説明

サブフレーム同期化測距

【解決手段】通信ノード間の距離を決定する方法である。本方法は、第1のノードから少なくとも1つの第2のノードへの初期通信フレーム送信を含む。初期通信フレームは、フレームプリアンブル、第1のデータ及び第1のスイッチポイントを含む。本方法は更に、フレームプリアンブルに基づいて少なくとも1つの第2のノードのローカルクロックを同期化することを含む。受信されたスイッチポイントに基づいて少なくとも1つの第2のノードを送信ノードに切り換える。少なくとも1つの第2のノードから第1のノードに後続の通信フレームを送信する。後続の通信フレームは、測距プリアンブル、第2のデータ及び第2のスイッチポイントを含む。本方法は、少なくとも1つの第2のノードからの測距プリアンブルに基づいて第1のノードのローカルクロックを同期化し、測距プリアンブルに基づいて第1のノードと第2のノードとの間の距離を決定することによって継続する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くの無線ネットワークにおいて、各ノードは、リファレンスの絶対及び相対フレームに関して、ノードの位置を決定する必要性を有し得る。リファレンスの絶対フレームを提供する一システムは、必要な座標参照点を提供するための静止衛星の配列を使用する全地球測位システム(GPS)である。リファレンスの相対フレームは、事前に装着されたタグ装置と建物との相対位置座標を決定するために、構造物内の協力装置の動きを監視するようなアセット追跡システムによって提供される。リファレンスの絶対及び相対フレームを提供するための現在のシステムは通常、多くの追跡システムにおいて使用される静止衛星から構造物に搭載される固定の位置標識に至るまで、基盤環境設備の費用及び導入を必要とする。
【0002】
アドホック無線ネットワークは、基盤環境導入の欠如と、場合によってはそのような装置の予測不能な方位及び位置と、によって特徴付けられる。そのようなシステムは通常、アドホックネットワークにおける他の装置に関し、リファレンスの限定された相対フレームだけを提供する。あるアドホックネットワークノードは、固定された座標システム、それ故、リファレンスの絶対フレームを提供するために、GPSを用いて拡張され得る。しかし、GPSに必要な規模及び所要電力は通常、エネルギを制約されるアドホック無線装置においては利用出来ない。また、装置内のGPSアンテナの予測不能な方位又は適切なGPS信号の無い場所が、そのノードによる正確な位置決定用に十分なGPS衛星信号の取得失敗をもたらし得る。更に、アドホック無線ネットワークは、周辺モニタ又は監視のような所望のアプリケーションを実行するために、リファレンスの絶対ではなく相対フレームだけを必要とし得る。
【0003】
GPS、タグ付けされたアセット追跡及びアドホック無線ネットワークなどの多くの位置測定システムにおいては、無線通信周波数(RF)信号の伝播速度が、協力ノードの組の間の距離を測定するために使用される。空気中における電波の概算速度は、ナノ秒あたり1フィート(1ft./nSec)であって、送信機と1つ以上の協力受信機間の距離は、飛行時間(TOF)又は到着時間差(TDOA)などの方法を使用し測定され得る。ノードの組いくつかの間におけるそのような測距測定値の結果は、いくつかの固定された基盤環境を有するシステムにおいて、単一装置の位置を測定するための三角測量で最小限必要とされる。より一般的には、そのような多くの測距測定が、アドホック無線ネットワークにおいて各装置の位置を測定するために要求されるようなマルチラテレーション(multilateration)を実行するために必要とされる。従って、そのような測距測定値の精度は、測距測定用に利用されるクロック機能の精度である。
【0004】
TOF又はTDOA測定に関する従来の又はデータ変調RF帯域若しくはチャネルの使用は、様々な影響及び効果によって不正確な結果を生じ得る。マルチパスRF伝播は受信機に、より大きい強さであるが、直接RF電波経路の距離に対するよりも大きな値を有する時間間隔を測定する、より長い間接経路のRF信号を検出させ得る。また、装置間のクロック同期化は通常、指定されたノードによって送信される無線標識信号の使用を介し実行され、維持される必要がある。そのようなクロックは通常、搬送波周波数より何桁も小さい大きさの変調周波数を有するデータ復調用の時間基準を提供する目的に使用されるので、そのクロックは、搬送波周波数の個々の周期を決定できない。従って、そのような測距測定の精度は、受信機におけるRF信号の到達よりむしろ、無線標識信号に含まれる変調データの間接的な検出に限定される。更に、各無線標識信号は使用されるデータ変調技法に適するプリアンブルを含む。
