ジョイスティック装置
【課題】ダイヤルノブが一端に結合される回転筒およびケース間に、回転筒の回転位置を検出する回転位置検出手段が設けられるジョイスティック装置において、回転筒の回転位置を磁気センサで検出するにあたって回転筒の軸方向に沿う磁気センサの配置上の自由度を高めるとともに必要とされるマグネットの個数を少なくする。
【解決手段】回転位置検出手段87が、回転筒80に設けられる駆動ギヤ88と、駆動ギヤ88に噛合する被動ギヤ90が外周に設けられる回転体89と、回転体89にその周方向に間隔をあけて設けられる複数のマグネット91と、回転体89の回転に伴うマグネット91との相対位置変化に応じて回転筒80の回転位置を検出すべく回転体89の他端部に対向してケース17に配設される磁気センサ92とを備える。
【解決手段】回転位置検出手段87が、回転筒80に設けられる駆動ギヤ88と、駆動ギヤ88に噛合する被動ギヤ90が外周に設けられる回転体89と、回転体89にその周方向に間隔をあけて設けられる複数のマグネット91と、回転体89の回転に伴うマグネット91との相対位置変化に応じて回転筒80の回転位置を検出すべく回転体89の他端部に対向してケース17に配設される磁気センサ92とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一端に操作ノブが連結される操作軸が、その軸線上に設定された傾動中心まわりに中立位置から傾動することを可能としてケースに支承され、ダイヤルノブが一端に結合されるとともに前記操作軸を囲繞する円筒状の回転筒が軸線まわりに回転することを可能として前記ケースに支承され、前記回転筒の他端部および前記ケース間に、前記回転筒の回転位置を検出する回転位置検出手段が設けられるジョイスティック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなジョイスティック装置は、たとえば特許文献1によって知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−122290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1で開示されたものでは、一端にダイヤルノブが結合された回転筒の回転位置を検出する回転位置検出手段が、前記回転筒の他端部に設けられて周方向に等間隔に配置される複数の遮光部と、それらの遮光部を相互間を通過するように配置される発光素子および受光素子とで構成されている。このため回転筒の他端側内部にも発光素子もしくは受光素子を配置するスペースを確保する必要があり、回転筒の他端部内に配置される他の部品の配置に制約が生じることになる。そこで回転筒の他端側に設けられた複数のマグネットに対する相対位置変化を磁気センサで検出することで回転筒の回転位置を検出するようにすれば、回転筒の他端部内に他の部品を配置するスペースに余裕が生じる。しかるに回転筒の他端部に直接対向させて磁気センサを配置する構成では、回転筒の軸方向で磁気センサの配置位置が限定されてしまうことになって設計上の自由度が大木とは言い難く、しかも回転筒に多数のマグネットを設ける必要がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、回転筒の回転位置を磁気センサで検出するにあたって回転筒の軸方向に沿う磁気センサの配置上の自由度を高めるとともに必要とされるマグネットの個数を少なくしたジョイスティック装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、一端に操作ノブが連結された操作軸が、その軸線上に設定された傾動中心まわりに中立位置から傾動することを可能としてケースに支承され、ダイヤルノブが一端に結合されるとともに前記操作軸を囲繞する円筒状の回転筒が軸線まわりに回転することを可能として前記ケースに支承され、前記回転筒の他端部および前記ケース間に、前記回転筒の回転位置を検出する回転位置検出手段が設けられるジョイスティック装置において、前記回転位置検出手段が、前記回転筒の他端部外周に設けられる駆動ギヤと、前記回転筒よりも小径に形成されて前記回転筒の側方で前記ケースに回転自在に支承されるとともに前記駆動ギヤに噛合する被動ギヤが外周に設けられる回転体と、該回転体にその周方向に間隔をあけて設けられる複数のマグネットと、前記回転体の回転に伴う前記マグネットとの相対位置変化に応じて前記回転筒の回転位置を検出すべく前記回転体の他端部に対向して前記ケースに配設される磁気センサとを備えることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記回転体が、その一端部外周に前記被動ギヤが設けられるととも他端部外周に前記マグネットが設けられるようにして円筒状に形成され、前記ケースが、前記回転体を回転可能に挿通せしめる挿通孔を有する第1ケース部材と、前記回転体の一端部を回転自在に支承する軸支部ならびに前記回転筒を回転自在に支承する支持筒部を有して第1ケース部材に結合される第2ケース部材とを備え、前記挿通孔の内周の1箇所に軸方向に延びる係合溝が設けられ、前記回転体の外周に、前記軸支部で該回転体の一端部を回転自在に支承する前の組み付け途中では前記係合溝に係合するものの前記軸支部で該回転体の一端部を回転自在に支承して前記被動ギヤを前記駆動ギヤに噛合せしめた組み付け完了時に前記係合溝から離脱する係合突起が突設されることを第2の特徴とする。
【0008】
なお実施の形態のケース主体20が本発明の第1ケース部材に対応し、実施の形態の第1蓋部材21が本発明の第2ケース部材に対応し、実施の形態の第2マグネット91が本発明のマグネットに対応し、実施の形態の第2磁気センサ92が本発明の磁気センサに対応し、実施の形態の第1軸支部94が本発明の軸支部に対応する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1の特徴によれば、回転筒の他端部外周に設けられる駆動ギヤに噛合する被動ギヤが、回転筒よりも小径に形成されるとともに回転筒の側方でケースに回転自在に支承される回転体の外周に設けられ、その回転体の周方向に間隔をあけた複数箇所に設けられるマグネットとの相対位置が回転体の回転に伴って変化するのに応じて回転筒の回転位置を検出する磁気センサが回転体の他端部に対向してケースに配設されるので、回転筒の回転位置を磁気センサで検出するにあたって回転筒の軸方向に沿う磁気センサの配置上の自由度を高めるとともに必要とされるマグネットの個数を少なくすることができる。
【0010】
また本発明の第2の特徴によれば、ケースの一部を構成する第1ケース部材の挿通孔の内周の1箇所に軸方向に延びる係合溝が設けられ、回転体の外周に設けられる係合突起が回転体の組み付け途中では係合溝に係合するものの組み付け完了時に係合溝から離脱するので、磁気センサに対する回転体の位置決めを確実なものとしてケースに回転体を組み付けることが可能となり、組み付け工数の低減を図るとともに誤組みが生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ジョイスティック装置の全体斜視図である。
【図2】図1の2矢視図である。
【図3】ジョイスティック装置の分解斜視図である。
【図4】図2の4−4線断面図である。
【図5】図2の5−5線断面図である。
【図6】マグネットホルダ、スライダおよびベースの分解斜視図である。
【図7】マグネットホルダ、スライダおよびベースを図6の7−7線に沿って示す断面図である。
【図8】マグネットホルダ、スライダおよびベースを図6の8−8線に沿って示す断面図である。
【図9】図2の9−9線線断面図である。
【図10】組み付け時の状態を示す断面図である。
【図11】組み付け完了状態での図10に対応した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図1〜図11を参照しながら説明する。
【0013】
先ず図1〜図3において、このジョイスティック装置は、たとえばカーナビゲーションシステムの画面上のカーソル操作に用いられるものであり、操作ノブ15と、該操作ノブ15に一端が連結される操作軸16と、該操作軸16を傾動可能に支承するケース17と、前記操作軸16の軸線まわりに回転することを可能として前記操作ノブ15に隣接した位置に配置されるダイヤルノブ18とを備える。
