説明

シートの搬出方向切換装置および画像形成装置

【課題】ロータリーガイド部材の正確な回動動作を確保しつつ、部品点数の削減により製造コストの低減化に貢献する。
【解決手段】搬送される用紙Pを通過させ得る1つの案内通路320を備え、搬送方向と直交する用紙Pの幅方向に延びたガイド軸34回りに回動して少なくとも2つの搬送先(胴内排紙トレイ151又は外部トレイ152)のいずれかに、案内通路320の排出口351を対向させるべく姿勢変更が可能なロータリーガイド部材30と、このロータリーガイド部材30を姿勢変更させる姿勢変更手段50とが備えられている。姿勢変更手段50は、ロータリーガイド部材30をガイド軸34回りに正逆回動させるステッピングモータ51を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送されつつあるシートの搬送方向を切り換えるために用いられるシートの搬出方向切換装置、及びこれが適用された画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているような、画像形成装置のシート搬送系統において使用されるシートの搬出方向切換装置が知られている。この切換装置は、画像形成処理が完了し表面にトナー画像が形成されたシートの搬出先を、排出トレイと両面印刷処理のためのスイッチバック搬送路との間で切り換えるものであり、搬出先の分岐点に設けられたロータリーガイド部材(特許文献1では切換ゲート)を備えている。
【0003】
このロータリーガイド部材は、シート幅寸法より若干長い間隔を置いて対向配置された一対の円形側板と、これら円形側板間に架設された4枚のガイド板と、各円形側板に突設された回転軸とを備えた構成である。各ガイド板間には、それぞれ異なった案内通路(中央部の直進案内通路、その両側の反転案内通路)が設けられている。そして、ロータリーガイド部材の基準位相からの回転量に基づいて、当該ロータリーガイド部材へ向けて搬送されてきたシートが、いずれの案内通路を通るかが決定される。通過する案内通路に応じて、シートは予め設定された搬出先へ向けて排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−86759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のロータリーガイド部材は、一対の円形側板間に複数枚のガイド板が架設されるという複雑な構造を呈している。このため、部品点数が多くて材料コストが嵩むという問題点を有していた。
【0006】
本発明は、従来のかかる問題点を解消するためになされたものであって、ロータリーガイド部材の正確な回動動作を確保した上で、部品点数の削減を図ることができるシートの搬出先切換装置、およびこれが適用された画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係るシートの搬出方向切換装置は、搬送されるシートを通過させ得る1つの案内通路と、シートの搬送方向と直交する方向に延びる支持軸とを含み、前記支持軸回りに回動して少なくとも2つの搬送先のいずれかに前記案内通路の出口が対向するよう姿勢変更が可能なロータリーガイド部材と、前記ロータリーガイド部材を姿勢変更させる姿勢変更手段と、を備え、前記姿勢変更手段は、前記ロータリーガイド部材を前記支持軸回りに回動させるステッピングモータを有することを特徴とする(請求項1)。
【0008】
この構成によれば、姿勢変更手段として、パルス信号のパルス数に応じて正確に駆動回転するステッピングモータを採用しているので、ロータリーガイド部材による精度のよいシートの搬出先の切換操作を確保できる。その上、ロータリーガイド部材にはシートを通過させる案内通路が1つのみしか備えられていないため、多くの部品を使用して複数の案内通路を設けた複雑な構造の従来のロータリーガイド部材に比べ、部品点数を少なくして部品コストを低減化することが可能になる。
【0009】
上記構成において、前記支持軸と平行な軸回りにフリー回転する案内プーリーをさらに備え、前記案内プーリーの一部が前記案内通路内に突出していることが望ましい(請求項2)。この構成によれば、案内プーリーによって、シートが案内通路内をスムースに通過するようにすることができる。
【0010】
この場合。前記案内プーリーは一対で設けられるものであって、一方と他方の案内プーリーの一部が、その周面を互いに対向させた状態で、前記案内通路内に突出していることが望ましい(請求項3)。
【0011】
この構成によれば、ロータリーガイド部材の案内通路に導入されたシートは、案内通路内での移動時にその画像形成面が案内通路の内壁面と接触することなく、案内プーリーの周面と当接することによる当該案内プーリーの自由回転により移動する。このため、シートの画像形成面が案内通路の内壁面と擦れることはなく、画像形成不良の発生を抑止することができる。
【0012】
上記構成において、前記1つの案内通路は、間隔を置いて対向配置された一対のガイド板によって区画され、この対向配置されたガイド板の一方の端部開口側が前記シートの入口とされると共に、他方の端部開口側が前記シートの出口とされている構成とすることができる(請求項4)。この構成によれば、入口及び出口を備えた案内通路を簡易に形成することができる。
【0013】
この場合、少なくとも一方の前記ガイド板は、前記案内通路が延びる方向に沿った円弧面を有し、該円弧面により前記入口の端部開口が、前記出口の端部開口よりも拡張されていることが望ましい(請求項5)。この構成によれば、前記入口の側におけるシートの受入性を良好にすることができる。
【0014】
上記構成において、前記ステッピングモータの動作を制御する制御装置をさらに備え、前記ロータリーガイド部材は、前記案内通路の入口が所定方向に配向した受入姿勢を取ることが可能とされ、前記制御装置は、前記ロータリーガイド部材の案内通路の出口を2つの搬送先のいずれかに対向させて前記シートをガイドさせるに際し、前記シートが前記案内通路の入口に受け入れられるまで、前記ロータリーガイド部材が前記受入姿勢を取るよう前記ステッピングモータを制御することが望ましい(請求項6)。
【0015】
この構成によれば、前記シートをいずれの搬送先に向かわせるかに拘わらず、共通の受入姿勢でシートが受け入れられるようになる。従って、シートが前記案内通路に進入するときのシートの挙動を安定させることができる。これにより、シートのジャムや、シート端角部の折れ曲がり等の搬送障害を抑止することができる。
【0016】
この場合、前記ロータリーガイド部材は、前記受入姿勢と、前記案内通路の出口が前記少なくとも2つの搬送先のいずれかに対向した姿勢とが実質的に同一であることが望ましい(請求項7)。この構成によれば、ロータリーガイド部材の姿勢変更のための動きを、最小限に抑制することができる。
【0017】
また、前記ロータリーガイド部材の案内通路内に配置され、前記シートの前記案内通路内への進入を検知する第1センサをさらに備え、前記制御装置は、前記第1センサがシートの先端を検知した時に、前記ロータリーガイド部材を前記受入姿勢から、前記案内通路の出口が前記少なくとも2つの搬送先のいずれかに対向した姿勢に変化させることが望ましい(請求項8)。この構成によれば、シートが前記案内通路内に受け入れられた後に、確実にロータリーガイド部材を姿勢変更させることができる。
【0018】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成部と、前記シートを、前記画像形成部を経由して搬送するための主搬送路と、前記主搬送路の下流側に設けられる少なくとも2つの副搬送路と、前記主搬送路と副搬送路との間に設けられ、前記少なくとも2つの副搬送路を搬送先としてシートの搬出方向を切り換える請求項1〜8のいずれかに記載の搬出方向切換装置と、を備えることを特徴とする(請求項9)。
【0019】
この構成によれば、画像形成装置において、主搬送路から少なくとも2つの副搬送路のいずれかへのシートの搬出を、搬出方向切換装置の作用によって容易かつ適正に切り換えることができる。
【0020】
上記構成において、前記シートの第1排出先となる第1排紙トレイ、及び、前記第1排出先とは異なる第2排出先となる第2排紙トレイをさらに備え、前記副搬送路は、前記第1排紙トレイにシートを搬送するための第1副搬送路、及び、前記第2排紙トレイにシートを搬送するための第2副搬送路を含む構成とすることができる(請求項10)。この構成によれば、第1排紙トレイ又は第2排紙トレイへのシートの排出を的確に行わせることができる。
