説明

ターボ機械

【課題】インペラとシャフトとの間の溶接接続の意図しない分離が確実に防止されるターボ機械を提供する。
【解決手段】軸受ハウジングと、回転可能に当該軸受ハウジングの内部室に軸受けされているシャフトと、溶接箇所を介してシャフトの長手端部と物質的に接続されており、かつ内部室の外側でインペラ室に設けられているインペラと、シャフトの円周方向に設けられており、その結果内部室がインペラ室に対して密閉されているパッキングとを有するターボ機械であって、パッキングは密閉のために、互いに向かい合う2つの回転密封面と協働する。本発明の課題は、インペラとシャフトとの間の溶接接続の意図しない分離が確実に防止されるターボ機械を提供することにある。これは、両密封面の少なくとも一つの密封面の密封面材質が、パッキングとインペラとの間に設けられた分離層を形成することによって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のおいて書きに記載のターボ機械に関する。
【背景技術】
【0002】
図2は、図1と関連して、冒頭に述べたようなターボ機械1を示している。ターボ機械1は、ターボ圧縮機10と排ガスタービン20とを有するターボチャージャーの形状で形成されている。ターボ機械1は、圧縮機ハウジング11と、タービンハウジング21と、圧縮機ハウジング11とタービンハウジング21とを接続する軸受ハウジング30と、を備えており、当該軸受ハウジング30は、球状黒鉛鋳鉄から製造されている。
【0003】
ターボ機械1はさらに、鋼から製造されているシャフト40を備えており、当該シャフト40は、複数の回転軸受42,43(ここでは2つのラジアル滑り軸受42と1つのアキシアル滑り軸受43)を介して回転可能に、軸受ハウジング30の内部室31(オイル室とも呼ばれる)に軸受けされている。
【0004】
図2が示しているように、シャフト40の長手端部41に、排ガスタービン20のインペラ25が備えられており、当該インペラ25は、溶接箇所Sを介してシャフト40の長手端部41と物質的に接続されており、かつインペラ25は、軸受ハウジング30の内部室31の外側で、タービンハウジング21のインペラ室22に設けられている。インペラ25は、ニッケルベースの合金から製造されている。
【0005】
図2が同様に示しているように、シャフト40の円周方向に、ピストンリングの形状をした1つの(あるいは複数の)リング状のパッキング50が設けられており、その結果軸受ハウジング30の内部室31は、タービンハウジング21のインペラ室22に対して密閉されている。パッキング50は、半径方向RRに予応力がかけられて軸受ハウジング30の内壁32内に挟み込まれ、その結果パッキング50は回転不能に軸受ハウジング30に保持されている。パッキング50は、鋼あるいは鉄・黒鉛合金から製造されている。
【0006】
密閉のためにパッキング50は、互いに向かい合う2つの回転密封面51,52と協働する。図2から明らかなように、回転密封面51,52の第1密封面51は、排ガスタービン20のインペラ25の接続端部26に形成されており、回転密封面51,52の第2密封面52はシャフト40の長手端部41に形成されている。両密封面51,52はそれぞれ、環状カラー(単独に表示されず)の側面として形成されており、各環状カラーから、直径のより小さな突起が突出している。
【0007】
両突起は、溶接箇所Sを介して互いに接続されており、その結果溶接箇所Sは、密封面51,52と両突起とによって形成される環状ノッチ53の領域にある。
【0008】
このようにインペラ25とシャフト40との間の溶接接続が行われた場合、過去においては、ターボ機械1の駆動時に、インペラ25とシャフト40との間の溶接接続が意図せず分離しまうという形で破損事故が繰り返し起こってきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それに従って本発明の課題は、請求項1のおいて書きに記載のターボ機械であって、インペラとシャフトとの間の溶接接続の意図しない分離が確実に防止されるターボ機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これは、請求項1に記載のターボ機械によって達成される。本発明のさらなる形態は、従属請求項において定義される。
【0011】
