説明

ダイアル式操作装置

【課題】 クリック機構装着孔を形成するためのスライドコア機構であり、かつ、クリックプランジャのクリック機構装着孔内でのがたつきを効果的に抑制できるダイアル式操作装置を提供する。
【解決手段】 プランジャ装着溝24は溝長が溝深さよりも大きく、かつ、該プランジャ装着溝24の成型用コアを溝開口側から抜き取り可能な内面形状を有するとともに、該プランジャ装着溝24の溝幅方向における少なくとも一方の内側面が、溝開口側にて溝幅を拡大するテーパ面24tとされてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両(特に、自動車)等に備えられた電子機器の操作に使用するダイアル式操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2006−107904号公報
【特許文献2】特開平11−7332号公報
【特許文献3】特開2001−14977号公報
【特許文献4】実開平3−4437号公報
【0003】
自動車等の車両においては、搭載される電子機器、例えば空調装置やカーオーディオシステム、さらにはカーナビゲーションシステムを操作するための操作ユニットが車内に設けられる。操作ユニットには、車両の搭乗者が必要に応じて操作するための操作部が設けられる。このうち、空調装置の風量調整操作部、温度調整操作部あるいは吹き出し口選択操作部や、カーオーディオシステムの音量操作部などにダイアル式操作装置が多く採用されている(特許文献1〜4)。
【0004】
ダイアル式操作装置は、操作角度位置の断続化を図るとともに操作時に適度なクリック感(節度感)を与えるために、特許文献1のごとく、ダイアルノブ及び筐体の一方にクリック凹凸列を形成し、同じく他方に該クリック凹凸列に向けてばね付勢されるクリックプランジャを設けたクリック機構が設けられることが多い。クリック機構の構成形態は種々提案されており、例えば、特許文献1及び2には、ダイアルノブとは別に、該ダイアルノブと一体回転するクリック機構装着用部材を設け、ばね及びクリックプランジャを該クリック機構装着用部材に装着してから、さらにダイアルノブを組み付けて一体のダイアルアセンブリを形成し、そのダイアルアセンブリを筐体に組み付ける手順が採用される。他方、特許文献3には、ばね及びクリックプランジャを共装填するためのクリック機構装着孔を、筐体側のダイアルノブ装着孔の内周面に開口させる形で形成する構成が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献2,3の構成では、クリック機構装着用部材がダイアルノブとは別に必要となり、部品点数の増大が避けがたい問題がある。他方、特許文献4の構成では、クリック機構装着孔はダイアル取付面側に閉じた構成となっているから、クリックプランジャとコイルばねとをダイアルノブ装着孔の内周面側の開口から該クリック機構装着孔に押し込み装填する形になり、さらに、クリックプランジャとコイルばねとの該クリック機構装着孔からの抜け防止を図りつつダイアルノブを装着しなければならないので、組み立てが面倒である欠点がある。また、射出成形により筐体を製造する際に、ダイアルノブ装着孔のコアの抜き取り方向とクリック機構装着孔のコアの抜き取り方向とが一致せず、クリック機構装着孔のコアをダイアルノブ装着孔のコアとは別方向にスライドさせて抜き取るスライドコア機構が必要となり、金型費が高騰する問題がある。さらに、クリック機構装着孔の長手方向にスライドコアが抜き取られるので、クリック機構装着孔の内面に付与するコアの抜きテーパ量が大きくならざるを得ず、クリックプランジャのクリック機構装着孔内でのがたつきが大きくなり、操作音が目立ちやすい問題がある。
【0006】
本発明の課題は、クリック機構装着孔を形成するためのスライドコア機構であり、かつ、クリックプランジャのクリック機構装着孔内でのがたつきを効果的に抑制できるダイアル式操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
上記課題を解決するために本発明のダイアル式操作装置は、
樹脂射出成形体として構成された筐体と、
筐体の外面に開口形成されたダイアルノブ装着孔に対し、該ダイアルノブ装着孔の周方向に回転可能に取り付けられたダイアルノブと、
ダイアルノブと一体回転可能に設けられ、クリック凹凸列が外周面に沿って形成されたクリック凹凸形成部と、
筐体表面のダイアルノブ装着孔の周縁領域に開口形成されたプランジャ装着溝内に、先端部がクリック凹凸列と係合する形で配置され、ダイアルノブの回転操作に伴いクリック凹凸列に追従してプランジャ装着溝内を進退移動するクリックプランジャと、
プランジャ装着溝にクリックプランジャとともに装着され、クリックプランジャをクリック凹凸列に向け弾性付勢する弾性部材とを備え、
プランジャ装着溝は溝長が溝深さよりも大きく、かつ、該プランジャ装着溝の成型用コアを溝開口側から抜き取り可能な内面形状を有するとともに、該プランジャ装着溝の溝幅方向における少なくとも一方の内側面が、溝開口側にて溝幅を拡大するテーパ面とされてなることを特徴とする。
【0008】
