説明

コンパクトな反射屈折分光計

光学材料を特定するための光学特定システムが開示されている。当該システムは、通常回折エレメント(104)、検出器(106)、及び光学エレメント(102)を備える。光学エレメント(102)は、材料の照射レスポンスである照射ビームを受光するために適用される。当該光学エレメント(102)は、通常照射ビームを屈折により平行化して回折エレメント(104)に入射させるための屈折表面と、回折された照射ビームを反射して検出器(106)に入射させるための反射表面とを備える。光学エレメント(102)は、さらに照射ビームを受光するための受光サイドと反対側の、上記光学エレメント(102)の同じサイドに配置された回折エレメント(104)及び検出器(106)と協同するために適用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学特定の技術分野に関する。より詳細には、本発明は、例えば分光測定を用いて、材料を光学的に特定するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばバイオテクノロジー分野若しくは材料特定等の今日の数多くの応用分野において、吸光、蛍光、ラマン測定を実行する通常のツールとして分光法が用いられている。例えば、バイオセンシング分野、分子診断学若しくは薬理学的な分野において、処理速度を上げるため、通常複数のサンプルを並行して処理している。いわゆる高処理スクリーニングの具体例では、96〜384若しくはそれより極めて多いサンプル容器がマルチ井戸プレートに設けられる。
【0003】
これらのプレートにおける井戸の数が増加するに従って、全プレートを連続的に処理することは時間の浪費となり並行処理が必要となる。いくつかのサンプルに対して分光測定を同時に行うための最も自明な方法は、分光器自体を各サンプルに設けることである。今日入手できる最も小さい分光計では、構成がかなり大きくなり組立が困難となる。ハイパースペクトルイメージングを使用することにより、様々なサンプルを同時に検査することができる。当該ハイパースペクトルイメージングにおいては、一般的に一次元のイメージが2次元のスペクトル画像に変換される。2つのサンプル間最小距離が存在する場合、このような構成では、ハイパースペクトルイメージ装置の視野はそれ程満たされない。そして、ハイパースペクトルイメージ装置は、全体のサンプル列に対して寸法制御しなければならず、イメージ装置が大きくなる。
【0004】
従来のツェルニーターナー構成においては、一般的にエントランススリットから入射される光を平行化し、それを反射回折格子に向けるために1つのミラーが使用される。回折後、検出器若しくは出口スリットに光を集光させるために第2ミラーを使用する。通常、両ミラーを組み合わせて1つのミラーとする。ここで当該構成はファスティエバート構成と称される。
【0005】
米国特許第6,862,092B1では、少なくとも1つの対象物からの光のスペクトル情報を測定するためのシステム及び方法が開示されている。当該システムは、透明体を使用し、それにより光ビームを当該透明体に入射させ回折光学コンポーネントの2つのミラー反射を介して分岐した光ビームをガイドすることが開示されている。その後、回折された光ビームは、非球面ミラーの表面で反射させ、検出素子34に送信し、これによりスペクトル情報を検出することができる。当該透明体は一般的に複雑な非標準的なレンズ形状を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,862,092号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、材料の光学的な特定のための良好な装置若しくは方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、材料の良好な光学特定をアシストするコンポーネントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、本発明に係る方法及び装置により達成することができる。
【0009】
本発明は、材料を特定するための光学特定システムであって、回折エレメント、検出器、及び光学エレメントを備え、上記光学エレメントは、特定される材料と相互作用した後、光学エレメントの第1サイドにおいて照射ビームを受光するのに適しており、上記光学エレメントは、受光した照射ビームを屈折により平行化し回折エレメントへ入射させる屈折表面を有し、上記光学エレメントは、回折された照射ビームを反射により集光させ上記検出器に入射させるための反射表面を有し、上記回折エレメント及び検出器は上記光学エレメントの同じサイドであって、上記第1サイドと反対側にある光学特定システムに関する。屈折表面と反射表面とは、光学エレメントの同じサイドに配置されていてもよい。本発明に係る実施の形態の利点は、分光測定のためのコンパクトなシステムを提供することができることである。本発明に係る実施の形態の利点は、限られた製造努力でシステムを提供することができるということである。本発明に係る実施の形態の利点は、光学コンポーネントの製造について高い負担とならないように、光学エレメントへの入射光から当該検出器へ直接届く迷光の量が制限されることである。屈折表面及び反射表面は、光学エレメントの同じ曲面の異なる部材であってもよい。屈折表面は、反射性材料を含まない光学エレメントの曲面の一部であってもよく、そして反射表面は、例えば反射性材料を含むコーティングにより、反射性を持たせた光学エレメントの曲面の一部であってもよい。本発明による利点は、効率的で感度の高いシステムを提供することができるように、サンプルが光学エレメントから適切な位置に与えられる構成において、光学エレメントを使用することができることである。感度が高く、かつ製造が容易であり驚く程コンパクトなシステムが得られた。
【0010】
当該光学エレメントは、分岐した照射ビームを受光するために適用される。
【0011】
回折エレメント及び検出器は、上記光学エレメントに接触していても良い。本発明に係る当該実施の形態の利点は、わずかな製造努力しか必要としないシステムを提供することができることである。さらに、本発明に係る実施の形態の利点は、当該システムにおける光学反射の数が少なくなり、それによりロスが少なくなり、迷光も減少するということである。
【0012】
回折エレメントの受光サイド及び検出器の受光サイドは、同じ平面上に配置されていても良い。本発明に係る当該実施の形態の利点は、一体化された(rigid)システムを提供することができるということである。本発明に係る実施の形態の利点は、比較的簡単な製造方法を提供することができることである。また、本願の利点は、3方向ではなく2方向に実行されるので、コンポーネントの概略がより簡単になるということである。
【0013】
当該光学エレメントは、カタディオプトリック(catadioptric)エレメントであってもよい。本発明に係る実施の形態の利点は、平行化及び集光が単一の光学エレメントにより実行することができるということである。本発明に係る実施の形態の利点は、必要とされる光学エレメントの数が制限されるということである。さらに、本発明に係る実施の形態の利点は、光学エレメントが標準的な光学コンポーネントであるということである。当該平行化は集光の前に実行しても良い。本発明に係る実施の形態の利点は、必要とされるコンポーネントの数を、従来のツェルニーターナー構成に比して減少させることができるということである。
【0014】
光学エレメントは、部分的に被覆された平凸球面レンズエレメントであってもよい。当該態様の利点は、単一の光学エレメントが、標準の多目的レンズを部分的に被覆することにより作製することができるということである。当該コーティングは反射性のコーティングであっても良い。
【0015】
屈折表面若しくは反射表面の少なくとも一方が、他の表面、すなわち反射表面若しくは屈折表面に鏡面部分を有していてもよい。当該鏡面部分は、ミラー対称であってもよい。本発明の実施の形態の利点は、連続的なレンズ表面を有するレンズを使用することができるということである。これは、例えばレンズ全体の一部を除去することにより、実質的に光学エレメントを再成形することを必要とすることなく、従来のレンズ製造技術を用いてレンズを作製することができるということである。屈折表面の少なくとも一部は、屈折のために積極的に使用される表面を少なくとも有する。
【0016】
光学特定システムは、連続スペクトルもしくは準連続スペクトルを有する照射ビームを用いるために適用しても良い。本発明に係る実施の形態の利点は、分光測定を実行することができ、その結果特定されるべき材料についてのスペクトル情報が増加するということである。これにより、例えば特定される材料において複数のエレメントを特定/検出することが可能となる。
【0017】
回折エレメントは、光学エレメントの表面上に形成しても良い。検出器は、当該光学エレメントに近接して配置しても良い。本発明に係る実施の形態の利点は、頑丈で耐衝撃性を有するシステムを提供することができるということである。本発明に係る実施の形態の利点は、当該システムの正確性を改善することができるということである。これは、必要とされる配置及び配列の数が減少するからである。換言すれば、ケアーする必要があるコンポーネント間のアライメントの回数を減少させることができる。
【0018】
光学エレメントにおける、入射された照射ビームの反射の回数は2以下であってもよい。仮に回折エレメントとの相互作用が反射とみなされない場合、光学エレメントにおける、入射された照射ビームの反射の回数は1である。これにより、高い解像度とすることができる。
【0019】
光学エレメントは、入射される照射ビームが、所定の角度で回折エレメントに入射されるように適用してもよい。ここで、さらに検出器が、鏡面反射された0次の照射ビームを検出するために適用される。本発明に係る当該実施の形態の利点は、鏡面反射された0次の照射ビームの検出により、アライメント若しくは測定結果の後処理のため、具体的には照射ビームのパワーを考慮して、当該0次の照射ビームを使用することができるということである。
【0020】
光学特定システムは、マルチチャンネル分光計であっても良い。光学特定システムは、複数のサンプルを並行して特定する、すなわち当該システムの異なるチャンネルにおいて特定するために適用されるマルチチャンネル光学特定システムであってもよい。
【0021】
