説明

ジヒドロピリジンカルシウムチャネル遮断薬およびHMG−CoA還元酵素阻害剤を含む制御放出性組合せ医薬製剤

本発明は経時治療用組合せ医薬製剤に関し、いわゆる経時治療の原理に基づき予め決定される速度にて組合せ薬物の各成分の放出を制御するよう設計され、薬物が投与されて予め決定された時間間隔にて薬理活性を示す。本発明の製剤は、有効成分としてシトクロムP450酵素およびスタチン(脂質低下剤)に影響を及ぼすジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)を含む。さらに、上記成分のそれぞれの放出速度が制御され、それにより拮抗作用および副作用を防いで上記成分の相互作用をもたらすが、相乗効果を維持し、容易な投薬を提供することができる方法にて製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)およびスタチン(脂質低下剤)を含む、制御放出性経時治療用組合せ医薬製剤に関する。本発明の製剤は、薬物が投与されて一定の時間間隔にて薬理活性を示し、それにより改善された治療効果を供するが副作用を最小化する、いわゆる経時治療(chronotherapy)を用いることにより各成分の放出を予め規定された速度にて制御することができるように設計される。
【背景技術】
【0002】
アテローム性動脈硬化症および高血圧症は、高脂血症および高血圧症を患っている患者において症状をなお一層悪化させ、アテローム性動脈硬化症および高血圧症の両方を同時に治療することによってのみ予防することができる(Hypertens Res 2001; 24: 3-11, Hypertens Res 2003; 26: 1-36, Hypertens Res 2003; 26: 979-990)。
【0003】
従って、降圧剤としての脂質低下剤、スタチンおよびカルシウムチャネル遮断薬の併用の相乗効果について報告された臨床結果がある。Kramschらによれば、アムロジピンおよび脂質低下剤の組合せはアテローム性動脈硬化症についてより良い治療効果を示す(Journal of Human Hypertension (1995) (Suppl.1), 53-59)。Jukemaらはまた、カルシウムチャネル遮断薬および脂質低下剤が組み合わされた場合の相乗効果も立証した(Circulation, 1995 (Suppl.1), 1-197)。
【0004】
典型的なカルシウムチャネル遮断薬、特にジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)としてのアムロジピンとスタチン(脂質低下剤)としてのシンバスタチンとの組合せが最も広く処方されている。
【0005】
アムロジピンは狭心症ならびに高血圧症の治療のための医薬として供されることがよく知られている。シンバスタチンはまた、血管壁に対して脂質低下活性および抗炎症活性を有することもよく知られている。これらの薬物の安全性もまた、よく知られており、処方を必要としない市販用(OTC)薬物として英国のドラッグ・ストアで入手可能である(Cardiology 1992; 80 (Suppl 1): S31-S36, J Cardiovasc Pharmacol 1988; 12 (Suppl 7): S110-S113, Lancet 2000; 356: 359-365, Hypertens Res 2002; 25: 717-725, Hypertens Res 2002; 25: 329-333)。
【0006】
一方、アムロジピンは降圧剤として供され、脂質低下剤との相乗活性によりシンバスタチンの脂質低下活性も増大する。シンバスタチンは脂質低下剤として供され、アムロジピンとの相乗効果により血圧を低下させる活性も有する。上記二の薬物はともに、毎日一回投与され、両薬物の投薬は夕食とともに投与されることが好ましい。
【0007】
典型的なスタチン(脂質低下剤)として、シンバスタチンは以下の特徴を有する。つまり、HMG-CoA還元酵素阻害剤、スタチン(脂質低下剤)は、冠状動脈硬化症、狭心症または心筋梗塞症に起因する心疾患の予防および治療のための最初の選択であることがよく知られている(Lancet 1995; 346: 750-753, Am J Cardiol 1998; 82: 57T-59T, Am J Cardiol 1995; 76: 107C-112C, Hypertens Res 2003; 26: 699-704, Hypertens Res 2003; 26: 273-280.]Br Med Bull 2001; 59: 3-16, Am J Med 1998; 104 (Suppl 1): 6S-8S, Clin Pharmacokinet 2002; 41: 343-370)。
【0008】
さらに、シンバスタチンはスタチン(脂質低下剤)の中で最も頻繁に処方されており、大規模臨床試験を通して冠状動脈硬化症の比率および死亡率を低下させることがよく知られている(Lancet 1994; 344: 1383-1389)。
【0009】
上記活性は、シンバスタチンがHMG-CoA還元酵素を強力に阻害し、これが肝臓におけるコレステロールの合成に重要な役割を果たし、炎症誘発因子も阻害するという事実に起因する(Lancet, 1994, 344, 1383-89に記載の「Scandinavian Simvastatin Survival Study」)。
【0010】
アテローム性動脈硬化症または糖尿病を患う患者は、血管壁にて異常NOシンターゼ(eNOs)を示し、血圧はNO生成の減少により増大する。シンバスタチンなどのスタチン(脂質低下剤)は、e-NOSを正常レベルに増大し、これはまた、脂質低下活性が降圧活性を補助する組合せ処方の効果でもある(Am J Physiol Renal Physiol Vol 281 Issue 5: F802-F809, 2001)。
【0011】
シンバスタチンは脂質低下活性を有する不活性ラクトンであり、肝臓に入った後、活性化形態、シンバスタチン酸に変換される。残りのシンバスタチンはまた、肝臓にてシトクロムP450 3A4による種々の工程を通しても代謝され、いくつかの代謝体は強力な脂質低下活性を示す。
【0012】
シンバスタチンおよびシンバスタチン酸は、シトクロムP450 3A4により代謝され、肝臓にて機能し、肝臓から分泌される(Drug Metab Dispos 1990; 18: 138-145, Drug Metab Dispos 1990; 18: 476-483, Drug Metab Dispos 1997; 25: 1191-1199)。
【0013】
従って、シトクロムP-450 3A4酵素を阻害する薬物との組合せにて用いる場合、シンバスタチンは肝臓にてあまり代謝を受けず、シンバスタチンの血漿濃度が増大し、これは横紋筋融解症などの重篤な副作用を引き起こしうる(Clin Pharmacol Ther 1998; 63: 332-341, Clin Pharmacol Ther 1998; 64: 177-182, Physicians Desk Reference 2006 (Zocor), J Pharmacol Exp Ther 1997; 282: 294-300, Pharmacol Exp Ther 1999; 290: 1116-1125, Life Sci 2004; 76: 281-292)。
【0014】
それゆえ、シトクロムP450 3A4酵素の誘導を阻害するアムロジピンなどの薬物と同じ酵素シトクロムP450 3A4により活性化形態に代謝すべきであるシンバスタチンなどの薬物との併用において、非常に特別に設計された投与を用いるべきである。さらに、肝臓における脂質合成は夕方から非常に活発になるので、スタチンベース薬物は夕方早くに投与するよう勧められている(Arterioscler Thromb 11: 816-826, Clinic Oharmacol Ther 40: 338-343)。
【0015】
典型的なカルシウムチャネル遮断薬、アムロジピンは以下のように知られている。
【0016】
カルシウムチャネル遮断薬は、シンバスタチンとの組合せにて最も頻繁に処方される降圧剤である。特にアムロジピンは、降圧剤、および狭心症などの虚血性冠動脈疾患のための医薬として世界で最も広く処方される(Cardiology 1992; 80 (Suppl 1): S31-S36, J Cardiovasc Pharmacol 1988; 12 (Suppl 7): S110-S113, Lancet 2000; 356: 359-365, Hypertens Res 2002; 25: 717-725, Hypertens Res 2002; 25: 329-333)。
【0017】
シンバスタチンに代表されるスタチン(脂質低下剤)との組合せで本発明にて用いられるアムロジピンは、ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)に属する長時間作用型薬物である(Clin Pharmacokinet 1992; 22: 22-31, Am Heart J 1989; 118: 1100-1103, Hypertens Res 2003; 26: 201-208)。
【0018】
3-エチル-5-メチル-2-(2-アミノエトキシメチル)-4-(2-クロロフェニル)-1,4-ジヒドロ-6-メチル-3,5-ピリジンジカルボキシレートの化学名を有するアムロジピンは、30〜50時間の半減期を有し、比較的長期間活性を示す、非常に有用なカルシウムチャネル遮断薬である(European patent publication No. 89,167 and U.S. patent No. 4,572,909)。アムロジピンはまた、高血圧症の治療用医薬でもあり、これは、カルシウムが血管平滑筋に流出することを防ぎ、末梢動脈の緩和を誘発し、それにより血圧を低下させる。また、アムロジピンは、冠動脈壁の痙攣性収縮により引き起こされる虚血性疾患を治療するために有用な薬物である。
【0019】
単一丸剤の形態にて経口投与される場合、アムロジピンは小腸にて吸収される。次いで、40%より多くは肝臓にて代謝され、残り60%のみが血中に存在し、従って血圧を低下させる活性を十分に発揮する。
【0020】
アムロジピンは24時間活性を継続し、前日の夕方に投与される場合、朝から正午までの時間血圧を低下させる最も強い活性を示す。
【0021】
病態生理学的観点から、日中の高圧増大は、ストレス刺激による血管壁の痙攣により引き起こされる。アムロジピンは血管壁の痙攣性収縮の緩和を引き起こすことにより機能し、日中における血圧を低下させる強力な活性を示す。従って、夕方に投与されるアムロジピンは早朝に最大血漿濃度に達し、朝のストレスの時間中、強力な活性を示す(Hypertens 10(Supp;4) : S136 , Clin Invest 72: 864-869)。
【0022】
シトクロムP450 3A4酵素の存在下、いくつかのアムロジピンは酵素により酸化され、不活性物質に代謝される。しかし、アムロジピンはすぐに、シトクロムP450 3A4酵素の生成を阻害する活性を示す。
【0023】
上記性質により、アムロジピンがシンバスタチンに必要なシトクロムP450 3A4酵素を阻害するので、アムロジピンはシンバスタチンなどのスタチン(脂質低下剤)と併用される場合に一定の時間間隔にて投与されるべきである(Med Chem 1991; 34: 1838-1844, Eur J Clin Pharmacol 2000; 55: 843-852)。
【0024】
アムロジピンおよびシンバスタチンの併用は、上記のような微妙な問題を有するが、そのような問題のない組合せ生成物を製剤化することは今のところ非常に困難である。アムロジピンおよびシンバスタチンの併用の処方は医師により継続的に実践されていることが今日の傾向であるが、投薬のための適当な指示が通常患者に与えられることはめったに見られない。それゆえ、大多数の患者は、シンバスタチンが少なくとも夕方に摂取され、アムロジピンが一定の時間間隔後に摂取されるべきであることを知らない。
【0025】
しかし、上記薬物の併用は、シンバスタチン酸の血漿濃度を約30%だけ増大し、従って副作用を生じさせうる。血圧および脂質の低下における二の薬物の相乗効果を期待することもまた困難である。
【0026】
Shinichiro Nishioらは、高脂血症と高血圧症を患っている二群の患者を比較した実験結果を報告した。一方の群にはアムロジピン単一丸剤およびシンバスタチン単一丸剤を同時に投与し、他方の群にはシンバスタチン単一丸剤のみを投与した(Hypertens Res, 2005, Vol.28, No.3)。
【0027】
実験により、シンバスタチンおよびアムロジピンの同時併用はアムロジピンによりシトクロムP450 3A4酵素を阻害し、シンバスタチンの血漿濃度を30%だけ増大し、副作用の可能性を引き起こす。
第1表
【表1】

【0028】
第1表に示されるように、シンバスタチンのみの投与と比較して、組合せ処方は脂質低下成分の血漿濃度にて30%だけ高かった。にもかかわらず、脂質低下活性は増大しなかった。一定のレベルよりも高い血漿濃度にて、シンバスタチンはコレステロールの生合成を阻害する活性を低下させ、横紋筋融解症などの重篤な副作用を受けるようである。
【0029】
韓国特許番号582347は、スタチンベース成分が同時に24時間放出されるのと同時にアムロジピンが溶解し吸収される、組合せ製剤を開示する。この特許の概念は、本発明の概念に対して完全に反対である。しかし、この製剤(韓国特許番号582347)は、二の薬物成分が最初の溶解時間から肝臓にて同時に混ざり、拮抗する薬物相互作用が起こる;つまり、アムロジピンはシンバスタチンに必要なシトクロムP450 3A4酵素の誘発を阻害するという欠点を明らかに示す。結果として、いくつかのシンバスタチン酸はシトクロムP 450 3A4により完全に代謝される前に肝臓から血液に押し出される。シンバスタチンの血漿濃度の増大は不必要に横紋筋融解症などの副作用をもたらす。
【0030】
韓国特許番号742432は、アムロジピンカンシレートおよびシンバスタチンを含む組合せ製剤、およびその製法を開示する。この特許では、二の成分は同時に、放出され肝臓にて代謝される。そのような製剤は、二の薬物成分が同時に溶解し、吸収され、肝臓に入る、単一組合せ製剤である。それゆえ、アムロジピンは、その活性化および肝臓における完全な代謝のために、シンバスタチンに必要とされるシトクロムP450 3A4の誘発を阻害する。結果として、約30%のシンバスタチンが完全に作用せず肝臓にて代謝されないで、血液中に放出される。そのような不必要に高い濃度のシンバスタチンは、脂質を低下することに寄与しないが、副作用を増大する。そのような単一組合せ製剤の欠点は、本発明にて開示される予備的臨床試験により確認されている。
【0031】
さらにPfizerによる韓国特許公報番号2000-7002144はまた、アムロジピンおよびアトルバスタチンを含む単一製剤であるとして韓国知的財産局により拒絶された。
【0032】
従って、従来技術、すなわち二の成分が同時に吸収されるかまたはアムロジピンがシンバスタチンより最初に吸収されるという点において、アムロジピンおよびスタチンベース薬物特性からなるそのような従来の組合せ製剤の短所を予防することができる、新規な投薬方法または新規な医薬製剤の開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
それゆえ、二の薬物成分の組合せ製剤の欠点、すなわち薬物間の拮抗効果を防ぐことができる、新規な投薬方法または新規な医薬製剤の開発に対する長年にわたる要求がある。
【0034】
結果として、薬物が予め規定された間隔にて溶解しうる薬学的概念を利用することにより、本発明にて薬物間の拮抗効果を克服することができる特別な組合せ医薬製剤を開発した。
【0035】
本発明者らは、上記問題を解決する方法を開発し、臨床的に避けられない組合せ処方の治療的効果を増大する一方で副作用を軽減する広範囲の研究を行った。
【0036】