上記本発明のダイアル式操作装置においては、クリック凹凸列がダイアルノブと一体回転可能なクリック凹凸形成部の外周面に沿って形成され、クリック凹凸形成部の先端部がそのクリック凹凸列に対向配置される。すなわち、ダイアルノブに対しクリックプランジャが回転軸線に関して側方から対向する構成を有する。樹脂射出成形体として構成された筐体には、ダイアルノブが装着される筐体表面に開口を生ずる形でプランジャ装着溝が形成される。該プランジャ装着溝は溝長が溝深さよりも大きく、かつ、該プランジャ装着溝の成型用コアを溝開口側から抜き取り可能な内面形状を有する。すなわち、筐体を射出成形する際に、プランジャ装着溝の成形用コアが、筐体表面に貫通形成されるダイアルノブ装着孔の成形用コアと同様、ダイアルノブの回転軸線方向に成形体から抜き取りが可能である。
【0009】
その結果、以下のごとき効果が達成される。
(1)筐体側にクリック機構が装着されるので、特許文献2,3のごとく、クリック機構装着用部材をダイアルノブと別に設ける必要がなくなる。
(2)プランジャ装着溝が筐体表面(ダイアル取付面)に開口し、かつその成型用コアが抜き取り可能な形状となっているから、ダイアルノブの回転軸線方向の開口からクリックプランジャ(及び弾性部材)を簡単に装着でき、クリックプランジャと弾性部材とをダイアルノブ装着孔の内周面側から装填する面倒な手順を廃止できる(ただし、プランジャ装着溝の長手方向の端面からクリックプランジャを装着する工程を排除することを表明するものではない)。
(3)射出成形により筐体を製造する際に、ダイアルノブ装着孔のコアの抜き取り方向とプランジャ装着溝のコアの抜き取り方向とが一致し、プランジャ装着溝のコアをダイアルノブ装着孔のコアとは別方向にスライドさせて抜き取るスライドコア機構が不要となるので、金型費を低減できる。
(4)プランジャ装着溝の成形用コアが、装着されるクリックプランジャの進退方向と直交する向きに抜き取られるので、コアの抜き取りストロークが小さくて済むので、内面に付与するテーパ量が小さくて済み、クリックプランジャのクリック機構装着孔内での溝幅方向へのがたつき、ひいては操作音を抑制できる。
【0010】
該プランジャ装着溝のテーパ面の内側面と対向するクリックプランジャの側面は、プランジャ装着溝内にて、テーパ付与されたプランジャ装着溝の内側面よりも切り立った面として形成できる。この場合、該クリックプランジャはプランジャ装着溝内に隙間嵌め装着される。プランジャ装着溝の内側には溝深さ方向にテーパが付与されており、前述のごとく、成型用コアの抜き取りに必要なテーパ付与量が小さくて済むので、プランジャ装着溝の開口側に生ずるクリックプランジャ側面との間の隙間が小さくなり、上記のような隙間嵌め装着形態を採用する場合でも、クリックプランジャの溝幅方向へのがたつき、ひいては操作音の抑制を効果的に図ることができる。
【0011】
一方、プランジャ装着溝の幅方向における少なくとも一方の内壁部を、クリックプランジャの対応する側壁部とともに、凹部底に向うほど該凹部を狭幅となすテーパ壁部として形成することができる。テーパ壁部の形成により、クリックプランジャの側壁部とプランジャ装着溝の内壁部とを摺動形態で嵌め合わせることができ、クリックプランジャの幅方向のがたつきをさらに低減することができる。
【0012】
弾性部材の形態は特に限定されず、例えば板ばね等の使用も可能であるが、ばね定数の調整が容易であり、装着用の治工具も不要である観点から、コイルばねを好適に採用することができる。この場合、クリックプランジャは後端が開口した中空部材とすることができる。また、プランジャ装着溝内には該後端に対応する位置にばね受け部を形成することができる。コイルばねはクリックプランジャ内に収容され、コイルばねをばね受け部とクリックプランジャの内面先端との間で圧縮した状態で、該クリックプランジャをプランジャ装着溝に装着することができる。この構成によると、コイルばねをクリックプランジャ内に挿入したアセンブリの形でプランジャ装着溝に一括して装着でき、組み付け工数の削減を図ることができる。また、コイルばねがクリックプランジャ内に収容された状態で組み付けがなされるので、コイルばねをばね受け部に押し当てて圧縮しつつ組み付ける際に、コイルばねのばらけが生じにくい。
【0013】
筐体の壁部には、内周面がダイアルノブ装着孔として使用されるノブ装着筒状部を一体形成でき、クリック凹凸列を該ノブ装着筒状部の内部に配置することができる。ノブ装着筒状部又はダイアルノブには、プランジャ装着溝内にてコイルばねの弾性付勢力によりクリック凹凸列に当接するクリックプランジャの先端側が溝開口から浮き上がることを規制する先端浮き上がり規制部を、プランジャ装着溝内にてクリックプランジャをコイルばねの弾性付勢力に抗してこれを圧縮しつつ一定長後退させることにより当該先端浮き上がり規制状態が解消可能な位置関係にて形成することができる。この構成によると、プランジャ装着溝にクリックプランジャを装着する際には、クリックプランジャをコイルばねの弾性付勢力に抗してこれを圧縮しつつ後退させることで先端浮き上がり規制部とクリックプランジャとの干渉を回避でき、装着をスムーズに行なうことができる。そして、装着後はコイルばねの弾性復帰力によりクリックプランジャは前進してクリック凹凸列に当接するとともに、クリックプランジャの先端部は先端浮き上がり規制部によりプランジャ装着溝の開口から浮き上がることが阻止されるので、クリックプランジャの溝深さ方向へのがたつきが生じにくくなり、安定した進退動作を確保できる。
【0014】