当該光学エレメントは、第1の方向に、少なくとも部分的に並進的に不変である第1平凸レンズであってもよい。本発明に係る実施の形態の利点は、コンパクトなシステムによりマルチプレックスを実行することができるということ、すなわちいくつかのサンプルを同時に測定することができるということである。
【0022】
光学特定システムの回折エレメントは、マルチチャンネル光学特定システム、具体的には分光計の異なるチャンネルに対して共通の回折エレメントであってもよい。
【0023】
本発明に係る実施の形態の利点は、光学特定システムのために使用されるコンポーネントの数を制限することができるということである。
【0024】
光学特定システムの検出器は、マルチチャンネル光学特定システム、具体的には分光計の異なるチャンネルに対して共通の検出器であっても良い。本発明に係る実施の形態の利点は、光学特定システムのために使用されるコンポーネントの数を制限することができるということである。
【0025】
光学特定システムは、光学エレメントからある距離のところにサンプルを配置するためのサンプルホルダーを備えていても良い。当該距離は、屈折表面の曲率半径の1倍から屈折表面の曲率半径の4倍までの間にある。
【0026】
さらに、光学特定システムは、各チャンネルについて、第2平凸レンズを備えていても良い。当該第2平凸レンズは、上記方向にチャンネル内の照射ビームを集光若しくは平行化するためのものであって、第1平凸レンズは並進的に不変である。
【0027】
当該光学特定エレメントは、当該光学特定エレメントの第1サイドにおいて照射ビームを受光するために適用することができ、そして回折エレメント及び検出器は、上記光学エレメントの、上記第1サイドの反対側にある第2サイドに配置される。
【0028】
本発明は、光学的に材料を特定するための方法であって、照射ビームを用いて材料に照射し照射レスポンスを発生させる工程と、その後光学エレメントの第1サイドにおいて、サンプルからの照射レスポンスを屈折させ、光学エレメントにおいて照射レスポンスを平行化する工程と、平行化された照射レスポンスを回折しそれにより回折された照射レスポンスを発生させる工程と、上記回折された照射レスポンスを上記光学エレメントで反射させそれにより反射された照射レスポンスを発生させる工程と、上記反射された照射レスポンスを、光学エレメントの、照射レスポンスの回折と同じサイド、すなわち光学エレメントの第1サイドと反対のサイドにおいて検出する工程と、を備える方法に関する。
【0029】
本発明は、さらに、光学エレメントの第1サイドにおいて照射ビームを受光するために適用され、回折エレメント及び検出器とともに使用されるために適用される光学エレメントであって、上記受光した照射ビームを屈折により平行化して回折エレメントに入射させるための屈折表面を有し、上記回折エレメントにより回折された、上記平行化され回折された照射ビームを反射させ検出器に入射させるための反射表面を有し、上記光学エレメントの同じサイドに配置された回折エレメント及び検出器のために適用される光学エレメントに関する。光学エレメントは、分岐する照射ビームを受光するために適用されていても良く、上述の別の機能を提供する。
【0030】
当該光学エレメントは、カダディオプトリックエレメントであってもよい。
【0031】
当該光学エレメントは、部分的に被覆されたレンズエレメントであってもよい。
【0032】
屈折表面及び反射表面は当該光学エレメントの同じ凸面の一部であってもよい。本発明の実施の形態の利点は、従来のレンズ製造技術を用いて作製されたレンズを使用することができるということである。
【0033】
当該光学エレメントは平凸エレメントであってもよい。
【0034】
当該光学エレメントは、光学エレメントにおいて検出器により検出される入射された照射ビームの反射の回数が2以下となるよう適用されても良い。
【0035】
光学エレメントは、第1方向において、少なくとも部分的に並進的に不変であってもよい。
【0036】
光学エレメントは、平凸円柱状レンズであってもよい。
【0037】
屈折表面若しくは反射表面の少なくとも一方は、他の表面上に、すなわち反射表面若しくは屈折表面上に鏡面部分を有していても良い。鏡面部分は、ミラー対称であってもよい。本発明の実施の形態の利点は、連続レンズ表面を有するレンズを使用することができるということである。これにより、例えばレンズの全体の一部を除去することにより、実質的に光学エレメントを再成形することなく、従来のレンズ製造技術を用いて作製することができるということである。屈折表面の少なくとも一部は、反射に積極的に用いられる表面を少なくとも含んでいても良い。
【0038】
本発明は、また、材料を特定するための光学特定システムをコンピュータに基づいて設計する方法であって、当該システムは、回折エレメント、検出器、及び光学エレメントを備え、当該光学エレメントは、特定されるべき材料との相互作用後照射ビームを受光するために適用され、当該光学エレメントは、受光した照射ビームを屈折により平行化し回折エレメントに入射させるための屈折表面を有し、当該光学エレメントは、回折された照射ビームを反射により集光し検出器に入射させるための反射表面を有し、当該方法は、回折エレメントに対する、光学エレメントの少なくとも1つの相対的ポジションについて、光学エレメント及び回折エレメントのためのパラメータを受信する工程と、上記光学エレメントにより集光された照射ビームについてフォーカスカーブの位置を決定する工程と、光学エレメントの、回折エレメントと同じサイドに配置された、検出器の検出表面の位置に対して上記フォーカスカーブの位置を評価する工程と、を有する方法に関する。
【0039】
本発明は、また、演算手段で実行される時、コンピュータベースの設計方法を実行するために適用されるコンピュータプログラム製品に関する。さらに、本発明は、当該コンピュータプログラム製品を保存する機械解読可能なデータ保存装置、及びローカルエリアテレコミュニケーションネットワーク若しくはワイドエリアテレコミュニケーションネットワークにおいて当該コンピュータプログラム製品を伝達することに関する。
【0040】
本発明の特定の及び好ましい態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に示している。従属請求項の特徴は、独立請求項の特徴と組み合わせても良く、また適切な他の独立請求項の特徴及び当該請求項において明示的に記載されていない特徴と組み合わせても良い。
【0041】
当該技術分野においてデバイスのコンスタントな改良、変更、革新がされてきたけれども、本コンセプトは、従前のプラクティスから脱却するものであり、実質的に新規で進歩的な改良がされ、その結果より効率的で安定的で信頼性の高いデバイスを提供することができると考えられる。
【0042】
本発明の技術は、材料の光学特定のための、例えばバイオセンシング若しくは材料特定のための改良された方法及び装置のデザインを可能とする。
【0043】
本発明の上記及びその他の特性、特徴、及び利点は、本発明の原則を具体例により例示する添付の図面とともに、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。当該記載は、本発明の技術的範囲を制限することなく、単に具体化のために与えられる。以下に引用する参照図は、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、第1発明の全ての実施の形態に係る光学特定システムの概略図である。
【図2a】図2aは、第1発明の第1の実施の形態に係る、回折格子を備える光学特定システムの一部のX-Z断面の好ましい説明図である。
【図2b】図2bは、第1発明の第1の実施の形態に係る、回折格子及び平凸球面状光学エレメントを備える光学特定システムの一部のX-Y断面の好ましい説明図である。
【図3】図3は、第1発明の第2実施の形態に係る、イマージョン回折格子を備える光学特定システムの一部のX-Z断面の好ましい説明図である。
【図4】図4は、第1発明の第3実施の形態に係る、光学エレメントに近接する回折エレメント及び/又は検出器を含む、光学特定システムの一部のX-Z断面の好ましい説明図である。
【図5】図5は、第1発明の第4実施の形態に係る、光学エレメントと回折エレメント及び/又は検出器との間に付加的な透明プレートが設けられた、光学特定システムの一部のX-Z断面の好ましい説明図である。
【図6】図6は、第1発明の第5実施の形態に係る、光学エレメントと回折エレメント及び/又は検出器との間にV字状のプレートが設けられた、光学特定システムの一部のX-Z断面の好ましい説明図である。
【図7a】図7aは、第1発明の第6実施の形態に係る、マルチチャンネル光学特定システムである光学特定システムの一部のX-Z断面の好ましい説明図である。
【図7b】図7bは、図7aに示されたX-Z断面の好ましい説明図であり、1つの波長の光の光路が示されている。
【図8】図8は、第1発明の第6実施の形態に係る、マルチチャンネル光学特定システムである光学特定システムの一部のX-Y断面の好ましい説明図である。
【図9】図9は、第1発明の第6実施の形態に係る、マルチチャンネル光学特定システムである光学特定システムの別の部分のX-Y断面の好ましい説明図である。
【図10】図10は、第1発明に記載した光学特定システムにおける入射ビームについてのシミュレーション結果の好ましい説明図である。
【図11】図11は、第2発明に係る設計方法を実行するために使用される演算システムの好ましい説明図である。
【図12】図12は、第2発明に係る設計方法において使用される、屈折させた照射ビーム、回折させた照射ビーム、反射させた照射ビーム間の種々の角度を概略的に表示したものを示している。
【図13】図13は、第2発明に係る設計方法において決定された、決定フォーカスカーブを概略的に表示したものを示している。
【図14】図14は、第2発明に係る設計方法において使用される、フォーカスカーブ決定のための可能な初期位置条件を概略的に表示したものである。 異なる図面において、同一の参照符号は、同一若しくは同様のエレメントを参照する。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明は特定の実施の形態に関して、図面を参照しながら説明するが、本発明は、請求項のみによって限定され、当該実施の形態によって限定されない。記載された図面は、単に概略を示すものであり、制限するためのものではない。図面において、構成要素のいくつかのサイズは誇張して示されており、例示のため縮尺通り描写されていない。当該ディメンジョン及び相対的ディメンジョンは、本発明の実施に対する実際の縮尺に対応していない。
