説明

スタビライザ装置

【課題】スタビライザ装置において、ロール剛性を可変とする。
【解決手段】バー側連結部250において、板状部材252がスタビライザバー12に相対移動不能に固定され、軸状部材254がスタビライザリンク16に相対移動不能に固定され、これら板状部材252と軸状部材254との間に弾性部材256、258が設けられる。弾性部材256,258の外周面には、それぞれ、環状の溝部260,262が形成される。車両のローリングにより、板状部材252と軸状部材254とが相対移動させられると、それに伴って弾性部材256、258の一方が弾性変形させられる。弾性変形量が設定変形量に達すると、溝部260,262の一方が潰れ、自由表面280の面積が小さくなり、ばね定数が大きくなる。それによって、車両のサスペンションのロール剛性が大きくなる。このように、簡単な構造でロール剛性を可変にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール剛性を変化させ得るスタビライザ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2にはロール剛性を変化させ得るスタビライザ装置が記載されている。そのうちの特許文献1に記載のスタビライザ装置において、スタビライザバーが、中間部において車体側部材に連結されるとともに、両端部において、シリンダ装置を介してそれぞれ車輪側部材に連結される。シリンダ装置において、シリンダ本体とピストンとのいずれか一方が車輪側部材に連結され、他方が前記スタビライザバーに連結される。車輪側部材と車体側部材との間の上下方向の相対移動に伴ってピストンがシリンダ本体に対して相対移動させられるが、移動限度に達した後には、相対移動が阻止される。ピストンとシリンダ本体との相対移動が許容される領域においてはサスペンションのロール剛性が小さくなり、相対移動が阻止される領域においてはロール剛性が大きくなる。
特許文献2に記載のスタビライザ装置においては、スタビライザバーが2つに分割され、これらの間に、スタビライザバーの分割された一方の他方に対する相対回転を許容する状態と阻止する状態とに切り換え可能な装置が設けられる。これらの相対回転が許容される状態においてはロール剛性が小さくされ、相対回転が阻止される状態においてはロール剛性が大きくされる。
【特許文献1】特開2000−177354号公報
【特許文献2】特開2001−233034号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、簡単な構造で、ロール剛性を可変とすることである。
【課題を解決するための手段および効果】
【0004】
本願請求項1に係るスタビライザ装置は、(a)車両の左側車輪と右側車輪との間に延び
、車体側連結部を介して車体側部材に連結されたスタビライザバーと、(b)そのスタビラ
イザバーの両端部に、それぞれ、各々の一端部においてバー側連結部を介して連結され、他端部において、前記左側車輪の車輪側部材と前記右側車輪の車輪側部材とのうち、それに対応する部材に、車輪側連結部によって連結されたスタビライザリンクとを含むスタビライザ装置であって、前記バー側連結部と前記車輪側連結部との少なくとも一方が、前記車両のロール角の変化に伴って弾性変形し、ロール剛性を変化させる弾性部材を含み、
前記バー側連結部が、前記スタビライザリンクと前記スタビライザバーとのいずれか一方に相対移動不能に取り付けられた第1部材と、前記スタビライザリンクと前記スタビライザバーとの他方に相対移動不能に取り付けられた第2部材との相対移動を許容する状態で、前記スタビライザリンクの各々と前記スタビライザバーとを連結するものであり、
前記車輪側連結部が、前記左側車輪と前記右側車輪との各々において、前記スタビライザリンクと前記車輪側部材とのいずれか一方に相対移動不能に取り付けられた第1部材と、前記スタビライザリンクと前記車輪側部材とのいずれか他方に相対移動不能に取り付けられた第2部材との相対移動を許容する状態で、前記スタビライザリンクと前記車輪側部材とを、それぞれ、連結するものであり、
前記第1部材が板状部材を含み、前記第2部材が前記板状部材を貫通する軸状部材を含み、前記弾性部材が、前記板状部材の両側に、それぞれ、前記板状部材と前記軸状部材との、前記スタビライザリンクの長手方向の相対移動に伴って弾性変形する状態で配設され、かつ、前記弾性部材の各々の外周面が自由表面とされ、それぞれ、弾性変形量が大きい場合に小さい場合より、前記自由表面の面積が小さくなる部材とされる。
【0005】
請求項2に記載のスタビライザ装置においては、前記第2部材が、さらに、前記軸状部材の移動に伴って移動可能な一対のリテーナを含み、前記弾性部材が、それぞれ、概して円筒状を成したものであり、前記板状部材の両側において、前記軸状部材に貫通された状態で、前記板状部材と前記一対のリテーナの各々とによって挟まれて保持されたものとされ、請求項3に記載のスタビライザ装置においては、前記弾性部材の各々の外周面の中間部に、それぞれ、環状を成した溝部が1つ以上ずつ形成され、前記自由表面が、前記溝部の各々の対向面を含むものとされる。
また、請求項4に記載のスタビライザ装置においては、前記第1部材が、さらに、前記板状部材の両側に配設され、前記板状部材の移動に伴って移動させられる概して椀状を成した一対のブラケットを含み、前記第2部材が、さらに、前記軸状部材の移動に伴って移動可能な一対のリテーナを含み、前記弾性部材が、それぞれ、概して円筒状を成したものであり、前記板状部材の両側において、前記軸状部材に貫通された状態で、一対のブラケットの各々と前記一対のリテーナの各々との間に、前記板状部材側の部分の外周面が前記ブラケットの内周面と当接し、前記リテーナ側の部分の外周面が前記ブラケットの内周面から離間した状態で保持されたものとされ、請求項5に記載のスタビライザ装置においては、前記一対のブラケットの内周面に、それぞれ、突部が設けられたものとされ、請求項6に記載のスタビライザ装置においては、前記弾性部材の各々の外周面に、軸方向に延びた溝が1つ以上形成されたものとされる。
さらに、請求項7に記載のスタビライザ装置においては、前記弾性部材が、ゴムあるいはそれの類似物で形成された部材とされる。
【0006】
本願発明に係るスタビライザ装置において、車両がローリングして、左側車輪と右側車輪とにおいて、車輪側部材と車体側部材との間の上下方向の距離が互いに逆向きに変化すると、スタビライザバーが捩られて、復元力が発生させられる。また、スタビライザバーとスタビライザリンクとの間に作用する上下方向の力、あるいは、スタビライザリンクと車輪側部材との間に作用する上下方向の力により、連結部において弾性部材が弾性変形するが、弾性変形により自身のばね定数が変化する。その結果、車両のサスペンションのロール剛性を変化させることができる。
なお、サスペンション装置の設計において、設計通りのロール剛性は、スタビライザ装置の連結部によってのみ実現されるのではなく、スタビライザバー、サスペンションリンク、サスペンションスプリング、ショックアブソーバ等によって総合的に実現される。そのため、スタビライザ装置の連結部に弾性部材を設けることによって、直ちに、サスペンション装置において、設計通りのロール剛性が実現されるとは限らない。しかし、スタビ
ライザ装置の連結部において、非線形のロール剛性を得ることが可能となれば、それを考慮して、設計通りのロール剛性が得られるように、サスペンション装置の設計を行うことが容易となる。
