説明

ダクトファン

【課題】一時的に風量を極力低減したい場合に、モーターの発熱や効率の低下によりモーターの回転数を大きく低減できないため、合計風量を大きく抑えることができない複数の遠心送風機を内蔵したダクトファンにおいて、一部の遠心送風機の風量を低減して合計風量を低く調整できるダクトファンを提供すること。
【解決手段】機体吸込口1と機体吹出口2を対向して設けた箱状の機体3の内部に複数の遠心送風機10−1及び10−2を備え、複数の遠心送風機10−1及び10−2は点検用開口18に向かって前後になるように配置しながら機体吸込口1に向かって前後になるように配置し、全数の遠心送風機10−1及び10−2を標準運転した状態の合計風量に対し、遠心送風機10−1の風量を低減して合計風量を低く調整することにより、一時的に風量を極力低減したい場合に合計風量を大きく抑えることができるダクトファンを提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の天井裏等の空間に設置され、遠心送風機を複数個内蔵して配置し、ダクトを介し室内の空気を換気するダクトファンの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のダクトファンとしては、一時的に風量を極力低減したい場合に、モーターの発熱や効率の低下によりモーターの回転数を大きく低減できないため、合計風量を大きく抑えることができないことから、風量を低減するためのダンパー式風量調節部材をファン本体とは別に備え、風量を絞って低減するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、そのダクトファンについて、図7を参照しながら説明する。
【0004】
図7に示すように、機体吸込口101と機体吹出口102を箱状の機体103の対向する側面に設け、機体103には、機体吸込口101に吸込側ダクト104を接続する吸込アダプター105、および機体吹出口102には、吹出側ダクト106を接続する吹出アダプター107を配している。機体吹出口102と吹出アダプター107の間には、ダンパー式風量調節部材108を配し、ダンパー式風量調節部材108は、スライド板109とガイド部110から構成されている。
【0005】
モーター111を運転するとプーリーベルト112を介し片吸込型遠心送風機113が駆動し、機体103内部の吸込気流114は、スクロールケーシング115を通り、吐出口116から吐出気流117として流出し、吐出気流117はスライド板109に衝突することで風量を減少している。
【特許文献1】特開平11−270885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来のダクトファンでは、風量を調整する際は、スライド板109を直接操作する必要があり、風量低減に作業工数および手間がかかるという課題がある。
【0007】
また、スライド板109への吐出気流117の衝突による送風ロスにより、風量低減量に対し、騒音や消費電力の低下量が比例しないという課題がある。
【0008】
また、風量を低減するためのダンパー式風量調節部材108をファン本体とは別に機体103に備える必要があることから、構造が複雑になるという課題がある。
【0009】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、機体内の全数の遠心送風機を標準運転した状態の合計風量に対し、一部の遠心送風機の風量を低減することで、一時的に風量を極力低減したい場合に合計風量を大きく抑えることができるダクトファンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のダクトファンは、上記目的を達成するために、機体吸込口と機体吹出口を対向して設けた箱状の機体の内部に複数の遠心送風機を備え、前記遠心送風機は吐出口とケーシング吸込口を設けたスクロールケーシングを備え、羽根車を前記ケーシング吸込口近傍に固定したモーターの回転軸により駆動し、前記機体吸込口と前記機体吹出口を有する面以外の前記機体の一面に点検用開口を設け、前記機体内に前記機体吸込口側と前記機体吹出口側とを区画する仕切り板を設け、複数の前記遠心送風機は前記点検用開口に向かって前後になるように配置し、かつ、前記機体吸込口に向かって前後になるように配置し、前記仕切り板に開口部を設けて前記遠心送風機の吐出口を接続したダクトファンにおいて、全数の遠心送風機を標準運転した状態の合計風量に対し、一部の遠心送風機の風量を低減して合計風量を低く調整し、風量を低減する遠心送風機を機体吸込口側になるように配置した構成としたものである。
