説明

ソレノイド駆動装置、及びブレーキ装置

【課題】ソレノイドを流れる電流を、より適切に目標電流に近づけることが可能なソレノイド駆動装置等を提供すること。
【解決手段】ソレノイドを流れる電流が所与の目標電流に近付くようにスイッチング素子を駆動する駆動制御手段を備えるソレノイド駆動装置であって、第1の所定電流以下の領域における前記ソレノイドを流れる電流の時間変化に基づく第1の補正演算値と、第1の所定電流に比して高い第2の所定電流以上の領域におけるソレノイドを流れる電流の時間変化と第1の所定電流以下の領域におけるソレノイドを流れる電流の時間変化との差分に基づく第2の補正演算値と、を算出する補正演算手段を備え、駆動制御手段は、補正演算手段により算出された第1及び第2の補正演算値に基づきスイッチング素子を駆動することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング素子を介して直流電源からソレノイドに電流を供給するソレノイド駆動装置に関し、特に、ソレノイドを流れる電流が所与の目標電流に近付くようにスイッチング素子を駆動するソレノイド駆動装置、及びこれを利用したブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駆動電流を指示する駆動信号に基づいて、駆動回路からリニアソレノイドに駆動電流が供給され、電流モニタ回路でモニタされた駆動電流に対応した電流モニタ信号に基づいて、駆動信号の駆動電流指示値が設定されるフィードバック制御により駆動制御される装置についての発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−236101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の装置においては、温度変化や電源電圧変動に基づいて装置の特性が変化した場合についての考慮がなされていない。この結果、駆動電流指示値に対してソレノイドを流れる電流のオーバーシュートが大きくなったり、応答性が低下したりするという不都合が生じ得る。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、ソレノイドを流れる電流を、より適切に目標電流に近づけることが可能なソレノイド駆動装置、及びこれを利用したブレーキ装置を提供することを、主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、
電源とソレノイドを導通させ又は遮断するスイッチング素子と、
前記ソレノイドを流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段により検出された電流が所与の目標電流に近付くように前記スイッチング素子を駆動する駆動制御手段と、
を備えるソレノイド駆動装置であって、
第1の所定電流以下の領域における前記ソレノイドを流れる電流の時間変化に基づく第1の補正演算値と、前記第1の所定電流に比して高い第2の所定電流以上の領域における前記ソレノイドを流れる電流の時間変化と前記第1の所定電流以下の領域における前記ソレノイドを流れる電流の時間変化との差分に基づく第2の補正演算値と、を算出する補正演算手段を備え、
前記駆動制御手段は、前記補正演算手段により算出された第1及び第2の補正演算値に基づき前記スイッチング素子を駆動することを特徴とする、
ソレノイド駆動装置である。
【0007】
この本発明の第1の態様によれば、第1の所定電流以下の領域におけるソレノイドを流れる電流の時間変化に基づく第1の補正演算値と、第1の所定電流に比して高い第2の所定電流以上の領域におけるソレノイドを流れる電流の時間変化と第1の所定電流以下の領域におけるソレノイドを流れる電流の時間変化との差分に基づく第2の補正演算値と、を算出する補正演算手段を備え、補正演算手段により算出された第1及び第2の補正演算値に基づきスイッチング素子を駆動するため、ソレノイドを流れる電流を、より適切に目標電流に近づけることができる。
【0008】
本発明の第1の態様において、
前記駆動制御手段は、デューティー比を決定して前記スイッチング素子をPWM(Pulse Width Modulation)駆動する手段であって、所定の場合には100%デューティーで前記スイッチング素子を駆動する手段であり、
前記補正演算手段は、前記駆動制御手段が100%デューティーで前記スイッチング素子を駆動しているときに前記ソレノイドを流れる電流の時間変化に基づいて、前記補正演算を行なう手段であるものとすると、好適である。