【0005】
従来の無線通信周波数システムなどの無線データ通信システムの中には、搬送波周波数(単数又は複数)にデータ信号を変調するか又は符号化することによって、データ通信を提供するものもある。しかし、他のタイプの無線通信システムは、搬送波を利用せず、データ通信用のタイムベース符号化に従う。そのような信頼性のあるデータ通信を達成するためのタイムベース符号化に従う通信システムの1つが、超広帯域(「UWB」)システムである。
【0006】
これらのUWBシステムは、従来の無線通信周波数通信技術と異なり、データを輸送するための変調搬送波周波数を使用しない。代わりにUWBシステムは、タイムベース符号化及び信号偏波(signal polarization)の双方を使用しデータを輸送する広帯域エネルギパルスを利用する。タイムベース符号化法は、パルス位置、パルスレート又はパルス幅の技法を含み得る。UWB通信システムは、送信及び受信ノードに共通クロックを与えない。代わりにプログラム可能オフセット値を有する低ドリフトクロックが、送信/受信ノードそれぞれに実装され、タイムベース符号化及び復号用ローカルリファレンスを与える。これら複数のクロック領域それぞれは、短期間の時間ドリフトに支配されていて、予測可能な期間の後の正確なUWBデータ通信システムの作動のために必要な許容範囲を超える。そのため、送信ノードと受信ノード(単数又は複数)との間の正確な時間同期化が、正確なデータ通信を得るために、UWBシステムにおいて必須である。送信ノードと受信ノード(単数又は複数)とを正確に同期化するために、UWBシステムは通常、送信される各データフレームのためのプリアンブルを必要とする。しかし、UWB技術からの利益を得る可能性を有するアプリケーションの中にはプリアンブルを必要とする場合に実施され得ないものもある。また、UWB技術に対し可能性ある多くのアプリケーションは、送信時間を最小にし、エネルギを保存することを追求する無線センサー及びコントローラネットワークのように、大きさ及びエネルギが制約されている。
【特許文献1】出願第11/181,281号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特に無線センサーネットワークは、2つ以上の通信ノードから構成され得る。更に、各ノードは、例えばノードが据え付けられる方法により、アンテナの任意の位置及び方位を有し得る。特に各センサノードのアドホックな方位のために、他のノードに対する全指向性アンテナがデータ通信に必要である。更に、各センサノードは通常、バッテリー電源供給されていて、意図するアプリケーションのために有用な寿命を達成するために最も可能な効率的な方法でエネルギを使用する必要がある。
【0008】
超広帯域(UWB)無線通信システムは通常、1つ以上の受信機(Rx)が送信機(Tx)と正確に時間同期化し、首尾よくディジタルデータ通信を達成するために、長い同期化周期又はフレームプリアンブルを必要とする。UWB無線通信を考慮した多くのアプリケーションは、大きさ及び電力に制約され、エネルギ消費を最小にする必要性が強調される。一定のクラスのアプリケーションは、無線センサーネットワークにおけるノード(すなわち複数の静的レーダー、地理的位置その他)間の精密な距離測定を必要とする。時間同期化したUWBデータ通信に関しては、各ノードのクロックが、サブナノ秒レンジの精度を有する必要がある。またこのクロック精度は、インチのオーダで距離測定精度を提供するサブナノ秒クロック精度を用いるノード間のUWB信号のTOF又はTDOA測定値に基づいた距離測定においても使用され得る。しかし、そのような測定それぞれは、測定を実行し結果を通信するために、ノードの組の間における完全長のプリアンブルシーケンスを招くことになる。無線センサーネットワークは通常、データ交換の他に距離測定もまた要求されるので、その双方を達成するための方法が、エネルギ消費を最小にすると同時に、その多くがバッテリーにより電源供給される無線センサーネットワークノードの稼働寿命を最大にするために不可欠である。
【0009】
前述の理由と、本仕様を読み理解したとき、当業者には明らかになる後述の他の理由によって、高精度な測距測定値を提供するための時間同期化通信システムに対し、要求されるクロック同期化機構を利用する2つ以上の送信機/受信機ノード間の共同作業を提供するために、本方法が情報産業において必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の現在のシステムの課題は、本発明の実施形態によって扱われていて、以下の明細書を読み学習することによって理解されよう。
