説明

スポーツシミュレーションシステム

【課題】視覚的に明白な3次元スポーツシーンが映し出されるディスプレイ面を有する飛翔体追跡装置を提供する。
【解決手段】ディスプレイ面に向けて飛翔体追跡領域を移動する発射後の飛翔体を検出するために該飛翔体追跡領域の画像をとらえる。飛翔体追跡領域を移動する飛翔体の3次元位置、速度、加速度及び回転を決定するためにカメラ装置から受信したデータに反応する。3次元位置、速度、加速度及び回転は、3次元スポーツシーン中に飛翔体の軌道を算出するために該処理ステージによって使用される。算出された軌道に追随する3次元スポーツシーンに飛翔体のシミュレーションを含む更新された画像データが、少なくとも1つの処理ステージにより生成する。該処理ステージと連結した投影ユニットは、該処理ステージから画像データを受信し、ディスプレイ面にシミュレーションを含む3次元スポーツシーンを映し出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にエンターテイメントシステムに関し、特に、スポーツシミュレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツ体験をシミュレートすることを目的としたスポーツシミュレーションシステムは、当該技術においてよく知られている。従来の多くのスポーツシミュレーションシステムにおいて、プレイヤーは表示スクリーンに映し出されるターゲット画像に、ボール、パック、矢、ダーツなどのスポーツ用飛翔体を飛ばす。スポーツ用飛翔体の動きは検出されてイメージされ、該スポーツ用飛翔体の軌道の予測がなされる。予測された軌道は、スポーツ結果を決定するために使用される。表示された画像は、プレイヤーにビジュアル・フィードバックを与え、スポーツ体験をシミュレートさせるためにスポーツ結果を反映するように順次更新される。
【0003】
全てのスポーツシミュレーションシステムの目的は、プレイヤーに現実的なスポーツ体験を提供することである。結果的に、多彩なバリエーションのスポーツシミュレーションシステムが、「現実の」スポーツ体験を正確にシミュレートする目的で考えられている。例えば、アーノルド(Arnold)らに与えられた米国特許第5,333,874号(特許文献1)は、ハウジングと、該ハウジングに配置した赤外線(IR)受信機とエミッタからなる2つの配列とを有するスポーツシミュレータを開示している。発射領域は該ハウジングの一端に近い位置に設置されている。使用者は、発射領域に置かれるゴルフボールなどの対象物を発射することができ、IRエミッタの配列によって規定された平面を通してハウジング内に、ハウジングの他端に位置するスクリーンに向けてゴルフボールを打つことができる。コンピュータがIR受信機に接続されており、各平面を通じて対象物の通過を検出する。IR受信機からの信号をもとに、コンピュータは、ゴルフボールの速度と同様に縦横位置を決定するために三角測量法を使用する。コンピュータはまた、ゴルフボールの回転を決定することができ、ゴルファー側から飛んでくるゴルフボールの画像を与えることができる。
【0004】
スチュアート(Stewart)らに付与された米国特許第5,443,260号(特許文献2)は、打球の速度と予測飛行を検出する野球用訓練娯楽装置を開示している。該装置は、ボール配送装置、一組の検出平面、コンピュータ及び映像シミュレーションモニターを具備している。検出平面は互いに平行であり、検出平面を通過する打球が実際の野球の試合でフェアボールとなるような距離の間隔をあけられている。各検出平面は、一組のオプティカル・スキャナと一組の光源を支持するラーメン架構(rigid frame)を具備している。オプティカル・スキャナと光源はラーメン架構の相対する上端角部に置かれ、該架構によって包囲される領域に下方に向けられている。
【0005】
使用中、ボール配送装置は検出平面の前に位置しているプレイヤーに向けて野球用ボールを配送する。プレイヤーがバットで野球用ボールを打ち、該野球用ボールが検出平面を移動するとき、オプティカル・スキャナは野球用ボールの画像を捕える。画像は、野球用ボールの速度と同様に、野球用ボールがそれぞれの検出平面を通り抜けるとき野球用ボールの座標を決定するために処理される。野球用ボールのシミュレーション軌道はその後、検出された座標と速度の情報を用いて計算される。シミュレーション軌道の情報は、バッティング体験をシミュレーションするために打球のシミュレーション飛行がプレイヤーに向けて表示されるように、モニターに映し出されるグラフィック画像を更新するために使用される。
【0006】
トリート・ジュニア(Treat, Jr.)らに付与された米国特許第5,649,706号(特許文献3)は、矢のような発射ミサイル(飛び道具)の空中検出用の狩猟シミュレータを開示している。該狩猟シミュレータは、スクリーンと該スクリーンに移動標的を投影するためのプロジェクタとを具備している。電磁波放射体が、それらの相対する上端角部に隣接するスクリーンの前に配置され、スクリーンの前の平面を照らす。センサーはまた、スクリーンの相対する上端角部に隣接して配置され、電磁波放射体に反応する。逆反射テープが、平面の反対側に沿って広がっている。
【0007】
使用中、矢がスクリーンに発射され平面を通過するとき、センサーは矢の存在を検出し、出力する。センサーの出力は、矢の速度と同様に矢の座標を決定するために使用される。矢のシミュレーション軌道がその後算出され、スクリーン上に現れたグラフィック画像は発射された矢の飛行を投影するためにそれに応じて更新される。このように、狩猟体験がシミュレートされる。
【0008】
レービ(Lowy)らに付与された米国特許第5,768,151号(特許文献4)は、スポーツシミュレータにおいて対象物の軌道を決定するためのシステムを開示している。該システムは、プレイヤー領域に野球用ボールを配送するためのボール投球装置を具備している。プレイヤー領域近隣のプロジェクタは、ボール投球装置の近くであって打者の前方に位置する表示スクリーンに画像を映す。ビデオカメラが、打たれた野球用ボールの予想軌道の前と反対側に位置している。
【0009】
