ストレージ機器の使用限界予想方法又はその使用限界予想装置若しくはその使用限界予想時間解析用プログラム
【課題】特定のホスト機器から伝送されるログデータの特性から使用限界予想時間(予想寿命)を特定・解析し、適切なストレージ機器を選択する際の判断要素を入手するために使用されるストレージ機器の使用限界予想方法又はその使用限界予想装置若しくはその使用限界予想時間解析用プログラムを提供する。
【解決手段】ログデータからテストスクリプトを生成し、このテストスクリプトが記憶されたコンピュータと特定のストレージ機器とを互いに接続して、イレースカウント値の時間的推移に基づく上昇係数を演算するとともに、この上昇係数と特定のストレージ機器に表示されたイレースカウントの最大値とから、該特定のストレージ機器の使用限界予想時間を演算する。
【解決手段】ログデータからテストスクリプトを生成し、このテストスクリプトが記憶されたコンピュータと特定のストレージ機器とを互いに接続して、イレースカウント値の時間的推移に基づく上昇係数を演算するとともに、この上昇係数と特定のストレージ機器に表示されたイレースカウントの最大値とから、該特定のストレージ機器の使用限界予想時間を演算する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレージ機器の使用限界予想方法又はその使用限界予想装置若しくはその使用限界予想時間解析用プログラムに関し、特に、特定のホスト機器との関係で最適なストレージ機器を特定するために使用されるストレージ機器の使用限界予想方法又はその使用限界予想装置若しくはその使用限界予想時間解析用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ(電子計算機)は、個人により私的に使用されたり通常の事務処理作業において使用されたりしているばかりではなく、例えば、ATM(現金自動預払機)やPOSシステムにより動作するコンピュータ等をはじめとした様々な機器(以下、これらの機器をホスト機器と言う。)に接続され又は組み込まれて使用されている。
【0003】
一方、市場では、こうしたコンピュータの信頼性を高めるために、半導体メモリにデータを記憶させるSSD(Solid State Drive、すなわちフラッシュメモリ等からなる大容量記憶手段),SDカード(Secure Digital memory card),USB(Universal Serial Bus)メモリ等各種のストレージ機器が販売されている。例えば、上記SSDは、可動部(ヘッドやモータ)がないため,耐衝撃性に優れ、また、ヘッドを移動させるためのシーク時間やディスクの回転数を高めるスピンアップ時間をゼロにできること、さらにはHDD(Hard Disk Drive)と比較してよりデータ転送速度を高められるばかりではなく振動に強くまた塵埃から保護され、湿度による悪影響を防止できる点で優れている。したがって、上記ホスト機器の使用者は、市場で販売されている上記SSD等のストレージ機器を、該ストレージ機器に表示されている仕様を確認しながら購入しているのが実情である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記各種のストレージ機器は、それぞれの仕様がメーカーにより表示されてはいるものの、表示されている仕様は、例えば、平均アクセス時間、単位時間当たりのコマンド伝送回数(IOPS)、インターフェイスの規格、容量、サイズ等ごく一部である場合が多く、使用者としては、複数販売されているストレージ機器から、上記ホスト機器の特性や使用者が期待する要求に最も適切なストレージ機器を購入することはできないのが実情である。特に、選択されるべきストレージ機器は長期間使用可能であることが求められるが、市販されているストレージ機器には、イレースカウントの最大値や特定の時間内に一定の容量のデータを書き込んだ場合における使用限界時間(寿命)は表示されているものの、こうしたイレースカウントの最大値や大まかな使用限界時間では、該ストレージ機器が実際に接続されるホスト機器との間で送受信されるデータの属性・性質・傾向如何により大きく異なる。すなわち、ストレージ機器が実際に接続されるホスト機器との間で送受信されるデータの属性・性質・傾向によって、該ストレージ機器の使用限界予想時間は大きく異なることとなり、単純に該ストレージ機器に表示されたイレースカウントの最大値や大まかな使用限界時間のみからでは判断できない。
【0005】
なお、機器の所謂寿命を予測する方法やシステムとしては、これまで幾つかの発明が提案されている(特許文献1,2参照)が、これらは何れも入力データ値をその幅の中から乱数で決めるものであり、SSDなどのようなストレージ機器の使用限界予想時間(予想寿命)を特定・解析することを目的とするものではない。
【特許文献1】特開2002−373309号公報
【特許文献2】特開2002−334293号公報
【0006】
そこで、本発明は、最も適切なストレージ機器を選択できるように、特定のホスト機器から伝送されるログデータの特性から使用限界予想時間(予想寿命)を特定・解析し、適切なストレージ機器を選択する際の判断要素を入手するために使用されるストレージ機器の使用限界予想方法又はその使用限界予想装置若しくはその使用限界予想時間解析用プログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するため、第1の発明(請求項1記載の発明)は、ストレージ機器の使用限界予想方法に係るものであって、特定のホスト機器とストレージ機器との間において採取し且つコンピュータに記憶されたログデータから、該コンピュータを利用して、論理ブロックアドレス(LBA)毎にアクセス回数をカウントして該LBA毎のアクセス回数のカウント値を、8時間から720時間単位のアクセスカウント値に変換することによってテストスクリプトを生成するテストスクリプト生成工程と、上記コンピュータと特定のストレージ機器とを互いに接続し、上記テストスクリプトを上記記憶手段から読出すテストスクリプト読出し工程と、上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、書き込み又は読み出しに係るコマンドであるか、SMARTデータに係るコマンドであるか否かを判別するコマンド判別工程と、上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、上記SMARTデータに係るコマンドである場合には、該SMARTデータに含まれるイレースカウント値を時間の推移とともに取得するイレースカウント値取得工程と、上記イレースカウント値取得工程により取得したイレースカウント値を、上記コンピュータを構成する記憶手段に記憶するイレースカウント値記憶工程と、上記テストスクリプトが全て読み出されたことを条件に、イレースカウント値の時間的推移に基づく上昇係数を演算する上昇係数演算工程と、上記上昇係数演算工程により得られた上昇係数と特定のストレージ機器に表示されたイレースカウントの最大値とから、該特定のストレージ機器の使用限界予想時間を演算する工程と、を有してなることを特徴とするものである。
【0008】
この発明において、特定のホスト機器(将来選択された特定のストレージ機器が接続されるホスト機器。例えば、ATMにおいて使用されるコンピュータ又はPOSシステムにおいては、これらATMやPOSシステムに使用されるサーバコンピュータ等)とストレージ機器との間において採取された多数のログデータは、予め上記コンピュータを構成する記憶手段に記憶されている。なお、このログデータは、上記特定のホスト機器と、適当なストレージ機器とを接続し、この接続(以下、該ホスト機器とストレージ機器との接続をバスという。)間に、コントロール用コンピュータ(ログデータを解析するために使用されるコンピュータ)に接続されたバスアナライザを接続することによって採取しても良いし、上記接続(バス)間に上記バスアナライザと同等の機能を有するコンピュータを直接接続することにより採取されたものであっても良い。そして、上記ログデータを採取するために使用されるストレージ機器は、例えば、SSD,SDカード,USBメモリ、HDD等の各種の記憶媒体又は記憶装置を使用することができる。また、上記ホスト機器とストレージ機器とは、これらストレージ機器が備える適切な規格による端子によって接続がなされるものであるが、この接続の端子の規格としては例えば、USB,IEEE1394(FireWire),SATA(Serial Advanced Technology Attachment),PATA(Pararrel Advanced Technology Attachment),SDカードスロット等が挙げられる。また、上記バスアナライザはこれらホスト機器とストレージ機器とのバスの間に接続されるものであることから、このバスアナライザにも、上記ホスト機器及びストレージ機器と接続するためのUSB,IEEE1394(FireWire),SATA,PATA,SDカードスロット等の端子が設けられている。
【0009】
そして、この第1の発明では、先ず、上記コンピュータに記憶された多数のログデータから、テストスクリプトを生成する。このテストスクリプトの生成方法は、上記コンピュータを利用して、論理ブロックアドレス(LBA)毎にアクセス回数をカウントして該LBA毎のアクセス回数のカウント値を、8時間から720時間単位のアクセスカウント値に変換することによって生成する(テストスクリプト生成工程)。なお、このアクセスカウント値を変換する単位は、特定のストレージ機器が接続されるホスト機器の特性・傾向等により決定される。例えば、ホスト機器によっては書込みや読出しが24時間の間で変化し、一週間の間では変化しない場合(或いは大きく変化する場合)、一月単位で変化する場合(例えば、ATMの場合、月の下旬に支払い等をする企業が多いことから、月の上旬や中旬に比べて使用される頻度が高くなるため、一月単位(720時間単位)のアクセスカウント値に変換することが有効である。)等、種々の特性・傾向があり、こうしたホスト機器の特性・傾向に従って上記アクセスカウント値を変換する単位を適宜決定する。
【0010】
また、こうしたテストスクリプト生成工程が終了すると、次いで、上記コンピュータと特定のストレージ機器とを互いに接続し、該コンピュータにより、上記テストスクリプトを上記記憶手段から読出し(テストスクリプト読出し工程)、次に、上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、書き込み又は読み込みに係るコマンドであるか、SMARTデータに係るコマンドであるか否かを判別する(コマンド判別工程)。そして、上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、上記SMARTデータに係るコマンドである場合には、該SMARTデータに含まれるイレースカウント値を時間の推移とともに取得する(イレースカウント値取得工程)。次いで、上記イレースカウント値取得工程により取得したイレースカウント値を、上記コンピュータを構成する記憶手段に記憶する(イレースカウント値記憶工程)。さらに、上記テストスクリプトが全て読み出されると、イレースカウント値の時間的推移に基づく上昇係数を演算する(上昇係数演算工程)。なお、上記テストスクリプト読出し工程から上昇係数演算工程までの動作は、上記コンピュータを構成する記憶手段に記憶された所定のプログラムにより実行される。
【0011】
そして、上記上昇係数演算工程により得られた上昇係数と特定のストレージ機器に表示されたイレースカウントの最大値とから、該特定のストレージ機器の使用限界予想時間を演算する。上記イレースカウントの最大値は、購入しようとする特定のストレージ機器に表示されたデータに基づくものであり、上記コンピュータに接続したストレージ機器に係るものである。
【0012】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、ストレージ機器の使用限界予想装置に係るものであって、記憶手段と、表示手段及び/又は出力手段と、入力手段と、これら記憶手段,表示手段及び/又は出力手段,入力手段に接続され該記憶手段,表示手段,入力手段,出力手段を制御する制御手段とを備えたコンピュータと、このコンピュータに接続されたストレージ機器と、を備え、上記記憶手段には、上記特定のホスト機器とストレージ機器との間において採取したログデータから、論理ブロックアドレス(LBA)毎のアクセス回数をカウントして該LBA毎のアクセス回数のカウント値を、8時間から720時間単位のアクセスカウント値に変換することによって生成されたテストスクリプトと、特定のストレージ機器のイレースカウントの最大値と、使用限界解析用プログラムと、が記憶され、上記入力手段による解析操作を開始条件として、上記制御手段は、上記使用限界解析用プログラムにより、上記テストスクリプトを上記記憶手段から読出すテストスクリプト読出し工程と、このテストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、書き込み又は読み込みに係るコマンドであるか、SMARTデータに係るコマンドであるか否かを判別するコマンド判別工程と、上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、上記SMARTデータに係るコマンドである場合には、該SMARTデータに含まれるイレースカウント値を時間の推移とともに取得するイレースカウント値取得工程と、上記イレースカウント値取得工程により取得したイレースカウント値を、上記コンピュータを構成する記憶手段に記憶するイレースカウント値記憶工程と、上記テストスクリプトが全て読み出されたことを条件に、イレースカウント値の時間的推移に基づく上昇係数を演算し、上記イレースカウントの最大値との関係で、上記ストレージ機器の使用限界予想時間を演算し、この使用限界予想時間を上記表示手段に表示し、又は上記入力手段による出力操作を条件として出力手段により出力する使用限界予想時間表示工程と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0013】
