説明

コンバインの変速装置

【課題】変速レバーがとり得る姿勢の並び順に、車両速度が低速、中速、高速の昇順に変速されると共に、支軸の方向にコンパクトなコンバインの変速装置を提供する。
【解決手段】支軸41に中速用ギア42、高速用ギア43、及び、低速用ギア44をこの順に相対回転自在に外挿し、第一姿勢L、第二姿勢M、第三姿勢Hの順に姿勢変更自在な変速レバー6dが第一姿勢Lにされると、車両速度が低速となり、変速レバー6dが第二姿勢Mにされると、車両速度が中速となり、変速レバー6dが第三姿勢Hにされると、車両速度が高速となり、変速レバー6dが第一姿勢Lのときは、第一シフター46の少なくとも一部が、高速用ギア43の中速用ギア42の側の側面の一部に形成された軸芯X方向向きの凹入部43aと係合しない状態で、凹入部43aに収容される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速レバーの操作によって、車両速度を低速と中速と高速とに変速可能なコンバインの変速装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このようなコンバインの変速装置として、特許文献1に記載のように、ミッションケースに対して回転自在に両端を枢支された支軸(文献では「従動軸」)と、支軸に相対回転自在に外挿された低速用ギア(文献では、「低速ギア列」の「歯車」)と、支軸に相対回転自在に外挿される高速用ギア(文献では、「高速ギア列」の「歯車」)と、低速用ギアと高速用ギアとの間において支軸に相対回転自在に外挿された中速用ギア(文献では、「中速ギア列」の「歯車」)と、支軸に相対回転不能かつ支軸の軸芯に沿ってスライド移動自在に外挿され、低速用ギアと中速用ギアと高速用ギアの何れかを、択一的に支軸と連結する二つのシフターと、二つのシフターに対してリンク機構を介して連係されると共に、第一姿勢、第二姿勢、第三姿勢の順に姿勢変更自在な変速レバー(文献では、「副変速操作部材」)と、を備えたものがあった。
【0003】
特許文献1に記載の装置では、変速レバーが第一姿勢に姿勢変更されると、一方のシフターが低速用ギアと支軸とを連結する状態となって、車両速度が低速となり、変速レバーが第二姿勢に姿勢変更されると、他方のシフターが中速用ギアと支軸とを連結する状態となって、車両速度が中速となり、変速レバーが第三姿勢に姿勢変更されると、一方のシフターが高速用ギアと支軸とを連結する状態となって、車両速度が高速となる。つまり、特許文献1に記載の装置であれば、変速レバーがとり得る姿勢である第一姿勢から第三姿勢の並び順に、車両速度が低速、中速、高速の昇順に変速され、使用者にとって操作感の良いものとすることができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−144870号(段落番号[0034]乃至[0037],図3及び7参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の装置においては、ギアの配列が低速用ギア、中速用ギア、高速用ギアの順となっており、比較的使用頻度の低い高速用ギアが、支軸のうち両端(支持端)に近い側(比較的安定度が高い)に配設される共に、比較的使用頻度の高い中速用ギアが、支軸のうち支持端から離れた側(比較的安定度が低い)に配設されているので、構造強度上はあまり好ましくない。また、特許文献1に記載の装置においては、シフターによって各ギアと支軸とが連結されるが、その連結は、各ギアの側面から軸芯方向向きに突出させた凸部と、シフターの側面を軸芯方向向きに凹入した凹部と、の係合によるものであるので、支軸方向にスペースが必要なものとなっていた。
【0006】
本発明は上記実情に鑑み、変速レバーがとり得る姿勢の並び順に、車両速度が低速、中速、高速の昇順に変速されると共に、支軸の方向にコンパクトなコンバインの変速装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るコンバインの変速装置の第一特徴構成は、ミッションケースに対して回転自在に両端を枢支された支軸と、前記支軸に相対回転自在に外挿された中速用ギアと、前記支軸に相対回転自在に外挿される低速用ギアと、前記中速用ギアと前記低速用ギアとの間において前記支軸に相対回転自在に外挿された高速用ギアと、前記中速用ギアと前記高速用ギアとの間において、前記支軸の軸芯に沿ってスライド移動自在、かつ、前記支軸と係合して一体回転可能に、前記支軸に外挿された第一シフターと、前記高速用ギアと前記低速用ギアとの間において、前記軸芯に沿って前記第一シフターと一体的にスライド移動自在、かつ、前記支軸と係合して一体回転可能に、前記支軸に外挿