説明

サバイビン発現の刺激による抗老化美容ケアの方法

【課題】表皮の基底層の幹細胞におけるサバイビン発現を活性化又は刺激させることにより皮膚加齢の徴候の出現を予防又は遅延し、又はそれを治療することが可能となる化粧品組成物の提供。
【解決手段】フォルスコリン又はフォルスコリンを含有する抽出物、特に、コレウス・フォルスコリ(Coleus forskolii)の抽出物、レペチニア・カウレセンスの抽出物、リムノフィラ・コンフェルタの抽出物、ダニエリア・オリベリの抽出物、イシクラゲの抽出物、スセネデスムス・ジモルファスの抽出物、ウコンの抽出物及びサフランの抽出物から構成される群から選択されるものを含有する化粧品組成物。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、サバイビン発現の刺激による抗老化美容ケアの方法に関する。
より具体的には、本発明の主題は、皮膚においてサバイビン発現を刺激する、特に植物由来の分子又は抽出物、化粧品組成物又は皮膚科用組成物中の活性剤としてのその使用、及び前記組成物を用いる美容ケアの方法又は皮膚科的治療法である。
【0002】
〔技術的背景〕
アポトーシスは、断片化による、生物の特定の細胞の排除の能動的な生物学的過程である。
【0003】
それは、遺伝制御下の生物学的組織レベルでの細胞のプログラムされた排出に相当する。排出は自然なものである場合も(組織における余剰な細胞)、又は種々の形のストレスによって誘導される場合もある。
【0004】
アポトーシスの生物学的カスケードは、公知であり、カスパーゼ、特に、アポトーシスプログラムを実行するエフェクターカスパーゼ3又は7並びにそれを誘発する開始カスパーゼ8及び/又は9などのいくつかのエフェクターを用いる。
【0005】
特定の数のアポトーシス阻害剤も知られており(Deverauxら、Genes Dev、13(1999)、239〜252頁)、その中にサバイビンがある。したがって、これらの阻害剤は、細胞生存を調節し、ひいては、生物学的組織における細胞ホメオスタシスに関与する。
【0006】
IAP(アポトーシスタンパク質の阻害剤)ファミリーの唯一のメンバーであるサバイビンは、細胞のアポトーシスのバランスをとることもでき、その細胞周期を調節することもできる二機能性タンパク質である。
【0007】
サバイビンは、特に、特定のカスパーゼ、特に、カスパーゼ3、7及び9の活性化を阻害する。
【0008】
このタンパク質は、強力に増殖する胚組織において発現されるが、成体の分化した組織では、生理学的細胞再生を有する組織及び/又は修復プロセスに関与する組織において以外は発現されない。したがって、皮膚レベルでは、このタンパク質は、表皮の基底層のケラチノサイトにおいて最も著しく発現され、後者の形成及び再生を提供する。
【0009】
表皮幹ケラチノサイトが見られるのは、この基底層においてであり、これらは、この組織の新生に対して高い可能性を有する細胞であり、完全な表皮の形成において最も有効であると実証されている(JL Xieら、J Plast Reconstr.Aesthet.Surg.2007年、60(9)、983〜90頁)。
【0010】
今では、サバイビンは、表皮の幹細胞において主に発現されることがわかっている(Marconi A、Dallaglio K、Lotti R、Vaschieri C、Truzzi F、Fantini F、Pincelli C、Stem Cells 2007年、25、149〜155頁)。
【0011】
逆に、サバイビンの過剰発現は、紫外照射に対する曝露後の表皮におけるアポトーシス細胞数の相当な減少を示す(Grossmanら、2001年、J Clin Invest 108、991〜999頁)。
【0012】
β−1インテグリンの不活性化は、サバイビンの細胞発現を完全に無効にし(Marconi Aら、Stem cells 2007年、25、149〜155頁)、細胞をアポトーシスへと導くことも実証されている。
【0013】
β−1インテグリンは、それを介して、表皮基底層のケラチノサイトが、皮膚−表皮接合部のタンパク質と接着する接着タンパク質である。
【0014】
β−1インテグリンは、表皮の幹細胞によって最も強力に発現され(P.Jones、Cell 1993年、73、713〜724頁、Kaur J Invest Dermatol 2006年、126、1450〜1458頁)、このことは、これらの細胞におけるサバイビンの強力な発現の観察結果を裏付けるものである。
【0015】
今では、加齢の間に、ケラチノサイトにおける(B Le Varletら、J Investig Dermatol Symp Proc.1998年、3、172〜179頁)及び光に曝露されたしわの多い皮膚領域における(S Bossetら、British J Dermatol 2003年、148、7770〜778頁)β−1インテグリンの発現の低下が観察されている。
【0016】