なお、この第2の発明において、上記コンピュータを構成する記憶手段には、(1)特定のホスト機器とストレージ機器との間において採取したログデータから、論理ブロックアドレス(LBA)毎のアクセス回数をカウントして該LBA毎のアクセス回数のカウント値を、8時間から720時間単位のアクセスカウント値に変換することによって生成されたテストスクリプトと、(2)特定のストレージ機器のイレースカウントの最大値と、(3)使用限界解析用プログラムと、が予め記憶されている。そして、上記使用限界解析用プログラムにより、上記テストスクリプト読出し工程、コマンド判別工程、イレースカウント値取得工程、イレースカウント値記憶工程がそれぞれ実行され、次いで、上記テストスクリプトが全て読み出されたことを条件に、イレースカウント値の時間的推移に基づく上昇係数を演算し、上記イレースカウントの最大値との関係で、上記ストレージ機器の使用限界予想時間を演算し、この使用限界予想時間を上記表示手段に表示し、又は上記入力手段による出力操作を条件として出力手段により出力する使用限界予想時間表示工程が実行される。
【0014】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、ストレージ機器の使用限界予想時間解析用プログラムに係るものであって、記憶手段と、表示手段及び/又は出力手段と、入力手段と、これら記憶手段,表示手段及び/又は出力手段,入力手段に接続され該記憶手段,表示手段,入力手段,出力手段を制御する制御手段とを備えてなるとともにストレージ機器に接続され、且つ、上記記憶手段には、上記特定のホスト機器とストレージ機器との間において採取したログデータから、論理ブロックアドレス(LBA)毎のアクセス回数をカウントして該LBA毎のアクセス回数のカウント値を、8時間から720時間単位のアクセスカウント値に変換することによって生成されたテストスクリプトと、特定のストレージ機器のイレースカウントの最大値と、使用限界解析用プログラムと、が記憶されたコンピュータに対して、上記入力手段による解析操作を開始条件として、上記テストスクリプトを上記記憶手段から読出すテストスクリプト読出し工程と、このテストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、書き込み又は読み込みに係るコマンドであるか、SMARTデータに係るコマンドであるか否かを判別するコマンド判別工程と、上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、上記SMARTデータに係るコマンドである場合には、該SMARTデータに含まれるイレースカウント値を時間の推移とともに取得するイレースカウント値取得工程と、上記イレースカウント値取得工程により取得したイレースカウント値を、上記コンピュータを構成する記憶手段に記憶するイレースカウント値記憶工程と、上記テストスクリプトが全て読み出されたことを条件に、イレースカウント値の時間的推移に基づく上昇係数を演算し、上記イレースカウントの最大値との関係で、上記ストレージ機器の使用限界予想時間を演算し、この使用限界予想時間を上記表示手段に表示し、又は上記入力手段による出力操作を条件として出力手段により出力する機能を実現させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
上記第1の発明(請求項1記載の発明)に係るストレージ機器の使用限界予想方法、第2の発明(請求項2記載の発明)に係るストレージ機器の使用限界予想装置並びに第3の発明(請求項3記載の発明)に係るストレージ機器の使用限界予想時間解析用プログラムによれば、ストレージ機器に表示されたイレースカウントの最大値のみでは判断できないストレージ機器の使用限界予想時間を知ることができるので、誤ったストレージ機器を購入してしまう危険性を有効に防止することができる。特に、本発明では、特定のホスト機器とストレージ機器との間において採取した多数のログデータを使用してテストスクリプトを生成するとともに、実際に購入を検討している特定のストレージ機器とコンピュータを接続して該ストレージ機器の使用限界予想時間を演算又は表示するものであることから、より一層正確な使用限界予想時間を演算又は表示させることができ、単純に該ストレージ機器に表示されたイレースカウントの最大値のみからでは判断できない確実な情報を入手でき、誤ったストレージ機器を選択する危険性を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明を実施するための最良の形態では、特定のホスト機器との関係において、該ホスト機器の特性に応じた最適なSSD(ストレージ機器)を選択する際に行われる各工程を説明する。その工程は、大別すると以下の工程からなる。
(1)ATM(現金自動預払機)やPOSシステムにより動作するコンピュータ等のホスト機器からストレージ機器に伝送されるデータ(ログデータ)を採取する工程
(2)この工程により採取されたログデータを解析用プログラムにより種々解析する工程
(3)上記ログデータから所定のプログラムによりテストスクリプトを生成する工程
(4)このテストスクリプトを使用して特定のストレージ機器(SSD)の予想寿命(予想される使用限界時期)を所定のプログラムにより算出し表示する工程
本発明に係るログデータ解析装置ないしこの装置を構成するコンピュータを動作させるプログラムは、上記(3)及び(4)の工程を実行するものである。
【0017】
[ログデータを採取する工程]
この工程は、図1に示すように、例えばATM等のホスト機器(サーバコンピュータ)1とストレージ機器(SSD)2とを接続し、また、この接続(バス)間に、バスアナライザ3を接続し、さらにこのバスアナライザ3には、コントロール用コンピュータ(ログデータを解析するために使用されるコンピュータ)4に接続した後に行われる。上記ホスト機器1は、主な構成要素として、中央演算処理装置(CPU)、主記憶部(メインメモリ)、補助記憶部(サブメモリ)、入力装置(キーボード,マウス等)、出力装置(ディスプレー,プリンタ)等を備えている。
【0018】
また、上記ホスト機器1に接続されるストレージ機器2は、上記ログデータを採取するために使用されるストレージ機器であって、例えば、SSD,SDカード,USBメモリ、HDD等の各種の記憶媒体又は記憶装置を使用することができる。なお、本実施の形態では、ストレージ機器2としてSSDを採用し、このSSDには、フラッシュディスクコントローラ21、フラッシュディスクコントローラに接続されたDRAM22と、上記フラッシュディスクコントローラ21に接続されたNANDフラッシュメモリ23とを備えている。このフラッシュディスクコントローラ21は、ホスト機器1からこのSSD2に対するデータの読み出しや書き込みに応じてNANDフラッシュメモリ23からデータの読み出しや書き込みの中継をするものである。また、DRAM22は、このSSD2に対して一時に大量のデータが書き込まれた際に全てをNANDフラッシュメモリ23に書き込みを終えるまでの間に短期間データを蓄えるバッファとして動作し、或いは、頻繁に読み出されるデータを予め蓄えるキャッシュとして動作をする。また、NANDフラッシュメモリ23は、上記DRAM22に比べてデータの読み出し及び書込の速度はやや遅いものの記憶できるデータの量は非常に大きく、このSSD2が記憶するデータは全てこのNANDフラッシュメモリ23内に記憶されており、また、このSSD2内にはこのNANDフラッシュメモリ23は複数個内蔵されている。また、本実施の形態では、上記ホスト機器1をストレージ機器2にインストールしたオペレーションシステム(OS)により起動して使用する際に適したストレージ機器2を探すことを目的としていることから、上記SSD(内のNANDフラッシュメモリ)には、このホスト機器1を動作させるオペレーションシステム(OS)が記憶されている。なお、このSSD2のデータの読み出し又は書き込みの速さの性能の良し悪しやこのSSD2の寿命は、上記NANDフラッシュメモリ23からのデータの読み出し又は書き込みの速度以外にも、上記フラッシュディスクコントローラ21が適切に上記DRAM22やNANDフラッシュメモリ23へのデータの書き込みや読み出しの割り当てをするアルゴリズム、特に、NANDフラッシュメモリ23の特定のLBAに偏って集中することなくNANDフラッシュメモリ23の全体に渡って平均的に書き込むようなアルゴリズムの良し悪し等によっても決まる。
【0019】
一方、上記バスアナライザ3は、データを受け取るインターフェースコントローラ5を備え、このインターフェースコントローラ5には、キャプチャデータ(ログデータ)が格納される記憶装置としてのDRAM6が接続されている。また、上記インターフェースコントローラ5には、上記DRAM6に格納されたキャプチャデータをコントロールPC4に伝送するマイクロプロセッサ7が接続されている。
【0020】
そして、上記コントロールPC4は、本発明を構成する制御手段としての中央演算処理装置(CPU)8と、記憶手段としてのメモリ9とを備えたコンピュータ本体と、このコンピュータ本体に接続された入力装置(又は入力部)11と、表示装置(又は表示部)12と、を備えている。上記CPU8と、上記入力装置11及び表示装置12とは接続されている。なお、この実施の形態では本発明を構成する出力手段を示していないが、この出力手段としては、例えば表示装置12であるディスプレイ以外で使用者にデータを可視情報として出力するプリンタ等や、図示しない他のコンピュータに情報を出力するネットワーク等の手段であっても良い。
【0021】
また、上記コントロールPC4を構成する上記メモリ9は、図示しない主記憶部(メインメモリ)と補助記憶部(サブメモリ)を備え、ログデータは上記補助記憶部に記憶される。また、このメモリ9を構成する補助記憶部には、コンピュータとして基本的に記憶されているオペレーションプログラム(OS)やこのコントロールPC4の動作に欠かせない各種のデバイスドライバ等以外に、予め(A)ログデータ採取用プログラムと、(B)ログデータ解析用プログラムと、(C)テストスクリプト生成用プログラムとからなるコントロールプログラムと、(D)使用限界予想時間解析用プログラムと、特定のストレージ機器のイレースカウントの最大値とが格納されている。
【0022】
上記(A)ログデータ採取用プログラムは、上記(1)の工程(ATM(現金自動預払機)やPOSシステムにより動作するコンピュータ等のホスト機器からストレージ機器に伝送されるデータ(ログデータ)を採取する工程)において、上記コントロールPC4に対して、後述する各動作ないし機能を実現させるプログラムである。
【0023】
また、上記(B)ログデータ解析用プログラムは、上記(2)の工程(上記(1)の工程により採取されたログデータを解析用プログラムにより種々解析する工程)において、上記コントロールPC4に対して、後述する各動作ないし機能を実現させるプログラムである。
【0024】
また、上記(C)テストスクリプト生成用プログラムは、上記(3)の工程(上記ログデータから所定のプログラムによりテストスクリプトを生成する工程)において、上記コントロールPC4に対して、後述する各動作ないし機能を実現させるプログラムである。
また、(D)使用限界予想時間解析用プログラムは、上記(4)の工程(このテストスクリプトを使用して特定のストレージ機器(SSD)の予想寿命(予想される使用限界時期)を所定のプログラムにより算出し表示する工程)において、上記コントロールPC4に対して、後述する各動作ないし機能を実現させるプログラムである。
【0025】
そこで、上記(1)の工程を説明すると、図2に示すように、上記コントロールプログラムが上記コントロールPC4において起動(ステップSt1)されると、上記CPU8は、上記表示装置12に、図示しないキャプチャ開始ボタン、(キャプチャ)停止ボタン、解析スタートボタンを少なくとも表示する。そこで、上記入力装置11により作業者(使用者)による上記キャプチャ開始ボタンが押されたか(クリックされたか)否かが、上記CPU8により判別され(ステップSt2)、該キャプチャ開始ボタンが押されたと判別された場合には、上記バスを流れるデータのキャプチャが開始される(ステップSt3)。すなわち、上記キャプチャ開始ボタンが押されたと判別された場合には、上記CPU8が、上記バスアナライザ3を構成するマイクロプロセッサ7を介して、インターフェースコントローラ5に伝送されたバスを流れるデータを一定周期毎(10ns)に上記DRAM6に格納させるとともに、このDRAM6に格納されたバスを流れるデータをログデータとして、上記インターフェースコントローラ5とマイクロプロセッサ7を介して、上記メモリ9に一定周期毎に順次格納(採取)する。なお、この実施の形態では、上記ストレージ機器2(を構成するNANDフラッシュメモリ23)に記憶されたOSによりホスト機器1が起動する際に上記バスを流れているデータからキャプチャしたデータをログデータとして採取することが目的であるから、上記ステップSt3でのデータのキャプチャが開始された後に、使用者はストレージ機器2内のOSによりホスト機器1を起動する。また、使用者は、このホスト機器1がストレージ機器2内のOSによって起動が完了し終えて必要なデータのキャプチャが完了したと判断した場合には、このキャプチャを終了するための操作をする(以下のステップSt4)。
【0026】
そして、こうしたログデータを一定周期毎に順次格納されている段階において、上記CPU8は、上記表示装置12に表示された停止ボタンが押されたか(クリックされたか)否かを判別する(ステップSt4)。上記CPU8が、上記停止ボタンが押されたと判別した場合には、それまで行われていたバスを流れるデータをキャプチャする動作が停止され(図2のフローチャートには図示しない。)、次いで、上記メモリ9に格納されたログデータを、表示装置12に表示する(ステップSt5)。なお、このログデータが表示装置12に表示された時点においても、該表示装置12には、上記解析スタートボタンが表示されている。
