説明

ジプラシドンを用いた不安の治療

本発明は、1つの態様おいて、ヒトを含む哺乳類において、例えば医療処置(例:手術)、人前で話すことに先立って経験する不安、水泳あるいは水に付随する不安、旅行(例:飛行機旅行)に付随する不安、あるいは特定恐怖症(ヘビ、クモ、ネズミ、血の光景)に付随する不安などの状況不安を治療するために以下に定義する式Iのピペラジニル複素環化合物を使用する方法であって、薬学的に有効な量の式Iの化合物を哺乳類に投与することを含む方法に関する。他の態様においては、本発明は以下に定義する式Iのピペラジニル複素環化合物を、ヒトを含む哺乳類における治療抵抗性不安を治療するために用いる方法であって、この方法が薬学上有効な量の式Iの化合物を哺乳類に投与することを含む方法に向けられている。式Iの化合物は、以下のとおりに定義され、または薬学的に許容できるその酸付加塩であって、式中Ar,n,XおよびYは定義のとおりである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つの態様において、ヒトを含む哺乳類において、例えば医療処置(例:手術)、人前で話すことに先立って経験する不安、水泳あるいは水に付随する不安、旅行(例:飛行機旅行)に付随する不安、あるいは特定恐怖症(ヘビ、クモ、ネズミ、血の光景)に付随する不安などの状況不安を治療することに関する。他の態様においては、本発明はヒトを含む哺乳類において治療抵抗性不安を治療することに向けられている。本発明は、以下に定義する式Iの例えばジプラシドンなどのピペラジニル複素環化合物の新たな治療的使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の式Iのピペラジニル複素環化合物は、そのいずれもが本出願と同様に譲渡されている米国特許第4,831,031号および4,883,795において開示されている。このような化合物についてのいくつかの治療は、そのいずれもが本明細書と同様に譲渡されている米国特許第6,127,373号、第6,245,766号および第6,387,904号において開示されている。本段落に列挙されている特許は、その全文が参照文献として本開示に組み入れられている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、1つの態様において、ヒトを含む哺乳類において、例えば医療処置(例:手術)、人前で話すことに先立って経験する不安、水泳あるいは水に付随する不安、旅行(例:飛行機旅行)に付随する不安、あるいは特定恐怖症(ヘビ、クモ、ネズミ、血の光景)に付随する不安などの状況不安を治療するために以下に定義する式Iのピペラジニル複素環化合物を使用する方法であって、薬学的に有効な量の式Iの化合物を哺乳類に投与することを含む方法に関する。他の態様においては、本発明は以下に定義する式Iのピペラジニル複素環化合物を、ヒトを含む哺乳類における治療抵抗性不安を治療するために使用する方法であって、その方法が薬学的に有効な量の式Iの化合物を哺乳類に投与することを含む方法に向けられている。式Iの化合物は、
【化3】

または薬学的に許容できる酸付加塩である(式中、
Arはそれぞれが1つのフッ素、塩素、トリフルオロメチル、メトキシ、シアノ、ニトロあるいはフッ素、塩素、トリフルオロメチル、メトキシ、シアノ、あるいはニトロで置換されてもよいナフチルで置換されてもよいベンゾイソチアゾリルあるいははそのオキシドあるいはジオキシド;キノリル;6−ヒドロキシ−8−キノリル;イソキノリル;キナゾリル;ベンゾチアゾリル;ベンゾチアジアゾリル;ベンゾトリアゾリル;ベンゾオキサゾリル;ベンゾオキサゾロニル;インドリル;1つまたは2つのフッ素によって置換されてもよいインダニル;1−トリフルオロメチルフェニルによって置換されてもよい3−インダゾリル;またはフタラジニルであり;
nが1または2であり、かつ
XおよびYがそれらが結合しているフェニルとともにキノリル;2−ヒドロキシキノリル;ベンゾチアゾリル;2−アミノベンゾチアゾリル;ベンゾイソチアゾリル;インダゾリル;2−ヒドロキシインダゾリル;インドリル;スピロ;1〜3個の(C−C)アルキルまたは1つの塩素、フッ素またはフェニルによって置換されてもよいオキシインドリルであって、前記フェニルは1つの塩素またはフッ素によって置換されてもよい;ベンゾオキサゾリル;2−アミノベンゾオキサゾリル;ベンゾオキサゾロニル;2−アミノベンゾオキサゾリニル;ベンゾチアゾロニル;ベンゾイミダゾロニル;またはベンゾトリアゾリルを形成する)。
【0004】
本発明は、具体的実施形態の1つにおいて、ヒトを含む哺乳類において、例えば医療処置(例:手術)、人前で話すことに先立って経験される不安、水泳あるいは水に付随する不安、旅行(例:飛行機旅行)に付随する不安、あるいは特定恐怖症(ヘビ、クモ、ネズミ、血の光景)に付随する不安などの状況不安の治療のために、以下に定義する式Iのピペラジニル複素環化合物を使用する方法であって、薬学的に有効な量のジプラシドン、5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)ピペラジニル)エチル)クロロオキシインドール(あるいは薬学的に適したその付加塩)を哺乳類に投与することを含む方法に関する。他の具体的実施形態においては、本発明は以下に定義する式Iのピペラジニル複素環化合物を、ヒトを含む哺乳類における治療抵抗性不安の治療のために使用する方法であって、その方法が薬学的に有効な量のジプラシドン(または薬学的に適切なその付加塩)を哺乳類に投与することを含む方法に向けられている。
【0005】
用語「ジプラシドン」は、本明細書で使用されているように、特に指示がなければ、遊離塩基型ジプラシドン(前段落に記載)および全ての薬学的に許容できるその塩を包含する。
【0006】
薬学的に許容できる付加塩はとりわけメシレート、エシレートおよび塩酸塩などの式Iの化合物の塩であり、このような塩の多型を含むこともあるが、これに限定されない。
【0007】
用語「治療する」は、本明細書で使用されているように、このような用語が適用される障害または状態、あるいはこのような障害または状態の1つまたはそれ以上の症状を回復、軽減、進行を阻害あるいは予防することを意味する。用語「治療」は、本明細書で使用されているように、直ぐ前に「治療する」が定義されているような、治療する行為を意味する。
【0008】
用語「薬学的に有効な量」は、本明細書で使用されているように、ヒトを含む哺乳類において状況不安あるいは治療抵抗性不安を治療するのに充分な化合物の量を意味する。
【0009】
本明細書で使用されている「状況不安」は、DSM−IVに特定および記載された疾患である「特定恐怖症」「対人恐怖」および「不安による適応障害」を包含する用語である。同書では、第1の障害は「恐れられている特定の対象あるいは状況への曝露により引き起こされ、しばしば回避行動に至る臨床的に重大な不安を特徴とする」という一般的な用語で記載されている。同書では、第2の疾患は「ある種の社会的あるいは行動状況への曝露により引き起こされ、しばしば回避行動に至る臨床的に重大な不安を特徴とする」という一般的な用語で記載されている。同書では、第3の疾患は、この障害が「神経質、苦悩あるいはいらだち、あるいは小児において大いに愛着のある人物と別離することへの恐怖」である場合、「特定可能なストレッサーあるいは臨床的に重大な感情あるいは行動症状の発現に至るストレッサーに対する心理的反応」という一般的な用語で記載されている。上に示された一般的な記載は、単に情報上の目的のために提供されており、出願人はこのような一般的記載によって拘束されない。言い換えれば、出願人は、これらの用語がDSM−IVに完全に記載されているように「状況不安」という用語が特定恐怖症、対人恐怖、および「不安による適応障害」を包含することを意図する。
【0010】
DSM−IVで特定されている特定恐怖症には少なくとも5つのサブタイプが存在し、それらはすべて本開示で採用されている「状況不安」という用語の下に包含されていることが指摘されている。それらは、動物型、自然環境型、血液−注射−外傷型、状況型およびその他である。
