説明

シリコン酸化物膜の成膜方法

【課題】 表面ラフネスが良好なシリコン酸化物膜を得ることが可能なシリコン酸化物膜の成膜方法を提供すること。
【解決手段】 下地1上にシード層2を形成する工程と、シード層2上にシリコン膜3を形成する工程と、シリコン膜3及びシード層2を酸化し、下地1上にシリコン酸化物膜4を形成する工程と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シリコン酸化物膜の成膜方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、半導体集積回路装置の微細化が進展している。このような微細化の進展により、半導体集積回路装置に使用される各種薄膜においては、更なる薄膜化、及び膜質の更なる良質化が要請されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、薄い酸化膜等の絶縁膜を形成する絶縁膜の形成方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−297822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
更なる薄膜化のためには、薄膜の表面ラフネスの改善が重要である。表面ラフネスが悪いと、薄膜化しても均一な膜厚を得難くなるためである。
【0006】
また、薄膜に要求される新たな課題として、下地との界面ラフネスの改善も重要になってきた。界面ラフネスが悪いと、下地と薄膜との界面に界面準位が生じ、電子や正孔の移動度を悪化させたり、電荷がトラップされたりする。
【0007】
特許文献1には、薄い酸化膜の形成や、薄い酸化膜の電気的特性の向上については記載があるものの、表面ラフネスを改善すること、及び界面ラフネスを改善することについては、何等記載されていない。
【0008】
この発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、表面ラフネス、又は界面ラフネス、又は表面ラフネス及び界面ラフネスの双方が良好なシリコン酸化物膜を得ることが可能なシリコン酸化物膜の成膜方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の第1の態様に係るシリコン酸化物膜の成膜方法は、(1)下地上にシード層を形成する工程と、(2)前記シード層上にシリコン膜を形成する工程と、(3)前記シリコン膜及び前記シード層を酸化し、前記下地上にシリコン酸化物膜を形成する工程と、を具備する。
【0010】
この発明の第2の態様に係るシリコン酸化物膜の成膜方法は、(1)下地上にアモルファスシリコン膜を形成する工程と、(2)前記アモルファスシリコン膜に、水素を供給しながら酸化温度まで昇温する工程と、(3)前記水素が供給された前記アモルファスシリコン膜を、前記酸化温度で酸化し、前記下地上にシリコン酸化物膜を形成する工程と、を具備する。
【0011】
この発明の第3の態様に係るシリコン酸化物膜の成膜方法は、(1)下地上にアモルファスシリコン膜を形成する工程と、(2)前記アモルファスシリコン膜に、酸素を含む雰囲気中で再結晶化抑制処理を施す工程と、(3)前記再結晶化抑制処理が施された前記アモルファスシリコン膜を酸化し、前記下地上にシリコン酸化物膜を形成する工程と、を具備する。
【0012】
この発明の第4の態様に係るシリコン酸化物膜の成膜方法は、(1)下地上にアモルファスシリコン膜を、酸素を導入しつつ形成する工程と、(2)前記酸素を導入しつつ形成された前記アモルファスシリコン膜を酸化し、前記下地上にシリコン酸化物膜を形成する工程と、を具備する。
【0013】
この発明の第5の態様に係るシリコン酸化物膜の成膜方法は、(1)下地上にアモルファスシリコン膜を形成する工程と、(2)前記アモルファスシリコン膜を、このアモルファスシリコン膜の結晶化温度未満の温度で酸化し、前記下地上にシリコン酸化物膜を形成する工程と、を具備する。
【0014】
この発明の第6の態様に係るシリコン酸化物膜の成膜方法は、(1)下地上に、結晶成長の進行を遮断する遮断膜を形成する工程と、(2)前記遮断膜上に、アモルファスシリコン膜を形成する工程と、(3)前記アモルファスシリコン膜を酸化し、前記遮断膜上にシリコン酸化物膜を形成する工程と、を具備する。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、表面ラフネス、又は界面ラフネス、又は表面ラフネス及び界面ラフネスの双方が良好なシリコン酸化物膜を得ることが可能なシリコン酸化物膜の成膜方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の一例を示す流れ図
【図2】(A)図〜(C)図は第1の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の主要な工程を示す断面図
【図3】表面ラフネスを示す図
【図4】この発明の第2の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の一例を示すタイミングチャート
【図5】(A)図〜(C)図は第2の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の主要な工程を示す断面図
【図6】この発明の第3の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の一例を示すタイミングチャート
【図7】(A)図〜(C)図は第3の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の主要な工程を示す断面図
【図8】第3の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の変形例を示す断面図
【図9】表面ラフネスを示す図
【図10】この発明の第4の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の一例を示す流れ図
【図11】(A)図〜(B)図は第4の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の主要な工程を示す断面図
【図12】この発明の第5の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の第1例を示すタイミングチャート
【図13】酸化温度とシリコン酸化物膜の表面ラフネスとの関係を示す図
【図14】この発明の第5の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の第2例を示すタイミングチャート
【図15】この発明の第6の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の一例を示す流れ図
【図16】(A)図〜(C)図は第6の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の主要な工程を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、全図にわたり、共通の部分には共通の参照符号を付す。
【0018】
(第1の実施形態)
図1はこの発明の第1の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の一例を示す流れ図、図2A〜図2Cは第1の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の主要な工程を示す断面図である。
【0019】
