タッチパネル装置および入力方向検知装置
【課題】操作者の存在する方向に応じてコンテンツ表示方法を制御することが可能なタッチパネル装置および入力方向検知装置を実現する。
【解決手段】近接・接触検知部11は、タッチパネル10に対する指20の近接および接触によるセンサの出力値の変化を検出し、近接および接触位置を検知する。操作指方向判定部12は、近接・接触検知部11の近接および接触検知情報を基に、指20がタッチパネル10に接触する直前の近接検知情報を用いて指20の到来方向を判定する。コンテンツ変更部13はこの判定結果に応じて、表示部14に表示するコンテンツの内容、画面構成等を制御する。
【解決手段】近接・接触検知部11は、タッチパネル10に対する指20の近接および接触によるセンサの出力値の変化を検出し、近接および接触位置を検知する。操作指方向判定部12は、近接・接触検知部11の近接および接触検知情報を基に、指20がタッチパネル10に接触する直前の近接検知情報を用いて指20の到来方向を判定する。コンテンツ変更部13はこの判定結果に応じて、表示部14に表示するコンテンツの内容、画面構成等を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルの各センサの出力値を用いて操作者の方向を検知するタッチパネル装置および入力方向検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に提案されている映像表示装置は、タッチパネルの周囲にセンサを配置して操作者の腕、手等の位置を検出することにより、操作者が映像表示装置の右、左のいずれに存在するかを判定し、操作者の位置に応じて映像表示装置に表示するコンテンツの内容を変更していた。
【0003】
図10は、特許文献1に提案された映像表示装置をカーナビゲーション装置へ適用した例であり、図10(a)は運転席周辺を上からみた説明図、図10(b)は映像表示装置をカーナビゲーション装置へ適用したカーナビ用ディスプレイを示す図である。カーナビ用ディスプレイ100の前面にはタッチパネル101が配置され、その左右には例えば赤外線、超音波、静電センサ等を利用した非接触センサ104,105が配置されている。
【0004】
このカーナビ用ディスプレイ100は、左側操作者102、右側操作者103のどちらが操作者であるかを以下の方法で検出する。例えば、カーナビ用ディスプレイ100は、左右の非接触センサ104,105のうちのどちらのセンサ信号が強いか判定し、現在の操作が左右どちらの操作者によって行われているかを判断する。即ち、タッチパネル101の左(または右)側に配置された非接触センサ104(または非接触センサ105)が、操作者の指、手等の動きを強く検出している場合には、タッチパネル101を操作した操作者がタッチパネル101に向かって左(または右)側に着席している同乗者(または運転者)であると判断する。そして、映像表示装置は、どちらの操作者による操作であるかを検出し、操作者に応じて画面表示する表示内容を制御する。
【0005】
また、特許文献2には、ディスプレイがどちらの操作者の方向に向いているかに応じて表示内容を変更する情報処理装置が提案されている。図11は、特許文献2に提案された情報処理装置をカーナビゲーション装置へ適用した例であり、図11(a)は運転者のみ存在する状況、図11(b)は運転者および同乗者が存在する状況を示す図である。複数の画面をそれぞれ異なる向きに向けて同時に表示可能な1つの表示領域を有するカーナビ用ディスプレイ111は、図11(a)に示すように運転者113の方向を向いている場合に運転者113のいる矢印112の方向に第1の道路案内画面を表示する。運転者113は、操作部(不図示)を操作することで、第1の道路案内画面を操作する。
【0006】
一方、図11(b)に示すように、カーナビ用ディスプレイ111の向きが変更された場合には、カーナビ用ディスプレイ111は矢印112,115の方向にそれぞれ異なった画面を表示する。カーナビ用ディスプレイ111は、例えば、運転者113に見える向き(矢印112)には第2の道路案内画面を表示しつつ、助手席に座る同乗者114に見える向き(矢印115)にはテレビ番組の映像を表示する。このように、情報処理装置は、カーナビ用ディスプレイ111の向きに応じて画面表示する表示内容を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−233816号公報
【特許文献2】特開2005−91475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のようなタッチパネル装置では、タッチパネルの周囲にセンサを配置して、操作者の腕、手等の位置を検出することで操作者を識別するようにしていたので、タッチパネル装置の周囲に腕、手等が近づいたことは判定できる。しかし、その腕、手等が実際にタッチパネルに接触したか否かはタッチパネル周囲のセンサとは別の検出手段で検出するため、タッチパネル周囲のセンサで検出した側の操作者が、本当にタッチパネルに触れたか否かを判定することはできないという課題があった。
また、タッチパネルとは別に、周囲に配置する赤外線、超音波、静電センサ等のセンサが必要となり、余計なコストがかかるという課題もあった。
【0009】
また、特許文献2のようなタッチパネル装置では、操作者が手動で変更したディスプレイの向きを検出することで表示内容の制御を行うようにしていたので、操作者がディスプレイの向きの変更を行う手間が必要となる課題があった。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、タッチパネルから得られる信号に基づいて座標指示器の到来方向を判定するようにして、操作者の存在する方向に応じてコンテンツ表示方法を制御することが可能なタッチパネル装置および入力方向検知装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係るタッチパネル装置は、複数のセンサが配置され、各センサの出力値を出力するタッチパネルと、複数のセンサの出力値を用いて、タッチパネルに対する座標指示器の近接および接触によるセンサの出力値の変化を検出し、近接および接触位置を検知する近接・接触検知部と、近接・接触検知部の近接および接触検知情報を基に、座標指示器の到来方向を判定する座標指示器方向判定部と、コンテンツを表示する表示部と、座標指示器方向判定部の判定結果に基づいて、表示部に表示する画面を変更するコンテンツ変更部とを備えるようにしたものである。
【0012】
この発明に係る入力方向検知装置は、タッチパネルに配置された複数のセンサの出力値を用いて、タッチパネルに対する座標指示器の近接および接触によるセンサの出力値の変化を検出し、近接および接触位置を検知する近接・接触検知部と、近接・接触検知部の近接および接触検知情報を基に、タッチパネルへの座標指示器の接触が検知されると、当該接触直前の近接検知情報を用いて座標指示器の到来方向を判定する座標指示器方向判定部とを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、タッチパネルのセンサ出力値を用いて座標指示器の近接および接触を検知し、これらの検知情報を基に座標指示器の到来方向を判定するようにしたので、操作者の存在する方向に応じてコンテンツ表示方法を制御することが可能なタッチパネル装置および入力方向検知装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1に係るタッチパネル装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るタッチパネル装置のタッチパネルの構成を示す説明図である。
【図3】図2に示す状態の指とタッチパネルの各センサとの距離を表した説明図である。
【図4】図2に示す状態で指がタッチパネルに近接した場合の各センサの出力値を示すグラフである。
