説明

タイヤ加硫用金型の内周面の真円度測定装置

【課題】 タイヤ加硫成形装置のプレスで型閉しめされた実際の稼働状態における金型内周面の真円度を測定できる装置を提供する。
【解決手段】 タイヤ加硫成形装置10のプレス11、12で型閉じされるコンテナ13内に、割り金型の上部サイドプレート14、下部サイドプレート15、トレッドセグメント16が組み込まれ、該割り金型に囲まれた内部空間の中央部に、環状に整列されたトレッドセグメント16からなる金型内周面の真円度測定装置20がセットされ、真円度測定装置20は、下端開口の筒状本体21と、該筒状本体21の下端外周面より突出して下部サイドプレート15の中央開口周縁の嵌合部15aに嵌合保持される取付部22と、筒状本体21の空洞に装備される駆動手段25と、該駆動手段25により筒状本体21の外周面に沿って回転移動される非接触変位測定器26を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタイヤ加硫用金型の内周面の真円度測定装置に関し、特に、割り金型をタイヤプレス(タイヤ加硫機)に設置されたコンテナ内に実際にセットした状態で、環状配置されたトレッドセグメントから構成される金型内周面の真円度を測定できる装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タイヤ加硫金型としては、一般的に割り金型が用いられている。該割り金型は、タイヤの両側端面形成用の上部サイドプレート、下部サイドプレート、外周面を形成する複数のトレッドセグメント、トレッドセグメントを外面側から保持するセクターシューに分割されている。
【0003】
ラジアルタイヤにおいては、ランナウト(RRO=Radial Run Out)と、割り金型の内周面(トレッドセグメントが環状にセットされた状態での内周面)の真円度とは密接な相関関係にあり、そのため、金型内周面を精度の高い真円度とすることが求められている、
タイヤプレス機に装備されるコンテナ内に割り金型をセット、プレスで締め付けて稼働状態として金型内周面の真円度を測定すると、実際に使用する状態での金型内周面の真円度が得られることより、最も好適な測定方法となる。
【0004】
前記のようにプレスで締め付けて割り金型を稼働状態として測定しようとすると、図5に示すように、割り金型の下部サイドプレート1の中央開口1aより測定装置2を挿入し、該測定装置2の下端を下部サイドプレート1の中央開口1aの周縁に固定する必要がある。かつ、測定装置2を回転駆動させる駆動手段3を下部サイドプレートの中央開口1aより外方に配置する必要があると共に、測定装置2のセンサー4等に接続する配線W1および駆動手段3に接続する配線W2も下部サイドプレート1の中央開口1aの下部に引き出されることとなる。
【0005】
しかしながら、前記下部サイドプレート1の中央開口1aの下部には、割り金型の型面に沿って配置されるブラダーに圧力熱媒体を供給するためのセンター機構5が配置されている。よって、前記測定装置2の駆動手段3や配線W1.W2がセンター機構5と干渉する問題が発生する。その結果、従来は、プレスで型閉した状態で割り金型内周面の真円度を測定方法を採用することは非常に困難であった。
【0006】
前記問題に対して、本出願人は特開2002−257537号公報(特許文献1)において、タイヤ加硫成形装置のプレスのコンテナ内に割り金型をセットした稼働状態で測定するのではなく、トレッドセグメントを円筒整列状にセットできるトレッドセグメント保持体を備え、このセットした状態でトレッドセグメントの内面凹凸度を非接触センサにより測定する専用測定装置を提供している。
【0007】
さらに、本出願人は特開2003−266445号(特許文献2)において、コンテナ内に割り金型をセットするが、タイヤ加硫成形装置のプレスではない測定装置専用の型閉め挟み込み手段を設け、該専用手段でコンテナを締め付けた状態で、特許文献1と同様に、金型の内部空間にセットした非接触センサでトレッドセグメントの内周面を測定する専用測定装置を提供している。
【0008】
前記特許文献1、2のいずれも、タイヤ加硫成形装置のプレスで締め付けられるコンテナ内に割り金型をセットして、実際の稼働状態における金型内周面の真円度を測定しているのではなく、オフラインに設置した専用の測定装置にセットして測定している。即ち、プレスで型閉めした稼働状態における金型内周面の真円度を確認しているものではない。