【0027】
なお、以上の動作は、上述したように、上記コントロールプログラムを構成する(A)ログデータ採取用プログラムにより実行されるものであるが、上記ステップSt5が終了すると、次いで、上記コントロールPC4においては、上記(B)ログデータ解析用プログラムにより、以下に説明する各種の動作ないし機能が実現される。
【0028】
[ログデータを解析用プログラムにより種々解析する工程]
上記ステップSt5が実行されると、次いで、上記CPU8は、上記表示装置12に表示された解析スタートボタンが押されたか(クリックされたか)否かを判別する(ステップSt6)。このステップSt6において、CPU8が、解析スタートボタンが押されたと判別した場合には、図3に示すように、上記ログデータをメモリ(サブメモリ)9に格納し(ステップSt7)し、次いで、コマンド種別の解析と、セクタの存在回数のカウント種別の解析と、アドレス分布の解析と、アドレス分布とセクタの存在回数のカウントとの複合解析が、それぞれ並行して開始される(ステップSt8、ステップSt9、ステップSt10、ステップSt11)。
【0029】
上記コマンド種別の解析が開始される(ステップSt8)と、上記CPU8は、上記メモリ9に格納されたログデータを一行毎(或いは、ログデータの内、最初の一連のデータ。以下同じ)に、上記メモリ9を構成する主記憶部に取り込み(ステップSt12)、次いで、この取り込まれたログデータのコマンド種別毎の発生回数をカウントする(ステップSt13)。すなわち、取り込まれたログデータが読取りコマンドである場合と、書込みコマンドである場合とに峻別し、それぞれのコマンドの発生回数をそれぞれカウントする。
【0030】
そして、上記CPU8は、上記ログデータの最終行(或いは、ログデータのうち、最後の一連のデータ。以下同じ)まで主記憶部に取り込まれたか否かを判別し(ステップSt14)、最終行まで取り込まれたと判別した場合には、解析結果である上記読取りコマンドと書込みコマンドのそれぞれのコマンドの発生回数に係るカウント値を上記メモリ(サブメモリ)9に格納させ(ステップSt15)、さらにこの解析結果であるカウント結果をそれぞれ上記表示装置12に表示する(ステップSt16)。なお、この表示装置12に表示された解析結果情報は、本発明を構成する第1の解析結果情報である。この実施の形態においては、図5に示すように、この表示装置12に表示されるカウント結果は、読取りコマンドと書込みコマンドとのそれぞれカウント結果の相対的割合を示す数字と共に円グラフにより表示される。なお、本発明において、上記カウント結果は、読取りコマンドと書込みコマンドのそれぞれのコマンドの発生回数に係るカウント値を数字として併記して表示した場合でも良いし、また、棒グラフによって、読取りコマンドと書込みコマンドとのそれぞれカウント結果が比較可能な態様で表示されても良い。
【0031】
こうした解析結果情報が表示装置に表示されることによって、上記特定のホスト機器が、書込みが多いのか読出しが多いのかが判明する。そして、上記特定のホスト機器が、書込みが多い場合には、選択されるべきストレージ機器の特性としては、書込みに耐性機能があり、書込み速度が速いものであることが要求されることが判明する。
【0032】
また、上記セクタの存在回数のカウント種別の解析が開始される(ステップSt9)と、上記CPU8は、上記メモリ(サブメモリ)9に格納されたログデータを一行毎にメモリ(メインメモリ)9に取り込み(ステップSt17)、次いで、この取り込まれたログデータから、読取り(Read)と書込み(Write)別にセクタの存在回数をカウントする(ステップSt18)。すなわち、取り込まれたログデータから、読取り(Read)と書込み(Write)別にデータ長毎におけるセクタの存在回数をカウントする。
【0033】
そして、上記CPU8は、上記ログデータの最終行まで取り込まれたか否かを判別し(ステップSt19)、最終行まで取り込まれたと判別した場合には、解析結果である上記セクタの存在回数のカウント毎の発生回数に係るカウント値を上記メモリ(サブメモリ)9に格納させ(ステップSt20)、さらにこの解析結果であるカウント結果をそれぞれ読取り(Read)と書込み(Write)別にセクタ長毎に上記表示装置12に表示する(ステップSt21)。なお、この表示装置12に表示された解析結果情報は、本発明を構成する第2の解析結果情報である。
【0034】
この実施の形態においては、この表示装置12に表示される読取り(Read)のカウント結果は、図6に示すように、また、書込み(Write)のカウント結果は、図7に示すように、それぞれデータ長毎の割合を示す数値と共に円グラフにより表示される。こうした解析結果情報の表示により、特定のホスト機器がどのようなデータ長でストレージ機器にアクセスしているかという傾向が判明する。すなわち、短い(小さい)セクタの存在回数のカウントでアクセスが多い場合には、この特定のホスト機器は短い(小さい)セクタの存在回数のカウントでストレージ機器にアクセスする傾向があることが判明する。このため、この特定のホスト機器のために選択されるべきストレージ機器の特性としては、短い(小さな)データでのランダムアクセス性能が良好であることが要求されることが判明する。また、特に書込みで短い(小さい)セクタの存在回数のカウントが多い場合には、短い(小さな)データでのランダムアクセスが多いと考えられることから、選択されるべきストレージ機器の特性としては、書込みに対する耐性機能(書込み平均化及びDRAMが搭載され書込み制限が機能として付与された)を備えたものであることが要求されることが判明する。
【0035】
また、上記アドレス分布の解析が開始される(ステップSt10)と、上記CPU8は、上記メモリ(サブメモリ)9に格納されたログデータを一行毎にメモリ(メインメモリ)9に取り込み(ステップSt22)、次いで、この取り込まれたログデータから、論理ブロックアドレス(LBA)毎のアクセス回数をカウントする(ステップSt23)。次いで、上記CPU8は、上記ログデータの最終行まで取り込まれたか否かを判別し(ステップSt24)、最終行まで取り込まれたと判別した場合には、解析結果である上記LBA毎のアクセス回数に係るカウント値を上記メモリ(サブメモリ)9に格納させ(ステップSt25)、さらにこの解析結果であるカウント結果をLBA毎に上記表示装置12に表示する(ステップSt26)。なお、この表示装置12に表示された解析結果情報は、本発明を構成する第3の解析結果情報である。
【0036】
この実施の形態においては、図8に示すように、この表示装置12に表示されるLBA毎のカウント結果は、縦軸がアクセス回数、横軸がLBAとした棒グラフが表示される。こうした解析結果情報の表示により、ストレージ機器2全体のどのような場所に対してアクセスが行われているか、というアクセス回数についてのアドレス分布の傾向が判明する。すなわち、ストレージ機器2の記憶容量全体に対して平均的にアクセスする場合と、偏った場所にアクセスする場合とでは使用限度期間(寿命)の長短に大きく影響し、偏った場所に対する書込みアクセスが多い場合(偏ったアクセスをしている場合)は、書込みに対する平均化処理を行う機能を備えたストレージ機器(SSD)が要求されることが判明する。
【0037】
また、上記LBA毎のカウント結果とデータ長毎のセクタの存在回数との複合解析が開始される(ステップSt11)と、上記CPU8は、上記メモリ(サブメモリ)9に格納されたログデータを一行毎にメモリ(メインメモリ)9に取り込み(ステップSt27)、次いで、この取り込まれたログデータから、上記LBAとデータ長毎のセクタの存在回数とを抽出する(ステップSt28)。次いで、上記CPU8は、上記ログデータの最終行まで取り込まれたか否かを判別し(ステップSt29)、最終行まで取り込まれたと判別した場合には、上記抽出結果(解析結果)を上記メモリ(サブメモリ)9に格納させ(ステップSt30)、解析結果である上記抽出結果を上記表示装置12に表示する(ステップSt31)。なお、上記抽出結果情報は、以下第4の解析結果情報と言う。
【0038】
この実施の形態においては、図9に示すように、縦軸をアクセス回数とし、横軸をデータ長とした棒グラフが表示される。こうしたLBA毎のカウント結果とデータ長毎のセクタの存在回数との複合解析によれば、書込みの場合にアクセスしたデータのデータ長と使用限度時間(寿命)とは密接な関連のある結果が得られる。すなわち、上記ステップSt28におけるこの第4の解析結果情報の解析の際には、ストレージ機器(SSD)2に対して複数回のデータの書込み及び読取りが連続する場合(データの書込みコマンド及び読取りコマンドが、間に読取りコマンド及び書込みコマンドを挟むことなく連続して発生する場合)であって、かつ、これらの複数回のデータの書込み及び読取りが連続したLBAに対してなされる場合には、このデータの書込み及び読取りが連続したLBAに対してなされる分についてはこの複数回のデータの書込み及び読取りをまとめて1回のデータの書込み及び読取りとしてカウントし、かつ、この1回のデータの書込み及び読取りとしてまとめてカウントされた複数回のデータの書込み及び読取りでされた全部のデータ長の合計をデータ長とし、さらにこれをデータ長毎のセクタの存在回数として抽出する。これは、実際にホスト機器1がストレージ機器2に対してデータを書込み及び読出しの動作をする際には、上述のようなこのデータの書込み及び読出しが連続する場合であって、かつ、これらの複数回のデータの書込み及び読取りが連続したLBAに対してなされる場合には、ログデータ上は複数回の書込み及び読取りがされている(複数回の読取りコマンド及び書込みコマンドの実行を別々にしている。例えば、対象となるLBAが連続している書込みコマンドが3回連続している場合には、書込みコマンドを3回連続して実行している)ように見えるものの、実際には、この複数回の書込み及び読取りを連続して一回で行っている(上記の例で言えば、対象となるLBAが連続している場合には、書込みコマンドが3回に分かれていても1回の連続した書込みをまとめて行っている)という動作が実情であるためであって、第4の解析結果情報はこの実情に合わせた解析の結果が得られる。このため、この読取りコマンド及び書込みコマンドの発生回数をカウントしてこれら読取りコマンド及び書込みコマンドのデータ長(或いは、データ長毎におけるセクタの存在回数)を抽出して得られる第2の解析結果情報に比べ、この第4の解析結果情報によれば、より実際のホスト機器1とストレージ機器2との動作に即した結果が得られる。すなわち、SSDに対して短いデータのランダムライト(任意書込み)が多い場合は、このSSDの使用限度時間(寿命)が短くなり、逆にデータ長が長い場合には、このSSDの使用限度時間(寿命)が比較的長くなる。したがって、例えば、図9に示す棒グラフのように、1セクタ(512バイト)という短いデータの書込みアクセスが多い場合には、SSDの使用限度時間(寿命)が短くなるため、書込みに対する耐性機能(書込み平均化及びDRAMが搭載され書込み制限が機能として付与された)を備えたものであることが要求されることが判明する。
【0039】
特に、この実施の形態では、LBA毎のカウント結果によるアドレス分布とデータ長毎のセクタの存在回数との複合解析が行われ、図9に示す棒グラフが表示されることから、より詳細なアクセス傾向が判明し、より精度の高いSSD選定が可能となる。
【0040】
なお、この実施の形態では、上記第1の解析結果情報、第2の解析結果情報、第3の解析結果情報、第4の解析結果情報をそれぞれ別個に図示して説明したが、これら第1ないし第4の解析結果情報は、それぞれ別個に独立して表示装置(或いは、単一の表示装置である一つのディスプレイ上に表示された複数のウインドウ)に表示されても良いばかりではなく、全ての解析結果情報が一度に表示されても良い。また、各解析結果情報がそれぞれ独立して表示される場合には、各解析結果情報に対応し(使用者により)クリックされる部位をプログラム上に設け、クリックされることにより該当する解析結果情報が表示装置12に選択的に表示されるものであっても良い。
【0041】
そして、この実施の形態では、上記ステップSt16、21、26、31が終了すると、次いで、上記ログデータから所定のプログラムによりテストスクリプトを生成する工程に移行する。
【0042】
[テストスクリプトを生成する工程]
このテストスクリプトを生成する工程は、上記(C)テストスクリプト生成用プログラムにより実行される。すなわち、上記第1ないし第4の解析結果情報が表示装置12に表示される(ステップSt16、21、26、31)と、上記テストスクリプト生成用プログラムにより、図4に示すように、上記CPU8は、(使用者により上記入力装置11を使用して)表示装置12に表示された上記解析スタートボタンがクリックされたか否か(テストスプリクトを出力するか否か)を判別する(ステップSt32)。このステップSt32において、CPU8が、テストスクリプトを出力する(クリックされた)と判別した場合には、テストスクリプトの生成が開始され(ステップSt33)、前述したステップSt7においてメモリ(サブメモリ)9に記憶されたログデータを一行毎にメモリ(メインメモリ)9に取り込み(ステップSt34)、読み取り/書き込みの各コマンド別に各LBAのアクセス発生回数を抽出する。(ステップSt35)。そして、こうした動作中、上記CPU8が、上記ログデータの最終行に至ったか否かを判別し(ステップSt36)、最終行に達したと判別した場合には、LBA毎のアクセス回数のカウント値を日(24時間)単位のアクセスへ変換したテストスクリプトを生成し、一定周期毎にSMARTデータを取得するコマンドを挿入し(ステップSt37)、このテストスクリプトをメモリ(サブメモリ)9に保存し、終了する(ステップSt39)。なお、本発明においては、上記LBA毎のアクセス回数のカウント値を変換する単位(時間)は、8時間から720時間単位のアクセスカウント値であれば良い。