本発明に従えば、提供されるのは、軸受ハウジングと、回転可能に当該軸受ハウジングの内部室に軸受けされているシャフトと、溶接箇所を介してシャフトの長手端部と物質的に接続されており、かつ内部室の外側でインペラ室に設けられているインペラと、シャフトの円周方向に設けられており、その結果内部室がインペラ室に対して密閉されているパッキングとを有するターボ機械であって、パッキングは密閉のために、互いに向かい合う2つの回転密封面と協働するターボ機械である。シャフトは好ましくは、摩擦溶接によってインペラと接続されている。本発明に係るターボ機械は、両密封面の少なくとも一つの密封面の密封面材質が、パッキングとインペラとの間に設けられた分離層を形成することによって優れている。
【0012】
本発明に従えば、用いられる溶接パラメータ、特に摩擦溶接パラメータに応じて、溶接箇所は、軸方向に数ミリ単位で部材ごとに変えてよいことが知られていた。それにより、目下の位置状況に応じて、従来技術においては、好ましくは金属製のパッキングがインペラの材質に対して金属接触するということが起こりかねない。
【0013】
構成に条件付けられて、ターボ機械の駆動時にパッキングが一緒に回転せず、シャフトに対して金属接触し、それによってシャフトとパッキングとの間で摩擦が生じる。特にならし運転プロセスで、それによって部分的に著しい熱の生成が生じる。上述のヴァリエーションによってあり得ないことではないが、パッキングがインペラの材質に接触すると、インペラの材質が溶解しかねない。なぜなら、インペラの材質は、パッキングの材質よりも融点が低いからである。結果としてインペラの材質はパッキングに溶け落ち、シャフトから分離する。このプロセスは、インペラがシャフトから折れるほど溶接箇所が弱化するまで繰り返される。
【0014】
解決法に従って、パッキングとインペラの材質との間の回転摩擦を低減する試みがなされ、摩擦を軽減するコーティングによる試みが行われた。しかしながらこれらのコーティングは、目的を達しないことが判明した。なぜなら、当該コーティングは場合によっては破損原因の影響を低減するが、しかし取り除くことがないからである。
【0015】
本発明に従って備えられた、パッキングとインペラとの間で熱を遮断する、パッキングとインペラとの間の分離層によって、パッキングとインペラの材質との金属的な摩擦接触、ひいてはインペラとシャフトとの間の、溶解による溶接接続の意図しない分離が確実に防止される。言い換えれば、本発明に従えば、インペラの材質が、パッキングのような固定された部材と金属的に摩擦接触するのを確実に回避する。破損メカニズムの原因がそれによって回避され、駆動の安全性がもたらされる。
【0016】
熱を遮断する分離層は好ましくは、ターボ機械の駆動時に回転摩擦に条件付けられて溶接箇所に生じる最高温度が、インペラの材質の溶融温度を下回るよう、形成されている(たとえば当該分離層の軸方向の厚さ寸法および/あるいは分離層の材質に関して)。
【0017】
本発明の実施形態に従えば、両密封面は同じ密封面材質から製造されている。
【0018】
この方法で密封面を、最適にかつ特に容易にひいては安価に、パッキングとの回転摩擦に合わせることができる。
【0019】
本発明のさらなる実施形態に従えば、両密封面は一緒に、ターボ機械の唯一の密封面コンポーネントに形成されている。
【0020】
それによって、従来技術では存在した、溶接パラメータに条件付けられた、密封面の軸方向の配置における公差が信頼性をもって回避されもしくは減少され得、その結果パッキングと密封面との間の金属的な摩擦接触が信頼性をもって構成され得る。
【0021】
さらに本発明のさらなる実施形態に従えば、密封面コンポーネントはシャフトによって形成されている。
【0022】
それに従えば、インペラの材質とパッキングとの間の金属的な摩擦接触が確実に回避されるまで、溶接箇所はインペラの方向にずらされ、あるいは密封箇所は回転軸受の方向にずらされる。言い換えれば、溶接箇所はインペラ室内にあるいはインペラ室に直接隣接して設けられている。これが有利なのはとりわけ、密封箇所の半径方向の直径が小さく抑えられ得るということであるが、ただし軸方向の構造空間はいくらか大きくなる。
【0023】
シャフトは通常、鋼材質から製造されているため、その融点に関しては、パッキングとの回転摩擦の際に生じる熱負荷に信頼性をもって耐え、インペラに対してより近傍に設けられた、両密封面の一つの密封面の鋼材質は、熱を遮断する分離層を形成する。
【0024】
さらに本発明の実施形態に従えば、密封面コンポーネントは、シャフトの長手端部に固定されているスリーブによって形成されている。これが有利なのはとりわけ、軸方向の構造空間がいくらか短くなるということであるが、ただしスリーブによって、半径方向の構造空間はいくらか大きくなる。この場合溶接箇所は好ましくは、インペラ室と軸受ハウジングの内部室との間に設けられている。