したがって、表皮の基底細胞におけるサバイビンの維持を確実にするタンパク質が、加齢に伴って減少し、並行して、アポトーシスに対するこれらの細胞の感受性の増大及び循環細胞の減少が観察され(Zulianiら、J.Invest.Dermatol.2004年、123、2、A50、302)、これらの観察結果が、加齢した皮膚におけるサバイビン欠乏の可能性を示すように集中している。
【0017】
サバイビンは、そのアポトーシス調節の役割のほかにも、有糸分裂の際に染色体を細胞骨格と協調させる「染色体パッセンジャー複合体」の成分として同定されており(Vaderら、EMBO reports、2006年、7、1、85〜92頁)、したがって、サバイビンは、正常な細胞分裂において必須の役割を果たし、この分裂は、加齢の間に損なわれ、結果として、表皮の再生が少なくなり、薄くなり、しわが発生する。
【0018】
したがって、サバイビンは、生存の、及びケラチノサイトの抵抗性のレギュレーターであり、幹細胞を含む、表皮の基底層に位置するケラチノサイトのアポトーシスの感受性を調節することによって作用する。また、サバイビンは、表皮の再生及び新生能力も調節する。
【0019】
したがって、サバイビンは、表皮の細胞ストックを残し、効率的な表皮細胞再生を維持することが可能である。
【0020】
〔先行技術〕
文書国際公開第2006/069192号パンフレット(GILLETTE Co)は、毛髪及び体毛増殖減少効果のための、サバイビン阻害剤の化粧品における使用を開示している。
【0021】
今日までに、皮膚科又は化粧品において使用するための、サバイビン発現刺激剤として作用する化合物は記載されていない。
【0022】
本発明の発明者らは、単離された分子又は抽出物、より具体的には、植物由来の材料から得られた抽出物が、正常ヒトケラチノサイト培養物においてサバイビン発現を刺激することを実証した。
【0023】
したがって、これらの活性剤は、ヒト表皮の新生細胞、最も具体的には、表皮の基底層の幹細胞に関して保護的役割を果たす。
【0024】
これらの分子又は抽出物は、特に、皮膚加齢の徴候の出現の予防若しくは遅延又はその効果の減少を目的として、又は細胞若しくは組織寿命を促進することを目的として、損傷を受けた表皮の再構築並びにまた、正常皮膚における皮膚創傷及び治癒しにくい潰瘍性創傷の治癒の促進を目的として、脱毛の予防若しくは減速を目的として、毛髪の再成長若しくは毛髪強化の促進を目的として、化粧品組成物又は皮膚科用組成物における活性剤として、治療目的のための、例えば、移植における、培養表皮(再構築された表皮)の製造を目的としたin vitro細胞培養の延長のための、又は治療若しくは研究目的のためのin vitroでの表皮の幹細胞若しくは毛嚢の精製集団の維持においてアジュバントとして使用できる。
【0025】
〔発明の目的〕
本発明の主目的は、皮膚においてサバイビン発現を刺激する、特に植物由来の分子又は抽出物、化粧品組成物又は皮膚科用組成物中の活性剤としてのその使用、及び前記組成物を用いる美容ケアの方法又は皮膚科的治療法を提供することである。
【0026】
本発明の主目的はまた、皮膚におけるサバイビン発現の刺激による抗老化美容ケアの方法を提供することである。
【0027】
本発明の主目的は、化粧剤又は皮膚病薬としての、化粧品上又は皮膚科上許容される分子又は植物から得られた分子若しくは植物抽出物の使用を提案することである。
【0028】
本発明の目的はまた、
a)皮膚加齢の徴候の出現を予防若しくは遅延し、又はその効果を減速するため、及び/又は、
b)特に紫外線照射によって損傷を受けた場合の、表皮若しくはその角質層を再構築するため、及び/又は、
c)特に、脱毛症の場合において、脱毛を予防若しくは減速するために、又は毛髪の再成長を加速若しくは促進するために、又は脆弱毛を強化するために、毛周期の機能を回復させるため、及び/又は、
d)爪の成長を促進する、及び/又はその強度を強化するための、
化粧剤若しくは皮膚病薬としての、又は化粧品組成物若しくは皮膚科用組成物中の活性剤としての、前記分子又は前記抽出物の使用、及び前記組成物を用いる美容ケアの方法若しくは皮膚科的方法である。
【0029】
本発明の主目的はまた、特に、上記に示される美容ケア又は皮膚科的ケアの種類を実施するための、化粧品上許容される植物抽出物を用いる美容ケアの方法を提供することである。
【0030】
最後に、本発明の主目的は、基礎的研究の目的のため、又は例えば、やけど若しくは治癒しにくい潰瘍性創傷後の移植の場合における、治療目的のための、培養表皮、例えば、再構築された表皮の製造の目的のための、幹細胞及び/又は高いクローン形成能を有する細胞のin vitro培養法を提供することであり、これは、植物から得られた前記細胞培養物に関して許容される植物抽出物の使用を含む。
【0031】
〔発明の説明〕
本発明の第1の主題は、皮膚加齢の徴候の出現を予防若しくは遅延し、又はその効果を低減するための美容ケアの方法であり、前記方法は、顔面又は身体の皮膚の少なくとも一部への、皮膚におけるサバイビン発現を活性化又は刺激する少なくとも1種の化粧品上許容される作用剤の有効量の送達を含むことを特徴とする。
【0032】