本明細書の臨床試験は、シンバスタチンに代表されるスタチン(脂質低下剤)、およびアムロジピンに代表されるジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)の経時治療的投与が薬物の同時併用と比較して、著しく改善された治療効果および安全性を有することを示す。
【0037】
本発明は、胃腸管におけるスタチン(脂質低下剤)およびジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)の吸収の時間間隔が必要なものよりも高いスタチン(脂質低下剤)の血漿濃度を阻害し、その種々の関連副作用を防ぐことができることを見出し、ここに組合せ製剤を開発し、それにより最終的に本発明を完成した。
【0038】
本発明の複雑な系の場合、スタチン(脂質低下剤)がまず製剤の投与直後に吸収され、シトクロムP450 3A4酵素により活性化形態に変換され、肝臓にて作用した後、さらにシトクロムP450 3A4により代謝され、胆管を通って除去される。シンバスタチンが肝臓におけるシトクロムP450 3A4酵素により影響されて十分な時間の後、アムロジピンは胃腸管にて吸収される。それゆえ、シンバスタチンはシトクロムP450 3A4の誘発におけるアムロジピンの阻害作用により影響を受け得ない。
【0039】
シンバスタチンが初回通過として肝臓に入り、活性化形態に代謝されて肝臓におけるコレステロール合成を阻害することを考慮して、本発明は、シンバスタチンがその完全な脂質低下活性のために肝臓にて十分とどまるが、一定レベルより高い血漿濃度にて血液に放出されることがないように、組合せ製剤を製剤化するものである。この目的のために、本発明はその特別に設計された制御放出製剤に特徴付けられる。
【0040】
つまり、本発明は、ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)を含む遅延放出部分およびスタチン(脂質低下剤)を含む即時放出部分を有効成分とする製剤を構成し、従ってジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)がスタチンよりも3〜4時間後に小腸にて溶解または吸収されうることにより制御放出成分を制御することに関する。
【0041】
二の薬物成分(カルシウムチャネル遮断薬/スタチン錠剤)の単一に製剤化された組合せ製剤と比較して、ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)およびスタチン(脂質低下剤)を含む本発明の経時治療用組合せ医薬製剤は、はるかに優れた臨床効果および安全性を示すことが期待される。
【0042】
経口投与された場合の本発明の組合せ製剤は、各有効成分の薬剤活性を最大化し、肝臓における二の薬物の拮抗作用を最小化することにより、かつ、時間経過によりその吸収を維持する各薬物成分の放出の制御を通して、二の薬物成分(カルシウムチャネル遮断薬/スタチン)の臨床効果および安全性における相乗効果を提供する。そのような目的のために、本発明の組合せ製剤は、毎日夕方、好ましくは午後5時〜10時に一錠投与されるものである。
【0043】
原則として、薬物は、併用が利益よりも害をもたらす場合、別の薬物と組み合わせて投与すべきではない。
ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)およびスタチン(脂質低下剤)、特にアムロジピンおよびシンバスタチンの組合せ投与の大きな相乗的臨床効果を考慮して、本発明は相乗効果を維持し、シンバスタチンの副作用、例えばミオパシーを解消することにより副作用も除去するものであり、これは二の薬物を単に併用した場合に現れうる。アムロジピンおよびシンバスタチン間のそのような拮抗関係は、各薬物が不必要なシンバスタチン酸が血中に増大するような拮抗的方法にて同じシトクロムP 450 3A4と関連付けられる単純な事実に基づく。
【0044】
それゆえ、本発明は、制御放出性のジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)およびスタチン(脂質低下剤)を含む機能的な経時治療用組合せ医薬製剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0045】
本発明は、有効成分としてのジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)およびスタチン(脂質低下剤)と医薬的に許容される担体とを含む組合せ医薬製剤であって、有効成分としてジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)を含む制御放出部分およびスタチン(脂質低下剤)を含む即時放出部分を含む組合せ医薬製剤に関する。
【発明の効果】
【0046】
本明細書に記載されるように、本発明は、制御放出製剤に経時治療的理論および生体異物理論を適用して薬物動態的および薬力学的効果を最大化し、副作用を最小化するものであり、これは二の薬物を単に併用した場合に起こりうる。
【0047】
本発明の製剤は、有効成分としてスタチン(脂質低下剤)およびジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)を含み、両成分は一方がシトクロムP450酵素に影響され、他方がその酵素に影響されるように、同じシトクロムP450酵素に関連し、上記成分の放出速度が異なり、各薬物の溶解および吸収が制御された方法にて一定の時間間隔で開始されることを特徴とする。
【0048】
結果として、本発明の製剤は、二の薬物が併用される場合よりも慢性循環障害の治療に薬理学的、臨床的、科学的および経済的に有用である。
さらに、本発明の組合せ医薬製剤は、薬物が異なる速度にて放出されることをもたらし、拮抗作用および副作用を防ぐが、薬物の相乗効果を維持する。
さらに、本発明の組合せ医薬製剤は、毎日一回夕方に単位用量にて投与され、投薬および投薬指示の利便性の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】Figure 1は、実施例1で製造されたアムロジピン/シンバスタチン二相マトリックス錠剤および対照薬物(Zocor(登録商標): シンバスタチン単一丸剤, Norvasc(登録商標): アムロジピン単一丸剤)の溶解速度を比較したグラフを示す。
【0050】
【図2】Figure 2は、実施例4および10で製造されたアムロジピン/シンバスタチン組合せ医薬製剤および対照薬物(Zocor(登録商標): シンバスタチン単一丸剤, Norvasc(登録商標): アムロジピン単一丸剤)の溶解速度を比較したグラフを示す。
【0051】
【図3】Figure 3は、実施例11で製造されたアムロジピン/ロバスタチン組合せ医薬製剤および対照薬物(Mevacor(登録商標): ロバスタチン単一丸剤, Norvasc(登録商標): アムロジピン単一丸剤)の溶解速度を比較したグラフを示す。
【0052】
【図4】Figure 4は、実施例13で製造されたアムロジピン/アトルバスタチン組合せ医薬製剤および対照薬物(Lipitor(登録商標): アトルバスタチン単一丸剤, Norvasc(登録商標): アムロジピン単一丸剤)の溶解速度を比較したグラフを示す。
【0053】
【図5】Figure 5は、実施例16で製造されたレルカニジピン/シンバスタチン組合せ医薬製剤および対照薬物(Zocor(登録商標): シンバスタチン単一丸剤, Zanidip(登録商標): レルカニジピン単一丸剤)の溶解速度を比較したグラフを示す。
【0054】
【図6】Figure 6は、実施例18で製造されたラシジピン/シンバスタチン組合せ医薬製剤および対照薬物(Zocor(登録商標): シンバスタチン単一丸剤, Vaxar(登録商標): ラシジピン単一丸剤)の溶解速度を比較したグラフを示す。
【0055】
【図7】Figure 7は、実験群間のシンバスタチン酸の血漿濃度を比較した実験例7における臨床試験の結果を示す。
【0056】
【図8】Figure 8は、実験群間のシンバスタチン酸の血漿濃度を比較した実験例7における臨床試験の結果を示す。
【0057】
【図9】Figure 9は、実験群間のシンバスタチンおよびシンバスタチン酸の血漿濃度を比較した実験例7における臨床試験の結果を示す。
【0058】
【図10】Figure 10は、実験群間のアムロジピンの血漿濃度を比較した実験例7における臨床試験の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下に本発明の詳細な説明を提供する。
本発明は、各成分の放出がいわゆる経時治療および生体異物の原理を適用することにより予め規定された速度まで制御することができるように設計され、薬物の活性が薬物のいずれの拮抗相互作用も伴わずに経時治療的に有効であるように薬物が投与される、経時治療用組合せ医薬製剤に関する。本発明の製剤は、有効成分としてスタチン(脂質低下剤)およびジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)を含み、その両者が一方がシトクロムP450酵素に影響され、他方がその酵素に影響されるように同じシトクロムP450酵素に関連し、上記成分の放出速度が異なり、各薬物の溶解および吸収が制御された方法にて一定の時間間隔で開始され、それにより拮抗作用および副作用を防ぐが、相乗効果を維持し、投薬における利便性を提供することを特徴とする。
【0060】
以下にジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)およびスタチン(脂質低下剤)を含む、本発明による組合せ医薬製剤の詳細な説明を提供する。
【0061】
本発明の組合せ医薬製剤は、有効成分としてジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)およびスタチン(脂質低下剤)を含む。そのようなジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)は、シトクロムP450 3A4の誘発を阻害する物質として知られている。ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)の例としては、アムロジピン、レルカニジピン、ラシジピンおよびその医薬的に許容される塩が挙げられる。好ましくは、アムロジピンまたはその医薬的に許容される塩もしくはその異性体、特にアムロジピンマレエートおよびアムロジピンベシレートは、ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)として用いることができる。好ましい本発明のジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)の日用量は、錠剤(総重量:200〜500 mg)に含まれる、1〜20 mg(65〜75 kgの成人男性体重について)、好ましくは5〜10 mgである。
【0062】
血圧を下げる効果を有するジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)として、本出願は特にアムロジピンを記載する。しかし、本発明はアムロジピンに限定されない。
シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチンおよびその医薬的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも一つは、スタチン(脂質低下剤)として用いることができる。本発明のスタチン(脂質低下剤)の日用量は、錠剤(総重量:200〜500 mg)に含まれる、成人で5〜160 mg、好ましくは5〜80 mgである。
【0063】
スタチン(脂質低下剤)の典型的な例は、シンバスタチンであり、本発明は具体例としてシンバスタチンを記載する。しかし、本発明はシンバスタチンに限定されない。シンバスタチンは不活性物質であるが、エステラーゼにより活性シンバスタチン酸に変化し、さらに肝臓にてシトクロムP450 3A4により活性化形態に変化し、それにより脂質阻害活性を発揮することができる。
【0064】
一方、アムロジピンはシトクロムP450 3A4酵素の誘発を阻害する。それゆえ、アムロジピンおよびシンバスタチンが同時に投与された場合、小腸に急速に吸収されるアムロジピンはシンバスタチンより早く肝臓に達し、それによりシトクロムP450 3A4の誘発を阻害する。従って、その後または同時に肝臓に達するかなりの量のシンバスタチンはシトクロムP450 3A4の代謝活性を受けず、約30%のシンバスタチン(シンバスタチン、シンバスタチン酸など)は、シトクロムP450 3A4により完全に代謝される前に全身血流に入り、肝臓にて活性となることができるか、または胆管を通して排出される。結果として、血中に必要な高濃度のシンバスタチンまたはシンバスタチン酸は、横紋筋融解症などの筋障害を引き起こしうる。
【0065】
上記問題を解決し、アムロジピンが肝臓におけるシンバスタチンの完全な酵素代謝経路を阻害することを防ぐ方法として、本発明は、まずシンバスタチンを放出し、シンバスタチンが小腸によりより早く吸収されるが、制御放出部分アムロジピンがシンバスタチンのものよりも3〜4時間後に肝臓に吸収されることからなる即時放出部分を構成する。
【0066】
本発明の新規組成物は、アムロジピン、その医薬的に許容される塩および所望の添加物を含む制御放出成分、およびシンバスタチンおよび所望の添加物を含む即時放出成分を含み、これらは二の異なる薬物が異なる放出速度を示すように物理的に分離または分割される。さらに、即時放出部分および制御放出部分は種々の形態に製剤化することができる。
【0067】
つまり、新規医薬組成物は、制御放出部分を含む群の中から選択される放出制御物質を用いることにより従来の方法によりコーティングされ、従って得られた即時放出シンバスタチン成分のコーティングされた粒子または顆粒および多成分の粒子または顆粒は錠剤に圧縮されるか、またはカプセルに充填することができる。
【0068】
本発明の制御放出部分は、アムロジピンなどのジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)、およびその放出制御物質として腸溶性ポリマー、水不溶性ポリマー、疎水性化合物、親水性非ポリマー化合物および親水性ポリマーを含む。制御放出部分における放出制御物質は、ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)100重量部に対して10〜500重量部の量にて含むことができる。量が上記範囲以下である場合、放出制御が十分でないことがある。量が該範囲を超える場合、薬物の放出が遅延し、統計的に有意な臨床効果が得られないことがある。
【0069】
腸溶性ポリマーの例としては、ポリビニルアセテートフタレート、メタクリル酸コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セラック、セルロースアセテートフタレート、セルロースプロピオネートフタレート、オイドラギットL、オイドラギットSおよびその混合物を用いてもよいが、これらに限定されない。
【0070】
水不溶性ポリマーの例としては、医薬的に許容されるポリビニルアセテート、ポリ(エチルアクリレート-co-メチルメタクリレート)コポリマーまたはポリ(エチルアクリレート-メチルメタクリレート-トリメチルアミノエチルメタクリレート)コポリマーなどのメタクリル酸コポリマー、エチルセルロース、セルロースアセテートおよびその混合物を用いてもよいが、これらに限定されない。
【0071】