このように、本願発明に係るスタビライザ装置においては、連結部に、自身の弾性変形によりばね定数が変化し、ロール剛性を変化させる弾性部材を設けることによって、ロール剛性を可変にすることができるのであり、特許文献1,2に記載のスタビライザ装置に比較して、簡単な構造で、ロール剛性を可変とすることができる。また、特許文献1,2に記載のスタビライザ装置より、低コストで実現することができる。
また、弾性部材は、車両のロールに伴って弾性変形するが、ロール量の増加に伴って弾性変形量も大きくなる。弾性部材が、例えば、弾性変形量が大きい場合は小さい場合よりばね定数が大きくなる特性を有するものである場合には、ロール量が大きく、弾性変形量が大きい場合は、ロール量が小さく、弾性変形量が小さい場合より、ロール剛性を大きくすることができる。
その結果、例えば、本願発明に係るスタビライザ装置を前輪側に設け、ロール量が大きい場合に前輪側のロール剛性配分が大きくなるようにすれば、車両のステア特性をアンダステア特性とすることができ、旋回時の走行安定性を向上させることができる。また、本願発明に係るスタビライザ装置を前輪側と後輪側との両方に設けた場合等、ロール量が小さく、弾性部材の弾性変形量が小さい場合に、ロール剛性が小さいスタビライザ装置を前輪側と後輪側との両方に設ければ、ロール量が小さい場合の乗り心地を向上させることができる。
さらに、本願発明に係るスタビライザ装置におけるようにバー側連結部と車輪側連結部との少なくとも一方に弾性部材を設ければ、バー側連結部と車輪側連結部とのいずれにも弾性部材が設けられない場合に比較して、乗り心地を向上させることが可能となる。
【0007】
前記弾性部材は、弾性変形量が大きい場合に小さい場合より、自由表面の面積が小さくなる形状を成したものとすることができる。また、ゴムあるいはそれの類似物で形成された部材とすることができる。
弾性部材がゴム等である場合において、一般的に、変形が拘束される面(以下、拘束表面と称する)の面積Sa(以下、拘束表面積と称する)に対する変形が拘束されない面(
以下、自由表面と称する)の面積Sf(以下、自由表面積と称する)の比率(Sf/Sa)
が小さいほど、ばね定数が大きくなることが知られている。拘束表面積は、連結部の構造等で予め決まり、車両がローリングしても一定である場合や、自由表面積の減少に伴って大きくなる場合があるが、いずれにしても、弾性部材を、それの弾性変形量が大きい場合に小さい場合より自由表面積が小さくなる形状を成したものとすれば、弾性変形量が大きい場合に小さい場合よりばね定数を大きくすることができ、ロール剛性を大きくすることが可能となる。
弾性部材は、弾性変形量の増加に伴って自由表面積が段階的に小さくなる形状を成すものであっても連続的に小さくなる形状を成すものであってもよい。例えば、自由表面積が連続的に減少する形状を成すものである場合には、弾性変形量の増加に伴ってばね定数が連続的に大きくなり、ロール剛性が連続的に大きくなる。また、自由表面積が弾性変形量が設定変形量より小さい場合と設定変形量以上である場合とで段階的に変化する形状を成すものである場合、すなわち、弾性変形量が設定変形量に達した場合に、自由表面積が小さくなり、弾性変形量がそれ以上増えても、自由表面積がそれ以上小さくならない形状を成すものである場合には、弾性変形量が設定変形量以上の状態で、ばね定数を大きく、かつ、ほぼ一定の値とすることができる。さらに、自由表面積が上述の2つの態様を合わせた態様で変化する形状を成すものとすることもできる。例えば、弾性部材の弾性変形量が設定変形量に達した場合に自由表面積が急激に減少するが、その後、弾性変形量の増加に伴って自由表面積が緩やかに減少する形状とすることができる。ばね定数は、弾性変形量が設定変形量に達した場合に急激に大きくなるが、その後、弾性変形量の増加に伴って大
きくなる。
弾性部材は、例えば、ゴム、ウレタン、サンドプレン(登録商標)等の有機系の高分子材料で製造されたものを採用することができる。弾性部材は、例えば、横弾性係数が3〜30kg/cm2のものとすることができる。
本願発明に係るスタビライザ装置においては、前記バー側連結部が、前記スタビライザリンクと前記スタビライザバーとのいずれか一方に相対移動不能に取り付けられた第1部材と、前記スタビライザリンクと前記スタビライザバーとの他方に相対移動不能に取り付けられた第2部材との相対移動を許容する状態で、前記スタビライザリンクの各々と前記スタビライザバーとを連結するものであり、前記車輪側連結部が、前記左側車輪と前記右側車輪との各々において、前記スタビライザリンクと前記車輪側部材とのいずれか一方に相対移動不能に取り付けられた第1部材と、前記スタビライザリンクと前記車輪側部材とのいずれか他方に相対移動不能に取り付けられた第2部材との相対移動を許容する状態で、前記スタビライザリンクと前記車輪側部材とを、それぞれ、連結するものであり、前記弾性部材が、前記第1部材と前記第2部材との、少なくとも前記スタビライザリンクの長手方向の相対移動に伴って弾性変形する部材とされる。また、前記弾性部材が、前記第1部材と前記第2部材とのそれぞれに相対移動不能に設けられる。
車両のローリングにより、第1部材と第2部材とが相対移動させられると、弾性部材が弾性変形させられる。車両のロール量が大きい場合は小さい場合より、第1部材と第2部材との相対移動量が大きくなり、弾性部材の弾性変形量が大きくなり、ばね定数が大きくなる。
なお、バー側連結部において、第1部材は、スタビライザバーとスタビライザリンクとのいずれか一方に相対移動不能に取り付けられたものであるが、第1部材は、いずれか一方と一体的に設けられたものであっても、別体のものであるが、溶接等により相対移動不能に固定されたものであってもよい。また、第1部材は、いずれか一方に固定等されていなくても、いずれか一方の相対移動に伴って必ず相対移動させられる状態で取り付けられたものであってもよい。第2部材についても、車輪側連結部における第1部材、第2部材についても同様である。また、弾性部材は、第1部材、第2部材に接着等により相対移動不能に設けても、第1部材、第2部材に圧入により相対移動不能に設けてもよい。なお、「相対移動」には、直線的な相対移動、曲線的な相対移動(相対回動)等が該当する。
第1部材と第2部材との間に弾性部材が設けられた場合において、空洞(すぐりと通称される)は、車両のロールに起因する第1部材と第2部材との相対移動に伴う弾性部材の弾性変形によって大きさや形状等が変化する位置あるいは状態で設けられる。空洞は、弾性部材と、第1部材と第2部材との少なくとも一方との間に設けられた隙間としたり、弾性部材の内部に形成された閉空間としたり、弾性部材の第1部材、第2部材と対向しない両面に開口を有する開空間(貫通孔)としたりすることができ、それぞれ、弾性部材の、隙間、閉空間、開空間に対向する面を自由表面とすることができる。例えば、第1部材と第2部材とのいずれか一方が内側円筒部であり、他方が外側円筒部である場合に、弾性部材は、第1部材と第2部材との間に設けられた円筒部材とされるが、空洞は、円筒部材の外周面に設けても(外側円筒部との間に形成された隙間としても)、内周面に設けても(内側円筒部との間に形成された隙間としても)、内部に設けても(円筒部材の内部に形成された閉空間としても、軸方向に延びた貫通孔としても)よいのである。