図1のステップ1に示すように、下地上、本例ではシリコン基板(シリコンウエハ=シリコン単結晶)上にシード層を形成する。シード層の形成方法の一例は次の通りである。
【0020】
図2Aに示すように、シリコン基板1を加熱し、加熱したシリコン基板1の主表面にシード層原料ガスとして、例えば、アミノシラン系ガスを流す。これにより、アミノシラン系ガスに含まれるシリコン成分が、シリコン基板1の主表面上に吸着され、シード層2が形成される。
【0021】
アミノシラン系ガスの例としては、
BAS(ブチルアミノシラン)
BTBAS(ビスターシャリブチルアミノシラン)
DMAS(ジメチルアミノシラン)
BDMAS(ビスジメチルアミノシラン)
TDMAS(トリジメチルアミノシラン)
DEAS(ジエチルアミノシラン)
BDEAS(ビスジエチルアミノシラン)
DPAS(ジプロピルアミノシラン)
DIPAS(ジイソプロピルアミノシラン)
の少なくとも一つを含むガスを挙げることができる。本例では、DIPASを用いた。
【0022】
シード層2を形成する際の処理条件の一例は、
DIPAS流量: 200sccm
処 理 時 間: 1min
処 理 温 度: 400℃
処 理 圧 力: 133.3Pa(1Torr)
である。
【0023】
シード層2を形成する工程は、シリコン原料をシリコン基板1の表面に吸着させやすくする工程である。本明細書では、シード層2を形成すると記載しているが、実際にはほとんど成膜されることはない。シード層2の厚さは、好ましくは単原子層レベルの厚さ程度であることが良い。具体的なシード層2の厚さを言及するならば、0.1nm以上0.3nm以下である。
【0024】
次に、図1のステップ2、及び図2Bに示すように、シード層2上にシリコン膜3を形成する。具体的には、シード層2が形成されたシリコン基板1を加熱し、加熱したシリコン基板1の表面にシリコン原料ガスを流す。これにより、シード層2上にシリコン膜3が形成される。
【0025】
シリコン原料ガスの例としては、アミノ基を含まないシラン系ガスを挙げることができる。アミノ基を含まないシラン系ガスの例としては、
SiH
Si
の少なくとも一つを含むガスを挙げることができる。本例では、Si(ジシラン)を用いた。
【0026】
シリコン膜3を形成する際の処理条件の一例は、
ジシラン流 量: 200sccm
処 理 時 間: 6min
処 理 温 度: 400℃
処 理 圧 力: 133.3Pa( 1Torr)
である。
【0027】
上記処理条件においては、2nm程度の薄いアモルファスのシリコン膜3が形成される。また、本例では、シリコン膜3はアモルファスシリコンになっているが、シリコン膜3は、アモルファス〜ナノサイズの結晶粒が集まったナノ結晶シリコンであっても良いし、アモルファスシリコンとナノ結晶シリコンが混在したシリコンであっても良い。さらには、多結晶シリコンであってもよい。ただし、以降形成されるシリコン酸化物膜表面の“表面粗さ”を考慮すると、多結晶シリコンよりもナノ結晶シリコン、ナノ結晶シリコンよりもアモルファス−ナノ結晶混在シリコン、アモルファス−ナノ結晶混在シリコンよりもアモルファスシリコンが選ばれることが良いであろう。
【0028】
次に、図1のステップ3、及び図2Cに示すように、シリコン膜3及びシード層2を酸化し、シリコン基板1上にシリコン酸化物膜4を形成する。
【0029】
シリコン酸化物膜4を形成する際の処理条件の一例は、
酸 化 方 法:減圧ラジカル酸化法
酸 化 剤:O/H
酸 化 時 間: 30min
酸 化 温 度: 600℃
処 理 圧 力: 133.3Pa( 1Torr)
である。
【0030】
このようにして形成されたシリコン酸化物膜4の表面ラフネスRaを測定し、シード層を形成しなかった場合(比較例1)のシリコン酸化物膜の表面ラフネスRaと比較した。比較結果を図3に示す。
【0031】
図3に示すように、比較例1のシリコン酸化物膜の表面ラフネスRaは、“Ra=1.178nm”であったのに対し、第1の実施形態の一例に従って成膜されたシリコン酸化物膜4においては“Ra=0.231nm”であった。
【0032】
このように第1の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法によれば、シリコン膜3を成膜する前の前処理として、下地表面上にシード層2を形成しておく。この構成を備えることにより、表面ラフネスが良好なシリコン酸化物膜4を得ることができる。
【0033】
なお、表面ラフネスRaの測定方法は、次の通りである。
【0034】
測定装置:原子間力顕微鏡(AFM)
測定範囲:1μm × 1μm
ラフネス:平均面粗さRa
また、第1の実施形態は、以下のように変形することが可能である。
【0035】
(シード層原料ガスの変形)
シード層原料ガスは、アミノシラン系ガスに代えて、高次シラン系ガスを用いることができる。
高次シラン系ガスとしては、トリシラン以上の高次シラン系ガスが良い。トリシラン以上の高次シラン系ガスの例としては、
Si2m+2(ただし、mは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物、及びSi2n(ただし、nは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物であり、前記Si2m+2(ただし、mは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物が、
トリシラン(Si
テトラシラン(Si10
ペンタシラン(Si12
ヘキサシラン(Si14
ヘプタシラン(Si16
の少なくとも一つを含むガスを挙げることができ、
前記Si2n(ただし、nは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物が、
シクロトリシラン(Si
シクロテトラシラン(Si
シクロペンタシラン(Si10
シクロヘキサシラン(Si12
シクロヘプタシラン(Si14
の少なくとも一つを含むガスを挙げることができる。
【0036】
さらに、シード層原料ガスは、アミノシラン系ガスに代えて、クロロシラン系ガスを用いることもできる。
【0037】
クロロシラン系ガスの例としては、Si2m+2(ただし、mは1以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物の水素原子の少なくとも1つを塩素原子に置換したものを挙げることができる。このようなクロロシラン系ガスの具体例としては、例えば、
モノクロロシラン(SiHCl)
ジクロロシラン(SiHCl
ジクロロジシラン(SiCl
テトラクロロジシラン(SiCl
ヘキサクロロジシラン(SiCl
オクタクロロトリシラン(SiCl
の少なくとも一つを含むガスを挙げることができる。
【0038】
また、クロロシラン系ガスは、Si2n(ただし、nは1以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物の水素原子の少なくとも1つを塩素原子に置換したものであってもよい。
【0039】
クロロシラン系ガスを用いたときの利点は、例えば、クロロシラン系ガスが、上記高次シラン系ガスと同様にカーボンを含まない無機シリコン原料であるので、絶縁性を劣化させるカーボンコンタミネーションを防ぐことができることである。
【0040】
また、クロロシラン系ガスは、上記高次シラン系ガスに比較して、より高密度にシリコン原子を下地に吸着させることができるので、シード効果も高い。
【0041】
(シリコン膜原料ガスの変形)
シリコン膜原料ガスは、アミノ基を含まないシラン系ガスに代えて、アミノシラン系ガスを用いることができる。