一実施形態においては、2つ以上のノード間の通信方法が提供される。本方法は、初期通信フレーム中のフレームプリアンブルで2つ以上のノードを同期化することを含む。特別な再同期化スイッチポイントが生ずるまで、更なるフレームプリアンブルなしに2つ以上のノード間において後続のデータ通信を交換する。2つ以上のノード間において測距スケジュールを交換する。測距スケジュールに基づいて2つ以上のノード間において後続の通信フレーム中の測距パルスを交換し、その測距パルスに基づいてノード間の距離を測定する。
【0011】
別の実施形態においては、通信ノード間の距離を測定する方法が提供される。本方法は、第1のノードから少なくとも1つの第2のノードに初期通信フレームを送信することを含む。初期通信フレームは、フレームプリアンブル、第1のデータ及び第1のスイッチポイントを含む。本方法は更に、初期通信フレーム中のフレームプリアンブルに基づいて少なくとも1つの第2のノードのローカルクロックを同期化することを含む。受信されるスイッチポイントに基づいて少なくとも1つの第2のノードを送信ノードに切り換える。少なくとも1つの第2のノードから第1のノードに後続の通信フレームを送信する。後続の通信フレームは、測距プリアンブル、第2のデータ及び第2のスイッチポイントを含む。本方法は、少なくとも1つの第2のノードからの測距プリアンブルに基づいて第1のノード中のローカルクロックを同期化し、その測距プリアンブルに基づいて第1のノードと第2ノードとの間の距離を測定することによって継続する。
【0012】
更に別の実施形態においては、通信システムが提供される。通信システムは、各ノードのクロックが、ノードの1つによって送信される初期通信フレーム中のフレームプリアンブルに基づいて同期化される時間の間、通信フレームを交換するように適合される複数のノードを含む。複数のノードは更に、ノード間において交換される後続の通信フレーム中の測距プリアンブルを使用してノード間の距離を測定するために適合される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
好ましい実施例の説明及び以下の図面を考慮し考察されるとき、本発明が容易に理解され得、更なる利点及びその用途が、より簡単に明白になるだろう。
一般的な実践に従って様々な記載の特徴を比例して描かずに本発明に関連する特徴を強調するように描く。参照文字は、図面と本文を通し同様の要素を示す。
【0014】
以下の詳細説明においては、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照し、本発明において実践され得る特定の例示的な実施形態を図示することによって示す。当業者が本発明を実施できるようにこれらの実施形態を十分詳細に説明することによって、別の実施形態を利用可能であって本発明の範囲から逸脱せずに論理的、機械的及び電気的な変更ができることを理解され得るだろう。従って以下の詳細説明に限定する意味に取るべきでない。
【0015】
本発明の実施形態は、データ通信の他に測距アプリケーションのためにも時間同期化通信システムを効率的に使用するための方法及びシステムを提供する。本発明は、2005年12月28日に出願された出願番号11/181,281を有する「サブフレーム同期化信号法(Sub-Frame Synchronized Signaling (SFSS))」の出願(’281出願)に関連し、これを参照によって本明細書に援用する。サブフレーム同期化信号法アプリケーションは、各送信フレームの開始時、プリアンブルによって生じる長い再同期化期間の大部分を回避するサブフレーム同期化信号法に関する方法及び装置を提供する。本発明の実施形態においては、協力ノード間の通信同期化が、一旦、確立されると、高精度の測距測定が効率的な方法で実行され得る。
【0016】
サブフレーム同期化測距(SFSR)は、測距アプリケーションに加わるように全協力作業ノードに対し、必要とされるあらゆるノードに送信スケジュールを最初に通信し、その後「スイッチポイント」信号を発行するために、(’281出願)に記載のようなサブフレーム同期化信号方法を利用する。そのように通信されるフレームそれぞれは、協力ノード間におけるクロック同期化を可能にする目的のためのフレームプリアンブルで始まる。フレームプリアンブルの持続時間は、それらのノードにおけるローカルクロックがあり得る最大の時間差を有するときでさえ、2つ以上のノードが時間同期化を達成可能にし得るように十分長い必要がある。
【0017】
