説明

シクロヘキシルピペラジニルメタノン誘導体及びH3受容体調節剤としてのそれらの使用

本発明は式(I)(式中、s、R1a、及びR1〜R3は、明細書及び請求項で定義されたとおりである)で示される化合物、及びその薬学的に許容しうる塩に関する。該化合物は、H3受容体の調節に関連する疾患の治療及び/又は予防に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なシクロヘキシルピペラジニルメタノン誘導体、それらの製造、それらを含有する医薬組成物、及び医薬としてのそれらの使用に関する。本発明の活性化合物は、肥満症及び他の障害の処置に有用である。
【0002】
特に、本発明は、一般式I:
【0003】
【化12】

【0004】
[式中、
sは、1又は2であり;
1は、低級アルキル、シクロアルキル、低級シクロアルキルアルキル、低級シアノアルキル、低級アルキルスルホニルアルキル、及びテトラヒドロピラニルよりなる群から選択され;
1aは、水素又は低級アルキルであり;
2は、水素、低級アルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、及び低級シアノアルキルよりなる群から選択され;
3は、
−(CH2m−アリール(式中、mは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、低級アルキルスルホニル、低級ハロゲンアルキルスルホニル、低級ハロゲンアルコキシ、低級シクロアルキルアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、
−(CH2n−ヘテロアリール(式中、nは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、低級アルキルスルホニル、低級ハロゲンアルキルスルホニル、低級ハロゲンアルコキシ、低級シクロアルキルアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)、
インダニル、1−オキソ−インダニル、
−CO−(C3〜C8)アルキル、
−CO−(CH2p−アリール(式中、pは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、
−CO−(CH2q−ヘテロアリール(式中、qは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)、及び
−CO−NR45
よりなる群から選択されるか;あるいは
2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、フェニル環と縮合している5もしくは6員のへテロ環を形成し、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されており;
4は、水素、低級アルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、及び低級シアノアルキルよりなる群から選択され;
5は、
低級アルキル、
アリール(非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、ならびに
低級アリールアルキル(式中、フェニル環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されていてもよい)
よりなる群から選択されるか;
あるいは
4及びR5は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子、スルフィニル基、又はスルホニル基を場合により含む、4、5、6もしくは7員のへテロ環を形成し、
そのヘテロ環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンアルキル、シアノ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシ、オキソ、フェニル、ベンジル、ピリジル、及びカルバモイルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されているか、又は
フェニル環と縮合しており、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている]
の化合物及びその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0005】
式Iの化合物は、ヒスタミン3受容体(H3受容体)のアンタゴニスト及び/又は逆アゴニストである。
【0006】
ヒスタミン(2−(4−イミダゾリル)エチルアミン)は、体内、例えば胃腸管に広く分布しているアミン作動性神経伝達物質の一つである(Johnson L. R. 編、Physiology of the Gastrointestinal Tract, Raven Press, NY, pp. 211-242中のBurks 1994)。ヒスタミンは、胃酸分泌、腸運動(Leursら、Br. J. Pharmacol. 1991. 102, pp 179-185)、血管運動応答、腸炎症性応答及びアレルギー反応(Raithelら、Int. Arch. Allergy Immunol. 1995, 108, 127-133)のような種々の消化の病態生理学的事象を制御する。哺乳類の脳において、ヒスタミンは、後基底視床下部の粗乳頭核に主として見出されるヒスタミン作動性細胞体において合成される。そこから、ヒスタミン作動性細胞体は、種々の脳領域に突き出ている(Panulaら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1984, 81, 2572-2576; Inagakiら、J. Comp. Neurol 1988, 273, 283-300)。
【0007】
現在の知識によれば、ヒスタミンは、4種の識別可能なヒスタミン受容体、ヒスタミンH1、H2、H3、及びH4受容体を通して、CNS及び末梢の双方におけるそのすべての作用を仲介する。
【0008】
H3受容体は、主に、中枢神経系(CNS)に局在している。自己受容体として、H3受容体は、ヒスタミン作動性ニューロンからのヒスタミンの合成及び分泌を、構成的に阻害する(Arrangら、Nature 1983, 302, 832-837; Arrangら、Neuroscience 1987, 23, 149-157)。異種受容体として、H3受容体は、また、中枢神経系ならびに肺、心臓血管系及び胃腸管等の末梢臓器の双方において、特に、アセチルコリン、ドーパミン、セロトニン、及びノルエピネフリン等の他の神経伝達物質の放出を調節する(Clapham & Kilpatrik, Br. J. Pharmacol. 1982, 107, 919-923; The Histamine H3 Receptor (Leurs RL and Timmermann H 編、1998, pp 27-40, Elsevier, Amsterdam, The Netherlands)中のBlandinaら)。H3受容体は、外因性のヒスタミン無しでも、受容体が持続的に活性化されるという意味で、構成的に活性である。H3受容体等の阻害性受容体の場合には、この固有の活性は、神経伝達物質放出の持続性阻害を引き起こす。したがって、H3Rアンタゴニストはまた、外因性ヒスタミン効果をブロックし、受容体をその構成的に活性な(阻害的な)形態から中立的な状態に移すという双方の逆アゴニスト活性を有することが重要でありうる。
【0009】
H3受容体が哺乳類のCNSに広汎に分布していることは、この受容体の生理学的な役割を示している。したがって、種々の適応症における新規な薬物開発ターゲットとしての治療上の潜在能力が提案されている。
【0010】
アンタゴニスト、逆アゴニスト、アゴニスト、又は部分アゴニストとしての、H3Rリガンドの投与は、脳及び末梢におけるヒスタミン濃度又は神経伝達物質の分泌に影響を与え、したがって、いくつかの障害の処置に有用でありうる。そのような障害として、肥満症(Masakiら; Endocrinol. 2003, 144, 2741-2748; Hancockら、European J. of Pharmacol. 2004, 487, 183-197)、急性心筋梗塞等の心臓血管障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)及びアルツハイマー病等の認知症及び認知障害、統合失調症、うつ病、てんかん、パーキンソン病及び発作もしくは痙攣等の神経障害、睡眠障害、ナルコレプシー、疼痛、胃腸障害、モルバス・メリエール等の前庭機能障害、薬物乱用及び乗り物酔いが挙げられる(Timmermann, J. Med. Chem. 1990, 33, 4-11)。
【0011】
したがって、本発明の目的は、選択的で、直接的に作用するH3受容体アンタゴニストまたは逆アゴニストを提供することである。そのようなアンタゴニスト/逆アゴニストは、特にH3受容体の調節に関連する疾患の治療及び/又は予防における、治療上活性な物質として有用である。
【0012】
本明細書中で、用語「アルキル」は、単独で又は他の基と組み合わされて、炭素原子1〜20個、好ましくは炭素原子1〜16個、より好ましくは炭素原子1〜10個の分岐鎖状又は直鎖状の一価の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。
【0013】
用語「低級アルキル」又は「C1〜C8アルキル」は、単独で又は組み合わされて、炭素原子1〜8個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、好ましくは炭素原子1〜6個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、及び特に好ましくは炭素原子1〜4個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を意味する。直鎖状又は分岐鎖状のC1〜C8アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、異性体のペンチル類、異性体のヘキシル類、異性体のヘプチル類、及び異性体のオクチル類、好ましくはメチル及びエチル、最も好ましくはメチルである。
【0014】
用語「シクロアルキル」又は「C3〜C7シクロアルキル」は、炭素原子3〜7個を含む飽和炭素環式基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロヘプチルである。特に好ましいものは、シクロペンチルである。
【0015】
用語「低級シクロアルキルアルキル」又は「C3〜C7シクロアルキル−C1〜C8アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも1個がシクロアルキル基で置き換えられている、上で定義されたとおりの低級アルキル基を表す。好ましい低級シクロアルキルアルキル基は、シクロプロピルメチルである。
【0016】
用語「アルコキシ」は、基R’−O−を表し、ここでR’は、低級アルキルであり、用語「低級アルキル」は、先に与えられた意味を有する。低級アルコキシ基の例は、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、及びtert−ブトキシ、好ましくはメトキシ及びエトキシ、最も好ましくはメトキシである。
【0017】
用語「低級アルコキシアルキル」又は「C1〜C8アルコキシ−C1〜C8アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも1個がアルコキシ基、好ましくはメトキシ又はエトキシで置き換えられている、上で定義されたとおりの低級アルキル基を表す。好ましい低級アルコキシアルキル基には、2−メトキシエチル又は3−メトキシプロピルがある。
【0018】
用語「低級シクロアルキルアルコキシ」又は「C3〜C7シクロアルキル−C1〜C8アルコキシ」は、低級アルコキシ基の水素原子の少なくとも1個がシクロアルキル基で置き換えられている、上で定義されたとおりの低級アルコキシ基を表す。好ましい低級シクロアルキルアルコキシ基は、シクロプロピルメトキシである。
【0019】
用語「低級シアノアルキル」又は「シアノ−C1〜C8アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも1個がシアノ基で置き換えられている、上で定義されたとおりの低級アルキル基を表す。好ましい低級シアノアルキル基には、シアノメチル又はシアノエチルがある。
【0020】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を表し、フッ素、塩素、及び臭素が好ましい。
【0021】
用語「低級ハロゲンアルキル」又は「ハロゲン−C1〜C8アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも1個がハロゲン原子、好ましくはフルオロ又はクロロ、最も好ましくはフルオロで置き換えられている、上で定義されたとおりの低級アルキル基を意味する。好ましいハロゲン化低級アルキル基には、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロエチル、フルオロメチル、及びクロロメチルがあり、トリフルオロメチルが特に好ましい。
【0022】
用語「低級ハロゲンアルコキシ」又は「ハロゲン−C1〜C8アルコキシ」は、低級アルコキシ基の水素原子の少なくとも1個がハロゲン原子、好ましくはフルオロ又はクロロ、最も好ましくはフルオロで置き換えられている、上で定義されたとおりの低級アルコキシ基を意味する。好ましいハロゲン化低級アルコキシ基は、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロメトキシ、及びクロロメトキシがあり、トリフルオロメトキシが特に好ましい。
【0023】
用語「低級ヒドロキシアルキル」又は「ヒドロキシ−C1〜C8アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも1個がヒドロキシ基で置き換えられている、上で定義されたとおりの低級アルキル基を表す。低級ヒドロキシアルキル基の例は、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチルである。
【0024】
用語「アルキルスルホニル」又は「低級アルキルスルホニル」は、基R’−S(O)2−を表し、ここでR’は、低級アルキルであり、用語「低級アルキル」は、先に与えられた意味を有する。アルキルスルホニル基の例は、例えば、メチルスルホニル又はエチルスルホニルである。
【0025】
用語「低級アルキルスルホニルアルキル」又は「C1〜C8アルキルスルホニル−C1〜C8アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも1個がアルキルスルホニル基、好ましくはメチルスルホニルで置き換えられている上で定義されたとおりの低級アルキル基を表す。好ましい低級アルキルスルホニルアルキル基の例は、2−メチルスルホニルエチルである。
【0026】
用語「ハロゲンアルキルスルホニル」又は「低級ハロゲンアルキルスルファニル」は、基R’−S(O)2−を表し、ここでR’は、低級ハロゲンアルキルであり、用語「低級ハロゲンアルキル」は、先に与えられた意味を有する。ハロゲンアルキルスルホニル基の例は、トリフルオロメチルスルホニルである。
【0027】
用語「低級アルカノイル」は、基−CO−R’を表し、ここでR’は、低級アルキルであり、用語「低級アルキル」は、先に与えられた意味を有する。好ましいのは、アセチル基を意味する、R’がメチルである基−CO−R’である。
【0028】
用語「ベンゾイル」は、基−CO−フェニルを表し、ここでフェニル環は、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、低級ハロゲンアルコキシ、及びシアノよりなる群から独立に選択される1、2又は3個の基で場合により置換されていてもよい。
【0029】
用語「カルバモイル」は、基−CO−NH2を表す。
【0030】
用語「アリール」は、1個の個別の環、又は少なくとも1個の環が性質上芳香族である1個以上の縮合環よりなる、一価の芳香族炭素環基を表す。好ましい「アリール」基は、フェニル又はナフチル基であり、より好ましくは、「アリール」は、フェニル基を表す。
【0031】
用語「ヘテロアリール」は、窒素、酸素、及び硫黄よりなる群から選択される1、2、又は3個の原子を含む芳香族5員又は6員環を表す。ヘテロアリール基の例は、フリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、及びピロリルである。特に好ましいのは、ピリジル、チアゾリル、及びオキサゾリルである。
【0032】
用語「ヘテロシクリル」は、窒素、酸素、及び/又は硫黄から選択される1、2、又は3個の原子を含みうる飽和又は部分的に不飽和の5員又は6員環を表す。ヘテロシクリル環の例としては、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼピニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアジアゾリリジニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、及びチオモルホリニルが挙げられる。好ましいヘテロシクリル基は、ピペリジニル又はテトラヒドロピラニルである。
【0033】
用語「窒素、酸素もしくは硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子を場合により含む、4、5、6もしくは7員のへテロ環を形成する」は、場合によりさらに、窒素、酸素又は硫黄原子を含んでいてもよいN−ヘテロ環、例えば、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、又はアゼパニルを意味する。「スルフィニル基又はスルホニル基を含有する4、5、6もしくは7員のへテロ環」は、−S(O)−基又は−SO2−基を含むN−ヘテロ環、例えば、1−オキソチオモルホリニル又は1,1−ジオキソチオモルホリニルを意味する。ヘテロ環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンアルキル、シアノ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシ、オキソ、フェニル、ベンジル、ピリジル、及びカルバモイルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されていてもよい。へテロ環はまた、フェニル環と縮合していてもよく、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2もしくは3個の基で置換されている。そのような縮合へテロ環の例は、3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン又は1,3−ジヒドロイソインドールである。
【0034】
用語「オキソ」は、ヘテロ環のC原子が、=Oで置換されうることを意味し、したがって、ヘテロ環が1個以上のカルボニル(−CO−)基を含有しうることを意味する。
【0035】
用語「薬学的に許容しうる塩」は、生物学的に又はその他で望ましくないものではない、遊離の塩基又は遊離の酸の生物学的な有効性及び特性を保持している塩を意味する。その塩は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等、好ましくは塩酸、また、有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、サリチル酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、N−アセチルシステイン等とで形成される。さらに、これらの塩は、遊離の酸へ無機塩基又は有機塩基を付加させることにより調製することができる。無機塩基に由来する塩として、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。有機塩基に由来する塩として、一級、二級、及び三級アミン、天然由来の置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリミン樹脂等の塩が挙げられるが、これらに限定されない。式Iの化合物は、また、両性イオンの形態で存在することができる。式Iの化合物の特に好ましい薬学的に許容しうる塩は、塩酸塩である。
【0036】
式Iの化合物は、また、溶媒和、例えば、水和されていることができる。溶媒和は、製造工程の途中で生じることができるか、あるいは、例えば、当初は無水の式Iの化合物の吸湿性の結果としても生じうる(水和)。用語、薬学的に許容しうる塩は、また、生理学的に許容しうる溶媒和物を包含する。
【0037】
「異性体」は、同一の分子式を有するが、その原子の結合の性質もしくは順序又はその原子の空間での配置が異なる化合物である。それらの原子の空間での配置が異なる異性体は、「立体異性体」と称される。互いに鏡像ではない立体異性体は、「ジアステレオ異性体」と称され、重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は、「鏡像異性体」又はある場合には光学異性体と称される。4個の同一ではない置換基が結合している炭素原子は、「キラル中心」と称される。
【0038】
詳細には、本発明は、一般式I:
【0039】
【化13】

