説明

シート処理装置

【課題】シートトレイからシートの取り出しを容易化する。
【解決手段】制御部は、シート束のシート枚数、シートの属性、折り込みの態様を指す折りモード、印字の態様を指す印字モード、およびシート処理装置が設置された環境における温度ならびに湿度に基づき、所定部数を決定する(S5)。シートトレイは、シート束を搬送する搬送ベルトを含む。制御部は、搬送ベルトを停止した状態において、シート束を所定部数重ね合わせてシートトレイに排出し(S9)、その後、搬送ベルトを所定距離だけ移動させる(S13)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置から排出される記録済みの用紙を受けとって後処理を施すシート処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複写機等の画像形成装置から排出される記録済みの用紙(シート)を受け入れ、シートの束について所定の後処理を施すシート処理装置が、近年、広く用いられている。
【0003】
具体的には、シート処理装置には、画像形成後の用紙に対してシート束についてホチキス(ステープル)綴じ、パンチ(丸穴開け)、紙折りなどの後処理手段が設けられている。
【0004】
そのなかでも画像形成装置から排出される記録済みの用紙(シート)を製本して取り出すようにしたシート処理装置については、従来から多くの提案がなされている。例えば、画像形成装置から排出され、スタックされた用紙を中央部で綴じ、綴じた位置で用紙を中綴じにして二つに折り畳んで製本とし、これをシートトレイ上に載置して取り出すようにしたシート処理装置が提案されている。
【0005】
例えば、特開2004−284762号公報においては、画像形成装置から排出されるシートを積載するシートトレイに多数のシートを重ねながら束にして整列させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−284762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献では、排出される束の重なり量が一定になるようにシートトレイのベルトを搬送する。したがって、束のシート枚数が少ない場合でも、1束ずつベルトを動かすことになるので、束の枚数のシート枚数が少ないときには、すぐに搬送ベルト上が束でいっぱいになる。また、ユーザがシート束を取り出すためには、薄い束を集めなければならないので、シートトレイから束を取り出しにくい。さらに、搬送ベルトが動く回数が多いと騒音が発生し、また消費電力量も多くなる。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するために成されたものであって、シートトレイからシートの取り出しを容易化するシート処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある局面に従うシート処理装置は、画像形成装置の印字によって画像形成された後のシートを処理するシート処理装置であって、画像形成された後の1枚以上のシートを折り込むことによりシート束を生成するシート折り部と、シート折り部により折り込まれたシート束を取り出すために積載するシートトレイと、シートトレイを制御する制御部とを備える。
【0010】
シートトレイは、シート束を搬送する搬送ベルトを含み、制御部は、搬送ベルトを停止した状態において、シート束を所定部数重ね合わせてシートトレイに排出し、その後、搬送ベルトを所定距離だけ移動させ、また、制御部は、シート束のシート枚数、シートの属性、折り込みの態様を指す折りモード、印字の態様を指す印字モード、およびシート処理装置が設置された環境における温度ならびに湿度に基づき、所定部数を決定する。
【0011】
好ましくは、制御部は、搬送ベルトを停止した状態において、シート束を重ね合わせてシートトレイに排出する過程において所定指示を入力すると、搬送ベルトを所定距離だけ移動させる。
【0012】
好ましくは、所定指示は、前記画像形成装置による印字ジョブの切替え指示を指す。
好ましくは、制御部は、所定部数重ね合わせられたシート束を、搬送ベルトの移動により搬送する速度を、シート枚数、シートの属性、折りモード、印字モード、および温度ならびに湿度に基づき決定する。
【0013】
好ましくは、制御部は、シート枚数、シートの属性、折りモード、印字モード、および温度ならびに湿度に基づき、所定距離を決定する。
【0014】
好ましくは、制御部は、シート枚数、シートの属性、折りモード、印字モード、温度、湿度、画像形成装置による連続印字時間、および画像濃度とに基づき、所定距離を決定する。
【0015】
好ましくは、制御部は、シート枚数、シートの属性、折りモード、印字モード、温度、湿度、画像形成装置による連続印字時間、および画像濃度とに基づき、所定部数を決定する。
【発明の効果】
【0016】
本発明に従うシート処理装置の制御部は、搬送ベルトを停止した状態において、シート束を所定部数重ね合わせてシートトレイに排出し、その後、搬送ベルトを所定距離だけ移動させる。この所定部数を、シート束のシート枚数、シートの属性、折り込みの態様を指す折りモード、印字の態様を指す印字モード、およびシート処理装置が設置された環境における温度ならびに湿度に基づき決定する。これにより、シートトレイからシートの取り出しを容易化する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に従う後処理装置(シート処理装置)FSおよび画像形成装置Aを備える画像形成システムの概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に従う後処理装置FSのサドル100の要部拡大断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に従う中折り(二つ折り)処理を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に従う三つ折り処理を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態に従うシートトレイ800の斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に従うシートトレイ800の模式図である。
【図7】本発明の実施の形態に従う画像形成装置Aの概略ブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態に従う後処理装置FSの概略ブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態に従う操作パネル13の概観図である。
【図10】本発明の実施の形態に従うシート整列搬送モードのフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態に従うシートが集積する状態を説明する図である。
【図12】本発明の実施の形態に従うシートが集積する他の状態を説明する図である。
【図13】本発明の実施の形態に従うシート束排出搬送モードのフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態に従うテーブルTB1の構成図である。
【図15】本発明の実施の形態に従う搬送ベルト駆動の処理フローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態に従う搬送ベルト駆動の他の処理フローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態に従うテーブルTB2の構成図である。
【図18】本発明の実施の形態の変形例に従う搬送速度決定の処理フローチャートである。
【図19】本発明の実施の形態の変形例に従う追加搬送距離決定の処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0019】