プレスに装着されたコンテナは動作に自由度があるため、プレス精度、コンテナ精度の影響を受け、金型内周面の真円度は前記オフラインで専用測定装置で測定した場合と変化が生じる可能性がある。よって、これらの専用測定装置で測定しても、プレスで型閉めされた状態での金型内周面の真円度を測定していることにはならない問題がある。
【0009】
【特許文献1】特開2002−257537号公報
【特許文献2】特開2003−266445号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、前記図5に示す方法と同様な、タイヤ加硫成形装置のプレスで型閉めした稼働状態における金型内周面の真円度を測定する方法を採用し、かつ、その場合に問題となった金型内部の空間に設置する測定装置自体を改良し、金型の下部サイドプレートの中央開口の下部に配置するセンター機構との干渉を可能な限り低減し、容易に、プレスで型閉しめされた実際の稼働状態における金型内周面の真円度を測定できる装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、本発明は、タイヤ加硫成形装置のプレスで型閉じされるコンテナ内に、割り金型の上部サイドプレート、下部サイドプレート、トレッドセグメントが組み込まれ、該割り金型に囲まれた内部空間の中央部に、環状に整列された前記トレッドセグメントからなる金型内周面の真円度測定装置がセットされ、
前記真円度測定装置は、下端開口の筒状本体と、該筒状本体の下端外周面より突出して前記下部サイドプレートの中央開口周縁の嵌合部に嵌合保持される取付部と、前記筒状本体の空洞に装備される駆動手段と、該駆動手段により前記筒状本体の外周面に沿って回転移動される非接触変位測定器を備えていることを特徴とするタイヤ加硫用金型の内周面の真円度測定装置を提供している。
【0012】
前記のように、本発明では、タイヤ加硫成形装置のプレスで型閉じされるコンテナ内に割り金型をセットし、プレス精度、コンテナ精度の影響を含めて、実際の稼働状態における金型内周面の真円度を測定している。
其の際、前記した問題点の金型内部空間に設置する測定装置からセンター機構へ突出する駆動手段は、測定装置の本体を空洞を有する筒体とし、該筒体の空洞に駆動手段を収容する構成としていることで、センター機構への干渉を排除している。
【0013】
具体的には、前記駆動手段はブレーキ付きモータ、サーボモータ等の回転駆動装置および該回転駆動装置と接続された回転角度検出用のエンコーダからなる。これら回転駆動装置およびエンコーダは前記筒状本体から空洞に突設された支持アームにより支持していると共に、前記回転駆動装置で回転駆動されるリンクを前記筒状本体の上端に回転自在に支承し、前記リンクより突設するアームの先端にガイド軸を下向きに垂設し、該ガイド軸にレーザー変位計等の非接触変位測定器を取り付けている。
【0014】
前記モータ等の回転駆動装置およびエンコーダへの給電は配線を介して行わず、筒状本体の内部空洞に収容した電池で行う構成とすることが好ましい。
該構成とすると、下部サイドプレートよりセンター機構へと配線を引き出す必要がなく、モータやエンコーダを筒状本体の内部空洞に収容していることと合わせて、センター機構との干渉を完全に排除できる。よって、測定装置を金型内部にセットした時に、センター機構を取り外す必要がなくなり、プレスを閉じた実際の稼働状態における割り金型内周面の真円度を測定することができる。
【0015】
かつ、前記筒状本体の空洞に無線送受信機を収容し、前記駆動手段の駆動制御を無線で行うと共に、前記非接触変位測定器からの検知データを無線で外部パソコンに送信可能としていることが好ましい。
【0016】
前記非接触変位測定器の高さ位置の設定は、該非接触変位測定器にストッパー兼スペーサーを取り付け、該ストッパー兼スペーサーを前記ガイド軸に昇降自在に嵌合し、前記ガイド軸に取り付けた固定用マグネットで前記ストッパー兼ストッパーを磁着している。よって、ガイド軸に取り付ける固定用マグネットの高さ位置を予め設定しておくことで、前記非接触変位測定装置による測定位置を任意に設定可能としている。
【0017】
さらに、前記ガイド軸に固定用マグネットで磁着された非接触変位測定器を任意の高さ位置に移動させるため、前記ガイド軸に連結した前記アームを前記回転駆動手段で高さ位置も制御可能とし、クラウン部、ショルダー部、ミドル部を含めて複数位置で金型内周面の真円度を測定できる構成としていることが好ましい。