【0009】
ここで、「所定の場合」とは、デューティー比を演算した結果、100%以上のデューティー比が算出された場合、或いはソレノイドを流れる電流が所与の目標電流の所定割合(例えば80%程度)に至るまで、等と定めることができる。
【0010】
また、本発明の第2の態様は、
車両に搭載されるブレーキ装置であって、
本発明の第1の態様のソレノイド駆動装置を備え、
油圧系制御のためのソレノイドバルブを前記ソレノイド駆動装置によって駆動することを特徴とする、
ブレーキ装置である。
【0011】
本発明の第2の態様によれば、各ソレノイドバルブを流れる電流を、より適切に目標電流値に近づけることができるため、ブレーキペダルの踏み込み量を、より正確に反映したブレーキトルクを出力することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ソレノイドを流れる電流を、より適切に目標電流に近づけることが可能なソレノイド駆動装置、及びこれを利用したブレーキ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例に係るソレノイド駆動装置1のシステム構成例である。
【図2】電源2の供給電圧Vbsやソレノイド抵抗RLの変動に応じてデューティー比が不適切なものとなる不都合が顕著に表れる場面における、ソレノイド3を流れる電流{I}の変化を示す図である。
【図3】補正演算部48による補正演算を説明するための説明図である。
【図4】車両のブレーキ装置において油圧系を制御するためのソレノイドバルブが、本実施例に係るソレノイド駆動装置1によって駆動される場合の構成例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
【実施例】
【0015】
以下、本発明の一実施例に係るソレノイド駆動装置1について説明する。図1は、本発明の一実施例に係るソレノイド駆動装置1のシステム構成例である。ソレノイド駆動装置1は、電源2から供給される電力を用いてソレノイド3を駆動する装置であり、主要な構成として、第1のスイッチング素子10と、第2のスイッチング素子20と、電流モニタ部30と、A/Dコンバータ32と、平均化処理部34と、減算器36と、PI制御演算部38と、加算器40と、デューティー演算部42と、パルス生成部44と、駆動部46と、補正演算部48と、還流ダイオード50と、を備える。
【0016】
電源2は、例えばバッテリー及びスイッチング電源装置からなり、直流をソレノイド駆動装置1に供給している。ソレノイド3は、例えば6[mH]で4.5[Ω]程度のものが用いられる。
【0017】
第1のスイッチング素子10は、例えばPチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)型トランジスタであり、逆止用ダイオードが並列に接続されている。第1のスイッチング素子10は、駆動部46によりオン/オフ制御される。
【0018】
第2のスイッチング素子20は、例えばNチャネルMOS型トランジスタであり、逆止用ダイオードが並列に接続されている。第2のスイッチング素子20は、ソレノイド駆動装置1が作動状態である間、オン状態に維持される。
【0019】
従って、第1のスイッチング素子10がオン状態とされたときに、電源2からソレノイド3を通ってグランド端子に電流が流れることとなる。
【0020】
電流モニタ部30は、第2のスイッチング素子20の両端電圧を監視しており、これを第2のスイッチング素子20の抵抗値で除した電流値を示す電圧信号{V}を出力する。なお、電圧信号{V}は、次式(1)で表される。式中、Iはソレノイドを流れる電流を示している。
【0021】
V=0.45+1.4×I …(1)
【0022】
A/Dコンバータ32は、電流モニタ部30から入力されるアナログ信号{V}を、デジタル信号{Vm}に変換して出力する。
【0023】
平均化処理部34は、A/Dコンバータ32から入力されるデジタル信号{Vm}の移動平均{Va=Vm(1)+Vm(2)+…Vm(k)/k}を算出して出力する。
【0024】
減算器36は、外部CPU5から入力される電流値指示信号{Vd}から移動平均{Va}を除した値を出力する。ここで、電流値指示信号{Vd}は、ソレノイド3に供給すべき目標電流値を電圧信号として表現したものであり、次式(2)で表される。式中、I#は目標電流値を示している。
【0025】
Vd=0.45+1.4×I# …(2)
【0026】