された第二シフターと、前記第一シフター及び第二シフターに対してリンク機構を介して連係されると共に、第一姿勢、第二姿勢、第三姿勢の順に姿勢変更自在な変速レバーと、を備え、前記変速レバーが前記第一姿勢に姿勢変更されると、前記第二シフターが前記低速用ギアと前記支軸とを連結する状態となって、車両速度が低速となり、前記変速レバーが前記第二姿勢に姿勢変更されると、前記第一シフターが前記中速用ギアと前記支軸とを連結する状態となって、前記車両速度が中速となり、前記変速レバーが前記第三姿勢に姿勢変更されると、前記第二シフターが前記高速用ギアと前記支軸とを連結する状態となって、前記車両速度が高速となり、前記変速レバーが前記第一姿勢のときは、前記第一シフターの少なくとも一部が、前記高速用ギアの両側面のうち前記中速用ギアの側の側面の一部に形成された前記軸芯方向向きの凹入部と係合しない状態で、前記凹入部に収容される点にある。
【0008】
本特徴構成によると、支軸のうち両端(支持端)に近い側(比較的安定度が高い)に、比較的使用頻度の高い低速用ギア及び中速用ギアを配設し、支軸のうち両端(支持端)から離れた側(比較的安定度が低い)に、比較的使用頻度の低い高速用ギアを配設してある。即ち、本発明であると、中速用ギア、高速用ギア、低速用ギアをこの順に並べて変速装置の構造強度を確保しながら、一体的に動作する第一シフターと第二シフターの作用により、変速レバーがとり得る姿勢の並び順(第一姿勢、第二姿勢、第三姿勢)に、車両速度が低速、中速、高速の昇順に変速され、使用者にとっての操作感は維持される。
【0009】
さらに、本特徴構成によると、変速レバーが第一姿勢にされたときに高速用ギアの側面に形成した凹入部に第一シフターの一部が収容されることによって、第一シフターのシフトストロークと高速用ギアとが一部重複する。つまり、本特徴構成によれば、他の二つのギアと比べて使用頻度が低く、必要とされる強度が比較的低い高速用ギアに凹入部を備えて、第一姿勢のときに第一シフターと高速用ギアとが重複するように構成し、構造強度に配慮しつつ、コンパクトな装置とすることができる。
【0010】
本発明に係るコンバインの変速装置の第二特徴構成は、前記高速用ギアの両側面のうち前記低速用ギアの側の側面の一部に、前記軸芯方向向きに凹入した第二の凹入部を形成すると共に、前記第二の凹入部に係合部を備え、前記変速レバーが前記第三姿勢のときは、前記第二シフターの少なくとも一部が、前記係合部と係合した状態で前記第二の凹入部に収容される点にある。
【0011】
本特徴構成によると、変速レバーが第三姿勢にされたときに、高速用ギアの他方の側面に形成した第二の凹入部に第二シフターの一部が収容されることによって、第二シフターのシフトストロークと高速用ギアとが一部重複する。つまり、高速用のギアの一方の側面に凹入部を備えると共に他方の側面に第二の凹入部を備え、かつ、凹入部には第一シフターと係合する箇所がなく、第二の凹入部には第二シフターと係合する係合部がある。したがって、本特徴構成であれば、ギア変速の構造が維持されつつも、第一姿勢の状態における第一シフターと高速用ギアとの重複に加えて、第三姿勢の状態においても、第二シフターと高速用ギアとの重複が可能となり、より支軸の方向の幅を抑えたコンパクトな装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るコンバインの前部右側面図である。
【図2】各部への駆動力の伝動系のギアトレインを示す正面視の模式図である。
【図3】伝動装置の縦断正面図である。
【図4】副変速レバーがポジションLのときの副変速装置の横断正面図である。
【図5】副変速レバーがポジションMのときの副変速装置の横断正面図である。
【図6】副変速レバーがポジションHのときの副変速装置の横断正面図である。
【図7】副変速レバーのポジションと各シフターの状態との関係を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を自脱型のコンバインの副変速装置に適用した例を図面に基づいて説明する。
【0014】
〔コンバインの全体構成について〕
本発明に係るコンバインは、稲、麦などを収穫する自脱型のコンバインであって、図1に示すごとく、機体の骨格である機体フレーム1と、機体を支持する左右一対のクローラ式の走行装置2(特に区別する場合には、左側の走行装置2を2L,右側の走行装置2を2Rと表記する(図2参照))と、機体フレーム1の前部に連結された刈取部3と、機体フレーム1の後側に設けた脱穀装置4及びグレンタンク5と、を備えている。脱穀装置4は、不図示のフィードチェーンを機体の左横側に備えている。また、機体フレーム1の前側には、機体右側に運転座席6aを有する運転部6を備えてある。
