
【0077】
前記係止部59に設けられたスリット状の透孔61に嵌挿する嵌着締付用のピン60は略三角形の平板状であり、上端部に折り曲げられた頭部64が形成され、この頭部64に小孔65が穿設され、この小孔65にはバタ材を支承する支持金具66が掛止される。この支持金具66は略L型に形成されたフック状の頂部と、バタ材9を支える水平部とこれを連続する垂直部から構成される。この支持金具66は必須のものではないが、支持金具66を設けることによってバタ材9の取り付け作業を安全になしうることから推奨される。
【0078】
この実施例において有利なことは、板状セパレータ11を短くすることができ、脱型時において裂断する部分、言い換えると、廃棄する部分が少なくて済むという利点を有する。図示の実施例から理解されるように、板状セパレータ状は対抗して配置される型枠の縦リブ2に開設されるクリップ孔7にバタ材締付金具20を固定するために、板状セパレータの長さは前記クリップ孔7に要する間の寸法を維持するように形成することで十分なものである。
【0079】
次に、コンクリート型枠のユニット化への組立て作業手順について説明するに、前述の実施例と同様に配筋を挟んで所要数のコンクリート型枠を準備し、まず1枚目のコンクリート型枠を建て込み、コンクリート型枠1のせき板4に設けた溝5に対してコーンカップ31を装着した板状セパレータ11を嵌め込みスリットタブ53を折り曲げて仮付けする。次に、バタ材締付金具20の係止部59をクリップ孔7に挿通し、ピン60を嵌め込む、このとき、脚部58に固着した回り止め金具62がせき板4に取付く縦リブ2の部分に当接し、バタ材締付金具20の回動を防止する。さらに、バタ材の支持金具66を嵌着締付用のピン60の頭部64に設けた小孔65に装着する。
【0080】
次いで、下側のバタ材9を前記支持金具66に一時的にあずけて置き、上方のバタ材8を本体部55の上に載置した後、座板金具63を本体部55に装着するとともに、下側のバタ材9を座板金具の下面に形成した受け部に移載し、その後、本体部55に設けたスリット間隙57にテーパーピン56を嵌入し、頭部を打撃して打ち込み、バタ材8、9を緊締固定する。しかし、前記スリットタブ53は仮付けに使用するものであり、
別途仮付け挟み金具(図面省略)あるいは磁石などを使用することも推奨されることから必須でないことを理解されたい。
【0081】
また、セパレータ11に嵌着するコーンカップ31もまた種々の構成を採用することができるが、図示の実施例にあっては、底部にセパレータ11に挿通するスリット状の透孔61を設けてなり、該底部と直角をなす壁面と、傾斜する外廓とを有する台形をなすもので、前記直角壁の開口端部をセパレータ11に接する側に折り曲げ縁タブ32を形成したもので、コンクリートの打設後に型枠を脱型し、打設面に残存するコーンカップ31を除去する際に、前記折り曲げ縁タブ32にバールを掛止して引き剥がすことで、容易に除去することができるものである。
【実施例4】
【0082】
また、図14〜図16および図7に示されるバタ材締付金具20について説明する。但し、コンクリート型枠1および板状セパレータ11およびテーパーピン56は、前記実施例3で使用するものとほぼ同等の形態であることから説明を省略する。
【0083】
バタ材締付金具20の本体部67は、図14に示す型状に切断した金属板を中間部から略コ型形状あるいは二つ折りに屈曲せしめ、かつ、型枠の縦リブ2を挟み込むに十分な感激を有するように形成され、その傾斜部69は、テーパーピン56背部(傾斜部)の接触する角度に形成されており、頭部(先端部)の位置には縦リブ2に開設されたクリップ孔7を利用して固定するための貫通孔が穿設されている。これに、前記本体部67の一方の脚部にバタ材を支承する略コ型の支持金具70が固定し、さらに、この支持金具に縦リブに嵌合する溝71と、テーパーピン56の進入を許容する溝72を形成してなる支持プレート73が固着してなり、型枠の縦リブ2にバタ材締付金具20を止着するためのL型の連結棒74を有し、該連結棒74には締付用の固定ピン75を挿入するスリット状の透孔を刻設してなるピン孔76が形成されている。前記支持プレートは、縦リブ2に衝合する溝71を形成し、かつ、その反対側を上方に僅かに屈曲させて、かつ、テーパーピン56の嵌入する溝72を形成してなる支持プレート73を固定してなる。また、支持プレート73は、バタ材が上方のみの場合は圧縮に対抗する形態でもある。
【0084】
また、バタ材締付金具20のスリット間隙68には、バタ材8,9を押圧するためのテーパーピン56が嵌挿されるが、このテーパーピンを案内し、かつ、バタ材8,9を押圧する断平面がコの字状をなし、上部がほぼ90°強に屈曲形成する座板金具77がスリット間隙68に嵌挿されている。なお、図示を省略したが、前記テーパーピン56と座板金具77とは使用時における作業性(散逸防止)を考慮してチェーン等によって連結するのが好ましい。
【0085】
また、座板金具77の形状は前述の実施例2に示される座板金具48の形状であってもよいが、施工現場において持ち運び携帯を容易にするため小型に設計する。この部材は、必ずしも所要でないが、バタ材の磨耗保護に要する間接部材であるり、この座板金具77を省略する場合は、テーパーピン56を挿入するスリット間隙68の巾寸法をテーパーピンの厚みに合わせて調整する。
【0086】
コンクリート型枠のユニット化への組立ておよび解体作業手順については、前述する実施例とほぼ同様であるため説明を省略する。
【実施例5】