(画像形成システム)
図1は、本発明の実施の形態に従う後処理装置(シート処理装置)FSおよび画像形成装置Aを備える画像形成システムの概略断面図である。
【0020】
(画像形成装置A)
画像形成装置Aは、画像読取部1と、画像処理部2と、画像書込部3と、画像形成部4と、給紙カセット5と、給紙ローラ6と、定着装置7と、排紙ローラ8と、自動両面コピー給紙部9とを備えている。これら各部の協働動作により、記録用紙であるシートSの面に画像が印字される。
【0021】
定着装置7は、加熱ローラ41と、加圧ローラ42と、加熱ローラ41を加熱するための電磁誘導コイル(図示せず)とを含む。加熱ローラ41と加圧ローラ42とが相互に圧接されることによって、シートSが通過する定着ニップが形成される。
【0022】
画像形成装置Aの上部には、自動原稿搬送装置10が搭載されている。また、画像形成装置Aの図示左側面の排紙ローラ8側には、後処理装置FSが連結されている。自動原稿搬送装置10の原稿台上に載置された原稿は、搬送路に沿って搬送され画像読取部1の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査され、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ1Aに読み込まれる。
【0023】
CCDイメージセンサ1Aにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部2において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を施された後、画像書込部3に送られる。画像書込部3に送られた画像データに基づき半導体レーザが発光駆動され、画像形成部4の感光体ドラム4Aに照射されて潜像が形成される。画像形成部4においては、帯電、露光、現像、転写、分離、クリーニング等の処理が行なわれ、感光体ドラム4A上にトナー像が形成される。
【0024】
給紙カセット5から給紙ローラ6により給送されたシートSは、感光体ドラム4Aに到達し、転写手段4Bによりトナー像がシートSに転写される。トナー像を担持したシートSは、定着装置7により定着処理され、排紙ローラ8から後処理装置FSに送り込まれる。両面コピーの場合には、片面画像処理済みのシートSは搬送路切り替え板8Aにより自動両面コピー給紙部9に送り込まれ、画像形成部4において裏面にトナー像が転写され、定着された後、排紙ローラ8から後処理装置FSに送り込まれる。
【0025】
(後処理装置FS)
後処理装置FSは、用紙搬入部20と、複数の後処理部とを有する。後処理部としては、孔あけ処理部40と、折り部50、端綴じ(平綴じ)処理部71、中綴じ処理部72、および排紙部80を有する。
【0026】
画像形成装置Aの排紙ローラ8から後処理装置FSに送り込まれた画像形成後のシートSは、用紙搬入部20により後処理装置FS内部に搬送される。
【0027】
孔あけ処理部40は、用紙搬入部20の左手下流側に配置され、シートSにパンチ孔を開ける。具体的には、後処理装置FSの入り口付近に入口センサ28が設けられ、後処理装置FSにシートSが搬入されると、当該入口センサ28がシートSの搬入を検知する。そして、シートSの搬入を検知してから所定時間後にシートSの搬送を停止し、孔あけ処理部40は、シートSにパンチ孔を開ける(パンチ処理)。
【0028】
搬送路は、孔あけ処理部40の下流から2つの搬送路H0,H1に分岐される。当該搬送路H0,H1の切り替えは、搬送路切替部材30により行われる。下方に分岐した搬送路H1は、搬送ローラ23を経てサドル(図面では、SDと略す場合がある)100に繋がる。サドル100は、後述するが、中綴じ処理部72、折り部50とが配置されており、詳しくは後述する。
【0029】
もう一方の搬送路H0は、搬送ローラ24を経て排紙部80に繋がる。
後処理装置FSにおいて、後処理部による処理なしで大量の画像形成を行なう際には、シートSは用紙搬入部20から搬送路H0を経て排紙部80の排出パドル22から後処理装置FSの出口に設けられたエレベートトレイ81に排出される。
【0030】
エレベートトレイ81は、排紙されるシートSの最上面が常に一定した高さになるように図の鎖線で示すように下方に移動する。したがって、エレベートトレイ81上には、数千枚のシートを集積することが可能である。また、搬送路H0には、用紙検出センサ26が設けられ、搬送路H0のシートSの通過を検知して、搬送ローラ24、排出パドル22等の駆動のタイミング制御等が実行される。
【0031】
また、排出パドル22は、圧接した状態と離間した状態とに可動可能に構成されている。排出パドル22が圧接した状態である場合には、上述したようにエレベートトレイ81にシートSを排出する。一方、排出パドル22が離間した状態の場合には、エレベートトレイ81には直ぐに排出されず、シートSが排出パドル22に到達した後、シートSの後端が収容ベルト70上に落下する。そして、収容ベルト70および収容パドル74は、回転して端綴じ処理部71が設けられた方向にシートを搬送する。そして、複数のシートSについて当該処理が複数回実行されて、処理トレイセンサ77で所定枚数が端綴じ処理部71に収容されたことを検知し、端綴じ処理を実行する。そして、その後、収容ベルト70および収容パドル74は、排出パドル22の方向に端綴じしたシート束を搬送し、排出パドル22からエレベートトレイ81にシート束が排出される。
【0032】
サドル100は、搬送ローラ23の下流で水平方向に対して斜めに配置されており、シートSをガイドする複数のガイド部材および先端ストッパと、中綴じ処理部72と、折り部50、用紙幅整合部とを有し、1枚以上のシートSに対して、中折り(二つ折り)モード、中折り・中綴じモード、三つ折りモードの各モードで用紙を処理し、シートトレイ800に排出する。なお、本例においては、サドル100において、1枚のシートSまたは複数枚のシートSの束に対して二つ折りあるいは三つ折りの処理が施された後に、シートトレイ800に排出される。そこで、このようにして排出される1枚のシートSまたは複数枚のシートSからなる束を、単に“束”または“シート束”と称し、シート束を構成するシートSの枚数を“束枚数”と称することとする。
【0033】
図2は、本発明の実施の形態に従う後処理装置FSのサドル100の要部拡大断面図である。
【0034】
図2を参照して、シートSは、斜め上方から斜め下方に向けて搬入される。また、図中右下に記すように、以下の説明において、斜め下方に向かう方向をX方向、紙面において
X方向と直交する方向をY方向、紙面に対して垂直な方向をZ方向とする。
【0035】
サドル100を構成するガイド部材は、上流側ガイド部材101、102と下流側ガイド部材103、104とからなり、上流側ガイド部材101、102の上部側に用紙幅整合部110が位置し、上流側ガイド部材101、102の中ほどに中綴じ処理部72が位置し、上流側ガイド部材101、102と下流側ガイド部材103、104との間に折り部50が位置する。
【0036】
搬送路H1を介してサドル100に搬入されるシートSは、サドル搬入センサ62によって1枚ずつ検出される。そして、搬入されるシートSは、自重によってガイド部材に沿って搬送される。その際、上パドル75、下パドル76がシートの表面に接触して回転することにより、シートが1枚ずつ円滑に搬送される。
【0037】
用紙幅整合部110は、シートSの幅方向(Z、逆Z方向)の整合を行なう。
折り部50の下流には、下流側ガイド部材103、104に沿って移動可能な先端ストッパ105が設けられる。先端ストッパ105はシートSの下端を所定位置に規制するものであり、用紙サイズに応じて移動される。
【0038】
