説明

ステージ装置、露光装置及びデバイスの製造方法

【課題】テーブルの位置決めに有利なステージ装置を提供する。
【解決手段】ベース部と、XY平面に沿って移動可能なテーブルと、Y軸方向に沿った前記第1の端面の位置を計測する第1のY軸干渉計222と、前記Y軸方向に沿った第2の計測光路を有する第2の端面の位置を計測する第2のY軸干渉計224と、前記第1のY軸干渉計及び前記第2のY軸干渉計から前記XYZ座標系のX軸方向に離間して、且つ、前記Y軸方向に沿った第3の計測光路を有する第3のY軸干渉計228と、前記第1のY軸干渉計の計測値、前記第2のY軸干渉計の計測値及び前記第3のY軸干渉計の計測値に基づいて前記テーブルの変形量を求め、前記変形量に基づいて目標位置を補正した補正目標位置を求め、前記第1のY軸干渉計の計測値と前記第2のY軸干渉計の計測値から求まる前記テーブルの位置が前記補正目標位置に位置するように前記テーブルを位置決めする制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステージ装置、露光装置及びデバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスなどを製造するためのフォトリソグラフィ工程では、露光装置が使用されている。露光装置には、レチクル(マスク)のパターンを投影光学系によってウエハ(基板)に投影してパターンを転写する投影露光装置と、レチクルを用いることなく、ウエハにパターンを直接描画する電子ビーム露光装置とが含まれる。
【0003】
このような露光装置では、半導体デバイスの微細化に伴い、ウエハ上に多層に転写されるパターンの重ね合わせ精度を向上させる必要があり、パターンの転写位置精度を数ナノメートル以下にすることが要求されている。そこで、露光装置は、露光工程の前にアライメント工程を備え、その一例として、グローバルアライメントがある。グローバルアライメントとは、ウエハ上の代表的な幾つかのショット領域に形成されたアライメントマークを計測して統計処理することで、ウエハ上の各ショット領域の露光目標位置を求めるものである。
【0004】
一方、露光装置においては、振動、外力及び温度変化などによって、ウエハを保持するテーブルやテーブルの位置を計測するための干渉計を支持するベース部に変形が生じる。例えば、テーブルを駆動する駆動部の発熱などがテーブルに伝わることによって、或いは、露光熱(例えば、電子ビームのエネルギー)に起因してウエハに温度変化が生じることによってテーブルやウエハに熱変形が生じる。また、ベース部は、テーブルの駆動時に発生する振動やステージ装置が設置される床における外乱振動が伝わることによって振動する。かかる振動は、ベース部の全体的な振動である剛体振動と弾性振動とを含み、弾性振動によって、ベース部には、凹凸形状の曲げ変形が生じる。更には、テーブルを駆動する駆動部の発熱などがベース部に伝わることによって、ベース部には、熱変形も生じる。アライメントアライメントを行っている間にベース部に変形が生じると、テーブルの位置を計測するための干渉計の位置が変動するため、その計測値には誤差が生じ、求められる露光目標位置に誤差が生じることになる。また、アライメント工程の後にテーブルやベース部に変形が生じると、グローバルアライメントで求めた露光目標位置にウエハ(を保持するテーブル)を位置決めしても、転写されるパターンには、位置ずれや倍率ずれ(大きさのずれ)などの転写誤差が生じてしまう。
【0005】
テーブルやベース部の変形に対して露光目標位置を補正する技術は、従来から幾つか提案されている(特許文献1及び2参照)。特許文献1には、テーブルを挟んで2つの干渉計を配置し、2つの干渉計の計測値(即ち、一方向におけるテーブルの両端面の位置)からテーブルの変形量を求め、かかる変形量に基づいて露光目標位置を補正する技術が開示されている。また、特許文献2には、干渉計を支持するベース部に配置された歪ゲージの出力値(ベース部の変形量)と干渉計の計測誤差との関係を表す補正式を予め求め、露光工程時における歪ゲージの出力値と補正式とを用いて露光目標位置を補正する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−317600号公報
【特許文献2】特開平11−008189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術では、2つの干渉計を支持するベース部に変形(例えば、熱変形)が生じた場合、2つの干渉計の計測値から求められるテーブルの変形量にベース部の変形量が含まれてしまうため、露光目標位置を高精度に補正することができない。これは、2つの干渉計の計測値のそれぞれが、テーブルの位置、テーブルの変形量及びベース部の変形量(即ち、2つの干渉計の間の距離の変動)の3つの成分を含んでいるためである。