具体的には、ノブ装着筒状部には、プランジャ装着溝とノブ装着筒状部の内部とを連通させるとともに、クリックプランジャの先端部を、クリック凹凸列に向けて突出させる貫通部を形成できる。この場合、該貫通部の溝開口側に位置する内縁部を先端浮き上がり規制部とすることができる。ダイアルノブを回転可能に支持するノブ装着筒状部に貫通部を設け、ここにクリックプランジャの先端部を通し、その内側にあるクリック凹凸列にこれを係合させることで、組み付け完了状態においてクリックプランジャのプランジャ装着溝からの抜けが生じにくくなり、安定した組み付け状態を得ることができる。
【0015】
一方、プランジャ装着溝内には、プランジャ装着溝内おけるクリックプランジャの一定長の進退移動を許容しつつ該クリックプランジャの後端部と係合することにより、該クリックプランジャの後端側が溝開口から浮き上がることを規制する後端浮き上がり規制部を形成することができる。後端浮き上がり規制部を形成することで、クリックプランジャの溝深さ方向へのがたつきがさらに生じにくくなり、より安定した進退動作を確保できる。
【0016】
上記後端浮き上がり規制部は、クリックプランジャの後端部に形成されたプランジャ側係合部に対し該クリックプランジャの後端面側から着脱可能に係合するとともに、当該係合状態にてクリックプランジャのプランジャ装着溝内での一定長の進退移動を許容しつつ該クリックプランジャの後端部と係合する溝側係合部とすることができる。該溝側係合部は、クリックプランジャの後端部に形成されたプランジャ側係合部に対し該クリックプランジャの後端面側から着脱可能に係合できるようになっているので、クリックプランジャを溝長手方向に挿入するだけで簡単に係合状態を形成でき、かつ、クリックプランジャの進退移動を確保しつつクリックプランジャの後端が浮き上がることを阻止する機能も問題なく果たすことができる。
【0017】
上記溝側係合部はプランジャ装着溝の内面から突出するガイド突出部とすることができる。また、プランジャ側係合部は、プランジャ後端面に開放するとともにプランジャ先端側に向けて該プランジャの長手方向途中位置まで切れ込む形で形成され、プランジャ後端面側からガイド突出部をプランジャ長手方向に受け入れるガイド切欠部とすることができる。ガイド軸部がガイド切欠部内を相対移動することで、ダイアルノブ操作に伴うクリックプランジャの進退がガイドされ、クリックプランジャの溝深さ方向のがたつきを防止することができる。
【0018】
弾性部材がコイルばねであり、クリックプランジャが、後端が開口するとともにコイルばねが開口から内部に収容される中空部材とされる場合、ガイド切欠部は該中空部材の壁部に貫通形成されたガイドスリットとすることができる。この場合、ガイド突出部は、ガイドスリットに対し先端部が中空部材の内部に突出するように形成しておくと、該突出部分に、クリックプランジャ内に収容されたコイルばねの後端を当接させることにより、ばね受け部に兼用することができる。
【0019】
プランジャ装着溝の深さ方向とクリックプランジャの進退方向とのいずれとも直交する向きを該プランジャ装着溝の幅方向と定義したとき、ガイド突出部は、プランジャ装着溝の幅方向に配置されるガイド軸部を有するものとでき、当該ガイド軸部をガイドスリット内に配置することができる。ガイド切欠部をガイドスリットとし、プランジャ装着溝の幅方向に配置されるガイド軸部をこれに係合させることで、ガイド軸部が前述の後端浮き上がり規制部として機能し、クリックプランジャをプランジャ装着溝内で進退させるとき、クリックプランジャの溝深さ深さ方向のがたつきを効果的に抑制できる。
【0020】
また、プランジャ装着溝におけるクリックプランジャの進退方向にてプランジャ装着用隙間を横切る形で、ガイド軸部とプランジャ装着溝の後端内壁部とを連結する補助軸部を設けることができる。これにより、ガイド軸部の強度を増すことができ、クリックプランジャの進退に伴い弾性部材から変動応力が繰り返し加わる状況下においても、ガイド軸部の耐久性を十分に確保することができる。
【0021】
先端浮き上がり規制部もしくは後端浮き上がり規制部を形成することで、クリックプランジャのプランジャ装着溝からの浮き上がりは効果的に抑制できる。その結果、プランジャ装着溝の底面と、前記クリックプランジャの底面とをそれぞれ、互いに凹凸係合を生じない平坦面として形成でき、形状の単純化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一適用対象である車内操作ユニットUの正面外観の一例を示すものである。この車内操作ユニットUは、車内電子機器としての自動車(車両)用空調装置の操作を行なうためのものであり、樹脂製の筐体20を有する。筐体20の表面(基面部:車内操作ユニットUの前面を形成する)には、各々本発明の実施形態となるダイアル式操作装置1A,1B,1C(以下、総称する場合には符号「1」で代表させる)が設けられている。ダイアル式操作装置1A,1B,1Cは、横一列に隣接した形で筐体2上にそれぞれ回転操作可能に取り付けられている。
【0023】
ダイアル式操作装置1A,1B,1Cは、いずれも空調機能の操作用であり、ダイアル式操作装置1Aは空調温度の設定部として、ダイアル式操作装置1Bは空調の吹き出し口切り替え設定部として、ダイアル式操作装置1Cは吹き出し風量の切り替え設定部としてそれぞれ機能するものである。温度設定が半連続的に変更可能となるように、ダイアル式操作装置1Aは、ダイアルノブ3を保持可能な角度位置が、他の2つのダイアル式操作装置1B,1Cよりも細分化されている。他方、ダイアル式操作装置1B,1Cは、いずれも互いに等角度間隔で配列した5つの角度保持位置を有している。吹き出し口設定用のダイアル式操作装置1Bでは、その5つは「フェイス吹き出し、フェイス+足元吹き出し、足元吹き出し、足元+デフ吹き出し、デフ吹き出し」であり、風量設定用のダイアル式操作装置1Cでは、「オフ(吹き出し停止)、ロー(風量段階I:オートでもよい)、風量段階II、風量段階III、ハイ(風量段階IV)」である。