使用中、ボール投球装置によって配送された野球用ボールが打者によって打たれ、ビデオカメラの視野を通過するとき、野球用ボールの画像が捕えられ、該視野を通る野球用ボールの軌道を示すストリークが決定される。ストリークは、野球用ボールの飛行をシミュレートし、打撃体験をシミュレートするために表示スクリーンに上映される画像を更新するために使用される。
【特許文献1】米国特許第5,333,874号明細書
【特許文献2】米国特許第5,443,260号明細書
【特許文献3】米国特許第5,649,706号明細書
【特許文献4】米国特許第5,768,151号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記した先行技術は、発射後の飛翔体の画像を捕え、該発射後の飛翔体の飛行をシミュレートするために画像データを使用するスポーツシミュレーションシステムを示しているが、これらのスポーツシミュレーションシステムは、発射後の飛翔体の軌道を追跡するために使用されるメカニズムが原因で「実物どおりの」スポーツ体験を提供することができない。従って、より現実的なスポーツ体験を提供する改善されたスポーツシミュレーションシステムが望まれている。
【0011】
それゆえ、本発明の目的は、新規なスポーツシミュレーションシステム及び新規な飛翔体追跡装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の1つの局面によれば、
視覚的に明白な3次元スポーツシーンが映し出されるディスプレイ面と、該ディスプレイ面へ向けて飛翔体追跡領域を移動する発射後の飛翔体を検出するために、ディスプレイ面の前に配置される飛翔体追跡領域の画像をとらえる少なくとも1組のカメラ装置であって、各カメラ装置が発射後の飛翔体の存在を検出するために取得画像を処理する処理能力を具備する少なくとも1組のカメラ装置とを具備する飛翔体追跡装置と、
発射後の飛翔体が現れる画像に関する該カメラ装置からのデータを受信し、且つ視覚的に明白な3次元スポーツシーン中に発射後の飛翔体の軌道を算出するために使用される、該飛翔体追跡領域を移動する検出された飛翔体の3次元位置、速度、加速度及び回転を決定する少なくとも1つの処理ステージ
から成るスポーツシミュレーションシステムが提供される。
【0013】
1つの実施形態において、前記少なくとも1つの処理ステージが、前記算出された軌道に追随する視覚的に明白な3次元スポーツシーン中に前記発射後の飛翔体のシミュレーションを含む更新画像データを生成するために、該算出された軌道を使用する。投射装置が少なくとも1つの処理ステージに連結している。該投射装置は、該少なくとも1つの処理ステージから画像データを受信し、シミュレーションを含む視覚的に明白な3次元スポーツシーンをディスプレイ面に映し出す。視覚的に明白な3次元スポーツシーンは、背景画像に重ねられ及び移動可能な少なくとも1つの前景動作要素を含むことができる。少なくとも1つの処理ステージは、該少なくとも1つの前景動作要素が発射後の飛翔体のシミュレーションに対応するように画像データを更新する。
【0014】
1つの実施形態において、飛翔体追跡装置は、枠部と該枠部の隣接して相対する上端角部に取り付けられる少なくとも1組のカメラ装置を具備している。該カメラ装置は、ディスプレイ面の下方、斜め及び前方を見る重複した視野を有し、飛翔体追跡領域の画像をとらえる。各カメラ装置は、とらえた画像における飛翔体を検出するように飛翔体の特定サインに類似しているピクセルクラスターを検出するためにとらえた画像を調べる。3次元スポーツシーンは、現実のスポーツ環境の地表面及び頭上の画像から作成される。該頭上の画像は、衛星写真と航空写真のうちの少なくとも1つを含んでいる。
【0015】
別の局面によると、
視覚的に明白な3次元スポーツシーンを描写する動画像列が映し出されるディスプレイ面を囲う枠部;該枠部に取り付けられ、且つ一般的に垂直方向に重なるディスプレイ面の斜め及び前方を見て飛翔体追跡領域を取り囲む視野を有する少なくとも1組のデジタルカメラ装置であって、各デジタルカメラ装置が、飛翔体が飛翔体追跡領域を移動し該デジタルカメラ装置によって取得された画像にとらえられるとき、画像データを処理し、且つ2次元飛翔体座標を生成する第1プロセッサを具備する少なくとも1組のデジタルカメラ装置;及び、前記動画像列に添えられる音声を放送する音声システム、とを具備する飛翔体追跡装置と、
前記デジタルカメラ装置及び音声システムと通信するホストプロセッサであって、各第1プロセッサから受信した2次元飛翔体座標を用いて飛翔体の3次元軌道を算出し、算出された3次元軌道を含む画像データを出力するホストプロセッサ、及び
前記画像データを受信し、前記ディスプレイ面に算出された軌道のシミュレーションを含む動画像列を映し出す表示ユニット
から成るスポーツシミュレーションシステムが提供される。
【0016】
さらに別の局面によると、
ディスプレイ面の斜めと前方を見る重なる視野を有する少なくとも一組のデジタルカメラ装置と、
発射後の飛翔体が現れる画像に関する該カメラ装置からの画像データを処理し、且つディスプレイ面に向けて投影される視覚的に明白な3次元スポーツシーン中に該発射後の飛翔体の軌道を算出するために使用される、前記重なる視野を移動する検出された飛翔体の3次元位置、速度、加速度及び回転を決定する少なくとも1つの処理ステージと、及び
現実のスポーツ環境の画像から作成した3次元の地形モデルから作成した画像フレームを含む3次元スポーツシーンを、前記算出された軌道に追随する飛行体のシミュレーションを含むディスプレイ面に映し出す投影ユニット
から成るスポーツシミュレーションシステムが提供される。
【発明の効果】
【0017】
スポーツシミュレーションシステムは、発射後の飛翔体の位置、速度、加速度及び回転が、カメラ装置の視野を移動する発射後の飛翔体として一般的に連続して決定されるので、発射後の飛翔体の飛行がより正確にシミュレートできるという点で効果を提供する。これはより現実的なスポーツ体験をもたらす。スポーツシミュレーションシステムはまた、実質的にいかなるタイプの飛翔体であっても特別な飛翔体の必要性を避けて追跡することができるという点で効果を提供する。さらに、飛翔体は、飛翔体追跡装置において、より柔軟性を提供してスポーツ体験を高める様々な位置から発射することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