【0040】
[式中、
sは、1又は2であり;
1は、低級アルキル、シクロアルキル、低級シクロアルキルアルキル、低級シアノアルキル、低級アルキルスルホニルアルキル、及びテトラヒドロピラニルよりなる群から選択され;
1aは、水素又は低級アルキルであり;
2は、水素、低級アルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、及び低級シアノアルキルよりなる群から選択され;
3は、
−(CH2m−アリール(式中、mは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、低級アルキルスルホニル、低級ハロゲンアルキルスルホニル、低級ハロゲンアルコキシ、低級シクロアルキルアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、
−(CH2n−ヘテロアリール(式中、nは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、低級アルキルスルホニル、低級ハロゲンアルキルスルホニル、低級ハロゲンアルコキシ、低級シクロアルキルアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)、
インダニル、1−オキソ−インダニル、
−CO−(C3〜C8)アルキル、
−CO−(CH2p−アリール(式中、pは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、
−CO−(CH2q−ヘテロアリール(式中、qは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)、及び
−CO−NR45
よりなる群から選択されるか;あるいは
2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、フェニル環と縮合している5もしくは6員のへテロ環を形成し、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されており;
4は、水素、低級アルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、及び低級シアノアルキルよりなる群から選択され;
5は、
低級アルキル、
アリール(非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、ならびに
低級アリールアルキル(式中、フェニル環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されていてもよい)
よりなる群から選択されるか;
あるいは
4及びR5は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子、スルフィニル基、又はスルホニル基を場合により含む、4、5、6もしくは7員のへテロ環を形成し、
そのヘテロ環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンアルキル、シアノ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシ、オキソ、フェニル、ベンジル、ピリジル、及びカルバモイルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されているか、又は
フェニル環と縮合しており、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている]
の化合物及びその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0041】
好ましいものは、
3が、
−(CH2m−アリール(式中、mは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、低級アルキルスルホニル、低級ハロゲンアルキルスルホニル、低級ハロゲンアルコキシ、低級シクロアルキルアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、
−(CH2n−ヘテロアリール(式中、nは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、低級アルキルスルホニル、低級ハロゲンアルキルスルホニル、低級ハロゲンアルコキシ、低級シクロアルキルアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)、
インダニル、及び1−オキソ−インダニル
よりなる群から選択される、本発明に係る式Iの化合物である。
【0042】
より好ましいものは、R3が、−(CH2m−アリール(式中、mは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、低級アルキルスルホニル、低級ハロゲンアルキルスルホニル、低級ハロゲンアルコキシ、低級シクロアルキルアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)である、本発明に係る式Iの化合物である。
【0043】
同じく好ましいものは、Rが、−(CH2n−ヘテロアリール(式中、nは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、低級アルキルスルホニル、低級ハロゲンアルキルスルホニル、低級ハロゲンアルコキシ、低級シクロアルキルアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)、式Iの化合物である。
【0044】
より好ましいものは、Rが、−(CH2n−ヘテロアリール(式中、nは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、低級アルキルスルホニル、低級ハロゲンアルキルスルホニル、低級ハロゲンアルコキシ、低級シクロアルキルアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されているピリジル又はイソオキサゾリルである)、式Iの化合物である。
【0045】
好ましいものは、式I−A:
【0046】
【化14】

【0047】
[式中、
1は、低級アルキル又はシクロアルキルであり;
2は、水素、低級アルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、及び低級シアノアルキルよりなる群から選択され;
3は、
−(CH2m−アリール(式中、mは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、
−(CH2n−ヘテロアリール(式中、nは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)、
インダニル、
−CO−(C3〜C8)アルキル、
−CO−(CH2p−アリール(式中、pは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、
−CO−(CH2q−ヘテロアリール(式中、qは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)、及び
−CO−NR45
よりなる群から選択されるか;あるいは
2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、フェニル環と縮合している5もしくは6員のへテロ環を形成し、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されており;
4は、水素、低級アルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、及び低級シアノアルキルよりなる群から選択され;
5は、
低級アルキル、
アリール(非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、ならびに
低級アリールアルキル(式中、フェニル環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されていてもよい)
よりなる群から選択されるか;
あるいは
4及びR5は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子、スルフィニル基、又はスルホニル基を場合により含む、4、5、6もしくは7員のへテロ環を形成し、
そのヘテロ環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシ、オキソ、フェニル、ベンジル、ピリジル、及びカルバモイルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されているか、又は
フェニル環と縮合しており、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている]
を有する、本発明の式Iのさらなる化合物及びその薬学的に許容しうる塩である。
【0048】
本発明の式Iの好ましい化合物は、R3が、
−(CH2m−アリール(式中、mは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、
−(CH2n−ヘテロアリール(式中、nは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)、ならびに
インダニルよりなる群から選択される、式I−Aの化合物である。
【0049】
特に好ましいものは、R3が、−(CH2m−アリール(式中、mは0、1又は2であり、アリール環は、非置換又は、低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されているフェニルである)である、式I−Aのそれらの化合物である。
【0050】
同じく好ましいものは、Rが、−(CH2n−ヘテロアリール(式中、nは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)、式I−Aのそれらの化合物であり、ヘテロアリール環が非置換又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されているピリジルである、それらの化合物が特に好ましい。
【0051】
本発明の好ましい化合物のさらなる群は、R3が、
−CO−(C3〜C8)アルキル、
−CO−(CH2p−アリール(式中、pは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、及び
−CO−(CH2q−ヘテロアリール(式中、qは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)よりなる群から選択される、
式Iの化合物である。
【0052】
3が、−CO−(C3〜C8)アルキルである場合、(C3〜C8)アルキルがイソプロピルを意味する、式Iのそれらの化合物がより好ましい。
【0053】
さらに好ましい化合物は、R3が、−CO−(CH2p−アリール(式中、pは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されているフェニルである)である、本発明の式Iのそれらの化合物である。好ましくは、フェニル環は、ハロゲン又は低級アルコキシから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている。
【0054】
同じく好ましいものは、R3が、−CO−(CH2q−ヘテロアリール(式中、qは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)である、本発明の式Iの化合物である。
【0055】
本発明に係る式Iの好ましい化合物の他の群は、Rが−CO−NR45であり、
4が、水素、低級アルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、及び低級シアノアルキルよりなる群から選択され;
5が、
低級アルキル、
アリール(非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、ならびに
低級アリールアルキル(式中、フェニル環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されていてもよい)
よりなる群から選択されるか;
あるいは
4及びR5が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子、スルフィニル基、又はスルホニル基を場合により含む、4、5、6もしくは7員のへテロ環を形成し、
そのヘテロ環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンアルキル、シアノ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシ、オキソ、フェニル、ベンジル、ピリジル、及びカルバモイルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されているか、又は
フェニル環と縮合しており、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている、式Iのそれらの化合物である。
【0056】
より好ましいものは、Rが−CO−NR45であり、
4が、水素又は低級アルキルであり;
5が、
低級アルキル、
フェニル(非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、及び
低級フェニルアルキル(式中、フェニル環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されていてもよい)
よりなる群から選択される、式Iの化合物である。
【0057】
この群で特に好ましいものは、R5が、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されているフェニルであるか、あるいはR5が低級フェニルアルキル(式中、フェニル環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されていてもよい)である、式Iのそれらの化合物である。
【0058】
さらに、Rが−CO−NR45であり、R4及びR5が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子、スルフィニル基、又はスルホニル基を場合により含む、4、5、6もしくは7員のへテロ環を形成し、そのヘテロ環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンアルキル、シアノ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシ、オキソ、フェニル、ベンジル、ピリジル、及びカルバモイルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されているか、又は
フェニル環と縮合しており、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている、本発明に係る式Iの化合物が好ましい。
【0059】
より好ましいものは、R4及びR5が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、アゼパン、ピペラジン、アゼチジン、及びチオモルホリンよりなる群から選択されるヘテロ環を形成し、そのヘテロ環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンアルキル、シアノ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシ、オキソ、フェニル、ベンジル、ピリジル、及びカルバモイルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されているか、又はフェニル環と縮合しており、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている、本発明に係る式Iの化合物である。
【0060】
特に好ましいものは、R4及びR5が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、2−メチルピロリジン、ピペリジン、4−メトキシピペリジン、4,4−ジフルオロピペリジン、モルホリン、4−フェニルピペラジン、1,3−ジヒドロ−イソインドール、及び3,4−ジヒドロ−2H−キノリンよりなる群から選択される基を形成している、本発明の式Iの化合物である。
【0061】
さらに好ましい本発明に係る式Iの化合物は、R1が低級アルキルであるものであり、R1がイソプロピルであるそれらの化合物が特に好ましい。
である。
【0062】
同じく好ましいものは、R1がシクロアルキルである式Iの化合物であり、R1がシクロペンチルであるそれらの化合物が特に好ましい。
【0063】
好ましいものは、R2が水素又は低級アルキルである、本発明に係る式Iのさらなる化合物である。
【0064】
さらに、R2及びR3が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、フェニル環と縮合している5もしくは6員のへテロ環を形成し、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている、本発明に係る式Iの化合物が、同じく好ましい。
【0065】
特に好ましいものは、R2及びR3が、それらが結合している窒素原子と一緒になって1,3−ジヒドロ−イソインドール基又は3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン基を形成する、式Iのそれらの化合物である。
【0066】
本発明の式Iの好ましい化合物の例は、以下のもの:
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−p−トリルアミノ−シクロヘキシル)−メタノン、
[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[4−(1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−メトキシ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
[4−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[4−(インダン−1−イルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(1−フェニル−プロピルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−[2−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−シクロヘキシル}−メタノン、
[4−(4−ジフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
N−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−イソブチルアミド、
N−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−4−メトキシ−ベンズアミド、
2,4−ジフルオロ−N−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−ベンズアミド、
2,4−ジクロロ−N−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−ベンズアミド、
1−ベンジル−1−イソプロピル−3−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−ウレア、
1,1−ジエチル−3−[cis−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−ウレア、
4−フェニル−ピペラジン−1−カルボン酸[cis−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
1−(4−クロロ−フェニル)−3−[cis−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−1−メチル−ウレア、
1−ベンジル−1−エチル−3−[cis−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−ウレア、
3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸[cis−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
1−(3−フルオロ−フェニル)−3−[cis−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−1−メチル−ウレア、
2−メチル−ピロリジン−1−カルボン酸[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
1−ベンジル−1−イソプロピル−3−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−ウレア、
1,1−ジエチル−3−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−ウレア、
ピペリジン−1−カルボン酸[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
モルホリン−4−カルボン酸[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
4−メトキシ−ピペリジン−1−カルボン酸[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
4−フェニル−ピペラジン−1−カルボン酸[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
1−(4−クロロ−フェニル)−3−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−1−メチル−ウレア、
1−ベンジル−1−エチル−3−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−ウレア、
3−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−1−フェニル−1−プロピル−ウレア、
3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
1−(3−フルオロ−フェニル)−3−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−1−メチル−ウレア、
4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−カルボン酸[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(3−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(2,4−ジフルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
3−[4−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−ベンゾニトリル、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(2−メトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−メトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
1−{4−[4−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−フェニル}−エタノン、
[4−(4−ベンゾイル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(ピラジン−2−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−{4−[(3−フルオロ−フェニル)−メチル−アミノ]−シクロヘキシル}−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−{4−[(4−フルオロ−フェニル)−メチル−アミノ]−シクロヘキシル}−メタノン、
[4−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[4−(2,4−ジフルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
3−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−ベンゾニトリル、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−メトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
1−{4−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−フェニル}−エタノン、
[4−(4−ベンゾイル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
2−[4−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−ベンゾニトリル、
cis−[4−(4−ジフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[4−(4−ジフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−1−{4−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−フェニル}−エタノン、
cis−1−{4−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−フェニル}−エタノン、
trans−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−メトキシ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−メトキシ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
cis−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−メトキシ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−メトキシ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−3−メチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−(4−tert−ブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−(4−sec−ブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−(4−シクロヘキシル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−[4−(2−メタンスルホニル−エチル)−ピペラジン−1−イル]−メタノン、
trans−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−プロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−メチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル)−メタノン、
trans−(4−シクロプロピルメチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−3−{4−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキサンカルボニル]−ピペラジン−1−イル}−プロピオニトリル、
3−クロロ−4−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−ベンゾニトリル、
trans−[4−(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
cis−[4−(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−2−クロロ−4−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−ベンゾニトリル、
cis−2−クロロ−4−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−ベンゾニトリル、
trans−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメタンスルホニル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメタンスルホニル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−5−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−インダン−1−オン、
cis−5−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−インダン−1−オン、
trans−4−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−ベンズアミド、
cis−4−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−ベンズアミド、
trans−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
[4−(3−クロロ−4−メチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
[4−(3−クロロ−4−メチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[4−(3−クロロ−4−メチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−[4−(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−3−メチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
cis−[4−(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−3−メチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−(4−イソプロピル−3−メチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−(4−イソプロピル−3−メチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン
trans−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−[4−(3−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−[4−(3−クロロ−4−メチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
cis−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
cis−[4−(3−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
cis−[4−(3−クロロ−4−メチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−[4−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
cis−[4−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[4−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−[4−(3−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−[4−(3−クロロ−4−メチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
cis−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
cis−[4−(3−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
cis−[4−(3−クロロ−4−メチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−[4−(3−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−[4−(3−クロロ−4−メチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
cis−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−[4−(3−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−3−メチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−[4−(3−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−3−メチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
cis−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−3−メチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
cis−[4−(3−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−3−メチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
cis−[4−(3−クロロ−4−メチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−3−メチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[4−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−3−メチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
cis−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロプロピルメチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
cis−[4−(3−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロプロピルメチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−(4−sec−ブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−(4−sec−ブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−(4−sec−ブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−(4−sec−ブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
cis−(4−sec−ブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(3−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−(4−シクロヘプチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
trans−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−メタノン、
trans−[4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル]−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−イソプロポキシ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−シクロプロピルメトキシ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
[4−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[4−(6−クロロ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
6−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−ニコチノニトリル、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
及びその薬学的に許容しうる塩である。
【0067】
特に好ましいものは、以下の化合物:
[4−(1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−メトキシ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
[4−(インダン−1−イルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(1−フェニル−プロピルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−[2−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−シクロヘキシル}−メタノン、
[4−(4−ジフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(2,4−ジフルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
3−[4−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−ベンゾニトリル、
[4−(4−ベンゾイル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−メトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
[4−(4−ベンゾイル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
及びその薬学的に許容しうる塩である。
【0068】
さらに特に好ましい式Iの化合物は、以下のもの:
trans−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
[4−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−[4−(6−クロロ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−6−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−ニコチノニトリル、
trans−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
及びその薬学的に許容しうる塩である。
【0069】
さらに、式Iの化合物の薬学的に許容しうる塩及び式Iの化合物の薬学的に許容しうるエステルは、個々に、本発明の好ましい実施態様を構成する。
【0070】
式Iの化合物は、酸、例えば通常の薬学的に許容しうる酸との酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、サリチル酸塩、硫酸塩、ピルビン酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、マンデル酸塩、酒石酸塩、及びメタンスルホン酸塩を形成しうる。好ましいものは、塩酸塩である。また、式Iの化合物の溶媒和物及び水和物ならびにそれらの塩は、本発明の一部を形成する。
【0071】
式Iの化合物は、1つ以上の不斉炭素原子を有することができ、光学的に純粋な鏡像異性体、例えばラセメートのような鏡像異性体の混合物、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体ラセメート、又はジアステレオ異性体ラセメートの混合物の形態で存在することができる。光学的に活性な形態は、例えば、ラセメートの分割により、不斉合成又は不斉クロマトグラフィー(キラル吸着剤又は溶離剤でのクロマトグラフィー)により得ることができる。本発明は、これらの形態のすべてを包含する。
【0072】
本発明における一般式Iの化合物は、官能基において誘導体化されて、インビボで親化合物に変換して戻りうる誘導体をもたらす。インビボで一般式Iの親化合物を産生しうる、生理学的に許容でき、かつ代謝的に変化しやすい誘導体もまた、本発明の範囲内である。
【0073】
本発明のさらなる態様は、上で定義された式Iの化合物の製造方法であって、
a)式II:
【0074】
【化15】