【0043】
[ストレージ機器(SSD)の予想寿命を算出し表示する工程]
以下、特定のストレージ機器(SSD)の予想寿命(予想される使用限界時期)を上記(D)使用限界予想時間解析用プログラムにより算出し表示する工程について説明する。なお、この工程は、上述した工程により生成したテストスクリプトを使用するものである。
【0044】
先ず、この工程では、図10に示すように、上記コントロールPC4と、寿命を予測する特定のストレージ機器(SSD)を接続する。そして、こうした準備が終了すると、コントロールPCにおいて、上記コントロールプログラムを構成する(D)使用限界予想時間解析用プログラム(テストツール)を起動させる(ステップSt40)。なお、この使用限界予想時間解析用プログラムが起動されると、上記表示装置12には、テストスクリプト入力用のボタンが表示される。したがって、CPU8が、(使用者による上記入力装置11により)上記表示装置12に表示された上記テストスクリプト入力用のボタンがクリックされたか否かが判別され(ステップSt41)、これがクリックされたと判別された場合には、上記CPU8が、それまでメモリ(サブメモリ)9に格納されている上記テストスクリプトを、メモリ9を構成する主記憶部(メインメモリ)に一行毎に取り込む(ステップSt42)。次いで、こうして一行毎に取り込まれたテストスクリプトのコマンドがSMARTデータに係るコマンドであるか、書込み又は読出しに係るコマンドであるかを判別し(ステップSt43)、上記テストスクリプトのコマンドがSMARTデータに係るコマンドである場合には、ターゲットデバイスである上記ストレージ機器(SSD)2にコマンドを発行する(ステップSt44)。そして、こうしたコマンドが発行されると次いで、CPU8は、コマンドステータス(SSDに発行したコマンドが正常に実行されたか否か)を判別する(ステップSt45)。そして、このコマンドステータスが正常でないと判別された場合(例えば、物理的な破壊がされている場合)には、プログラムは終了(ステップSt56)し、正常であると判別された場合には、次いで、上記SMARTデータに含まれるイレースカウント値を取得し(ステップSt46)し、該イレースデータのカウント値を上記メモリ(サブメモリ)9に保存する(ステップSt47)とともに、該イレースデータのカウント値を時間と共にグラフ表示する(ステップSt48)。このグラフは、例えば、図12に示すように、縦軸にイレースカウント値を、横軸に該イレースカウント値の取得時間をそれぞれ取った折れ線グラフである。
【0045】
一方、上記ステップSt43において、CPU8により、テストスクリプトのコマンドが書込み又は読出しに係るコマンドであると判別された場合には、ターゲットデバイスである上記ストレージ機器(SSD)2に書込みコマンド又は読出しコマンドの何れかを発行する(ステップSt49)。そして、こうしたコマンドが発行されると、CPU8は、コマンドステータス(SSDに発行したコマンドが正常に実行されたか否か)を判別する(ステップSt50)。そして、このコマンドステータスが正常でないと判別された場合(例えば、書込みエラーが発生した場合など)には、プログラムは終了(ステップSt56)し、正常であると判別された場合には、次いで、テストスクリプトの最終行を取り込んだか否かがCPU8により判別される(ステップSt52)。そして、CPU8により、全てのテストスクリプトが取り込まれたと判別された場合には、上記表示装置12に「テストを終了するか否か」を使用者に伝える図示しない終了案内情報が表示され(ステップSt53)、その後CPU8は、この案内表示に従って所定の「終了する」旨に該当する部位をクリックしたか(或いは「再度テストをする」旨に該当する部位をクリックしたか)、すなわちテストを終了するか否かを判別する(ステップSt54)。このステップSt54において、「再度テストをする」旨を示す部位がクリックされたとCPU8が判別した場合には、再びステップSt42に戻る。なお、この実施の形態では、上記テストスクリプトは、日単位のアクセスへ変換したものであることから、上記「再度テストをする」旨を示す部位を、例えば6回クリックすることにより、一週間分のテストを実行しても良い。
【0046】
そして、上記「終了する」旨を示す部位がクリックされたとCPU8が判別した場合には、以下に説明する寿命計算とこの計算による予測寿命を表示装置12に表示する。すなわち、この寿命計算とは、上記コントロールPC4に接続されたストレージ機器であるSSD2の使用限度時期を計算することを指し、具体的には、上記図12に示す時間に対するイレースカウント値の増加率を計算し、このイレースカウント値の増加率に従って、予めメモリ(サブメモリ)9に記憶されているイレースカウントの最大値に達する時間を計算する。つまり、こうした一連の計算により、上記SSD2の予測使用限度時期が判明する。なお、上記計算方法により算出された予測使用限度時期は、少なくとも該時期を使用者に伝達できる態様であれば良く、例えば文字情報により表示装置12に表示される場合以外に、図13に示すように、グラフにより表示されるものであっても良い。
【0047】
したがって、上記使用限界予想時間解析用プログラムを使用した工程によれば、特定のストレージ機器(SSD)2の使用限界予想時間が、特定のホスト機器1との関係において解析(判明)することができ、より確実なSSD2の選択が可能となる。
【0048】
このように、本実施の形態に係る一連の工程によれば、特定のホスト機器1との関係において、選択されるべきストレージ機器2を色々な角度から解析することができ、最も適切なストレージ機器を選択する際の判断要素を入手することができる。
【0049】
なお、上述した実施の形態では、図1と図2を参照して説明した方法・工程により、ログデータを採取したが、上記ログデータは、こうした採取方法以外の方法により採取し、予めコントロールPC4を構成するメモリ9に格納しておいた上で、上記解析用プログラムにより、上記ステップSt6以下の動作が実行されるものであっても良い。
【0050】
また、上記実施の形態においては、ログデータを解析用プログラムにより種々解析する工程において、上記ステップSt8からステップSt16、ステップSt9からステップSt21、ステップSt10からステップSt26、ステップSt11からステップSt31が、それぞれ並行して行われる例を図示して説明したが、本発明は、これらの動作・工程がそれぞれ並行して実行されるのではなく、上記ステップSt16により第1の解析結果情報が表示された後に、上記ステップSt9から上記ステップSt21までを実行し、さらに、上記ステップSt10からステップSt26を実行し、その後、ステップSt11からステップSt31を実行するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】ログデータを取得する際における各機器の接続関係を模式的に示すブロック図である。
【図2】ログデータを採取する工程を示すフローチャートである。
【図3】ログデータから各種の解析工程を示すフローチャートである。
【図4】テストスクリプトの生成工程を示すフローチャートである。
【図5】第1の解析結果情報の一例を示すグラフである。
【図6】第2の解析結果情報であって、読取りのカウント結果の一例を示すグラフである。
【図7】第2の解析結果情報であって、書込みのカウント結果の一例を示すグラフである。
【図8】第3の解析結果情報の一例を示すグラフである。
【図9】第4の解析結果情報の一例を示すグラフである。
【図10】生成されたテストスクリプトにより、使用限界予想時間を解析する際におけるストレージ機器(SSD)とコントロールPCとの接続状態を模式的に示すブロック図である。
【図11】使用限界予想時間を解析する工程を示すフローチャートである。
【図12】時間的推移とともに増加するイレースカウントを示すグラフである。
【図13】使用限界予想時間の解析結果の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0052】
1 ホスト機器
2 ストレージ機器(SSD)
3 バスアナライザ
4 コントロールPC
8 CPU
9 メモリ
11 入力装置
12 表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレージ機器の使用限界予想方法又はその使用限界予想装置若しくはその使用限界予想時間解析用プログラムに関し、特に、特定のホスト機器との関係で最適なストレージ機器を特定するために使用されるストレージ機器の使用限界予想方法又はその使用限界予想装置若しくはその使用限界予想時間解析用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ(電子計算機)は、個人により私的に使用されたり通常の事務処理作業において使用されたりしているばかりではなく、例えば、ATM(現金自動預払機)やPOSシステムにより動作するコンピュータ等をはじめとした様々な機器(以下、これらの機器をホスト機器と言う。)に接続され又は組み込まれて使用されている。
【0003】
一方、市場では、こうしたコンピュータの信頼性を高めるために、半導体メモリにデータを記憶させるSSD(Solid State Drive、すなわちフラッシュメモリ等からなる大容量記憶手段),SDカード(Secure Digital memory card),USB(Universal Serial Bus)メモリ等各種のストレージ機器が販売されている。例えば、上記SSDは、可動部(ヘッドやモータ)がないため,耐衝撃性に優れ、また、ヘッドを移動させるためのシーク時間やディスクの回転数を高めるスピンアップ時間をゼロにできること、さらにはHDD(Hard Disk Drive)と比較してよりデータ転送速度を高められるばかりではなく振動に強くまた塵埃から保護され、湿度による悪影響を防止できる点で優れている。したがって、上記ホスト機器の使用者は、市場で販売されている上記SSD等のストレージ機器を、該ストレージ機器に表示されている仕様を確認しながら購入しているのが実情である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記各種のストレージ機器は、それぞれの仕様がメーカーにより表示されてはいるものの、表示されている仕様は、例えば、平均アクセス時間、単位時間当たりのコマンド伝送回数(IOPS)、インターフェイスの規格、容量、サイズ等ごく一部である場合が多く、使用者としては、複数販売されているストレージ機器から、上記ホスト機器の特性や使用者が期待する要求に最も適切なストレージ機器を購入することはできないのが実情である。特に、選択されるべきストレージ機器は長期間使用可能であることが求められるが、市販されているストレージ機器には、イレースカウントの最大値や特定の時間内に一定の容量のデータを書き込んだ場合における使用限界時間(寿命)は表示されているものの、こうしたイレースカウントの最大値や大まかな使用限界時間では、該ストレージ機器が実際に接続されるホスト機器との間で送受信されるデータの属性・性質・傾向如何により大きく異なる。すなわち、ストレージ機器が実際に接続されるホスト機器との間で送受信されるデータの属性・性質・傾向によって、該ストレージ機器の使用限界予想時間は大きく異なることとなり、単純に該ストレージ機器に表示されたイレースカウントの最大値や大まかな使用限界時間のみからでは判断できない。
【0005】
なお、機器の所謂寿命を予測する方法やシステムとしては、これまで幾つかの発明が提案されている(特許文献1,2参照)が、これらは何れも入力データ値をその幅の中から乱数で決めるものであり、SSDなどのようなストレージ機器の使用限界予想時間(予想寿命)を特定・解析することを目的とするものではない。
【特許文献1】特開2002−373309号公報
【特許文献2】特開2002−334293号公報
【0006】
そこで、本発明は、最も適切なストレージ機器を選択できるように、特定のホスト機器から伝送されるログデータの特性から使用限界予想時間(予想寿命)を特定・解析し、適切なストレージ機器を選択する際の判断要素を入手するために使用されるストレージ機器の使用限界予想方法又はその使用限界予想装置若しくはその使用限界予想時間解析用プログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するため、第1の発明(請求項1記載の発明)は、ストレージ機器の使用限界予想方法に係るものであって、特定のホスト機器とストレージ機器との間において採取し且つコンピュータに記憶されたログデータから、該コンピュータを利用して、論理ブロックアドレス(LBA)毎にアクセス回数をカウントして該LBA毎のアクセス回数のカウント値を、8時間から720時間単位のアクセスカウント値に変換することによってテストスクリプトを生成するテストスクリプト生成工程と、上記コンピュータと特定のストレージ機器とを互いに接続し、上記テストスクリプトを上記記憶手段から読出すテストスクリプト読出し工程と、上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、書き込み又は読み出しに係るコマンドであるか、SMARTデータに係るコマンドであるか否かを判別するコマンド判別工程と、上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、上記SMARTデータに係るコマンドである場合には、該SMARTデータに含まれるイレースカウント値を時間の推移とともに取得するイレースカウント値取得工程と、上記イレースカウント値取得工程により取得したイレースカウント値を、上記コンピュータを構成する記憶手段に記憶するイレースカウント値記憶工程と、上記テストスクリプトが全て読み出されたことを条件に、イレースカウント値の時間的推移に基づく上昇係数を演算する上昇係数演算工程と、上記上昇係数演算工程により得られた上昇係数と特定のストレージ機器に表示されたイレースカウントの最大値とから、該特定のストレージ機器の使用限界予想時間を演算する工程と、を有してなることを特徴とするものである。