実施形態を、添付図面を参照してさらに十分に説明する。図1は本発明によるスポーツシミュレーションシステムの斜視図であり、図2は図1のスポーツシミュレーションシステムの側面図であり、図3は図1のスポーツシミュレーションシステムの平面図であり、図4は図1のスポーツシミュレーションシステムの一部を形成する飛翔体追跡装置の正面図であり、図5はデジタルカメラを示す図4の飛翔体追跡装置の一部の部分拡大正面図である。図6aは遠近感の算出に使用されるカメラ座標システムを示し、図6bは2次元画像に対するゴルフコース上の対象物を描くために使用されるゴルフコース座標系と方程式を示す。図7は3次元空間で飛翔体の正確な追跡を提供するために立体映像がどのようにつくられるかを示すデジタルカメラ校正の間に使用される格子パターンであり、図8乃至図10は、プレイヤーが図1のスポーツシミュレーションシステムと交信する間に実行されるステップを示すフローチャートである。
【0019】
次に図1を参照して、スポーツシミュレーションシステムが示されており、一般に符号100とされる。図に示すように、スポーツシミュレーションシステム100は、プレイヤーPが立つプレイヤー領域Aの前に配置される飛翔体追跡装置102を具備している。ホストコンピュータ104は、高速シリアルデータ・リンクにより飛翔体追跡装置102に連結され、且つ飛翔体追跡装置102に向けられる天井に取り付けられた正面ビデオ・プロジェクタ106に連結されている。コンピュータ104はビデオ画像データをプロジェクタ106に出力し、動画像列を飛翔体追跡装置102に順次投影する。該動画像列は、飛翔体を発射するターゲットTを含む視覚的に明白な3次元スポーツシーンを描写する。本実施例において、スポーツシミュレーションシステム100はゴルフをシミュレートしており、それゆえ3次元スポーツシーンはゴルフ関連であり、ゴルフコースホール、練習場等の画像を含んでいる。コースの飛翔体追跡装置に発射される飛翔体はゴルフボールGBである。
【0020】
飛翔体追跡装置102は、発射後のゴルフボールGBが飛翔体追跡装置によって監視される飛翔体追跡領域を移動するとき、コンピュータ104に2次元の飛翔体位置データを出力する。コンピュータ104は、ゴルフボールの軌道を算出できるようにゴルフボールの3次元位置、発射速度、加速度及び回転を決定するために2次元の飛翔体位置データを順次処理する。算出された軌道は、その後にスポーツ結果を決定するために用いられ、且つ、映し出される動画像列が、決定されたスポーツ結果と同様に視覚的に明白な3次元シーンの中へゴルフボールの飛行のシミュレーションを示すようにプロジェクタ106に伝えられる画像データを更新するために用いられる。結果として、飛翔体追跡装置102、コンピュータ104及びプロジェクタ106は、発射後のゴルフボールに対応して閉ループを形成する。スポーツシミュレーションシステム100の更なる特徴を図1乃至図10を参照して詳述する。
【0021】
図2乃至図5は、飛翔体追跡装置102をより良く図示している。図に示すように、飛翔体追跡装置102は、一組の側柱112と該側柱112の上端間に延びるクロスバー114を有する直立した逆U字状枠部110を具備している。スクリーン122は、該枠部110によって支持されている。本実施例において、スクリーン122は、従来のテレビ画像を表示するのに特にふさわしい4:3の縦横比を有している。しかしながら、当業者は他の画像形式が使用できることを十分理解しているものである。スクリーン122は、広く開いた位置で枠部110の後方にゆるく固定されている。
【0022】
スクリーン122は多層膜を含み、スクリーンの後方の防御を強化するのと同様に、飛翔体の跳ね返りを少なくするようにデザインされている。スクリーン122の第1或いは前面の層は、永久的な伸張/折りたたみと磨耗に耐えるために弾力性のある反射率の高いナイロンで形成されている。結果として、前面の層はプロジェクタ106によって投影される画像を映し出す優れたディスプレイ面124を提供する。スクリーン122の第2或いは中間の層は、やわらかく厚みのある材料で形成され、前面の層への伸張及び/又は損傷を抑制するために減少した弾性効果で飛翔体のエネルギーを吸収するようにデザインされている。スクリーン122の第3或いは裏側の層は、中間の層がエネルギーを転移できる頑丈で重みのある粗布(キャンバス)で形成される。裏側の層はまた、発射後の飛翔体が接触したときの中間層の過度の変形を抑える。結果として、飛翔体追跡装置102が壁面などの近くに設置されるならば、裏側の層が、壁面への損傷及び/又は著しい飛翔体のリバウンドを抑えるために、スクリーン122の後方の壁面を飛翔体の当たりから保護する。飛翔体追跡装置122の後方に空間が提供されるならば、裏側の層はその空間に対して十分に防護する。
【0023】
一組の高速デジタルカメラ128は、各カメラが枠部の別の上端角部に隣接して置かれている状態で枠部110内に取り付けられている。従って、カメラ128はプレイヤーの前であって予測される飛翔体通路の左側と右側に置かれている。カメラ128はまた、カメラの視野が一般に垂直であり、飛翔体の発射ポイントからスクリーン122へ広がる領域において重なるように、下方とプレイヤー位置に向けて傾けられている。このように、飛翔体の通路は、その発射ポイントからスクリーンに衝突するまで追跡され、その後、飛翔体はスクリーン122から跳ね返る。
【0024】