【0025】
好ましくはスリーブは、ターボ機械の駆動時に回転摩擦に条件付けられて溶接箇所に生じる最高温度が、インペラの材質の溶融温度を下回るよう、形成されている(たとえば当該スリーブの半径方向の厚さ寸法および/あるいはスリーブの材質に関して)。
【0026】
本発明の実施形態に従えば、スリーブはシャフトの長手端部を越えてインペラ室に至るまで延伸し、溶接箇所を介してシャフトの長手端部と接続されている、インペラの接続端部が、スリーブにはめ込まれている。好ましくはその際、インペラの接続端部は遊びなしにスリーブに作りつけられている。
【0027】
それによってスリーブは、付加的に湾曲負荷に対してインペラの接続端部を支え、それによって溶接接続の破損安全性を向上させる。
【0028】
本発明のさらなる実施形態に従えば、スリーブは鋼あるいは鉄ベースの合金から製造されており、当該スリーブは、その融点に関しては、パッキングとの回転摩擦の際に生じる熱負荷に信頼性をもって耐える。
【0029】
以下に本発明が、好ましい実施形態に基づいて、かつ添付の図に関連してより詳細に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】ターボチャージャーの形状で形成されたターボ機械の、部分的な断片斜視図である。
【図2】従来技術に従って構成された、図1のターボ機械のヴァリエーションの概略的縦断面図である。
【図3】本発明の実施形態に従って構成された、図1のターボ機械のヴァリエーションの概略的縦断面図である。
【図4】本発明のさらなる実施形態に従って構成された、図1のターボ機械のヴァリエーションの概略的縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に図1と図3とに関連して、本発明の第1実施形態が記述される。
【0032】
本発明に係るターボ機械1は、ターボ圧縮機10と排ガスタービン20とを有するターボチャージャーの形状で形成されている。ターボ機械1は、圧縮機ハウジング11と、タービンハウジング21と、圧縮機ハウジング11とタービンハウジング21とを接続する軸受ハウジング30とを備えており、当該軸受ハウジング30は、球状黒鉛鋳鉄から製造されている。
【0033】
ターボ機械1はさらに、鋼から製造されたシャフト40’を備えており、当該シャフト40は、複数の回転軸受42,43(ここでは2つのラジアル滑り軸受42と1つのアキシアル滑り軸受43)を介して回転可能に、軸受ハウジング30の内部室31(オイル室とも呼ばれる)に軸受けされている。
【0034】
図3が示しているように、シャフト40’の長手端部41’に、排ガスタービン20のインペラ25’が備えられており、当該インペラ25’は、溶接箇所S’を介してシャフト40’の長手端部41’と物質的に接続されており、かつインペラ25’は、軸受ハウジング30の内部室31の外側で、タービンハウジング21のインペラ室22に設けられている。インペラ25’は、ニッケルベースの合金から製造されている。
【0035】
図3が同様に示しているように、シャフト40’の円周方向に、ピストンリングの形状をした1つのリング状のパッキング50が設けられており、その結果軸受ハウジング30の内部室31は、タービンハウジング21のインペラ室22に対して密閉されている。パッキング50は、半径方向RRに予備応力がかけられて軸受ハウジング30の内壁32内に挟み込まれ、その結果パッキング50は回転不能に軸受ハウジング30に保持されている。
【0036】
パッキング50は、鋼あるいは鉄・黒鉛合金から製造されている。密閉のためにパッキング50は、互いに向かい合う2つの回転密封面51’,52’と協働し、当該回転密封面51’,52’は、シャフト40’に突き刺された環状ノッチ53’の側面の境界面として形成されている。
【0037】
図3から明らかなように、両密封面51’,52’の、排ガスタービン20のインペラ25’のより近傍に設けられた第1密封面51’の密封面材質(ここではシャフト40’の鋼材質)が、パッキング50とインペラ25’との間に設けられた熱を遮断する分離層T’を形成し、当該分離層T’は、ターボ機械1の駆動時に回転摩擦に条件付けられて溶接箇所S’に生じる最高温度が、インペラの材質(ここではニッケルベースの合金)の溶融温度を下回るような厚さ寸法D’を有して、軸方向ARに実施されている。
【0038】
インペラの材質とパッキング50との間の金属的な摩擦接触が確実に回避されるまで、本発明に従って設けられた溶接箇所S’は、図2に示された溶接箇所Sに対して軸方向にインペラ25’の方向にずらされ、もしくはパッキング50と密封面51’,52’とによって形成された密封箇所は、軸方向に回転軸受42,43の方向にずらされている。