【0014】
図4を併せて参照して、前記ケース17は、ケース主体20と、該ケース主体20に複数のねじ部材23,23…で締結される第1蓋部材21と、前記ケース主体20に第1蓋部材21とは反対側から結合される第2蓋部材22とから成る。
【0015】
前記ケース主体20は、矩形の筒状に形成される筒状側壁部20aと、該筒状側壁部20aの一端寄り内面から内方に張り出す支持壁部20bと、該支持壁部20bの内周縁に直角に連なる内側支持部20cとを一体に有する。
【0016】
第1蓋部材21は、前記ケース主体20の支持壁部20bに外側から対向するようにして矩形の皿状に形成される第1蓋部21aと、前記ケース主体20の内側支持筒部20cを囲繞するようにして第1蓋部21aの中央部に基端部が直角に連設される横断面円形の外側支持筒部21bとを一体に有し、第1蓋部21aの4つの角部が前記ケース主体20における筒状側壁部20aの一端部に前記ねじ部材23,23…で締結される。また第2蓋部材22は、前記ケース主体20における筒状側壁部20aの他端開口部を覆う矩形の平板状に形成される第2蓋部22aと、前記筒状側壁部20aの他端部に嵌合するようにして第2蓋部22aの外周縁部に直角に連なる横断面矩形の短筒部22bとを一体に有し、短筒部22bには、前記筒状側壁部20aの4つの側壁の他端部に設けられたガイドスリット24…に嵌合するガイド突部25…と、前記筒状側壁部20aの4つの側壁のうち相互に対向する2つの側壁に一対ずつ設けられる係合孔26,26…にそれぞれ弾発係合する係合突起27,27…とが突設される。
【0017】
図5を併せて参照して、前記操作ノブ15の中央部には、円形の非透光性キャップ28と、非透光孔性キャップ28の周囲に配置されるリング状の透光性キャップ29と、それらのキャップ28,29の内方に配置されるレンズ30と、該レンズ30の周縁部を前記透孔性キャップ29との間に挟むリング状の支持部材31とが取付けられ、支持部材31には、前記操作軸16と同軸に配置される連結筒32の一端部が結合される。この連結筒部32の一端部には第1基板33が固定されており、発光ダイオード34が前記レンズ30の内方に配置されるようにして第1基板33の前記レンズ30側の面に配設される。
【0018】
ところで、前記操作軸16は、その一端部を第1蓋部材21の内側支持筒部20cから突出させるようにして前記内側支持筒部20c内に挿入されており、前記内側支持筒部20cから突出した前記操作軸16の一端部が前記連結筒32を介して前記操作ノブ15に連結される。
【0019】
前記操作軸16の一端部は、該操作軸16の中心軸線まわりの前記連結筒32との相対位置を一定に定めて前記連結筒32の他端部内に挿入される。しかも前記操作軸16の一端の周方向2箇所には側方に突出する爪部36…が一体に設けられており、前記連結筒32において第1基板33が固定された部分よりも前記操作軸16側の中間部には、前記爪部36…に第1基板33とは反対側から係合し得る規制爪部37…と、前記操作軸16の一端に第1基板33側から対向する壁部38とが設けられる。而して連結筒32および操作ノブ15は、前記規制爪部37…を前記操作軸16の前記爪部36…に当接、係合させる非押し込み操作位置と、前記規制爪部37…を前記操作軸16の前記爪部36…から離反させる押し込み操作位置との間で前記操作軸16に対して軸方向に相対移動可能である。
【0020】
前記操作軸16の一端部には、第1基板33の前記操作軸16側の面に当接するプッシュロッド39を挿入せしめる有底の挿入孔40が操作軸16の長手方向に長く延びて設けられるとともに、その挿入孔40の一直径線上に配置される一対の規制孔41,41が操作軸16の長手方向に延びるようにして設けられる。一方、前記プッシュロッド39の周方向に等間隔をあけた2箇所には、前記規制孔41…に移動可能に挿入される突部42a…を先端に有する規制腕部42…が一体に連設されており、該プッシュロッド39は、前記突部42a…が前記規制孔41…内で移動し得る範囲で前記操作軸16に対して相対移動することを可能として前記操作軸16の一端部に装着される。しかも前記挿入孔40内には、前記プッシュロッド39および前記操作軸16間に介設される第1ばね43が収容されており、この第1ばね43のばね力によって前記プッシュロッド39は第1基板33側に向けて付勢される。
【0021】
第1基板33の前記操作軸16側の面には、前記プッシュロッド39に当接するスイッチ44が設けられており、前記操作ノブ15および前記連結筒32を非押し込み操作位置から押し込み操作位置に移動するように押し込むと、第1ばね43で付勢されたプッシュロッド39からの荷重が前記スイッチ44に作用することになる。
【0022】
また前記連結筒32の他端部および前記操作軸16間には、前記操作ノブ15および前記連結筒32を非押し込み操作位置から押し込み操作位置に押し込む際にクリック間を操作者に付与するための第1クリック機構45が設けられる。
【0023】
この第1クリック機構45は、前記連結筒32の一直径線上に軸線を配置するようにして前記操作軸16に設けられた第1収容孔46の両端に嵌合される一対の第1クリックピン47,47と、それらの第1クリックピン47…を操作軸16の外周から突出させる方向に付勢するようにして両第1クリックピン47…間に設けられて第1収容孔46に収容される第1クリックばね48と、第1クリックピン47…を当接させるようにして前記連結筒32の内面に形成される当接面49,49とで構成され、当接面49…は、前記操作ノブ15および前記連結筒32が非押し込み操作位置から押し込み操作位置に押し込まれる際に、第1クリックピン47…を第1クリックばね48のばね力に抗して第1収容孔46内に押し込むように形成される。
【0024】
前記操作軸16は、前記ケース17におけるケース主体20の内側支持筒部20cに傾動支持部材51を介して傾動可能に支持されるものであり、この傾動支持部材51は、前記操作軸16を囲むようにしてリング状に形成されて前記内側支持筒部20c内に挿入される。
【0025】
前記操作軸16には、その一直径線に沿う方向で該操作軸16の外周から突出する一対の第1支軸52,52が突設され、それらの第1支軸52…は、前記傾動支持部材51に設けられた一対の第1支持孔53,53で回動可能に支承される。また前記傾動支持部材51には、第1支軸52…の軸線および前記操作軸16の軸線と直交する方向で該傾動支持部材51の外周から突出する一対の第2支軸54…が突設され、それらの第2支軸54…は、前記内側支持筒部20cに設けられた一対の第2支持孔55…で回動可能に支承される。しかも前記傾動支持部材51には、第1支軸52…の軸線と平行に延びる一対のガイド突部56…が突設されており、それらのガイド突部56…は前記内側支持筒部20cの内面に設けられた一対のガイド溝57…内に嵌合される。
【0026】
而して前記操作軸16が、第1支軸52…の軸線まわりに回動可能として前記傾動支持部材51に支承され、前記傾動支持部材51が、第1支軸52…の軸線および前記操作軸16の軸線と直交する軸線を有する第2支軸54…の軸線まわりに回動可能として前記内側支持筒部20cに支承されるので、前記操作軸16は、第1支軸52…の軸線および第2支軸54…の軸線が直交する点である傾動中心Cまわりに中立位置から傾動することを可能として前記ケース17の内側支持筒部20cに支承されることになる。
【0027】
図4に注目して、前記ケース17のケース主体20内には、ケース主体20の支持壁部20bから第2蓋部材22の第2蓋部22a側に向かって順に、マグネットホルダ58、スライダ59、ベース60および第2基板61が収容される。
【0028】
而して第2基板61は、中立位置にある前記操作軸16の軸線に直交する第1の直線方向62と、前記中立位置にある前記操作軸16の軸線および第1の直線方向62に直交する第2の直線方向63とを含む平面に沿うようにしてケース17に固定されており、第2蓋部材22の第2蓋部22aとは反対側から第2基板61に対向するようにして前記ベース60が前記ケース17に固定され、第2基板61は複数のねじ部材71,71…で前記ベース60に固定される。
【0029】