この実施例において、各デジタルカメラ128は少なくとも640×480ピクセルアレイを有し、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、高性能32ビットマイクロプロセッサ、及び高速メモリから成る組み込みの処理能力を具備している。カメラ128及びパーソナル・コンピュータ104を用いることにより達成される分散型処理能力は、カメラが、動きの早い飛翔体の多重画像が該飛翔体が飛翔体追跡領域120を移動するようにとらえる、非常に高いフレームレートで操作されるようにする。これは、カメラ128が、パーソナル・コンピュータ104と必要とされるカメラ128の間の過度の帯域幅なしで高速の飛翔体が追跡されることを検出する飛翔体の動作の画像に関するパーソナル・コンピュータ104に送信されたデータのみを必要とするという事実のためである。例えば、時速200マイル(321.868キロメートル)で飛翔体追跡領域120を移動する飛翔体の場合は、デジタルカメラ128のフレームレートは、飛翔体の少なくとも4画像が各デジタルカメラ128によってとらえられるように選択される。デジタルカメラ128の視角と枠部110の寸法は、1ピクセルあたり約1mmの分解精度を備えたデジタルカメラ128を提供するように選択される。結果として、ゴルフボールのような小さな飛翔体は、1画像あたり約12ピクセルを有効にする。この分解精度は、小さく、非常に高速で移動する発射後の飛翔体でさえ取得された画像を直ちに検出できるようにし、その結果、誤った飛翔体の検出を低減することができる。
【0025】
赤外線(IR)発光ダイオード(LED)アレイ(図示しない)はまた、側柱112内のデジタルカメラ128脇に配置される。IR LEDアレイの照射軸は、一般にカメラの光軸OAと一致している。各IR LEDアレイは、飛翔体追跡領域120に向けられるIR放射線を放射する。カメラ128は可視光と赤外光の両方に反応するので、バックグラウンドIR照明を提供することは、飛翔体追跡装置102を様々な周辺光条件において十分に機能させる。小型の動きの速い飛翔体が発射される状態において、IR照明は、スクリーン122に上演された表示画像の表示品位による妨害なしで飛翔体の検出を可能にする。
【0026】
オーディオスピーカー140は側柱112に取り付けられ、プレイヤー領域Aに向けて前方向に向けられている。オーディオスピーカー140は、枠部110に収容されるオーディオ・アンプ(図示しない)によって動かされる。オーディオ・アンプは、プレー中にコンピュータ104から放送のためにオーディオスピーカー140に伝達される音声入力を受信し、これによってスポーツ体験をいっそう良くすることができる。
【0027】
プロジェクタ106は、好ましくは、少なくとも800×600の解像度、少なくとも1200のANSIルーメンの明るさ、短焦点レンズ(short throw lens)、上下“キーストン”補正、及びデジタルRGBコンピュータ映像信号とNTSC/PALベースバンド・テレビ映像信号を受信する能力を有している。この一連の特徴を有するプロジェクタには、例えば、エプソン社のPowerlite 820P(品名)、東芝社のTDP-DI-US(品名)、InFocus社のLP650(品名)、及びサンヨー社のXP30(品名)がある。
【0028】
コンピュータ104は、好ましくは、インテル(Intel)社のPentium(登録商標)プロセッサ、少なくとも128MBのSDRAM、高速ハードドライブ、及びDVDプレーヤーを具備するIBM社の互換性パーソナル・コンピュータである。コンピュータ104はまた、3つのバッファに分割した再構成可能32ビットビデオメモリバッファを含んでいるディスプレー・アダプタ・アセンブリを具備している。バッファの1つは、スポーツシーンが表示されるのにふさわしいとき1以上の独立した前景動作要素を映し出す第1の前景画像データを記憶するために使用される。第2のバッファは、背景画像データを記憶するために使用され、第3のバッファは、飛翔体の軌道画像データを記憶するために使用される。ディスプレー・アダプタ・アセンブリは、プロジェクタ106に出力されるビデオ画像データを生成するために途切れなく合成されるオーバーレイ画像平面として前景動作、背景、及び飛翔体軌道の画像データを処理する。オーバーレイ画像平面は、前景動作要素及び/又は飛翔体が下張りの画像平面上に移動するとき下張りの画像平面を再描画する必要のないように非破壊的である。ピーク処理要件を減少するために、コンピュータ104は前景画像データほどではないが背景画像データを更新する。コンピュータ104は、出力ビデオ画像データをビデオ出力チャンネルのプロジェクタ106に提供する。コンピュータ104は、テレビ/衛星/ケーブルの入力チャンネル、テレビゲーム入力チャンネル、及びインターネット入力チャンネルで外部のビデオ画像を受信する。
【0029】
コンピュータ104は、コンピュータがプロジェクタ106、オーディオ・アンプ、及びデジタルカメラ128と接続可能とするための外付けのコネクタを有する保護囲い(図示しない)内に取り付けられる。該囲いはまた、コンピュータ104がテレビ/衛星/ケーブル、外付けテレビゲーム、及びインターネットの画像を受信できるように外付けのコネクタを具備している。入力コントロール機器はまた、プレイヤーがコンピュータ104と交信できるように囲いの上に備えられている。
【0030】
IEEE1394のような高速デジタルシリアルインターフェースが、コンピュータとカメラ128との間で使用される。この標準インターフェースを使用することは、高価なアナログフレーム取込み器の使用を避ける一方、低価格、高性能なソリューションを提供する。該インターフェースはまた、カメラ128が信号品位の損失なしにデイジーチェーンされるように配線を簡略にする。
【0031】
コンピュータ104は、SDRAMに記憶されたスポーツシミュレーションソフトウェアを実行する。この例において、スポーツシミュレーションソフトウェアは、プレイヤーがスクリーン122に表示される動画像列に対して飛翔体追跡装置102でゴルフボールGBを打つことを要求するゴルフシミュレーションモジュールを具備している。
【0032】
現実的なプレー体験を提供するために、ゴルフコース地形の高解像度の立面地図が使用される。コース地形の立面地図は、地表面から撮られたデジタル写真と併せて使用される頭上の衛星写真及び/又は航空写真を含む2次元画像の組み合わせから構成される。写真測量技術を使用して、これらの直交図は互いに組み合わされる。バンカー・エッジ、樹木などの画像の共通点を使用して、3次元モデルが目的の地形に適用される参照ターゲットを要求することなく合成される。
