説明

タイヤ金型の設計方法およびタイヤ金型ならびに空気入りタイヤ

【課題】タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上すること。
【解決手段】タイヤ金型のセクタをタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割し、かつトレッド摩耗表示を有する有表示セクタ金型、およびトレッド摩耗表示を有さない無表示セクタ金型を設定する工程と、有表示セクタ金型および無表示セクタ金型の組み合わせを設定し、所定数のトレッド摩耗表示をタイヤ周方向で等間隔に配置する工程とを含む。これにより、トレッド摩耗表示を有する同じ構成のセクタ金型を用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤにおける周方向溝の溝底にトレッド摩耗表示を設けるタイヤ金型の設計方法、およびタイヤ金型、ならびに前記タイヤ金型により形成される空気入りタイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従前から、空気入りタイヤには、路面に接地する踏面の摩耗限度を知らしめるためのトレッド摩耗表示が設けられている。トレッド摩耗表示は、トレッド部にタイヤ周方向に延在する周方向溝の溝底に、断面台形状の突起として形成されており、ウェアインジケータ(または、スリップサインとも呼ばれる)と、プラットホームとがある。
【0003】
ウェアインジケータは、周方向溝の残り溝深さを示すように溝底に設けられている。ウェアインジケータは、乗用車用タイヤではトレッド周上でほぼ等間隔に6箇所以上設けられる。また、ウェアインジケータを設ける場合、当該ウェアインジケータの位置を明確にするための位置マークが、ウェアインジケータを設けたタイヤ幅方向の延長線上であって空気入りタイヤのバットレス部に形成される。
【0004】
一方、プラットホームは、冬用タイヤにおいて、踏面の摩耗50[%]を示すもので、溝底からの高さが周方向溝の半分とされている。プラットホームは、通常、トレッド周上でほぼ等間隔に4箇所以上設けられる。また、プラットホームを設ける場合、当該プラットホームの位置を明確にするための位置マークが、プラットホームを設けたタイヤ幅方向の延長線上であって空気入りタイヤのタイヤ幅方向最大幅の部位からリムラインまでの間に形成される。
【0005】
この空気入りタイヤを成形するタイヤ金型は、トレッド部を成形するセクタと、タイヤ幅方向最大幅の部位からタイヤ径方向内側を成形するサイドプレートと、ビード部を成形するビードリングとで構成され、通常、ウェアインジケータおよびその位置マークと、プラットホームとがセクタに形成され、プラットホームの位置マークがサイドプレートに形成される。また、セクタは、全体形状が環状であることから、タイヤ周方向で複数分割されている。このタイヤ周方向でのタイヤ金型の分割数は様々であるが、トレッド部のパターンや、加硫時の加硫ゴムの流れ不良などを考慮して、通常8個以上に分割される。
【0006】
また、上述したタイヤ金型を設計する際には、トレッド部のパターンを決め、その後にパターンに合わせて上述した規定に合うようにトレッド摩耗表示を設ける位置を決めている。そして、タイヤ金型は、トレッド部のパターンを基準として鋳造された後、その鋳型にトレッド摩耗表示を設けるための加工が施されている。
【0007】
このように、従来では、タイヤ金型は、トレッド部のパターンを基準として鋳造された鋳型にトレッド摩耗表示の加工が施されているため、製造工数が多く製造時間がかかるため、タイヤ金型および空気入りタイヤの製造上の効率が悪くなり製造コストが嵩む問題がある。特に、トレッド摩耗表示は、トレッド部のパターンを基準とした後加工され、かつタイヤ金型は、タイヤ周方向で8個以上に複数分割されており、かつウェアインジケータは周上ほぼ等間隔に6箇所以上、プラットホームは周上ほぼ等間隔に4箇所以上設けられることから、分割された各金型においてトレッド摩耗表示の位置を同じく形成されない事態が生じ、これによっても製造工数が多くなり製造時間がかかるため、タイヤ金型および空気入りタイヤの製造上の効率がさらに悪く製造コストがさらに嵩む問題がある。
【0008】
なお、特許文献1には、タイヤ周方向で複数分割されたタイヤ金型に関し、ウェアインジケータに生じやすいゴム流れ不良の発生を防止するため、周方向に分割される複数のセクタを有するタイヤ金型(割モールド)によって加硫成形され、トレッド部の溝内にウェアインジケータを備えた空気入りタイヤであって、少なくとも1ヵ所のウェアインジケータの設置位置を、タイヤ金型の分割位置と一致させた空気入りタイヤが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6−226746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した特許文献1の空気入りタイヤは、ウェアインジケータに生じやすいゴム流れ不良の発生を防止するもので、ウェアインジケータの配置に考慮してタイヤ金型製造上の効率を向上できるものではない。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、製造上の効率を向上することのできるタイヤ金型の設計方法、およびタイヤ金型、ならびに空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のタイヤ金型の設計方法は、空気入りタイヤを成形するタイヤ金型の設計方法であって、タイヤ金型のセクタをタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割し、かつトレッド摩耗表示を有する有表示セクタ金型、およびトレッド摩耗表示を有さない無表示セクタ金型を設定する工程と、前記有表示セクタ金型および前記無表示セクタ金型の組み合わせを設定し、所定数の前記トレッド摩耗表示をタイヤ周方向で等間隔に配置する工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
このタイヤ金型の設計方法によれば、トレッド摩耗表示を有する同じ構成のセクタ金型を用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0014】
また、本発明のタイヤ金型の設計方法では、前記有表示セクタ金型は、前記トレッド摩耗表示をタイヤ周方向の中央に有することを特徴とする。
【0015】
このタイヤ金型の設計方法によれば、トレッド摩耗表示を有する同じ構成のセクタ金型をより多く用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率をさらに向上できる。
【0016】
また、本発明のタイヤ金型の設計方法では、前記有表示セクタ金型は、前記トレッド摩耗表示をタイヤ周方向の一方の端部寄りに有し、組み合わせの際に、タイヤ周方向で反転したものと反転しないものとが設定されることを特徴とする。
【0017】
このタイヤ金型の設計方法によれば、トレッド摩耗表示を有する同じ構成のセクタ金型をより多く用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率をさらに向上できる。
【0018】
また、本発明のタイヤ金型の設計方法では、前記有表示セクタ金型は、前記トレッド摩耗表示のタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有し、組み合わせの際に、タイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のトレッド摩耗表示を成すことを特徴とする。
【0019】
このタイヤ金型の設計方法によれば、トレッド摩耗表示を有する同じ構成のセクタ金型をより多く用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率をさらに向上できる。
【0020】
また、本発明のタイヤ金型の設計方法は、空気入りタイヤを成形するタイヤ金型の設計方法であって、タイヤ金型のセクタをタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割し、かつトレッド摩耗表示のタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する有表示セクタ金型を設定する工程と、所定数の前記トレッド摩耗表示をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、前記有表示セクタ金型のタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個の前記トレッド摩耗表示を成す組み合わせを設定する工程と、を含むことを特徴とする。
【0021】
このタイヤ金型の設計方法によれば、トレッド摩耗表示を有する同じ構成のセクタ金型を用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0022】
また、本発明のタイヤ金型の設計方法では、前記トレッド摩耗表示は、残り溝深さを示すウェアインジケータおよび前記ウェアインジケータの位置マークであることを特徴とする。
【0023】
このタイヤ金型の設計方法によれば、ウェアインジケータおよび位置マークを有する同じ構成のセクタ金型をより多く用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率をさらに向上できる。
【0024】
また、本発明のタイヤ金型の設計方法では、前記トレッド摩耗表示は、踏面の摩耗50[%]を示すプラットホームであることを特徴とする。
【0025】
このタイヤ金型の設計方法によれば、プラットホームを有する同じ構成のセクタ金型をより多く用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率をさらに向上できる。
【0026】
また、本発明のタイヤ金型の設計方法では、前記トレッド摩耗表示は、残り溝深さを示すウェアインジケータおよび前記ウェアインジケータの位置マークと、踏面の摩耗50[%]を示すプラットホームとを共に含むことを特徴とする。
【0027】
このタイヤ金型の設計方法によれば、ウェアインジケータおよび位置マークとプラットホームとを有する同じ構成のセクタ金型をより多く用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率をさらに向上できる。
【0028】
また、本発明のタイヤ金型の設計方法では、空気入りタイヤを成形するタイヤ金型の設計方法であって、タイヤ金型のセクタをタイヤ周方向に9個に等分割し、かつ残り溝深さを示すウェアインジケータおよび前記ウェアインジケータの位置マークをタイヤ周方向の中央に有する第一有表示セクタ金型、前記ウェアインジケータおよび前記位置マークのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する第二有表示セクタ金型を設定する工程と、6個の前記ウェアインジケータおよび前記位置マークをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、前記第二有表示セクタ金型のタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個の前記ウェアインジケータおよび前記位置マークを成しつつ、前記第一有表示セクタ金型との組み合わせを設定する工程と、を含むことを特徴とする。
【0029】
このタイヤ金型の設計方法によれば、ウェアインジケータおよび位置マークを有する同じ構成のセクタ金型をより多く用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率をさらに向上できる。
【0030】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のタイヤ金型は、空気入りタイヤを成形するタイヤ金型であって、セクタがタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割されて成り、トレッド摩耗表示を有する有表示セクタ金型、およびトレッド摩耗表示を有さない無表示セクタ金型を備え、前記有表示セクタ金型および前記無表示セクタ金型を組み合わせ、所定数の前記トレッド摩耗表示をタイヤ周方向で等間隔に配置することを特徴とする。
【0031】
このタイヤ金型によれば、トレッド摩耗表示を有する同じ構成のセクタ金型を用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0032】
また、本発明のタイヤ金型では、前記有表示セクタ金型は、前記トレッド摩耗表示をタイヤ周方向の中央に有して構成されていることを特徴とする。
【0033】
このタイヤ金型によれば、トレッド摩耗表示を有する同じ構成のセクタ金型をより多く用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率をさらに向上できる。
【0034】
また、本発明のタイヤ金型では、前記有表示セクタ金型は、前記トレッド摩耗表示をタイヤ周方向の一方の端部寄りに有して構成され、組み合わせの際に、タイヤ周方向で反転したものと反転しないものとが用いられることを特徴とする。
【0035】
このタイヤ金型によれば、トレッド摩耗表示を有する同じ構成のセクタ金型をより多く用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率をさらに向上できる。
【0036】
また、本発明のタイヤ金型では、前記有表示セクタ金型は、前記トレッド摩耗表示をタイヤ周方向の一方の端部にタイヤ周方向寸法の半分を有して構成され、組み合わせの際に、タイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個の前記トレッド摩耗表示を成すことを特徴とする。
【0037】
このタイヤ金型によれば、トレッド摩耗表示を有する同じ構成のセクタ金型をより多く用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率をさらに向上できる。
【0038】
また、本発明のタイヤ金型では、空気入りタイヤを成形するタイヤ金型であって、セクタをタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割し、かつトレッド摩耗表示のタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する有表示セクタ金型を備え、所定数の前記トレッド摩耗表示をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、前記有表示セクタ金型のタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個の前記トレッド摩耗表示を成すことを特徴とする。
【0039】
このタイヤ金型によれば、トレッド摩耗表示を有する同じ構成のセクタ金型を用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0040】
また、本発明のタイヤ金型では、前記トレッド摩耗表示は、残り溝深さを示すウェアインジケータおよび前記ウェアインジケータの位置マークであることを特徴とする。
【0041】
このタイヤ金型によれば、ウェアインジケータおよび位置マークを有する同じ構成のセクタ金型を用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0042】
また、本発明のタイヤ金型では、前記トレッド摩耗表示は、踏面の摩耗50[%]を示すプラットホームであることを特徴とする。
【0043】
このタイヤ金型によれば、プラットホームを有する同じ構成のセクタ金型を用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0044】
また、本発明のタイヤ金型では、前記トレッド摩耗表示は、残り溝深さを示すウェアインジケータおよび前記ウェアインジケータの位置マークと、踏面の摩耗50[%]を示すプラットホームとを共に含むことを特徴とする。
【0045】
このタイヤ金型によれば、ウェアインジケータおよび位置マークとプラットホームとを有する同じ構成のセクタ金型を用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0046】
また、本発明のタイヤ金型では、空気入りタイヤを成形するタイヤ金型であって、セクタをタイヤ周方向に9個に等分割し、かつ残り溝深さを示すウェアインジケータおよび前記ウェアインジケータの位置マークをタイヤ周方向の中央に有する第一有表示セクタ金型と、前記ウェアインジケータおよび前記位置マークのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する第二有表示セクタ金型とを備え、6個の前記ウェアインジケータおよび前記位置マークをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、前記第二有表示セクタ金型のタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個の前記ウェアインジケータおよび前記位置マークを成しつつ、前記第一有表示セクタ金型と組み合わせることを特徴とする。
【0047】
このタイヤ金型によれば、ウェアインジケータおよび位置マークを有する同じ構成のセクタ金型を用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0048】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤは、トレッド摩耗表示を有する空気入りタイヤであって、上述のいずれか一つのタイヤ金型により加硫成形されたことを特徴とする。
【0049】
この空気入りタイヤによれば、空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【発明の効果】
【0050】
本発明は、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッド部の平面図である。
【図2】図2は、図1に示す空気入りタイヤの子午断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態に係るタイヤ金型の側面図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1に係るタイヤ金型の設計方法を示す概略図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態2に係るタイヤ金型の設計方法を示す概略図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態3に係るタイヤ金型の設計方法を示す概略図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態3に係る8等分割のタイヤ金型の設計方法を示す概略図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態3に係る9等分割のタイヤ金型の設計方法を示す概略図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態3に係る12等分割のタイヤ金型の設計方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
【0053】