【0046】
さらに、明細書及び特許請求の範囲における「第1、第2」等の用語は、同様の構成要素同士を区別するために使用され、必ずしも連続的な順序若しくは時間的な順序を記載するために使用されるものではない。このように使用される用語は、適当な条件下において相互に交換可能であり、ここで記載された発明の実施の形態は、ここで記載し若しくは例示したもの以外の手順で実施できることは理解されよう。
【0047】
さらに、当該明細書及び特許請求の範囲における「下」等の用語は、説明的な目的のために使用され、必ずしも相対的なポジションを記載するために使用される訳ではない。このように使用される用語は、適切な条件の下相互に交換可能であり、ここに記載された発明の実施の形態は、ここに記載され若しくは例示されたもの以外の方向についても実施できることは理解されよう。
【0048】
請求項において使用される「含む」なる用語は、後に列挙した手段に限定されると解すべきではない点に留意すべきである。すなわち、他の構成要素若しくは工程を排除するものではない。そのため、言及された所定の特徴、整数、工程、若しくはコンポーネントが存在することを特定すると解すべきではなく、1以上の他の特徴、整数、工程、若しくはコンポーネント、若しくはそれらのグループが存在すること若しくはこれらを加えることを排除するものではない。そのため、「手段A及びBを備える装置」との表現の技術的範囲は、コンポーネントA及びBのみからなる装置に限定されるべきではない。本発明に関する限り、当該装置に単に関連するコンポーネントがAとBだけであることを意味する。
【0049】
次の用語は、本発明を理解する際に単に補助するためにだけに与えられている。これらの定義は、当該技術分野において通常の知識を有する者により理解されるものより狭く解すべきではない。
【0050】
例えば、光学システムにおける「光学的」との用語や例えば照射ビームにおける「照射」との用語は、通常可視光、赤外線、紫外線を意味する。しかしながら、本発明では、これらに限定されず、他のタイプの電磁波に適した光学システム及びコンポーネントにも関連する。「透明の」なる用語は、通常あるコンポーネントの構成材料の特性を意味するものであり、照射ビームが当該材料により実質的に吸収されない、すなわち照射ビームの好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%が当該コンポーネントを透過することを表現している。当該波長領域を実質的に代表する電磁波スペクトルの波長範囲内の波長を含む若しくは有する照射ビームは連続的若しくは準連続的スペクトルを有する照射ビームを意味する。当該波長範囲は、少なくとも10nm、より好ましくは少なくとも50nm、さらに好ましくは少なくとも200nm、さらにまた好ましくは少なくとも500nmに渡っていても良い。
【0051】
光学特定は、サンプル材料から「光学レスポンス」若しくは「光学検出シグナル」を得ることを含む。後者は、流体サンプルと相互作用した後、照射ビームの伝播した若しくは反射された部分を得ることであっても良い。流体サンプルとの相互作用により、例えば流体サンプル若しくは特定の被分析物によって吸収され、強度及び/又はスペクトル挙動において変化が見られる。これに代えて、若しくはこれに追加して、照射ビームを用いてサンプル流体を照射することに対するレスポンスとして、流体サンプル若しくは特定の任意にラベルされた被分析物の発光レスポンス、例えば蛍光発光レスポンスを得ることであっても良い。本発明は以下に限定されないが、被分析物のラベリングは、予め決定された被分析物の存在を検出するため、これらの被分析物に対してラベル、具体的には放射ラベル若しくは蛍光ラベルを提供することにより実行される。そのようなラベルは、被分析物に直接的若しくは間接的に貼り付けても良い。
【0052】
サンプル材料の光学特定は、固体、ガラス、若しくは流体サンプル等の光学特定が含まれ、サンプル、具体的にはたんぱく質、抗体、核酸(具体的にはDNR、RNA)、ペプチド、オリゴ糖、もしくは多糖、砂糖、小分子、ホルモン、ドラッグ、代謝物、細胞、若しくは細胞分画、組織分画、特定の化学化合物等に存在する特定の被分析物の特定が含まれる。これは、流体のオリジナルサンプルにおいて検出されてもよく、若しくは当該流体のサンプルは、例えば濾過され、緩衝液に溶かされ、化学的若しくは生化学的に修飾され、希釈される等事前に処理されてもよい。サンプル材料は、具体的には、生物学的な流体物、環境流体物、調査用流体物、固体サンプル材料を含む流体、固体材料であってもよい。
以下、本発明をいくつかの実施の形態における詳細な記載により説明する。本発明の真の思想若しくは技術的な教示を離れることなく、当該技術分野における知識に基づいて、本発明の他の実施の形態を構成することができることは明らかである。当該発明は、添付の請求の範囲だけにより制限される。
【0053】
第1発明は、材料を特定するための光学特定システムに関する。このような特定システムは、通常例えば材料特定のため若しくはバイオセンサーとして使用されうるが、本発明はこれらに限定されない。第1発明に係る光学特定システムは、照射ビームを受光するための光学エレメントを備える。ここで当該照射ビームは通常検査すべきサンプル材料と相互作用する。光学エレメントに受光された照射ビームは通常サンプル材料と相互作用した後得られる照射ビームであってもよい。また、これは、スペクトルの一部が少なくとも部分的に吸収される照射ビームであってもよいし、若しくはオリジナルの照射ビームによりサンプル材料を励起した後得られる蛍光ビームであってもよい。通常光学特定システムは、さらに照射ビームの異なるスペクトルコンポーネントを別々に回折するための回折エレメントと、照射ビームを検出するための検出器とを備える。第1発明によれば、光学エレメントは、通常、照射ビームを屈折により平行化して上記回折エレメントに入射させるための屈折表面と、回折された照射ビームを反射させ上記検出器に入射させるための反射表面と、を備える。これにより、回折エレメント及び検出器は、通常光学エレメントの同じサイドに配置される。これにより、分光情報を得ることができるコンパクトな光学システムを提供することが可能となる。特定システムの様々な標準的そして任意的コンポーネントが、図1に概略的に示されている。図1は、本発明のある実施の形態に係る好ましい光学特定システム100を示している。
【0054】
当該光学特定システム100は、通常照射ビームを受光するために適用される光学エレメント102と、回折エレメント104と、検出器106と、を備える。光学エレメント102は、通常照射ビームに対して実質的に透明であってもよい。これは、平凸光学エレメントであってもよい。通常このような光学エレメント102は、ガラス、シリカ、例えばプラスティック等のポリマー、即ち十分な透明性を得ることができる適切ないずれかの材料から構成されていてもよい。光学エレメント102は、通常、照射ビームを屈折により平行化して回折エレメント104に入射させるための屈折表面108と、回折された照射ビームを反射させて検出器106に入射させるための反射表面110と、を有していてもよい。屈折表面108は、通常光学エレメント102に、凸レンズエレメント、具体的には平凸レンズエレメントを使用することにより得てもよい。さらに、反射表面110についても凸レンズエレメントを使用することにより得てもよい。屈折表面180及び反射表面110は、光学エレメントの同じ凸表面の一部であってもよい。当該屈折表面若しくは反射表面はその鏡面部分が他の表面、具体的には反射表面若しくは屈折表面の少なくとも一部と一致するように成形してもよい。この鏡面部分は、ミラー対照部分と称される。屈折表面若しくは反射表面は、光学エレメントのミラー軸若しくはミラー面に関して鏡面となっていてもよい。当該光学エレメントは、反射表面が対称軸に関して屈折表面と対称的であるように対称軸を有していてもよい。曲面レンズ表面は、半球状であってもよいし、若しくは他の適切な形状であってもよい。これは、具体的には、検出器の面において全ての波長を集光させることを改良するため、専用の球状曲面であってもよい。専用の球状曲面は、具体的には光学モデリングソフトウェア、例えばゼマックスディベロップメントコーポレーションから入手可能なゼマックス(登録商標)、オプティカルリサーチアソシエイツから入手可能なライトツール(登録商標)、ラムダリサーチコーポレーションから入手可能なトレースプロ(登録商標)、若しくはブレオートリサーチオーガニゼーションから入手可能なアドバンスシステムアナリシスプログラムASAP(登録商標)等を用いて決定してもよい。光学エレメント102は、研磨され、鋳造され、若しくはレーザーアブレーションされ、コンピュータ数値制御され、曲げられ若しくはマスターフォームから特定のフォームへ適切な方法で複製されてもよい。
【0055】
上述したように、通常、凸レンズ、具体的には平凸レンズの曲面の一部が、屈折表面108として機能してもよい。例えば、光学エレメント102は、レンズエレメントの球状表面の一部が屈折表面108として機能する平凸球面レンズエレメントであってもよいし、もしくはレンズエレメントの円柱状表面の一部が屈折表面108として機能する平凸(部分)円柱状レンズエレメントであってもよい。通常、反射表面110は、具体的には反射性金属等の反射材料、若しくは具体的には薄膜フィルムのスタック等の反射性誘電体コートにより、光学エレメントの一部をコーティングすることにより得ることができる。平凸レンズエレメントの曲面の一部は、通常反射材料により被覆される。照射ビームの波長範囲について高い反射効率、具体的には80%の反射率、好ましくは90%の反射率、さらに好ましくは95%の反射率が得られることが好ましい。通常、光学エレメントが平凸球面レンズ、若しくは平凸円柱状レンズである場合、光学エレメント102の部分的コーティングは、レンズエレメントの円柱状表面若しくは球状表面上の部分的コーティングであっても良い。そのため、屈折と反射の両方の作用をもたらすカタディオプトリックエレメントとして機能してもよい。マルチチャンネル光学特定システムが選択される場合、光学エレメント102は、一方向に関して少なくとも部分的に並進的に不変な光学エレメント102、具体的には平凸円柱状レンズエレメントであってもよい。マルチチャンネル光学特定システムが選択される場合、光学エレメント102は、当該光学特定システムのチャンネルの少なくとも一部若しくは全部に共通していてもよい。本発明の実施の形態の利点は、光学エレメントを再成形する必要なく、従来のもしくは標準的な光学コンポーネント、例えば凸レンズエレメント具体的には平凸レンズエレメントから構成されるということである。これは、製造努力を抑えるのに有利であり、これらの付加的な処理工程を回避するので、正確性を向上させることができ、及び/又は発生する可能性のある製造エラーよりその数を減少させることができる。すなわち、光学エレメント102として、標準的な多目的レンズを使用することができる。屈折表面108は、入射された照射光を平行化することができ、平行化された照射ビームを回折エレメント104に入射させることができる。これにより、例えば屈折表面108、回折エレメント104、反射表面110及び検出器106等の後続の光学コンポーネント間の距離が屈折表面若しくは反射表面についてのフォーカス距離と一致するシステムを提供することができ、これにより正確なシステムとすることができる。