疎水性有機化合物の例としては、脂肪酸および脂肪酸エステル、脂肪酸アルコール、蝋、無機物質およびその混合物を用いてもよいが、これらに限定されない。具体的には、脂肪酸および脂肪酸エステルの例としては、パルミトステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、パルミチン酸セチル、モノオレイン酸グリセリル、ステアリン酸およびその混合物を用いてもよいが、これらに限定されず;脂肪酸アルコールの例としては、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびその混合物が挙げられるが、これらに限定されず;蝋の例としては、カルナウバ蝋、蜜蝋、微結晶蝋およびその混合物が挙げられるが、これらに限定されず;無機物質の例としては、タルク、沈降炭酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、カオリン、ベントナイト、モンモリロナイト、ビーガム(veegum)およびその混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
親水性ポリマーの例としては、サッカリド、セルロース誘導体、ゴム、タンパク質、ポリビニル誘導体、ポリメタクリレートコポリマー、ポリエチレン誘導体、カルボキシビニルポリマーおよびその混合物が挙げられるが、これらに限定されない。具体的には、サッカリドの例としては、デキストリン、ポリデキストリン、デキストラン、ペクチンおよびペクチン誘導体、アルギン酸塩、ポリ(ガラクツロン酸)、キシラン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン、デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、アミラーゼ、アミロペクチンおよびその混合物が挙げられるが、これらに限定されず;セルロース誘導体の例としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシエチルメチルセルロースおよびその混合物が挙げられるが、これらに限定されず;ゴムの例としては、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガカント、カラギナン、アカシアガム、アラビアゴム、ジェランガム、キサンタンゴムおよびその混合物が挙げられるが、これらに限定されず;タンパク質の例としては、ゼラチン、カゼイン、ゼインおよびその混合物が挙げられるが、これらに限定されず;ポリビニル誘導体の例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートおよびその混合物が挙げられるが、これらに限定されず;ポリメタクリレートコポリマーの例としては、ポリ(ブチルメタクリレート、(2-ジメチルアミノエチル)メタクリレート、メチルメタクリレート)コポリマー、ポリ(メタクリル酸、メチルメタクリレート)コポリマー、ポリ(メタクリル酸、エチルアクリレート)コポリマーおよびその混合物が挙げられるが、これらに限定されず;ポリエチレン誘導体の例としては、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシドおよびその混合物が挙げられるが、これらに限定されず;カルボキシビニルポリマーの例としては、カルボマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
本発明の製剤はさらに、本発明の効果が損傷されない量の他の添加物を含むことができる。上記添加物としての医薬的に許容される希釈剤の例としては、デンプン、微結晶性セルロース、ラクトース、グルコース、マンニトール、アルギン酸塩、アルカリ土類金属塩、粘土、ポリエチレングリコールおよび第二リン酸カルシウムが挙げられるが、これらに限定されない。上記添加物としての滑沢剤の例としては、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸アルカリ土類金属型カルシウム、亜鉛など、ラウリル硫酸、硬化植物油、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリンおよびポリエチレングリコール4000が挙げられるが、これらに限定されない。
【0074】
本発明の制御放出部分は、カルシウムチャネル遮断薬としてジヒドロピリジン、放出制御物質および一般に用いられる医学的添加物を混合し、造粒し、またはコーティングすることにより製造される不連続な相の粒子または顆粒から構成される。
本発明の即時放出部分は、有効成分としてシンバスタチンなどのスタチン(脂質低下剤)および医薬的に許容される添加物を用いて混合し、配合し、乾燥し、造粒するなどの経口固体形態の製造のための標準的工程を行うことにより粒子または顆粒に製造することができる。シンバスタチン混合物の流動性が直接圧縮に十分良い場合、混合物を混合して組成物を提供することができるが、流動性が良くない場合、組成物は圧縮、造粒および粉砕により製造され、従って即時放出部分を含む連続的な相を製造させることができる。
【0075】
経口投与用製剤は、制御放出部分および即時放出部分に含まれる成分と医薬的に許容される添加物とを圧縮のために後混合するか、またはカプセルに該成分を充填することにより二相の制御放出部および即時放出部マトリックスを含む。
【0076】
例えば、本発明の製剤は、制御放出部分および即時放出部分の顆粒が充填された、顆粒相、多層錠剤、内核錠剤またはカプセルにより単一丸剤中に分けられた二相マトリックスにて製造することができる。さらに、製剤はまた、アムロジピンを含む制御放出内核錠剤およびシンバスタチンを含む即時放出二重内核錠剤を含有する錠剤にて製造することもできる。
【0077】
しかし、本発明の製剤は、不連続相の制御放出アムロジピンが連続相の即時放出シンバスタチン中に存在する、単一二相マトリックス錠剤に限定されない。
つまり、制御放出部分および即時放出部分に含まれる顆粒を医薬的に許容される添加物と混合し、次いで多層錠剤製造用圧縮機を用いて層が互いに平行である二層または三層錠剤に圧縮することにより、即時放出または制御放出のための層を有する、経口投与用錠剤である。
【0078】
さらに、制御放出部分に含まれる顆粒を医薬的に許容される添加物と混合し圧縮して内核錠剤を提供し、即時放出部分に含まれる顆粒を医薬的に許容される添加物と混合し圧縮することにより、内核として制御放出層および内核を包含する即時放出層の構造を有する経口投与用錠剤である。
【0079】
さらに、二相放出制御が可能な経口投与用カプセル製剤は、制御放出部分および即時放出部分に含まれる顆粒を医薬的に許容される添加物と混合し、カプセルを該混合物で充填することにより得られうる。
【0080】
本明細書の製剤の制御放出部分を構成する医薬添加物の例としては、希釈剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定化剤、着色剤および香料が挙げられる。これらの添加物の好ましい量は、スタチン(脂質低下剤)100重量部に対して100〜3,000重量部である。有効成分および放出制御物質に加えて、本発明の製剤はさらに、本発明の効果を損傷することがないような量のさらなる他の成分を含んでもよい。上記添加物としての医薬的に許容される希釈剤の例としては、デンプン、微結晶性セルロース、ラクトース、グルコース、マンニトール、アルギン酸塩、アルカリ土類金属の塩、粘土、ポリエチレングリコールおよび第二リン酸カルシウムが挙げられるが、これらに限定されない。上記添加物としての結合剤の例としては、デンプン、微結晶性セルロース、高分散シリカ、マンニトール、ラクトース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、天然ゴム、合成ゴム、コポビドンおよびゼラチンが挙げられるが、これらに限定されない。上記添加物としての崩壊剤の例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンおよびプレゼラチン化デンプンなどのデンプンまたは変性デンプン;ベントナイト、モンモリロナイトおよびビーガムなどの粘土;微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどのセルロース;アルギン酸ナトリウムまたはアルギン酸などのアルギン類;クロスカルメロースナトリウムなどの架橋セルロース;グアーガムおよびキサンタンゴムなどのゴム;クロスポビドンなどの架橋ポリマー;および炭酸水素ナトリウムおよびクエン酸などの発泡性製剤が挙げられるが、これらに限定されない。上記添加物としての滑沢剤の例としては、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸アルカリ土類金属型カルシウム、亜鉛など、ラウリル硫酸、硬化植物油、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリンおよびポリエチレングリコール4000が挙げられるが、これらに限定されない。着色剤または香料などの他の医薬的に許容される添加物を用いてもよい。
【0081】
微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウムなどが添加物として本明細書の実施例に用いられるが、本発明は上記添加物に限定されず、添加物の使用は当業者により容易に決定することができる。
製剤は適宜錠剤の表面上にコーティング層を含んでいてもよい。つまり、本発明のアムロジピン/シンバスタチン組合せ医薬製剤は、有効成分のより良い安定性のためにコーティングされない形態またはコーティングされた錠剤に製剤化することができる。
【0082】
コーティング層は、流動床コーティング法、好ましくはパン・コーティング法などの従来法により上記成分を用いて錠剤の表面上に形成させることができる。
コーティング層は、フィルム形成剤、フィルム形成アジュバントまたはその混合物を用いることにより製造することができる。特に、コーティング層は、フィルム形成剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、サッカリド誘導体、ポリビニル誘導体、蝋、脂質、ゼラチンおよびその混合物;フィルム形成アジュバントとしてポリエチレングリコール、エチルセルロース、グリセリド、酸化チタン、ジエチルフタレートおよびその混合物を用いることにより製造することができる。
【0083】
コーティング層は、コーティングされた錠剤の総重量の0.5〜15重量%の量にて含まれることが好ましい。
本発明の組合せ医薬製剤は、有効成分としてアムロジピンおよびシンバスタチンを含む単一組合せ医薬製剤にて製造され、毎日夕方に一回投与することができる。
【0084】
従って、二の薬物を同時に併用した場合または各薬物を時間間隔で別々に投与した場合と比較して、本発明の組合せ医薬製剤は投薬指示が容易という利点を有し、副作用、および薬物間の拮抗作用により引き起こされる有効性の軽減を最小化する利益を提供する。
【0085】
経口投与された場合、本発明の組合せ医薬製剤は、シンバスタチンの即時放出を示し、1時間以内にシンバスタチンの初期量の80%より多くを放出する。アムロジピンの放出は小腸にて十分に制御され、投与後2時間で開始され、投与後3時間までの放出量がアムロジピンの初期量の40%を超えない。シンバスタチンが1時間以内に初期量の90%より多くを放出し、アムロジピンの放出量が投与後3時間まで初期量の30%を超えないことが好ましい。
【0086】
さらに、本発明は臨床試験の結果を開示し、(i)市販のスタチン(脂質低下剤)の単一投与(シンバスタチン20 mg)、(ii)実験群として市販のスタチン(脂質低下剤)および市販のジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)の同時共投与(アムロジピンベシレート5 mg)、(iii)市販のスタチン(脂質低下剤)およびジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)の経時治療的投与の治療効果を比較する。経時治療的投与は、薬物の放出速度が本発明における組合せ製剤と同じであるように設計した。
【0087】
結果として、経時治療群は治療的有効性および安全性において同時共投与群よりも顕著な改善を示し、そのような治療的有効性および安全性は、一部、薬物の血漿濃度における変化に、一部、二の薬物の完全な相乗効果に依存したようであることを確認した。
本発明者らは広範な研究を行い、本発明の組合せ製剤を製剤化する有効な方法を見出した。
【0088】
本発明の組合せ医薬製剤は、高血圧症、アテローム性動脈硬化症、高脂血症、虚血性循環器疾患、発作、虚血性腎疾患などの予防および治療に用いることができる。
【0089】
発明の態様
本発明は以下の実施例によりより具体的に記載する。本明細書の実施例は、本発明を説明することのみ意味するが、本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。
【実施例】
【0090】
実施例1:アムロジピン-シンバスタチン内核錠剤の製造
1)アムロジピン制御放出層の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のアムロジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブで篩いにかけ、二重円錐型ミキサーを用いて混合した。混合物を流動床造粒機(GPCG 1: Glatt)に置き、バインダー溶液(ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水溶液)でスプレーし、顆粒を製造し、乾燥した。顆粒をカルボマー71G粉末と合わせ、二重円錐型ミキサーでステアリン酸マグネシウムと混合した。回転圧縮機(MRC-33: Sejong)を用いて毎分30回転(rpm)の速度にて得られた混合物を圧縮し、硬度7〜9 kp、厚さ3.0 mmおよび直径5.5 mmの錠剤を提供した。
【0091】
2)シンバスタチン層の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のシンバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールをNo. 35シーブで篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解することによりバインダー溶液を調製し、主成分を含む混合物と合わせた。このようにして得られた混合物をNo. 20シーブの発振器を用いて造粒し、スチームドライヤーを用いて60℃にて乾燥し、No. 20シーブで粉砕した。得られた混合物をブチル化ヒドロキシアニソール、デンプングリコール酸ナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素で混合し、二重円錐型ミキサーを用いたステアリン酸マグネシウムで最終的に混合した。
【0092】
3)圧縮およびコーティング
多層錠剤製造用圧縮機(MRC-37: Sejong)を用いて成分を圧縮した。詳細には、シンバスタチンを含む成分を第一電源インレットにインプットし、アムロジピンを含む成分を第二インレットにインプットした。層間取り込みを毎分30回転(rpm)の速度にて最小化することができる条件下、圧縮を行い、硬度7〜9 kp、厚さ6.0 mmおよび直径9.5 mmの錠剤を提供した。Hi-コーター(SFC-30N, Sejong mechanics, Korea)を用いてフィルムコーティング層を圧縮錠剤上に形成させ、従って多層錠剤を製造した。
【0093】
実施例2:アムロジピン-シンバスタチン二相マトリックス錠剤の製造
1)アムロジピン制御放出顆粒の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のアムロジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブで篩いにかけ、混合した。コリコートSR30Dを用いて高速ミキサーにて混合物を混合した。このようにして得られた混合物をNo. 20シーブの発振器を用いて造粒し、スチームドライヤーを用いて60℃にて乾燥し、No. 20シーブの大きさにした。
【0094】