【0015】
このコンバインでは、収穫作業時に刈取部3と脱穀装置4とを駆動した状態で前進することにより、刈取部3によって穀稈の株元を切断して穀稈の刈り取りを行い、刈り取った穀稈を脱穀装置4に搬送して脱穀処理を行い、脱穀処理により得られた処理物から穀粒を選別してグレンタンク5に貯留する作動が行われる。
【0016】
図1に示すごとく、運転部6には運転者が着座する運転座席6aが備えられ、運転座席6aの前方位置には操縦レバー6bが備えられ、運転座席6aの左側位置には主変速レバー6c、及び、本発明に係る「変速レバー」としての副変速レバー6dとが備えられている。運転部6のステップには、駐車ブレーキペダル6fと、停止ペダル6eとが備えられている。
【0017】
エンジンEは運転部6の下方に備えられている。また、機体フレーム1の前端部には、ミッションケースMCに収容された伝動装置7が備えられている。エンジンEから出力された駆動力は、脱穀装置4に伝達され、また、伝動装置7によって変速されて走行装置2や刈取部3に伝達される。これにより、コンバインは走行しながらの刈取り作業が可能である。なお、伝動装置7は、図1乃至図3に示すごとく、主変速装置である静油圧式無段変速装置(以下、「HST7A」と称する)と、本発明に係る「変速装置」としての副変速装置7Bと、サイドクラッチブレーキ7Cと、駐車ブレーキ7Dと、中間ギア機構7Eとを備えている。
【0018】
さらに、伝動装置7は、ミッションケースMCの最下端に、図2に示すごとく、左右の走行装置2に動力を伝える左右一対の走行駆動軸21を備えている。走行駆動軸21の外端にはクローラ駆動輪体22を備えており、クローラ駆動輪体22に対して走行装置2のクローラベルトを巻き回してある(図1参照)。
【0019】
操縦レバー6bは、非操作状態で中立姿勢を維持するものであり、この中立姿勢を基準にして左右方向と前後方向とに揺動操作自在に支持されている。また、操縦レバー6bは、左右へ操作されることにより走行機体の操向・旋回を行い、前後方向へ操作されることにより刈取部3の昇降を行う。
【0020】
主変速レバー6cは、HST7Aを変速操作することにより、車両速度の無段階の変速を行うものである。
【0021】
副変速レバー6dは、副変速装置7Bを変速操作することにより、HST7Aによって現出された車両速度を、さらに低速、中速、高速の三段に段階的に変速するものである。
【0022】
駐車ブレーキペダル6fは、非操作位置から制動位置を超える領域まで踏み込み操作自在に構成され、制動位置まで操作されることにより、駐車ブレーキ7Dを制動状態にして、左右の走行装置2に制動力を作用させる。
【0023】
クラッチペダル6eは、非操作位置から切り位置を超える領域まで踏み込み操作自在に構成され、切り位置まで踏み込み操作されることにより、左右の走行装置2への駆動力の伝動系を左右同時に切り状態にする。つまり、クラッチペダル6eの踏み込み操作により、刈取部3や脱穀装置4の駆動状態を維持したまま、走行機体の一時的な停車が実現される。
【0024】
〔エンジンの駆動力の伝動系について〕
図2,図3に示すごとく、エンジンEの出力軸と脱穀装置4の入力軸とは伝動ベルトで連係されており、エンジンEの駆動力は、不図示のフィードチェーンや、扱胴、選別装置等に伝達される。また、エンジンEの出力軸とHST7Aの入力軸33とも伝動ベルトで連係されており、エンジンEの駆動力は、HST7Aに伝達され、その後、走行装置2と、刈取部3とに分岐して伝達される。
【0025】
〔HSTについて〕
HST7Aは、図2に示すごとく、ミッションケースMCに隣接して配設された変速ケースTCに収容されている。HST7Aは、容量が可変であるアキシャルプランジャ形の油圧ポンプ31と、油圧ポンプ31からの圧油によって駆動されるアキシャルプランジャ形の油圧モータ32と、を備えている。入力軸33は、油圧ポンプ31に連結されており、変速ケースTCに回転自在に支持されている。HST7Aに伝達されたエンジンEの駆動力は、油圧ポンプ31と油圧モータ32とによって前進駆動力または後進駆動力に変換され、油圧モータ32に連結された出力軸34から出力される。なお、HST7Aは、前進側においても後進側においても、駆動力を無段階に変速することが可能である。
【0026】
〔副変速装置について〕
副変速装置7Bは、図2に示すごとく、出力軸34からの駆動力が伝達される「支軸」としての第一副変速軸41と、第二副変速軸51と、第一副変速軸41と第二副変速軸51との間に設けられた複数のギア42,43,44と、第一副変速軸41に備えた第一シフター46及び第二シフター47と、を備えている。副変速装置7Bでは、第一シフター46及び第二シフター47を副変速レバー6dで操作することによって、第一副変速軸41から第二副変速軸51に駆動力を伝達するギア42,43,44を切換えて、低速、中速、高速への三段階の変速を実現する。
