説明

タイヤ内発電装置

【課題】低速走行時から高電力を得ることができるタイヤ内発電装置を提供する。
【解決手段】タイヤ気室内に取付けられるタイヤ内発電装置であって、回転軸に取付けられ回転中心と重心とが異なるように一部が磁石により形成されて車両走行時のタイヤに加わる力の変化に応じて回転する回転体と、回転体の磁石間に位置し、当該磁石との電磁誘導作用により電圧を発生するコイル部とを備え、回転体に加速度を付与する加速手段を備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高電力を得ることの可能なタイヤ内発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤ内の温度や圧力を検出するTPMS(タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム)等のセンサ+無線を有するデバイスをタイヤ気室内に設置してタイヤモニタリングを実施する場合に、そのデバイスに電力を供給するタイヤ内発電装置が知られている。
例えば、発電体を螺旋状に摺動させることで磁石とコイルで発電させる技術(特許文献1等参照)、回転錘を回転させて発電させる技術(特許文献2等参照)などが知られている。
しかしながら、特許文献1の技術では、発電体にかかる力の方向と発電体の螺旋摺動方向とが同一方向ではないため、発電体の摺動抵抗が大きく、発電効率が低いので、高電力を得ることができない。また、特許文献2の技術では、回転錘と発電ロータの回転力が歯車を介して伝達されるため、回転抵抗が高く、発電効率が低いので、高電力を得ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−92784号公報
【特許文献2】特開2000−278923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記課題を解決するために、低速走行時から高電力を得ることができるタイヤ内発電装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の構成として、タイヤ気室内に取付けられるタイヤ内発電装置であって、回転軸に取付けられ回転中心と重心とが異なるように一部が磁石により形成されて車両走行時のタイヤに加わる力の変化に応じて回転する回転体と、回転体の磁石間に位置し、当該磁石との電磁誘導作用により電圧を発生するコイル部とを備え、回転体に加速度を付与する加速手段を備える構成とした。
本発明によれば、回転体の回転に加速手段が加速度を付与することにより、回転体が回転し易くなり、2つの回転体の磁石間に位置するコイル部で高い電圧を発生させることができる。
本発明の第2の構成として、加速手段は、磁石で構成した。
本発明によれば、加速手段の磁石が回転体の磁石に磁力を及ぼすことで、回転体が加速されるので、回転体が回転しやすくなる。
本発明の第3の構成として、磁石は、ネオジウム磁石で構成した。
本発明によれば、小さくても強力な磁束密度を有するネオジウム磁石を用いることにより、タイヤ内発電装置の重量を重くすること無く回転体を加速させることができる。
本発明の第4の構成として、加速手段は、コイルの通電により磁力を発生する磁石で構成した。
本発明によれば、タイヤにより加わる力の変化に応じて、コイルに通電することで、コイルに生じる磁力を回転体に作用させて回転体の回転を加速させることができる。
本発明の第5の構成として、磁石の磁束の向きが回転体の磁石間の磁束と平行であるように構成した。
本発明によれば、加速手段の磁石の磁束の向きと、2つの回転体の磁石間の磁束の向きとを平行にすることで、加速手段の磁石と2つの回転体の磁石とに効率よく反発力を得られるので、加速手段の磁石を小さくすることができる。
本発明の第6の構成として、磁石は、互いに対向する回転体の磁石間の中間に位置するように構成した。
本発明によれば、互いに対向する回転体の磁石間の強い磁場に対して、加速手段の磁石の磁場を作用させることで、対向する回転体の磁石に効率良く反発力を作用させることができるので、加速手段の磁石を小さく設定することができる。また、回転体の磁石間の中間距離に加速手段の磁石を配置することで、回転体の磁石に作用する反発力を対称にすることができるので、装置の耐久性を向上させることができる。
本発明の第7の構成として、加速手段の磁石は、複数であるように構成した。
本発明によれば、磁石を複数設けることで、2つの回転体の磁石に対して大きな加速力を付与することができる。
本発明の第8の構成として、コイル部が、回転体に加速度を付与する加速手段であるように構成した。