図6を併せて参照して、十字状に形成される前記マグネットホルダ58の中央部には、前記操作軸16の他端に設けられる球状の連結部16aを嵌合せしめる連結孔64が設けられており、前記操作軸16の他端部は前記マグネットホルダ58の中央部に首振り可能に連結される。
【0030】
またマグネットホルダ58の中央部には、第2基板61側に突出する円筒状の保持突部58aが一体に突設されており、この保持突部58aに第1マグネット65が固定される。一方、第1マグネット65に対向する部分で第2基板61には、前記操作軸16の傾動に応じて移動する第1マグネット65との相対位置変化に応じて前記操作軸16の傾動操作方向を検出する第1磁気センサ66が固定されており、この第1磁気センサ66は、たとえば4つのホール素子が周方向に等間隔をあけて配置されて成るICチップである。
【0031】
前記ベース60には、第2基板61に設けられる第1磁気センサ66を臨ませる円形の第1開口部67が設けられる。また前記マグネットホルダ58および前記ベース60間に配置される前記スライダ59は十字状に形成されており、このスライダ59には、前記マグネットホルダ58の保持突部58aを挿入せしめる第2開口部68が設けられ、この第2開口部68は、第1の直線方向62に長い長孔状に形成される。
【0032】
前記スライダ59には、第1の直線方向62に前記マグネットホルダ58が相対移動するのをガイドするとともに第2の直線方向63に前記マグネットホルダ58が相対移動するのを阻止するようにして前記マグネットホルダ58が連結される。
【0033】
すなわち前記スライダ59には、第1の直線方向62に延びる一対の長孔69,69が第2開口部68の両側に位置するようにして設けられており、図7で明示するように、前記マグネットホルダ58に設けられた一対のガイド突部70…がそれらの長孔69…に嵌合される。したがって前記マグネットホルダ58は、前記長孔69…内を前記ガイド突部70…が移動する方向すなわち第1の直線方向62で前記スライダ59に対して相対移動可能であるが、第2の直線方向63での前記スライダ59に対する前記マグネットホルダ58の相対移動は阻止されることになる。
【0034】
図8を併せて参照して、前記スライダ59および前記ベース60間には、前記スライダ59が第2の直線方向63に移動するのをガイドするガイド機構72が設けられるものであり、このガイド機構72は、第1開口部67の両側で第2の直線方向63に沿って延びるようにして前記ベース60に設けられる一対のガイドレール73,73と、それらのガイドレール73…を嵌合させるようにして前記スライダ59に設けられる一対のガイド溝74…とで構成される。
【0035】
前記マグネットホルダ58と、前記ケース17の第1蓋部材21との間には、前記操作軸16の傾動操作にクリック間を付与するための第2クリック機構75が設けられ、この第2クリック機構75は、ケース主体20の内側支持筒部20cに当該内側支持筒部20cの長手方向に移動することを可能として保持される一対の第2クリックピン76,76と、それらの第2クリックピン76…をマグネットホルダ58側に付勢するばね力を発揮して第2クリックピン76…および前記内側支持筒部20c間に設けられる一対の第2クリックばね77,77と、第2クリックピン76…の先端を当接させるようにして前記マグネットホルダ58に設けられる当接凹部78,78とで構成される。
【0036】
前記内側支持筒部20cの周方向に間隔をあけた2箇所の第1蓋部21a側には、該内側支持筒部20cの長手方向に延びて前記マグネットホルダ58側に開放した有底の第2収容孔79…を形成する一対の膨出部20d…が外側方に膨らむようにして一体に形成される。第2クリックピン76…は、第2収容孔79…の閉塞端を移動自在に貫通する軸部76a…を一体に有して第2収容孔79…に摺動可能に嵌合されており、前記軸部76a…を囲繞するコイル状の第2クリックばね77…が、第2収容孔79…の閉塞端および第2クリックピン76…間に介設されるようにして第2収容孔79…内に収容される。
【0037】
またマグネットホルダ58に設けられる当接凹部78は、前記操作軸16がいずれの方向にも傾動していない中立位置にあるときに第2クリックピン76…の先端の球状当接部76bを当接させる中立位置当接部78aと、その中立位置当接部78aから放射状に広がる8つの傾斜溝部78b…とを有するように形成されており、各傾斜溝部78b…は、第1および第2の直線方向62,63を含む8方向で前記中立位置当接部78aから放射状に広がるように形成される。
【0038】
而して前記操作軸16がその中立位置から傾動するのに応じたマグネットホルダ58の移動は前記8つの傾斜溝部78b…の方向に規制されることになり、各傾斜溝部78b…を第2クリックピン76の先端の球状当接部76bが登ることで前記操作軸16の傾動操作にクリック感が付与されることになる。
【0039】
ところで第2クリック機構75において、マグネットホルダ58の移動の方向は傾斜溝部78b…で規制されているが、傾斜溝部78b…を有する前記当接凹部78を円錐状とすることで、操作ノブ15の動きに追従するようにカーソルが動くことが可能となり、十字操作を行うゲーム機や、リモコンカー等の玩具用コントローラにも応用が可能となる。
【0040】
再び図3および図4に注目して、前記ケース17の内側支持筒部20cを囲繞する回転筒80が前記ケース17の外側支持筒部21b内に挿入されて該外側支持筒部21bに回転可能に支承されており、該回転筒80の一端に前記ダイヤルノブ18が結合される。
【0041】
前記回転筒80の他端には、第1蓋部材21の第1蓋部21aおよび前記ケース主体20の支持壁部20b間に配置される鍔部80aが一体に設けられており、この鍔部80aと、前記支持壁部20bとの間に、前記ダイヤルノブ18の回転操作にクリック感を付与する第3クリック機構81が設けられる。
【0042】
第3クリック機構81は、前記ケース主体20の支持壁部20bに一体に設けられて前記鍔部80a側に向けて突出される一対の収容筒部82…と、それらの収容筒部82…に移動可能に収容、保持される一対の第3クリックピン83…と、それらの第3クリックピン83…を前記回転筒80の前記鍔部側に付勢するばね力を発揮して第3クリックピン83…および前記支持壁部20b間に設けられる一対の第3クリックばね84…と、第3クリックピン83…の先端を当接させるようにして前記鍔部80aの前記支持壁部20bに臨む面に形成される多数の山部85…とで構成され、前記鍔部80aの前記山部85…を第3クリックピン83…が乗り越えることでクリック感が生じることになる。
【0043】
図9を併せて参照して、前記回転筒80の他端部および前記ケース17間には、その回転筒80の回転位置を検出する回転位置検出手段87が設けられるものであり、該回転位置検出手段87が、前記回転筒80の他端部における前記鍔部80aの外周に設けられる駆動ギヤ88と、前記回転筒80よりも小径に形成されて前記回転筒80の側方で前記ケース17に回転自在に支承されるとともに前記駆動ギヤ88に噛合する被動ギヤ90が外周に設けられる回転体89と、該回転体89にその周方向に間隔をあけて設けられる複数たとえば2つの第2マグネット91,91と、前記回転体89の回転に伴う第2マグネット91…との相対位置変化に応じて前記回転筒80の回転位置を検出すべく前記回転体89の他端部に対向して配置されるたとえば一対の第2磁気センサ92,92とを備える。
【0044】
前記回転体89は、基本的に円筒状に形成されるものであり、この回転体89の一端部外周に前記被動ギヤ90が設けられ、また回転体89の他端部外周に第2マグネット91…が周方向に等間隔をあけて固定される。
【0045】
前記ケース17におけるケース主体20の支持壁部20bには前記回転体89を挿通せしめる挿通孔93が回転体89の軸方向中間部を支持するようにして設けられ、第1蓋部材21における第1蓋部21aの内面には前記回転体89の一端部に嵌合して回転体89の一端部を回転自在に軸支する第1軸支部94が突設される。また前記ケース17に固定された前記ベース60には、前記回転体89の他端部に嵌合して回転体89の他端を回転自在に軸支する第2軸支部95が突設される。
【0046】