【0011】
また、他の手段は、風量を低減する遠心送風機は、モーターの運転を低回転とする構成としたものである。
【0012】
また、他の手段は、風量を低減する遠心送風機は、運転を停止し、スクロールケーシング内の逆流を閉塞する逆流防止シャッターを備える構成としたものである。
【0013】
また、他の手段は、逆流防止シャッターを遠心送風機の吐出口に配する構成としたものである。
【0014】
また、他の手段は、風量を低減する遠心送風機は、運転を停止し、スクロールケーシング内の逆流を抑制するオリフィス状の逆流防止ノズルを備える構成としたものである。
【0015】
また、他の手段は、逆流防止ノズルを遠心送風機の吐出口に配する構成としたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、機体吸込口と機体吹出口を対向して設けた箱状の機体の内部に複数の遠心送風機を備え、前記遠心送風機は吐出口とケーシング吸込口を設けたスクロールケーシングを備え、羽根車を前記ケーシング吸込口近傍に固定したモーターの回転軸により駆動し、前記機体吸込口と前記機体吹出口を有する面以外の前記機体の一面に点検用開口を設け、前記機体内に前記機体吸込口側と前記機体吹出口側とを区画する仕切り板を設け、複数の前記遠心送風機は前記点検用開口に向かって前後になるように配置しながら前記機体吸込口に向かって前後になるように配置すると共に、前記仕切り板に開口部を設けて前記遠心送風機の吐出口を接続したダクトファンにおいて、全数の遠心送風機を標準運転した状態の合計風量に対し、一部の遠心送風機の風量を低減して合計風量を低く調整し、風量を低減する遠心送風機を機体吸込口側になるように配置した構成としたことにより、風量を低減でき、騒音、消費電力を抑制でき、さらに前記機体吸込口からの吸込気流が低回転のモーターに当たり冷却でき、さらに前記機体吸込口からの吸込気流が風量を低減する遠心送風機のスクロールケーシングの逆流を抑制できるという効果のあるダクトファンを提供することができる。
【0017】
また、風量を低減する遠心送風機において、モーターの運転を低回転とする構成としたことにより、風量を低減でき、騒音、消費電力を抑制できるという効果のあるダクトファンを提供することができる。
【0018】
また、風量を低減する遠心送風機において、運転を停止し、スクロールケーシング内の逆流を閉塞する逆流防止シャッターを備える構成としたことにより、風量を低減でき、騒音、消費電力を抑制できるという効果のあるダクトファンを提供することができる。
【0019】
また、逆流防止シャッターを遠心送風機の吐出口に配する構成としたことにより、逆流防止シャッターを簡易な構造にできるという効果のあるダクトファンを提供することができる。
【0020】
また、風量を低減する遠心送風機において、運転を停止し、スクロールケーシング内の逆流を抑制するオリフィス状の逆流防止ノズルを備える構成としたことにより、風量を低減でき、騒音、消費電力を抑制できるという効果のあるダクトファンを提供することができる。
【0021】
また、逆流防止ノズルを遠心送風機の吐出口に配する構成としたことにより、逆流防止ノズルを簡易な構造にできるという効果のあるダクトファンを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の請求項1記載のダクトファンは、機体吸込口と機体吹出口を対向して設けた箱状の機体の内部に複数の遠心送風機を備え、前記遠心送風機は吐出口とケーシング吸込口を設けたスクロールケーシングを備え、羽根車を前記ケーシング吸込口近傍に固定したモーターの回転軸により駆動し、前記機体吸込口と前記機体吹出口を有する面以外の前記機体の一面に点検用開口を設け、前記機体内に前記機体吸込口側と前記機体吹出口側とを区画する仕切り板を設け、複数の前記遠心送風機は前記点検用開口に向かって前後になるように配置し、かつ、前記機体吸込口に向かって前後になるように配置し、前記仕切り板に開口部を設けて前記遠心送風機の吐出口を接続したダクトファンにおいて、全数の遠心送風機を標準運転した状態の合計風量に対し、一部の遠心送風機の風量を低減して合計風量を低く調整し、風量を低減する遠心送風機を機体吸込口側になるように配置した構成としたものであり、複数の遠心送風機を前後にずらして配置し、機体の点検用開口側から反点検用開口側までの機体幅寸法を小さくすることで、一部の遠心送風機の風量を低減した際の機体吸込口からの吸込気流の分布の偏りを少なくし乱流を抑えることができ、全数の遠心送風機を標準運転した状態の合計風量に対し、一部の遠心送風機の風量を低減することで、一時的に風量を極力低減したい場合に合計風量を大きく抑えることができるという作用を有する。さらに、前記機体吸込口からの吸込気流が低回転のモーターに当たり冷却でき、モーターが低回転のためモーター近傍のケーシング吸込口の気流低下により冷却が少なく発熱するモーターを、機体吸込口からの吸込気流が低回転のモーターに当たることでモーターを冷却できるという作用を有する。さらに、前記機体吸込口からの吸込気流が風量を低減する遠心送風機のスクロールケーシングの逆流を抑制でき、標準運転する遠心送風機の吐出逆流気流が停止した遠心送風機のスクロールケーシング内を流れることにより発生する機体内の逆流に対し、機体吸込口からの吸込気流が衝突して逆流を抑制し一部の遠心送風機の運転を停止して風量を低減できるという作用を有する。
【0023】
また、風量を低減する遠心送風機は、モーターの運転を低回転とする構成としたものであり、一部のモーターの運転を低回転とすることで、風量を低減できるという作用を有する。
【0024】
また、風量を低減する遠心送風機は、運転を停止し、スクロールケーシング内の逆流を閉塞する逆流防止シャッターを備える構成としたものであり、標準運転する遠心送風機の吐出逆流気流が停止した遠心送風機のスクロールケーシング内を流れることにより発生する機体内の逆流を、逆流防止シャッターにより逆流を閉塞することで、一部の遠心送風機の運転を停止して風量を低減できるという作用を有する。
【0025】
また、逆流防止シャッターを遠心送風機の吐出口に配する構成としたものであり、逆流防止シャッターを遠心送風機の吐出口に配置することで、逆流防止シャッターの寸法を吐出口の寸法に合わせて小さくでき、遠心送風機運転時には吐出逆流気流の風圧により逆流防止シャッターが開放する簡易な逆流防止シャッター構造にできるという作用を有する。
【0026】
また、風量を低減する遠心送風機は、運転を停止し、スクロールケーシング内の逆流を抑制するオリフィス状の逆流防止ノズルを備える構成としたものであり、標準運転する遠心送風機の吐出逆流気流が停止した遠心送風機のスクロールケーシング内を流れることにより発生する機体内の逆流を、逆流防止ノズルにより逆流を抑制することで、一部の遠心送風機の運転を停止して風量を低減できるという作用を有する。
【0027】
また、逆流防止ノズルを遠心送風機の吐出口に配する構成としたものであり、逆流防止ノズルを遠心送風機の吐出口に配置することで、逆流防止ノズルの寸法を吐出口の寸法に合わせて小さくでき、簡易な逆流防止ノズル構造にできるという作用を有する。
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0029】
(実施の形態1)
図1に示すように、機体吸込口1と機体吹出口2を箱状の機体3の対向する側面に設け、機体3には、機体吸込口1に吸込側ダクト4を接続する吸込アダプター5、および機体吹出口2には、吹出側ダクト6を接続する吹出アダプター7を配している。機体3の内部には、機体吸込口1から機体吹出口2に至る吸込気流8が流れる風路9を有し、風路9に遠心送風機10−1、10−2の2個を配している。遠心送風機10−1、10−2には、モーター11−1、11−2に回転軸12を介して固定した羽根車13と、機体吹出口2に対向する吐出口14と、スクロールケーシング15とを有している。スクロールケーシング15の側面には、モーター側にケーシング吸込口16を開口したモーター側オリフィス17を配している。
【0030】