本発明によれば、コイル部の通電を制御することで、コイル部を発電や磁石に用いることができ、コイル部を磁石にすることで、他の構成をタイヤ内発電装置に設けることなく、2つの回転体の磁石に対して反発力を生じさせて回転を加速させることができる。
本発明の第9の構成として、加速手段が付与する加速力の方向は、タイヤの踏み込み時に回転体に作用する加速度と同一の方向であるように構成した。
本発明によれば、回転するタイヤの踏み込み時、即ち、タイヤが路面と接触したときに、回転体に作用する加速度と同一方向に加速することにより、低速走行時にタイヤが路面と接触したときに生じるような小さな加速力でも、加速手段により回転体が加速されるので、低速走行中でも発電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明に係るタイヤ内発電装置を示す斜視図。
【図2】本発明に係るタイヤ内発電装置を示す分解斜視図。
【図3】本発明に係るタイヤ内発電装置を示す側面図及び正面図。
【図4】本発明に係るコイル部と接続される電気部品群を示すブロック図。
【図5】本発明に係るコイル部と磁石との関係を示す斜視図。
【図6】本発明に係る反発磁石と回転体の磁石との距離と、回転トルクとの関係を示すグラフ。
【図7】本発明に係る回転トルクと発電量との関係を示すグラフ。
【図8】本発明に係る角柱形の反発磁石の長さと、回転トルク及び発電量との関係を示すグラフ。
【0007】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組合せのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態
図1,2に示すように、本実施形態に係るタイヤ気室内に取付けられるタイヤ内発電装置1は、ベース2と、2つの回転軸支持部材3,3と、1本の真っ直ぐな回転軸4と、コイル部固定部材5と、コイル部6と、2つの回転体7,7と、加速手段8としての反発磁石8Aとを備える。
コイル部6の両端は電線23により整流回路18(図4参照)に接続される。ベース2、一対の回転軸支持部材3,3、回転軸4、コイル部固定部材5は、非磁性材料により形成される。ベース2、一対の回転軸支持部材3,3、コイル部固定部材5は、例えば、アクリル樹脂により形成され、回転軸4は、例えば、JIS規格のSUS304により形成される。なお、本実施形態において説明に用いる、上下、前後、左右の位置関係は、図1において矢印で示した。
【0009】
ベース2は、例えば、矩形の平板により形成されたベース板11と、ベース板11上に設けられた固定台12とを備える。固定台12は、下板13と、左右一対の側壁14,14と、屋根板15と、左右の側設置台16,16と、収納設置空間17とを備える。下板13は、ベース板11より一回り小さい矩形の平板状であってベース板11上にベース板11と同心に設けられる。左右一対の側壁14,14は、下板13上に間隔を隔てて設けられ、上下方向及び前後方向に延長する。側壁14,14は、下板13上に左右の側縁からそれぞれ等間隔の位置に設けられる。屋根板15は、左右一対の側壁14,14の上端面を跨ぐように設けられる。左右の側設置台16,16は、下板13上の左右の側縁に近い左右の側壁14,14の外面と下板13の上面とから延長するように設けられる。収納設置空間17は、下板13と左右の側壁14,14と屋根板15とで囲まれて前後が開口した空間により形成される。収納設置空間17内には、図4の点線内に示す整流回路18、充電回路19、無線モジュールのようなデバイス20などの電気部品群22が収納設置される。尚、ベース2は、上述した各部材が組み立てられて形成したものでもよいし、上述した各部材を一体成型して形成したものでもよい。
【0010】
屋根板15の上面、及び、側設置台16の上面は、ベース板11の上平面と平行な平面に形成される。回転軸支持部材3が側設置台16の上面より上方に延長するように側設置台16の上面に設けられ、コイル部固定部材5が屋根板15の上面より上方に延長するように屋根板15の上面に設けられる。
【0011】
コイル部固定部材5は、屋根板15と一体に形成されたものでもよいし、屋根板15と別個に形成されたものが接着剤などの固定手段で屋根板15の上面に固定されて形成されたものでもよい。コイル部固定部材5は、屋根板15の左右間の中央位置より上方向及び前後方向に延長して互いに対向する対向面5a,5aを有した平板により形成される。コイル部固定部材5の平板の対向面5a,5aは屋根板15の上面である平面に対して垂直な面である。コイル部固定部材5は、対向面5a,5aを貫通するコイル部収納貫通孔5bと、上縁面を円弧状に切り欠いて形成された軸避け部5cと、コイル部収納貫通孔5bの下側に位置し、対向面5a,5aを貫通する反発磁石収納孔5dとを備える。