【0087】
以下、本発明によるコンクリート型枠固定締付支持金具の実施の形態を図18〜図21または符号に基づいて説明するが、これは、コンクリート型枠1に加わるコンクリートの圧力全般を、板状セパレータ78が負担するがバタ材締付金具20の締結部材82は中間リブ3に加わる荷重のみを、バタ材を介して負担し、これに使用する部材は金属質材を用いる。。。また、コーンカップ79については、合成樹脂質材を使用する。
【0088】
板状セパレータ78は、図21に示すように金属平鋼を所定寸法に切断しコンクリートの埋没部分の両端部にコーンカップ79を受止めるための端縁80を鈍角に折り曲げて形成してなり、この折り曲げの角度は、板状セパレータ78を保管、輸送等のために重ねて梱包するために支障を生じない必要があることから、特に、限定するものではないが、凡そ45度程度とするのがよい、また、この折り曲げた小口がコーンカップ79を受止めることになる、さらにまた、この近傍が、両縁の一部を切取り断面を縮小させた断面欠損破断部81となり軸心を回転(捻り)して切り取りが可能になる、(この板状セパレータ78がステンレス等の場合はコーンカップ79を必要としないため、この切り取り位置が築造される構造物の有効寸法となる)その外方にコーンカップ79とせき板4が位置付き、さらに、その外方にバタ材締付金具20の接続嵌着板89を接続するための鉤状、鳩尾状あるいは錨型の係止め突起83を形成する。また、断面欠損破断部81は、実施例5〜実施例11まで同様の形状である。
【0089】
バタ材締付支持金具20のバタ材締付部は、板状セパレータ78と同じ厚みの金属板を使用し、該金属板の巾は、板状セパレータ78巾の約1.5倍にし、長さは、これの約3倍に切断した接続嵌着板89の板先に前述した板状セパレータの係止め突起を受け入れる挿嵌受口84を形成し、その後退部に縁リブ2に嵌合するためのクリップ孔85を穿設し、さらに、その後退部に後述するカバーソケット86の外れ止めに要する細長のスライド貫通口87を形成した接続嵌着板89に、平角鋼を所定の長さに切断し、中央部から並列並行に折り曲げテーパーピン37の挿通口を形成した締結部材82を、該テーパーピン挿入締付およびバタ材を載置締付るに所要を有する位置に接続嵌着板89を挟み込み溶着または溶接する。また、前記締結部材82の尾部はテーパーピン37背部(斜部)の角度に合わせて形成する。
【0090】
上記のカバーソケット86は、板状セパレータの係止め突起を接続嵌着板89の挿嵌受口84に嵌着し、その周囲を包括して固定する部材であり、その形態は、矩形状の空洞管に外れ防止用の棒ピン92を前記スライド貫通口87に挿通し、該カバーソケット86に固着し、この両側面には接続嵌着板89のクリップ孔85にクリップ金具6を直接挿通させるため、バカ孔を穿設する。さらにまた、この下部下方側には、横バタ受け兼胴体支持材(アーム)90を溶着または溶接で固着する。この横バタ受け兼胴体支持材90は、平角鋼を略Z型に屈曲形成したバタ材を載置する下部水平部の上面に、コンクリート型枠1の縦リブ2に当接し、かつ、その反対側を上方に僅かに屈曲させて、かつ、テーパーピン37の嵌入する溝88を形成した支持プレート91を固定してなる。この支持プレート91は、バタ材が上部のみの場合は、圧縮力に対抗する形態でもある。
【0091】
コーンカップ79は、円錐台形の漏斗状に成型し、その底部をセパレータの破断位置を抱持するに十分な厚みに形成するとともに、セパレータを挿通するスリット状の透孔を設けてなる。これはコンクリート固化後、板状セパレータ78不要部分の軸心を回転捻切ることにより該コーンカップも一緒に回転して分離することを特徴とする転用可能の形態である。
【0092】
次いで、コンクリート型枠組立作業手順は、一枚目のコンクリート型枠を建て込みコーンカップ79を挿通した板状セパレータ78と横バタ締付支持金具20を接続した状態でコンクリート型枠せき板4のキリ孔あるいは溝95に横から挿し、コーンカップ79とカバーソケット86で挟み仮固定する、次に2枚目のコンクリート型枠1を建て込み縁リブ2のクリップ孔7にクリップ金具6を嵌着すると板状セパレータ78が固定されると同時にコンクリート型枠1の板面と上下の位置が定まる。これを順次繰返しながら、バタ材8,9を配置し、テーパーピン37を落とし込み打圧するとコンクリート型枠が強固に緊締され、配列された型枠の直線を保持すると共に中間リブ3の荷重を支持することになる、しかし、バタ材が下部のみの場合は上部にスペーサ金具52を噛ます。
【0093】
次いで、コンクリート養生期間後(固化後)、組立と逆の手順で、コンクリート型枠1を脱型するが、コンクリート打設面には板状セパレータ78がコンクリート面から突出した状態で残存すので、この板状セパレータ78の不要部は人力により回し工具144を使用して回転させると断面欠損破断部81から破断する、特に好ましくは、インパクトレンチを使用して前記不要部を回転させることにより裂断するのがよく、このときセパレータに装着されているコーンカップ79も同時にコンクリート面から剥離し、回収することができ、作業性を向上することができる。一緒に外れたコーンカップ79を適時に回収し、再使用すればよい。また、先行してセパレータの突出部分を除去すると型枠脱型作業が容易になる。
【0094】
この実施例において特徴的なものは、板状セパレータ78に作用する打設したコンクリートの荷重に耐えうるに必要な強度を維持する厚みを付与する一方、幅を減少させることにより、コンクリート打設後における板状セパレータ78の断面欠損破断部81から回転(捻り)によって、せん断破壊を生起し、切取りが可能になり、加えて、この捻りによってコーンカップ79が同時に除去し得る点である。
