説明

ゴムローラの製造方法

【課題】複数台の押出し機を使用することなく、圧力上昇やメッシュ破れを防止しつつ、押出し時に効果的に異物等を除去可能なゴムローラの製造方法を提供する。
【解決手段】芯金上にゴム弾性層が形成されたゴムローラの製造方法において、ゴム組成物をチューブ状に押し出す押出し工程と押し出されたゴム組成物を加硫してゴム弾性層を得る加硫工程とを有し、ゴム組成物の100℃におけるムーニー粘度が25以上70以下であり、押出し工程においてゴム組成物にJISG3556で規定された目開きのスクリーンメッシュA、スクリーンメッシュB及びスクリーンメッシュCをこの順に通過させ、スクリーンメッシュA、B及びCの目開きをそれぞれWA、WB及びWCとしたとき、WAが149μm以上500μm以下、WBが74μm以上149μm以下、WCが210μm以上、WA>WB、かつ、WC<3×WBである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンターおよびファクシミリ等に代表される電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置に使用される帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、紙送りローラ等のゴムローラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンター等に使用されるゴムローラには、例えば帯電ローラであれば、感光ドラムに均一に帯電させる為に、感光ドラムに対して均一なニップを確保する為、ゴム弾性層が用いられるのが一般的である。また、電気的な特性を得る為や、ゴム弾性層からの汚染性物質の移行防止の為、ゴム弾性層上にウレタン樹脂層等を設け、2層以上の構成にする場合が多い。
【0003】
上記ゴム弾性層の製造方法としては、原料を混練り分散させたゴム組成物を図1のような押出し機に投入して押出し、加硫して製造するのが一般的である。ゴム組成物は、投入口(a)からシリンダー内へ投入される。これを、ベント(b)にて水分等を除去した後、シリンダー先端に装着されたブレーカープレートcによって適度に背圧を高めることで圧力を安定化し、クロスヘッド(d)若しくはストレートヘッドにより所望の形状に成形される。ゴムローラの製造方法としては、ゴム組成物をチューブ状に押出し、加硫缶や熱風炉等で加硫した後、芯金に圧入する方法か、芯金とゴム組成物の同時押出しを行い、芯金上にゴム組成物を被覆した後、熱風炉等で加硫する方法が一般的である。その他、プレス加硫やインジェクション成形等によっても成形される。次に、軸受け部となる両端部のゴム弾性層を切断し、必要に応じて表面を研摩し、規定の寸法に形成する。更に、必要に応じて、ディッピングやロールコート等の塗工装置を使用し、表面層を設けることによってゴムローラを得る。
【0004】
上記ゴム組成物は、原料ポリマーにフィラーや加工助剤、老化防止剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤等の薬品を密閉式ミキサーやオープンロール等で混練り分散して製造される。上記電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置に使用されるゴムローラには、帯電ローラであれば均一帯電性を達成する為に、高い表面性が要求される。ゴム組成物中に約150μm以上の微小なフィラー凝集等の分散不良物や異物が存在した場合、表面性が悪化し、帯電不良等の不具合を引き起こす原因となることがある。表面を塗工する場合においても、基層表面に分散不良物や異物等が存在した場合、微小な凹凸やぬれの違いが影響してしまい、塗工不良を引き起こしてしまうことがある。特に、表面を研摩して形状を形成する場合、分散不良物等が直接表面に現れてしまう為、影響が大きい。
【0005】
上記問題を解決する為、混練り方法や混練り機等で高分散化を図っているが、分散不良物や異物を完全に無くすことは困難である。更に、混練り終了から成形までの保管時に、予期せぬ異物が紛れ込む可能性もある。
【0006】