【0008】
この発明において、特定のホスト機器(将来選択された特定のストレージ機器が接続されるホスト機器。例えば、ATMにおいて使用されるコンピュータ又はPOSシステムにおいては、これらATMやPOSシステムに使用されるサーバコンピュータ等)とストレージ機器との間において採取された多数のログデータは、予め上記コンピュータを構成する記憶手段に記憶されている。なお、このログデータは、上記特定のホスト機器と、適当なストレージ機器とを接続し、この接続(以下、該ホスト機器とストレージ機器との接続をバスという。)間に、コントロール用コンピュータ(ログデータを解析するために使用されるコンピュータ)に接続されたバスアナライザを接続することによって採取しても良いし、上記接続(バス)間に上記バスアナライザと同等の機能を有するコンピュータを直接接続することにより採取されたものであっても良い。そして、上記ログデータを採取するために使用されるストレージ機器は、例えば、SSD,SDカード,USBメモリ、HDD等の各種の記憶媒体又は記憶装置を使用することができる。また、上記ホスト機器とストレージ機器とは、これらストレージ機器が備える適切な規格による端子によって接続がなされるものであるが、この接続の端子の規格としては例えば、USB,IEEE1394(FireWire),SATA(Serial Advanced Technology Attachment),PATA(Pararrel Advanced Technology Attachment),SDカードスロット等が挙げられる。また、上記バスアナライザはこれらホスト機器とストレージ機器とのバスの間に接続されるものであることから、このバスアナライザにも、上記ホスト機器及びストレージ機器と接続するためのUSB,IEEE1394(FireWire),SATA,PATA,SDカードスロット等の端子が設けられている。
【0009】
そして、この第1の発明では、先ず、上記コンピュータに記憶された多数のログデータから、テストスクリプトを生成する。このテストスクリプトの生成方法は、上記コンピュータを利用して、論理ブロックアドレス(LBA)毎にアクセス回数をカウントして該LBA毎のアクセス回数のカウント値を、8時間から720時間単位のアクセスカウント値に変換することによって生成する(テストスクリプト生成工程)。なお、このアクセスカウント値を変換する単位は、特定のストレージ機器が接続されるホスト機器の特性・傾向等により決定される。例えば、ホスト機器によっては書込みや読出しが24時間の間で変化し、一週間の間では変化しない場合(或いは大きく変化する場合)、一月単位で変化する場合(例えば、ATMの場合、月の下旬に支払い等をする企業が多いことから、月の上旬や中旬に比べて使用される頻度が高くなるため、一月単位(720時間単位)のアクセスカウント値に変換することが有効である。)等、種々の特性・傾向があり、こうしたホスト機器の特性・傾向に従って上記アクセスカウント値を変換する単位を適宜決定する。
【0010】
また、こうしたテストスクリプト生成工程が終了すると、次いで、上記コンピュータと特定のストレージ機器とを互いに接続し、該コンピュータにより、上記テストスクリプトを上記記憶手段から読出し(テストスクリプト読出し工程)、次に、上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、書き込み又は読み込みに係るコマンドであるか、SMARTデータに係るコマンドであるか否かを判別する(コマンド判別工程)。そして、上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、上記SMARTデータに係るコマンドである場合には、該SMARTデータに含まれるイレースカウント値を時間の推移とともに取得する(イレースカウント値取得工程)。次いで、上記イレースカウント値取得工程により取得したイレースカウント値を、上記コンピュータを構成する記憶手段に記憶する(イレースカウント値記憶工程)。さらに、上記テストスクリプトが全て読み出されると、イレースカウント値の時間的推移に基づく上昇係数を演算する(上昇係数演算工程)。なお、上記テストスクリプト読出し工程から上昇係数演算工程までの動作は、上記コンピュータを構成する記憶手段に記憶された所定のプログラムにより実行される。
【0011】
そして、上記上昇係数演算工程により得られた上昇係数と特定のストレージ機器に表示されたイレースカウントの最大値とから、該特定のストレージ機器の使用限界予想時間を演算する。上記イレースカウントの最大値は、購入しようとする特定のストレージ機器に表示されたデータに基づくものであり、上記コンピュータに接続したストレージ機器に係るものである。
【0012】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、ストレージ機器の使用限界予想装置に係るものであって、記憶手段と、表示手段及び/又は出力手段と、入力手段と、これら記憶手段,表示手段及び/又は出力手段,入力手段に接続され該記憶手段,表示手段,入力手段,出力手段を制御する制御手段とを備えたコンピュータと、このコンピュータに接続されたストレージ機器と、を備え、上記記憶手段には、上記特定のホスト機器とストレージ機器との間において採取したログデータから、論理ブロックアドレス(LBA)毎のアクセス回数をカウントして該LBA毎のアクセス回数のカウント値を、8時間から720時間単位のアクセスカウント値に変換することによって生成されたテストスクリプトと、特定のストレージ機器のイレースカウントの最大値と、使用限界解析用プログラムと、が記憶され、上記入力手段による解析操作を開始条件として、上記制御手段は、上記使用限界解析用プログラムにより、上記テストスクリプトを上記記憶手段から読出すテストスクリプト読出し工程と、このテストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、書き込み又は読み込みに係るコマンドであるか、SMARTデータに係るコマンドであるか否かを判別するコマンド判別工程と、上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、上記SMARTデータに係るコマンドである場合には、該SMARTデータに含まれるイレースカウント値を時間の推移とともに取得するイレースカウント値取得工程と、上記イレースカウント値取得工程により取得したイレースカウント値を、上記コンピュータを構成する記憶手段に記憶するイレースカウント値記憶工程と、上記テストスクリプトが全て読み出されたことを条件に、イレースカウント値の時間的推移に基づく上昇係数を演算し、上記イレースカウントの最大値との関係で、上記ストレージ機器の使用限界予想時間を演算し、この使用限界予想時間を上記表示手段に表示し、又は上記入力手段による出力操作を条件として出力手段により出力する使用限界予想時間表示工程と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0013】
なお、この第2の発明において、上記コンピュータを構成する記憶手段には、(1)特定のホスト機器とストレージ機器との間において採取したログデータから、論理ブロックアドレス(LBA)毎のアクセス回数をカウントして該LBA毎のアクセス回数のカウント値を、8時間から720時間単位のアクセスカウント値に変換することによって生成されたテストスクリプトと、(2)特定のストレージ機器のイレースカウントの最大値と、(3)使用限界解析用プログラムと、が予め記憶されている。そして、上記使用限界解析用プログラムにより、上記テストスクリプト読出し工程、コマンド判別工程、イレースカウント値取得工程、イレースカウント値記憶工程がそれぞれ実行され、次いで、上記テストスクリプトが全て読み出されたことを条件に、イレースカウント値の時間的推移に基づく上昇係数を演算し、上記イレースカウントの最大値との関係で、上記ストレージ機器の使用限界予想時間を演算し、この使用限界予想時間を上記表示手段に表示し、又は上記入力手段による出力操作を条件として出力手段により出力する使用限界予想時間表示工程が実行される。
【0014】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、ストレージ機器の使用限界予想時間解析用プログラムに係るものであって、記憶手段と、表示手段及び/又は出力手段と、入力手段と、これら記憶手段,表示手段及び/又は出力手段,入力手段に接続され該記憶手段,表示手段,入力手段,出力手段を制御する制御手段とを備えてなるとともにストレージ機器に接続され、且つ、上記記憶手段には、上記特定のホスト機器とストレージ機器との間において採取したログデータから、論理ブロックアドレス(LBA)毎のアクセス回数をカウントして該LBA毎のアクセス回数のカウント値を、8時間から720時間単位のアクセスカウント値に変換することによって生成されたテストスクリプトと、特定のストレージ機器のイレースカウントの最大値と、使用限界解析用プログラムと、が記憶されたコンピュータに対して、上記入力手段による解析操作を開始条件として、上記テストスクリプトを上記記憶手段から読出すテストスクリプト読出し工程と、このテストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、書き込み又は読み込みに係るコマンドであるか、SMARTデータに係るコマンドであるか否かを判別するコマンド判別工程と、上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、上記SMARTデータに係るコマンドである場合には、該SMARTデータに含まれるイレースカウント値を時間の推移とともに取得するイレースカウント値取得工程と、上記イレースカウント値取得工程により取得したイレースカウント値を、上記コンピュータを構成する記憶手段に記憶するイレースカウント値記憶工程と、上記テストスクリプトが全て読み出されたことを条件に、イレースカウント値の時間的推移に基づく上昇係数を演算し、上記イレースカウントの最大値との関係で、上記ストレージ機器の使用限界予想時間を演算し、この使用限界予想時間を上記表示手段に表示し、又は上記入力手段による出力操作を条件として出力手段により出力する機能を実現させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
上記第1の発明(請求項1記載の発明)に係るストレージ機器の使用限界予想方法、第2の発明(請求項2記載の発明)に係るストレージ機器の使用限界予想装置並びに第3の発明(請求項3記載の発明)に係るストレージ機器の使用限界予想時間解析用プログラムによれば、ストレージ機器に表示されたイレースカウントの最大値のみでは判断できないストレージ機器の使用限界予想時間を知ることができるので、誤ったストレージ機器を購入してしまう危険性を有効に防止することができる。特に、本発明では、特定のホスト機器とストレージ機器との間において採取した多数のログデータを使用してテストスクリプトを生成するとともに、実際に購入を検討している特定のストレージ機器とコンピュータを接続して該ストレージ機器の使用限界予想時間を演算又は表示するものであることから、より一層正確な使用限界予想時間を演算又は表示させることができ、単純に該ストレージ機器に表示されたイレースカウントの最大値のみからでは判断できない確実な情報を入手でき、誤ったストレージ機器を選択する危険性を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明を実施するための最良の形態では、特定のホスト機器との関係において、該ホスト機器の特性に応じた最適なSSD(ストレージ機器)を選択する際に行われる各工程を説明する。その工程は、大別すると以下の工程からなる。
(1)ATM(現金自動預払機)やPOSシステムにより動作するコンピュータ等のホスト機器からストレージ機器に伝送されるデータ(ログデータ)を採取する工程
(2)この工程により採取されたログデータを解析用プログラムにより種々解析する工程
(3)上記ログデータから所定のプログラムによりテストスクリプトを生成する工程
(4)このテストスクリプトを使用して特定のストレージ機器(SSD)の予想寿命(予想される使用限界時期)を所定のプログラムにより算出し表示する工程
本発明に係るログデータ解析装置ないしこの装置を構成するコンピュータを動作させるプログラムは、上記(3)及び(4)の工程を実行するものである。
【0017】
[ログデータを採取する工程]
この工程は、図1に示すように、例えばATM等のホスト機器(サーバコンピュータ)1とストレージ機器(SSD)2とを接続し、また、この接続(バス)間に、バスアナライザ3を接続し、さらにこのバスアナライザ3には、コントロール用コンピュータ(ログデータを解析するために使用されるコンピュータ)4に接続した後に行われる。上記ホスト機器1は、主な構成要素として、中央演算処理装置(CPU)、主記憶部(メインメモリ)、補助記憶部(サブメモリ)、入力装置(キーボード,マウス等)、出力装置(ディスプレー,プリンタ)等を備えている。
【0018】