上流側ガイド部材101と下流側ガイド部材103とは、サドル100の下側(逆Y方向側)に位置し、シートSがその面に沿って滑落し積載されるスタック面を構成する。また、上流側ガイド部材102と下流側ガイド部材104は、上流側ガイド部材101と下流側ガイド部材103と一定間隔をあけて対向配置される。
【0039】
中綴じ処理部72は、受針機構72aと打針機構72bとからなり、シートSの束の用紙搬送方向の中央部が先端ストッパ105によって位置決めされると作動して、シートSの束を中綴じする。具体的には、先端ストッパ105がシートSの用紙搬送方向(X、逆X方向)に移動することで、複数枚のシートSの中央部は、中綴じ処理部72に合わされてスタックされる。複数枚のシートSがスタックされた後、中綴じ処理部72でシートSの束が中綴じされる。なお、中綴じ処理部72で中綴じ処理が行なわれない場合には、シートSの中央部が折り部50に合うように、シートSがスタックされる。
【0040】
折り部50は、第1折り板51、第1折りローラ52、第2折りローラ53、第3折りローラ54、第4折りローラ56、第5折りローラ58、搬送路切替部材55、案内部材57、第1折り板センサ59、第2折り板60および第2折り板センサ61を備え、シートSを中折り(二つ折り)処理又は三つ折り処理を行なう。
【0041】
図3は、本発明の実施の形態に従う中折り(二つ折り)処理を説明する図である。
図2および図3を参照して、中折り(二つ折り)処理においては、まずシートSの長さの中央部が第1折り板51の位置となるように先端ストッパ105が移動される。ついで、図3(A)に示されるように第1および第2折りローラ52、53が回転しながら、第1折り板51がシートSを第1折りローラ52と第2折りローラ53との間に挿入する。第1折りローラ52と第2折りローラ53とは図示しないバネ部材で互いに圧接するよう付勢されているので、図3(B)においてシートSは中央部で折り目をつけて折り処理される。そして、搬送路切替部材55の下方に設けられた案内部材57により折り処理されたシートSは、第4および第5折りローラ56、58に搬送される。図3(C)に示されるように、第4および第5折りローラ56、58は回転し、折り処理されたシートSを搬送する。そして、図3(D)において、第4および第5折りローラ56、58は、折り処理されたシートSをシートトレイ800に排出する。なお、第1折り板センサ59は、第1折り板51のホーム位置を検出し、移動した第1折り板51はホーム位置まで戻される。
【0042】
図4は、本発明の実施の形態に従う三つ折り処理を説明する図である。
図2および図4を参照して、まず、三つ折り処理においては、搬送路切替部材55は移動し、図2の点線で示される位置に設定される。そして、シートSはその長さの3分の1の位置が折り板51の位置となるように先端ストッパ105により移動される。ついで、図4(A)に示されるように第1および第2折りローラ52、53が回転しながら、第1折り板51がシートSを第1折りローラ52と第2折りローラ53との間に挿入する。図4(B)においては、シートSはその長さの3分の1の位置で折り目をつけて折り処理される。ついで、図4(C)においてシートSがその折り目を先頭にして搬送路切替部材55の形状に沿って上側に案内される。なお、搬送路切替部材55の形状に沿って案内されたシートSは、図示しない停止部材により停止される。停止部材は、第2折り板60で折り処理する際のシートSの位置決めに用いられるものであり、折り処理されたシートSの長さの中央部を第2折り板60が折り目をつける位置となるように調節する。
【0043】
次に、図4(D)において、第2折りローラ53および第3折りローラ54が回転しながら、第2折り板60はシートSを第2折りローラ53と第3折りローラ54との間に挿入する。第2折りローラ53と第3折りローラ54とは、図示しないバネ部材で互いに圧接するように付勢されているものとする。折り処理されたシートSは、第2折り板60により、残りの長さの中央部の位置でさらに折り目をつけて折り処理される。図4(E)において、第2および第3折りローラ53、54は回転しながら、折り処理されたシートSをシートトレイ800に排出する。なお、第1折り板センサ59は、第1折り板51のホーム位置を検出し、移動した第1折り板51はホーム位置まで戻される。また、第2折り板センサ61は、第2折り板60のホーム位置を検出し、移動した第2折り板60はホーム位置まで戻される。なお、三つ折り処理については、シートSをまず、その長さの3分の1の位置で折り処理し、そして、残りの長さの半分について、折り処理した側を畳むように折り目をつけて三つ折り処理が行われる。
【0044】
なお、ここでは、1枚のシートSの二つ折りあるいは三つ折り処理について説明しているが、特に1枚に限られず、複数枚からなるシートSの束についても同様の処理が可能である。
【0045】
図5は、本発明の実施の形態に従うシートトレイ800の斜視図である。
図5を参照して、シートトレイ800は、載置部材820と、ストッパ部材822とを備える。
【0046】
ストッパ部材822は、端部が載置部材820と連結されるとともに、載置部材820に重なるように折り畳むことが可能であり、載置部材820とともに後処理装置FSの側面に収納することが可能である。
【0047】
また、ストッパ部材822には、把持部826が設けられており、後述するが当該把持部826を持ってシートトレイ800の角度を調整することが可能である。
【0048】
また、載置部材820には、2本の搬送ベルト827A,827Bが設けられている。シートトレイ800に載置されたシートSまたはシート束は、当該搬送ベルト827A,827Bを介して搬送される。
【0049】
また、載置部材820には、可動部材823,824が設けられている。なお、ここでは、可動部材824は図示されていない。シートトレイ800に載置されたシートSまたはシート束が搬送ベルトを介して搬送されると可動部材823,824と接触して、可動部材823,824は下方に移動する。
【0050】
また、載置部材820には、搬送ボタン825が設けられている。当該搬送ボタン825を押下すると搬送ベルト827A,827Bを駆動させることが可能である。
【0051】
図6は、本発明の実施の形態に従うシートトレイ800の模式図である。
図6(A)は、シートトレイ800を上面から見た図である。図6(B)は、シートトレイ800の断面図である。
【0052】
シートトレイ800の載置部材820には、シートSまたはシート束を搬送する搬送部である搬送ベルト827A,827Bが2本設置されており、ベルト搬送ローラ821A、821Bの回転により搬送ベルト827A,827Bは同図(A)に示す矢印c方向、同図(B)に示す矢印d方向に回動させられる。
【0053】
同図(A)に示すように、ストッパ部材822近傍であって、2本の搬送ベルト827A,827B間の略中央付近には、シートSまたはシート束により移動させられる可動部材823が設置されている。
【0054】
また、ストッパ部材822と反対側の入口付近であって、2本の搬送ベルト827A,827B間の略中央付近には、シートSまたはシート束により移動させられる可動部材824が設置されている。
【0055】
シートトレイ800の載置部材820に排出されたシートSまたはシート束は、図示の如く積み重なった状態(図6(B)におけるシートSの積載状態は模式的に示したものである)で搬送ベルト827A,827Bにより徐々に搬送される。
【0056】
図示のように可動部材823は、先頭のシートSまたはシート束の接触により載置部材820の内側の隠れた位置に移動させられる。載置部材820内には、可動部材823が載置部材820の内側の位置に移動したことを検知する、検知部材(シートトレイ先端センサ)が配置されている。当該可動部材823の移動により検知部材は、シートSまたはシート束が当該位置に到達したことを把握することが可能である。
【0057】