【0027】
具体的には、副変速装置7Bは、図2及び図3に示すごとく、両端をミッションケースMCに枢支された第一副変速軸41と、第一副変速軸41のうちHST7Aの側の端部付近にスライド移動不能かつ相対回転不能に外挿された入力ギア45を備えている。出力軸34からの駆動力は、入力ギア45を介して第一副変速軸41に入力される。第一副変速軸41には、入力ギア45の側から順に、「中速用ギア」としての第一中速ギア42と、第一中速ギア42よりも大径である「高速用ギア」としての第一高速ギア43と、第一中速ギア42よりも小径である「低速用ギア」としての第一低速ギア44と、がスライド移動不能かつ相対回転自在に外挿されている。第一中速ギア42は、第一副変速軸41のうちHST7Aの側の端部付近に設けられ、第一高速ギア43は、第一副変速軸41のうち中央付近に設けられ、第一低速ギア44は、第一副変速軸41のうちHST7Aとは反対側の端部付近に設けられている。
【0028】
さらに、副変速装置7Bは、第一副変速軸41と平行な姿勢で、両端をミッションケースMCに枢支された第二副変速軸51を備えている。第二副変速軸51には、HST7Aの側から順に、第二中速ギア52と、第二中速ギア52よりも小径である第二高速ギア53と、第二中速ギア52よりも大径である第二低速ギア54と、がスライド移動不能かつ相対回転不能に外挿されている。即ち、第二副変速軸51と第二中速ギア52と第二高速ギア53と第二低速ギア54とは一体回転するものである。
【0029】
第二中速ギア52は第一中速ギア42と略同径であり、かつ、第一中速ギア42と第二中速ギア52とは軸芯X方向において同位置に配設されて互いに常時咬合している。これにより、第一中速ギア42から第二中速ギア52への駆動力の伝達が可能であって、殆ど減速のない「中速」の減速系が形成されている。
【0030】
第二高速ギア53は第一高速ギア43よりも小径であり、かつ、第一高速ギア43と第二高速ギア53とは軸芯X方向において同位置に配設されて互いに常時咬合している。これにより、第一高速ギア43から第二高速ギア53への駆動力の伝達が可能であって、「中速」の減速系よりも減速比の小さい「高速」の減速系が形成されている。
【0031】
第二低速ギア54は第一低速ギア44よりも大径であり、かつ、第一低速ギア44と第二低速ギア54とは軸芯X方向において同位置に配設されて互いに常時咬合している。これにより、第一低速ギア44から第二低速ギア54への駆動力の伝達が可能であって、「中速」の減速系よりも減速比の大きい「低速」の減速系が形成されている。
【0032】
第二高速ギア53は、サイドクラッチブレーキ7Cのうち後述するセンタギア62に常時咬合されており、副変速装置7Bによって変速された駆動力は、全て第二高速ギア53を介してセンタギア62に伝達されることになる。
【0033】
第一副変速軸41に組み付けられた各部品についてさらに詳しく説明する。図3に示すごとく、第一副変速軸41の中途部分に拡径部41bを設け、第一低速ギア44を、拡径部41bの機体左右方向左側(紙面右側)の側面に隣り合わせて配設してある。なお、拡径部41bの外周には、軸芯X方向に沿った凹凸を周回りに複数設けてある(いわゆる「スプライン加工」を施してある)。また、第一低速ギア44の内周部を、拡径部41bの側に円筒状に延長して、スリーブ部44aを一体形成し、スリーブ部44aの外周に、拡径部41bのスプライン加工と同じ形状のスプライン加工を施してある。そして、第一高速ギア43を、拡径部41bの機体左右方向右側(紙面左側)の側面に隣り合わせて配設してある。第一高速ギア43の両側面のうち、第一低速ギア44の側の側面の内周付近を軸芯X方向に環状に凹入して、「第二の凹入部」としての凹部43bを設けてある。凹部43bの内面うち第一副変速軸41の側の内面に、拡径部41bのスプライン加工と同じ形状のスプライン加工を施して、係合部43cを設けてある。
【0034】
なお、スリーブ部44aのうちスプライン加工した箇所と、拡径部41bのうちスプライン加工した箇所と、係止部との周方向での位置が合えば、これらのスプライン加工による凹凸が、軸芯X方向に沿って一体的に連続するように、スリーブ部44aと拡径部41bと凹部43bとの各部の寸法を設定してある。
【0035】