【0024】
いずれのダイアル式操作装置1も、図2に示すような構造を有している。筐体2は樹脂射出成形体、具体的にはABS樹脂あるいはポリカーボネート/ABS樹脂等の射出成形体として構成されている。筐体2の表面20(基面部:以下、基面部20ともいう)にはダイアルノブ装着孔21hが貫通形成され、そのダイアルノブ装着孔21hに対し、該基面部20と交差する回転軸線O周りにダイアルノブ3が回転可能に取り付けられている。ダイアルノブ3には、基面部20から埋没した位置にて、クリック凹凸列35が外周面に沿って形成されたクリック凹凸形成部32が一体回転可能に設けられている。
【0025】
また、筐体2には、基面部20に開口24aを生ずる形でプランジャ装着溝(プランジャ装着凹部)24が形成されている。そして、このプランジャ装着溝24にはクリックプランジャ4が弾性部材45とともに、クリック凹凸形成部32の外周面に先端部44が対向する形で、回転軸線O側から見て横倒し形態となるように装着されている。クリックプランジャ4は、弾性部材45によりクリック凹凸形成部32の外周面に向けて弾性付勢され、その弾性付勢力により、ダイアルノブ3の回転操作に伴いクリック凹凸列35に追従してプランジャ装着溝24内を進退移動する。
【0026】
プランジャ装着溝24は溝長が溝深さよりも大きく、かつ、該プランジャ装着溝24の成型用コアを溝開口側から抜き取り可能な内面形状を有する。そして、図8に示すように、プランジャ装着溝24の溝幅方向における少なくとも一方の内側面(ここでは、両方:ただし一方のみであってもよい)が、溝開口側にて溝幅を拡大するテーパ面24tとされてなる。プランジャ装着溝24内にて、該プランジャ装着溝24のテーパ面24tの内側面と対向するクリックプランジャ4の側面4sは、テーパ付与されたプランジャ装着溝24の内側面よりも切り立った面(テーパが付与されていないか、又は付与されていても、テーパ面24tのテーパ厚さδよりもテーパ厚さが小さくなっている面のことをいう)とされ、該クリックプランジャ4がプランジャ装着溝24内に隙間嵌め装着されている。
【0027】
図3及び図4に示すように、プランジャ装着溝24が筐体2の基面部20(ダイアル取付面側)に開放した構成となっているから、ダイアルノブ3の回転軸線O方向の開口24aからクリックプランジャ4(及び弾性部材45)を簡単に装着でき、クリックプランジャ4と弾性部材45とをダイアルノブ装着孔21hの内周面側から装填する面倒な手順を廃止できる。
【0028】
また、図8に示すごとく、筐体2を射出成形する際に、プランジャ装着溝24の成形用コア101,102は、筐体2の基面部20に貫通形成されるダイアルノブ装着孔21hの成形用コア103と同様、ダイアルノブ3の回転軸線O方向に成形体から抜き取りが可能である。すなわち、プランジャ装着溝24の深さ方向にて、後述のばね受け部26を上下に二分する位置に成形用コア101,102によるパーティングラインが設定され、成形用コア101,102の周側面が形成するプランジャ装着溝24の内周面は、(溝開口及び溝底側の貫通孔周縁部を含め)、溝内側に突出する成型部位が存在しない形状となっている。
【0029】
これにより、ダイアルノブ装着孔21hのコア103の抜き取り方向とプランジャ装着溝24のコア101,102の抜き取り方向とが一致し、プランジャ装着溝24のコアをダイアルノブ装着孔21hのコアとは別方向にスライドさせて抜き取るスライドコア機構が不要となるので、金型費を低減できる。また、プランジャ装着溝24の成形用コアが、装着されるクリックプランジャ4の進退方向と直交する向きに抜き取られるので、コアの抜き取りストロークが小さくて済み、内面に付与するテーパ量δ(図8のX−X断面及びY−Y断面を参照)を縮小でき、クリックプランジャ4のクリック機構装着孔内でのがたつき、ひいては操作音を抑制できる。
【0030】
以下、さらに詳細に説明する。弾性部材45はコイルばねとして構成されている(以下、コイルばね45ともいう)。また、クリックプランジャ4は後端が開口した中空部材とされ、プランジャ装着溝24内には該後端に対応する位置にばね受け部26が形成されている。コイルばね45はクリックプランジャ4内に収容され、コイルばね45をばね受け部26とクリックプランジャ4の内面先端との間で圧縮した状態で、該クリックプランジャ4はプランジャ装着溝24に装着される。
【0031】
図6に示すごとく、ばね受け部26を回転支点部とし、クリックプランジャ4の進退方向を回転半径方向として、クリックプランジャ4の先端部がプランジャ装着凹部24外に位置する第一位置(工程1の位置)から、同じくプランジャ装着凹部24内に位置する第二位置(工程4の位置)に向けて該クリックプランジャ4を予め定められた面内に仮想的に回転させたとき、当該回転に伴なうばね受け部26と該クリックプランジャ4の後端部との空間的干渉が生じないように、クリックプランジャ4の後端部とプランジャ装着溝部(凹部)24との形状が定められている。