なお、可動部材824については、折り部50からシートトレイ800にシートSまたはシート束が排出された際に、シートSが可動部材824を覆うように排出される位置に設けられているものとする。したがって、シートSが排出された場合には、可動部材824は、可動部材823と同様に載置部材820の内側の隠れた位置に移動させられる。載置部材820内には、可動部材824が載置部材820の内側の位置に移動したことを検知する、検知部材(シートトレイ入口センサ)が配置されている。当該可動部材824の移動により検知部材は、折りシートが当該位置、つまりシートトレイ800に排出されたことを検知することが可能である。
【0058】
図7は、本発明の実施の形態に従う画像形成装置Aの概略ブロック図である。
図7を参照して、画像形成装置Aは、装置全体を制御するメイン制御部150と、画像読取部1と、画像処理部2と、画像書込部3と、画像形成部4と、自動原稿搬送装置(ADF(Auto Document Feeder)10と、操作パネル13と、音声出力部14と、外部機器インタフェース15と、通信インタフェース16とを備える。
【0059】
メイン制御部150は、オペレーティングシステム(OS:Operating System)を含む各種プログラムを実行するためのCPU(Central Processing Unit)151と、CPU151で実行されるプログラムが予め格納されたROM(Read Only Memory)152と、CPU151のプログラム部分の実行に必要なデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)153とを備える。
【0060】
メイン制御部150は、ADF10に載荷された原稿から画像読取部1を用いて画像を読み取り電子データ化する読取制御と、読み取られた画像に対して画像処理部2を用いて様々な画像処理を行なう画像処理制御と、画像処理された画像を画像書込部3および画像形成部4を用いて既知の電子写真プロセスによってシートに形成する画像形成制御と、画像が形成されたシートSを搬送する用紙給送制御とを実行する。
【0061】
操作パネル13は、タッチパネルを有しており、シートSに施す後処理の種類の設定、その他の様々な機能の操作設定を行ない、また設定された機能の確認や種々の警告等を表示可能に構成されている。操作パネル13には、後述するがたとえば、コピー枚数等を設定するテンキー、動作の開始を指示するスタートキー、動作の停止を指示するストップキー、各種設定条件を初期化するリセットキー等も表示される。
【0062】
操作パネル13からメイン制御部150へは、ユーザの操作に基づいて、シートSのサイズなどの用紙に固有の属性(特徴)を指す用紙メディアの情報、後処理の種別情報(折り・綴じの有無の折りモード、印字モードおよびそれらの種類ならびにシート束枚数等)を含むジョブが入力される。
【0063】
メイン制御部150は、これらのジョブを通信インタフェース16を通じて後処理装置FSへ送信する。
【0064】
音声出力部14からは操作音や警告音、紙詰まり等のエラーが発生した場合のエラー音が出力される。外部機器インタフェース15には外部のネットワーク17が接続される。これにより、ネットワーク上の他の機器と通信可能に構成されている。
【0065】
なお、画像形成装置Aは、複写(コピー)機能のほかに、画像データを取得するスキャン機能、および図示しないが外部のパソコン等の機器から画像データを受信し、印字・印刷を行なうプリント機能、ファクシミリ送信が可能なFAX機能等を備えている。
【0066】
図8は、本発明の実施の形態に従う後処理装置FSの概略ブロック図である。
図8を参照して、後処理装置FSは、後処理装置FSの全体を制御するフィニッシャ制御部200と、画像形成装置Aと情報の通信を行なうための通信インタフェース87とを備える。
【0067】
フィニッシャ制御部200は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムを実行するためのCPU201と、CPU201で実行されるプログラムが予め格納されたROM202と、CPU201のプログラム部分の実行に必要なデータを一時的に記憶するRAM203とを備える。ROM202には、後述するテーブルTB1およびTB2が予め格納される。
【0068】
フィニッシャ制御部200は、画像形成装置Aから出力されたジョブに基づいて後処理装置FS内部における各部を制御する。
【0069】
フィニッシャ制御部200は、各種センサと接続されている。具体的には、用紙検出センサ26,73と、サドル搬入センサ62と、入口センサ28と、シートトレイ入口センサ38と、シートトレイ先端センサ39と、第1折り板センサ59と、第2折り板センサ61と、シートトレイ上部センサ82と、シートトレイ下部センサ84とがフィニッシャ制御部200に接続される。また、図1の画像形成システムが設置される周囲環境の温度および湿度を測定するための温度センサ111および湿度センサ112がフィニッシャ制御部200に接続される。フィニッシャ制御部200は、各種センサからの検出信号を入力する。
【0070】
フィニッシャ制御部200は、切り替えスイッチ86,88を制御する。切り替えスイッチ86,88は、それぞれ搬送路切替部材30,55と接続されている。当該切り替えスイッチ86,88の切り替えにより搬送路切替部材30,55の位置が変化して搬送路が切り替えられる。
【0071】
フィニッシャ制御部200は、各種モータを制御する。
先端ストッパ105、上パドル75、下パドル76、搬送ローラ23,24、第1折り板51、折りローラ52〜54,56,58、排出パドル22、搬送ベルト827A,827B、エレベートトレイ81、第2折り板60は、それぞれ先端ストッパモータ90、上パドルモータ91、下パドルモータ92、搬送モータ93、第1折り板モータ94、折りローラモータ95、排出パドルモータ96、搬送ベルトモータ97、エレベートモータ98、第2折り板モータ99によりそれぞれ駆動される。
【0072】
ここでは、CPU201は、搬送速度に従うレベルの指示(電圧信号)を搬送ベルトモータ97に出力する。当該電圧信号を出力する期間は搬送距離に従う。搬送ベルトモータ97の回転軸は、ベルト搬送ローラ821A、821Bの回転軸に連接されている。
【0073】
動作において、搬送ベルトモータ97は、CPU201からの電圧信号に従う方向(正転・逆転)および量だけ回転動作する。搬送ベルトモータ97の回転に連動してベルト搬送ローラ821A、821Bは回転する。ベルト搬送ローラ821A、821Bの回転に従って搬送ベルト827A,827Bは移動し、シートトレイ800上のシートSは搬送される。また、電圧信号の出力停止により搬送ベルトモータ97は停止(すなわち、ベルト搬送ローラ821A、821Bの停止)し、これに連動して、搬送ベルト827A,827Bも移動を停止する。その結果、シートトレイ800上のシートSの搬送も停止する。
【0074】
フィニッシャ制御部200は、孔あけ処理部40、端綴じ処理部71、中綴じ処理部72、用紙幅整合部110等をそれぞれ制御する。
【0075】
なお、ここでは、説明を簡易にするために収容ベルト70および収容パドル74をそれぞれ駆動するモータについては図示を省略している。他の部品についても同様である。
【0076】
図9は、本発明の実施の形態に従う操作パネル13の概観図である。
図9を参照して、本発明の実施の形態に従う操作パネル13は、表示部312と、テンキー302と、スタートボタン310とを含む。なお、その他のキーについては省略している。
【0077】
表示部312上にはタッチパネルが設けられており、表示部312上において所定の操作が可能である。テンキー302は、コピー等の枚数を入力するためのボタンである。スタートボタン310は、コピー/スキャン等の処理の実行を指示するボタンである。
【0078】