【0033】
2次元画像にゴルフコースを作図する間に、デジタルカメラ128に対するピンホールモデルが使用され、実在のポイントpが2次元画像平面においてポイントp´に描かれる。図6aは投影算出に使用されるカメラ座標系を示し、図6bは2次元画像においてゴルフコースに対象物を描くためのゴルフコース座標系と方程式を示す。これはゴルフコースに沿うゴルフボールの視覚的に現実的な軌道が映し出されるのを可能にする。
【0034】
デジタルカメラ128は、図7に示すように、格子パターンを用いて自動で校正される。該格子パターンは、調整されるカメラの視野においてランダム・パターンに動かされ、その後2つのカメラの重複領域に置かれる。校正されるカメラの外部にある追加カメラは必要ではない。格子パターンは、カメラモデルに対する本質的パラメータと付随的パラメータが算出されることを可能とし、それによりステレオビジョンを写し出して3次元空間における飛翔体の正確な追跡を可能にする。本質的なカメラパラメータは、焦点距離、ピクセル座標における画像中心の位置、有効なピクセルサイズ及びレンズの半径ひずみ係数を含むカメラの特性を指定するものである。付随的なカメラパラメータは、カメラと飛翔体追跡装置102との位置関係について説明し、カメラ基準座標系と飛翔体追跡装置の基準座標系の間の変換を指定する回転マトリクスと並進ベクトルを含んでいる。
【0035】
3次元位置Mとその画像投影mとの関係は、式m=A[Rt]Mで示され、ここで、Aはカメラの本質的マトリクスであり、(R,t)は飛翔体追跡装置座標系をカメラ座標系と関連付ける付随的パラメータである回転行列Rと並進ベクトルtである。
【0036】
カメラのレンズ歪みは4つの歪みパラメータを使用してモデル化され、うち2つは半径であり、2つは接線である。これらの歪みパラメータは、半径の歪みに対するk1とk2、及び接線の歪みに対するp1とp2による以下の方程式で表される。
【0037】
以下の方程式(数1)において、(x,y)は理想の(歪みのない)画像の物理的座標であり、

は実際の(歪んだ)画像の物理的座標である。:
【0038】
【数1】

【0039】
カメラ128が正しく校正された後、本質的及び付随的なパラメータマトリクスは識別され、3次元空間における各カメラ128で見つけられる2次元位置の変換によって生じる2つの線の交点を見つけ出すことにより、3次元位置変換が算出される。
【0040】
ゴルフシミュレーションモジュールの実行中、ゴルフはプレイヤーに現実的なスポーツ体験を提供しながらシミュレートされる。技能レベル、プレイヤーの好み及びモニターされる統計は、ゲームを行う前にプレイヤーによってセットされる。プレイヤーは、コンピュータ104、別のプレイヤー、又はインターネット接続上でのオンラインプレイヤーを相手にしてプレーするかどうかを選択することができる。練習プログラムの実行中、練習課題がシミュレートされる。もう一度、技能レベル、プレイヤーの好み及びモニターされる統計は、ゲーム練習を行う前にプレイヤーによってセットされる。訓練プログラムの実行中、訓練セッションがシミュレートされる。
【0041】
スポーツシミュレーションシステム100の初期設定と操作は、図8乃至図10をそれぞれ参照して説明される。スポーツシミュレーションシステム100に電源が入れられると(ステップ300)、コンピュータ104は環境を整え、プロジェクタ106、デジタルカメラ128及びオーディオ・アンプが適切に機能していることを確認するために一連のソフトウェア診断を行う(ステップ302)。それから、プレイヤーが入力映像ソースを選択可能とするメインメニュー400がコンピュータ104のディスプレイに表示される(ステップ304)。特に、メインメニューは、テレビ/衛星/ケーブルのオプション402、外付けテレビゲームオプション404、スポーツメニューオプション406、インターネットオプション408及びシステム・ユーティリティオプション410を含んでいる。オプション402、404及び408のうちの1つが選択されると、コンピュータ104によって受信された適切な入力ビデオ供給が、スクリーン122に表示するためにプロジェクタ106に出力されるビデオ画像データを生成するために使用される。
【0042】
その後、コンピュータ104は利用可能な操作モードを記載するゴルフメニューを表示する(ステップ308)。利用可能な操作モードは、訓練モード、実践モード、及び試合モードを含んでいる。コンピュータ104はまた、特性飛翔体サインをデジタルカメラ128のオンボード・プロセッサにダウンロードする。
【0043】
訓練モードが選択されると、コンピュータ104は訓練プログラムを実行する。訓練プログラムの実行中、訓練メニュー440がプレイヤーが訓練レッスンを選択できるように表示される(ステップ310)。訓練レッスンは、ゴルフの様々な要素を対象としており、プロゴルファーからの助言を提供するビデオクリップを含んでいる。一旦訓練レッスンが選択されると、訓練レッスンが開始する(ステップ312)。
【0044】
実践モードが選択されると、コンピュータ104は実践プログラムを実行する。実践プログラムの実行中、実践メニュー442がプレイヤーが実践セッションを選択できるように表示される(ステップ314)。実践セッションは、ゴルフに参加する実践課題に適用した技術者を含んでいる。一旦実践セッションが選択されると、実践中に維持される技術レベル、嗜好及び統計をセットする能力をプレイヤーに提供するセットアップメニュー344が表示される(ステップ316)。一旦実践セッションのセットアップが完了すると、選択した実践セッションが開始する(ステップ318)。
【0045】
試合モードが選択されると、コンピュータ104は試合プログラムを実行する。試合プログラムの実行中、ゲームメニュー450がプレイヤーが試合セッションを選択できるように表示される(ステップ320)。試合メニュー450は、プレーできる種々のゴルフコースのリストを表示する。一旦試合セッションが選択されると、試合中に維持される技術レベル、嗜好及び統計をセットする能力をプレイヤーに提供するセットアップメニュー452が表示される(ステップ322)。一旦試合セッションのセットアップが完了すると、選択したゲームが開始する(ステップ324)。