【実施例6】
【0095】
以下、本発明によるコンクリート型枠固定締付支持金具の実施の形態を図22〜図26または符号に基づいて説明するが、板状セパレータ93は、バタ材締付部と一体構造であり、使用する部材は金属質材を用いる。また、コーンカップ98は合成樹脂質材を使用する。
【0096】
このコンクリート型枠は、縦リブ2が金属製の場合は板状セパレータ93に回し工具144差込可能な寸法位置に円弧状の切溝95を削設したせき板に該縦リブ2を位置付け、ビスまたはボルト等により固定する。また、縦リブ2が木質製(桟木)の場合は、該縦リブ2の切溝94を回し工具144差込み可能な寸法に削設し、板状セパレータ93の挿通部に円弧状の切溝95を形成した、せき板の端面と面合わせてビスまたはボルト等により固定する。
【0097】
板状セパレータ93は、コンクリート埋没部分については、実施例5同様の形態であり、コンクリート面から外方は、コーンカップ98にコンクリート型枠1、バタ材8,9と座板金具を挟みテーパーピン56の押圧するに有効な間隔を確保し、スリット状の挿通を口を刻設する。この特徴は、板状セパレータ93とバタ材締付部が一体構造であるころから施工性が、かなり簡素化されることにある。
【0098】
これに使用するコーンカップ98は、後述する実施例8で使用するものと同等の形態であることから説明を省略する。
【0099】
また、接合部分の縁リブ2が木質桟木の場合は座板金具63とテーパーピン56は前述記載の実施3で使用するものと同等であるため説明を省略する。
【0100】
さらにまた接合部分の縦リブ2が金属製L型状の場合は、図25、図26に示すように金属板をL型に折り曲げて低部にバタ材を受けることと、縦リブ2を挟着するために該縦リブ2に当接あるいは挟着する部分を略凹湾曲形状に開先口を形成した挟着兼用座板金具96を使用する。
【0101】
次いで、コンクリート型枠組立作業手順は、コンクリート型枠の縁リブ2が木質桟木である場合は、1枚目のコンクリート型枠1を建て込み図24に示す円弧状の切溝95にコーンカップ98が装着された板状セパレータ93を位置付け、2枚目のコンクリート型枠1aを建て込み釘鎹97等で接続する、この手順を順次繰り返しながら該セパレータの上下にバタ材9,8を配置し、テーパーピン56を挿入打圧することでコンクリート型枠が締結固定する。
【0102】
また、縁リブ2が金属製L型状の場合は、1枚目のコンクリート型枠1を建て込みせき板の円弧状の切溝95にコーンカップ98が装着された板状セパレータ93を位置付け、2枚目のコンクリート型枠1aを建て込みクリップ金具6を用いて挟着して連結する、この手順を順次繰り返しながらコンクリート型枠に作用する荷重を支持するバタ材8,9の固定を行う。また
、前記クリップ金具6を用いて挟着するにバックアップ材としてゴム質材等のパッキン112を挿入すると挟着力の安定性が向上する。
【0103】
次いで、型枠解体については、コンクリート養生期間後(硬化後)、実施例5とほぼ同様に。組立とほぼ逆の手順でコンクリート型枠1を脱型するが、実施例5と異なる点は、バタ材8,9を取外した後、板状セパレータ93のコンクリート面からの突出した不要部分を型枠が残置したまま、捻切る回し工具144を用いて断面欠損破断部81から切取る。これにより、型枠の剥離性が飛躍的良くなることから解体が容易になる他、コンクリート型枠の保有性も良くなる。
【実施例7】
【0104】
以下、本発明によるコンクリート型枠固定締付支持金具の実施の形態を図27〜図31または符号に基づいて説明するが、板状セパレータ101は、バタ材締付支持部106と一体構造であり、使用する部材は金属質材を用いるる。また、コーンカップ98については、後述する実施例8で使用するものと同等のと同等の形態であることから説明を省略する。
【0105】
このコンクリート型枠1は、例え、外壁などのコンクリート型枠組立作業においてコンクリート躯体面と仮設足場等の間隔が狭くて作業スペースが確保出来なく、横バタ材を使用することが困難または不可能の場合に使用するため、中間リブ3を横使いにし、L型の縁リブ2にボルトまたは溶接等で固定し、横バタ材8,9を不要にする構造にしたコンクリート型枠1である。
【0106】
図27および図29、図30に示す挟着座板金具110は、中間リブ3材を使いにし、ボルト固定による形態を示すものであり、コンクリート型枠の寸法調整(補助型枠)部に使用する場合に有効であり、中間リブ3材は、横バタ材に相当する部位でもある。
【0107】
板状セパレータ101は、コーンカップ98を含め、コンクリート埋没部分は、上記実施例6で使用する板状セパレータと同様の形態であり説明を省略するが、異なる点は、コンクリート型枠1の締め付け部において、該型枠と耐圧座板金具104を挟みテーパーピン102を挿入打圧するための有効寸法を確保した位置に、該テーパーピン102を挿入するためのスリット状の透孔107を刻設してなる。
【0108】
前記する耐圧座板金具104は、横バタ材に指摘または相当する部材でもあり、所要寸法の金属板を図28に示すように向い合う縁リブ2を狭着するように断平面が略コ型湾曲に形成し、背部にテーパーピン102の作動をガイドする谷部を形成してなり、正面部の中央に板状セパレータ101の不要部分を回転捻切るために回し工具144が挿入可能にする円形状の挿通口103を穿設し、該耐圧座板金具104の両側面部にボルトを挿通するために縦リブ2のクリップ孔7に一致する位置に該クリップ孔7と同径の固定孔105穿孔してなる。この実施例7の特徴は、コンクリート型枠を構築するに際して、横バタ材8、9の使用が困難な場合に耐圧座板金具104が効果的になることにある。