本発明の第1の実施形態によれば、前記美容ケアの方法は、表皮の、特に、しわのくぼみにおける細胞の再高密度化という現象によって、及びその再生の加速又は維持によって抗しわ効果を得ることを目的とした、皮膚加齢の徴候を示しているか、示す傾向がある顔面又は身体の皮膚の少なくとも一部への、その活性剤の1種として、サバイビン発現を活性化又は刺激する少なくとも1種の作用剤を含む化粧品組成物の塗布を含む。
【0033】
本発明の別の実施形態によれば、前記美容ケアの方法は、表皮の基底レベルのケラチノサイトの抵抗性を強化して、この日光に対する曝露に起因する基底レベルで細胞喪失を低減し、このようにして、紫外線による老化を抑えるための、顔面又は身体の皮膚の少なくとも一部の日光に曝露された皮膚の領域への、その活性剤の1種として、サバイビン発現を活性化又は刺激する少なくとも1種の作用剤を含む組成物の塗布を含む。
【0034】
本発明の第2の主題は、特に紫外線照射によって損傷を受けた表皮又はその角質層を再構築するための美容ケアの方法に関し、前記方法は、顔面又は身体の皮膚の少なくとも一部への、皮膚におけるサバイビン発現を活性化又は刺激する少なくとも1種の化粧品上許容される作用剤の有効量の送達を含むことを特徴とする。
【0035】
前記方法は、皮膚の治癒を加速又は促進することを目的とした、顔面又は身体の皮膚の損傷を受けた領域の少なくとも一部への、その活性剤の1種として、サバイビン発現を活性化又は刺激する少なくとも1種の作用剤を含む化粧品組成物又は皮膚科用組成物の塗布を含む。
【0036】
本発明の第3の主題は、特に、脱毛症の場合において、脱毛を減速又は予防するために、毛髪の再成長を促進若しくは加速するために、又は脆弱毛を強化するために、毛周期の機能を回復させることを目的とした美容ケアの方法に関し、前記方法は、頭皮の少なくとも一部への、皮膚におけるサバイビン発現を活性化又は刺激する少なくとも1種の化粧品上許容される作用剤の有効量の送達を含むことを特徴とする。
【0037】
本発明の一変法によれば、前記ケア方法は、所望の効果を得ることを目的とした、頭皮の皮膚の少なくとも一部への、その活性剤の1種として、サバイビン発現を活性化又は刺激する少なくとも1種の作用剤を含む化粧品組成物の塗布を含む。
【0038】
本発明の第4の主題は、爪の成長の促進及び/又はその強度の強化のための美容ケアの方法に関し、前記方法は、爪又は周囲の領域の少なくとも一部への、サバイビン発現を活性化又は刺激する少なくとも1種の化粧品上許容される作用剤の有効量の送達を含むことを特徴とする。
【0039】
本発明の実施形態の一変法によれば、前記方法は、所望の効果を得ることを目的とした、爪又は周囲の領域への、その活性剤の1種として、サバイビン発現を活性化又は刺激する少なくとも1種の作用剤を含む化粧品組成物の塗布を含む。
【0040】
本発明の第5の主題は、基礎的研究、又は例えば、やけど若しくは治癒しにくい潰瘍性創傷後の移植の場合における、治療目的のための、培養表皮、例えば、再構築された表皮の製造の目的のための、幹細胞及び/又は高いクローン形成能を有する細胞のin vitro培養のための方法に関し、培養培地への、培養において前記細胞を維持するためにサバイビン発現を活性化又は刺激する作用剤の有効量の添加を含むことを特徴とする。
【0041】
サバイビン発現を活性化又は刺激する、本発明の化粧品上又は皮膚科上許容される活性剤は、精製された分子であってもよく、天然又は合成由来のものであってもよく、又は植物、無機物若しくは動物由来の出発材料からの抽出方法の生成物であってもよい。
この活性剤は、特に、抽出物又は精油であり得る。
【0042】
本発明の特定の一実施形態によれば、サバイビン発現を刺激する活性剤は、フォルスコリン又はそれを含有する抽出物、特に、コレウス・フォルスコリ(Coleus forskolii)の抽出物である。
【0043】
したがって、本発明はまた、皮膚加齢の徴候の出現を予防若しくは遅延し、又はそれを治療するための、フォルスコリン又はそれを含有する抽出物の、化粧剤としての使用を対象とする。
【0044】
抽出生成物によってサバイビン発現の刺激の所望の効果を得ることが可能になるその他の植物種は、より具体的には、イシクラゲ(Nostoc commune)、スセネデスムス・ジモルファス(Scenedesmus dimorphus)、ウコン(Curcuma longa)、サフラン(Crocus sativus)、ダニエリア・オリベリ(Daniellia oliveri)、レペチニア・カウレセンス(Lepechinia caulescens)及びリムノフィラ・コンフェルタ(Limnophila conferta)を含む群から選択される。
【0045】
本発明の活性剤は、単一の植物種からであっても、又は同一属若しくは異なる属に属する植物種の混合物から形成される植物材料から得られる植物抽出物であってもよく、新たに収穫されたものであっても乾燥状態のものであってもよい。
【0046】
前記植物抽出物は、当業者に公知の任意の抽出法によって、特に、以下に、また、実施例2及び3においても記載される抽出法を実施することによって得ることができる。
【0047】