なお、アミノシラン系ガスをシリコン膜原料ガスとして用いる場合は、例えば、シード層2を、トリシラン以上の高次シラン系ガスを用いて形成した際に利用されることが良い。
さらに、シリコン膜原料ガスとしてモノシラン(SiH)ガスを用いてシリコン膜3を形成した場合には、シード層原料ガスとしてジシラン(Si)以上の高次シラン系ガスを用いることも可能である。
【0042】
また、シリコン膜原料ガスとして、クロロシラン系ガスを用いることもできる。
【0043】
クロロシラン系ガスの例としては、シード層原料ガスと同様に、Si2m+2(ただし、mは1以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物の水素原子の少なくとも1つを塩素原子に置換したものを挙げることができ、具体例としては、例えば、
モノクロロシラン(SiHCl)
ジクロロシラン(SiHCl
ジクロロジシラン(SiCl
テトラクロロジシラン(SiCl
ヘキサクロロジシラン(SiCl
オクタクロロトリシラン(SiCl
の少なくとも一つを含むガスを挙げることができる。
【0044】
また、クロロシラン系ガスは、Si2n(ただし、nは1以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物の水素原子の少なくとも1つを塩素原子に置換したものであってもよい。
【0045】
クロロシラン系ガスは、シラン系ガスと同様に無機シリコン原料である。このため、成膜されるシリコン膜3中へのカーボンコンタミネーションを防ぐことができ、シリコン膜3を酸化して形成されるシリコン酸化物膜4においては、無機シリコン原料を用いずにシリコン膜3を成膜した場合に比較して、絶縁性の劣化をよりよく抑制することができる、という利点を得ることができる。
【0046】
(シード層形成時の処理温度の好適な範囲)
シード層形成時の処理温度の好適な範囲は、300℃以上600℃以下である。
【0047】
(シード層形成時の処理圧力の好適な範囲)
シード層形成時の処理圧力の好適な範囲は、13.3Pa(0.1Torr)以上665Pa(5Torr)以下である。
【0048】
(シード層原料ガス流量の好適な範囲)
シード層原料ガス流量の好適な範囲は、10sccm以上500sccm以下である。
【0049】
(第2の実施形態)
第2の実施形態以降の実施形態においては、シリコン膜3をアモルファスシリコン膜3とする。
【0050】
アモルファスシリコン膜3の内部には水素原子が含まれている。シリコン基板1は、アモルファスシリコン膜3を酸化するために、半導体製造装置の処理チャンバの中で酸化温度まで昇温される。この昇温中、アモルファスシリコン膜3の内部においては水素原子とシリコン原子との結合が切れ、水素原子の脱離が発生する。水素原子の脱離が発生したアモルファスシリコン膜3においては、脱離した水素原子の部分にシリコン原子が移動する、即ちシリコン原子のマイグレーションがおきる。シリコン原子のマイグレーションが進行するにつれ、アモルファスシリコン膜3の表面ラフネスは悪化していく。
【0051】
また、水素原子の脱離は、アモルファスシリコン膜3の表面近傍で起こる、と考えられるが、水素原子の脱離が激しくなる、又は長時間の脱離が続くと、アモルファスシリコン膜3の深部にも水素原子の脱離が及ぶ。このため、シリコン原子のマイグレーションが、アモルファスシリコン膜3の深部においても発生するようになると、アモルファスシリコン膜3は、その表面ラフネスばかりでなく、アモルファスシリコン膜3の表面の反対側、つまり、アモルファスシリコン膜3と下地との界面の界面ラフネスも悪化させてしまう。
【0052】
第2の実施形態は、水素原子の脱離に起因したアモルファスシリコン膜3の表面ラフネス及び界面ラフネスの悪化を抑制し、より良好な表面ラフネス、並びにより良好な界面ラフネスを持つシリコン酸化物膜4を得ようとするものである。
【0053】
図4はこの発明の第2の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の一例を示すタイミングチャート、図5A〜図5Cは第2の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の主要な工程を示す断面図である。
【0054】
図4のステップ1、及び図5Aに示すように、下地上にアモルファスシリコン膜3を形成する。本例においても、下地としてシリコン基板1(シリコンウエハ=シリコン単結晶)を用いた。
【0055】
次に、図4のステップ2、及び図5Bに示すように、アモルファスシリコン膜3に水素を供給しながら、アモルファスシリコン膜3が形成されたシリコン基板1を酸化温度まで昇温する。
【0056】
アモルファスシリコン膜3に水素を供給しながらシリコン基板1を酸化温度まで昇温する際の処理条件の一例は、
水 素 流 量: 2000sccm
処 理 時 間: 80min
処 理 温 度: 400℃から800℃(酸化温度)に上昇
昇 温 速 度: 5℃/min
処 理 圧 力: 133.3Pa( 1Torr)
である。
【0057】
次に、図4のステップ3、及び図5Cに示すように、水素が供給されたアモルファスシリコン膜3を、酸化温度で酸化し、シリコン基板1上にシリコン酸化物膜4を形成する。シリコン酸化物膜4を形成する際の処理条件は、上記第1の実施形態と同様で良い。酸化が終了したら、図4のステップ4に示すように、シリコン基板1を搬出温度まで降温する。
【0058】
このような第2の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法によれば、アモルファスシリコン膜3を成膜した後の後処理として、アモルファスシリコン膜3に水素を供給しながら、アモルファスシリコン膜3が形成されたシリコン基板1を酸化温度まで昇温する。この構成を備えることにより、酸化温度まで昇温している間、アモルファスシリコン膜3に水素が補給されるようになる。このため、昇温中に水素を供給しない場合に比較して、アモルファスシリコン膜3から脱離する水素の量を減らすことができる。アモルファスシリコン膜3から脱離する水素の量が減る結果、水素の脱離に起因したアモルファスシリコン膜3の表面ラフネスの悪化、並びに界面ラフネスの悪化を抑制することができる。
【0059】
よって、第2の実施形態においても、表面ラフネスが良好なシリコン酸化物膜4が得られる、という利点を得ることができる。しかも、第2の実施形態においては、さらに、界面ラフネスも良好なシリコン酸化物膜4を得ることができる。
【0060】
なお、第2の実施形態は、単独で実施することが可能である。しかしながら、アモルファスシリコン膜3は、上記第1の実施形態の一例に従って形成すると、表面ラフネスが良好なアモルファスシリコン膜3を得ることができるのでなお良い。
【0061】
このように第2の実施形態に第1の実施形態を組み合わせた場合には、良好なアモルファスシリコン膜3の表面ラフネスを、酸化温度までの昇温中においても維持することができ、表面ラフネス、並びに界面ラフネスの双方ともがより良好なシリコン酸化物膜4が得られる、という利点を得ることができる。
【0062】
(第3の実施形態)
アモルファスシリコン膜3を酸化してシリコン酸化物膜4を形成するためには、無論、室温での酸化も可能ではある。ただし、スループットの維持や向上など、実用的な観点を考慮すると、アモルファスシリコン膜3が形成されたシリコン基板1を酸化温度まで昇温して酸化することが好ましい。
【0063】