【0056】
回折エレメント104は通常回折格子であってもよい。このような回折格子には、罫線が形成され、若しくはホログラフィック的であってもよい。これは、対称的な形状、具体的には正弦関数的な形状、ブレーズド形状、具体的にはのこぎり歯状プロファイル若しくはこれら2つの形態の中間の形状を有していてもよい。これは、階段状ののこぎり歯状プロファイルを含んでいてもよい。回折格子は、具体的には光学エレメント102の底面側に形成されてもよいし、これは分離したコンポーネントであってもよい。これは、反射層により被覆されていてもよい。回折格子は、具体的には溝形成、罫線形成、イービームリソグラフィ、紫外線リソグラフィ、集光イオンビーム等を用いて作製してもよい。もし回折エレメント104が分離したエレメントである場合、これは光学的に透明な接着剤を使用することにより、もしくは他の適当な方法で光学エレメント102と直接接着してもよい。光学的に透明な接着剤は、具体的にはエポキシ、糊(glue)、シリコーン化合物等であってもよい。好ましくは、当該接着剤は、光学エレメント102から回折エレメント104までの最適な伝達が達成されるように、屈折率適合材料であってもよい。しかしながら、これは、屈折率差が小さい場合通常寄生フレネル反射は小さいので必ずしも必要ではない。回折エレメント104は、通常、光学エレメント102の平面の下、具体的には平凸光学エレメントの平面の下に配置してもよい。通常、回折エレメント104は、照射ビームが十分回折され目的の様々な波長に分解されるように適用してもよい。回折エレメント104は、イマージョン回折格子(immersed grating)であってもよく、これは基板が透明であり、回折格子が基板の底面に配置されることを意味する。マルチチャンネル光学特定システムが選択される場合、回折エレメントは、光学特定システムの複数若しくは全部のチャンネルについて共通してもよい。
【0057】
使用される検出器106は、通常、流体サンプルからの光学検出シグナルを検出するために適用されてもよい。これは、例えば、伝播された照射ビーム、反射された照射ビーム、照射ビームに応じた蛍光シグナルのいずれであってもよい。検出器106は、通常照射強度を検出するために適用してもよい。この検出器106は、フォトディテクター、具体的にはフォトダイオード若しくはピクセルディテクターであってもよい。第1の発明によれば、通常、検出器は領域感度検出器(area sensitive detector)若しくは画素化検出器(pixelated detector)であってもよく、これにより同時に異なる複数の光学シグナルを検出することができる。具体的には、同時に異なるスペクトルコンポーネントを検出することができる。光学特定システム100は、複数の検出器エレメント106、若しくは光学検出器エレメント106の平面的アレイを含んでいてもよい。検出器106は、光学エレメント102に搭載されていてもよく、これは、分離したエレメントとして提供してもよい。検出器106は、具体的には光学的に透明な接着剤を使用することにより若しくは他の適切な方法で光学エレメント102に直接接着するように設けられる。このような光学的に透明な接着剤は、具体的にはエポキシ、糊、シリコーン化合物等であってもよい。好ましくは、接着剤は、光学エレメント102から検出器106への最適な伝達が達成されるように屈折率適合材料であってもよい。しかしながら、これは、屈折率差が小さい場合通常寄生フレネル反射が小さいので必ずしも必要ではない。マルチチャンネル光学特定システムが選択される場合、検出器106は、光学特定システムの複数若しくは全部のチャンネルについて共通してもよい。
【0058】
光学エレメント102は、回折及び検出が光学エレメント102の同じサイドにおいて実行されるように、サンプルから受ける照射ビームをガイドするために適用される。回折エレメント104及び検出器106は、光学エレメント102の表面に対向して配置してもよい。これらは、同じ面に配置されてもよいし、回折表面及び検出表面が互いに対して角度をなすようにしてもよい。
【0059】
通常、光学特定システム100は、さらに、照射源112、当該照射源112において発生した照射ビームをサンプル材料に対して集光するためのビーム形成システム114、特定されるサンプルを保持するためのサンプルホルダー116、及び上記サンプル材料から得られた照射ビームの形状を光学エレメント102への入射前に適合させるためのアパーチャー手段118を備えていても良い。光学特定システム及びサンプルホルダーは、光学エレメントからある距離、すなわち屈折表面の曲率半径の1倍から4倍即ち、
【数1】


を満たす距離にサンプルを配置するために適用されても良い。ρは、光学エレメントの屈折表面の平均曲率半径である。好ましくは、サンプルのポジションは、光学エレメントからある距離、すなわち光学エレメントのフォーカス距離にあってもよい。もしガラスからなる光学エレメントが使用される場合、光学エレメントの屈折表面の曲率半径のおよそ2倍の距離である。
【0060】
照射源112は、通常照射ビームを供給するために適用される。当該照射ビームは光ビームであってもよい。照射源112は、照射ビームを供給するための適切な照射源、具体的には、単一のレーザー若しくは複数のレーザー、白色光源、フィルターされた白色光源、単一のLED若しくは複数のLED等であっても良い。照射源112には、1又は1列の光学プローブ照射ビーム、若しくは2次元アレイの光学プローブ照射ビームが含まれていても良い。照射ビームは、サンプル材料と相互作用する及び/又はサンプル材料を励起するいずれか若しくは多数の適切な波長を含んでいても良い。例えば分光測定では、通常、ある範囲の波長が照射ビームに含まれていてもよい。つまり、照射ビームは、連続スペクトル若しくは準連続スペクトルを含んでいても良い。照射ビームは、ビーム形成システム114を用いて、サンプル材料に結像してもよい。ビーム形成システム114は、通常光学エレメントを有していても良い。マルチチャンネル光学特定システムが選択される場合、照射源112及びビーム形成システム114は、光学特定システムの多数のチャンネル若しくは全てのチャンネルについて共通してもよい。
【0061】
サンプルホルダー116は、サンプル材料を保持するための如何なる適切な保持手段であってもよい。これは、透過可能な若しくは反射可能な様式で使用しても良い。検出されるべき光学シグナルを実質的に吸収しないように、透光性サンプルホルダーは、通常透明の材料から構成されていても良い。サンプルホルダーは、固体サンプル若しくは流体サンプルを保持するために適用されても良い。これは、流体サンプルを測定キャビティを介して通過させることができるように、具体的には測定キャビティの充填の間光学検出シグナルを測定することができるように適用しても良い。通常、サンプルホルダー116は、多数のサンプルを保持するために適用し、これによりマルチプレックスを行うこと、すなわち異なるサンプルを同時に測定することができる。この場合、光学特定システムは、通常、複数の実施の形態の1つに、より詳細に記載しているように、マルチチャンネルシステムであってもよい。
【0062】
通常、光学特定システム100はさらに光学エレメント102への入射前にサンプル材料から得られた照射ビームの形状を適合させるアパーチャー手段118を備えていても良い。このアパーチャー手段118は、通常エントランスホール若しくはエントランススリットであってもよい。アパーチャー手段118は、不透明なプレートの開口等の物理的スリットであっても良い。しかしながら、現在検討中であるが空間的に制限された(spatially limited)サンプルの塊であっても良い。エントランススリットの形状及び/又は幅は選択可能であっても良い。好ましくは、エントランススリットは、光学エレメント102の屈折表面108の焦点に配置され、屈折表面108により照射ビームは平行化される。
【0063】
光学特定システムは、さらに評価ユニットを備えていても良く、検出された光学シグナルの評価を行うことができる。この評価ユニット120は、処理手段、具体的にはマイクロプロセッサ、及び/又は得られた及び/又は処理された評価情報を保存するためのメモリー要素を備えていても良い。さらに、通常のインプット/アウトプット手段が存在していても良い。評価ユニット120は、評価ステップを実行するための適切なソフトウェア若しくは専用のハードウェア処理手段を用いて制御しても良い。
【0064】