具体的には、(a)弾性部材の弾性変形量が設定変形量に達すると、隙間が潰れ、自由表
面の一部あるいは全部が第1部材と第2部材との少なくとも一方に当接することによって自由表面積が小さくなる場合、(b)弾性部材の弾性変形量の増加に伴って隙間の大きさや
形状等が変化し、第1部材と第2部材との少なくとも一方と、自由表面との当接面積が増加することによって、自由表面積が小さくなる場合、(c)自由表面が凹部を有し、弾性変
形が設定変形量に達すると凹部の一部あるいは全部が潰れることによって(弾性部材の一部が他の部分に当接することによって)自由表面積が小さくなる場合、(d)これらのうち
の2つ以上の組み合わせにより小さくなる場合等がある。
また、前記第1部材と前記第2部材との少なくとも一方が、前記弾性部材側に突出し、前記弾性部材の弾性変形を抑制する突部を有するものとされる。第1部材、第2部材は、金属材料で形成されたものであるのが普通であり、ゴム等の弾性部材より、弾性変形し難い。例えば、弾性部材の弾性変形量が設定変形量に達し、自由表面積がそれ以上小さくならなくなった後に、弾性部材のそれ以上の弾性変形を抑制するものとすることができる。その結果、弾性変形量が設定変形量に達した後のばね定数を大きくすることができる。
例えば、弾性部材の弾性変形量が設定変形量(ばね定数変化しきい値)に達した場合に、弾性部材の自由表面の少なくとも一部が第1部材に当接し、その後の弾性変形においてばね定数が大きくなる場合において、弾性部材の自由表面が形成された部分の厚みを薄くすれば、当接後のばね定数を大きくすることができるが、その場合には、設定変形量(ばね定数変化しきい値)が大きくなり、ロール剛性を所望通りに変化させることができない場合がある。それに対して、第2部材に突部を設ければ、実質的に、弾性部材の自由表面が形成された部分の厚みを薄くしたことと同じとなり、設定変形量を大きくすることなく、当接後のばね定数を所望の大きさとすることが可能となる。なお、突部の大きさ、形状等の1つ以上を変更することにより、ばね定数の設計の自由度を向上させることができる。
なお、突部は、弾性部材の位置決めの機能を有するものとすることもできる。
また、スタビライザ装置は、車両の後輪側ではなく、前輪側に設けることが望ましい。前述のように、ロール量が大きい状態において前輪側のロール剛性配分を大きくすれば、アンダステア特性とすることができ、旋回時の走行安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施例であるスタビライザ装置の一部を示す図である。
【図2】上記スタビライザ装置の一部を示す図である。
【図3】(a)上記スタビライザ装置のバー側連結部の軸方向線に対する横断面図である。(b)(a)図のAA断面図である。
【図4】上記スタビライザ装置が搭載された車両においてロール量と接地荷重との関係を示す図である。
【図5】(a)上記スタビライザ装置の全体を概念的に示す図である。(b)上記スタビライザ装置と従来のスタビライザ装置とを比較して概念的に示す図である。
【図6】上記スタビライザ装置が搭載された車両において、周波数と伝達力との関係を示す図である。
【図7】(a)上記連結部において弾性部材を別の弾性部材とした場合の断面図である。(b)上記連結部が利用されたスタビライザ装置が搭載された車両においてロール量と接地荷重との関係を示す図である。
【図8】(a)上記スタビライザ装置の連結部とは別のバー側連結部の軸方向線に対する横断面図である。(b)(a)図のAA断面図である。
【図9】上記スタビライザ装置の連結部とはさらに別のバー側連結部の軸方向線に沿った縦断面図である。
【図10】(a)上記スタビライザ装置の連結部とは別のバー側連結部の軸方向線に対する横断面図である。(b)(a)図のAA′断面図である。
【図11】上記スタビライザ装置の連結部とは別のバー側連結部の軸方向線に沿った縦断面図である。
【図12】(a)上記スタビライザ装置の連結部とは別のバー側連結部の軸方向線に対する横断面図である。(b)(a)図のAA断面図である。
【図13】(a)上記スタビライザ装置の連結部とはさらに別のバー側連結部の軸方向線に対する横断面図である。(b)(a)図のAA′断面図である。
【図14】上記スタビライザ装置の連結部とは別のバー側連結部の軸方向線に沿った縦断面図である。
【図15】上記スタビライザ装置の連結部とはさらに別のバー側連結部の軸方向線に沿った縦断面図である。
【図16】(a)上記スタビライザ装置の車輪側連結部の斜視図である。(b)車輪側連結部の軸方向線に沿った縦断面図である。
【図17】(a)上記スタビライザ装置の連結部とは別の車輪側連結部の軸方向線に沿った縦断面図である。
【図18】上記スタビライザ装置の連結部とはさらに別の車輪側連結部の軸方向線に沿った縦断面図である。
【図19】上記スタビライザ装置の連結部とは別の車輪側連結部の軸方向線に沿った縦断面図である。
【図20】上記スタビライザ装置の連結部とは別の車輪側連結部の軸方向線に垂直な横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態であるスタビライザ装置について、図面に基づいて詳細に説明する。図1,2を利用して、スタビライザ装置の概略を説明するが、図1,2に示すスタビライザ装置は、その後に説明する本発明の複数の実施例において共通である。
図1,2に示すダブルウィッシュボーン式のサスペンションにおいて、車両の右側輪10と左側輪(図示せず)との間にはスタビライザバー(スタビライザ本体と称することもある)12が設けられる。スタビライザバー12は、概してコの字型を成すものであり、中間部においてシャシーフレームやボディー等の車体側部材13a(図5参照)にゴムブッシュを含む支持部13bを介して支持される。また、その両端部において、それぞれ、バー側連結部14(図1,2においては一方の連結部のみを示す)を介してスタビライザリンク16が、それの一端部において連結される。スタビライザリンク16の他端部は、車輪側連結部18を介してサスペンションアームとしてのロアアーム20に連結される。
ロアアーム20は、連結部32,34において図示しない車体側部材に揺動可能に保持され、連結部36においてステアリングナックル38を揺動可能かつ相対回転可能に保持する。また、ショックアブソーバ40はロアアーム20と車体側部材との間に取り付けられる。
以下、連結部14,18の各々について説明する。
【実施例1】
【0010】
本実施例においては、バー側連結部14が図3に示す構造を成すものとされるのであり、スタビライザバー12に取り付けられる。
バー側連結部14は、スタビライザバー12と相対移動不能に固定された第1部材としての外筒52と、スタビライザリンク16と相対移動不能に固定された第2部材としての内筒54と、これら外筒52と内筒54との間に設けられた弾性部材56とを含む。
外筒52は、スタビライザバー12に形成された嵌合穴57に圧入によって嵌め込まれ、内筒54は、スタビライザリンク16にブラケット60を介して固定される。ブラケット60は、概してU字形を成すものであり、スタビライザリンク16が溶接等により固定されるとともに、内筒54が一対のボルト62およびナット64により相対移動不能に固定される。弾性部材56が、外筒52,内筒54に、それぞれ、接着によって固定されている(内外筒接着タイプブッシュ)。そのため、圧入によって固定される場合に比較して、ブッシュ抜けを抑制することができる。