【0011】
「治療抵抗性不安」は、本明細書で使用されているように、以前に投与された少なくとも2つの当技術分野で認知された前記障害に対する治療薬に反応することができなかった対象によって示される不安障害であって、前記治療薬が、当業者がその専門的判断において前記治療に好ましく反応した被験者であれば前記障害の改善をもたらすのに充分であったと見なすであろう期間に渡って投与された不安障害を意味する。例えば、作用機序の異なる薬剤を用いた少なくとも2クールの治療に失敗した不安障害を患う被験者は(ザナックス(Zanax)を最大忍容量で4週間の1クールおよびエフェクサー(Effexor)を300mgで6〜8週間の1クールなど)、治療抵抗性不安を患っていると見なしてよい。
【0012】
本発明の方法を実施するにあたり、治療は好ましくはArがベンゾイソチアゾールでありかつnが1である式Iの化合物を投与することを含む。
【0013】
好ましくは、XおよびYは、これらが結合しているフェニルとともに塩素、フッ素またはフェニルにより置換されてもよいオキシインドールを形成する。
【0014】
他の好ましい実施形態においては、Arはナフチルであり、かつnは1である。
【0015】
本明細書に参照されている精神障害および状態は当業者に周知であり、かつ本明細書にその全文が参照文献として組み入れられている"Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fourth
Edition, American Psychiatric Association, 1994"(DSM−IV)などの当技術分野で認知された医学文献に定義されている。
(発明を実施するための最良の形態)
【0016】
式Iのピペラジニル複素環化合物は、米国特許第4,831,031号および4,883,795号に記載および参照されている1つあるいはそれ以上の合成法によって調製することができる。米国特許第4,831,031号および第4,883,795号はその全文が参照文献として本明細書に組み入れられている。
【0017】
式Iの化合物は以下のように式IIの化合物を式IIIの化合物と反応させて調製してもよい。
【化4】

式中、Halはフッ素、塩素、臭素あるいはヨウ素である。一般にこのカップリング反応は、たとえばエタノールなどの低分子量アルコール、ジメチルホルムアミドあるいはメチルイソブチルケトンなどの極性溶媒中で、かつ、たとえばトリエチルアミンあるいはジイソプロピルエチルアミンなどの3級アミンのような弱塩基の存在下で実施する。好ましくは、反応は触媒量のヨウ化ナトリウム、および炭酸ナトリウムなどの塩化水素の中和剤の存在下で実施する。反応は、好ましくは使用する溶媒の環流温度で実施する。式IIのピペラジン誘導体は当技術分野で周知の方法により調整してもよい。例えば、ほぼ室温から還流温度のトルエンなどの炭化水素溶媒中においてArが上記の定義のとおりであり、かつHalがフッ素、塩素、臭素またはヨウ素である式ArHalのハロゲン化アリールをピペラジンと約30分から24時間反応させて調製を実施することができる。代替的に、式IIの化合物は、Arが上記の定義のとおりである式ArNHのアミノ置換アリール化合物を2級アミンとともに加熱して結晶化させ、アリール基Arと結合したピペラジン環を形成させることにより調製してもよい。
【0018】
式IIIの化合物は既知の方法により調整してもよい。例えば、以下のように置換されたハロゲンがフッ素、塩素、臭素あるいはヨウ素であるハロゲン化酢酸あるいはハロゲン化酪酸と式IVの化合物を反応させることにより化合物(III)を調製してもよい。
【化5】

式中、XおよびYは上記に定義されるとおりであり、かつmは1あるいは3である。次に化合物(V)を窒素雰囲気中で例えばトリエチルシランおよびトリフルオロ酢酸により還元して化合物(III)を形成する。
【0019】
Arがベンゾイソチアゾールのオキシドあるいはジオキシドである場合、対応するベンゾイソチアゾリルは酸性条件下において低温で酸化される。使用する酸は、硫酸と硝酸の混合物が有利である。
【0020】
薬学的に許容できる式Iの化合物の酸付加塩は、遊離塩基(I)の溶液あるいは懸濁液を約1化学当量の薬学的に許容できる酸で処理することにより、従来の方法で調整することができる。塩の分離には従来の濃縮および再結晶法を採用することができる。適切な酸の例は、酢酸、酪酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、安息香酸、桂皮酸、フマル酸、硫酸、リン酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、スルファミン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸および関連する酸である。
【0021】
式Iの化合物、およびその薬学的に許容できる塩(これ以降集合的に「本発明の有効成分」と呼ぶ)は、単独、また好ましくは薬学的に許容できる担体または希釈剤と組み合わせて、医薬組成物の形態でヒト対象に投与することができる。このような化合物は経口または非経口で投与することができる。非経口投与は特に静脈内および筋肉内投与を含む。本発明の治療薬は、2002年10月25日に申請され、その明細書の全文が参照文献として本明細書に組み入れられている米国仮特許出願第60/421,295号に開示されたデポー製剤などの注射用デポー製剤によって送達することができる。
【0022】
本発明の有効成分を含む医薬組成物においては、担体に対する有効成分の重量比は通常は1:6から2:1、好ましくは1:4から1:1の範囲内である。しかし、いずれの例でも、選択される比率は活性成分の溶解度、意図された用量および的確な投与経路に依存する。
【0023】
その症状が精神症状あるいは行動障害を含む精神病的状態の治療において経口使用するためには、本発明の有効成分は例えば錠剤あるいはカプセルの形態で、あるいは水溶液あるいは懸濁液として投与することができる。経口使用するための錠剤の場合、使用できる担体は乳糖およびコーンスターチを含み、かつステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤を添加することができる。カプセルの形態での経口投与のために有用な希釈剤は乳糖および乾燥コーンスターチである。経口使用のために水性懸濁液が必要とされる場合は、活性成分を乳化剤および懸濁化剤と組み合わせることができる。所望の場合は、一定の甘味料および/あるいは着香料を添加することができる。筋肉内、非経口および静脈内使用のためには、有効成分の無菌溶液を調製することができ、かつ溶液のpHは適当に調節および緩衝化しなければならない。静脈内使用のためには、製剤を等張にするために溶質の総濃度を調節しなければならない。
【0024】
その症状が精神症状または行動障害を含む精神病状態の治療を目的として本発明の有効成分をヒト対象に用いる場合、通常は処方する医師が1日用量を決定するであろう。さらに、用量は年齢、体重および個々の患者の反応さらに患者の症状の重症度に応じて変動するであろう。しかし、ほとんどの場合、本明細書に記載する精神病状態および障害の治療に有効な経口または非経口用量は1日約0.5から約500mg、より具体的には1日約10mgから1日約200mg、より具体的には1日約20mgから1日約180mg、より具体的には1日約30mgから1日約170mg、およびより具体的には1日約40から160mgの1回あるいは分割投与である。これらの範囲外の用量を用いることが必要となることもある。
【0025】
ジプラシドン、5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)ピペラジニル)エチル)クロロオキシインドールの受容体結合および神経伝達物質取り込み阻害プロフィールは、その全文が参照文献として本明細書に組み入れられているThe Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 275,