【図5】図2に示す状態で指がタッチパネルに接触した場合の各センサの出力値を示すグラフである。
【図6】この発明の実施の形態2に係るタッチパネル装置の構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係るタッチパネル装置のタッチパネル付ディスプレイの構成を示す説明図である。
【図8】図7に示す状態のタッチパネル付ディスプレイの向きを所定角度だけ左に回転した状態を示す説明図である。
【図9】図7に示す状態で指がタッチパネルに近接した場合の各センサの出力値を示すグラフである。
【図10】特許文献1に提案された映像表示装置をカーナビゲーション装置へ適用した例を示す説明図である。
【図11】特許文献2に提案された情報処理装置をカーナビゲーション装置へ適用した例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るタッチパネル装置の構成を示すブロック図である。タッチパネル装置は、座標指示器による入力を検知するタッチパネル10、タッチパネル10からの信号に基づいて座標指示器の近接・接触を検知する近接・接触検知部11、近接・接触の検知結果の情報を基に、座標指示器の到来方向を判定する座標指示器方向判定部12、判定結果を基に、表示内容を変更するコンテンツ変更部13、表示を行う表示部14、各部を制御する制御部15を備える。本実施の形態では、座標指示器の一例として指を用いて説明するため、これ以降、座標指示器方向判定部12の名称もそれに合わせて操作指方向判定部12と称す。また、本実施の形態において、タッチパネル10と表示部14は設置場所を別にしてもよいし、表示部14の前面にタッチパネル10を設置して表示・操作一体型にしてもよい。
【0016】
図2は、タッチパネル10の構成を示す説明図であり、指20がタッチパネル装置の左側からタッチパネル10を操作している状態を示す。図2に示すタッチパネル10は、X方向およびY方向にそれぞれ短冊状の電極が配置されたX,Yマトリックス型タッチパネルを模したものである。タッチパネル10は、X方向の近接・接触位置を検出するためにX方向に並べて配置された複数のY方向と平行なセンサ電極(X方向センサと適宜称す)と、Y方向の近接・接触位置を検出するためにY方向に並べて配置された複数のX方向と平行なセンサ電極(Y方向センサと適宜称す)から構成される。説明の便宜上、これ以降はタッチパネル10に配置されたセンサ電極のうちX方向センサをX軸原点から順にセンサ1〜9と呼ぶ。
【0017】
ここで、タッチパネルに指が近接・接触するとセンサ出力値が得られる仕組みについて簡単に説明する。指が近接・接触したことを検出する方法はいくつか考えられるが、本実施の形態では指20とタッチパネル10に配置されたセンサとの間の静電容量を検出する方法を用いて指20の接触を検出する。具体的には、タッチパネル10に配置された各センサ1〜9に順次信号検出用の交流電圧を印加する(図2等において電圧印加の手段は特定しないが、例えば近接・接触検知部11が行うこととする)。タッチパネル10に指20が近接・接触すると、タッチパネル10のセンサと導体である指20との間に微小な静電容量が生じる。センサに印加した交流電圧によって、この微小な静電容量を通してセンサから指20へ微弱な電流が流れる。このとき、センサからの出力電圧を観測すると、指20が接触している周囲のセンサは上述のように電流が流れるために、観測される出力電圧が低下する。この出力電圧の低下の大きさを各センサ1〜9の出力値とする。
タッチパネル10と指20との間に生じる静電容量の大きさは、タッチパネル10と指20との距離に反比例する。そのため、指20が最も接近している位置のセンサの出力電圧が最も大きく低下する。即ち、最も大きなセンサ出力値となる。
【0018】
次に、図2に示す状態を例に用いて、タッチパネル装置の動作を説明する。
近接・接触検知部11は、指20がタッチパネル10に近接・接触した場合にタッチパネル10のセンサ1〜9が出力する出力信号から各センサ出力値を求める。そして、近接・接触検知部11は、これらのセンサ出力値のうちから最も大きなセンサ出力値が得られたセンサの位置を指20が近接・接触した位置とする。
【0019】
ここで、近接・接触検知部11の近接・接触検知処理を具体例を用いて説明する。図2に示すように、操作者がタッチパネル10に左方向から指20を近接させると、タッチパネル10のセンサ1〜9が出力電圧の信号を出力する。図2では、X方向のセンサ6の位置に、指20の先端が近接している。図3は、図2に示す状態の指20とタッチパネル10の各センサ1〜9との距離を表した説明図であり、タッチパネル10のX方向からみた断面の状態である。なお、説明を簡便にするために指20の断面形状を長方形とする。図4は、図2に示す状態で指20がタッチパネル10に近接した場合の各センサ1〜9の出力値を示すグラフである。
【0020】
図3に示すように、指20を近づけているセンサ6の位置においてタッチパネル10と指20との距離L6が最も小さくなり、その位置より左側にあるセンサ5,4等と指20との距離L5,L4は徐々に大きくなる。従って、この場合には、図4に示すようにセンサ6の出力値が最も大きく、その左側のセンサ5,4等の出力値は徐々に小さくなる。
一方、センサ6の右側にあるセンサ7,8,9は、指20が上方に存在していないため、センサ出力値はほとんど検出されない。
【0021】
図5は、図2に示す状態で指20がタッチパネル10に接触した場合の各センサ1〜9の出力値を示すグラフである。図4と図5のグラフを比較すると、指20がタッチパネル10に近接している状態のセンサ出力値に比べて、接触している状態のセンサ出力値が大となる。近接・接触検知部11は、各センサ出力値を予め設定されている接触判定閾値30と比較し、センサ出力値が接触判定閾値30を超えた場合に、操作者の指20がタッチパネル10に接触したと判断する。
【0022】
操作指方向判定部12は、指20がタッチパネル10のどの方向から到来して操作しているかを判定する。例えば、操作指方向判定部12は、近接・接触検知部11で得られるセンサ毎の出力値のデータのうち、常に最新の2サンプル点を保存しておく。即ち、ある時刻tにおけるX方向センサ(X1,X2,・・・,Xn:nはX方向センサの本数)、およびY方向センサ(Y1,Y2,・・・,Ym:mはY方向センサの本数)のセンサ出力値のデータを格納した値をX1[t],X2[t],・・・,Xn[t]、およびY1[t],Y2[t],・・・,Ym[t]とすると、操作指方向判定部12は時刻tのデータと共に1サンプル点前のセンサ出力値のデータX1[t−1],X2[t−1],・・・,Xn[t−1]、およびY1[t−1],Y2[t−1],・・・,Ym[t−1]を保存しておく。
【0023】
近接・接触検知部11が指20のタッチパネル10への接触を検知すると、操作指方向判定部12は接触時点より1サンプル点前のセンサ出力値データ(Xn[t−1],Ym[t−1])を用いて、指20の到来方向を判定する。具体的には、図5に示すようなセンサ出力値が得られたとすると、近接・接触検知部11はセンサ6に指20が接触したことを検知して操作指方向判定部12へ通知し、この通知を受けて操作指方向判定部12は指20が接触する直前の図4に示すセンサ出力値データ、即ち1サンプル点前のセンサ出力値データを基に指20方向の判定を行う。
【0024】
指20到来方向の判定処理として、操作指方向判定部12は、先ず、指20が接触したセンサ6よりも左に位置するX方向センサ(のうちの一部)のセンサ出力値の左側合計値Sl(t−1)と、指20が接触したセンサ6よりも右に位置するX方向センサ(のうちの一部)のセンサ出力値の右側合計値Sr(t−1)をそれぞれ算出する。図4の例では、センサ6の左に位置するX方向センサとしてセンサ4,5を用い、センサ6の右に位置するX方向センサとしてセンサ7,8を用いるとすると、左側合計値Sl(t−1)および右側合計値Sr(t−1)は下式(1)で求めることができる。
Sl(t−1)=X4[t−1]+X5[t−1] (1)
