説明

スロットマシン

【課題】 ボーナス図柄等の特定図柄に隣接して、同色、かつ、略矩形状のアシスト図柄を配置することで、リールの回転中において、初心者などが特定図柄を容易に識別できる。
【解決手段】 周面上に数種の図柄が表された複数のリール21を備えるスロットマシン1であって、複数の各リール21の少なくとも一つが、数種の図柄のうちに所定の入賞となる組合せをなす特定図柄40を備えるとともに、当該特定図柄に対応するアシスト図柄41を備え、アシスト図柄41が、対応する特定図柄40と同色に着色された略矩形状の外形を有するとともに、特定図柄40に隣接して配置された構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周面上に数種の図柄が表された複数のリールを備えるスロットマシンに関し、特に、回転中のリール上の特定の図柄を遊技者に識別し易くするスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スロットマシンは、遊技者が遊技媒体となる遊技用のメダル(コイン)や遊技球(パチンコ球)を投入してスタートレバーを押下することにより、外周面に所定の絵柄や数字、文字等の図柄を表示した複数のリール(通常3個のリール)が回転を開始し、定速回転後、任意のタイミングで停止ボタンが押されることでリールが停止し、停止したリールの図柄の配列に応じて所定数の遊技媒体が払い出される遊技機である。
このようなスロットマシンでは、通常、ゲームの面白さを増すために、複数のリールが一定の確率で自動的に制御されて、各リールに付された図柄が入賞ライン上で所定配列となるように停止する、所謂「内部抽せん」と呼ばれる入賞制御が行われる。
【0003】
この内部抽せんによる制御は、スタートレバーの押下によりゲームが開始されると、ゲーム1回毎にスロットマシン内部で自動的に内部当たりの抽せんが行われて当せん内容が決定され、その当せん内容に応じてリールの停止位置が制御されるものである。このような停止制御により、内部抽せんの結果ある内容に当せんすると、遊技者の停止ボタンを押すタイミングに拘わらず、一定範囲内で各リールに付された図柄がその当せん内容に応じた配列(入賞配列)となるように自動的に停止制御され(スベリ制御)、その入賞配列に応じた所定量の遊技媒体が払い出されるようになる。
より具体的には、内部抽せんの結果、ある入賞内容に当せんすると、回転する複数のリールは、一定範囲内(例えば、該当する図柄の位置から図柄5コマ分の範囲内)で、遊技者の停止ボタンを押すタイミングに拘わらず、図柄が所定の入賞ライン上でその当せん内容に応じた所定の入賞配列(例えば「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」等)となるように停止制御(入賞制御)される。
【0004】
そして、このようなリールの停止制御が行われることにより、各リールの停止ボタンの押下タイミングが、ある入賞内容の配列を構成する図柄(「7」、「BAR」等)を入賞ライン上で止めるタイミングからはずれたとしても、そのずれが一定範囲内(その図柄から5コマ等の範囲内)であれば、機械的制御によってその図柄が所定の入賞ライン上に位置するようにリールが停止され、所定の入賞配列が構成されることになる。このような停止制御により、遊技の巧拙等に拘わらず、遊技者が一定範囲内で停止ボタンを押下すれば、図柄が所定の入賞配列となるようにリールが自動的に停止されて、停止された入賞配列に応じて所定量の遊技媒体が払い出される。その結果、初心者や遊技に不慣れな者であっても、一定の確率で所定量の入賞遊技媒体を獲得できることになる。
【0005】
しかしながら、このような一定範囲内でリールが自動的に停止されるスベリ制御が作動したとしても、最終的な停止制御の決定は、遊技者による停止ボタンの操作タイミングに委ねられる。とくに多数の遊技媒体の獲得が保障されるビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)のボーナス役などの特定の入賞に当せんしている場合に、各ボーナス役に対応するボーナス図柄が前記一定の範囲内にない箇所で遊技者が停止ボタンを押下すると、既にボーナス役に当せんしているにも拘わらず、ボーナス図柄の配列が得られない。その結果、ボーナス役はその当せん内容が入賞するまで持ち越されるため、各々のボーナス図柄の配列が得られるまで、遊技者は遊技媒体を損失し続けることになってしまう。従って、遊技者は、この一定の範囲内にボーナス図柄が得られるように停止ボタンを押下する必要があり、このためには、遊技者が高速回転中のリール上の図柄を識別して、停止タイミングを計り、停止ボタンを押下するという一定の技量(所謂「目押し」)が必要である。
【0006】
そこで、これまでのスロットマシンでは、このように目押しが必要なBB図柄やRB図柄などのボーナス図柄を、リールの回転中でも他の図柄と識別できるように、例えば、ボーナス図柄以外の他の図柄に比して大きく表したり、BB図柄とRB図柄とで、形状や色彩を変えることによりBB図柄やRB図柄の判別が行い易くなるようにしてある。
しかしながら、初心者が、高速に回転しているリール上で、他の図柄とボーナス図柄、さらに各ボーナス図柄を識別して目押しすることは容易ではない。
また、リール上の図柄の大きさは、リール上に表される図柄の数により制限されるため、BB図柄やRB図柄といえども、表すことができる範囲は自ずと決められてしまい、初心者が識別できる十分な大きさまで拡大することはできなかった。
さらにボーナス役において、同一形状からなるボーナス図柄が複数存在するような場合(例えば、赤7と緑7)があり、各ボーナス図柄に見かけ上の差異を設けるため、異なる色彩に着色することが一般的に行われているが、識別因子として色の違いのみでは不十分であり、初心者が各々を確実に識別することは困難であった。
【0007】
また、このように目押しの技量は、上述のようなボーナス役の入賞に当せんしている場合に限らず、アシストタイム(AT)中などの遊技者に有利な特定の状態においても必要とされる場合がある。
遊技者に有利な特定の状態としては、例えば、次回の遊技に遊技メダルの投入を必要としない当せん役である再遊技(リプレイ)を頻出させて、遊技者の手持ちの遊技媒体の減少を抑制しつつ、大当たり発生の期待を持続させる所謂リプレイタイム(RT)、所定の小役当せんの発生をTV演出等により報知するとともに、遊技者にリールの押し順や、特定の図柄の目押しを指示することで、小役入賞の取りこぼしを防止し、遊技媒体を増加させる所謂アシストタイム(AT)、さらにこれらを組合せた所謂ARTなどがある。