【0021】
この場合、両面印刷を施すために、前記シートを前記主搬送路における前記画像形成部の上流側に逆送するための逆送搬送路と、前記搬出方向切換装置の下流側に配置され、前記シートを前記逆送搬送路に送り込むために前記シートをスイッチバックさせるスイッチバック部と、をさらに備え、前記副搬送路は、前記スイッチバック部にシートを搬送するための第3副搬送路を含む構成とすることができる(請求項11)。この構成によれば、第1排紙トレイ又は第2排紙トレイだけでなく、両面印刷用の逆送搬送路へのシートの搬出を的確に行わせることができる。
【0022】
この構成において、前記画像形成装置が胴内排紙型のものであり、前記第1排紙トレイが胴内排紙トレイであって、前記第1副搬送路にはシートに搬送力を与えるローラ対が備えられ、前記ローラ対は、正転駆動されることで前記胴内排紙トレイに向けてシートを搬送し、反転駆動されることで前記逆送搬送路に向けてシートを搬送するものであることが望ましい(請求項12)。この構成によれば、前記ローラ対及び胴内排紙トレイに、上記スイッチバック部の機能を兼用させることができる。従って、専用のスイッチバック部を設けなくてもよい分、部品点数の削減、ひいては画像形成装置の製造コストの低減化に貢献する。
【0023】
上記構成において、前記ロータリーガイド部材の少なくとも一方のガイド板は、前記案内通路を区画する面を反対側の面に、前記シートをガイドするガイド面を有し、前記制御装置は、前記逆送搬送路に向けてシートが搬送される際に、前記ガイド面が前記シートをガイドするガイド姿勢を前記ロータリーガイド部材が取るよう、前記ステッピングモータを制御することが望ましい(請求項13)。この構成によれば、ロータリーガイド部材の前記案内通路以外の部分を利用して、前記逆送搬送路に向けて搬送されるシートをガイドさせることができる。
【0024】
この場合、前記逆送搬送路内に配置され、前記シートの前記逆送搬送路内への進入を検知する第2センサをさらに備え、前記制御装置は、前記第2センサがシートの先端を検知した時に、前記ロータリーガイド部材を、前記ガイド姿勢から前記受入姿勢に変化させることが望ましい(請求項14)。この構成によれば、先行のシートを前記逆送搬送路内にガイドしている段階で、次のシートをロータリーガイド部材の案内通路に受け入れることが可能となる。従って、画像形成装置の処理速度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、複雑な構造のロータリーガイド部材を用いることなく、確実にシートの搬送先を切り換えることができる搬出方向切換装置、及びこれを用いた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係るシートの搬出方向切換装置が適用された画像形成装置の一実施形態を示す正面断面視の概略図である。
【図2】図1に示す画像形成装置に適用された搬出方向切換装置を拡大して示す説明図である。
【図3】上記搬出方向切換装置を斜め上から見た斜視図である。
【図4】図3に示す搬出方向切換装置を斜め下から見た状態を示す斜視図である。
【図5】図3のV−V線断面図である。
【図6】第1実施形態に係るロータリーガイド部材の用紙ガイド姿勢の説明図であり、(A)は、ロータリーガイド部材が基準姿勢に、(B)は、ロータリーガイド部材が起立姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。
【図7】第1実施形態に係るロータリーガイド部材の用紙ガイド姿勢の説明図であり、(A)は、ロータリーガイド部材が胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢に、(B)は、ロータリーガイド部材が逆送搬送路向け姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。
【図8】第2実施形態に係るロータリーガイド部材の用紙ガイド姿勢の説明図であり、ロータリーガイド部材が用紙の受入姿勢に設定された状態を示す図である。
【図9】胴内排紙トレイに用紙を排出させるときのロータリーガイド部材の姿勢を示す図である。
【図10】外部トレイに用紙を排出させるときのロータリーガイド部材の姿勢を示す図である。
【図11】逆送搬送路に用紙を向かわせるときのロータリーガイド部材の姿勢を示す図である。
【図12】ロータリーガイド部材が、逆送搬送路に向かう用紙をガイドしつつ、受入姿勢を取っている状態を示す図である。
【図13】制御装置によるロータリーガイド部材の動作制御を説明するためのフローチャートである。
【図14】制御装置によるロータリーガイド部材の動作制御を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る搬出方向切換装置20が適用された画像形成装置10を示す正面断面視の説明図、図2は、画像形成装置10の装置本体11内に組み込まれた搬出方向切換装置20周辺の拡大図である。なお、図1および図2においてX−X方向を左右方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方という。
【0028】
本実施形態の画像形成装置10は、いわゆる胴内排紙型と称される複写機であり、装置本体11に画像形成部12と、定着部13と、用紙貯留部14と、排紙部15と、画像読取部16と、操作部17とがそれぞれ設けられている。排紙部15の一部(後述の胴内排紙トレイ151)は、装置本体11内における画像読取部16の下部に形成されている。
【0029】
装置本体11は、外観視で直方体状を呈した下部本体111と、この下部本体111の上方に対向配置された扁平な直方体状を呈する上部本体112と、この上部本体112と下部本体111との間に介設された連結部113とを備えている。連結部113は、下部本体111と上部本体112との間に、胴内排紙トレイ151のための空間を形成させた状態で、両者を互いに連結している。
【0030】
下部本体111には、画像形成部12、定着部13および用紙貯留部14が内装されている。上部本体112には画像読取部16が装着されている。操作部17は、本実施形態においては、上部本体112の前縁部から前方(図1の紙面の表側)に向かって突設されている。
【0031】
操作部17は、画像形成処理に関する処理情報を入力操作するためのものであり、その上面には用紙Pの処理枚数等を入力するためのテンキーやその他の各種の操作キー、さらにはタッチ入力を行うためのLCD(Liquid crystal display)等が設けられている。
【0032】
用紙貯留部14は、下部本体111内における画像形成部12の直下方位置に設けられた挿脱可能な用紙カセット141と、この用紙カセット141のさらに下方位置に設けられた挿脱可能な大量の用紙(シート)Pを貯留することができる大容量デッキ142とを有している。本実施形態においては、用紙カセット141は2段で設けられ、大容量デッキ142は2列で設けられている。画像形成処理が行われるに際しては、用紙カセット141または大容量デッキ142に貯留されている用紙束P1から用紙Pが1枚ずつ繰り出され、画像形成部12へ送り込まれて当該用紙Pに対して画像形成処理(印刷処理)が実行される。
【0033】
排紙部15は、下部本体111と上部本体112との間に形成された胴内排紙トレイ(第1排紙トレイ;スイッチバックトレイ)151と、装置本体11の外部に形成された外部トレイ152(第2排紙トレイ)と、胴内排紙トレイ151の直上位置に設けられた胴内フィニッシャー153とを有している。画像形成部12から搬出された用紙Pは、連結部113内の搬出方向切換部109に設けられた搬出方向切換装置20を介し、胴内排紙トレイ151、外部トレイ152又は胴内フィニッシャー153のいずれかに向けて排出される。胴内フィニッシャー153は、排出された用紙Pに対してパンチング処理やステイプル処理等の後処理を施すものである。
【0034】