また、表示部312には、各種モードの表示やその他の表示が行われる。そして、タッチパネルによって、表示内容に従った各種設定を行うことができる。例えば、表示部312には、通常は、コピー動作やスキャン動作を実行する際に行う基本的/応用的な設定のためのタブボタン314が配置されている。各タブボタンを押下すると、その詳細設定を行うための階層画面が表示される。本例においては、応用のタブボタンが押下された場合が示されており、後処理装置FSにおける各種後処理についての詳細な設定指示が可能となっている。具体的には、「小冊子モード」、「とじ代モード」、「折りモード」、「ステープルモード」の指定が可能となっているが、これらの詳細説明は略す。
【0079】
また、本例においては、トレイ排出モード切替ボタン316が設けられている場合が示されている。当該トレイ排出モード切替ボタン316を押下することによりトレイ排出モードを指定することが可能となるものとする。ここでは、説明を簡単にするためのトレイ排出モードとして後述のシート整列搬送モードとシート束搬送モードとを例示する。
【0080】
(シート整列搬送モード)
図10は、本発明の実施の形態に従うシート整列搬送モードのフローチャートである。当該処理は、CPU201が搬送ベルトモータ97を制御することにより実行される。
【0081】
図10を参照して、シート整列搬送モードにおいては、まず、シート排出タイミングであるかどうかを判断する(ステップS2)。CPU201は、折り部50で処理された折りシートSが排出タイミングであるかどうかを、第1折り板センサ59または第2折り板センサ61の出力に基づき判断する。
【0082】
ステップS2において、シート排出タイミングであると判断した場合(ステップS2においてYES)には、搬送ベルトを正転する(ステップS4)。具体的には、折りシートがシートトレイ800に接触する直前に搬送ベルトモータ97に指示して搬送ベルト827A,827Bを正転(排出方向)させる。
【0083】
次に、シートトレイ入口センサ38がONであるかどうかを判断する(ステップS6)。CPU201は、シートトレイ800に折りシートが排出される位置に設けられたシートトレイ入口センサ38がONしているかどうかを判断する。
【0084】
ステップS6において、シートトレイ入口センサ38がONで有ると判断した場合(ステップS6においてYES)には、その状態を維持し、搬送ベルトを正転させた状態でシートトレイ入口センサ38がOFFとなるかどうかを判断する。
【0085】
ステップS6において、シートトレイ入口センサ38がOFFとなるまで搬送ベルトを正転させて、シートトレイ入口センサ38がOFFとなった場合(ステップS6においてNO)に、搬送ベルトを停止する(ステップS8)。
【0086】
そして、次のジョブが有るかどうかを判断する(ステップS10)。次のジョブが有る場合には、ステップS2に戻り、上記の処理を繰り返す。一方、次のジョブが無い場合には、処理を終了する(エンド)。なお、ステップS10では、シートトレイ先端センサ39ばONし、且つ所定部数を出力し終えたことを判断すると、処理を終了するようにしてもよい。
【0087】
すなわち、当該シート整列搬送モードにおいては、シート排出タイミングにおいて、排出された折りシートがシートトレイ800に到達した場合に、上述した可動部材824が移動するためシートトレイ入口センサ38はONになる。そして、シートトレイ入口センサ38がOFFとなるまで当該排出された折りシートを搬送ベルトにより搬送し、当該排出された折りシートの後端部が可動部材824を抜けたときに、可動部材824は、初期位置に戻る。すなわち、シートトレイ入口センサ38はOFFとなり当該位置で搬送ベルトは停止する。そして、再び、次のジョブによりシート排出タイミングにおいて、排出された折りシートは、可動部材824をシートトレイ入口センサ38をONにする。例えば、排出された折りシートの中央部分に可動部材824が設けられている場合、前に排出された折りシートと、次に排出された折りシートとは長さの半分ずつ程、重なり合うことになる。当該処理を繰り返すことにより一定間隔で排出された折りシートが重なりあって整列して搬送されることになる。すなわち、当該シート整列搬送モードは、折りシートが排出される毎に所定距離、搬送ベルトを移動(ステップ移動)させて排出された折りシートを搬送する搬送モードである。
【0088】
図11と図12は、シートトレイ800上にシートSが集積する状態を説明する図である。
【0089】
図11(A)は、複数のシートSがシートトレイ800において載置されている場合が示されている。
【0090】
当該状態において、シートトレイ800の搬送ベルトを正転させると、図11(B)に示されるように複数のシートがストッパ部材822を介して集積された状態が示されている。
【0091】
図12(A)は、1枚のシートSからなる13部のシート束がシートトレイ800に載置されている状態が示されている。この状態で、ユーザがシートトレイ800からシートSを回収するためには、13部のシート束をかき集めなければならない。
【0092】
これに対し、図12(B)は、重ね合せ部数を5部に設定した場合を示す。シート束を5部ずつ重ねて、5部重ねた後に搬送ベルト827A,827Bにより搬送して、ずらしながら排出した例を示す。図12(B)では、トータル30部のシート束をシートトレイ800上に積載でき、ユーザはシートトレイ800からシートSを回収し易い。本実施の形態では、重ね合せ部数に従ってシート束を重ねた後に、搬送ベルト827A,827Bにより搬送させることで、シートトレイ800からのシートSの回収を容易にしている。
【0093】
(シート束搬送モード)
図13は、本実施の形態による重ね合せ部数に従うシート束の排出処理のフローチャートである。シート束搬送モードが指定された場合には、当該処理が実行される。この処理では、サドル100からシートトレイ800に排出されるシート束を計数するための変数として重ね合せカウンタを用いる。処理の開始時には、重ね合せカウンタの値は0に初期化されていると想定する。
【0094】
図13を参照して、まず、CPU201は、サドル100からのシートSの排出要求を受理するか否かを判断する(ステップS1)。つまり、CPU201は、折り部50で処理された折りシートSの排出要求を、第1折り板センサ59または第2折り板センサ61の出力に基づき判断する。排出要求を受理するまではステップS1に待機する。
【0095】
排出要求を受理したと判断すると(ステップS1でYES)、通信インターフェース87を介した入力に基づき、ジョブの切替えが指示が有ったかどうかを判断する(ステップS3)。ジョブの切替指示は、たとえば、操作パネル13からの印字・印刷ジョブの切替指示に基づくものである。
【0096】
ステップS3においてジョブ切替えが有ったと判断した場合(ステップS3でYES)には、シートトレイベルト搬送駆動処理を実行する(ステップS13)。シートトレイベルト搬送駆動処理の詳細は後述する。その後、重ね合せカウンタの値を0にセットし(ステップS15)、処理をステップS1に戻す。
【0097】
一方、ジョブ切替えが無いと判断すると(ステップS3でNO)、重ね合せ部数を取得する(ステップS5)。重ね合せ部数取得の詳細は後述する。
【0098】
続いて、CPU201は、重ね合せ部数と重ね合せカウンタの値とを比較し、比較結果に基づき(重ね合せ部数>重ね合せカンタの値)の条件が成立するか否かを判断する(ステップS7)。当該条件は成立しないと判断すると(ステップS7でNO)、処理はステップS13に移行する。
【0099】
一方、上述の条件が成立すると判断すると(ステップS7でYES)、CPU201は搬送ベルトモータ97を停止させる。すなわち、搬送ベルト827A,827Bは停止したままでサドル100からシートトレイ800へシートSの束が排出される(ステップS9)。シート束がシートトレイ800に排出されたと判断すると、すなわち第1折り板センサ59または第2折り板センサ61がONしてから所定時間が経過したことを判断すると、CPU201は、重ね合せカウンタの値をインクリメントし(ステップS11)、処理をステップS1に戻す。
