説明

ダンパ装置及びこれを備えた画像形成装置

【課題】大型化せずとも高低様々な周波数の振動を減衰させ得るダンパ装置を提供する。
【解決手段】本願発明のダンパ装置は、駆動源40から動力伝達系41を経由した動力にて回転駆動する回転体3に対して、動力伝達に伴い伝達される振動を減衰させるものであり、前記動力伝達系41と前記回転体3との間に配置されたダンパケース50を備える。前記ダンパケース50の内部には、前記ダンパケース50をその回転方向と逆方向に付勢する渦巻きばね61を、その巻き締め及び巻き戻し動作に対して抵抗を付与する粘性流体62と共に収容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、像担持体等の回転体に伝達される振動を減衰させるダンパ装置、及び、これを備えた画像形成装置に関するものである。画像形成装置には、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの機能を複合的に備えた複合機といった各種のものが含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子写真方式を採用した画像形成装置では、回転駆動する感光体ドラムの表面に形成された静電潜像を現像器にてトナー像として顕像化し、当該トナー像を静電的に記録材に転写して画像を得ている。この種の画像形成装置の一例として特許文献1には、駆動モータの動力にて回転駆動する感光体ドラムと、駆動モータから感光体ドラムに動力伝達するギヤ列とを備え、ギヤ列中のギヤ間に、感光体ドラムへの振動伝播を抑制する防振ゴムを介在させることが開示されている。この構成によると、各ギヤ間の噛み合い誤差等に起因した周期的な振動を減衰して、感光体ドラムの回転速度ムラの発生を抑制できるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−174932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のように、感光体ドラムへの振動減衰のために防振ゴムを採用した場合、例えば噛み合い誤差に起因する低周波振動は比較的よく減衰できるものの、駆動源の回転速度ムラに起因する高周波振動を減衰させ難い傾向にあり、感光体ドラムの回転速度ムラを十分に抑えるまでには至っていないと解される。すなわち、感光体ドラムへの振動減衰効果が十分ではないと考えられる。また、特許文献1の構成では、十分な振動減衰効果を得るのに、防振ゴムの体積をできるだけ大きくする必要がある。そうすると、防振ゴム自体が大きなスペースを占めることになるから、感光体ドラムや防振ゴムを収容するのに十分な配置スペースを画像形成装置内に設けなければならず、画像形成装置の大型化を招来するという懸念もある。
【0005】
本願発明は、このような現状を改善することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、駆動源から動力伝達系を経由した動力にて回転駆動する回転体に対して、動力伝達に伴い伝達される振動を減衰させるダンパ装置であって、前記動力伝達系と前記回転体との間に配置されたダンパケースを備えており、前記ダンパケースの内部に、前記ダンパケースをその回転方向と逆方向に付勢する渦巻きばねが、その巻き締め及び巻き戻し動作に対して抵抗を付与する粘性流体と共に収容されているというものである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載したダンパ装置において、前記ダンパケースから分岐した動力が伝達される下流動力伝達系を備えているというものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載したダンパ装置を備えている画像形成装置であって、前記回転体がトナー像を担持する像担持体であるというものである。
【発明の効果】
【0009】