第2磁気センサ92…は、たとえばホール素子であり、前記ベース60を介してケー ス17に固定される第2基板61に固定され、前記ベース60には、前記回転体89の他端部の外周側に第2磁気センサ92…を対向させる第3開口部96が設けられる。
【0047】
図10において、前記挿通孔93の内周の1箇所には軸方向に延びる係合溝97が設けられ、前記回転体89の外周には、第1軸支部94で該回転体89の一端部を回転自在に支承する前の組み付け途中では前記係合溝97に係合するものの、図11で示すように、第1軸支部94で該回転体89の一端部を回転自在に支承して前記被動ギヤ90を前記駆動ギヤ88に噛合せしめた組み付け完了時に前記係合溝97から離脱する係合突起98が突設される。
【0048】
次にこの実施の形態の作用について説明すると、第2基板61が、中立位置にある操作軸16の軸線に直交する第1の直線方向62ならびに中立位置にある操作軸16の軸線および第1の直線方向62に直交する第2の直線方向63を含む平面に沿うようにしてケース17に固定されており、この第2基板61に設けられる第1磁気センサ66を臨ませる第1開口部67を有して第2基板61に対向するベース60がケース17に固定され、操作軸16の他端が首振り可能に連結されるマグネットホルダ58に設けられて第1開口部67内に挿入される保持突部58aに第1マグネット65が固定され、前記保持突部58aを挿入せしめる第2開口部68を有してマグネットホルダ58およびベース60間に配置されるスライダ59に、第1の直線方向62にマグネットホルダ58が相対移動するのをガイドするとともに第2の直線方向63にマグネットホルダ58が相対移動するのを阻止するようにしてマグネットホルダ58が連結され、スライダ59およびベース60間に、スライダ59が第2の直線方向63に移動するのをガイドするガイド機構72が設けられるので、マグネットホルダ58は操作軸16の傾動に応じて、第2基板61と平行な平面に沿って移動することになり、第1マグネット65および第1磁気センサ66間の距離を操作軸16の傾動位置にかかわらず一定に保持することができる。このため操作軸16の傾動操作による傾動操作方向の検出精度にばらつきが生じるのを抑制することができ、回路の構成を簡素化してコストの低減を図ることができる。また検出精度のばらつきが抑制されることで操作ノブ15の傾き量変化に応じてカーソルの移動量を細かく(リニアに)制御することが可能となる。
【0049】
またダイヤルノブ18が一端に結合されるとともに操作軸16を囲繞する円筒状の回転筒80が軸線まわりに回転することを可能としてケース17に支承され、回転筒80の他端部およびケース17間に、回転筒80の回転位置を検出する回転位置検出手段87が設けられるのであるが、その回転位置検出手段87が、前記回転筒80の他端部外周に設けられる駆動ギヤ88と、前記回転筒80よりも小径に形成されて前記回転筒80の側方で前記ケース17に回転自在に支承されるとともに前記駆動ギヤ88に噛合する被動ギヤ90が外周に設けられる回転体89と、該回転体89にその周方向に間隔をあけて設けられる複数の第2マグネット91…と、前記回転体89の回転に伴う第2マグネット91…との相対位置変化に応じて前記回転筒80の回転位置を検出すべく前記回転体89の他端部に対向して前記ケース17に固定された第2基板61に配設される第2磁気センサ92…とを備えるので、回転筒80の回転位置を第2磁気センサ92…で検出するにあたって回転筒80の軸方向に沿う第2磁気センサ92…の配置上の自由度を高めるとともに必要とされる第2マグネット91…の個数を少なくすることができる。
【0050】
さらに前記回転体89が、その一端部外周に前記被動ギヤ90が設けられるとともに他端部外周に第2マグネット91…が設けられるようにして円筒状に形成され、ケース17の一部を構成するケース主体20の支持壁部20bに前記回転体89を回転可能に挿通せしめる挿通孔93が設けられ、回転筒80を回転自在に支承する外側支持筒部21bを有して前記ケース17の一部を構成する第1蓋部材21に前記回転体89の一端部を回転自在に支承する第1軸支部94が設けられ、前記挿通孔93の内周の1箇所に軸方向に延びる係合溝97が設けられ、回転体89の外周に、第1軸支部94で該回転体89の一端部を回転自在に支承する前の組み付け途中では前記係合溝97に係合するものの第1軸支部94で該回転体89の一端部を回転自在に支承して前記被動ギヤ90を前記駆動ギヤ88に噛合せしめた組み付け完了時に前記係合溝97から離脱する係合突起98が突設されるので、第2磁気センサ92…に対する回転体89の位置決めを確実なものとしてケース17に回転体89を組み付けることが可能となり、組み付け工数の低減を図るとともに誤組みが生じることを防止することができる。
【0051】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0052】
たとえば上記実施の形態では、カーナビゲーションシステムの画面上のカーソル操作に用いられるジョイスティック装置について説明したが、本発明は、傾動操作可能な操作ノブおよび回転操作可能なダイヤルノブを備えるジョイスティック装置に関して広く実施可能である。たとえば電動車椅子のコントローラとして本発明のジョイスティック装置を用いることも可能であり、その場合、操作ノブの傾動操作方向で前進、後退および左右方向を指示し、ダイヤルノブの操作によって車椅子の回転方向を指示することが可能である。また油圧ショベル等の重機のコントローラとして本発明を実施することもできる。
【符号の説明】
【0053】
15・・・操作ノブ
16・・・操作軸
17・・・ケース
18・・・ダイヤルノブ
20・・・第1ケース部材であるケース主体
21・・・第2ケース部材である第1蓋部材
21b・・・支持筒部である外側支持筒部
80・・・回転筒
87・・・回転位置検出手段
88・・・駆動ギヤ
89・・・回転体
90・・・被動ギヤ
91・・・マグネットである第2マグネット
92・・・磁気センサである第2磁気センサ
93・・・挿通孔
94・・・軸支部である第1軸支部
97・・・係合溝
98・・・係合突起
C・・・傾動中心
【技術分野】
【0001】
本発明は、一端に操作ノブが連結される操作軸が、その軸線上に設定された傾動中心まわりに中立位置から傾動することを可能としてケースに支承され、ダイヤルノブが一端に結合されるとともに前記操作軸を囲繞する円筒状の回転筒が軸線まわりに回転することを可能として前記ケースに支承され、前記回転筒の他端部および前記ケース間に、前記回転筒の回転位置を検出する回転位置検出手段が設けられるジョイスティック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなジョイスティック装置は、たとえば特許文献1によって知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−122290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1で開示されたものでは、一端にダイヤルノブが結合された回転筒の回転位置を検出する回転位置検出手段が、前記回転筒の他端部に設けられて周方向に等間隔に配置される複数の遮光部と、それらの遮光部を相互間を通過するように配置される発光素子および受光素子とで構成されている。このため回転筒の他端側内部にも発光素子もしくは受光素子を配置するスペースを確保する必要があり、回転筒の他端部内に配置される他の部品の配置に制約が生じることになる。そこで回転筒の他端側に設けられた複数のマグネットに対する相対位置変化を磁気センサで検出することで回転筒の回転位置を検出するようにすれば、回転筒の他端部内に他の部品を配置するスペースに余裕が生じる。