抽出物を調製するために用いられる植物材料は、全植物体であってもよく、植物体の一部、例えば、根、根茎又は地上部、特に、茎、葉、花、種子若しくは花芽であってもよい。
【0048】
抽出ステップ自体に先立って、植物材料を乾燥及び/又は粉末にしてもよい。抽出の1つの好ましい実施形態によれば、植物材料は、乾燥及び粉末にされた状態である。
【0049】
抽出物は、当業者に公知の種々の抽出法によって調製してよい。
【0050】
しかし、抽出は、具体的には、選択された植物材料を極性溶媒又は極性溶媒の混合物と接触させることによって、実施される。
【0051】
本発明によれば、表現「極性溶媒」は、溶媒が4の値以上の極性指数値P’を有することを示す。極性指数は、(可溶性及び状態の変化の)熱力学的値に基づいて算出された値であり、多かれ少なかれ分子の極性性質を示す。溶媒の極性指数については、参照により本願に含まれる、L.R.SNYDERによる論文、Classification of the solvent properties of common liquids、Journal of Chromatography、92(1974年)、223〜230が参照される。
【0052】
抽出ステップに使用できる極性溶媒又は極性溶媒の混合物として、水、好ましくは、エタノール又はブタノールから選択されるC〜Cアルコール、好ましくは、グリセロール、ブチレングリコール及びプロピレングリコールから選択されるグリコール並びに任意の割合のそれらの混合物から選択される溶媒が選択されることが有利である。
【0053】
本発明の好ましい一実施形態によれば、植物種コレウス・フォルスコリ、イシクラゲ、スセネデスムス・ジモルファス、ウコン、サフラン、ダニエリア・オリベリ、レペチニア・カウレセンス及びリムノフィラ・コンフェルタから得られる抽出物は、水、C〜Cアルコール、特に、エタノール又はブタノール、グリセロール、ブチレングリコール及びプロピレングリコールから選択されることが好ましいグリコール及びそれらの混合物から選択されることが有利である極性溶媒又は極性溶媒の混合物をベースとする抽出物である。
【0054】
好ましい混合物は、少なくとも1種のアルコール及び水の、又は少なくとも1種のグリコール及び水の混合物であって、少なくとも10%v/vのアルコール又はグリコールを含み、残部が水で構成されている。
【0055】
これらの植物種から抽出する方法の好ましい一実施形態によれば、抽出ステップ自体は、熱還流によって少なくとも30分間実施される。
【0056】
抽出はまた、植物材料又は植物抽出物の部分若しくは完全変色すること又は精製することを目的とした、その処理を含むさらなるステップを場合により含んでなってもよい。この変色ステップは、例えば、植物材料の、又は抽出物の、無極性溶媒若しくは無極性溶媒の混合物の溶液での処理、又は抽出物を活性炭の粒子と接触させることからなる処理、或いは、COを未臨界状態で用いる処理を含む場合もある。
【0057】
抽出は、抽出溶媒の部分又は全排除のステップによって完了してもよい。第1の場合では、抽出物は、通常、相当な量の有機溶媒を欠く水性濃縮物が得られるまで濃縮され、第2の場合では、乾燥残渣が得られる。或いは、抽出ステップの生成物は、粉末の形であるよう凍結乾燥又は微粉化されてもよい。
【0058】
粉末は、本発明の化粧品組成物又は皮膚科用組成物中でそのままに使用してもよく、又は溶媒若しくは溶媒混合物中に再分散してもよい。
【0059】
通常、抽出ステップの生成物は、本発明の化粧品組成物又は皮膚科用組成物中で活性剤として使用されるよう、溶媒又は溶媒混合物中に溶解又は分散してもよい。抽出物が溶解又は分散される溶媒又は溶媒混合物は、抽出に使用されたものと同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0060】
本発明の抽出物はまた、多孔性又は無孔性ナイロン粉末及びマイカ又は任意の層状鉱物から選択されることが有利である支持体に吸着されてもよい。この場合には、用いられる抽出物は、水性抽出物であることが好ましい。
【0061】
本発明の実施形態の一変法によれば、サバイビン発現を活性化又は刺激する作用剤は、その活性剤の1種として前記のサバイビン発現を刺激する作用剤を含有し、また、少なくとも1種の化粧品上許容される賦形剤も含む化粧品組成物の形で、身体の若しくは顔面の皮膚、又は表面的な身体の腫瘍へのこの組成物の塗布によって局所送達される。
【0062】
本発明の化粧品組成物又は皮膚科用組成物は、所望の効果を得るための、本発明の抽出物の有効量を含む。
【0063】
本発明の任意の態様について、用語「有効量」は、
a)皮膚加齢の徴候の出現を予防若しくは遅延し、又はその効果を減速するため、及び/又は
b)特に紫外線照射によって損傷を受けた場合に、表皮若しくはその角質層を再構築するため、及び/又は
c)特に、脱毛症の場合において、毛周期の機能を回復させるために、脱毛を減速若しくは予防し、毛髪の再成長を加速若しくは促進するために、又は脆弱毛を強化するため、及び/又は、
d)爪の成長を促進する、及び/又はその強度を強化するため、