本願の請求項に記載された発明によると、前記動力伝達系を経由した動力にて前記回転体が回転駆動するにおいて、前記駆動源の回転速度ムラや噛み合い誤差等に起因した高低様々な周波数の振動が発生した場合、前記ダンパケースは、前記渦巻きばねの弾性復原力を利用して、前記動力伝達系からの回転動力及び前記振動との間でバランスを取りながら回転駆動する。その上、前記渦巻きばねの巻き取り及び巻き戻し動作自体も、前記粘性流体の粘性抵抗を受けて緩慢に行われる。従って、前記駆動源等で急激な負荷変動が発生したとしても、当該負荷変動による振動が直接的に前記回転体に伝達されることはなく、前記ダンパケース内の前記渦巻きばね及び前記粘性流体にて減衰される。すなわち、前記渦巻きばね及び前記粘性流体の組合せによって、前記回転体への動力伝達と振動伝播の抑制との両方を効率よく達成できる。
【0010】
また、前記渦巻きばねと前記粘性流体との両方を前記ダンパケース内に収容するから、従来の防振ゴムのように振動減衰効果向上のために、前記ダンパケースを大型化する必要がなく、前記ダンパケース自体の省スペース化・コンパクト化が可能になる。また、前記ダンパケースの周辺構造(例えば前記回転体や前記動力伝達系)のコンパクト化も図れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】プリンタの概略説明図である。
【図2】作像部の動力伝達系統を示す概略斜視図である。
【図3】ダンパケースの内部構造を示す概略断面図である。
【図4】ダンパケース内の渦巻きばね及び粘性流体の作用を説明する図であり、(a)は回転停止状態、(b)は駆動状態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願発明を画像形成装置の一例であるタンデム方式のカラーデジタルプリンタ(以下、プリンタと称する)に適用した実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば「左右」「上下」等)を用いる場合は、図1において紙面に直交した方向を正面視とし、これを基準にしている。これらの用語は説明の便宜のために用いたものであり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
(1).プリンタの概要
まず、図1を参照しながら、プリンタ1の概要について説明する。プリンタ1は、画像形成部10、給送部20及び定着部30等を備えている。これら各部10,20,30は、プリンタ1の筺体9内に配置されている。図示は省略するが、プリンタ1は例えばLAN等のネットワークに接続されていて、外部端末(図示省略)等からの印刷指令を受け付けると、当該印刷指令に基づいて印刷ジョブを実行するように構成されている。
【0014】
画像形成部10は、像担持体の一例である感光体ドラム3上に形成されたトナー像を記録材Pに転写する役割を担うものであり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色に対応する計4つの作像部2及び中間転写ベルト11等を備えている。4つの作像部2は、中間転写ベルト11の下方において、図1の左からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に、中間転写ベルト11に沿って並べて配置されている。各作像部2は図1の時計方向に回転駆動する感光体ドラム3を有している。感光体ドラム3の周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電部4、露光部5、現像部6、一次転写ローラ7及び感光体クリーナ8が配置されている。なお、図1では説明の便宜上、再現色に応じた符号Y,M,C,Kを各作像部2に添えている。また、イエロー用の作像部2Y以外の作像部2M−2Kでは、感光体ドラム3といった各構成要素の符号3−8を省略している。
【0015】
中間転写ベルト11も像担持体の一例であり、駆動ローラ12、従動ローラ13及びテンションローラ14に巻き掛けられている。中間転写ベルト11は図1の反時計方向に回転駆動する。中間転写ベルト11のうち駆動ローラ12に巻き掛けられた部分の外側に、給送部20の構成要素である二次転写ローラ25が配置されている。中間転写ベルト11と二次転写ローラ25との当接部分は二次転写位置15である。中間転写ベルト11のうち従動ローラ13に巻き掛けられた部分の外側には、中間転写ベルト11上の未転写トナーを除去する転写ベルトクリーナ16が配置されている。
【0016】