胴内排紙トレイ151は、単純に用紙Pの排出用に使用される他、本実施形態においては、用紙Pに対して両面印刷処理を施すに際し、表面側の印刷処理が完了した用紙Pに対して裏面側に印刷処理を施すべく、当該用紙Pを表裏反転させるためのスイッチバックトレイとしても利用される。すなわち、表面側の印刷処理が完了した用紙Pは、この胴内排紙トレイ151に一旦排出された後、今までの最後尾が最先端になった状態でスイッチバック搬送され、画像形成部12へ戻される。その後、画像形成部12で用紙Pの裏面側に印刷処理が施され、胴内排紙トレイ151または外部トレイ152へ排出される。
【0035】
画像読取部16は、上部本体112の上面開口に装着された、原稿を載置するためのコンタクトガラス161と、このコンタクトガラス161に載置された原稿を押さえる開閉自在の原稿押さえカバー162と、この原稿押さえカバー162に装着された原稿自動搬送部163と、コンタクトガラス161に載置された原稿の画像を走査する走査機構164とを備えている。
【0036】
コンタクトガラス161上に載置され、あるいは原稿自動搬送部163によってコンタクトガラス161上へ供給された原稿の画像情報は、走査機構164によって光学的に読み取られ、アナログ電気信号に変換される。このアナログ信号は、デジタル信号に変換されて後述する露光ユニット123へ向けて出力され、画像形成処理に供される。
【0037】
下部本体111の右面における用紙貯留部14の直上位置には、手差しトレイ18が設けられている。手差しトレイ18は、その下部が支軸181回りに回動可能に軸支され、手差しの給紙口を閉止するべく起立した閉止姿勢と、右方へ向かって突出した開放姿勢との間で姿勢変更可能とされている。かかる手差しトレイ18は、開放姿勢に姿勢設定された状態で、用紙Pの手差しに供される。手差しトレイ18から給紙された用紙Pは、用紙縦搬送路101(主搬送路)を介して後述の感光体ドラム121と転写ローラ125との間のニップ部へ向けて送り出される。
【0038】
下部本体111の左面には、開閉可能なメンテナンス用のメンテナンスドアー19が設けられている。外部トレイ152は、このメンテナンスドアー19の上部位置に設けられている。画像形成部12で印刷処理が完了した用紙Pは、この外部トレイ152又は胴内排紙トレイ151のいずれかに選択的に排出される。
【0039】
画像形成部12は、上下方向の略中央部であって左寄りの位置に配置された、感光体ドラム121を備えている。感光体ドラム121は、ドラム心回りに時計方向に向けて回転しながら、その直ぐ右方位置に設けられた帯電ユニット122により周面が一様に帯電処理される。
【0040】
感光体ドラム121の右側位置には、画像読取部16で読み取られた原稿画像の画像情報に基づくレーザービームを感光体ドラム121の周面に照射する露光ユニット123が設けられている。感光体ドラム121の周面には、露光ユニット123からのレーザービームの照射によって、静電潜像が形成される。この静電潜像に向けて感光体ドラム121の下方に設けられた現像ユニット124からトナーが供給され、当該静電潜像に沿ったトナー像が形成される。
【0041】
トナー像が形成された感光体ドラム121に向けて、用紙Pが送り込まれる。用紙Pは、用紙カセット141または大容量デッキ142から、上下方向に延びた用紙縦搬送路101を上昇し、タイミングを取るためのレジストローラ対143を介して送り込まれる。感光体ドラム121へ到達した用紙Pには、左方で当該感光体ドラム121と対向配置された転写ローラ125の作用で、感光体ドラム121の周面のトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙Pは、定着部13へ送り込まれる。
【0042】
用紙Pに対するトナー像の転写処理が完了した感光体ドラム121は、その直上位置に設けられたクリーニング装置126によってその周面が清浄化処理される。清浄化された周面には、次の画像形成処理のための帯電処理が、帯電ユニット122にて施される。
【0043】
定着部13は、内部にハロゲンランプ等の通電発熱体を備えた加熱ローラ131と、左方でこの加熱ローラ131と対向配置された定着ローラ132と、この定着ローラ132および前記加熱ローラ131間に張設された定着ベルト133と、左側でこの定着ベルト133の表面と対向配置された加圧ローラ134とを有している。筐体135は、これらの部品を収容している。画像形成部12から送り込まれた用紙Pは、定着ベルト133と加圧ローラ134との間のニップ部を通過しながら、定着ベルト133を介して加熱ローラ131の熱を受熱し、これによってトナー像の用紙Pに対する定着処理が実行される。
【0044】
定着処理後の用紙Pは、当該用紙Pが片面印刷用のものである場合には、定着部13の上方の搬出方向切換部109に設けられた搬出方向切換装置20を介し、排紙搬送路102(第2副搬送路)を通って外部トレイ152(第2排出トレイ)へ排出されたり、往復搬送路103(第1副搬送路)を通って胴内排紙トレイ151(第1排出トレイ)へ排出されたり、さらには両面印刷のために往復搬送路103を通ってスイッチバックトレイを兼用する胴内排紙トレイ151へ一時的に排出されたりする。
【0045】
両面印刷の場合、片面印刷処理済みの用紙Pが、往復搬送路103を介してその前半分が胴内排紙トレイ151に排紙され、メンテナンスドアー19内に設けられた上下方向に延びる逆送搬送路104を介して逆送される。その後、当該用紙Pは、表裏が反転した状態で再度画像形成部12に供給され、その裏面側に印刷処理が施される。両面印刷が完了した用紙Pは、胴内排紙トレイ151または外部トレイ152へ排出される。
【0046】
メンテナンスドアー19には、逆送搬送路104の直ぐ右側に、右面が画像形成部12の左面に対向されるカバー部材191が設けられている。メンテナンスドアー19が閉止姿勢に姿勢設定された状態で、カバー部材191の右面と画像形成部12の左面との間には、画像形成部12を経由して用紙Pを搬送するための用紙縦搬送路101の一部が形成されている。
【0047】
このようなカバー部材191を備えたメンテナンスドアー19が設けることで、画像形成部12の左面に対応した用紙縦搬送路101で紙詰りが生じたときに、メンテナンスドアー19を開放姿勢に姿勢変更させて詰まった用紙Pを外部に露出させることができる。これによって、ユーザーは詰まった用紙Pを容易に取り除くことができる。
【0048】
搬出方向切換部109は、図2に示すように、定着部13の筐体135の直上位置であって胴内排紙トレイ151の左側壁151aの左方の空間に設定されている。搬出方向切換装置20は、このような搬出方向切換部109に姿勢変更可能に装着されている。搬出方向切換部109の右上方には第1円弧ガイド板108aが、左上方には第2円弧ガイド板108bが各々設けられている。第1円弧ガイド板108aは、胴内排紙トレイ151の左側壁151aの上縁部を越えて胴内排紙トレイ151内へと延設された、下方に湾曲した部材である。第2円弧ガイド板108bは、用紙Pを定着部13の左側を通って下方の逆送搬送路104へ向かわせるように、下方に湾曲した部材である。
【0049】
第1円弧ガイド板108aの左端部と第2円弧ガイド板108bの右端部との間には、定着部13から上方へ向けて排出された用紙Pの通過を許容する隙間が形成されている。この隙間の上部には、排紙搬送路102に繋がる上端搬送路101aが形成されている。
【0050】
上端搬送路101aの直上位置には、略二等辺三角形状を呈した切換ガイド部材107が設けられている。切換ガイド部材107は、上端搬送路101aから送り出された用紙Pの排出先を胴内フィニッシャー153と外部トレイ152との間で切り換えるものであり、二等辺三角形の頂点に当たる部分が下方に向くように姿勢設定されている。
【0051】
かかる切換ガイド部材107は、その略重心位置を軸支したガイド軸107a回りに時計方向へ向けて回動することにより、用紙Pを右面に沿わせて胴内フィニッシャー153へ案内するフィニッシャー向け姿勢と、ガイド軸107a回りに反時計方向へ回動することにより、用紙Pを左面に沿わせて外部トレイ152は案内する外部トレイ向け姿勢との間で姿勢変更可能とされている。
【0052】
以上の説明の通り、画像形成部12での画像形成処理が完了し、定着部13において定着処理が施された用紙Pは、一旦搬出方向切換部109へ導出された後に、目的に応じて各所へ排出される。本実施形態においては、この搬出方向切換部109に、各所への用紙Pに振り分けのために、搬送される用紙Pを通過させ得る1つの案内通路を備えたロータリーガイド部材30を含む搬出方向切換装置20が設けられている。