101-113 (1995)に記載されている。中枢神経系組織内の様々な受容体に対するその親和性の要約を表1に示す。
【表1】

【0026】
以下の実施例は、式Iの様々な化合物を調整する方法を例示する。
【実施例】
【0027】
(実施例1)
6−(2−(4−(1−ナフチル)ピペラジニル)エチル)−ベンゾオキサゾロン
A.自動攪拌機および窒素導入管を取り付けた500mLの三つ口丸底フラスコに、ポリリン酸200g、ベンゾオキサゾロン13.51g(0.1mol)およびブロモ酢酸13.89g(0.1mol)を加えた。反応物を撹拌しながら115℃で2.5時間加熱し、1kgの氷に注ぎ入れた。混合物を1時間機械的に撹拌したところ紫色の固形物が形成されたので、濾取して水で洗浄した。固形物をアセトンで30分間かけてスラリー化し、少量の紫色の固形物を濾取し、褐色の濾液を蒸発させた。生成した暗褐色のゴム状物質をエタノール150mLで30分間かけてスラリー化し、褐色の固形物を濾取してエタノールで洗浄した。この固形物の融点は192〜194℃である。
【0028】
固形物(6.6g、0.0257mol)をマグネティックスターラ、滴下漏斗、温度計および窒素導入管を取り付けた100mL三つ口丸底フラスコに入れ、19.15mL(0.257mol)のトリフルオロ酢酸を加えた。トリエチルシラン(9.44mL,0.0591mol)を撹拌中のスラリーに30分間かけて1滴ずつ加えた。反応物を室温で一晩撹拌した後、150gの氷に注いだ。混合物を15分間撹拌し、褐色のゴム状物質を濾取した。ゴム状物質を酢酸エチル100mLに溶解し、シクロヘキサン125mLを加えると褐色の沈殿物が生じた。これを濾取してシクロヘキサンで洗った。ろ液を蒸発させ、生成した黄色の固形物をイソプロピルエーテル50mLでスラリー化し、淡黄色の固形物を濾取および乾燥し、6−(2−ブロモエチル)−ベンゾオキサゾロン2.7g(2段階の収率11%)、融点148〜151℃を得た。
【0029】
B.マグネティックスターラ、冷却器および窒素導入管を取り付けた100mLの丸底フラスコにN−(1−ナフチル)ピペラジン0.618g(2.10mmol)、6−(2−ブロモエチル)−ベンゾオキサゾロン0.472g(1.95mmol)、トリエチルアミン0.411mL(2.92mmol)、エタノール50mLおよび触媒量のヨウ化ナトリウムを加えた。反応物を3日間還流し、冷却し、蒸発させて褐色のゴム状物質を得た。ゴム状物質を水50mLとジクロロメタン75mLに分配し、1N水酸化ナトリウム水溶液でpHを調節し、メタノールを少量加えて層の分離を促進した。ジクロロメタン層を硫酸ナトリウムで乾燥して蒸発させた後、シリカゲルクロマトグラフィを実施した。生成物を含む分画を合わせて蒸発させ、残渣を酢酸エチルに取り込み、塩化水素ガスで処理した。生成物の塩酸塩を濾取して白色固形の標題化合物、融点282〜285℃、213mg(収率23%)を得た。
【0030】
(実施例2)
6−(2−(4−(1−ナフチル)ピペラジニル)エチル)−ベンゾイミダゾロン
A.自動攪拌機および窒素導入管を取り付けた500mLの三つ口丸底フラスコに、ポリリン酸100g、ベンゾオキサゾロン6.7g(0.05mol)およびブロモ酢酸6.95g(0.05mol)を加えた。反応物を撹拌しながら115℃で1.5時間加熱し、1kgの氷に注いだ。混合物を1時間機械的に撹拌し、灰色の固形物が形成された。これを濾取して水で洗浄した。固形物をアセトンとともに30分間スラリー化し、少量の紫色の固形物を濾取し、褐色の濾液を蒸発させた。生成した暗褐色のゴム状物質を酢酸エチル/水に取り込み、有機層を水および食塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させて固形物6.5gを得た(51%)。NMR(d,DMSO−d):5.05(s,2H),7.4(m,1H),7.7−8.05(m,2H).
【0031】
固形物(6.0g、0.0235mol)をマグネティックスターラ、滴下漏斗、温度計および窒素導入管を取り付けた100mL三つ口丸底フラスコに入れ、トリフルオロ酢酸18.2mL(0.235mol)を加えた。トリエチルシラン(8.64mL,0.0541mol)を攪拌中のスラリーに30分かけて滴加した。反応物を室温で一晩撹拌した後、150gの氷に注いだ。混合物を14分間撹拌し、淡紅色の固形物6−(2−ブロモエチル)−ベンゾイミダゾロンを濾取して5.0g(2段階の収率42%)、融点226〜220℃を得た。
【0032】
B.マグネティックスターラ、冷却器および窒素導入管を取り付けた100mLの丸底フラスコにN−(1−ナフチル)−ピペラジン2.64g(12.4mmol)、6−(2−ブロモエチル)−ベンゾイミダゾロン3.0g(12.4mmol)、炭酸ナトリウム1.31g(12.4mmol)、メチルイソブチルケトン50mL、および触媒量のヨウ化ナトリウムを加えた。反応物を3日間還流し、冷却し、蒸発させて、褐色のゴム状物質を得た。ゴム状物質を水50mLおよび酢酸エチル75mLに分配し、酢酸エチル層を食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥して蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィを実施した。生成物を含む分画を集めて蒸発させ、残渣をテトラヒドロフランに取り込み、塩化水素ガスで処理して生成物の塩酸塩を得た。これを濾取して白色の固形物、融点260〜262℃、716mg(収率14%)を得た。
【0033】
(実施例3)
6−(2−(4−(8−キノリル)ピペラジニル)エチル)−ベンゾオキサゾロン
冷却器と窒素導入管を取り付けた35mL丸底フラスコに6−ブロモエチルベンゾオキサゾロン0.36g(1.5mmol)、8−ピペラジニルキノリン0.32g(1.5mmol)、炭酸ナトリウム0.2g(1.9mmol)、ヨウ化ナトリウム50mgおよびエタノール5mLを加えた。反応物を20時間還流し、冷却し、水で希釈し、1N水酸化ナトリウムでpHを4に調節し、酢酸エチルで生成物を抽出した。酢酸エチル層を食塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させて黄色の油状物質0.3gを得た。油状物質を酢酸エチルに溶解し、酢酸エチルに塩化水素ガスを添加して飽和させ、混合物を濃縮して乾燥した。残渣をイソプロパノールより結晶化して0.18g(32%)の黄色の塩、融点200℃、NMR(d,CDCl):2.74(m,2H),2.89(m,6H),3.44(m,4H),6.76−7.42(m,7H),8.07(m,1H),8.83(m,1H)を得た。
【0034】
(実施例4)
6−(2−(4−(6−キノリル)ピペラジニル)エチル)−ベンゾオキサゾロン
冷却器と窒素導入管を取り付けた35mL丸底フラスコに6−ブロモエチルベンゾオキサゾロン0.36g(1.5mmol)、8−ピペラジニルキナゾリン0.32g(1.5mmol)、炭酸ナトリウム0.85g(8.0mmol)、ヨウ化ナトリウム2mgおよびエタノール35mLを加えた。反応物を3日間還流し、冷却し、水で希釈し、1N HClでpHを4に調節した。水相を分離し、1N水酸化ナトリウムでpHを7に調節し、酢酸エチルで生成物を抽出した。酢酸エチル層を食塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させて黄色の油状物質1.3gを得た。油状物質をクロロホルムより結晶化し(1.1g)、酢酸エチルに溶解し、酢酸エチルに塩化水素ガスを添加して飽和させ、混合物を濃縮し、乾燥した。残渣より黄色の塩0.9g(58%)、融点200℃が得られた。NMR(d,CDCl):2.72(m,6H),2.86(m,2H),3.83(m,4H),6.9−7.9(m,7H),8.72(s,1H).