Sr(t−1)=X7[t−1]+X8[t−1]
ただし、tは近接・接触検知部11が指20の接触を検知したサンプル時刻とする。
【0025】
指20がタッチパネル10の左方向から到来した場合は、図4に示すようなセンサ出力値が得られることから、Sl(t−1)>Sr(t−1)となる。この場合には、操作指方向判定部12は、指20がタッチパネル10の左方向から到来したものと判定する。
逆に、Sl(t−1)<Sr(t−1)となった場合には、操作指方向判定部12は、指20がタッチパネル10の右方向から到来したものと判定する。また、操作指方向判定部12は、Sl(t−1)=Sr(t−1)となった場合には予め定めたデフォルト方向と判定する。このデフォルト方向とは、例えば、安全操作を考えて操作が限定される右方向、即ち運転席側の方向とする。
操作指方向判定部12は、Y方向センサから得られたセンサ出力値についても同様に計算すれば、指20がタッチパネル10の上下どちらの方向から到来したものかも判定できる。
【0026】
コンテンツ変更部13は、操作指方向判定部12の判定結果を基に、表示部14に表示するコンテンツ内容を変更する。例えば、本実施の形態のタッチパネル装置を車載向けのナビゲーション装置に適用した場合を例に説明する。この場合、コンテンツ変更部13は、判定結果が「指20の到来方向が左側」を示していれば、操作者が助手席側にいると判断し、「指20の到来方向が右側」を示していれば、操作者が運転席側にいると判断して、この判断結果に応じてコンテンツ内容を変更する。
【0027】
目的地を設定する状況で表示部14に目的地設定画面が表示されているとすると、コンテンツ変更部13は、操作者が助手席側にいると判断した場合には、目的地住所設定、目的地検索、目的地付近の地図拡大等の目的地設定に関する全ての機能を操作できるようにしたコンテンツ画面に変更する。一方、コンテンツ変更部13は、操作者が運転席側にいると判断した場合には、運転手が運転中に目的地設定の詳細操作を行うと危険が生じる可能性が高いため、例えば目的地付近の地図拡大の機能のみを操作できるといった、機能を限定したコンテンツ画面に変更する。
【0028】
制御部15は、コンテンツ変更部13で変更されたコンテンツ内容の表示画面を表示部14に表示する。
【0029】
なお、上記説明では、コンテンツ変更部13が、指20の到来方向が助手席側か運転席側かに応じて、操作できる機能を変更するようにしたが、コンテンツ変更部13の処理はこれに限定されるものではなく、例えば、操作画面の拡大図を用意しておき、運転席側からの操作の場合には操作画面を拡大する等のコンテンツ画面変更を行って、運転中の安全性を考慮して簡単に操作できる操作画面になるようにしてもよい。
【0030】
また、タッチパネル装置を、対面式で操作可能にする等、複数の方向から操作されることを想定した構成にする場合には、指20がタッチパネル10の上側から到来したものか、下側から到来したものかを判定するために、操作指方向判定部12がY方向センサのセンサ出力値データを用いて到来方向を判定する構成にすればよい。
また、指20のより正確な到来方向を判定するために、操作指方向判定部12がX方向センサおよびY方向センサ両方のセンサ出力値データを用いて詳細な指20到来方向を判定してもよい。
【0031】
さらに、コンテンツ変更部13は、指20の到来方向に合わせて画面表示の向きを変更するようにしてもよい。具体的には、タッチパネル10の下側から指20が到来している場合は、表示画面の向きをタッチパネル10の下側を下にする表示(即ち通常表示)にし、タッチパネル10の上側から指20が到来している場合は、表示画面の向きをタッチパネル10の上側を下にして表示画面の向きを通常表示から180度回転する。この構成の場合には、対面式で表示・操作一体型のタッチパネル装置を操作している際に、操作者の方向に最適となるようコンテンツの表示向きを変更することが可能となり、操作性の向上を図ることができる。
【0032】
以上のように、実施の形態1によれば、タッチパネル10に配置された複数のセンサの出力値を用いて、タッチパネル10に対する指20の近接および接触によるセンサの出力値の変化を検出し、近接および接触位置を検知する近接・接触検知部11と、近接・接触検知部11の近接および接触検知情報を基に、指20の到来方向を判定する操作指方向判定部12とを備えるように構成した。このため、タッチパネル装置のみで指20の到来方向を判定することができる。よって、指20の存在を検出するための赤外線、超音波、静電センサ等を配置する必要がなくなり、コストの低減を図ることができる。
また、コンテンツ変更部13は、指20がタッチパネル10に接触する直前の近接状態のセンサ出力値データを用いて指20の到来方向を判定するため、タッチパネル10に接触して操作した指20の到来方向を確実に特定することができ、指20の到来方向の判定精度を向上することが可能となる。
【0033】
また、タッチパネル10に接触して操作した指20の到来方向を確実に特定できるため、この判定結果に基づいてコンテンツ内容を適切に変更することが可能となる。これによって、例えば車載向けナビゲーション装置に本実施の形態のタッチパネル装置を適用した場合には、操作者が助手席側にいる場合には全てのコンテンツの操作を可能とすることで操作者の使い勝手の向上を図ることができ、一方、運転席側にいる場合には運転動作に危険が生じる可能性のあるコンテンツ操作を制限したり、操作画面を拡大して大まかな入力で簡単に操作可能にしたりすることで安全性の向上を図ることができる。
【0034】
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2に係るタッチパネル装置の構成を示すブロック図であり、図6において図1と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。本実施の形態に係るタッチパネル装置は、上記実施の形態1のタッチパネル装置に新たにディスプレイ方向変更部16を追加したものである。また、図7は、実施の形態2に係るタッチパネル装置のタッチパネル付ディスプレイ40の構成を示すブロック図である。本実施の形態のタッチパネル装置は、表示部14の前面にタッチパネル10を設置してなる表示・操作一体型のタッチパネル付ディスプレイ40を備える。このタッチパネル付ディスプレイ40にはネック部41が設けられ、このネック部41がタッチパネル付ディスプレイ40を回転中心軸Aを中心に回動自在に保持する。ディスプレイ方向変更部16は、タッチパネル付ディスプレイ40を、適切なギアおよびモータ等(不図示)を用いてネック部41の回転中心軸Aを中心に所定角度分だけ回動させる。
【0035】
次に、図7に示す状態を例に用いて、タッチパネル装置の動作を説明する。
図7では、タッチパネル装置のタッチパネル付ディスプレイ40に対して左側に位置する操作者が、タッチパネル付ディスプレイ40のタッチパネル10を操作する場合を示す。操作者がタッチパネル装置を操作しようとして指20をタッチパネル10に近接・接触させた場合、タッチパネル10、近接・接触検知部11、操作指方向判定部12、コンテンツ変更部13、表示部14、および制御部15が上記実施の形態1で説明した処理を行って、指20がタッチパネル10の左側から到来したものと判定し、表示部14が左側の操作者用コンテンツ画面を表示する。
【0036】
そして、ディスプレイ方向変更部16が、操作指方向判定部12の判定結果に基づいて、画面表示を行っているタッチパネル付ディスプレイ40の向きを変更する。具体的には、図7に示す状態の場合には、操作指方向判定部12が指20の到来方向が左と判定するので、ディスプレイ方向変更部16がこの判定結果を基に、タッチパネル付ディスプレイ40の表示部14が設置された面を、操作者のいる左方向に予め設定した角度分だけ回転させる。図8は、タッチパネル付ディスプレイ40を所定角度だけ左に回転させた状態を示す説明図である。タッチパネル付ディスプレイ40の回転は、上述したように、不図示のギアおよびモータ等によりネック部41の回転中心軸Aを中心に回動させることで実現すればよい。この結果、図8に示すように、タッチパネル付ディスプレイ40に対して左側にいる操作者から操作しやすい角度にタッチパネル付ディスプレイ40の向きを変更することができる。