【0053】
搬出方向切換装置20の周りには、複数の用紙搬送ローラが設けられ、これらの搬送ローラの搬送力により当該搬出方向切換装置20に対する用紙Pの入出が円滑に行われる。かかる搬送ローラとしては、定着部13の出口位置であって、搬出方向切換装置20の直上流位置に設けられた定着部出口ローラ106aと、第1円弧ガイド板108a下方位置(すなわち往復搬送路103上)であって胴内排紙トレイ151の直前に設けられ、用紙Pの胴内排紙トレイ151への排出に荷担する第1排出ローラ106b(ローラ対)と、第2円弧ガイド板108bの下方位置に設けられて用紙Pの逆送搬送路104へ向かう搬送に荷担する逆送搬送路向け搬送ローラ106cと、上端搬送路101aの下流端で前記切換ガイド部材107の直下位置に設けられて切換ガイド部材107へ向かう用紙Pに搬送に荷担する切換ガイド部材向け搬送ローラ106dと、外部トレイ152の上流端に設けられた第2排出ローラ106eと、胴内フィニッシャー153の入口側に設けられた第3排出ローラ106fとを含む。
【0054】
また、搬出方向切換装置20を介した用紙Pの搬送状態を検出するべく、搬出方向切換装置20の周りには、各種の用紙センサが設けられている。かかる用紙センサとしては、ガイド内センサ105a(第1センサ)、第1排出センサ105b、逆送センサ105c(第2センサ)、第2排出センサ105d及び第3排出センサ105eを含む。
【0055】
ガイド内センサ105aは、定着部13の下流端(定着部13の筐体の上部)を回動支点として揺動する遮光片を備えた光学式のセンサである。他の用紙センサも、同様な光学式センサである。前記遮光片の先端はロータリーガイド部材30の案内通路320(図5)に入り込んでおり、これによりガイド内センサ105aは、用紙Pの搬送方向先端が案内通路320内へ進入したことを検知する。
【0056】
第1排出センサ105bは、胴内排紙トレイ151の入口部分に設けられ、用紙Pの胴内排紙トレイ151への排出を検出する。逆送センサ105cは、逆送搬送路104の上流端位置に設けられ、用紙Pの搬送方向先端が逆送搬送路104へ進入したことを検知する。第2排出センサ105dは、第2排出ローラ106eの近傍に設けられ、用紙Pが外部トレイ152に向けて排出されつつあることを検知する。第3排出センサ105eは、胴内フィニッシャー153の入口側における第3排出ローラ106fの近傍に設けられ、用紙Pが胴内フィニッシャー153へ搬送されたことを検知する。
【0057】
これらのセンサによる用紙Pの検出と、この検出結果に基づく搬出方向切換装置20および切換ガイド部材107の予め設定された動作とによって、定着部13から送り出された用紙Pは、所定の位置へ向けて搬出されることになる。
【0058】
以下、図3〜図5に基づき搬出方向切換装置20について説明する。図3および図4は、搬出方向切換装置20の斜視図であり、図3は、斜め上から見た状態、図4は、斜め下から見た状態をそれぞれ示している。図5は、図3に示す搬出方向切換装置20のV−V線断面図であり、二点差線でロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定された状態、実線でロータリーガイド部材30が起立姿勢S2に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。なお、図3〜図5において、X方向を左右方向、Y方向を前後方向といい、特に−Xを左方、+Xを右方、−Yを前方、+Yを後方という。
【0059】
搬出方向切換装置20は、ロータリーガイド部材30、案内プーリー40、姿勢変更手段50及び基準位相検出手段60を備える。ロータリーガイド部材30は、定着部13(図2)から定着部出口ローラ106a介して送り出された用紙Pを受け、予め設定された所定の位置(少なくとも2つの搬送先のいずれか)に向けて当該用紙Pの排出を案内する。案内プーリー40は、ロータリーガイド部材30に付設され、用紙Pに形成されたトナー画像に悪影響を与えないように用紙Pを案内する。姿勢変更手段50は、ロータリーガイド部材30を所定のガイド軸34(支持軸)回りに正逆回転させることによって、当該ロータリーガイド部材30の姿勢を変更させる。基準位相検出手段60は、姿勢変更手段50によって姿勢変更されるロータリーガイド部材30の基準位相を検出する。
【0060】
ロータリーガイド部材30は、前後方向一対の側板31と、各側板31間に架設された左右方向一対の円弧ガイド板32と、前後方向に並設された状態で左側の円弧ガイド板32に固定された複数枚のガイドフィン33と、前後の側板31の略重心位置から同心で互いに反対方向に向けて突設された前後一対のガイド軸34と、一対の側板31の上縁部間に架設されたカバー体35とを備えている。
【0061】
各側板31は、正面視での基本形状が略正方形に設定された上で、正方形状の各所が切り欠かれることによって形成されている。具体的には、正方形状の左上角部を外に向かって凸の円弧状になるように切り欠かれるとともに、右上角部および左下角部が鈎形に切り欠かれている。これら一対の側板31間に左右の円弧ガイド板32が架設されることにより、円弧ガイド板32が構造材の役割を果たし、ロータリーガイド部材30が構造的に強固に形成されている。
【0062】
一対の円弧ガイド板32は、間隔を置いて対向配置され、定着部13から送り込まれる用紙Pを案内する1つの案内通路320を区画するもので、この案内通路320が延びる方向に沿った円弧面を各々有している。このような円弧面を有する結果、一対の円弧ガイド板32間の間隔は、正面視で下縁部間が拡張され、上方に向かうに従い漸減するものとなっている。
【0063】
対向配置された円弧ガイド板32の下端部開口側が、定着部13から導出された用紙Pを受け入れるための受入開口321(シートの入口)とされ、上端部開口側が、用紙Pを排出する排出開口322(シートの出口)とされている。定着部13から導出された用紙Pは、ガイド内センサ105aを介して受入開口321から案内通路320に導入され、排出開口322およびカバー体35に設けられた後述の排出口(案内通路の出口)351を通って上方に向けて排出される。排出された用紙Pがその後どこへ向かわされるかについては、ロータリーガイド部材30の姿勢に応じて予め決められているが、これについては後に詳述する。
【0064】
ガイドフィン33は、ロータリーガイド部材30が後述する逆送搬送路向け姿勢S4(図7(B)参照)に姿勢設定された状態で、一時貯留されていた胴内排紙トレイ151から逆送搬送路104へ向かう両面印刷用の用紙Pを受けて案内する。ガイドフィン33は、上縁面(ガイド面)が側板31の上縁面と同様に凸の円弧状に形成されている。従って、逆送搬送路向け姿勢S4の状態では、ガイドフィン33の上縁面と下方に湾曲した円弧状の第2円弧ガイド板108bとで、逆送搬送路104の上流端の部分を形成する。なお、本実施形態においては、8枚のガイドフィン33が採用されている例を示しているが、その枚数は任意である。
【0065】
一対のガイド軸34は、装置本体11の図略のフレームに支持され、姿勢変更手段50に駆動されることによって、その軸心回りにロータリーガイド部材30と一体で回動する。
【0066】
カバー体35は、板金を折り曲げて形成されており、ロータリーガイド部材30を補強して外力による変形を防止し、粉塵等の異物のロータリーガイド部材30内への進入を防止するためのものである。図3に示すように、カバー体35は、ロータリーガイド部材30の上部を覆い、一対の側板31の図3における上縁部間に架設されている。カバー体35の頂部には、一対の円弧ガイド板32の排出開口322に対向した位置に、用紙Pを排出するための前後方向へ延びた排出口351が設けられている。
【0067】
案内プーリー40は、左右一対の円弧ガイド板32を挟んで前後に複数対で設けられている。図3および図4に示す例では、4対の案内プーリー40が設けられている例を示したが、状況に応じて4対未満であってもよいし、4対を超える案内プーリー40を配置するようにしてもよい。
【0068】
一対の案内プーリー40は、左右一対のプーリー軸41回りに回転自在に軸支されている。一対のプーリー軸41は、左右一対の円弧ガイド板32の左右の外側の各位置において、各ガイドフィン33を貫通した状態(左方のプーリー軸41のみ)で、一対の側板31間に架設されている。