コイル部6はコイル部収納貫通孔5bの孔内壁に接着剤などの固定手段で固定される。
反発磁石8Aは反発磁石収納孔5dの孔内壁に接着剤などの固定手段で固定される。
【0012】
回転軸支持部材3は、側設置台16と別個に形成されるものであり、例えば、平板状の壁体により形成され、接着剤などの固定手段で側設置台16の上面に固定される。回転軸支持部材3は、上部側面に回転軸4の端部41を回転可能に支持する軸受21を備える。軸受21は、回転軸支持部材3の上部側面に形成された孔に取付けられた軸受部材、あるいは、回転軸支持部材3の上部側面に形成された軸受孔により形成される。
【0013】
回転軸4は、両端部41,41と、ヨーク体位置決め部42、磁石対応部43、軸補強部44とを備える。回転軸4の両端部41,41が各回転軸支持部材3,3の軸受21,21に回転可能に支持される。図2に示すように、回転軸4は、中央部に軸補強部44を備え、軸補強部44と端部41との間には、ヨーク体位置決め部42と磁石対応部43とを備える。軸補強部44と磁石対応部43と端部41とが断面円形状に形成され、ヨーク体位置決め部42が断面角形状に形成される。ヨーク体位置決め部42は、例えば断面正六角形状に形成される。軸補強部44と左右の磁石対応部43,43とが隣り合うように設けられ、磁石対応部43とヨーク体位置決め部42とが隣り合うように設けられ、ヨーク体位置決め部42と端部41とが隣り合うように設けられる。
【0014】
回転軸4の端部41の断面円径寸法は、ヨーク体位置決め部42の断面正六角形の内接円の円径寸法以下に形成される。磁石対応部43の断面円径寸法は、ヨーク体位置決め部42の断面正六角形の外接円の円径寸法以上に形成される。軸補強部44の断面円径寸法は、磁石対応部43の円径寸法よりも大きい寸法に形成される。
【0015】
回転体7は、ヨーク体71と磁石72とにより形成される。即ち、回転体7を、ヨーク体71と、扇形状の偏心錘を形成する磁石72とにより構成した。
ヨーク体71は、扇形状のヨーク面板73と、位置決め孔74と、磁石位置決め板75,75,76とを備える。ヨーク面板73は、扇部73aと扇の要部73bとを備える。ヨーク面板73の扇形状は、扇の2つの半径のなす角度が例えば120°になるように形成される。位置決め孔74は、ヨーク面板73の扇の要部73bに形成された孔であり、回転軸4のヨーク体位置決め部42の断面正六角形状に対応した正六角形状の孔に形成される。磁石位置決め板75,75は、ヨーク面板73の2つの半径線縁に沿って設けられる。磁石位置決め板76は、ヨーク面板73の円弧線縁に沿って設けられる。磁石位置決め板75,75,76は、ヨーク面板73の一方の面より一方向に突出して、かつ、ヨーク面板73と垂直に設けられる。
ヨーク体71は、鉄、ニッケル、パーマロイ、センダスト、アモルファス金属などの軟磁性体により形成される。
【0016】
磁石72は、円の中心に円孔を備えた所定厚さの円板を円の中心を要とした扇形状に分割した扇形状の磁石により形成される。磁石72の扇の要には回転軸4の外周面に対応する磁石対応部43に湾曲切欠部80を備える。例えば、2つの半径のなす角度が例えば60°の単位扇形状磁石77を2つ組み合わせて2つの半径のなす角度が120°の扇形状に形成された扇形状の磁石72を用いる。
このような2つの半径のなす角度が60°の単位扇形状磁石77を用いれば、安定的な磁力が得られ、また、コイル巻体61の筒内の空間60(図5参照)を通過する磁束φ1,φ2の向きが変化する速度を速くすることができる。
【0017】
図5に示すように、単位扇形状磁石77は、一方の扇面側がN極に着磁され、他方の扇面側がS極に着磁されて形成された磁石である。扇形状の磁石72は、異極同士が互いに隣り合うように2つの単位扇形状磁石77,77の端面78,78同士を接着して形成される。
よって、回転体7が、回転体7の回転方向に沿って配置された複数の異なる磁極の単位扇形状磁石77,77を備えるので、磁極変化点が多くなり、回転体7が回転することで、コイル巻体61の筒内の空間60を通過する磁束φ1,φ2の向きが変化する速度がより速くなるので、高電力を得ることができるようになる。
【0018】
磁石72は、磁石位置決め板75,75,76で囲まれた磁石設置部79内に挿入可能な大きさに形成される。
例えば、磁石位置決め板75,75,76で囲まれた扇部73aの一方の扇面73uの面積と同じ面積の扇面を有した扇形状の磁石72を形成し、扇部73aの一方の扇面73uと磁石72の一方の扇面とが互いに接着剤などの固定手段で固定されて回転体7が形成される。