2)シンバスタチン顆粒の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のシンバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールをNo. 35シーブで篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解し、主成分を含む混合物と合わせることによりバインダー溶液を調製した。このようにして得られた混合物をNo. 20シーブの発振器を用いて造粒し、スチームドライヤーを用いて60℃にて乾燥し、No. 20シーブで粉砕し、ブチル化ヒドロキシアニソールと混合した。
【0095】
3)後混合、圧縮およびコーティング
二重円錐型ミキサーを用いて得られた組成物を混合し、デンプングリコール酸ナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素を加え、最終的にステアリン酸マグネシウムと混合した。
回転圧縮機(MRC-33: Sejong)を用いて毎分30回転(rpm)の速度にて最終組成物を圧縮し、硬度7〜9 kp、厚さ6.0 mmおよび直径9.5 mmの錠剤を提供した。Hi-コーター(SFC-30N, Sejong mechanics, Korea)を用いてフィルムコーティング層を圧縮錠剤上に形成させ、従って二相マトリックス錠剤を製造した。
【0096】
実施例3:アムロジピン-シンバスタチン二相マトリックス錠剤の製造
1)アムロジピン制御放出顆粒の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のアムロジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブで篩いにかけ、二重円錐型ミキサーを用いて混合した。混合物を流動床造粒機(GPCG 1: Glatt)に置き、バインダー溶液(ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水溶液)でスプレーし、顆粒を製造した。顆粒を乾燥した後、5重量%のオイドラギットRS POのエタノールおよび塩化メチレンの1:1混合溶液をスプレーすることによりそれらをコーティングした。
【0097】
2)シンバスタチン顆粒の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のシンバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールをNo. 35シーブで篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解し、主成分を含む混合物と合わせることによりバインダー溶液を調製した。このようにして得られた混合物をNo. 20シーブの発振器を用いて造粒し、スチームドライヤーを用いて60℃にて乾燥し、No. 20シーブで粉砕し、ブチル化ヒドロキシアニソールと混合した。
【0098】
3)後混合、圧縮およびコーティング
二重円錐型ミキサーを用いて得られた組成物を混合し、デンプングリコール酸ナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素を加え、高速ミキサーを用いてステアリン酸マグネシウムと混合した。
回転圧縮機(MRC-33: Sejong)を用いて毎分30回転(rpm)の速度にて最終組成物を圧縮し、硬度7〜9 kp、厚さ6.0 mmおよび直径9.5 mmの錠剤を提供した。Hi-コーター(SFC-30N, Sejong mechanics, Korea)を用いてフィルムコーティング層を圧縮錠剤上に形成させ、従って二相マトリックス錠剤を製造した。
【0099】
実施例4:アムロジピン-シンバスタチン多層錠剤の製造
1)アムロジピン制御放出層の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のアムロジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブで篩いにかけ、二重円錐型ミキサーを用いて混合した。混合物をバインダー溶液(ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水溶液)でスプレーし、顆粒を製造した。顆粒を乾燥した後、5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのエタノールおよび塩化メチレンの1:1混合溶液をスプレーすることによりそれらをコーティングした。二重円錐型ミキサーを用いてコーティングされた顆粒をステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0100】
2)シンバスタチン層の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のシンバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールをNo. 35シーブで篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解し、主成分の混合物と合わせることによりバインダー溶液を調製した。このようにして得られた混合物を集め、No. 20シーブの発振器を用いて造粒し、スチームドライヤーを用いて60℃にて乾燥し、No. 20シーブで粉砕した。顆粒をブチル化ヒドロキシアニソール、デンプングリコール酸ナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素と混合し、最終的に二重円錐型ミキサーを用いてステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0101】
3)圧縮およびコーティング
多層錠剤製造用圧縮機(MRC-37: Sejong)を用いて組成物を圧縮した。詳細には、シンバスタチンを含む成分を第一電源インレットにインプットし、アムロジピンを含む成分を第二インレットにインプットした。層間取り込みを毎分30回転(rpm)の速度にて最小化することができる条件下、圧縮を行い、硬度7〜9 kp、厚さ6.0 mmおよび直径9.5 mmの錠剤を提供した。Hi-コーター(SFC-30N, Sejong mechanics, Korea)を用いてフィルムコーティング層を圧縮錠剤上に形成させ、従って多層錠剤を製造した。
【0102】
実施例5:アムロジピン-シンバスタチン二相マトリックス錠剤の製造
1)アムロジピン制御放出顆粒の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のアムロジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブで篩いにかけ、二重円錐型ミキサーを用いて混合した。混合物を流動床造粒機(GPCG 1: Glatt)に置き、バインダー溶液(ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水溶液)でスプレーし、顆粒を製造した。乾燥後、5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのエタノールおよび塩化メチレンの1:1混合溶液をスプレーすることにより顆粒をコーティングした。
【0103】
2)シンバスタチン顆粒の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のシンバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールをNo. 35シーブで篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解することによりバインダー溶液を調製し、主成分の混合物と合わせた。合わせた混合物をNo. 20シーブの発振器を用いて造粒し、スチームドライヤーを用いて60℃にて乾燥し、No. 20シーブで粉砕し、ブチル化ヒドロキシアニソールと混合した。
【0104】
3)後混合、圧縮およびコーティング
二重円錐型ミキサーを用いて得られた組成物を混合し、デンプングリコール酸ナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素を加え、高速ミキサーを用いてステアリン酸マグネシウムと混合した。
回転圧縮機(MRC-33: Sejong)を用いて毎分30回転(rpm)の速度にて最終組成物を圧縮し、硬度7〜9 kp、厚さ6.0 mmおよび直径9.5 mmの錠剤を得た。Hi-コーター(SFC-30N, Sejong mechanics, Korea)を用いてフィルムコーティング層を圧縮錠剤上に形成させ、従って二相マトリックス錠剤を製造した。
【0105】
実施例6:アムロジピン-シンバスタチン多層錠剤の製造
1)アムロジピン制御放出層の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のアムロジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブで篩いにかけ、二重円錐型ミキサーを用いて混合した。混合物をバインダー溶液(ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水溶液)でスプレーし、顆粒を製造した。顆粒は、乾燥させた後、5重量%のオイドラギットRS POのエタノールおよび塩化メチレンの1:1混合溶液をスプレーすることによりコーティングした。二重円錐型ミキサーを用いてコーティングされた顆粒をステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0106】
2)シンバスタチン層の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のシンバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールをNo. 35シーブで篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解することによりバインダー溶液を調製し、高速ミキサー中にて主成分の混合物と合わせた。このようにして得られた混合物をNo. 20シーブの発振器を用いて造粒し、スチームドライヤーを用いて60℃にて乾燥し、No. 20シーブで粉砕した。顆粒をブチル化ヒドロキシアニソール、デンプングリコール酸ナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素と混合し、二重円錐型ミキサーを用いてステアリン酸マグネシウムと最終的に混合した。
【0107】
3)圧縮およびコーティング
多層錠剤製造用圧縮機(MRC-37: Sejong)を用いて組成物を圧縮した。具体的には、シンバスタチンを含む組成物を第一電源インレットにインプットし、アムロジピンを含む組成物を第二インレットにインプットした。中間層取り込みを毎分30回転(rpm)の速度にて最小化することができるような条件下にて圧縮を行い、硬度7〜9 kp、厚さ6.0 mmおよび直径9.5 mmの錠剤を得た。Hi-コーター(SFC-30N, Sejong mechanics, Korea)を用いてフィルムコーティング層を圧縮錠剤上に形成させ、従って多層錠剤を製造した。
【0108】
実施例7:アムロジピン-シンバスタチン内核錠剤の製造
1)アムロジピンコア錠剤の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のアムロジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブで篩いにかけ、二重円錐型ミキサーを用いて混合した。混合物を流動床造粒機(GPCG 1: Glatt)に導入し、バインダー溶液(ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水溶液)でスプレーし、顆粒を製造した。顆粒を乾燥した後、5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのエタノールおよび塩化メチレン1:1混合溶液をスプレーすることによりこれをコーティングした。二重円錐型ミキサーを用いてコーティングされた顆粒をステアリン酸マグネシウムと混合し、毎分30回転の速度(rpm)にて回転圧縮機(MRC-33; Sejong)を用いて圧縮し、硬度7〜9 kp, 厚さ3.0 mmおよび直径5.5 mmの錠剤を得、これをコア錠剤として用いた。
【0109】
2)シンバスタチン層の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のシンバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールをNo. 35シーブで篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解することによりバインダー溶液を調製し、高速ミキサーにて主成分の混合物と合わせた。このようにして得られた混合物をNo. 20シーブの発振器を用いて造粒し、スチームドライヤーを用いて60℃にて乾燥し、No. 20シーブで粉砕した。二重円錐型ミキサーを用いて顆粒をブチル化ヒドロキシアニソールと混合した。
【0110】
3)圧縮およびコーティング
毎分30回転の速度(rpm)にて内核錠剤製造用圧縮機(KUD-1: Kilian)でアムロジピンコア錠剤およびシンバスタチンを含む組成物をそれぞれ内核および外層として用いて圧縮を行い、硬度7〜9 kp、厚さ6.0 mmおよび直径9.5 mmの錠剤を得た。Hi-コーター(SFC-30N, Sejong mechanics, Korea)により内核錠剤を製造した。
【0111】
実施例8:アムロジピン-シンバスタチン内核錠剤の製造
1)アムロジピンコア錠剤の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のアムロジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブで篩いにかけ、二重円錐型ミキサーを用いて混合した。混合物を高速ミキサーに導入し、コリコートSR30Dで合わせ、20シーブの発振器を用いて造粒した。顆粒を乾燥した後、これをNo. 20シーブで粉砕した。二重円錐型ミキサーを用いて大きさを分けた顆粒をステアリン酸マグネシウムと混合し、毎分30回転の速度(rpm)にて回転圧縮機(MRC-33; Sejong)を用いて圧縮し、硬度7〜9 kp, 厚さ3.0 mmおよび直径5.5 mmの錠剤を得、これをコア錠剤として用いた。
【0112】
2)シンバスタチン層の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のシンバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールをNo. 35シーブで篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解することによりバインダー溶液を製造し、高速ミキサーにて主成分の混合物と合わせた。このようにして得られた混合物をNo. 20シーブの発振器を用いて造粒し、スチームドライヤーを用いて60℃にて乾燥し、No. 20シーブで粉砕した。二重円錐型ミキサーを用いて顆粒をブチル化ヒドロキシアニソールと混合した。
【0113】
3)圧縮およびコーティング
内核錠剤製造用圧縮機(KUD-1: Kilian)で毎分30回転の速度(rpm)にて、アムロジピンコア錠剤およびシンバスタチンを含む組成物をそれぞれ内核および外層として用いて圧縮を行い、硬度7〜9 kp、厚さ6.0 mmおよび直径9.5 mmの錠剤を得た。Hi-コーター(SFC-30N, Sejong mechanics, Korea)により、内核錠剤を製造した。
【0114】
実施例9:アムロジピン-シンバスタチン二相カプセルの製造