前記回転駆動手段によるアームの高さ調節は、例えば、回転駆動手段をモータとし、該モータの出力軸にクラッチを介して傘歯車を取り付け、該傘歯車とかみ合うラックをアームに取り付けることでアームの高さ位置を調節できる。
【発明の効果】
【0018】
上述したように、本発明の測定装置では、測定装置の本体を筒状本体とし、その内部に駆動手段等を収容する構成とし、タイヤ加硫成形装置のプレスで型閉じされるコンテナ内にセットされた割り金型の内部に測定装置を取り付けても、センター機構に干渉しない構成としているため、センター機構を取り外す必要なくプレス型閉し、プレス精度、コンテナ精度の影響を含めて、実際の稼働状態における金型内周面の真円度を測定することができる。
よって、前記特許文献1、2に記載した専用の測定装置を設ける必要もなく、簡単に実際の稼働状態における金型内周面の真円度を測定することが可能となる。
【0019】
かつ、非接触測定器の高さ位置も任意に設定可能で、さらに、高さ位置を変えてクラウン部、ショルダー部、ミドル部を含めて複数位置で測定可能とすると、金型内周面の真円度をより高精度で設定することができ、製造するタイヤの真円度を高めて品質を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3は、本発明の実施形態を示す。
図1は、タイヤ加硫成形装置10を示し、タイヤ加硫成形装置10のプレス11、12で型閉じされるコンテナ13内に、割り金型の上部サイドプレート14と下部サイドプレート15が上下対向配置で組み込まれていると共に、該上部サイドプレート14と下部サイドプレート15の周縁に沿って複数のトレッドセグメント16が環状に整列されて組み込まれている。また、割り金型14、15、16に囲まれた内部空間の中央部に、環状に整列されたトレッドセグメント16からなる金型内周面の真円度を測定する真円度測定装置20がセットされている。
【0021】
前記真円度測定装置20は、下端開口の筒状本体21と、該筒状本体21の下端外周面より突出して前記下部サイドプレート15の中央開口周縁の嵌合部15aに嵌合保持される取付部22と、筒状本体21の空洞に装備される駆動手段25と、該駆動手段25により筒状本体21の外周面に沿って回転移動される非接触変位測定器26を備えている。
【0022】
詳細には、真円度測定装置20の筒状本体21は略円筒形状であり、下端外周面に設けた取付部22を下部サイドプレート15の嵌合部15aに嵌合させて割り金型14、15、16に囲まれた内部空間に配置している。このとき、筒状本体21の軸心と環状に配置されたトレッドセグメント16の軸心とを一致させている。
【0023】
駆動手段25は、非接触変位測定器26を回転させるブレーキ付きモータあるいはサーボーモータからなる回転駆動装置23と該回転駆動装置23と電線27を介して接続されると共に非接触変位測定器26の回転角度を検出するエンコーダ24とからなる。これら回転駆動装置23およびエンコーダ24は筒状本体21から空洞に突設された支持アーム28により支持され、筒状本体21内に配置されている。筒状本体21の上端には、回転駆動装置23で回転駆動されるリンク29が回転自在に支承されており、該リンク29の上面に取り付けられて側方に突出するアーム30の先端にガイド軸31が下向きに垂設され、該ガイド軸31にレーザ変位計からなる非接触変位測定器26が取り付けられている。該非接触変位測定器26はストッパー兼スペーサー32を介してガイド軸31に取り付けられている。具体的には、非接触変位測定器26に取り付けたストッパー兼スペーサー32をガイド軸31に昇降自在に嵌合させると、ストッパー兼スペーサー32が自重により下降し、ガイド軸31の所要位置に取り付けた固定用マグネット39に磁着され、固定用マグネット39の取付位置で固定される。
【0024】
また、筒状本体21の空洞に回転駆動装置23、エンコーダ24および非接触変位測定器26への給電源として電池33を収容しており、筒状本体21内に回転駆動装置23、エンコーダ24と電池33とを接続する電線34、35を配線している。また、電池33と非接触変位測定器26とを接続する電線(図示せず)は筒状本体21の上端に設けた開口21aを通して筒状本体21内から筒状本体21外へ引き出して配線している。これにより、回転駆動装置23、エンコーダ24および非接触変位測定器26への電源供給のために筒状本体21の下端開口と下部サイドプレート15の中央開口を通して外部へ引き出す外部配線を無くしている。よって、本実施形態でも下部サイドプレート15の中央開口15aの下部に、割り金型の型面に沿って配置されるブラダーに圧力熱媒体を供給するためのセンター機構17を設けているが、該センター機構17と電線との干渉を回避することができる。