【0039】
図3から明らかなように、本発明に従って設けられた溶接箇所S’は、インペラ室22内にまたはインペラ室22に直接隣接して設けられている。これが有利なのはとりわけ、密封箇所の半径方向の直径が小さく抑えられ得るということであるが、ただし軸方向の構造空間はいくらか大きくなる。
【0040】
図3に示された本発明の実施形態に従えば、ここでは同じ密封面材質から製造されている両密封面51’,52’は一緒に、ターボ機械1の唯一の密封面コンポーネントに、すなわちここではシャフト40’に形成されている。
【0041】
以下に図1と図4とに関連して、本発明の第2実施形態が記述される。本発明の第2実施形態は本発明の第1実施形態と似ており、それゆえ以下においては実質的に、相違点についてのみ言及され、同じ要素は図3と同じ符号が付けられており、異なる要素はダブルアポストロフィーが付いた符号が付けられている。
【0042】
ターボ機械1は、鋼から製造されているシャフト40”を備えており、当該シャフト40”は再び、複数の回転軸受42,43(2つのラジアル滑り軸受42と1つのアキシアル滑り軸受43)を介して回転可能に、軸受ハウジング30の内部室31に軸受けされている。
【0043】
図4が示しているように、シャフト40”の長手端部41”に、排ガスタービン20のインペラ25”が備えられており、当該インペラ25”は、溶接箇所S”を介してシャフト40”の長手端部41”と物質的に接続されており、かつインペラ25”は、軸受ハウジング30の内部室31の外側で、タービンハウジング21のインペラ室22に設けられている。インペラ25”は再び、ニッケルベースの合金から製造されている。
【0044】
図4から明らかなように、ここでは溶接箇所S”は、インペラ室22と軸受ハウジング30の内部室31との間に設けられている。
【0045】
図4が同様に示しているように、シャフト40”の円周方向に、ピストンリングの形状をしたリング状のパッキング50が設けられており、その結果軸受ハウジング30の内部室31は、タービンハウジング21のインペラ室22に対して密閉されている。パッキング50は、半径方向RRに予備応力がかけられて軸受ハウジング30の内壁32内に挟み込まれ、その結果パッキング50は回転不能に軸受ハウジング30に保持されている。
【0046】
鋼あるいは鉄・黒鉛合金から製造されているパッキング50は再び、互いに向かい合う2つの回転密封面51”,52”と協働する。
【0047】
図4に示されている、本発明の実施形態に従えば、ここでは同じ密封面材質から製造されている両密封面51”,52”は一緒に、ターボ機械1の唯一の密封面コンポーネントに、すなわちここではシャフト40”の長手端部41”に固定されているスリーブ60”に形成されている。互いに向かい合う2つの回転密封面51”,52”は、スリーブ60”に突き刺された環状ノッチ53”の側面の境界面として形成されている。
【0048】
これが有利なのはとりわけ、図3の実施形態に対して、軸方向の構造空間がいくらか短くなるということであるが、ただしスリーブ60”によって、半径方向の構造空間はいくらか大きくなる。
【0049】
鋼あるいは鉄ベースの合金から製造されているスリーブ60”は、シャフト40”の長手端部41”を越えてインペラ室22に至るまで延伸し、溶接箇所S”を介してシャフト40”の長手端部41”と接続されている、インペラ25”の接続端部26”が、スリーブ60”にはめ込まれており、特に遊びなしにスリーブ60”に作りつけられている。
【0050】
図4から明らかなように、両密封面51”,52”の密封面材質(ここではスリーブ60”の鋼材質あるいは鉄ベースの合金材質)が、パッキング50とインペラ25”との間に設けられた熱を遮断する分離層T”を形成し、当該分離層T”は、ターボ機械1の駆動時に回転摩擦に条件付けられて溶接箇所S”に生じる最高温度が、インペラの材質(ニッケルベースの合金)の溶融温度を下回るような厚さ寸法D”を有して、半径方向RRに実施されている。
【0051】
記述された材質の組み合わせを用いる場合、分離層T”の厚さD”は、パッキング50の厚さBにおよそ相当するか、あるいはそれよりも大きな寸法であるべきであることを、試みは示した。
【符号の説明】
【0052】
1 ターボ機械
10 ターボ圧縮機
11 圧縮機ハウジング
20 排ガスタービン
21 タービンハウジング
22 インペラ室
25 インペラ
25’ インペラ
25” インペラ
26 接続端部