送信スケジュールは、ノード間において時間同期化の間、どのノードが、測距プリアンブルシーケンスを送信するべきかを正確に決定する。各測距プリアンブルは、所定のパルスシーケンスであって、1つのノードだけが所与の時間間隔中に送信するようにスケジューリングされる。他のすべてのノードは、別のノードの送信時間間隔中は受信モードである。測距プリアンブルの持続時間は、フレームプリアンブル中、2つ以上のノードにおけるローカルクロックの間に確立される時間同期化のために、フレームプリアンブルよりもはるかに短い。
【0018】
ノード間の距離は、補正因子又はクロックオフセットを測定することによって、各受信ノードにおいて決定され、受信ノードは、時間同期化を最適化するための高精度のローカルクロックを適用する必要がある。このクロック同期化機構は、フレームプリアンブル送信中、ノードを時間同期化するために最初に使用される処理と同一である。相違点は、ノード間の時間同期化が既に達成されているので、測距パルスシーケンスの持続時間が、フレームプリアンブルよりもはるかに短いことである。それ故にSFSR法は、エネルギ効率及び測距精度の双方を最大化する。
【0019】
(’281出願)に記載のように、ノードすべてのローカルクロックは、フレームプリアンブル中、初期通信メッセージを送信するノードにおけるクロックに対し時間同期化される。本発明においては、各ノードはその後、空気中のRF電波の概算伝播速度と、測距プリアンブルを受信する間に測定されたクロックオフセットと初期クロックオフセットとの間の差と、に基づいて距離を計算することによって、このノードと他の相互協力ノードとの間の距離を決定するために使用されるこの初期クロックオフセット値の複製をストアする。当業者が理解するように、この方法は、1つ以上のノードが、そのノードと測距プリアンブルを送信するノードとの間の距離を測定可能にする。
【実施例1】
【0020】
図lAにおいては、本発明のデータ通信システム(100)の実施形態を例示する。この実施形態においては、データ通信システム(100)は、通信ノード(102)及び通信ノード(104−1)〜(104−N)を含む。通信ノード(102)及び(104−1)〜(104−N)は、相互通信するように適合される。図1Aに例示される実施形態においては特に、通信ノード(102)は、通信ノード(104−1)〜(104−N)と通信する。しかし、本発明が一般に、2つ以上の通信ノードに適合可能であって、そのどれでも初期送信ノードであり得ることを理解されよう。本発明の実施形態においては、第1の通信ノードがメッセージの交換を開始する。図1Aの実施形態においては、これは通信ノード(102)である。メッセージの交換は、通信ノード(102)が、フレームプリアンブルを含む通信信号を送信するときに開始される。フレームプリアンブルは、クロックタイミングに関する情報を含む既知の情報シーケンスである。各受信ノードは、そのローカルクロックを同期化するために、フレームプリアンブル中の情報を使用し、そのため送信ノードと受信ノードとの間に通信が生じ得る。本発明の実施形態においては、ノード間の通信は、各ノードにおける内部クロックが、UWBデータ通信に適する同期化が消失されるよう十分遠くにドリフトされるまで更なるフレームプリアンブルを送信せずに、維持される。
【0021】
図1Aを再度参照すると、交換される他のデータとフレームプリアンブルとを含む第1の通信信号(110−1)、(112−1)及び(114−1)を例示する。第1の通信信号は、フレーム同期化通信信号として参照され得る。ノード(102)は、信号(110−1)、(112−1)及び(114−1)を送信するとき、送信ノードであって、各フレーム通信信号(110−1)、(112−1)及び(114−1)を受信するとき、ノード(104−1)〜(104−N)は受信ノードである。各フレームの終端における通信信号は、信号完了表示である。(’281出願)に記載のように、これはスイッチポイントを参照している。スイッチポイントは、受信信号に応答し測距メッセージなどの通信信号を送信するために、いつ送信ノードになり得るかを示す信号を各受信ノードに提供する。この例は、事前準備されたシーケンスで、各ノード(104−1)、(104−2)及び(104−N)からノード(102)へ逆に次々に送信される測距信号(110−2)、(112−2)及び(114−2)である。前述のようにノード間のメッセージの交換は、各ノードにおける内部クロックが、UWBデータ通信のために適した同期化が消失されるほど十分遠くドリフトするまでか、又は別のノードが、フレームプリアンブルを含む新しい初期通信を送信するまで続く。開始ノード(102)とノード(104−1)〜(104−N)との間の最後の通信信号を図1Aの信号(110−N)、(112−N)及び(114−N)として例示する。