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸(図示せず)と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)Cに向かう側、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面Cから離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、前記回転軸を中心軸とする周方向である。また、タイヤ径方向とは、前記回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とは、タイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。
【0054】
また、以下に説明する空気入りタイヤ1は、タイヤ赤道面Cを中心としてほぼ対称になるように構成されている。タイヤ赤道面Cとは、空気入りタイヤ1の回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ幅は、タイヤ幅方向の外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面Cから最も離れている部分間の距離である。なお、タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面C上にあって空気入りタイヤ1の周方向に沿う線をいう。本実施の形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「C」を付す。そして、以下に説明する空気入りタイヤ1は、タイヤ赤道面Cを中心としてほぼ対称になるように構成されている。
【0055】
本実施の形態に係る空気入りタイヤ1は、空気入りラジアルタイヤであり、トレッド部2を含み構成されている。
【0056】
図1に示すように、トレッド部2は、ゴム材からなり、空気入りタイヤ1の外部に露出して、その表面が空気入りタイヤ1の輪郭となる。トレッド部2には、タイヤ周方向に延在する複数の周方向溝21と、タイヤ幅方向に延在する複数の幅方向溝22と、周方向溝21および幅方向溝22により区画された陸部23とが設けられている。また、図には明示しないが、本実施の形態に係る空気入りタイヤ1が氷雪路に適用されるスタッドレスタイヤである場合、陸部23の表面、つまり走行時に路面と接触する踏面23aには、細溝状のサイプが複数形成されている。サイプは、氷雪路で路面を引っ掻くエッジ効果を奏して陸部23にグリップ力を生じさせ、これにより、氷雪路面での制動性および操縦安定性を得るためのもので、タイヤ幅方向に延在し、ジグザグ形状や直線状に形成されている。
【0057】
図2に示すように、トレッド部2のタイヤ幅方向両外側には、ショルダー部3が配置されている。ショルダー部3のタイヤ径方向内側には、空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出したサイドウォール部4が配置されている。サイドウォール部4のタイヤ径方向内側には、リム(図示せず)に嵌合するビード部5が配置されている。また、図には明示しないが、空気入りタイヤ1の内部には、トレッド部2からビード部5に至り、かつトロイド状に掛け回されてタイヤの骨格を構成するカーカスが設けられている。さらに、トレッド部2のカーカスの外周には、補強ベルトが設けられている。
【0058】
また、空気入りタイヤ1には、路面に接地する踏面の摩耗限度を知らしめるためのトレッド摩耗表示24が設けられている。トレッド摩耗表示24は、トレッド部2においてタイヤ周方向に延在する周方向溝21の溝底に、断面台形状の突起として形成されており、ウェアインジケータ(または、スリップサインとも呼ばれる)24aと、プラットホーム24bとがある。このトレッド摩耗表示24は、例えば、下記のようにJATMAの規定に準ずる。
【0059】
ウェアインジケータ24aは、乗用車用タイヤや重荷重用タイヤでは、周方向溝21の残り溝深さ1.6[mm]を示すように溝底からの高さが1.6[mm]とされ、モータサイクル用タイヤでは周方向溝21の残り深さ0.8[mm]を示すように溝底からの高さが0.8[mm]とされている。このウェアインジケータ24aは、乗用車用タイヤではトレッド周上でほぼ等間隔に6箇所以上(但し、リム径の呼びが12以下の場合は4箇所でもよい)、重荷重用タイヤではトレッド周上でほぼ等間隔に6箇所以上、モータサイクル用タイヤではリム径の呼びが13〜23の場合6箇所以上、かつリム径の呼びが5〜12の場合4箇所以上設けられる。また、ウェアインジケータ24aを設ける場合、当該ウェアインジケータ24aの位置を明確にするための位置マーク24aaが、ウェアインジケータ24aを設けたタイヤ幅方向の延長線上であってバットレス部(タイヤ幅方向最外側の陸部23のタイヤ幅方向外側面)に形成される。
【0060】
一方、プラットホーム24bは、スタッドレスタイヤ(冬用タイヤ)において、踏面23aの摩耗50[%]を示すもので、溝底からの高さが周方向溝21の高さの半分とされている。このプラットホーム24bは、トレッド周上でほぼ等間隔に4箇所以上設けられる。また、図には明示しないが、プラットホーム24bを設ける場合、当該プラットホーム24bの位置を明確にするための位置マークが、プラットホーム24bを設けたタイヤ幅方向の延長線上であって空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向最大幅の部位からビード部5のリムラインまでの間に形成される。
【0061】
図3に示すように、このような空気入りタイヤ1を加硫成形するためのタイヤ金型6は、セクタ(モールドセクタ)7と、サイドプレート8と、ビードリング9とにより構成されている。セクタ7は、空気入りタイヤ1のトレッド部2を成形するための金型であり、円環がタイヤ周方向に8個以上で等分割されている。例えば、図3に示す例では、各セクタ金型7aがタイヤ周方向に8個に等分割されている。また、図には明示しないが、各セクタ金型7aは、上述した周方向溝21、幅方向溝22、陸部23、およびトレッド摩耗表示24をトレッド部2に形成するための成形骨を有している。さらに、各セクタ金型7aは、空気入りタイヤ1がサイプを有する場合、当該サイプを各陸部23の踏面23aに形成するためのサイプ成形ブレードを有している。なお、サイドプレート8は、空気入りタイヤ1のショルダー部3およびサイドウォール部4を成形するための金型であり、ビードリング9は、空気入りタイヤ1のビード部5を成形するための金型である。
【0062】
空気入りタイヤ1の加硫成形時には、まず、未加硫タイヤがビードリング9を軸として配置され、サイドプレート8が未加硫タイヤをタイヤ幅方向両側から挟み込んで配置され、セクタ7が環状に組み合わされて未加硫タイヤをタイヤ周方向から囲んで配置される。次に、タイヤ金型6が加熱され、加圧装置(図示省略)により未加硫タイヤが径方向外方に拡張されてセクタ7およびサイドプレート8の内周面に当接する。次に、未加硫タイヤが加熱されることにより、トレッド部2のゴム分子と硫黄分子とが結合して加硫が行われる。このとき、セクタ7の内周面形状(タイヤ成形金型の形状)が未加硫タイヤのトレッド部2に転写されて、空気入りタイヤ1のトレッドパターンが成形される。そして、成形された空気入りタイヤ1がタイヤ金型6から引き抜かれて取り出される。
【0063】
上述したタイヤ金型6におけるセクタ7の設計方法について図4〜図9を参照して説明する。
【0064】
[実施の形態1]
本実施の形態について、図面を参照して説明する。図4は、本発明の実施の形態1に係るタイヤ金型の設計方法を示す概略図である。上述したように、セクタ7は、8個以上で等分割されており、図4では、8等分割から18等分割としてセクタ金型7aに対し、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周上に6個等間隔で設ける例を示す。なお、図4では、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを「S」の記号で示す。また、本実施の形態のセクタ金型7aは、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを、トレッド部2のパターン(周方向溝21、幅方向溝22および陸部23など)と共に鋳造した鋳型をなす。
【0065】
図4の(1)では、セクタ7を8等分割し、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する有表示セクタ金型と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では6個)のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0066】
図4の(1)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を8等分割した45[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向の中央に有する構成の「S1」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部から37.5[°]の位置に有する構成の「S2」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部から7.5[°]の位置に有する構成の「S2’」とを設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、6個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で60[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図4中の左から1番目に「S1」の有表示セクタ金型、2番目に「S2」の有表示セクタ金型、3番目に無表示セクタ金型、4番目に「S2’」の有表示セクタ金型、5番目に「S1」の有表示セクタ金型、6番目に「S2」の有表示セクタ金型、7番目に無表示セクタ金型、8番目に「S2’」の有表示セクタ金型を配置する。これにより、8個のセクタ金型7aのうち、「S1」の有表示セクタ金型を2個、「S2」の有表示セクタ金型を2個、「S2’」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を2個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0067】
なお、図4の(1)において、「S2’」の有表示セクタ金型を設けずに「S2」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転して設けたり、「S2」の有表示セクタ金型を設けずに「S2’」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転して設けたりしてもよい。この場合、「S1」の有表示セクタ金型を2個、「S2」の有表示セクタ金型を4個、無表示セクタ金型を2個とし、または「S1」の有表示セクタ金型を2個、「S2’」の有表示セクタ金型を4個、無表示セクタ金型を2個として、同じ構成のセクタ金型7aをさらに多く用いることが可能になる。なお、有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転するとは、有表示セクタ金型のタイヤ周方向一方の端部と他方の端部とのタイヤ周方向での向きを入れ替えることを意味する。
【0068】
図4の(2)では、セクタ7を9等分割し、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する有表示セクタ金型と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では6個)のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0069】
図4の(2)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を9等分割した40[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部から30[°]の位置に有する構成の「S2」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部から10[°]の位置に有する構成の「S2’」とを設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、6個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で60[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図4中の左から1番目に「S2」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に「S2’」の有表示セクタ金型、4番目に「S2」の有表示セクタ金型、5番目に無表示セクタ金型、6番目に「S2’」の有表示セクタ金型、7番目に「S2」の有表示セクタ金型、8番目に無表示セクタ金型、9番目に「S2’」の有表示セクタ金型を配置する。これにより、9個のセクタ金型7aのうち、「S2」の有表示セクタ金型を3個、「S2’」の有表示セクタ金型を3個、無表示セクタ金型を3個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0070】
なお、図4の(2)において、「S2’」の有表示セクタ金型を設けずに「S2」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転して設けたり、「S2」の有表示セクタ金型を設けずに「S2’」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転して設けたりしてもよい。この場合、「S2」の有表示セクタ金型を6個、無表示セクタ金型を3個とし、または「S2’」の有表示セクタ金型を6個、無表示セクタ金型を3個として、同じ構成のセクタ金型7aをさらに多く用いることが可能になる。
【0071】
図4の(3)では、セクタ7を9等分割し、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向の中央に有する有表示セクタ金型(第一有表示セクタ金型)「S1」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する有表示セクタ金型(第二有表示セクタ金型)「S3」とを設定する。そして、各有表示セクタ金型の組み合わせの設定は、所定数(本実施の形態では6個)のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、有表示セクタ金型(第二有表示セクタ金型)「S3」のタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成しつつ、有表示セクタ金型(第一有表示セクタ金型)「S1」との組み合わせを設定する。
【0072】
具体的に、図4の(3)において、6個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で60[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図4中の左から1番目に「S1」の有表示セクタ金型(第一有表示セクタ金型)、2番目に「S3」の有表示セクタ金型(第二有表示セクタ金型)、3番目に反転した「S3」の有表示セクタ金型(第二有表示セクタ金型)、4番目に「S1」の有表示セクタ金型(第一有表示セクタ金型)、5番目に「S3」の有表示セクタ金型(第二有表示セクタ金型)、6番目に反転した「S3」の有表示セクタ金型(第二有表示セクタ金型)、7番目に「S1」の有表示セクタ金型(第一有表示セクタ金型)、8番目に「S3」の有表示セクタ金型(第二有表示セクタ金型)、9番目に反転した「S3」の有表示セクタ金型(第二有表示セクタ金型)を配置する。これにより、9個のセクタ金型7aのうち、「S1」の有表示セクタ金型(第一有表示セクタ金型)を3個、「S3」の有表示セクタ金型(第二有表示セクタ金型)を6個として、同じ構成のセクタ金型7aをさらに多く用いることが可能になる。
【0073】
図4の(4)では、セクタ7を10等分割し、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する有表示セクタ金型と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では6個)のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0074】
図4の(4)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を10等分割した36[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向の中央に有する構成の「S1」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部から6[°]の位置に有する構成の「S2」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部から30[°]の位置に有する構成の「S2’」とを設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、6個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で60[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図4中の左から1番目に「S1」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に「S2」の有表示セクタ金型、4番目に「S2’」の有表示セクタ金型、5番目に無表示セクタ金型、6番目に「S1」の有表示セクタ金型、7番目に無表示セクタ金型、8番目に「S2」の有表示セクタ金型、9番目に「S2’」の有表示セクタ金型、10番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、10個のセクタ金型7aのうち、「S1」の有表示セクタ金型を2個、「S2」の有表示セクタ金型を2個、「S2’」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を4個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0075】
なお、図4の(4)において、「S2’」の有表示セクタ金型を設けずに「S2」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転して設けたり、「S2」の有表示セクタ金型を設けずに「S2’」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転して設けたりしてもよい。この場合、「S1」の有表示セクタ金型を2個、「S2」の有表示セクタ金型を4個、無表示セクタ金型を4個とし、または「S1」の有表示セクタ金型を2個、「S2’」の有表示セクタ金型を4個、無表示セクタ金型を4個として、同じ構成のセクタ金型7aをさらに多く用いることが可能になる。
【0076】
図4の(5)では、セクタ7を11等分割し、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する有表示セクタ金型と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では6個)のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0077】