光学特定システム100は、さらにサンプルホルダー内のサンプル材料からの照射光の照射特性をモニターするための光学制御システム122を備えていても良い。光学制御システム122を使用することにより、光学照準ミス若しくは具体的にはサンプルにより導入される影響、ランプの安定性、若しくは異なるコンポーネントが互いに対してドリフトすることを矯正することができる。これらの照射特性には、サンプル材料を通過した後のビームポジション及び/又は伝播方向、フォーカス距離、横方向調整等が含まれていても良い。照射特性のモニタリングは、照射レスポンスシグナルの一部を検出することにより実行しても良い。これは、サンプル材料を通過した後、光学エレメントに入る前に照射レスポンスシグナルを分光することにより得ても良い。光学制御シグナルは、通常光学制御システム122の一部である追加の検出器により検出されても良い。照射レスポンスの一部を分光することは、具体的には、ビームスプリッター124により実行されても良い。これに代えて、もしくはこれに追加して、分光は、具体的には回転ミラー若しくはスプリッターにより実行しこれにより光学制御シグナルを発生させてもよい。これらの回転ミラー若しくはスプリッターは、照射レスポンスシグナルを一定の間隔で追加の検出器126に向ける。追加の検出器126は、光学検出シグナルビーム特性を評価するための適切ないずれかの検出器であってもよい。これは、具体的には、焦点、一方向のアライメント、二方向のアライメントについての情報を提供するために適用された単一のエレメント、一列の検出器、若しくは2次元の検出器であってもよい。検出器126は、光学検出シグナルビーム及び対応する照射ビームの形状を検出するために適用されても良い。照射光の照射特性をモニタリングすることには、参照値を用いて照射光の照射特性を比較すること、参照測定を用いること、事前に測定した結果を用いて比較すること、参照テーブルを用いて比較すること等が含まれていても良い。具体的には測定結果においてエラーを抑制するために、得られた情報を用いて、検出ユニットからのデータに対して後処理を行ってもよい。本システム及び方法は、自動的な方法若しくはオートメーション化された方法により、使用/実行しても良い。モニタリング及び/又は後処理は、予め決定されたアルゴリズムを用いて実行しても良い。別の形態では、光学特定装置に対してフィードバックを与えるために、得られた情報を用いてもよく、特定のコンポーネント若しくはそのポジションを適用してもよい。そのため、これはフィードバックシステムの一部であっても良いし、そうでなくてもよい。
【0065】
ある実施の形態では、光学特定システム100の様々なコンポーネント間のずれにより生じる測定エラーに対して補償を実行してもよい。測定エラーにより、結果的に、ずれ、具体的には、精密なビームと検出器106との間のずれ、例えば横方向ずれによる部分的なオーバーラップが発生する。少なくとも部分的に補償されるべき別のずれは、精密な照射ビームと回折エレメントとの間のずれであり、これにより光は回折エレメントの隣りに入射される。このため、これは、横方向ずれ、例えば横方向ビームずれを検出するだけでなく、例えばセンサー表面で照射ビームの斜め入射を検出するために使用しても良い。
【0066】
以下、第2発明について、複数の特定の実施の形態及び実施例により例示するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0067】
第1発明の第1の実施の形態では、回折エレメント104(本実施の形態においては回折格子である)、検出器106、及び光学エレメント102の間の好ましい配置を示した光学特定システム100の配置が示されている。このシステム100は、図2aにおいてX−Z断面として図示されている。この断面は、回折格子の溝に対して垂直な断面である。本実施の形態の光学エレメント102は、部分的にコーティングされた平凸レンズエレメントである。光は通常被覆されていない部分に入射され、光学エレメント102の曲面により平行化される。通常、平行化するために、光学特定システムのアパーチャー118、すなわちエントランススリットは、レンズ入射方向であって、平凸レンズの焦点の近くに配置させてもよい。このアパーチャーは、サンプルの形状及び/又はサイズにより非明示的に(implicitly)存在しても良い。照射ビームを屈折表面108により光学エレメント102において屈折させる。光学エレメント102内では、照射ビームは平凸レンズの表面下に配置された回折エレメント104に向かって進行する。回折エレメント104による照射ビームの回折後、照射ビームを光学エレメント102に再入射させてもよいし、若しくは光学エレメント102内を進行しそして光学エレメントの反射表面110に向かって伝播してもよい。反射表面は、ミラー表面として機能し、照射ビームを検出器106に集光する。検出器106は、光学エレメント102の、回折エレメント104と同じサイドであって、通常平凸レンズの平面の下側に配置されている。図2bに、回転対称な(球状の)エレメント102(本実施の形態ではこれに限定されない)を含む光学特定システムのX−Y断面が示されている。当該X−Y断面は回折溝と平行である。複数のコンポーネントのポジションパラメータに影響を与える光学エレメント102の曲率は、通常、X−Y平面及びX−Z平面において同様である。入射光と光学エレメント102の光軸との間の特定の角度、球状光学エレメント102の特定の半径について、光学エレメント102の望ましい高さが計算され、回折エレメント104及び検出器106は最適に配置される。様々なエレメントを最適に配置するため、照射ビームの特定の入射角、光学エレメント102の特定の曲率半径、及び特定の波長範囲について、光学エレメントの中心点、具体的にはもし光学エレメントが部分的な球面レンズである場合は、レンズ表面の一部である球面のセンターポイントを、検出器においてベストなフォーカスが達成されるまで移動させる。エレメントのポジションを最適化するために、中心点の二次元スウィープを実行してもよい。一方、これらの距離は、通常XY平面における光学エレメント102の曲率により完全に規定され、このため、球面レンズを使用して当該平面にフォーカスすることは、通常、サジタル焦点(sagittal focal point)とタンジェンシャル焦点(tangential focal point)との間の差異のため完全でない。この小さな欠点は、全体の光学特定システム構成の簡略化により補償される。局所的に変動しそして方向に依存する曲面を有する球状光学エレメント102を使用することにより、このフォーカスの問題を解決することができる。その上、XY平面における非理想的フォーカスは実際は問題でも欠点でもない。当該平面における照射ビームの拡散は、当然光学特定システムの解像度に影響を与えないからである。光束を捕捉するために、単により広い検出器106を使用してもよい。
【0068】
第1発明の第2の実施の形態では、上述した光学特定システム、以下に限定されるわけではないが具体的には第1の実施の形態に係る光学特定システムであって、使用される回折エレメント104がイマージョン回折格子204である光学特定システムが提供される。回折格子の、波形を有するサイドは、通常光学エレメント102から離れる方向に向けられていてもよい。通常、このような構成では、照射光は回折格子基板を2回通過する。回折格子204の平面サイドは、光学エレメント102と光学的に接触させても良い。イマージョン回折格子204は、反射層により被覆されている透過型回折格子であってもよい。第2の実施の形態に係る光学特定システム100の一部の好ましい配置のX−Z断面が図3に示されている。
【0069】
第1発明の第3の実施の形態には、上述した光学特定システム、以下に限定されるわけではないが具体的には第1の及び/又は第2の実施の形態に係る光学特定システムであって、回折エレメント104若しくは検出器106の少なくとも一方が光学エレメント102に対して分離したコンポーネントであるが、分離したコンポーネントの少なくとも1つが光学的に透明な接着剤252を使用して光学エレメント102に光学的に接着された光学特定システムを提供する。この接着剤252は、エポキシ、糊、シリコーン化合物・・・であってもよい。理想的には、当該接着剤252は、光学エレメント材料について屈折率を適合させてもよいが、これは、屈折率差が小さい場合、寄生フレスネル反射は小さいので必ずしも必要ではない。本実施の形態に係る光学特定システムの好ましい部分のX−Z断面が図4に示されている。別の形態では、光学的透明接着剤252を使用する代わりに、中間においては非接着性の透明液体を使用し、回折格子/検出器の周辺部においては、接着性の非透明接着剤、具体的には糊を使用してもよい。
【0070】
第1発明の第4の実施の形態では、上述した光学特定システム、以下に限定されるわけではないが具体的には上述の実施の形態のいずれかに係る光学特定システムであって、光学エレメント102と回折エレメント104若しくは検出器106の少なくとも一方との間に付加的な光学プレート302を備える光学特定システムを提供する。このプレートは、通常、透明のプレートであってもよい。これは、ガラス、シリカ、若しくは具体的にはプラスティック等のポリマーから構成されていても良い。これは、多目的レンズを使用する時特に有利である。これは、レンズの高さが、照射ビームをガイドするために所望の高さにならないからである。光学エレメント102と、回折エレメント104及び検出器106の少なくとも一方との間に付加的な透明のプレートを配置することにより、曲面108、110と検出器106と回折エレメント104と間の好ましい距離が達成されうる。通常、分光計の様々なコンポーネント間の光学的接続は良好となる。これにより付加的な反射、光の付加的な損失、望ましくない迷光を減少させ若しくは防止することができるからである。このような透明プレートを使用することにより、各コンポーネントのアライメントは、通常、より困難な3次元アライメントの問題ではなく、基本的に2次元のアライメントの問題に帰着する。プレートの厚さが良好に選択されていると、残されたアライメントは、回折格子、検出器、及び平凸レンズの相互の位置についてだけであり、このため、コンポーネント間の距離を固定しても良い。すべてのものをプレート表面に近接させて配置することにより、製造及び/又は使用の間のコンポーネントの傾きはさらに減少し、アライメントは殆ど実質的に2次元的となる。回折エレメント104及び/又は検出器106が、平凸光学エレメント102の平面状に直接配置されるとき同じ利点が得られる。本実施の形態に係る光学特定システム100の好ましい部分のX−Z断面が図5に示されている。
【0071】