【0075】
(式中、s、R1a、及びR1は、本明細書中で前に定義されたとおりである)
の化合物を、カップリング試薬の存在下、塩基性条件下に、式III:
【0076】
【化16】

【0077】
(式中、R2及びR3は、本明細書中で前に定義されたとおりであり、ただし、R3は、カルボニル基を含まない)
のアミンとカップリングさせて、式I−B:
【0078】
【化17】

【0079】
(式中、s、R1a、R1、及びR2は、本明細書中で前に定義されたとおりであり、R3は、カルボニル基を含むそれらの基以外の本明細書中で前に定義されたとおりの基である)
の化合物を得、所望により、
得られた化合物を薬学的に許容しうる酸付加塩に変換すること、又は
b)式IV:
【0080】
【化18】

【0081】
(式中、s、R1a、及びR1は、本明細書中で前に定義されたとおりである)
の化合物を、塩基の存在下、式V:
【0082】
【化19】

【0083】
(式中、R6は、(C3〜C8)アルキル、−(CH2p−アリール、及び−(CH2q−ヘテロアリールよりなる群から選択される)
の酸塩化物と反応させて、式I−C:
【0084】
【化20】

【0085】
(式中、R2は、水素であり、R3は、−CO−(C3〜C8)アルキル、−CO−(CH2p−アリール、及び−CO−(CH2q−ヘテロアリールよりなる群から選択される)
の化合物を得、所望により、
得られた化合物を薬学的に許容しうる酸付加塩に変換すること、又は
c)式IV:
【0086】
【化21】

【0087】
(式中、s、R1a、及びR1は、本明細書中で前に定義されたとおりである)
の化合物を、フェニルクロロホルメートでの活性化後に、式VI:
【0088】
【化22】

【0089】
(式中、R4及びR5は、本明細書中で前に定義されたとおりである)
のアミンとカップリングさせて、式I−D:
【0090】
【化23】

【0091】
(式中、s、R1a、R1、R2、R4、及びR5は、本明細書中で前に定義されたとおりである)
の化合物を得、所望により、
得られた化合物を薬学的に許容しうる酸付加塩に変換することを含む方法である。
【0092】
本発明の式Iの化合物の調製は、逐次合成経路又は集中的な合成経路で行うことができる。本発明の合成法は、以下のスキームに示されている。反応及び得られた生成物の精製を行うために要する技術は当業者に公知である。工程の以下の記述に使用される置換基及びインデックスは、異なることが示されない限り、前記の意味を有する。より詳細には、式Iの化合物は、以下に記載の方法によるか、実施例に記載の方法によるか、又は類似の方法により製造することができる。個々の反応工程に対する適切な反応条件は、当業者に公知である。
【0093】
出発原料は、市販されているか、又は以下に記載の方法と類似の方法によるか、本文もしくは実施例に示される参照文献に記載の方法によるか、又はこの技術分野で公知の方法により調製することができる。
【0094】
式I−Bの化合物(式中、R3は、−(CH2m−アリール、−(CH2n−ヘテロアリール、及びインダニルから選択されるか、またはR2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、フェニル環と縮合している5もしくは6員のへテロ環を形成し、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)は、スキーム1に示されている手順に従って調製することができる。
【0095】
【化24】

【0096】
4−オキソ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルVIIは、市販されており、またケトン官能性は、文献に記載の方法に従って修飾することができ、その手順は、当業者に公知である(このような反応に影響を与える文献記載の反応条件については、例えば:Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition, Richard C. Larock. John Wiley & Sons, New York, NY. 1999参照)。しかしながら、VII中のケトン官能性を、還元条件下に、アミンIII(市販されているか、それぞれに見合って、文献記載の方法により、又はこの分野で公知の方法により入手しうる)で還元的アミノ化を経て変換することが好都合であることを見出した。反応は、溶媒及び酸の存在下に又は不存在下に行いうる。関与する反応又は試薬に悪影響を及ぼさず、また試薬を少なくともいくらかの程度に溶解することができる限り、使用する溶媒の種類には特に制限はない。好適な溶媒の例として、THF、メタノールなどが挙げられる。この段階で使用する酸の種類には、特に制限はなく、このタイプの反応に一般的に使用される任意の酸が、同等にここで使用しうる。このような酸の例として、酢酸などが挙げられる。この段階で使用される還元剤の性質には、特に制限はなく、このタイプの反応に一般的に使用される任意の還元剤が、同等にここで使用しうる。このような還元剤の例として、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムなどが挙げられる。反応は広い範囲の温度にわたって生起し、正確な反応温度は、本発明にとって重要なことではない。周囲温度から還流に加熱して反応を行うことが好都合であることを見出している。反応に要する時間は、多くの因子に応じて、特に反応温度と試薬の種類に応じて、同様に広範囲に変化しうる。しかしながら、0.5時間〜数日の期間が、中間体として構築されたエステルを得るのに通常十分であり、そのエステルは、文献に公知の種々の方法でケン化することができる。しかしながら、エステル官能性を塩基性条件下に開裂させることが好都合であることを見出している。反応は、溶媒の存在下に又は不存在下に行いうる。関与する反応又は試薬に悪影響を及ぼさず、また試薬を少なくともいくらかの程度に溶解することができる限り、使用する溶媒の種類には特に制限はない。好適な溶媒の例として、THF、メタノール、水などが挙げられる。この段階で使用する塩基の種類には、特に制限はなく、このタイプの反応に一般的に使用される任意の塩基が、同等にここで使用しうる。このような塩基の例として、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。遊離された酸官能性は、文献に記載の方法に従って修飾することができ、手順は、当業者に公知である。しかしながら、カップリング試薬を用いて、置換又は非置換ピペラジンVIII(市販されているか、それぞれに見合って、文献記載の方法により、又はこの分野で公知の方法により入手しうる)で、アミドカップリングを経て酸官能性を変換することが好都合であることを見出している。反応は、溶媒及び塩基の存在下に又は不存在下に行いうる。関与する反応又は試薬に悪影響を及ぼさず、また試薬を少なくともいくらかの程度に溶解することができる限り、使用する溶媒の種類には特に制限はない。好適な溶媒の例として、DMF、THF、ジオキサンなどが挙げられる。この段階で使用する塩基の種類には、特に制限はなく、このタイプの反応に一般的に使用される任意の塩基が、同等にここで使用しうる。このような塩基の例として、NEt3又はジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)などが挙げられる。この段階で使用されるカップリング試薬の種類には、特に制限はなく、このタイプの反応に一般的に使用される任意のカップリング試薬が、同等にここで使用しうる。このような還元剤の例として、ヘキサフルオロリン酸1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシド(HATU)、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール(HOBT)、テトラフルオロホウ酸O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(TBTU)などが挙げられる。反応は広い範囲の温度にわたって生起し、正確な反応温度は、本発明にとって重要なことではない。周囲温度から還流に加熱して反応を行うことが好都合であることを見出している。反応に要する時間は、多くの因子に応じて、特に反応温度と試薬の種類に応じて、同様に広範囲に変化しうる。しかしながら、0.5時間〜数日の期間が、化合物I−Bを得るのに通常十分である。非置換ピペラジンVIIがカップリングされている場合、得られた化合物IAは、ピペラジン部分の遊離のNHで、それぞれケトン又はアルデヒドで還元的アミノ化されることによりさらに官能基化して、化合物I−Bを得ることができる。還元的アミノ化について上記された条件が、この反応工程でも同様に適用される。この手順を補完して、工程の順序を逆にする別のアプローチ、すなわち、式I−Bの所望の化合物を生成する、4−オキソ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルVII(市販されている)における上記のようなエステル官能性の開裂、上記のような好適なピペラジンとのアミドカップリング、及び引き続く、上記の還元的アミノ化を選択することができる。文献に記載の分離手法を経ると、対応するジアステレオマーが得られる。cis又はtrans異性体のそれぞれをジアステレオマー混合物から、シリカゲルクロマトグラフィー又は逆相HPLC手法を経て分離することが好都合であることを見出している。溶出用の溶媒は、適切に選択する。
【0097】
R3が、−CO−(C3〜C8)アルキル、−CO−(CH2p−アリール、及び−CO−(CH2q−ヘテロアリールよりなる群から選択される、式I−Cの化合物は、スキーム2に示されている手順に従って調製することができる。
【0098】
【化25】