給送部20は、記録材Pを収容する給紙カセット21、給紙カセット21内の記録材Pを搬送路R0に向けて1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ22、繰り出された記録材Pを1枚ずつに分離する分離ローラ対23、1枚に分離された記録材Pを二次転写位置15に送り出すタイミングをとるレジストローラ対24及び二次転写ローラ25等を備えている。給紙カセット21内の記録材Pは、繰り出しローラ22及び分離ローラ対23の回転にて、最上層のものから1枚ずつ搬送路R0に送り出される。
【0017】
定着部30は、ハロゲンランプ等の定着ヒータ33を内蔵した定着ローラ31と、定着ローラ31に対峙する加圧ローラ32とを備えている。定着ローラ31と加圧ローラ32との当接部分が定着位置である。制御部(図示省略)にて定着ヒータ33への通電が制御され、定着ヒータ33が定着に必要な温度に維持される。定着部30の搬送下流側には、印刷済の記録材Pを排出するための排出ローラ対36が配置されている。プリンタ1の上部には、排出ローラ対36に対する排紙トレイ37が設けられている。搬送路R0の終端側は排出ローラ対36に向けて延びている。印刷済の記録材Pは、排出ローラ対36の回転駆動にて排紙トレイ37上に排出される。
【0018】
記録材Pの印刷動作は以下のように行われる。すなわち、作像部2Y−2K毎に、感光体クリーナ8にて清掃後の感光体ドラム3を帯電部4にて一様に帯電させ、露光部5からの露光にて感光体ドラム3の表面に静電潜像を形成する。静電潜像は、現像部6からのトナーにて反転現像され、各色トナー像として顕像化される。各色トナー像は、一次転写ローラ7にて、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で、感光体ドラム3から中間転写ベルト11上に一次転写されて重ねられる。
【0019】
一方、中間転写ベルト11の回転駆動にて二次転写位置15に向かう各色トナー像の移動タイミングに合わせて、記録材Pがレジストローラ対24の回転駆動にて二次転写位置15に搬送される。記録材Pが二次転写位置15を通過する際に、重なった4色のトナー像が記録材Pの片面に一括して二次転写される。二次転写後の中間転写ベルト11上は転写ベルトクリーナ16にて清掃される。二次転写位置15を通り過ぎて片面に未定着トナー像を載せた記録材Pは、定着部30を通過する際に加熱・加圧され、未定着トナー像を定着される。定着後(印刷済)の記録材Pは、排出ローラ対36の回転駆動にて排紙トレイ37上に排出される。
【0020】
例えば各作像部2の現像部6、中間転写ベルト11及び転写ベルトクリーナ16等は、画像形成動作の繰り返しによって消耗する消耗部品に相当するものである。これら各消耗部品は筐体9に交換可能(着脱可能)に装着されている。例えば各作像部2(感光体ドラム3、帯電部4、露光部5、現像部6及び感光体クリーナ8)は、ハウジング35内に収容してカートリッジ化(一体構造化)されていて、いわゆるプロセスカートリッジとして筐体9に交換可能に装着されている。
【0021】
(2).作像部の動力伝達構造
次に、図2−図4を参照しながら、作像部2の動力伝達構造について説明する。プリンタ1の筐体9内には、動力を発生する駆動源としての駆動モータ40が配置されている。実施形態では、駆動モータ40の動力が回転体である感光体ドラム3と下流回転体である現像部6との2方向に分岐して伝達される(図2及び図3参照)。
【0022】
駆動モータ40の動力は一旦、動力伝達系としての入力ギヤ列41に伝達される。入力ギヤ列41は、駆動モータ40からの動力を受け取る入力ギヤ42と、入力ギヤ42に噛み合う感光体駆動ギヤ43とを備えている。感光体駆動ギヤ43は、感光体ドラム3から外向きに突出した回転軸3aの突端側に固着されている。
【0023】
回転軸3aのうち感光体駆動ギヤ43と感光体ドラム3との間には、振動減衰用のダンパケース50が動力伝達可能に被嵌されている。実施形態では、感光体ドラム3と一体回転するように、感光体ドラム3の長手方向一端側にダンパケース50が連結されている。ダンパケース50の外周側に形成された外歯には、下流動力伝達系としての出力ギヤ45を噛み合わせている。出力ギヤ45には、現像部6を駆動させる現像部駆動ギヤ48を噛み合わせている。駆動モータ40の動力の一部は、入力ギヤ列41とダンパケース50とを介して、感光体ドラム3に伝達される。残りの動力は、ダンパケース50から分岐して、出力ギヤ45及び現像部6(現像部駆動ギヤ48)に伝達される。