【0008】
このような遊技者に有利となる特定の遊技状態のうち、例えば、ATやARTにおいては、遊技者に、報知する所定の小役当せんに対応する特定の図柄を目押しさせることで、遊技メダルを増加させるようになっている場合があり、目押しができないと、反対に遊技メダルが減少することとなってしまっていた。
その結果、初心者と熟練遊技者との獲得遊技メダル数の格差が増大し、初心者がスロットマシン遊技を十分に堪能できず、遊技の公平性を図れない事態が生じていた。
また、ATやARTは、長時間連続することもあり、このようなときには、熟練遊技者といえども、疲労により動体視力の低下を招き、確実な目押しができなくなるため、小役入賞を取りこぼすこともあり、ATやARTの遊技性を十分に享受しえないこともあった。
【0009】
このようにスロットマシン遊技において目押しは、欠かすことができない技量であるため、高速回転中のリール上の図柄を遊技者が識別し易くするために、従来より、リール上に表される図柄に対して種々の工夫がなされており、開示されている技術も少なくない。
例えば、特許文献1及び特許文献2においては、隣接する図柄を組合せることで、見かけ上1つの大きな図柄を形成する発明が開示されている。
このように、図柄の面積を見かけ上拡大することにより、高速回転中のリールにおいて、当該図柄の認識可能な時間が長くなるため、初心者でも識別することができるようになっている。
【0010】
【特許文献1】特開2000−308705号公報
【特許文献2】特開2002−102410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、以上のような特許文献1や特許文献2に提案されているような技術では、上述した従来の問題を十分には解消することはできなかった。
特許文献1と特許文献2に記載された発明では、リールが、縦方向に回動することを利用して、特定の図柄を隣接して組合せ、縦方向の長さを確保することで、当該図柄が遊技者の目に留まる時間を長く保ち、当該図柄の識別性を高めている。
しかしながら、リールの巾方向に関しては、図柄のデザインを優先すべく、図柄の巾を変化させており、例えば、隣接する図柄を組合せて丸形を表したり、隣接する図柄を組合せた外形が断続的に細くなったりしている。
その結果、いずれの発明においても、2つ以上の図柄領域を利用しているにも拘らず、デザイン性を喪失させないため、その有効面積を十分に利用しているものとはいえず、図柄の識別力を高める効果を十分に奏するまでには至らなかった。
また、丸形や外形が断続的に細くなることで、特定の図柄を挟む上下の他の図柄と連続的に繋がるように見えてしまい、特定の図柄とそれ以外の他の図柄との境界が不明確となるため、特定の図柄の見分けがつきにくくなり、識別力を低下させる要因となってしまっていた。
【0012】
さらに、スロットマシンの場合、通常、リールの停止図柄の組合せとして5ラインの入賞ラインを有し、各5つの入賞ライン上に、ボーナス図柄を3つ揃えることが、遊技者の楽しみの一つとなっている。
ところが、上述した特許文献1や特許文献2に記載の発明のように、隣接する図柄で1つの図柄を形成した場合、5ラインすべて有効とすると、例えば、上下の入賞ラインや斜めの入賞ラインなどでは、遊技者が停止した図柄を視認する表示窓より、形成された全体の図柄の一部が隠れた状態となってしまう事態が生じることとなる。
このため、ボーナス役に当せんした場合において、中央の入賞ラインのみ有効とすることで対処する以外手段がなく、5ラインをすべて有効とすることができなかった。
【0013】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、ボーナス図柄等の特定図柄に隣接して、同色、かつ、略矩形状のアシスト図柄を配置することで、リールの回転中において、初心者などが特定図柄を容易に識別できるスロットマシンの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明のスロットマシンは、請求項1に記載するように、周面上に数種の図柄が表された複数のリールを備えるスロットマシンであって、前記複数の各リールの少なくとも一つが、前記数種の図柄のうちに所定の入賞となる組合せをなす特定図柄を備えるとともに、当該特定図柄に対応するアシスト図柄を備え、前記アシスト図柄が、対応する特定図柄と同色に着色された略矩形状の外形を有するとともに、前記特定図柄に隣接して配置された構成としてある。
【0015】
このような構成からなる本発明のスロットマシンによれば、アシスト図柄が、特定図柄と同色に着色され、特定図柄に隣接して配置されているため、遊技者は、特定図柄とアシスト図柄が一塊の図柄として認識するとともに、アシスト図柄が略矩形状を有するがため、リールの回転中において、図柄の左右端におけるリールの巾方向の変位がなく、一定巾のラインが周期的に到来するように見え、一定巾のラインを有する同一色からなる一塊の図柄として、他の図柄と明確に識別することができる。
これにより、初心者を含む一般の遊技者が、リールの高速回転中に、特定図柄とアシスト図柄からなる一塊の図柄を目安にして、簡単に特定図柄を目押しすることができるため、遊技媒体の取りこぼしや無用な浪費を抑制することができる。
また、これによって初心者と熟練遊技者との技量の格差がなくなり、すべての遊技者が平等に遊技を楽しむことができる。
さらに、アシスト図柄は、特定図柄と対応関係をもって配置されているが、アシスト図柄の図柄自体は、特定図柄とは別個独立に設けられており、特定図柄とアシスト図柄を組合せて一の図柄を形成していないため、特定図柄単独の停止表示組合せで、入賞配列を構成することができ、前述した従来技術のように、停止表示される入賞ラインを減らす必要もなくなる。
【0016】
なお、本発明における特定図柄とは、内部抽せんにおいて所定の当せん役に当せんした場合に、目押しが必要となる図柄で、当該図柄を含む停止表示の組合せにより所定の入賞となり、遊技者に有利な状態に移行する契機となり得る図柄、例えば、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)のボーナス役などの特定の入賞に係る図柄(例えば、‘7’,‘BAR’)や、アシストタイム(AT)などの通常の遊技状態より遊技媒体の減少が抑制される遊技状態中に、スロットマシンが内部抽せんにおける当せん内容を報知し、遊技者に目押しを指示する小役入賞等に係る図柄などをいう。