【0099】
4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−シクロヘキサンカルボン酸IX(cis又はtrans)は、市販されており、引き続き、文献に記載の方法に従って酸官能性を修飾することができ、その手順は、当業者に公知である(このような反応に影響を与える文献記載の反応条件については、例えば:Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition, Richard C. Larock. John Wiley & Sons, New York, NY. 1999参照)。しかしながら、IX中の酸官能性を、カップリング試薬を用いる置換ピペラジンVIII(市販されているか、それぞれに見合って、文献記載の方法により、又はこの分野で公知の方法により入手しうる)とのアミドカップリングを経て変換することが好都合であることを見出している。反応は、溶媒及び塩基の存在下に又は不存在下に行いうる。関与する反応又は試薬に悪影響を及ぼさず、また試薬を少なくともいくらかの程度に溶解することができる限り、使用する溶媒の種類には特に制限はない。好適な溶媒の例として、DMF、THF、ジオキサンなどが挙げられる。この段階で使用する塩基の種類には、特に制限はなく、このタイプの反応に一般的に使用される任意の塩基が、同等にここで使用しうる。このような塩基の例として、NEt3又はDIPEAなどが挙げられる。この段階で使用されるカップリング試薬の種類には、特に制限はなく、このタイプの反応に一般的に使用される任意のカップリング試薬が、同等にここで使用しうる。このような還元剤の例として、TBTU、HATU、HOBTなどが挙げられる。反応は広い範囲の温度にわたって生起し、正確な反応温度は、本発明にとって重要なことではない。周囲温度から還流に加熱して反応を行うことが好都合であることを見出している。反応に要する時間は、多くの因子に応じて、特に反応温度と試薬の種類に応じて、同様に広範囲に変化しうる。しかしながら、0.5時間〜数日の期間が、化合物Xを得るのに通常十分である。
【0100】
X中の保護基の除去は、文献に記載の方法に従って種々の条件下に達成することができ、その手順は、当業者に公知である(このような反応に影響を与える文献記載の反応条件については、例えば:Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition, Richard C. Larock. John Wiley & Sons, New York, NY. 1999参照)。しかしながら、Boc保護基を、酸性条件下、溶媒の存在下に又は不存在下に開裂して中間体のアミンを得ることが好都合であることを見出している。関与する反応又は試薬に悪影響を及ぼさず、また試薬を少なくともいくらかの程度に溶解することができる限り、使用する溶媒の種類には特に制限はない。好適な溶媒の例として、ジオキサン、THF、水などが挙げられる。この段階で使用する酸の種類には、特に制限はなく、このタイプの反応に一般的に使用される任意の酸が、同等にここで使用しうる。このような酸の例として、HCl、酢酸などが挙げられる。反応は広い範囲の温度にわたって生起し、正確な反応温度は、本発明にとって重要なことではない。周囲温度から還流に加熱して反応を行うことが好都合であることを見出している。反応に要する時間は、多くの因子に応じて、特に反応温度と試薬の種類に応じて、同様に広範囲に変化しうる。しかしながら、0.5時間〜数日の期間が、中間体アミンを得るのに通常十分である。中間体アミンの酸塩化物とのカップリングは、文献中に広く記載されており、その手順は、当業者に公知である(このような反応に影響を与える文献記載の反応条件については、例えば:Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition, Richard C. Larock. John Wiley & Sons, New York, NY. 1999参照)。対応するアミンIVは、酸塩化物V(市販されているか、それぞれに見合って、文献記載の方法により、又はこの分野で公知の方法により入手しうる)とのカップリングを経て、対応するアミドI−Cに好都合に変換することができる。反応を、DCMのような溶媒中、塩基の存在下に行うことが好都合であることを見出している。関与する反応又は試薬に悪影響を及ぼさず、また試薬を少なくともいくらかの程度に溶解することができる限り、使用する溶媒の種類には特に制限はない。好適な溶媒の例として、ジクロロメタン(DCM)、ジオキサン、THFなどが挙げられる。この段階で使用する塩基の種類には、特に制限はなく、このタイプの反応に一般的に使用される任意の塩基が、同等にここで使用しうる。このような塩基の例として、トリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられる。反応は広い範囲の温度にわたって生起し、正確な反応温度は、本発明にとって重要なことではない。周囲温度から還流に加熱して反応を行うことが好都合であることを見出している。反応に要する時間は、多くの因子に応じて、特に反応温度と試薬の種類に応じて、同様に広範囲に変化しうる。しかしながら、0.5時間〜数日の期間が、アミド誘導体I−C(R2=H)を得るのに通常十分である。しかしながら、得られた式I−C(R2=H)の化合物は、本発明の化合物であり、所望の生成物であり得るが;あるいは、それは、適切な条件下にアミドのアルキル化のような連続的な反応に付してもよい。このような変換を達成するためには、文献に公知の種々の反応条件が存在するが、ホスホランのようなカップリング試薬の存在下のI−C(R2=H)の適切なアルコールとの反応により、アミドI−C(R2=H)をアミドI−E(R2=アルキル)に変換することが好都合であることを見出している(THL 2002, 43, 2187-2190より選定)。反応は、溶媒の存在下に又は不存在下に行いうる。関与する反応又は試薬に悪影響を及ぼさず、また試薬を少なくともいくらかの程度に溶解することができる限り、使用する溶媒の種類には特に制限はない。好適な溶媒の例として、トルエンなどが挙げられる。この段階で使用するホスホランの種類には、それが反応に影響しない限り、特に制限はない。反応は広い範囲の温度にわたって生起し、正確な反応温度は、本発明にとって重要なことではない。周囲温度から還流に加熱して反応を行うことが好都合であることを見出している。反応に要する時間は、多くの因子に応じて、特に反応温度と試薬の種類に応じて、同様に広範囲に変化しうる。しかしながら、0.5時間〜数日の期間が、アミドI−E(R2=アルキル)を得るのに通常十分である。
【0101】
式I−Dの尿素誘導体(R3が−CO−NR45を意味する化合物)は、以下の手順に従って調製できる。
【0102】
活性化しての中間体アミン(上記のようにしてこれらの中間体を得る)のアミンとのカップリング、つまりC1フラグメントの導入は、文献に広く記載されており、その手順は、当業者に公知である(このような反応に影響を与える文献記載の反応条件については、例えば:Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition, Richard C. Larock. John Wiley & Sons, New York, NY. 1999参照)。対応する中間体アミンは、フェニルクロロホルメートでの活性化で中間体として形成されるフェニルカーバメートを得、引き続きアミン(市販されているか、それぞれに見合って、文献記載の方法により、又はこの分野で公知の方法により入手しうる)と反応させることを経て、対応する尿素へ好都合に変換することができる。DCMのような溶媒中で、塩基の存在下にフェニルクロロホルメートとの反応を行うことが好都合であることを見出している。関与する反応又は試薬に悪影響を及ぼさず、また試薬を少なくともいくらかの程度に溶解することができる限り、使用する溶媒の種類には特に制限はない。好適な溶媒の例として、ジクロロメタン(DCM)、ジオキサン、THFなどが挙げられる。この段階で使用する塩基の種類には、特に制限はなく、このタイプの反応に一般的に使用される任意の塩基が、同等にここで使用しうる。このような塩基の例として、トリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられる。
【0103】
続いて、アミン(市販されているか、それぞれに見合って、文献記載の方法により、又はこの分野で公知の方法により入手しうる)を加える(ワンポットで、又は対応して生成したカーバメートの単離後に別の反応で)。反応は広い範囲の温度にわたって生起し、正確な反応温度は、本発明にとって重要なことではない。周囲温度から還流に加熱して反応を行うことが好都合であることを見出している。反応に要する時間は、多くの因子に応じて、特に反応温度と試薬の種類に応じて、同様に広範囲に変化しうる。しかしながら、0.5時間〜数日の期間が、尿素誘導体I−D(R2=H)を得るのに通常十分である。R2がアルキルであることが企図される場合、中間体Xは、当業者に公知の適切な反応条件下に、好ましくは塩基性条件下にアルキル化試薬で、遊離のNHにおいてアルキル化することができる。反応手順は、上で概括した経路に従う。式I−Fの得られた化合物は、本発明の化合物であり、所望の生成物であり得るが;あるいは、それは、適切な条件下に尿素のアルキル化のような連続的な反応に付してもよい。このような変換を達成するためには、文献に公知の種々の反応条件が存在するが、ホスホランのようなカップリング試薬の存在下のI−F(R4=H)の適切なアルコールとの反応により、尿素I−F(R4=H)を尿素I−G(R4=アルキル)に変換することが好都合であることを見出している(THL 2002, 43, 2187-2190より選定)。反応は、溶媒の存在下に又は不存在下に行いうる。関与する反応又は試薬に悪影響を及ぼさず、また試薬を少なくともいくらかの程度に溶解することができる限り、使用する溶媒の種類には特に制限はない。好適な溶媒の例として、トルエンなどが挙げられる。この段階で使用するホスホランの種類には、それが反応に影響しない限り、特に制限はない。反応は広い範囲の温度にわたって生起し、正確な反応温度は、本発明にとって重要なことではない。周囲温度から還流に加熱して反応を行うことが好都合であることを見出している。反応に要する時間は、多くの因子に応じて、特に反応温度と試薬の種類に応じて、同様に広範囲に変化しうる。しかしながら、0.5時間〜数日の期間が、尿素誘導体I−G(R4=アルキル)を得るのに通常十分である。
【0104】
上記のように、本発明の式Iの化合物は、H3受容体の調節に関連する疾患の治療及び/又は予防用の医薬として使用することができる。
【0105】
本明細書中で、表現「H3受容体の調節に関連する疾患」は、H3受容体の調節により治療及び/又は予防することができる疾患を意味する。そのような疾患は、肥満症、代謝症候群(シンドロームX)、アルツハイマー病を含む神経疾患、認知症、年齢関連記憶障害、軽度の認知機能障害、認知欠損、注意欠陥多動性障害、てんかん、神経因性疼痛、炎症性疼痛、片頭痛、パーキンソン病、多発性硬化症、発作、めまい、統合失調症、うつ病、依存症、乗り物酔い、及びナルコレプシーを含む睡眠障害、ならびに喘息、アレルギー、アレルギー誘起気道反応、鬱血、慢性閉塞性肺疾患及び胃腸障害を含む他の疾患を包含するが、これらに限定されない。
【0106】
好ましい態様において、表現「H3受容体の調節に関連する疾患」は、肥満症、代謝症候群(シンドロームX)、他の摂食障害に関連し、肥満症が特に好ましい。
【0107】
したがって、本発明はまた、上で定義されたとおりの化合物と、薬学的に許容しうる担体及び/又は佐剤とを含む医薬組成物に関する。
【0108】
さらに、本発明は、治療上有効な物質として、特に、H3受容体の調節に関連する疾患の治療及び/又は予防用の治療上有効な物質として使用するための、上で定義されたような化合物に関する。
【0109】
他の実施態様において、本発明は、H3受容体の調節に関連する疾患の治療及び/又は予防方法に関し、この方法は、式Iの化合物の治療有効量をヒト又は動物に投与することを含む。肥満症の治療及び/又は予防方法が好ましい。
【0110】
本発明は、さらに、H3受容体の調節に関連する疾患を治療及び/又は予防するための、上で定義されたような式Iの化合物の使用に関する。
【0111】
加えて、本発明は、H3受容体の調節に関連する疾患の治療及び/又は予防用の医薬を製造するための、上で定義されたような式Iの化合物の使用に関する。肥満症の治療及び/又は予防用の医薬を製造するための、上で定義されたような式Iの化合物の使用が好ましい。
【0112】
さらに、本発明は、リパーゼ阻害剤での処置をも受けている患者における肥満症の治療及び予防用の医薬を製造するための、式Iの化合物の使用、特にリパーゼ阻害剤がオルリスタットである使用に関する。
【0113】
本発明のさらに好ましい目的は、一緒になって効果的な軽減を与える、肥満症又は摂食障害を処置するための他の薬剤の治療有効量と組み合わせて又はそれと共同して、式Iに係る化合物の治療有効量を投与することを含む、肥満症及び肥満症関連障害の治療又は予防方法を提供することである。好適な他の薬剤としては、食欲抑制剤、リパーゼ阻害剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、及び体脂肪の代謝を促進する薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。上記の薬剤の組み合わせ又は共同は、別々の、連続的な又は同時的な投与を包含する。
【0114】
用語「リパーゼ阻害剤」は、リパーゼ、例えば胃及び膵臓リパーゼの作用を阻害することが可能である化合物を意味する。例えば、米国特許第4,598,089号に記載のオルリスタット及びリプスタチンは、リパーゼの強力な阻害剤である。リプスタチンは、微生物起源の天然物であり、オルリスタットは、リプスタチンの水素化の結果物である。他のリパーゼ阻害剤として、一般にパンクリシンと称されるある種類の化合物が挙げられる。パンクリシンは、オルリスタットの類縁体である(Mutohら、1994)。用語「リパーゼ阻害剤」は、例えば国際特許出願WO99/34786(Geltex Pharmaceuticals Inc.)に記載のポリマー結合リパーゼ阻害剤をも意味する。これらのポリマーは、リパーゼを阻害する1以上の基でそれらが置換されていることを特徴とする。用語「リパーゼ阻害剤」は、これらの化合物の薬学的に許容しうる塩をも包含する。用語「リパーゼ阻害剤」は、好ましくは、テトラヒドロリプスタチンを意味する。テトラヒドロリプスタチンの治療有効量と組み合わせて又はそれと共同して、式Iに係る化合物の治療有効量を投与することが特に好ましい。
【0115】
テトラヒドロリプスタチン(オルリスタット)は、肥満症及び高脂血症の制御又は予防に有用な公知化合物である。オルリスタットの製造方法をも開示する1986年7月1日発行の米国特許第4,598,089号及び適切な医薬組成物を開示する米国特許第6,004,996号参照。さらに好適な医薬組成物は、例えば、国際特許出願WO00/09122及びWO00/09123に記載されている。オルリスタットの別の製造方法は、欧州特許出願公報第0185359、0189577、0443449、及び0524495に開示されている。
【0116】
本発明の化合物と組み合わせて使用する好適な食欲抑制剤として、APD356、アミノレックス、アンフェクロラール、アンフェタミン、アクソカイン、ベンゾフェタミン、ブプロピオン、クロルフェンテルミン、クロベンゾレックス、クロフォレックス、クロミノレックス、クロルテルミン、CP945598、シクレキセドリン、CYT009−GhrQb、デクスフェンフルラミン、デクストロアンフェタミン、ジエチルプロピオン、ジフェメトキシジン、N−エチルアンフェタミン、フェンブトラゼート、フェンフルラミン、フェニソレックス、フェンプロポレックス、フルドレックス、フルミノレックス、フルフリルメチルアンフェタミン、レブアンフェタミン、レボファセトペラン、マジンドール、メフェノレックス、メタンフェプラモン、メトアンフェタミン、メトレレプチン、ノルシュードエフェドリン、ペントレックス、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミン、ピシロレックス、リモナバント、シブトラミン、SLV319、SNAP7941、SR147778(スリナバント)、ステロイド性植物抽出物(例えば、P57)、及びTM30338、ならびにその薬学的に許容しうる塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0117】
最も好ましい食欲抑制剤は、シブトラミン、リモナバント、及びフェンテルミンである。
【0118】
本発明の化合物と組み合わせて使用する好適な選択的セロトニン再取り込み阻害剤として、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、及びセルトラリン、ならびにその薬学的に許容しうる塩が挙げられる。
【0119】
体脂肪の代謝を促進する好適な薬剤として、成長ホルモンアゴニスト(例えば、AOD−9604)が挙げられるが、これに限定されない。
【0120】
リパーゼ阻害剤、食欲抑制剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、及び体脂肪の代謝を促進する薬剤よりなる群から選択される化合物での処置をも受けている患者における肥満症の治療及び予防用の医薬の製造における、式Iの化合物の使用もまた、本発明の目的である。
【0121】
リパーゼ阻害剤、好ましくはテトラヒドロリプスタチンでの処置をも受けている患者における肥満症の治療及び予防用の医薬の製造における、式Iの化合物の使用もまた、本発明の目的である。
【0122】
さらに好ましい目的は、リパーゼ阻害剤の治療有効量と組み合わせて又はそれと共同して、式Iに係る化合物の治療有効量を投与することを含む、ヒトにおける2型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病(NIDDM))の治療又は予防方法、特に、リパーゼ阻害剤がテトラヒドロリプスタチンである方法を提供することである。同じく、本発明の目的は、式Iに係る化合物及びリパーゼ阻害剤、特にテトラヒドロリプスタチンの、同時的な、別々の、又は逐次的な投与のための上記の方法である。
【0123】
さらに好ましい目的は、抗糖尿病剤の治療有効量と組み合わせて又はそれと共同して、式Iに係る化合物の治療有効量を投与することを含む、ヒトにおける2型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病(NIDDM))の治療又は予防方法を提供することである。
【0124】
用語「抗糖尿病剤」は、1)PPARγアゴニスト、例えばピオグリタゾン(アクトス)又はロシグリタゾン(アバンディア)など;2)ビグアニド、例えばメトフォルミン(グルコファージ)など;3)スルホニルウレア、例えばグリベンクラミド、グリメピリド(アマリル)、グリピジド(グルコトロール)、グリブリド(ディアベータ)など;4)非スルホニルウレア、例えばナテグリニド(スターリックス)、レパグリミド(プランジン)など;5)PPARα/γアゴニスト、例えばGW−2331など;6)DPP−IV阻害剤、例えばLAF−237(ビルダグリプティン)、MK−0431、BMS−477118(サクサグリプチン)又はGSK23Aなど;7)グルコキナーゼ活性化剤、例えばWO00/58293A1に開示の化合物など;8)α−グルコシダーゼ阻害剤、例えばアカルボース(プレコース)又はミグリトール(グリセット)などよりなる群から選択される化合物を表す。
【0125】
また、本発明の目的は、式Iに係る化合物及び治療有効量の抗糖尿病剤の、同時的な、別々の又は逐次的な投与のための上記の方法である。
【0126】
抗糖尿病剤での処置をも受けている患者における2型糖尿病の治療及び予防用の医薬の製造における、式Iの化合物の使用も、本発明の目的である。
【0127】
さらに好ましい目的は、治療有効量の脂質低下剤と組み合わせて又はそれと共同して、式Iに係る化合物の治療有効量を投与することを含む、ヒトにおける脂質異常症の治療又は予防方法を提供することである。
【0128】
用語「脂質低下剤」は、1)胆汁酸封鎖剤、例えばコレスチラミン(クエストラン)、コレスティポール(コレスチド)など;2)HMG−CoA還元酵素阻害剤、例えばアトルバスタチン(リピトール)、セリバスタチン(バイコール)、フルバスタチン(レスコール)、プラバスタチン(プラバコール)、シンバスタチン(ゾコール)など;3)コレステロール吸収阻害剤、例えばエゼチミベなど;4)CETP阻害剤、例えばトルセトラピブ、JTT705など;5)PPARαアゴニスト、例えばベクロフィブレート、ゲンフィブロジル(ロピド)、フェノフィブレート(リピジル)、ベザフィブレート(ベザリプ)など;6)リポタンパク質合成阻害剤、例えばナイアシンなど;7)ナイアシン受容体アゴニスト、例えばニコチン酸などよりなる群から選択される化合物を表す。
【0129】
また、本発明の目的は、式Iに係る化合物及び治療有効量の脂質低下剤の、同時的な、別々の又は逐次的な投与のための上記の方法である。
【0130】
脂質低下剤での処置をも受けている患者における脂質異常症の治療及び予防用の医薬の製造における、式Iの化合物の使用も、本発明の目的である。
【0131】
さらに好ましい目的は、治療有効量の抗高血圧剤と組み合わせて又はそれと共同して、式Iに係る化合物の治療有効量を投与することを含む、ヒトにおける高血圧症の治療又は予防方法を提供することである。
【0132】
用語「抗高血圧剤」又は「血圧降下剤」は、1)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、例えばベナゼプリル(ロテンシン)、カプトプリル(カポテン)、エナラプリル(バソテック)、フォシノプリル(モノプリル)、リシノプリル(プリニビル、ゼストリル)、モエキシプリル(ユニバスク)、ペリンドプリル(コベルスム)、キナプリル(アキュプリル)、ラミプリル(アルテース)、トランドラプリル(マビック)など;2)アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、例えばカンデサルタン(アタカンド)、エプロサルタン(テベテン)、イルベサルタン(アバプロ)、ロサルタン(コザール)、テルミサルタン(ミカディスク)、バルサルタン(ジオバン)など;3)アドレナリン遮断薬(末梢又は中枢)、例えばβ−アドレナリン遮断薬、例えばアセブトロール(セクトロール)、アテノロール(テノルミン)、ベタクソロール(ケルロン)、ビソプロロール(ゼベタ)、カルテオロール(カルトロール)、メトプロロール(ロプレッサー;トプロール−XL)、ナドロール(コルガード)、ペンブトロール(レバトール)、ピンドロール(ビスケン)、プロプラノロール(インデラル)、チモロール(ブロッカドレン)など;α/β−アドレナリン遮断薬、例えばカルベジロール(コレグ)、ラベタロール(ノルモディン)など;α―1アドレナリン遮断薬、例えばプラゾシン(ミニプレス)、ドクサゾシン(カルドゥラ)、テラゾシン(ハイトリン)、フェノキシベンズアミン(ジベンジリン)など;末梢アドレナリン−ニューロン遮断薬、例えばグアナドレル(ハイロレル)、グアネチジン(イスメリン)、レセルピン(セルパシル)など;α−2アドレナリン遮断薬、例えばa−メチルドーパ(アルドメット)、クロニジン(カタプレス)、グアナベンズ(ウイテンシン)、グアンファシン(テネックス)など;4)血管拡張薬(血管拡張剤)、例えばヒドララジン(アプレソリン)、ミノキシジル(ロニトレン)、クロニジン(カタプレス)など;5)カルシウムチャンネル遮断薬、例えばアムロジピン(ノルバスク)、フェロジピン(プレンジル)、イスラジピン(ジナシルク)、ニカルジピン(カルジンsr)、ニフェジピン(プロカルディア、アダラート)、ニソルジピン(スラー)、ジルチアゼム(カルジゼム)、ベラパミル(イソプチル)など;6)利尿薬、例えばチアジド及びチアジド様薬剤、例えばヒドロクロロチアジド(ヒドロジウリル、ミクロジド)、クロロチアジド(ジウリル)、クロロタリドン(ヒグロトン)、インダパミド(ロゾール)、メトラゾン(ミクロックス)など;ループ利尿薬、例えばブメタニド(ブメックス)及びフロセミド(ラシックス)、エタクリン酸(エデクリン)、トルセミド(デマデックス)など;カリウム保持性利尿薬、例えばアミロリド(ミダモル)、トリアムテレン(ジレニウム)、スピロノラクトン(アルダクトン)、及びチアメニジン(シンコール)など;7)チロシンヒドロキシラーゼ阻害剤、例えばメチロシン(デムサー)など;8)中性エンドペプチダーゼ阻害剤、例えばBMS−186716(オマパトリラート)、UK−79300(カンドキサトリル)、エカドトリル(シノルファン)、BP−1137(ファシドトリル)、UK−79300(サンパトリラート)など;ならびに9)エンドセリンアンタゴニスト、例えばテゾセンタン(RO0610612)、A308165などよりなる群から選択される化合物を表す。
【0133】
また、本発明の目的は、式Iに係る化合物及び治療有効量の抗高血圧剤の、同時的な、別々の、又は逐次的な投与のための上記の方法である。
【0134】
抗高血圧剤での処置をも受けている患者における高血圧症の治療及び予防用の医薬の製造における、式Iの化合物の使用も、本発明の目的である。
【0135】
上述のとおり、式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩は、有益な薬理学的な特性を有する。具体的に、本発明の化合物は、良好なヒスタミン3受容体(H3R)アンタゴニスト及び/又は逆アゴニストであることが見出されている。
【0136】
以下の試験は、式(I)の化合物の活性を決定するために行われた。
【0137】
3H−(R)α−メチルヒスタミンとの結合アッセイ
飽和結合実験は、Takahashi, K, Tokita, S., Kotani, H. (2003) J. Pharmacol. Exp. Therapeutics 307, 213-218に記載のようにして調製されたHR3−CHO膜を用いて行った。
【0138】
適切な量の膜(60〜80μgタンパク質/ウェル)を、増加していく濃度の3H(R)α−メチルヒスタミン二塩酸塩(0.10〜10nM)と共にインキュベートした。非特異的結合は、200倍過剰の冷(R)α−メチルヒスタミン二臭化水素酸塩(500nM最終濃度)を用いて決定した。インキュベーションは、室温で行った(深いウェルのプレート中で3時間振盪)。各ウェル中の最終量は、250μlであった。インキュベーションに続いて、GF/Bフィルター(トリス50mM中の100μlの0.5%PEIで、2時間200rpmで振盪して予備浸漬したもの)上で迅速ろ過を行った。ろ過は、細胞収集器を用いて行い、次いで、フィルタープレートを、0.5MNaClを含む氷冷洗浄用緩衝液で5回洗浄した。収集後、プレートを55℃で60分間乾燥し、次いで、シンチレーション液(Microscint 40、各ウェルに40μl)を加え、フィルター上の放射能量を、プレートを室温で2時間、200rpmで振盪した後、パッカードトップカウンター(Packard top-counter)で測定した。
【0139】
結合用緩衝液:50mMトリス−HCl pH7.4及び5mM MgCl2x6H2O pH7.4。洗浄用緩衝液:50mMトリス−HCl pH7.4及び5mM MgCl2x6H2O及び0.5M NaCl pH7.4。
【0140】
H3R逆アゴニストの親和性の間接的測定: 12種の増加していく濃度(10μM〜0.3nMの範囲)の選択した化合物を、ヒトHR3−CHO細胞系の膜を用いて、常に、競合結合実験において試験した。適切な量のタンパク質、例えば、KdでのRAMHの約500cpmの結合を、3H(R)α−メチルヒスタミン(1nM最終濃度=kd)の存在下に、96ウェルプレート中、250μlの最終量で、室温で1時間、インキュベートした。非特異的結合は、200倍過剰の冷(R)α−メチルヒスタミン二臭化水素酸塩を用いて決定した。
【0141】
全ての化合物を、一つの濃度につき二回試験した。50%より多い[3H]−RAMHの阻害を示した化合物は、連続的希釈実験でIC50を決定するために、再度試験した。Kiは、Cheng-Prusoff式に基づいて、IC50から算出した(Cheng, Y, Prusoff, WH (1973) Biochem Pharmacol 22, 3099-3108)。
【0142】
本発明の化合物は、約1nM〜約1000nM、好ましくは約1nM〜約100nM、より好ましくは約1nM〜約30nMの範囲内の、Ki値を示す。以下の表は、本発明のいくつかの選択した化合物についての測定値を示す。
【0143】
【表1】