第1発明の第5の実施の形態では、上述した光学特定システム、以下に限定されるわけではないが具体的には上述の実施の形態のいずれかに係る光特定システムであって、一方の光学エレメント102と、他方の回折エレメント104及び/又は検出器106との間にV字状のプレート352を配置した光特定システムを提供する。このV字状のプレート352は通常透明のプレートである。回折エレメント104及び検出器106の両方について、V字状のプレートが存在していても良い。平凸光学エレメント102の表面と、回折エレメント104若しくは検出器106との間の角度は、0°〜30°、具体的には0°〜20°、若しくは0°〜10°の範囲に含まれていても良い。より詳細には、回折エレメント104及び/又は検出器106は、光学エレメントの表面に対してある角度以下で配置されていてもよい。これにより、寄生反射が当該システムに再入射されることを防止することができる。回折エレメント104及び/又は検出器106が光学エレメントに対して配置される角度が、0°〜30°、具体的には0°〜20°、0°〜10°の範囲にあってもよい。このような傾きの方向は、光学エレメントの平面に対して適当な方向である。検出器106及び回折エレメント104は、表面の法線に対して0°〜30°、具体的には0°〜20°、若しくは0°〜10°の範囲で僅かに回転し、それにより、迷光を防止し、解像度を最適化することができる。両プレートの角度により、当該システムに、より多くのパラメータを導入することができ、これにより検出器におけるフォーカスを良好なものとし、解像度を改善することができる。透明プレートにより導入される角度並びに高さは、回折エレメント104と検出器106との間で異なっていても良い。あるケースでは、2つからなるV字状のプレートを、回折エレメント104と検出器106に共通する1つのV字状プレートに置き換えても良い。第4の実施の形態に記載された透明プレートと1以上の透明のV字状プレート352とを結合して単一のプレートとしても良い。さらに、V字状のプレート352、透明プレート302、及び光学エレメント102は、特別に形成された1つの光学デバイスに結合させても良い。本実施の形態に係る光学特定システム100の好ましい部分のX−Z断面が図6に示されている。
【0072】
第1発明の第6の実施の形態では、本発明は、上述した光学特定システム100、以下に限定されるわけではないが具体的には上述の実施の形態のいずれかに係る光学特定システム100であって、光学特定システム100が、多数のサンプルが並行して検査されうるマルチチャンネルシステム、すなわちマルチチャンネル光学特定システムに関する。換言すれば、本実施の形態に係る光学特定システム100によれば通常マルチプレックスが可能となる。このマルチプレックスにより、複数のサンプル材料を同時に測定することができる。通常、このマルチチャンネルシステムを容易にするため、異なる複数のコンポーネントを適用しても良い。通常、光学エレメント102は、少なくとも部分的に並進的に不変である。これは、具体的には平凸円柱状レンズであっても良い。また、これは、具体的には、少なくとも部分的に円柱状であっても良い。換言すれば、X−Z方向に係る断面、すなわち回折格子のラインに対して垂直な断面が、部分的に円状のアークから外れており非球面状であるけれども、平凸レンズ、具体的には平凸円柱状レンズの全ての断面において同じである。光学特定システムの好ましい実施の形態を図7aにX−Z断面として示す。照射ビームの光路をさらに例示するために、ある波長の照射ビームの光路を具体例により示している。これは、放射ビームが光学エレメントをどのように進むかについて示している。光線1001により示されているように、放射ビームは平行化され回折エレメント104に入射させ、その後、光線1002に示されているように、放射ビームは回折され反射エレメントに入射させる。その後、光線1003に示されているように、放射ビームを反射させ検出器106に入射させる。これらの光線を図8に示す。
【0073】
少なくとも部分的に並進的に不変、すなわちY方向に関して並進的に不変の光学エレメント102、具体的には平凸円柱状光学エレメント102では、通常X−Y平面において、フォーカス若しくは平行化させない。そのため、当該実施の形態では、通常照射ビームをチャンネルにフォーカスするため第2平凸レンズ若しくは第2両凸レンズ402を設けてもよい。第2の平凸レンズは通常平凸円柱状レンズであってもよい。第2のレンズ402は、光学エレメント102が少なくとも部分的に並進的に不変である方向に、照射ビームをフォーカスするために適用してもよい。このような第2レンズは、通常フォーカス若しくは平行化のため、光学エレメント102の屈折表面110の上に配置しても良い。この第2レンズ402の曲面はX−Y平面上にあるので、これは、図7a若しくは7bにおいては見ることはできない。図8は、マルチチャンネル分光計の断面をX−Y平面に示している。以下、光学エレメント102を非曲面サイドから見ており、反射表面110は看者に向いている。検出器106は、回折エレメント104の前面に配置されている。図8には、様々な光学特定システムのチャンネル間で、光学エレメント102と下側の透明プレート302とが共有されている。全てのチャンネルについて、分離した小さな第2レンズ402、具体的には円柱状レンズ、分離した回折エレメント104、及び分離した検出器106が示されている。これらは、直線上の検出アレイである。
【0074】
図9は、図8と同様の構成のX−Y断面を示し、ここでは、様々なチャンネル間で多くのコンポーネントが共有されている。具体的には、回折エレメント104が、光学特定システム100の複数のチャンネル若しくは全てのチャンネル間で共有されており、検出器106が光学特定システム100の複数のチャンネル若しくは全てのチャンネル間で共有されている。このケースでの検出器106は2次元検出アレイであってもよい。第2レンズ402は、単一のコンポーネントとして作製しても良い。複数のコンポーネントを結合することにより光学特定システムの組立の間ケアーする必要があるアライメントの数を減少させることができ、これにより通常より正確なシステムとすることができ、製造エラー若しくは配列エラーをより少なくすることができる。共有するコンポーネントを多くしたり少なくしたりすることにより、図8及び図9に示された実施の形態間で、様々な類似の実施の形態が可能となる。図9に示された実施の形態では、様々なコンポーネント間の可能なアライメントの数が非常に少なくなり、チャンネルの数に依存しなくなる。さらに、光学特定システム100は、光学特定システム100内の異なるチャンネルについて照射源及びビーム形成システムを共有しても良い。これにより、当該システムは、コンパクトなマルチプレックス光学特定システムとすることができる。
【0075】
第2発明は、材料を光学的に特定するための方法に関する。任意であるが、当該特定は、当該材料からの発光、蛍光若しくはラマンレスポンスを決定すること、当該材料の吸収特性を決定すること等であってもよい。通常、当該方法には、照射ビームを用いて材料に照射することが含まれ、これにより当該材料と照射ビームとを相互作用させることができる。結果として得られる照射レスポンスは、減衰された照射ビーム若しくはオリジナルの照射ビームによる励起から生じる蛍光照射ビームであってもよいが、通常光学エレメントにおいて捕捉されてもよい。当該方法は、さらに、照射レスポンスを屈折させ、平行化された照射レスポンスとする工程を含んでいてもよい。平行化された照射レスポンスは、回折エレメントに入射され、回折エレメントにおいて照射レスポンスが回折される。また、当該方法は、回折された照射レスポンスを反射させ検出器に入射させる工程と、光学コンポーネントの、照射レスポンスの回折と同じサイドにおいて、反射された照射ビームを検出する工程とを含んでいる。第1発明において記載された光学特定システムを用いて当該方法を実行することが特に適切である。当該方法は、さらに、検出された照射レスポンスを評価する工程と、ユーザーに対して適切なアウトプットを提供する工程とをさらに含んでいても良い。当該方法は、オートメーション化された方法及び/又は自動的な方法により実行しても良い。
【0076】
第3発明は、材料の光学特定においてアシストするために適用される光学エレメント102に関する。光学エレメント102は、通常特定される材料からの照射レスポンスである照射ビームを受光するために適用される。光学エレメントは、さらに回折エレメント及び検出器とともに使用するように適用され、光学エレメントは、照射ビームを屈折により平行化して回折エレメントに入射させるための屈折表面を有し、さらに回折された照射ビームを反射して検出器に入射させるための反射表面を有する。通常、光学エレメントは、光学エレメントの同じサイドに配置された回折エレメント及び検出器と協同するために適用される。光学エレメントは、また、回折エレメント及び検出器エレメントが配置されたサイドと反対サイドにおいて照射ビームを受光するために適用されてもよい。これは、光学エレメントの屈折表面と同じサイドにある、光学エレメントの反射表面により得ることができる。そのため、光学エレメントは、通常カタディオプトリックエレメントであっても良い。反射表面は、光学エレメントの曲面を部分的にコーティングすることにより得ることができる。光学的エレメントにおいて発生する反射の回数は2以下であってもよい。本光学エレメントの他の特性及び利点は、第1発明において記載されている光学特定システムの光学エレメント102についてより詳細に記載されており、第3発明にも適用可能である。
【0077】
図面により、本発明の実施の形態に係る特徴及び利点を示す数値の具体例を示す。本具体例において光学エレメント102はシリカからなる。220nm〜720nmの波長を有する入射された照射ビームのシミュレーションの結果を図10に示す。当該シミュレーションは、通常、光線追跡シミュレーションを用いて実行する。光学特定システムのエントランススリットは示されていない。これは入射される有色の光束の形状から推測してもよい。照射ビームを、光学エレメント102、すなわち、光学エレメント102の屈折表面108に入射する。照射ビームは、回折格子104において付加的なシリカプレートを介してガイドされる。ここでは、照射ビームは異なる単色に回折される。本具体例の回折格子は、600溝/mmを有する。異なる色を有する、異なるサブビームは、その後反射表面110により反射され検出器106に向けられる。本具体例における回折格子としては、イマージョン回折格子が用いられ、検出器は付加的な透明プレートの下僅かな距離のところに配置され、中間のところはレンズと同様の屈折率を有する物質で満たされている。本具体例では、平凸光学エレメント102の平面の法線に対する照射ビームの入射角は9°である。回折エレメント104のセンターポイントは、球状レンズ表面の曲面の中央から水平方向に半径の0.05倍の距離のところに位置する。平凸球面レンズの平面は、曲面の中心上であって、垂直方向に、球面レンズ表面の曲面中央から半径の0.52倍のところに位置する。当該シミュレーションは、本発明の実施の形態に係るいくつかの原則を概略している。より明確にするため、本具体例においては、照射ビームには、連続的スペクトルではなく、8つの異なる単色波長からなる光源を使用する。このため、様々な波長の検出器へのフォーカスが良好にビジュアル化されている。連続的なケースにおいては、8つの異なるイメージに代わって連続フォーカスが検出器に形成されるであろう。
【0078】