【0037】
以上のように、実施の形態2によれば、操作指方向判定部12の判定結果を基にディスプレイ方向変更部16がタッチパネル付ディスプレイ40の表示部14を操作者の方向へ回転させるように構成した。このため、操作者がタッチパネル装置を操作する際に、画面表示するコンテンツを操作者に適した内容にすることができるとともに、タッチパネル付ディスプレイ40の操作画面を自動的に操作者の方向に向けることができる。この結果、操作者に対する使い勝手を向上することが可能となる。なお、タッチパネル装置がコンテンツ変更部13を備えない構成であってもよく、その構成の場合でもディスプレイ方向変更部16によりタッチパネル付ディスプレイ40の操作画面を自動的に操作者の方向に向けることができ、使い勝手を向上することが可能である。
【0038】
なお、上記実施の形態2では、指20がタッチパネル10に接触した際に、操作指方向判定部12が操作者のいる方向を判定し、その判定結果を基にディスプレイ方向変更部16がタッチパネル付ディスプレイ40の向きを変更するように構成したが、例えば、以下のように、操作指方向判定部12で指20がタッチパネル10に接触する前に到来方向を判定するようにして、ディスプレイ方向変更部16によりタッチパネル付ディスプレイ40の向きを変更するように構成してもよい。
具体的には、操作指方向判定部12が、指20のタッチパネル10への接触を判定するための接触判定閾値を予め備えるとともに、近接状態での指20の到来方向を判定するための近接指方向判定閾値を予め備える。図9は、図7に示す状態で指20がタッチパネル10に近接した場合の各センサ1〜9の出力値を示すグラフであり、接触判定閾値30および近接指方向判定閾値31を重ねて示す。操作指方向判定部12は、各センサ出力値のうちの最大のセンサ出力値(センサ6)が近接指方向判定閾値31を超えた場合に、上記実施の形態1と同様に指20の到来方向の判定を行う。これにより、指20がタッチパネル10に接触する前に到来方向を判定することが可能となる。
【0039】
上述の近接指方向判定閾値31は、例えば、指20がタッチパネル10へ近接した状態の際に、確実に到来方向が判定できるためのセンサ出力値を予め予備実験により求めた値とし、この値を近接指方向判定閾値31として操作指方向判定部12に設定する。
【0040】
このように構成した場合には、操作指方向判定部12を、指20がタッチパネル10に接触する前に到来方向を判定するように構成することにより、操作者がタッチパネル装置に触れる前にタッチパネル付ディスプレイ40の向きを操作者のいる方向へ回転させることができ、使い勝手がさらに向上する。
【0041】
また、上記実施の形態1,2では、近接・接触検知部11がX方向センサおよびY方向センサの出力電圧の低下に基づいて指20の近接・接触を検知する構成にしたが、タッチパネル10への指20の近接の検知精度を高めるために、特開2008−153025号公報に提案されている「近接検出装置」のように構成してもよい。
例えば、タッチパネル10への指20の近接を検知する際に、周辺回路の制御によりX方向センサのうちの複数のセンサ、またはY方向センサのうちの複数のセンサを1本に結合する。具体的には、図2に示すタッチパネル10のセンサ1,2を結合して1本とし、センサ3,4を結合して1本とする等のように、隣り合う2本のセンサを1本に結合する。これにより、指20の近接を検知するためのセンサ面積が大きくなった状態となり、指20がタッチパネル10に近接した際に生じる静電容量変化を感度良く検出することが可能となる。
【0042】
なお、上記のように複数のセンサを結合する場合は、X,Y方向センサの本数が減少するために指20の近接位置を特定する分解能が低下することになるが、指20の接触が検知される直前の近接状態のセンサ出力値データを用いて操作指方向判定部12が指20の到来方向を判定できればよいため、分解能がある程度低下しても特に問題とはならない。
【0043】
また、実施の形態1,2のタッチパネル装置からタッチパネル10、表示部14等を抜き出して外部装置とし、近接・接触検知部11および操作指方向判定部12を入力方向検知装置として構成するようにしてもよい。この構成の場合には、入力方向検知装置は、外部装置であるタッチパネル10のセンサ出力値を用いて、座標指示器の到来方向を判定し、その判定結果を外部装置であるタッチパネル10、表示部14等に出力する。そして、外部装置であるタッチパネル10、表示部14等は、入力方向検知装置の判定結果に応じて画面表示方法および向き等を制御すればよい。
【符号の説明】
【0044】
1〜9 センサ、10 タッチパネル、11 近接・接触検知部、12 操作指方向判定部(座標指示器方向判定部)、13 コンテンツ変更部、14 表示部、15 制御部、16 ディスプレイ方向変更部、20 指(座標指示器)、30 接触判定閾値、40 タッチパネル付ディスプレイ、41 ネック部、A 回転中心軸、L4,L5,L6 センサ4,5,6と指20との距離。
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルの各センサの出力値を用いて操作者の方向を検知するタッチパネル装置および入力方向検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に提案されている映像表示装置は、タッチパネルの周囲にセンサを配置して操作者の腕、手等の位置を検出することにより、操作者が映像表示装置の右、左のいずれに存在するかを判定し、操作者の位置に応じて映像表示装置に表示するコンテンツの内容を変更していた。
【0003】
図10は、特許文献1に提案された映像表示装置をカーナビゲーション装置へ適用した例であり、図10(a)は運転席周辺を上からみた説明図、図10(b)は映像表示装置をカーナビゲーション装置へ適用したカーナビ用ディスプレイを示す図である。カーナビ用ディスプレイ100の前面にはタッチパネル101が配置され、その左右には例えば赤外線、超音波、静電センサ等を利用した非接触センサ104,105が配置されている。
【0004】
このカーナビ用ディスプレイ100は、左側操作者102、右側操作者103のどちらが操作者であるかを以下の方法で検出する。例えば、カーナビ用ディスプレイ100は、左右の非接触センサ104,105のうちのどちらのセンサ信号が強いか判定し、現在の操作が左右どちらの操作者によって行われているかを判断する。即ち、タッチパネル101の左(または右)側に配置された非接触センサ104(または非接触センサ105)が、操作者の指、手等の動きを強く検出している場合には、タッチパネル101を操作した操作者がタッチパネル101に向かって左(または右)側に着席している同乗者(または運転者)であると判断する。そして、映像表示装置は、どちらの操作者による操作であるかを検出し、操作者に応じて画面表示する表示内容を制御する。
【0005】
また、特許文献2には、ディスプレイがどちらの操作者の方向に向いているかに応じて表示内容を変更する情報処理装置が提案されている。図11は、特許文献2に提案された情報処理装置をカーナビゲーション装置へ適用した例であり、図11(a)は運転者のみ存在する状況、図11(b)は運転者および同乗者が存在する状況を示す図である。複数の画面をそれぞれ異なる向きに向けて同時に表示可能な1つの表示領域を有するカーナビ用ディスプレイ111は、図11(a)に示すように運転者113の方向を向いている場合に運転者113のいる矢印112の方向に第1の道路案内画面を表示する。運転者113は、操作部(不図示)を操作することで、第1の道路案内画面を操作する。
【0006】