【0032】
図2に示すように、クリックプランジャ4には、該クリックプランジャ4の後端面に開口し、該クリックプランジャ4の進退方向に延びるプランジャ側ガイド係合部(プランジャ側係合部)43,43が形成されている。ばね受け部26は、開口側から該クリックプランジャ4のプランジャ側ガイド係合部43,43に係合し、該クリックプランジャ4の進退移動をガイドするプランジャガイド部26に兼用されている。
【0033】
具体的には、プランジャガイド部26をなすばね受け部26は、プランジャ装着凹部24の内面から突出形成されたガイド突出部(溝側係合部)26である。また、プランジャ側ガイド係合部43,43は、プランジャ後端面に開放するとともにプランジャ先端側に向けて該クリックプランジャ4の長手方向途中位置まで切れ込む形で形成され、プランジャ後端面側からガイド突出部26をプランジャ長手方向に受け入れることにより、該プランジャ装着溝24内おけるクリックプランジャ4の一定長の進退移動をガイドするプランジャ側係合部43,43である。
【0034】
プランジャ側係合部43,43は中空のクリックプランジャ4の壁部に貫通形成されたガイドスリット43,43である。ガイド突出部26は、ガイドスリット43,43に対し先端部がクリックプランジャ4の内部に突出する形で挿通されるとともに、該中空部材内に収容されたコイルばね45の後端と当接している。該ガイド突出部26は、クリックプランジャ4の進退方向と交差する向きに配置されるガイド軸部26を有し、当該ガイド軸部26がガイドスリット43,43内に配置されている。当然のことであるが、ガイド軸部26はガイドスリット43,43よりも狭幅に形成されている。
【0035】
また、プランジャ装着溝24におけるクリックプランジャ4の進退方向にてプランジャ装着用隙間24jを横切る形で、ガイド軸部26とプランジャ装着溝24の後端内壁部とを連結する補助軸部25が設けられている。クリックプランジャ4の後端部には、仮想的な回転を行なったときの該補助軸部25の相対回転軌跡と重なる位置に、該補助軸部25の通過を許容する補助スリット42が形成されている。補助軸部25は補助スリット42よりも狭幅に形成されている。
【0036】
クリックプランジャ4の進退方向においてプランジャ装着凹部24の後端部を区画する凹部後端壁24bの形成位置は、図6の工程3に破線にて示すように、クリックプランジャ4の前端がクリック凹凸列35と干渉しなくなるのに必要十分な距離だけ該クリックプランジャ4をコイルばね45の弾性力に抗して後退させ、その状態でクリックプランジャ4をガイド軸の中心軸線周りに仮想的に回転させたときの、該クリックプランジャ4の後端縁が描く仮想的な軌跡Jよりも後方に定められている。また、プランジャ装着溝24の底部後方部分には、上記軌跡Jとの干渉を回避するために、該部分が貫通形態に切り欠かれている(ただし、少なくとも該部分にて干渉回避のために十分な溝深さが確保された有底構造となっていてもよい)。
【0037】
次に、図5に示すように、ダイアルノブ3はキャップ状に形成されたノブ本体31を有する。筐体2の基面部20の表面には、図3に示すように、ノブ装着筒状部21が突出形成され、図2に示すように、上記のノブ本体31が、ノブ装着筒状部21に該外側から被さる形態で装着されている。このノブ装着筒状部21の内周面がダイアルノブ装着孔21hとして使用される。図4に示すように、クリックプランジャ4は、コイルばね45が非圧縮となるようばね受け部26に当接させた状態でプランジャ装着溝24に収容したと考えた場合、先端部44がクリック凹凸列35の凹部35cの底よりも一定長内側に入り込むようにその進退方向の長さが定められている。
【0038】
図2に示すように、プランジャ装着溝24の深さ方向とクリックプランジャ4の進退方向とのいずれとも直交する向きを該プランジャ装着溝24の幅方向と定義したとき、ばね受け部26は、プランジャ装着溝24の幅方向における両内壁部24s,24sを連結する形で形成されたガイド軸部26に兼用されている。クリックプランジャ4の後端側には、前述のガイドスリット43,43が形成され、ガイド軸部26に回転可能に係合するガイド軸部係合部となっている。
【0039】
ガイドスリット43,43(ガイド軸部係合部)は、ここでは、クリックプランジャ4の幅方向両側壁部4sの高さ方向途中位置に形成されている。ガイド軸部26とプランジャ装着溝24の後端内壁部24bとの間には、クリックプランジャ4の後端部をプランジャ装着溝24内に立てた状態で装着する際に、幅方向両側壁部4sのガイドスリット43,43に関して後方側に位置する部分を受け入れるためのプランジャ装着用隙間24jが形成されている。また、補助軸部25は、プランジャ装着溝24におけるクリックプランジャ4の進退方向にてプランジャ装着用隙間24jを横切る形で、ガイド軸部26とプランジャ装着溝24の後端内壁部24bとを連結する形で形成されている。
【0040】
ノブ本体31の頂面部の裏面には、ノブ装着筒状部21の内側に挿入されるステム部32が、回転軸線O方向にてノブ本体31の後端縁より後方に延出するよう突出形成されている。該ステム部32のノブ本体31の後端縁から延出する部分の外周面には、(ダイアルノブ3をノブ装着筒状部21に装着した状態にて)プランジャ装着溝24に対応する位置に前述のクリック凹凸列35が形成されている。すなわち、ステム部32の当該部分が前述のクリック凹凸形成部を構成してなる。
【0041】