即ち、回転体7の磁石72は、コイル部6に対向する面とは反対側の面にヨーク面板73を備え、かつ、磁石72の扇の外周面にヨークとして機能する磁石位置決め板75,75,76を備える構成としたので、磁石72内で自己完結する磁界発生状態を抑制できてコイル巻体61の筒内の空間60を通過する磁束φ1,φ2の磁束密度を大きくできるので、高電力を得ることができるようになる。
また、ヨーク体71が磁石設置部79を備えるので、磁石72をヨーク体71の決まった位置である磁石設置部79に容易に設置できるので、回転体7の製作が容易となり、また、磁石72の位置ずれも防止できるので、コイル部6に安定な磁界を供給できる。
【0019】
また、回転体7は、ヨーク体71の扇の要部73bが回転軸4への取付孔としての位置決め孔74を備え、磁石72は、ヨーク面板73と磁石位置決め板75,75,76とで囲まれた扇形状の磁石設置部79に対応した扇形状に形成されて、扇の要には回転軸4の外周面に対応する磁石対応部43に湾曲切欠部80を備え、磁石設置部79に設置された構成とした。
即ち、磁石72に回転軸4への取付部を設けない構成としたので、回転体7がより回転しやすくなるので、コイル巻体61の筒内の空間60を通過する磁束φの向きが変化する速度がより速くなって、高電力を得ることができ、また、効率的に連続発電が可能となり、発電量を増加させることができる。
また、磁石72を偏心錘として利用したので、部品点数を削減できるとともに、磁石72が回転しやすくなるので、高電力を得ることができるとともに発電量を増加させることができるようになる。
【0020】
回転体7の磁石72が回転軸4の軸補強部44側に位置されるように、ヨーク体71の位置決め孔74内に回転軸4の端部41側から断面六角形のヨーク体位置決め部42を嵌め込んで、図2に示すように、ヨーク面板73の扇の要部73bにおける位置決め孔74の孔縁部面46と回転軸4の磁石対応部43の端面45とを接触させる。この際、ヨーク体71と回転軸4とを接着剤などの固定手段で固定すれば、ヨーク体71と回転軸4とをより確実に一体化させることができる。
そして、回転軸4の両端部41,41を回転軸支持部材3の軸受21内に回転可能に挿入した状態で、回転軸支持部材3を屋根板15の上面に接着剤などの固定手段で固定する。
回転軸4の各ヨーク体位置決め部42,42には、各回転体7,7の磁石72,72の扇面同士が向き合うように取付けられる。
本実施形態では、ヨーク体位置決め部42の断面形状及び位置決め孔74の孔形状を正六角形状としたので、磁石72,72の扇面の中心線が一致して磁石72,72の扇面同士が向き合うように磁石72,72を位置決めして回転軸4の各ヨーク体位置決め部42,42に回転体7を取付ける取付作業が容易となる。なお、位置決め孔74の孔形状を、三つ以上の角を備えた角孔とし、ヨーク体位置決め部42の断面形状は角孔に対応した角形状とすれば、当該取付作業が容易となる。
【0021】
軸受21に回転可能に支持された回転軸4と、回転軸4の中心線を回転中心として回転軸4と一緒に回転するように形成された回転体7とにより、回転構成部25が形成される。回転体7は、回転中心と重心とが異なるものであればよく、例えば、扇の2つの半径のなす角度が例えば180°以下の扇形状により形成されたものを用いればよい。
【0022】
図5に示すように、コイル部6は、回転軸4と一緒に回転して互いに向き合う2つの回転体7,7における磁石72,72の互いに異なる磁極間で発生する磁束φ1,φ2が通る空間60を取り囲む筒形状にコイル62が巻回された2つのコイル巻体61,61により形成される。例えば、コイル巻体61は、回転する2つの回転体7,7の磁石72,72間で発生する磁束φ1,φ2が通る扇形の筒形状を形成するようにコイル62が巻かれた構成である。好ましくは、コイル62として、断面矩形状の平角線を用いる。これにより、巻線抵抗減少と巻数増加が図れ、巻線密度を向上できるので、発電効率が高まる。
【0023】
例えば、図1,図5に示すように、コイル巻体61は、回転体7の磁石72の回転軌跡の投影部分に設けられたので、コイル巻体61の筒内の空間60を通過する磁束φ1,φ2の磁束密度を大きくでき、高電力を得ることができる。
また、コイル部6の外周を磁石72の外周より大きくした場合、コイル巻体61の巻長さが長くなりコイル巻体61の抵抗が大きくなって発電効率が低下するため、コイル巻体61の筒の断面の外周形状と磁石72の断面の外周形状とが同じ形状に形成される。回転体7の回転により、磁石72の断面の中心線とコイル巻体61の筒の断面の中心線とが一致した場合に、コイル巻体61の断面の外周の長さが磁石72の断面の外周の長さよりも小さくなるように形成することで、2つの回転体7の磁石72,72間により供給される磁界により覆われるとともに、コイル巻体61の抵抗を小さくして、発電効率を向上させることができる。