1)アムロジピン制御放出顆粒の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のアムロジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブで篩いにかけ、二重円錐型ミキサーを用いて混合した。混合物を流動床造粒機(GPCG 1: Glatt)に導入し、バインダー溶液(ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水溶液)によりスプレーすることにより造粒し、乾燥した。ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートをエタノールおよび塩化メチレンの1:1混合溶液に溶解することにより調製した5重量%溶液をスプレーすることにより顆粒をコーティングした。
【0115】
2)シンバスタチン顆粒の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のシンバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールををNo. 35シーブで篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解することにより調製したバインダー溶液を高速ミキサーにて主成分の混合物と合わせ、No. 20シーブの発振器を用いて造粒した。スチームドライヤーを用いて60℃にて顆粒を乾燥し、No. 20シーブで粉砕した。大きさを分けた顆粒をブチル化ヒドロキシアニソールと混合し、二重円錐型ミキサーを用いて最終的に混合した。
【0116】
3)圧縮およびコーティング
上記工程1)および2)にて製造して得られた組成物を二重円錐型ミキサーを用いて混合し、デンプングリコール酸ナトリウムを加えた。二重円錐型ミキサーを用いて混合物を混合し、さらにコロイド状二酸化ケイ素と混合し、ステアリン酸マグネシウムと最終的に混合した。得られた混合物を粉末吸入口に導入し、カプセル充填機を用いて充填した。
【0117】
実施例10:アムロジピン-シンバスタチン二相カプセルの製造
1)アムロジピン制御放出顆粒の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のアムロジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブを用いて篩いにかけ、二重円錐型ミキサーを用いて混合した。混合物を流動床造粒機(GPCG 1: Glatt)に導入し、コリコートSR30Dをスプレーすることにより造粒し、乾燥した。
【0118】
2)シンバスタチン顆粒の製造
第2表に示されるように、予め定められた量のシンバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールをNo. 35シーブを用いて篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解することにより調製したバインダー溶液を高速ミキサーにて主成分の混合物と合わせ、No. 20シーブの発振器を用いて造粒した。スチームドライヤーを用いて60℃にて顆粒を乾燥し、No. 20シーブで粉砕した。大きさを分けた顆粒を最終的にブチル化ヒドロキシアニソールと混合した。
【0119】
3)圧縮およびコーティング
上記工程1)および2)にて製造して得られた組成物を二重円錐型ミキサーを用いて混合し、デンプングリコール酸ナトリウムを加えた。二重円錐型ミキサーを用いて混合物を混合し、さらに二重円錐型ミキサーを用いてコロイド状二酸化ケイ素と混合し、最終的にステアリン酸マグネシウムと混合した。得られた混合物を粉末吸入口に導入し、カプセル充填機を用いて充填した。
【0120】
実施例11:アムロジピン-ロバスタチン多層錠剤の製造
1)アムロジピン制御放出層の製造
第3表に示されるように、予め定められた量のアムロジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブで篩いにかけ、二重円錐型ミキサーを用いて混合した。混合物を流動床造粒機(GPCG 1: Glatt)に導入し、バインダー溶液(ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水溶液)をスプレーすることにより造粒し、乾燥した。ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートをエタノールおよび塩化メチレンの1:1混合溶液に溶解することにより調製した5重量%溶液をスプレーすることにより顆粒を製造し、二重円錐型ミキサーを用いて最終的にステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0121】
2)ロバスタチン層の製造
第3表に示されるように、予め定められた量のロバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールをNo. 35シーブで篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解することにより調製したバインダー溶液を高速ミキサーにて主成分の混合物と合わせ、No. 20シーブの発振器を用いて造粒した。スチームドライヤーを用いて60℃にて顆粒を乾燥し、No. 20シーブで粉砕した。大きさを分けた顆粒をブチル化ヒドロキシアニソール、デンプングリコール酸ナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素と混合し、二重円錐型ミキサーを用いて最終的にステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0122】
3)圧縮およびコーティング
多層錠剤製造用圧縮機(MRC-37T: Sejong)を用いて圧縮を行った。具体的には、シンバスタチンを含む組成物を第一電源インレットにインプットし、アムロジピンを含む組成物を第二インレットにインプットした。中間層取り込みを毎分30回転(rpm)の速度にて最小化することができる条件下にて圧縮を行い、硬度7〜9 kp、厚さ6.0 mmおよび直径9.5 mmの錠剤を得た。Hi-コーター(SFC-30N, Sejong mechanics, Korea)を用いてフィルムコーティング層を圧縮錠剤上に形成させ、従って多層錠剤を製造した。
【0123】
実施例12:アムロジピン-ロバスタチン多層錠剤の製造
1)アムロジピン制御放出層の製造
第3表に示されるように、予め定められた量のアムロジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブで篩いにかけ、二重円錐型ミキサーを用いて混合した。混合物を高速ミキサーに導入し、コリコートSR30Dを加えることにより合わせ、No. 20シーブの発振器を用いて造粒した。スチームドライヤーを用いて60℃にて顆粒を乾燥し、No. 20シーブで平らにした。二重円錐型ミキサーを用いて最終的に大きさを分けた顆粒をステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0124】
2)ロバスタチン層の製造
第3表に示されるように、予め定められた量のロバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールをNo. 35シーブで篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解することにより調製したバインダー溶液を高速ミキサーにて主成分の混合物と合わせ、No. 20シーブの発振器を用いて造粒した。スチームドライヤーを用いて60℃にて顆粒を乾燥し、No. 20シーブで粉砕した。大きさを分けた顆粒をブチル化ヒドロキシアニソール、デンプングリコール酸ナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素と混合し、二重円錐型ミキサーを用いて最終的にステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0125】
3)圧縮およびコーティング
多層錠剤製造用圧縮機(MRC-37T: Sejong)を用いて圧縮を行った。具体的には、ロバスタチンを含む組成物を第一電源インレットにインプットし、アムロジピンを含む組成物を第二インレットにインプットした。中間層取り込みを毎分30回転(rpm)の速度にて最小化することができる条件下にて圧縮を行い、硬度7〜9 kp、厚さ6.0 mmおよび直径9.5 mmの錠剤を得た。Hi-コーター(SFC-30N, Sejong mechanics, Korea)を用いてフィルムコーティング層を圧縮錠剤上に形成させ、従って多層錠剤を製造した。
【0126】
実施例13:アムロジピン-アトルバスタチン多層錠剤の製造
1)アムロジピン制御放出層の製造
第3表に示されるように、予め定められた量のアムロジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブで篩いにかけ、二重円錐型ミキサーを用いて混合した。混合物を流動床造粒機(GPCG 1: Glatt)に導入し、バインダー溶液(ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水溶液)をスプレーすることにより造粒し、乾燥した。ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートをエタノールおよび塩化メチレンの1:1混合溶液に溶解することにより調製した5重量%溶液をスプレーすることにより顆粒をコーティングした。二重円錐型ミキサーを用いてコーティングした顆粒を最終的にステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0127】
2)アトルバスタチン層の製造
第3表に示されるように、予め定められた量のアトルバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールをNo. 35シーブで篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解することにより調製したバインダー溶液を高速ミキサーにて主成分の混合物と合わせ、No. 20シーブの発振器を用いて造粒した。スチームドライヤーを用いて顆粒を60℃にて乾燥し、No. 20シーブで粉砕した。大きさを分けた顆粒をブチル化ヒドロキシアニソール、デンプングリコール酸ナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素と混合し、二重円錐型ミキサーを用いて最終的にステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0128】
3)圧縮およびコーティング
多層錠剤製造用圧縮機(MRC-37T: Sejong)を用いて圧縮を行った。具体的には、アトルバスタチンを含む組成物を第一電源インレットにインプットし、アムロジピンを含む組成物を第二インレットにインプットした。中間層取り込みを毎分30回転(rpm)の速度にて最小化することができる条件下にて圧縮を行い、硬度7〜9 kp、厚さ6.0 mmおよび直径9.5 mmの錠剤を得た。Hi-コーター(SFC-30N, Sejong mechanics, Korea)を用いてフィルムコーティング層を圧縮錠剤上に形成し、従って多層錠剤を製造した。
【0129】
実施例14:アムロジピン-アトルバスタチン多層錠剤の製造
1)アムロジピン制御放出層の製造
第3表に示されるように、予め定められた量のアムロジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブで篩いにかけ、二重円錐型ミキサーを用いて混合した。混合物を高速ミキサーに導入し、コリコートSR30Dを加えることにより合わせ、No. 20シーブの発振器を用いて造粒した。スチームドライヤーを用いて60℃にて顆粒を乾燥し、No. 20シーブで粉砕した。二重円錐型ミキサーを用いて大きさを分けた顆粒をステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0130】
2)アトルバスタチン層の製造
第3表に示されるように、予め定められた量のアトルバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールをNo. 35シーブで篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解することにより調製したバインダー溶液を高速ミキサーにて主成分の混合物と合わせ、No. 20シーブの発振器を用いて造粒した。スチームドライヤーを用いて顆粒を60℃にて乾燥し、No. 20シーブで粉砕した。ブチル化ヒドロキシアニソール、デンプングリコール酸ナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素二重円錐型ミキサーを用いて大きさを分けた顆粒を最終的にステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0131】
3)圧縮およびコーティング
多層錠剤製造用圧縮機(MRC-37T: Sejong)を用いて圧縮を行った。具体的には、アトルバスタチンを含む組成物を第一電源インレットにインプットし、アムロジピンを含む組成物を第二インレットにインプットした。中間層取り込みを毎分30回転(rpm)の速度にて最小化することができる条件下にて圧縮を行い、硬度7〜9 kp、厚さ6.0 mmおよび直径9.5 mmの錠剤を得た。Hi-コーター(SFC-30N, Sejong mechanics, Korea)を用いてフィルムコーティング層を圧縮錠剤上に形成し、従って多層制御放出錠剤を製造した。
【0132】
実施例15:アムロジピン-アトルバスタチン内核錠剤の製造
1)アムロジピンコア錠剤の製造
第3表に示されるように、予め定められた量のアムロジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブで篩いにかけ、二重円錐型ミキサーを用いて混合した。混合物を流動床造粒機(GPCG 1: Glatt)に導入し、バインダー溶液(ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水溶液)をスプレーすることにより造粒し、乾燥した。顆粒をカルボマー71G粉末と混合し、二重円錐型ミキサーを用いてステアリン酸マグネシウムと混合した。得られた混合物を回転圧縮機(MRC-33: Sejong)を用いて毎分30回転(rpm)の速度にて圧縮し、硬度7〜9 kp、厚さ3.0 mmおよび直径5.5 mmの錠剤を得た。これらの錠剤をコア錠剤として用いた。
【0133】
2)アトルバスタチン層の製造
第3表に示されるように、予め定められた量のアトルバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールをNo. 35シーブで篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解することにより調製したバインダー溶液を高速ミキサーにて主成分の混合物と合わせ、No. 20シーブの発振器を用いて造粒した。スチームドライヤーを用いて60℃にて顆粒を乾燥し、No. 20シーブで粉砕した。大きさを分けた顆粒をブチル化ヒドロキシアニソール、デンプングリコール酸ナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素と混合し、二重円錐型ミキサーを用いて最終的にステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0134】
3)圧縮およびコーティング