【0046】
訓練、実践又は試合の間、コンピュータ104は、プロジェクタ106が飛翔体を発射するターゲットを含むディスプレイ面に視覚的に明白な3次元スポーツシーンを描写する動画像列を投影させるようにビデオ画像データをプロジェクタ106に出力する(ステップ500)。コンピュータ104はまた、デジタルカメラ128が飛翔体抜きの飛翔体追跡領域120の背景画像をとらえるのを調整し(ステップ502)、それから、ほぼ360Hzのかなり高いフレームレートで発射後の飛翔体の存在を探索するために飛翔体追跡領域をスキャンする(ステップ504)。プレイヤーはその後、ゴルフボールGBをスクリーン122に向けて発射するよう指示される(ステップ506)。
【0047】
このステージにおいて、カメラ128は飛翔体の存在を検出するために画像を連続的にとらえて処理する。プレイヤーが飛翔体追跡装置102で飛翔体を発射し、該飛翔体が飛翔体追跡領域120に入るとき、飛翔体はデジタルカメラ128によってとらえられた画像に現れる。それゆえ、デジタルカメラ128は、飛翔体が飛翔体追跡領域120を移動するとき該飛翔体の一連の画像を同期して捕える(ステップ508)。画像がとらえられるので、デジタルカメラ128のオンボード・プロセッサは、それは動作検出アルゴリズムを実行するのだが、飛翔体が画像に存在しているかを決定し、そうだとすれば、飛翔体が飛翔体の特性サインを定義する指定された動作検出パラメータを満たすかどうか決定する。飛翔体の特性サインは、検出された飛翔体が問題の飛翔体、この場合は硬いゴルフボール、に適合する特性を有するのを確実にするために使用される。したがって、例えば、ゴルフクラブヘッドなどの画像に捕らえられた他の対象物と飛翔体を区別することができる。この実施例において、飛翔体の特性サインは差し支えのない飛翔体のサイズ、形状、反射率、および速度を指定する。
【0048】
検出された飛翔体が特性サインを満たすならば、画像はさらに各画像における飛翔体の重心と直交座標における位置を決定するために処理される。結果として、各デジタルカメラ128に対して飛翔体追跡領域120を移動する飛翔体の2次元位置に存在する一連の2次元直交座標が生成される。
【0049】
カメラ128によって生成された2次元直交座標は、順次コンピュータ104に伝達される。直交座標の受信後、コンピュータ104は、三角測量法を使用して、飛翔体がスクリーン122に衝突して跳ね返るのを含む、該飛翔体が飛翔体追跡領域120を移動している間の3次元空間における飛翔体の重心位置を算出する(ステップ520)。飛翔体が飛翔体追跡領域120を移動している間に識別される3次元空間における飛翔体の位置と共に、そしてデジタルカメラ128のフレームレートを識別しながら、コンピュータ104は飛翔体の発射速度と各画像フレーム上の飛翔体の速度を算出する(ステップ522)。コンピュータ104はその後、飛翔体の加速度を決定するために各算出した速度とあらかじめ算出した速度とを比較する(ステップ524)。コンピュータ104はまた、スクリーン122への飛翔体の衝突と跳ね返り角度に基づいて飛翔体の回転を算出する。
【0050】
識別された飛翔体の3次元位置、発射速度、加速度及び回転と共に、コンピュータ104は、曲がった及び/又は弧状を描く飛翔体の現実的なシミュレーションが生成されるように飛翔体の正確な軌道を推定する(ステップ526)。算出された飛翔体軌道はその後、算出された飛翔体の軌道と表示されたビデオ画像の交差位置を計算することによってスポーツ結果を決定するために使用される(ステップ528)。計算された飛翔体の軌道と決定されたスポーツ結果と共に、コンピュータ104は、スクリーン122のディスプレイ面124に表示された動画像列が飛翔体のシミュレーション飛行とスポーツ結果を示すように、プロジェクタ106に伝達される画像データを更新する(ステップ530)。
【0051】
動画像列表示をする間、飛翔体のシミュレーション飛行が示されるとき、スクリーン122の飛翔体の衝突位置からの飛行を開始する飛翔体のグラフィック複製が、スクリーン122のディスプレイ面124に投影される。このように、飛翔体はビデオシーンにおいて軌道が続くように現れ、それにより現実的なビデオ効果を達成する。3次元シーンはその後、試合や実践が続けられるようにスポーツ結果に応じて更新される。
【0052】
所望により、コンピュータ104は、各スポーツモジュールに関連するスポーツルール照会ライブラリ及び/又は統計ライブラリを記憶することができる。この場合、ライブラリは、プレイヤーに関連スポーツデータを提供するためにディスプレイ面124に現れるポップアップメニューを通じて試合中にアクセス可能である。
【0053】
スポーツシミュレーションシステム100は、スクリーン122と組み合わせる天井に取り付けたフロントプロジェクタ106を具備するとして詳述されたが、当業者は別の投影装置が使用できることを理解できる。例えば、リアビデオプロジェクタが表示スクリーン122の裏面に画像を投影するために使用できる。
【0054】
当業者は、飛翔体追跡装置102が、飛翔体追跡領域をとらえて発射後の飛翔体の存在を検出するために異なった位置における追加のカメラを具備できることを理解できる。当業者はまた、リアルタイムにおけるデジタルカメラ画像データの処理を有効に扱い、現実的な飛翔体のシミュレーションを提供するという要望どおりに処理ステージの数が増加又は減少できることを理解できる。
【0055】
飛翔体追跡装置はゴルフのシミュレーションに望まれている一方で、飛翔体追跡装置が飛翔体が発射される他のスポーツをシミュレートするのに使用できることが理解できる。そのような場合には、飛翔体の特性サインは、発射後の飛翔体が正確に追跡されるのを可能にするために更新される。
【0056】
本発明の好ましい実施形態を詳述したが、当業者は、付加クレームで定義される本発明の精神と範囲に反することなく種々変更できることを理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明によるスポーツシミュレーションシステムの斜視図を示す。
