説明

セルロースエステルフィルム、その製造方法、偏光板、位相差板および光学用表示装置

【課題】 支持体上に流延することにより形成されたフィルムを短時間で剥離して、良好な面状と優れた溶液安定性を有するセルロースエステルフィルムを製造すること。
【解決手段】 セルロースエステルの水酸基がエステル結合で2.4〜3置換されたセルロースエステルと、該セルロースエステルの固形分に対して特定の構造を有する非フッ素系界面活性剤0.01〜5質量%とを非ハロゲン系有機溶媒に溶解したセルロースエステル溶液を、支持体上に流延し支持体上に形成されたセルロースエステルフィルムを支持体から剥離することを特徴とする。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロースエステルの水酸基がエステル結合で2.4〜3置換されたセルロースエステルと、該セルロースエステルの固形分に対して下記一般式(2A)、(2B)、(2C)および(2D)のいずれかで表されるフッ素系界面活性剤0.01〜5質量%とをハロゲン系有機溶媒に溶解したセルロースエステル溶液を、該支持体上に流延し支持体上に形成されたセルロースエステルフィルムを支持体から剥離する工程、を含むことを特徴とする、セルロースエステルフィルムの製造方法。
一般式(2A)
【化1】

(式中、RA1およびRA2はそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基を表すが、RA1およびRA2の少なくとも1つはフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。RA3、RA4およびRA5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、LA1、LA2およびLA3はそれぞれ独立に単結合または2価の連結基を表し、X+はカチオン性の置換基を表す。Y-は対アニオンを表すが、分子内で荷電が0になる場合にはY-はなくてもよい。mAは0または1である。)
一般式(2B)
【化2】

(式中、RB3、RB4およびRB5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。AおよびBはそれぞれ独立にフッ素原子または水素原子を表す。nB3およびnB4はそれぞれ独立に4〜8のいずれかの整数を表す。LB1およびLB2はそれぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基またはこれらを組み合わせてできる2価の連結基を表す。mBは0または1を表す。Mはカチオンを表す。)
一般式(2C)
【化3】

(式中、RC1は置換または無置換のアルキル基を表し、RCFはパーフルオロアルキレン基を表す。Aは水素原子またはフッ素原子を表し、LC1は置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基またはこれらを組み合わせてできる2価の連結基を表す。YC1およびYC2は、一方が水素原子を、もう一方が−LC2−SO3Mを表す。ここで、LC2は単結合または置換もしくは無置換のアルキレン基を表し、Mはカチオンを表す。)

一般式(2D)
[RfD−(LDnDmD−W
(式中、RfDはパーフルオロアルキル基を表し、LDはアルキレン基、Wは界面活性を持たせるために必要なアニオン性基、カチオン性基、ベタイン性基またはノニオン性極性基を有する基を表す。nDは0または1を表し、mDは1〜3のいずれかの整数を表す。)
【請求項2】
セルロースエステルフィルムを支持体から剥離する時の最大剥離荷重が1〜30g/cmであり、支持体に流延してから剥離を開始するまでの時間が30〜300秒であることを特徴とする請求項1に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
【請求項3】
セルロースエステルの水酸基がエステル結合で2.4〜3置換されたセルロースエステルにおいて、置換基が、アセチル基、プロピオニル基およびブチリル基からなる群より選択される少なくとも一種類の置換基であることを特徴とする請求項1または2に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
【請求項4】
製膜工程のいずれかの工程で流延方向および/または幅方向の少なくとも一方に1.03〜3倍延伸されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
【請求項5】
セルロースエステルと、該セルロースエステルの固形分に対して一般式(2A)、(2B)、(2C)および(2D)のいずれかで表されるフッ素系界面活性剤0.01〜5質量%とを含有することを特徴とするセルロースエステルフィルム。
【請求項6】
セルロースエステルの重合度が150〜400であることを特徴とする請求項5に記載のセルロースエステルフィルム。
【請求項7】
面内のレターデーション(Re)が0≦Re≦200nmであり、厚み方向のレターデーション(Rth)が−200≦Rth≦500nmであることを特徴とする請求項5または6に記載のセルロースエステルフィルム。
【請求項8】
フィルム表面の水の接触角が45°以下(25℃/相対湿度60%)であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のセルロースエステルフィルム。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれか一項に記載のセルロースエステルフィルムを用いて作製された光学用偏光板。
【請求項10】
請求項5〜8のいずれか一項に記載のセルロースエステルフィルムを用いて作製された位相差板。
【請求項11】
請求項5〜8のいずれか一項に記載のセルロースエステルフィルムを用いて作製された光学用表示装置。

【公開番号】特開2006−257202(P2006−257202A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−74946(P2005−74946)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】