図4の(5)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を11等分割したほぼ32.7[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部からほぼ29.9[°]の位置に有する構成の「S2」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部からほぼ24.5[°]の位置に有する構成の「S2’」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部からほぼ19.1[°]の位置に有する構成の「S2”」とを設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、6個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で60[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図4中の左から1番目に「S2」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に「S2’」の有表示セクタ金型、4番目に無表示セクタ金型、5番目に「S2”」の有表示セクタ金型、6番目に無表示セクタ金型、7番目にタイヤ周方向で反転した「S2”」の有表示セクタ金型、8番目に無表示セクタ金型、9番目にタイヤ周方向で反転した「S2’」の有表示セクタ金型、10番目に無表示セクタ金型、11番目にタイヤ周方向で反転した「S2」の有表示セクタ金型を配置する。これにより、11個のセクタ金型7aのうち、「S2」の有表示セクタ金型を2個、「S2’」の有表示セクタ金型を2個、「S2”」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を5個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0078】
図4の(6)では、セクタ7を12等分割し、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する有表示セクタ金型と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では6個)のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0079】
図4の(6)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を12等分割した30[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向の中央に有する構成の「S1」を設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、6個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で60[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図4中の左から1番目に「S1」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に「S1」の有表示セクタ金型、4番目に無表示セクタ金型、5番目に「S1」の有表示セクタ金型、6番目に無表示セクタ金型、7番目に「S1」の有表示セクタ金型、8番目に無表示セクタ金型、9番目に「S1」の有表示セクタ金型、10番目に無表示セクタ金型、11番目に「S1」の有表示セクタ金型、12番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、12個のセクタ金型7aのうち、「S1」の有表示セクタ金型を6個、無表示セクタ金型を6個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0080】
図4の(7)では、セクタ7を12等分割し、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する有表示セクタ金型「S3」を設定する。そして、各有表示セクタ金型の組み合わせの設定は、所定数(本実施の形態では6個)のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、有表示セクタ金型「S3」のタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成す組み合わせを設定する。
【0081】
具体的に、図4の(7)において、6個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で60[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図4中の左から1番目に「S3」の有表示セクタ金型、2番目に反転した「S3」の有表示セクタ金型、3番目に「S3」の有表示セクタ金型、4番目に反転した「S3」の有表示セクタ金型、5番目に「S3」の有表示セクタ金型、6番目に反転した「S3」の有表示セクタ金型、7番目に「S3」の有表示セクタ金型、8番目に反転した「S3」の有表示セクタ金型、9番目に「S3」の有表示セクタ金型、10番目に反転した「S3」の有表示セクタ金型、11番目に「S3」の有表示セクタ金型、12番目に反転した「S3」の有表示セクタ金型を配置する。これにより、12個のセクタ金型7aのうち、「S3」の有表示セクタ金型を12個として、全て同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0082】
図4の(8)では、セクタ7を13等分割し、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する有表示セクタ金型と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では6個)のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0083】
図4の(8)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を13等分割したほぼ27.7[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向の中央に有する構成の「S1」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部からほぼ18.45[°]の位置に有する構成の「S2」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部からほぼ23.05[°]の位置に有する構成の「S2’」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する構成の「S3」とを設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、6個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で60[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図4中の左から1番目に「S1」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に「S2」の有表示セクタ金型、4番目に無表示セクタ金型、5番目に「S2’」の有表示セクタ金型、6番目に無表示セクタ金型、7番目と8番目に「S3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成し、9番目に無表示セクタ金型、10番目にタイヤ周方向で反転した「S2’」の有表示セクタ金型、11番目に無表示セクタ金型、12番目にタイヤ周方向で反転した「S2」の有表示セクタ金型、13番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、13個のセクタ金型7aのうち、「S1」の有表示セクタ金型を1個、「S2」の有表示セクタ金型を2個、「S2’」の有表示セクタ金型を2個、「S3」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を6個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0084】
図4の(9)では、セクタ7を14等分割し、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する有表示セクタ金型と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では6個)のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0085】
図4の(9)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を14等分割したほぼ25.7[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部からほぼ8.6[°]の位置に有する構成の「S2」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部からほぼ17.1[°]の位置に有する構成の「S2’」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する構成の「S3」とを設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、6個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で60[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図4中の左から1番目に「S2」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に「S2’」の有表示セクタ金型、4番目に無表示セクタ金型、5番目と6番目に「S3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成し、7番目に無表示セクタ金型、8番目に「S2」の有表示セクタ金型、9番目に無表示セクタ金型、10番目に「S2’」の有表示セクタ金型、11番目に無表示セクタ金型、12番目と13番目に「S3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成し、14番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、14個のセクタ金型7aのうち、「S2」の有表示セクタ金型を2個、「S2’」の有表示セクタ金型を2個、「S3」の有表示セクタ金型を4個、無表示セクタ金型を6個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0086】
なお、図4の(9)において、「S2’」の有表示セクタ金型を設けずに「S2」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転して設けたり、「S2」の有表示セクタ金型を設けずに「S2’」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転して設けたりしてもよい。この場合、「S2」の有表示セクタ金型を4個、「S3」の有表示セクタ金型を4個、無表示セクタ金型を6個とし、または「S2’」の有表示セクタ金型を4個、「S3」の有表示セクタ金型を4個、無表示セクタ金型を6個として、同じ構成のセクタ金型7aをさらに多く用いることが可能になる。
【0087】
図4の(10)では、セクタ7を15等分割し、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する有表示セクタ金型と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では6個)のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0088】
図4の(10)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を15等分割した24[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部から18[°]の位置に有する構成の「S2」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部から6[°]の位置に有する構成の「S2’」とを設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、6個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で60[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図4中の左から1番目に「S2」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に無表示セクタ金型、4番目に「S2’」の有表示セクタ金型、5番目に無表示セクタ金型、6番目に「S2」の有表示セクタ金型、7番目に無表示セクタ金型、8番目に無表示セクタ金型、9番目に「S2’」の有表示セクタ金型、10番目に無表示セクタ金型、11番目に「S2」の有表示セクタ金型、12番目に無表示セクタ金型、13番目に無表示セクタ金型、14番目に「S2’」の有表示セクタ金型、15番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、15個のセクタ金型7aのうち、「S2」の有表示セクタ金型を3個、「S2’」の有表示セクタ金型を3個、無表示セクタ金型を9個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0089】
なお、図4の(10)において、「S2’」の有表示セクタ金型を設けずに「S2」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転して設けたり、「S2」の有表示セクタ金型を設けずに「S2’」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転して設けたりしてもよい。この場合、「S2」の有表示セクタ金型を6個、無表示セクタ金型を9個とし、または「S2’」の有表示セクタ金型を6個、無表示セクタ金型を9個として、同じ構成のセクタ金型7aをさらに多く用いることが可能になる。
【0090】
図4の(11)では、セクタ7を15等分割し、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する有表示セクタ金型と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では6個)のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0091】
図4の(11)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を15等分割した24[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向の中央に有する構成の「S1」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する構成の「S3」とを設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、6個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で60[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図4中の左から1番目に「S1」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目と4番目に「S3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成し、5番目に無表示セクタ金型、6番目に「S1」の有表示セクタ金型、7番目に無表示セクタ金型、8番目と9番目に「S3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成し、10番目に無表示セクタ金型、11番目に「S1」の有表示セクタ金型、12番目に無表示セクタ金型、13番目と14番目に「S3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成し、15番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、15個のセクタ金型7aのうち、「S1」の有表示セクタ金型を3個、「S3」の有表示セクタ金型を6個、無表示セクタ金型を6個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0092】
図4の(12)では、セクタ7を16等分割し、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する有表示セクタ金型と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では6個)のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0093】
図4の(12)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を16等分割した22.5[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向の中央に有する構成の「S1」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部から3.75[°]の位置に有する構成の「S2」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部から18.75[°]の位置に有する構成の「S2’」とを設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、6個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で60[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図4中の左から1番目に「S1」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に無表示セクタ金型、4番目に「S2」の有表示セクタ金型、5番目に無表示セクタ金型、6番目に「S2’」の有表示セクタ金型、7番目に無表示セクタ金型、8番目に無表示セクタ金型、9番目に「S1」の有表示セクタ金型、10番目に無表示セクタ金型、11番目に無表示セクタ金型、12番目に「S2」の有表示セクタ金型、13番目に無表示セクタ金型、14番目に「S2’」の有表示セクタ金型、15番目に無表示セクタ金型、16番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、16個のセクタ金型7aのうち、「S1」の有表示セクタ金型を2個、「S2」の有表示セクタ金型を2個、「S2’」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を10個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0094】