また、内筒54にはバルジ加工が施され、軸線方向に延びた1つ以上の突部66が外周側に突出した状態で設けられる。
【0011】
弾性部材56は、外筒52と内筒54との間に設けられた概して円筒状の部材であり、弾性部材56の外周面の一部68において外筒52に接着され、内周面70において内筒54に接着されることにより、外筒52,内筒54に相対移動不能に固定される。また、外周面の残りの部分72は、外筒52に接着されるのではなく、外筒52との間に隙間(すぐり)74(弾性部材56の欠損部)が形成される。
本実施例において、弾性部材56の外周面の一部68および内周面70が拘束面73とされ、弾性部材56の外周面の外筒52と接着されていない部分、すなわち、隙間74に対向する部分72が自由表面とされる。自由表面72には、半径方向に湾曲した突部78が形成される。弾性部材56は、外筒52と内筒54との間の、スタビライザリンク16の長手方向(上下方向)と平行な向きの直線的な相対移動に起因して、弾性変形させられる。本実施例において、隙間74は、内筒54と外筒52との直線的な相対移動の向きと平行な横断面に存在する状態で設けられる。
弾性部材56は、天然ゴム、合成ゴム、ポリウレタン、サイドプレン(登録商標)等の有機系の高分子材料により製造されたものである。一般的に、弾性部材において、自由表面72の面積である自由表面積Sfの拘束面73の面積Saに対する比率(Sf/Sa)が小さい場合は大きい場合よりばね定数が大きくなることが知られている。また、連結部においてばね定数が大きくなると、車両のサスペンションのロール剛性が大きくなる。
【0012】
本実施例において、弾性部材56の弾性変形量が設定変形量(ロール剛性変更しきい値、ばね定数変更しきい値と称することができる)に達する以前においては、弾性変形に伴って自由表面72が変形させられるのであり、この間のばね定数は小さい。自由表面72の変形により弾性変形が許容されるのであり、弾性変形し易い状態にある。
それに対して、弾性変形量が設定変形量に達すると、自由表面72の突部78(一部あるいは全体)が外筒52の内周面に当接し、自由表面積が小さくなり、比率が小さくなる(拘束面73の面積はほぼ一定である)。その後の弾性変形においては、ばね定数が設定変形量に達する以前より大きくなる。また、弾性変形量が増えても、自由表面積Sfの変
化は小さい(ほぼ一定であるか、わずかに小さくなる)ため、ばね定数はほぼ一定の大きさとなる。
また、弾性部材56は内筒54に、弾性部材56の自由表面72の突部78と内筒54の突部66との相対位相がほぼ同じになる状態で、接着される。そのため、内筒54に突部66が設けられていない場合に比較して、自由表面72が外筒52の内周面に当接した後に圧縮させられる部分の弾性部材56の厚みが薄くなり(自由表面72と内筒54の外周面(突部66の頂点)との間の半径方向の距離Δraが小さくなり)、設定変形量を超
えた弾性変形において、一層、ばね定数が大きくなる。この場合において、突部66の大きさ、形状等を変更すれば、設定変形量を超えた後の、ばね定数の大きさ(図4の傾きα
)を調整することができる。例えば、突部66の半径方向の長さ(突出量)が大きい場合は小さい場合より、設定変形量を超えた後のばね定数を大きくすることが可能となる。
さらに、自由表面72の突部78が外筒52の内周面に当接する場合の設定変形量は、隙間74の長さΔrb、弾性部材56の弾性変形に伴う自由表面72の形状の変化等に基
づいて決まるのであり、隙間74の半径方向の長さΔrbが大きい場合は小さい場合より
、設定変形量(ロール剛性変更しきい値)が大きくなる。したがって、車両のロール量が所望の大きさに達した場合に、ロール剛性を大きくする場合に、その要求が実現され得るように、隙間74の大きさ等が決められる。一方、弾性変形量が設定変形量に達した後のばね定数を大きくする要求がある場合には、隙間74を大きくして厚みΔraを小さくす
ればよい。しかし、隙間74を大きくすると、設定変形量が大きくなり、要求を満たすことができなくなる。また、内筒54の外径と外筒52の内径との差を小さくすると、弾性部材56の弾性可能な量が小さくなり、望ましくない。それに対して、突部66を設ければ、隙間74を大きくすることなく、弾性部材56の弾性可能な量を確保し得、設定変形量に達した後のばね定数を大きくすることが可能となる。
【0013】
車両がローリングすると、スタビライザバー12が捩られて、復元力が発生する。また、スタビライザバー12とスタビライザリンク16とが互いに上下方向にほぼ直線的に上下方向に相対移動させられるため、バー側連結部14において、外筒52と内筒54とがスタビライザリンク16の長手方向において相対移動させられ、弾性部材56が弾性変形する。車両のロール量の増加に伴って、外筒52と内筒54との直線的な相対移動量が大きくなり、弾性部材56の弾性変形量が大きくなる。なお、車両は、旋回中にローリングするが、路面入力に起因してローリングすることもある。
また、本実施例においては、外筒52がスタビライザバー12に相対回動不能に固定され、内筒54がスタビライザリンク14に相対回動不能に固定される。そのため、車両のロール時に、これら外筒52と内筒54とが相対回動させられ、弾性部材56が弾性変形(主として剪断変形)させられる。それによっても、自由表面72の面積が変化し、ばね定数が変化する。車両のロール時には、外筒52と内筒54との直線的な相対移動と相対回動との両方が起きるため、弾性部材56には曲げ応力と剪断応力との両方が加えられ、これらによって、弾性変形させられることになるのである。
【0014】
弾性部材56において、車両のロール量が小さく、弾性変形量が小さい場合にはばね定数は小さいが、車両のロール量が大きく、弾性変形量が設定変形量に達すると、ばね定数が大きくなる。図4に示すように、従来のスタビライザ装置においては、車両のロール量、すなわち、左側車輪、右側車輪の各々において、サスペンションストロークが互いに逆向きに変化した場合のストロークの合計値が増加してもロール剛性は一定であったが、本実施例におけるスタビライザ装置においては、ロール量の増加に伴ってロール剛性を可変にすることができるのであり、ロール量が、上記設定変形量に対応する設定値より大きい場合は設定値以下である場合より、ロール剛性を大きくすることが可能となる。
また、実施例1に係るスタビライザ装置を前輪側のスタビライザ装置に適用し、後輪側のスタビライザ装置に適用しない場合には、車両のロール量が大きい場合に前輪側のロール剛性配分を大きくすることができ、ステア特性をアンダステア特性とすることができるため、旋回時の走行安定性を向上させることができる。
さらに、前輪側、後輪側の両方に実施例1のスタビライザ装置を適用した場合、あるいは、後輪側に、少なくとも、ロール量が小さい場合にロール剛性が小さいスタビライザ装置が搭載された場合には、ロール量が小さい場合に、乗り心地を向上させることができる。
また、図5に示すように、実施例1に係るスタビライザ装置においては、スタビライザバー12が、支持部13によって車体側部材13bに弾性的に支持されるとともに、車輪側部材20にバー側連結部14を介して弾性的に支持される。そのため、車体側部材13bに弾性的に支持されるのみで、車輪側部材20に対して弾性的に支持されない場合(従
来)に比較して、図6に示すように、低周波数および高周波数の振動を抑制することが可能となり、乗り心地の向上を図ることができる。