また、上記ホスト機器1に接続されるストレージ機器2は、上記ログデータを採取するために使用されるストレージ機器であって、例えば、SSD,SDカード,USBメモリ、HDD等の各種の記憶媒体又は記憶装置を使用することができる。なお、本実施の形態では、ストレージ機器2としてSSDを採用し、このSSDには、フラッシュディスクコントローラ21、フラッシュディスクコントローラに接続されたDRAM22と、上記フラッシュディスクコントローラ21に接続されたNANDフラッシュメモリ23とを備えている。このフラッシュディスクコントローラ21は、ホスト機器1からこのSSD2に対するデータの読み出しや書き込みに応じてNANDフラッシュメモリ23からデータの読み出しや書き込みの中継をするものである。また、DRAM22は、このSSD2に対して一時に大量のデータが書き込まれた際に全てをNANDフラッシュメモリ23に書き込みを終えるまでの間に短期間データを蓄えるバッファとして動作し、或いは、頻繁に読み出されるデータを予め蓄えるキャッシュとして動作をする。また、NANDフラッシュメモリ23は、上記DRAM22に比べてデータの読み出し及び書込の速度はやや遅いものの記憶できるデータの量は非常に大きく、このSSD2が記憶するデータは全てこのNANDフラッシュメモリ23内に記憶されており、また、このSSD2内にはこのNANDフラッシュメモリ23は複数個内蔵されている。また、本実施の形態では、上記ホスト機器1をストレージ機器2にインストールしたオペレーションシステム(OS)により起動して使用する際に適したストレージ機器2を探すことを目的としていることから、上記SSD(内のNANDフラッシュメモリ)には、このホスト機器1を動作させるオペレーションシステム(OS)が記憶されている。なお、このSSD2のデータの読み出し又は書き込みの速さの性能の良し悪しやこのSSD2の寿命は、上記NANDフラッシュメモリ23からのデータの読み出し又は書き込みの速度以外にも、上記フラッシュディスクコントローラ21が適切に上記DRAM22やNANDフラッシュメモリ23へのデータの書き込みや読み出しの割り当てをするアルゴリズム、特に、NANDフラッシュメモリ23の特定のLBAに偏って集中することなくNANDフラッシュメモリ23の全体に渡って平均的に書き込むようなアルゴリズムの良し悪し等によっても決まる。
【0019】
一方、上記バスアナライザ3は、データを受け取るインターフェースコントローラ5を備え、このインターフェースコントローラ5には、キャプチャデータ(ログデータ)が格納される記憶装置としてのDRAM6が接続されている。また、上記インターフェースコントローラ5には、上記DRAM6に格納されたキャプチャデータをコントロールPC4に伝送するマイクロプロセッサ7が接続されている。
【0020】
そして、上記コントロールPC4は、本発明を構成する制御手段としての中央演算処理装置(CPU)8と、記憶手段としてのメモリ9とを備えたコンピュータ本体と、このコンピュータ本体に接続された入力装置(又は入力部)11と、表示装置(又は表示部)12と、を備えている。上記CPU8と、上記入力装置11及び表示装置12とは接続されている。なお、この実施の形態では本発明を構成する出力手段を示していないが、この出力手段としては、例えば表示装置12であるディスプレイ以外で使用者にデータを可視情報として出力するプリンタ等や、図示しない他のコンピュータに情報を出力するネットワーク等の手段であっても良い。
【0021】
また、上記コントロールPC4を構成する上記メモリ9は、図示しない主記憶部(メインメモリ)と補助記憶部(サブメモリ)を備え、ログデータは上記補助記憶部に記憶される。また、このメモリ9を構成する補助記憶部には、コンピュータとして基本的に記憶されているオペレーションプログラム(OS)やこのコントロールPC4の動作に欠かせない各種のデバイスドライバ等以外に、予め(A)ログデータ採取用プログラムと、(B)ログデータ解析用プログラムと、(C)テストスクリプト生成用プログラムとからなるコントロールプログラムと、(D)使用限界予想時間解析用プログラムと、特定のストレージ機器のイレースカウントの最大値とが格納されている。
【0022】
上記(A)ログデータ採取用プログラムは、上記(1)の工程(ATM(現金自動預払機)やPOSシステムにより動作するコンピュータ等のホスト機器からストレージ機器に伝送されるデータ(ログデータ)を採取する工程)において、上記コントロールPC4に対して、後述する各動作ないし機能を実現させるプログラムである。
【0023】
また、上記(B)ログデータ解析用プログラムは、上記(2)の工程(上記(1)の工程により採取されたログデータを解析用プログラムにより種々解析する工程)において、上記コントロールPC4に対して、後述する各動作ないし機能を実現させるプログラムである。
【0024】
また、上記(C)テストスクリプト生成用プログラムは、上記(3)の工程(上記ログデータから所定のプログラムによりテストスクリプトを生成する工程)において、上記コントロールPC4に対して、後述する各動作ないし機能を実現させるプログラムである。
また、(D)使用限界予想時間解析用プログラムは、上記(4)の工程(このテストスクリプトを使用して特定のストレージ機器(SSD)の予想寿命(予想される使用限界時期)を所定のプログラムにより算出し表示する工程)において、上記コントロールPC4に対して、後述する各動作ないし機能を実現させるプログラムである。
【0025】
そこで、上記(1)の工程を説明すると、図2に示すように、上記コントロールプログラムが上記コントロールPC4において起動(ステップSt1)されると、上記CPU8は、上記表示装置12に、図示しないキャプチャ開始ボタン、(キャプチャ)停止ボタン、解析スタートボタンを少なくとも表示する。そこで、上記入力装置11により作業者(使用者)による上記キャプチャ開始ボタンが押されたか(クリックされたか)否かが、上記CPU8により判別され(ステップSt2)、該キャプチャ開始ボタンが押されたと判別された場合には、上記バスを流れるデータのキャプチャが開始される(ステップSt3)。すなわち、上記キャプチャ開始ボタンが押されたと判別された場合には、上記CPU8が、上記バスアナライザ3を構成するマイクロプロセッサ7を介して、インターフェースコントローラ5に伝送されたバスを流れるデータを一定周期毎(10ns)に上記DRAM6に格納させるとともに、このDRAM6に格納されたバスを流れるデータをログデータとして、上記インターフェースコントローラ5とマイクロプロセッサ7を介して、上記メモリ9に一定周期毎に順次格納(採取)する。なお、この実施の形態では、上記ストレージ機器2(を構成するNANDフラッシュメモリ23)に記憶されたOSによりホスト機器1が起動する際に上記バスを流れているデータからキャプチャしたデータをログデータとして採取することが目的であるから、上記ステップSt3でのデータのキャプチャが開始された後に、使用者はストレージ機器2内のOSによりホスト機器1を起動する。また、使用者は、このホスト機器1がストレージ機器2内のOSによって起動が完了し終えて必要なデータのキャプチャが完了したと判断した場合には、このキャプチャを終了するための操作をする(以下のステップSt4)。
【0026】
そして、こうしたログデータを一定周期毎に順次格納されている段階において、上記CPU8は、上記表示装置12に表示された停止ボタンが押されたか(クリックされたか)否かを判別する(ステップSt4)。上記CPU8が、上記停止ボタンが押されたと判別した場合には、それまで行われていたバスを流れるデータをキャプチャする動作が停止され(図2のフローチャートには図示しない。)、次いで、上記メモリ9に格納されたログデータを、表示装置12に表示する(ステップSt5)。なお、このログデータが表示装置12に表示された時点においても、該表示装置12には、上記解析スタートボタンが表示されている。
【0027】
なお、以上の動作は、上述したように、上記コントロールプログラムを構成する(A)ログデータ採取用プログラムにより実行されるものであるが、上記ステップSt5が終了すると、次いで、上記コントロールPC4においては、上記(B)ログデータ解析用プログラムにより、以下に説明する各種の動作ないし機能が実現される。
【0028】
[ログデータを解析用プログラムにより種々解析する工程]
上記ステップSt5が実行されると、次いで、上記CPU8は、上記表示装置12に表示された解析スタートボタンが押されたか(クリックされたか)否かを判別する(ステップSt6)。このステップSt6において、CPU8が、解析スタートボタンが押されたと判別した場合には、図3に示すように、上記ログデータをメモリ(サブメモリ)9に格納し(ステップSt7)し、次いで、コマンド種別の解析と、セクタの存在回数のカウント種別の解析と、アドレス分布の解析と、アドレス分布とセクタの存在回数のカウントとの複合解析が、それぞれ並行して開始される(ステップSt8、ステップSt9、ステップSt10、ステップSt11)。
【0029】
上記コマンド種別の解析が開始される(ステップSt8)と、上記CPU8は、上記メモリ9に格納されたログデータを一行毎(或いは、ログデータの内、最初の一連のデータ。以下同じ)に、上記メモリ9を構成する主記憶部に取り込み(ステップSt12)、次いで、この取り込まれたログデータのコマンド種別毎の発生回数をカウントする(ステップSt13)。すなわち、取り込まれたログデータが読取りコマンドである場合と、書込みコマンドである場合とに峻別し、それぞれのコマンドの発生回数をそれぞれカウントする。
【0030】
そして、上記CPU8は、上記ログデータの最終行(或いは、ログデータのうち、最後の一連のデータ。以下同じ)まで主記憶部に取り込まれたか否かを判別し(ステップSt14)、最終行まで取り込まれたと判別した場合には、解析結果である上記読取りコマンドと書込みコマンドのそれぞれのコマンドの発生回数に係るカウント値を上記メモリ(サブメモリ)9に格納させ(ステップSt15)、さらにこの解析結果であるカウント結果をそれぞれ上記表示装置12に表示する(ステップSt16)。なお、この表示装置12に表示された解析結果情報は、本発明を構成する第1の解析結果情報である。この実施の形態においては、図5に示すように、この表示装置12に表示されるカウント結果は、読取りコマンドと書込みコマンドとのそれぞれカウント結果の相対的割合を示す数字と共に円グラフにより表示される。なお、本発明において、上記カウント結果は、読取りコマンドと書込みコマンドのそれぞれのコマンドの発生回数に係るカウント値を数字として併記して表示した場合でも良いし、また、棒グラフによって、読取りコマンドと書込みコマンドとのそれぞれカウント結果が比較可能な態様で表示されても良い。
【0031】
こうした解析結果情報が表示装置に表示されることによって、上記特定のホスト機器が、書込みが多いのか読出しが多いのかが判明する。そして、上記特定のホスト機器が、書込みが多い場合には、選択されるべきストレージ機器の特性としては、書込みに耐性機能があり、書込み速度が速いものであることが要求されることが判明する。
【0032】
また、上記セクタの存在回数のカウント種別の解析が開始される(ステップSt9)と、上記CPU8は、上記メモリ(サブメモリ)9に格納されたログデータを一行毎にメモリ(メインメモリ)9に取り込み(ステップSt17)、次いで、この取り込まれたログデータから、読取り(Read)と書込み(Write)別にセクタの存在回数をカウントする(ステップSt18)。すなわち、取り込まれたログデータから、読取り(Read)と書込み(Write)別にデータ長毎におけるセクタの存在回数をカウントする。
【0033】
そして、上記CPU8は、上記ログデータの最終行まで取り込まれたか否かを判別し(ステップSt19)、最終行まで取り込まれたと判別した場合には、解析結果である上記セクタの存在回数のカウント毎の発生回数に係るカウント値を上記メモリ(サブメモリ)9に格納させ(ステップSt20)、さらにこの解析結果であるカウント結果をそれぞれ読取り(Read)と書込み(Write)別にセクタ長毎に上記表示装置12に表示する(ステップSt21)。なお、この表示装置12に表示された解析結果情報は、本発明を構成する第2の解析結果情報である。
【0034】
この実施の形態においては、この表示装置12に表示される読取り(Read)のカウント結果は、図6に示すように、また、書込み(Write)のカウント結果は、図7に示すように、それぞれデータ長毎の割合を示す数値と共に円グラフにより表示される。こうした解析結果情報の表示により、特定のホスト機器がどのようなデータ長でストレージ機器にアクセスしているかという傾向が判明する。すなわち、短い(小さい)セクタの存在回数のカウントでアクセスが多い場合には、この特定のホスト機器は短い(小さい)セクタの存在回数のカウントでストレージ機器にアクセスする傾向があることが判明する。このため、この特定のホスト機器のために選択されるべきストレージ機器の特性としては、短い(小さな)データでのランダムアクセス性能が良好であることが要求されることが判明する。また、特に書込みで短い(小さい)セクタの存在回数のカウントが多い場合には、短い(小さな)データでのランダムアクセスが多いと考えられることから、選択されるべきストレージ機器の特性としては、書込みに対する耐性機能(書込み平均化及びDRAMが搭載され書込み制限が機能として付与された)を備えたものであることが要求されることが判明する。
【0035】
また、上記アドレス分布の解析が開始される(ステップSt10)と、上記CPU8は、上記メモリ(サブメモリ)9に格納されたログデータを一行毎にメモリ(メインメモリ)9に取り込み(ステップSt22)、次いで、この取り込まれたログデータから、論理ブロックアドレス(LBA)毎のアクセス回数をカウントする(ステップSt23)。次いで、上記CPU8は、上記ログデータの最終行まで取り込まれたか否かを判別し(ステップSt24)、最終行まで取り込まれたと判別した場合には、解析結果である上記LBA毎のアクセス回数に係るカウント値を上記メモリ(サブメモリ)9に格納させ(ステップSt25)、さらにこの解析結果であるカウント結果をLBA毎に上記表示装置12に表示する(ステップSt26)。なお、この表示装置12に表示された解析結果情報は、本発明を構成する第3の解析結果情報である。
【0036】