【0025】
さらに、筒状本体21の空洞に無線送受信機36を収容し、該無線送受信機36と回転駆動装置23、エンコーダ24および非接触変位測定器26とを通信線37、38(非接触変位測定器26と接続する通信線は図示せず)により接続している。該無線送受信機36により、駆動手段25の駆動制御を外部から無線で行うと共に、エンコーダ24で検出した非接触変位測定器26の回転角度と非接触変位測定器26からの検知データを無線で外部のパーソナルコンピュータ(図示せず)に送信可能としている。
パーソナルコンピュータに送信された検知データを演算処理(フーリエ級数解析)することにより、パーソナルコンピュータの表示部に、例えば図3に示すような波形40が表示される。
【0026】
次に、前記真円度測定装置20を用いたタイヤ加硫用金型の内周面の真円度の測定方法について説明する。
先ず、コンテナ13内に割り金型の上部サイドプレート14、下部サイドプレート15、トレッドセグメント16を配置し、下部サイドプレート15の中央開口周縁の嵌合部15aに真円度測定装置20の筒状本体21の取付部22を嵌合させて、割り金型14、15、16に囲まれた内部空間の中央部に真円度測定装置20をセットする。このとき、非接触変位測定器26を測定開始位置に配置している。
次いで、コンテナ13をタイヤ加硫成形装置10のプレス11、12で型閉じし、タイヤ加硫成形装置10を実際の稼動状態と同様の状態とする。
【0027】
次いで、無線送受信機36を介して駆動手段25を作動させ、タイヤ加硫用金型の内周面の真円度の測定を開始する。金型内周面の真円度の測定は上下方向のいずれの位置で行ってもよいが、真円度測定装置20のガイド軸31に昇降自在に取り付けた固定用マグネットを昇降させることにより、非接触変位測定器26を上下方向に移動させると、クラウン部、ショルダー部、ミドル部を含めて複数位置で金型内周面の真円度を測定することができる。
所要時間経過後、非接触変位測定器26の回転を停止して測定を終了する。非接触変位測定器26で測定された検知データは、無線送受信機36により無線でパーソナルコンピュータに送信され、送信された検知データを演算処理(フーリエ級数解析)することにより、パーソナルコンピュータの表示部に波形が表示され、金型内周面の真円度が確認される。
【0028】
前記構成によれば、金型内周面の真円度測定装置20の本体を筒状本体21とし、その内部に駆動手段25等を収容する構成とし、タイヤ加硫成形装置10のプレス11、12で型閉じされるコンテナ13内にセットされた割り金型14、15、16の内部に測定装置を取り付けても、センター機構に干渉しない構成としているため、センター機構を取り外す必要なくプレス型閉し、プレス精度、コンテナ精度の影響を含めて、実際の稼働状態における金型内周面の真円度を測定することができる。
【0029】
図4は、本発明の実施形態の変形例を示す。
本変形例では、真円度測定装置20のアーム30を昇降可能として、非接触変位測定器26の高さ位置も任意に設定可能としている。
具体的には、回転駆動装置23の出力軸41にクラッチ(図示せず)を介して水平面内で回転する第1傘歯車42を取り付けており、アーム30には第1傘歯車42と噛み合って垂直平面内で回転する第2傘歯車43と噛み合うラック44を取り付けている。
これにより、回転駆動装置23の出力軸41の回転により第1傘歯車42が回転すると、該第1傘歯車42と噛み合う第2傘歯車43が垂直平面内で回転し、かつ、該第2傘歯車43と噛み合うラック44が昇降してアーム30の高さを調節することができる。
即ち、前記実施形態では非接触変位測定器26の高さ位置を変更する場合には、固定用マグネットの取付位置を変えなければならないが、本変形例によれば、回転駆動装置23により自動的に非接触変位測定器26の高さ位置を変更することができる。
【0030】
前記構成によれば、アーム30を昇降可能とすることにより、非接触変位測定器26の高さ位置も任意に設定可能で、さらに、高さ位置を変えてクラウン部、ショルダー部、ミドル部を含めて複数位置で測定可能とすると、金型内周面の真円度をより高精度で設定することができ、製造するタイヤの真円度を高めて品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態のタイヤ加硫成形装置を示す図面である。