さらに、ゴム等の弾性部材は、金属製部材に比較して内部摩擦が大きいため減衰効果を奏する。したがって、バー側連結部14に弾性部材56を設ければ、弾性部材が含まれない場合に比較して、大きな減衰効果を得ることができ、その分、乗り心地を向上させることができる。
また、図4に示すように、弾性部材56にすぐり74を設けるとともに、すぐり74の形状、大きさ等を変えることにより、ロール剛性の大きさ自体を変更することも可能である。
【0015】
さらに、特許文献1に記載のスタビライザ装置においては、ピストン(金属製部材)がストッパ(金属製部材)に当接する前と、当接した後とで、ロール剛性が変化させられるようにされているのに対して、本項に記載のスタビライザ装置においては、弾性部材の弾性変形量が設定変形量より小さい場合と設定変形量以上の場合とで、ロール剛性が変化させられるようにされている。その結果、ロール剛性の切り換わり時の衝撃を小さくし、切り換わり時に発生する音(金属当接音)を小さくすることができる。また、ロール剛性の変化を穏やかにすることができる。
また、特許文献1に記載のスタビライザ装置に比較して、シリンダ装置が不要となるため、構造を簡単にすることができ、軽量化を図り、コストアップの抑制を図ることができる。
この事情は、特許文献2に記載のスタビライザ装置に対しても同様である。
【0016】
なお、弾性部材56の自由表面72の形状は、実施例1におけるそれに限らない。例えば、図7(a)に示すように、弾性部材90の内部(外筒52と内筒54との間の中間部)
に軸方向に延びた貫通孔92を形成し、弾性部材90の貫通孔92に対向する面94を自由表面とすることができる。外筒52と内筒54との間の直線的な相対移動に伴って、弾性部材90が弾性変形させられるが、弾性変形量の増加に伴って、自由表面積が漸減する。また、貫通孔92が潰れた後においても弾性部材同士が当接するため、弾性部材と金属とが当接する場合に比較して、ばね定数の変化は穏やかである。図7(b)に示すように、
車両のロール量の増加に伴ってばね定数が連続的に増加し、ロール剛性が連続的に増加することになる。
また、上記実施例において、空洞が、弾性部材56の外周面と外筒52との間に設けられた場合(隙間74)、弾性部材90の内部に設けられた場合(貫通孔92)について説明したが、弾性部材の内周面と内筒54との間に隙間(空洞)を形成し、その隙間に対向する面を自由表面とすることもできる。
さらに、上記実施例においては、内筒54にバルジ加工が施される場合について説明したが、内筒54に突部66を設けることは不可欠ではない。また、空洞(すぐり)が、内筒54と弾性部材の内周面との間に設けられる場合には、外筒52の内周側に半径方向内方に突出した突部を形成しても同様の効果が得られる。
さらに、スタビライザバー12の嵌合孔57に直接、弾性部材56が嵌め込まれるようにすることもできる。その場合には、外筒52が不要となり、その分、部品点数を減らすことができ、コストダウンを図ることができる。
【実施例2】
【0017】
本実施例においては、バー側連結部100が、図8に示す構造を成すものとされる。以下の各実施例において、それより、前に説明した実施例と同じものには同じ符号を付して説明を省略する。
バー側連結部100は、外筒102および内筒104,これらの間に設けられた弾性部材106を含み、実施例1における場合と同様に、スタビライザバー12に設けられる。本実施例においては、外筒102に、スタビライザバー12が溶接によって固定されるこ
とにより、外筒102がスタビライザバー12に相対移動不能に固定される。このように、外筒102がスタビライザバー12に溶接によって固定されるため、圧入による場合に比較して、スタビライザバー12に対する加工が容易となり、スタビライザバー12の製造コストを下げることができる。
また、弾性部材106の外周面と外筒102との間に隙間108が設けられ、弾性部材106の外周面の隙間108に対向する部分が自由表面110とされる。弾性部材106の弾性変形量が設定変形量に達すると、自由表面110が外筒102の内周面に当接し、ばね定数が大きくなり、ロール剛性が大きくなる。
さらに、本実施例においては、弾性部材106が内筒104に接着によって固定され、外筒52に圧入によって固定される(内筒接着外筒圧入タイプブッシュ)。
【実施例3】
【0018】
本実施例においては、バー側連結部150が図9に示す構造を成すものとされ、スタビライザバー12に設けられる。バー側連結部150は、外筒152,スタッドボルト156,スタッドボルト156と外筒152との間に設けられた弾性部材158を含む。弾性部材158はスタッドボルト156に接着され(スタッドボルト156が弾性部材158に埋め込まれ)、外筒152に圧入される(内筒接着外筒圧入タイプブッシュ)。外筒152は、スタビライザバー12と一体的に設けられたものである。スタッドボルト156は、スタビライザリンク16が固定されたブラケット160にナット162により相対回転不能に固定される。ブラケット160は概してL字形状を成すものである。
このように、実施例3においては、ボルト62の代わりにスタッドボルト156が用いられるとともに、ブラケット160がL字形状を成すものとされるため、ブラケット160の厚み分と、ボルト62とスタッドボルト156との間の頭部の厚み差分だけ、軸線方向の寸法を小さくすることが可能となる。また、スタッドボルト156を利用することにより、組み付け時に、ボルト62を保持する必要がなくなるのであり、組付性を向上させることができる。
なお、実施例1におけるように、外筒52はスタビライザバー12に設けられた嵌合孔57に圧入によって嵌め込まれるようにしても、実施例2におけるように、外筒102にスタビライザバー12が溶接によって固定されるようにしても、実施例3におけるように、外筒152がスタビライザバー12と一体的に形成されたもの(スタビライザバー12のカラーと称することがある)としてもよいのであり、以下の各実施例についても同様である。以下、これらを区別することなく、「外筒」と称して説明する。
【実施例4】
【0019】
本実施例においては、バー側連結部200が図10に示す構造を成すものとされ、スタビライザバー12に設けられる。バー側連結部200は、外筒202,スタッドボルト156,弾性部材204を含む。弾性部材204はスタットボルト156に接着され、外筒202ぶ圧入される。
また、外筒202の内周側に半径方向内方に突出した突部210が1つ以上、予め定められた中心角だけ隔てて(実施例4においては180度隔てて)形成される。それによって、ナット162の締め付け時に、弾性部材204の捩れを防止することができるため、弾性部材204が捩れた状態で固定されることを回避し、耐久性を向上させることができる。また、スタッドボルト156(スタビライザバー12)と外筒202(スタビライザリンク16)との相対位置決め精度を向上させることができるという利点もある。
本実施例においては、突部210が、スタッドボルト156と外筒202との相対移動の方向に対して90度隔たった位置に、互いに対向して一対設けられる。しかし、突部210の個数、位置は、実施例4における場合に限定されない。弾性部材110の自由表面110の形成に影響しない状態で設ければよい。
【実施例5】
【0020】