アムロジピンコア錠剤およびアトルバスタチンを含む組成物をそれぞれ内核および外層として用いることにより、内核錠剤製造用圧縮機(RUD-1: Kilian)で内核錠剤を製造した。毎分30回転(rpm)の速度にて圧縮を行い、硬度7〜9 kp、厚さ6.0 mmおよび直径9.5 mmの錠剤を得た。Hi-コーター(SFC-30N, Sejong mechanics, Korea)を用いてフィルムコーティング層を圧縮錠剤上に形成させた。
【0135】
実施例16:レルカニジピン-シンバスタチン多層錠剤の製造
1)レルカニジピン制御放出層の製造
第3表に示されるように、予め定められた量のレルカニジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブで篩いにかけ、二重円錐型ミキサーを用いて混合した。混合物を流動床造粒機(GPCG 1: Glatt)に置き、バインダー溶液(ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水溶液)でスプレーし、顆粒を製造し、乾燥した。ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートをエタノールおよび塩化メチレンの1:1混合溶液に溶解することにより調製した5重量%溶液をスプレーすることにより顆粒をコーティングした。二重円錐型ミキサーを用いてコーティングされた顆粒を最終的にステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0136】
2)シンバスタチン層の製造
第3表に示されるように、予め定められた量のシンバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールをNo. 35シーブで篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解することにより調製したバインダー溶液を高速ミキサーにて主成分の混合物と合わせ、No. 20シーブの発振器を用いて造粒した。スチームドライヤーを用いて60℃にて顆粒を乾燥し、No. 20シーブで粉砕した。大きさを分けた顆粒をブチル化ヒドロキシアニソール、デンプングリコール酸ナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素と混合し、二重円錐型ミキサーを用いて最終的にステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0137】
3)圧縮およびコーティング
多層錠剤製造用圧縮機(MRC-37T: Sejong)を用いて圧縮を行った。具体的には、シンバスタチンを含む組成物を第一粉末吸入口に導入した後、レルカニジピンを含む組成物を第二粉末吸入口に導入した。中間層取り込みを毎分30回転(rpm)の速度にて最小化することができる条件下にて圧縮を行い、硬度7〜9 kp、厚さ6.0 mmおよび直径9.5 mmの錠剤を得た。Hi-コーター(SFC-30N, Sejong mechanics, Korea)を用いてフィルムコーティング層を圧縮錠剤上に形成させ、従って多層錠剤を製造した。
【0138】
実施例17:レルカニジピン-シンバスタチン多層錠剤の製造
1)レルカニジピン制御放出層の製造
第3表に示されるように、予め定められた量のレルカニジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブで篩いにかけ、二重円錐型ミキサーを用いて混合した。混合物を高速ミキサーに導入し、コリコートSR30Dを加えることにより合わせ、No. 20シーブの発振器を用いて造粒した。スチームドライヤーを用いて60℃にて顆粒を乾燥し、No. 20シーブで粉砕した。二重円錐型ミキサーを用いて大きさを分けた顆粒をステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0139】
2)シンバスタチン層の製造
第3表に示されるように、予め定められた量のシンバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールをNo. 35シーブで篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解することにより調製したバインダー溶液を高速ミキサーにて主成分の混合物と合わせ、No. 20シーブの発振器を用いて造粒した。スチームドライヤーを用いて60℃にて顆粒を乾燥し、No. 20シーブで粉砕した。大きさを分けた顆粒をブチル化ヒドロキシアニソール、デンプングリコール酸ナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素と混合し、二重円錐型ミキサーを用いて最終的にステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0140】
3)圧縮およびコーティング
多層錠剤製造用圧縮機(MRC-37T: Sejong)を用いて圧縮を行った。具体的には、シンバスタチンを含む組成物を第一粉末吸入口に導入し、ラシジピンを含む組成物を第二粉末吸入口に導入した。中間層取り込みを毎分30回転(rpm)の速度にて最小化することができる条件下にて圧縮を行い、硬度7〜9 kp、厚さ6.0 mmおよび直径9.5 mmの錠剤を得た。Hi-コーター(SFC-30N, Sejong mechanics, Korea)を用いてフィルムコーティング層を圧縮錠剤上に形成させ、従って多層錠剤を製造した。
【0141】
実施例18:ラシジピン-シンバスタチン多層錠剤の製造
1)ラシジピン制御放出層の製造
第3表に示されるように、予め定められた量のラシジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブで篩いにかけ、二重円錐型ミキサーを用いて混合した。混合物を流動床造粒機(GPCG 1: Glatt)に導入し、バインダー溶液(ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水溶液)をスプレーすることにより造粒し、乾燥した。ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートをエタノールおよび塩化メチレンの1:1混合溶液に溶解することにより調製した5重量%溶液をスプレーすることにより顆粒をコーティングし、二重円錐型ミキサーを用いて最終的にステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0142】
2)シンバスタチン層の製造
第3表に示されるように、予め定められた量のシンバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールをNo. 35シーブで篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解することにより調製したバインダー溶液を高速ミキサーにて主成分の混合物と合わせ、No. 20シーブの発振器を用いて造粒した。スチームドライヤーを用いて60℃にて顆粒を乾燥し、No. 20シーブで粉砕した。大きさを分けた顆粒をブチル化ヒドロキシアニソール、デンプングリコール酸ナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素と混合し、二重円錐型ミキサーを用いて最終的にステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0143】
3)圧縮およびコーティング
多層錠剤製造用圧縮機(MRC-37T: Sejong)を用いて圧縮を行った。具体的には、シンバスタチンを含む組成物を第一粉末吸入口に導入し、ラシジピンを含む組成物を第二粉末吸入口に導入した。中間層取り込みを毎分30回転(rpm)の速度にて最小化することができる条件下にて圧縮を行い、硬度7〜9 kp、厚さ6.0 mmおよび直径9.5 mmの錠剤を得た。Hi-コーター(SFC-30N, Sejong mechanics, Korea)を用いてフィルムコーティング層を圧縮錠剤上に形成させ、従って多層錠剤を製造した。
【0144】
実施例19:ラシジピン-シンバスタチン多層錠剤の製造
1)ラシジピン制御放出層の製造
第3表に示されるように、予め定められた量のラシジピンおよび微結晶性セルロースをNo. 35シーブで篩いにかけ、二重円錐型ミキサーを用いて混合した。混合物を高速ミキサーにてコリコートSR30Dを用いて混合した。このようにして得られた混合物をNo. 20シーブの発振器を用いて造粒し、スチームドライヤーを用いて60℃にて乾燥し、No. 20シーブで大きさを分けた。二重円錐型ミキサーを用いてコーティングされた顆粒をステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0145】
2)シンバスタチン層の製造
第3表に示されるように、予め定められた量のシンバスタチン、微結晶性セルロースおよびマンニトールをNo. 35シーブで篩いにかけ、高速ミキサーを用いて混合した。ヒドロキシプロピルセルロースおよびクエン酸を水に溶解し、主成分の混合物と合わせることによりバインダー溶液を調製した。このようにして得られた混合物を合わせ、No. 20シーブの発振器を用いて造粒し、スチームドライヤーを用いて60℃にて乾燥し、No. 20シーブで粉砕した。顆粒をブチル化ヒドロキシアニソール、デンプングリコール酸ナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素と混合し、二重円錐型ミキサーを用いて最終的にステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0146】
3)圧縮およびコーティング
多層錠剤製造用圧縮機(MRC-37: Sejong)を用いて組成物を圧縮した。具体的には、シンバスタチンを含む組成物を第一電源インレットにインプットし、アムロジピンを含む組成物を第二インレットにインプットした。中間層取り込みを毎分30回転(rpm)の速度にて最小化することができる条件下にて圧縮を行い、硬度7〜9 kp、厚さ6.0 mmおよび直径9.5 mmの錠剤を得た。Hi-コーター(SFC-30N, Sejong mechanics, Korea)を用いてフィルムコーティング層を圧縮錠剤上に形成させ、従って多層錠剤を製造した。
【0147】
第2表
【表2】



【0148】
第3表
【表3】



【0149】
実験例1:比較溶解プロファイル試験
実施例1にて製造されたアムロジピン/シンバスタチン二相マトリックス錠剤および対照薬物(Zocor(登録商標): シンバスタチン単一丸剤, MSD, Norvasc(登録商標): アムロジピン単一丸剤, Pfizer)を用いて比較溶解プロファイル試験を行った。アムロジピン成分の溶解プロファイル試験の場合、溶解溶液を2時間後に人工胃液から人工腸液に変えた。各成分の溶解プロファイル試験の具体的な工程を以下に記載し、結果をFigure 1に示す。
【0150】
溶解プロファイル試験を以下に記載の条件下、本発明の二相マトリックス錠剤にて行った場合、シンバスタチン成分は対照薬物(Zocor(登録商標))のものと比べてほぼ等しい溶解挙動を示したが、アムロジピン成分は対照薬物(Norvasc(登録商標))のものと比べて非常に遅い溶解速度を示した。本発明のアムロジピン/シンバスタチン二相マトリックス錠剤の場合、アムロジピン成分の溶解速度は試験を開始して1時間後にすべて50%以内であり、これは対照薬物のもの(約99%)よりもはるかに低かった。
【0151】
上記のように、本発明のアムロジピン/シンバスタチン二相マトリックス錠剤にて、アムロジピンは制御薬物(すなわちアムロジピン単一丸剤)と異なりシンバスタチンよりもはるかに低い初期溶解速度を示し、従って本発明のアムロジピン/シンバスタチン二相マトリックス錠剤はシンバスタチンより先に肝臓にて代謝を受ける可能性が低い。
【0152】
アムロジピンについての試験方法
韓国薬局方(第8版)に記載の一般的溶解試験方法に基づく
試験方法: パドル法, 75 rpm
溶解溶液: 0.01M塩酸, 750 mL
分析法: 紫外・可視分光分析(検出波長=最大240 nm)
【0153】
シンバスタチンについての試験方法
USP XXIXの「シンバスタチン錠剤」部に基づく
試験方法: パドル法, 50 rpm
溶解溶液: pH=7.0緩衝溶液(界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム0.5% wt/wtを含む0.01M第一リン酸ナトリウム溶液), 900 mL
分析法: 紫外・可視分光分析(検出波長=最大247 nmおよび最小257 nm)
【0154】
実験例2:比較溶解プロファイル試験
実施例4および10にて製造されたアムロジピン/シンバスタチン組合せ医薬製剤および対照薬物(Zocor(登録商標): シンバスタチン単一丸剤, Norvasc(登録商標): アムロジピン単一丸剤)を用いて比較溶解プロファイル試験を行った。シンバスタチンおよびアムロジピンの溶解挙動を以下に記載のように観察し、アムロジピン成分の溶解プロファイル試験の場合、2時間後に溶解溶液を人工胃液から人工腸液に変えた。各成分の溶解プロファイル試験の具体的な工程を以下に記載し、結果をFigure 2に示す。
【0155】
溶解プロファイル試験を以下に記載の条件下、実施例4および10にて行った場合、シンバスタチン成分は対照薬物(Zocor(登録商標))のものと比較してほぼ等しい溶解挙動を示したが、アムロジピン成分は対照薬物(Norvasc(登録商標))のものと比較して非常に遅い溶解速度を示した。本発明のアムロジピン/シンバスタチン多層錠剤の場合、アムロジピン成分の溶解速度は試験を開始して1時間後まですべて50%以内であり、これは対照薬物のもの(約99%)よりはるかに低かった。
【0156】
上記のように、本発明のアムロジピン/シンバスタチン多層錠剤にて、アムロジピンは制御薬物(すなわちアムロジピン単一丸剤)と異なりシンバスタチンよりもはるかに低い初期溶解速度を示し、従って本発明のアムロジピン/シンバスタチン多層錠剤はシンバスタチンより先に肝臓にて代謝を受ける可能性が低い。
【0157】
アムロジピンについての試験方法
韓国薬局方(第8版)に記載の一般的溶解試験方法に基づく
試験方法: パドル法, 75 rpm
溶解溶液: 0.01M塩酸, 750 mL
分析法: 紫外・可視分光分析(検出波長=最大240 nm)
【0158】
シンバスタチンについての試験方法
USP XXIXの「シンバスタチン錠剤」部に基づく
試験方法: パドル法, 50 rpm
溶解溶液: pH=7.0緩衝溶液(界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム0.5% wt/wtを含む0.01M第一リン酸ナトリウム溶液), 900 mL
分析法: 紫外・可視分光分析(検出波長=最大247 nmおよび最小257 nm)
【0159】
実験例3:比較溶解プロファイル試験
実施例11にて製造されたアムロジピン/ロバスタチン組合せ医薬製剤および対照薬物(Mevacor(登録商標): ロバスタチン単一丸剤, Norvasc(登録商標): アムロジピン単一丸剤, Pfizer)を用いて比較溶解プロファイル試験を行った。アムロジピン成分の溶解プロファイル試験の場合、溶解溶液を2時間後に人工胃液から人工腸液に変えた。各成分の溶解プロファイル試験の具体的な工程を以下に記載し、結果をFigure 3に示す。
【0160】
以下に記載の条件下、溶解プロファイル試験を実施例11にて行った場合、ロバスタチン成分は対照薬物(Mevacor(登録商標))のものと比較してほぼ等しい溶解挙動を示したが、アムロジピン成分は対照薬物(Norvasc(登録商標))のものと比較して非常に遅い溶解速度を示した。本発明のアムロジピン/ロバスタチン多層錠剤の場合、アムロジピン成分の溶解速度は試験を開始して1時間後まですべて50%以内であり、これは対照薬物のもの(約99%)よりはるかに低かった。
【0161】