なお、図4の(12)において、「S2’」の有表示セクタ金型を設けずに「S2」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転して設けたり、「S2」の有表示セクタ金型を設けずに「S2’」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転して設けたりしてもよい。この場合、「S1」の有表示セクタ金型を2個、「S2」の有表示セクタ金型を4個、無表示セクタ金型を10個とし、または「S1」の有表示セクタ金型を2個、「S2’」の有表示セクタ金型を4個、無表示セクタ金型を10個として、同じ構成のセクタ金型7aをさらに多く用いることが可能になる。
【0095】
図4の(13)では、セクタ7を17等分割し、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する有表示セクタ金型と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では6個)のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0096】
図4の(13)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を17等分割したほぼ21.2[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向の中央に有する構成の「S1」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部からほぼ7.1[°]の位置に有する構成の「S2」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で図4中の左端部からほぼ3.5[°]の位置に有する構成の「S2’」と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する構成の「S3」とを設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、6個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で60[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図4中の左から1番目に「S1」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に無表示セクタ金型、4番目に「S2」の有表示セクタ金型、5番目に無表示セクタ金型、6番目に無表示セクタ金型、7番目に「S2’」の有表示セクタ金型、8番目に無表示セクタ金型、9番目と10番目に「S3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成し、11番目に無表示セクタ金型、12番目にタイヤ周方向で反転した「S2’」の有表示セクタ金型、13番目に無表示セクタ金型、14番目に無表示セクタ金型、15番目にタイヤ周方向で反転した「S2」の有表示セクタ金型、16番目に無表示セクタ金型、17番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、17個のセクタ金型7aのうち、「S1」の有表示セクタ金型を1個、「S2」の有表示セクタ金型を2個、「S2’」の有表示セクタ金型を2個、「S3」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を10個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0097】
図4の(14)では、セクタ7を18等分割し、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する有表示セクタ金型と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では6個)のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0098】
図4の(14)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を18等分割した20[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向の中央に有する構成の「S1」を設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、6個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で60[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図4中の左から1番目に「S1」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に無表示セクタ金型、4番目に「S1」の有表示セクタ金型、5番目に無表示セクタ金型、6番目に無表示セクタ金型、7番目に「S1」の有表示セクタ金型、8番目に無表示セクタ金型、9番目に無表示セクタ金型、10番目に「S1」の有表示セクタ金型、11番目に無表示セクタ金型、12番目に無表示セクタ金型、13番目に「S1」の有表示セクタ金型、14番目に無表示セクタ金型、15番目に無表示セクタ金型、16番目に「S1」の有表示セクタ金型、17番目に無表示セクタ金型、18番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、18個のセクタ金型7aのうち、「S1」の有表示セクタ金型を6個、無表示セクタ金型を12個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0099】
図4の(15)では、セクタ7を18等分割し、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する有表示セクタ金型と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では6個)のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0100】
図4の(15)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を18等分割した20[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する構成の「S3」を設定する。そして、各有表示セクタ金型の組み合わせの設定は、所定数(本実施の形態では6個)のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、タイヤ周方向で図4中の左から1番目と2番目に「S3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成し、3番目に無表示セクタ金型、4番目と5番目に「S3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成し、6番目に無表示セクタ金型、7番目と8番目に「S3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成し、9番目に無表示セクタ金型、10番目と11番目に「S3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成し、12番目に無表示セクタ金型、13番目と14番目に「S3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成し、15番目に無表示セクタ金型、16番目と17番目に「S3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成し、18番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、18個のセクタ金型7aのうち、「S3」の有表示セクタ金型を12個、無表示セクタ金型を6個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0101】
なお、上述した図4(1)〜図4(15)の形態において、全ての有表示セクタ金型のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaの配置を、タイヤ周方向に同じ角度でずらしてもよい。これにより、6個以上のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置できる。
【0102】
また、セクタ7が[6×M]等分割(Mは2以上の整数)されている場合、セクタ金型7aは、任意の角度位置にトレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する有表示セクタ金型と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有さない無表示セクタ金型とを設定し、タイヤ周方向にM個のセクタ金型7aの配列群のうち、有表示セクタ金型の次に[M−1]個の無表示セクタ金型を並べ、この配列群を6回繰り返す。これにより、同じ構成のセクタ金型7aを用い、6個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置できる。
【0103】
また、セクタ7が[6×M+3]等分割(Mは2以上の整数)されている場合、セクタ金型7aは、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向の中央に有する上記「S1」の有表示セクタ金型と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する上記「S3」の有表示セクタ金型と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有さない無表示セクタ金型とを設定し、タイヤ周方向に[2×M+1]個のセクタ金型7aの配列群のうち、「S1」の有表示セクタ金型の次に[M−1]個の無表示セクタ金型を並べ、次に「S3」の有表示セクタ金型およびタイヤ周方向で反転した「S3」の有表示セクタ金型を並べ、次に[M−1]個の無表示セクタ金型を並べ、この配列群を3回繰り返す。これにより、同じ構成のセクタ金型7aを用い、6個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置できる。
【0104】
このように、実施の形態1のタイヤ金型の設計方法では、タイヤ金型6のセクタ7をタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割し、かつウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する有表示セクタ金型、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有さない無表示セクタ金型を設定する工程と、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせを設定し、所定数のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する工程とを含む。
【0105】
なお、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaの所定数とは、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaがタイヤ周上に6個以上あることを意味し、本実施の形態では、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周上で6個としている。
【0106】
このタイヤ金型の設計方法によれば、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0107】
また、実施の形態1のタイヤ金型の設計方法では、有表示セクタ金型は、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向の中央に有して設定したり、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向の一方の端部寄りに有して組み合わせの際にタイヤ周方向で反転するように設定したり、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有して組み合わせの際にタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成すように設定することが好ましい。
【0108】
このタイヤ金型の設計方法によれば、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する同じ構成のセクタ金型7aをより多く用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率をさらに向上できる。
【0109】
また、実施の形態1のタイヤ金型の設計方法では、タイヤ金型6のセクタ7をタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割し、かつウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する有表示セクタ金型を設定する工程と、所定数のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、有表示セクタ金型のタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成す組み合わせを設定する工程とを含む。
【0110】
このタイヤ金型の設計方法によれば、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0111】
また、実施の形態1のタイヤ金型の設計方法では、タイヤ金型6のセクタ7をタイヤ周方向に9個に等分割し、かつウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向の中央に有する第一有表示セクタ金型、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaの半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する第二有表示セクタ金型を設定する工程と、6個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、第二有表示セクタ金型のタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成しつつ、第一有表示セクタ金型との組み合わせを設定する工程とを含む。
【0112】
このタイヤ金型の設計方法によれば、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0113】
実施の形態1のタイヤ金型6では、セクタ7がタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割されて成り、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する有表示セクタ金型、およびウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有さない無表示セクタ金型を備え、有表示セクタ金型および無表示セクタ金型を組み合わせ、所定数のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する。
【0114】
このタイヤ金型6によれば、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0115】
また、実施の形態1のタイヤ金型6では、有表示セクタ金型は、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向の中央に有して構成したり、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向の一方の端部寄りに有して組み合わせの際にタイヤ周方向で反転して用いるように構成したり、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向の一方の端部にタイヤ周方向寸法の半分を有して組み合わせの際にタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成すように構成したりすることが好ましい。
【0116】
このタイヤ金型の設計方法によれば、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する同じ構成のセクタ金型7aをより多く用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率をさらに向上できる。
【0117】
また、実施の形態1のタイヤ金型6では、セクタ7をタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割し、かつウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する有表示セクタ金型を備え、所定数のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成す。
【0118】
このタイヤ金型6によれば、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0119】
また、実施の形態1のタイヤ金型6では、セクタ7をタイヤ周方向に9個に等分割し、かつウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向の中央に有する第一有表示セクタ金型と、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する第二有表示セクタ金型とを備え、6個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、第二有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成しつつ、第一有表示セクタ金型と組み合わせる。
【0120】
このタイヤ金型6によれば、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0121】
実施の形態1の空気入りタイヤ1では、上述したいずれか一つのタイヤ金型により加硫成形されている。
【0122】
この空気入りタイヤ1によれば、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを有する同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になり、製造上の効率を向上できる。
【0123】
[実施の形態2]
本実施の形態について、図面を参照して説明する。図5は、本発明の実施の形態2に係るタイヤ金型の設計方法を示す概略図である。上述したように、セクタ7は、8個以上で等分割されており、図5では、8等分割から18等分割としてセクタ金型7aに対し、トレッド摩耗表示24であるプラットホーム24bをタイヤ周上に4個等間隔で設ける例を示す。なお、図5では、プラットホーム24bを「H」の記号で示す。また、本実施の形態のセクタ金型7aは、トレッド摩耗表示24であるプラットホーム24bを、トレッド部2のパターン(周方向溝21、幅方向溝22および陸部23など)と共に鋳造した鋳型をなす。