一方、図11(b)に示すように、カーナビ用ディスプレイ111の向きが変更された場合には、カーナビ用ディスプレイ111は矢印112,115の方向にそれぞれ異なった画面を表示する。カーナビ用ディスプレイ111は、例えば、運転者113に見える向き(矢印112)には第2の道路案内画面を表示しつつ、助手席に座る同乗者114に見える向き(矢印115)にはテレビ番組の映像を表示する。このように、情報処理装置は、カーナビ用ディスプレイ111の向きに応じて画面表示する表示内容を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−233816号公報
【特許文献2】特開2005−91475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のようなタッチパネル装置では、タッチパネルの周囲にセンサを配置して、操作者の腕、手等の位置を検出することで操作者を識別するようにしていたので、タッチパネル装置の周囲に腕、手等が近づいたことは判定できる。しかし、その腕、手等が実際にタッチパネルに接触したか否かはタッチパネル周囲のセンサとは別の検出手段で検出するため、タッチパネル周囲のセンサで検出した側の操作者が、本当にタッチパネルに触れたか否かを判定することはできないという課題があった。
また、タッチパネルとは別に、周囲に配置する赤外線、超音波、静電センサ等のセンサが必要となり、余計なコストがかかるという課題もあった。
【0009】
また、特許文献2のようなタッチパネル装置では、操作者が手動で変更したディスプレイの向きを検出することで表示内容の制御を行うようにしていたので、操作者がディスプレイの向きの変更を行う手間が必要となる課題があった。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、タッチパネルから得られる信号に基づいて座標指示器の到来方向を判定するようにして、操作者の存在する方向に応じてコンテンツ表示方法を制御することが可能なタッチパネル装置および入力方向検知装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係るタッチパネル装置は、複数のセンサが配置され、各センサの出力値を出力するタッチパネルと、複数のセンサの出力値を用いて、タッチパネルに対する座標指示器の近接および接触によるセンサの出力値の変化を検出し、近接および接触位置を検知する近接・接触検知部と、近接・接触検知部の近接および接触検知情報を基に、座標指示器の到来方向を判定する座標指示器方向判定部と、コンテンツを表示する表示部と、座標指示器方向判定部の判定結果に基づいて、表示部に表示する画面を変更するコンテンツ変更部とを備えるようにしたものである。
【0012】
この発明に係る入力方向検知装置は、タッチパネルに配置された複数のセンサの出力値を用いて、タッチパネルに対する座標指示器の近接および接触によるセンサの出力値の変化を検出し、近接および接触位置を検知する近接・接触検知部と、近接・接触検知部の近接および接触検知情報を基に、タッチパネルへの座標指示器の接触が検知されると、当該接触直前の近接検知情報を用いて座標指示器の到来方向を判定する座標指示器方向判定部とを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、タッチパネルのセンサ出力値を用いて座標指示器の近接および接触を検知し、これらの検知情報を基に座標指示器の到来方向を判定するようにしたので、操作者の存在する方向に応じてコンテンツ表示方法を制御することが可能なタッチパネル装置および入力方向検知装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1に係るタッチパネル装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るタッチパネル装置のタッチパネルの構成を示す説明図である。
【図3】図2に示す状態の指とタッチパネルの各センサとの距離を表した説明図である。
【図4】図2に示す状態で指がタッチパネルに近接した場合の各センサの出力値を示すグラフである。
【図5】図2に示す状態で指がタッチパネルに接触した場合の各センサの出力値を示すグラフである。
【図6】この発明の実施の形態2に係るタッチパネル装置の構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係るタッチパネル装置のタッチパネル付ディスプレイの構成を示す説明図である。
【図8】図7に示す状態のタッチパネル付ディスプレイの向きを所定角度だけ左に回転した状態を示す説明図である。
【図9】図7に示す状態で指がタッチパネルに近接した場合の各センサの出力値を示すグラフである。
【図10】特許文献1に提案された映像表示装置をカーナビゲーション装置へ適用した例を示す説明図である。
【図11】特許文献2に提案された情報処理装置をカーナビゲーション装置へ適用した例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るタッチパネル装置の構成を示すブロック図である。タッチパネル装置は、座標指示器による入力を検知するタッチパネル10、タッチパネル10からの信号に基づいて座標指示器の近接・接触を検知する近接・接触検知部11、近接・接触の検知結果の情報を基に、座標指示器の到来方向を判定する座標指示器方向判定部12、判定結果を基に、表示内容を変更するコンテンツ変更部13、表示を行う表示部14、各部を制御する制御部15を備える。本実施の形態では、座標指示器の一例として指を用いて説明するため、これ以降、座標指示器方向判定部12の名称もそれに合わせて操作指方向判定部12と称す。また、本実施の形態において、タッチパネル10と表示部14は設置場所を別にしてもよいし、表示部14の前面にタッチパネル10を設置して表示・操作一体型にしてもよい。
【0016】
図2は、タッチパネル10の構成を示す説明図であり、指20がタッチパネル装置の左側からタッチパネル10を操作している状態を示す。図2に示すタッチパネル10は、X方向およびY方向にそれぞれ短冊状の電極が配置されたX,Yマトリックス型タッチパネルを模したものである。タッチパネル10は、X方向の近接・接触位置を検出するためにX方向に並べて配置された複数のY方向と平行なセンサ電極(X方向センサと適宜称す)と、Y方向の近接・接触位置を検出するためにY方向に並べて配置された複数のX方向と平行なセンサ電極(Y方向センサと適宜称す)から構成される。説明の便宜上、これ以降はタッチパネル10に配置されたセンサ電極のうちX方向センサをX軸原点から順にセンサ1〜9と呼ぶ。
【0017】
ここで、タッチパネルに指が近接・接触するとセンサ出力値が得られる仕組みについて簡単に説明する。指が近接・接触したことを検出する方法はいくつか考えられるが、本実施の形態では指20とタッチパネル10に配置されたセンサとの間の静電容量を検出する方法を用いて指20の接触を検出する。具体的には、タッチパネル10に配置された各センサ1〜9に順次信号検出用の交流電圧を印加する(図2等において電圧印加の手段は特定しないが、例えば近接・接触検知部11が行うこととする)。タッチパネル10に指20が近接・接触すると、タッチパネル10のセンサと導体である指20との間に微小な静電容量が生じる。センサに印加した交流電圧によって、この微小な静電容量を通してセンサから指20へ微弱な電流が流れる。このとき、センサからの出力電圧を観測すると、指20が接触している周囲のセンサは上述のように電流が流れるために、観測される出力電圧が低下する。この出力電圧の低下の大きさを各センサ1〜9の出力値とする。
タッチパネル10と指20との間に生じる静電容量の大きさは、タッチパネル10と指20との距離に反比例する。そのため、指20が最も接近している位置のセンサの出力電圧が最も大きく低下する。即ち、最も大きなセンサ出力値となる。
【0018】
次に、図2に示す状態を例に用いて、タッチパネル装置の動作を説明する。