回転体7が回転した場合において、回転軸4に沿った方向で単位扇形状磁石77の扇面とコイル巻体61の扇形状の端部とが対向するように構成され、コイル部6を中心として回転体7,7の磁石72,72が左右対称に位置されるようになるので、コイル部6に対して安定的な磁界を供給でき、発電効率を高めることができる。
【0024】
加速手段8としての反発磁石8Aは、円柱形の2極のネオジウム磁石により構成され、反発磁石8Aの長さ方向が回転軸4と平行、かつ、互いに対向する回転体7,7の磁石間の中間に位置するコイル部収納貫通孔5bに設けられる。また、反発磁石8Aの磁極の向きは、タイヤの踏み込み時に回転体7,7に作用する加速度と同一方向に設定される。例えば、反発磁石8Aは、直径が1mm、厚さが2mmの円柱形のネオジウム磁石によって構成される。よって、図5に示すように、反発磁石8Aの放出する磁束φ3は、回転体7の磁石72,72間で放出される磁束φ1,φ2と平行となる。
これにより、反発磁石8Aの放出する磁束φ3と、一方の単位扇形状磁石77,77間の磁束φ1との間で斥力が作用し、反発磁石8Aの放出する磁束φ3と、他方の単位扇形状磁石77,77間の磁束φ2との間で引力が作用して、図中に示す矢印方向の回転トルクTmが生じる。つまり、図3(b)に示すように、タイヤ内発電装置1を水平面上に置いたときに、回転体7は、磁石72の断面の中心線C1とコイル巻体61の筒の断面の中心線C2とが一致せず、一方に回転した状態で静止する。この場合のタイヤの回転方向は、回転トルクTmの作用する方向と同一に設定される。
即ち、反発磁石8Aは、回転体7,7の放出する磁束φ1,φ2に対して磁束φ3が作用することで回転体7,7に加速度を付与する加速手段8であり、当該加速度により、回転体7,7の回転方向に加速度を付与する。
反発磁石8Aをタイヤ内発電装置1に設けない場合には、回転体7,7は、遠心力により磁石72の断面の中心線C1がタイヤ外周面の法線となるようにタイヤ内周面側に押し付けられるため、タイヤの低速走行時には、回転体7,7は回転することができなかった。
そこで、反発磁石8Aを設けることにより、磁石72,72の磁束φ1,φ2に反発磁石8Aの放出する磁束φ3を作用させることで、磁石72,72と反発磁石8A間に斥力及び引力を生じさせ、回転体7,7に回転トルクTmを付与する。
回転トルクTmは、タイヤの回転により回転体7,7に作用する遠心力によって打ち消されるが、タイヤが路面と接触するタイヤ踏み込み時には、遠心力が瞬間的に開放されるため、打ち消されていた回転トルクTmは、加速度となって回転体7,7を加速するので、低速走行時にも回転体7,7を回転させることが可能となる。
さらに、回転中の回転体7,7にも、反発磁石8Aの磁束φ3による加速力が作用し、回転体7,7の回転を加速させることができるので、低速走行時にも高電力を得ることができる。
なお、反発磁石8Aの寸法,形状及び配置する位置の設定については、後述の実験例において説明する。
【0025】
図3(a)に示すように、回転軸支持部材3,3間の間隔cは、回転軸4の全長よりも短く、かつ、回転軸4の両端部41,41を除いた部分の長さdよりも長く形成される。これにより、回転軸支持部材3とヨーク体位置決め部42との接触干渉を低減させることができる。また、回転軸4の回転をスムーズにできるので、磁石72が回転しやすくなり、高電力を得ることができるとともに発電量を増加させることができるようになり、回転軸4が軸受21よりはずれてしまうことを防止できる。
さらに、ヨーク面板73の扇の要部73bにおける位置決め孔74の孔縁部面46と回転軸4の磁石対応部43の端面45とが接触するように、ヨーク体位置決め部42と位置決め孔74とが嵌め合わされる構成としたので、回転体7の磁石72とコイル部6との間の距離がほぼ一定に保たれ、効率良く、安定して電圧を発生できる。
【0026】
以上のように構成されたタイヤ内発電装置1は、ベース2の裏面11aが、タイヤ気室内であって例えばトレッド面の裏面に相当する位置に固定される。そして、車を走行させると、タイヤ内振動でもっともエネルギーの高い遠心力の変動により、回転体7,7が回転し、互いに対向する2つの磁石72,72も回転する。この2つの磁石72,72の回転によって、各コイル巻体61の筒内の空間60を通過する磁束φ1,φ2の向きが変化するので、コイル62に電圧が発生する。この電圧が整流回路18を通して充電回路19に充電され、デバイス20に供給される。
【0027】