また、アシスト図柄が設けられる特定図柄は、通常、リールの回動方向及び巾方向において、他の図柄に比して大きく表されている。
【0017】
また、本発明のスロットマシンは、請求項2に記載するように、前記アシスト図柄が、前記特定図柄の縦横の長さとほぼ等しい外形を有する構成とすることができる。
このような構成とすることにより、アシスト図柄が特定図柄と同色になることに加え、大きさがほぼ等しくなるため、遊技者は、アシスト図柄と特定図柄を一体の図柄として、識別するようになる。
また、特定図柄は、通常、他の図柄より、リールの回動方向や巾方向に大きく表されており、特に巾方向に関しては、リールの巾を最大限に利用すべく、図柄の左右端は、リール巾と同等で、かつ、直線的に表されているのが一般的である。
このような特定図柄に、同色、かつ、略矩形状で、同等の大きさを有するアシスト図柄が隣接して配置されることとなるため、遊技者は、この特定図柄とアシスト図柄を複数の図柄領域を最大限に占める一塊の略矩形状の図柄と見なすことができるため、他の図柄と明確に識別することができ、リールの高速回転中にこの塊を狙って容易に目押しをすることができる。
【0018】
また、本発明のスロットマシンは、請求項3に記載するように、前記特定図柄が、一のリール上に複数配置されるとともに、各特定図柄が、異なる色に着色されている場合において、前記アシスト図柄が、前記各特定図柄に対応して同色に着色されて設けられた構成とすることができる。
このような構成とすることにより、異なる色に着色されている複数の特定図柄が、一のリール上に配置されている場合でも、色分けされた特定図柄とアシスト図柄からなる一塊の図柄を目安にして、簡単に各特定図柄を識別することができる。
【0019】
通常、スロットマシンでは、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)のボーナス役など遊技者に有利となる複数の遊技状態が設けられており、これに対応して、各ボーナス役の入賞を成立させるために停止表示される図柄の組合せも異なるようになっている。
例えば、ボーナス役毎に、停止表示の際の組合せを構成する図柄自体の形状を違えている場合や、同一形状からなる図柄でも、色の組合せを違えることで停止表示される図柄の組合せが異なるようにしている場合がある。
また、ボーナス役の停止表示の組合せを構成する一部の図柄(例えば、左リールが‘7’)を所定の小役入賞が成立する図柄の組合せの図柄の一部に兼用し、前述したアシストタイム(AT)やアシストタイムとリプレイタイムを組合せたART中に、スロットマシンが、所定の小役当せんを遊技者に報知し、遊技者に目押しをさせる図柄とする場合もある。
【0020】
いずれにしても、遊技者が目押しを必要とする特定図柄が複数存在する場合、各々の特定図柄と、対応して設けられたアシスト図柄とが、色分けされていれば、同色の特定図柄とアシスト図柄は、一塊の図柄として見なされるため、狙った特定図柄を確実に目押しすることができる。
さらに、アシストタイム(AT)やアシストタイムとリプレイタイムを組合せたARTが長時間に亘って継続する場合においても、目押しをさせる所定の小役入賞に係る特定図柄にアシスト図柄が隣接して配置されるため、疲労により動体視力が低下した場合でも、報知された当該小役入賞に係る特定図柄を容易に目押しすることができる。
【0021】
また、本発明のスロットマシンは、請求項4に記載するように、前記アシスト図柄が、当該アシスト図柄の彩色より濃色、かつ、リールの回動方向に沿った線模様を有する構成とすることができる。
このような構成とすることで、上述した特定図柄と同色、かつ、略矩形状の外形に加え、当該アシスト図柄の彩色より濃色、かつ、リールの回動方向に沿った線模様を有するため、アシスト図柄をさらに明確に識別することができる。
特に、線模様が、アシスト図柄の彩色より濃色に表されることで、当該模様が、濃く際立つとともに、リールの回動方向に沿った線状にすることにより、リールの回転により一定の長さのラインが周期的に到来するように見え、アシスト図柄を容易に識別することができる。
【0022】
また、本発明のスロットマシンは、請求項5に記載するように、各々異なる色に着色された複数の前記特定図柄と当該各特定図柄に対応する前記アシスト図柄が一のリール上に配置される場合において、前記各アシスト図柄の一部又は全部が、各々異なる位置に、前記線模様を有する構成とすることができる。
このような構成とすることで、アシスト図柄が、一のリール上に複数配置される場合において、各アシスト図柄の色の違いに加え、位置の異なる濃色の線模様を有するため、各アシスト図柄の違いを明確にすることができる。
具体的には、線模様が、互いに位置の異なるリールの回動方向に沿った線状にすることにより、リールの回転により左右に移動するラインが周期的に到来するように見え、各アシスト図柄の違いを識別できる。
これにより、色分けされた特定図柄とアシスト図柄からなる一塊の図柄と、当該アシスト図柄が有する線模様とを目安にして、簡単に各特定図柄を識別することができる。
【0023】
また、本発明のスロットマシンは、請求項6に記載するように、前記線模様が、前記アシスト図柄の縦辺近傍に表された構成とすることができる。
このような構成とすることにより、アシスト図柄の左又は右の最も張り出した部位に、線模様が表されるため、遊技者は、左又は右の縦辺を注視するだけで、各アシスト図柄を識別できる。
また、左と右の2箇所に線模様を表すことができるため、一のリール上に複数配置される場合、少なくとも2種類のアシスト図柄の識別が容易となる。
【0024】
また、本発明のスロットマシンは、請求項7に記載するように、前記線模様が、黒色に着色された構成とすることができる。
このような構成とすることにより、リール上に配置された図柄は、鮮やかな色に配色されたものが多く、これらの色彩の中で、黒色に着色することで、線模様が、さらに際立つこととなり、アシスト図柄の識別力を高めることができる。
【0025】
また、本発明のスロットマシンは、請求項8に記載するように、前記特定図柄が、当該特定図柄に対応するアシスト図柄が有する前記線模様と色彩及び巾が同等な線模様を有し、当該線模様が、当該アシスト図柄が有する線模様と同等な位置に表された構成とすることができる。
このような構成とすることにより、特定図柄にも対応するアシスト図柄と同等な線模様を有することで、リールの回転中において、アシスト図柄が有する線模様と特定図柄が有する線模様が、連続して連なるように見えるため、リールの周回時間において、遊技者が、連なった線模様を長い期間目視することができるようになり、この連なった線模様を目安にして容易に目押しをすることができる。