近接・接触検知部11は、指20がタッチパネル10に近接・接触した場合にタッチパネル10のセンサ1〜9が出力する出力信号から各センサ出力値を求める。そして、近接・接触検知部11は、これらのセンサ出力値のうちから最も大きなセンサ出力値が得られたセンサの位置を指20が近接・接触した位置とする。
【0019】
ここで、近接・接触検知部11の近接・接触検知処理を具体例を用いて説明する。図2に示すように、操作者がタッチパネル10に左方向から指20を近接させると、タッチパネル10のセンサ1〜9が出力電圧の信号を出力する。図2では、X方向のセンサ6の位置に、指20の先端が近接している。図3は、図2に示す状態の指20とタッチパネル10の各センサ1〜9との距離を表した説明図であり、タッチパネル10のX方向からみた断面の状態である。なお、説明を簡便にするために指20の断面形状を長方形とする。図4は、図2に示す状態で指20がタッチパネル10に近接した場合の各センサ1〜9の出力値を示すグラフである。
【0020】
図3に示すように、指20を近づけているセンサ6の位置においてタッチパネル10と指20との距離L6が最も小さくなり、その位置より左側にあるセンサ5,4等と指20との距離L5,L4は徐々に大きくなる。従って、この場合には、図4に示すようにセンサ6の出力値が最も大きく、その左側のセンサ5,4等の出力値は徐々に小さくなる。
一方、センサ6の右側にあるセンサ7,8,9は、指20が上方に存在していないため、センサ出力値はほとんど検出されない。
【0021】
図5は、図2に示す状態で指20がタッチパネル10に接触した場合の各センサ1〜9の出力値を示すグラフである。図4と図5のグラフを比較すると、指20がタッチパネル10に近接している状態のセンサ出力値に比べて、接触している状態のセンサ出力値が大となる。近接・接触検知部11は、各センサ出力値を予め設定されている接触判定閾値30と比較し、センサ出力値が接触判定閾値30を超えた場合に、操作者の指20がタッチパネル10に接触したと判断する。
【0022】
操作指方向判定部12は、指20がタッチパネル10のどの方向から到来して操作しているかを判定する。例えば、操作指方向判定部12は、近接・接触検知部11で得られるセンサ毎の出力値のデータのうち、常に最新の2サンプル点を保存しておく。即ち、ある時刻tにおけるX方向センサ(X1,X2,・・・,Xn:nはX方向センサの本数)、およびY方向センサ(Y1,Y2,・・・,Ym:mはY方向センサの本数)のセンサ出力値のデータを格納した値をX1[t],X2[t],・・・,Xn[t]、およびY1[t],Y2[t],・・・,Ym[t]とすると、操作指方向判定部12は時刻tのデータと共に1サンプル点前のセンサ出力値のデータX1[t−1],X2[t−1],・・・,Xn[t−1]、およびY1[t−1],Y2[t−1],・・・,Ym[t−1]を保存しておく。
【0023】
近接・接触検知部11が指20のタッチパネル10への接触を検知すると、操作指方向判定部12は接触時点より1サンプル点前のセンサ出力値データ(Xn[t−1],Ym[t−1])を用いて、指20の到来方向を判定する。具体的には、図5に示すようなセンサ出力値が得られたとすると、近接・接触検知部11はセンサ6に指20が接触したことを検知して操作指方向判定部12へ通知し、この通知を受けて操作指方向判定部12は指20が接触する直前の図4に示すセンサ出力値データ、即ち1サンプル点前のセンサ出力値データを基に指20方向の判定を行う。
【0024】
指20到来方向の判定処理として、操作指方向判定部12は、先ず、指20が接触したセンサ6よりも左に位置するX方向センサ(のうちの一部)のセンサ出力値の左側合計値Sl(t−1)と、指20が接触したセンサ6よりも右に位置するX方向センサ(のうちの一部)のセンサ出力値の右側合計値Sr(t−1)をそれぞれ算出する。図4の例では、センサ6の左に位置するX方向センサとしてセンサ4,5を用い、センサ6の右に位置するX方向センサとしてセンサ7,8を用いるとすると、左側合計値Sl(t−1)および右側合計値Sr(t−1)は下式(1)で求めることができる。
Sl(t−1)=X4[t−1]+X5[t−1] (1)
Sr(t−1)=X7[t−1]+X8[t−1]
ただし、tは近接・接触検知部11が指20の接触を検知したサンプル時刻とする。
【0025】
指20がタッチパネル10の左方向から到来した場合は、図4に示すようなセンサ出力値が得られることから、Sl(t−1)>Sr(t−1)となる。この場合には、操作指方向判定部12は、指20がタッチパネル10の左方向から到来したものと判定する。
逆に、Sl(t−1)<Sr(t−1)となった場合には、操作指方向判定部12は、指20がタッチパネル10の右方向から到来したものと判定する。また、操作指方向判定部12は、Sl(t−1)=Sr(t−1)となった場合には予め定めたデフォルト方向と判定する。このデフォルト方向とは、例えば、安全操作を考えて操作が限定される右方向、即ち運転席側の方向とする。
操作指方向判定部12は、Y方向センサから得られたセンサ出力値についても同様に計算すれば、指20がタッチパネル10の上下どちらの方向から到来したものかも判定できる。
【0026】
コンテンツ変更部13は、操作指方向判定部12の判定結果を基に、表示部14に表示するコンテンツ内容を変更する。例えば、本実施の形態のタッチパネル装置を車載向けのナビゲーション装置に適用した場合を例に説明する。この場合、コンテンツ変更部13は、判定結果が「指20の到来方向が左側」を示していれば、操作者が助手席側にいると判断し、「指20の到来方向が右側」を示していれば、操作者が運転席側にいると判断して、この判断結果に応じてコンテンツ内容を変更する。
【0027】
目的地を設定する状況で表示部14に目的地設定画面が表示されているとすると、コンテンツ変更部13は、操作者が助手席側にいると判断した場合には、目的地住所設定、目的地検索、目的地付近の地図拡大等の目的地設定に関する全ての機能を操作できるようにしたコンテンツ画面に変更する。一方、コンテンツ変更部13は、操作者が運転席側にいると判断した場合には、運転手が運転中に目的地設定の詳細操作を行うと危険が生じる可能性が高いため、例えば目的地付近の地図拡大の機能のみを操作できるといった、機能を限定したコンテンツ画面に変更する。
【0028】
制御部15は、コンテンツ変更部13で変更されたコンテンツ内容の表示画面を表示部14に表示する。
【0029】
なお、上記説明では、コンテンツ変更部13が、指20の到来方向が助手席側か運転席側かに応じて、操作できる機能を変更するようにしたが、コンテンツ変更部13の処理はこれに限定されるものではなく、例えば、操作画面の拡大図を用意しておき、運転席側からの操作の場合には操作画面を拡大する等のコンテンツ画面変更を行って、運転中の安全性を考慮して簡単に操作できる操作画面になるようにしてもよい。
【0030】
また、タッチパネル装置を、対面式で操作可能にする等、複数の方向から操作されることを想定した構成にする場合には、指20がタッチパネル10の上側から到来したものか、下側から到来したものかを判定するために、操作指方向判定部12がY方向センサのセンサ出力値データを用いて到来方向を判定する構成にすればよい。
また、指20のより正確な到来方向を判定するために、操作指方向判定部12がX方向センサおよびY方向センサ両方のセンサ出力値データを用いて詳細な指20到来方向を判定してもよい。
【0031】
さらに、コンテンツ変更部13は、指20の到来方向に合わせて画面表示の向きを変更するようにしてもよい。具体的には、タッチパネル10の下側から指20が到来している場合は、表示画面の向きをタッチパネル10の下側を下にする表示(即ち通常表示)にし、タッチパネル10の上側から指20が到来している場合は、表示画面の向きをタッチパネル10の上側を下にして表示画面の向きを通常表示から180度回転する。この構成の場合には、対面式で表示・操作一体型のタッチパネル装置を操作している際に、操作者の方向に最適となるようコンテンツの表示向きを変更することが可能となり、操作性の向上を図ることができる。