しかし、アモルファスシリコン膜3が形成されたシリコン基板1を、酸化温度、例えば、800℃まで昇温すると、アモルファスシリコン膜3に結晶化が発生し、アモルファスシリコン膜3が多結晶シリコン膜に変化してしまう。多結晶シリコン膜においては、微視的にみれば、結晶粒の一つ一つの大きさも、その配向も、その形状もばらばらである。このため、アモルファスシリコン膜3が結晶化したシリコン膜の表面ラフネスは、結晶化が発生する前のアモルファスシリコン膜3の表面ラフネスに比較すると、必ずしも良好であるとは言い難い。
【0064】
また、結晶化は、アモルファスシリコン膜3の表面のみで発生するものではなく、アモルファスシリコン膜3の内部を含めた全体で発生する。このため、アモルファスシリコン膜3の表面の反対側、即ちアモルファスシリコン膜3と下地との界面の界面ラフネスも悪化させる。
【0065】
さらに、結晶化したシリコン膜の内部には転位が数多く存在し、その発生箇所はランダムである。転位の部分は、転位ではない部分に比較して、例えば、酸化の際に使用される酸化剤を通しやすい。つまり、酸化剤は、ランダムに発生した転位の部分を通って下地に到達する。下地がシリコン基板1であった場合には、転位の部分を通ってきた酸化剤が、シリコン基板1の表面をランダムに酸化させる。このようなシリコン基板1の表面のランダムな酸化も、界面ラフネスの悪化を助長する。
【0066】
第3の実施形態は、アモルファスシリコン膜3の結晶化に起因した表面ラフネス及び界面ラフネスの悪化を抑制し、より良好な表面ラフネス、並びにより良好な界面ラフネスを持つシリコン酸化物膜4を得ようとするものである。
【0067】
図6はこの発明の第3の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の一例を示すタイミングチャート、図7A〜図7Cは第3の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の主要な工程を示す断面図である。
【0068】
図6のステップ1、及び図7Aに示すように、下地上にアモルファスシリコン膜3を形成する。本例においても、下地としてシリコン基板1(シリコンウエハ=シリコン単結晶)を用いた。
【0069】
次に、図6のステップ2、及び図7Bに示すように、アモルファスシリコン膜3を、酸素を含む雰囲気中で処理する。この処理により、アモルファスシリコン膜3の内部に酸素が拡散される。アモルファスシリコン膜3の内部に酸素が拡散される結果、アモルファスシリコン膜3が結晶化する結晶化温度が引き上げられる。結晶化温度が引き上げられることで、アモルファスシリコン膜3には、結晶化抑制処理が施される。
【0070】
アモルファスシリコン膜3を、酸素を含む雰囲気中で処理する際の処理条件の一例は、
酸 素 源: O
酸素源 流 量:5000sccm
処 理 時 間:5〜60min
処 理 温 度: 400℃
処 理 圧 力: 133.3Pa( 1Torr)
である。
【0071】
また、図8に示すように、アモルファスシリコン膜3を、酸素を含む雰囲気中で処理する際、アモルファスシリコン膜3の表面を薄く酸化し、シリコン酸化物の被膜5を形成するようにしても良い。シリコン酸化物の被膜5は、第2の実施形態で説明した“水素原子の脱離”を抑制する水素脱離抑制膜として機能する。このようにアモルファスシリコン膜3の表面にシリコン酸化物の被膜5を形成しておくと、以降実施される酸化温度までの昇温工程において水素原子の脱離をも抑制できる。よって、結晶化の抑制とともに、水素原子の脱離に起因したアモルファスシリコン膜3の表面ラフネス及び界面ラフネスの悪化をも抑制できる、という利点を得ることができる。
【0072】
アモルファスシリコン膜3の表面にシリコン酸化物の被膜5を形成する際の処理条件の一例は、
酸 素 源: O、O/H、及びOの少なくともいずれか一つ
酸素源 流 量: 1〜10slm
処 理 時 間: 5〜60min
処 理 温 度: 400℃
処 理 圧 力: 133.3Pa( 1Torr)
である。
【0073】
次に、図6のステップ3に示すように、結晶化抑制処理が施されたアモルファスシリコン膜3が形成されたシリコン基板1を酸化温度まで昇温する。
【0074】
次に、図6のステップ4、及び図7Cに示すように、結晶化抑制処理が施されたアモルファスシリコン膜3を酸化し、シリコン基板1上にシリコン酸化物膜4を形成する。シリコン酸化物膜4を形成する際の処理条件は、上記第1の実施形態と同様で良い。酸化が終了したら、図6のステップ5に示すように、シリコン基板1を搬出温度まで降温する。
【0075】
このような第3の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法によれば、アモルファスシリコン膜3を成膜した後の後処理として、アモルファスシリコン膜3を、酸素を含む雰囲気中で処理する。この構成を備えることにより、アモルファスシリコン膜3の内部に酸素を拡散させることができる。これにより、アモルファスシリコン膜3の結晶化温度が引き上げられ、アモルファスシリコン膜3は結晶化抑制処理が施されたものとなる。アモルファスシリコン膜3に結晶化抑制処理を施すことによって、アモルファスシリコン膜3の結晶化に起因した表面ラフネスの悪化、並びに界面ラフネスの悪化を抑制することができる。
【0076】
よって、第3の実施形態においても、表面ラフネス、並びに界面ラフネスの双方ともが良好なシリコン酸化物膜4が得られる、という利点を得ることができる。
【0077】
第3の実施形態の一例(被膜5有り)に従って形成されたシリコン酸化物膜4の表面ラフネスRaを測定し、酸素雰囲気中での処理を施さなかった場合(比較例2)のシリコン酸化物膜の表面ラフネスRaと比較した。比較結果を図9に示す。
【0078】
図9に示すように、比較例2のシリコン酸化物膜の表面ラフネスRaは、“Ra=1.2nm”であったのに対し、第3の実施形態の一例に従って成膜されたシリコン酸化物膜4においては“Ra=0.19nm”であった。
【0079】
なお、表面ラフネスRaの測定方法は、上記第1の実施形態において、図3を参照して説明したものと同じであり、以下の通りである。
【0080】
測定装置:原子間力顕微鏡(AFM)
測定範囲:1μm × 1μm
ラフネス:平均面粗さRa
このように第3の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法によれば、表面ラフネスが良好なシリコン酸化物膜4を得ることができる。また、第3の実施形態の一例に従って形成した結果、表面ラフネスが良好である、ということは、アモルファスシリコン膜3の結晶化が抑制された結果である、といえる。従って、アモルファスシリコン膜3の結晶化が抑制されたことで、界面ラフネスも良好になる。
【0081】
なお、第3の実施形態は、第2の実施形態と同様に、単独で実施することが可能である。しかし、アモルファスシリコン膜3は、上記第1の実施形態の一例に従って形成すると、表面ラフネスが良好なアモルファスシリコン膜3を得ることができるのでなお良い。
【0082】
さらに、第3の実施形態は、第2の実施形態と組み合わせることが可能である。第3の実施形態を第2の実施形態と組み合わせた場合には、アモルファスシリコン膜3の結晶化の抑制とともに、アモルファスシリコン膜3からの水素脱離の抑制、という利点を得ることができる。第3の実施形態に、第2の実施形態を組み合わせる場合には、例えば、図8に示したアモルファスシリコン膜3の表面へのシリコン酸化物の被膜5の形成は、必ずしも必要ではなくなる。しかし、アモルファスシリコン膜3の表面にシリコン酸化物の被膜5を形成した上で、さらに、水素を供給しながら、アモルファスシリコン膜3が形成されたシリコン基板1を酸化温度まで昇温するようにしても良い。このようにすれば、水素の脱離に起因した表面ラフネス及び界面ラフネスの悪化を、被膜5と水素の供給との双方によって、さらに効果的に抑制することができる。