【0109】
耐圧座板金具104を押圧するテーパーピン102は、金属板をテーパー状に切断形成した、実施例3で使用するテーパーピン56を小型化した一般的な形態である。
【0110】
次いで、コンクリート型枠組立作業手順は、コンクリート型枠1を載置するための敷きバタ材(基盤)を取付け後、1枚目のコンクリート型枠1を建て込み図27に示す円弧状の切溝95に、コーンカップ98が装着された板状セパレータ101を位置付け、2枚目のコンクリート型枠1aを建て込み、縁リブ2に耐圧座板金具104を狭着し、板状セパレータ101のスリット状の透孔107にテーパーピン102を挿入打圧することで緊締固定する。これを順次繰繰返すことでコンクリート型枠の構築がなされる。また、耐圧座板金具104の固定孔105を縁リブ2のクリップ孔7を利用して該耐圧座板金具104をボルトにより固定することでユニット型枠の現形を保持しながら直上階に移設することが容易となる。
【0111】
また、コンクリート型枠の解体についての作業手順は、打設したコンクリートの養生期間後(硬化後)、テーパーピン102を取外し耐圧座板金具104の板状セパレータ101挿通口103に回し工具144を挿入し、コンクリート面から突出したセパレータの不要部分を回転捻切取ることで該型枠の脱型が容易になると共にコーンカップ98も自動的に剥離する。また、この時点でユニット化された型枠を直上階にスライド(転用移動)が容易になり、スライド(転用移動)しない場合は、耐圧座板金具104を取外し、搬出可能な範囲に解体する。
【実施例8】
【0112】
以下、本発明によるコンクリート型枠固定締付支持金具の実施の形態を図32〜図36または符号に基づいて説明するが、板状セパレータ111は、バタ材締付部と一体構造であり、使用する部材は金属質材である。また、コーンカップ98については、後述する実施例8で使用するものと同等の形態であることから説明を省略する。
【0113】
これに使用するコンクリート型枠の縦リブ2を木質材(桟木)または金属質材空洞管とし、せき板4を木質合板または合成樹脂板を使用することを前提に説明する。
【0114】
板状セパレータ111は、金属平鋼を所要寸法に切断し、コンクリートの埋没部分の両端部にコーンカップ98を係止する受け止板113を差込むためと、破断を目的に、両縁を欠き取った断面欠損破断部81を刻設し、前記受け止板113を差込み、コーンカップ98を挿入し、その外方に型枠せき4をはめ込み、バタ受け金具115を掛止するための掛止孔119を穿設し、さらに外方にバタ材8,9の押圧用テーパーピン56の挿通口117を刻設することで、この板状セパレータ111自体がバタ材締付部と一体構造になる。また、前記断面欠損破断部81は、実施例5に記載する同様の形状である。
【0115】
前述する断面欠損破断部81は、実施例5他、共通の形状であるころから説明を省略する。
【0116】
これに使用する受け止板113は、コーンカップ98を係止するため、厚み1.6ミリ程度の金属板に板状セパレータ111の断面欠損破断部81に挿着するための開先口を刻設し、外れ防止用の折り曲げ可能にするためのスリットタブ114を刻設する。
【0117】
また、これに使用するコーンカップ98は、円錐台形の漏斗状に成型し、その底部を板状セパレータ111の破断位置を抱持するに十分な厚みに形成するとともに、該セパレータを挿通するスリット状の透孔を設けてなり、加えて、該板状セパレータ111を挿通する軸心に沿った円弧状の窪みを有するスリット状の貫通口100を設けてなり、コンクリート型枠にせき板の当接面に該せき板4に形成された溝95孔に嵌合する嘴状の突出してなる軸受け部99を成型してなる。
【0118】
これに使用するバタ受け金具115は、せき板を解して板状セパレータ111の抜け防止と横バタ材9を受けるためであり、このバタ受け金具115は、掛止部と連続してなるバタ材受け部で構成され、金属丸棒を図示のように偏曲形成し、先端部を板状セパレータ111の掛止孔119に挿入することを円滑にするためテーパー状に形成し、末端部124を横バタ材9のすべり止め転落防止のため略へ形状の突起を屈曲形成する。
【0119】
図33(b)に示す座板金具63とテーパーピン56は、実施例6で使用するものと同様の形態であり、バタ材がアルミ管等の軟質材またはバタ受け金具115を必要としない場合に該座板金具63とテーパーピン56を用いる。
【0120】
次いで、コンクリート型枠組立作業手順は、コンクリート型枠の縦リブ2が木質桟木または金属質の空洞管である場合は、1枚目のコンクリート型枠1を建て込み、円弧状の切溝95にコーンカップ98が装着された板状セパレータ111を位置付け、バタ受け金具115の掛止部を掛止孔119に掛止すると、該セパレータがせき板4に挟着する、次に、連接する2枚目のコンクリート型枠1aを建て込み釘鎹118等で連結する。これを順次繰返しながら、該セパレータの上下にバタ材9,8を配置し、テーパーピン56を挿入打圧することでコンクリート型枠が締結固定する。
【0121】
この場合に板状セパレータ111の位置は、必ずしもコンクリート型枠の連接する接合部でなく中央部または所要な位置での使用も可能である。