しかるに回転筒の他端部に直接対向させて磁気センサを配置する構成では、回転筒の軸方向で磁気センサの配置位置が限定されてしまうことになって設計上の自由度が大木とは言い難く、しかも回転筒に多数のマグネットを設ける必要がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、回転筒の回転位置を磁気センサで検出するにあたって回転筒の軸方向に沿う磁気センサの配置上の自由度を高めるとともに必要とされるマグネットの個数を少なくしたジョイスティック装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、一端に操作ノブが連結された操作軸が、その軸線上に設定された傾動中心まわりに中立位置から傾動することを可能としてケースに支承され、ダイヤルノブが一端に結合されるとともに前記操作軸を囲繞する円筒状の回転筒が軸線まわりに回転することを可能として前記ケースに支承され、前記回転筒の他端部および前記ケース間に、前記回転筒の回転位置を検出する回転位置検出手段が設けられるジョイスティック装置において、前記回転位置検出手段が、前記回転筒の他端部外周に設けられる駆動ギヤと、前記回転筒よりも小径に形成されて前記回転筒の側方で前記ケースに回転自在に支承されるとともに前記駆動ギヤに噛合する被動ギヤが外周に設けられる回転体と、該回転体にその周方向に間隔をあけて設けられる複数のマグネットと、前記回転体の回転に伴う前記マグネットとの相対位置変化に応じて前記回転筒の回転位置を検出すべく前記回転体の他端部に対向して前記ケースに配設される磁気センサとを備えることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記回転体が、その一端部外周に前記被動ギヤが設けられるととも他端部外周に前記マグネットが設けられるようにして円筒状に形成され、前記ケースが、前記回転体を回転可能に挿通せしめる挿通孔を有する第1ケース部材と、前記回転体の一端部を回転自在に支承する軸支部ならびに前記回転筒を回転自在に支承する支持筒部を有して第1ケース部材に結合される第2ケース部材とを備え、前記挿通孔の内周の1箇所に軸方向に延びる係合溝が設けられ、前記回転体の外周に、前記軸支部で該回転体の一端部を回転自在に支承する前の組み付け途中では前記係合溝に係合するものの前記軸支部で該回転体の一端部を回転自在に支承して前記被動ギヤを前記駆動ギヤに噛合せしめた組み付け完了時に前記係合溝から離脱する係合突起が突設されることを第2の特徴とする。
【0008】
なお実施の形態のケース主体20が本発明の第1ケース部材に対応し、実施の形態の第1蓋部材21が本発明の第2ケース部材に対応し、実施の形態の第2マグネット91が本発明のマグネットに対応し、実施の形態の第2磁気センサ92が本発明の磁気センサに対応し、実施の形態の第1軸支部94が本発明の軸支部に対応する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1の特徴によれば、回転筒の他端部外周に設けられる駆動ギヤに噛合する被動ギヤが、回転筒よりも小径に形成されるとともに回転筒の側方でケースに回転自在に支承される回転体の外周に設けられ、その回転体の周方向に間隔をあけた複数箇所に設けられるマグネットとの相対位置が回転体の回転に伴って変化するのに応じて回転筒の回転位置を検出する磁気センサが回転体の他端部に対向してケースに配設されるので、回転筒の回転位置を磁気センサで検出するにあたって回転筒の軸方向に沿う磁気センサの配置上の自由度を高めるとともに必要とされるマグネットの個数を少なくすることができる。
【0010】
また本発明の第2の特徴によれば、ケースの一部を構成する第1ケース部材の挿通孔の内周の1箇所に軸方向に延びる係合溝が設けられ、回転体の外周に設けられる係合突起が回転体の組み付け途中では係合溝に係合するものの組み付け完了時に係合溝から離脱するので、磁気センサに対する回転体の位置決めを確実なものとしてケースに回転体を組み付けることが可能となり、組み付け工数の低減を図るとともに誤組みが生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ジョイスティック装置の全体斜視図である。
【図2】図1の2矢視図である。
【図3】ジョイスティック装置の分解斜視図である。
【図4】図2の4−4線断面図である。
【図5】図2の5−5線断面図である。
【図6】マグネットホルダ、スライダおよびベースの分解斜視図である。
【図7】マグネットホルダ、スライダおよびベースを図6の7−7線に沿って示す断面図である。
【図8】マグネットホルダ、スライダおよびベースを図6の8−8線に沿って示す断面図である。
【図9】図2の9−9線線断面図である。
【図10】組み付け時の状態を示す断面図である。
【図11】組み付け完了状態での図10に対応した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図1〜図11を参照しながら説明する。
【0013】
先ず図1〜図3において、このジョイスティック装置は、たとえばカーナビゲーションシステムの画面上のカーソル操作に用いられるものであり、操作ノブ15と、該操作ノブ15に一端が連結される操作軸16と、該操作軸16を傾動可能に支承するケース17と、前記操作軸16の軸線まわりに回転することを可能として前記操作ノブ15に隣接した位置に配置されるダイヤルノブ18とを備える。
【0014】
図4を併せて参照して、前記ケース17は、ケース主体20と、該ケース主体20に複数のねじ部材23,23…で締結される第1蓋部材21と、前記ケース主体20に第1蓋部材21とは反対側から結合される第2蓋部材22とから成る。
【0015】
前記ケース主体20は、矩形の筒状に形成される筒状側壁部20aと、該筒状側壁部20aの一端寄り内面から内方に張り出す支持壁部20bと、該支持壁部20bの内周縁に直角に連なる内側支持部20cとを一体に有する。
【0016】
第1蓋部材21は、前記ケース主体20の支持壁部20bに外側から対向するようにして矩形の皿状に形成される第1蓋部21aと、前記ケース主体20の内側支持筒部20cを囲繞するようにして第1蓋部21aの中央部に基端部が直角に連設される横断面円形の外側支持筒部21bとを一体に有し、第1蓋部21aの4つの角部が前記ケース主体20における筒状側壁部20aの一端部に前記ねじ部材23,23…で締結される。また第2蓋部材22は、前記ケース主体20における筒状側壁部20aの他端開口部を覆う矩形の平板状に形成される第2蓋部22aと、前記筒状側壁部20aの他端部に嵌合するようにして第2蓋部22aの外周縁部に直角に連なる横断面矩形の短筒部22bとを一体に有し、短筒部22bには、前記筒状側壁部20aの4つの側壁の他端部に設けられたガイドスリット24…に嵌合するガイド突部25…と、前記筒状側壁部20aの4つの側壁のうち相互に対向する2つの側壁に一対ずつ設けられる係合孔26,26…にそれぞれ弾発係合する係合突起27,27…とが突設される。
【0017】
図5を併せて参照して、前記操作ノブ15の中央部には、円形の非透光性キャップ28と、非透光孔性キャップ28の周囲に配置されるリング状の透光性キャップ29と、それらのキャップ28,29の内方に配置されるレンズ30と、該レンズ30の周縁部を前記透孔性キャップ29との間に挟むリング状の支持部材31とが取付けられ、支持部材31には、前記操作軸16と同軸に配置される連結筒32の一端部が結合される。この連結筒部32の一端部には第1基板33が固定されており、発光ダイオード34が前記レンズ30の内方に配置されるようにして第1基板33の前記レンズ30側の面に配設される。
【0018】
ところで、前記操作軸16は、その一端部を第1蓋部材21の内側支持筒部20cから突出させるようにして前記内側支持筒部20c内に挿入されており、前記内側支持筒部20cから突出した前記操作軸16の一端部が前記連結筒32を介して前記操作ノブ15に連結される。
【0019】
前記操作軸16の一端部は、該操作軸16の中心軸線まわりの前記連結筒32との相対位置を一定に定めて前記連結筒32の他端部内に挿入される。しかも前記操作軸16の一端の周方向2箇所には側方に突出する爪部36…が一体に設けられており、前記連結筒32において第1基板33が固定された部分よりも前記操作軸16側の中間部には、前記爪部36…に第1基板33とは反対側から係合し得る規制爪部37…と、前記操作軸16の一端に第1基板33側から対向する壁部38とが設けられる。而して連結筒32および操作ノブ15は、前記規制爪部37…を前記操作軸16の前記爪部36…に当接、係合させる非押し込み操作位置と、前記規制爪部37…を前記操作軸16の前記爪部36…から離反させる押し込み操作位置との間で前記操作軸16に対して軸方向に相対移動可能である。