【0100】
このように、シート束が所定の重ね合せ部数だけシートトレイ800に排出される毎に、搬送ベルトモータ97により搬送ベルト827A,827Bは移動し、シートトレイ800上の重ね合わされたシート束が搬送される。また、所定指示を入力してジョブが切り替えを検出したときには、所定の重ね合わせ部数に達していなくとも、搬送ベルトモータ97により搬送ベルト827A,827Bは移動し、シートトレイ800上の重ね合わされたシート束が搬送される。これにより、図12に示すように、重ね合せ部数だけ重ねたシート束を、所定重ね合わせ部数毎に、またはジョブ毎に相互にずらしながら、シートトレイ800上に積載し搬送することができる。
【0101】
次に、上述の重ね合せ部数の取得処理(ステップS5)の詳細を説明する。
本実施の形態では、シート束の重ね合せ部数は、操作パネル13からのユーザ操作に基づき取得してもよいが、ここでは、重ね合せ部数は、束枚数、用紙メディア、折りモード、印字モード、温度および湿度に基づき決定されるとして説明する。
【0102】
用紙メディアは、シートSに固有の情報を指し、本実施の形態では、紙の厚さおよび重さなどを指す。折りモードは、二つ折り(中綴じ)モードおよび三つ折りモードのいずれかを指す。印字モードは、カラー印字およびモノクロ(白黒)印字のいずれかを指す。また、温度および湿度は、温度センサ111および湿度センサ112が測定する温度および湿度を指す。なお、束枚数、用紙メディア、折りモードおよび印字モードは、操作パネル13を介したユーザ操作により、たとえばジョブ毎に入力される。メイン制御部150は操作パネル13のユーザ操作から、これら情報を取得し、フィニッシャ制御部200のCPU201に送信する。CPU201は、当該情報を受信する。
【0103】
本実施の形態では、これらの条件をベースに重ね合わせ部数を決定するのは、以下の理由による。つまり、束枚数が増加する、または、シートSが厚紙であると、折り目が弱くなり折りシートは折り目部からふくらみ嵩張るので、重ね合せ部数を多くすることは好ましくない。また、二つ折り(中綴じ)は、三つ折りに比べて、折り回数が少ない分だけシート束自体の厚みを薄くできて、重ね合せ部数を増やすことができる。
【0104】
また、本実施の形態では、重ね合せ部数の決定にはシートSのカール(湾曲)の程度も考慮される。本実施の形態では、シートSのカールの程度(以下、カール度ともいう)が大きい状態をカール強と称し、少ない状態をカール弱と称する。カール度は、印字モード、用紙メディア、温度および湿度から決定される。
【0105】
また、カールは、定着装置7の加熱ローラ41と加圧ローラ42との温度差によっても生じる。具体的には、定着装置7にシートSが搬送されると、加熱ローラ41と加圧ローラ42との間のニップ部では、熱と圧力によりトナーがシートSに定着される。定着処理において、加熱ローラ41の表面温度は、加圧ローラ42のそれよりも高いので、シートS内の水分は加熱ローラ41側から多く蒸発し、加圧ローラ42側からの蒸発量は比較的に少ない。その結果、シートSにおける加熱ローラ41側の水分は少なくなり、加圧ローラ42側の水分は多くなり、シートSの紙面の中央部と加圧ローラ42の水分は、一気に加熱ローラ41側に移動する。
【0106】
その結果、シートSの加熱ローラ41側は集まった水分により膨張し、加圧ローラ42側は水分が少なくなったことで収縮する。この膨張と収縮で、シートSにカールが生じる。
【0107】
カール度に関しては、多くの水分を含む厚紙のシートS方が、薄い紙のシートSよりもカールし易く、高い定着温度が必要なカラー印字の方が、モノクロ印字よりもカールし易い。また、高温・高湿度環境の方がカールし易い。
【0108】
したがって、本実施の形態では、CPU201は、印字モード、用紙メディア、温度および湿度から、カール度の強弱を次のように決定する。
【0109】
ここでは、用紙メディアが指すシートSの厚さは、薄紙<普通紙<厚紙<厚紙(2)の関係を有する。
【0110】
シートSが薄紙または普通紙の場合には、温度30℃以上、湿度70%以上およびカラー印字であれば“カール強”と決定し、それ以外は“カール弱”と決定する。
【0111】
シートSが厚紙または厚紙(2)の場合には、温度30℃以上、湿度50%以上およびカラー印字であれば“カール強”と決定し、それ以外は“カール弱”と決定する。
【0112】
テーブルTB1を参照して、シートトレイ800上で重ね合わされたシート束を搬送するための搬送速度Vと追加搬送距離ADの決定方法について説明する。
【0113】
図14のテーブルTB1は、束枚数NB、用紙メディア、上述のようにして決定したカール度(強、弱)、折りモード(中折り、三つ折り)とからなる複数の異なる組PAと、各組PAに対応して、搬送速度V(単位:mm/sec)および追加搬送距離AD(単位:mm)が予め格納される。テーブルTB1の各組PAに対応する搬送速度Vと追加搬送距離ADとは、予め実験などにより取得される。なお、テーブルTB1の記号(*1)に示すように、本実施の形態では、組PAが示す条件にかかわらず、束枚数NBが“1”である場合には、搬送速度Vは50mm/secおよび追加搬送距離ADは0mmとされる。
【0114】
(搬送ベルト駆動処理)
次に、搬送ベルト駆動処理(ステップS13)について詳述する。
【0115】
シートトレイ800上ではシート束を重ね合わせ部数ずつ重ねた状態で搬送する。このように、重ね合わせ部数ずつ重ねられたシート束を“群”と称する。
【0116】
搬送時に群のシート束の位置がずれたり、ずれて群からはみ出したシート束が、別の群に混入する場合がある。シート束の群はジョブ毎に出力されるのが一般的であるから、このように混入すると、シートトレイ800上でジョブ毎のシート束を判別できなくなる。
【0117】
そこで、本実施の形態では、搬送ベルト827A,827Bによる搬送速度を遅くすることにより、上述したようなシート束の位置ずれを防止する。また、シート束を重ねて群が形成されたにした後に、搬送ベルト827A,827Bの移動による搬送距離を長くして、隣接する別の群との間隔を長くする。これにより、シート束の位置がずれて群からはみ出したとしても、ユーザが別の群のシート束と区別できるようになる。
【0118】
これを実現するために、CPU201は、シートトレイ入口センサ38がOFFして1群のシート束の排出が完了したと判断したときに、搬送ベルトモータ97を制御して、搬送ベルト827A,827BによりテーブルTB1の追加搬送距離ADだけ搬送してから搬送ベルト827A,827Bを停止させる。このステップS13の処理の詳細が図15に示される。
【0119】
図15は、本実施の形態による搬送ベルト827A,827Bによる搬送を制御するための処理フローチャートである。
【0120】
図15を参照して、まず、CPU201は、テーブルTB1を検索して、上述のようにして搬送速度Vと追加搬送距離ADを読出す。これにより、搬送速度Vと追加搬送距離ADが決定する(ステップS21、S23)。
【0121】
CPU201は、第1または第2折り板センサ59または61のONから所定時間が経過したことを検知することにより、サドル100からシート束が排出されたことを判断する(ステップS25)。排出されたと判断されるまでステップS25の処理が繰返される。
【0122】
排出されたことが判断されると(ステップS25でYES)、CPU201は、搬送ベルトモータ97に指示して搬送ベルト827A,827Bを正転(排出方向)させ、ステップS21で決定した搬送速度Vで移動を開始させる(ステップS27)。これにより、シートトレイ800上に既に積載済みのシート束の群の搬送が開始される。
【0123】
その後、CPU201はシートトレイ入口センサ38がOFFするか否かを判断する(ステップS29)。シート束の群が搬送されてシートトレイ入口センサ38がOFFしたと判断されるまでステップS29の処理を繰返す。すなわちONと判断される間は搬送速度Vで搬送が行われる。これにより、シートトレイ800に重ね合わせ部数だけ重ね合わされたシート束は搬送速度Vに従って排出方向へ搬送される。