コイル部6の全体に対して1対の整流回路18と充電回路19とを設けるようにしても良いが、コイル部6のコイル巻体61毎に1対の整流回路18と充電回路19とを設けるようにすれば、充電量を多くできて好ましい。
【0028】
なお、タイヤの回転による振動は、タイヤのベルトの曲げによるヨー変化が引き起こしている。特にタイヤが接地する瞬間、又は、タイヤが接地から離れる瞬間に、タイヤ振動として現れる。この振動は、ベルトからタイヤの中心に近づくほど大きくなる。従って、トレッド面の裏面にベース2を固定し、回転体7を回転可能に支持する回転軸4をトレッド面の裏面よりタイヤの中心側に離れた位置に位置させることにより、回転体7により大きな加速度が働き、回転体7に大きなエネルギーを与えることができる。そこで、トレッド面の裏面よりタイヤの中心方向への距離10mm以上40mm以下の間に回転軸4を位置させた。
このように、コイル部6が、タイヤの内面にベース2を介して固定されたコイル部固定部材5に固定された構成としたので、互いに対向して回転する2つの回転体7,7に対するコイル部6の位置を正確に維持でき、磁束φ1,φ2の乱れを防止できて、発電効率が高くなる。
【0029】
以上説明したように、回転軸4を、タイヤの幅方向に延長するようにトレッド面の裏面に取付けることにより、車両走行時のタイヤに加わる遠心力の変化に応じて回転体7が回転しやすくなり、高電力を得ることができるとともに発電量を増加させることができるようになる。
また、回転体7の磁石72,72の磁束φ1,φ2に作用する磁束φ3を放出するネオジウム磁石からなる反発磁石8Aを設けたことにより、反発磁石8Aが回転体7に加速力を与えるので、車両の速度が低いときでも、回転体7,7が容易に回転を開始するので、車両が低速走行している時でも安定的に発電できるようになる。
【0030】
[実験例]
本発明のタイヤ発電装置1に設ける反発磁石8Aを設定するために行った実験について以下に説明する。
・タイヤサイズ;225/55R17を用いた。
・トレッド面の裏面における幅方向中央部にベース2の裏面11aを接着してタイヤ内発電装置1をタイヤ気室内に取付けた。回転軸4がタイヤの幅方向に延長するように取付けた。トレッド面の裏面から回転軸4までの距離は20mmとした。
・回転軸4は、全長の寸法が22.5mm、軸補強部44の長さ寸法が3mm、磁石対応部43の長さ寸法が4mm、ヨーク体位置決め部42の長さ寸法が3.25mm、端部41の長さ寸法が2.5mm、軸補強部44の径寸法が3.5mm、磁石対応部43の径寸法が2.5mm、ヨーク体位置決め部42の最大径寸法が2.5mm、端部41の径寸法が2mmのものを用いた。
・ヨーク体71は、回転体7の回転中心からヨーク面板73の円弧線縁に沿って設けられた磁石位置決め板76の内面76aまでの距離である扇の内寸法が9mm、回転体7の回転中心から磁石位置決め板76の外面76bまでの距離である扇の外寸法が9.5mm、ヨーク面板73の2つの半径線縁に沿って設けられた2つの磁石位置決め板75,75の内面75aと内面75aとのなす角度が120°のものを用いた。また、図3(a),(b)に示すように、磁石位置決め板75,75,76の幅寸法aを3mm、ヨーク面板73の幅寸法bを1mmとした。
・単位扇形状磁石77は、扇の要の円弧の内径が4mm、扇の外径が18mm、厚さ4mm、重さ2.35gのネオジウム磁石を用いた。
・コイル巻体61は、扇の要の円弧の内径が内径5mm、扇の外径が18mm、筒の全長が2mm、コイルの線径が0.08mm、巻数が500回のものを用いた。
・タイヤ内発電装置1は、電気部品群22を含めて全体で13gのものを用いた。
・車速30km/hの速度で、蓄電圧が0Vから電圧が安定するまで走行させた。
・安定した電圧とデバイスの負荷(R=200Ω)とにより、発電量(W=V2/R)を算出した。
・反発磁石8Aには、直径が1mm、長さが2mmの円柱型のネオジウム磁石を回転体7の磁石72の直下に配置し、磁石72と反発磁石8Aとの距離を変化させ発電量を計測した。
低速走行中の発電量を最大にする条件は、時速30km/hで走行中の車輪の遠心力によって回転体7が周方向の最外位置に位置しないようにする接線方向の力、即ち、回転トルクTmの発生が必要となる。この回転トルクTmは、回転体7の磁石72,72と反発磁石8Aとによる斥力及び引力により得られる。よって、時速30km/hで走行中の遠心力の作用により回転体に生じる回転トルクに等しい回転トルクTmが少なくとも得られる距離に反発磁石8Aを配置すれば良い。
そこで、円柱形の磁石を磁石72,72の最下端位置よりも下側に配置し、磁石72,72から下側に距離を変えて、反発磁石8Aによる回転体7の磁石72への反発力を変化させて、発電量を測定する。具体的には、回転体7の回転中心から磁石の中心までの距離を0.1mm刻みで、8.6mm〜9.5mmの間で変化させ、最大の回転トルクTmが得られる距離について調べた。