【0020】
前記操作軸16の一端部には、第1基板33の前記操作軸16側の面に当接するプッシュロッド39を挿入せしめる有底の挿入孔40が操作軸16の長手方向に長く延びて設けられるとともに、その挿入孔40の一直径線上に配置される一対の規制孔41,41が操作軸16の長手方向に延びるようにして設けられる。一方、前記プッシュロッド39の周方向に等間隔をあけた2箇所には、前記規制孔41…に移動可能に挿入される突部42a…を先端に有する規制腕部42…が一体に連設されており、該プッシュロッド39は、前記突部42a…が前記規制孔41…内で移動し得る範囲で前記操作軸16に対して相対移動することを可能として前記操作軸16の一端部に装着される。しかも前記挿入孔40内には、前記プッシュロッド39および前記操作軸16間に介設される第1ばね43が収容されており、この第1ばね43のばね力によって前記プッシュロッド39は第1基板33側に向けて付勢される。
【0021】
第1基板33の前記操作軸16側の面には、前記プッシュロッド39に当接するスイッチ44が設けられており、前記操作ノブ15および前記連結筒32を非押し込み操作位置から押し込み操作位置に移動するように押し込むと、第1ばね43で付勢されたプッシュロッド39からの荷重が前記スイッチ44に作用することになる。
【0022】
また前記連結筒32の他端部および前記操作軸16間には、前記操作ノブ15および前記連結筒32を非押し込み操作位置から押し込み操作位置に押し込む際にクリック間を操作者に付与するための第1クリック機構45が設けられる。
【0023】
この第1クリック機構45は、前記連結筒32の一直径線上に軸線を配置するようにして前記操作軸16に設けられた第1収容孔46の両端に嵌合される一対の第1クリックピン47,47と、それらの第1クリックピン47…を操作軸16の外周から突出させる方向に付勢するようにして両第1クリックピン47…間に設けられて第1収容孔46に収容される第1クリックばね48と、第1クリックピン47…を当接させるようにして前記連結筒32の内面に形成される当接面49,49とで構成され、当接面49…は、前記操作ノブ15および前記連結筒32が非押し込み操作位置から押し込み操作位置に押し込まれる際に、第1クリックピン47…を第1クリックばね48のばね力に抗して第1収容孔46内に押し込むように形成される。
【0024】
前記操作軸16は、前記ケース17におけるケース主体20の内側支持筒部20cに傾動支持部材51を介して傾動可能に支持されるものであり、この傾動支持部材51は、前記操作軸16を囲むようにしてリング状に形成されて前記内側支持筒部20c内に挿入される。
【0025】
前記操作軸16には、その一直径線に沿う方向で該操作軸16の外周から突出する一対の第1支軸52,52が突設され、それらの第1支軸52…は、前記傾動支持部材51に設けられた一対の第1支持孔53,53で回動可能に支承される。また前記傾動支持部材51には、第1支軸52…の軸線および前記操作軸16の軸線と直交する方向で該傾動支持部材51の外周から突出する一対の第2支軸54…が突設され、それらの第2支軸54…は、前記内側支持筒部20cに設けられた一対の第2支持孔55…で回動可能に支承される。しかも前記傾動支持部材51には、第1支軸52…の軸線と平行に延びる一対のガイド突部56…が突設されており、それらのガイド突部56…は前記内側支持筒部20cの内面に設けられた一対のガイド溝57…内に嵌合される。
【0026】
而して前記操作軸16が、第1支軸52…の軸線まわりに回動可能として前記傾動支持部材51に支承され、前記傾動支持部材51が、第1支軸52…の軸線および前記操作軸16の軸線と直交する軸線を有する第2支軸54…の軸線まわりに回動可能として前記内側支持筒部20cに支承されるので、前記操作軸16は、第1支軸52…の軸線および第2支軸54…の軸線が直交する点である傾動中心Cまわりに中立位置から傾動することを可能として前記ケース17の内側支持筒部20cに支承されることになる。
【0027】
図4に注目して、前記ケース17のケース主体20内には、ケース主体20の支持壁部20bから第2蓋部材22の第2蓋部22a側に向かって順に、マグネットホルダ58、スライダ59、ベース60および第2基板61が収容される。
【0028】
而して第2基板61は、中立位置にある前記操作軸16の軸線に直交する第1の直線方向62と、前記中立位置にある前記操作軸16の軸線および第1の直線方向62に直交する第2の直線方向63とを含む平面に沿うようにしてケース17に固定されており、第2蓋部材22の第2蓋部22aとは反対側から第2基板61に対向するようにして前記ベース60が前記ケース17に固定され、第2基板61は複数のねじ部材71,71…で前記ベース60に固定される。
【0029】
図6を併せて参照して、十字状に形成される前記マグネットホルダ58の中央部には、前記操作軸16の他端に設けられる球状の連結部16aを嵌合せしめる連結孔64が設けられており、前記操作軸16の他端部は前記マグネットホルダ58の中央部に首振り可能に連結される。
【0030】
またマグネットホルダ58の中央部には、第2基板61側に突出する円筒状の保持突部58aが一体に突設されており、この保持突部58aに第1マグネット65が固定される。一方、第1マグネット65に対向する部分で第2基板61には、前記操作軸16の傾動に応じて移動する第1マグネット65との相対位置変化に応じて前記操作軸16の傾動操作方向を検出する第1磁気センサ66が固定されており、この第1磁気センサ66は、たとえば4つのホール素子が周方向に等間隔をあけて配置されて成るICチップである。
【0031】
前記ベース60には、第2基板61に設けられる第1磁気センサ66を臨ませる円形の第1開口部67が設けられる。また前記マグネットホルダ58および前記ベース60間に配置される前記スライダ59は十字状に形成されており、このスライダ59には、前記マグネットホルダ58の保持突部58aを挿入せしめる第2開口部68が設けられ、この第2開口部68は、第1の直線方向62に長い長孔状に形成される。
【0032】
前記スライダ59には、第1の直線方向62に前記マグネットホルダ58が相対移動するのをガイドするとともに第2の直線方向63に前記マグネットホルダ58が相対移動するのを阻止するようにして前記マグネットホルダ58が連結される。
【0033】
すなわち前記スライダ59には、第1の直線方向62に延びる一対の長孔69,69が第2開口部68の両側に位置するようにして設けられており、図7で明示するように、前記マグネットホルダ58に設けられた一対のガイド突部70…がそれらの長孔69…に嵌合される。したがって前記マグネットホルダ58は、前記長孔69…内を前記ガイド突部70…が移動する方向すなわち第1の直線方向62で前記スライダ59に対して相対移動可能であるが、第2の直線方向63での前記スライダ59に対する前記マグネットホルダ58の相対移動は阻止されることになる。
【0034】
図8を併せて参照して、前記スライダ59および前記ベース60間には、前記スライダ59が第2の直線方向63に移動するのをガイドするガイド機構72が設けられるものであり、このガイド機構72は、第1開口部67の両側で第2の直線方向63に沿って延びるようにして前記ベース60に設けられる一対のガイドレール73,73と、それらのガイドレール73…を嵌合させるようにして前記スライダ59に設けられる一対のガイド溝74…とで構成される。
【0035】
前記マグネットホルダ58と、前記ケース17の第1蓋部材21との間には、前記操作軸16の傾動操作にクリック間を付与するための第2クリック機構75が設けられ、この第2クリック機構75は、ケース主体20の内側支持筒部20cに当該内側支持筒部20cの長手方向に移動することを可能として保持される一対の第2クリックピン76,76と、それらの第2クリックピン76…をマグネットホルダ58側に付勢するばね力を発揮して第2クリックピン76…および前記内側支持筒部20c間に設けられる一対の第2クリックばね77,77と、第2クリックピン76…の先端を当接させるようにして前記マグネットホルダ58に設けられる当接凹部78,78とで構成される。
【0036】