【0026】
また、本発明のスロットマシンは、請求項9に記載するように、前記アシスト図柄が、当該アシスト図柄に対応する特定図柄の下側に隣接して配置された構成とすることができる。
このような構成とすることにより、通常スロットマシンでは、リールが、上から下方向に回動するため、アシスト図柄が、対応する特定図柄の下側に隣接して配置されることで、このような回動方向に対してアシスト図柄が最初に現れることになる。
その結果、遊技者は、最初に現れた略矩形状からなるアシスト図柄を目安とすることができ、容易に目押しをすることができる。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、本発明のスロットマシンによれば、ボーナス図柄等の特定図柄に隣接して、同色、かつ、略矩形状のアシスト図柄を配置することで、リールの回転中において、初心者などが特定図柄を容易に識別できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係るスロットマシンの好ましい実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
[第一実施形態]
ここで、以下の実施形態を示す本発明のスロットマシンは、プログラムに制御されたコンピュータにより動作するようになっている。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、所定の処理、例えば、リールの回転開始処理,リールの停止制御処理,内部当たりの抽せん処理等を行わせる。このように、本発明にかかるスロットマシンにおける各処理,動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現されるものである。なお、プログラムは予めROM等の記録媒体に格納され、コンピュータに実装された記録媒体から当該コンピュータにプログラムを読み込ませて実行されるが、例えば通信回線を介してコンピュータに読み込ませることもできる。また、プログラムを格納する記録媒体は、例えば半導体メモリ,磁気ディスク,光ディスク,その他コンピュータで読み取り可能な任意の記録手段により構成できる。
【0029】
[スロットマシン本体]
まず、図1、図2を参照して、本発明の一実施形態に係るスロットマシン本体の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るスロットマシンを示す概略正面図であり、図2は、同じく本実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図である。
これらの図に示すように、本実施形態のスロットマシンは、従来のスロットマシンと同様にスロットマシン1に備えられた複数のリール21a,21b,21cを回転させることによって入賞遊技媒体を獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
そして、本実施形態のスロットマシンでは、各リール21の周面上の表示された図柄のうち特定図柄(「7」)に隣接して、同色、かつ、略矩形状のアシスト図柄を配置することで、リールの回転中において、初心者などが特定図柄を容易に識別できるようになっている。
【0030】
具体的には、スロットマシン1は、内部にマイクロコンピュータ等で構成された制御部10及び必要な機械、装置等を収納可能な筐体に構成されており、筐体の前面側が前扉1aによって開閉可能に覆われている。
前扉1aは、図1及び図2に示すように、スロットマシン1の筐体にヒンジ等を介して開閉自在に取り付けられる扉体で、この前扉1aに前面パネル2とその他各部が備えられてスロットマシン1の正面部を構成している。
【0031】
前扉1aの最上部には、表示器Lが備えられている。
表示器Lは、点灯・点滅するランプや液晶表示装置等からなる表示手段であり、ボーナスゲーム等の当せん時や各種入賞役の当せん時や入賞時,遊技媒体の払出時等に、ランプが点灯・点滅したり、液晶表示装置に演出画像(動画及び静止画像を含む)が表示されることによって予告報知等を含む所定の演出が行われるようになっている。
例えば、予告報知では、ボーナス役の当せんの報知のみならず、前述したアシストタイム(AT)やアシストタイムとリプレイタイムを組合せたART中などに、所定の小役当せんを遊技者に報知し、遊技者に目押しをさせる演出(左リールに‘赤7’を狙わせる等)を行うこともできるようになっている。
この表示器Lによる演出は、後述するスピーカ9からの音による演出と連動して、又はスピーカ9による音による演出とは独立して行われるようになっている。
この表示器Lは、制御部10に備えられる表示器駆動回路18によって駆動制御される(図4参照)。
【0032】
前面パネル2には、ほぼ中央部分に表示窓3が設けられ、筐体内の各リール21a〜21cが外部から視認可能となっている。表示窓3は、スロットマシン1内部に配設された三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21c(図2参照)の視認用の窓部で、通常、無色透明又は有色透明な樹脂製パネル等からなり、三つの各リール21の周囲に描かれた複数の図柄のうち、縦方向に連続して隣接する複数(通常三つ)の図柄をそれぞれ視認、識別できるようになっている。
この表示窓3には、通常、入賞ラインが設定・表示されており(図示省略)、メダルの賭け数に応じて所定の入賞ラインが決定され、入賞ラインに沿って停止、配列されたリール21a〜21cの図柄の組合せによって、ゲームの入賞が決定されるようになっている。
本発明に係る特定図柄に隣接して配置されたアシスト図柄は、この表示窓3を通して視認され、リール21が回転中でも、特定図柄とアシスト図柄を一塊の図柄として識別されるようになっている。
【0033】
前面パネル2の表示窓3の下側には、内部当たり告知部2aと、クレジット表示部2bと、状態表示部2cと、ペイアウト表示部2dとが備えられている。
内部当たり告知部2aは、スロットマシン1の制御部10における内部抽せんの結果、所定の大当たりに当せんした場合に点灯又は点滅するランプと、ランプの光によって絵柄等を透過表示させる透光表示部とを有している。
クレジット表示部2b,状態表示部2c及びペイアウト表示部2dは、それぞれ7セグメントLED等からなり、所定の数値が表示されるようになっている。