【0035】
(実施例5)
6−(2−(4−(4−フタラジニル)ピペラジニル)エチル)−ベンゾオキサゾロン
冷却器と窒素導入管を取り付けた35mL丸底フラスコに6−ブロモエチルベンゾオキサゾロン1.13g(4.7mmol)、4−ピペラジニルフタラジン1.0g(4.7mmol)、炭酸ナトリウム0.64g(6.0mmol)およびエタノール30mLを加えた。反応物を20時間還流し、冷却し、水で希釈し、1N HClでpHを4に調節した。水層を分離し、1N水酸化ナトリウムでpHを7に調節し、酢酸エチルで生成物を抽出した。酢酸エチル層を食塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させて赤色の油状物質0.5gを得た。油状物質についてクロロホルム/メタノールを溶離液としたシリカゲルクロマトグラフィを実施し、淡紅色の油状物質0.2gを得た。油状物質を酢酸エチルに溶解し、酢酸エチルに塩化水素ガスを添加して飽和させ、混合物を濃縮して黄色の塩0.37g(11%)、融点200℃を得た。NMR(d,CDCl):2.78(m,2H),2.88(m,6H),3.65(m,4H),7.0−8.1(m,7H),9.18(s,1H).
【0036】
(実施例6)
6−(2−(4−(4−メトキシ−1−ナフチル)ピペラジニル)エチル)−ベンゾオキサゾロン
冷却器と窒素導入管を取り付けた35mL丸底フラスコに6−ブロモエチルベンゾオキサゾロン0.24g(1.0mmol)、4−メトキシ−1−ピペラジニルナフタレン0.24g(1.0mmol)、炭酸ナトリウム0.13g(1.2mmol)およびエタノール25mLを加えた。反応物を36時間還流し、冷却し、水で希釈し、生成物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を食塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させて黄色の油状物質0.49gを得た。油状物質についてクロロホルムを溶離液として用いたシリカゲルクロマトグラフィを実施し、黄色結晶0.36gを得た。固形物を酢酸エチルに溶解し、酢酸エチルに塩化水素ガスを添加して飽和させ、混合物を濃縮乾燥し、白色の塩の結晶0.26g(55%)、融点200℃を得た。NMR(d,CDCl):2.8−3.2(m,12H),4.01(s,3H),6.7−7.6(m,7H),8.26(m,2H).
【0037】
(実施例7)
6−(2−(4−(5−テトラリニル)ピペラジニル)エチル)−ベンゾオキサゾロン
冷却器と窒素導入管を取り付けた35mL丸底フラスコに6−ブロモエチルベンゾオキサゾロン1.0g(3.9mmol)、5−ピペラジニルテトラリン0.85g(3.9mmol)、炭酸ナトリウム0.4g(3.9mmol)、ヨウ化ナトリウム2mgおよびイソプロパノール30mLを加えた。反応物を18時間還流し、冷却し、蒸発乾固し、残渣を酢酸エチル/水に溶解した。1N HClでpHを2.0に調節し、形成された沈殿物を濾取した。沈殿物を酢酸エチル/水に懸濁し、1N水酸化ナトリウムでpHを8.5に調節し、酢酸エチル層を分離した。酢酸エチル層を食塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させて0.7gの固形物を得た。固形物を酢酸エチルに溶解し、酢酸エチルに塩化水素ガスを添加して飽和し、混合物を濃縮して乾燥し、黄色の塩0.70g(40%)、融点200℃を得た。NMR(d,CDCl):1.9(m,4H),2.95(m,16H),6.8−7.2(m,6H).
【0038】
(実施例8)
6−(2−(4−(6−ヒドロキシ−8−キノリル)ピペラジニル)エチル)−ベンゾオキサゾロン
冷却器と窒素導入管を取り付けた35mL丸底フラスコに6−ブロモエチルベンゾオキサゾロン0.84g(3.5mmol)、6−ヒドロキシ−8−ピペラジニルキノリン0.80g(3.5mmol)、炭酸ナトリウム0.37g(3.5mmol)、ヨウ化ナトリウム2mgおよびイソプロパノール30mLを加えた。反応物を18時間還流し、冷却し、蒸発させ、残渣を酢酸エチル/水に溶解した。1N HClでpHを2.0に調節し、相を分離した。水相をpH8.5に調節し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を食塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させて0.33gの黄色固形物を得た。固形物を酢酸エチルに溶解し、酢酸エチルに塩化水素ガスを添加して飽和させ、混合物を濃縮して乾燥した。残渣をイソプロパノールより結晶化すると黄色の塩0.32g(20%)、融点200℃が得られた。NMR(d,CDCl):2.8(m,8H),3.4(m,4H),6.7−7.3(m,7H),7.7−7.9(m,1H).
【0039】
(実施例9)
6−(2−(4−(1−(6−フルオロ)ナフチル)ピペラジニル)エチル)−ベンゾオキサゾロン
A.冷却器と窒素導入管とを取り付けた丸底フラスコにフルオロベンゼン345mL(3.68mol)およびフランカルボン酸48g(0.428mol)を加えた。撹拌中の懸濁液に塩化アルミニウム120g(0.899mol)を分割して加えた。次に反応物を95℃で16時間撹拌した後、氷/水/1N HClでクエンチングした。1時間撹拌した後、上澄みの水層を捨て、ベンゼンおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。1時間撹拌した後に層を分離し、水層をベンゼンで洗浄し、酸性化し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて固形物を得た。固形物にイソプロピルエーテルを加えて粉砕し、白色の固形物である6−フルオロ−1−ナフトエ酸5.0g(6.1%)、NMR(d,DMSO−d):7.0−8.0(m,5H),8.6(m,1H)を得た。
【0040】
B.冷却器、滴下漏斗および窒素導入管を取り付けた125mL丸底フラスコに6−フルオロ−1−ナフトエ酸5.0g(26.3mmol)およびアセトン50mLを加えた。撹拌中の懸濁液にジフェニルホスホリルアジド6.25mL(28.9mmol)およびトリエチルアミン4mL(28.9mmol)を1滴ずつ加えた。反応物を1時間還流し、水/酢酸エチルに注ぎ、ろ過した。濾液を水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を塩酸で処理して塩酸塩を形成し、水酸化ナトリウムを用いて遊離させて遊離塩基6−フルオロ−1−アミノ−ナフタレン1.0gを油状物質として得た(24%)。
【0041】
C.冷却器と窒素導入管を取り付けた125mL丸底フラスコに6−フルオロ−1−アミノナフタレン1.0g(6.21mmol)、塩酸N−ベンジルビス(2−クロロエチル)アミン1.8g(7.76mmol)、ジイソプロピルエチルアミン3.3mL(19.2mmol)およびイソプロパノール50mLを加えた。反応物を24時間還流し、冷却し、蒸発させて油状物質とした。油状物質を酢酸エチルに取り込み、水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて油状物質とした。油状物質について、ジクロロメタンを溶離液として用いたシリカゲルクロマトグラフィを実施し、油状物質1−ベンジル−4−(6−フルオロナフチル)−ピペラジン1.5g(75.5%)を得た。
【0042】
D.窒素導入管を取り付けた125mL丸底フラスコに1−ベンジル4−(6−フルオロナフチル)−ピペラジン1.5g(4.69mmol)、ギ酸1.2mL(31.3mmol)、炭素担持5%パラジウム3.0gおよびエタノール50mLを加えた。反応物を室温で16時間撹拌し、N気流下で触媒をろ過し、溶媒を蒸発させた。次の段階では、油状物質N−(1−(6−フルオロ)ナフチル)−ピペラジン(0.420g、39%)を直接用いた。
【0043】