第一高速ギア43の両側面のうち、第一中速ギア42の側の側面の内周付近を軸芯X方向に環状に凹入して、「凹入部」としての凹部43aを設けてある。ただし、凹部43aの内面には、凹部43aに施したようなスプライン加工は施していない。さらに、第一高速ギア43の機体左右方向右側(紙面左側)において、円筒状の拡径スリーブ41aを第一高速ギア43に隣り合わせつつ、第一副変速軸41に相対回転不能に外挿してある。拡径スリーブ41aの外周にはスプライン加工を施してある。そして、第一中速ギア42を、拡径スリーブ41aの機体左右方向右側(紙面左側)の側面に隣り合わせて配設してある。なお、第一中速ギア42の内周部を、拡径スリーブ41aの側に円筒状に延長して、スリーブ部42aを一体形成し、スリーブ部42aの外周に、拡径スリーブ41aのスプライン加工と同じ形状のスプライン加工を施してある。最後に、入力ギア45を、第一中速ギア42の機体左右方向右側(紙面左側)の側面に隣り合わせつつ、第一副変速軸41に相対回転不能に外挿してある。
【0036】
なお、拡径スリーブ41aのうちスプライン加工した箇所と、スリーブ部42aのうちスプライン加工した箇所との周方向での位置が合えば、これらのスプライン加工による凹凸が軸芯X方向に沿って一体的に連続するように、拡径スリーブ41aとスリーブ部42aとの寸法を設定してある。
【0037】
さらに、副変速装置7Bは、図3,図4乃至図6に示すごとく、副変速レバー6dの操作によって、第一中速ギア42、第一高速ギア43、及び、第一低速ギア44の何れか一つと、第一副変速軸41とを択一的に連結する第一シフター46及び第二シフター47を備えている。
【0038】
第一シフター46は、第一中速ギア42と第一高速ギア43との間において、第一副変速軸41に外挿されている。第一シフター46の内周部には、拡径スリーブ41aのスプライン加工と対応するスプライン加工を施してある。この結果、第一シフター46は、軸芯Xに沿って、拡径スリーブ41aのうちスプライン加工した箇所上と、スリーブ部42aのうちスプライン加工した箇所上と、を夫々と係合した状態でスライド移動自在である。また、凹部43aの内面のうち第一副変速軸41の側の内面の外径は、第一シフター46の内径よりも小さく設定してあり、第一シフター46が第一高速ギア43に最も近付いたとき(図4参照)、第一シフター46の一部は凹部43aに収容される。
【0039】
第二シフター47は、第一高速ギア43と第一低速ギア44との間において、第一副変速軸41に外挿されている。第二シフター47の内周部には、拡径部41bのスプライン加工と対応するスプライン加工を施してある。この結果、第二シフター47は、軸芯Xに沿って、スリーブ部44aのうちスプライン加工した箇所上と、拡径部41bのうちスプライン加工した箇所上と、係合部43c上と、を夫々と係合した状態でスライド移動自在である。また、第二シフター47第一高速ギア43に最も近付いたとき(図6参照)、第二シフター47の内周部と係合部43cとが係合した状態で、第二シフター47の一部は凹部43bに収容される。
【0040】
第一シフター46及び第二シフター47は、図4乃至図6に示すごとく、リンク機構48を介して副変速レバー6dと連係されている。リンク機構48は、第一副変速軸41と平行な姿勢でミッションケースMCに支持された軸部材48aと、軸部材48aに外挿されて軸部材48aに沿ってスライド移動自在なシフトフォーク48bと、デテント機構48cとを備えている。デテント機構48cは、軸部材48aの外周に設けた複数の溝と、その溝に対して径外方向から付勢されたボールとを、備えており、ボールが、シフトフォーク48bのスライド移動に追従してこれらの溝と溝との間の山を乗り越えて、別の溝に位置することにより、軸部材48aに対するシフトフォーク48bの位置決めをするものである。
【0041】
シフトフォーク48bのうち軸芯X方向における異なる位置から、径方向外側に向けて二つのアームが延びている。この二つのアームは、夫々第一シフター46の外周部と第二シフター47の外周部とに全周に亘って、または、部分的に係止している。これにより、シフトフォーク48bの軸芯X方向に沿ったスライド移動により、第一シフター46と第二シフター47とは、軸芯X方向に一体的にスライド移動自在である。なお、これらのアームと第一シフター46及び第二シフター47とは、相対回転自在な状態で係止させてある。
【0042】
〔副変速装置による変速について〕
副変速レバー6dは、少なくとも、図4に示すごとく、「第一姿勢」としてのポジションLと、「第二姿勢」としてのポジションMと、「第三姿勢」としてのポジションHと、にこの順で姿勢変更可能である。なお、副変速レバー6dは、機体前方から、ポジションL,M,Hの順に姿勢変更可能であっても、機体後方から、ポジションL,M,Hの順に姿勢変更可能であっても構わない。
【0043】