すなわち、クレジット表示部2bは、貯留メダル数が表示され、状態表示部2cは、特定遊技状態中のメダルの払出総数や消化ゲーム数が表示され、ペイアウト表示部2dは、通常遊技や特定遊技における各入賞払出時の払出数が表示される。これら内部当たり告知部2aと、クレジット表示部2bと、状態表示部2cと、ペイアウト表示部2dの各表示部は、制御部10に備えられた表示駆動回路16によって駆動制御される(図4参照)。
【0034】
前面パネル2の下側の前扉1aのほぼ中央部分には、スタートレバー4,停止ボタン5,メダル投入口6,精算ボタン6b,BETボタン7等の遊技者が操作するためのボタン類が備えられている。
スタートレバー4は、三つの各リール21の回転を開始させるゲームスタート手段であり、このスタートレバー4が遊技者の操作によって押下されることで、制御部10にスタート信号が出力され(図4参照)、本体内部の各リール21a〜21cが一斉に(又は順次)回転するようになっている。
また、このスタートレバー4の押下によりスタート信号が入力されることで、制御部10において内部抽せんが行われる。
【0035】
停止ボタン5は、回転するリール21を停止させる停止手段であり、三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21cに対応して設けられた三つの停止ボタン(左)5a,停止ボタン(中)5b,停止ボタン(右)5cが備えられている。この各停止ボタン5a,5b,5cが遊技者の任意のタイミングで押下されることで、制御部10にストップ信号が出力され(図4参照)、対応する各リール21a,21b,21cの回転が停止されるようになっている。
リール21上に表された特定図柄も、遊技者が、停止ボタン5a,5b,5cを適切なタイミングで押下する所謂目押しを行うことで、停止表示させることができる。例えば、前述した表示器Lなどにおいて、リール21上に停止表示される組合せを構成する図柄に、特定図柄を含む所定の当せん役の当せんが予告報知された際に、遊技者が、該当する特定図柄とアシスト図柄を一塊の図柄として識別し、該当する一塊の図柄が前述の表示窓3に到来するタイミングで、停止ボタン5a,5b,5cを押下することで、特定図柄を停止表示させることができる。
このように、遊技者がこれらスタートレバー4及び停止ボタン5を操作することにより、三つのリール21a〜21cを回転及び停止させて、各リール21a〜21cに付された図柄を所定の入賞配列となるように揃えるスロットマシン遊技を行うことができるようになっている。
【0036】
メダル投入口6は、ゲームに使用される遊技媒体となるメダルの受け入れ口であり、このメダル投入口6から投入されたメダル数に応じてゲームを行えるようになっている。メダル投入口6の本体内部側には、図2に示すようにメダルセレクタ6aが備えられ、投入されたメダル数がカウントされ、そのメダル数を示すメダル信号が、本体内部の制御部10に出力されるようになっている。これにより、メダル投入口6からメダルが1枚投入されれば1枚賭けのゲーム、2枚投入されれば2枚賭けのゲーム、3枚投入されれば3枚賭け(MAXBET)のゲームが行えるようになる。
【0037】
また、メダル投入口6から投入されるメダル数は、貯留メダル数として制御部10内のRAM12に記憶されるようになっており(図4参照)、遊技の開始に先立って、予め複数のメダルを投入し、貯留メダルとして貯留、記憶できるようになっている。
具体的には、メダルが3枚投入されている状態で、さらにメダル投入口6からメダルが投入されると、4枚目以降のメダルは貯留メダルとして、所定数(例えば、最大50枚)が貯留、記憶される。また、入賞払出があった場合、貯留メダルの最大数までは、入賞メダルは貯留メダルとして貯留される。貯留メダル数は前面パネル2のクレジット表示部2bに数値として表示される。
【0038】
精算ボタン6bは、遊技の終了時等に貯留メダルを精算するためのスイッチである。
この精算ボタン6bが押下されることで、貯留メダル分のメダルがメダル払出装置30から遊技メダル払出口8に排出され、RAM12に記憶された貯留メダル数のデータも消去される。
また、貯留メダルが精算されることでクレジット表示部2bの数値もゼロ表示となる。
【0039】
メダルのBETボタン(投入ボタン)7は、メダル投入口6から投入されたメダルに貯留メダルがある場合に、その貯留メダルの中からゲームに使用する(賭ける)メダルを投入(BET)するメダル投入用のスイッチである。
具体的には、一回の押下によって一ゲームに投入可能な最大数のメダル(通常3枚)を貯留メダルから投入する3枚賭け用のMAXBETボタン7aと、一回の押下で1枚のメダルを貯留メダルから投入する1枚賭け用の1BETボタン7bとが備えられている。1BETボタン7bは一回押下するたびに1枚賭け、2枚賭け、3枚賭けとBET数が増加するようになっている。
【0040】
このBETボタン7が押下されると、メダル信号が制御部10に出力され(図4参照)、押下された回数と同数のメダルが、RAM12に記憶された貯留メダルからゲームに投入されることになる。
なお、貯留メダルが投入されると、メモリの貯留メダル数が投入数だけ減算され、クレジット表示部2bの表示数値の投入数だけ減ることになる。
【0041】
スロットマシン1の最下部には、遊技メダル払出口8が、また最上部にはスピーカ9が備えられている。
遊技メダル払出口8は、停止ボタン5の押下によって停止されたリール21が所定の入賞配列となった場合に、筐体内のメダル払出装置30から排出される入賞配列に応じた数量の入賞メダルが払い出されるようになっている。払い出されたメダル数は、リールの表示窓3の下側にある状態表示部を構成するペイアウト表示部2dに表示される。
【0042】
スピーカ9は、遊技者に対してメロディ音やメッセージ音等の各種の音声を発生するようになっており、このスピーカ9を介して、上述した表示器Lとともに、又は表示器Lと別個に、音による所定の演出が行われるようになっている。
例えば、制御部10で内部抽せんが行われ、所定の大当たりや小役に当せんした場合や、入賞図柄が揃って大当たりや小役に入賞した場合等に、スピーカ9から所定の演出音声や内部当たりを告知する音声等が発せられるようになっている。
このスピーカ9から発生される音声は、制御部10に備えられるサウンド回路17に生成・出力される(図4参照)。
【0043】
スロットマシン1の筐体内部には、図2に示すように、三個のリール21a〜21cを回転及び停止駆動するドラムユニット20や、メダルを払い出すメダル払出装置30、その他の機械,装置等が備えられている。