【0144】
本発明の化合物の追加の生物学的活性の証明は、この分野で周知のインビトロ、エクスビボ、及びインビボアッセイを通して達成しうる。例えば、肥満関連障害、例えば糖尿病、シンドロームX、又はアテローム性動脈硬化疾患、ならびに関連障害、例えば高トリグリセリド血症及び高コレステロール血症の処置用の薬剤の効能を証明するために、以下のアッセイを使用しうる。
【0145】
血糖値の測定方法
db/dbマウス(Jackson Laboratories, Br Harbor, MEより入手)から採血し(眼又は尾静脈で)、等しい平均血糖値に従ってグループ分けする。それらに、7〜14日間、1日1回試験化合物を経口投与する(薬学的に許容しうるビヒクル中、経管的に)。この時点で、動物から眼又は尾静脈で再度採血し、血糖値を測定する。
【0146】
トリグリセリド値の測定方法
hApoAlマウス(Jackson Laboratories, Br Harbor, MEより入手)から採血し(眼又は尾静脈で)、等しい平均血清トリグリセリド値に従ってグループ分けする。それらに、7〜14日間、1日1回試験化合物を経口投与する(薬学的に許容しうるビヒクル中、経管的に)。その後、動物から眼又は尾静脈で再度採血し、血清トリグリセリド値を測定する。
【0147】
HDL−コレステロール値の測定方法
血漿HDL−コレステロール値を測定するために、hApoAlマウスから採血し、等しい平均血漿HDL−コレステロール値に従ってグループ分けする。マウスに、7〜14日間、1日1回ビヒクル又は試験化合物を経口投与し、次いで、翌日採血する。血漿を、HDL−コレステロールについて分析する。
【0148】
式(I)の化合物及び薬学的に許容されるその塩とエステルは、医薬として、例えば、経腸、非経口又は局所投与の医薬製剤の形態で使用することができる。これらは、例えば、経口的に、例えば錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経腸的に、例えば坐剤の剤形で、非経口的に、例えば注射剤又は注入剤の剤形で、あるいは局所的に、例えば軟膏、クリーム剤又は油剤の剤形で投与できる。
【0149】
医薬製剤の製造は、上述の式(I)及び薬学的に許容される塩を、適切な非毒性で不活性な治療上適合性のある固体又は液体担体材料、及び所望であれば通常の医薬補助剤と一緒にガレヌス製剤の投与形態にする、当業者に周知である方法により実施できる。
【0150】
適切な担体材料は、無機担体材料のみならず、有機担体材料でもある。したがって、例えば、乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩を、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤の担体材料として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤に適切な担体材料は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、ならびに半固形及び液状ポリオールである(しかし、軟ゼラチンカプセル剤の場合、活性成分の性質によっては、担体を必要としないこともある)。液剤及びシロップ剤の製造に適切な担体材料は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖等である。注射剤に適切な担体材料は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール及び植物油である。坐剤に適切な担体材料は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、及び半液体又は液体ポリオールである。局所用製剤に適切な担体材料は、グリセリド、半合成及び合成グリセリド、硬化油、液体ロウ、流動パラフィン、液体脂肪アルコール、ステロール、ポリエチレングリコール及びセルロース誘導体である。
【0151】
通常の安定剤、防腐剤、湿潤剤及び乳化剤、稠度向上剤、風味向上剤、浸透圧を変更する塩、緩衝物質、可溶化剤、着色剤及びマスキング剤、ならびに酸化防止剤が医薬補助剤として考慮される。
【0152】
式Iの化合物の用量は、抑制されるべき疾患、患者の年齢及び個別の状態、ならびに投与形態に応じて広範囲に変更でき、当然それぞれの特定の症例における個別の要件に適合されるであろう。成人患者では、約1〜1000mg、特に約1〜100mgの1日量が考慮される。投与量によっては、1日量を幾つかの投与単位で投与することが好都合である。
【0153】
医薬製剤は、好都合には、式(I)の化合物を約0.1〜500mg、好ましくは0.5〜100mg含有する。
【0154】
下記の実施例は、本発明を更に詳細に説明するために役立つ。しかし、これらは本発明の範囲をどのようにも制限することを意図しない。
【実施例】
【0155】
実施例1
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−p−トリルアミノ−シクロヘキシル)−メタノン
a)工程1:4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキサノン(中間体1)
【0156】
【化26】