ノブ装着筒状部21は、基面部20の裏面に突出する裏面筒状部21sを有する。該裏面筒状部21sの後端部には、筐体側係合部24が該裏面筒状部21sよりも径小の筒状部として同心的に形成され、ステム部32の後端部に形成された爪状のノブ側係合部34が、ステム部32の回転軸線O周りの回転を許容した形で係合している。そして、裏面筒状部21sのプランジャ装着溝24の前端面をなす部分には、クリックプランジャ4の先端部44を、ステム部32に形成されたクリック凹凸列35に向けて突出させる貫通部23が形成されている。
【0042】
貫通部23(の内周縁部)は先端浮き上がり規制部をなすもので、プランジャ装着溝24内にてコイルばね45の弾性付勢力によりクリック凹凸列35に当接するクリックプランジャ4の先端側が溝開口から浮き上がることを規制する。図から明らかな通り、貫通部23(先端浮き上がり規制部)の形成位置は、プランジャ装着溝24内にてクリックプランジャ4をコイルばね45の弾性付勢力に抗してこれを圧縮しつつ一定長後退させることにより、クリックプランジャ4の先端浮き上がり規制状態が解消可能に定められている。具体的には、プランジャ装着溝24の深さ方向(ダイアルノブ装着孔21hの中心軸線方向)と直交する平面への投影にて、先端浮き上がり規制状態ではクリックプランジャ4の先端部と貫通部23の内周面との間に重なりが生じ、クリックプランジャ4が一定長後退した規制解消状態では該重なりが生じないようになっている。
【0043】
一方、プランジャ装着溝24内のガイド軸部26は、ガイドスリット43,43と係合することで、プランジャ装着溝24内おけるクリックプランジャ4の一定長の進退移動を許容しつつ、該クリックプランジャ4の後端側が溝開口から浮き上がることを規制する後端浮き上がり規制部として機能する。また、プランジャ装着溝24の底面と、クリックプランジャ4の底面とがそれぞれ、互いに凹凸係合を生じない平坦面にて形成されている。
【0044】
なお、ダイアルノブ3のステム部32は中空に形成され、その内部には、図5に示すように、回転検出用のロータ6が嵌着される。図2に示すように、ステム部32の内周面には係合爪33が周方向に複数突出形成され、ステム部32内に押し込まれるロータ6の前端に一体化された係合鍔61がこれに係合することにより、ダイアルノブ3とロータ6とは一体に回転する。筐体2の底部には、ねじ止め等により回転センサ71が実装された基板7が固定されるとともに、回転被検知部が形成されたロータ6の後端部が該回転センサ71内に挿入され、ダイアルノブ3の回転変位が検出されるようになっている。
【0045】
上記ダイアル式操作装置におけるクリックプランジャ4の筐体2への組み付け手順は以下のごとくである。まず、図6の工程1に示すように、コイルばね45を収容したクリックプランジャ4の後端部を、該コイルばね45の後端をばね受け部26により当接支持させつつプランジャ装着溝24内に挿入する。次いで、工程2に示すように、その状態でばね受け部26を回転支点としてクリックプランジャ4をプランジャ装着溝24内に倒しこむ。クリックプランジャ4の進退方向の長さは、コイルばね45が非圧縮の状態では、図4に示すように定められているから、プランジャ装着溝24にクリックプランジャ4が没入する前に、半球状に形成された先端部44がノブ装着筒状部21の側面に先に当たることになる。
【0046】
図6に戻り、この状態から、さらにクリックプランジャ4をプランジャ装着溝24側に強制的に倒しこむと、クリックプランジャ4内のコイルばね45はばね受け部26との間で圧縮されながら、クリックプランジャ4の先端部44がダイアルノブ3の外周面上で摺動する形でプランジャ装着溝24に向けて回転する。コイルばね45は、先端側をクリックプランジャ4の内部先端面に当接させた状態にて、その後端縁がガイド切欠部43,43の底位置よりも後方側に延伸するよう非圧縮状態での長さが調整されている。
【0047】
クリックプランジャ4をプランジャ装着溝24に装着する際には、ガイド切欠部43,43内にガイド軸部26を進入させ、該ガイド切欠部43,43内に延伸するコイルばね45をガイド軸部26により圧縮しつつクリックプランジャ4の後端部をプランジャ装着溝24内に挿入する。そして、ガイド切欠部43,43の内側縁をガイド軸部26上で回転支持する形でクリックプランジャ4をプランジャ装着溝24内に回転装着する。クリックプランジャ4は、圧縮されたコイルばね45の反力によりプランジャ装着溝24から飛び出す向きの力が生じても、ガイド切欠部43,43内にガイド軸部26が嵌まり込んでいることでこれが阻止される。
【0048】
なお、プランジャ装着溝24は、その底部28の後方部分を貫通形態に切り欠くことにより、クリックプランジャ4を回転装着する際の、該クリックプランジャ4の後端部の回転代を確保するための空間28sが確保されている。図6の工程2において破線で示すように、ガイド切欠部43,43内へのガイド軸部26の挿入深さが大きくなると、クリックプランジャ4の、ガイド軸部26よりも後方に位置する部分の回転半径が大きくなり、プランジャ装着溝24の底部との干渉が問題となる。しかし、上記空間28sを確保することで当該干渉を回避できる。
【0049】