PI制御演算部38は、減算器36から入力される偏差信号{en=Vd−Va}に基づいて、PI制御演算を行なう。具体的には、電流値指示信号{Vd}の増減変更値{ΔV}を次式(3)に基づいて算出し、加算器40に出力する。式中、Kpは比例項のゲインであり、Kiは積分項のゲインである。また、PI制御演算部38は、外部CPU5から入力されるゲイン補正信号によって上記ゲインを補正する機能や、外部CPU5からの指示に応じてPI制御とP制御を切換える機能等を有してよい。
【0027】
ΔV=Kp×en+Ki×∫en・dt …(3)
【0028】
加算器40は、外部CPU5から入力される電流値指示信号{Vd}と、PI制御演算部38から入力される増減変更値{ΔV}を加算し、デューティー演算部42に出力する。
【0029】
デューティー演算部42は、加算器40から入力される値{Vd+ΔV}に応じた電流がソレノイド3に供給されるように、第1のスイッチング素子10に供給するPWM(Pulse Width Modulation)信号のデューティー比を決定する。具体的には、例えば次式(4)に基づいてデューティー比{duty}を決定し、パルス生成部44に出力する。式中、I##はPI制御演算部38から入力される増減変更値{ΔV}を加味した目標電流値である。また、RLはソレノイド抵抗であり、Vfは還流ダイオード50の順方向電圧であり、Vbsは電源2の供給電圧であり、これらの値は初期値としてデューティー演算部42が保持している。
【0030】
duty=(I##×RL+Vf)/(Vbs+Vf)
但し、I##={(Vd+ΔV)−0.45}/1.4 …(4)
【0031】
また、デューティー演算部42は、上式(4)で算出されたデューティー比{duty}が大きい場合には(100%以上となった場合には)、デューティー比を100%に設定してソレノイド3を流れる電流{I}を速やかに上昇させ、その後は電流値指示信号{Vd}と{Va}の差分に基づく制御を行なう。係る制御は、ソレノイド3を流れる電流{I}が所定値(例えば目標電流{I#}の80%等)に至るまではデューティー比を100%に設定し、その後は電流値指示信号{Vd}と{Va}の差分に基づく制御を行なうとしてもよい。
【0032】
このような駆動制御は、例えば、ソレノイド3が、車両のブレーキ装置において油圧系を制御するためのソレノイドとして用いられる場合に行なわれる。すなわち、運転者がブレーキペダルを踏み込んでからブレーキトルク(ソレノイド3を流れる電流{I}に応じて変化する)がある程度のトルクに至るまではデューティー比を100%とし、その後はPI制御によってブレーキトルクを所望の値に維持し、いわゆるABS(Antilock Brake System)を作動させる。なお、係る場合の構成例について後述する。
【0033】
パルス生成部44はデューティー演算部42から入力されるデューティー比{duty}を有するPWM信号{t=Tpwm・duty}を生成し、駆動部46に出力する。駆動部46は、PWM信号{t=Tpwm・duty}に応じて第1のスイッチング素子10をオン/オフ制御する。こうして、電流モニタ部30により検出された電流{I}が、電流値指示信号{Vd}の示す目標電流値{I#}に近付くように、第1のスイッチング素子10が駆動されることとなる。
【0034】
ここで、このような構成を有するソレノイド駆動装置1において発生しうる不都合について説明する。現実にソレノイド駆動装置1が使用される場面では、電源2の供給電圧Vbsやソレノイド抵抗RLは一定値ではなく、電源2の供給電圧Vbsはバッテリーの充電状態等によって変動し、ソレノイド抵抗RLは温度によって変動する。このため、例えば電源2の供給電圧Vbsがデューティー演算部42の保持する初期値よりも高くなった場合には、式(4)に鑑みると、デューティー比を小さく変更すべきである。しかしながら、デューティー演算部42の保持する初期値を用いて算出されるデューティー比は、電源2の供給電圧Vbsの上昇を加味した理想値よりも大きくなってしまう。
【0035】
図2は係る不都合が顕著に表れる場面における、ソレノイド3を流れる電流{I}の変化を示す図である。図中、破線は理想的な電流{I}の変化を示しており、実線は電源2の供給電圧Vbsが上昇したにも拘わらずデューティー演算部42の保持する初期値を用いてデューティー比を算出した場合の電流{I}の変化を示している。この場合、図示する如く、電流{I}が目標電流値{I#}に対してオーバーシュートし、また、定常的に誤差が生じる可能性がある。
【0036】