E.マグネティックスターラ、冷却器および窒素導入管を取り付けた100mLの丸底フラスコにN−(1−ナフチル)ピペラジン0.420g(1.83mmol)、6−(2−ブロモエチル)−ベンゾオキサゾロン0.440g(1.83mmol)、炭酸ナトリウム194mg(1.83mmol)、メチルイソブチルケトン50mL、および触媒量のヨウ化ナトリウムを加えた。反応物を3日間還流し、冷却し、蒸発させて、褐色のゴム状物質を得た。ゴム状物質を水50mLと酢酸エチル75mLに分配し、1N水酸化ナトリウム水溶液でpHを調節し、層を分離し、酢酸エチル層を水および食塩水で洗浄した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥して蒸発させた後、シリカゲルクロマトグラフィを実施した。生成物を含む分画を合わせて蒸発させ、残渣をエーテル/ジクロロメタンに取り込み、塩酸ガスで処理して生成物の塩酸塩を得た。これを濾取して白色の固形物、融点295〜300℃、214mg(収率22%)を得た。
【0044】
(実施例10)
6−(4−(4−(1−ナフチル)ピペラジニル)ブチル)−ベンゾオキサゾロン
A.自動攪拌機および窒素導入管を取り付けた500mLの丸底フラスコに、ポリリン酸200g、4−ブロモ酪酸16.7g(0.1mol)およびベンゾオキサゾロン13.51g(0.1mol)を加えた。反応物を115℃で1時間および60℃で1.5時間加熱した。次に氷に注ぎ、45分間撹拌し、固形物を濾取し、水で洗浄した。固形物をアセトンに懸濁し、20分間撹拌し、濾取し、石油エーテルで洗浄し、乾燥して白色の固形物6−(4−ブロモブチリル)−ベンゾオキサゾロン12.3g(43%)、NMR(d,DMSO−d):1.77quin,2H),3.00(t,2H),3.45(t,2H),7.0−7.8(m,3H)を得た。
【0045】
B.滴下漏斗、温度計および窒素導入管を取り付けた100mLの三つ口丸底フラスコに6−(4−ブロモブチリル)−ベンゾオキサゾロン10g(0.035mol)およびトリフルオロ酢酸26.08mL(0.35mol)を加えた。撹拌中の懸濁液にトリエチルシラン12.93mL(0.080mol)を滴加し、反応物を室温で16時間撹拌した。次に反応液を水中に注ぎ、生成した白色の固形物を濾取して水で洗浄した。次にイソプロピルエーテルに懸濁し、撹拌し、濾取して白色固形物6−(4−トリフルオロアセトキシブチル)−ベンゾオキサゾロン、融点100〜103℃10.47g(98.7%)を得た。
【0046】
C.窒素導入管を取り付けた250mLの丸底フラスコに6−(トリフルオロアセトキシブチル)−ベンゾオキサゾロン5.0g(0.0164mol)、メタノール100mL,および炭酸ナトリウム1gを加えた。反応物を室温で1時間撹拌し、蒸発させ、残渣をジクロロメタン/メタノールに取り込み、HCl水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて白色固形物6−(4−クロロブチル)−ベンゾオキサゾロン、融点130〜133℃,2.57gを得た(75.7%)。
【0047】
E.冷却器と窒素導入管を取り付けた100mL丸底フラスコに6−(4−クロロブチル)−ベンゾオキサゾロン0.658g(3.10mmol)、N−(1−ナフチル)ピペラジン0.7g(3.10mmol)、炭酸ナトリウム0.328g、ヨウ化ナトリウム2mgおよびイソプロパノール50mLを加えた。反応物を3日間還流し、蒸発させ、ジクロロメタンに取り込み、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣について酢酸エチルを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィを実施し、生成物をアセトンに溶解し、エーテル性HClで沈殿させ、白色固形物を濾取し、アセトンで洗浄し、乾燥して白色固形物6.76g(46.0%)、融点231〜233℃を得た。
【0048】
(実施例11)
6−(2−(4−(3−(N−(3−トリフルオロメチル)フェニル)インダゾリル)−ピペラジニル)エチル)ベンゾオキサゾロン
冷却器を取り付けた125mLの丸底フラスコにN−(3−トリ−フルオロメチルフェニル)インダゾリル)ピペラジン1.0g(2.89mmol)、6−(2−ブロモエチル)ベンゾオキサゾロン0.70g(2.89mol)炭酸ナトリウム0.31g(2.89mmol)およびメチルイソブチルケトン50mLを加え、混合物を18時間還流した。反応物を冷却し、酢酸エチルと水に分配した。酢酸エチル層を分離し、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて油状物質を得た。油状物質について酢酸エチル/ジクロロメタンを溶離液として用いてシリカゲルクロマトグラフィを実施し、生成物の分画を捕集してエーテルに溶解し、塩化水素ガスで沈殿させ、固形物を捕集して標題化合物の塩酸塩、融点280〜282℃,0.75gを得た(47%)。
【0049】
(実施例12)
5−(2−(4−(1−ナフチル)ピペラジニル)エチル)オキシインドール
A.冷却器および窒素導入管を取り付けた250mL丸底フラスコに塩化アルミニウム30.7g(230mmol)、二硫化炭素150mLおよびクロロアセチルクロリド3.8mL(48mmol)を加えた。撹拌中の懸濁液に15分かけてオキシインドール5.0g(37mmol)を分割して加えた。反応物を10分間撹拌し、次に2時間還流した。反応物を冷却し、氷に加え、充分に撹拌し、ベージュ色の沈殿物を濾取し、水で洗浄し、乾燥して5−クロロアセチル−オキシインドール7.67g(97%)を得た。NMR(d,DMSO−d):3.40(s,2H),5.05(s,2H),6.8−7.9(m,3H).
【0050】
B.冷却器および窒素導入管を取り付けた100mL丸底フラスコに5−クロロアセチルオキシインドール5.0g(23.9mmol)およびトリフルオロ酢酸18.5mLを加えた。発熱を避けるために冷却しながら撹拌中の溶液にトリエチルシラン8.77mL(54.9mmol)を加え、反応物を室温で16時間撹拌した。反応物を氷に注ぎ、撹拌し、ベージュ色の固形物を濾取し、水およびヘキサンで洗浄し、乾燥して5−(2−クロロエチル)オキシインドール融点168〜170℃,3.0g(64%)を得た。
【0051】
C.冷却器と窒素導入管を取り付けた50mL丸底フラスコに5−(2−クロロエチル)オキシインドール370mg(1.69mmol)、塩酸N−(1−ナフチル)ピペラジン400mg(1.69mmol)、炭酸ナトリウム200mg(1.69mmol)、ヨウ化ナトリウム2mgおよびメチルイソブチルケトン50mLを加えた。反応物を24時間還流し、冷却し、蒸発させた。残渣を酢酸エチルに取り込み、水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣について、酢酸エチルを用いてシリカゲルクロマトグラフィを実施し、生成物分画を捕集および蒸発させて泡状物質を得た。泡状物質をエーテルに溶解し、塩化水素ガスで処理し、沈殿を捕集してエーテルで洗浄し、乾燥して白色の固形物融点303〜305℃,603mg(84%)を得た。
【0052】
(実施例13)
6−(2−(4−(4−(2−,1,3−ベンゾチアジアゾリル)ピペラジニル)エチル)−ベンゾオキサゾロン
A.冷却器と窒素導入管を取り付けた125mL丸底フラスコに4−アミノ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール2.0g(13.2mmol)、塩酸メクロレタミン2.54g(13.2mmol)、炭酸ナトリウム4.19g(39.6mmol)、ヨウ化ナトリウム2mgおよびエタノール50mLを加えた。反応物を2日間還流し、冷却し、蒸発させた。残渣をジクロロメタンに取り込み、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣について、酢酸エチル/メタノールを溶離液として用いてシリカゲルクロマトグラフィを実施し、生成物分画を捕集および蒸発させて油状物質4−(2,1,3−ベンゾチアジアゾリル)−N−メチルピペラジン628mg(20%)を得た。NMR(d,CDCl):2.5(s,3H),2.8(m,4H),3.6(m,4H),6.8(m,1H),7.5(m,2H).