そして、工程3に示すように、クリックプランジャ4の先端部44がプランジャ装着溝24に嵌まり込むとともにコイルばね45が弾性復帰し、クリックプランジャ4の先端部44が係合位置、すなわち貫通部23内へ移動して、ノブ装着筒状部21の内側に突出した状態となる。その後、工程4に示すごとく、ダイアルノブ3のステム部32をノブ装着筒状部21の内側に嵌め込めむことで、組み付けは完了する。該組み付け後は、ガイド軸部26がガイド切欠部43,43内を相対移動することで、ダイアルノブ3操作に伴うクリックプランジャ4の進退がガイドされ、プランジャ装着溝24の溝深さ方向のがたつきを防止することができる。
【0050】
以下、本発明の種々の変形例について説明する。
図9〜図12は、ばね受け部の種々の変形例を示すものである。図9に示す例では、補助軸部が省略されガイド軸部26のみの構成となっている。また、クリックプランジャ4には補助スリットが形成されていない。図10に示す例では、ガイド軸部26が溝幅方向の中間で分割され、それぞれ溝内側面から突出する2つのガイド突出部を形成している。
【0051】
図11の構成では、ガイド軸部26がプランジャ装着溝24の両内側面に対し非連結とされ、該ガイド軸部26の溝幅方向両端とプランジャ装着溝24の対応する内側面との間には隙間が形成されており、この隙間にて中空のクリックプランジャ4の壁部が進退可能となっている。換言すれば、ガイド軸部26は補助軸部25とともに、クリックプランジャ4の後端開口部からその内部に挿入される形となっている。また、クリックプランジャ4の壁部にはガイドスリットが形成されていない。
【0052】
また、図12の構成では、プランジャ装着溝24の底面上にばね受け部26”が、プランジャ装着溝24の両側面との間に中空のクリックプランジャ4の壁部を進退させるための隙間を形成しつつ立設されている。ばね受け部26”は溝側係合部(ガイド突出部)を形成するものであり、クリックプランジャ4の後端開口部からその内部に挿入される。また、クリックプランジャ4の底部壁部には、ばね受け部26”の突出基端部を受け入れるためのガイドスリット42’(プランジャ側係合部)が形成されている。
【0053】
また、図7に示すように、プランジャ装着溝24の幅方向における少なくとも一方、ここでは双方の内壁部124t,104tを、クリックプランジャ4の対応する側壁部104t,104tとともに、凹部124の底に向うほど該凹部124を狭幅となすテーパ壁部として形成することができる。テーパ壁部の形成により、クリックプランジャ4の側壁部4sとプランジャ装着溝24の内壁部24s,24sとを摺動形態で嵌め合わせることができ、クリックプランジャ4の幅方向のがたつきをさらに低減することができる。
【0054】
図13に示すように、ダイアルノブ3に先端浮き上がり規制部26Lを形成することも可能である。図13では、先端浮き上がり規制部26Lは、ステム部26の基端部周方向に突出形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の適用対象の一つである車内操作ユニットの一例を示す正面図。
【図2】本発明のダイアル式操作装置の一例を示す平面図及びA−A断面図。
【図3】図2のダイアル式操作装置の要部を示す斜視図。
【図4】同じく側面断面図。
【図5】図2のダイアル式操作装置の分解斜視図。
【図6】図2のダイアル式操作装置の組立工程説明図。
【図7】クリックプランジャの変形例を示す断面図。
【図8】成型用コアとプランジャ装着溝の内側面に形成するテーパとの関係を説明する図。
【図9】ばね受け部の第一変形例を示す説明図。
【図10】ばね受け部の第二変形例を示す説明図。
【図11】ばね受け部の第三変形例を示す説明図。
【図12】ばね受け部の第四変形例を示す説明図。
【図13】先端浮き上がり規制部の変形例を示す図。
【符号の説明】
【0056】
1 ダイアル式操作装置
2 筐体
3 ダイアルノブ
4 クリックプランジャ
20 基面部
21 ノブ装着筒状部
21h ダイアルノブ装着孔
21s 裏面筒状部
23 貫通部(先端浮き上がり規制部)
24 プランジャ装着溝
25 補助軸部
26 ガイド軸部(ばね受け部、ガイド突出部、溝側係合部、後端浮き上がり規制部)
32 ステム部(クリック凹凸形成部)
35 クリック凹凸列
43,43 ガイドスリット(プランジャ側係合部、ガイド軸部係合部)
44 先端部
45 コイルばね(弾性部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂射出成形体として構成された筐体と、
前記筐体の外面に開口形成されたダイアルノブ装着孔に対し、該ダイアルノブ装着孔の周方向に回転可能に取り付けられたダイアルノブと、
前記ダイアルノブと一体回転可能に設けられ、クリック凹凸列が外周面に沿って形成されたクリック凹凸形成部と、
前記筐体表面の前記ダイアルノブ装着孔の周縁領域に開口形成されたプランジャ装着溝内に、先端部が前記クリック凹凸列と係合する形で配置され、前記ダイアルノブの回転操作に伴い前記クリック凹凸列に追従して前記プランジャ装着溝内を進退移動するクリックプランジャと、
前記プランジャ装着溝に前記クリックプランジャとともに装着され、前記クリックプランジャを前記クリック凹凸列に向け弾性付勢する弾性部材とを備え、
前記プランジャ装着溝は溝長が溝深さよりも大きく、かつ、該プランジャ装着溝の成型用コアを溝開口側から抜き取り可能な内面形状を有するとともに、該プランジャ装着溝の溝幅方向における少なくとも一方の内側面が、溝開口側にて溝幅を拡大するテーパ面とされてなることを特徴とするダイアル式操作装置。