【0008】
例えば、ベース部の線膨張係数を鋳鉄相当の12×10−6[1/℃]、2つの干渉計の間の距離を1[m]とし、ベース部に0.001[℃]の温度変化が生じたとすると、2つの干渉計の間の距離は、12[nm]も変動することになる。このとき、2つの干渉計の計測値から求められるテーブルの変形量には、ベース部の変形量に相当する12[nm]が誤差として含まれてしまうため、数ナノメートル以下の精度で露光目標位置を補正することが困難となる。ここで、2つの干渉計の間の距離を1[m]とした理由は、直径300[mm]のウエハを露光する露光装置(のステージ装置)を考えた場合、妥当な数値であるからである。具体的には、ウエハを保持するテーブルの1辺の長さは500〜600[mm]程度、テーブルの可動範囲は±200〜±250[mm]程度であるため、2つの干渉計の間には、1[m]程度の距離が必要となる。また、ベース部は、体積が大きいため、熱容量も大きく、温度変化が比較的生じにくいが、周囲の環境や温調精度によって、0.001[℃]程度の微小な温度変化は生じてしまう。
【0009】
一方、特許文献2の技術では、歪ゲージの出力値と干渉計の計測誤差(即ち、干渉計の位置変動)とが必ずしも一義的に対応しない場合がある。これは、ベース部には、主に熱変形に起因する伸縮変形と、主に振動(Z軸方向)に起因する凹凸形状の曲げ変形との2種類の変形が生じるためである。
【0010】
図8(a)は、ベース部に伸縮変形が生じた場合の干渉計の位置変動を示す図であり、図8(b)は、ベース部に曲げ変形が生じた場合の干渉計の位置変動を示す図である。なお、図8(a)及び図8(b)において、点線はベース部に変形が生じる前の状態を示し、実線はベース部に変形が生じた後の状態を示している。図8(a)及び図8(b)を参照するに、例えば、ベース部における干渉計の近傍に歪みゲージを配置しても、伸縮変形が生じた場合と曲げ変形が生じた場合とでは、歪ゲージの出力値を干渉計の位置変動に変換するための係数が異なることがわかる。従って、特許文献2の技術では、露光目標位置を高精度に補正することができないことがある。
【0011】
なお、ベース部に複数の歪ゲージを配置して、複数の歪ゲージの出力値から伸縮変形と曲げ変形とを切り分けることも考えられる。但し、この場合には、複数の歪ゲージを配置することで構成が複雑になることや、ベース部に生じる変形の種類(伸縮変形及び曲げ変形)ごとに補正式を求めなければならない(即ち、時間がかかる)ことなどの問題が生じてしまう。更に、補正式を求める際には、伸縮変形と曲げ変形とを独立してベース部に生じさせなければならないが、これは現実的には困難であるため、変形の種類ごとの補正式を正確に求めることは難しい。例えば、伸縮変形に対する補正式を求めたい場合に、ベース部に曲げ変形を生じさせる振動を完全に遮断することは困難である。同様に、曲げ変形に対する補正式を求めたい場合に、ベース部に伸縮変形を生じさせる熱変形(温度変化)を完全にゼロにすることは困難である。従って、予め求めた補正式で露光目標位置を補正しても、ある程度の誤差が含まれてしまう。また、アライメント工程においては、複数の歪ゲージの出力値から伸縮変形と曲げ変形とを切り分ける処理や、適切な補正式を選択する処理などが必要となり、装置のスループットを低下させる可能性がある。
【0012】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、テーブルの位置決めに有利な技術を提供することを例示的目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としてのステージ装置は、ベース部と、XYZ座標系のXY平面に沿って移動可能なテーブルと、前記XYZ座標系のY軸方向に沿った第1の計測光路を有するように前記ベース部に支持され、前記第1の計測光路を通過し、前記テーブルの第1の端面で反射され、前記第1の計測光路を戻ってくる計測光を検出して前記Y軸方向に沿った前記第1の端面の位置を計測する第1のY軸干渉計と、前記Y軸方向に沿った第2の計測光路を有するように前記ベース部に支持され、前記第2の計測光路を通過し、前記Y軸方向に関して前記第1の端面の裏側の面である前記テーブルの第2の端面で反射され、前記第2の計測光路を戻ってくる計測光を検出して前記Y軸方向に沿った前記第2の端面の位置を計測する第2のY軸干渉計と、前記第1のY軸干渉計及び前記第2のY軸干渉計から前記XYZ座標系のX軸方向に離間して、且つ、前記Y軸方向に沿った第3の計測光路を有するように