【0032】
以上のように、実施の形態1によれば、タッチパネル10に配置された複数のセンサの出力値を用いて、タッチパネル10に対する指20の近接および接触によるセンサの出力値の変化を検出し、近接および接触位置を検知する近接・接触検知部11と、近接・接触検知部11の近接および接触検知情報を基に、指20の到来方向を判定する操作指方向判定部12とを備えるように構成した。このため、タッチパネル装置のみで指20の到来方向を判定することができる。よって、指20の存在を検出するための赤外線、超音波、静電センサ等を配置する必要がなくなり、コストの低減を図ることができる。
また、コンテンツ変更部13は、指20がタッチパネル10に接触する直前の近接状態のセンサ出力値データを用いて指20の到来方向を判定するため、タッチパネル10に接触して操作した指20の到来方向を確実に特定することができ、指20の到来方向の判定精度を向上することが可能となる。
【0033】
また、タッチパネル10に接触して操作した指20の到来方向を確実に特定できるため、この判定結果に基づいてコンテンツ内容を適切に変更することが可能となる。これによって、例えば車載向けナビゲーション装置に本実施の形態のタッチパネル装置を適用した場合には、操作者が助手席側にいる場合には全てのコンテンツの操作を可能とすることで操作者の使い勝手の向上を図ることができ、一方、運転席側にいる場合には運転動作に危険が生じる可能性のあるコンテンツ操作を制限したり、操作画面を拡大して大まかな入力で簡単に操作可能にしたりすることで安全性の向上を図ることができる。
【0034】
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2に係るタッチパネル装置の構成を示すブロック図であり、図6において図1と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。本実施の形態に係るタッチパネル装置は、上記実施の形態1のタッチパネル装置に新たにディスプレイ方向変更部16を追加したものである。また、図7は、実施の形態2に係るタッチパネル装置のタッチパネル付ディスプレイ40の構成を示すブロック図である。本実施の形態のタッチパネル装置は、表示部14の前面にタッチパネル10を設置してなる表示・操作一体型のタッチパネル付ディスプレイ40を備える。このタッチパネル付ディスプレイ40にはネック部41が設けられ、このネック部41がタッチパネル付ディスプレイ40を回転中心軸Aを中心に回動自在に保持する。ディスプレイ方向変更部16は、タッチパネル付ディスプレイ40を、適切なギアおよびモータ等(不図示)を用いてネック部41の回転中心軸Aを中心に所定角度分だけ回動させる。
【0035】
次に、図7に示す状態を例に用いて、タッチパネル装置の動作を説明する。
図7では、タッチパネル装置のタッチパネル付ディスプレイ40に対して左側に位置する操作者が、タッチパネル付ディスプレイ40のタッチパネル10を操作する場合を示す。操作者がタッチパネル装置を操作しようとして指20をタッチパネル10に近接・接触させた場合、タッチパネル10、近接・接触検知部11、操作指方向判定部12、コンテンツ変更部13、表示部14、および制御部15が上記実施の形態1で説明した処理を行って、指20がタッチパネル10の左側から到来したものと判定し、表示部14が左側の操作者用コンテンツ画面を表示する。
【0036】
そして、ディスプレイ方向変更部16が、操作指方向判定部12の判定結果に基づいて、画面表示を行っているタッチパネル付ディスプレイ40の向きを変更する。具体的には、図7に示す状態の場合には、操作指方向判定部12が指20の到来方向が左と判定するので、ディスプレイ方向変更部16がこの判定結果を基に、タッチパネル付ディスプレイ40の表示部14が設置された面を、操作者のいる左方向に予め設定した角度分だけ回転させる。図8は、タッチパネル付ディスプレイ40を所定角度だけ左に回転させた状態を示す説明図である。タッチパネル付ディスプレイ40の回転は、上述したように、不図示のギアおよびモータ等によりネック部41の回転中心軸Aを中心に回動させることで実現すればよい。この結果、図8に示すように、タッチパネル付ディスプレイ40に対して左側にいる操作者から操作しやすい角度にタッチパネル付ディスプレイ40の向きを変更することができる。
【0037】
以上のように、実施の形態2によれば、操作指方向判定部12の判定結果を基にディスプレイ方向変更部16がタッチパネル付ディスプレイ40の表示部14を操作者の方向へ回転させるように構成した。このため、操作者がタッチパネル装置を操作する際に、画面表示するコンテンツを操作者に適した内容にすることができるとともに、タッチパネル付ディスプレイ40の操作画面を自動的に操作者の方向に向けることができる。この結果、操作者に対する使い勝手を向上することが可能となる。なお、タッチパネル装置がコンテンツ変更部13を備えない構成であってもよく、その構成の場合でもディスプレイ方向変更部16によりタッチパネル付ディスプレイ40の操作画面を自動的に操作者の方向に向けることができ、使い勝手を向上することが可能である。
【0038】
なお、上記実施の形態2では、指20がタッチパネル10に接触した際に、操作指方向判定部12が操作者のいる方向を判定し、その判定結果を基にディスプレイ方向変更部16がタッチパネル付ディスプレイ40の向きを変更するように構成したが、例えば、以下のように、操作指方向判定部12で指20がタッチパネル10に接触する前に到来方向を判定するようにして、ディスプレイ方向変更部16によりタッチパネル付ディスプレイ40の向きを変更するように構成してもよい。
具体的には、操作指方向判定部12が、指20のタッチパネル10への接触を判定するための接触判定閾値を予め備えるとともに、近接状態での指20の到来方向を判定するための近接指方向判定閾値を予め備える。図9は、図7に示す状態で指20がタッチパネル10に近接した場合の各センサ1〜9の出力値を示すグラフであり、接触判定閾値30および近接指方向判定閾値31を重ねて示す。操作指方向判定部12は、各センサ出力値のうちの最大のセンサ出力値(センサ6)が近接指方向判定閾値31を超えた場合に、上記実施の形態1と同様に指20の到来方向の判定を行う。これにより、指20がタッチパネル10に接触する前に到来方向を判定することが可能となる。
【0039】
上述の近接指方向判定閾値31は、例えば、指20がタッチパネル10へ近接した状態の際に、確実に到来方向が判定できるためのセンサ出力値を予め予備実験により求めた値とし、この値を近接指方向判定閾値31として操作指方向判定部12に設定する。
【0040】
このように構成した場合には、操作指方向判定部12を、指20がタッチパネル10に接触する前に到来方向を判定するように構成することにより、操作者がタッチパネル装置に触れる前にタッチパネル付ディスプレイ40の向きを操作者のいる方向へ回転させることができ、使い勝手がさらに向上する。
【0041】
また、上記実施の形態1,2では、近接・接触検知部11がX方向センサおよびY方向センサの出力電圧の低下に基づいて指20の近接・接触を検知する構成にしたが、タッチパネル10への指20の近接の検知精度を高めるために、特開2008−153025号公報に提案されている「近接検出装置」のように構成してもよい。
例えば、タッチパネル10への指20の近接を検知する際に、周辺回路の制御によりX方向センサのうちの複数のセンサ、またはY方向センサのうちの複数のセンサを1本に結合する。具体的には、図2に示すタッチパネル10のセンサ1,2を結合して1本とし、センサ3,4を結合して1本とする等のように、隣り合う2本のセンサを1本に結合する。これにより、指20の近接を検知するためのセンサ面積が大きくなった状態となり、指20がタッチパネル10に近接した際に生じる静電容量変化を感度良く検出することが可能となる。