【0157】
DMF25ml中の4−オキソ−シクロヘキサンカルボン酸(市販)882mg(6.2mmol)、1−(2−プロピル)−ピペラジン875mg(6.8mmol)、TBTU 2.98g(9.3mmol)及びDIPEA 3.2g(24.8mmol)の混合物を、室温で3時間撹拌した。揮発物を除去した後、残留物を酢酸エチルで抽出して、蒸発した。残留物を、n−ヘプタン、及び酢酸エチル(NEt 0.1%)とメタノールから形成した勾配で溶離するシリカのカラムクロマトグラフィーにより精製した。合わせた生成物画分を蒸発して、標記化合物830mg(53%)を明褐色の油状物として得た。MS(m/e):253.3(MH)。
【0158】
b )工程2:(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−p−トリルアミノ−シクロヘキシル)−メタノン
THF 2ml中の4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキサノン25mg(0.1mmol)、p−トリルアミン27mg(0.25mmol)、酢酸60mg及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム42mg(0.2mmol)の混合物を、70℃で16時間振とうした。メタノールを蒸発した後、DMFを加え、混合物をアセトニトリル/水(NEt 0.1%)の勾配で溶離する逆相分取HPLC精製に付した。合わせた生成物画分を蒸発乾固して、標記化合物5.1mg(15%)を得た。MS(m/e):344.3(MH)。
【0159】
更に、実施例1に関する記載の手順に従って、ピペラジニル−カルボニル−シクロヘキシル誘導体を、表1に示したそれらの各々の出発物質から合成した。表1は、実施例2〜実施例9を構成する。
【0160】
【表2】



【0161】
実施例10
N−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−イソブチルアミド
a)工程1:[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
DMF 10mL中の4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−trans−シクロヘキサンカルボン酸(市販)3g(12mmol)、1−(2−プロピル)−ピペラジン(市販)1.74g(14mmol)、TBTU 4.75g(15mmol)及びNEt 3.64g(36mmol)の混合物を、室温で3時間撹拌した。残留物を蒸発した後、1N NaHCO溶液で洗浄し、DCMで抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥し、蒸発乾固して、標記化合物4.56g(94%;純度90%)を得、更に精製しないで続く工程に使用した。MS(m/e):354.3(MH)。
【0162】
b)工程2:trans−(4−アミノ−シクロヘキシル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンジヒドロクロリド(中間体2)
【0163】
【化27】

【0164】
ジオキサン中の[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル4.56g(12mmol)と4N HCl 29mLの混合物を、50℃で6時間撹拌し、蒸発乾固して、更に精製しないで続く工程に使用した。MS(m/e):254.1(MH)。
【0165】
c)工程3:N−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−イソブチルアミド
ジクロロメタン2mL中のtrans−(4−アミノ−シクロヘキシル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンジヒドロクロリド32mg(0.1mmol)、イソブチリルクロリド21mg(0.2mmol)及びNEt 101mg(1mmol)の混合物を、40℃で16時間振とうした。メタノールを蒸発した後、DMFを加え、混合物をアセトニトリル/水(NEt 0.1%)の勾配で溶離する逆相分取HPLC精製に付した。合わせた生成物画分を蒸発乾固して、標記化合物3.6mg(11%)を得た。MS(m/e):324.4(MH)。
【0166】
cis−(4−アミノ−シクロヘキシル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンジヒドロクロリド(中間体3)
【0167】
【化28】

【0168】
a)工程1:[cis−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルの合成に関する記載の手順に従って、標記化合物を、4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−cis−シクロヘキサンカルボン酸(市販)及び1−(2−プロピル)−ピペラジン(市販)から合成した。MS(m/e):354.3(MH)。
【0169】
b)工程2:cis−(4−アミノ−シクロヘキシル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンジヒドロクロリド
trans−(4−アミノ−シクロヘキシル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、ジヒドロクロリドの合成に関する記載の手順に従って、標記化合物を、[cis−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルから合成した。MS(m/e):254.4(MH)。
【0170】
更に、実施例10に関する記載の手順に従って、ピペラジニル−カルボニル−シクロヘキシル誘導体を、表2に示したそれらの各々の出発物質から合成した。表2は、実施例11〜実施例13を構成する。
【0171】
【表3】

【0172】
実施例14
1−ベンジル−1−イソプロピル−3−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−ウレア
DCM 1.5mL中のcis−(4−アミノ−シクロヘキシル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンジヒドロクロリド23mg(0.07mmol)、クロロギ酸フェニル13mg(0.08mmol)及びNEt 36mg(0.35mmol)の混合物を、室温で2時間振とうした。その後、ベンジル−イソプロピル−アミン31mg(0.21mmol)を加え、混合物を室温で16時間振とうした。蒸発した後、メタノール及びDMFを加え、混合物をアセトニトリル/水(NEt 0.1%)の勾配で溶離する逆相分取HPLC精製に付した。合わせた生成物画分を蒸発乾固して、標記化合物19mg(62%)を得た。MS(m/e):429.5(MH)。
【0173】
更に、実施例14に関する記載の手順に従って、ピペラジニル−カルボニル−シクロヘキシル誘導体(実施例15〜34)を、表3に示したそれらの各々の出発物質から合成した。
【0174】
【表4】









【0175】
実施例35
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン
THF 5mL中の4−オキソ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(市販)86mg(0.5mmol)、2−フルオロ−フェニルアミン100mg(0.6mmol)及び酢酸300mg(5mmol)の混合物を、60℃で1時間撹拌した。その後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム159mg(0.75mmol)を加え、混合物を65℃に16時間加熱した。揮発物を蒸発した後、1N NaHCO水溶液10mLを加え、混合物をDCMで抽出した。合わせた有機層を蒸発し、メタノール及びDMFを加え、混合物をアセトニトリル/水(NEt 0.1%)の勾配で溶離する逆相分取HPLC精製に付した。合わせた生成物画分を蒸発乾固して、中間体3−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを得た。MS(m/e):266.2(MH)。THF/メタノール/水の混合物2mL中の4−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル21mg(0.08mmol)、LiOH HO 17mg(0.4mmol)の混合物を、45℃に2時間加熱し、続いて蒸発した。中間でできた酸をDMF 2mLに溶解し、TBTU 30mg(0.096mmol)、NEt 24mg(0.24)及び1−シクロペンチル−ピペラジン(市販)13.5mg(0.88mmol)で処理し、室温で16時間撹拌した。混合物を、アセトニトリル/水(NEt 0.1%)の勾配で溶離する逆相分取HPLC精製に直接付した。合わせた生成物画分を蒸発乾固して、標記化合物6.4mg(21%)を得た。MS(m/e):374.4(MH)。
【0176】
更に、実施例35に関する記載の手順に従って、ピペラジニル−カルボニル−シクロヘキシル誘導体を、表4に示したそれらの各々の出発物質から合成した。シス異性体、トランス異性体のそれぞれを、シリカのカラムクロマトグラフィー又は適切な逆相分取HPLCによりジアステレオマー(diasteromeric)反応混合物の分離により得た。表4は、実施例36〜実施例146を構成する。
【0177】
【表5】





