【0022】
一実施形態においては、データ通信システム(100)は、一度に2つのノードだけが加わるポイントツーポイント通信システムである。図lAの通信システム(100)に関しては、このシステム例は、ノード(102)が第1の信号(110−1)をノード(104−1)に送信し、その後、暫く経って第2の信号(112−1)をノード(104−2)に送信する時である。本発明の別の実施形態においては、データ通信システム(120)は、送信された信号が複数のノードによって同時に受信されるブロードキャストネットワークに構成される。この例を図1Bに例示する。この実施形態においては、たった1つの初期送信信号だけが複数のノードに送信されるため、単一のフレームプリアンブルだけが要求される。図1Bを参照すると、単一フレーム同期化通信信号を含む初期信号(130)が、ノード(122)からノード(124−1)〜(124−N)に同時にブロードキャストされる。この実施形態においては、送信されたフレーム通信信号中のスイッチポイントが、次の送信ノードを示すために使用される。例えば図1Bの通信システム(120)においては、スイッチポイントによって指示されるものとして、次に送信するノードは、ノード(124−2)である。例示されるように測距信号(132)が、ノード(124−2)からノード(122)に送信される。更にこの例においては、ノード(124−3)が、その後、測距信号(134)を送信するように指示され、ノード(124−2)、(124−4)及び(122)によって受信される。
【0023】
図2Aを参照し、フレーム通信信号(200)の例を示す。特にこの実施形態における初期信号は、フレーム通信フレーム(200)である。初期通信フレームは、フレームプリアンブルと、データビット及びスイッチポイントを含むサブフレームとを含む。初期通信フレーム(200)は、送信ノード(第1のノード)から送信され、フレームプリアンブル(202)を含む。フレームプリアンブル(202)は、受信ノード(単数又は複数)のローカルクロック(単数又は複数)の同期化のために1つ以上の受信ノードによって使用される情報を含む。フレームプリアンブルの後、情報又はデータが送信される。情報又はデータは、一般に(204−1)〜(204−N)として参照されていて、一実施形態においてはデータ通信ビットである。データ(204−1)〜(204−N)が送信された後、スイッチポイント(206)が送信される。スイッチポイント(206)は、別のノードが、所定のスケジュールに従ってこのサブフレームにおいて現在、送信できることを示す。(’281出願)に記載のように、スイッチポイントは、特に第2の受信ノードを送信ノードに変更し、初期送信ノードを受信ノードに変更するように命令するリンクリバース法又はデュプレックス法を開始する。特に一実施形態においては、送信ノードが一旦、スイッチポイントに遭遇すると、送信ノードは、送信を停止し、受信モードに切り替わり、ストアされた初期クロックオフセット値を使用してそのローカルクロックを調整する。その後、異なるクロックオフセット値が、現在送信中の特定の第2の受信ノードからの測距プリアンブルに応答して決定される。(’281出願)に記載のように、スイッチポイント(206)は、信号形式で変更を示すために使用され、その後に更なる情報の交換(208)が続く。
【0024】
図2Bは、測距プリアンブル通信サブフレーム(201)を例示する。この通信サブフレームは、第2のノードによって第1のノードに送信される。測距通信サブフレームは、データ(212−1)〜(212−N)及びスイッチポイント(214)を含む。続いて更なる情報(216)の交換が、(’281出願)に記載のように生じ得る。例示のように、協力ノードが、フレームプリアンブルの間、既に時間同期化されているために、測距プリアンブル(210)は、図2Aのフレームプリアンブル(202)よりも短い。ノード間の通信は、第1及び第2のノードのクロックが、時間同期化からドリフトするまで、図2Aのフレームプリアンブル(202)のような更なるフレームプリアンブルを必要とせずに生じる。それらが一旦、時間同期化からドリフトすると、図2Aのフレームプリアンブル(202)と同様なフレームプリアンブルを伴う別の初期通信が、各クロックを再同期化するために要求される。当業者が理解するように、送信されたフレームプリアンブルを受信し、ノードにおけるローカルクロックの時間同期化を実行する1つ以上のノードが存在し得る。
【0025】