押出し工程内で分散不良物等を取り除く為に、押出し機には、押出し機のブレーカープレート部(c)にスクリーンメッシュを取り付けられるようになっている。しかし、分散不良物等の除去効果を高める為にスクリーンメッシュの目開きを小さくした場合、押出し圧力が上がることで、押出しが困難になってしまうことがある。一方目開きを大きくした場合、除去効果が低くなってしまうことがある。特に、押出し機のシリンダー途中にベントを設け、そこから脱気することでゴム組成物中の水分等を除去しながら押出すベント式押出し機の場合、押出し圧力が上がっていくと、ベント(b)からゴム組成物が漏れ出すベントアップという現象が生じることがある。また、水分等の除去不足が起こり、ソリッドゴムでは残留水分等による発泡現象や、スポンジゴムについても発泡異常が起こることもあった。
【0007】
特許文献1には、高温、低温制御の2台押出し機を設けて、1台目を高温にすることにより材料を可塑化させ押出し圧力を上昇させずに目開きの小さいスクリーンメッシュを通すことで異物を除去し、2台目の低温制御の押出し機で成形する技術が開示される。しかしこの技術では、押出し機を2台用意しなければならない関係上、コスト高になってしまったり、装置の設置スペースがおおきくなってしまったりするという問題もある。
【特許文献1】特開昭63−209920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、複数台の押出し機を使用することなく、圧力上昇やメッシュ破れを防止しつつ、押出し時に効果的に分散不良物や異物等を除去可能なゴムローラの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明により、芯金上にゴム弾性層が形成されたゴムローラの製造方法において、
ゴム組成物をチューブ状に押し出す押出し工程と、該押出し工程で押し出されたゴム組成物を加硫してゴム弾性層を得る加硫工程とを有し、
該ゴム組成物の100℃におけるムーニー粘度(JISK6300−1 ML1+4)が25以上70以下であり、
該押出し工程において、該ゴム組成物にJISG3556で規定された目開きのスクリーンメッシュA、スクリーンメッシュBおよびスクリーンメッシュCをこの順に通過させ、
該スクリーンメッシュA、BおよびCの目開きをそれぞれWA、WBおよびWCとしたとき、
Aが149μm以上500μm以下、
Bが74μm以上149μm以下、
Cが210μm以上、
A>WB、かつ、
C<3×WB
であることを特徴とするゴムローラの製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、複数台の押出し機を使用することなく、圧力上昇やメッシュ破れを防止しつつ、押出し時に効果的に分散不良物や異物等を除去可能なゴムローラの製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明について詳しく説明する。
【0012】
本発明のゴムローラの製造方法は、芯金上にゴム弾性層が形成されたゴムローラの製造方法において、ゴム組成物をチューブ状に押し出す押出し工程と、該押出し工程で押し出されたゴム組成物を加硫してゴム弾性層を得る加硫工程とを有する。
【0013】
ゴム組成物はゴム弾性層を形成するための材料であり、加硫によってゴム組成物を硬化させることにより、ゴム弾性層を得ることができる。
【0014】
本発明でのゴム組成物とは、原料ゴムに、混練等により適宜各種配合剤が分散された状態のものをいう。各種配合剤は、ゴムローラに所望の性能や加工性を満足させる為に分散される薬品もしくは材料で、充填材や補強剤、軟化剤、可塑剤、加硫反応に用いられる薬品等である。
【0015】
例えば、充填材としては炭酸カルシウム、クレー等、補強剤としてはカーボンブラックやシリカ等が挙げられる。軟化剤、可塑剤としては、パラフィンオイルやポリエステル系の可塑剤が挙げられる。加硫反応に用いられる薬品としては、硫黄やチアゾール系の加硫促進剤等が挙げられる。また、老化防止剤や加工所剤等その他の薬品についても、目的に応じて、適宜使用できる。
【0016】
ゴム弾性層は、前述のゴム組成物に熱等を加えることにより、加硫反応を起こさせ、弾性体としたものである。熱等を加える方法としては、熱風、マイクロ波、水蒸気等が挙げられる。
【0017】
押出し工程では、ゴム組成物を単独でチューブ状に押出してもよい。これを加硫した後、加硫したチューブを芯金に圧入してゴムローラとすることができる。あるいは、押出し工程において、芯金とゴム組成物を同時に押出し、芯金の周囲をチューブ状ゴム組成物によって被覆することもできる。これを加硫することで、ゴムローラを得ることができる。
【0018】