【0178】
実施例147
trans−(4−シクロヘプチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン
a)工程1:trans−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−ピペラジン−1−イル−メタノン
4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン(実施例35)の合成に関する記載の手順と同様にして、標記化合物を、4−オキソ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(市販)、2−フルオロ−フェニルアミン(市販)及びピペラジンから調製した。中間でできたtrans−4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキサンカルボン酸を、逆相分取HPLCによる分離によりラセミ反応混合物から得た。
MS(m/e):306.1(MH)。
【0179】
b)工程2:trans−(4−シクロヘプチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン
メタノール3mL中の(trans)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−ピペラジン−1−イル−メタノン76.3mg(0.25mmol)、シクロヘプタノンン36.4mg(0.325mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム79.5mg(0.375mmol)及び酢酸150mg(2.5mmol)の混合物を、70℃に16時間加熱した。混合物を蒸発し、NaHCO水溶液を加えた。混合物をDCMで抽出し、蒸発した後、アセトニトリル、水及びNEtから形成した勾配で溶離する逆相分取HPLCにより精製した。生成物画分を蒸発して、標記化合物7.8mg(8%)を得た。MS(m/e):402.5(MH)。
【0180】
実施例148
trans−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−メタノン
trans−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−ピペラジン−1−イル−メタノン(実施例147)の合成に関する記載の手順と同様にして、標記化合物を、trans−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−ピペラジン−1−イル−メタノン及びテトラヒドロ−ピラン−4−オン(市販)から調製した。
MS(m/e):390.4(MH)。
【0181】
実施例149
trans−[4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル]−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン
trans−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−ピペラジン−1−イル−メタノン(実施例147)の合成に関する記載の手順と同様にして、標記化合物を、trans−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−ピペラジン−1−イル−メタノン及びペンタン−3−オン(市販)から調製した。
MS(m/e):376.4(MH)。
【0182】
実施例150
(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−イソプロポキシ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン
a)工程1:(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−ヒドロキシ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン(実施例35)の合成に関する記載の手順と同様にして、標記化合物を、4−オキソ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(市販)、5−アミノ−ピリジン−2−オール(市販)及び1−シクロブチル−ピペラジン(市販)から調製した。
MS(m/e):359.2(MH)。
【0183】
b)工程2:(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−イソプロポキシ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン
THF 2mL中の(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−ヒドロキシ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン21mg(0.058mmol)、イソプロパノール17.4mg(0.29mmol)及びシアノメチレン トリ−N−ブチルホスホラン28mg(0.11mmol)の混合物を、80℃に2時間加熱した。混合物を濃縮し、アセトニトリル、水及びNEtから形成した勾配で溶離する逆相分取HPLCにより精製した。生成物画分を蒸発して、標記化合物6.6mg(28%)を得た。
MS(m/e):401.4(MH)。
【0184】
実施例151
(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−シクロプロピルメトキシ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン
【0185】
(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−イソプロポキシ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン(実施例150)の合成に関する記載の手順と同様にして、標記化合物を、(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−ヒドロキシ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン及びシクロプロピルメタノール(cycopropylmethanol)(市販)から調製した。
MS(m/e):413.5(MH)。
【0186】
実施例152
trans−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン
a)工程1:
THF 5mL中の4−オキソ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(市販)500mg(2.9mmol)、4−フルオロ−フェニルアミン359mg(0.6mmol)及び酢酸1.76g(29mmol)の混合物を、室温で1時間撹拌した。その後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム809mg(3.8mmol)を加え、混合物を60℃に2時間加熱した。混合物に、飽和NaHCO水溶液を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、蒸発した。混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(c−ヘプタン−AcOEt 100:0〜15:85)で精製した。合わせた生成物画分を蒸発乾固して、中間体3−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(679mg、87%)を得た。THF(5mL)/メタノール(1mL)/水(1mL)の混合物中の4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル679mg(2.6mmol)、LiOHO 430mg(10.5mmol)の混合物を、室温で72時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を蒸発した。混合物をアセトニトリル/水(5% HCOOH)の勾配で溶離する逆相分取HPLC精製に付した。合わせた生成物画分を蒸発乾固して、trans−4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキサンカルボン酸(20%)122mg及びcis−4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキサンカルボン酸(29%)178mgを得た。
trans−誘導体:MS(m/e):238.1(MH);cis−誘導体MS(m/e):238.1(MH)。
【0187】
b)工程2:
trans−4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキサンカルボン酸44mg(0.185mmol)を、DMF 0.3mLに溶解し、TBTU(O−ベンゾ−トリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート)71mg(0.223mmol)、NEt 94mg(0.927mmol)及び1−シクロブチル−ピペラジン43mg(0.204mmol)で処理し、室温で12時間撹拌した。混合物に、飽和NaHCO水溶液を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、蒸発した。混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl−MeOH 9:1)で精製した。合わせた生成物画分を蒸発して、標記化合物45mg(67%)を得た。
MS(m/e):360.3(MH)。
【0188】
実施例153
cis−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン
実施例152の工程2に関する記載の手順に従って、cis−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノンを、cis−4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキサンカルボン酸から合成した。
MS(m/e):360.3(MH)。
【0189】
実施例154
[4−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン
実施例1の工程2に関する記載の手順に従って、[4−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンを、2,4−ジクロロアニリン及び4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキサノンから合成した。
MS(m/e):398.2(MH)。
【0190】
実施例155
trans−[4−(6−クロロ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン
trans−(4−アミノ−シクロヘキシル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン50mg(0.197mmol)、2−クロロ−5−ヨードピリジン47mg(0.197mmol)、CuI 4mg(0.02mmol)、KPO 84mg(0.395mmol)、エチレングリコール24mg(0.395mmol)及び2−プロパノール0.5mLの混合物を、マイクロ波照射中に160℃で30分間撹拌した。混合物に、飽和NaHCO水溶液を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、蒸発した。混合物を分取TLC(CHCl−MeOH 20:1)で精製した。合わせた生成物画分を蒸発乾固して、標記化合物14mg(19%)を得た。
MS(m/e):365.2(MH)。
【0191】
実施例156
trans−6−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−ニコチノニトリル
trans−(4−アミノ−シクロヘキシル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン214mg(0.84mmol)、6−クロロニコチノニトリル(市販)200mg(1.44mmol)、ジイソプロピルエチルアミン932mg(7.22mmol)及び1,4−ジオキサン5mLの混合物を、マイクロ波照射下で170℃にて20分間撹拌した。混合物を蒸発した。混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl−MeOH 95:5)で精製した。合わせた生成物画分を蒸発乾固して、標記化合物26mg(9%)を得た。
MS(m/e):356.1(MH)。
【0192】
実施例157
trans−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン
trans−(4−アミノ−シクロヘキシル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン215mg(0.85mmol)、2−ブロモ−5−メタンスルホニル−ピリジン(Bioorg. Med. Chem. Lett. 16, 2076(2006))200mg(0.85mmol)、ジイソプロピルエチルアミン547mg(4.24mmol)及び1,4−ジオキサン5mLの混合物を、マイクロ波照射下で170℃にて1時間撹拌した。混合物を蒸発した。混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl−MeOH 95:5)で精製した。合わせた生成物画分を蒸発乾固して、標記化合物を得た。
MS(m/e):409.1(MH)。
【0193】
実施例A
下記の成分を含有するフィルムコーティング錠は常法により製造することができる:
成分 1錠当たり
核:
式(I)の化合物 10.0mg 200.0mg
微晶質セルロース 23.5mg 43.5mg
含水乳糖 60.0mg 70.0mg
ポビドンK30 12.5mg 15.0mg
デンプングリコール酸ナトリウム 12.5mg 17.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg 4.5mg
(核重量) 120.0mg 350.0mg
フィルム:
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.5mg 7.0mg
ポリエチレングリコール6000 0.8mg 1.6mg
タルク 1.3mg 2.6mg
酸化鉄(黄色) 0.8mg 1.6mg
二酸化チタン 0.8mg 1.6mg
【0194】
活性成分を篩にかけ、微晶質セルロースと混合し、混合物をポリビニルピロリドンの水溶液で造粒する。顆粒をデンプングリコール酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムと混合し、圧縮して、それぞれ120又は350mgの核を得る。上記のフィルムコートの水溶液/懸濁液を核に塗布する。
【0195】
実施例B
下記の成分を含有するカプセル剤は、常法により製造することができる:
成分 1カプセル当たり
式(I)の化合物 25.0mg
乳糖 150.0mg
トウモロコシデンプン 20.0mg
タルク 5.0mg
【0196】
成分を篩にかけ、混合し、サイズ2のカプセルに充填する。
【0197】
実施例C
注射剤は下記の組成を有することができる:
式(I)の化合物 3.0mg
ゼラチン 150.0mg
フェノール 4.7mg
炭酸ナトリウム 最終pH7を得るため
注射用水 全量を1.0mlにする量
【0198】
実施例D
下記の成分を含有する軟ゼラチンカプセル剤は常法により製造できる:
カプセル内容物
式(I)の化合物 5.0mg
黄ろう 8.0mg
硬化大豆油 8.0mg
部分的硬化植物油 34.0mg
大豆油 110.0mg
カプセル剤の重量 165.0mg
ゼラチンカプセル
ゼラチン 75.0mg
グリセロール85% 32.0mg
Karion 83 8.0mg(乾物)
二酸化チタン 0.4mg
酸化鉄黄 1.1mg
【0199】
活性成分を、温かく溶融している他の成分に溶解し、混合物を適切な大きさの軟ゼラチンカプセルに充填する。充填された軟ゼラチンカプセル剤を、通常の手順に従って処理する。
【0200】
実施例E
下記の成分を含有するサッシェは常法により製造できる:
式(I)の化合物 50.0mg
乳糖、微細粉末 1015.0mg
微晶質セルロース(AVICEL PH 102) 1400.0mg
カルボキシメチルセルロースナトリウム 14.0mg
ポリビニルピロリドンK 30 10.0mg
ステアリン酸マグネシウム 10.0mg
風味添加剤 1.0mg
【0201】
活性成分を、乳糖、微晶質セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムと混合し、水中のポリビニルピロリドンの混合物と共に造粒する。顆粒をステアリン酸マグネシウム及び風味添加剤と混合し、サッシェに充填する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】


[式中、
sは、1又は2であり;
1は、低級アルキル、シクロアルキル、低級シクロアルキルアルキル、低級シアノアルキル、低級アルキルスルホニルアルキル、及びテトラヒドロピラニルよりなる群から選択され;
1aは、水素又は低級アルキルであり;
2は、水素、低級アルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、及び低級シアノアルキルよりなる群から選択され;
3は、
−(CH2m−アリール(式中、mは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、低級アルキルスルホニル、低級ハロゲンアルキルスルホニル、低級ハロゲンアルコキシ、低級シクロアルキルアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、
−(CH2n−ヘテロアリール(式中、nは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、低級アルキルスルホニル、低級ハロゲンアルキルスルホニル、低級ハロゲンアルコキシ、低級シクロアルキルアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)、
インダニル、1−オキソ−インダニル、
−CO−(C3〜C8)アルキル、
−CO−(CH2p−アリール(式中、pは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、
−CO−(CH2q−ヘテロアリール(式中、qは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)、及び
−CO−NR45
よりなる群から選択されるか;あるいは
2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、フェニル環と縮合している5もしくは6員のへテロ環を形成し、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されており;
4は、水素、低級アルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、及び低級シアノアルキルよりなる群から選択され;
5は、
低級アルキル、
アリール(非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、ならびに
低級アリールアルキル(式中、フェニル環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されていてもよい)
よりなる群から選択されるか;
あるいは
4及びR5は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子、スルフィニル基、又はスルホニル基を場合により含む、4、5、6もしくは7員のへテロ環を形成し、
そのヘテロ環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンアルキル、シアノ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシ、オキソ、フェニル、ベンジル、ピリジル、及びカルバモイルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されているか、又は
フェニル環と縮合しており、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている]
の化合物及びその薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
式I−A:
【化2】