図4に示すごとく、副変速レバー6dがポジションLにされると、第一シフター46は、その一部が凹部43aと係合しない状態で凹部43aに収容されつつ、拡径スリーブ41aと凹部43aとに亘って位置し、第二シフター47は、拡径部41bとスリーブ部44aとに亘って位置する。即ち、第一シフター46が、第一副変速軸41と第一中速ギア42及び第一高速ギア43の何れもとを連結しない「中立状態」となり、かつ、第二シフター47が、第一副変速軸41と第一低速ギア44とを連結する「低速ギア連結状態」となる(図7参照)。この結果、HST7Aから入力ギア45を介して第一副変速軸41に入力された駆動力は、第一低速ギア44に伝達され、さらに第一低速ギア44から第二低速ギア54に伝達されて、「低速」に変速される。
【0044】
図5に示すごとく、副変速レバー6dがポジションMにされると、第一シフター46は、拡径スリーブ41aと第一中速ギア42とに亘って位置し、第二シフター47は拡径部41bの範囲内に位置する。即ち、第一シフター46が、第一副変速軸41と第一中速ギア42とを連結する「中速ギア連結状態」となり、かつ、第二シフター47が、第一副変速軸41と第一低速ギア44及び第一高速ギア43の何れもとを連結しない「中立状態」となる(図7参照)。この結果、HST7Aから入力ギア45を介して第一副変速軸41に入力された駆動力は、第一中速ギア42に伝達され、さらに第一中速ギア42から第二中速ギア52に伝達されて、「中速」に変速される。
【0045】
図6に示すごとく、副変速レバー6dがポジションHにされると、第一シフター46は、スリーブ部42aの範囲内に位置し、第二シフター47は、その内周部が係合部43cと係合した状態で凹部43bに収容されつつ、拡径部41bと凹部43bとに亘って位置する。即ち、第一シフター46が、第一副変速軸41と第一中速ギア42及び第一高速ギア43の何れもとを連結しない「中立状態」となり、かつ、第二シフター47が、第一副変速軸41と第一高速ギア43とを連結する「高速ギア連結状態」となる(図7参照)。この結果、HST7Aから入力ギア45を介して第一副変速軸41に入力された駆動力は、第一高速ギア43に伝達され、さらに第一高速ギア43から第二高速ギア53に伝達されて、「高速」に変速される。
【0046】
また、本実施形態においては、ポジションLとポジションMとの間にポジションN(ニュートラル)を備えている。特に図示はしないが、副変速レバー6dがポジションNとされると、第一シフター46は拡径スリーブ41aの範囲内のみに位置し、第二シフター47は拡径部41bの範囲内のみに位置する。即ち、第一シフター46が、第一副変速軸41と第一中速ギア42及び第一高速ギア43の何れもとを連結しない「中立状態」となり、かつ、第一副変速軸41と第一低速ギア44及び第一高速ギア43の何れもとを連結しない「中立状態」となる。この結果、HST7Aから入力ギア45を介して第一副変速軸41に入力された駆動力は、何れのギアにも伝達されず、走行装置2への駆動力の伝達系が切断される。
【0047】
なお、図2に示すごとく、第一副変速軸41のうち変速ケースTCとは反対側の端部は、ミッションケースMCの機体左右方向左外側へ突出されており、この端部と刈取部3とを連係してある。よって、第一副変速軸41に入力された駆動力は、副変速装置7Bによって変速されずにそのまま刈取部3に伝達される。この結果、車両速度に略同期した速度の駆動力が、刈取部3に伝動される。
【0048】
〔サイドクラッチブレーキ〕
サイドクラッチブレーキ7Cは、図2に示すごとく、第二副変速軸51と平行な姿勢でミッションケースMCに支持されたサイドクラッチ軸61と、サイドクラッチ軸61の中央付近に相対回転不能かつスライド移動不能に外挿されると共に、第二高速ギア53を介して副変速装置7Bからの駆動力が伝達されるセンタギア62と、センタギア62の左右両側においてサイドクラッチ軸61に相対回転自在かつスライド移動自在に外挿された左右のクラッチスリーブ63と、サイドクラッチ軸61に外装されると共に、クラッチスリーブ63の移動によって押圧されて摩擦力を発生させ、クラッチスリーブ63に制動力(ブレーキ力)を作用させる摩擦ディスク64と、操縦レバー6b及び停止ペダル6eに連係されると共に、クラッチスリーブ63の外周に装着されて、操縦レバー6bの左右への操作または停止ペダル6eの踏み込み操作によって、左右のクラッチスリーブ63を各別または同時に摩擦ディスク64の側に移動させるシフター65と、を備えている。
【0049】