【0124】
図5の(1)では、セクタ7を8等分割し、トレッド摩耗表示24であるプラットホーム24bを有する有表示セクタ金型と、プラットホーム24bを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では4個)のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0125】
図5の(1)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を8等分割した45[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、プラットホーム24bをタイヤ周方向の中央に有する構成の「H1」を設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、4個のプラットホーム24bをタイヤ周方向で90[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図5中の左から1番目に「H1」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に「H1」の有表示セクタ金型、4番目に無表示セクタ金型、5番目に「H1」の有表示セクタ金型、6番目に無表示セクタ金型、7番目に「H1」の有表示セクタ金型、8番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、8個のセクタ金型7aのうち、「H1」の有表示セクタ金型を4個、無表示セクタ金型を4個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0126】
図5の(2)では、セクタ7を8等分割し、トレッド摩耗表示24であるプラットホーム24bのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する有表示セクタ金型「H3」を設定する。そして、各有表示セクタ金型の組み合わせの設定は、所定数(本実施の形態では4個)のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、有表示セクタ金型「H3」のタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成す組み合わせを設定する。なお、有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転するとは、有表示セクタ金型のタイヤ周方向一方の端部と他方の端部とのタイヤ周方向での向きを入れ替えることを意味する。
【0127】
具体的に、図5の(2)において、4個のプラットホーム24bをタイヤ周方向で90[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図5中の左から1番目に「H3」の有表示セクタ金型、2番目に反転した「H3」の有表示セクタ金型、3番目に「H3」の有表示セクタ金型、4番目に反転した「H3」の有表示セクタ金型、5番目に「H3」の有表示セクタ金型、6番目に反転した「H3」の有表示セクタ金型、7番目に「H3」の有表示セクタ金型、8番目に反転した「H3」の有表示セクタ金型を配置する。これにより、8個のセクタ金型7aのうち、「H3」の有表示セクタ金型を8個として、全て同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0128】
図5の(3)では、セクタ7を9等分割し、トレッド摩耗表示24であるプラットホーム24bを有する有表示セクタ金型と、プラットホーム24bを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では4個)のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0129】
図5の(3)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を9等分割した40[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、プラットホーム24bをタイヤ周方向の中央に有する構成の「H1」と、プラットホーム24bをタイヤ周方向で図5中の左端部から30[°]の位置に有する構成の「H2」と、プラットホーム24bのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する構成の「H3」とを設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、4個のプラットホーム24bをタイヤ周方向で90[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図5中の左から1番目に「H1」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に「H2」の有表示セクタ金型、4番目に無表示セクタ金型、5番目と6番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、7番目に無表示セクタ金型、8番目にタイヤ周方向で反転した「H2」の有表示セクタ金型、9番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、9個のセクタ金型7aのうち、「H1」の有表示セクタ金型を1個、「H2」の有表示セクタ金型を2個、「H3」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を4個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0130】
図5の(4)では、セクタ7を10等分割し、トレッド摩耗表示24であるプラットホーム24bを有する有表示セクタ金型と、プラットホーム24bを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では4個)のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0131】
図5の(4)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を10等分割した36[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、プラットホーム24bをタイヤ周方向の中央に有する構成の「H1」と、プラットホーム24bのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する構成の「H3」とを設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、4個のプラットホーム24bをタイヤ周方向で90[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図5中の左から1番目に「H1」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目と4番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、5番目に無表示セクタ金型、6番目に「H1」の有表示セクタ金型、7番目に無表示セクタ金型、8番目と9番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、10番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、10個のセクタ金型7aのうち、「H1」の有表示セクタ金型を2個、「H3」の有表示セクタ金型を4個、無表示セクタ金型を4個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0132】
図5の(5)では、セクタ7を11等分割し、トレッド摩耗表示24であるプラットホーム24bを有する有表示セクタ金型と、プラットホーム24bを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では4個)のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0133】
図5の(5)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を11等分割したほぼ32.7[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、プラットホーム24bをタイヤ周方向の中央に有する構成の「H1」と、プラットホーム24bをタイヤ周方向で図5中の左端部からほぼ8.2[°]の位置に有する構成の「H2」と、プラットホーム24bのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する構成の「H3」とを設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、4個のプラットホーム24bをタイヤ周方向で90[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図5中の左から1番目に「H1」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に無表示セクタ金型、4番目に「H2」の有表示セクタ金型、5番目に無表示セクタ金型、6番目と7番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、8番目に無表示セクタ金型、9番目にタイヤ周方向で反転した「H2」の有表示セクタ金型、10番目に無表示セクタ金型、11番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、11個のセクタ金型7aのうち、「H1」の有表示セクタ金型を1個、「H2」の有表示セクタ金型を2個、「H3」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を6個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0134】
図5の(6)では、セクタ7を12等分割し、トレッド摩耗表示24であるプラットホーム24bを有する有表示セクタ金型と、プラットホーム24bを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では4個)のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0135】
図5の(6)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を12等分割した30[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、プラットホーム24bをタイヤ周方向の中央に有する構成の「H1」を設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、4個のプラットホーム24bをタイヤ周方向で90[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図5中の左から1番目に「H1」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に無表示セクタ金型、4番目に「H1」の有表示セクタ金型、5番目に無表示セクタ金型、6番目に無表示セクタ金型、7番目に「H1」の有表示セクタ金型、8番目に無表示セクタ金型、9番目に無表示セクタ金型、10番目に「H1」の有表示セクタ金型、11番目に無表示セクタ金型、12番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、12個のセクタ金型7aのうち、「H1」の有表示セクタ金型を4個、無表示セクタ金型を8個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0136】
図5の(7)では、セクタ7を12等分割し、トレッド摩耗表示24であるプラットホーム24bを有する有表示セクタ金型と、プラットホーム24bを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では4個)のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0137】
図5の(7)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を12等分割した30[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、プラットホーム24bのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する構成の「H3」を設定する。そして、各有表示セクタ金型の組み合わせの設定は、所定数(本実施の形態では4個)のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、タイヤ周方向で図5中の左から1番目と2番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、3番目に無表示セクタ金型、4番目と5番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、6番目に無表示セクタ金型、7番目と8番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、9番目に無表示セクタ金型、10番目と11番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、12番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、12個のセクタ金型7aのうち、「H3」の有表示セクタ金型を8個、無表示セクタ金型を4個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0138】
図5の(8)では、セクタ7を13等分割し、トレッド摩耗表示24であるプラットホーム24bを有する有表示セクタ金型と、プラットホーム24bを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では4個)のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0139】
図5の(8)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を13等分割したほぼ27.7[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、プラットホーム24bをタイヤ周方向の中央に有する構成の「H1」と、プラットホーム24bをタイヤ周方向で図5中の左端部からほぼ20.8[°]の位置に有する構成の「H2」と、プラットホーム24bのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する構成の「H3」とを設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、4個のプラットホーム24bをタイヤ周方向で90[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図5中の左から1番目に「H1」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に無表示セクタ金型、4番目に「H2」の有表示セクタ金型、5番目に無表示セクタ金型、6番目に無表示セクタ金型、7番目と8番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、9番目に無表示セクタ金型、10番目に無表示セクタ金型、11番目にタイヤ周方向で反転した「H2」の有表示セクタ金型、12番目に無表示セクタ金型、13番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、13個のセクタ金型7aのうち、「H1」の有表示セクタ金型を1個、「H2」の有表示セクタ金型を2個、「H3」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を8個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0140】
図5の(9)では、セクタ7を14等分割し、トレッド摩耗表示24であるプラットホーム24bを有する有表示セクタ金型と、プラットホーム24bを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では4個)のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0141】
図5の(9)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を14等分割したほぼ25.7[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、プラットホーム24bをタイヤ周方向の中央に有する構成の「H1」と、プラットホーム24bのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する構成の「H3」とを設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、4個のプラットホーム24bをタイヤ周方向で90[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図5中の左から1番目に「H1」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に無表示セクタ金型、4番目と5番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、6番目に無表示セクタ金型、7番目に無表示セクタ金型、8番目に「H1」の有表示セクタ金型、9番目に無表示セクタ金型、10番目に無表示セクタ金型、11番目と12番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、13番目に無表示セクタ金型、14番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、14個のセクタ金型7aのうち、「H1」の有表示セクタ金型を2個、「H3」の有表示セクタ金型を4個、無表示セクタ金型を8個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0142】
図5の(10)では、セクタ7を15等分割し、トレッド摩耗表示24であるプラットホーム24bを有する有表示セクタ金型と、プラットホーム24bを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では4個)のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0143】