前記ベース部に支持され、前記第3の計測光路を往復した計測光を検出して前記第1のY軸干渉計と前記第2のY軸干渉計との間の前記Y軸方向に沿った距離を得ることが可能な距離を計測する第3のY軸干渉計と、前記第1のY軸干渉計の計測値、前記第2のY軸干渉計の計測値及び前記第3のY軸干渉計の計測値に基づいて前記テーブルの変形量を求め、前記テーブルの変形量に基づいて前記テーブルの目標位置を補正した補正目標位置を求め、前記第1のY軸干渉計の計測値と前記第2のY軸干渉計の計測値から求まる前記テーブルの位置が前記補正目標位置に位置するように前記テーブルを位置決めする制御部と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、例えば、テーブルの位置決めに有利な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一側面としての露光装置の構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す露光装置のステージ装置の構成をZ軸の+方向から示す概略斜視図である。
【図3】図2に示すステージ装置をZ軸−方向から示す概略平面図である。
【図4】図2に示すステージ装置のテーブルとテーブルに保持された基板とを示す概略平面図である。
【図5】図1に示す露光装置に適用可能なステージ装置の構成をZ軸−方向から示す概略平面図である。
【図6】ベース部がY軸方向に非等方的に変形した場合のステージ装置をZ軸−方向から示す概略平面図である。
【図7】ベース部がX軸方向に非等方的に変形した場合のステージ装置をZ軸−方向から示す概略平面図である。
【図8】ベース部に伸縮変形が生じた場合の干渉計の位置変動とベース部に曲げ変形が生じた場合の干渉計の位置変動とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0018】
図1は、本発明の一側面としての露光装置1の構成を示す概略図である。図2は、露光装置1のステージ装置20の構成をZ軸+方向から示す概略斜視図である。露光装置1は、電子ビーム(荷電粒子線)を用いて基板(ウエハなど)の上にパターンを形成(描画)する電子ビーム露光装置である。
【0019】
露光装置1は、電子ビームを基板の上に投射する(即ち、基板を露光する)電子光学系(カラム)10と、基板を保持して駆動するステージ装置20と、制御部30とを有する。制御部30は、CPUやメモリなどを含み、露光装置1の全体(動作)を制御する。制御部30は、例えば、露光工程の前のアライメント工程において、グローバルアライメントを行ってテーブルの目標位置を求め、かかる目標位置にテーブルを位置決めする。この際、制御部30は、後述するように、テーブルの変形量を求め、テーブルの変形量に基づいてテーブルの目標位置を補正した補正目標位置を求め、テーブルの位置が補正目標位置に位置するようにテーブルを位置決めする。
【0020】
ステージ装置20は、図1に示すように、ベース部202と、XYZ座標系のXY平面に沿って移動可能なテーブル204と、テーブル204を駆動する駆動部206とを含む。ベース部202は、その中央付近で電子光学系10を支持し、支柱208を介して、テーブル204の位置を計測するための干渉計(第1のY軸干渉計222、第2のY軸干渉計224、第1のX軸干渉計226、第3のY軸干渉計228)を支持する。また、ベース部202は、ベース脚210及び除振装置212を介して、土台214に支持される。テーブル204は、基板の全面を露光可能なように、XY平面内で大きな移動可能範囲を有する。駆動部206は、基板を保持するテーブル204を、並進3軸及び回転3軸の6自由度で駆動可能なように構成される。
【0021】
また、ステージ装置20は、図2に示すように、第1のY軸干渉計222と、第2のY軸干渉計224と、第1のX軸干渉計226と、第3のY軸干渉計228とを含む。第1のY軸干渉計222、第2のY軸干渉計224、第1のX軸干渉計226及び第3のY軸干渉計228は、別々の支柱208を介して、テーブル204の移動可能範囲外においてベース部202に支持される。また、テーブル204の第1の端面204a、第2の端面204b及び第3の端面204cのそれぞれには、例えば、アルミ蒸着などが施された反射面が形成されている。従って、第1のY軸干渉計222、第2のY軸干渉計224及び第1のX軸干渉計226のそれぞれからの計測光は、テーブル204の第1の端面204a、第2の端面204b及び第3の端面204cのそれぞれで反射される。
【0022】