【0083】
もちろん、第3の実施形態に、第1、第2の実施形態の双方を組み合わせることも可能である。
【0084】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第3の実施形態と同様に、アモルファスシリコン膜3の結晶化に起因した表面ラフネス及び界面ラフネスの悪化を抑制する手法に関する。
【0085】
図10はこの発明の第4の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の一例を示す流れ図、図11A〜図11Bは第4の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の主要な工程を示す断面図である。
【0086】
図10のステップ1、及び図11Aに示すように、下地上、本例ではシリコン基板1上に、アモルファスシリコン膜3を、シリコン原料ガスとともに酸素源、例えば、NOガスを導入しつつ形成する。
【0087】
酸素源を導入しつつアモルファスシリコン膜3を形成する際の処理条件の一例は、次の通りである。
【0088】
シリコン原 料 :Si
シリコン原料流量: 200sccm
酸 素 源 :N
酸素源 流 量 : 10sccm
処 理 時 間 : 6min
処 理 温 度 : 400℃
処 理 圧 力 : 133.3Pa( 1Torr)
次に、図10のステップ2、及び図11Bに示すように、酸素源を導入しつつ形成されたアモルファスシリコン膜3を酸化し、シリコン基板1上にシリコン酸化物膜4を形成する。
【0089】
このような第4の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法よれば、アモルファスシリコン膜3の形成中に酸素源を導入するので、形成されたアモルファスシリコン膜3は、酸素がドープされたアモルファスシリコン膜3となる。酸素がドープされたアモルファスシリコン膜3においては、上記第3の実施形態において説明したように、結晶化温度が、酸素がドープされていないアモルファスシリコン膜に比較して高い。よって、第3の実施形態と同様に、アモルファスシリコン膜3の結晶化に起因した表面ラフネスの悪化、並びに界面ラフネスの悪化を抑制でき、表面ラフネス、並びに界面ラフネスの双方ともが良好なシリコン酸化物膜4が得られる、という利点を得ることができる。
【0090】
また、本第4の実施形態においても、上記第1の実施形態との組み合わせ、上記第2の実施形態との組み合わせ、上記第1、第2の実施形態双方との組み合わせが可能である。
【0091】
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、第3、第4の実施形態と同様に、アモルファスシリコン膜3の結晶化に起因した表面ラフネス及び界面ラフネスの悪化を抑制する手法に関する。
【0092】
(第1例)
図12はこの発明の第5の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の第1例を示すタイミングチャートである。
【0093】
図12のステップ1に示すように、下地上、本例ではシリコン基板1上に、アモルファスシリコン膜3を形成する。
【0094】
次に、ステップ2に示すように、アモルファスシリコン膜3が形成されたシリコン基板1を酸化温度まで昇温する。本例では、酸化温度を、アモルファスシリコン膜3が結晶化する結晶化温度未満の温度とする。例えば、本例では、500℃とした。
【0095】
次に、ステップ3に示すように、シリコン基板1上に形成されたアモルファスシリコン膜3を、結晶化温度未満の温度、例えば、500℃で酸化し、シリコン基板1上にシリコン酸化物膜4を形成する。
【0096】
本第1例におけるシリコン酸化物膜4を形成する際の処理条件の一例は、
酸 化 方 法:減圧ラジカル酸化法
酸 化 剤:O/H
酸 化 時 間: 100min
酸 化 温 度: 500℃
処 理 圧 力: 133Pa( 1Torr)
である。
【0097】
酸化が終了したら、ステップ4に示すように、シリコン基板1を搬出温度まで降温する。
【0098】
このような第5の実施形態によれば、アモルファスシリコン膜3を、結晶化温度未満の温度で酸化するので、アモルファスシリコン膜3が、例えば、多結晶シリコン膜に変化することがない。このため、第3、第4の実施形態と同様に、アモルファスシリコン膜3の結晶化に起因した表面ラフネスの悪化、並びに界面ラフネスの悪化を抑制でき、表面ラフネス、並びに界面ラフネスの双方ともが良好なシリコン酸化物膜4が得られる、という利点を得ることができる。
【0099】
図13は、酸化温度とシリコン酸化物膜4の表面ラフネスRaとの関係を示す図である。
【0100】
図13に示すように、酸化温度が600℃以下においては、シリコン酸化物膜4の表面ラフネスRaは“Ra=0.23nm(600℃)”、“Ra=0.15nm(500℃)”、“Ra=0.18nm(400℃)”である。これに対し、酸化温度が700℃以上においては、上記表面ラフネスRaは“Ra=1.45nm(700℃)”、“Ra=2.22nm(800℃)”である。
【0101】
なお、酸化時の処理圧力は全てのサンプルで133Paに統一し、酸化剤の種類、酸化剤流量、及び酸化時間は全てのサンプルで固定とした。変化させたのは、酸化温度のみである。
【0102】
また、表面ラフネスRaの測定方法は、第1の実施形態の図3、第3の実施形態の図9と同様であり、次の通りである。
【0103】
測定装置:原子間力顕微鏡(AFM)
測定範囲:1μm × 1μm
ラフネス:平均面粗さRa
このように、酸化温度とシリコン酸化物膜4の表面ラフネスRaとの間には相関がある。これは、アモルファスシリコン膜3が結晶化したか否かに依存する、と考えられる。
【0104】
つまり、酸化温度を600℃以下に抑えれば、酸化温度は、アモルファスシリコン膜3の結晶化温度未満となり、良好な表面ラフネスを維持することができる。そして、アモルファスシリコン膜3は、その結晶化温度未満の温度で酸化されることから、アモルファスシリコン膜3の結晶化に起因した界面ラフネスの悪化についても抑制することができる。
【0105】
アモルファスシリコン膜3の結晶化温度については、処理圧力が133Paのとき、図13に示す結果から理解されるように、600℃と700℃との間にある、と推測される。
【0106】
従って、酸化温度の上限としては、結晶化温度未満の温度以下に抑えたいことから、600℃以下である。また、酸化温度の下限としては、室温での酸化が可能であることから、室温以上とする。室温は、本明細書では25℃と定義する。なお、スループットの維持、向上の観点を考慮すると、酸化温度の下限は300℃以上とすることが、実用上、好ましい。
【0107】
(第2例)
図14はこの発明の第5の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の第2例を示すタイミングチャートである。
【0108】
図14のステップ1〜ステップ3に示すように、図12を参照して説明した第1例と同様に、シリコン基板1上に形成されたアモルファスシリコン膜3を、このアモルファスシリコン膜3が結晶化する結晶化温度未満の、例えば、500℃で酸化し、シリコン基板1上にシリコン酸化物膜4を形成する。
【0109】
第2例においては、結晶化温度未満での酸化に引き続き、図14のステップ4に示すように、結晶化温度未満の温度で酸化されたアモルファスシリコン膜3を、結晶化温度以上の温度に昇温し、さらに、ステップ5に示すように、結晶化温度以上の温度で、シリコン酸化物膜4を再酸化する。再酸化が終了したら、ステップ6に示すように、シリコン基板1を搬出温度まで降温する。