【0053】
B.冷却器および窒素導入管を取り付けた25mL丸底フラスコに4−(2,1,3−ベンゾチアジアゾリル)−N−メチルピペラジン620mg(2.64mmol)、クロロギ酸ビニル0.224mL(2.64mmol)およびジクロロエタン15mLを加えた。反応物を16時間還流し、冷却し、蒸発させた。残渣について、ジクロロメタン/酢酸エチルを溶離液として用いてシリカゲルクロマトグラフィを実施し、生成物分画を捕集して黄色固形物4−(2,1,3−ベンゾチアジアゾリル)−N−ビニルオキシカルボニルピペラジン530mg(69%)を得た。NMR(d,CDCl):3.6(m,4H),3.8(m,4H).4.4−5.0(m,2H),6.6−7.6(m,4H).
【0054】
C.冷却器および窒素導入管を取り付けた50mL丸底フラスコに4−(2,1,3−ベンゾチアジアゾリル)−N−ビニルオキシカルボニルピペラジン530mg(1.83mmol)およびエタノール25mLを加え、懸濁液を塩化水素ガスで飽和させた。反応物を2.75時間還流し、冷却し、蒸発させた。残渣にアセトンを加えて粉砕し、黄色の固形物であるN−(2,1,3−ベンゾイソチアゾリル)−ピペラジン、融点240〜244℃,365mg(62%)を得た。
【0055】
D.冷却器と窒素導入管を取り付けた125mL丸底フラスコにN−(2,1,3−ベンゾチアジアゾリル)−ピペラジン365mg(1.13mmol)、6−(2−ブロモエチル)ベンゾオキサゾロン275mg(1.13mmol)、炭酸ナトリウム359mg(3.39mmol)、ヨウ化ナトリウム2mgおよびエタノール40mLを加えた。反応物を還流下で2日間加熱し、冷却し、蒸発させた。残渣をジクロロメタンに取り込み、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣について酢酸エチル/メタノールを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィを実施して生成物分画を捕集し、ジクロロメタン/メタノールに溶解し、HClエーテル溶液を加えて沈殿させ、固形物を濾取し、エーテルで洗浄し、乾燥して228mg(45%)、融点166〜170℃を得た。
【0056】
(実施例14)
6−(2−(4−(1−ナフチル)−ピペラジニル)エチル)ベンゾチアゾロン
冷却器と窒素導入管を有する100mL丸底フラスコに6−(2−ブロモエチル)ベンゾチアゾロン1.0g(3.88mmol)、N−(1−ナフチル)ピペラジン822mg(3.88mmol)、炭酸ナトリウム410mg(3.88mmol)およびメチルイソブチルケトン50mLを加えた。反応物を24時間還流し、冷却し、蒸発させた。残渣を酢酸エチルに取り込み、水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。生成した固形物を熱酢酸エチルで処理して白色固形物、融点198〜220℃,540mg(36%)を得た。
【0057】
(実施例15)
6−(2−(4−(3−ベンゾイソチアゾリル)ピペラジニル)エチル)ベンゾオキサゾロン
冷却器を取り付けた125mLの丸底フラスコにN−(3−ベンゾイソチアゾリル)ピペラジン4.82g(0.022mol)(米国特許第4,411,901号に示された手順に従って調製)、6−(2−ブロモ)エチルベンゾオキサゾロン5.32g(0.022mol)、炭酸ナトリウム2.33g(0.022mol)、およびメチルイソブチルケトン50mLを加えた。混合物を18時間還流した。反応物を冷却し、酢酸エチルと水に分配した。酢酸エチル層を分離し、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて油状物質を得た。油状物質について、酢酸エチルを溶離液として用いてシリカゲルクロマトグラフィを実施し、生成物分画を捕集し、ジクロロメタン/イソプロピルエーテルを加えて粉砕して白色固形物、1融点185〜187℃を得た。NMR(CDCl):1.7(bs,1H),2.8(m,8H),3.6(m,4H),6.9−8.0(m,7H).
【0058】
(実施例16)
5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)−ピペラジニル)エチル)オキシインドール
窒素導入管および冷却器を取り付けた125mL丸底フラスコに5−(2−クロロエチル)−オキシインドール0.62g(3.20mmol),炭酸ナトリウム0.70g(3.20mmol)、ヨウ化ナトリウム2mgおよびメチルイソブチルケトン30mLを加えた。反応物を40時間還流し、冷却、ろ過および蒸発させた。残渣についてシリカゲルクロマトグラフィを実施し、副生成物を酢酸エチル(1 1)で、生成物を4%メタノール酢酸エチル溶液(1.5 1)で溶離した。生成物分画(酢酸エチルの5%メタノール溶液中でR=0.2)を蒸発させ、ジクロロメタンに取り込み、HClで飽和したエーテルを加えて沈殿させ、固形物を濾取してエーテルで洗浄、乾燥し、アセトンで洗浄した。後者は固形物をアセトンでスラリー化およびろ過することにより実施した。標題化合物は高融点、非吸湿性固形生成物、融点288〜288.5℃,0.78(59%)として得られた。
【0059】
5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)ピペラジニル)エチル)−オキシインドールを調製するのと同様の方法で、以下の化合物:
塩酸5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)ピペラジニル)エチル)−1−エチルオキシインドール、25%、融点278〜279℃、
塩酸5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)ピペラジニル)エチル)−1−メチルオキシインドール半水和物、42%、融点283〜285℃、MS(%):392(1),232(100),177(31);C2224OS.HCl.1/2
Oの理論値:C60.33,H5.98,N12.79.実測値:C60.37,H5.84,N12.77;
塩酸5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)ピペラジニル)エチル)−1−(3−クロロフェニル)オキシインドール水和物、8%,融点221〜223℃;MS(%):488(1),256(4),232(100),177(15);C2725ClNOS.HCl.HOの理論値:C59.67,H5.19,N10.31.実測値:C59.95,H5.01,N10.14;
塩酸5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)ピペラジニル)エチル)−3,3−ジメチルオキシインドール半水和物、40%,融点289〜291℃;MS(%):406(1),232(100),177(42);C2326OS.HCl.1/2HOの理論値:C61.11,H6.24,12.39.実測値:C61.44,H6.22,N12.01;
5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)ピペラジニル)エチル)−1,3−ジメチルオキシインドール、76%、融点256℃;
塩酸5’−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)ピペラジニル)エチル)−スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン−]−2’−オン半水和物、50%、融点291〜293℃(dec.);MS(%):432(1)232(100),200(11),177(36);C2528OS.HCl.1/2HOの理論値:C62.81,H6.33,N11.72.実測値:C63.01,H.6.32,N11.34;
塩酸5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)ピペラジニル)エチル)−1,3,3−トリメチルオキシインドール半水和物、63%、融点225〜257℃;MS(%):420(1),232(100),177(37);C2428OS.HCl.1/2HOの理論値:C61.85,H6.49,N12.02.実測値:C61.97,H6.34,N11.93;
塩酸5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)ピペラジニル)エーテル)−6−フルオロオキシインドール水和物、18%、融点291〜293℃;MS(%):396(1),232(100),177(53);C2121FOS.HCl.1/2HOの理論値:C55.93,H5.36,N12.42.実測値:C56.39,H5.30,N12.19;