当該技術分野における当業者にとって本発明を具体化する光学エレメント、光学特定システム及び方法の目的を達成する他の構成は自明である。
【0079】
好ましい実施の形態、特別の構造、構成、並びに材料は、本発明に係るデバイスについてここで議論しているが、本発明の技術的範囲及び思想から離れることなく、形状及び詳細において様々な変更若しくは修正をしてもよい。例えば、第1発明及びその実施の形態は、光学的に材料を特定するためのデバイス及びシステムに関する一方、さらに第2発明は、光学特定システムを設計するための方法に関する。光学特定システムは、通常、照射ビームを屈折により平行化する屈折表面と、回折された照射ビームを反射によりフォーカスする反射表面とを有する光学エレメント102を備える。通常、光学特定システムは、さらに、光学エレメント102の同じサイドに配置された回折エレメント104及び検出器106を備える。当該設計方法は、通常、光学エレメント102及び回折エレメント104についてのパラメータを受信する工程を含むコンピュータに基づく方法である。通常、当該方法は、さらに回折エレメント104に関して、光学エレメント102の少なくとも1つのポジションについて、光学エレメント102によりフォーカスされた照射ビームについてのフォーカスカーブ606(図13における具体例により示されている)の位置を決定する工程を含む。当該フォーカスカーブ606は、通常、波長範囲において全ての波長に対して全てのフォーカスポイントを含む曲線である。また、当該方法は、光学エレメント102の、回折エレメント104と同じサイドに配置された検出器エレメント106の検出表面のあるポジションに関して、上記フォーカスカーブ606の上記ポジションを評価する工程を含んでいる。
【0080】
通常、光学エレメント102及び回折エレメント104についてのパラメータを受信することは、光学エレメントに対する選択された曲率半径R、回折エレメントに入射される光の入射角θin及び回折エレメントの間隔を受信することを含んでいても良い。本発明は以下に限られるわけではないが、光学エレメント102の曲率半径Rは、通常利用可能な市販のコンポーネントによって限定される。そして、光学エレメントは、想定される分光システムの最終サイズに応じて、そして当該最終サイズにより、製造することができる。曲率半径Rがより大きくなるに従って、当該システムの最終サイズはより大きくなるが、特定のインプットスリット幅について解像度はより良好となる。設計のため、曲率半径は、もし具体的には光学エレメントの曲面が球面の一部でない場合は、平均曲率半径であってもよい。別の形態では、より複雑なケースでは、具体的には全表面形状の情報を入力することにより、異なる曲率半径を考慮しても良い。回折エレメントの間隔は、市販のコンポーネントの選択により制限されても良いが、目的とする波長範囲に依存して、1mm当たり600〜2400溝の範囲にある。これは、それぞれ1.67μmと0.4167μmの間の間隔に相当する。照射ビームが回折エレメントに入射される際、回折エレメントの法線に対してなす角度θは、分光計のf数を決定する。通常の値は、−10度から30度の間であってもよい。
【0081】
回折エレメント104に対する光学エレメント102の少なくとも1つの相対ポジションについて、光学エレメント102によりフォーカスされる照射ビームのためのフォーカスカーブ606のポジションを決定することは、光学モデリングソフトウェアを用いて実行しても良い。フォーカスカーブ606の位置を決定することには、602に配置された図11の回折エレメント104に対して光学エレメント102、その中心点604の位置を配置することが含まれていても良い。光学エレメント102の曲面の正確な形状に基づいて、多数の中心点が存在する。この場合、平均中心点を使用しても良いし、若しくは全ての中心点を考慮しても良い。光学エレメント102によりフォーカスされる照射ビームに対してフォーカスカーブ606のポイントを決定するため、通常以下の光路を考慮しても良い。通常、エントランススリットから入射され、光学エレメント102に入射される光は、屈折により平行化され、回折エレメント104に入射させても良い。当該光は図12に示されている。図12には、回折エレメント表面の法線に対する回折エレメント102へ入射される照射ビームの角度(ここではθinと称する)が示されている。回折された照射ビームの角度は、
【数2】


若しくは
【数3】


により与えられる回折格子の式を用いて計算される。ここで、λは光ビームの波長、nは光学エレメントの屈折率、dは回折エレメントの間隔である。回折後、さらに平行化された光ビームは、通常、光学エレメントの曲面で反射されフォーカスされる。当該反射は、通常正反射性であってもよい。これは、図12に示すように、局所的な表面上の法線に対する光のインプット角及びアウトプット角が等しいことを意味する。光ビームのフォーカスは、通常曲率半径R、光ビームと当該表面上の局所的法線との間の角(θと称される)により決定される曲面から距離fのところに現れる。
【数4】

【0082】
波長範囲の全ての波長に対して、回折距離、及び結果として得られるフォーカスポイントは異なる。波長範囲の全ての波長に対して全てのフォーカスポイントは、フォーカスカーブ606若しくは焦点場所と称されるカーブを形成する。フォーカスカーブ606の具体例を図13に示す。
【0083】
光学エレメント102の、回折エレメント104と同じサイドに配置された検出器106の検出器表面のポジションに関して上記フォーカスカーブの上記ポジションを評価する工程は、通常、検出器106の検出器表面の適切なポジションに関してフォーカスカーブ606のポジションを比較することが含まれていても良い。これは、得られた結果を、予め決定された評価基準、例えば具体的には、フォーカスカーブのポジションの違いにおける最小値や、可能性として考えられる、適切な若しくは好ましい検出器表面ポジションと比較することにより、また得られた結果と以前得られた結果とを比較し、その結果を最小のポジション相違を用いて選択することにより実行することができる。
【0084】
光学エレメント及び回折エレメントの適切な相対ポジションを選択することは、ランダムに実行しても良いし、若しくは予め決定されたアルゴリズムにしたがって実行してもよい。この最適化の最良のスタート位置は、図14に示されたポジションである。
【0085】
通常、フォーカスカーブ606を決定しそして評価することは、回折エレメント104に対する光学エレメントの複数の相対ポジションについて実行しても良い。光学エレメントのポジションおよびその中心点のポジションをスウィープすることにより、フォーカスカーブのポジション及び形状は変化し、良好な若しくは最適のポジションを決定することができる。評価基準は、フォーカスポジションが、少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも60%好ましい検出ポジションと重なっているということである。これは、光学エレメントの一方のサイドによって決定された平面にある。当該平面は回折エレメント等により決定される。理想的なケースでは、フォーカスカーブはフラットであり、光学エレメント表面と一致し、入手可能な検出器と同じ幅である。
【0086】
通常、当該方法は、自動的な方法及び/又はオートメーション化された方法により実行しても良い。これは、予め決定されたアルゴリズムを用いて、若しくは具体的には神経のネットワークを用いて実行しても良い。フォーカスカーブポジションの決定は、具体的には光学モデリングソフトウェア、例えばゼマックスディベロップメントコーポレーションから入手可能なゼマックス(登録商標)、オプティカルリサーチアソシエイツから入手可能なライトツール(登録商標)、ラムダリサーチコーポレーションから入手可能なトレースプロ(登録商標)、若しくはブレオートリサーチオーガニゼーションから入手可能なアドバンスシステムアナリシスプログラムASAP(登録商標)等、若しくは具体的にはフォーカスカーブ606のポジションをシミュレーションにより決定することができる他のいずれかの適切なソフトウェアを用いて決定してもよい。
【0087】
上記の設計方法は、図11に示される演算システム500に実装されていても良い。図11は、演算システム500の1つの構成を示しており、これは、少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサ503を含み、少なくとも1種のメモリー、具体的にはRAM、ROM等を含むメモリーサブシステム505に接続されている。プロセッサ503若しくはプロセッサは、一般的な目的の若しくは特別な目的のプロセッサであっても良いし、他の機能を実行する他のコンポーネントを有するデバイス、具体的にはチップに組込まれていても良いことに留意すべきである。このため、本発明の1以上の側面に関する発明は、デジタル電子回路、若しくはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、若しくはこれらを組み合わせたものに組込んでも良い。プロセッシングシステムは、少なくとも1つのディスクドライブ及び/又はCD-ROMドライブ及び/又はDVDドライブを有する保存サブシステム507を含んでいても良い。いくつかの装置において、ディスプレイシステム、キーボード、及びポインティングデバイスが、ユーザーインターフェースサブシステム509の一部として組込まれ、ユーザーに対して手動でインプット情報を提供しても良い。データを入力及び出力するポートが含まれていても良い。様々なデバイス等に対するより多くのエレメント、例えばネットワークコネクション、インターフェースが含まれていても良いが図11には例示されていない。演算システム500の様々なエレメントが様々な方法により接続されている。当該方法には、簡単のためシングルバスとして図11に示されたバスサブシステム513が含まれる。しかし、少なくとも1つのバスのシステムを含めることは、当該技術分野における当業者にとって理解されよう。メモリーサブシステム505のメモリーは、演算システム500に対して実行されたときここで記載した方法の具体的な工程を導入するという一連のインストラクションの一部若しくは全部(それぞれのケースにおいて511と示す)をいつか保持する。このため、図11に示された演算システム500は従来技術であり、光学特定システムを設計するための設計方法の側面を導入するためのインストラクションを含むシステムは従来技術ではなく、そのため図11は従来技術といえない。
【0088】