【0069】
一方、左右の円弧ガイド板32には、各案内プーリー40に対応した位置に、図4に示すような貫通窓323がそれぞれ設けられている。各案内プーリー40は、それぞれの一部がこれらの貫通窓323を通して、一対の円弧ガイド板32間の案内通路320内に入り込んでいる。これによって各対の案内プーリー40の周面同士が、案内通路320内に部分的に突出して互いに対向した状態になっている。
【0070】
従って、定着部13から導出された用紙Pは、受入開口321を通って案内通路320内に導入されると、用紙Pの両面がこれら一対の円弧ガイド板32に当接することなく、左右の案内プーリー40の周面間を通過することになる。このとき、たとえ用紙Pの画像形成面が案内プーリー40の周面に接触しても、この接触によって案内プーリー40がプーリー軸41回りに回転するため、用紙Pの原稿形成面が円弧ガイド板32の内面と摺接することはない。従って、用紙Pの画像が擦れて乱れる不都合の発生を防止できる。
【0071】
姿勢変更手段50は、ロータリーガイド部材30の姿勢を設定するための機構であり、ステッピングモータ51と、このステッピングモータ51の駆動軸511に同心で一体回転可能に外嵌された駆動ギヤ52と、後方のガイド軸34に一体回動可能に固定され、かつ、駆動ギヤ52に噛合するセクトギヤ53と、ステッピングモータ51の動作を制御する制御装置54(図3にのみ記載)とを含む。
【0072】
ステッピングモータ51は、ガイド軸34を回転駆動することで、ロータリーガイド部材30をガイド軸34回りに回動させる。ステッピングモータ51は、制御装置54からパルス信号を与えられ、そのパルス数に応じて回転角度が設定される。制御装置54は、用紙の排出先に応じて予め設定されたロータリーガイド部材30の回動量に対応したパルス信号を、ステッピングモータ51に供給する。これにより、ステッピングモータ51の回転角度、すなわちロータリーガイド部材30の姿勢が極めて精密に制御される。ステッピングモータ51の使用により、例えばソレノイドへの電力供給のオン・オフによって所定の案内部材に姿勢変更させものに比べて、極めて精度よくロータリーガイド部材30の姿勢を変更させることができ、また異音の発生も抑止できる。
【0073】
ステッピングモータ51は、その駆動軸511が前方に向くように横置きでロータリーガイド部材30の後方上部に据え付けられている。ステッピングモータ51の駆動力は、駆動ギヤ52およびセクトギヤ53を介してロータリーガイド部材30に伝達される。従って、ステッピングモータ51が正逆駆動されることにより、ロータリーガイド部材30は、ガイド軸34回りに正逆回動して姿勢変更されることになる。
【0074】
基準位相検出手段60は、遮光片61と光センサ62とを含む。遮光片61は、セクトギヤ53から径方向の外方に向けて突設されている。光センサ62は、ロータリーガイド部材30がホームポジションである基準姿勢S1(図6(A))に姿勢設定された状態で、遮光片61と対向するように当該遮光片61のガイド軸34回りの回動軌跡上に配設されている。
【0075】
光センサ62は、一対の素子支持アーム622を備えた二股状の支持ケース621に、それぞれ発光素子623と受光素子624とが対向配置されることによって構成されている。支持ケース621は、各素子支持アーム622が遮光片61の回動軌跡を挟み込み、かつ、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に設定された状態で、遮光片61が一対の素子支持アーム622間に位置するように設置位置が設定されている。発光素子623は、一方の素子支持アーム622に設けられているとともに、受光素子624は、他方の素子支持アーム622に設けられて発光素子623と対向配置されている。
【0076】
従って、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定されていないときには、発光素子623から照射された光が受光素子624によって受光される。これにより、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定されていないことが検出される。一方、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定されているときには、遮光片61が一対の素子支持アーム622間に位置し、発光素子623からの光が遮光片61によって遮光された状態になる。このため、受光素子624は受光することができず、これによってロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定されていることが検出される。
【0077】
以下、図6および図7を基にロータリーガイド部材30の用紙ガイド姿勢について説明する。図6および図7は、ロータリーガイド部材30の用紙ガイド姿勢を説明するためのロータリーガイド部材30の正面断面視の説明図であり、図6(A)は、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定された状態、図6(B)は、ロータリーガイド部材30が起立姿勢S2に姿勢設定された状態、図7(A)は、ロータリーガイド部材30が胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3に姿勢設定された状態、図7(B)は、ロータリーガイド部材30が逆送搬送路向け姿勢S4に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。なお、図6および図7におけるXによる方向表示は、図1の場合と同様(−X:左方、+X:右方)である。
【0078】
図6(A)に示すように、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定されたときには、当該ロータリーガイド部材30は、案内通路320が垂直位置からガイド軸34回りに略30°程度反時計方向に向けて回動し、これによって左方へ向けて傾倒した状態になっている。この状態では、セクトギヤ53に固定された遮光片61が光センサ62の一対の素子支持アーム622間に位置し、発光素子623(図3)からの光が遮光されて受光素子624へ入光されなくなっている。これによって、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1に姿勢設定されていることが検出される。
【0079】
第1実施形態においては、ロータリーガイド部材30は、ジョブの開始に当たってイニシャルの姿勢として予め基準姿勢S1に設定されている。そして、ユーザーが操作部17を介して設定するジョブの種類に応じて、ロータリーガイド部材30が制御装置54によって姿勢変更されることになる。
【0080】
具体的には、ユーザーが用紙Pを外部トレイ152または胴内フィニッシャー153へ向けて排出させるように設定した場合には、制御装置54からの制御信号がステッピングモータ51へ向けて出力される。この制御信号は、ロータリーガイド部材30を基準姿勢S1から起立姿勢S2へ回動させるのに必要なパルス数を含む制御信号である。
【0081】
従って、ステッピングモータ51は、このパルス数に応じた角度だけ駆動回転する。この駆動回転は、駆動軸511、駆動ギヤ52およびセクトギヤ53を介してロータリーガイド部材30へ伝達される。これによってロータリーガイド部材30は、ガイド軸34回りに時計方向に向けて所定角度回動し、図6(B)に示すように、基準姿勢S1から起立姿勢S2へと姿勢変更する。
【0082】
従って、定着部13から導出された用紙Pは、ガイド内センサ105aを介して受入開口321からロータリーガイド部材30の案内通路320内へ導入され、一対の案内プーリー40間を通り、排出口351から上方の上端搬送路101aへ向けて排出される。その後、用紙Pは、切換ガイド部材107の作用により、外部トレイ152へ直接排出されたり、一旦胴内フィニッシャー153へ排出されてステイプル処理等の後処理が施された後、用紙束として外部トレイ152へ排出されたりする。当該ジョブが終了すると、ロータリーガイド部材30は、元の基準姿勢S1へ戻される。
【0083】