本発明では、図2に示すように、ゴム組成物が通過する順に、スクリーンメッシュA(h)、スクリーンメッシュB(i)、スクリーンメッシュC(j)の三つのスクリーンメッシュを少なくとも用いる。Aの目開きWAは149μm以上500μm以下、Bの目開きWBは74μm以上149μm以下、Cの目開きWCは210μm以上の組合せで重ねられる。ただし、WA>WB、WC<3×WBを満足していなければならない。
【0019】
これらの目開きや線径の基準は、JISG3556を基準とするものである。
【0020】
異物等を取る為のスクリーンメッシュはBであり、3枚のなかで最も目開きの小さいメッシュが用いられる。スクリーンメッシュBの目開きWBは、異物等の除去対象物の大きさにより、74μm以上149μm以下で選択される。ゴム組成物は粘度が高いが、目開きWBを74μm以上とすれば、ゴムが通過し難くなり圧力の上昇やベントアップが起こり押し出しに支障をきたすことを防止できる。また、目開きWBが149μmより大きい場合は、スクリーンメッシュ自体の強度が増す為、本発明のようなスクリーンメッシュの組合せを用いることなく使用が可能である。目開きが大きい程、スクリーンメッシュに用いるステンレス線等の径が太くなる為である。
【0021】
スクリーンメッシュAの目開きWAは149μm以上500μm以下とする。但し、目開きWAはスクリーンメッシュBの目開きWBより大きくなければならない。スクリーンメッシュAは、補強による効果の他、スクリーンメッシュBで除去するよりも大きい異物を除去したり、ゴム組成物が直接スクリーンメッシュBに当たる割合を減らし、変形等を防いだりしている。目開きWAを149μm以上とすれば、補強効果に優れる。WAを500μm以下とすれば、スクリーンメッシュBへ大きな異物やゴム組成物が直接当たる割合が大きくなりスクリーンメッシュBが変形等不具合を起こすことを防止できる。また、前述のように、本発明では主な異物をスクリーンメッシュBにより除去している為、スクリーンメッシュBより目開きが小さいものはスクリーンメッシュAに適さない。
【0022】
スクリーンメッシュCの目開きWCは210μm以上であり、WC<3×WBを満足しているものである。スクリーンメッシュCの目的は、スクリーンメッシュ全体の強度を上げることと、スクリーンメッシュBの変形を防止し、破れを防止することである。スクリーンメッシュA、Bは、押出されるゴム組成物に押され、凸状に変形され、更に負荷が大きくなった場合、二つのスクリーンメッシュだけでは破れてしまう。WCを3×WB未満とすれば、スクリーンメッシュBとCとの目開きの差が大きくなりスクリーンメッシュCの目開きの中でスクリーンメッシュBが変形し破れてしまうことを防止できる。また、目開きWCを210μm以上とすれば、ゴム組成物が通過し難くなり圧力上昇等の不具合が起こることを防止できる。
【0023】
スクリーンメッシュA、BおよびCの他、主に補強を目的として更にメッシュを重ねることも可能であるが、その場合、圧力上昇を抑制する観点からスクリーンメッシュAおよびCよりも目開きの大きいものを重ねることが好ましい。
【0024】
スクリーンメッシュの線材質は、スクリーンメッシュに用いられる公知の材質から適宜選ぶことができる。ステンレス線、鉄線、ピアノ線等が用いられる。また、線の織り方も限定されない。平織、綾織、畳織等、任意のものが使用できる。
【0025】
本発明のスクリーンメッシュは、すくなくとも、AとBもしくはBとCが焼結により一体化されているとより好ましく利用できる。一体化されることにより、補強効果が得られ、メッシュ全体の変形が抑えられるからである。もちろん、全てのメッシュが焼結により一体化されていることにより、補強効果が高まり、さらに好ましく利用できる。
【0026】
本発明で製造されるゴムローラは、押出し工程を経て加硫されたゴム弾性層が形成されているゴムローラであれば得に限定されるものではないが、ゴム弾性層が研磨により形状を形成しているものである場合、より効果的である。ゴム弾性層中に異物等があった場合、研磨によりその異物が露出してしまうことがあるが、本発明によって異物等が効果的に除去されるからである。
【0027】
また、ゴム弾性層がソリッドゴムである場合、本発明は更に効果的である。ソリッドゴムはスポンジゴムに比べ、より滑らかな表面性を要求されるからである。
【0028】