【0110】
このように、アモルファスシリコン膜3を結晶化温度未満で酸化してシリコン酸化物膜4を形成した後、この結晶化温度未満で酸化されたシリコン酸化物膜4を、結晶化温度以上の温度で再酸化するようにしても良い。
【0111】
第2例においても、アモルファスシリコン膜3を結晶化温度未満で酸化することでシリコン酸化物膜4を形成するので、第1例と同様に、アモルファスシリコン膜3の結晶化に起因した表面ラフネスの悪化、並びに界面ラフネスの悪化を抑制でき、表面ラフネス、並びに界面ラフネスの双方ともが良好なシリコン酸化物膜4が得られる、という利点を得ることができる。
【0112】
さらに、第2例においては、結晶化温度未満で酸化されたシリコン酸化物膜4を、結晶化温度以上の温度で再酸化するので、再酸化しない第1例に比較して、シリコン酸化物膜4の膜質を、例えば、より緻密な膜にできる、という利点を得ることができる。緻密な膜であれば、例えば、低リーク電流、高耐圧といった電気的特性にも優れたシリコン酸化物膜4を得ることができる。
【0113】
また、アモルファスシリコン膜3の結晶化温度は、図13に示したように、処理圧力が133Paのとき、600℃と700℃との間にある。従って、再酸化は、600℃を超える温度で行われる。なお、再酸化温度の上限は、論理上、下地の融点、本例では、シリコン基板1の融点未満である。シリコン基板1の融点は、常温、常圧で約1410℃であるから、再酸化は、常温、常圧下ならば約1410℃未満で行われれば良い。しかし、熱履歴等を考慮した実用的な観点からは、800℃以下である。
【0114】
なお、第2例は、第1例に係る成膜方法によって成膜されたシリコン酸化物膜4を否定するものではない。第1例に係る成膜方法によって成膜されたシリコン酸化物膜4の電気的特性が、例えば、半導体集積回路装置の薄膜として要求される電気的特性を十分に満たすものであったならば、当然、第1例に係る成膜方法によって成膜されたシリコン酸化物膜4を、半導体集積回路装置の薄膜として採用することができる。
【0115】
また、第5の実施形態は、第1例、第2例とも、上記第1〜第4の実施形態との如何なる組み合わせも可能である。
【0116】
(第6の実施形態)
上記第3、第4、第5の実施形態においては、化学的な方法を用いて、アモルファスシリコン膜3の結晶化に起因した表面ラフネス及び界面ラフネスの悪化を抑制した。
【0117】
第6の実施形態は、物理的な方法を用いて、アモルファスシリコン膜3の結晶化に起因した、特に、界面ラフネスの悪化を抑制するものである。
【0118】
図15はこの発明の第6の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の一例を示す流れ図、図16A〜図16Cは第6の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法の主要な工程を示す断面図である。
【0119】
図15のステップ1、及び図16Aに示すように、下地上、本例ではシリコン基板1上に、結晶成長の進行を遮断する遮断膜6を形成する。遮断膜6としては、以降形成されるアモルファスシリコン膜が結晶化する際に、結晶がシリコン基板1に食い込んで成長することを遮断できる膜であれば良い。そのような遮断膜6の例としては、シリコン酸化物膜、シリコン窒化物膜、メタル酸化物膜の少なくとも一つを含む膜を挙げることができる。シリコン酸化物膜としては、シリコン基板1を直接に酸化して形成されるものが良い。例えば、熱酸化膜やラジカル酸化膜などである。シリコン窒化物膜としては、同じくシリコン基板1を直接に窒化して形成されるものが良い。例えば、熱窒化膜やラジカル窒化膜である。メタル酸化物膜としては、例えば、タングステンオキサイド膜、アルミナ膜、チタニア膜などを挙げることができる。
【0120】
本例では、遮断膜6としてシリコン基板1を直接にラジカル酸化して形成したラジカル酸化膜を用いた。
【0121】
遮断膜6を形成する際の処理条件の一例は、
酸 化 方 法:減圧ラジカル酸化法
酸 化 剤:O/H
酸 化 時 間: 15min
酸 化 温 度: 400℃
処 理 圧 力: 133.3Pa( 1Torr)
である。
【0122】
次に、図15のステップ2、及び図16Bに示すように、遮断膜6上に、アモルファスシリコン膜3を形成する。
【0123】
次に、図15のステップ3、及び図16Cに示すように、アモルファスシリコン膜3を酸化し、遮断膜6上にシリコン酸化物膜4を形成する。
【0124】
このような第6の実施形態に係るシリコン酸化物膜の成膜方法によれば、アモルファスシリコン膜3を成膜する前の前処理として、シリコン基板1上に、結晶成長の進行を遮断する遮断膜6を形成する。このため、アモルファスシリコン膜3を酸化する際に、アモルファスシリコン膜3が結晶化して多結晶シリコン膜に変化したとしても、多結晶シリコン膜中の結晶が、シリコン基板1に食い込むように成長することを抑制することができる。
従って、アモルファスシリコン膜3の結晶化に起因した、特に、界面ラフネスの悪化を抑制することができる。
【0125】
なお、第6の実施形態は、上記第1〜第5の実施形態との如何なる組み合わせも可能である。
【0126】
以上、この発明をいくつかの実施形態に従って説明したが、この発明は、上記実施形態に限定されることは無く、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
【0127】
例えば、上記実施形態においては、処理条件を具体的に例示したが、処理条件は、上記具体的な例示に限られるものではない。
【0128】
また、下地としては、シリコン基板1を例示したが、下地は、シリコン基板1に限られるものではない。例えば、シリコン窒化膜であっても良いし、多結晶シリコン膜であっても良い。もちろん、タングステンや銅などの内部配線層を構成するような金属膜であっても良い。さらには、キャパシタなどの誘電体膜として使用されるようなタンタル酸化膜などシリコン酸化膜よりも高い比誘電率を持つ誘電体膜であっても良い。
【0129】
また、シリコン酸化物膜4を形成する際の酸化方法としては、特に、好ましい酸化方法として減圧ラジカル酸化法を例示したが、酸化方法についてもラジカル酸化法に限られるものでもない。酸化方法としては、例えば、熱酸化、酸化剤としてオゾンを用いたオゾン酸化、酸化剤をプラズマ化するプラズマ酸化、酸化剤として水蒸気を用いたウェット酸化なども用いることができる。
【0130】
また、厚み方向でどこまで酸化するのか、については、シリコン膜3又はアモルファスシリコン膜3、及びシード層2については、全て酸化することが良い。途中でシリコンを残すことがないようにするためである。
【0131】
また、下地がシリコン基板1のように酸化し易い材料であった場合、場合によっては、シリコン膜3又はアモルファスシリコン膜3及びシード層2は全て酸化しきり、さらに下地まで、例えば、シリコン基板1まで酸化を進めることも可能である。このように下地まで酸化を進めた場合であっても、界面ラフネスについては良好なものを得ることができる。
【0132】
また、アミノシラン系ガスとしては、分子式中のシリコン(Si)が1つとなるものに限られるものではなく、分子式中のシリコンが2つとなるもの、例えば、ヘキサキスエチルアミノジシラン(C12H36NSi)なども用いることができる。
【0133】
さらに、ヘキサキスエチルアミノジシランの他、下記の式(1)〜(4)により表示される物質も用いることができる。
(1) (((R1R2)N)nSiH-n-m(R3)m …n:アミノ基の数 m:アルキル基の数
(2) ((R1)NH)nSiH-n-m(R3)m …n:アミノ基の数 m:アルキル基の数