ついで、ユーザーが用紙Pを胴内排紙トレイ151へ向けて排出させるように操作部17から操作信号を入力した場合には、制御装置54は、ロータリーガイド部材30が基準姿勢S1から胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3へ姿勢変更するのに必要なパルス数の制御信号をステッピングモータ51へ向けて出力する。
【0084】
従って、ステッピングモータ51は、このパルス数に応じた角度だけ駆動回転される。これによってロータリーガイド部材30は、基準姿勢S1から傾斜姿勢S3に至るまでガイド軸34回りに時計方向に向けて所定角度回動し、図7(A)に示すように、胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3へと姿勢変更される。
【0085】
ロータリーガイド部材30が傾斜姿勢S3に姿勢設定された状態では、定着部13から導出された用紙Pは、ロータリーガイド部材30の案内通路320を通り、排出口351を抜け出たのち、第1円弧ガイド板108aに案内されつつ胴内排紙トレイ151へ排出されることになる。
【0086】
さらに、ユーザーが操作部17の操作で両面印刷を選択した場合には、胴内排紙トレイ151がスイッチバックトレイとしての役割を果たす。具体的には、ロータリーガイド部材30が一旦図7(A)に示す胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3に姿勢設定され、片面印刷の完了している用紙Pが胴内排紙トレイ151へ一時的に排出される。
【0087】
そして、第1排出センサ105bが用紙Pの胴内排紙トレイ151への排出を検出した後、ロータリーガイド部材30は、胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3から図7(B)に示す逆送搬送路向け姿勢S4へ姿勢変更される。この姿勢変更が行われた後も、用紙Pは、その下流端がロータリーガイド部材30の案内通路320から抜け出るまで、第1排出ローラ106bの正転駆動で胴内排紙トレイ151へ向けて排出される。用紙Pの下流端が案内通路320から抜け出た後であって第1排出ローラ106bに到達する前に、当該第1排出ローラ106bが反転駆動される。
【0088】
かかる第1排出ローラ106bの反転駆動によって、胴内排紙トレイ151へ排出されてしまう直前の用紙Pは逆送され、ロータリーガイド部材30のガイドフィン33と第2円弧ガイド板108bとの間の形成される搬送路、及び逆送搬送路104を通って画像形成部12へ戻される。その後、用紙Pは裏面側の印刷処理に供される。
【0089】
このように定着部13から導出された用紙Pをスイッチバックさせるに際しては、基準姿勢S1から胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3へ姿勢変更されたロータリーガイド部材30は、基準姿勢S1へ戻されることなく一連の動作として胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢S3から逆送搬送路向け姿勢S4へ直接姿勢変更される。
【0090】
以上詳述したように、第1実施形態に係る搬出方向切換装置20は、用紙Pを通過させ得る1つの案内通路320を備え、ガイド軸34回りに回動して少なくとも2つの搬送先(本実施形態においては、胴内排紙トレイ151又は外部トレイ152)のいずれかに案内通路320の排出口351を対向させるべく姿勢変更が可能なロータリーガイド部材30と、このロータリーガイド部材30を姿勢変更させる姿勢変更手段50とを含む。姿勢変更手段50は、ロータリーガイド部材30をガイド軸34回りに正逆回動させるステッピングモータ51を有している。
【0091】
この搬出方向切換装置20によれば、姿勢変更手段50にパルス信号のパルス数に応じて正確に駆動回転するステッピングモータ51が採用されているため、ロータリーガイド部材30による精度のよい用紙Pの搬出先の切換操作を確保することができる。また、ロータリーガイド部材30には、1つの案内通路320のみしか備えられていない。このため、従来のように複数の案内通路を設けたものに比べて多くの部品を採用する必要がなくなり、その分部品点数を少なくすることが可能であり、搬出方向切換装置20の製造コストの低減化に貢献することができる。
【0092】
また、案内通路320内には、案内プーリー40が設けられている。このため、案内通路320に導入された用紙Pは、案内通路320内での移動時にその画像形成面が案内通路320の内壁面(すなわち、一対の円弧ガイド板32の対向面)と接触することなく、案内プーリー40の周面と当接することによる当該案内プーリー40の自由回転により移動する。このため、用紙Pの画像が形成されている有効面が案内通路320の内壁面と擦れて画像が乱れる不都合の発生を抑止できる。
【0093】
また、両面印刷を施すために用紙Pの搬送方向を逆転させるべく一時的に排出させるスイッチバックトレイとして胴内排紙トレイ151が兼用されている。このため、専用のスイッチバックトレイを設ける場合に比べ、装置コストの低減化に貢献することができる。
【0094】
[第2実施形態]
第2実施形態では、用紙Pがロータリーガイド部材30の案内通路320に進入するときにおける、用紙Pの挙動を安定化させるための制御形態について例示する。この第2実施形態に適用される画像形成装置10の装置構成は、先に図1〜図5に基づき説明したものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0095】
図8〜図12は、第2実施形態におけるロータリーガイド部材30の用紙ガイド姿勢の説明図である。第2実施形態では、制御装置54(図3参照)は、用紙Pの搬送先に拘わらず、用紙Pが案内通路320の入口(受入開口321;図5参照)に進入する時に、ロータリーガイド部材30が用紙の受入姿勢を取るように、ステッピングモータ51を制御する。ここに、受入姿勢とは、定着部13から導出される用紙Pの先端が受入開口321の左右方向中心付近から進入し、最も用紙Pが案内通路320に障害なく進入し易い姿勢である。
【0096】
図8は、ロータリーガイド部材30が受入姿勢に設定され、用紙Pがロータリーガイド部材30に進入する直前の状態を示す図である。制御装置54は、用紙Pの搬送先が胴内排紙トレイ151であっても、或いは、外部トレイ152若しくは胴内フィニッシャー153であっても、用紙Pがロータリーガイド部材30に受け入れられるとき、一旦ロータリーガイド部材30を受入姿勢にさせる。この受入姿勢では、用紙Pの搬送軌道に受入開口321が正対しており、仮に用紙Pの先端がカールしていても、用紙Pは確実に受入開口321から案内通路320内へ進入できる。従って、用紙Pの挙動が安定し、用紙Pの搬送ジャムや、用紙先端角部の折れ曲がり等の搬送障害を抑止することができる。
【0097】
図9は、胴内排紙トレイ151に用紙Pを排出させるときのロータリーガイド部材30の姿勢を示す図である。この状態は、上記の受入姿勢よりもロータリーガイド部材30が僅かに時計方向に回動されている。制御装置54は、用紙Pの排出先として胴内排紙トレイ151が選択され、用紙Pが案内通路320内へ進入したことをガイド内センサ105a(第1センサ)が検知すると、このようなロータリーガイド部材30の回動をステッピングモータ51に行わせる。
【0098】
これにより、案内通路320の出口(排出開口322;図5参照)が、当該排出開口322から用紙Pの先端が排出される前に、より往復搬送路103に正対した状態となる。このため、ロータリーガイド部材30から排出される用紙Pの、往復搬送路103(第1円弧ガイド板108a)に対する進入角を小さくすることができる。従って、用紙Pの搬送障害を確実に抑止できるようになる。
【0099】
なお、受入姿勢と、胴内排紙トレイ151への排出姿勢とを共通化しても良い。すなわち、図8に受入姿勢を、胴内排紙トレイ151への排出姿勢としてもよい。この場合、用紙Pの排出先として胴内排紙トレイ151が選択されたときは、ロータリーガイド部材30は不動である。この実施形態であれば、ロータリーガイド部材30を回動させる動作を減らすことができる。
【0100】