図5の(10)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を15等分割した24[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、プラットホーム24bをタイヤ周方向の中央に有する構成の「H1」と、プラットホーム24bをタイヤ周方向で図5中の左端部からほぼ6[°]の位置に有する構成の「H2」と、プラットホーム24bのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する構成の「H3」とを設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、4個のプラットホーム24bをタイヤ周方向で90[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図5中の左から1番目に「H1」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に無表示セクタ金型、4番目に無表示セクタ金型、5番目に「H2」の有表示セクタ金型、6番目に無表示セクタ金型、7番目に無表示セクタ金型、8番目と9番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、10番目に無表示セクタ金型、11番目に無表示セクタ金型、12番目にタイヤ周方向で反転した「H2」の有表示セクタ金型、13番目に無表示セクタ金型、14番目に無表示セクタ金型、15番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、15個のセクタ金型7aのうち、「H1」の有表示セクタ金型を1個、「H2」の有表示セクタ金型を2個、「H3」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を10個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0144】
図5の(11)では、セクタ7を16等分割し、トレッド摩耗表示24であるプラットホーム24bを有する有表示セクタ金型と、プラットホーム24bを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では4個)のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0145】
図5の(11)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を16等分割した22.5[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、プラットホーム24bをタイヤ周方向の中央に有する構成の「H1」を設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、4個のプラットホーム24bをタイヤ周方向で90[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図5中の左から1番目に「H1」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に無表示セクタ金型、4番目に無表示セクタ金型、5番目に「H1」の有表示セクタ金型、6番目に無表示セクタ金型、7番目に無表示セクタ金型、8番目に無表示セクタ金型、9番目に「H1」の有表示セクタ金型、10番目に無表示セクタ金型、11番目に無表示セクタ金型、12番目に無表示セクタ金型、13番目に「H1」の有表示セクタ金型、14番目に無表示セクタ金型、15番目に無表示セクタ金型、16番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、16個のセクタ金型7aのうち、「H1」の有表示セクタ金型を4個、無表示セクタ金型を12個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0146】
図5の(12)では、セクタ7を16等分割し、トレッド摩耗表示24であるプラットホーム24bを有する有表示セクタ金型と、プラットホーム24bを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では4個)のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0147】
図5の(12)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を16等分割した22.5[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、プラットホーム24bのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する構成の「H3」を設定する。そして、各有表示セクタ金型の組み合わせの設定は、所定数(本実施の形態では4個)のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、タイヤ周方向で図5中の左から1番目と2番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、3番目に無表示セクタ金型、4番目に無表示セクタ金型、5番目と6番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、7番目に無表示セクタ金型、8番目に無表示セクタ金型、9番目と10番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、11番目に無表示セクタ金型、12番目に無表示セクタ金型、13番目と14番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、15番目に無表示セクタ金型、16番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、16個のセクタ金型7aのうち、「H3」の有表示セクタ金型を8個、無表示セクタ金型を8個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0148】
図5の(13)では、セクタ7を17等分割し、トレッド摩耗表示24であるプラットホーム24bを有する有表示セクタ金型と、プラットホーム24bを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では4個)のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0149】
図5の(13)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を17等分割したほぼ21.2[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、プラットホーム24bをタイヤ周方向の中央に有する構成の「H1」と、プラットホーム24bをタイヤ周方向で図5中の左端部からほぼ15.9[°]の位置に有する構成の「H2」と、プラットホーム24bのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する構成の「H3」とを設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、4個のプラットホーム24bをタイヤ周方向で90[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図5中の左から1番目に「H1」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に無表示セクタ金型、4番目に無表示セクタ金型、5番目に「H2」の有表示セクタ金型、6番目に無表示セクタ金型、7番目に無表示セクタ金型、8番目に無表示セクタ金型、9番目と10番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、11番目に無表示セクタ金型、12番目に無表示セクタ金型、13番目に無表示セクタ金型、14番目にタイヤ周方向で反転した「H2」の有表示セクタ金型、15番目に無表示セクタ金型、16番目に無表示セクタ金型、17番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、17個のセクタ金型7aのうち、「H1」の有表示セクタ金型を1個、「H2」の有表示セクタ金型を2個、「H3」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を12個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0150】
図5の(14)では、セクタ7を18等分割し、トレッド摩耗表示24であるプラットホーム24bを有する有表示セクタ金型と、プラットホーム24bを有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数(本実施の形態では4個)のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0151】
図5の(14)において、1個のセクタ金型7aは、タイヤ周方向の角度360[°]を18等分割した20[°]になる。そして、有表示セクタ金型は、プラットホーム24bをタイヤ周方向の中央に有する構成の「H1」と、プラットホーム24bのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する構成の「H3」とを設定する。そして、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせの設定は、4個のプラットホーム24bをタイヤ周方向で90[°]間隔で配置する態様で、タイヤ周方向で図5中の左から1番目に「H1」の有表示セクタ金型、2番目に無表示セクタ金型、3番目に無表示セクタ金型、4番目に無表示セクタ金型、5番目と6番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、7番目に無表示セクタ金型、8番目に無表示セクタ金型、9番目に無表示セクタ金型、10番目に「H1」の有表示セクタ金型、11番目に無表示セクタ金型、12番目に無表示セクタ金型、13番目に無表示セクタ金型、14番目と15番目に「H3」の有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成し、16番目に無表示セクタ金型、17番目に無表示セクタ金型、18番目に無表示セクタ金型を配置する。これにより、18個のセクタ金型7aのうち、「H1」の有表示セクタ金型を2個、「H3」の有表示セクタ金型を4個、無表示セクタ金型を12個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0152】
なお、上述した図5(1)〜図5(14)の形態において、全ての有表示セクタ金型のプラットホーム24bの配置を、タイヤ周方向に同じ角度でずらしてもよい。これにより、4個以上のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置できる。
【0153】
また、セクタ7が[4×N]等分割(Nは3以上の整数)されている場合、セクタ金型7aは、任意の角度位置にトレッド摩耗表示24であるプラットホーム24bを有する有表示セクタ金型と、プラットホーム24bを有さない無表示セクタ金型とを設定し、タイヤ周方向にN個のセクタ金型7aの配列群のうち、有表示セクタ金型の次に[N−1]個の無表示セクタ金型を並べ、この配列群を4回繰り返す。これにより、同じ構成のセクタ金型7aを用い、4個のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置できる。
【0154】
また、セクタ7が[4×M+2]等分割(Mは2以上の整数)されている場合、セクタ金型7aは、プラットホーム24bをタイヤ周方向の中央に有する上記「H1」の有表示セクタ金型と、プラットホーム24bのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する上記「H3」の有表示セクタ金型と、プラットホーム24bを有さない無表示セクタ金型とを設定し、タイヤ周方向に[2×M+1]個のセクタ金型7aの配列群のうち、「H1」の有表示セクタ金型の次に[M−1]個の無表示セクタ金型を並べ、次に「H3」の有表示セクタ金型およびタイヤ周方向で反転した「H3」の有表示セクタ金型を並べ、次に[M−1]個の無表示セクタ金型を並べて、この配列を2回繰り返す。これにより、同じ構成のセクタ金型7aを用い、4個のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置できる。
【0155】
このように、実施の形態2のタイヤ金型の設計方法では、タイヤ金型6のセクタ7をタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割し、かつプラットホーム24bを有する有表示セクタ金型、プラットホーム24bを有さない無表示セクタ金型を設定する工程と、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせを設定し、所定数のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する工程とを含む。
【0156】
なお、プラットホーム24bの所定数とは、プラットホーム24bがタイヤ周上に4個以上あることを意味し、本実施の形態では、プラットホーム24bをタイヤ周上で4個としている。
【0157】
このタイヤ金型の設計方法によれば、プラットホーム24bを有する同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0158】
また、実施の形態2のタイヤ金型の設計方法では、有表示セクタ金型は、プラットホーム24bをタイヤ周方向の中央に有して設定したり、プラットホーム24bをタイヤ周方向の一方の端部寄りに有して組み合わせの際にタイヤ周方向で反転するように設定したり、プラットホーム24bのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有して組み合わせの際にタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成すように設定することが好ましい。
【0159】
このタイヤ金型の設計方法によれば、プラットホーム24bを有する同じ構成のセクタ金型7aをより多く用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率をさらに向上できる。
【0160】
また、実施の形態2のタイヤ金型の設計方法では、タイヤ金型6のセクタ7をタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割し、かつプラットホーム24bのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する有表示セクタ金型を設定する工程と、所定数のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、有表示セクタ金型のタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成す組み合わせを設定する工程とを含む。
【0161】
このタイヤ金型の設計方法によれば、プラットホーム24bを有する同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0162】
実施の形態2のタイヤ金型6では、セクタ7がタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割されて成り、プラットホーム24bを有する有表示セクタ金型、およびプラットホーム24bを有さない無表示セクタ金型を備え、有表示セクタ金型および無表示セクタ金型を組み合わせ、所定数のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する。
【0163】
このタイヤ金型6によれば、プラットホーム24bを有する同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0164】
また、実施の形態2のタイヤ金型6では、有表示セクタ金型は、プラットホーム24bをタイヤ周方向の中央に有して構成したり、プラットホーム24bをタイヤ周方向の一方の端部寄りに有して組み合わせの際にタイヤ周方向で反転して用いるように構成したり、プラットホーム24bをタイヤ周方向の一方の端部にタイヤ周方向寸法の半分を有して組み合わせの際にタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成すように構成したりすることが好ましい。
【0165】
このタイヤ金型の設計方法によれば、プラットホーム24bを有する同じ構成のセクタ金型7aをより多く用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率をさらに向上できる。
【0166】
また、実施の形態2のタイヤ金型6では、セクタ7をタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割し、かつプラットホーム24bのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する有表示セクタ金型を備え、所定数のプラットホーム24bをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のプラットホーム24bを成す。
【0167】
このタイヤ金型6によれば、プラットホーム24bを有する同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0168】
実施の形態2の空気入りタイヤ1では、上述したいずれか一つのタイヤ金型により加硫成形されている。
【0169】
この空気入りタイヤ1によれば、プラットホーム24bを有する同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になり、製造上の効率を向上できる。
【0170】
[実施の形態3]
本実施の形態について、図面を参照して説明する。図6は、本発明の実施の形態3に係るタイヤ金型の設計方法を示す概略図である。上述したように、セクタ7は、8個以上で等分割されており、図6では、8等分割から18等分割としてセクタ金型7aに対し、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周上に6個等間隔で設けると共に、トレッド摩耗表示24であるプラットホーム24bをタイヤ周上に4個等間隔で設ける例を示す。なお、図6では、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを「S」の記号で示し、プラットホーム24bを「H」の記号で示す。また、以下の説明において、トレッド摩耗表示24との表現は、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaと、プラットホーム24bとを総称したものとする。また、本実施の形態のセクタ金型7aは、トレッド摩耗表示24であるウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaと、プラットホーム24bとを、トレッド部2のパターン(周方向溝21、幅方向溝22および陸部23など)と共に鋳造した鋳型をなす。
【0171】
図6の(1)では、セクタ7を8等分割し、トレッド摩耗表示24を有する有表示セクタ金型と、トレッド摩耗表示24を有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数のトレッド摩耗表示24をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0172】