機体吸込口1と機体吹出口2を有する面以外の機体3の一面には、点検用開口18を設け、機体3内には、機体吸込口1側と機体吹出口2側とを区画する仕切り板19を設ける。複数の遠心送風機10−1、10−2は点検用開口18に向かって前後になるように配置すると共に、仕切り板19に開口部20を設けて遠心送風機10−1、10−2の各々の吐出口14を接続する。この複数の遠心送風機10−1、10−2の各々の回転軸12は、点検用開口18に向かうよう配置する。点検用開口18には着脱自在の点検パネル21を固定する。機体3の点検用開口18側の面から対面までの距離を機体幅寸法22とする。
【0031】
遠心送風機10−1、10−2は、全数(遠心送風機10−1、10−2)を標準運転した状態の合計風量に対し、機体吸込口1側となる遠心送風機10−1の風量を低減して合計風量を低く調整し、全体として風量を低減する。風量を低減する遠心送風機10−1は、モーター11−1の回転数を低くすることによって風量を低減するものとする。なお、モーター11−1の運転を低回転とする方法としては、モーター11−1自体に複数の速度調整機能を持たせたり、インバーターにより電源周波数を変更する等の方法が一般的である。
【0032】
図2に示すように、実使用状態では、天井裏24において機体吸込口1に吸込側ダクト4、機体吹出口2に吹出側ダクト6を接続して機体3は施工される。遠心送風機10−1、10−2を運転すると、室内25の空気が吸込側ダクト4、遠心送風機10−1、10−2を介して吹出側ダクト6を通過し、室外26に排気して使用する。天井裏24と室内25は天井材27で仕切られ、天井材27の機体3の下部に天井点検口28を備えている。
【0033】
また、図3に示すように、風量を低減する遠心送風機10−1を機体吸込口1側になるように配置し、機体吸込口1からの吸込気流8が風量を低減する遠心送風機10−1のスクロールケーシング15の逆流29−1を抑制している。
【0034】
上記構成により、機体吸込口1側の遠心送風機10−1の風量を低減し、機体吹出口2側の遠心送風機10−2を標準運転とすると、遠心送風機10−1は機体吸込口1側にあるので、空気を吸い込みやすく、低回転で運転しても風量を確保することができる。逆に、機体吹出口2側の遠心送風機10−2を低回転で運転することにすると、機体吸込口1側の遠心送風機10−1の吸い込む力が強く、機体吸込口1から遠い遠心送風機10−2の風量が確保できず、全体として所望の風量が得られなくなってしまうことになる。また、複数の遠心送風機10−1、10−2を機体吸込口1(機体吹出口2)に対して前後にずらして配置するので、機体3の点検用開口18側の面から対面までの機体幅寸法22を小さくすることになる。機体幅寸法22を小さくすることによっても、遠心送風機10−1の風量を低減した際、機体吸込口1からの吸込気流8の分布の偏りを少なくし乱流を抑えることができる。逆に、機体幅寸法22が大きい場合、吸込気流8は風量が多い側の遠心送風機10−2に偏って流れるため、機体3内部の気流分布が不均一となり乱流が発生しやすくなってしまう。
【0035】
また、モーター11−1の冷却は、ケーシング吸込口気流23がモーター11−1に当たり冷却される以外に、機体吸込口1からの吸込気流8が低回転のモーター11−1に当たり冷却できる。その際、モーター11−1が低回転のためモーター11−1近傍のケーシング吸込口気流23の気流低下により冷却が少なく発熱するモーター11−1を、機体吸込口1からの吸込気流8が低回転のモーター11−1に当たることでモーター11−1を冷却できる。これは、一般的にモーターの回転数を大きく低減した場合に発生する、モーターの効率の低下による発熱にも効果的である。
【0036】
また、標準運転する遠心送風機10−2の吐出逆流気流29−2が停止した遠心送風機10−1のスクロールケーシング15内を流れることにより発生する機体3内の逆流29−1を、機体吸込口1からの吸込気流8が逆流29−1に衝突することで、逆流29−1を抑制し遠心送風機10−1の運転を停止して風量を低減できる。この際、逆流29−1が抑制されることで、乱流による騒音の発生や、消費電力の増大も抑制される。
【0037】
このように本発明の実施の形態1のダクトファンによれば、風量を低減でき、騒音、消費電力を抑制でき、モーターを冷却できることとなる。
【0038】
(実施の形態2)
第2の実施の形態のダクトファンは、図4に示すように、風量を低減する遠心送風機10−1には、モーター11−1の運転を停止したときに、スクロールケーシング15内の逆流29−1を、吐出口14を閉塞して防止する逆流防止シャッター30を備えたものである。逆流防止シャッター30はシャッター回転軸31を中心に自在に回動する構成とする。この逆流防止シャッター30は、遠心送風機10−1の吐出口14に設ける。