(1)、(2)式において、
R1、R2、R3 = CH、CH、CH
R1=R2=R3、または同じでなくても良い。
n = 1〜6の整数
m = 0、1〜5の整数
(3) (((R1R2)N)nSiH-n-m(Cl)m …n:アミノ基の数 m:塩素の数
(4) ((R1)NH)nSiH-n-m(Cl)m …n:アミノ基の数 m:塩素の数
(3)、(4)式において
R1、R2 = CH、CH、CH
R1=R2、または同じでなくても良い。
n = 1〜6の整数
m = 0、1〜5の整数
その他、この発明はその要旨を逸脱しない範囲で様々に変形することができる。
【符号の説明】
【0134】
1…シリコン基板、2…シード層、3…シリコン膜(アモルファスシリコン膜)、4…シリコン酸化物膜、5…シリコン酸化物膜の被膜、6…遮断膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1) 下地上にシード層を形成する工程と、
(2) 前記シード層上にシリコン膜を形成する工程と、
(3) 前記シリコン膜及び前記シード層を酸化し、前記下地上にシリコン酸化物膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とするシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項2】
前記シード層は、前記下地上にアミノシラン系ガス、又はトリシラン以上の高次シラン系ガス、又はクロロシラン系ガスを吸着させることで形成され、
前記シリコン膜は、前記シード層上にジシラン以下の低次シラン系ガス、又はアミノシラン系ガス、又はクロロシラン系ガスを供給することで形成されることを特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項3】
前記アミノシラン系ガスが、
BAS(ブチルアミノシラン)
BTBAS(ビスターシャリブチルアミノシラン)
DMAS(ジメチルアミノシラン)
BDMAS(ビスジメチルアミノシラン)
TDMAS(トリジメチルアミノシラン)
DEAS(ジエチルアミノシラン)
BDEAS(ビスジエチルアミノシラン)
DPAS(ジプロピルアミノシラン)
DIPAS(ジイソプロピルアミノシラン)
ヘキサキスエチルアミノジシラン
(1) (((R1R2)N)nSiH-n-m(R3)m
(2) ((R1)NH)nSiH-n-m(R3)m
(3) (((R1R2)N)nSiH-n-m(Cl)m
(4) ((R1)NH)nSiH-n-m(Cl)m
の少なくとも一つを含むガスから選ばれることを特徴とする請求項2に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。
(ただし、(1)、(2)式において、n:アミノ基の数、m:アルキル基の数、
(3)、(4)式において、n:アミノ基の数、m:塩素の数、
(1)〜(4)式において、n = 1〜6の整数、m = 0、1〜5の整数、
R1、R2、R3 = CH、CH、CH R1 = R2 = R3、または同じでなくても良い。)
【請求項4】
前記トリシラン以上の高次シラン系ガスは、
Si2m+2(ただし、mは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物、又はSi2n(ただし、nは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物であることを特徴とする請求項2に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項5】
前記Si2m+2(ただし、mは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物が、
トリシラン(Si
テトラシラン(Si10
ペンタシラン(Si12
ヘキサシラン(Si14
ヘプタシラン(Si16
の少なくとも一つを含むガスから選ばれ、
前記Si2n(ただし、nは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物が、
シクロトリシラン(Si
シクロテトラシラン(Si
シクロペンタシラン(Si10
シクロヘキサシラン(Si12
シクロヘプタシラン(Si14
の少なくとも一つを含むガスから選ばれることを特徴とする請求項4に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項6】
前記クロロシラン系ガスが、Si2m+2(ただし、mは1以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物の水素原子の少なくとも1つを塩素原子に置換したもの、又はSi2n(ただし、nは1以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物の水素原子の少なくとも1つを塩素原子に置換したものであることを特徴とする請求項2に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項7】
前記Si2m+2(ただし、mは1以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物の水素原子の少なくとも1つを塩素原子に置換したものが、
モノクロロシラン(SiHCl)
ジクロロシラン(SiHCl
ジクロロジシラン(SiCl
テトラクロロジシラン(SiCl
ヘキサクロロジシラン(SiCl
オクタクロロトリシラン(SiCl
の少なくとも一つを含むガスから選ばれることを特徴とする請求項6に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項8】
前記ジシラン以下の低次シラン系ガスが
モノシラン(SiH
ジシラン(Si
の少なくとも一つを含むガスから選ばれることを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか一項に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項9】
(1) 下地上にアモルファスシリコン膜を形成する工程と、
(2) 前記アモルファスシリコン膜に、水素を供給しながら酸化温度まで昇温する工程と、
(3) 前記水素が供給された前記アモルファスシリコン膜を、前記酸化温度で酸化し、前記下地上にシリコン酸化物膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とするシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項10】
(1) 下地上にアモルファスシリコン膜を形成する工程と、
(2) 前記アモルファスシリコン膜に、酸素を含む雰囲気中で再結晶化抑制処理を施す工程と、
(3) 前記再結晶化抑制処理が施された前記アモルファスシリコン膜を酸化し、前記下地上にシリコン酸化物膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とするシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項11】
(1) 下地上にアモルファスシリコン膜を、酸素を導入しつつ形成する工程と、
(2) 前記酸素を導入しつつ形成された前記アモルファスシリコン膜を酸化し、前記下地上にシリコン酸化物膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とするシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項12】