【0122】
また、型枠解体作業については、実施例6とほぼ同様に組立と逆の手順でコンクリート型枠1を脱型するが、異なる点は、バタ材9の落下防止養生のバタ受け金具115が付随しているため、作業の安全性を向上することにある。
【実施例9】
【0123】
以下、本発明によるコンクリート型枠固定締付支持金具の実施の形態を図37〜図39または符号に基づいて説明する。また、板状セパレータ111は、バタ材締付部と一体構造であり、使用する部材は金属質材である。
【0124】
これに使用するコンクリート型枠の縦リブ2はL型または角パイプの形状を有する金属質材で、せき板4を木質合板または合成樹脂板で形成することを前提に説明する。
【0125】
板状セパレータ111は、実施例8で使用するものとほぼ同様であり、異なる点は、バタ受け金具115を掛止する掛止孔119を必要としないことにある。
【0126】
これに使用する受け止板113とコーンカップ98とテーパーピン56は、実施例8で使用する製品と同等であることから、説明を省略する。
【0127】
挟着兼用バタ受け金具120は、直径が13ミリ程度に金属丸棒を使用し、縦リブ2のクリップ孔7に挿入する挟着軸部123の先端部を縦リブ2のクリップ孔7に挿入を円滑にするためテーパー状に削設し、バタ材載置部116の末端部134は、バタ材9の転落防止のため僅かに上向きに屈曲形成してなる突起を形成する。また、バタ材載置部116と挟着軸部123を連続する縦軸の角度は、挟着兼用バタ受け金具120の回動を防止するため、縦リブ2に当接し、該バタ材載置部116が水平を保持する角度に形成する。
【0128】
また、嵌着軸部123の先端部に締付ピン122を挿入するためのスリット状の透孔121を刻設する。
【0129】
さらに、締付ピン122は、厚み4ミリ、巾25ミリ、長さ65ミリ程度の平鋼の先端をテーパー状に切断形成してなり、スリット状の透孔121に挿入するに際して円滑的な作動を補助する。また、作業性(散逸防止)を考慮して、締付ピン122と挟着兼用バタ受け金具120を細いワイヤーロープ等(図示省略)で連結することが好ましい。
【0130】
この実施例の特徴は、コンクリート型枠の縦リブ同士を挟着する挟着軸部123とバタ受け部が一体となる挟着兼用バタ受け金具120にあることから作業性を簡便になし得ることにある。
【0131】
次いで、コンクリート型枠組立作業手順は、1枚目のコンクリート型枠1を建て込み円弧状の切溝95にコーンカップ98がセットされた板状セパレータ111を挿入し、はさみ金具(図面省略)あるいは磁石などを使用して仮付け、次いで2枚目のコンクリート型枠1aを建て込み、挟着兼用バタ受け金具120を嵌入し、締付けピン122を差込み連結する。この手順を順次繰り返しながら、該セパレータの上下にバタ材9,8を配置し、テーパーピン56を挿入打圧することでコンクリート型枠が締結固定する。また、図38(b)に示す座板金具63とテーパーピン56は、実施例6で使用するものと、ほぼ同様の形態であり、バタ材がアルミ管等の軟質材の場合に該座板金具63とテーパーピン56を用いる。
【0132】
型枠解体作業については、実施例8とほぼ同様であることから説明を省略する。
【実施例10】
【0133】
以下、本発明によるコンクリート型枠固定締付支持金具の実施の形態を図40〜図44または符号に基づいて説明するが、これは、コンクリート型枠に加わるコンクリートの荷重全般を、板状セパレータ125およびバタ材締付部分が負担する。換言すれば、該板状セパレータ125とバタ材締付部分が分離する形態であり、軸応力は同一となる。
【0134】
また、バタ材締付金具20に使用す
る部材は金属質材を用いる。
【0135】
これに使用するコンクリート型枠1の縦リブ2を木質材または金属質材空洞管を使用し、せき板4は、木質合板または合成樹脂板を使用することを前提に説明する。
【0136】
板状セパレータ125は、実施例8で使用するものとほぼ同様であり、異なる点は、コンクリート型枠せき板4の外方にバタ受け金具130を装着し、その外方にバタ材締付金具20本体部を連結するための接続ピン131を挿入するスリット状の接続受け口126を刻設することにある。
【0137】
板状セパレータ125に接続するバタ材締付金具20本体部127は、厚み4.5ミリ、巾16ミリ程度の金属平鋼を所要寸法に切断し、中央部から、該セパレータの上下を挟み込み二枚重ねになるように屈曲形成し、この先端部を板状セパレータ125の軸心を支持するために、せき板4に嵌合する烏口状に削設した軸受け部133を形成し、その後方にせき板4を受止めるための丸座金141を挟着する切り溝142を刻設し、その後方にバタ受け金具130の嵌め込む寸法を確保して板状セパレータ125を連結するためのスリット状の透孔129を刻設し、その後方にバタ材8,9を押圧締結するに有効となるテーパーピン56を挿入するためのスリット状の透孔128を刻設し、その後端部132をテーパーピン56の作動を円滑にするために上下の部材が密着するように圧搾して絞る。
【0138】
前述するバタ受け金具130は、厚み4.5ミリ、巾16ミリ程度の平鋼を所要寸法に切断し、バタ材締付け支持金具本体部127に取付けるための挿通部143を角環状に屈曲形成し、この部分と垂直に連続してなるバタ材9を載置するためのバタ材受け部を水平に屈曲形成した該バタ材受け部の末端部135をバタ材9の転落防止のために僅かに上方向に屈曲してなる突起を形成する。このバタ受け金具130の使用に付いては、バタ材9を載置する他、バタ材の転落を防止のためであり、適宜の個所に用いることで良い。また、このバタ受け金具130を使用しない個所は、図41(b)に示す座板金具63とテーパーピン56を用いる。