図10は、外部排紙トレイ152(或いは胴内フィニッシャー153)に用紙を排出させるときのロータリーガイド部材30の姿勢を示す図である。制御装置54は、用紙Pの排出先として外部排紙トレイ152が選択され、用紙Pが案内通路320内へ進入したことをガイド内センサ105aが検知すると、図8の受入姿勢から図10に示す直立姿勢にロータリーガイド部材30を姿勢変更させる。これにより、排出開口322から用紙Pの先端が排出される前に、排紙搬送路102に繋がる上端搬送路101aに排出開口322は対向する。従って、用紙Pは上端搬送路101a内へスムースに案内される。
【0101】
図11は、逆送搬送路104に用紙Pを向かわせるときのロータリーガイド部材30の姿勢を示す図である。この姿勢は、先に図7(B)で説明した姿勢S4と同じである。ロータリーガイド部材30は、図9に示す姿勢よりもさらに時計方向に傾倒され、そのガイドフィン33が、逆送搬送路104に向かう用紙Pをガイドする姿勢を取っている。しかし、この姿勢を取るのは、用紙Pの先端を逆送センサ105c(第2センサ)が検出するまでの間である。検出後、ロータリーガイド部材30は受入姿勢とされる。
【0102】
図12は、ロータリーガイド部材30が、逆送搬送路104に向かう用紙Pをガイドしつつ、受入姿勢を取っている状態を示す図である。制御装置54は、両面印刷が選択され、用紙Pの先端が逆送搬送路104内へ進入したことを逆送センサ105cが検知すると、図11のガイド姿勢から図12に示す受入姿勢にロータリーガイド部材30を姿勢変更させる。これは、図8に示した受入姿勢と同じ姿勢である。この受入姿勢であっても、ガイドフィン33の一部は、用紙Pをガイドする。
【0103】
このように、先行の用紙Pを逆送搬送路104内にガイドしている段階で、ロータリーガイド部材30を受入姿勢に姿勢変更させることで、次の用紙Pをロータリーガイド部材30の案内通路320に受け入れることが可能となる。従って、画像形成装置10の両面処理の速度を向上させることができる。
【0104】
図13は、第2実施形態における制御装置54によるロータリーガイド部材30の動作制御を説明するためのフローチャートである。制御装置54は、画像形成装置10の電源が投入されると、ロータリーガイド部材30が初期状態において図8に示したような受入姿勢にあるか否かを確認する(ステップS1)。もし、受入姿勢でないならば(ステップS1でNO)、ロータリーガイド部材30が受入姿勢となるよう、ステッピングモータ51を介してロータリーガイド部材30を回動させる(ステップS2)。受入姿勢であるならば(ステップS1でYES)、ステップS2はスキップする。
【0105】
次に制御装置54は、用紙Pの搬送情報が与えられているか否か、つまり画像形成部12で画像形成動作が実行されているか否かを確認する(ステップS3)。もし搬送情報が存在しないなら(ステップS3でNO)、そのまま待機する。搬送情報が存在しているならば(ステップS3でYES)、ガイド内センサ105aが用紙Pの先端を検出したか否かを確認する(ステップS4)。
【0106】
ガイド内センサ105aが用紙Pの先端を検出すると(ステップS4でYES)、制御装置54は、用紙Pの搬送先が外部トレイ152であるか否かを確認する(ステップS5)。なお、ここでは胴内フィニッシャー153への搬送のケースを省いている。用紙Pの搬送先が外部トレイ152である場合(ステップS5でYES)、制御装置54は、ロータリーガイド部材30を図10に示す直立姿勢に姿勢変更させる(ステップS6)。すなわち、制御装置54は、受入姿勢にあるロータリーガイド部材30を直立姿勢に回動させるために必要な駆動パルスを、ステッピングモータ51に与える。
【0107】
その後、制御装置54は、用紙Pが外部トレイ152に排出されたか否かを確認する(ステップS7)。この確認は、例えば第2排出センサ105dが、用紙Pの搬送方向後端を検知したか否かに依ることができる。外部トレイ152に用紙Pが排出されたなら(ステップS7でYES)、制御装置54は、ロータリーガイド部材30を受入姿勢に姿勢変更させる(ステップS11)。これで1枚の用紙Pについての処理を終えるが、後発の用紙が存在する場合は、ステップS4に戻って処理を繰り返す。
【0108】
用紙Pの搬送先が外部トレイ152ではない場合(ステップS5でNO)、制御装置54は、ロータリーガイド部材30を受入姿勢から僅かに時計方向に回転させ、図9に示す胴内排紙トレイ151への排出姿勢とさせる(ステップS8)。続いて、制御装置54は、両面印刷の指示が与えられているか否かを確認する(ステップS9)。
【0109】
両面印刷ではない場合(ステップS9でNO)、胴内排紙トレイ151への用紙Pの排出が完了されたか否かを確認する(ステップS10)。この確認は、例えば第1排出センサ105bが、用紙Pの搬送方向後端を検知したか否かに依ることができる。胴内排紙トレイ151に用紙Pが排出されたなら(ステップS10でYES)、制御装置54は、ロータリーガイド部材30を受入姿勢に姿勢変更させる(ステップS11)。
【0110】
両面印刷の指示が与えられている場合(ステップS9でYES)、図14のフローチャートに移行する。制御装置54は、胴内排紙トレイ151を利用した用紙Pのスイッチバックが開始されたか否かを確認する(ステップS21)。この確認は、第1排出ローラ106bを駆動する図略のモータに、スイッチバックのための反転駆動信号が与えられたか否かに基づくことができる。
【0111】
スイッチバックが開始された場合(ステップS21でYES)、制御装置54は、ロータリーガイド部材30をさらに時計方向に回動させ、図11に示すように、ガイドフィン33が逆送搬送路104に向かう用紙Pをガイドするガイド姿勢に姿勢変更させる(ステップS22)。続いて、逆送センサ105cが、逆送搬送路104内へ進入した用紙Pの先端を検知したか否かを確認する(ステップS23)。逆送センサ105cが検知信号を出力したならば(ステップS23でYES)、制御装置54は図12に示すように、ロータリーガイド部材30を反時計方向に回動させて受入姿勢とし、次の用紙Pの受入に備える(ステップS11)。
【0112】
以上説明した第2実施形態によれば、用紙Pの搬送先に拘らず、ロータリーガイド部材30が一旦用紙の受入姿勢を取るので、案内通路320への進入時における用紙Pの挙動を安定させることができる。従って、用紙Pの搬送ジャムや、用紙先端角部の折れ曲がり等の搬送障害を抑止することができる。また、用紙Pがロータリーガイド部材30内に進入した後、案内通路320の出口が胴内排紙トレイ151又は外部トレイに向かう搬送路に対向するよう回動されるので、用紙Pの搬送障害を防止することができる。さらに、両面印刷時においては、逆送搬送路104内へ用紙Pの先端が進入すると直ちにロータリーガイド部材30が受入姿勢とされるので、両面印刷の処理効率を向上させることができる。
【0113】
[他の実施形態]
本発明は、上記の第1、第2実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0114】
(1)上記の実施形態おいては、搬出方向切換装置20が画像形成装置10に適用されている例を示した。シートの搬出方向切換装置20は、画像形成装置10以外のシートを取り扱う各種の装置に適用できる。また、画像形成装置10の下流側に連設され、排出されたシートにステイプル処理等の後処理を施す後処理装置などにも好適に適用することができる。
【0115】
(2)上記の実施形態においては、画像形成装置10として複写機を例示した。画像形成装置10は、プリンタであってもよいし、ファクシミリ装置であってもよい。
【0116】
(3)上記の実施形態においては、シートとして用紙Pを例示した。シートは、通常の用紙Pだけでなく、腰の強い厚手紙やオーバーヘッドプロジェクター用に使用される合成樹脂製の透明なフィルム等であってもよい。
【0117】
(4)上記の実施形態においては、用紙Pに両面印刷を施すとき、片面に印刷処理が施された用紙Pを一旦胴内排紙トレイ151へ向かわせ、ここで用紙Pを逆送させるスイッチバック搬送を例示した。これに代えて、用紙Pを一旦胴内フィニッシャー153へ向かわせるようにしてもよい。さらに、胴内排紙トレイ151や胴内フィニッシャー153をスイッチバックトレイとして兼用させる代わりに、スイッチバック専用の一時排出空間を設けてもよい。
【符号の説明】
【0118】
10 画像形成装置 101 用紙縦搬送路