図3の実施形態は、フレームプリアンブル、測距プリアンブル及びデータ通信信号中の複数ノード間の1つのあり得る時間関係セットを表すグラフ(300)を例示する。図1におけるノード(102)と(104−n)及び図2におけるノード(122)とノード(124−n)などの複数ノード間のあり得る関係すべてが、前もって知られ得るわけではなく、従ってそのようなシステムの動的な自己構成の性質によって説明されるものに加え、多くの他のオペレーションモードが可能であって、この開示によって含まれ得ることを理解する必要がある。
【0026】
図3の実施形態は、第1のノードと他の1つ以上のノードとの間の通信を例示する。第1のノードは、フレームプリアンブル(302)及びデータ通信(310)を送信する。フレームプリアンブル(302)に応答し、1つ以上の他のノードが、フレームプリアンブル(304)及び(306)を受信するとき、ローカルクロックを同期化する。その後データが、第1のノードによってサブフレーム中に送信される(310)。1つ以上の他のノードが、サブフレームデータ(312)及び(314)を受信する。(’281出願)に記載されるように、その後、リンクリバースポイント又はスイッチポイント(320)に至る。その後、選択された第2のノードが、測距プリアンブル(322)及びデータ(330)を送信するように適合されて、第1のノードが、この第2のサブフレーム中の測距プリアンブル(324)及びデータ(332)を受信するように適合される。更に、他のノードも選択された第2のノードによって送信された測距プリアンブル(326)及びデータ(334)を受信できる。
【0027】
(’281出願)に記載のように、更なるスイッチポイントが、生じ得るか又は生じ得ず、通信に必要な時間同期化が消失されるまで(350)、通信は、現在のフレームクロックオフセットを使用し続ける。スイッチポイント(320)に続いて、通信するように適合されたノードそれぞれは、単一ノードだけが特定の時間において送信するよりも、所定のスケジュールに従っていつ送信するかを決定するために、各ノードにおけるローカルクロックを使用し得る。各協力ノードは、測距プリアンブル及びデータ信号の双方を送信し受信するために、ストアされた初期クロックオフセット値を利用する。初期クロックオフセットは、フレームプリアンブル(304)及び(306)を受信する間、実行される時間同期化中に各ノードによって決定される。
【0028】
無線ネットワークにおけるノードの物理的分離及びRF電波の有限伝播速度のために、プリアンブル又はデータ信号の送信及びその信号が1つ以上の受信ノードに到着するとき、遅延時間が存在する。一実施形態においては、そのような2つの遅延時間(340)及び(342)を図3に示す。遅延時間(340)は、ノード2とノード1との間の範囲又は距離に比例する。異なる遅延時間(342)は、ノード1とノードNとの間の距離に比例する。ノード1及びノードNそれぞれは、ノード2の測距プリアンブル(322)を使用する時間同期化処理の間、異なるクロックオフセット値を決定する。ノード1及びノードNは、これらのノードそれぞれと送信ノード2との間の距離を決定する際に使用するための、決定されたクロックオフセット値をストアする。当業者によって理解されるように、各協力ノードは、(’281出願)に記載のように、全て無制限に測距プリアンブルを送信するか又は初期通信ノードであり得る。
【0029】
図4は、各ノードによって測定され、使用されるクロックオフセット間の例示的関係を示す。当業者は、システムにおける固有のノードの組それぞれを考慮することによって、例示的関係が2つ以上のノードに拡張され得ることを理解されよう。(’281出願)に記載のように、ノード1は、少なくともフレームプリアンブル(410)及び場合によってはデータを送信する初期通信ノード(402)である。そのような送信中、ノード1は、所定のクロックオフセット、例えばフレームプリアンブルTx(420)に対し示されるような値0を使用する。ノードN(404)のような別のノードは、フレームプリアンブルを受信し、ノード1との時間同期化に必要な初期クロックオフセット(410)の値R(N)(420)を測定するために適合される。前述のように、初期クロックオフセットR(N)(420)は、ノード1とノードNとの間の距離に比例し、ノードNによってストアされる。
【0030】
所定のスケジュールに従ってノードNは、ノード1との時間同期化を維持するために初期クロックオフセット値(430)を使用し、測距プリアンブル(414)を送信する。ノードNとノード1との間の物理的な分離及びRF電波の有限な伝播速度のために、測距プリアンブル(414)を送信するノードNと測距プリアンブルを受信するノード1との間に遅延時間が存在する。ノード1は、ノードNによって送信される測距プリアンブル(414)を使用し時間同期化処理を実行し、ノードNとノード1との間の距離に比例するクロックオフセットR(N)(432)を決定する。ノード1は、その後、クロックオフセット値R(N)(432)をストアし、初期クロックオフセット(420)と測距クロックオフセット(432)との間の差を測定することによって距離値を計算する。ノード1は、その後、他のノードとの時間同期化通信を再開するために、ストアされた初期クロックオフセットでクロックオフセットをリロードする。