前記内側支持筒部20cの周方向に間隔をあけた2箇所の第1蓋部21a側には、該内側支持筒部20cの長手方向に延びて前記マグネットホルダ58側に開放した有底の第2収容孔79…を形成する一対の膨出部20d…が外側方に膨らむようにして一体に形成される。第2クリックピン76…は、第2収容孔79…の閉塞端を移動自在に貫通する軸部76a…を一体に有して第2収容孔79…に摺動可能に嵌合されており、前記軸部76a…を囲繞するコイル状の第2クリックばね77…が、第2収容孔79…の閉塞端および第2クリックピン76…間に介設されるようにして第2収容孔79…内に収容される。
【0037】
またマグネットホルダ58に設けられる当接凹部78は、前記操作軸16がいずれの方向にも傾動していない中立位置にあるときに第2クリックピン76…の先端の球状当接部76bを当接させる中立位置当接部78aと、その中立位置当接部78aから放射状に広がる8つの傾斜溝部78b…とを有するように形成されており、各傾斜溝部78b…は、第1および第2の直線方向62,63を含む8方向で前記中立位置当接部78aから放射状に広がるように形成される。
【0038】
而して前記操作軸16がその中立位置から傾動するのに応じたマグネットホルダ58の移動は前記8つの傾斜溝部78b…の方向に規制されることになり、各傾斜溝部78b…を第2クリックピン76の先端の球状当接部76bが登ることで前記操作軸16の傾動操作にクリック感が付与されることになる。
【0039】
ところで第2クリック機構75において、マグネットホルダ58の移動の方向は傾斜溝部78b…で規制されているが、傾斜溝部78b…を有する前記当接凹部78を円錐状とすることで、操作ノブ15の動きに追従するようにカーソルが動くことが可能となり、十字操作を行うゲーム機や、リモコンカー等の玩具用コントローラにも応用が可能となる。
【0040】
再び図3および図4に注目して、前記ケース17の内側支持筒部20cを囲繞する回転筒80が前記ケース17の外側支持筒部21b内に挿入されて該外側支持筒部21bに回転可能に支承されており、該回転筒80の一端に前記ダイヤルノブ18が結合される。
【0041】
前記回転筒80の他端には、第1蓋部材21の第1蓋部21aおよび前記ケース主体20の支持壁部20b間に配置される鍔部80aが一体に設けられており、この鍔部80aと、前記支持壁部20bとの間に、前記ダイヤルノブ18の回転操作にクリック感を付与する第3クリック機構81が設けられる。
【0042】
第3クリック機構81は、前記ケース主体20の支持壁部20bに一体に設けられて前記鍔部80a側に向けて突出される一対の収容筒部82…と、それらの収容筒部82…に移動可能に収容、保持される一対の第3クリックピン83…と、それらの第3クリックピン83…を前記回転筒80の前記鍔部側に付勢するばね力を発揮して第3クリックピン83…および前記支持壁部20b間に設けられる一対の第3クリックばね84…と、第3クリックピン83…の先端を当接させるようにして前記鍔部80aの前記支持壁部20bに臨む面に形成される多数の山部85…とで構成され、前記鍔部80aの前記山部85…を第3クリックピン83…が乗り越えることでクリック感が生じることになる。
【0043】
図9を併せて参照して、前記回転筒80の他端部および前記ケース17間には、その回転筒80の回転位置を検出する回転位置検出手段87が設けられるものであり、該回転位置検出手段87が、前記回転筒80の他端部における前記鍔部80aの外周に設けられる駆動ギヤ88と、前記回転筒80よりも小径に形成されて前記回転筒80の側方で前記ケース17に回転自在に支承されるとともに前記駆動ギヤ88に噛合する被動ギヤ90が外周に設けられる回転体89と、該回転体89にその周方向に間隔をあけて設けられる複数たとえば2つの第2マグネット91,91と、前記回転体89の回転に伴う第2マグネット91…との相対位置変化に応じて前記回転筒80の回転位置を検出すべく前記回転体89の他端部に対向して配置されるたとえば一対の第2磁気センサ92,92とを備える。
【0044】
前記回転体89は、基本的に円筒状に形成されるものであり、この回転体89の一端部外周に前記被動ギヤ90が設けられ、また回転体89の他端部外周に第2マグネット91…が周方向に等間隔をあけて固定される。
【0045】
前記ケース17におけるケース主体20の支持壁部20bには前記回転体89を挿通せしめる挿通孔93が回転体89の軸方向中間部を支持するようにして設けられ、第1蓋部材21における第1蓋部21aの内面には前記回転体89の一端部に嵌合して回転体89の一端部を回転自在に軸支する第1軸支部94が突設される。また前記ケース17に固定された前記ベース60には、前記回転体89の他端部に嵌合して回転体89の他端を回転自在に軸支する第2軸支部95が突設される。
【0046】
第2磁気センサ92…は、たとえばホール素子であり、前記ベース60を介してケー ス17に固定される第2基板61に固定され、前記ベース60には、前記回転体89の他端部の外周側に第2磁気センサ92…を対向させる第3開口部96が設けられる。
【0047】
図10において、前記挿通孔93の内周の1箇所には軸方向に延びる係合溝97が設けられ、前記回転体89の外周には、第1軸支部94で該回転体89の一端部を回転自在に支承する前の組み付け途中では前記係合溝97に係合するものの、図11で示すように、第1軸支部94で該回転体89の一端部を回転自在に支承して前記被動ギヤ90を前記駆動ギヤ88に噛合せしめた組み付け完了時に前記係合溝97から離脱する係合突起98が突設される。
【0048】
次にこの実施の形態の作用について説明すると、第2基板61が、中立位置にある操作軸16の軸線に直交する第1の直線方向62ならびに中立位置にある操作軸16の軸線および第1の直線方向62に直交する第2の直線方向63を含む平面に沿うようにしてケース17に固定されており、この第2基板61に設けられる第1磁気センサ66を臨ませる第1開口部67を有して第2基板61に対向するベース60がケース17に固定され、操作軸16の他端が首振り可能に連結されるマグネットホルダ58に設けられて第1開口部67内に挿入される保持突部58aに第1マグネット65が固定され、前記保持突部58aを挿入せしめる第2開口部68を有してマグネットホルダ58およびベース60間に配置されるスライダ59に、第1の直線方向62にマグネットホルダ58が相対移動するのをガイドするとともに第2の直線方向63にマグネットホルダ58が相対移動するのを阻止するようにしてマグネットホルダ58が連結され、スライダ59およびベース60間に、スライダ59が第2の直線方向63に移動するのをガイドするガイド機構72が設けられるので、マグネットホルダ58は操作軸16の傾動に応じて、第2基板61と平行な平面に沿って移動することになり、第1マグネット65および第1磁気センサ66間の距離を操作軸16の傾動位置にかかわらず一定に保持することができる。このため操作軸16の傾動操作による傾動操作方向の検出精度にばらつきが生じるのを抑制することができ、回路の構成を簡素化してコストの低減を図ることができる。また検出精度のばらつきが抑制されることで操作ノブ15の傾き量変化に応じてカーソルの移動量を細かく(リニアに)制御することが可能となる。
【0049】
またダイヤルノブ18が一端に結合されるとともに操作軸16を囲繞する円筒状の回転筒80が軸線まわりに回転することを可能としてケース17に支承され、回転筒80の他端部およびケース17間に、回転筒80の回転位置を検出する回転位置検出手段87が設けられるのであるが、その回転位置検出手段87が、前記回転筒80の他端部外周に設けられる駆動ギヤ88と、前記回転筒80よりも小径に形成されて前記回転筒80の側方で前記ケース17に回転自在に支承されるとともに前記駆動ギヤ88に噛合する被動ギヤ90が外周に設けられる回転体89と、該回転体89にその周方向に間隔をあけて設けられる複数の第2マグネット91…と、前記回転体89の回転に伴う第2マグネット91…との相対位置変化に応じて前記回転筒80の回転位置を検出すべく前記回転体89の他端部に対向して前記ケース17に固定された第2基板61に配設される第2磁気センサ92…とを備えるので、回転筒80の回転位置を第2磁気センサ92…で検出するにあたって回転筒80の軸方向に沿う第2磁気センサ92…の配置上の自由度を高めるとともに必要とされる第2マグネット91…の個数を少なくすることができる。