【0139】
これに使用する受け止板113は、実施例8で使用するものと同等であり、コーンカップ79は、実施例5で使用するものと同等であることから説明を省略する。
【0140】
また、これに使用する接続ピン131は、厚み4ミリ、巾25ミリ長さ80ミリ程度に切断した平鋼の先端をテーパー状に形成し、該接続ピン131の挿入する作動を円滑的に補助する。
【0141】
次いで、コンクリート型枠組立て作業手順は、1枚目のコンクリート型枠1を建て込みせき板4の円弧状の切溝95にコーンカップ79がセットされた板状セパレータ125を位置付け、バタ材締付け支持金具本体部127を嵌め込み、接続ピン131を挿嵌打圧することで該セパレータがせき板に挟着するが、適宜に応じて挟み金具(図面省略)を用いて仮付け、次いで連接する2枚目のコンクリート型枠1aを建て込み釘鎹118等で連接する、この手順を順次繰り返しながら、該セパレータの上下にバタ材9,8を配置し、テーパーピン56を挿入打圧することでコンクリート型枠が締結固定する。
【0142】
この場合に板状セパレータ125の位置は、必ずしもコンクリート型枠の連設する接合部でなく中央部または適宜な位置での使用も可能である。
【0143】
型枠解体については、コンクリート養生期間後(硬化後)、前述する組立作業とほぼ、逆の手順でコンクリート型枠1を脱型するが、バタ材9,8を取外した後にコンクリート型枠を残置した状態で板状セパレータ125の不要部分を回し工具144を用いて回転捻切りとることで脱型が容易になる。
【実施例11】
【0144】
以下、本発明によるコーンカップの実施の形態を図45、図46または符号に基づいて説明する。また、これに使用するコーンカップ136は、図18に示すコーンカップ79に替えて使用することが可能である。
【0145】
コーンカップ136は、伸縮性の少ないセメント系無機質材あるいは陶器質などの材質で外郭を円錐台、角錐台等に成型し、せき板に接する側を円形状に奥側を多角形状に成型し、内部は、奥底部を残し、板状セパレータの不要部分を回転捻切るに有効最小限の空洞部138を成型し、前記奥底部の中心に板状セパレータの挿通するスリット状の挿通口139を形成する。また、このコーンカップ136の外周付着面137は、埋め込み抜け防止およびコンクリート140と一体化を強化させるため奥側(奥部)が広くなるように成型する。
【0146】
また、コーンカップ136の特徴は、コンクリート140と一体になり、取外し不要であることと、板状セパレータの不要部分の除去跡の穴断面が図21に示すコーンカップ79に比して小さいため埋め戻し(充填)作業が容易になることから作業能率が向上される。
【実施例12】
【0147】
図47に示す金属製の保護座金145の実施の形態は、図21に示す合成樹脂製のコーンカップ79を板状セパレータ端縁80の小口に当接して使用する場合において、当接する接触面が少ないため損傷が激しいことから、該接触面に保護座金145を付与することでコーンカップ79の接触面(末口)が保護され、耐久性が良くなる。しかし、この保護座金145は補強に使用するものであることから必須でないことを理解されたい。
【0148】
前記保護座金145は、厚み1.6ミリ程度の金属板をコーンカップ79の接触面が(末口)より僅かに大きくなるように円形状に刻設形成し、中心部にセパレータの挿通するスリット状の透孔146を刻設形成してなる。また、この保護座金145は、コンクリートに付着する消耗部材である。
【実施例13】
【0149】
回し工具144は、図48に示すように金属質の肉薄鋼管を使用した軸管147の先端に板状セパレータ125の不要部分を回転捻切るため、金属硬質材料により該セパレータの挿通可能な貫通孔148を削設形成した嵌着部材を溶接等により固着し、該軸管147の後端部に金属丸棒のハンドル149を溶接等により固着してなる。また、前記嵌着部材は、差込を容易にするため先端をテーパー状に面取り加工を施すことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す部分側面図
【図2】図1の部分正面図
【図3】図2のA−A線断平面図
【図4】本発明にかかる板状セパレータを示す部分斜視図
【図5】本発明にかかるセパレータとクリップ金具の取り合いを示す部分側面図
【図6】本発明にかかるコンクリート型枠の切り溝を示す部分斜視図
【図7】本発明にかかるコンクリート型枠および構成部材の配置を示す部分外観図
【図8】本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す部分側面図
【図9】図8の部分正面図
【図10】図9のB−B線断平面図
【図11】本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す部分断側面図
【図12】図11のC−C線断平面図
【図13】図11の部分断正面図
【図14】本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す部分側面図
【図15】図14のD−D線断平面図
【図16】図14の部分正面図
【図17】本発明にかかるコーナー接合部を示す部分断面図
【図18】本発明にかかるコンクリート型枠の構造を示す部分断平面図
【図19】図18のE−E線断平面図