【図2】金型の内周面の真円度測定装置を示し、(A)は正面図、(B)は平面図である。
【図3】測定結果の一例を示す波形図である。
【図4】本発明の実施形態の変形例を示す図面である。
【図5】従来例を示す図面である。
【符号の説明】
【0032】
10 タイヤ加硫成形装置
11、12 プレス
13 コンテナ
14 上部サイドプレート
15 下部サイドプレート
16 トレッドセグメント
20 タイヤ加硫用金型の内周面の真円度測定装置
21 筒状本体
22 取付部
23 回転駆動装置
24 エンコーダ
25 駆動手段
26 非接触変位測定器
28 支持アーム
29 リンク
30 アーム
31 ガイド軸
32 ストッパー兼スペーサー
33 電池
36 無線送受信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ加硫成形装置のプレスで型閉じされるコンテナ内に、割り金型の上部サイドプレート、下部サイドプレート、トレッドセグメントが組み込まれ、該割り金型に囲まれた内部空間の中央部に、環状に整列された前記トレッドセグメントからなる金型内周面の真円度測定装置がセットされ、
前記真円度測定装置は、下端開口の筒状本体と、該筒状本体の下端外周面より突出して前記下部サイドプレートの中央開口周縁の嵌合部に嵌合保持される取付部と、前記筒状本体の空洞に装備される駆動手段と、該駆動手段により前記筒状本体の外周面に沿って回転移動される非接触変位測定器を備えていることを特徴とするタイヤ加硫用金型の内周面の真円度測定装置。
【請求項2】
前記駆動手段は回転駆動装置および該回転駆動装置と接続された回転角度検出用のエンコーダからなり、これら回転駆動装置およびエンコーダは前記筒状本体から空洞に突設された支持アームにより支持していると共に、前記回転駆動装置で回転駆動されるリンクを前記筒状本体の上端に回転自在に支承し、前記リンクより突設するアームの先端にガイド軸を下向きに垂設し、該ガイド軸に前記非接触変位測定器を取り付けている請求項1に記載のタイヤ加硫用金型の内周面の真円度測定装置。
【請求項3】
前記回転駆動装置およびエンコーダへの給電源として電池を備え、該電池を前記筒状本体の空洞に収容して外部配線を無くしている請求項1または請求項2に記載のタイヤ加硫用金型の内周面の真円度測定装置。
【請求項4】
前記筒状本体の空洞に無線送受信機を収容し、前記駆動手段の駆動制御を無線で行うと共に、前記非接触変位測定器からの検知データを無線で外部パソコンに送信可能としている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ加硫用金型の内周面の真円度測定装置。
【請求項5】
前記非接触変位測定器としてレーザー変位計を用い、前記回転駆動装置としてブレーキ付きモータあるいはサーボーモータからなるモータを用いている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のタイヤ加硫用金型の内周面の真円度測定装置。
【請求項6】
前記非接触変位測定器にストッパー兼スペーサーを取り付け、該ストッパー兼スペーサーを前記ガイド軸に昇降自在に嵌合し、前記ガイド軸に取り付けた固定用マグネットで前記ストッパー兼ストッパーを磁着し、前記固定用マグネットの高さ位置を変えて、前記非接触変位測定装置による測定位置を任意に設定可能としている請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載のタイヤ加硫用金型の内周面の真円度測定装置。
【請求項7】
前記ガイド軸に固定用マグネットで磁着された非接触変位測定器を任意の高さ位置に移動させるため、前記ガイド軸に連結した前記アームを前記回転駆動装置で高さ位置も制御可能とし、クラウン部、ショルダー部、ミドル部を含めて複数位置で金型内周面の真円度が測定できる構成としている請求項6に記載のタイヤ加硫用金型の内周面の真円度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−289902(P2006−289902A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117044(P2005−117044)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】