そこで、本実施例のソレノイド駆動装置1は、補正演算部48を備え、補正演算された電源2の供給電圧Vbs#やソレノイド抵抗RL#をデューティー演算部42に供給することとした。そして、デューティー演算部42は、例えば電源投入時には自己が保持する初期値を用いてデューティー比を決定し、補正演算部48から補正演算値が入力されると補正演算値を用いてデューティー比を決定する。
【0037】
図3は、補正演算部48による補正演算を説明するための説明図である。補正演算部48は、第1の所定電流(例えば、上記ブレーキ装置の例のように、目標電流値{I#}が略一定値として定められている場合、その10%程度の電流とする)以下の領域におけるソレノイド3を流れる電流{I}の時間変化{ΔI1/Δt1}に基づいて電源2の供給電圧Vbsを補正演算し、第1の所定電流に比して高い第2の所定電流(例えば、目標電流値{I#}が略一定値として定められている場合、その80%程度の電流とする)以上の領域におけるソレノイド3を流れる電流{I}の時間変化{ΔI2/Δt2}と、上記{ΔI1/Δt1}の差分に基づいてソレノイド抵抗RLを補正演算する。なお、係る補正演算は、ソレノイド3を流れる電流{I}の変化が大きいデューティー比が100%の期間で行なうと好適である。
【0038】
より具体的には、第1の所定電流以下の領域における2点間の時間{Δt1}と、電流{I}の変化{ΔI1}を測定する。低電流領域においては、電流{I}の時間変化{ΔI1/Δt1}は電源2の供給電圧Vbsをソレノイド3のインダクタンスLで除した値に等しくなるため、次式(5)に基づいて電源2の供給電圧Vbsの補正演算値Vbs#を算出する。
【0039】
Vbs#=(ΔI1/Δt1)×L …(5)
【0040】
また、第2の所定電流以下の領域における2点間の時間{Δt2}と、電流{I}の変化{ΔI2}を測定する。高電流領域においては、電流{I}の時間変化{ΔI2/Δt2}は次式(6)で表されるため、次式(7)を用いてソレノイド抵抗RLの補正演算値RL#を算出する。
【0041】
ΔI2/Δt2={Vbs−RL・I}/L …(6)
RL#=(ΔI1/Δt1−ΔI2/Δt2)×L/I …(7)
【0042】
このように補正演算を行なうと、補正演算値Vbs#及びRL#が、より実際の値に近いものとなる。従って、デューティー演算部42が決定するデューティー比が、より適切なものとなり、ソレノイド3を流れる電流{I}を、より適切に目標電流値{I#}に近づけることができる。この結果、オーバーシュートを防止しつつ高速応答を実現することもできる。
【0043】
図4は、車両のブレーキ装置において油圧系を制御するためのソレノイドバルブが、本実施例に係るソレノイド駆動装置1によって駆動される場合の構成例である。
【0044】
ブレーキ装置70は、ブレーキ装置70全体を制御するブレーキECU70Aと、ブレーキペダルになされたブレーキ操作が伝達されるマスターシリンダー71と、ブレーキ液を蓄えるリザーバータンク72と、ストロークシミュレーター73と、各車輪に出力される制動力を調節するブレーキアクチュエーター74と、を備える。この場合、ブレーキECU70Aが、上記説明した外部CPU5として機能する。
【0045】
ブレーキアクチュエーター74は、ポンプ75及びこれを駆動するモータ76と、ポンプ75から圧送される油圧によって内部の油圧が高圧に維持されるアキュームレーター77と、アキュームレーター77の油圧を調整するカットバルブ78と、各車輪に対して設けられ、開閉動作によって、各車輪に出力される制動力を調節する各車輪用制御バルブ79A、79B、79C、及び79D(図3では、簡便のため、一つのブロックとして記載している)と、を備える。なお、各車輪からリザーバータンク72に還流する油圧経路については、図示及び説明を省略する。
【0046】
ここで、カットバルブ78、各車輪用制御バルブ79A、79B、79C、及び79Dの少なくとも一部は、ソレノイドバルブとして構成され、本実施例に係るソレノイド駆動装置1によって駆動される。この場合、ソレノイドバルブに対応した個数のソレノイド駆動装置1を備えるものとしてよい。
【0047】
ブレーキ装置70では、アキュームレーター77内部のアキュームレーター圧はブレーキECU70Aにより監視されており、これが所定の圧力を下回るとアキュームレーター圧を上昇させるようにモータ76が駆動される。また、所定の圧力を上回ると、カットバルブ78が開放されてアキュームレーター圧を低下させる。
【0048】