【図2】図1のスポーツシミュレーションシステムの側面図を示す。
【図3】図1のスポーツシミュレーションシステムの平面図を示す。
【図4】図1のスポーツシミュレーションシステムの一部を形成する飛翔体追跡装置の正面図を示す。
【図5】デジタルカメラを示す図4の飛翔体追跡装置の一部の部分拡大正面図を示す。
【図6a】遠近感の算出に使用されるカメラ座標システムを示す。
【図6b】2次元画像に対するゴルフコース上の対象物を描くために使用されるゴルフコース座標系と方程式を示す。
【図7】3次元空間で飛翔体の正確な追跡を提供するために立体映像がどのようにつくられるかを示すデジタルカメラ校正の間に使用される格子パターンを示す。
【図8】プレイヤーが図1のスポーツシミュレーションシステムと交信する間に実行されるステップを示すフローチャートを示す。
【図9】プレイヤーが図1のスポーツシミュレーションシステムと交信する間に実行されるステップを示すフローチャートを示す。
【図10】プレイヤーが図1のスポーツシミュレーションシステムと交信する間に実行されるステップを示すフローチャートを示す。
【符号の説明】
【0058】
100 スポーツシミュレーションシステム
102 飛翔体追跡装置
104 コンピュータ
106 プロジェクタ
110 枠部
112 側柱
114 クロスバー
120 飛翔体追跡領域
122 スクリーン
124 ディスプレイ面
128 カメラ
140 オーディオスピーカー
A プレイヤー領域
P プレイヤー
T ターゲット
GB ゴルフボール
OA 光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視覚的に明白な3次元スポーツシーンが映し出されるディスプレイ面と、該ディスプレイ面へ向けて飛翔体追跡領域を移動する発射後の飛翔体を検出するために、ディスプレイ面の前に配置される飛翔体追跡領域の画像をとらえる少なくとも1組のカメラ装置であって、各カメラ装置が発射後の飛翔体の存在を検出するために取得画像を処理する処理能力を具備する少なくとも1組のカメラ装置とを具備する飛翔体追跡装置と、
発射後の飛翔体が現れる画像に関する該カメラ装置からのデータを受信し、且つ視覚的に明白な3次元スポーツシーン中に発射後の飛翔体の軌道を算出するために使用される、該飛翔体追跡領域を移動する検出された飛翔体の3次元位置、減速度/速度、加速度及び回転を決定する少なくとも1つの処理ステージ
から成ることを特徴とするスポーツシミュレーションシステム
【請求項2】
前記少なくとも1つの処理ステージが、前記算出された軌道に追随する視覚的に明白な3次元スポーツシーン中に前記発射後の飛翔体のシミュレーションを含む更新画像データを生成するために、前記算出された軌道を使用することを特徴とする請求項1に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの処理ステージに連結する投射装置をさらに具備し、該投射装置は、該少なくとも1つの処理ステージから画像データを受信し、シミュレーションを含む視覚的に明白な3次元スポーツシーンをディスプレイ面に映し出すことを特徴とする請求項2に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項4】
前記視覚的に明白な3次元スポーツシーンは、背景画像に重ねられ及び移動可能な少なくとも1つの前景動作要素を含み、前記少なくとも1つの処理ステージは、該少なくとも1つの前景動作要素が前記発射後の飛翔体のシミュレーションに対応するように前記画像データを更新することを特徴とする請求項3に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項5】
前記飛翔体追跡装置は、枠部と該枠部の隣接して相対する上端角部に取り付けられる少なくとも1組のカメラ装置を具備し、該カメラ装置は、ディスプレイ面の下方、斜め及び前方を見る重複した視野を有し、且つ前記飛翔体追跡領域の画像をとらえることを特徴とする請求項3に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項6】
前記カメラ装置は、一般に、前記枠部の隣接して相対する上端角部からディスプレイ面の下方、斜め及び前方を見る垂直の視野を有していることを特徴とする請求項5に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項7】
各カメラ装置は、とらえた画像における飛翔体を検出するように飛翔体の特定サインに類似しているピクセルクラスターを検出するためにとらえた画像を調べることを特徴とする請求項3に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項8】
前記飛翔体の特性サインが、飛翔体のサイズ、形状、反射率及び速度のうちの1以上を規定することを特徴とする請求項7に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項9】
前記視覚的に明白な3次元スポーツシーンとシミュレーションに添えられる音声を放送するための音声システムをさらに具備することを特徴とする請求項3に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項10】
3次元スポーツシーンは、現実のスポーツ環境の地表面及び頭上の画像の組み合わせから作成されることを特徴とする請求項3に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項11】
前記頭上の画像は、衛星写真と航空写真のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項10に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項12】