図6の(1)において、有表示セクタ金型は、上述した実施の形態1における図4の(1)での「S1」の有表示セクタ金型、および「S2」の有表示セクタ金型と、上述した実施の形態2における図5の(1)での「H1」の有表示セクタ金型とを設定する。そのうち、「S2」と「H1」とを1つの有表示セクタ金型に設定しタイヤ周方向で反転して設ける。これにより、8個のセクタ金型7aのうち、「S1」の有表示セクタ金型を2個、「S2」「H1」の有表示セクタ金型を4個、無表示セクタ金型を2個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。なお、有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転するとは、有表示セクタ金型のタイヤ周方向一方の端部と他方の端部とのタイヤ周方向での向きを入れ替えることを意味する。
【0173】
図6の(2)では、セクタ7を9等分割し、トレッド摩耗表示24を有する有表示セクタ金型と、トレッド摩耗表示24を有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数のトレッド摩耗表示24をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0174】
図6の(2)において、有表示セクタ金型は、上述した実施の形態1における図4の(3)での「S2」の有表示セクタ金型と、上述した実施の形態2における図5の(2)での「H1」の有表示セクタ金型、「H2」の有表示セクタ金型、および「H3」の有表示セクタ金型とを設定する。そのうち、「S2」と「H2」とを1つの有表示セクタ金型に設定しタイヤ周方向で反転して設けるもの、「S2」と「H3」とを1つの有表示セクタ金型に設定しタイヤ周方向で反転して1個のプラットホーム24bを成すものを含む。これにより、9個のセクタ金型7aのうち、「S2」の有表示セクタ金型を2個、「H1」の有表示セクタ金型を1個、「S2」「H2」の有表示セクタ金型を2個、「S2」「H3」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を2個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0175】
図6の(3)では、セクタ7を9等分割し、トレッド摩耗表示24を有する有表示セクタ金型を設定する。所定数のトレッド摩耗表示24をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型の組み合わせを設定する。具体的には、上述した実施の形態1における図4の(3)での「S1」の有表示セクタ金型、および「S3」の有表示セクタ金型と、上述した実施の形態2における図5の(3)での「H1」の有表示セクタ金型、「H2」の有表示セクタ金型、および「H3」の有表示セクタ金型とを設定する。そのうち、「S1」と「H1」とを1つの有表示セクタ金型に設定したもの、「S3」と「H2」とを1つの有表示セクタ金型に設定しタイヤ周方向で反転して1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成すもの、「S3」と「H3」とを1つの有表示セクタ金型に設定しタイヤ周方向で反転して1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを成すものを含む。これにより、9個のセクタ金型7aのうち、「S1」の有表示セクタ金型を2個、「S1」「H1」の有表示セクタ金型を1個、「S3」の有表示セクタ金型を2個、「S3」「H2」の有表示セクタ金型を2個、「S3」「H3」の有表示セクタ金型を2個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0176】
図6の(4)では、セクタ7を10等分割し、トレッド摩耗表示24を有する有表示セクタ金型と、トレッド摩耗表示24を有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数のトレッド摩耗表示24をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0177】
図6の(4)において、有表示セクタ金型は、上述した実施の形態1における図4の(4)での「S1」の有表示セクタ金型、および「S2」の有表示セクタ金型と、上述した実施の形態2における図5の(4)での「H1」の有表示セクタ金型、および「H3」の有表示セクタ金型とを設定する。そのうち、「S1」と「H1」とを1つの有表示セクタ金型に設定したもの、「S2」と「H3」とを1つの有表示セクタ金型に設定しタイヤ周方向で反転して1個のプラットホーム24bを成すものとする。これにより、10個のセクタ金型7aのうち、「S1」「H1」の有表示セクタ金型を2個、「S2」「H3」の有表示セクタ金型を4個、無表示セクタ金型を4個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0178】
図6(5)では、セクタ7を11等分割し、トレッド摩耗表示24を有する有表示セクタ金型と、トレッド摩耗表示24を有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数のトレッド摩耗表示24をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0179】
図6の(5)において、有表示セクタ金型は、上述した実施の形態1における図4の(5)での「S2」の有表示セクタ金型、「S2’」の有表示セクタ金型、および「S2”」の有表示セクタ金型と、上述した実施の形態2における図5の(5)での「H1」の有表示セクタ金型、「H2」の有表示セクタ金型、および「H3」の有表示セクタ金型とを設定する。そのうち、「S2」と「H3」とを1つの有表示セクタ金型に設定しタイヤ周方向で反転して1個のプラットホーム24bを成すもの、「S2’」と「H2」とを1つの有表示セクタ金型に設定しタイヤ周方向で反転して設けるものを含む。これにより、11個のセクタ金型7aのうち、「S2」「H3」の有表示セクタ金型を2個、「S2’」「H2」の有表示セクタ金型を2個、「H1」の有表示セクタ金型を1個、「S2”」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を4個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0180】
図6の(6)では、セクタ7を12等分割し、トレッド摩耗表示24を有する有表示セクタ金型と、トレッド摩耗表示24を有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数のトレッド摩耗表示24をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0181】
図6の(6)において、有表示セクタ金型は、上述した実施の形態1における図4の(6)での「S1」の有表示セクタ金型と、上述した実施の形態2における図5の(6)での「H1」の有表示セクタ金型とを設定する。そのうち、「S1」と「H1」とを1つの有表示セクタ金型に設定したものを含む。これにより、12個のセクタ金型7aのうち、「S1」「H1」の有表示セクタ金型を2個、「S1」の有表示セクタ金型を4個、「H1」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を4個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0182】
図6の(7)では、セクタ7を12等分割し、トレッド摩耗表示24を有する有表示セクタ金型を設定し、所定数のトレッド摩耗表示24をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型の組み合わせを設定する。
【0183】
図6の(7)において、有表示セクタ金型は、上述した実施の形態1における図4の(7)での「S3」の有表示セクタ金型と、上述した実施の形態2における図5の(6)での「H1」の有表示セクタ金型とを設定する。そのうち、「S3」と「H1」とを1つの有表示セクタ金型に設定しタイヤ周方向で反転して1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成すものを含む。これにより、12個のセクタ金型7aのうち、「S3」「H1」の有表示セクタ金型を4個、「S3」の有表示セクタ金型を8個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0184】
図6の(8)では、セクタ7を12等分割し、トレッド摩耗表示24を有する有表示セクタ金型を設定し、所定数のトレッド摩耗表示24をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型の組み合わせを設定する。
【0185】
図6の(8)において、有表示セクタ金型は、上述した実施の形態1における図4の(7)での「S3」の有表示セクタ金型と、上述した実施の形態2における図5の(7)での「H3」の有表示セクタ金型とを設定する。そのうち、「S3」と「H3」とをタイヤ周方向の一方の端部に共に設けて1つの有表示セクタ金型に設定しタイヤ周方向で反転して1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを成すもの、「S3」と「H3」とをタイヤ周方向の各端部にそれぞれ設けて1つの有表示セクタ金型に設定しタイヤ周方向で反転して一方の端部で1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成すと共に他方の端部で1個のプラットホーム24bを成すものを含む。これにより、12個のセクタ金型7aのうち、「S3」「H3」を一方の端部に有する有表示セクタ金型を4個、「S3」「H3」を各端部に有する有表示セクタ金型を4個、「S3」の有表示セクタ金型を4個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0186】
図6の(9)では、セクタ7を13等分割し、トレッド摩耗表示24を有する有表示セクタ金型と、トレッド摩耗表示24を有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数のトレッド摩耗表示24をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0187】
図6の(9)において、有表示セクタ金型は、上述した実施の形態1における図4の(8)での「S1」の有表示セクタ金型、「S2」の有表示セクタ金型、および「S2’」の有表示セクタ金型と、上述した実施の形態2における図5の(8)での「H1」の有表示セクタ金型、「H2」の有表示セクタ金型、および「H3」の有表示セクタ金型とを設定する。そのうち、「S1」と「H1」とを1つの有表示セクタ金型に設定したもの、「S3」と「H3」とを1つの有表示セクタ金型に設定しタイヤ周方向で反転して1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを成すものを含む。これにより、13個のセクタ金型7aのうち、「S1」「H1」の有表示セクタ金型を1個、「S2」の有表示セクタ金型を2個、「S2’」の有表示セクタ金型を2個、「S3」「H3」の有表示セクタ金型を2個、「H2」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を4個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0188】
図6の(10)では、セクタ7を14等分割し、トレッド摩耗表示24を有する有表示セクタ金型と、トレッド摩耗表示24を有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数のトレッド摩耗表示24をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0189】
図6の(10)において、有表示セクタ金型は、上述した実施の形態1における図4の(9)での「S2」の有表示セクタ金型、および「S3」の有表示セクタ金型と、上述した実施の形態2における図5の(9)での「H1」の有表示セクタ金型、および「H3」の有表示セクタ金型とを設定する。そのうち、「S2」と「H1」とを1つの有表示セクタ金型に設定したもの、「S3」と「H3」とをタイヤ周方向の各端部にそれぞれ設けて1つの有表示セクタ金型に設定しタイヤ周方向で反転して一方の端部で1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成すと共に他方の端部で1個のプラットホーム24bを成すものを含む。これにより、14個のセクタ金型7aのうち、「S2」「H1」の有表示セクタ金型を2個、「S2」の有表示セクタ金型を2個、「S3」の有表示セクタ金型を2個、「S3」「H3」を各端部に有する有表示セクタ金型を2個、「H3」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を4個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0190】
図6の(11)では、セクタ7を15等分割し、トレッド摩耗表示24を有する有表示セクタ金型と、トレッド摩耗表示24を有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数のトレッド摩耗表示24をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0191】
図6の(11)において、有表示セクタ金型は、上述した実施の形態1における図4の(11)での「S1」の有表示セクタ金型、および「S3」の有表示セクタ金型と、上述した実施の形態2における図5の(10)での「H1」の有表示セクタ金型、「H2」の有表示セクタ金型、および「H3」の有表示セクタ金型とを設定する。そのうち、「S1」と「H1」とを1つの有表示セクタ金型に設定したもの、「S3」と「H3」とを1つの有表示セクタ金型に設定しタイヤ周方向で反転して1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを成すものを含む。これにより、15個のセクタ金型7aのうち、「S1」の有表示セクタ金型を2個、「S1」「H1」の有表示セクタ金型を1個、「S3」の有表示セクタ金型を4個、「S3」「H3」の有表示セクタ金型を2個、「H2」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を4個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0192】
図6の(12)では、セクタ7を16等分割し、トレッド摩耗表示24を有する有表示セクタ金型と、トレッド摩耗表示24を有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数のトレッド摩耗表示24をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0193】
図6の(12)において、有表示セクタ金型は、上述した実施の形態1における図4の(12)での「S1」の有表示セクタ金型、および「S2」の有表示セクタ金型と、上述した実施の形態2における図5の(11)での「H1」の有表示セクタ金型とを設定する。そのうち、「S1」と「H1」とを1つの有表示セクタ金型に設定したものを含む。これにより、16個のセクタ金型7aのうち、「S1」「H1」の有表示セクタ金型を2個、「S2」の有表示セクタ金型を4個、「H1」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を8個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0194】
図6の(13)では、セクタ7を17等分割し、トレッド摩耗表示24を有する有表示セクタ金型と、トレッド摩耗表示24を有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数のトレッド摩耗表示24をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0195】
図6の(13)において、有表示セクタ金型は、上述した実施の形態1における図4の(13)での「S1」の有表示セクタ金型、「S2」の有表示セクタ金型、「S2’」の有表示セクタ金型、および「S3」の有表示セクタ金型と、上述した実施の形態2における図5の(13)での「H1」の有表示セクタ金型、「H2」の有表示セクタ金型、および「H3」の有表示セクタ金型とを設定する。そのうち、「S1」と「H1」とを1つの有表示セクタ金型に設定したもの、「S3」と「H3」とを1つの有表示セクタ金型に設定しタイヤ周方向で反転して1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを成すものを含む。これにより、17個のセクタ金型7aのうち、「S1」「H1」の有表示セクタ金型を1個、「S2」の有表示セクタ金型を2個、「S2’」の有表示セクタ金型を2個、「S3」「H3」の有表示セクタ金型を2個、「H2」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を8個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0196】
図6の(14)では、セクタ7を18等分割し、トレッド摩耗表示24を有する有表示セクタ金型と、トレッド摩耗表示24を有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数のトレッド摩耗表示24をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0197】
図6の(14)において、有表示セクタ金型は、上述した実施の形態1における図4の(14)での「S1」の有表示セクタ金型と、上述した実施の形態2における図5の(14)での「H1」の有表示セクタ金型、および「H3」の有表示セクタ金型とを設定する。そのうち、「S1」と「H1」とを1つの有表示セクタ金型に設定したものを含む。これにより、18個のセクタ金型7aのうち、「S1」「H1」の有表示セクタ金型を2個、「S1」の有表示セクタ金型を4個、「H3」の有表示セクタ金型を4個、無表示セクタ金型を8個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0198】
図6の(15)では、セクタ7を18等分割し、トレッド摩耗表示24を有する有表示セクタ金型と、トレッド摩耗表示24を有さない無表示セクタ金型とを設定し、所定数のトレッド摩耗表示24をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、各有表示セクタ金型と各無表示セクタ金型との組み合わせを設定する。
【0199】
図6の(15)において、有表示セクタ金型は、上述した実施の形態1における図4の(15)での「S3」の有表示セクタ金型と、上述した実施の形態2における図5の(14)での「H1」の有表示セクタ金型、および「H3」の有表示セクタ金型とを設定する。そのうち、「S3」と「H1」とを1つの有表示セクタ金型に設定したもの、「S3」と「H3」とをタイヤ周方向の各端部にそれぞれ設けて1つの有表示セクタ金型に設定しタイヤ周方向で反転して一方の端部で1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaを成すと共に他方の端部で1個のプラットホーム24bを成すものを含む。これにより、18個のセクタ金型7aのうち、「S3」の有表示セクタ金型を8個、「S3」「H1」の有表示セクタ金型を2個、「S3」「H3」の有表示セクタ金型を2個、「H3」の有表示セクタ金型を2個、無表示セクタ金型を4個として、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になる。
【0200】
なお、上述した実施の形態3において、全ての有表示セクタ金型のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaや、全ての有表示セクタ金型のプラットホーム24bの配置を、タイヤ周方向に同じ角度でずらしてもよい。
【0201】
例えば、8等分割の場合、図7の(1)に示すように、8個のセクタ金型7aにおいてウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaと、プラットホーム24bとの配置を設定し、この図7の(1)を基準として図7の(2)〜図7の(10)に示すようにウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaや、全ての有表示セクタ金型のプラットホーム24bの配置を、タイヤ周方向に同じ角度でずらしている。図7の(10)は、隣接する有表示セクタ金型間で1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaや、1個のプラットホーム24bを成す形態を示している。なお、図7の(1)〜図7の(10)は、タイヤ周方向で左から1番目〜4番目までを1つの配列群とし、この配列群を5番目〜6番目で繰り返した形態のものである。
【0202】
同様に、9等分割の場合、図8の(1)に示すように、9個のセクタ金型7aにおいてウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaと、プラットホーム24bとの配置を設定し、この図8の(1)を基準として図8の(2)〜図8の(17)に示すようにウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaや、全ての有表示セクタ金型のプラットホーム24bの配置を、タイヤ周方向に同じ角度でずらしている。図8の(17)は、隣接する有表示セクタ金型間で1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaや、1個のプラットホーム24bを成す形態を示している。
【0203】
同様に、12等分割の場合、図9の(1)に示すように、12個のセクタ金型7aにおいてウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaと、プラットホーム24bとの配置を設定し、この図9の(1)を基準として図9の(2)〜図9の(12)に示すようにウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaや、全ての有表示セクタ金型のプラットホーム24bの配置を、タイヤ周方向に同じ角度でずらしている。なお、図9の(1)〜図9の(6)は、タイヤ周方向で左から1番目〜6番目までを1つの配列群とし、この配列群を7番目〜12番目で繰り返した形態のものである。
【0204】
このように、実施の形態3のタイヤ金型の設計方法では、タイヤ金型6のセクタ7をタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割し、かつウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを有する有表示セクタ金型、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを有さない無表示セクタ金型を設定する工程と、有表示セクタ金型と無表示セクタ金型との組み合わせを設定し、所定数のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとをタイヤ周方向で等間隔に配置する工程とを含む。
【0205】
なお、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaの所定数とは、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaがタイヤ周上に6個以上あることを意味し、本実施の形態では、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaをタイヤ周上で6個としている。また、プラットホーム24bの所定数とは、プラットホーム24bがタイヤ周上に4個以上あることを意味し、本実施の形態では、プラットホーム24bをタイヤ周上で4個としている。
【0206】
このタイヤ金型の設計方法によれば、同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0207】
また、実施の形態3のタイヤ金型の設計方法では、有表示セクタ金型は、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとをタイヤ周方向の中央に有して設定したり、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとをタイヤ周方向の一方の端部寄りに有して組み合わせの際にタイヤ周方向で反転するように設定したり、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有して組み合わせの際にタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを成すように設定することが好ましい。
【0208】
このタイヤ金型の設計方法によれば、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを有する同じ構成のセクタ金型7aをより多く用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率をさらに向上できる。
【0209】
また、実施の形態3のタイヤ金型の設計方法では、タイヤ金型6のセクタ7をタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割し、かつウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する有表示セクタ金型を設定する工程と、所定数のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、有表示セクタ金型のタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを成す組み合わせを設定する工程とを含む。
【0210】
このタイヤ金型の設計方法によれば、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを有する同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0211】
実施の形態3のタイヤ金型6では、セクタ7がタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割されて成り、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを有する有表示セクタ金型、およびウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを有さない無表示セクタ金型を備え、有表示セクタ金型および無表示セクタ金型を組み合わせ、所定数のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとをタイヤ周方向で等間隔に配置する。
【0212】
このタイヤ金型6によれば、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを有する同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0213】
また、実施の形態3のタイヤ金型6では、有表示セクタ金型は、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとをタイヤ周方向の中央に有して構成したり、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとをタイヤ周方向の一方の端部寄りに有して組み合わせの際にタイヤ周方向で反転して用いるように構成したり、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとをタイヤ周方向の一方の端部にタイヤ周方向寸法の半分を有して組み合わせの際にタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを成すように構成したりすることが好ましい。
【0214】
このタイヤ金型の設計方法によれば、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを有する同じ構成のセクタ金型7aをより多く用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率をさらに向上できる。
【0215】
また、実施の形態3のタイヤ金型6では、セクタ7をタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割し、かつウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する有表示セクタ金型を備え、所定数のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、有表示セクタ金型をタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを成す。
【0216】
このタイヤ金型6によれば、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを有する同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になり、タイヤ金型や空気入りタイヤの製造上の効率を向上できる。
【0217】
実施の形態3の空気入りタイヤ1では、上述したいずれか一つのタイヤ金型により加硫成形されている。
【0218】
この空気入りタイヤ1によれば、ウェアインジケータ24aおよび位置マーク24aaとプラットホーム24bとを有する同じ構成のセクタ金型7aを用いることが可能になり、製造上の効率を向上できる。
【産業上の利用可能性】
【0219】
以上のように、本発明に係るタイヤ金型の設計方法およびタイヤ金型ならびに空気入りタイヤは、同じ構成のセクタ金型を用いることを可能として製造上の効率を向上できることに適している。
【符号の説明】
【0220】
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
21 周方向溝
22 幅方向溝
23 陸部
23a 踏面
24 トレッド摩耗表示
24a ウェアインジケータ
24aa 位置マーク
24b プラットホーム
3 ショルダー部
4 サイドウォール部
5 ビード部
6 タイヤ金型
7 セクタ
7a セクタ金型
8 サイドプレート
9 ビードリング
C タイヤ赤道面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気入りタイヤを成形するタイヤ金型の設計方法であって、
タイヤ金型のセクタをタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割し、かつトレッド摩耗表示を有する有表示セクタ金型、およびトレッド摩耗表示を有さない無表示セクタ金型を設定する工程と、
前記有表示セクタ金型および前記無表示セクタ金型の組み合わせを設定し、所定数の前記トレッド摩耗表示をタイヤ周方向で等間隔に配置する工程と、
を含むことを特徴とするタイヤ金型の設計方法。
【請求項2】
前記有表示セクタ金型は、前記トレッド摩耗表示をタイヤ周方向の中央に有することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ金型の設計方法。
【請求項3】
前記有表示セクタ金型は、前記トレッド摩耗表示をタイヤ周方向の一方の端部寄りに有し、組み合わせの際に、タイヤ周方向で反転したものと反転しないものとが設定されることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ金型の設計方法。
【請求項4】
前記有表示セクタ金型は、前記トレッド摩耗表示のタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有し、組み合わせの際に、タイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個のトレッド摩耗表示を成すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のタイヤ金型の設計方法。
【請求項5】
空気入りタイヤを成形するタイヤ金型の設計方法であって、
タイヤ金型のセクタをタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割し、かつトレッド摩耗表示のタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する有表示セクタ金型を設定する工程と、
所定数の前記トレッド摩耗表示をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、前記有表示セクタ金型のタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個の前記トレッド摩耗表示を成す組み合わせを設定する工程と、
を含むことを特徴とするタイヤ金型の設計方法。
【請求項6】
前記トレッド摩耗表示は、残り溝深さを示すウェアインジケータおよび前記ウェアインジケータの位置マークであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のタイヤ金型の設計方法。
【請求項7】
前記トレッド摩耗表示は、踏面の摩耗50[%]を示すプラットホームであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のタイヤ金型の設計方法。
【請求項8】
前記トレッド摩耗表示は、残り溝深さを示すウェアインジケータおよび前記ウェアインジケータの位置マークと、踏面の摩耗50[%]を示すプラットホームとを共に含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のタイヤ金型の設計方法。
【請求項9】
空気入りタイヤを成形するタイヤ金型の設計方法であって、
タイヤ金型のセクタをタイヤ周方向に9個に等分割し、かつ残り溝深さを示すウェアインジケータおよび前記ウェアインジケータの位置マークをタイヤ周方向の中央に有する第一有表示セクタ金型、前記ウェアインジケータおよび前記位置マークのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する第二有表示セクタ金型を設定する工程と、
6個の前記ウェアインジケータおよび前記位置マークをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、前記第二有表示セクタ金型のタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個の前記ウェアインジケータおよび前記位置マークを成しつつ、前記第一有表示セクタ金型との組み合わせを設定する工程と、
を含むことを特徴とするタイヤ金型の設計方法。
【請求項10】
空気入りタイヤを成形するタイヤ金型であって、
セクタがタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割されて成り、トレッド摩耗表示を有する有表示セクタ金型、およびトレッド摩耗表示を有さない無表示セクタ金型を備え、
前記有表示セクタ金型および前記無表示セクタ金型を組み合わせ、所定数の前記トレッド摩耗表示をタイヤ周方向で等間隔に配置することを特徴とするタイヤ金型。
【請求項11】
前記有表示セクタ金型は、前記トレッド摩耗表示をタイヤ周方向の中央に有して構成されていることを特徴とする請求項10に記載のタイヤ金型。
【請求項12】
前記有表示セクタ金型は、前記トレッド摩耗表示をタイヤ周方向の一方の端部寄りに有して構成され、組み合わせの際に、タイヤ周方向で反転したものと反転しないものとが用いられることを特徴とする請求項10または11に記載のタイヤ金型。
【請求項13】
前記有表示セクタ金型は、前記トレッド摩耗表示をタイヤ周方向の一方の端部にタイヤ周方向寸法の半分を有して構成され、組み合わせの際に、タイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個の前記トレッド摩耗表示を成すことを特徴とする請求項10〜12のいずれか一つに記載のタイヤ金型。
【請求項14】
空気入りタイヤを成形するタイヤ金型であって、
セクタをタイヤ周方向に少なくとも8個以上に等分割し、かつトレッド摩耗表示のタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する有表示セクタ金型を備え、
所定数の前記トレッド摩耗表示をタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、前記有表示セクタ金型のタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個の前記トレッド摩耗表示を成すことを特徴とするタイヤ金型。
【請求項15】
前記トレッド摩耗表示は、残り溝深さを示すウェアインジケータおよび前記ウェアインジケータの位置マークであることを特徴とする請求項10〜14のいずれか一つに記載のタイヤ金型。
【請求項16】
前記トレッド摩耗表示は、踏面の摩耗50[%]を示すプラットホームであることを特徴とする請求項10〜14のいずれか一つに記載のタイヤ金型。
【請求項17】
前記トレッド摩耗表示は、残り溝深さを示すウェアインジケータおよび前記ウェアインジケータの位置マークと、踏面の摩耗50[%]を示すプラットホームとを共に含むことを特徴とする請求項10〜14のいずれか一つに記載のタイヤ金型。
【請求項18】
空気入りタイヤを成形するタイヤ金型であって、
セクタをタイヤ周方向に9個に等分割し、かつ残り溝深さを示すウェアインジケータおよび前記ウェアインジケータの位置マークをタイヤ周方向の中央に有する第一有表示セクタ金型と、前記ウェアインジケータおよび前記位置マークのタイヤ周方向寸法の半分をタイヤ周方向の一方の端部に有する第二有表示セクタ金型とを備え、
6個の前記ウェアインジケータおよび前記位置マークをタイヤ周方向で等間隔に配置する態様で、前記第二有表示セクタ金型のタイヤ周方向で反転したものと反転しないものとをタイヤ周方向の一方の端部を付き合わせて1個の前記ウェアインジケータおよび前記位置マークを成しつつ、前記第一有表示セクタ金型と組み合わせることを特徴とするタイヤ金型。
【請求項19】
トレッド摩耗表示を有する空気入りタイヤであって、
請求項10〜18のいずれか一つのタイヤ金型により加硫成形されたことを特徴とする空気入りタイヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−178074(P2011−178074A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45684(P2010−45684)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】