バー側連結部250は、図11に示す構造を成すものとされる。図11において、バー側連結部250は、スタビライザバー12に相対移動不能な板状部材252、スタビライザリンク16に相対移動不能な軸状部材254、これらの間に設けられた弾性部材256,258を含む。板状部材252,軸状部材254は、それぞれ、スタビライザバー12,スタビライザリンク16と一体的に設けられたものである。
板状部材252には、軸状部材254が貫通する貫通穴259が設けられる。
また、弾性部材256,258は、各々、概して円筒状を成すもので、外周面の中間部には、円環状の溝部260,262が形成される。
【0021】
軸状部材254に、板状部材252および弾性部材256,258が貫通し、板状部材252が両側から弾性部材256,258によって挟み込まれた状態で、一対のナット264,266によって締め付けられる。
また、軸状部材254と、弾性部材256,258の内周面および板状部材252の貫通穴259との間にはカラー268が配設され、ナット264,266と弾性部材256,258の端面270,272との間にはリテーナ274,276が設けられる。弾性部材256,258が、それぞれ、板状部材252とリテーナ274,276とによって挟まれた状態で取り付けられる。
本実施例においては、スタビライザバー12とスタビライザリンク16とがスタビライザリンク16の軸線方向に直線的に相対移動可能に取り付けられるのであるが、これらの間の相対移動に伴って、互いに対応する、リテーナ274,276のいずれか一方とナット264,266のいずれか一方とが、弾性部材256,258のいずれか一方を板状部材252に押し付ける。
本実施例においては、板状部材252により第1部材が構成され、軸状部材254により第2部材が構成されるのであるが、第2部材には、一対のナット264,266およびリテーナ274,276等も含まれると考えることができる。また、弾性部材256,258の各々のリテーナ274,276との当接面270,272が拘束面とされ、弾性部材256,258の溝部260,262を含む外周面が自由表面280,282とされる。
さらに、板状部材252の軸状部材254の貫通孔259の周縁には、円環状の溝部284,286が形成され、そこに、弾性部材256,258が入り込むことにより、弾性部材256,258の幅方向(スタビライザリンク16の軸線方向と交差する方向)のずれが防止される。
【0022】
車両がローリングすると、スタビライザリンク16に上下方向の力が加えられ、スタビライザリンク16とスタビライザバー12とが上下方向に直線的に相対移動させられる。例えば、スタビライザリンク16(軸状部材254)に、下方の力(紙面の上から下に向かう力)が加えられると、ナット266、リテーナ276によって弾性部材258がスタビライザバー12(サスペンションアーム20)に向かって押し付けられて圧縮させられる。弾性部材258の弾性変形量(圧縮量)が設定変形量に達すると、溝部262が潰れ、対向面290,292が互いに当接し、自由表面積が小さくなる。それによって、ばね定数が大きくなり、ロール剛性が大きくなる。軸状部材254に上方の力(紙面の下から上に向かう力)が加えられた場合も同様であり、この場合には、弾性部材256が圧縮させられる。
このように、本実施例においては、スタビザイザバー12の端部(板状部材252)に軸状部材254が貫通する貫通穴259を形成すればよく、実施例1におけるように外筒52が圧入される嵌合穴57が形成されるのではない。穴の加工精度が低くてよいのであり、その分、スタビライザバー12の加工を簡単にすることができ、製造コストを低減することができる。
また、カラー268と弾性部材256,258とを接着する(ゴム等と金属製部材とを接着する)必要がないため、その分、組み付けを容易にすることができ、コストダウンを
図ることができる。
【0023】
なお、弾性部材256,258の自由表面280,282の形状は問わない。例えば、実施例5においては、弾性部材256,258の各々に、それぞれ、円環状の溝部が1つずつ設けられていたが、複数個ずつ設けることができる。
また、上記実施例1〜4の各々において、バー側連結部がスタビライザバー12に設けられる場合について説明したが、バー側連結部は、スタビライザリンク16に設けることもできる。以下、バー側連結部が、スタビライザリンク16に設けられた場合について説明するが、各実施例において、上記各実施例1〜5に記載の技術的特徴を適用することができる。
【実施例6】
【0024】
本実施例においては、バー側連結部18が図12に示す構造を成すものとされる。バー側連結部300は、外筒302,内筒304,弾性部材306を含むが、外筒302がスタビライザリンク16に設けられた嵌合穴308に圧入によって相対移動不能に固定され、内筒304がスタビライザバー12に、一対のボルト310,ナット312によって相対移動不能に固定される。弾性部材306の外周側に隙間314が形成され、その隙間314に対向する面が自由表面316とされる。また、スタビライザバー12と内筒304との接触面(内筒304の端面)320と、ボルト310との接触面322とが摩擦面とされる。符号324はワッシャを示す。
また、弾性部材306は、外筒302,内筒304にそれぞれ接着により固定される(内筒外筒接着タイプブッシュ)。
このように、バー側連結部18がスタビライザリンク16に設けられた場合には、スタビライザバー12に設けられる場合に比較して、スタビライザバー12の形状変更が少なくて済むため、その分、汎用性が高いという利点がある。
なお、弾性部材306はスタビライザリンク16の嵌合穴308に圧入によって嵌め込まれるようにすることもできる。嵌合穴308に圧入によって嵌め込まれるようにすれば、外筒352が不要となるため、その分、コストダウンを図ることができる。
【実施例7】
【0025】
バー側連結部350は、図13に示す構造を成すものとすることができる。バー側連結部350においては、スタビライザリンク16が外筒352に固定される。また、内筒354にバルジ加工が施され、突部356が設けられる。内筒354と外筒352との間に弾性部材358が設けられるが、弾性部材358の外周面と外筒352との間に隙間360が設けられ、隙間360に対向する部分が自由表面362とされる。さらに、ボルト310の代わりにスタッドボルト364が使用され、スタッドボルト364にスタビライザバー12が固定され(スタビライザバー12にスタッドボルト364が埋め込まれ)、スタッドボルト364とナット312とにより内筒354にスタビライザバー12が相対移動不能に固定される。スタビライザバー12と内筒354との接触面(端面366)が摩擦面とされる。実施例7においては、スタッドボルト364が使用されるため、ボルト310が使用される場合に比較して、頭部の厚み差分だけ軸線方向の寸法を小さくすることができる。
【実施例8】
【0026】
バー側連結部400は、図14に示す構造を成すものとすることができる。本実施例においては、内筒の代わりにスタッドボルト402が使用され、スタッドボルト402にスタビライザバー12が固定される。また、スタッドボルト402には弾性部材358が接着され、弾性部材358に外筒352が圧入によって固定される。
スタビライザバー12は、ワッシャ404およびナット406によって挟まれた状態で締結されるのであり、スタビライザバー12の両側のワッシャ404との接着面410,
ナット406との接着面412が摩擦面とされる。