本発明で使用するゴム組成物の粘度は、100℃のムーニー粘度(JISK6300−1 L型ローター、予熱1分、ローター回転後4分後の値)で25以上70以下のものが用いられる。25より低粘度の場合は、メッシュに対する負荷が小さく本発明を適用する必要が無くなり、70より大きい場合は、メッシュに対する負荷が大きすぎ、本発明には適さない。
【0029】
本発明で使用する押出し機も特に限定されるものではない。押出し量に応じて、例えばシリンダー径40mmから90mmまでのものが用いられる。押出し条件も適宜の設定が可能である。
【0030】
芯金としては、ゴムローラの芯金として公知のものから適宜選んで用いることができる。
【0031】
本発明によれば、ゴム組成物中に微小な分散不良物や異物等が存在していたとしても、押出し工程内で効率的かつ圧力上昇等製造工程に不具合を起こすことなく除去することが可能であり、優れた表面性のゴムローラを製造することが可能となる。
【実施例】
【0032】
以下、具体的に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0033】
〔実施例1〕
表1に示す配合をニーダーで混練りしてゴム組成物を得た。混練りする際、分散不良が起き易いように、可塑剤中に炭酸カルシウム、カーボンブラックを投入した後、混練りした。そうして得られたゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4、100℃)を測定したところ、45であった。
【0034】
図1に示す構造を有する押出し機を用いてゴムローラの成形を行った。図2に示すように、この装置のブレーカープレート(c)のシリンダー側に表2に示す目開きを有するスクリーンメッシュA(h)、同B(i)および同C(j)を重ねて装着した。なお、これらスクリーンメッシュは一体化されていないものとした。
【0035】
押出し機のシリンダーは長さ70mm、内径20mmであった。尚、ブレーカープレートには直径4mmの穴が同心円状に多数開けられている。
【0036】
上記ゴム組成物をこの押出し機の投入口(a)に投入し、脱気用ベント(b)から脱気しつつ、シリンダから直径10mmのダイスを装着したクロスヘッド(d)にゴム組成物を供給した。同時にクロスヘッドに芯金(f)を供給し、芯金にゴム組成物を被覆し、チューブ状のゴム組成物によって芯金が被覆された未加硫ローラ(g)を得た。押出し機の各温調は75℃、スクリュー回転数は6rpmに調整した。
【0037】
未加硫ローラを170℃で30分加硫し、直径9.6mmのゴムローラを得た。
【0038】
加硫後のゴムローラは、ゴム長220mmとなる様に芯金両端部のゴムを除去し、直径8.5mmまで研磨した。
【0039】
このようにしてゴムローラを3本製造した。それぞれのゴムローラについて、全研磨面を光学顕微鏡により50倍に拡大し、150μm以上の異物を観察した。
【0040】
また、圧力の影響を確認する為、押出し20分後の圧力を記録した。脱気不足を防止し、残留水分等によるボイド発生を防止する観点から、押出し圧力は低いことが好ましい。押出し圧力は、シリンダー先端のブレーカープレート付近に圧力計(e)を挿入し、測定した。
【0041】
ゴムローラ製造終了後、押出し機からスクリーンメッシュを外し、スクリーンメッシュの変形と破れの有無を確認した。
【0042】
結果を表2に示す。スクリーンメッシュに若干変形がみられたが、破れは無かった。押出し圧力は18.0MPaであり、異物等は観察されなかった。
【0043】
表2中の焼結とは、A及びBを焼結処理したものである。破れについては、Bのメッシュの線の破断の有無を拡大して確認した。変形とは、ブレーカープレートの穴によりメッシュが凸状に変形しているか否かを目視で観察した。異物については、ローラを3本観察した合計を記載して評価している。
【0044】
〔実施例2〜4〕
それぞれ表2に示すスクリーンメッシュを用いたこと以外は実施例1と同様にしてゴムローラを製造し、評価した。結果を表2に示す。
【0045】
〔実施例5〕
表2に示すスクリーンメッシュを用いた。スクリーンメッシュAおよびBは焼結により一体化されたものとした。
【0046】
それ以外は実施例1と同様にしてゴムローラを製造し、評価した。結果を表2に示す。スクリーンメッシュの変形も観察されなかった。
【0047】
〔比較例1〜4〕
それぞれ表2に示すスクリーンメッシュを用いたこと以外は実施例1と同様にしてゴムローラを製造し、評価した。結果を表2に示す。