(1) 下地上にアモルファスシリコン膜を形成する工程と、
(2) 前記アモルファスシリコン膜を、このアモルファスシリコン膜の結晶化温度未満の温度で酸化し、前記下地上にシリコン酸化物膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とするシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項13】
前記(2)工程の後、
(3) 前記結晶化温度未満の温度で酸化して形成された前記シリコン酸化物膜を、前記結晶化温度以上の温度で再酸化する工程を、
さらに具備することを特徴とする請求項12に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項14】
前記(3)工程における再酸化温度は、600℃を超え800℃以下であることを特徴とする請求項13に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項15】
前記(2)工程における酸化温度は、室温以上600℃以下であることを特徴とする請求項12から請求項14のいずれか一項に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項16】
(1) 下地上に、結晶成長の進行を遮断する遮断膜を形成する工程と、
(2) 前記遮断膜上に、アモルファスシリコン膜を形成する工程と、
(3) 前記アモルファスシリコン膜を酸化し、前記遮断膜上にシリコン酸化物膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とするシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項17】
前記遮断膜は、
シリコン酸化物膜
シリコン窒化物膜
メタル酸化物膜
の少なくとも一つを含む膜から選ばれることを特徴とする請求項16に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項18】
前記アモルファスシリコン膜は、
前記下地上にシード層を形成し、前記シード層上にアモルファスシリコン膜を形成することで形成されることを特徴とする請求項9から請求項17のいずれか一項に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項19】
前記シード層は、前記下地上にアミノシラン系ガス、又はトリシラン以上の高次シラン系ガス、又はクロロシラン系ガスを吸着させることで形成され、
前記アモルファスシリコン膜は、前記シード層上にジシラン以下の低次系シランガス、又はアミノシラン系ガス、又はクロロシラン系ガスを供給することで形成されることを特徴とする請求項18に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項20】
前記アミノシラン系ガスが、
BAS(ブチルアミノシラン)
BTBAS(ビスターシャリブチルアミノシラン)
DMAS(ジメチルアミノシラン)
BDMAS(ビスジメチルアミノシラン)
TDMAS(トリジメチルアミノシラン)
DEAS(ジエチルアミノシラン)
BDEAS(ビスジエチルアミノシラン)
DPAS(ジプロピルアミノシラン)
DIPAS(ジイソプロピルアミノシラン)
ヘキサキスエチルアミノジシラン
(1) (((R1R2)N)nSiH-n-m(R3)m
(2) ((R1)NH)nSiH-n-m(R3)m
(3) (((R1R2)N)nSiH-n-m(Cl)m
(4) ((R1)NH)nSiH-n-m(Cl)m
の少なくとも一つを含むガスから選ばれることを特徴とする請求項19に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。
(ただし、(1)、(2)式において、n:アミノ基の数、m:アルキル基の数、
(3)、(4)式において、n:アミノ基の数、m:塩素の数、
(1)〜(4)式において、n = 1〜6の整数、m = 0、1〜5の整数、
R1、R2、R3 = CH、CH、CH R1 = R2 = R3、または同じでなくても良い。)
【請求項21】
前記トリシラン以上の高次シラン系ガスは、
Si2m+2(ただし、mは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物、又はSi2n(ただし、nは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物であることを特徴とする請求項19に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項22】
前記Si2m+2(ただし、mは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物が、
トリシラン(Si
テトラシラン(Si10
ペンタシラン(Si12
ヘキサシラン(Si14
ヘプタシラン(Si16
の少なくとも一つを含むガスから選ばれ、
前記Si2n(ただし、nは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物が、
シクロトリシラン(Si
シクロテトラシラン(Si
シクロペンタシラン(Si10
シクロヘキサシラン(Si12
シクロヘプタシラン(Si14
の少なくとも一つを含むガスから選ばれることを特徴とする請求項21に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項23】
前記クロロシラン系ガスが、Si2m+2(ただし、mは1以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物の水素原子の少なくとも1つを塩素原子に置換したもの、又はSi2n(ただし、nは1以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物の水素原子の少なくとも1つを塩素原子に置換したものであることを特徴とする請求項19に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項24】
前記Si2m+2(ただし、mは1以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物の水素原子の少なくとも1つを塩素原子に置換したものが、
モノクロロシラン(SiHCl)
ジクロロシラン(SiHCl
ジクロロジシラン(SiCl
テトラクロロジシラン(SiCl
ヘキサクロロジシラン(SiCl
オクタクロロトリシラン(SiCl
の少なくとも一つを含むガスから選ばれることを特徴とする請求項23に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。
【請求項25】
前記ジシラン以下の低次シラン系ガスが
モノシラン(SiH
ジシラン(Si
の少なくとも一つを含むガスから選ばれることを特徴とする請求項19から請求項24のいずれか一項に記載のシリコン酸化物膜の成膜方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−110385(P2013−110385A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−204155(P2012−204155)
【出願日】平成24年9月18日(2012.9.18)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】