このように、摩擦面を2面とした場合には、実施例7における場合のように、摩擦面が1面である場合より、その分、締結能力を向上させることができる。逆に、締結能力を実施例7と同等とした場合に、スタッドボルトの径を細くすること等が可能となり、それによって、省スペース化を図り、コストダウンを図ることができる。
【実施例9】
【0027】
バー側連結部420は、図15に示す構造を成すものとすることができる。バー側連結部420は、実施例3と同様に、内筒421,外筒422,これらの間に設けられた弾性部材424を含み、外筒422に半径方向内向きに突出した1つ以上の突部425が形成される。突部425によって、ナット426による締結作業に伴う弾性部材424の捩れを防止し、弾性部材424の耐久性を向上させることができる。また、スタビライザリンク16とスタビライザバー12との相対位置決め精度を向上させることも可能である。本実施例においては、弾性部材424が内筒421に接着により固定され、弾性部材424に外筒422が圧入される(内筒接着外筒圧入タイプブッシュ)。
【0028】
以上のように、バー側連結部について、実施例1〜9において説明したが、これらのうちの2つ以上の技術的特徴は、互いに組み合わせて適用することができる。また、バー側連結部の各構造は、以下に説明する車輪側連結部に適用することが可能である。スタビライザリンク16は、車輪側連結部によって、サスペンションアームに取り付けられる場合と、ショックアブソーバに取り付けられる場合とがある。
【実施例10】
【0029】
本実施例において、車輪側連結部18は、図16に示す構造を成すものとすることができる。車輪側連結部18はサスペンションアーム20に設けられるのであり、サスペンションアーム20に形成された嵌合穴452に設けられる。
車輪側連結部18は、内筒454,弾性部材455を含み、弾性部材455が嵌合穴452に直接、圧入によって嵌め込まれる。また、内筒454は、一対のボルト456およびナット458を利用して、スタビライザリンクブラケット458に固定される。スタビライザリンクブラケット458には、スタビライザリンク16が固定される。
車両のローリングにより、スタビライザリンク16の上下方向に力が加えられると、内筒454とサスペンションアーム20とが相対移動させられ、それによって、弾性部材455が弾性変形させられる。弾性部材455の自由表面460がサスペンションアーム20の嵌合穴452の内周面に当接すると、当接する前よりばね定数が大きくなり、ロール剛性が大きくなる。
【実施例11】
【0030】
図17に示す車輪側連結部470においては、外筒472にスタビライザリンク16が溶接によって固定され、内筒474にブラケット476を介してサスペンションアーム20が固定される。そして、外筒472と内筒474との間に弾性部材480が設けられる。
【実施例12】
【0031】
車輪側連結部500は、図18に示す構造を成すものとすることができる。車輪側連結部500は、サスペンションアーム20と一体的に設けられた板状部材502,スタビライザリンク16と一体的に設けられた軸状部材504,板状部材502の両側に配設された弾性部材506,508を含む。軸状部材504に、板状部材502が貫通穴510において貫通し、板状部材502がそれの両側の弾性部材506,508によって挟み込まれる状態で、一対のナット514,516によって締め付けられる。それによって、軸状部材504と板状部材502とは互いに相対移動可能とされる。
弾性部材506,508は、それぞれ、概して円筒形状を成すものであり、それの端面とナット514,516との間には、それぞれ、リテーナ520,522が設けられ、板状部材502と弾性部材506,508との間には、それぞれブラケット524,526が設けられる。また、板状部材502,弾性部材506,508の内周側には、カラー528が設けられる。本実施例においては、板状部材502により第1部材が構成され、軸状部材504により第2部材が構成されると考えることができるが、第1部材には、ブラケット524、526が含まれ、第2部材には、ナット514,516,リテーナ520,522が含まれると考えることができる。第1部材と第2部材とは、第2部材の軸線方向に相対移動可能に取り付けられる。
【0032】
弾性部材506,508のリテーナ520,522側(サスペンションアーム20に対して反対側)の部分の外径は、ブラケット524,526の内径より小さくされており、弾性部材506,508の外周面とブラケット524,526の内周面との間に、円環状の隙間528,529が設けられる。スタビライザリンク16とサスペンションアーム20との相対位置が定常位置にある場合において、図18に示すように、弾性部材506,508の各々の外周面のサスペンションアーム側の部分においてはブラケット524,526の内周面に当接し、サスペンションアーム20とは反対側の部分においてブラケット524,526の内周面から離間した状態にあるのである。
また、弾性部材506,508の外周面には、それぞれ、1つ以上の軸方向に延びた溝部530,532が形成される。本実施例においては、弾性部材506,508の外周面が自由表面540,542とされ、弾性部材506,508の端面のリテーナ520,522に接する部分が拘束面とされる。
【0033】
スタビライザリンク16に軸方向の力が加わると、スタビライザリンク16とサスペンションアーム20とが軸線方向に相対移動させられ、弾性部材506,508のいずれか一方が圧縮させられる。
例えば、軸状部材504に下方の力(紙面の上から下に向かう力)が加えられると、ナット514、リテーナ520が弾性部材506をブラケット524に向かって押し付け、弾性部材506が圧縮させられる。弾性部材506の圧縮に伴ってブラケット524との当接面積が増えて、自由表面540の面積が小さくなる。それによって、ばね定数が大きくなり、ロール剛性が大きくなる。スタビライザリンク16に上方の力が加えられた場合も同様であり、この場合には、弾性部材508がナット516,リテーナ522によりブラケット526に押し付けられて、圧縮させられる。
なお、溝部530、532は、異音の発生を抑制するために設けられたものである。弾性部材506,508の圧縮量が大きい場合に、弾性部材506,508とブラケット524,526との間にエアが封入されて、異音が発せられたり、スティックスリップに起因して異音が発せられたりするのであるが、これらの異音の発生が溝部530,532等により抑制されるのである。
本実施例においては、弾性部材と金属部分との接着が不要となるため、その分、製造が容易となる。
【実施例13】
【0034】
図19に示す車輪側連結部550において、ブラケット552,556の内周側に、それぞれ、1つ以上の突部556,558が設けられる。突部556,558により、弾性部材560,562の回転が防止されるため、ナット514,516の締結作業時に、弾性部材560,562が捩られることを回避し、ねじり歪みが生じた状態で組み付けられることを回避することができ、弾性部材560,562の耐久性の向上を図ることができる。また、スタビライザリンク16とサスペンションアーム20との間の相対位置決め精度を向上させることもできる。
【0035】