塩酸5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)ピペラジニル)エチル)−7−フルオロオキシインドール、9%、融点253℃;
塩酸5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)ピペラジニル)エチル)−6−クロロオキシインドール、20%、融点>300℃;MS(%):488(1),256(4),232(100),177(15);C2121ClNOS.HCl.1/2HOの理論値:C52.50,H4.71,N11.39.実測値:C52.83,H4.93,N11.42;
塩酸5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)ピペラジニル)エチル)−6−フルオロ−3,3−ジメチルオキシインドール、35%、融点284〜286℃;C2325FNOS.HCl.HOの理論値:C57.67,H5.89,N11.70.実測値:C58.03,H5.79,N11.77;
5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)ピペラジニル)ブチル)オキシインドール半水和物、26%、融点131〜135℃;MS(%):406(2),270(8),243(65),232(23),177(45),163(100);C2326OS.1/2HOの理論値:C66.48,H6.55,N13.48.実測値:C66.83,H6.30,N13.08;
5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)ピペラジニル)ブチル)−7−フルオロオキシインドール水和物、7%、融点126〜129℃;MS(%):424(3);C2325FNOS.HOの理論値:C57.67,H5.89,N11.70.実測値:C57.96,H5.62,N11.47;
5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)ピペラジニル)ブチル)−1−エチルオキシインドール半水和物、25%、融点126〜128℃;MS(%):434(2),298(10),271(55),232(34),177(53),163(100);C2530OS.1/2HOの理論値:C67.69,H7.04,N12.63.実測値:C67.94,H6.73,N12.21;
塩酸5−(2−(4−(ナフタレン−1−イル)ピペラジニル)エチル)−1−エチルオキシインドール水和物、21%、融点>300℃;MS(%):399(1),225(96),182(30),70(100);C2629O.HCl.HOの理論値:C68.78,H7.10,N9.26.実測値:C69.09,H6.72,N9.20;
塩酸5−(2−(4−(ナフタレン−1−イル)ピペラジニル)エチル)−6−フルオロオキシインドール、23%、融点289〜291℃;MS(%):389(1),232(3),225(100),182(32),70(84);C2424FNO.HCl.1/2CHClの理論値;C62.82,H5.60,N8.97.実測値:C62.42,H5.82,N8.77;
塩酸5−(2−(4−(ナフタレン−1イル)ピペラジニル)エチル)−7−フルオロオキシインドール、22%、融点308℃(dec.);MS(%):389(1),225(100);C2424FNO.HCl.CHClの理論値;C58.78,H5.93,N8.23.実測値:C58.82,H5.80,N8.27;
を生成した。
【0060】
(実施例17)
6−(4−(2−(3−ベンゾイソチアゾリル)ピペラジニル)エチル)フェニル)ベンゾチアゾロン
冷却器および窒素導入管を取り付けた100mL丸底フラスコに6−(2−ブロモエチル)−ベンゾチアゾロン1.03g(4mmol)、N−ベンゾイソチアゾリルピペラジン0.88g(4mmol)、炭酸ナトリウム0.84g(8mmol)、ヨウ化ナトリウム2mgおよびメチルイソブチルケトン40mLを加えた。反応物を36時間還流し、冷却、濾過し、濾液を蒸発させた。残渣について酢酸エチルを溶離液として用いたシリカゲルクロマトグラフィを実施して油状物質を得、これをジクロロメタンに取り込み、HClで飽和したエーテルを加えて沈殿した。固形物を濾取し、エーテルで洗浄し、短時間乾燥し、最小量のアセトンで洗浄し乾燥して白色の固形物、融点288〜290℃,1.44gを得た(76.7%)。
【0061】
(実施例18)
社会的状況に対する急性の恐怖を示し、かつ対人恐怖と診断されている年齢18〜55歳の被験者に対し、用量約40mg、約60mg、約80mg、約100mg/日、約200mg/日までの範囲のジプラシドンを、単回あるいは複数回投与法で投与した。被験者らは、ジプラシドンに切り替えたところ、回避行動の著明な減少を伴う、これまで社会的状況へさらされることにより引き起こされていた不安の大幅な低下を特徴とするような、治療に対する好ましい反応を示した。ジプラシドンの忍容性は良好であり、一般に副作用は見られない。
【0062】
(実施例19)
特定の対象あるいは状況に対する急性の恐怖を示し、かつ特定恐怖症と診断されている年齢18〜55歳の被験者に対し、用量約40mg、約60mg、約80mg、約100mg/日、約200mg/日までのジプラシドンを、単回あるいは複数回投与法で投与した。被験者らは、ジプラシドンに切り替えたところ、回避行動の著明な減少を伴う、恐れられていた対象あるいは状況へさらされることによりこれまで引き起こされていた不安の大幅な低下を特徴とするような、治療に対する好ましい反応を示した。ジプラシドンの忍容性は良好であり、一般に副作用は見られない。
【0063】
(実施例A)
A.実施例12Aにおける5−(クロロアセチル)オキシインドールの調製のための一般的手順に従い、適切なオキシインドールより以下の中間体:
5−(クロロアセチル)−1−エチル−オキシインドール(81%,融点157〜159℃,NMR(CDCl);1.30(t,3H),3.60(s,2H),3.85(q,2H),4.70(s,2H),6.85−8.15(m,2H);
5−(クロロアセチル)−1−メチルオキシインドール(C1110ClNO,92%,融点201〜202℃;
1(3−クロロフェニル)−5(クロロアセチル)オキシインドール,98%,融点143〜145℃,NMR(DMSO−d):3.85(brs,2H),5.10(s,2H),6.8(d,1H),7.4−7.6(m,4H),7.9(s+d,2H);MS(%):319(17,270(100),179(46),178(38);
1,3−ジメチル−5−(クロロアセチル)オキシインドール、97%融点206〜207℃
5−(クロロアセチル)−スピロシクロペンタン[1,3’]−インドール2’オン、99%,融点203〜204℃(dec).;NMR(DMSO−d):2.0(brs,8H),4.95(s,2H),6.9(d,1H),7.8(d+s,2H),10.6(brs,1H);
5−(クロロアセチル)−1,3,3−トリメトキシインドール、82%,融点182〜185℃,NMR(CDCl):1.45(s,6H),3.25(s,3H),4.65(s,2H),6.9(d,1H),7.9(s,1H),8.0(d,1H);
6−フルオロ−5−(クロロアセチル)オキシインドール、96%,融点178〜180℃°;NMR(DMSO−d):3.5(s,2H),4.8(d,2H),6.7−7.2(m,2H),7.8(d,1H);
7−フルオロ−5−(クロロアセチル)オキシインドール、91%,融点194〜196℃,NMR(DMSO−d):3.68(s,2H),5.13(s,2H)7.65−7.9(dd,2H);
6−クロロ−5−(クロロアセチル)オキシインドール、99%,融点206〜207℃;
5−(クロロアセチル)−3,3−ジメチル−6−フルオロオキシインドール、89%,融点185〜188℃;
5−(y−クロロブチリル)オキシインドール、84%,油状,MS(%):239,237(55);
1−エチル−5−(y−クロロブチリル)オキシインドール、99%,油状、NMR(CDCl):1.2(t,3H),1.5−2.7(m,5H),3.0−3.2(m,2H),3.5−4.0(m,3H),6.8−7.0(d,1H),7.9(s,1H),7.95(d,1H),および
5−(y−クロロブチリル)−7−フルオロオキシインドール、53%,融点156〜160℃を調製した。
【0064】
(実施例B)
実施例12Bにおける5−(2−クロロエチル)オキシインドールの調製に用いたものと同じ手順により、以下の:
5−(2−クロロエチル)−1−エチルオキシインドール、93%,融点120〜122℃;NMR(CDCl):1.30(t,2H),3.55(s,2H),3.65−4.0(m,4H),6.8−7.3(m,3H);
5−(2−クロロエチル)−1−メチルオキシインドール、99%,融点127〜130℃;NMR(CDCl):3.1(t,2H),3.2(s,2H),3.5(s,2H),3.75(t,2H),6.8(d,1H),7.15(s,1H),7.3(d,1H);
5−(2−クロロエチル)−1−(3−クロロフェニル)オキシインドール、83%,融点75〜76℃;
5−(2−クロロエチル)−1,3−ジメチルオキシインドール、58%,融点73〜75℃,NMR CDCl):1.45−1.55(d,3H),3.03−3.2(t,2H),3.25(s,3H),3.30−3.60(q,1H),3.65−3.90(t,2H),6.85−6.90(d,1H),7.15(s,1H),7.15−7.30(d,1H);
5’−(2−クロロエチル)−スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−2’−オン、92%,融点140〜142℃;NMR(DMSO−d):2.8(brs,8H),2.90(t,2H),3.7(t,2H),6.6−7.1(m,3H),10.2(brs,1H);
5−(2−クロロエチル)−,3,3−トリメチルオキシインドール、83%,油状;
5−(2−クロロエチル)−6−フルオロオキシインドール62%,融点188〜190℃;NMR(DMSO−ds)3.05(t,2H),3.5(2,2H),3.85(t,2H),6.6−7.3(m,2H);
5−(2−クロロエチル)−7−フルオロオキシインドール、79%,融点176〜179℃;MS(%);213(50),180(20),164(100),136(76);
5−(2−クロロエチル)−6−クロロオキシインドール、94%,融点210〜211℃;
5−(2−クロロエチル)−3,3−ジメチル−6−フルオロオキシインドール(C1213ClFNO,84%,融点195〜196℃°,NMR(DMSO−d):1.3(s,6H),3.05(t,2H),3.7(t,2H),6.65(d,1H),7.1(d,1H),10.1(brs,1H);
5−(4−クロロブチル)オキシインドール、40%,油状、NMR(CDCl):1.6−2.0(m,4H),2.6(m,2H),3.6(m,4H),6.8−7.15(m,3H),9.05(brs,1H);
5−(4−クロロブチル)−エチルオキシインドール、48%,油状、NMR(CDCl):1.25(t,3H),1.5−1.95(m,4H),2.6(m,2H),3.5(s,2H),3.55(t,2H),3.75(q,2H),6.7−7.2(m,3H);および
5−(4−クロロブチル)−7−フルオロオキシインドール、71%,融点168〜173℃を調製した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
状況不安を、その必要がある哺乳類において治療する方法であって、前記哺乳類に薬学的に有効な量の下記式の化合物
【化1】

あるいは薬学的に許容できるその酸付加塩を投与することを含む方法
(式中、Arはそれぞれが1つのフッ素、塩素、トリフルオロメチル、メトキシ、シアノ、ニトロあるいはフッ素、塩素、トリフルオロメチル、メトキシ、シアノ、あるいはニトロで置換されてもよいナフチルで置換されてもよいベンゾイソチアゾリルあるいははそのオキシドあるいはジオキシド;キノリル;6−ヒドロキシ−8−キノリル;イソキノリル;キナゾリル;ベンゾチアゾリル;ベンゾチアジアゾリル;ベンゾトリアゾリル;ベンゾオキサゾリル;ベンゾオキサゾロニル;インドリル;1つまたは2つのフッ素によって置換されてもよいインダニル;1−トリフルオロメチルフェニルによって置換されてもよい3−インダゾリル;またはフタラジニルであり;
nが1または2であり、
かつXおよびYがそれらが結合しているフェニルとともにキノリル;2−ヒドロキシキノリル;ベンゾチアゾリル;2−アミノベンゾチアゾリル;ベンゾイソチアゾリル;インダゾリル;2−ヒドロキシインダゾリル;インドリル;スピロ;1〜3個の(C−C)アルキルまたは1つの塩素、フッ素またはフェニルによって置換されてもよいオキシインドリルであって、前記フェニルは1つの塩素またはフッ素によって置換されてもよい;ベンゾオキサゾリル;2−アミノベンゾオキサゾリル;ベンゾオキサゾロニル;2−アミノベンゾオキサゾリニル;ベンゾチアゾロニル;ベンゾイミダゾロニル;またはベンゾトリアゾリルまたは薬学的に許容できるその酸付加塩を形成する)。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記状況不安が特定恐怖症、対人恐怖、および不安による適応障害からなる群から選択される方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、特定の恐怖が医療処置に先だって経験される不安、水泳あるいは水に付随する不安、および旅行に付随する不安からなる群より選択される、前記特定の恐怖の治療のための方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、対人恐怖が人前で話すことの恐怖および人前で行動することの恐怖からなる群から選択される、前記対人恐怖を治療するための方法。
【請求項5】
治療抵抗性不安を、その必要がある哺乳類において治療する方法であって、前記哺乳類に薬学的に有効な量の下記式の化合物
【化2】

あるいは薬学的に許容できるその酸付加塩を投与することを含む方法
(式中、Arはそれぞれが1つのフッ素、塩素、トリフルオロメチル、メトキシ、シアノ、ニトロあるいはフッ素、塩素、トリフルオロメチル、メトキシ、シアノ、あるいはニトロで置換されてもよいナフチルで置換されてもよいベンゾイソチアゾリルあるいははそのオキシドあるいはジオキシド;キノリル;6−ヒドロキシ−8−キノリル;イソキノリル;キナゾリル;ベンゾチアゾリル;ベンゾチアジアゾリル;ベンゾトリアゾリル;ベンゾオキサゾリル;ベンゾオキサゾロニル;インドリル;1つまたは2つのフッ素によって置換されてもよいインダニル;1−トリフルオロメチルフェニルによって置換されてもよい3−インダゾリル;またはフタラジニルであり;
nが1または2であり、
かつXおよびYがそれらが結合しているフェニルとともにキノリル;2−ヒドロキシキノリル;ベンゾチアゾリル;2−アミノベンゾチアゾリル;ベンゾイソチアゾリル;インダゾリル;2−ヒドロキシインダゾリル;インドリル;スピロ;1〜3個の(C−C)アルキルまたは1つの塩素、フッ素またはフェニルによって置換されてもよいオキシインドリルであって、前記フェニルは1つの塩素またはフッ素によって置換されてもよい;ベンゾオキサゾリル;2−アミノベンゾオキサゾリル;ベンゾオキサゾロニル;2−アミノベンゾオキサゾリニル;ベンゾチアゾロニル;ベンゾイミダゾロニル;またはベンゾトリアゾリルまたは薬学的に許容できるその酸付加塩を形成する)。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記方法が治療抵抗性不安の治療に向けられている方法。
【請求項7】
先行請求項のいずれかに記載の方法であって、前記化合物がジプラシドン遊離塩基あるいは薬学的に許容されるジプラシドンの塩である方法。
【請求項8】
先行請求項のいずれかに記載の方法であって、前記哺乳類が1日につき約0.5mgから約500mgの用量のジプラシドン遊離塩基あるいは薬学的に許容されるジプラシドンの塩によって治療される方法。
【請求項9】
先行請求項のいずれかに記載の方法であって、前記化合物がジプラシドン遊離塩基あるいは薬学的に許容されるジプラシドンの塩でありかつ前記投与が経口である方法。
【請求項10】
先行請求項のいずれかに記載の方法であって、前記化合物がジプラシドン遊離塩基あるいは薬学的に許容されるジプラシドンの塩でありかつ前記投与が非経口である方法。

【公表番号】特表2007−522095(P2007−522095A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530651(P2006−530651)
【出願日】平成16年5月5日(2004.5.5)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001561
【国際公開番号】WO2004/100955
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】