第1のY軸干渉計222は、Y軸+方向に計測光を射出する光源と、かかる計測光を検出する検出部とを含み、Y軸方向に沿った計測光路(第1の計測光路)MO1を有するようにベース部202に支持される。第1のY軸干渉計222は、計測光路MO1を通過し、テーブル204の第1の端面204aで反射され、計測光路MO1を戻ってくる計測光を検出して、Y軸方向に沿った第1の端面204aの位置を計測する。
【0023】
第2のY軸干渉計224は、Y軸−方向に計測光を射出する光源と、かかる計測光を検出する検出部とを含み、Y軸方向に沿った計測光路(第2の計測光路)MO2を有するようにベース部202に支持される。第2のY軸干渉計224は、計測光路MO2を通過し、テーブル204の第2の端面204bで反射され、計測光路MO2を戻ってくる計測光を検出して、Y軸方向に沿った第2の端面204bの位置を計測する。なお、第2の端面204bは、第1の端面204aの裏側の面である。
【0024】
第1のX軸干渉計226は、X軸+方向に計測光を射出する光源と、かかる計測光を検出する検出部とを含み、X軸方向に沿った計測光路MO3を有するようにベース部202に支持される。第1のX軸干渉計226は、計測光路OM3を通過し、テーブル204の第3の端面204cで反射され、計測光路MO3を戻ってくる計測光を検出して、X軸方向に沿った第3の端面204cの位置を計測する。
【0025】
第3のY軸干渉計228は、Y軸+方向に計測光を射出する光源と、かかる計測光を反射するY軸反射鏡228aと、Y軸反射鏡228aで反射された計測光を検出する検出部228bとを含む。第3のY軸干渉計228は、第1のY軸干渉計222及び第2のY軸干渉計224からX軸方向に離間して、且つ、Y軸方向に沿った計測光路(第3の計測光路)MO4を有するようにベース部202に支持される。第3のY軸干渉計228は、計測光路MO4を往復した計測光を検出して、第1のY軸干渉計222と第2のY軸干渉計224との間のY軸方向に沿った距離を得ることが可能な距離を計測する。
【0026】
本実施形態では、Y軸反射鏡228aは、第2のY軸干渉計224に対して、Y軸の座標及びZ軸の座標が同じであり、X軸の座標のみが異なるように、ベース部202に支持される。また、検出部228bは、第1のY軸干渉計222に対して、Y軸の座標及びZ軸の座標が同じであり、X軸の座標のみが異なるように、ベース部202に支持される。従って、第3のY軸干渉計228は、Y軸反射鏡228aと検出部228bとの間の距離、即ち、本実施形態では、第1のY軸干渉計222と第2のY軸干渉計224との間のY軸方向に沿った距離に相当する距離を計測する。また、Y軸反射鏡228a及び検出部228bは、計測光路MO4がテーブル204の移動可能範囲と干渉しないような配置関係にする。
【0027】
このような構成によって、ベース部202に伸縮変形と曲げ変形の2種類の変形が生じても、第3のY軸干渉計228の計測値は、第1のY軸干渉計222と第2のY軸干渉計224との間のY軸方向に沿った距離(の変動)とほぼ等価となる。
【0028】
例えば、図2において、ベース部202に曲げ変形が生じた場合を考える。この場合、X軸周りの曲げ成分に起因する、第1のY軸干渉計222と第2のY軸干渉計224との間の距離の変動と、Y軸反射鏡228aと検出部228bとの間の距離の変動とは、ほぼ等価となる。これは、第1のY軸干渉計222の位置と検出部228bの位置でのX軸周りの曲げ角度及び曲げスパン(支柱208の長さ)が等しくなるように、第1のY軸干渉計222及び検出部228bがZ軸の座標について等しく配置されているからである。なお、第2のY軸干渉計224とY軸反射鏡228aとの関係も同様である。また、Y軸周りの曲げ成分に対して、第1のY軸干渉計222、第2のY軸干渉計224及び第3のY軸干渉計228(Y軸反射鏡228a、検出部228b)はX軸方向に変動するが、Y軸方向には変動しないため、干渉計の計測値には影響がない。
【0029】
一方、ベース部202に伸縮変形が生じた場合を考える。この場合、第1のY軸干渉計222と第2のY軸干渉計224との間の距離の変動と、Y軸反射鏡228aと検出部228bとの間の距離の変動とは、ほぼ等価となる。これは、第1のY軸干渉計222及び検出部228bがY軸の座標について等しく配置されているからである。なお、第2のY軸干渉計224とY軸反射鏡228aとの関係も同様である。
【0030】