[式中、
1は、低級アルキル又はシクロアルキルであり;
2は、水素、低級アルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、及び低級シアノアルキルよりなる群から選択され;
3は、
−(CH2m−アリール(式中、mは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、
−(CH2n−ヘテロアリール(式中、nは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)、
インダニル、
−CO−(C3〜C8)アルキル、
−CO−(CH2p−アリール(式中、pは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、
−CO−(CH2q−ヘテロアリール(式中、qは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)、及び
−CO−NR45
よりなる群から選択されるか;あるいは
2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、フェニル環と縮合している5もしくは6員のへテロ環を形成し、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されており;
4は、水素、低級アルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、及び低級シアノアルキルよりなる群から選択され;
5は、
低級アルキル、
アリール(非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、ならびに
低級アリールアルキル(式中、フェニル環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されていてもよい)
よりなる群から選択されるか;
あるいは
4及びR5は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子、スルフィニル基、又はスルホニル基を場合により含む、4、5、6もしくは7員のへテロ環を形成し、
そのヘテロ環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンアルキル、シアノ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシ、オキソ、フェニル、ベンジル、ピリジル、及びカルバモイルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されているか、又は
フェニル環と縮合しており、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている]
を有する、請求項1記載の式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩。
【請求項3】
3が、
−(CH2m−アリール(式中、mは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、低級アルキルスルホニル、低級ハロゲンアルキルスルホニル、低級ハロゲンアルコキシ、低級シクロアルキルアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、
−(CH2n−ヘテロアリール(式中、nは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、低級アルキルスルホニル、低級ハロゲンアルキルスルホニル、低級ハロゲンアルコキシ、低級シクロアルキルアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)、
インダニル、及び1−オキソ−インダニル
よりなる群から選択される、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項4】
3が、−(CH2m−アリール(式中、mは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、低級アルキルスルホニル、低級ハロゲンアルキルスルホニル、低級ハロゲンアルコキシ、低級シクロアルキルアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)である、請求項1又は3記載の式Iの化合物。
【請求項5】
が、−(CH2n−ヘテロアリール(式中、nは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、低級アルキルスルホニル、低級ハロゲンアルキルスルホニル、低級ハロゲンアルコキシ、低級シクロアルキルアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)である、請求項1又は3記載の式Iの化合物。
【請求項6】
が、−(CH2n−ヘテロアリール(式中、nは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、低級アルキルスルホニル、低級ハロゲンアルキルスルホニル、低級ハロゲンアルコキシ、低級シクロアルキルアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されているピリジル又はイソオキサゾリルである)である、請求項1、3、又は5記載の式Iの化合物。
【請求項7】
3が、
−CO−(C3〜C8)アルキル、
−CO−(CH2p−アリール(式中、pは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、及び
−CO−(CH2q−ヘテロアリール(式中、qは0、1又は2であり、ヘテロアリール環は、非置換又は、低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されている)よりなる群から選択される、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項8】
3が、−CO−(CH2p−アリール(式中、pは0、1又は2であり、アリール環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されているフェニルである)である、請求項1又は7記載の式Iの化合物。
【請求項9】
が−CO−NR45であり、
4が、水素、低級アルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、及び低級シアノアルキルよりなる群から選択され;
5が、
低級アルキル、
アリール(非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、ならびに
低級アリールアルキル(式中、フェニル環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されていてもよい)
よりなる群から選択されるか;
あるいは
4及びR5が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子、スルフィニル基、又はスルホニル基を場合により含む、4、5、6もしくは7員のへテロ環を形成し、
そのヘテロ環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンアルキル、シアノ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシ、オキソ、フェニル、ベンジル、ピリジル、及びカルバモイルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されているか、又は
フェニル環と縮合しており、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項10】
が−CO−NR45であり、
4が、水素又は低級アルキルであり;
5が、
低級アルキル、
フェニル(非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、ならびに
低級フェニルアルキル(式中、フェニル環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されていてもよい)
よりなる群から選択される、請求項1又は9記載の式Iの化合物。
【請求項11】
5が、
フェニル(非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている)、あるいは
低級フェニルアルキル(式中、フェニル環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロゲンアルキル、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級ハロゲンアルコキシ、及び低級ヒドロキシアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基で置換されていてもよい)である、請求項1、9、又は10記載の式Iの化合物。
【請求項12】
が−CO−NR45であり、
4及びR5が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子、スルフィニル基、又はスルホニル基を場合により含む、4、5、6もしくは7員のへテロ環を形成し、
そのヘテロ環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンアルキル、シアノ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシ、オキソ、フェニル、ベンジル、ピリジル、及びカルバモイルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されているか、又は
フェニル環と縮合しており、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項13】
4及びR5が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、アゼパン、ピペラジン、アゼチジン、及びチオモルホリンよりなる群から選択されるヘテロ環を形成し、そのヘテロ環は、非置換、又は低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンアルキル、シアノ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシ、オキソ、フェニル、ベンジル、ピリジル、及びカルバモイルから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されているか、又はフェニル環と縮合しており、そのフェニル環は、非置換、又は低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている、請求項1又は12記載の式Iの化合物。
【請求項14】
4及びR5が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、2−メチルピロリジン、ピペリジン、4−メトキシピペリジン、4,4−ジフルオロピペリジン、モルホリン、4−フェニルピペラジン、1,3−ジヒドロ−イソインドール、及び3,4−ジヒドロ−2H−キノリンから選択される基を形成している、請求項1、12、又は13のいずれか一項記載の式Iの化合物。
【請求項15】
1が、低級アルキルである、請求項1〜14のいずれか一項記載の式Iの化合物。
【請求項16】
1が、シクロアルキルである、請求項1〜14のいずれか一項記載の式Iの化合物。
【請求項17】
2が、水素又は低級アルキルである、請求項1〜16のいずれか一項記載の式Iの化合物。
【請求項18】
2及びR3が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、フェニル環と縮合している5もしくは6員のへテロ環を形成し、そのフェニル環は、非置換又は、低級アルキル、低級アルコキシ、及びハロゲンから独立に選択される1、2、もしくは3個の基で置換されている、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項19】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−p−トリルアミノ−シクロヘキシル)−メタノン、
[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[4−(1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−メトキシ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
[4−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[4−(インダン−1−イルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(1−フェニル−プロピルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−[2−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−シクロヘキシル}−メタノン、
[4−(4−ジフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
N−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−イソブチルアミド、
N−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−4−メトキシ−ベンズアミド、
2,4−ジフルオロ−N−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−ベンズアミド、
2,4−ジクロロ−N−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−ベンズアミド、
1−ベンジル−1−イソプロピル−3−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−ウレア、
1,1−ジエチル−3−[cis−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−ウレア、
4−フェニル−ピペラジン−1−カルボン酸[cis−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
1−(4−クロロ−フェニル)−3−[cis−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−1−メチル−ウレア、
1−ベンジル−1−エチル−3−[cis−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−ウレア、
3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸[cis−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
1−(3−フルオロ−フェニル)−3−[cis−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−1−メチル−ウレア、
2−メチル−ピロリジン−1−カルボン酸[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
1−ベンジル−1−イソプロピル−3−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−ウレア、
1,1−ジエチル−3−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−ウレア、
ピペリジン−1−カルボン酸[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
モルホリン−4−カルボン酸[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
4−メトキシ−ピペリジン−1−カルボン酸[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
4−フェニル−ピペラジン−1−カルボン酸[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
1−(4−クロロ−フェニル)−3−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−1−メチル−ウレア、
1−ベンジル−1−エチル−3−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−ウレア、
3−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−1−フェニル−1−プロピル−ウレア、
3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
1−(3−フルオロ−フェニル)−3−[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−1−メチル−ウレア、
4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−カルボン酸[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸[trans−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシル]−アミド、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(3−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(2,4−ジフルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
3−[4−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−ベンゾニトリル、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(2−メトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−メトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
1−{4−[4−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−フェニル}−エタノン、
[4−(4−ベンゾイル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(ピラジン−2−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−{4−[(3−フルオロ−フェニル)−メチル−アミノ]−シクロヘキシル}−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−{4−[(4−フルオロ−フェニル)−メチル−アミノ]−シクロヘキシル}−メタノン、
[4−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[4−(2,4−ジフルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
3−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−ベンゾニトリル、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−メトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
1−{4−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−フェニル}−エタノン、
[4−(4−ベンゾイル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
2−[4−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−ベンゾニトリル、
よりなる群から選択される、請求項1記載の式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩。
【請求項20】
[4−(1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(6−メトキシ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
[4−(インダン−1−イルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(1−フェニル−プロピルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−[2−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−シクロヘキシル}−メタノン、
[4−(4−ジフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(2,4−ジフルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
3−[4−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−ベンゾニトリル、
[4−(4−ベンゾイル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−メトキシ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
[4−(4−ベンゾイル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
[4−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−[4−(6−クロロ−ピリジン−3−イルアミノ)−シクロヘキシル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
trans−6−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−シクロヘキシルアミノ]−ニコチノニトリル、
trans−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミノ)−シクロヘキシル]−メタノン、
よりなる群から選択される、請求項1記載の式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物の製造方法であって、
a)式II:
【化3】


(式中、s、R1a、及びR1は、請求項1に定義されたとおりである)
の化合物を、カップリング試薬の存在下、塩基性条件下に、式III:
【化4】


(式中、R2及びR3は、請求項1に定義されたとおりであるが、ただし、R3は、カルボニル基を含まない)
のアミンとカップリングさせて、式I−B:
【化5】


(式中、s、R1a、R1、及びR2は、請求項1に定義されたとおりであり、R3は、カルボニル基を含むそれらの基以外の請求項1に定義されたとおりの基である)
の化合物を得、所望により、
得られた化合物を薬学的に許容しうる酸付加塩に変換すること、又は
b)式IV:
【化6】


(式中、s、R1a、及びR1は、請求項1に定義されたとおりである)
の化合物を、塩基の存在下、式V:
【化7】


(式中、R6は、(C3〜C8)アルキル、−(CH2p−アリール、及び−(CH2q−ヘテロアリールよりなる群から選択される)
の酸塩化物と反応させて、式I−C:
【化8】


(式中、R2は、水素であり、R3は、−CO−(C3〜C8)アルキル、−CO−(CH2p−アリール、及び−CO−(CH2q−ヘテロアリールよりなる群から選択される)
の化合物を得、所望により、
得られた化合物を薬学的に許容しうる酸付加塩に変換すること、又は
c)式IV:
【化9】


(式中、s、R1a、及びR1は、請求項1に定義されたとおりである)
の化合物を、フェニルクロロホルメートでの活性化後に、式VI:
【化10】


(式中、R4及びR5は、請求項1に定義されたとおりである)
のアミンとカップリングさせて、式I−D:
【化11】


(式中、s、R1a、R1、R2、R4、及びR5は、請求項1に定義されたとおりである)
の化合物を得、所望により、
得られた化合物を薬学的に許容しうる酸付加塩に変換することを含む方法。
【請求項22】
請求項21に記載の製造方法により製造される、請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物。
【請求項23】
請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物と、薬学的に許容しうる担体及び/又は佐剤とを含む、医薬組成物。
【請求項24】
H3受容体の調節に関連する疾患の治療及び/又は予防用の、請求項23記載の医薬組成物。
【請求項25】
治療上活性な物質として使用するための、請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物。
【請求項26】
H3受容体の調節に関連する疾患の治療及び/又は予防用の、治療上活性な物質として使用するための、請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物。
【請求項27】
H3受容体の調節に関連する疾患の治療及び/又は予防方法であって、請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物の治療有効量を、それを必要とするヒト又は動物に投与する工程を含む方法。
【請求項28】
H3受容体の調節に関連する疾患の治療及び/又は予防用の医薬を製造するための、請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項29】
肥満症の治療及び/又は予防用の、請求項28記載の使用。
【請求項30】
ヒト又は動物における肥満症の治療又は予防方法であって、リパーゼ阻害剤、食欲抑制剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、及び体脂肪の代謝を刺激する薬剤よりなる群から選択される化合物の治療有効量と組み合わせて又は共同して、請求項1〜20のいずれか一項記載の式Iの化合物の治療有効量を投与することを含む方法。
【請求項31】
ヒト又は動物における2型糖尿病の治療又は予防方法であって、抗糖尿病剤の治療有効量と組み合わせて又は共同して、請求項1〜20のいずれか一項記載の式Iの化合物の治療有効量を投与することを含む方法。
【請求項32】
リパーゼ阻害剤での処置をも受けている患者における肥満症の治療又は予防用の医薬の製造における、請求項1〜20のいずれか一項記載の式Iの化合物の使用。
【請求項33】
抗糖尿病剤での処置をも受けている患者における2型糖尿病の治療又は予防用の医薬の製造における、請求項1〜20のいずれか一項記載の式Iの化合物の使用。
【請求項34】
脂質低下剤での処置をも受けている患者における脂質異常症の治療又は予防用の医薬の製造における、請求項1〜20のいずれか一項記載の式Iの化合物の使用。
【請求項35】
実質的に本明細書中に記載の、新規化合物、プロセス及び方法、ならびにそのような化合物の使用。

【公表番号】特表2009−523150(P2009−523150A)
【公表日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549858(P2008−549858)
【出願日】平成19年1月3日(2007.1.3)
【国際出願番号】PCT/EP2007/050034
【国際公開番号】WO2007/080140
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】