以上のように、実施例10〜13において、車輪側連結部によってサスペンションアーム20にスタビライザリンク16が連結される場合について説明したが、これらのうちの2つ以上の技術的特徴をそれぞれ組み合わせて適用することができる。次に、車輪側連結部によって、ショックアブソーバ40に連結される場合について説明する。実施例10〜13の車輪側連結部は、ショックアブソーバ40に連結される場合にも同様に適用することができる。
【実施例14】
【0036】
本実施例においては、車輪側連結部600が、図20に示す構造を成すものとされる。車輪側連結部600は、内筒602,外筒604,内筒602と外筒604との間の弾性部材606を含み、内筒602にボールジョイント610が嵌合され、外筒604にスタビライザリンクブラケット612が固定される。ボールジョイント610には、ショックアブソーバブラケット614が連結され、本体618に対して点P回りに、すなわち、ボールの中心に対して相対回転可能に保持される。
図示は省略するが、ストラット式のサスペンションにおいて、ショックアブソーバがナックルアームに支持されている場合には、ステアリングの操舵等により、ショックアブソーバも回動させられる。その結果、ショックアブソーバに対するスタビライザリンク16の揺動角が大きくなる場合がある。それに対して、本実施例においては、スタビライザリンク16とショックアブソーバ40との間にボールジョイント610が設けられるため、これらの間の揺動が許容される。また、車両のロールにより、スタビライザリンク16に上下方向の力が加えられると、外筒604がボールジョイント610の本体618に対して相対移動させられ、それによって、弾性部材606が弾性変形する。弾性部材606の弾性変形量が大きい場合は小さい場合より、ばね定数が大きくなり、ロール剛性が大きくなる。
【0037】
本発明の複数の実施例について説明したが、バー側連結部14と車輪側連結部18との両方を、それぞれ、上記複数の実施例のうちのいずれか1つずつとする必要は必ずしもなく、これらのうちの少なくとも一方を、上記実施例のうちの1つとすればよい等本発明は、前述に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0038】
12:スタビライザバー 13b:車体側部材 16:スタビライザリンク 14,100,150,200,250,300,350,400,420:バー側連結部 18,450,470,500,550,600:車輪側連結部 20:サスペンションアーム
52,102,152,202,302,352,422,472,600:外筒 54,104,304,354,454,474,602:内筒 56,90,106,158,204,256,258,306,358,424,455,480,506,508,560,562,606:弾性部材 62,310,456:ボルト 64,162,264,266,312,412,426,458,514,516:ナット 66:突部 72,94,110,282,284,316,362,460,540,542:自由表面 74,92,108,314,360,528,529:すぐり 78:突部 156,364,402:スタッドボルト 254,504:軸状部材 252,502:板状部材 260,262:溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の左側車輪と右側車輪との間に延び、車体側連結部を介して車体側部材に連結されたスタビライザバーと、
そのスタビライザバーの両端部に、それぞれ、一端部においてバー側連結部を介して連結され、他端部において、前記左側車輪の車輪側部材と前記右側車輪の車輪側部材とのうち、それに対応する部材に、車輪側連結部によって連結されたスタビライザリンクと
を含むスタビライザ装置であって、
前記バー側連結部と前記車輪側連結部との少なくとも一方が、前記車両のロール角の変化に伴って弾性変形し、ロール剛性を変化させる弾性部材を含み、
前記バー側連結部が、前記スタビライザリンクと前記スタビライザバーとのいずれか一方に相対移動不能に取り付けられた第1部材と、前記スタビライザリンクと前記スタビライザバーとの他方に相対移動不能に取り付けられた第2部材との相対移動を許容する状態で、前記スタビライザリンクの各々と前記スタビライザバーとを連結するものであり、
前記車輪側連結部が、前記左側車輪と前記右側車輪との各々において、前記スタビライザリンクと前記車輪側部材とのいずれか一方に相対移動不能に取り付けられた第1部材と、前記スタビライザリンクと前記車輪側部材とのいずれか他方に相対移動不能に取り付けられた第2部材との相対移動を許容する状態で、前記スタビライザリンクと前記車輪側部材とを、それぞれ、連結するものであり、
前記第1部材が板状部材を含み、
前記第2部材が前記板状部材を貫通する軸状部材を含み、
前記弾性部材が、前記板状部材の両側に、それぞれ、前記板状部材と前記軸状部材との、前記スタビライザリンクの長手方向の相対移動に伴って弾性変形する状態で配設され、かつ、前記弾性部材の各々の外周面が自由表面とされ、それぞれ、弾性変形量が大きい場合に小さい場合より、前記自由表面の面積が小さくなる部材であることを特徴とするスタビライザ装置。
【請求項2】
前記第2部材が、さらに、前記軸状部材の移動に伴って移動可能な一対のリテーナを含み、
前記弾性部材が、それぞれ、概して円筒状を成したものであり、前記板状部材の両側において、前記軸状部材に貫通された状態で、前記板状部材と前記一対のリテーナの各々とによって挟まれて保持された請求項1に記載のスタビライザ装置。
【請求項3】
前記弾性部材の各々の外周面の中間部に、それぞれ、環状を成した溝部が1つ以上ずつ形成され、前記自由表面が、前記溝部の各々の対向面を含む請求項1または2に記載のスタビライザ装置。
【請求項4】
前記第1部材が、さらに、前記板状部材の両側に配設され、前記板状部材の移動に伴って移動させられる概して椀状を成した一対のブラケットを含み、
前記第2部材が、さらに、前記軸状部材の移動に伴って移動可能な一対のリテーナを含み、
前記弾性部材が、それぞれ、概して円筒状を成したものであり、前記板状部材の両側において、前記軸状部材に貫通された状態で、一対のブラケットの各々と前記一対のリテーナの各々との間に、前記板状部材側の部分の外周面が前記ブラケットの内周面と当接し、前記リテーナ側の部分の外周面が前記ブラケットの内周面から離間した状態で保持された請求項1に記載のスタビライザ装置。
【請求項5】
前記一対のブラケットの内周面に、それぞれ、突部が設けられた請求項4に記載のスタビライザ装置。
【請求項6】
前記弾性部材の各々の外周面に、軸方向に延びた溝が1つ以上形成された請求項4または5に記載のスタビライザ装置。
【請求項7】
前記弾性部材が、ゴムあるいはそれの類似物で形成された部材である請求項1ないし6のいずれか1つに記載のスタビライザ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−79524(P2011−79524A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6034(P2011−6034)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【分割の表示】特願2006−166573(P2006−166573)の分割
【原出願日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】