26’ 接続端部
26” 接続端部
30 軸受ハウジング
31 内部室
32 内壁
40 シャフト
40’ シャフト
40” シャフト
41 長手端部
41’ 長手端部
41” 長手端部
42 ラジアル滑り軸受(回転軸受)
43 アキシアル滑り軸受(回転軸受)
50 パッキング
51 密封面
51’ 密封面
51” 密封面
52 密封面
52’ 密封面
52” 密封面
53 環状ノッチ
53’ 環状ノッチ
53” 環状ノッチ
60” スリーブ
RR 半径方向
AR 軸方向
S 溶接箇所
S’ 溶接箇所
S” 溶接箇所
D’ 厚さ寸法
D” 厚さ寸法
T’ 分離層
T” 分離層
B パッキングの厚さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受ハウジング(30)と、
回転可能に該軸受ハウジング(30)の内部室(31)に軸受けされているシャフト(40’;40”)と、
溶接箇所(S’;S”)を介して前記シャフト(40’;40”)の長手端部(41’;41”)と物質的に接続されており、かつ前記内部室(31)の外側でインペラ室(22)に設けられているインペラ(25’;25”)と、
前記シャフト(40’;40”)の円周方向に設けられており、その結果前記内部室(31)が前記インペラ室(22)に対して密閉されているパッキング(50)と、を有するターボ機械(1)であって、
前記パッキング(50)は密閉のために、互いに向かい合う2つの回転密封面(51’,52’;51”;52”)と協働するターボ機械において、
前記両密封面(51’,52’;51”;52”)の少なくとも一つの密封面(51’;51”;52”)の密封面材質が、前記パッキング(50)と前記インペラ(25’;25”)との間に設けられた分離層(T’;T”)を形成していることを特徴とするターボ機械(1)。
【請求項2】
前記両密封面(51’,52’;51”;52”)は同じ密封面材質から製造されていることを特徴とする請求項1に記載のターボ機械(1)。
【請求項3】
前記両密封面(51’,52’;51”;52”)は一緒に、前記ターボ機械(1)の唯一の密封面コンポーネントに形成されていることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のターボ機械(1)。
【請求項4】
前記密封面コンポーネントは前記シャフト(40’)によって形成されていることを特徴とする請求項3に記載のターボ機械(1)。
【請求項5】
前記密封面コンポーネントは、前記シャフト(40”)の前記長手端部(41”)に固定されているスリーブ(60”)によって形成されていることを特徴とする請求項3に記載のターボ機械(1)。
【請求項6】
前記スリーブ(60”)は前記シャフト(40”)の前記長手端部(41”)を越えて前記インペラ室(22)に至るまで延伸し、かつ前記溶接箇所(S”)を介して前記シャフト(40”)の前記長手端部(41”)と接続されている、前記インペラ(25”)の接続端部(26”)が、前記スリーブ(60”)にはめ込まれていることを特徴とする請求項5に記載のターボ機械(1)。
【請求項7】
前記インペラ(25”)の前記接続端部(26”)は遊びなしに前記スリーブ(60”)に作りつけられていることを特徴とする請求項6に記載のターボ機械(1)。
【請求項8】
前記スリーブ(60”)は鋼あるいは鉄ベースの合金から製造されていることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載のターボ機械(1)。
【請求項9】
前記溶接箇所(S”)は、前記インペラ室(22)と前記軸受ハウジング(30)の前記内部室(31)との間に設けられていることを特徴とする請求項5から8のいずれか一項に記載のターボ機械(1)。
【請求項10】
前記溶接箇所(S’)は前記インペラ室(22)内にあるいは該インペラ室(22)に直接隣接して設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のターボ機械(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−241817(P2011−241817A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82605(P2011−82605)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(510153962)マン・ディーゼル・アンド・ターボ・エスイー (65)
【Fターム(参考)】