【0031】
図5を参照し、本システムの一実施形態の処理の流れ図(500)を例示する。本処理の図は、(’281出願)に記載のように、協力ノードの時間同期化によって開始する(502)。ノードが一旦、同期化されると、測距スケジュールなどのデータが、送信ノードと交換される(504)。スイッチポイントの後に測距アプリケーションが、前述のような順で動作する各ノードで実行される(506)。測距アプリケーションの完了時(508)、(’281出願)に記載のように、データが交換されるか又はデータ通信用に必要な時間同期化がなくなるまで(512)他の情報が交換され得る(510)。本処理は、その後、必要に応じて反復される。当業者によって理解されるように(’281出願)に記載のように、各通信フレーム期間は、初期通信ノードによって決定されるように、異なる目的に対して協力ノードによって使用され得る。
【0032】
図6Aは、(’281出願)によって記載されるように、初期通信ノードに対する一実施形態の流れ図を例示する。一実施形態においては、初期通信ノードは、最初に初期クロックオフセットをストアし(602)、その後、初期クロックオフセット値をそれぞれ決定しストアするために、他の協力ノードによって使用されるフレームプリアンブルを送信する(604)。初期通信ノードは、その後、データ及び測距スケジュールなどの他の情報を他のノードと交換し得る(606)。初期通信ノードは、その後、(’281出願)に記載のように測距アプリケーションを開始するためにスイッチポイントを発行する(608)。初期通信ノードは、その後、測距アプリケーションに加わるために、受信モードに変更する(610)。
【0033】
ステップ(612)においては、初期通信ノードは、送信するために選択された別のノードから測距プリアンブルを受信し、ストアされた初期クロックオフセット及びステップ(612)において決定されたクロックオフセットを使用して送信ノードと初期通信ノードとの間の距離を計算する(614)。初期通信ノードは、その後、測距プリアンブルを送信するために選択されたノードからの測距プリアンブルから決定されたクロックオフセットをストアする(616)。初期通信ノードは、その後、他の協力ノード(620)との時間同期化通信を続けるために初期クロックオフセット値を有するクロックオフセット値をリロードする(618)。(’281出願)に記載のように、他の情報が続く(622)。
【0034】
図6Bは、(’281出願)に記載の初期通信ノード以外のノードに関する一実施形態の流れ図を例示する。そのような協力ノードそれぞれは、初期通信ノードによって送信されたフレームプリアンブルを使用して受信し、時間同期化する(630)。決定された初期クロックオフセットの値は、各ノードによってストアされる(632)。(’281出願)によって、測距スケジュールなどの他のデータの交換が、生じ得(634)、その後、初期通信ノードによって送信され、測距アプリケーションを開始するために他のノードによって受信されるスイッチポイントが続く。(636)。各ノードは、測距スケジュールによって決定される期間を除いて受信モードを維持する(638)。
【0035】
各ノードは、受信モードの間、測距スケジュールに従って1つ以上の他のノードから測距プリアンブルを受信する一方で、ノードにおけるローカルクロックを時間同期化する(640)。協力ノードすべてが、初期通信ノードからの単一のクロックに対し時間同期化されるために、決定された測距クロックオフセットR(N)は、測距プリアンブルを送信するノードと受信ノードとの間の距離に比例していて、ストアされる(642)。送信ノードと受信ノードとの間の距離は、その後、計算され(644)、ノード上で処理される他のアプリケーションに提供される。各受信ノードは、その後、初期クロックオフセットでクロックオフセットをリロード(646)し、測距アプリケーション完了に関するチェックをする(648)。
【0036】