【0039】
上記構成により、標準運転する遠心送風機10−2による吐出逆流気流29−2が、停止した遠心送風機10−1のスクロールケーシング15内を流れることにより、機体3内に逆流29−1が発生する。この逆流29−1を逆流防止シャッター30により閉塞することで、遠心送風機10−1の運転を停止して風量を低減する。この際、逆流29−1が閉塞されることで、乱流による騒音の発生や、消費電力の増大が抑制されることになる。
【0040】
また、逆流防止シャッター30を遠心送風機10−1の吐出口14に配置することで、逆流防止シャッター30の寸法を吐出口14の寸法に合わせて小さくできる。また、遠心送風機10−1運転時には吐出逆流気流29−2の風圧により逆流防止シャッター30が開放する簡易な構造にできる。
【0041】
このように本発明の実施の形態2のダクトファンによれば、風量を低減でき、騒音、消費電力を抑制でき、逆流防止シャッターを簡易な構造にできることとなる。
【0042】
(実施の形態3)
第3の実施の形態のダクトファンは、図5に示すように、風量を低減する遠心送風機10−1には、モーター11−1の運転を停止したときに、スクロールケーシング15内の逆流29−1を抑制するオリフィス状の逆流防止ノズル32を備える構成とする。この逆流防止ノズル32は、遠心送風機10−1の吐出口14に設ける。
【0043】
上記構成により、標準運転する遠心送風機10−2による吐出逆流気流29−2が、停止した遠心送風機10−1のスクロールケーシング15内を流れることにより、機体3内に逆流29−1が発生する。この逆流29−1を、逆流防止ノズル32により抑制することで、遠心送風機10−1の運転を停止して風量を低減する。この際、逆流29−1が抑制されることで、乱流による騒音の発生や、消費電力の増大が抑制されることになる。
【0044】
また、逆流防止ノズル32を遠心送風機10−1の吐出口14に配置することで、逆流防止ノズル32の寸法を吐出口14の寸法に合わせて小さくでき、簡易な逆流防止ノズル構造にできる。
【0045】
このように本発明の実施の形態3のダクトファンによれば、風量を低減でき、騒音、消費電力を抑制でき、逆流防止ノズルを簡易な構造にできることとなる。
【0046】
(実施の形態4)
第4の実施の形態のダクトファンは、図6に示すように、機体吸込口1と機体吹出口2を箱状の機体3の対向する側面に設け、機体3には、機体吸込口1に吸込側ダクト4を接続する吸込アダプター5、および機体吹出口2には、吹出側ダクト6を接続する吹出アダプター7を配している。機体3の内部には、機体吸込口1から機体吹出口2に至る吸込気流8が流れる風路9を有し、風路9に遠心送風機10−1、10−2及び10−3の3個を配している。遠心送風機10−1、10−2及び10−3には、モーター11−1、11−2及び11−3に回転軸12を介して固定した羽根車13と、機体吹出口2に対向する吐出口14と、スクロールケーシング15とを有している。スクロールケーシング15の側面には、モーター側ケーシング吸込口16を開口したモーター側オリフィス17を配している。
【0047】
機体吸込口1と機体吹出口2を有する面以外の機体3の一面には、点検用開口18を設け、機体3内には、機体吸込口1側と機体吹出口2側とを区画する仕切り板19を設ける。3個の遠心送風機10−1、10−2及び10−3は点検用開口18に向かって前後になるように配置すると共に、仕切り板19に開口部20を設けて遠心送風機10−1、10−2及び10−3の各々の吐出口14を接続する。この3個の遠心送風機10−1、10−2及び10−3の各々の回転軸12は、点検用開口18に向かうよう配置し、点検用開口18には着脱自在の点検パネル21を固定する。機体3の点検用開口18側の面から対面までの距離を機体幅寸法22とする。
【0048】
全数の遠心送風機10−1、10−2及び10−3を標準運転した状態の合計風量に対し、2個の遠心送風機10−1、10−2の風量を低減して合計風量を低く調整する構成とする。
【0049】