また、本発明は、演算装置に対して実行される場合に本発明に係る方法のいずれかの機能を提供するコンピュータプログラム製品を含む。このコンピュータプログラム製品は、プログラム可能なプロセッサにより実行される機械解読可能なコードを搬送するキャリヤーメディアに明白に具体化されていても良い。本発明は、そのため、演算手段に対して実行される場合上述の方法のいずれかを実行するための指示を与えるコンピュータプログラム製品を搬送するキャリヤーメディアに関する。「キャリヤーメディア」なる用語は、実行するためのプロセッサに対する指示を与えることに関与するいずれかのメディアを示す。このようなメディアは、以下に限定されないが非揮発性メディア及びトランスミッションメディアを含む多くの形態をとってもよい。非揮発性のメディアは、例えば大容量保存装置の一部である保存装置等の光ディスク若しくは磁気ディスクを含む。一般的な形式の機械解読可能なメディアには、CD-ROM、DVD、フレキシブルディスク若しくはフロッピディスク、テープ、メモリーチップ、カートリッジ若しくはコンピュータが解読可能な他のメディアが含まれていても良い。様々な形式の機械解読可能なメディアは、プロセッサを実行するための一連の1以上の指示を含んでいても良い。コンピュータプログラム製品は、LAN、WAN、若しくはインターネット等のネットワークにおけるキャリヤーウェーブを介して伝達される。伝達手段は、ラジオ波及び赤外線データコミュニケーションの間発生するもの等の音波若しくは光波の形態を取っても良い。伝達メディアは、同軸ケーブル、銅線、光ファイバーを含み、コンピュータ内のバスを包含するワイヤーを含んでいても良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射ビームを受光するために適用され、回折エレメント(104)及び検出器(106)と共に使用するために適用される光学エレメント(102)であって、
当該光学エレメント(102)は、第1サイドに、受光した照射ビームを屈折により平行化して回折エレメント(104)に入射させる屈折表面(108)を有し、
当該光学エレメント(102)は、回折エレメント(104)により回折された、平行化され回折された照射ビームを反射させ、検出器(106)に入射させる反射表面(110)を有し、
上記光学エレメント(102)は、光学エレメント(102)の同一サイドであって、上記第1サイドと反対サイドに配置された回折エレメント(104)及び検出器(106)のために適用されることを特徴とする光学エレメント(102)。
【請求項2】
上記光学エレメント(102)は、カタディオプトリックエレメントであることを特徴とする請求項1記載の光学エレメント(102)。
【請求項3】
上記光学エレメント(102)が、部分的に被覆されたレンズエレメントであって、当該コーティングは反射性であることを特徴とする請求項1又は2記載の光学エレメント(102)。
【請求項4】
上記屈折表面(108)及び上記反射表面(110)が、上記光学エレメントの同じサイドに形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学エレメント(102)。
【請求項5】
上記屈折表面(108)及び上記反射表面(110)が、光学エレメント(102)の同じ凸表面の一部であることを特徴とする請求項4記載の光学エレメント(102)。
【請求項6】
上記屈折表面(108)若しくは上記反射表面(110)の少なくとも一方が、上記反射表面(110)若しくは屈折表面(108)に鏡面部分を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学エレメント(102)。
【請求項7】
上記光学エレメント(102)が、平凸エレメントであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学エレメント(102)。
【請求項8】
上記光学エレメント(102)が、検出器により検出される入射された照射ビームの反射の回数が上記光学エレメント(102)内において2以下となるように適用されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光学エレメント(102)。
【請求項9】
上記光学エレメントが、第1の方向に関して、少なくとも部分的に並進的に不変であることを特徴とする請求項1〜8記載の光学エレメント(100)。
【請求項10】
材料を特定するための光学特定システム(100)であって、回折エレメント(104)、検出器(106)及び請求項1〜9のいずれかに記載の光学エレメント(102)を備える光学特定システム(100)。
【請求項11】
上記回折エレメント(104)及び検出器(106)が、光学エレメント(102)と接触していることを特徴とする請求項10記載の光学特定システム(100)。
【請求項12】
上記回折エレメント(104)の受光サイド及び検出器(106)の受光サイドが同じ平面に配置されていることを特徴とする請求項10又は11記載の光学特定システム(100)。
【請求項13】
光学特定システム(100)が、連続スペクトル若しくは準連続スペクトルを有する照射ビームを用いて適用されることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の光学特定システム(100)。
【請求項14】
上記回折エレメント(104)若しくは検出器(106)のいずれかが、光学エレメント(102)の表面に形成されていることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の光学特定システム(100)。
【請求項15】
上記光学エレメント(102)が、入射された照射ビームが、所定の角度で回折エレメント(104)に入射されるように適用され、
さらに、上記検出器(106)が、鏡面反射された0次オーダーの照射ビームを検出するために適用されることを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載の光学特定システム(100)。
【請求項16】
上記光学特定システム(100)が、複数のサンプルを並行して特定するために適用されるマルチチャンネル光学特定システムであることを特徴とする請求項10〜15のいずれかに記載の光学特定システム(100)。
【請求項17】
上記光学特定システム(100)の回折エレメント(104)が、光学特定システムの異なるチャンネルに共通の回折エレメント(104)であることを特徴とする請求項16記載の光学特定システム(100)。
【請求項18】
上記光学特定システム(100)の検出器(106)が、上記光学特定システムの異なるチャンネルに共通の検出器(106)であることを特徴とする請求項16又は17記載の光学特定システム(100)。
【請求項19】
上記光学特定システム(100)が、さらに、それぞれのチャンネルに対して、第2平凸レンズを備え、該第2平凸レンズは、当該チャンネルにおいて、第1平凸レンズが並進的に不変な方向に照射ビームをフォーカス若しくは平行化することを特徴とする請求項16〜18のいずれかに記載(これらが請求項8に従属する場合に限る)の光学特定システム(100)。
【請求項20】
上記光学特定システム(100)が、上記光学エレメントからある距離のところにサンプルを配置するためのサンプルホルダーを備え、
当該距離は、屈折表面の曲率半径の1倍から4倍の範囲にあることを特徴とする請求項15〜18のいずれかに記載の光学特定システム(100)。
【請求項21】
材料を光学的に特定するための方法であって、
照射ビームをある材料に照射して、照射レスポンスを発生させる工程と、
その後、上記光学エレメント(102)の第1サイドにおいてサンプルからの上記照射レスポンスを屈折させ、上記照射レスポンスを光学エレメント(102)内において平行化する工程と、
平行化された照射レスポンスを回折して、回折された照射レスポンスを発生させる工程と、
上記光学エレメント(102)において、回折された照射レスポンスを反射させ、反射された照射レスポンスを発生させる工程と、
上記光学エレメント(102)の第1サイドに対して反対側のサイドであって、上記光学エレメント(102)の上記照射レスポンスの回折と同じサイドにおいて、反射された照射レスポンスを検出する工程と、を備える方法。
【請求項22】
材料を特定するための光学特定システム(100)をコンピュータに基づいて設計する方法であって、
当該システム(100)は、回折エレメント(104)と、検出器(106)と、請求項1〜9のいずれかに記載された光学エレメント(102)と、を備え、
当該方法は、
上記光学エレメント(102)及び回折エレメント(104)についてのパラメータを受信する工程と、
上記回折エレメント(104)に対する上記光学エレメント(102)の少なくとも1つの相対ポジションに対して、上記光学エレメント(102)によりフォーカスされた照射ビームについてのフォーカスカーブ(606)の位置を検出する工程と、
上記光学エレメント(102)の、上記回折エレメント(104)と同じサイドに配置された検出器(106)の検出表面の位置に対して、上記フォーカスカーブ(606)の上記ポジションを評価する工程と、を備える方法。
【請求項23】
演算手段(500)に対して実行されるとき、請求項22記載のコンピュータに基づく設計方法を実行するために適用されるコンピュータプログラム製品。
【請求項24】
請求項23記載のコンピュータプログラム製品を保存する、機械解読可能なデータの保存装置。
【請求項25】
ローカルエリアテレコミュニケーションネットワーク若しくはワイドエリアテレコミュニケーションネットワーク上で、請求項23記載のコンピュータプログラム製品を伝達すること。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−544015(P2009−544015A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519753(P2009−519753)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【国際出願番号】PCT/BE2007/000083
【国際公開番号】WO2008/009074
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(509019015)トリネアン・ナムローゼ・フェンノートシャップ (2)
【氏名又は名称原語表記】Trinean NV
【Fターム(参考)】