なお、時速30km/hで走行中のタイヤの遠心力により回転体7に作用する回転トルクは、予め測定され、その回転トルクは0.008Nmである。タイヤの遠心力により回転体7に作用する回転トルクは、回転体7をタイヤの内面側に押し付けようと回転軸4周りに作用する力である。
まず、円柱形の磁石を磁石72,72の最下端位置よりも下側に、磁石72,72から遠ざかるように真下向きに位置を変えて配置し、反発磁石8Aによる回転体7の磁石72への斥力及び引力を変化させたときの、回転中心から反発磁石8Aまでの距離と、反発磁石8Aにより回転体7に作用する回転トルクTmとの関係を調べた。
その結果を図6に示す。図6から分かるように、回転中心から反発磁石8Aまでの距離が近いほど、回転体7に作用する回転トルクTmが大きくなることが分かる。
【0031】
次に、コイル下端位置から0.2mmの位置に直径1mm、長さ2mmの反発磁石8Aを配置して、反発磁石8Aが回転体7,7に作用する回転トルクTmと発電量との関係を調べた。
図7(a)は、回転体7,7の磁石72,72と反発磁石8Aとの配置の概念図を示し、図7(b)は、回転体7,7に作用する回転トルクTmと発電量との関係を示すグラフである。
図7(b)から分かるように、発電量は、回転トルクTmの増加に比例して増加せず、回転トルクTmが0.008Nm近傍で発電量が最大となり、その前後においては発電量が減少している。
これは、回転トルクTmが0.008Nm近傍よりも大きいときには、遠心力により生じる回転トルクよりも、反発磁石8Aが磁石72,72に作用する反発による回転トルクTmの方が大きいため、回転体7の回転方向が一方に抑制された状態となり、反発磁石8Aによる反発力の回転トルクTmよりも遠心力による大きな回転トルクが必要になるからである。
よって、タイヤの遠心力により回転体7に作用する回転トルクと等しい回転トルクTmが得られる位置に反発磁石8Aを配置することで、時速30km/hの速度で走行中の最大の発電量が得られる。つまり、コイル下端位置から0.2mmの位置に直径1mm、長さ2mmの反発磁石8Aを位置することで、最大の発電量が得られるようになる。
【0032】
次に、反発磁石の形状を変えたときの効果について調べる。幅が1mm、厚さが2mm、長さが1mm〜9mmの角柱形を用い、角柱形からなる反発磁石8Bの延長する方向が、コイル下端位置の接線方向と平行になるようにコイル下端位置から下側に配置した。
図8(a)は、回転体7,7の磁石72,72と反発磁石8Bとの配置の概念図を示し、図8(b)は、角柱形の長さと、回転体7,7に作用する回転トルクTm及び発電量との関係を示すグラフである。
図8(b)に示すように、反発磁石8Bの長さが5mm以上で、得られる回転トルクTmが平衡状態となり、長さが約6mmで回転トルクTmが最大となる。一方発電量は、長さが4mmと9mmのときにピークとなり、その発電量は、約19mWとなる。
よって、タイヤ内発電装置1の重量を増加させないことと、大きい回転トルクTmが必要であることから、反発磁石8Bの長さが4mmのときの発電量に次いで発電量が大きく、かつ、長さが4mmのときよりも回転トルクTmの大きい、5mmに設定すれば良い。
【0033】
以上の結果から、直径が1mm、長さが2mm、体積が1.57mmの円柱形の反発磁石8Aをコイル下端位置から0.2mmの位置に配置することで、発電量22mWを得ることができる。
また、幅が1mm、厚さが2mm、長さが5mm、体積が10mmの角柱形の反発磁石8Bをコイル下端位置から0.2mmの位置に配置することで、発電量19mWを得ることができる。
よって、タイヤ発電装置1の重量をほとんど増加させることなく、低速走行時でも安定的に電圧を発生することができるのは、最大の発電量22mWの電力が得られる直径が1mm、厚さが2mm、体積が1.57mmの円柱形の反発磁石8Aをコイル下端位置から0.2mmの位置に配置すると良い。
【0034】
よって、本発明のタイヤ内発電装置1によれば、タイヤ内の温度や圧力タイヤ情報、例えば、タイヤにかかる圧力、路面の滑りやすさを検出し、これらタイヤの動的な状態を連続送信するために高電力を必要とするデバイスに安定して電力を供給できるようになる。
【0035】
なお、タイヤの内面に対するタイヤ内発電装置1の取付位置は特に限定されない。例えば、回転軸4がトレッド面の裏面と直交するようにタイヤ内発電装置1をトレッド面の裏面に取付けても良いし、回転軸4が回転方向に沿った方向に延長するようにタイヤ内発電装置1をトレッド面の裏面に取付けても良い。