【0042】
なお、上記のように複数のセンサを結合する場合は、X,Y方向センサの本数が減少するために指20の近接位置を特定する分解能が低下することになるが、指20の接触が検知される直前の近接状態のセンサ出力値データを用いて操作指方向判定部12が指20の到来方向を判定できればよいため、分解能がある程度低下しても特に問題とはならない。
【0043】
また、実施の形態1,2のタッチパネル装置からタッチパネル10、表示部14等を抜き出して外部装置とし、近接・接触検知部11および操作指方向判定部12を入力方向検知装置として構成するようにしてもよい。この構成の場合には、入力方向検知装置は、外部装置であるタッチパネル10のセンサ出力値を用いて、座標指示器の到来方向を判定し、その判定結果を外部装置であるタッチパネル10、表示部14等に出力する。そして、外部装置であるタッチパネル10、表示部14等は、入力方向検知装置の判定結果に応じて画面表示方法および向き等を制御すればよい。
【符号の説明】
【0044】
1〜9 センサ、10 タッチパネル、11 近接・接触検知部、12 操作指方向判定部(座標指示器方向判定部)、13 コンテンツ変更部、14 表示部、15 制御部、16 ディスプレイ方向変更部、20 指(座標指示器)、30 接触判定閾値、40 タッチパネル付ディスプレイ、41 ネック部、A 回転中心軸、L4,L5,L6 センサ4,5,6と指20との距離。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサが配置され、各センサの出力値を出力するタッチパネルと、
前記複数のセンサの出力値を用いて、前記タッチパネルに対する座標指示器の近接および接触による前記センサの出力値の変化を検出し、近接および接触位置を検知する近接・接触検知部と、
前記近接・接触検知部の近接および接触検知情報を基に、前記座標指示器の到来方向を判定する座標指示器方向判定部と、
コンテンツを表示する表示部と、
前記座標指示器方向判定部の判定結果に基づいて、前記表示部に表示する画面を変更するコンテンツ変更部とを備えたタッチパネル装置。
【請求項2】
座標指示器方向判定部は、近接・接触検知部により座標指示器のタッチパネルへの接触が検知されると、当該接触直前の近接検知情報に基づいて、前記座標指示器の到来方向を判定することを特徴とする請求項1記載のタッチパネル装置。
【請求項3】
コンテンツ変更部は、座標指示器方向判定部の判定結果に基づいて、特定のコンテンツを拡大表示したコンテンツ画面に変更することを特徴とする請求項1または請求項2記載のタッチパネル装置。
【請求項4】
コンテンツ変更部は、座標指示器方向判定部の判定結果に基づいて、表示部に表示する画面の表示方向を変更することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のタッチパネル装置。
【請求項5】
車両に搭載されていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のタッチパネル装置。
【請求項6】
座標指示器方向判定部は、近接・接触検知部の近接および接触検知情報を基に座標指示器の到来方向を判定して、当該座標指示器の操作者が車両の助手席と運転席のどちら側に着席しているかを判断し、
コンテンツ変更部は、前記座標指示器方向判定部により前記操作者が助手席側に着席していると判断された場合には前記操作者が全てのコンテンツ機能を操作できるコンテンツ画面に変更し、前記操作者が運転席側に着席していると判断された場合には前記操作者が特定のコンテンツ機能を操作できるコンテンツ画面に変更することを特徴とする請求項5記載のタッチパネル装置。
【請求項7】
座標指示器方向判定部の判定結果に基づいて、表示部の向きを変更するディスプレイ方向変更部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載のタッチパネル装置。
【請求項8】
タッチパネルに配置された複数のセンサの出力値を用いて、前記タッチパネルに対する座標指示器の近接および接触による前記センサの出力値の変化を検出し、近接および接触位置を検知する近接・接触検知部と、
前記近接・接触検知部の近接および接触検知情報を基に、前記タッチパネルへの前記座標指示器の接触が検知されると、当該接触直前の近接検知情報を用いて前記座標指示器の到来方向を判定する座標指示器方向判定部とを備えた入力方向検知装置。
【請求項1】
複数のセンサが配置され、各センサの出力値を出力するタッチパネルと、
前記複数のセンサの出力値を用いて、前記タッチパネルに対する座標指示器の近接および接触による前記センサの出力値の変化を検出し、近接および接触位置を検知する近接・接触検知部と、
前記近接・接触検知部の近接および接触検知情報を基に、前記座標指示器の到来方向を判定する座標指示器方向判定部と、
コンテンツを表示する表示部と、
前記座標指示器方向判定部の判定結果に基づいて、前記表示部に表示する画面を変更するコンテンツ変更部とを備えたタッチパネル装置。
【請求項2】
座標指示器方向判定部は、近接・接触検知部により座標指示器のタッチパネルへの接触が検知されると、当該接触直前の近接検知情報に基づいて、前記座標指示器の到来方向を判定することを特徴とする請求項1記載のタッチパネル装置。
【請求項3】
コンテンツ変更部は、座標指示器方向判定部の判定結果に基づいて、特定のコンテンツを拡大表示したコンテンツ画面に変更することを特徴とする請求項1または請求項2記載のタッチパネル装置。
【請求項4】
コンテンツ変更部は、座標指示器方向判定部の判定結果に基づいて、表示部に表示する画面の表示方向を変更することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のタッチパネル装置。
【請求項5】
車両に搭載されていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のタッチパネル装置。
【請求項6】
座標指示器方向判定部は、近接・接触検知部の近接および接触検知情報を基に座標指示器の到来方向を判定して、当該座標指示器の操作者が車両の助手席と運転席のどちら側に着席しているかを判断し、
コンテンツ変更部は、前記座標指示器方向判定部により前記操作者が助手席側に着席していると判断された場合には前記操作者が全てのコンテンツ機能を操作できるコンテンツ画面に変更し、前記操作者が運転席側に着席していると判断された場合には前記操作者が特定のコンテンツ機能を操作できるコンテンツ画面に変更することを特徴とする請求項5記載のタッチパネル装置。
【請求項7】
座標指示器方向判定部の判定結果に基づいて、表示部の向きを変更するディスプレイ方向変更部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載のタッチパネル装置。
【請求項8】
タッチパネルに配置された複数のセンサの出力値を用いて、前記タッチパネルに対する座標指示器の近接および接触による前記センサの出力値の変化を検出し、近接および接触位置を検知する近接・接触検知部と、
前記近接・接触検知部の近接および接触検知情報を基に、前記タッチパネルへの前記座標指示器の接触が検知されると、当該接触直前の近接検知情報を用いて前記座標指示器の到来方向を判定する座標指示器方向判定部とを備えた入力方向検知装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−191692(P2010−191692A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35453(P2009−35453)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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