【請求項2】
前記プランジャ装着溝内にて、該プランジャ装着溝の前記テーパ面の内側面と対向する前記クリックプランジャの側面が、テーパ付与された前記プランジャ装着溝の内側面よりも切り立った面とされ、該クリックプランジャが前記プランジャ装着溝内に隙間嵌め装着されている請求項1記載のダイアル式操作装置。
【請求項3】
前記プランジャ装着凹部の前記幅方向における少なくとも一方の内壁部が、前記クリックプランジャの対応する前記側壁部とともに、凹部底に向うほど該凹部を狭幅となすテーパ壁部として形成されてなる請求項1記載のダイアル式操作装置。
【請求項4】
前記弾性部材がコイルばねであり、
前記クリックプランジャは後端が開口した中空部材であり、前記プランジャ装着溝内には該後端に対応する位置にばね受け部が形成され、
前記コイルばねは、前端側が前記クリックプランジャ内に収容されるとともに後端が前記ばね受け部と当接し、前記クリックプランジャの内面先端と該ばね受け部との間で圧縮された状態で、該クリックプランジャとともに前記プランジャ装着溝内に装着されてなる請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のダイアル式操作装置。
【請求項5】
前記筐体の壁部には、内周面が前記ダイアルノブ装着孔として使用されるノブ装着筒状部が一体形成され、前記クリック凹凸列が該ノブ装着筒状部の内部に配置されるとともに、
前記ノブ装着筒状部又は前記ダイアルノブには、前記プランジャ装着溝内にて前記コイルばねの弾性付勢力により前記クリック凹凸列に当接する前記クリックプランジャの先端側が前記溝開口から浮き上がることを規制する先端浮き上がり規制部が、前記プランジャ装着溝内にて前記クリックプランジャを前記コイルばねの弾性付勢力に抗してこれを圧縮しつつ一定長後退させることにより当該先端浮き上がり規制状態が解消可能な位置関係にて形成されている請求項4記載のダイアル式操作装置。
【請求項6】
前記ノブ装着筒状部には、前記プランジャ装着溝とノブ装着筒状部の内部とを連通させるとともに、前記クリックプランジャの先端部を、前記クリック凹凸列に向けて突出させる貫通部が形成されてなり、該貫通部の前記溝開口側に位置する内縁部が前記先端浮き上がり規制部とされてなる請求項5記載のダイアル式操作装置。
【請求項7】
前記プランジャ装着溝内には、前記プランジャ装着溝内おける前記クリックプランジャの一定長の進退移動を許容しつつ該クリックプランジャの後端部と係合することにより、該クリックプランジャの後端側が前記溝開口から浮き上がることを規制する後端浮き上がり規制部が形成されてなる請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のダイアル式操作装置。
【請求項8】
前記後端浮き上がり規制部は、前記クリックプランジャの後端部に形成されたプランジャ側係合部に対し該クリックプランジャの後端面側から着脱可能に係合するとともに、当該係合状態にて前記クリックプランジャの前記プランジャ装着溝内での一定長の進退移動を許容しつつ該クリックプランジャの後端部と係合する溝側係合部である請求項7記載のダイアル式操作装置。
【請求項9】
前記溝側係合部は前記プランジャ装着溝の内面から突出するガイド突出部であり、前記プランジャ側係合部は、プランジャ後端面に開放するとともにプランジャ先端側に向けて該プランジャの長手方向途中位置まで切れ込む形で形成され、前記プランジャ後端面側から前記ガイド突出部をプランジャ長手方向に受け入れるガイド切欠部とされてなる請求項8記載のダイアル式操作装置。
【請求項10】
前記弾性部材がコイルばねであり、
前記クリックプランジャは後端が開口するとともに前記コイルばねが前記開口から内部に収容される中空部材であり、
前記ガイド切欠部は該中空部材の壁部に貫通形成されたガイドスリットであり、
前記ガイド突出部は、前記ガイドスリットに対し先端部が前記中空部材の内部に突出するように形成され、該クリックプランジャ内に収容された前記コイルばねの後端と当接することにより前記ばね受け部に兼用されてなる請求項9記載のダイアル式操作装置。
【請求項11】
前記プランジャ装着溝の深さ方向と前記クリックプランジャの進退方向とのいずれとも直交する向きを該プランジャ装着溝の幅方向と定義したとき、前記ガイド突出部は、前記プランジャ装着溝の前記幅方向に配置されるガイド軸部を有し、当該ガイド軸部が前記ガイドスリット内に配置される請求項10記載のダイアル式操作装置。
【請求項12】
前記プランジャ装着溝における前記クリックプランジャの進退方向にて前記プランジャ装着用隙間を横切る形で、前記ガイド軸部と前記プランジャ装着溝の後端内壁部とを連結する補助軸部が設けられてなる請求項11記載のダイアル式操作装置。
【請求項13】
前記プランジャ装着溝の底面と、前記クリックプランジャの底面とがそれぞれ、互いに凹凸係合を生じない平坦面にて形成されている請求項5ないし請求項12のいずれか1項に記載のダイアル式操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−293952(P2008−293952A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−14859(P2008−14859)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】