e)幹細胞及び/又は高クローン形成能を有する細胞を、培養で維持し、これらの培養を、良好な条件下での培養を実施するのに、また、必要な場合には表皮の製造を実施するのにも十分な一定期間保存するのを可能にするために、
必要な量と少なくとも同等である量を意味するよう意図される。
【0064】
実際、この量は、当業者によって容易に決定できる。例として、組成物又は培養倍地中の、サバイビン産生を活性化及び/又は刺激する作用剤の濃度は、0.001重量%〜5重量%となると示すことができる。
【0065】
培養培地は、培養培地の重量で0.01%〜3%の、サバイビン産生を活性化及び/又は刺激する作用剤を含むことが好ましい。
【0066】
本発明の化粧品組成物又は皮膚科用組成物は、1%〜3%の、サバイビン産生を活性化及び/又は刺激する作用剤を含むことが有利である。
【0067】
本発明の化粧品組成物又は皮膚科用組成物はまた、1種又は複数のその他の化粧品上又は皮膚科上許容される薬剤を含む場合もある。
【0068】
実施例1〜3において実施され、報告された具体的な試験によって実証されるように、本発明の化粧剤又は皮膚病薬は、特に、予期しないことに、表皮の基底層の幹細胞におけるサバイビン発現を刺激することによって有効である。
【0069】
本発明者らによって実施された試験によって、本発明のサバイビン発現を刺激する化粧用又は皮膚科用活性剤の特性はまた、前記作用剤を、本発明の抽出物と同様の及び/又は補完的な美容効果を有するその他の活性剤と組み合わせた化粧品組成物又は皮膚科用組成物において、得られる又は改善され得ることも示された。
【0070】
本発明のサバイビン発現を刺激する化粧用又は皮膚科用活性剤の活性化有効性は、表皮ケラチノサイトのβ−1インテグリンなどの接着タンパク質の発現を、及びこれらの細胞の接着自体を刺激する分子又は抽出物(アスパラギン酸マグネシウム、マンガン塩及び誘導体)、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸のひと続きなどのインテグリンによって認識される特定のペプチド、又はKGFなどの特定の増殖因子によって改善されることが特に有利である。
【0071】
本発明のサバイビン発現を刺激する化粧用又は皮膚科用活性剤の活性化有効性はまた、cAMPを分解するホスホジエステラーゼを阻害する分子又は抽出物、例えば、メチルキサンチン、特に、カフェインによって改善され、これによって細胞内cAMPレベルの増大がもたらされることも有利であり得る。
【0072】
本発明の化粧品組成物又は皮膚科用組成物はまた、皮膚美白活性を有する物質、減量活性を有する物質、水分を補給する活性を有する物質、鎮静、鎮痛又は弛緩活性を有する物質、皮膚の微小循環を刺激して、肌の色の、特に、顔の輝きを改善する活性を有する物質、脂性の皮膚のケアのための皮脂調節活性を有する物質、皮膚を洗浄又は浄化する物質、フリーラジカル捕捉活性を有する物質、皮膚構造の維持を促進すること及び/若しくは真皮の表層の、及び表皮の細胞外マトリックスの分解を制限することを目的とした、及び/又は皮膚保護、矯正又は再構築効果を得ることを目的とした活性によって、皮膚加齢の効果、特に、しわの形成を低減又は遅延する物質、抗炎症活性を有する物質から選択され得る1種又は複数のその他の活性剤を含む場合もある。
【0073】
前記化粧品組成物又は皮膚科用組成物は、本発明の抽出物に加え、顔料、色素、ポリマー、界面活性剤、レオロジー剤、芳香、電解質、pH調整剤、抗酸化物質及び保存料並びにこれらの混合物から選択され得る少なくとも1種の化粧品上又は皮膚科上許容される賦形剤を含む。
【0074】
本発明の化粧品組成物又は皮膚科用組成物は、例えば、美容液、ローション、エマルジョン、例えば、クリーム或いはヒドロゲル、好ましくは、マスクであってもよく、又は、スティック若しくはパッチ若しくは頭皮用の衛生製品、例えば、シャンプー若しくはコンディショナー或いはメイクアップ製品、特に、爪に塗布することを意図する組成物、例えば、マニキュア液の形であってもよい。
【0075】
最後に、本発明は、皮膚加齢の徴候の出現を予防若しくは遅延し、又はそれを治療するための、化粧剤又は皮膚病薬として上記で定義される活性剤の使用に関し、前記化粧剤又は皮膚病薬は、表皮の基底層の幹細胞においてサバイビン発現を刺激する。
【0076】
本発明はまた、皮膚加齢の徴候の出現を予防若しくは遅延し、又はそれを治療するため、化粧剤又は皮膚病薬として、又は化粧品組成物の製造のための本発明の活性剤の使用に関する。
【0077】
本発明のその他の目的、特徴及び利点は、以下の、本発明のいくつかの例示的実施形態に関してなされており、例示として簡単になされており、決して本発明の範囲を制限するものではない説明的な記載から明確に明らかになる。実施例では、特に断りのない限り、温度は摂氏度であり、圧力は大気圧であり、量又はパーセンテージは重量で与えられている。
【0078】
〔実施例〕
材料及び方法
【0079】
1)細胞培養