101a 上端搬送路 102 排紙搬送路
103 往復搬送路 104 逆送搬送路
105a ガイド内センサ 105b 第1排出センサ
105c 逆送センサ 105d 第2排出センサ
105e 第3排出センサ 106a 定着部出口ローラ
106b 第1排出ローラ 106c 逆送搬送路向け搬送ローラ
106d 切換ガイド部材向け搬送ローラ
106e 第2排出ローラ 106f 第3排出ローラ
107 切換ガイド部材 107a ガイド軸
108a 第1円弧ガイド板 108b 第2円弧ガイド板
109 搬出方向切換部 11 装置本体
111 下部本体 112 上部本体
113 連結部
12 画像形成部 121 感光体ドラム
122 帯電ユニット 123 露光ユニット
124 現像ユニット 125 転写ローラ
126 クリーニング装置 13 定着部
131 加熱ローラ 132 定着ローラ
133 定着ベルト 134 加圧ローラ
135 筐体 14 用紙貯留部
141 用紙カセット 142 大容量デッキ
143 レジストローラ対 15 排紙部
151 胴内排紙トレイ(第2排紙トレイ;スイッチバックトレイ)
151a 左側壁 152 外部トレイ(第2排紙トレイ)
153 胴内フィニッシャー 16 画像読取部
161 コンタクトガラス 162 原稿押さえカバー
163 原稿自動搬送部 164 走査機構
17 操作部 18 手差しトレイ
181 支軸 19 メンテナンスドアー
191 カバー部材 20 搬出方向切換装置
30 ロータリーガイド部材 31 側板
32 円弧ガイド板 320 案内通路
321 受入開口 322 排出開口
323 貫通窓 33 ガイドフィン
34 ガイド軸 35 カバー体
351 排出口 40 案内プーリー
41 プーリー軸 50 姿勢変更手段
51 ステッピングモータ 511 駆動軸
52 駆動ギヤ 53 セクトギヤ
60 基準位相検出手段 61 遮光片
62 光センサ 621 支持ケース
622 素子支持アーム 623 発光素子
624 受光素子 P 用紙(シート)
P1 用紙束 S1 基準姿勢
S2 起立姿勢 S3 胴内排紙トレイ向け傾斜姿勢
S4 逆送搬送路向け姿勢

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されるシートを通過させ得る1つの案内通路と、シートの搬送方向と直交する方向に延びる支持軸とを含み、前記支持軸回りに回動して少なくとも2つの搬送先のいずれかに前記案内通路の出口が対向するよう姿勢変更が可能なロータリーガイド部材と、
前記ロータリーガイド部材を姿勢変更させる姿勢変更手段と、を備え、
前記姿勢変更手段は、前記ロータリーガイド部材を前記支持軸回りに回動させるステッピングモータを有することを特徴とするシートの搬出方向切換装置。
【請求項2】
前記支持軸と平行な軸回りにフリー回転する案内プーリーをさらに備え、
前記案内プーリーの一部が前記案内通路内に突出していることを特徴とする請求項1に記載のシートの搬出方向切換装置。
【請求項3】
前記案内プーリーは一対で設けられるものであって、
一方と他方の案内プーリーの一部が、その周面を互いに対向させた状態で、前記案内通路内に突出していることを特徴とする請求項2に記載のシートの搬出方向切換装置。
【請求項4】
前記1つの案内通路は、間隔を置いて対向配置された一対のガイド板によって区画され、この対向配置されたガイド板の一方の端部開口側が前記シートの入口とされると共に、他方の端部開口側が前記シートの出口とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシートの搬出方向切換装置。
【請求項5】
少なくとも一方の前記ガイド板は、前記案内通路が延びる方向に沿った円弧面を有し、該円弧面により前記入口の端部開口が、前記出口の端部開口よりも拡張されていることを特徴とする請求項4に記載のシートの搬出方向切換装置。
【請求項6】
前記ステッピングモータの動作を制御する制御装置をさらに備え、
前記ロータリーガイド部材は、前記案内通路の入口が所定方向に配向した受入姿勢を取ることが可能とされ、
前記制御装置は、前記ロータリーガイド部材の案内通路の出口を2つの搬送先のいずれかに対向させて前記シートをガイドさせるに際し、前記シートが前記案内通路の入口に受け入れられるまで、前記ロータリーガイド部材が前記受入姿勢を取るよう前記ステッピングモータを制御することを特徴とする請求項4又は5に記載のシートの搬出方向切換装置。
【請求項7】
前記ロータリーガイド部材は、前記受入姿勢と、前記案内通路の出口が前記少なくとも2つの搬送先のいずれかに対向した姿勢とが実質的に同一であることを特徴とする請求項6に記載のシートの搬出方向切換装置。
【請求項8】
前記ロータリーガイド部材の案内通路内に配置され、前記シートの前記案内通路内への進入を検知する第1センサをさらに備え、
前記制御装置は、前記第1センサがシートの先端を検知した時に、前記ロータリーガイド部材を前記受入姿勢から、前記案内通路の出口が前記少なくとも2つの搬送先のいずれかに対向した姿勢に変化させることを特徴とする請求項6に記載のシートの搬出方向切換装置。
【請求項9】
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記シートを、前記画像形成部を経由して搬送するための主搬送路と、
前記主搬送路の下流側に設けられる少なくとも2つの副搬送路と、
前記主搬送路と副搬送路との間に設けられ、前記少なくとも2つの副搬送路を搬送先としてシートの搬出方向を切り換える請求項1〜8のいずれかに記載の搬出方向切換装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記シートの第1排出先となる第1排紙トレイ、及び、前記第1排出先とは異なる第2排出先となる第2排紙トレイをさらに備え、
前記副搬送路は、前記第1排紙トレイにシートを搬送するための第1副搬送路、及び、前記第2排紙トレイにシートを搬送するための第2副搬送路を含むことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
両面印刷を施すために、前記シートを前記主搬送路における前記画像形成部の上流側に逆送するための逆送搬送路と、
前記搬出方向切換装置の下流側に配置され、前記シートを前記逆送搬送路に送り込むために前記シートをスイッチバックさせるスイッチバック部と、をさらに備え、
前記副搬送路は、前記スイッチバック部にシートを搬送するための第3副搬送路を含むことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記画像形成装置が胴内排紙型のものであり、前記第1排紙トレイが胴内排紙トレイであって、
前記第1副搬送路にはシートに搬送力を与えるローラ対が備えられ、
前記ローラ対は、正転駆動されることで前記胴内排紙トレイに向けてシートを搬送し、反転駆動されることで前記逆送搬送路に向けてシートを搬送することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
請求項6〜8のいずれかの搬出方向切換装置が適用される場合において、
前記ロータリーガイド部材の少なくとも一方のガイド板は、前記案内通路を区画する面を反対側の面に、前記シートをガイドするガイド面を有し、
前記制御装置は、前記逆送搬送路に向けてシートが搬送される際に、前記ガイド面が前記シートをガイドするガイド姿勢を前記ロータリーガイド部材が取るよう、前記ステッピングモータを制御することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記逆送搬送路内に配置され、前記シートの前記逆送搬送路内への進入を検知する第2センサをさらに備え、
前記制御装置は、前記第2センサがシートの先端を検知した時に、前記ロータリーガイド部材を、前記ガイド姿勢から前記受入姿勢に変化させることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−256101(P2009−256101A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77230(P2009−77230)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】