この実施の形態においては、図8に示すように、この表示装置12に表示されるLBA毎のカウント結果は、縦軸がアクセス回数、横軸がLBAとした棒グラフが表示される。こうした解析結果情報の表示により、ストレージ機器2全体のどのような場所に対してアクセスが行われているか、というアクセス回数についてのアドレス分布の傾向が判明する。すなわち、ストレージ機器2の記憶容量全体に対して平均的にアクセスする場合と、偏った場所にアクセスする場合とでは使用限度期間(寿命)の長短に大きく影響し、偏った場所に対する書込みアクセスが多い場合(偏ったアクセスをしている場合)は、書込みに対する平均化処理を行う機能を備えたストレージ機器(SSD)が要求されることが判明する。
【0037】
また、上記LBA毎のカウント結果とデータ長毎のセクタの存在回数との複合解析が開始される(ステップSt11)と、上記CPU8は、上記メモリ(サブメモリ)9に格納されたログデータを一行毎にメモリ(メインメモリ)9に取り込み(ステップSt27)、次いで、この取り込まれたログデータから、上記LBAとデータ長毎のセクタの存在回数とを抽出する(ステップSt28)。次いで、上記CPU8は、上記ログデータの最終行まで取り込まれたか否かを判別し(ステップSt29)、最終行まで取り込まれたと判別した場合には、上記抽出結果(解析結果)を上記メモリ(サブメモリ)9に格納させ(ステップSt30)、解析結果である上記抽出結果を上記表示装置12に表示する(ステップSt31)。なお、上記抽出結果情報は、以下第4の解析結果情報と言う。
【0038】
この実施の形態においては、図9に示すように、縦軸をアクセス回数とし、横軸をデータ長とした棒グラフが表示される。こうしたLBA毎のカウント結果とデータ長毎のセクタの存在回数との複合解析によれば、書込みの場合にアクセスしたデータのデータ長と使用限度時間(寿命)とは密接な関連のある結果が得られる。すなわち、上記ステップSt28におけるこの第4の解析結果情報の解析の際には、ストレージ機器(SSD)2に対して複数回のデータの書込み及び読取りが連続する場合(データの書込みコマンド及び読取りコマンドが、間に読取りコマンド及び書込みコマンドを挟むことなく連続して発生する場合)であって、かつ、これらの複数回のデータの書込み及び読取りが連続したLBAに対してなされる場合には、このデータの書込み及び読取りが連続したLBAに対してなされる分についてはこの複数回のデータの書込み及び読取りをまとめて1回のデータの書込み及び読取りとしてカウントし、かつ、この1回のデータの書込み及び読取りとしてまとめてカウントされた複数回のデータの書込み及び読取りでされた全部のデータ長の合計をデータ長とし、さらにこれをデータ長毎のセクタの存在回数として抽出する。これは、実際にホスト機器1がストレージ機器2に対してデータを書込み及び読出しの動作をする際には、上述のようなこのデータの書込み及び読出しが連続する場合であって、かつ、これらの複数回のデータの書込み及び読取りが連続したLBAに対してなされる場合には、ログデータ上は複数回の書込み及び読取りがされている(複数回の読取りコマンド及び書込みコマンドの実行を別々にしている。例えば、対象となるLBAが連続している書込みコマンドが3回連続している場合には、書込みコマンドを3回連続して実行している)ように見えるものの、実際には、この複数回の書込み及び読取りを連続して一回で行っている(上記の例で言えば、対象となるLBAが連続している場合には、書込みコマンドが3回に分かれていても1回の連続した書込みをまとめて行っている)という動作が実情であるためであって、第4の解析結果情報はこの実情に合わせた解析の結果が得られる。このため、この読取りコマンド及び書込みコマンドの発生回数をカウントしてこれら読取りコマンド及び書込みコマンドのデータ長(或いは、データ長毎におけるセクタの存在回数)を抽出して得られる第2の解析結果情報に比べ、この第4の解析結果情報によれば、より実際のホスト機器1とストレージ機器2との動作に即した結果が得られる。すなわち、SSDに対して短いデータのランダムライト(任意書込み)が多い場合は、このSSDの使用限度時間(寿命)が短くなり、逆にデータ長が長い場合には、このSSDの使用限度時間(寿命)が比較的長くなる。したがって、例えば、図9に示す棒グラフのように、1セクタ(512バイト)という短いデータの書込みアクセスが多い場合には、SSDの使用限度時間(寿命)が短くなるため、書込みに対する耐性機能(書込み平均化及びDRAMが搭載され書込み制限が機能として付与された)を備えたものであることが要求されることが判明する。
【0039】
特に、この実施の形態では、LBA毎のカウント結果によるアドレス分布とデータ長毎のセクタの存在回数との複合解析が行われ、図9に示す棒グラフが表示されることから、より詳細なアクセス傾向が判明し、より精度の高いSSD選定が可能となる。
【0040】
なお、この実施の形態では、上記第1の解析結果情報、第2の解析結果情報、第3の解析結果情報、第4の解析結果情報をそれぞれ別個に図示して説明したが、これら第1ないし第4の解析結果情報は、それぞれ別個に独立して表示装置(或いは、単一の表示装置である一つのディスプレイ上に表示された複数のウインドウ)に表示されても良いばかりではなく、全ての解析結果情報が一度に表示されても良い。また、各解析結果情報がそれぞれ独立して表示される場合には、各解析結果情報に対応し(使用者により)クリックされる部位をプログラム上に設け、クリックされることにより該当する解析結果情報が表示装置12に選択的に表示されるものであっても良い。
【0041】
そして、この実施の形態では、上記ステップSt16、21、26、31が終了すると、次いで、上記ログデータから所定のプログラムによりテストスクリプトを生成する工程に移行する。
【0042】
[テストスクリプトを生成する工程]
このテストスクリプトを生成する工程は、上記(C)テストスクリプト生成用プログラムにより実行される。すなわち、上記第1ないし第4の解析結果情報が表示装置12に表示される(ステップSt16、21、26、31)と、上記テストスクリプト生成用プログラムにより、図4に示すように、上記CPU8は、(使用者により上記入力装置11を使用して)表示装置12に表示された上記解析スタートボタンがクリックされたか否か(テストスプリクトを出力するか否か)を判別する(ステップSt32)。このステップSt32において、CPU8が、テストスクリプトを出力する(クリックされた)と判別した場合には、テストスクリプトの生成が開始され(ステップSt33)、前述したステップSt7においてメモリ(サブメモリ)9に記憶されたログデータを一行毎にメモリ(メインメモリ)9に取り込み(ステップSt34)、読み取り/書き込みの各コマンド別に各LBAのアクセス発生回数を抽出する。(ステップSt35)。そして、こうした動作中、上記CPU8が、上記ログデータの最終行に至ったか否かを判別し(ステップSt36)、最終行に達したと判別した場合には、LBA毎のアクセス回数のカウント値を日(24時間)単位のアクセスへ変換したテストスクリプトを生成し、一定周期毎にSMARTデータを取得するコマンドを挿入し(ステップSt37)、このテストスクリプトをメモリ(サブメモリ)9に保存し、終了する(ステップSt39)。なお、本発明においては、上記LBA毎のアクセス回数のカウント値を変換する単位(時間)は、8時間から720時間単位のアクセスカウント値であれば良い。
【0043】
[ストレージ機器(SSD)の予想寿命を算出し表示する工程]
以下、特定のストレージ機器(SSD)の予想寿命(予想される使用限界時期)を上記(D)使用限界予想時間解析用プログラムにより算出し表示する工程について説明する。なお、この工程は、上述した工程により生成したテストスクリプトを使用するものである。
【0044】
先ず、この工程では、図10に示すように、上記コントロールPC4と、寿命を予測する特定のストレージ機器(SSD)を接続する。そして、こうした準備が終了すると、コントロールPCにおいて、上記コントロールプログラムを構成する(D)使用限界予想時間解析用プログラム(テストツール)を起動させる(ステップSt40)。なお、この使用限界予想時間解析用プログラムが起動されると、上記表示装置12には、テストスクリプト入力用のボタンが表示される。したがって、CPU8が、(使用者による上記入力装置11により)上記表示装置12に表示された上記テストスクリプト入力用のボタンがクリックされたか否かが判別され(ステップSt41)、これがクリックされたと判別された場合には、上記CPU8が、それまでメモリ(サブメモリ)9に格納されている上記テストスクリプトを、メモリ9を構成する主記憶部(メインメモリ)に一行毎に取り込む(ステップSt42)。次いで、こうして一行毎に取り込まれたテストスクリプトのコマンドがSMARTデータに係るコマンドであるか、書込み又は読出しに係るコマンドであるかを判別し(ステップSt43)、上記テストスクリプトのコマンドがSMARTデータに係るコマンドである場合には、ターゲットデバイスである上記ストレージ機器(SSD)2にコマンドを発行する(ステップSt44)。そして、こうしたコマンドが発行されると次いで、CPU8は、コマンドステータス(SSDに発行したコマンドが正常に実行されたか否か)を判別する(ステップSt45)。そして、このコマンドステータスが正常でないと判別された場合(例えば、物理的な破壊がされている場合)には、プログラムは終了(ステップSt56)し、正常であると判別された場合には、次いで、上記SMARTデータに含まれるイレースカウント値を取得し(ステップSt46)し、該イレースデータのカウント値を上記メモリ(サブメモリ)9に保存する(ステップSt47)とともに、該イレースデータのカウント値を時間と共にグラフ表示する(ステップSt48)。このグラフは、例えば、図12に示すように、縦軸にイレースカウント値を、横軸に該イレースカウント値の取得時間をそれぞれ取った折れ線グラフである。
【0045】
一方、上記ステップSt43において、CPU8により、テストスクリプトのコマンドが書込み又は読出しに係るコマンドであると判別された場合には、ターゲットデバイスである上記ストレージ機器(SSD)2に書込みコマンド又は読出しコマンドの何れかを発行する(ステップSt49)。そして、こうしたコマンドが発行されると、CPU8は、コマンドステータス(SSDに発行したコマンドが正常に実行されたか否か)を判別する(ステップSt50)。そして、このコマンドステータスが正常でないと判別された場合(例えば、書込みエラーが発生した場合など)には、プログラムは終了(ステップSt56)し、正常であると判別された場合には、次いで、テストスクリプトの最終行を取り込んだか否かがCPU8により判別される(ステップSt52)。そして、CPU8により、全てのテストスクリプトが取り込まれたと判別された場合には、上記表示装置12に「テストを終了するか否か」を使用者に伝える図示しない終了案内情報が表示され(ステップSt53)、その後CPU8は、この案内表示に従って所定の「終了する」旨に該当する部位をクリックしたか(或いは「再度テストをする」旨に該当する部位をクリックしたか)、すなわちテストを終了するか否かを判別する(ステップSt54)。このステップSt54において、「再度テストをする」旨を示す部位がクリックされたとCPU8が判別した場合には、再びステップSt42に戻る。なお、この実施の形態では、上記テストスクリプトは、日単位のアクセスへ変換したものであることから、上記「再度テストをする」旨を示す部位を、例えば6回クリックすることにより、一週間分のテストを実行しても良い。
【0046】
そして、上記「終了する」旨を示す部位がクリックされたとCPU8が判別した場合には、以下に説明する寿命計算とこの計算による予測寿命を表示装置12に表示する。すなわち、この寿命計算とは、上記コントロールPC4に接続されたストレージ機器であるSSD2の使用限度時期を計算することを指し、具体的には、上記図12に示す時間に対するイレースカウント値の増加率を計算し、このイレースカウント値の増加率に従って、予めメモリ(サブメモリ)9に記憶されているイレースカウントの最大値に達する時間を計算する。つまり、こうした一連の計算により、上記SSD2の予測使用限度時期が判明する。なお、上記計算方法により算出された予測使用限度時期は、少なくとも該時期を使用者に伝達できる態様であれば良く、例えば文字情報により表示装置12に表示される場合以外に、図13に示すように、グラフにより表示されるものであっても良い。
【0047】
したがって、上記使用限界予想時間解析用プログラムを使用した工程によれば、特定のストレージ機器(SSD)2の使用限界予想時間が、特定のホスト機器1との関係において解析(判明)することができ、より確実なSSD2の選択が可能となる。
【0048】
このように、本実施の形態に係る一連の工程によれば、特定のホスト機器1との関係において、選択されるべきストレージ機器2を色々な角度から解析することができ、最も適切なストレージ機器を選択する際の判断要素を入手することができる。
【0049】
なお、上述した実施の形態では、図1と図2を参照して説明した方法・工程により、ログデータを採取したが、上記ログデータは、こうした採取方法以外の方法により採取し、予めコントロールPC4を構成するメモリ9に格納しておいた上で、上記解析用プログラムにより、上記ステップSt6以下の動作が実行されるものであっても良い。
【0050】
また、上記実施の形態においては、ログデータを解析用プログラムにより種々解析する工程において、上記ステップSt8からステップSt16、ステップSt9からステップSt21、ステップSt10からステップSt26、ステップSt11からステップSt31が、それぞれ並行して行われる例を図示して説明したが、本発明は、これらの動作・工程がそれぞれ並行して実行されるのではなく、上記ステップSt16により第1の解析結果情報が表示された後に、上記ステップSt9から上記ステップSt21までを実行し、さらに、上記ステップSt10からステップSt26を実行し、その後、ステップSt11からステップSt31を実行するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】ログデータを取得する際における各機器の接続関係を模式的に示すブロック図である。