正常ヒトケラチノサイトを、EGF(表皮増殖因子)及びBPE(ウシ下垂体抽出物)(KSFMc)(Gibco参照、17005−034+37000−015)を補給した血清不含ケラチノサイト培地で、5%COを含有する加湿雰囲気下、37℃のインキュベーター中で、75cmフラスコで培養する。細胞を、ウェルあたり500μlの培地中50000個細胞の割合で48ウェルマイクロプレートに播種する(D0日)。
【0080】
24時間インキュベートした後(D1日)、細胞が接着し、次いで、処理ステップを実施する。次いで、播種培地を除去し、種々の濃度の、評価される成分、又はその賦形剤(例えば、DMSO)を含有する処理培地を、同じ割合で各培養ウェルに添加する。
【0081】
16時間処理した後、細胞によるサバイビン発現のピークを観察する。次いで、ウェルをPBSですすぐ。マイクロプレートのウェルの半分を用いて、ケラチノサイトを溶解し、細胞内サバイビンをアッセイする。マイクロプレートのウェルのその他の半分を用いて、BCA法によって総タンパク質をアッセイし、それによって、アッセイされるサバイビンの量を、タンパク質の単位量のもとへと関連付けることが可能となる。
【0082】
非細胞傷害性用量での活性剤の効果を続いて評価することができるよう、試験した各活性剤の細胞傷害性を測定する相は、事前に必要である。
【0083】
この目的を達成するために、活性剤の細胞傷害性用量を、XTT試験によって調べる(参照、Cell Proliferation Kit II、Roche Diagnostic)。テトラゾリウム塩(XTT試薬)は、ミトコンドリアの呼吸鎖に位置するデヒドロゲナーゼによってホルマザンに変換される。生細胞のみが、その呼吸鎖が機能的であり、ホルマザンを生成することができ、450nmで橙色の化合物が検出される。
【0084】
試験した各活性剤を希釈し、2倍希釈範囲を調製し、試験サンプルの活性剤の濃度は、50mg/ml〜0.195mg/mlの範囲とする。予め調製した希釈液の各々を、最後にKSFM−C培地で1/1000に希釈し、次いで、ケラチノサイトと48時間接触させ、その時点で、細胞傷害性試験が実施される。
【0085】
2)サバイビンのアッセイ
サバイビンを、正常ヒトケラチノサイトの培養物で、ELISA酵素免疫測定法(参照、Duoset Survivin ELISA from R&D Systems)を用いてアッセイする。
【0086】
総タンパク質を、BCA比色試験(参照、BC Assay Kit、Uptima Interchim)を用いて、570nmの吸光度を測定することによってアッセイする。
【0087】
16時間処理した後、ELISAによってサバイビンをアッセイするために、ウェルをPBSですすぎ、次いで、100μl/ウェルの溶解バッファーを加え、続いて、穏やかに振盪しながら10分間インキュベートする。このバッファーは、アンチプロテアーゼを含み、これが、細胞溶解の間のサバイビンを含めたタンパク質の分解を防ぐ。
【0088】
ELISAマイクロプレートを調製する(参照Clear Microplate R&D systems DY992):
【0089】
ヒトサバイビンを用いた標準範囲を、細胞溶解物を用いたものと同条件下で0〜2000pg/mlで調製する。
【0090】
酵素反応を硫酸で遮断した後、450nmの吸光度を測定することによってサバイビンを定量する。
【0091】
実施例1:サバイビン発現に対するフォルスコリンの活性
フォルスコリンは、供給業者SIGMA、Franceから市販されており、植物コレウス・フォルスコリの抽出物から単離されていると示されている。
【0092】
まず、フォルスコリンを、すべてDMSOで希釈して、4mg/mlの溶液を調製する。
【0093】
細胞を処理する間に、先に調製しておいた溶液を、培養培地で希釈して、10μM、すなわち4μg/mlの終濃度を得る。対照もまた、この同じ溶媒を用い、同じ割合で調製する。
【0094】
以下の表Iに示される結果は、100%を構成する、溶媒対照によって表される、サバイビン発現の基礎レベルと比較されている:
【表1】

【0095】
結論:フォルスコリンは、タンパク質の発現の基礎レベル(対照)と比較して、ケラノサイト内サバイビン発現を大幅に増大させる。
【0096】
実施例2:リムノフィラ・コンフェルタの地中部分の抽出物の調製及びサバイビン発現に関するその活性の測定
【0097】
A−抽出物の調製
乾燥状態のリムノフィラ・コンフェルタの茎及び葉を含む地中部分から形成された、供給業者IDVP、Franceから市販されている植物材料を、実験室ミル−ミキサーを用いて、0.1〜1mmの程度の平均粒径に即座に粉末にする。
【0098】
10gの粉末にした植物材料を、250mlの丸底フラスコに入れ、それに、150mlのエタノール/水混合物(90/10v/v)を加える。
【0099】
バルブコンデンサーを載せた丸底フラスコを、恒温槽中で磁気的に撹拌し、次いで、溶媒の還流に加熱する。
還流を撹拌しながら30分間維持する。
加熱を停止すると、丸底フラスコを、槽の外で周囲温度に放冷させる。
【0100】