図3に示すごとく、クラッチスリーブ63の内端側(ミッションケースMCの中央側)に歯部を形成すると共に、センタギア62の両側部にも歯部を形成し、両歯部によって、いわゆるドッグクラッチを構成してある。また、左右のクラッチスリーブ63には、中間ギア機構7Eの後述する中間ギア72と常時咬合された出力ギア63aが備えられている。センタギア62の歯部に、クラッチスリーブ63の歯部が噛み合うことによって、「クラッチ入り状態(伝動状態)」となって、クラッチギアがセンタギア62と一体的に回転し、副変速装置7Bによって「低速」、「中速」、「高速」の何れかに変速された駆動力が、中間ギア機構7Eを介して走行装置2に伝達される。
【0050】
これとは逆に、クラッチスリーブ63がセンタギア62から離間する方向にスライド移動し、センタギア62の歯部とクラッチスリーブ63の歯部との咬合が解除されることによって、「クラッチ切り状態(遮断状態)となり、走行装置2への駆動力の伝動系が切断される。さらに、クラッチスリーブ63がセンタギア62から離間する方向にスライド移動し、クラッチスリーブ63が摩擦ディスク64を押圧すると、クラッチスリーブ63に制動力が付与され、走行装置2にブレーキがかかる。
【0051】
以上の構成により、特に図示はしないが、例えば、操縦レバー6bを中立姿勢から左側に操作した場合には、操作の初期には左側のクラッチスリーブ63がスライド移動することによって「クラッチ切り状態」となって、左側の地面を中心とする「緩旋回」が実現する。さらに、操縦レバー6bを大きく左側に操作した場合には、左側のクラッチスリーブ63が更にスライド移動することによって、左側の走行装置2にブレーキがかかり、左側のクローラベルトの接地面を中心とする「信地旋回」が実現する。また、操縦レバー6bを右側に操作した場合には、右側のクラッチスリーブ63が作動するものであり、同様に、右側の地面を中心とする「緩旋回」と、右側のクローラベルトの接地面を中心とする「信地旋回」が実現する。
【0052】
なお、図3に示す状態は、左右のクラッチスリーブ63の両方がセンタギア62と咬合しており、左右両方の走行装置2が「クラッチ入り状態」となっており、直進走行が可能な状態である。
【0053】
一方、クラッチペダル6eを踏み込み操作したときは、左右のクラッチスリーブ63が同時にスライド移動して、走行機体の一時的な停車が実現される。
【0054】
〔中間ギア機構〕
中間ギア機構7Eは、サイドクラッチ軸61と平行な姿勢でミッションケースMCに支持された中間軸71と、中間軸71に相対回転自在かつスライド移動不能に外挿された左右の中間ギア72と、を備えている。左右の中間ギア72は、左右の出力ギア63aと各別に常時咬合する一方で、各別に左右の走行駆動軸21にギア連係されている。サイドクラッチブレーキ7Cから伝達された駆動力は、左右の中間ギア72を介して、左右の走行装置2に各別に伝達される。
【0055】
〔駐車ブレーキ〕
駐車ブレーキ7Dは、図3に示すごとく、サイドクラッチ軸61のうち、機体左右方向右側(紙面右側)の端部に備えられている。駐車ブレーキ7Dは、摩擦ディスクを押圧させることによる摩擦力をサイドクラッチ軸61に制動力を作用させるものであり、駐車ブレーキペダル6fの踏み込み操作によって作動する。
【0056】
以上の構成によって、副変速レバー6dがとり得る姿勢の並び順L→M→H(H→M→L)で、車両速度が低速→中速→高速(高速→中速→低速)の昇順(降順)に変速され、使用者にとっての操作感が良い。また、第一高速ギア43の両側面に夫々凹部43aと凹部43bとを形成し、かつ、凹部43bのみに係合部43cを備えることにより、上記操作感の維持を図りつつ、軸芯Xの方向の幅を抑えたコンパクトな副変速装置7Bとなっている。なお、第一低速ギア44及び第一中速ギア42に比べて、使用頻度が比較的低く、必要とされる強度が比較的低い高速用ギアの両側面に、凹部43a,43bを形成したので、その部分の厚みが薄くなっても構造強度上の支障はない。
【0057】
また、本実施形態では、第一高速ギア43をギア配列の真ん中にしたことにより、第二副変速軸51に外挿されたギアのうち最も外径が小さい第二高速ギア53がセンタギア62に咬合している。これにより、他のギア配列とした場合と比べて、第二副変速軸51とセンタギア62との間で、大きな減速が得られ、機体前後方向にもコンパクトかつ非常に効率の良い伝動系となっている。
【0058】
〔別実施形態〕
(1)上述の実施形態においては、副変速装置7Bは、第一中速ギア42、第一高速ギア43、及び、第一低速ギア44の何れか一つと、第一副変速軸41とを択一的に連結するように構成したが、これに限られるものではない。例えば、特に図示はしないが、副変速装置7Bは、第二中速ギア52、第二高速ギア53、及び、第二低速ギア54の何れか一つと、第二副変速軸51とを択一的に連結するように構成しあっても良い。この場合は、駆動力は、第一中速ギア42、第一高速ギア43、及び、第一低速ギア44の何れかから、第二中速ギア52、第二高速ギア53、及び、第二低速ギア54の何れかを介して第二副変速軸51に伝達されることとなる。