ドラムユニット20は、三つのリール21a,21b,21cと、三つのリール21a〜21cを回転自在に保持し、各リール21a〜21cに対応するステッピングモータ23a〜23cを回転駆動することで各リール21a〜21cの回転の始動,定速回転及び停止の制御を行うモータ駆動回路22と、停止された各リール21a〜21cの停止位置を検出して位置信号を制御部10に出力する回胴位置検出部24を備えている(図4参照)。
【0044】
リール21は、既存のスロットマシンにおけるものと同様、外周に複数(通常21個)の絵柄や文字等の図柄が描かれた円筒状部分からなり、縦方向(図面上下方向)に回転する三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21cが横方向(図面左右方向)に一列に並んで配設される(図2参照)。
各リール21a〜21cに備えられる図柄は、図3に示すように、リール毎に等間隔で配設され、例えば「7」や「ベル」,「チェリー」,「リプレイ」等の絵柄や文字が、所定の順番で表示されており、通常、各リールに21個ずつの図柄が表示されるようになっている。これらのリール21a〜21cの図柄が、対応する停止ボタン5a〜5cが押下操作されることで、上述した表示窓3の入賞ラインに沿って所定の組合せで停止されることで入賞が決定される。
【0045】
なお、本実施形態のスロットマシンでは、所定のボーナス役に入賞する停止図柄の組合せを構成する特定図柄として、色彩の異なる「7」が3種類存在する。
これらの特定図柄は、同色又は、色彩の異なる「7・7・7」の組合せで停止表示されることにより、ボーナス入賞となり、遊技者に有利な遊技状態に移行するようになっている。
さらに、リール21aの各色の「7」とリール21b,21cの「リプレイ」の組合せで停止表示されることにより、所定枚数の払出が得られる小役入賞となるようになっている。
そしてこれらの各特定図柄の下側には、各特定図柄と同色、かつ、略矩形状を有するアシスト図柄が配置されており、リールの回転中において、特定図柄とアシスト図柄を一塊の図柄と見なされることで、初心者などが特定図柄を容易に識別できるようになっている。
このアシスト図柄については、後に詳述する(図5,図6参照)。
【0046】
この三つのリール21a〜21cは、制御部10とドラムユニット20のモータ駆動回路22及び回胴位置検出部24によって駆動制御及び停止制御される。
ドラムユニット20では、三つのリール21a〜21cは対応する三つのステッピングモータ23a〜23cによってそれぞれ回転自在に保持されており、スタートレバー4及び停止ボタン5a〜5cが押下操作されることで、モータ駆動回路22が制御部10からパルス(駆動)信号を入力してステッピングモータ23a〜23cを駆動して(図4参照)、対応するリール21a〜21cの回転始動、定速回転及び停止の制御が行われる。
【0047】
そして、制御部10で行われる内部抽せんの結果に応じてリール21の停止位置が制御されて、遊技者の停止ボタン5を押すタイミングに拘わらず、すなわち、各停止ボタン5a〜5cの押下タイミングがずれても、一定の停止制御範囲内(通常、図柄5コマの範囲内)で、対応する図柄が入賞ライン上に停止するように、リール21が停止制御されることになる。
【0048】
[アシスト図柄]
次に、本実施形態に係るリール周面上の3種類の各特定図柄に隣接して配置される、各特定図柄と同色、かつ、略矩形状のアシスト図柄について説明する。
図5は、本実施形態に係るスロットマシンの特定図柄とアシスト図柄を示す図である。
上述したように、本実施形態では、目押しを必要とする特定図柄40として、ボーナス入賞及び所定の小役入賞となる組合せを構成する色彩の異なる「7」が3種類存在する。本発明に係るアシスト図柄は、これらの特定図柄に隣接して配置され、各特定図柄と縦横の長さとほぼ等しい外形を有するとともに、同色、かつ、略矩形状に表されている。
【0049】
図3に示すように、本実施形態に係る特定図柄40の「7」は、他の図柄より、リール21の回動方向や巾方向に大きく表されており、特に巾方向に関しては、リールの巾を最大限に利用すべく、図柄の左右端は、リール巾と同等で、かつ、直線的に表されている。
また、図5(a)〜(c)に示す例では、各特定図柄40の「7」は、色彩も鮮やかな単色で着色されており、図5(a)は、赤色、図5(b)は、黄色、図5(c)は、緑色に色分けされている。
なお、図3における左・中・右リールの図柄番号20,19の図柄は、図5(a)の図柄と同等であり、左リールの図柄番号13,12及び中リールの図柄番号4,3の図柄は、図5(b)の図柄と同等である。また、左リールの図柄番号6,5及び中リールの図柄番号12,11の図柄は、図5(c)の図柄と同等となっている。
【0050】
これらの図に示すように、各アシスト図柄41は、リール21上において、各特定図柄40の下側に隣接して設けられているとともに、外形は、略矩形状で、各特定図柄40の縦横の長さとほぼ等しくなるように表されている。
また、各アシスト図柄41は、各特定図柄40の色と対応して同色に着色されており、図5の例では、図5(a)は、赤色、図5(b)は、黄色、図5(c)は、緑色に色分けされている。
【0051】
このように各アシスト図柄41が、各特定図柄40と同色に着色され、特定図柄40の下側に隣接して、配置されているため、遊技者は、特定図柄40とアシスト図柄41が一塊の図柄として認識されるとともに、アシスト図柄41が略矩形状を有するがため、リール21の回転中において、アシスト図柄41の左右端におけるリール21の巾方向の変位がなく、一定巾のラインが周期的に到来するように見え、一定巾のラインを有する同一色からなる一塊の図柄として、特定図柄以外の他の図柄と明確に識別することができる。
【0052】
さらに、特定図柄40とアシスト図柄41が、他の図柄より、リール21の回転方向及び巾方向に最大限に大きく表されており、特にアシスト図柄41が略矩形状に表されることで、図柄領域の有効面積を十分に活用することができ、特定図柄40とアシスト図柄41が複数の図柄領域を最大限に占める一塊の略矩形状の図柄として、遊技者の目に留まり、識別力をさらに向上させることができる。
【0053】
また、図柄の巾方向の長さに関しては、特定図柄40とアシスト図柄41がリールの巾を最大限に利用して表されており、他の図柄の巾方向の長さと大きく異なっているため、特定図柄40とアシスト図柄41を挟む上下の他の図柄との連続性が断絶され、特定図柄40及びアシスト図柄41とそれ以外の他の図柄との境界が明確となり、特定図柄40が容易に見分けられるようになっている。