次いで、混合物を、70μm Whatman GF/Fフィルターを備えたブフナー漏斗及び風袋計量された(tared)フラスコを通して真空濾過し、このようにして濾液1が得られる。ブフナー漏斗上のケーキを、50mlの抽出溶媒で洗浄し、濾液2が得られる。
【0101】
次いで、2種の濾液を合わせ、秤量する。
得られた濾液を、予め風袋計量した丸底フラスコに入れ、次いで、最高温度50℃の水浴中真空下で、ロータリーエバポレーターで濃縮乾固する。
【0102】
乾燥残渣を定量し、乾燥粉末化状態の100gの出発植物材料あたりの得られた乾燥抽出物の質量として表される、質量による抽出率を求める。
抽出率は21%である。
【0103】
B−サバイビン発現に対する活性
段落Aで調製した乾燥抽出物を、12.5mg/ml又は25mg/mlの濃度にDMSOで希釈する。
【0104】
細胞に対する処理の際に、0.1%v/v、すなわち、抽出の第1の溶液について12.5μg/ml及び第2の溶液について25μg/mlの終濃度が得られるよう、培養培地に抽出物を添加する。この同じ溶媒を用いて対照もまた調製し、0.1%v/vの終濃度とする。
【0105】
以下の表IIは、100%を構成する、溶媒対照によって表される、この同じタンパク質の発現の基礎レベルと比較した、総タンパク質1mgあたりのサバイビンのピコグラムとして表される、サバイビン発現に対する実施例1の抽出物の平均活性を示す。
【0106】
得られた結果は、以下の表IIに示されている:
【表2】

【0107】
結論:リムノフィラ・コンフェルタの抽出物は、タンパク質の発現の基礎レベル(対照)と比較して、ケラノサイト内サバイビン発現を大幅に増大させる。
【0108】
実施例3:レペチニア・カウレセンスの地中部分の抽出物の調製及びサバイビン発現に対するその活性の測定
【0109】
A−抽出物の調製
乾燥した、粉末状態のレペチニア・カウレセンスの葉を、出発植物材料として用い、実施例2−Aに従って、抽出物を調製する。
【0110】
この方法に用いられる抽出溶媒は、50/50(v/v)エタノール/水混合物である。
【0111】
乾燥残渣を定量し、乾燥粉末化状態の100gの出発植物材料あたりの得られた乾燥抽出物の質量として表される、質量による抽出率を求める。
得られた質量による抽出率は29%である。
【0112】
B−サバイビン発現に対する活性
本実施例の段落Aで調製した乾燥抽出物を、3.125mg/mlの濃度にDMSOで希釈する。
【0113】
細胞に対する処理の際に、0.1%v/v、すなわち、3.125μg/mlの終濃度が得られるよう、培養培地に抽出物を添加する。終濃度0.1%v/vを有する溶媒対照(DMSO)も調製する。
【0114】
以下の表IIは、100%を構成する、溶媒対照によって表される、発現の基礎レベルと比較した、サバイビンに対する、試験したレペチニア・カウレセンスの抽出物の活性を示す。
【表3】

【0115】
結論:レペチニア・カウレセンスの抽出物は、タンパク質の発現の基礎レベル(対照)と比較して、ケラチノサイト内サバイビン発現を大幅に増大する。
【0116】
実施例4:レペチニア・カウレセンスの葉の抽出物を含む化粧品組成物
【0117】
実施例3Aで得られた乾燥抽出物を、エタノール/水混合物に1質量%で可溶化する。
乾燥抽出物の1質量%の溶液を得、以下の化粧品組成物において用いる:
【0118】
−レペチニア・カウレセンスの植物抽出物(実施例3A) 0.1%
−界面活性剤(アラセル(Arlacel)(登録商標)165VP)
5%
−95%セチルアルコール 1%
−ステアリルアルコール 1%
−蜜蝋 1.5%
−オイル(パーリーム(Perleam)(登録商標)) 8.5%
−トリカプレート/カプリレートグリセリド 3%
−シリコーンオイル(ジメチコン100CS) 1%
−ポリマー(カルトロール(Keltrol)(登録商標)) 0.35%
−水酸化ナトリウム 0.04%
−EDTA四ナトリウム粉末 0.1%
−保存料 0.5%
−水 適量100
【0119】
化粧品組成物を、1又は複数のステップで種々の成分を混合することによって、当業者に周知の通常の方法で調製する。
【0120】
この組成物は、皮膚又は頭皮或いは爪に数週間の間、毎日塗布し、上記の美容効果を得ることができる。
【0121】
実施例5:フォルスコリンを含む化粧品組成物
【0122】
以下の化粧品組成物中には、コレウス・フォルスコリ(Coleus forskolii)の抽出物から単離された実施例1のフォルスコリン(SIGMA由来)が用いられている:
【0123】
−フォルスコリン(SIGMA、実施例1) 2%
−Steareth−21(Brij721) 2.5%
−ステアリン酸グリセリル(Tegrin) 1.1%
−ステアリルアルコール 5%
−グリセロールトリカプレート/カプリレート 12.5%
−ブチレングリコール 3%
−グリセロール 2%
−保存料 0.5%
−香料濃縮物 0.5%
−UVスクリーン(オクチルメトキシシンナメート) 7.5%
−水 適量100
【0124】
化粧品組成物を、1又は複数のステップで種々の成分を混合することによって、当業者に周知の通常の方法で調製する。