【0024】
図3に示すように、ダンパケース50は上流ケース51と下流ケース52とを嵌め合わせてなる中空密閉状のものである。ダンパケース50は全体として円盤形状に形成されている。出力ギヤ45に噛み合う外歯は上流ケース51の外周側に形成されている。実施形態では、上流ケース51の内面側(下流ケース52に対峙する側)に凹部を凹み形成することによって、中空部53を形成している。ダンパケース50は互いの嵌合方向に貫通する回転軸3aに回転可能に軸支されている。回転軸3aはダンパケース50の回転中心部を貫通していて、中空部53ではその中心を貫いている。
【0025】
上流及び下流ケース51,52はそれぞれ、軸受54を介して回転軸3aに回転可能に軸支されている。下流ケース52の外面側(感光体ドラム3に対峙する側)には、外向きに突出した円筒突起部52aが形成されている。ここで、感光体ドラム3は一端開口の円筒状に形成されている。下流ケース52の円筒突起部52aは、例えば圧入等によって外れ難い状態で、感光体ドラム3の一端開口部に嵌合している。このため、ダンパケース50と感光体ドラム3とは一体回転する。
【0026】
ダンパケース50内の中空部53には、当該ダンパケース50をその回転方向と逆方向に付勢する渦巻きばね61が、その巻き締め及び巻き戻しに対して抵抗を付与する粘性流体62と共に収容されている。渦巻きばね61は、金属製等の板ばね材をダンパケース50の回転方向と逆向きの渦巻き状に巻き回して形成されている。渦巻きばね61の一端側は、回転軸3aのうち中空部53内の部分に固定されたステータ55に引っ掛けて固定され、他端側は中空部53の内周面(実施形態では上流ケース51の凹部内周面)に形成された係止部56に引っ掛けて固定されている。
【0027】
図4(a)に示すように、渦巻きばね61は、回転軸3aが回転停止している状態で、回転軸3aを中心とする半径方向外側に偏って広がっている(緩んでいる)。入力ギヤ列41からの動力にて回転軸3aが回転すると、渦巻きばね61は、回転軸3a(ステータ55)に向けて半径方向内側に偏って巻き取られていく。そして、ステータ55回りに巻き取られた渦巻きばね61の戻しばね力(弾性復原力)を利用して、回転軸3aの回転動力との間でバランスを取りながら、ダンパケース50が回転駆動する(図4(b)参照)。
【0028】
粘性流体62は、ダンパケース50が回転軸3aに連動して回転する際に、渦巻きばね61の巻き締め及び巻き戻し動作(半径方向の動作)に粘性抵抗を付与して、回転軸3aと渦巻きばね61との間、ひいては回転軸3aとダンパケース50との間に、粘性抵抗に起因した若干の相対回転(ダンパケース50の回転遅れ)を生じさせるものである。この場合の粘性抵抗は、粘性流体62のせん断抵抗や撹拌抵抗に起因して得られる。従って、渦巻きばね61の半径方向の動作は、常に粘性流体62の粘性抵抗を受けて緩慢なものとなる。粘性流体62の種類は特に限定されないが、例えばシリコーンオイル等の高粘性流体やグリースが用いられる。なお、上流及び下流ケース61,62における回転軸3aの貫通部分には、中空部53内の粘性流体62の漏れを防止するオイルシール57が設けられている。
【0029】
以上の構成において、駆動モータ40から入力ギヤ列41を経て回転軸3aに伝達された回転動力は、ダンパケース50によって、感光体ドラム3と現像部6との2方向に分岐して伝達される。ここで、駆動モータ40の回転速度ムラ、現像部6の負荷変動又は噛み合い誤差等に起因した高低様々な周波数の振動が発生した場合、ダンパケース50は、ステータ55回りに巻き取られた渦巻きばね61の戻しばね力(弾性復原力)を利用して、回転軸3aの回転動力及び前記振動との間でバランスを取りながら回転駆動する。その上、戻しばね力を発揮する渦巻きばね61の半径方向の動作自体(巻き取り及び巻き戻し動作自体)も、粘性流体62の粘性抵抗を受けて緩慢に行われる。従って、駆動モータ40や現像部6等で急激な負荷変動が発生したとしても、当該負荷変動による振動が直接的に感光体ドラム3に伝達されることはなく、ダンパケース50内の渦巻きばね61及び粘性流体62にて減衰される。