【0059】
(2)上述の実施形態においては、機体左右方向において、HST7Aに近い側から、第一中速ギア42、第一高速ギア43、第一低速ギア44の順に配列したが、これに限られるものではない。特に図示はしないが、第一高速ギア43を中心として副変速装置7Bの構成を左右反転した構造であっても良い。
【0060】
(3)上述の実施形態においては、ポジションLとポジションMとの間にポジションNを設けた例を示したが、ポジションNは備えていなくても良い。また、ポジションMとポジションHとの間に、別のポジションNを併設することや、ポジションMとポジションHとの間だけにポジションNを設けることも可能である。
【0061】
(4)上述に実施形態においては、第一高速ギア43の両側面に凹部43a,43bを形成した例を示したが、凹部43aのみしか設けていなくても良い。また、構造強度上可能であれば、第一中速ギア42や第一低速ギア44の側面にも併せて、第一シフター46及び第二シフター47の一部を収容可能な凹入部を形成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明に係るコンバインの変速装置は、HSTを備えたコンバインの副変速装置だけでなく、HST以外の主変速装置を備えたコンバインの副変速装置や、HST等の主変速装置を備えていないコンバインの変速装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0063】
6d 副変速レバー(変速レバー)
7B 副変速装置(変速装置)
41 第一副変速軸(支軸)
42 第一中速ギア(中速用ギア)
43 第一高速ギア(高速用ギア)
43a 凹部(凹入部)
43b 凹部(第二の凹入部)
43c 係合部
44 第一低速ギア(低速用ギア)
46 第一シフター
47 第二シフター
48 リンク機構
MC ミッションケース
X 軸芯
L ポジション(第一姿勢)
M ポジション(第二姿勢)
H ポジション(第三姿勢)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミッションケースに対して回転自在に両端を枢支された支軸と、
前記支軸に相対回転自在に外挿された中速用ギアと、
前記支軸に相対回転自在に外挿される低速用ギアと、
前記中速用ギアと前記低速用ギアとの間において前記支軸に相対回転自在に外挿された高速用ギアと、
前記中速用ギアと前記高速用ギアとの間において、前記支軸の軸芯に沿ってスライド移動自在、かつ、前記支軸と係合して一体回転可能に、前記支軸に外挿された第一シフターと、
前記高速用ギアと前記低速用ギアとの間において、前記軸芯に沿って前記第一シフターと一体的にスライド移動自在、かつ、前記支軸と係合して一体回転可能に、前記支軸に外挿された第二シフターと、
前記第一シフター及び第二シフターに対してリンク機構を介して連係されると共に、第一姿勢、第二姿勢、第三姿勢の順に姿勢変更自在な変速レバーと、を備え、
前記変速レバーが前記第一姿勢に姿勢変更されると、前記第二シフターが前記低速用ギアと前記支軸とを連結する状態となって、車両速度が低速となり、
前記変速レバーが前記第二姿勢に姿勢変更されると、前記第一シフターが前記中速用ギアと前記支軸とを連結する状態となって、前記車両速度が中速となり、
前記変速レバーが前記第三姿勢に姿勢変更されると、前記第二シフターが前記高速用ギアと前記支軸とを連結する状態となって、前記車両速度が高速となり、
前記変速レバーが前記第一姿勢のときは、前記第一シフターの少なくとも一部が、前記高速用ギアの両側面のうち前記中速用ギアの側の側面の一部に形成された前記軸芯方向向きの凹入部と係合しない状態で、前記凹入部に収容されるコンバインの変速装置。
【請求項2】
前記高速用ギアの両側面のうち前記低速用ギアの側の側面の一部に、前記軸芯方向向きに凹入した第二の凹入部を形成すると共に、前記第二の凹入部に係合部を備え、
前記変速レバーが前記第三姿勢のときは、前記第二シフターの少なくとも一部が、前記係合部と係合した状態で前記第二の凹入部に収容される請求項1に記載のコンバインの変速装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−229787(P2012−229787A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100025(P2011−100025)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】