処理中、各カメラ装置は、とらえた画像において発射後の飛翔体と他の対象物を区別するために飛翔体のサインを使用することを特徴とする請求項3に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項13】
前記飛翔体の特性サインが、飛翔体のサイズ、形状、反射率及び速度のうちの1以上を規定することを特徴とする請求項12に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項14】
視覚的に明白な3次元スポーツシーンを描写する動画像列が映し出されるディスプレイ面を囲う枠部;該枠部に取り付けられ、且つ一般的に垂直方向に重なるディスプレイ面の斜め及び前方を見て飛翔体追跡領域を取り囲む視野を有する少なくとも1組のデジタルカメラ装置であって、各デジタルカメラ装置が、飛翔体が飛翔体追跡領域を移動し該デジタルカメラ装置によって取得された画像にとらえられるとき、画像データを処理し、且つ2次元飛翔体座標を生成する第1プロセッサを具備する少なくとも1組のデジタルカメラ装置;及び、前記動画像列に添えられる音声を放送する音声システム、とを具備する飛翔体追跡装置と、
前記デジタルカメラ装置及び音声システムと通信するホストプロセッサであって、各第1プロセッサから受信した2次元飛翔体座標を用いて飛翔体の3次元軌道を算出し、算出された3次元軌道を含む画像データを出力するホストプロセッサ、及び
前記画像データを受信し、前記ディスプレイ面に算出された軌道のシミュレーションを含む動画像列を映し出す表示ユニット
から成ることを特徴とするスポーツシミュレーションシステム。
【請求項15】
前記視覚的に明白な3次元スポーツシーンは、背景画像に重ねられ及び移動可能な少なくとも1つの前景動作要素を含み、前記ホストプロセッサは、該少なくとも1つの前景動作要素が前記飛翔体の算出された軌道に対応するように前記画像データを更新することを特徴とする請求項14に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項16】
前記ホストプロセッサは、訓練モード、実践モード及び試合モードのうちの少なくとも2つを含むスポーツシミュレーションソフトウェアを実行し、動画像列が選択したモードと一致することを特徴とする請求項14に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項17】
各第1プロセッサは、とらえた画像における飛翔体を検出するように飛翔体の特定サインに類似しているピクセルクラスターを検出するためにとらえた画像を調べることを特徴とする請求項14に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項18】
前記飛翔体の特性サインが、飛翔体のサイズ、形状、反射率及び速度のうちの1以上を規定することを特徴とする請求項17に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項19】
前記枠部は矩形の範囲を囲み、前記デジタルカメラ装置は該枠部の相対する上端角部に配置されることを特徴とする請求項17に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項20】
前記動画像列の背景は、現実のスポーツ環境の地表面及び頭上の画像の組み合わせから作成されることを特徴とする請求項14に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項21】
前記頭上の画像は、衛星写真と航空写真のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項20に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項22】
処理中、各カメラ装置は、とらえた画像において発射後の飛翔体と他の対象物を区別するために飛翔体のサインを使用することを特徴とする請求項14に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項23】
前記飛翔体の特性サインが、飛翔体のサイズ、形状、反射率及び速度のうちの1以上を規定することを特徴とする請求項22に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項24】
ディスプレイ面の斜めと前方を見る重なる視野を有する少なくとも一組のデジタルカメラ装置と、
発射後の飛翔体が現れる画像に関する該カメラ装置からの画像データを処理し、且つディスプレイ面に向けて投影される視覚的に明白な3次元スポーツシーン中に該発射後の飛翔体の軌道を算出するために使用される、前記重なる視野を移動する検出された飛翔体の3次元位置、速度、加速度及び回転を決定する少なくとも1つの処理ステージと、及び
現実のスポーツ環境の画像から作成した3次元の地形モデルから作成した画像フレームを含む3次元スポーツシーンを、前記算出された軌道に追随する飛行体のシミュレーションを含むディスプレイ面に映し出す投影ユニット
から成ることを特徴とするスポーツシミュレーションシステム。
【請求項25】
前記3次元の地形モデルは、地表面及び頭上の画像の組み合わせから生成されることを特徴とする請求項24に記載のスポーツシミュレーションシステム。
【請求項26】
前記頭上の画像は、衛星写真と航空写真のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項25に記載のスポーツシミュレーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−38000(P2007−38000A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−207703(P2006−207703)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(506261305)インタラクティブ スポーツ テクノロジーズ インク (2)
【氏名又は名称原語表記】Interactive Sports Technologies Inc.
【Fターム(参考)】