ノードが測距プリアンブルを送信するためのスケジュールされた時間に至ったとき(638)、ノードは(632)からの初期クロックオフセット値をまだ使用しており、送信モードに変更する。ノードは、その後、その測距プリアンブル(652)及び固有のノード識別値を含み得るがこれに限定しない任意の測距データ(654)を送信する。ノードは、その後、元の受信モードに変更し(656)、測距アプリケーションが完了されるか否かを決定する(648)。(’281出願)に記載のように、他の情報の交換は、初期通信ノードによって始動されたフレームにおいて継続し得る(660)。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図lA】本発明の通信システムの一実施形態の図である。
【図1B】本発明の通信システムの別の実施形態の図である。
【図2A】本発明の一実施形態の初期通信サブフレームの図である。
【図2B】本出願の一実施形態の測距サブフレーム信号の図である。
【図3】本発明の一実施形態の通信及び測距を例示するグラフである。
【図4】本発明の一実施形態によって決定されたクロックオフセット値の図である。
【図5】本発明の一実施形態の通信システムにおけるノード間の通信及び測距の流れ図である。
【図6A】本発明の一実施形態の通信開始及び測距信号の流れ図である。
【図6B】本発明の一実施形態の通信への応答及び測距信号の流れ図である。
【図1A】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上のノード(102、104−N)間の通信方法であって、
初期通信フレーム(200)中のフレームプリアンブル(202)と前記2つ以上のノードとを同期化するステップと、
特別な再同期化スイッチポイントが生じる(608)まで更なるフレームプリアンブルなしに前記2つ以上のノード間において後続のデータ通信を交換するステップと、
前記2つ以上のノード間において測距スケジュールを交換するステップ(504)と、
前記測距スケジュール(504)に基づいて前記2つ以上のノード間において後続の通信フレーム(201)中の測距パルス(506)を交換するステップと、
前記測距パルス(506)に基づいて前記ノード間の距離を決定するステップと、を含む方法。
【請求項2】
フレームプリアンブルと前記2つ以上のノードとを同期化するステップが更に、
前記フレームプリアンブル中の情報に従って前記2つ以上のノードそれぞれにおけるローカルクロックを同期化するステップ(630)を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記2つ以上のノード間において前記測距スケジュールを交換するステップが更に、
前記ノード(204−N)間において送信されるデータに前記測距スケジュールを埋め込むステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記後続の通信フレームが、測距プリアンブル(210)を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記測距プリアンブル(201)が、前記フレームプリアンブル(202)よりも短い持続時間であることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
距離を決定するステップが更に、
初期クロックオフセット値(602)をストアするステップと、
関連するノードから測距パルスを受信するステップ(610)と、
前記受信された測距パルスに関連する前記クロックオフセットを測定するステップ(612)と、
前記初期クロックオフセットと前記測定されたクロックオフセットとの差を決定するステップ(614)と、
前記関連するノード間の距離を決定するために、前記測距パルスの概算伝播速度及び前記クロックオフセットにおいて決定された差を使用するステップと、を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
更に、測距データを交換するステップ(622)を含む請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記測距データ(622)が更に、
固有ノード識別値を含むことを特徴とする請求項7記載の方法。

【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2009−535625(P2009−535625A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507925(P2009−507925)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/067282
【国際公開番号】WO2007/127721
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】