なお、干渉計の座標を等しくするとは、厳密には、干渉計から射出される計測光の位置(射出座標)を等しくすることを意味する。但し、実際には、干渉計の座標を完全に等しくすることは不可能であるため、所望の精度でテーブルの位置を計測可能なように、干渉計を位置決めすればよい。例えば、干渉計がY軸の設計座標に対して1[mm]の誤差を有して配置され、ベース部の線膨張係数を12×10−6[1/℃]、2つの干渉計の間の距離を1[m]とし、ベース部に0.001[℃]の温度変化が生じた場合を考える。この場合、ベース部の変形に起因する干渉計の計測誤差は、0.01[nm]のオーダーとなる。かかる計測誤差は、目標とする露光位置の補正のオーダーが数ナノメートルであれば、十分に許容できる誤差であるため、干渉計は1[mm]程度の精度で位置決めすればよい。
【0031】
以下、図3を参照して、制御部30によるテーブル204の位置決めについて説明する。なお、ここでは、第1のY軸干渉計222の計測値、第2のY軸干渉計224の計測値及び第3のY軸干渉計228の計測値のそれぞれをY、Y及びY、第1のX軸干渉計226の計測値をXとする。
【0032】
図3は、図2に示すステージ装置20をZ軸−方向から示す概略平面図である。図3(a)は、ベース部202及びテーブル204に変形が生じてない状態(基準状態)を示し、図3(b)は、ベース部202及びテーブル204に変形が生じている状態を示している。
【0033】
まず、テーブル204の変形量を求める。テーブル204の第1の端面204aと第2の端面204bとの間のY軸方向に沿った距離をLとする。また、第1のY軸干渉計222と第2のY軸干渉計224との間のY軸方向に沿った距離をL、Y軸反射鏡228aと検出部228bとの間のY軸方向に沿った距離をLとする。更に、ベース部202に変形が生じた場合の距離L、L及びLのそれぞれの変化、即ち、変形量をΔL、ΔL及びΔLとする。
【0034】
第1のY軸干渉計222、第2のY軸干渉計224、第3のY軸干渉計228及び第1のX軸干渉計226のそれぞれの計測値は、図3(a)に示す状態でゼロにリセットされるものとする。また、第1のY軸干渉計222の計測値は、第1の端面204aのY軸の座標を示すもの(基準)とする。この場合、第1のY軸干渉計222の計測値Y、第2のY軸干渉計224の計測値Y及び第3のY軸干渉計228の計測値Yのそれぞれには相関があり、計測値Y、Y及びYは、以下の式で表される。
=Y
=−Y+ΔL−ΔL
=ΔL
【0035】
ΔLとΔLbは、上述したように、ほぼ等価であるため、テーブル204の変形量ΔLは、以下の式で表され、各Y軸干渉計の計測値Y、Y及びYの単純な四則演算で求められる。
ΔL=−Y−Y+Y
【0036】
また、テーブル204の単位長さ当たりの変形量を表す変形率εは、テーブル204の基準長に相当する距離Lとテーブル204の変形量ΔLとを用いて、以下の式で求められる。
ε=ΔL/L
【0037】
次に、テーブル204の変形率εに基づいてテーブル204の目標位置を補正した補正目標位置を求める。図4は、テーブル204とテーブル204に保持された基板SBとを示す概略平面図である。図4では、テーブル204及び基板SBに変形が生じていない状態(基準状態)を点線で示し、テーブル204及び基板SBに変形が生じている状態を実線で示している。ここでは、テーブル204の左下隅部をテーブル204及び基板SBの位置を表すXY座標の原点とする。
【0038】
図4に示すように、アライメント工程(グローバルアライメント)で求めた基板SBの上の任意のショット領域の目標露光位置、即ち、テーブル204の目標位置(X、Y)は、テーブル204の変形によって(X’、Y’)に変動する。従って、テーブル204を位置決めする際には、テーブル204の目標位置(X、Y)を補正した補正目標位置(X’、Y’)を求める必要がある。ここで、テーブル204の変形と基板SBの変形とが同じであると仮定すると、補正目標位置(X’、Y’)は、テーブル204の変形率εを用いて、以下の式で求められる。
(X’、Y’)=(X+εX、Y+εY
【0039】
そして、第1のY軸干渉計222の計測値Y、第2のY軸干渉計224の計測値Yから求まるテーブル204の位置が補正目標位置(X’、Y’)に位置するようにテーブル204を位置決めする。これにより、位置ずれや倍率ずれなどの転写誤差を低減し、基板SBの上の所定のショット領域(即ち、補正目標位置(X’、Y’))にパターンを高精度に形成することができる。
【0040】
また、図3に斜線部で示すショット領域(の面積)もテーブル204の変形率εに応じて変動するため、所定の倍率(大きさ)のパターンを基板STに転写できない場合がある。このような場合には、テーブル204の変形率εに基づいて、所定の倍率のパターンとなるように、電子光学系10の倍率補正機構を用いて、基板STに転写されるパターンの倍率誤差を補正すればよい。かかる補正は、露光工程中に行えるため、露光工程を停止又は遅延させることなく、即ち、露光装置のスループット(生産性)を低下させることなく、パターンの転写精度を向上させることができる。