上記構成により、複数の遠心送風機10−1、10−2及び10−3を機体吸込口1(機体吹出口2)に対して前後にずらして配置し、機体3の点検用開口18側から反点検用開口側までの機体幅寸法22を小さくすることで、遠心送風機10−1、10−2の風量を低減した際の機体吸込口1からの吸込気流8の分布の偏りを少なくし乱流を抑えることができ、全数の遠心送風機10−1、10−2及び10−3を標準運転した状態の合計風量に対し、遠心送風機10−1、10−2の風量を低減することで、一時的に風量を極力低減したい場合に合計風量を大きく抑えることができる。なお、機体幅寸法22が大きい場合、吸込気流8は風量が多い側の遠心送風機10−3に偏って流れるため、機体3内部の気流分布が不均一となり乱流が発生しやすくなる。
【0050】
このように本発明の実施の形態4のダクトファンによれば、風量を低減でき、騒音、消費電力を抑制できることとなる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
換気送風機器、空気調和機、除湿機、加湿器、空気清浄機などの空気搬送目的以外に、機体吹出口からの送風を用いて設備機器の冷却ができ、風量を必要に応じ低減することができる設備機器の送風の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態1のダクトファンの平面構成図
【図2】同ダクトファンの設置状態を示す側面構成図
【図3】同ダクトファンの逆流を示す平面構成図
【図4】本発明の実施の形態2のダクトファンの平面構成図
【図5】本発明の実施の形態3のダクトファンの平面構成図
【図6】本発明の実施の形態4のダクトファンの平面構成図
【図7】従来のダクトファンの平面構成図
【符号の説明】
【0053】
1 機体吸込口
2 機体吹出口
3 機体
8 吸込気流
10−1 遠心送風機
10−2 遠心送風機
10−3 遠心送風機
11−1 モーター
11−2 モーター
11−3 モーター
12 回転軸
13 羽根車
14 吐出口
15 スクロールケーシング
16 ケーシング吸込口
18 点検用開口
19 仕切り板
20 開口部
30 逆流防止シャッター
32 逆流防止ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体吸込口と機体吹出口を対向して設けた箱状の機体の内部に複数の遠心送風機を備え、前記遠心送風機は吐出口とケーシング吸込口を設けたスクロールケーシングを備え、羽根車を前記ケーシング吸込口近傍に固定したモーターの回転軸により駆動し、前記機体吸込口と前記機体吹出口を有する面以外の前記機体の一面に点検用開口を設け、前記機体内に前記機体吸込口側と前記機体吹出口側とを区画する仕切り板を設け、複数の前記遠心送風機は前記点検用開口に向かって前後になるように配置し、かつ、前記機体吸込口に向かって前後になるように配置し、前記仕切り板に開口部を設けて前記遠心送風機の吐出口を接続したダクトファンにおいて、全数の遠心送風機を標準運転した状態の合計風量に対し、一部の遠心送風機の風量を低減して合計風量を低く調整し、風量を低減する遠心送風機を機体吸込口側になるように配置した構成としたことを特徴とするダクトファン。
【請求項2】
風量を低減する遠心送風機は、モーターの運転を低回転とする構成としたことを特徴とする請求項1記載のダクトファン。
【請求項3】
風量を低減する遠心送風機は、運転を停止し、スクロールケーシング内の逆流を閉塞する逆流防止シャッターを備える構成としたことを特徴とする請求項1記載のダクトファン。
【請求項4】
前記逆流防止シャッターを遠心送風機の吐出口に配する構成としたことを特徴とする請求項3記載のダクトファン。
【請求項5】
風量を低減する遠心送風機は、運転を停止し、スクロールケーシング内の逆流を抑制するオリフィス状の逆流防止ノズルを備える構成としたことを特徴とする請求項1記載のダクトファン。
【請求項6】
前記逆流防止ノズルを遠心送風機の吐出口に配する構成としたことを特徴とする請求項5記載のダクトファン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−117062(P2010−117062A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−289551(P2008−289551)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】