【図2】ログデータを採取する工程を示すフローチャートである。
【図3】ログデータから各種の解析工程を示すフローチャートである。
【図4】テストスクリプトの生成工程を示すフローチャートである。
【図5】第1の解析結果情報の一例を示すグラフである。
【図6】第2の解析結果情報であって、読取りのカウント結果の一例を示すグラフである。
【図7】第2の解析結果情報であって、書込みのカウント結果の一例を示すグラフである。
【図8】第3の解析結果情報の一例を示すグラフである。
【図9】第4の解析結果情報の一例を示すグラフである。
【図10】生成されたテストスクリプトにより、使用限界予想時間を解析する際におけるストレージ機器(SSD)とコントロールPCとの接続状態を模式的に示すブロック図である。
【図11】使用限界予想時間を解析する工程を示すフローチャートである。
【図12】時間的推移とともに増加するイレースカウントを示すグラフである。
【図13】使用限界予想時間の解析結果の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0052】
1 ホスト機器
2 ストレージ機器(SSD)
3 バスアナライザ
4 コントロールPC
8 CPU
9 メモリ
11 入力装置
12 表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定のホスト機器とストレージ機器との間において採取し且つコンピュータに記憶されたログデータから、該コンピュータを利用して、論理ブロックアドレス(LBA)毎にアクセス回数をカウントして該LBA毎のアクセス回数のカウント値を、8時間から720時間単位のアクセスカウント値に変換することによってテストスクリプトを生成するテストスクリプト生成工程と、
上記コンピュータと特定のストレージ機器とを互いに接続し、
上記テストスクリプトを上記記憶手段から読出すテストスクリプト読出し工程と、
上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、書き込み又は読み出しに係るコマンドであるか、SMARTデータに係るコマンドであるか否かを判別するコマンド判別工程と、
上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、上記SMARTデータに係るコマンドである場合には、該SMARTデータに含まれるイレースカウント値を時間の推移とともに取得するイレースカウント値取得工程と、
上記イレースカウント値取得工程により取得したイレースカウント値を、上記コンピュータを構成する記憶手段に記憶するイレースカウント値記憶工程と、
上記テストスクリプトが全て読み出されたことを条件に、イレースカウント値の時間的推移に基づく上昇係数を演算する上昇係数演算工程と、
上記上昇係数演算工程により得られた上昇係数と特定のストレージ機器に表示されたイレースカウントの最大値とから、該特定のストレージ機器の使用限界予想時間を演算する工程と、
を有してなることを特徴とするストレージ機器の使用限界予想方法。
【請求項2】
記憶手段と、表示手段及び/又は出力手段と、入力手段と、これら記憶手段,表示手段及び/又は出力手段,入力手段に接続され該記憶手段,表示手段,入力手段,出力手段を制御する制御手段とを備えたコンピュータと、このコンピュータに接続されたストレージ機器と、を備え、
上記記憶手段には、
上記特定のホスト機器とストレージ機器との間において採取したログデータから、論理ブロックアドレス(LBA)毎のアクセス回数をカウントして該LBA毎のアクセス回数のカウント値を、8時間から720時間単位のアクセスカウント値に変換することによって生成されたテストスクリプトと、
特定のストレージ機器のイレースカウントの最大値と、
使用限界解析用プログラムと、が記憶され、
上記入力手段による解析操作を開始条件として、上記制御手段は、上記使用限界解析用プログラムにより、
上記テストスクリプトを上記記憶手段から読出すテストスクリプト読出し工程と、
このテストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、書き込み又は読み込みに係るコマンドであるか、SMARTデータに係るコマンドであるか否かを判別するコマンド判別工程と、
上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、上記SMARTデータに係るコマンドである場合には、該SMARTデータに含まれるイレースカウント値を時間の推移とともに取得するイレースカウント値取得工程と、
上記イレースカウント値取得工程により取得したイレースカウント値を、上記コンピュータを構成する記憶手段に記憶するイレースカウント値記憶工程と、
上記テストスクリプトが全て読み出されたことを条件に、イレースカウント値の時間的推移に基づく上昇係数を演算し、上記イレースカウントの最大値との関係で、上記ストレージ機器の使用限界予想時間を演算し、
この使用限界予想時間を上記表示手段に表示し、又は上記入力手段による出力操作を条件として出力手段により出力する使用限界予想時間表示工程と、
を備えてなることを特徴とするストレージ機器の使用限界予想装置。
【請求項3】
記憶手段と、表示手段及び/又は出力手段と、入力手段と、これら記憶手段,表示手段及び/又は出力手段,入力手段に接続され該記憶手段,表示手段,入力手段,出力手段を制御する制御手段とを備えてなるとともにストレージ機器に接続され、且つ、上記記憶手段には、上記特定のホスト機器とストレージ機器との間において採取したログデータから、論理ブロックアドレス(LBA)毎のアクセス回数をカウントして該LBA毎のアクセス回数のカウント値を、8時間から720時間単位のアクセスカウント値に変換することによって生成されたテストスクリプトと、特定のストレージ機器のイレースカウントの最大値と、使用限界解析用プログラムと、が記憶されたコンピュータに対して、
上記入力手段による解析操作を開始条件として、
上記テストスクリプトを上記記憶手段から読出すテストスクリプト読出し工程と、
このテストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、書き込み又は読み込みに係るコマンドであるか、SMARTデータに係るコマンドであるか否かを判別するコマンド判別工程と、
上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、上記SMARTデータに係るコマンドである場合には、該SMARTデータに含まれるイレースカウント値を時間の推移とともに取得するイレースカウント値取得工程と、
上記イレースカウント値取得工程により取得したイレースカウント値を、上記コンピュータを構成する記憶手段に記憶するイレースカウント値記憶工程と、
上記テストスクリプトが全て読み出されたことを条件に、イレースカウント値の時間的推移に基づく上昇係数を演算し、上記イレースカウントの最大値との関係で、上記ストレージ機器の使用限界予想時間を演算し、
この使用限界予想時間を上記表示手段に表示し、又は上記入力手段による出力操作を条件として出力手段により出力する機能を実現させることを特徴とするストレージ機器の使用限界予想時間解析用プログラム。
【請求項1】
特定のホスト機器とストレージ機器との間において採取し且つコンピュータに記憶されたログデータから、該コンピュータを利用して、論理ブロックアドレス(LBA)毎にアクセス回数をカウントして該LBA毎のアクセス回数のカウント値を、8時間から720時間単位のアクセスカウント値に変換することによってテストスクリプトを生成するテストスクリプト生成工程と、
上記コンピュータと特定のストレージ機器とを互いに接続し、
上記テストスクリプトを上記記憶手段から読出すテストスクリプト読出し工程と、
上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、書き込み又は読み出しに係るコマンドであるか、SMARTデータに係るコマンドであるか否かを判別するコマンド判別工程と、
上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、上記SMARTデータに係るコマンドである場合には、該SMARTデータに含まれるイレースカウント値を時間の推移とともに取得するイレースカウント値取得工程と、
上記イレースカウント値取得工程により取得したイレースカウント値を、上記コンピュータを構成する記憶手段に記憶するイレースカウント値記憶工程と、
上記テストスクリプトが全て読み出されたことを条件に、イレースカウント値の時間的推移に基づく上昇係数を演算する上昇係数演算工程と、
上記上昇係数演算工程により得られた上昇係数と特定のストレージ機器に表示されたイレースカウントの最大値とから、該特定のストレージ機器の使用限界予想時間を演算する工程と、
を有してなることを特徴とするストレージ機器の使用限界予想方法。
【請求項2】
記憶手段と、表示手段及び/又は出力手段と、入力手段と、これら記憶手段,表示手段及び/又は出力手段,入力手段に接続され該記憶手段,表示手段,入力手段,出力手段を制御する制御手段とを備えたコンピュータと、このコンピュータに接続されたストレージ機器と、を備え、
上記記憶手段には、
上記特定のホスト機器とストレージ機器との間において採取したログデータから、論理ブロックアドレス(LBA)毎のアクセス回数をカウントして該LBA毎のアクセス回数のカウント値を、8時間から720時間単位のアクセスカウント値に変換することによって生成されたテストスクリプトと、
特定のストレージ機器のイレースカウントの最大値と、
使用限界解析用プログラムと、が記憶され、
上記入力手段による解析操作を開始条件として、上記制御手段は、上記使用限界解析用プログラムにより、
上記テストスクリプトを上記記憶手段から読出すテストスクリプト読出し工程と、
このテストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、書き込み又は読み込みに係るコマンドであるか、SMARTデータに係るコマンドであるか否かを判別するコマンド判別工程と、
上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、上記SMARTデータに係るコマンドである場合には、該SMARTデータに含まれるイレースカウント値を時間の推移とともに取得するイレースカウント値取得工程と、
上記イレースカウント値取得工程により取得したイレースカウント値を、上記コンピュータを構成する記憶手段に記憶するイレースカウント値記憶工程と、
上記テストスクリプトが全て読み出されたことを条件に、イレースカウント値の時間的推移に基づく上昇係数を演算し、上記イレースカウントの最大値との関係で、上記ストレージ機器の使用限界予想時間を演算し、
この使用限界予想時間を上記表示手段に表示し、又は上記入力手段による出力操作を条件として出力手段により出力する使用限界予想時間表示工程と、
を備えてなることを特徴とするストレージ機器の使用限界予想装置。
【請求項3】
記憶手段と、表示手段及び/又は出力手段と、入力手段と、これら記憶手段,表示手段及び/又は出力手段,入力手段に接続され該記憶手段,表示手段,入力手段,出力手段を制御する制御手段とを備えてなるとともにストレージ機器に接続され、且つ、上記記憶手段には、上記特定のホスト機器とストレージ機器との間において採取したログデータから、論理ブロックアドレス(LBA)毎のアクセス回数をカウントして該LBA毎のアクセス回数のカウント値を、8時間から720時間単位のアクセスカウント値に変換することによって生成されたテストスクリプトと、特定のストレージ機器のイレースカウントの最大値と、使用限界解析用プログラムと、が記憶されたコンピュータに対して、
上記入力手段による解析操作を開始条件として、
上記テストスクリプトを上記記憶手段から読出すテストスクリプト読出し工程と、
このテストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、書き込み又は読み込みに係るコマンドであるか、SMARTデータに係るコマンドであるか否かを判別するコマンド判別工程と、
上記テストスクリプト読出し工程により読み出されたコマンドが、上記SMARTデータに係るコマンドである場合には、該SMARTデータに含まれるイレースカウント値を時間の推移とともに取得するイレースカウント値取得工程と、
上記イレースカウント値取得工程により取得したイレースカウント値を、上記コンピュータを構成する記憶手段に記憶するイレースカウント値記憶工程と、
上記テストスクリプトが全て読み出されたことを条件に、イレースカウント値の時間的推移に基づく上昇係数を演算し、上記イレースカウントの最大値との関係で、上記ストレージ機器の使用限界予想時間を演算し、
この使用限界予想時間を上記表示手段に表示し、又は上記入力手段による出力操作を条件として出力手段により出力する機能を実現させることを特徴とするストレージ機器の使用限界予想時間解析用プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−49581(P2010−49581A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−214691(P2008−214691)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(508255779)株式会社ジェイ・ディ・エス (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(508255779)株式会社ジェイ・ディ・エス (3)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]