【図20】図19のF−F線断側面図
【図21】図19図に示すソケット廻りを示す斜視図
【図22】本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す断平面図
【図23】図22のG−G線断側面図
【図24】本発明にかかるコンクリート型枠および切溝を示す部分斜視図
【図25】発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す部分断側面図
【図26】図25のH−H線断面図
【図27】発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す部分側面図
【図28】図27のI−I線断面図
【図29】図27のJ−J線断面図
【図30】図27の部分正面図
【図31】本発明にかかるコンクリート型枠および構成部材の配置を示す部分外観図
【図32】本発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す部分平面図
【図33】図32のK−K線断面図
【図34】図32の受け止板を示すL−L線断面図
【図35】図32のコーンカップを示すM−M線断面図
【図36】図33のN−N線断面図
【図37】発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す部分断平面図
【図38】図37のO−O線断面図
【図39】図38のP−P線断面図
【図40】発明にかかるコンクリート型枠固定締付支持金具の構造を示す部分断平面図
【図41】図40のQ−Q線断面図
【図42】図41のR−R線断面図
【図43】図41のS−S線断面図
【図44】コーンカップを示す図43のT−T線断面図
【図45】本発明にかかるコーンカップを示す断平面図
【図46】図45のU−U線断面図
【図47】保護座金の形態を示す正面図
【図48】回し工具を示す斜視図
【符号の説明】
【0151】
1 コンクリート型枠 2 リブ 3 中間リブ 4 せき板 5 溝 6 クリップ金具 7 クリップ孔8 バタ材9 バタ材 10 板状セパレータ 11 板状セパレータ 12 ノッチ溝 13 貫通孔 14 係止孔 15 スリットタブ 16 タブ 17 ノッチ溝 18 結束孔 19 端縁 20 バタ材締付金具 21 本体部 22 湾曲頭部 23 嵌入口 24 テーパーピン 25 傾斜部 26 突起 27 座板金具 28 挿通口 29 ストッパー 30 切り欠き部 31 コーンカップ 32 折り曲げ縁タブ 33 保持金具 34 長脚部 35 本体部 36 先端部 37 テーパーピン 38 嵌入口 39 フック 40 コ型部材 41 溝 42 溝 43 支持プレート 44 係止孔 45 バタ材受板 46 ガイドプレート 47 ストッパー 48 座板金具 49 窓部 50 リブ 51 リブ 52 スペーサ金具 53 タブ 54 バタ材転び防止板 55 本体部 56 テーパーピン 57 スリット間隙 58 脚部 59 係止部 60 ピン 61 透孔 62 回り止め板 63 座板金具 64 頭部 65 小孔 66 支持金具 67 本体部 68 スリット間隙 69 傾斜面 70 支持金具 71 溝 72 溝 73 支持プレート 74 連結棒 75 固定ピン 76 ピン孔 77 座板金具 78 板状セパレータ 79 コーンカップ 80 端縁 81 断面欠損破断部 82 締結部材 83 突起 84 挿嵌受口 85 クリップ孔 86 カバーソケット 87 スライド貫通口 88 溝 89 接続嵌着板 90 支持材 91 支持プレート 92 棒ピン 93 板状セパレータ 94 溝 95 溝 96 挟着兼用座板金具 97 釘鎹 98 コーンカップ 99 軸受け部 100 貫通口 101 板状セパレータ 102 テーパーピン 103 挿通口 104 耐圧座板金具 105 固定孔 106 支持部 107 透孔 108 入り隅部に使用するコンクリート型枠 109 接続部材 110 挟着座板金具 111 板状セパレータ 112 パッキン 113 受け止板 114 タブ 115 バタ受け金具 116 バタ材載置部 117 挿通口 118 釘鎹 119 掛止孔 120 挟着兼用バタ受け金具 121 透孔 122 締付けピン 123 挟着軸部 124 末端部 125 板状セパレータ 126 接続受け口 127 本体部 128 透孔 129 透孔 130 バタ受け金具 131 接続ピン 132 後端部 133 軸受け部 134 末端部 135 末端部 136 コーンカップ 137 外周付着面 138 空洞部 139 挿通口 140 コンクリート 141 丸座金 142 溝 143 挿通部 144
回し工具 145 保護座金 146 透孔 147 軸管 148 貫通孔 149 ハンドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対抗して配置されるコンクリート型枠を所定間隔に保持し締結する構造であって、コンクリート型枠間に板状セパレータを配置し、該板状セパレータに形成された透孔あるいは係止孔部に締付支持金具の係止フックあるいは係止溝にテーパーピンで嵌着接続し、前記締付支持金具の上下位置に一対の横バタ材を配置し、横バタ材に座板金具を当接するとともに、締付支持金具に嵌着されたテーパーピンにより座板金具を解して横バタ材を押圧固定することを特徴とするコンクリート型枠固定締付構造。
【請求項2】