【0054】
また、アシスト図柄41が、特定図柄40の下側に隣接して配置されることで、通常、スロットマシンでは、リールが、上から下方向に回動するため、このような回動方向に対してアシスト図柄41が最初に現れることになる。
その結果、遊技者は、最初に現れた略矩形状からなるアシスト図柄41を目安とすることができ、これを目安にして容易に特定図柄40を目押しすることができる。
【0055】
さらに、3種類の各特定図柄40と対応するアシスト図柄41が3色で色分けされているため、同色からなる特定図柄40とアシスト図柄41を一塊の図柄として識別することができる。
これにより、3色各々の特定図柄40を見分けることができ、各リールが高速回転中においても、リール(左)21a上に「赤7」(特定図柄40a)、「黄7」(特定図柄40b)、「緑7」(特定図柄40c)を容易に識別できるとともに、リール(中)21b上に「赤7」(特定図柄40a)、「黄7」(特定図柄40b)、「緑7」(特定図柄40c)を識別することができる。
【0056】
その結果、内部抽せんにより所定のボーナス役に当せんした場合に、例えば、「赤7・赤7・赤7」の停止表示の組合せが得られるように、リールが高速回転中に、各リール上に「赤7」特定図柄40aと赤色のアシスト図柄41aの一塊の図柄が表示窓3に出現するタイミングで各停止ボタン5を押下することで、前述したリールの停止制御(スベリ制御)も作用し、容易に「赤7・赤7・赤7」を停止表示させることができる。
同様に、例えば、スロットマシン1が、前述したアシストタイム(AT)やアシストタイムとリプレイタイムを組合せたART中などにおいて、表示器Lなどで、左リール21a上に「緑7」特定図柄40cを含む小役の当せんが予告報知された際に、左リール21a上に「緑7」特定図柄40cとアシスト図柄41cの一塊の図柄が表示窓3に出現するタイミングで停止ボタン5aを押下することで、所望する小役入賞で容易に停止表示させることもできる。
これにより、アシストタイム(AT)やアシストタイムとリプレイタイムを組合せたARTが長時間に亘って継続する場合でも、疲労による動体視力の低下から生じる小役の取りこぼしも防止できる。
【0057】
また、本実施形態では、アシスト図柄41が、各々異なる位置に、当該アシスト図柄の彩色より濃色の黒色、かつ、リールの回動方向に沿った線模様411を有している。
図5の例では、線模様411は、図5(a)は、線模様無し、図5(b)は、右縦辺、図5(c)は、左縦辺に表されている。
図5(b)と図5(c)の線模様411a,411bは、特に図示はしないが、グラデーション状に配色され、アシスト図柄41b,41cの中央に向かうにしたがって、淡色になるようになっている。
【0058】
このように、各アシスト図柄の色の違いに加え、線模様411の有無による違いや、線模様411を有する場合においては、各線模様411が異なる位置に表させることによる違いにより、各アシスト図柄41を明確に識別することができる。
特に、線模様411を有する場合においては、線模様411が、アシスト図柄41の彩色より濃色の黒色に表されることで、当該線模様411が、鮮やかな色彩で彩られたアシスト図柄41b,41cの基色(黄,緑)に対して濃く際立つとともに、互いに位置の異なるリール21の回動方向に沿った線状にすることにより、リールの回転により左右に移動するラインが周期的に到来するように見え、各アシスト図柄41b,41cの違いを識別できる。
このようにすることで、色分けされた特定図柄40とアシスト図柄41からなる一塊の図柄と、線模様411の有無や線模様411の位置の違いを目安にして、簡単に各特定図柄40を識別することができる。
【0059】
さらに、図5(b)と図5(c)の線模様411a,411bは、アシスト図柄41の縦辺に表されている。
これにより、アシスト図柄41の左又は右の最も張り出した部位に、線模様が表されるため、遊技者は、左又は右の縦辺を注視するだけで、アシスト図柄41b,41cを識別できる。
なお、本発明の線模様は、単なる縦線に限られず、遊技者が、リールの回動方向に沿って、線状に認識できる模様であれば足りる。
【0060】
以上説明したように、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、アシスト図柄が、特定図柄と同色に着色され特定図柄に隣接して、配置されているため、遊技者は、特定図柄とアシスト図柄が一塊の図柄として認識するとともに、アシスト図柄が略矩形状を有するがため、リールの回転中において、図柄の左右端におけるリールの巾方向の変位がなく、一定巾のラインが周期的に到来するように見え、一定巾のラインを有する同一色からなる一塊の図柄として、他の図柄と明確に識別することができる。
これにより、初心者を含む一般の遊技者が、リールの高速回転中に、特定図柄とアシスト図柄からなる一塊の図柄を目安にして、簡単に特定図柄を目押しすることができるため、遊技媒体の取りこぼしや無用な浪費を抑制することができる。
また、初心者と熟練遊技者との技量の格差がなくなり、すべての遊技者が平等に遊技を楽しむことができる。
なお、本実施形態では、アシスト図柄を特定図柄の下側に隣接させて配置したが、特定図柄の上側に隣接させて配置することもできる。
また、アシスト図柄を特定図柄の上下に挟むように配置することもできる。
【0061】
[第二実施形態]
次に、本発明に係るスロットマシンの第二実施形態について、図6を参照しつつ説明する。
図6は、本実施形態にかかるスロットマシンの特定図柄とアシスト図柄を示す図である。
同図に示す本実施形態は、上述した第一実施形態の変形実施形態であり、図5において各特定図柄40に線模様を有する構成としたものである。従って、その他の構成部分は、第一実施形態と同様となっており、同様の構成部分については、図中で第一実施形態と同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0062】
図6(a)は、図5(a)における特定図柄40aとアシスト図柄41aの各々中央に線模様401a及び線模様411cを表した図であり、図6(b)は、図5(b)において、特定図柄40bの右端側に線模様401bを表した図である。図6(c)も同様に、図5(c)において、特定図柄40cの左端側に線模様401cを表した図である。