【0030】
すなわち、渦巻きばね61及び粘性流体62の組合せによって、感光体ドラム3への動力伝達と振動伝播の抑制との両方を効率よく達成できる。その結果、感光体ドラム3における回転速度ムラの発生が大幅に抑制されて画像ブレ(バンディング)を防止でき、高品質な画像の提供が可能になる。
【0031】
特に実施形態では、渦巻きばね61が板ばね製であって、その広幅な面が回転軸3aを中心とする半径方向に対して直交する関係にあるから、渦巻きばね61が巻き取り・巻き戻し動作をする際に、その広幅な面が粘性流体62の粘性抵抗を受けることになる。つまり、渦巻きばね61において粘性抵抗を受ける面が大きく取られているのである。このため、渦巻きばね61の巻き取り・巻き戻しの緩慢動作をより効果的に実行でき、渦巻きばね61及び粘性流体62による振動減衰効果を確実に発揮できる。
【0032】
また、渦巻きばね61と粘性流体62との両方をダンパケース50の中空部53内に収容しているから、従来の防振ゴムのように振動減衰効果向上のために、ダンパケース50を大型化する必要がなく、ダンパケース50自体の省スペース化・コンパクト化が可能になる。ダンパケース50の周辺構造(例えば感光体ドラム3や動力伝達系41,45)、ひいては作像部2のコンパクト化も図れる。特に、作像部2はいわゆるプロセスカートリッジとして筐体9に交換可能に装着される構造であるから、動力伝達系41,45の簡素化及び小型軽量化も併せて達成できる。
【0033】
(3).その他
本願発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば、画像形成装置としてプリンタを例に説明したが、これに限らず、複写機、ファクシミリ又はこれらの機能を複合的に備えた複合機等でもよい。実施形態では、回転体が感光体ドラム3、下流回転体は現像部6であったが、当該関係を、中間転写ベルト11の駆動ローラ12と定着部30とに置き換えることも可能である。この場合、回転体が駆動ローラ12に相当し、下流回転体が定着部30に相当することになる。かかる構成を採用した場合も、渦巻きばね61及び粘性流体62の組合せによって、感光体ドラム3への動力伝達と振動伝播の抑制との両方を効率よく達成でき、高品質な画像の提供が可能になる。その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 プリンタ(画像形成装置)
2Y−2K 作像部
3 感光体ドラム(回転体)
3a 回転軸
6 現像部(下流回転体)
11 中間転写ベルト
12 駆動ローラ(回転体)
30 定着部(下流回転体)
40 駆動モータ(駆動源)
41 入力ギヤ列(動力伝達系)
43 感光体駆動ギヤ
45 出力ギヤ(第2動力伝達系)
48 現像部駆動ギヤ
50 ダンパケース
51 上流ケース
52 下流ケース
53 中空部
61 渦巻きばね
62 粘性流体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源から動力伝達系を経由した動力にて回転駆動する回転体に対して、動力伝達に伴い伝達される振動を減衰させるダンパ装置であって、
前記動力伝達系と前記回転体との間に配置されたダンパケースを備えており、
前記ダンパケースの内部に、前記ダンパケースをその回転方向と逆方向に付勢する渦巻きばねが、その巻き締め及び巻き戻し動作に対して抵抗を付与する粘性流体と共に収容されている、
ダンパ装置。
【請求項2】
前記ダンパケースから分岐した動力が伝達される下流動力伝達系を備えている、
請求項1に記載したダンパ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載したダンパ装置を備えている画像形成装置であって、
前記回転体がトナー像を担持する像担持体である、
画像形成装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−219848(P2012−219848A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83499(P2011−83499)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】