上記のように、本発明のアムロジピン/ロバスタチン多層錠剤にて、アムロジピンは制御薬物(すなわちアムロジピン単一丸剤)と異なりロバスタチンのものよりもはるかに低い初期溶解速度を示し、従って本発明のアムロジピン/ロバスタチン多層錠剤はロバスタチンより先に肝臓にて代謝を受ける可能性が低い。
【0162】
アムロジピンについての試験方法
韓国薬局方(第8版)に記載の一般的溶解試験方法に基づく
試験方法: パドル法, 75 rpm
溶解溶液: 0.01M塩酸, 750 mL
分析法: 紫外・可視分光分析(検出波長=最大240 nm)
【0163】
ロバスタチンについての試験方法
USP XXIXの「ロバスタチン錠剤」部に基づく
試験方法: パドル法, 50 rpm
溶解溶液: pH=7.0緩衝溶液(界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム2.0% wt/wtを含む0.01M第一リン酸ナトリウム溶液), 900 mL
分析法: 高速液体クロマトグラフィー
検出波長: 230 nm
移動相: アセトニトリル:0.02M第一リン酸ナトリウム緩衝溶液(pH=4.0):メタノール=5:3:1
カラム: 4.6 mm(内径)および250 mm(長さ)のステンレス鋼チューブにパックされたオクタデシルシリルシリカゲル
流速: 1.5 mL/分
【0164】
実験例4:比較溶解プロファイル試験
実施例13にて製造されたアムロジピン/アトルバスタチン組合せ医薬製剤および対照薬物(Lipitor(登録商標): アトルバスタチン単一丸剤, Norvasc: アムロジピン単一丸剤, Pfizer)を用いて比較溶解プロファイル試験を行った。アムロジピン成分の溶解プロファイル試験の場合、溶解溶液を2時間後に人工胃液から人工腸液に変えた。各成分の溶解プロファイル試験の具体的な工程を以下に記載し、結果をFigure 4にて示す。
【0165】
以下に記載の条件下、実施例13にて溶解プロファイル試験を行った場合、アトルバスタチン成分は対照薬物(Lipitor(登録商標))のものと比較してほぼ等しい溶解挙動を示したが、アムロジピン成分は対照薬物(Norvasc(登録商標))のものと比較して非常に遅い溶解速度を示した。本発明のアムロジピン/アトルバスタチン多層錠剤の場合、アムロジピン成分の溶解速度は試験を開始して1時間後まですべて50%以内であり、これは対照薬物のもの(約99%)よりもはるかに低かった。
【0166】
上記のように、本発明のアムロジピン/アトルバスタチン多層錠剤にて、アムロジピンは制御薬物(すなわちアムロジピン単一丸剤)と異なり、アトルバスタチンよりもはるかに低い初期溶解速度を示し、従って本発明のアムロジピン/アトルバスタチン多層錠剤はアトルバスタチンより先に肝臓にて代謝を受ける可能性が低い。
【0167】
アムロジピンについての試験方法
韓国薬局方(第8版)に記載の一般的溶解試験方法に基づく
試験方法: パドル法, 75 rpm
溶解溶液: 0.01M塩酸, 750 mL
分析法: 紫外・可視分光分析(検出波長=最大240 nm)
【0168】
アトルバスタチンについての試験方法
韓国薬局方(第8版)に記載の一般的溶解試験方法に基づく
試験方法: パドル法, 50 rpm
溶解溶液: pH=7.0緩衝溶液(界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム2% wt/wtを含む0.01M第一リン酸ナトリウム溶液), 900 mL
分析法: 高速液体クロマトグラフィー
検出波長: 247 nm
移動相: メタノール:0.025M第一リン酸ナトリウム緩衝溶液(pH=4.0):メタノール=67:33(pH=4.0)
カラム: 4.6 mm(内径)および250 mm(長さ)のステンレス鋼チューブにパックされたオクタデシルシリルシリカゲル
流速: 1.5 mL/分
【0169】
実験例5:比較溶解プロファイル試験
実施例16にて製造したレルカニジピン/シンバスタチン組合せ医薬製剤および対照薬物(Zocor(登録商標): シンバスタチン単一丸剤, Zanidip(登録商標): レルカニジピン単一丸剤, LG Life Sciences Ltd.)を用いて比較溶解プロファイル試験を行った。レルカニジピン成分の溶解プロファイル試験の場合、溶解溶液を2時間後に人工胃液から人工腸液に変えた。各成分の溶解プロファイル試験の具体的な工程を以下に記載し、結果をFigure 5に示す。
【0170】
以下に記載の条件下、実施例16にて溶解プロファイル試験を行った場合、シンバスタチン成分は対照薬物(Zocor(登録商標))のものと比較してほぼ等しい溶解挙動を示したが、レルカニジピン成分は対照薬物(Zanidip(登録商標))のものと比較して非常に遅い溶解速度を示した。本発明のレルカニジピン/シンバスタチン多層錠剤の場合、レルカニジピン成分の溶解速度は試験を開始して1時間後まですべて50%以内であり、これは対照薬物のもの(約99%)よりもはるかに低かった。
【0171】
上記のように、本発明のレルカニジピン/シンバスタチン多層錠剤にて、レルカニジピンは制御薬物(すなわちレルカニジピン単一丸剤)と異なり、シンバスタチンよりもはるかに低い初期溶解速度を示し、従って本発明のレルカニジピン/シンバスタチン多層錠剤はシンバスタチンより先に肝臓にて代謝を受ける可能性が低い。
【0172】
レルカニジピンについての試験方法
韓国薬局方(第8版)に記載の一般的溶解試験方法に基づく
試験方法: パドル法, 75 rpm
溶解溶液: 0.01M塩酸, 750 mL
分析法: 高速液体クロマトグラフィー
検出波長: 356 nm
移動相: アセトニトリル:0.01Mリン酸ナトリウム緩衝溶液=45:55(pH=4.0)
カラム: 4.6 mm(内径)および250 mm(長さ)のステンレス鋼チューブにパックされたオクタデシルシリルシリカゲル
流速: 1.0 mL/分
【0173】
シンバスタチンについての試験方法
USP XXIXの「シンバスタチン錠剤」部に基づく
試験方法: パドル法, 50 rpm
溶解溶液: pH=7.0緩衝溶液(界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム0.5% wt/wtを含む0.01M第一リン酸ナトリウム溶液), 900 mL
分析法: 紫外・可視分光分析(検出波長=最大247 nmおよび最小257 nm)
【0174】
実験例6:比較溶解プロファイル試験
実施例18にて製造したラシジピン/シンバスタチン組合せ医薬製剤および対照薬物(Zocor(登録商標): シンバスタチン単一丸剤, MSD, Vaxar(登録商標): ラシジピン単一丸剤, GlaxoSmithkline Plc.)を用いて比較溶解プロファイル試験を行った。ラシジピン成分の溶解プロファイル試験の場合、溶解溶液を2時間後に人工胃液から人工腸液に変えた。各成分の溶解プロファイル試験の具体的な工程を以下に記載し、結果をFigure 6に示す。
【0175】
以下に記載の条件下、実施例18にて溶解プロファイル試験を行った場合、シンバスタチン成分は対照薬物(Zocor(登録商標))のものと比較してほぼ等しい溶解挙動を示したが、ラシジピン成分は対照薬物(Vaxar(登録商標))のものと比較して非常に遅い溶解速度を示した。本発明のラシジピン/シンバスタチン多層錠剤の場合、ラシジピン成分の溶解速度は試験を開始して1時間後まですべて50%以内であり、対照薬物のもの(約99%)よりもはるかに低かった。
【0176】
上記のように、本発明のラシジピン/シンバスタチン多層錠剤にて、ラシジピンは制御薬物(すなわちラシジピン単一丸剤)と異なり、シンバスタチンよりもはるかに低い初期溶解速度を示し、従って本発明のラシジピン/シンバスタチン多層錠剤はシンバスタチンより先に肝臓にて代謝を受ける可能性が低い。
【0177】
ラシジピンについての試験方法
韓国薬局方(第8版)に記載の一般的溶解試験方法に基づく
試験方法: パドル法, 75 rpm
溶解溶液: 0.01M塩酸, 750 mL
分析法: 高速液体クロマトグラフィー
検出波長: 282 nm
移動相: アセトニトリル:0.05M酢酸アンモニウム緩衝溶液=80:20
カラム: 4.6 mm(内径)および250 mm(長さ)のステンレス鋼チューブにパックされたオクタデシルシリルシリカゲル
流速: 1.0 mL/分
【0178】
シンバスタチンについての試験方法
USP XXIXの「シンバスタチン錠剤」部に基づく
試験方法: パドル法, 50 rpm
溶解溶液: pH=7.0緩衝溶液(界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム0.5% wt/wtを含む0.01M第一リン酸ナトリウム溶液), 900 mL
分析法: 紫外・可視分光分析(検出波長=最大247 nmおよび最小257 nm)
【0179】
実験例7:予備臨床試験
予備臨床試験は第4表に記載したように行い、(i)市販の「Zocor(登録商標)錠剤」の単一投与(シンバスタチン20 mg, MSD)、(ii) Zocor(登録商標)錠剤と「Norvasc(登録商標)錠剤」の同時共投与(アムロジピンベシレート5 mg, Pfizer)、および実験群として(iii) Zocor(登録商標)錠剤およびNorvasc(登録商標)錠剤の経時治療的投与の治療効果を比較した。薬物の放出時間が本発明の組合せ製剤の場合と同じであるように、経時治療的投与を設計した。
【0180】
第4表.臨床試験の概要
【表4】



【0181】
本試験は、投薬承認のための国内および海外臨床試験の水準を用い、実験群の数を減らすことにより本発明の効果を確認するために行った。しかし、試験対象を厳密に制御し、試験中、臨床試験の水準に厳格に従った。臨床試験の比較結果を第5表およびFigures 7〜10に示す。
【0182】
第5表.臨床試験の薬物動態/薬力学結果
【表5】



【0183】
1. 経時治療的投与群は連日投与の41日目にて最も低い最大および最小血圧を示した。
2. 経時治療的投与群は連日投与の41日目にて同時共投与群およびシンバスタチン単一投与群よりも低い総コレステロールおよび低比重リポタンパク(LDL)コレステロールを示した。
【0184】
3. 経時治療的投与群は病原的に重要な脂質トリグリセリドを低下させる活性が最も高いことを示し、シンバスタチン単一投与群がトリグリセリドの低下において二番目であり、同時共投与群はトリグリセリドの低下活性を全く示さなかった。スタチンベース薬剤はコレステロールの合成を阻害する薬剤であるが、コレステロールの合成がリポタンパクの合成における反応速度決定段階であるのでトリグリセリドの合成を8〜25%阻害することが知られている。経時治療的投与群およびシンバスタチン単一投与群はトリグリセリドの合成をそれぞれ20%および10%低下させ、同時共投与群は天然脂質の合成を低下させる活性を全く示さなかった。肝臓でのアムロジピンにより受ける肝酵素への拮抗作用により同時共投与群にて約30%だけ不必要に高いシンバスタチンの血中濃度もまた、トリグリセリドの合成においてより低い制御をもたらすことの一つの理由であるようだ。一方、経時治療的投与群はシンバスタチン単一投与より低い脂質合成を示した。これはアムロジピンの脂質低下活性に起因する。
【0185】
4. 脂質関連疾患の改善のためにHDL値が増大すべきであることがよく知られている。経時治療的投与群がHDL値の最高増大を示した。
5. 連日投与の41日目にてバイオマーカーの変化を観察することにより薬物製剤の安全性を評価し、結果は以下のとおりである。
1)経時治療的投与はS-GPT、S-GOT、CPK、γ-GPTおよびアルカリホスファターゼ値について最も好ましい安全性バイオマーカーを示した。
2)同時共投与群は経時治療的投与群より血漿におけるシンバスタチンの濃度にて30%を超えてより高く、シンバスタチンによりもたらされる不必要な炎症を引き起こした。
【0186】
6. 二の対象のみが全三群にて三種類の副作用を示した。一種類の下痢のみが経時治療的投与群にて観察され、二種類(疲労および咳)が同時共投与群にて観察された。薬物の血漿濃度は以下のように変化した。
1)シンバスタチン酸の血漿濃度:
経時治療的投与は同時共投与およびシンバスタチン単一投与(第6表およびFigure 7)よりシンバスタチン酸の血漿濃度にて40%だけ低かった。この薬物動態学的データ(第6表)は、経時治療的投与が同時共投与より脂質を低下する点にてすぐれていることを示す(不活性シンバスタチンより高濃度の活性シンバスタチン酸が肝臓にて消費されてコレステロール合成を阻害し、さらに肝臓にて完全に代謝されて胆管を通して分泌されるが血中に入らないことを示す)。
【0187】
第6表.シンバスタチン酸の血漿濃度の増大
【表6】

【0188】
2)シンバスタチンの血漿濃度:第7表およびFigure 8に示されるように、三つの群はシンバスタチンの血漿濃度に類似した。
第7表.シンバスタチンの血漿濃度の増大
【表7】

【0189】
3)第8表に示されるシンバスタチンおよびシンバスタチン酸の総血漿濃度は、経時治療的投与が総シンバスタチンの最低血中濃度を有することを示し、その最高濃度が肝臓にて消費され、それゆえ最も有効な脂質低下形態およびより良いバイオマーカー(副作用の可能性を判断する)を示すことを意味する。
第8表.シンバスタチン酸およびシンバスタチンの総血漿濃度の増大
【表8】

【0190】
4)アムロジピンの血漿濃度(第9表):アムロジピンの血漿濃度は血圧低下活性と密接に関連し、アムロジピンがアテローム性動脈硬化症の改善による間接的な脂質の低下活性を有するので脂質低下活性とも関連する。
【0191】
第9表.アムロジピンの血漿濃度
【表9】

【0192】
Figures 7〜9に示されるように、時間間隔の経時治療的投与(シンバスタチンがまず溶解し、肝臓にて吸収され、次いで3〜4時間後にアムロジピンが同じコースに従う)は、活性形態としてのシンバスタチン酸が肝酵素シトクロムP450 3A4により不活性シンバスタチンから完全に形成され、肝臓にて完全に使用され、次いで同じ肝酵素により完全に代謝されて、胆管を通して分泌されうることを可能にする。
【0193】
それゆえ、同時共投与群にて示されるようなシンバスタチン酸の不必要に高い血中濃度を示さないで(同じ肝酵素シトクロムP450 3A4が阻害されて肝臓にてシンバスタチンの存在下アムロジピンにより誘発され、それゆえシンバスタチンの代謝が部分的である)、形成されたいくつかのシンバスタチン酸は作用後さらに代謝されない。次いで、血中に流入し、横紋筋融解症のような筋疾患などの副作用を発症する源となりうるシンバスタチン酸の不必要に高い血中濃度を引き起こす。
【0194】
さらにFigure 10に示されるように、アムロジピンにより示されるジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)のTmax(最大血漿濃度に到達する時間)は経時治療的投与群にて約4〜5時間遅れ、ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)は夕方に12にて投与されたかのような遅れた血圧低下活性を示す。結果として、通常の同時共投与群と異なり、経時治療的組合せ製剤は平均血圧が最高となる翌日の朝と正午の間の時間中に最大の血圧低下活性を有することができる。
【0195】
上記のように、ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)およびスタチン(脂質低下剤)の本明細書の組合せ製剤として設計される経時治療的投与は、同時共投与と比較してスタチン(脂質低下剤)の副作用を阻害する。本明細書の経時治療的投与により、ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)が血圧を低下させる最大化されたその臨床効果を明らかにすることもできる。
【0196】
第10表は、脂質低下有効性について経時治療的投与を同時共投与と比較したものである。夕方に時間間隔を空けて摂取されたNorvasc錠剤(アムロジピンベシレート5 mg)およびZocor錠剤(シンバスタチン20 mg)の経時治療的投与群は、同時共投与群よりもLDL-コレステロールの血漿濃度および総コレステロールをより顕著に減少させる。