このように、アシスト図柄41のみならず特定図柄40にもアシスト図柄41に表された線模様411と同色(黒色)及び同等の巾、かつ、同位置に線模様401を表すことで、リール21の回転中において、アシスト図柄41の線模様411と特定図柄40の線模様401が、連続して連なるように見える。
これにより、リール21の周回時間において、遊技者が、連なった線模様を長い期間目視することができるようになり、この連なった線模様401,411を目安にして容易に目押しをすることができる。
さらに、図6(a)〜(c)に示すように、各特定図柄40とアシスト図柄41の線模様401,411が表される位置が、図6(a)では、中央、図6(b)では、右縦辺、図6(c)では、左縦辺と異なることで、各特定図柄40及びアシスト図柄41を容易に識別することができる。
【0063】
以上説明したように、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、特定図柄40に、アシスト図柄41が有する線模様411と同等な色彩、巾及び位置に、線模様401が表されることで、特定図柄40とアシスト図柄41に表された線模様が、リール回転中において、連続して連なった線模様に見えるため、遊技者は、この線模様を目安にして容易に目押しをすることができる。
【0064】
以上、本発明のスロットマシンについて、好ましいリール上の図柄表示の実施形態を示して説明したが、本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明が適用されるのは、遊技メダルを遊技媒体とするスロットマシンに限らず、パチンコ球等の遊技球を遊技媒体とするスロットマシン、所謂パチロット,パロット等と呼ばれるものであってもよく、周面上に数種の図柄が表された複数のリール備え、遊技者の入力操作により当該リールを停止させるスロットマシンであれば適用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、遊技媒体として主にメダル(コイン)を使用して遊技が行われるスロットマシン(回胴式遊技機)に利用することができ、特に、遊技者の入力操作によりリールを停止させるスロットマシンに好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第一実施形態に係るスロットマシンを示す概略正面図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係るスロットマシンのリール上の図柄配列の一例を示す、リールを展開した状態の正面図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係るスロットマシンの制御部を示すブロック図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係るスロットマシンのリール上の特定図柄とアシスト図柄を示した図であって、(a)は、赤色の特定図柄とアシスト図柄を示し、(b)は、黄色の特定図柄とアシスト図柄を示し、(c)は、緑色の特定図柄とアシスト図柄を示す図である。
【図6】本発明の第二実施形態に係るスロットマシンのリール上の特定図柄とアシスト図柄を示した図であって、(a)は、図5(a)において、特定図柄とアシスト図柄の中央に線模様を表し、(b)は、図5(b)において、特定図柄の右端側に線模様を表し、(c)は、図5(c)において、特定図柄の左端側に線模様を表した図である。
【符号の説明】
【0067】
1 スロットマシン
2 前面パネル
3 表示窓
4 スタートレバー
5 (5a,5b,5c) 停止ボタン
6 メダル投入口
7 BETボタン
8 遊技メダル払出口
9 スピーカ
10 制御部
20 ドラムユニット
21 (21a,21b,21c) リール
30 メダル払出装置
30 ホッパー
40 特定図柄
401 線模様
41 アシスト図柄
411 線模様

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周面上に数種の図柄が表された複数のリールを備えるスロットマシンであって、
前記複数の各リールの少なくとも一つが、前記数種の図柄のうちに所定の入賞となる組合せをなす特定図柄を備えるとともに、当該特定図柄に対応するアシスト図柄を備え、
前記アシスト図柄が、対応する特定図柄と同色に着色された略矩形状の外形を有するとともに、前記特定図柄に隣接して配置されたことを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
前記アシスト図柄が、前記特定図柄の縦横の長さとほぼ等しい外形を有する請求項1記載のスロットマシン。
【請求項3】
前記特定図柄が、一のリール上に複数配置されるとともに、各特定図柄が、異なる色に着色されている場合において、
前記アシスト図柄が、前記各特定図柄に対応して同色に着色されて設けられた請求項1又は2記載のスロットマシン。
【請求項4】
前記アシスト図柄が、当該アシスト図柄の彩色より濃色、かつ、リールの回動方向に沿った線模様を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のスロットマシン。
【請求項5】
各々異なる色に着色された複数の前記特定図柄と当該各特定図柄に対応する前記アシスト図柄が一のリール上に配置される場合において、
前記各アシスト図柄の一部又は全部が、各々異なる位置に、前記線模様を有する請求項4記載のスロットマシン。
【請求項6】
前記線模様が、前記アシスト図柄の縦辺近傍に表された請求項4又は5記載のスロットマシン。
【請求項7】
前記線模様が、黒色で着色された請求項4〜6のいずれか一項に記載のスロットマシン。
【請求項8】
前記特定図柄が、当該特定図柄に対応するアシスト図柄が有する前記線模様と色彩及び巾が同等な線模様を有し、
当該線模様が、当該アシスト図柄が有する線模様と同等な位置に表された請求項4〜7のいずれか一項に記載のスロットマシン。
【請求項9】
前記アシスト図柄が、当該アシスト図柄に対応する特定図柄の下側に隣接して配置された請求項1〜8のいずれか一項に記載のスロットマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−264216(P2008−264216A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−111492(P2007−111492)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】