【0050】
さらに前記回転体89が、その一端部外周に前記被動ギヤ90が設けられるとともに他端部外周に第2マグネット91…が設けられるようにして円筒状に形成され、ケース17の一部を構成するケース主体20の支持壁部20bに前記回転体89を回転可能に挿通せしめる挿通孔93が設けられ、回転筒80を回転自在に支承する外側支持筒部21bを有して前記ケース17の一部を構成する第1蓋部材21に前記回転体89の一端部を回転自在に支承する第1軸支部94が設けられ、前記挿通孔93の内周の1箇所に軸方向に延びる係合溝97が設けられ、回転体89の外周に、第1軸支部94で該回転体89の一端部を回転自在に支承する前の組み付け途中では前記係合溝97に係合するものの第1軸支部94で該回転体89の一端部を回転自在に支承して前記被動ギヤ90を前記駆動ギヤ88に噛合せしめた組み付け完了時に前記係合溝97から離脱する係合突起98が突設されるので、第2磁気センサ92…に対する回転体89の位置決めを確実なものとしてケース17に回転体89を組み付けることが可能となり、組み付け工数の低減を図るとともに誤組みが生じることを防止することができる。
【0051】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0052】
たとえば上記実施の形態では、カーナビゲーションシステムの画面上のカーソル操作に用いられるジョイスティック装置について説明したが、本発明は、傾動操作可能な操作ノブおよび回転操作可能なダイヤルノブを備えるジョイスティック装置に関して広く実施可能である。たとえば電動車椅子のコントローラとして本発明のジョイスティック装置を用いることも可能であり、その場合、操作ノブの傾動操作方向で前進、後退および左右方向を指示し、ダイヤルノブの操作によって車椅子の回転方向を指示することが可能である。また油圧ショベル等の重機のコントローラとして本発明を実施することもできる。
【符号の説明】
【0053】
15・・・操作ノブ
16・・・操作軸
17・・・ケース
18・・・ダイヤルノブ
20・・・第1ケース部材であるケース主体
21・・・第2ケース部材である第1蓋部材
21b・・・支持筒部である外側支持筒部
80・・・回転筒
87・・・回転位置検出手段
88・・・駆動ギヤ
89・・・回転体
90・・・被動ギヤ
91・・・マグネットである第2マグネット
92・・・磁気センサである第2磁気センサ
93・・・挿通孔
94・・・軸支部である第1軸支部
97・・・係合溝
98・・・係合突起
C・・・傾動中心
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に操作ノブ(15)が連結された操作軸(16)が、その軸線上に設定された傾動中心(C)まわりに中立位置から傾動することを可能としてケース(17)に支承され、ダイヤルノブ(18)が一端に結合されるとともに前記操作軸(16)を囲繞する円筒状の回転筒(80)が軸線まわりに回転することを可能として前記ケース(17)に支承され、前記回転筒(80)の他端部および前記ケース(17)間に、前記回転筒(80)の回転位置を検出する回転位置検出手段(87)が設けられるジョイスティック装置において、前記回転位置検出手段(87)が、前記回転筒(80)の他端部外周に設けられる駆動ギヤ(88)と、前記回転筒(80)よりも小径に形成されて前記回転筒(80)の側方で前記ケース(17)に回転自在に支承されるとともに前記駆動ギヤ(88)に噛合する被動ギヤ(90)が外周に設けられる回転体(89)と、該回転体(89)にその周方向に間隔をあけて設けられる複数のマグネット(91)と、前記回転体(89)の回転に伴う前記マグネット(91)との相対位置変化に応じて前記回転筒(80)の回転位置を検出すべく前記回転体(89)の他端部に対向して前記ケース(17)に配設される磁気センサ(92)とを備えることを特徴とするジョイスティック装置。
【請求項2】
前記回転体(89)が、その一端部外周に前記被動ギヤ(90)が設けられるととも他端部外周に前記マグネット(91)が設けられるようにして円筒状に形成され、前記ケース(17)が、前記回転体(89)を回転可能に挿通せしめる挿通孔(93)を有する第1ケース部材(20)と、前記回転体(89)の一端部を回転自在に支承する軸支部(94)ならびに前記回転筒(80)を回転自在に支承する支持筒部(21b)を有して第1ケース部材(20)に結合される第2ケース部材(21)とを備え、前記挿通孔(93)の内周の1箇所に軸方向に延びる係合溝(97)が設けられ、前記回転体(89)の外周に、前記軸支部(94)で該回転体(89)の一端部を回転自在に支承する前の組み付け途中では前記係合溝(97)に係合するものの前記軸支部(94)で該回転体(89)の一端部を回転自在に支承して前記被動ギヤ(90)を前記駆動ギヤ(88)に噛合せしめた組み付け完了時に前記係合溝(97)から離脱する係合突起(98)が突設されることを特徴とする請求項1記載のジョイスティック装置。
【請求項1】
一端に操作ノブ(15)が連結された操作軸(16)が、その軸線上に設定された傾動中心(C)まわりに中立位置から傾動することを可能としてケース(17)に支承され、ダイヤルノブ(18)が一端に結合されるとともに前記操作軸(16)を囲繞する円筒状の回転筒(80)が軸線まわりに回転することを可能として前記ケース(17)に支承され、前記回転筒(80)の他端部および前記ケース(17)間に、前記回転筒(80)の回転位置を検出する回転位置検出手段(87)が設けられるジョイスティック装置において、前記回転位置検出手段(87)が、前記回転筒(80)の他端部外周に設けられる駆動ギヤ(88)と、前記回転筒(80)よりも小径に形成されて前記回転筒(80)の側方で前記ケース(17)に回転自在に支承されるとともに前記駆動ギヤ(88)に噛合する被動ギヤ(90)が外周に設けられる回転体(89)と、該回転体(89)にその周方向に間隔をあけて設けられる複数のマグネット(91)と、前記回転体(89)の回転に伴う前記マグネット(91)との相対位置変化に応じて前記回転筒(80)の回転位置を検出すべく前記回転体(89)の他端部に対向して前記ケース(17)に配設される磁気センサ(92)とを備えることを特徴とするジョイスティック装置。
【請求項2】
前記回転体(89)が、その一端部外周に前記被動ギヤ(90)が設けられるととも他端部外周に前記マグネット(91)が設けられるようにして円筒状に形成され、前記ケース(17)が、前記回転体(89)を回転可能に挿通せしめる挿通孔(93)を有する第1ケース部材(20)と、前記回転体(89)の一端部を回転自在に支承する軸支部(94)ならびに前記回転筒(80)を回転自在に支承する支持筒部(21b)を有して第1ケース部材(20)に結合される第2ケース部材(21)とを備え、前記挿通孔(93)の内周の1箇所に軸方向に延びる係合溝(97)が設けられ、前記回転体(89)の外周に、前記軸支部(94)で該回転体(89)の一端部を回転自在に支承する前の組み付け途中では前記係合溝(97)に係合するものの前記軸支部(94)で該回転体(89)の一端部を回転自在に支承して前記被動ギヤ(90)を前記駆動ギヤ(88)に噛合せしめた組み付け完了時に前記係合溝(97)から離脱する係合突起(98)が突設されることを特徴とする請求項1記載のジョイスティック装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−221341(P2012−221341A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88063(P2011−88063)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(000222934)東洋電装株式会社 (69)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(000222934)東洋電装株式会社 (69)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]