運転者によりブレーキペダルが踏み込まれると、マスターシリンダー71内部の液圧室に発生するマスターシリンダー圧が、通信によりブレーキECU70Aに入力される。ブレーキECU70Aは、マスターシリンダー圧に応じた制動力を出力するように、各車輪用制御バルブ79A〜79Dを制御する。なお、この際にストロークシミュレーター73は、マスターシリンダー71からの油圧経路が遮断されている状態においても、運転者のブレーキ踏力に応じた自然なブレーキストロークを発生させる。
【0049】
このように、本実施例に係るソレノイド駆動装置1によって各ソレノイドバルブを制御することにより、各ソレノイドバルブを流れる電流を、より適切に目標電流値に近づけることができる。この結果、ブレーキペダルの踏み込み量を、より正確に反映したブレーキトルクを出力することができる。
【0050】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0051】
例えば、デューティー比の決定手法については実施例のものに限らず、ソレノイドを流れる電流を目標電流に近付けるための如何なる制御手法(例えば、PID制御等)を採用してもよい。
【0052】
また、目標電流とソレノイドを流れる電流を比較する際に移動平均を求める処理を省略してもよい。また、単純移動平均に限らず、加重平均等を用いてフィルタリング処理を行なっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、自動車製造業や自動車部品製造業等に利用可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 ソレノイド駆動装置
2 電源
3 ソレノイド
5 外部CPU
10 第1のスイッチング素子
20 第2のスイッチング素子
30 電流モニタ部
32 A/Dコンバータ
34 平均化処理部
36 減算器
38 PI制御演算部
40 加算器
42 デューティー演算部
44 パルス生成部
46 駆動部
48 補正演算部
50 還流ダイオード
70 ブレーキ装置
70A ブレーキECU(外部CPU)
71 マスターシリンダー
72 リザーバータンク
73 ストロークシミュレーター
74 ブレーキアクチュエーター
75 ポンプ
76 モータ
77 アキュームレーター
78 カットバルブ
79A、79B、79C、及び79D 各車輪用制御バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源とソレノイドを導通させ又は遮断するスイッチング素子と、
前記ソレノイドを流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段により検出された電流が所与の目標電流に近付くように前記スイッチング素子を駆動する駆動制御手段と、
を備えるソレノイド駆動装置であって、
第1の所定電流以下の領域における前記ソレノイドを流れる電流の時間変化に基づく第1の補正演算値と、前記第1の所定電流に比して高い第2の所定電流以上の領域における前記ソレノイドを流れる電流の時間変化と前記第1の所定電流以下の領域における前記ソレノイドを流れる電流の時間変化との差分に基づく第2の補正演算値と、を算出する補正演算手段を備え、
前記駆動制御手段は、前記補正演算手段により算出された第1及び第2の補正演算値に基づき前記スイッチング素子を駆動することを特徴とする、
ソレノイド駆動装置。
【請求項2】
前記駆動制御手段は、デューティー比を決定して前記スイッチング素子をPWM(Pulse Width Modulation)駆動する手段であって、所定の場合には100%デューティーで前記スイッチング素子を駆動する手段であり、
前記補正演算手段は、前記駆動制御手段が100%デューティーで前記スイッチング素子を駆動しているときに前記ソレノイドを流れる電流の時間変化に基づいて、前記補正演算を行なう手段である、
請求項1に記載のソレノイド駆動装置。
【請求項3】
車両に搭載されるブレーキ装置であって、
請求項1又は2に記載のソレノイド駆動装置を備え、
油圧系制御のためのソレノイドバルブを前記ソレノイド駆動装置によって駆動することを特徴とする、
ブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−199438(P2010−199438A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44664(P2009−44664)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】