【0041】
なお、テーブル204の変形量と基板STの変形量とが同じではない場合には、実際に基板STに転写されたパターンを検出して、テーブル204の変形率εと基板STの変形量とが対応するように、テーブル204の変形率εを補正してもよい。テーブル204の変形率εを一度補正すれば、単純な四則演算を追加するだけでテーブル204及び基板STの変形を補正することができるため、露光工程の処理時間にはほとんど影響しない。
【0042】
また、これまでは、テーブル204がX軸方向及びY軸方向に等方的に変形することを前提として説明した。但し、テーブル204がX軸方向及びY軸方向に非等方的に変形する場合には、図5に示すように、ステージ装置20を構成すればよい。図5は、露光装置1に適用可能なステージ装置20の構成をZ軸−方向から示す概略平面図である。図5に示すステージ装置20は、第1のY軸干渉計222、第2のY軸干渉計224、第1のX軸干渉計226及び第3のY軸干渉計228に加えて、第2のX軸干渉計230と、第3のX軸干渉計232とを有する。
【0043】
第2のX軸干渉計230は、X軸−方向に計測光を射出する光源と、かかる計測光を検出する検出部とを含み、X軸方向に沿った計測光路を有するようにベース部202に支持される。第2のX軸干渉計230は、計測光路を通過し、テーブル204の第4の端面204dで反射され、計測光路を戻ってくる計測光を検出して、X軸方向に沿った第4の端面204dの位置を計測する。
【0044】
第3のX軸干渉計232は、X軸+方向に計測光を射出する光源と、かかる計測光を反射するX軸反射鏡232aと、X軸反射鏡232aで反射された計測光を検出する検出部232bとを含む。第3のX軸干渉計232は、X軸方向に沿った計測光路を有するようにベース部202に支持される。第3のX軸干渉計232は、計測光路を往復した計測光を検出して、第1のX軸干渉計226と第2のX軸干渉計230との間のX軸方向に沿った距離を得ることが可能な距離を計測する。
【0045】
本実施形態では、X軸反射鏡232aは、第2のX軸干渉計230に対して、X軸の座標及びZ軸の座標が同じであり、Y軸の座標のみが異なるように、ベース部202に支持される。また、検出部232bは、第1のX軸干渉計226に対して、X軸の座標及びZ軸の座標が同じであり、Y軸の座標のみが異なるように、ベース部202に支持される。従って、第3のX軸干渉計232は、X軸反射鏡232aと検出部232bとの間の距離、即ち、本実施形態では、第1のX軸干渉計226と第2のX軸干渉計230との間のX軸方向に沿った距離に相当する距離を計測する。なお、X軸反射鏡232a及び検出部232bは、計測光路がテーブル204の移動可能範囲と干渉しないような配置関係にする。
【0046】
以下、図5を参照して、制御部30によるテーブル204の位置決めについて説明する。なお、ここでは、第2のX軸干渉計230の計測値及び第3のX軸干渉計232の計測値のそれぞれをX及びXとする。また、テーブル204のX軸方向の変形量をΔLs_X、テーブル204のY軸方向の変形量をΔLs_Yとする。
【0047】
ベース部202の変形に起因する第1のX軸干渉計226と第2のX軸干渉計230との間の距離の変動と、X軸反射鏡232aと検出部232bとの間の距離の変動とは、ほぼ等価になる。従って、テーブル204のX軸方向の変形量ΔLs_X及びテーブル204のY軸方向の変形量ΔLs_Yは、各干渉計の計測値Y、Y、Y、X、X及びXを用いて、以下の式で求められる。
ΔLs_X=−X−X+X
ΔLs_Y=−Y−Y+Y
【0048】
また、テーブル204のX軸方向の単位長さ当たりの変形量を表す変形率ε及びテーブル204のY軸方向の単位長さ当たりの変形量を表す変形率εは、以下の式で求められる。但し、テーブル204のX軸方向の基準長に相当する距離をLs_X、テーブル204のY軸方向の基準長に相当する距離をLs_Y、それらの変化、即ち、変形量をΔLs_X及びΔLs_Yとする。
ε=ΔLs_X/Ls_X
ε=ΔLs_Y/Ls_Y
【0049】
次に、テーブル204の変形量ε及びεに基づいてテーブル204の目標位置を補正した補正目標位置を求める。上述したように、基板の上の任意のショット領域の目標露光位置、即ち、テーブル204の目標位置(X、Y)は、テーブル204の変形によって(X’、Y’)に変動する。従って、テーブル204を位置決めする際には、テーブル204の目標位置(X、Y)を補正した補正目標位置(X’、Y’)を求める必要がある。補正目標位置(X’、Y’)は、テーブル204の変形率ε及びεを用いて、以下の式で求められる。
(X’、Y’)=(X+ε、Y+ε