【0125】
この組成物は、しわを含む皮膚の領域に数週間の間、毎日塗布し、前記しわの減少又は完全な消失の効果を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚加齢の徴候の出現を予防若しくは遅延し、又はその効果を低減するための美容ケアの方法において、顔面又は身体の皮膚の少なくとも一部への、皮膚におけるサバイビン発現を活性化又は刺激する少なくとも1種の化粧品上許容される作用剤の有効量の送達を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
特に紫外線照射によって損傷を受けた表皮又はその角質層の美容ケアの方法において、顔面又は身体の皮膚の少なくとも一部への、皮膚におけるサバイビン発現を活性化又は刺激する化粧品上許容される作用剤の有効量の送達を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
毛髪の再成長を加速若しくは促進する、又は脆弱毛を強化するために、毛周期の機能を回復させることを目的とした美容ケアの方法において、頭皮の少なくとも一部への、頭皮におけるサバイビン発現を活性化又は刺激する少なくとも1種の化粧品上許容される作用剤の有効量の送達を含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
爪の成長の促進及び/又はその強度の強化のための美容ケアの方法において、爪又は周囲の領域の少なくとも一部への、サバイビン発現を活性化又は刺激する少なくとも1種の化粧品上許容される作用剤の有効量の送達を含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
前記作用剤が、その活性剤の1種として前記作用剤を含み、また少なくとも1種の化粧品上許容される賦形剤も含む化粧品組成物の形で局所的に送達されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
化粧品上活性な作用剤が、フォルスコリン又はフォルスコリンを含有する抽出物、特に、コレウス・フォルスコリ(Coleus forskolii)の抽出物、レペチニア・カウレセンスの抽出物、リムノフィラ・コンフェルタの抽出物、ダニエリア・オリベリの抽出物、イシクラゲの抽出物、スセネデスムス・ジモルファスの抽出物、ウコンの抽出物及びサフランの抽出物から構成される群から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
化粧品上活性な作用剤が、レペチニア・カウレセンスの抽出物を含む、又は本質的にレペチニア・カウレセンスの抽出物から構成されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
化粧品上活性な作用剤が、リムノフィラ・コンフェルタの抽出物を含む、又は本質的にリムノフィラ・コンフェルタの抽出物から構成されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
化粧品上活性な作用剤の濃度が、組成物の重量で0.001%〜5%、好ましくは、1%〜3%であることを特徴とする、請求項5〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
上述のサバイビン発現を活性化又は刺激する作用剤を、表皮ケラチノサイトのβ−1インテグリンなどの接着タンパク質の発現、及び前記細胞の接着自体を刺激する分子又は抽出物、例えば、アスパラギン酸マグネシウム、マンガン塩及び誘導体、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸のひと続きなどのインテグリンによって認識されるペプチド、又はKGFなどの増殖因子と組み合わせることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
サバイビン発現を活性化又は刺激する作用剤を、ジホスホジエステラーゼを阻害する分子又は抽出物、好ましくはカフェインと組み合わせることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
上述の化粧品組成物が、美容液、ローション、エマルジョン、ヒドロゲル、スティック若しくはパッチの形で、又は頭皮用の衛生製品、例えば、シャンプー若しくはコンディショナーの形で、或いは、メイクアップ製品、特に、爪に塗布することを意図する組成物、例えば、マニキュア液の形で配合されることを特徴とする、請求項5〜11のいずれか一項に記載の方法。

【公開番号】特開2009−298787(P2009−298787A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−136404(P2009−136404)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【出願人】(502189579)エルブイエムエイチ レシェルシェ (68)
【Fターム(参考)】