【0048】
いずれの比較例においても、異物が確認されたが、確認されたものは、主に炭酸カルシウムの分散不良物であった。
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】

【0051】
実施例1ないし実施例4より、スクリーンメッシュAの目開きWAが149μm以上500μm以下、Bの目開きWBが74μm以上149μm以下、Cの目開きWCが210μm以上でかつWA>WB、WC<3×WBの場合、ローラ中の異物が無い。従ってこの場合、効果的に異物が除去されていることがわかる。また、押し出しの過程でメッシュが破れたりすること無く、押出し圧力も低く好ましい。
【0052】
スクリーンメッシュを焼結していない実施例1ないし実施例4と焼結により一体化させた実施例5から、スクリーンメッシュを焼結により一体化することにより、メッシュの変形も抑えられ、より好ましいことがわかる。
【0053】
比較例1は実施例1に対し、また比較例2は実施例3に対し、スクリーンメッシュCの目開きを大きくWC>3×WBにしたものである。スクリーンメッシュCが大きくなることにより、メッシュに破れが生じ、異物が除去され難くなることがわかる。
【0054】
比較例3は実施例1に対し、スクリーンメッシュA、Cの目開きを小さくしたものである。目開きが小さくなることにより、圧力が上がり、メッシュにも破れが生じていることがわかる。ゴム組成物がメッシュを通過し難くなったことにより、圧力上昇、メッシュ破れが生じているものと考えられる。
【0055】
比較例4は、スクリーンメッシュBの目開きを74μmより小さくし、A>B,C<3×Bを満足させたものである。これにより、スクリーンメッシュBの目開きは、74μm以上がよいことがわかる。比較例3と同様、圧力が上昇し、メッシュに破れが生じた結果、異物が除去され難くなったことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明のゴムローラの製造方法において用いることができる押出し機の一例の模式図である。
【図2】本発明のゴムローラの製造方法において用いることのできるスクリーンメッシュの取付け状態を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0057】
a‥投入口
b‥脱気用ベント
c‥ブレーカープレート
d‥クロスヘッド
e‥圧力計
f‥芯金
g‥ゴムに被覆された芯金(未加硫ローラ)
h‥スクリーンメッシュA
i‥スクリーンメッシュB
j‥スクリーンメッシュC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯金上にゴム弾性層が形成されたゴムローラの製造方法において、
ゴム組成物をチューブ状に押し出す押出し工程と、該押出し工程で押し出されたゴム組成物を加硫してゴム弾性層を得る加硫工程とを有し、
該ゴム組成物の100℃におけるムーニー粘度(JISK6300−1 ML1+4)が25以上70以下であり、
該押出し工程において、該ゴム組成物にJISG3556で規定された目開きのスクリーンメッシュA、スクリーンメッシュBおよびスクリーンメッシュCをこの順に通過させ、
該スクリーンメッシュA、BおよびCの目開きをそれぞれWA、WBおよびWCとしたとき、
Aが149μm以上500μm以下、
Bが74μm以上149μm以下、
Cが210μm以上、
A>WB、かつ、
C<3×WB
であることを特徴とするゴムローラの製造方法。
【請求項2】
前記スクリーンメッシュAおよびBが、焼結により互いに一体化されたものである請求項1に記載のゴムローラの製造方法。
【請求項3】
前記ゴム弾性層を研摩する工程をさらに有する請求項1または2記載のゴムローラの製造方法。
【請求項4】
前記ゴム弾性層がソリッドゴムである請求項1から3の何れか一項記載のゴムローラの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−116642(P2008−116642A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−299098(P2006−299098)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(393002634)キヤノン化成株式会社 (640)
【Fターム(参考)】