【0050】
そして、各干渉計の計測値Y、Y、X及びXから求まるテーブル204の位置が補正目標位置(X’、Y’)に位置するようにテーブル204を位置決めする。これにより、位置ずれや倍率ずれなどの転写誤差を低減し、基板SBの上の所定のショット領域(即ち、補正目標位置(X’、Y’))にパターンを高精度に形成することができる。また、テーブル204の変形率ε及びεに基づいて、所定の倍率のパターンとなるように、電子光学系10の倍率補正機構を用いて、基板STに転写されるパターンの倍率誤差を補正することも可能である。
【0051】
また、ベース部202がX軸方向及びY軸方向に非等方的に変形(伸縮変形)する場合も考えられる。ベース部202の伸縮変形は主に熱変形に起因するが、ベース部202の近傍に複数の熱源や複数の温調箇所を設けた場合には、ベース部202において温度分布が発生し、ベース部202がX軸方向及びY軸方向に非等方的に変形する可能性がある。
【0052】
例えば、ベース部202がY軸方向及びZ軸方向に非等方的に変形した場合には、図6に示すように、図3に示すステージ装置20の構成で対応することができる。図6は、ベース部202がY軸方向に非等方的に変形した場合のステージ装置20をZ軸−方向から示す概略平面図である。図6を参照するに、ベース部202のY軸方向の位置によってベース部202の変形率が異なるが、第3のY軸干渉計228の計測値は、第1のY軸干渉計222と第2のY軸干渉計224との間の距離の変動とほぼ等価である。これは、Y軸反射鏡228aは、第2のY軸干渉計224に対して、Y軸の座標が同じであり、検出部228bは、第1のY軸干渉計222に対して、Y軸の座標が同じであるからである。なお、ベース部202にZ軸方向に非等方的な変形が生じた場合には、ベース部202に凹凸形状の曲げ変形が生じていることを意味する。従って、上述した曲げ変形に対する説明と同様に、第3のY軸干渉計228の計測値は、第1のY軸干渉計222と第2のY軸干渉計224との間の距離の変動とほぼ等価である。
【0053】
一方、ベース部202がX軸方向に非等方的に変形した場合には、図7に示すように、ベース部202のX軸方向の位置によってベース部202の変形率が異なる。この場合、第3のY軸干渉計228の計測値が、第1のY軸干渉計222と第2のY軸干渉計224との間の距離の変動と異なる可能性がある。そこで、図7に示すように、第3のY軸干渉計228のX座標と異なる位置に、且つ、Y軸方向に沿った計測光路(第4の計測光路)を有するように、第4のY軸干渉計242を配置すればよい。第4のY軸干渉計242は、Y軸+方向に計測光を射出する光源と、かかる計測光を反射するY軸反射鏡242aと、Y軸反射鏡242aで反射された計測光を検出する検出部242bとを含む。Y軸反射鏡242aは、第2のY軸干渉計224に対して、Y軸の座標及びZ軸の座標が同じであり、X軸の座標のみが異なるように、ベース部202に支持される。また、検出部242bは、第1のY軸干渉計222に対して、Y軸の座標及びZ軸の座標が同じであり、X軸の座標のみが異なるように、ベース部202に支持される。これにより、第1のY軸干渉計222の計測値、第2のY軸干渉計224の計測値、及び、第3のY軸干渉計228の計測値と第4のY軸干渉計242の計測値との補間処理によって求まる値に基づいてテーブル204の変形量を求めることが可能となる。換言すれば、ベース部202が非等方的に変形した場合にも、第1のY軸干渉計222と第2のY軸干渉計224との間の距離の変動を、第3のY軸干渉計228の計測値と第4のY軸干渉計242の計測値とを補間処理することによって求めることができる。
【0054】
このように、露光装置1は、ステージ装置20のテーブル204の位置合わせを高精度に行うことができるため、基板の上にパターンを高精度に形成することができる。従って、露光装置1は、高いスループットで経済性よく高品位なデバイス(半導体集積回路素子、液晶表示素子等)を提供することができる。ここで、デバイスは、露光装置1を用いてフォトレジスト(感光剤)が塗布された基板(ウエハ、ガラスプレート等)を露光する工程と、露光された基板を現像する工程と、その他の周知の工程と、を経ることにより製造される。
【0055】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、本発明は、電子ビーム露光装置に限定されるものではなく、レチクルのパターンを基板に投影する投影光学系を備える投影露光装置にも適用することができる。また、本発明は、基板を保持して駆動するステージ装置に限定されるものではなく、例えば、レチクルを保持して駆動するステージ装置にも適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部と、