Figures 7〜9にて確認されるように、本発明の組合せ製剤は、アムロジピンにより拮抗的に影響を受けないで、薬物成分シンバスタチンは肝酵素シトクロムP450により肝臓にて活性化形態に変換され、肝臓にて薬理学的作用を完全に発揮し、同じ肝酵素により完全に代謝されて胆管を通して分泌されるという同じ結果を示すことをよく予想することができる。
【0197】
第10表.総コレステロール、HDL、LDLおよび中性脂肪(*p<0.05、**p<0.01 vs.スクリーニング)
【表10】

【0198】
第11および12表は、同時共投与群および経時治療的投与群の血圧および脈圧それぞれに関する結果を示す。これにより、平均座位最大血圧および平均座位最小血圧が経時治療的投与群にて有意に減少することを確認する。これは経時治療的投与群におけるアムロジピンの高血中濃度に確かに起因する(Figure 10)。
【0199】
結果として、経時治療的投与群は、同時共投与群と比較してアムロジピンの放出を約4時間遅らせることにより血圧を低下させるという優位性を示す。
【0200】
第11表.血圧(*p<0.05、**p<0.01 vs.スクリーニング)
【表11】

【0201】
第12表.脈圧および脈拍数(*p<0.05、**p<0.01 vs.スクリーニング)
【表12】

【0202】
要するに、上記臨床試験により、本発明のジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)およびスタチン(脂質低下剤)の経時治療用組合せ製剤が二の薬物の同時共投与と比較して各薬物成分の放出時間制御の効果により同用量にてスタチン(脂質低下剤)により高コレステロールを阻害し、ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)により血圧を低下させるという顕著な改善を相乗的に示すことを確認する。
【産業上の利用可能性】
【0203】
上記のように、本発明は、二の薬物の組合せ製剤がより良い方法で有効性を改善し、より少ない方法で安全性を改善する点において経時治療的効果および相乗効果を示すことを可能にする。従って、本発明の制御放出製剤は、生体異物の理論および経時治療に基づく。
【0204】
本発明の製剤は、有効成分としてスタチン(脂質低下剤)およびジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)を含み、その両者は一方がシトクロムP450酵素に影響され、他方がその酵素により影響されるように同じシトクロムP450酵素により影響され、上記成分の放出速度が異なり、各薬物の溶解および吸収が制御された方法で一定の時間間隔にて開始されることを特徴とする。結果として、本発明の製剤は、慢性的循環障害の治療に、限定的な時間間隔でなく、経時治療的リズムパターンを考慮しないで、二の薬物が同時に共投与される場合よりも薬理学的、臨床的、科学的および経済的に有用である。
【0205】
本発明の組合せ医薬製剤は、薬物を異なる速度にて放出させ、それにより拮抗作用を予防し、副作用を低減するが、薬物の相乗効果を維持する。
さらに、本発明の組合せ医薬製剤は単回用量として一日一回投与され、従って投薬の利便性を提供し、患者指導の処方者の時間を節約する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)を含む制御放出部分およびスタチン(脂質低下剤)を含む即時放出部分を有効成分とする、制御放出性経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項2】
ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)が肝臓においてスタチン(脂質低下剤)よりも3〜4時間遅く溶解して吸収されうるように、ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)およびスタチン(脂質低下剤)の放出特性が制御される、請求項1記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項3】
ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)がスタチン(脂質低下剤)の放出の開始後2時間にて放出されうるように、ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)およびスタチン(脂質低下剤)の放出特性が制御されて、肝臓にてシトクロムP450により同時に代謝される二の薬物成分間の相互作用を軽減する、請求項1記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項4】
ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)がアムロジピン、レルカニジピン、ラシジピンおよびその医薬的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項5】
ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)がアムロジピンおよびその医薬的に許容される塩またはその異性体である、請求項4記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項6】
ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)がアムロジピンマレエートまたはアムロジピンベシレートである、請求項5記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項7】
製剤がジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)1〜20 mgを含む、請求項1記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項8】
制御放出部分が腸溶性ポリマー、水不溶性ポリマー、疎水性化合物、親水性非ポリマー化合物および親水性ポリマーからなる群から選択される放出制御物質を含む、請求項1記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項9】
制御放出部分における放出制御物質がジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)100重量部に対して10〜500重量部の量にて含まれる、請求項8記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項10】
腸溶性ポリマーがポリビニルアセテートフタレート、メタクリル酸コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セラック、セルロースアセテートフタレート、セルロースプロピオネートフタレート、オイドラギットL、オイドラギットSおよびその混合物からなる群から選択される、請求項8記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項11】
水不溶性ポリマーがポリビニルアセテート、ポリ(エチルアクリレート-co-メチルメタクリレート)コポリマーまたはポリ(エチルアクリレート-メチルメタクリレート-トリメチルアミノエチルメタクリレート)コポリマーからなる群から選択されるメタクリル酸コポリマー、エチルセルロース、セルロースアセテートおよびその混合物である、請求項8記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項12】
疎水性化合物が脂肪酸および脂肪酸エステル、脂肪酸アルコール、蝋、無機物質およびその混合物からなる群から選択される、請求項8記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項13】
脂肪酸および脂肪酸エステルがパルミトステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、パルミチン酸セチル、モノオレイン酸グリセリル、ステアリン酸およびその混合物からなる群から選択され;脂肪酸アルコールがセトステアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびその混合物からなる群から選択され;蝋がカルナウバ蝋、蜜蝋、微結晶蝋およびその混合物からなる群から選択され;無機物質がタルク、沈降炭酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、カオリン、ベントナイト、モンモリロナイト、ビーガムおよびその混合物からなる群から選択される、請求項12記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項14】
親水性非ポリマー化合物および親水性ポリマーがそれぞれサッカリド、セルロース誘導体、ゴム、タンパク質、ポリビニル誘導体、ポリメタクリレートコポリマー、ポリエチレン誘導体、カルボキシビニルポリマーおよびその混合物からなる群から選択される、請求項8記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項15】
サッカリドがデキストリン、ポリデキストリン、デキストラン、ペクチンおよびペクチン誘導体、アルギン酸塩、ポリ(ガラクツロン酸)、キシラン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン、デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、アミロース、アミロペクチンおよびその混合物からなる群から選択され;
セルロース誘導体がヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシエチルメチルセルロースおよびその混合物からなる群から選択され;
ゴムがグアーガム、ローカストビーンガム、トラガカント、カラギナン、アカシアガム、アラビアゴム、ジェランガム、キサンタンゴムおよびその混合物からなる群から選択され;
タンパク質がゼラチン、カゼイン、ゼインおよびその混合物からなる群から選択され;
ポリビニル誘導体がポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアセタールジエチルアミノアセテート)およびその混合物からなる群から選択され;
ポリメタクリレートコポリマーがポリ(ブチルメタクリレート-(2-ジメチルアミノエチル)メタクリレート-メチルメタクリレート)コポリマー、ポリ(メタクリル酸-メチルメタクリレート)コポリマー、ポリ(メタクリル酸-エチルアクリレート)コポリマーおよびその混合物からなる群から選択され;
ポリエチレン誘導体がポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシドおよびその混合物からなる群から選択され;
カルボキシビニルポリマーがカルボマーである、請求項14記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項16】
スタチン(脂質低下剤)がシンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチンおよびその混合物からなる群から選択される、請求項1記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項17】
スタチン(脂質低下剤)がシンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチンおよびその混合物からなる群から選択される、請求項16記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項18】
スタチン(脂質低下剤)が5〜160 mgの量にて含まれる、請求項1記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項19】
制御放出部分が不連続的に配置され、それによりジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)の制御放出がもたらされ、即時放出部分が連続的に配置され、それによりスタチン(脂質低下剤)の即時放出がもたらされる、二相マトリックス構造を有する単一丸剤である、請求項1記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項20】
制御放出部分および即時放出部分が多層構造を形成する、請求項1記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項21】
制御放出部分の内核と該内核を包含する即時放出部分の外層とを含む、二層構造を有する単一丸剤である、請求項1記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項22】
制御放出部分の顆粒および即時放出部分の顆粒を含むカプセルである、請求項1記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項23】
コーティングされていない錠剤またはコーティングされている錠剤である、請求項1記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項24】
コーティングされている錠剤がフィルム形成剤のコーティング層、フィルム形成アジュバントまたはその混合物を含む、請求項23記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項25】
コーティング層がセルロース誘導体、サッカリド誘導体、ポリビニル誘導体、蝋、脂肪、ゼラチン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、酸化チタン、ジエチルフタレートおよびその混合物からなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項24記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項26】
コーティング層がコーティングされている錠剤の総重量の0.5〜15重量%の量にて含まれる、請求項24記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項27】
組合せ製剤が毎日午後5時〜10時に投与される、請求項1〜26のいずれか記載の経時治療用組合せ医薬製剤。
【請求項28】
スタチン(脂質低下剤)がまず放出され、ジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)が投与後2時間にて段階的に放出され、それによりスタチン(脂質低下剤)とジヒドロピリジン(カルシウムチャネル遮断薬)との相互作用を軽減する、請求項27記載の経時治療用組合せ医薬製剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−501550(P2010−501550A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525502(P2009−525502)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【国際出願番号】PCT/KR2007/004079
【国際公開番号】WO2008/023958
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(508048953)ハナル ファーマシューティカル カンパニーリミテッド (6)
【Fターム(参考)】