【0124】
その後、CPU201はシートトレイ入口センサ38がOFFしたと判断すると(ステップS29でOFF)、CPU201は搬送ベルトモータ97に指示して搬送ベルト827A,827Bにより、搬送速度VでステップS23で取得した追加搬送距離ADだけさらに搬送させる(ステップS31)。これにより、直前にシートトレイ800に排出されたシート束の群は、追加搬送距離ADだけさらに搬送されることになる。
【0125】
追加搬送距離ADだけ搬送が完了すると搬送ベルトモータ97は、駆動完了信号を出力する。CPU201は、駆動完了信号を入力すると(ステップS31でYES)、搬送ベルトモータ97に指示して搬送ベルト827A,827Bを停止させる(ステップS33)。以上で、ステップS13の処理は終了し、図14のステップS15の処理に移行する。
【0126】
図15の処理によれば、シートトレイ800上において追加搬送距離ADに相当する間隔を置いて、次のシート束の群を載置して搬送速度Vで搬送することができる。したがって、搬送速度が速いためにシートトレイ800上においてシート束が位置ずれするのを防止できる。また、シータ束がすれたとしても、群毎の間隔を追加搬送距離ADに相当する距離だけ置くことができるので、ジョブ毎の(すなわち群毎の)シート束を判別できなくなるという事態も防止することができる。
【0127】
(定着タッキングに基づく追加搬送距離の調整)
ここで、シートトレイ800における各束の重ね合わせ部数は、定着タッキングを考慮して決定するようにしてもよい。定着タッキングとは、定着させたトナー(とりわけ、カラートナー)が乾ききらないままシートSをシートトレイ800に排出すると、トナーが粘着材となって、シートトレイ800上でシートSどうしが張り付いた状態となる現象を指す。本実施の形態のように、シート束を重ね合わせる場合には、定着タッキングが発生しやすくなる。
【0128】
一般的に、CW(color・white)比,BW(black・white)比が高い画像が印字される場合には定着タッキングが発生し易く、また、連続印字により定着器7周辺の温度が上昇していると、シートS上のトナーは通常時よりも融けた状態となるので、定着タッキングが発生し易い。
【0129】
このように定着タッキングが発生し易い条件下で印字されたシートSを排出してシートトレイ800上に重ね合わせた状態で長時間放置すると、シートS(またはシート束)の重みでトナーどうしが粘着してしまう。また、シートトレイ800に排出されたシートSが、ユーザによって回収される時期がいつ頃であるかは特定することができない。
【0130】
そこで、シートトレイ800上に長時間放置される可能性があれば、束を重ねず、また搬送時の重なり量も少なくなるようにする。すなわちステップS23で決定した追加搬送距離ADを調整(更新)する。この更新処理を図16のフローチャートを参照し説明する。図16は、図15のフローチャートの変形例を示す。
【0131】
図15と図16のフローチャートを比較し異なる点は、図16では、図15のステップS23とステップS25の処理の間に、定着タッキングを考慮した追加搬送距離ADの調整処理(ステップS24)を追加している点にある。図16の他の処理は、図15のそれらと同じであるので説明を略す。
【0132】
図16を参照して、CPU201は、上述のように追加搬送距離ADを決定すると(ステップS23)、続いて、追加搬送距離ADの調整処理(ステップS24)を行う。追加搬送距離ADの調整処理のために、図17のテーブルTB2が検索される。
【0133】
図17のテーブルTB2には、連続印字時間(10分未満、10分〜20分未満、20分以上)と印字される画像濃度を表すCW比(20%未満、20%以上)とからなる組のそれぞれに対応して、定着タッキングが発生するか否かの情報が予め格納される。テーブルTB2の情報は予め機種毎に実験により取得される。
【0134】
図17のテーブルTB2によれば、連続印字時間が10分未満であればCW比にかかわらず定着タッキングは発生しないことが示され、また、連続印字時間が10分〜20分未満であればCW比が20%以上の場合には定着タッキングが発生することが示され、また連続印字時間が20分以上であればCW比にかかわらず定着タッキングが発生することが示される。
【0135】
CPU201は、連続印字時間を算出する。ここでは、連続印字時間は、操作パネル13のユーザ操作に基づき入力した印字するべき所定枚数と印字開始コマンドとに基づき算出される。実施の形態では、1枚のシートSに画像を印字するのに要する所定時間はあらかじめ決まっていることから、印字開始コマンドを入力後から、所定枚数を印字終了するまでの時間(すなわち、所定枚数×所定時間)を連続印字時間として算出する。
【0136】
また、CW比(またはBW比)は、画像処理部2による画像処理により取得されて、取得されたCW比(またはBW比)は、メイン制御部150からCPU201に与えられる。これにより、CPU201はCW比(またはBW比)を取得する。
【0137】
別の方法では、印字するべき画像に関するビデオ信号のHigh/Lowの比を測定し、測定結果に基づきCW比を算出するようにしてもよい。
【0138】
CPU201は、算出した連続印字時間と取得したCW比とに基づきテーブルTB2を検索し、対応する定着タッキング発生有無の情報を読出す。読出した有無情報が“定着タッキング無し”を指示すると判断すると、CPU201はステップS23で決定した追加搬送距離ADの調整(更新)を行わずに処理を終了するが、“定着タッキング有り”を指示すると判断すると、CPU201はステップS203で決定した、すなわちテーブルTB1から読み出した追加搬送距離ADの値にプラスαして、追加搬送距離ADの値が大きくななるように更新する。なお、プラスされる“α”の値は、所定値として予め決められていると想定する。
【0139】
定着タッキング発生の有無に基づく追加搬送距離ADの調整処理(ステップS24)が終了すると、調整(または更新)後の追加搬送距離ADを用いて、以降のステップS25の処理が行われる。なお、ここでは、CW比に基づき検索可能なテーブルTB2を用いたが、同様に、連続印字時間と画像濃度を指すBW比とに基づき検索可能なテーブルを準備して定着タッキングの有無を判断するようにしてもよい。
【0140】
以上のように、調整後の追加搬送距離ADに従ってCPU201が搬送モータ93に指示し、搬送ベルト827A,827BによるシートSの搬送を制御することで、シートトレイ800に排出されるシート束の重ね合わせによる定着タッキングの発生を防止することができる。
【0141】
なお、図15および図16の処理のいずれを起動するかは、操作パネル13を介したユーザ操作に基づく指示により決定するようにしてもよい。
【0142】
また、重ね合わせ部数を定着タッキングの有無も考慮して決定することが望ましい。すなわち、ステップS5において、重ね合わせ部数を決定する際には、テーブルTB2を上述のように検索して、定着タッキングが有ると判断した場合には、ステップS5で決定した重ね合わせ部数を少なくする(または重ねず(部数=0)とする)ように調整(更新)し、定着タッキングは無いと判断した場合には、当該調整(更新)処理をパスするようにしてもよい。
【0143】
(変形例)
図18は、本実施の形態に係る搬送速度を決定するための処理フローチャートである。図19は、本実施の形態に係る追加搬送距離を決定するための処理フローチャートである。図18と図19を参照して、本実施の形態に係る変形例を説明する。なお、変形例においても、カール度は、上述した手順と同様にして取得される。
【0144】
上述の図15と図16では、テーブルTB1を検索することにより、搬送速度Vおよび追加搬送距離ADを決定(ステップS21およびS23)したが、テーブルTB1の検索に代替して、図18と図19の処理フローチャートにより決定するようにしてもよい。