XYZ座標系のXY平面に沿って移動可能なテーブルと、
前記XYZ座標系のY軸方向に沿った第1の計測光路を有するように前記ベース部に支持され、前記第1の計測光路を通過し、前記テーブルの第1の端面で反射され、前記第1の計測光路を戻ってくる計測光を検出して前記Y軸方向に沿った前記第1の端面の位置を計測する第1のY軸干渉計と、
前記Y軸方向に沿った第2の計測光路を有するように前記ベース部に支持され、前記第2の計測光路を通過し、前記Y軸方向に関して前記第1の端面の裏側の面である前記テーブルの第2の端面で反射され、前記第2の計測光路を戻ってくる計測光を検出して前記Y軸方向に沿った前記第2の端面の位置を計測する第2のY軸干渉計と、
前記第1のY軸干渉計及び前記第2のY軸干渉計から前記XYZ座標系のX軸方向に離間して、且つ、前記Y軸方向に沿った第3の計測光路を有するように前記ベース部に支持され、前記第3の計測光路を往復した計測光を検出して前記第1のY軸干渉計と前記第2のY軸干渉計との間の前記Y軸方向に沿った距離を得ることが可能な距離を計測する第3のY軸干渉計と、
前記第1のY軸干渉計の計測値、前記第2のY軸干渉計の計測値及び前記第3のY軸干渉計の計測値に基づいて前記テーブルの変形量を求め、前記テーブルの変形量に基づいて前記テーブルの目標位置を補正した補正目標位置を求め、前記第1のY軸干渉計の計測値と前記第2のY軸干渉計の計測値から求まる前記テーブルの位置が前記補正目標位置に位置するように前記テーブルを位置決めする制御部と、
を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記テーブルの変形量から前記テーブルの単位長さ当たりの変形量を表す変形率を求め、前記変形率に基づいて前記補正目標位置を求めることを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。
【請求項3】
前記第3のY軸干渉計は、
前記第2のY軸干渉計と前記XYZ座標のY軸及びZ軸の座標が同じになるように前記ベース部に支持され、前記第3の計測光路を通過する計測光を反射するY軸反射鏡と、
前記第1のY軸干渉計と前記XYZ座標のY軸及びZ軸の座標が同じになるように前記ベース部に支持され、前記Y軸反射鏡で反射され、前記第3の計測光路を戻ってくる計測光を検出する検出部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。
【請求項4】
前記第1のY軸干渉計の計測値をY、前記第2のY軸干渉計の計測値をY、前記第3のY軸干渉計の計測値をYとすると、
前記制御部は、前記テーブルの前記第1の端面と前記第2の端面との間の距離Lの変形量ΔLを−Y−Y+Yで求め、前記テーブルの単位長さ当たりの変形量を表す変形率εをΔL/Lで求め、前記テーブルの目標位置(X、Y)を補正した前記補正目標位置(X’、Y’)を(Xe+εXe、Y+εY)で求めることを特徴とする請求項3に記載のステージ装置。
【請求項5】
前記第1のY軸干渉計及び前記第2のY軸干渉計から前記XYZ座標系のX軸方向に離間して、且つ、前記Y軸方向に沿った第4の計測光路を有するように前記ベース部に支持され、前記第4の計測光路を往復した計測光を検出して前記第1のY軸干渉計と前記第2のY軸干渉計との間の前記Y軸方向に沿った距離を得ることが可能な距離を計測する第4のY軸干渉計を更に有し、
前記制御部は、前記第1のY軸干渉計の計測値、前記第2のY軸干渉計の計測値、及び、前記第3のY軸干渉計の計測値と前記第4のY軸干渉計の計測値とを用いた補間処理によって求まる前記第1のY軸干渉計と前記第2のY軸干渉計との間の前記Y軸方向に沿った距離に基づいて前記テーブルの変形量を求めることを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載のステージ装置と、
前記ステージ装置に保持された基板を露光する光学系と、
を有することを特徴とする露光装置。
【請求項7】
請求項6に記載の露光装置を用いて基板を露光するステップと、
露光された前記基板を現像するステップとを有することを特徴とするデバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−129311(P2012−129311A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278394(P2010−278394)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】