対抗して配置されるコンクリート型枠を所定間隔に保持し締結する構造であって、前記対向して配置されるコンクリート型枠間に板状セパレータを配置し、該セパレータの両端にスリット状の透孔あるいは係止溝を設けるとともにセパレータの上下位置にバタ材を配置し、前記セパレータに形成した透孔にテーパーピンを嵌入せしめ、バタ材を押圧固定することによって一体的に緊締することを特徴とするコンクリート型枠の固定構造。
【請求項3】
コンクリート型枠固定締付支持金具に使用する板状セパレータにおいて、両端部にバタ材締付金具を係止する透孔を設け、前記透孔部を利用して仮付け用の折り曲げスリットタブを形成し、コンクリート面から突出した不要部分を折り切るための破断するノッチ溝を形成したことを特徴とするコンクリート型枠固定締付支持金具における板状セパレータ。
【請求項4】
板状セパレータにあって、コンクリートから突出した不要部分の軸心を回転して捻切取るため、その部分の断面を縮小欠損させたことを特徴とするコンクリート型枠固定締付支持金具における板状セパレータ。
【請求項5】
板状セパレータの端部に取付ける受け止板またはコーンカップを装着した請求項4に記載する板状セパレータに仮固定兼用バタ受け金具を係止するための係止孔を有し、上下一対のバタ材を押圧するテーパーピンを嵌入するスリット状の透孔あるいは係止溝を設けてなるバタ材締付部が一体となるバタ材締付構造を有することを特徴とするコンクリート型枠固定締付支持金具における板状セパレータ。
【請求項6】
対抗して配置されるコンクリート型枠を所定間隔に保持し締結固定するバタ材締付金具であって、板状セパレータの両端部に形成された透孔に係合するフックを形成してなる平面形状が略C型の締付本体部が、前記セパレータに係止されて上下一対の横バタ材に当接する座板金具を有し、締付本体部に嵌着された座板金具を背面から押圧するテーパーピンを具備したことを特徴とするコンクリート型枠固定締付支持金具。
【請求項7】
請求項6に記載するバタ材締付金具において、テーパーピンの先端部に、バタ材締付本体部からの抜け外れを防止する突起を形成したことを特徴とするコンクリート型枠固定締付支持金具。
【請求項8】
板状セパレータの端部に形成された鉤状、鳩尾状あるいは錨型の係止端部に対応する嵌合溝を形成してなる連結板を有し、該連結板に摺動自在にカバーソケットを嵌挿し、前記連結板にテーパーピンの進入を許容するスリット溝を形成してなる締結部材を固着して成り、スリット溝にテーパーピンを嵌入するようにしたことを特徴とするコンクリート型枠固定締付支持金具。
【請求項9】
板状セパレータに接続するバタ材締付金具にあって、板状セパレータに挟み込み、接続する部分にスリット状の透孔あるいは係止溝を設け、これにテーパーピンを用いて接続したバタ材締付本体部に上下一対の横バタ材を押圧するテーパーピン嵌入用にスリット状の透孔を設けてなるバタ材締付金具に板状セパレータのコンクリート面から突出した不要部分をコンクリート型枠せき板を残置した状態で回転捻切るため、コンクリート型枠せき板の溝孔に対して回転軸心を支持する烏口形状の軸受け治具を突設形成したコンクリート型枠固定締付支持金具。
【請求項10】
板状セパレータの端部に挿嵌するコーンカップであって、底部にセパレータを挿通するスリット状の透孔を設けてなり、該底部と直角をなす壁面と、傾斜する壁面とを有する台形をなすとともに、前記直角をなす壁面の開口端にセパレータと接する抜取り用の折り曲げ縁タブを形成したことを特徴とするコーンカップ。
【請求項11】
板状セパレータの端部に挿嵌するコーンカップであって、円錐台形の漏斗状に成型し、その底部をセパレータの破断位置を抱持するに十分な厚みに形成するとともに、セパレータを挿通するスリット状の透孔を設けてなり、コンクリートから突出した前記セパレータの不要部分の回転によってコーンカップを共回りさせるようにしたことを特徴とするコーンカップ。
【請求項12】
板状セパレータの端部に取付けるコーンカップにあって、円錐台形に成型し、セパレータを挿通する軸心に沿った円弧状の窪みを有するスリット状の透孔を設けてなり、コンクリート型枠当接面部に、コンクリート型枠に形成された切溝孔に嵌着する嘴状の突出部を形成したことを特徴とするコーンカップ。
【請求項13】
板状セパレータの端部に挿嵌するコーンカップにあって、伸縮性の少ないセメント系無機質材あるいは陶器質などの材質で外郭を円錐台、角錐台等に成型してなる本体に板状セパレータの挿通する空洞部を成型してなる、コンクリートに埋設するようにしたことを特徴とするコーンカップ。
【請求項14】
コンクリート構造物の入り隅部に使用するコンクリート型枠であって、せき板の端面と同一面を構成するL形状の縁リブを固定し、かつ、前記縁リブにせき板の表面と平行な補助リブを一体的に形成したことを特徴とするコンクリート型枠。
【請求項15】
コンクリート型枠の連接する縦リブの接合端面に、コンクリート型枠間に挟持する板状セパレータが嵌入する切溝を所要間隔で形成したことを特徴とするコンクリート型枠。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate


【公開番号】特開2006−207367(P2006−207367A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−378645(P2005−378645)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(303031697)
【Fターム(参考)】