【0145】
変形例においては、図18の処理は、ステップS21において実行される。図18を参照して、CPU201は、操作パネル13からの入力に基づき、指定される用紙メディアを判断する(ステップS41)。
【0146】
シートSを“うす紙”と判断すると、搬送速度Vに40mm/secをセッし(ステップS43)、その後、ステップS45の処理に移行する。
【0147】
一方、シートSを“普通紙”と判断すると、予め取得されているカール度を判断する(ステップS49)。カール度は“弱”と判断されると、搬送速度Vに40mm/secがセットされ(ステップS51)、カール度は“強”と判断されると、搬送速度Vに30mm/secがセットされ(ステップS53)、その後、ステップS45の処理に移行する。
【0148】
また、シートSを“厚紙”と判断すると、予め取得されているカール度を判断する(ステップS55)。カール度は“弱”と判断されると、搬送速度Vに30mm/secがセットされ(ステップS57)、カール度は“強”と判断されると、搬送速度Vに20mm/secがセットされ(ステップS59)、その後、ステップS45の処理に移行する。
【0149】
また、シートSを“厚紙(2)”と判断すると、予め取得されているカール度を判断する(ステップS61)。カール度は“弱”と判断されると、搬送速度Vに20mm/secがセットされ(ステップS63)、カール度は“強”と判断されると、搬送速度Vに50mm/secがセットされ(ステップS65)、その後、ステップS45の処理に移行する。
【0150】
ステップS45では、束枚数NBが判断される。束枚数NBは“1”枚と判断されると、搬送速度Vに50mm/secがセットされることにより、更新されるが(ステップS47)、“1”枚より多いと判断されると、ステップS47の処理はパスされて、搬送速度Vは更新されない。その後、処理は元の処理(ステップS23)に移行する。
【0151】
また、変形例においては、図18の処理は、ステップS23において実行される。図19を参照して、CPU201は、操作パネル13からの入力に基づき、シートSについて指定される用紙メディアを判断する(ステップS71)。
【0152】
シートSを“うす紙”と判断すると、追加搬送距離ADに30mmをセットし(ステップS73)、その後、ステップS75の処理に移行する。
【0153】
一方、シートSを“普通紙”と判断すると、追加搬送距離ADに30mmがセットされ(ステップS79)、その後、ステップS75の処理に移行する。
【0154】
また、シートSを“厚紙”と判断すると、予め取得されているカール度を判断する(ステップS81)。カール度は“弱”と判断されると、追加搬送距離ADに30mmがセットされ(ステップS83)、カール度は“強”と判断されると、追加搬送距離ADに50mmがセットされ(ステップS85)、その後、ステップS75の処理に移行する。
【0155】
また、シートSを“厚紙(2)”と判断すると、予め取得されているカール度を判断する(ステップS87)。カール度は“弱”と判断されると、追加搬送距離ADに50mmがセットされ(ステップS89)、カール度は“強”と判断されると、追加搬送距離ADに0mmがセットされ(ステップS91)、その後、ステップS75の処理に移行する。
【0156】
ステップS75では、束枚数NBが判断される。束枚数は“1”枚と判断されると、追加搬送距離ADは0mmがセットされることにより、更新されるが(ステップS77)、“1”枚より多いと判断されると、ステップS77の処理はパスされて、追加搬送距離ADは更新されない。その後、処理は元の処理(ステップS24またはS25)に移行する。
【0157】
図18および図19の処理フローチャートに従えば、テーブルTB1を用いずに、搬送速度Vと追加搬送距離ADを決定することができる。
【0158】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0159】
1A イメージセンサ、2 画像処理部、13 操作パネル、38 シートトレイ入口センサ、39 シートトレイ先端センサ、50折り部、97 搬送ベルトモータ、100 サドル、111 温度センサ、112 湿度センサ、150 メイン制御部、800 シートトレイ、821A ベルト搬送ローラ、827A,827B 搬送ベルト、A 画像形成装置、AD 追加搬送距離、FS 後処理装置、NB 束枚数、PA 組、S シート、TB1,TB2 テーブル、V 搬送速度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の印字によって画像形成された後のシートを処理するシート処理装置であって、
前記画像形成された後の1枚以上のシートを折り込むことによりシート束を生成するシート折り部と、
前記シート折り部により折り込まれた前記シート束を取り出すために積載するシートトレイと、
前記シートトレイを制御する制御部とを備え、
前記シートトレイは、前記シート束を搬送する搬送ベルトを含み、
前記制御部は、
前記搬送ベルトを停止した状態において、前記シート束を所定部数重ね合わせて前記シートトレイに排出し、その後、前記搬送ベルトを所定距離だけ移動させ、
前記制御部は、
前記シート束のシート枚数、前記シートの属性、前記折り込みの態様を指す折りモード、印字の態様を指す印字モード、および前記シート処理装置が設置された環境における温度ならびに湿度に基づき、前記所定部数を決定する、シート処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記搬送ベルトを停止した状態において、前記シート束を重ね合わせて前記シートトレイに排出する過程において所定指示を入力すると、前記搬送ベルトを所定距離だけ移動させる、請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記所定指示は、前記画像形成装置による印字ジョブの切替え指示を指す、請求項2に記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記所定部数重ね合わせられた前記シート束を、前記搬送ベルトの移動により搬送する速度を、前記シート枚数、前記シートの属性、前記折りモード、前記印字モード、および前記温度ならびに前記湿度に基づき決定する、請求項1から3のいずれかに記載のシート処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記シート枚数、前記シートの属性、前記折りモード、前記印字モード、および前記温度ならびに前記湿度に基づき、前記所定距離を決定する、請求項1から4のいずれかに記載のシート処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記シート枚数、前記シートの属性、前記折りモード、前記印字モード、前記温度、前記湿度、前記画像形成装置による連続印字時間、および画像濃度とに基づき、前記所定距離を決定する、請求項1から4のいずれかに記載のシート処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記シート枚数、前記シートの属性、前記折りモード、前記印字モード、前記温度、前記湿度、前記画像形成装置による連続印字時間、および画像濃度とに基づき、前記所定部数を決定する、請求項1から6のいずれかに記載のシート処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−254869(P2012−254869A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129282(P2011−129282)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】