【0036】
回転体7の加速手段8としての反発磁石8Aを永久磁石の1つのネオジウム磁石により構成したが、複数のネオジウム磁石により構成しても良い。
また、加速手段8をコイルの通電により磁力を発生する磁石、所謂電磁石により構成し、当該電磁石を1つ又は複数設けるようにしても良い。このとき電磁石により発生する磁束が、実験例で示したタイヤの回転により生じる回転トルクと略等しい回転トルクTmが回転体7,7に作用するように、電磁石を構成し、互いに対向する回転体の磁石間の中間に位置するように配置すれば良い。
また、加速手段8を電磁石により構成する場合、コイル巻体を電磁石として用い、コイル巻体から生じる磁束を、回転体7,7間に生じる磁束に作用させて回転トルクTmが生じるようにしても良い。この場合、コイル巻体と接続する充電回路19から電力を供給するようにすれば良く、コイル巻体に対する回転体7,7の位置をセンサ等により検出して、コイル巻体が電圧を発生させる場合と、電磁石となる場合とを切り替えるようにすれば良い。このように構成することで、別途加速手段8を設ける必要がないので、タイヤ内発電装置の重量を増加させることなく効率よく高電力を得ることができるようになる。
【0037】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 タイヤ内発電装置、2 ベース、3 回転軸支持部材、4 回転軸、
5 コイル部固定部材、5a 対向面、5b コイル部収納貫通孔、5c 軸避け部、
6 コイル部、7 回転体、8 加速手段、8A,8B 反発磁石、
11 ベース板、11a 裏面、12 固定台、13 下板、14 側壁、
15 屋根板、16 側設置台、17 収納設置空間、18 整流回路、
19 充電回路、20 デバイス、21 軸受、22 電気部品群、23 電線、
41 端部、42 ヨーク体位置決め部、43 磁石対応部、44 軸補強部、
45 端面、46 孔縁部面、
60 空間、61 コイル巻体、62 コイル、71 ヨーク体、72 磁石、
73 ヨーク面板、73a 扇部、73b 扇の要部、73u 扇面、
74 位置決め孔、75,76 磁石位置決め板、77 単位扇形状磁石、
78 端面、79 磁石設置部、80 湾曲切欠部、c 間隔、d 長さ、
φ1,φ2,φ3 磁束。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ気室内に取付けられるタイヤ内発電装置であって、
回転軸に取付けられ回転中心と重心とが異なるように一部が磁石により形成されて車両走行時のタイヤに加わる力の変化に応じて回転する回転体と、
回転体の磁石間に位置し、当該磁石との電磁誘導作用により電圧を発生するコイル部とを備え、
前記回転体に加速度を付与する加速手段を備えることを特徴とするタイヤ内発電装置。
【請求項2】
前記加速手段は、磁石であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ内発電装置。
【請求項3】
前記磁石は、ネオジウム磁石であることを特徴とする請求項2に記載のタイヤ内発電装置。
【請求項4】
前記加速手段は、コイルの通電により磁力を発生する磁石であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタイヤ内発電装置。
【請求項5】
前記磁石の磁束の向きが前記回転体の磁石間の磁束と平行であることを特徴とする請求項2乃至請求項4いずれかに記載のタイヤ内発電装置。
【請求項6】
前記磁石は、互いに対向する回転体の磁石間の中間に位置することを特徴とする請求項2乃至請求項5いずれかに記載のタイヤ内発電装置。
【請求項7】
前記磁石は、複数であることを特徴とする請求項2乃至請求項6いずれかに記載のタイヤ内発電装置。
【請求項8】
前記コイル部が、前記回転体に加速度を付与する加速手段であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ内発電装置。
【請求項9】
前記加速手段が付与する加速力の方向は、タイヤの踏み込み時に回転体に作用する加速度と同一方向であることを特徴とする請求項1乃至請求項8いずれかに記載のタイヤ内発電装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−229309(P2011−229309A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97970(P2010−97970)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】